JP2023142132A - レーダ装置の軸ずれのばらつき異常判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸ずれ角度が変動することに起因して軸ずれ角度がばらつく異常が生じた場合に、その異常を判定することができる軸ずれのばらつき異常判定装置を提供する。【解決手段】車両から離れる方向へレーダ波を放射し、反射波を検出することにより物標を検出するレーダ装置について、基準方向とレーダ波の中心軸とがなす角度を軸ずれ角度αhとして推定し、軸ずれのばらつき異常を判定する制御装置を含むレーダ装置の軸ずれのばらつき異常判定装置であって、制御装置は、予め設定された時間毎に、軸ずれ角度αhを推定し(S30)、複数の軸ずれ角度の標準偏差σhを演算し(S50)、標準偏差が予め設定された基準値σhcを越えている旨の判定が連続して予め設定された基準回数Chc以上行われたときに(S60~S90)、軸ずれのばらつき異常が生じていると判定する(S100)。【選択図】図2
Description
本発明は、自動車などの車両に搭載されるレーダ装置の軸ずれのばらつき異常判定装置に係る。
自動車などの車両に搭載されるレーダ装置は、車両の前方のような所定の方向へレーダ波を放射し、立体物によって反射された反射波を受信する。放射されたレーダ波と反射波との位相差、反射波の減衰レベル及びレーダ波が放射されてから反射波が受信されるまでの時間などに基づいて、車両と立体物との距離、車両に対する立体物の相対位置(方向)などを表す情報が取得される。車両と立体物との距離などの正確な情報を取得し、取得される情報に基づいて実行される車間距離制御のような車両制御を適正に実行するためには、レーダ波の中心軸が正確に所定の方向と整合し、中心軸が所定の方向からずれていないこと、即ち軸ずれがないことが必要である。
レーダ装置の軸ずれを推定する装置の一つとして、例えば下記の特許文献1に記載された軸ずれ推定装置のように、静止物によりレーダ波が反射された反射点である静止反射点の情報に基づいて軸ずれを推定することが知られている。特に、下記の特許文献1に記載された軸ずれ推定装置においては、推定された軸ずれ角度の信頼度が算出され、軸ずれ角度に基づいてレーダ装置の軸ずれを補正するに当り、信頼度に基づいて軸ずれの補正の是非が判定される。
この種の軸ずれ推定装置よれば、レーダ装置の軸ずれ角度を推定することができ、また軸ずれ角度の信頼度が高いときには、推定された軸ずれ角度に基づいてレーダ装置の軸ずれを補正することができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
車両の出荷時及びメンテナンス時における車体に対するレーダ装置の取り付けが適正に行われていなかったり、市場においてレーダ装置が脱着されたりすることにより、取り付用のビスなどの緩みが生じることがある。その結果、車両の走行に伴う振動などに起因して、レーダ装置が車体に対し繰り返し変動することがある。このような状況になると、軸ずれ角度が変動するため、特許文献1に記載された軸ずれ推定装置のような軸ずれ推定装置によっても軸ずれ角度を推定することができず、軸ずれ角度のばらつきの度合も推定することができない。
車両の出荷時及びメンテナンス時における車体に対するレーダ装置の取り付けが適正に行われていなかったり、市場においてレーダ装置が脱着されたりすることにより、取り付用のビスなどの緩みが生じることがある。その結果、車両の走行に伴う振動などに起因して、レーダ装置が車体に対し繰り返し変動することがある。このような状況になると、軸ずれ角度が変動するため、特許文献1に記載された軸ずれ推定装置のような軸ずれ推定装置によっても軸ずれ角度を推定することができず、軸ずれ角度のばらつきの度合も推定することができない。
本発明の主要な課題は、軸ずれ角度が変動することに起因して軸ずれ角度がばらつく異常が生じた場合には、その異常を判定することができる軸ずれのばらつき異常判定装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段及び発明の効果〕
本発明によれば、車両(102)から離れる方向へレーダ波(ミリ波108)を放射し、反射波を検出することにより物標を検出するレーダ装置(14A)について、基準方向(102A)とレーダ波の中心軸(106)とがなす角度を軸ずれ角度(αh)として推定し、推定された軸ずれ角度に基づいて軸ずれのばらつき異常を判定する制御装置(運転支援ECU10)を含むレーダ装置の軸ずれのばらつき異常判定装置(100)が提供される。
本発明によれば、車両(102)から離れる方向へレーダ波(ミリ波108)を放射し、反射波を検出することにより物標を検出するレーダ装置(14A)について、基準方向(102A)とレーダ波の中心軸(106)とがなす角度を軸ずれ角度(αh)として推定し、推定された軸ずれ角度に基づいて軸ずれのばらつき異常を判定する制御装置(運転支援ECU10)を含むレーダ装置の軸ずれのばらつき異常判定装置(100)が提供される。
制御装置(運転支援ECU10)は、予め設定された時間毎に、軸ずれ角度を推定し(S30)、推定された複数の軸ずれ角度の標準偏差(σh)を演算し(S50)、演算された標準偏差が予め設定された基準値(σhc)を越えている旨の判定が連続して予め設定された基準回数以上行われたときに(S60~S90)、軸ずれのばらつき異常が生じていると判定する(S100)よう構成される。
上述のように、車体に対しレーダ装置を取り付けるビスなどの緩みが生じると、車両の走行に伴う振動などに起因して、レーダ装置が車体に対し繰り返し変動するため、推定される軸ずれ角度が変動する。その結果、軸ずれ角度の標準偏差が大きくなるので、軸ずれ角度の標準偏差を基準値と比較することにより、軸ずれのばらつき異常が生じているか否かを判定することができる。
レーダ装置が車体に対し繰り返し変動し、推定される軸ずれ角度が変動する場合には、標準偏差が予め設定された基準値を越える状況が継続する。上記構成によれば、軸ずれ角度の標準偏差が演算され、標準偏差が予め設定された基準値を越えている旨の判定が連続して予め設定された基準回数以上行われたときに、軸ずれのばらつき異常が生じていると判定される。よって、軸ずれのばらつき異常が生じたときには、その異常を判定することができる。
上記説明においては、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態に対応する発明の構成に対し、その実施形態で用いられる名称及び/又は符号が括弧書きで添えられている。しかし、本発明の各構成要素は、括弧書きで添えられた名称及び/又は符号に対応する実施形態の構成要素に限定されるものではない。本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
[実施形態]
以下に添付の図を参照しつつ、本発明の実施形態にかかる軸ずれのばらつき異常判定装置について詳細に説明する。
<構成>
以下に添付の図を参照しつつ、本発明の実施形態にかかる軸ずれのばらつき異常判定装置について詳細に説明する。
<構成>
図1に示されているように、本発明の実施形態にかかる軸ずれのばらつき異常判定装置100は、車両102に適用され、運転支援ECU10を含んでいる。車両102は、駆動ECU20、制動ECU30、電動パワーステアリングECU40及びメータECU50を備えている。ECUは、マイクロコンピュータを主要部として備える電子制御装置(Electronic Control Unit)を意味する。なお、以下の説明においては、車両102は、他車両と区別するために、必要に応じて自車両102と呼称され、電動パワーステアリングECUはEPS・ECUと呼称される。
各ECUのマイクロコンピュータは、CPU、ROM、RAM、読み書き可能な不揮発性メモリ(NvM)及びインターフェース(I/F)などを含んでいる。CPUは、ROMに格納されたインストラクション(プログラム、ルーチン)を実行することにより各種機能を実現する。更に、これらのECUは、CAN(Controller Area Network)104を介してデータ交換可能(通信可能)に互いに接続されている。従って、特定のECUに接続されたセンサ(スイッチを含む)の検出値などは、他のECUにも送信されるようになっている。
運転支援ECU10は、追従車間距離制御、車線維持制御などの運転支援制御を行う中枢の制御装置である。実施形態においては、運転支援ECU10は、後に詳細に説明するように、レーダ装置の軸ずれのばらつき異常判定制御を実行する制御装置として機能する。
運転支援ECU10には、カメラセンサ12及びレーダセンサ14が接続されている。カメラセンサ12及びレーダセンサ14は、車両102の周囲の物標などの情報を検出する周囲情報検出装置として機能する。
カメラセンサ12のカメラ装置は、図には示されていないが、車両102の前方を撮影するカメラ部と、カメラ部によって撮影して得られた画像データを解析して道路の白線、他車両などの物標を認識する認識部とを備えている。認識部は、認識した物標に関する情報を所定時間の経過毎に運転支援ECU10に供給する。なお、カメラセンサ12に代えて、LiDAR(Light Detection And Ranging)が使用されてもよい。
レーダセンサ14は、レーダ送受信部及び信号処理部(図示せず)を備えたレーダ装置14Aを含んでいる。レーダ送受信部は、ミリ波帯の電波(以下、「ミリ波」と称呼する)を車両102の前方へ放射し、放射範囲内に存在する立体物(例えば、他車両、自転車、ガードレールなど)によって反射されたミリ波(即ち、反射波)を受信する。信号処理部は、送信したミリ波と受信した反射波との位相差、反射波の減衰レベル及びミリ波を送信してから反射波を受信するまでの時間などに基づいて、自車両と立体物との距離、自車両と立体物との相対速度、自車両に対する立体物の相対位置(方向)などを表す情報を所定時間の経過毎に取得して運転支援ECU10に供給する。
実施形態においては、図3に示されているように、レーダ装置14Aは、車両102の前端の中央部に設置されており、レーダ送受信部は中心軸106に沿って前方へミリ波108を放射する。ミリ波108の放射範囲は、中心軸に対し左右の両側のφh/2(φhは正の定数)の角度範囲で、全体でφhの角度範囲である。レーダ装置14Aの取り付け状態が正常であるときには、中心軸106は、車両102の上方から見て基準方向である車両の長手方向中心線102Aに整合し、車両102の直進前進方向と整合する。
なお、図には示されていないが、ミリ波108の放射範囲は、車両102の横方向から見て、中心軸106に対し上下の両側のφv/2(φvは正の定数)の角度範囲で、全体でφvの角度範囲である。レーダ装置14Aの取り付け状態が正常であるときには、中心軸106は、車両の長手方向中心線102Aに整合し、実質的に水平に延在する。中心軸106に垂直な断面におけるミリ波の放射範囲は、円形又は楕円形である。
駆動ECU20には、図1には示されていない駆動輪に駆動力を付与することにより車両102を加速させる駆動装置22が接続されている。駆動ECU20は、通常時には、駆動装置22により発生される駆動力が運転者による駆動操作に応じて変化するよう、駆動装置を制御し、運転支援ECU10から指令信号を受信すると、指令信号に基づいて駆動装置22を制御する。
なお、駆動装置22は、内燃機関及び自動変速機の組合せに限定されない。即ち、駆動装置22は、内燃機関及び無段変速機の組合せ、内燃機関及びモータの組合せである所謂ハイブリッドシステム、所謂プラグインハイブリッドシステム、燃料電池及びモータの組合せ、モータのように、当技術分野において公知の任意の駆動装置であってよい。
制動ECU30には、図1には示されていない車輪に制動力を付与することにより車両102を制動により減速させる制動装置32が接続されている。制動ECU30は、通常時には、制動装置32により発生される制動力が運転者による制動操作に応じて変化するよう、制動装置を制御し、運転支援ECU10から指令信号を受信すると、指令信号に基づいて制動装置32を制御することにより自動制動を行う。なお、車輪に制動力が付与されているときには、図1には示されていないブレーキランプが点灯される。
EPS・ECU40には、EPS装置42が接続されている。EPS・ECU40は、後述の運転操作センサ60及び車両状態センサ70により検出された操舵トルクTs及び車速Vに基づいて、当技術分野において公知の要領にてEPS装置42を制御することにより、操舵アシストトルクを制御し、運転者の操舵負担を軽減する。また、EPS・ECU40は、EPS装置42を制御することにより、必要に応じて転舵輪を転舵することができる。よって、EPS・ECU40及びEPS装置42は、必要に応じて転舵輪を自動的に転舵する転舵装置として機能する。
メータECU50には、運転支援ECU10による制御の状況、レーダ装置14Aの軸ずれのばらつき異常判定の結果などを表示する表示器52が接続されている。表示器52は、例えばヘッドアップディスプレイ或いはメータ類及び各種の情報が表示されるマルチインフォーメーションディスプレイであってよく、ナビゲーション装置のディスプレイであってもよい。
運転操作センサ60及び車両状態センサ70は、CAN104に接続されている。運転操作センサ60及び車両状態センサ70によって検出された情報(センサ情報と呼ぶ)は、CAN104に送信される。CAN104に送信されたセンサ情報は、各ECUにおいて適宜に利用可能である。なお、センサ情報は、特定のECUに接続されたセンサの情報であって、その特定のECUからCAN104に送信されてもよい。
運転操作センサ60は、アクセルペダルの操作量を検出する駆動操作量センサ、マスタシリンダ圧力又はブレーキペダルに対する踏力を検出する制動操作量センサ、ブレーキペダルの操作の有無を検出するブレーキスイッチを含んでいる。更に、運転操作センサ60は、操舵角θを検出する操舵角センサ、操舵トルクTsを検出する操舵トルクセンサなどを含んでいる。
車両状態センサ70は、車両102の車速Vを検出する車速センサ、車両の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサ、車両の横方向の加速度を検出する横加速度センサ、及び車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサなどを含んでいる。
実施形態においては、運転支援ECU10のROMは、図2に示されたフローチャートに対応するレーダ装置14Aの軸ずれのばらつき異常判定制御のプログラムを記憶しており、CPUは、該プログラムに従って軸ずれのばらつき異常判定制御を実行する。
<実施形態における軸ずれのばらつき異常判定制御ルーチン>
<実施形態における軸ずれのばらつき異常判定制御ルーチン>
次に、図2に示されたフローチャートを参照して実施形態における軸ずれのばらつき異常判定制御ルーチンについて説明する。図2に示されたフローチャートによる軸ずれのばらつき異常判定制御は、図1には示されていないイグニッションスイッチがオンであるときに運転支援ECU10のCPUにより実行される。なお、以下の説明においては、軸ずれのばらつき異常判定制御を単に「本制御」と指称する。また、制御の開始時に、後述のカウンタのカウント値Chが0に初期化される。
まず、ステップS10においては、CPUは、車両102が走行しているか否かを判定する。CPUは、否定判定をしたときには、本制御を一旦終了し、肯定判定をしたときには、本制御をステップS20へ進める。なお、車両状態センサ70の車速センサにより検出される車速Vが基準値(正の定数)以上であるときに、車両が走行していると判定されてよい。
ステップS20においては、CPUは、レーダ装置14Aの水平方向の軸ずれ角度αhの推定が可能な条件が成立しているか否かを判定する。CPUは、否定判定をしたときには、本制御を一旦終了し、肯定判定をしたときには、本制御をステップS30へ進める。
この場合、車両102に過大な横力や前後力が作用せず、横力や前後力の変化が過大でないときに、軸ずれ角度αhの推定が可能な条件が成立していると判定されてよい。操舵角及びその微分値の絶対値がそれぞれ基準値以下であるか否か、又は車両のヨーレートの絶対値及びその微分値が基準値以下であるか否かにより行われてよい。また、実質的に定速状態にあるか否かは、車速の微分値の絶対値が基準値以下であるか否か、又は車両の前後加速度の絶対値及びその微分値が基準値以下であるか否かにより行われてよい。
ステップS30においては、CPUは、図4に示されているように、車両102の前方(x軸方向)とミリ波108の中心軸106とがなす角度(y軸方向への傾斜角)をレーダ装置14Aの水平方向の軸ずれ角度αhとして推定する。軸ずれ角度αhは、車両102の右側への傾斜角であるときに正の値であり、車両102の左側への傾斜角であるときに負の値であるとする。なお、軸ずれ角度αhの推定は、例えば前述の特許文献1における軸ずれ角度αv及びαhの推定要領と同様の公知の要領にて行われてよい。
ステップS40においては、CPUは、推定された軸ずれ角度αhの数NhがNc(正の一定の整数)以上であるか否かを判定する。CPUは、否定判定をしたときには、本制御を一旦終了し、肯定判定をしたときには、本制御をステップS50へ進める。
ステップS50においては、CPUは、下記の式(1)に従って、Nhの軸ずれ角度αhについて標準偏差σhを演算する。下記の式(1)において、αhi(i=1~Nh)は各軸ずれ角度αhの値(瞬時値)であり、αhaはNhの軸ずれ角度αhの平均値である。
ステップS60においては、CPUは、σhcを予め設定された基準値(正の定数)として、標準偏差σhが基準値σhcよりも大きいか否かを判定する。CPUは、肯定判定をしたときには、ステップS70においてカウンタのカウント値Chを1カウントアップし、その後本制御をステップS90へ進める。これに対し、CPUは、否定判定をしたときには、ステップS80においてカウンタのカウント値Chを0にリセットし、その後本制御を一旦終了する。
ステップS90においては、CPUは、カウンタのカウント値Chが予め設定された基準値Chc(正の一定の整数)以上であるか否かを判定する。CPUは、否定判定をしたときには、本制御を一旦終了し、肯定判定をしたときには、本制御をステップS100へ進める。
ステップS100においては、CPUは、レーダ装置14Aに水平方向の軸ずれのばらつき異常が発生していると判定すると共に、メータECU50へ指令信号を出力することにより、レーダ装置14Aに水平方向の軸ずれのばらつき異常が発生している旨の警報を表示器52に表示する。なお、表示器52に警報が表示されると共に、図1には示されていないスピーカから軸ずれのばらつき異常が発生している旨の聴覚の警報が出力されてもよい。
以上の説明から解るように、車両102が走行しており(S10)、レーダ装置14Aの水平方向の軸ずれ角度αhの推定が可能な条件が成立しているときには(S20)、レーダ装置14Aの水平方向の軸ずれ角度αhが推定される(S30)。推定された軸ずれ角度αhの数NhがNhc以上になると(S40)、Nhの軸ずれ角度αhについて標準偏差σhが演算される(S50)。
標準偏差σhが基準値σhcよりも小さいと判定されたとき、又は標準偏差σhが基準値σhcよりも大きいとの判定が継続して行われる回数Chが予め設定された基準値Chc未満であるときには(S60~S90)、レーダ装置14Aに水平方向の軸ずれのばらつき異常が発生していると判定されない。
これに対し、標準偏差σhが基準値σhcよりも大きいとの判定が継続して行われる回数Chが予め設定された基準値Chc以上であるときには(S60~S90)、レーダ装置14Aに水平方向の軸ずれのばらつき異常が発生していると判定されると共に、該異常が発生している旨の警報が表示器52に表示される(S100)。
<軸ずれ角度αhの推定結果の例>
<軸ずれ角度αhの推定結果の例>
次に、図5及び図6を参照して、軸ずれ角度αhの推定結果の例について説明する。図5及び図6は、それぞれレーダ装置14Aの水平方向の軸ずれのばらつき異常がない場合及びばらつき異常がある場合について、軸ずれ角度αhの推定結果の例を示すグラフである。図5及び図6において、横軸は推定された軸ずれ角度αhの瞬時値であり、縦軸は頻度である。なお、このことは、後述の図7及び図8においても、同様である。
図5の例においては、軸ずれ角度αhの瞬時値のばらつきが小さく、標準偏差σhは基準値σhcよりも小さい。よって、ステップステップS60において否定判定が行われるので、軸ずれのばらつき異常が発生していると判定されない。
これに対し、図6の例においては、軸ずれ角度αhの瞬時値のばらつきが大きく、標準偏差σhは基準値σhcよりも大きい。よって、ステップS60において肯定判定が行われ、この肯定判定が連続してChc回以上行われると、ステップS90において肯定判定が行われる。よって、ステップS100において、軸ずれのばらつき異常が発生していると判定され、軸ずれのばらつき異常が発生している旨の警報が表示器52に表示される。
なお、図5及び図6に示された何れの例においても、軸ずれ角度αhの瞬時値の中央値αhm及び平均値αhaは、0に近い値である。従って、レーダ装置14Aのミリ波108の中心軸106は、実質的に車両102の長手方向中心線102Aに整合している、即ち定常的な軸ずれは生じていないと考えられる。しかし、図6に示された例においては、車体に対しレーダ装置14Aを取り付けるビスなどのゆるみが生じ、車両の振動などに伴って中心軸106が手方向中心線102Aに対し左右の方向へ変動していると考えられる。
図7及び図8は、定常的な軸ずれが生じている場合であって、それぞれ図5及び図6と同様に、レーダ装置14Aの水平方向の軸ずれのばらつき異常がない場合及びばらつき異常がある場合について、軸ずれ角度αhの推定結果の例を示すグラフである。
それぞれ図7及び図8と図5及び図6との比較から解るように、図7及び図8においては、軸ずれ角度αhの瞬時値の中央値αhm及び平均値αhaは、0から離れている。従って、レーダ装置14Aのミリ波108の中心軸106は、車両102の長手方向中心線102Aに整合しておらず、定常的な軸ずれΔαhが生じていると考えられる。
よって、図5に示された例においては、定常的な軸ずれ異常及び軸ずれのばらつき異常が生じておらず、図6に示された例においては、定常的な軸ずれ異常は生じていないが、軸ずれのばらつき異常が生じていると考えられる。図7に示された例においては、定常的な軸ずれ異常が生じているが、軸ずれのばらつき異常は生じておらず、図8に示された例においては、定常的な軸ずれ異常及び軸ずれのばらつき異常の両方が生じていると考えられる。
以上の説明から解るように、実施形態によれば、レーダ装置14Aに水平方向の定常的な軸ずれ異常が発生しているか否かだけでなく、水平方向の軸ずれのばらつき異常が発生しているか否かを判定することができる。また、水平方向の軸ずれのばらつき異常が発生しているときには、その旨を表示器52に表示することにより、車両102の乗員に通知することができる。
[第一の変形例]
図9は、第一の変形例における軸ずれのばらつき異常判定制御ルーチンを示すフローチャートである。
図9は、第一の変形例における軸ずれのばらつき異常判定制御ルーチンを示すフローチャートである。
第一の変形例においては、車両102の前方(水平方向)とミリ波108の中心軸106とがなす角度(上下方向への傾斜角)が、レーダ装置14Aの垂直方向の軸ずれ角度αvとして推定され、垂直方向の軸ずれのばらつき異常が判定される。
図9と図2との比較から解るように、ステップS110乃至S200はそれぞれ実施形態のステップS10乃至S100に対応しており、ステップS110及びS120はそれぞれ実施形態のステップS10及びS20と同様に実行される。ステップS130においては、レーダ装置14Aの垂直方向の軸ずれ角度αvが推定され、ステップS140においては、推定された軸ずれ角度αvの数NvがNc以上であるか否かが判定される。
ステップS150においては、下記の式(2)に従って、Nvの軸ずれ角度αvについて標準偏差σvが演算される。下記の式(2)において、αvi(i=1~Nh)は各軸ずれ角度αvの値(瞬時値)であり、αvaはNvの軸ずれ角度αvの平均値である。
ステップS160乃至S190においては、標準偏差σvが基準値σvc(正の定数)よりも大きいとの判定が継続して行われる回数Cvが予め設定された基準値Cvc(正の一定の整数)以上であるか否かが判定される。更に、ステップS190において、肯定判定が行われたときには、ステップS200において、レーダ装置14Aに垂直方向の軸ずれのばらつき異常が発生していると判定されると共に、該異常が発生している旨の警報が表示器52に表示される。
よって、第一の変形例によれば、レーダ装置14Aに垂直方向の軸ずれの異常が発生しているか否かだけでなく、垂直方向の軸ずれのばらつき異常が発生しているか否かを判定することができる。また、垂直方向の軸ずれのばらつき異常が発生しているときには、その旨を表示器52に表示することにより、車両の乗員に通知することができる。
[第二の変形例]
図10は、第二の変形例における軸ずれのばらつき異常判定制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。なお、図10には示されていないステップS10及びS20は、実施形態のそれぞれステップS10及びS20と同様に実行される。
図10は、第二の変形例における軸ずれのばらつき異常判定制御ルーチンの要部を示すフローチャートである。なお、図10には示されていないステップS10及びS20は、実施形態のそれぞれステップS10及びS20と同様に実行される。
第二の変形例においては、レーダ装置14Aの水平方向の軸ずれ角度αh及び垂直方向の軸ずれ角度αvが推定され、水平方向及び垂直方向の軸ずれのばらつき異常が判定される。
図10と図2及び図9との比較から解るように、ステップS30においては、レーダ装置14Aの水平方向の軸ずれ角度αh及び垂直方向の軸ずれ角度αvが推定され、ステップS40においては、推定された軸ずれ角度αh及びαvの組合せの数NがNc以上であるか否かが判定される。
ステップS45においては、軸ずれ角度αh及びαvの二乗和平方根が、レーダ装置14Aの水平方向及び垂直方向の軸ずれ角度αとして演算され、ステップS50においては、下記の式(3)に従って、Nvの軸ずれ角度αについて標準偏差σが演算される。下記の式(3)において、αi(i=1~Nh)は各軸ずれ角度αの値(瞬時値)であり、αaはNの軸ずれ角度αの平均値である。
ステップS60乃至S90においては、標準偏差σが基準値σc(正の定数)よりも大きいとの判定が継続して行われる回数Cが予め設定された基準値Cc(正の一定の整数)以上であるか否かが判定される。更に、ステップS90において、肯定判定が行われたときには、ステップS100において、レーダ装置14Aに水平方向及び垂直方向の軸ずれのばらつき異常が発生していると判定されると共に、該異常が発生している旨の警報が表示器52に表示される。
よって、第二の変形例によれば、レーダ装置14Aに水平方向又は垂直方向の軸ずれの異常が発生しているか否かだけでなく、水平方向及び垂直方向(斜め方向)の軸ずれのばらつき異常が発生しているか否かを判定することができる。よって、水平方向又は垂直方向の軸ずれのばらつきが大きくなくても、斜め方向の軸ずれのばらつきが大きい場合には、その異常を判定することができる。また、斜め方向の軸ずれのばらつき異常が発生しているときには、その旨を表示器52に表示することにより、車両の乗員に通知することができる。
以上においては本発明を特定の実施形態及び二つの変形例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態及び二つの変形例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば、上述の実施形態及び第一、第二の変形例においては、レーダ装置14Aは、車両102の前方へミリ波を放射し、基準方向は車両の長手方向中心線102Aの方向である。しかし、本発明の軸ずれのばらつき異常判定装置は、車両の後方のように前方以外の方向へミリ波を放射するレーダ装置に適用されてもよい。
また、上述の実施形態及び第一、第二の変形例においては、レーダ装置14Aは、レーダ波としてミリ波を放射するようになっている。しかし、本発明の軸ずれのばらつき異常判定装置は、レーダ波としてレーザ光を放射するレーダ装置又はレーダ波として音波を放射するレーダ装置に適用されてもよい。
また、上述の実施形態及び第一、第二の変形例においては、軸ずれのばらつき異常が発生しているか否かが判定され、軸ずれのばらつき異常が発生しているときには、その旨が表示器52に表示される。しかし、軸ずれのばらつき異常の判定に加えて、軸ずれ角度αhの瞬時値の中央値αhm又は平均値αhaに基づいて、軸ずれの定常的な異常が発生しているか否かが判定され、該異常が発生しているときには、その旨が表示器52に表示されてもよい。
10…運転支援ECU、12…カメラセンサ、14…レーダセンサ、20…駆動ECU、22…駆動装置、30…制動ECU、32…制動装置、40…EPS・ECU、42…EPS装置、50…メータECU、60……運転操作センサ、70…車両状態センサ、100…軸ずれのばらつき異常判定装置、102…車両
Claims (1)
- 車両から離れる方向へレーダ波を放射し、反射波を検出することにより物標を検出するレーダ装置について、基準方向とレーダ波の中心軸とがなす角度を軸ずれ角度として推定し、推定された軸ずれ角度に基づいて軸ずれのばらつき異常を判定する制御装置を含むレーダ装置の軸ずれのばらつき異常判定装置において、
前記制御装置は、予め設定された時間毎に、軸ずれ角度を推定し、推定された複数の軸ずれ角度の標準偏差を演算し、演算された標準偏差が予め設定された基準値を越えている旨の判定が連続して予め設定された基準回数以上行われたときに、軸ずれのばらつき異常が生じていると判定するよう構成された、レーダ装置の軸ずれのばらつき異常判定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022048846A JP2023142132A (ja) | 2022-03-24 | 2022-03-24 | レーダ装置の軸ずれのばらつき異常判定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2023142132A true JP2023142132A (ja) | 2023-10-05 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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2022
- 2022-03-24 JP JP2022048846A patent/JP2023142132A/ja active Pending
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