JP2023142011A - 車両制御装置、車両制御方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両が走行する道路が対面通行区間であっても、より正確に車両の走行車線を特定すること。【解決手段】実施形態の車両制御装置は、認識部により認識された周辺状況に基づいて車両の操舵または速度のうち一方または双方を制御する運転制御部と、車両の周辺の車線情報を含む地図情報と、車両の位置を特定するための参照情報とを取得する取得部と、参照情報に基づいて地図情報から取得した車両が走行する道路の情報と、認識部により認識された車両の周辺の一以上の車線のそれぞれを区画する道路区画線の種別とに基づいて、車両の走行車線を特定する特定部とを備え、特定部は、前記道路の情報と前記道路区画線の種別との少なくとも一方に基づいて前記道路が対面通行区間であると判定される場合に、前記認識部により認識された前記車両の周辺の認識結果のうち、少なくとも前記対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定する。【選択図】図2
Description
本発明は、車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムに関する。
近年、車両の周辺状況を認識して車両の走行を自動的に制御する自動運転に関する研究が進められている。これに関連して、路面の表示線の状態を認識して走行環境に関する情報を検出したり、記憶部に予め記憶している線種別から現在の走行車線を区分する区分線を推定して制御内容を決定したり、カメラの認識結果と地図情報とを用いて車両の位置を決定する技術が存在する(例えば、特許文献1~4参照)。
しかしながら、従来技術では、カメラで撮像された画像からでは車両が走行する道路が対面通行であるか否かの認識ができない場合があった。そのため、画像から区画線が認識できた場合でも、車両の走行車線を特定できなかったり、誤って特定する場合があった。
本発明の態様は、このような事情を考慮してなされたものであり、車両が走行する道路が対面通行区間であっても、より正確に車両の走行車線を特定することができる車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
この発明に係る車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る車両制御装置は、車両の周辺状況を認識する認識部と、前記認識部により認識された周辺状況に基づいて前記車両の操舵または速度のうち一方または双方を制御する運転制御部と、前記車両の周辺の車線情報を含む地図情報と、前記車両の位置を特定するための参照情報とを取得する取得部と、前記参照情報に基づいて前記地図情報から取得した前記車両が走行する道路の情報と、前記認識部により認識された前記車両の周辺の一以上の車線のそれぞれを区画する道路区画線の種別とに基づいて、前記車両の走行車線を特定する特定部と、を備え、前記特定部は、前記道路の情報と前記道路区画線の種別との少なくとも一方に基づいて前記道路が対面通行区間であると判定される場合に、前記認識部により認識された前記車両の周辺の認識結果のうち、少なくとも前記対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定する、車両制御装置である。
(1):この発明の一態様に係る車両制御装置は、車両の周辺状況を認識する認識部と、前記認識部により認識された周辺状況に基づいて前記車両の操舵または速度のうち一方または双方を制御する運転制御部と、前記車両の周辺の車線情報を含む地図情報と、前記車両の位置を特定するための参照情報とを取得する取得部と、前記参照情報に基づいて前記地図情報から取得した前記車両が走行する道路の情報と、前記認識部により認識された前記車両の周辺の一以上の車線のそれぞれを区画する道路区画線の種別とに基づいて、前記車両の走行車線を特定する特定部と、を備え、前記特定部は、前記道路の情報と前記道路区画線の種別との少なくとも一方に基づいて前記道路が対面通行区間であると判定される場合に、前記認識部により認識された前記車両の周辺の認識結果のうち、少なくとも前記対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定する、車両制御装置である。
(2):上記(1)の態様において、前記特定部は、前記地図情報に基づいて、前記道路が対面通行区間であり、且つ複数の並走車線を有することを取得した場合に、前記認識部により認識された前記車両の周辺の認識結果のうち、前記対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定するものである。
(3):上記(1)の態様において、前記特定部は、前記道路が片側1車線の対面通行区間である場合に、前記車両の左右の道路区画線の種別が、実線、破線、特殊線、または路肩である場合に、前記車両の走行車線が片側1車線であると特定するものである。
(4):上記(1)~(3)のうち何れか一つの態様において、前記特定部は、前記道路が片側2車線の対面通行区間であり、前記車両の左側の道路区画線が破線または特殊線である場合であって、且つ、前記車両から見て前記左側の道路区画線よりも奥側にある区画線が実線である場合に、前記車両が前記片側2車線の右端車線を走行していると特定するものである。
(5):上記(1)~(4)のうち何れか一つの態様において、前記特定部は、前記道路が片側3車線以上の対面通行区間であり、且つ、前記車両の右側の道路区画線が黄色車線および前記車両の左側の道路区画線が破線または特殊線である場合に、前記車両の走行車線が前記片側3車線以上の車線の右端車線であると特定するものである。
(6):上記(1)~(5)のうち何れか一つの態様において、前記運転制御部は、少なくとも第1運転モードと、前記第1運転モードよりも前記車両の乗員に課されるタスクが重度な第2運転モードとを含む複数の運転モードの何れかを実行して車両を走行させ、前記特定部により前記車両の走行車線が特定される場合には前記第1運転モードを実行させ、前記特定部により前記車両の走行車線が特定されない場合には前記第2運転モードを実行させるものである。
(7):上記(1)~(5)のうち何れか一つの態様において、前記運転制御部は、前記車両の乗員に課されるタスクが異なる複数の運転モードのうち何れかの運転モードを実行して車両を走行させ、前記特定部により前記車両の走行車線が特定されない場合には、実行中の運転モードを継続して前記車両を走行させるものである。
(8):この発明の一態様に係る車両制御方法は、コンピュータが、車両の周辺状況を認識し、認識した前記周辺状況に基づいて前記車両の操舵または速度のうち一方または双方を制御する運転制御を実行し、前記車両の周辺の車線情報を含む地図情報と、前記車両の位置を特定するための参照情報とを取得し、前記参照情報に基づいて前記地図情報から取得した前記車両が走行する道路の情報と、認識した前記車両の周辺の一以上の車線のそれぞれを区画する道路区画線の種別とに基づいて、前記車両の走行車線を特定し、前記道路の情報と前記道路区画線の種別との少なくとも一方に基づいて前記道路が対面通行区間であると判定される場合に、認識した前記車両の周辺の認識結果のうち、少なくとも前記対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定する車両制御方法である。
(9):この発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、車両の周辺状況を認識させ、認識された前記周辺状況に基づいて前記車両の操舵または速度のうち一方または双方を制御する運転制御を実行させ、前記車両の周辺の車線情報を含む地図情報と、前記車両の位置を特定するための参照情報とを取得させ、前記参照情報に基づいて前記地図情報から取得した前記車両が走行する道路の情報と、認識された前記車両の周辺の一以上の車線のそれぞれを区画する道路区画線の種別とに基づいて、前記車両の走行車線を特定させ、前記道路の情報と前記道路区画線の種別との少なくとも一方に基づいて前記道路が対面通行区間であると判定される場合に、認識された前記車両の周辺の認識結果のうち、少なくとも前記対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定させる、プログラムである。
上記(1)~(9)の態様によれば、車両が走行する道路が対面通行区間であっても、より正確に車両の走行車線を特定することができる。
以下、図面を参照し、本発明の車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。なお、以下では、左側通行の法規が適用される場合について説明するが、右側通行の法規が適用される場合、左右を逆に読み替えればよい。
[全体構成]
図1は、実施形態に係る車両制御装置を利用した車両システム1の構成図である。車両システム1が搭載される車両(以下、車両M)は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。また、以下では、一例として、車両制御装置が自動運転車両に適用された実施形態について説明する。自動運転とは、例えば、自動的に車両Mの操舵または速度のうち、一方または双方を制御して運転制御を実行することである。車両Mの運転制御には、例えば、ACC(Adaptive Cruise Control)や、ALC(Auto Lane Changing)、LKAS(Lane Keeping Assistance System)といった種々の運転支援が含まれてよい。自動運転車両は、乗員(運転者)の手動運転によって一部または全部の運転が制御されることがあってもよい。
図1は、実施形態に係る車両制御装置を利用した車両システム1の構成図である。車両システム1が搭載される車両(以下、車両M)は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。また、以下では、一例として、車両制御装置が自動運転車両に適用された実施形態について説明する。自動運転とは、例えば、自動的に車両Mの操舵または速度のうち、一方または双方を制御して運転制御を実行することである。車両Mの運転制御には、例えば、ACC(Adaptive Cruise Control)や、ALC(Auto Lane Changing)、LKAS(Lane Keeping Assistance System)といった種々の運転支援が含まれてよい。自動運転車両は、乗員(運転者)の手動運転によって一部または全部の運転が制御されることがあってもよい。
車両システム1は、例えば、カメラ(撮像部の一例)10と、レーダ装置12と、LIDAR(Light Detection and Ranging)14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、車両センサ40と、ナビゲーション装置50と、MPU(Map Positioning Unit)60と、ドライバモニタカメラ70と、運転操作子80と、自動運転制御装置100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とを備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14を組み合わせたものが「外界センサES」の一例である。外界センサESには、車両の周辺状況を認識する他の検出部(例えば、ソナー)が含まれていてもよく、物体認識装置16が含まれていてもよい。HMI30は、「出力装置」の一例である。自動運転制御装置100は「車両制御装置」の一例である。
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両Mの任意の箇所に取り付けられる。例えば、車両Mの前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。また、車両Mの後方を撮像する場合、カメラ10は、リアウインドシールド上部やバックドア等に取り付けられる。また、車両Mの側方および後側方を撮像する場合、カメラ10は、ドアミラー等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。また、カメラ10は、複数のカメラ(例えば、第1カメラ、第2カメラ)が設けられていてもよく、複数のカメラで同一方向を撮像してもよく、通常時には第1カメラで撮像し、所定条件を満たす場合に第2カメラ、または第1カメラと第2カメラの両方で撮像するようにしてもよい。所定条件とは、例えば、カメラにより撮像される画像(以下、カメラ画像と称する)から車両Mが走行する道路に含まれる車線(レーン)等を区画する道路区画線(以下、区画線と称する)を認識する場合である。区画線には、例えば、車線を区画する区画線以外の線分情報が含まれてよい。
レーダ装置12は、車両Mの周辺にミリ波等の電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、車両Mの任意の箇所に取り付けられる。レーダ装置12は、FM-CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
LIDAR14は、車両Mの周辺に光(或いは光に近い波長の電磁波)を照射し、散乱光を測定する。LIDAR14は、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザー光である。LIDAR14は、車両Mの任意の箇所に取り付けられる。
物体認識装置16は、外界センサESに含まれるカメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度等を認識する。物体認識装置16は、認識結果を自動運転制御装置100に出力する。物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14の検出結果をそのまま自動運転制御装置100に出力してよい。車両システム1から物体認識装置16が省略されてもよい。
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi-Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等を利用して、車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して各種サーバ装置と通信する。
HMI30は、HMI制御部170の制御により車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、例えば、各種表示装置、スピーカ、スイッチ、マイク、ブザー、タッチパネル、キー等を含む。各種表示装置は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)表示装置等である。表示装置は、例えば、インストルメントパネルにおける運転席(ステアリングホイールに最も近い座席)の正面付近に設けられ、乗員がステアリングホイールの間隙から、或いはステアリングホイール越しに視認可能な位置に設置される。また、表示装置は、インストルメントパネルの中央に設置されてもよい。また、表示装置は、HUD(Head Up Display)であってもよい。HUDは、運転席前方のフロントウインドシールドの一部に画像を投影することで、運転席に着座した乗員の眼に虚像を視認させる。表示装置は、後述するHMI制御部170によって生成される画像を表示する。また、HMI30には、自動運転と乗員による手動運転とを相互に切り替える運転切替スイッチ等が含まれてもよい。スイッチには、例えば、ウインカスイッチ(方向指示器)32が含まれる。ウインカスイッチ32は、例えば、ステアリングコラム、またはステアリングホイールに設けられる。ウインカスイッチ32は、例えば、乗員による車両Mの車線変更の指示を受け付ける操作部の一例である。
車両センサ40は、車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。また、車両センサ40には、車両Mの操舵角(操舵輪の角度でもよいし、ステアリングホイールの操作角度でもよい)を検出する操舵角センサが含まれてよい。また、車両センサ40には、車両Mの位置を取得する位置センサが含まれてよい。位置センサは、例えば、GPS(Global Positioning System)装置から位置情報(経度・緯度情報)を取得するセンサである。また、位置センサは、ナビゲーション装置50のGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機51を用いて位置情報を取得するセンサであってもよい。
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS受信機51と、ナビHMI52と、経路決定部53とを備える。ナビゲーション装置50は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置に第1地図情報54を保持している。GNSS受信機51は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、車両Mの位置を特定する。車両Mの位置は、車両センサ40の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キー等を含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。経路決定部53は、例えば、GNSS受信機51により特定された車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、ナビHMI52を用いて乗員により入力された目的地までの経路(以下、地図上経路)を、第1地図情報54を参照して決定する。
第1地図情報54は、例えば、道路単位に車線に関する情報が付加された情報(以下、車線情報)が含まれる。車線情報には、例えば、道路区間の開始と終了を示すノードと、ノード間の道路形状が表現されたリンクとが含まれる。また、車線情報には、道路単位等の所定区間における車線数(並走車線数)や増減数、車線増減方向(道路の進行方向に対して左右どちら側の車線が増減するかを示す情報)が含まれてよい。また、車線情報には、例えば、区画線の種別(例えば、実線、破線、路肩区画線)や色に関する情報が含まれてよい。また、第1地図情報54は、道路が対面通行区間であるか否かを示す情報が含まれてもよい。対面通行区間とは、例えば、往復方向に通行が行われる道路において、往復の方向別の車線の区画が中央分離帯ではなく、区画線や、区画線に類似する線の描画または物体(例えば、ポールや道路鋲)等の設置によって区画され、道路の構造上、往復の方向別に明確に分離されていない道路区間である。また、第1地図情報54は、道路区間の距離や曲率、道路種別(例えば、高速道路、一般道路)、POI(Point Of Interest)情報等を含んでもよい。地図上経路は、MPU60に出力される。
ナビゲーション装置50は、地図上経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。ナビゲーション装置50は、例えば、乗員の保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから地図上経路と同等の経路を取得してもよい。なお、第1地図情報54は、ナビゲーション装置50に代えて記憶部180に格納されていてもよい。
MPU60は、例えば、推奨車線決定部61を含む。推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された地図上経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、ブロックごとに第1地図情報54の車線情報から推奨車線を決定する。また、推奨車線決定部61は、第1地図情報54に格納される道路単位に推奨車線を決定してもよい。例えば、推奨車線決定部61は、左(または右)から何番目の車線を走行するといった決定を行う。推奨車線決定部61は、地図上経路に分岐箇所が存在する場合、車両Mが分岐先に進行するための合理的な経路を走行できるように推奨車線を決定する。
ドライバモニタカメラ70は、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。ドライバモニタカメラ70は、例えば、車両Mの運転席に着座した乗員(以下、運転者)の頭部を正面から(顔面を撮像する向きで)撮像可能な位置および向きで、車両Mにおける任意の箇所に取り付けられる。例えば、ドライバモニタカメラ70は、車両Mのインストルメントパネルの中央部に設けられたディスプレイ装置の上部に取り付けられる。
運転操作子80は、例えば、ステアリングホイール82の他、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、その他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、自動運転制御装置100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一部または全部に出力される。ステアリングホイール82は、「運転者による操舵操作を受け付ける操作子」の一例である。操作子は、必ずしも環状である必要は無く、異形ステアリングやジョイスティック、ボタン等の形態であってもよい。ステアリングホイール82には、ステアリング把持センサ84が取り付けられている。ステアリング把持センサ84は、静電容量センサ等により実現され、運転者がステアリングホイール82を把持している(力を加えられる状態で接していることをいう)か否かを検知可能な信号を自動運転制御装置100に出力する。
自動運転制御装置100は、例えば、第1制御部120と、第2制御部160と、HMI制御部170と、記憶部180とを備える。第1制御部120と、第2制御部160と、HMI制御部170とは、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め自動運転制御装置100のHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで自動運転制御装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。行動計画生成部140と第2制御部160とを合わせたものが「運転制御部」の一例である。HMI制御部170は、「出力制御部」の一例である。
記憶部180は、上記の各種記憶装置、或いはSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現されてもよい。記憶部180は、例えば、判定テーブル182、プログラム、その他の各種情報等が格納される。判定テーブル182とは、例えば、車両Mの走行車線を特定するために参照されるテーブルである。判定テーブル182については後述する。また、記憶部180には、第1地図情報54が格納されていてもよい。
図2は、実施形態に係る第1制御部120および第2制御部160の機能構成図である。第1制御部120は、例えば、認識部130と、行動計画生成部140と、モード決定部150とを備える。第1制御部120は、例えば、AI(Artificial Intelligence;人工知能)による機能と、予め与えられたモデルによる機能とを並行して実現する。例えば、「交差点を認識する」機能は、ディープラーニング等による交差点の認識と、予め与えられた条件(パターンマッチング可能な信号、道路標示等がある)に基づく認識とが並行して実行され、双方に対してスコア付けして総合的に評価することで実現されてよい。これによって、自動運転の信頼性が担保される。
認識部130は、外界センサESから入力された情報に基づいて、車両Mの周辺にある物体の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。物体の位置は、例えば、車両Mの代表点(重心や駆動軸中心等)を原点とした絶対座標上の位置として認識され、制御に使用される。物体の位置は、その物体の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、領域で表されてもよい。物体の「状態」とは、物体の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。
また、認識部130は、例えば、車両Mが走行している車線(走行車線)を認識する。例えば、認識部130は、カメラ10によって撮像されたカメラ画像から車両Mの左右の区画線を認識し、認識した区画線の位置に基づいて走行車線を認識する。なお、認識部130は、区画線に限らず、路肩、縁石、中央分離帯、ガードレール、フェンス、壁等を含む車線位置を特定可能な物標(走路境界、道路境界)を認識することで、走行車線を認識してもよい。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。また、認識部130は、一時停止線、障害物、赤信号、料金所、その他の道路事象を認識してもよい。
認識部130は、走行車線を認識する際に、走行車線に対する車両Mの位置や姿勢を認識する。認識部130は、例えば、車両Mの基準点の車線中央からの乖離、および車両Mの進行方向の車線中央を連ねた線に対してなす角度を、走行車線に対する車両Mの相対位置および姿勢として認識してもよい。これに代えて、認識部130は、走行車線の何れかの側端部(区画線または道路境界)に対する車両Mの基準点の位置等を、走行車線に対する車両Mの相対位置として認識してもよい。なお、認識部130による走行車線の認識や走行車線に対する車両Mの位置や姿勢の認識は、後述する特定部153により実行されてよい。
行動計画生成部140は、原則的には推奨車線決定部61により決定された推奨車線を走行し、更に、車両Mの周辺状況に対応できるように、車両Mが自動的に(運転者の操作に依らずに)将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含んでいる。例えば、目標軌道は、車両Mの到達すべき地点(軌道点)を順に並べたものとして表現される。軌道点は、道なり距離で所定の走行距離(例えば数[m]程度)ごとの車両Mの到達すべき地点であり、それとは別に、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとの目標速度および目標加速度が、目標軌道の一部として生成される。また、軌道点は、所定のサンプリング時間ごとの、そのサンプリング時刻における車両Mの到達すべき位置であってもよい。この場合、目標速度や目標加速度の情報は軌道点の間隔で表現される。
行動計画生成部140は、目標軌道を生成するにあたり、自動運転のイベント(機能)を設定してよい。自動運転のイベントには、定速走行イベント、低速追従走行イベント、車線変更イベント、分岐イベント、合流イベント、テイクオーバーイベント等がある。行動計画生成部140は、起動させたイベントに応じた目標軌道を生成する。
モード決定部150は、車両Mの運転モードを、運転者に課されるタスクが異なる複数の運転モード(言い換えると、自動化の度合が異なる複数のモード)の何れかに決定する。モード決定部150は、例えば、運転者状態判定部151と、第1取得部152と、特定部153と、モード変更処理部154とを備える。これらの個別の機能については後述する。第1取得部152は、「取得部」の一例である。
図3は、運転モードと車両Mの制御状態、およびタスクの関係の一例を示す図である。図3の例において、車両Mの運転モードには、例えば、モードAからモードEの5つのモードがある。図3において、モードAおよびBは「第1運転モード」の一例であり、モードC、D、Eは「第2運転モード」の一例であるものとする。なお、運転モードには、モードA~E以外のモードがあってもよく、第1運転モードおよび第2運転モード以外の運転モードがあってもよい。モードAからモードEにおいて、制御状態すなわち車両Mの運転制御の自動化の度合(制御度合)は、モードAが最も高く、次いでモードB、モードC、モードDの順に低くなり、モードEが最も低い。この逆に、運転者(乗員)に課されるタスクは、モードAが最も軽度であり、次いでモードB、モードC、モードDの順に重度となり、手動運転を行うモードEが最も重度である。なお、モードB~Eでは自動運転でない制御状態となるため、自動運転制御装置100としては自動運転に係る制御を終了し、運転支援または手動運転に移行させるまでが責務である。以下、それぞれのモードの内容について例示する。
モードAでは、自動運転の状態となり、運転者には車両Mの周辺監視、ステアリングホイール82の把持(以下、「ステアリング把持」と称する)の何れも課されない。周辺監視は、少なくとも車両Mの進行方向(例えば、前方)の監視が含まれる。前方とは、フロントウインドシールドを介して視認される車両Mの進行方向の空間を意味する。但し、モードAであっても運転者は、自動運転制御装置100を中心としたシステムからの要求に応じて速やかに手動運転に移行できる体勢であることが要求される。なお、ここで言う自動運転とは、車両Mの操舵、速度の何れも運転者の操作に依らずに制御されることをいう。モードAは、例えば、高速道路等の自動車専用道路において、所定速度(例えば50[km/h]程度)以下で車両Mが走行しており、追従対象の前走車両が存在する等の条件が満たされる場合に実行可能な運転モードであり、TJP(Traffic Jam Pilot)モードと称される場合もある。この条件が満たされなくなった場合、モード決定部150は、車両Mの運転モードをモードBに変更する。
また、モードAの実行中において、乗員は、セカンドタスクを実行することができる。セカンドタスクとは、例えば、車両Mの自動運転中に許容される乗員の運転以外の行為である。セカンドタスクには、例えば、テレビ鑑賞や乗員が所持する端末装置(例えば、スマートフォンやタブレット端末)の利用(例えば、通話やメール送受信、SNS(Social Networking Service)の利用、Web閲覧等)、食事等が含まれる。
モードBでは、運転支援の状態となり、運転者には車両Mの周囲を監視するタスク(以下、周辺監視)が課されるが、ステアリングホイール82を把持するタスクは課されない。例えば、モードBでは、乗員からの車線変更指示を受け付けずに、車両システム1側の判断によって、ナビゲーション装置50による目的地までの経路設定等に基づく車両Mの車線変更が行われる。車線変更とは、車両Mが走行する自車線から、自車線に隣接する隣接車線へ車両Mを移動させることであり、分岐や合流に基づく車線変更が含まれてもよい。モードA、Bにおける運転主体は、車両システム1である。
モードCでは、運転支援の状態となり、運転者には周辺監視とステアリングホイール82を把持するタスクが課される。例えば、モードCでは、車両システム1側で車両Mの車線変更が必要であると判断された場合に、HMI30を介して乗員に問い合わせを行い、HMI30等から乗員による車線変更の承認が受け付けられた場合に、車線変更を実行する運転支援が行われる。モードBおよびモードCにおける車線変更制御は、システム主体による車線変更である。
モードDは、車両Mの操舵と加減速のうち少なくとも一方に関して、ある程度の運転者による運転操作が必要な運転モードである。例えば、モードDでは、ACC(Adaptive Cruise Control)やLKAS(Lane Keeping Assist System)といった運転支援が行われる。また、モードDでは、運転者によるウインカスイッチ32の操作により車両Mを車線変更させる指示を受け付けた場合に、指示された方向に車線変更を実行する運転支援が行われる。モードDにおける車線変更は、運転者の意図による車線変更である。運転者のウインカスイッチ32の操作は、運転操作の一例である。また、モードDの運転操作には、操舵または加減速を制御するための運転操作が含まれてよい。
モードEでは、車両Mの操舵、加減速ともに運転者による運転操作が必要な手動運転の状態となる。モードD、モードEともに、当然ながら運転者には車両Mの周辺監視が課される。モードC~Eにおける運転主体は、運転者である。
モード決定部150は、決定した運転モードに係るタスクが運転者により実行されない場合に、よりタスクが重度な運転モードに車両Mの運転モードを変更する。
例えば、モードAの実行中において、運転者がシステムからの要求に応じて手動運転に移行できない体勢である場合(例えば許容エリア外の脇見を継続している場合や、運転困難となる予兆が検出された場合)、モード決定部150は、HMI制御部170によりHMI30を用いて運転者にモードEの手動運転への移行を促す制御を実行させる。また、モード決定部150は、HMI制御部170に手動運転への移行を促す制御を実行させてから所定時間が経過しても運転者が応じない場合や運転者が手動運転を行う状態でないと推定される場合には、車両Mを目標位置(例えば、路肩)に寄せながら徐々に減速させ、自動運転を停止する、といった制御を行う。また、自動運転を停止した後は、車両MはモードDまたはEの状態になり、運転者の手動操作によって車両Mを発進させることが可能となる。以下、「自動運転を停止」に関して同様である。
モードBにおいて、運転者が前方を監視していない場合、モード決定部150は、HMI30を用いて運転者に前方監視を促し、運転者が応じなければ、車両Mを目標位置に寄せて徐々に停止させ、自動運転を停止する、といった制御を行う。モードCにおいて運転者が前方を監視していない場合、或いはステアリングホイール82を把持していない場合、モード決定部150は、HMI30を用いて運転者に前方監視を、および/またはステアリングホイール82を把持するように促し、運転者が応じなければ、車両Mを目標位置に寄せて徐々に停止させ、自動運転を停止する、といった制御を行う。
運転者状態判定部151は、乗員(運転者)が運転に適した状態であるか否かを判定する。例えば、運転者状態判定部151は、上記のモード変更のために運転者の状態を監視し、運転者の状態がタスクに応じた状態であるか否かを判定する。例えば、運転者状態判定部151は、ドライバモニタカメラ70が撮像した画像を解析して姿勢推定処理を行い、運転者が、システムからの要求に応じて手動運転に移行できない体勢であるか否かを判定する。また、運転者状態判定部151は、ドライバモニタカメラ70が撮像した画像を解析して視線推定処理を行い、運転者が車両Mの周辺(より具体的には、前方)を監視しているか否かを判定する。所定時間以上、タスクに応じた状態でないと判定した場合、運転者状態判定部151は、運転者がそのタスクの運転に適していない状態であると判定する。また、タスクに応じた状態であると判定した場合、運転者状態判定部151は、運転者がそのタスクの運転に適した状態であると判定する。また、運転者状態判定部151は、乗員が、運転交代が可能な状態であるか否か判定してもよい。
第1取得部152は、第1地図情報54を取得する。また、第1取得部152は、車両Mの位置を特定するための参照情報を取得する。参照情報とは、例えば、車両センサ40によって検出された車両Mの位置情報や、カメラ10により撮像されたカメラ画像である。また、参照情報には、認識部130による認識結果の一部または全部が含まれていてもよい。
特定部153は、参照情報に含まれる車両Mの位置情報に基づいて第1地図情報54を参照し、車両Mが走行する道路に含まれる一以上の車線のうち、車両Mの走行車線を特定する。また、特定部153は、例えば、第1地図情報54により取得された道路の情報と、認識部130により認識された区画線の種別とに基づいて走行車線を特定する。また、特定部153は、道路の情報と区画線の種別との少なくとも一方に基づいて、道路が対面通行であると判定される場合に、特別ルール(所定の緩和条件)を採用して走行車線を特定する。例えば、特定部153は、認識部130により認識された車両Mの周辺の認識結果のうち、少なくとも対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定する。対面通行用の区画線とは、例えば、道路に含まれる車両Mと対面して通行を行う車線を区画する区画線であり、車両Mの進行方向と同一方向に進行可能な車線を区画する区画線以外の区画線である。また、対面通行用の区画線には、車両Mの進行方向の車線と対面通行の車線とを同時に区画する区画線は含まれない。より具体的には、特定部153は、例えば、認識された道路区画線のうち、対面通行用の区画線を除外した区画線を用いて走行車線を特定する。なお、対面通行用の区画線は、何らかの線分が存在するものとして、走行車線に対する車両Mの位置の特定などに用いられてもよい。以下では、主に対面通行用の区画線を除外した区画線を用いて走行車線を特定する場合について説明する。
また、特定部153は、所定のタイミングで、車両Mの走行車線を特定する。所定のタイミングとは、例えば、所定周期でもよく、自動運転の実行開始時や、高速道路などの特定道路の走行開始時、第1地図情報54において道路区間が切り替わるタイミングでもよい。また、所定のタイミングは、例えば、地図情報の車線数とカメラ画像から得られる車線数とがアンマッチとなって現在の走行車線がリセットされ、走行車線の特定が再度必要になるタイミングでもよく、車両Mの走行車線が特定できておらず且つ所定距離以内に道路変化がないタイミングでもよく、乗員により自動運転の開始操作が行われたタイミングでもよい。また、所定のタイミングは、例えば、車両Mが走行する道路の車線数が増減した、または近い将来増減するタイミングでもよい。特定部153の機能の詳細については後述する。
モード変更処理部154は、運転者状態判定部151の判定結果や、特定部153の特定結果等に基づいて、車両Mの運転モードを決定する。また、モード変更処理部154は、実行中の運転モードを継続させること、または、他のモードに切り替えることを決定してもよい。また、モード変更処理部154は、モード決定部150により決定された運転モードへの変更のための各種処理を行う。例えば、モード変更処理部154は、運転支援装置(不図示)に作動指示をしたり、運転者に行動を促すための情報をHMI制御部170からHMI30に出力させたり、運転モードに応じた行動計画生成部140に基づく目標軌道を生成するように指示したりする。
第2制御部160は、行動計画生成部140によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220を制御する。
第2制御部160は、例えば、第2取得部162と、速度制御部164と、操舵制御部166とを備える。第2取得部162は、行動計画生成部140により生成された目標軌道(軌道点)の情報を取得し、メモリ(不図示)に記憶させる。速度制御部164は、メモリに記憶された目標軌道に付随する速度要素に基づいて、走行駆動力出力装置200またはブレーキ装置210を制御する。操舵制御部166は、メモリに記憶された目標軌道の曲がり具合に応じて、ステアリング装置220を制御する。速度制御部164および操舵制御部166の処理は、例えば、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせにより実現される。一例として、操舵制御部166は、車両Mの前方の道路の曲率に応じたフィードフォワード制御と、目標軌道からの乖離に基づくフィードバック制御とを組み合わせて実行する。
HMI制御部170は、HMI30により、乗員に所定の情報を通知する。所定の情報には、例えば、車両Mの状態に関する情報や運転制御に関する情報等の車両Mの走行に関連のある情報が含まれる。車両Mの状態に関する情報には、例えば、車両Mの速度、エンジン回転数、シフト位置等が含まれる。また、運転制御に関する情報には、例えば、車線変更を行うか否かの問い合わせや、運転モードの実行の有無、運転モードの変更に関する情報、運転モードを切り替えるために必要な乗員に課される情報(乗員に対するタスク要求情報)、運転制御の状況(例えば、実行中のイベントの内容)に関する情報等が含まれる。また、所定の情報には、テレビ番組、DVD等の記憶媒体に記憶されたコンテンツ(例えば、映画)等の車両Mの走行制御に関連しない情報が含まれてもよい。また、所定の情報には、例えば、車両Mの現在位置や目的地、燃料の残量に関する情報、車両Mの走行車線が特定できているか否かを示す情報、運転モードが切り替わるまでの残距離、車線増減方向、増減レーン数、走行車線に並走する車線数(並走レーン数)等が含まれてよい。
例えば、HMI制御部170は、上述した所定の情報を含む画像を生成し、生成した画像をHMI30の表示装置に表示させてもよく、所定の情報を示す音声を生成し、生成した音声をHMI30のスピーカから出力させてもよい。また、HMI制御部170は、HMI30により受け付けられた情報を通信装置20、ナビゲーション装置50、第1制御部120等に出力してもよい。
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機等の組み合わせと、これらを制御するECU(Electronic Control Unit)とを備える。ECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、第2制御部160から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
[特定部の機能、および運転制御の内容]
以下、特定部153の機能の詳細と、特定部153の処理内容に基づく運転制御の内容について説明する。なお、以下では、運転者状態判定部151により運転者が運転モードに応じて課されるタスクを適切に行っていると判定された状態であるものとし、特定部153による処理内容に基づいて運転モードが決定される例について説明する。なお、運転者状態判定部151により運転者がモードに応じて課されるタスクを実行していない状態であると判定された場合には、モード決定部150は、運転者が実行中のタスクに応じたモードに変更することを決定したり、自動運転を停止させる制御を行うことを決定する。
以下、特定部153の機能の詳細と、特定部153の処理内容に基づく運転制御の内容について説明する。なお、以下では、運転者状態判定部151により運転者が運転モードに応じて課されるタスクを適切に行っていると判定された状態であるものとし、特定部153による処理内容に基づいて運転モードが決定される例について説明する。なお、運転者状態判定部151により運転者がモードに応じて課されるタスクを実行していない状態であると判定された場合には、モード決定部150は、運転者が実行中のタスクに応じたモードに変更することを決定したり、自動運転を停止させる制御を行うことを決定する。
まず、特定部153は、例えば、認識部130により認識した車両Mの周辺の区画線に関する情報を取得する。具体的に説明すると、まず、認識部130は、例えば、カメラ10(第1カメラ、第2カメラが存在する場合には一方または双方)により撮像された車両Mが走行する道路を含む画像(カメラ画像)を解析し、画像において隣接画素との輝度差が大きいエッジ点を抽出し、エッジ点を連ねて画像平面における区画線や車線位置を特定可能な物標を認識する。また、認識部130は、画像に対して特徴量抽出や画像強調処理等による画像情報の抽出等を行い、抽出された画像情報と予め定義されたパターンマッチング用のモデル等を参照して、マッチング処理により区画線や上記物標を認識してもよい。また、認識部130は、画像解析結果に基づいて区画線ごとに種別(実線、破線)や色等の種別情報を認識してもよく、物標の種類を認識してもよい。また、認識部130は、認識した区画線や物標のそれぞれの位置関係や、区画線や物標と車両Mとの位置関係(相対位置)を認識してもよい。また、認識部130は、道路標識に表示された文字や、道路に描画された文字を認識してもよい。
なお、認識部130により認識される車両Mの周辺の区画線は、例えば、車両Mに最も近い左右の区画線と、上記左右の区画線の次に車両Mに近い左右の区画線である。以下、車両Mの左側の最も近い区画線を「左側第1区画線」と称し、その次に近い区画線(左側第1区画線よりも車両Mから見て奥側に存在する区画線)を「左側第2区画線」と称するものとする。また、車両Mの右側の最も近い区画線を「右側第1区画線」と称し、その次に近い区画線(右側第1区画線よりも車両Mから見て奥側に存在する区画線)を「右側第2区画線」と称するものとする。
特定部153は、第1取得部152が取得した参照情報に含まれる位置情報に基づいて、第1地図情報54を参照し、車両Mが走行する道路の情報を取得する。道路の情報とは、例えば、車線数に関する情報である。また、道路の情報には、片側車線数に関する情報が含まれてもよく、対面通行か否かを示す情報が含まれてもよく、車両Mが走行する道路が減速区間か否かを示す情報が含まれてもよい。
次に、特定部153は、第1地図情報54から得られる車両Mが走行する道路に関する情報と、認識部130により認識された車両Mの周辺の区画線の種別に関する情報とに基づいて、車両Mの走行車線を特定する。例えば、特定部153は、車両Mが走行する道路が片側1車線の対面通行区間である場合に、車両Mの左右の区画線の種別が、実線、破線、特殊線、または路肩区画線である場合に、車両Mの走行車線が片側1車線であると特定する。
また、特定部153は、第1地図情報54により取得した車両Mが走行する道路が対面通行区間であり、且つ複数の並走車線(同一方向へ進行可能な車線数が2以上)を有する場合に、認識部130により認識された車両Mの周辺の認識結果のうち、対面通行用の区画線を除外した区画線を用いて走行車線を特定する。例えば、特定部153は、車両Mが走行する道路が片側2車線の対面通行区間であり、且つ、車両Mの左側の区画線が破線または特殊線である場合に、車両Mの走行車線が片側2車線の右端車線(左端から2番目のレーン)であると特定する。また、特定部153は、車両Mが走行する道路が片側3車線以上の対面通行区間であり、且つ、車両Mの右側の区画線が黄色車線および車両Mの左側の区画線が破線または特殊線である場合に、車両Mの走行車線が片側3車線以上の車線の右端車線であると特定する。
なお、特定部153は、上述した走行車線の特定を行うにあたり、予め記憶部180に格納された判定テーブル182を参照し、該当する条件を満たす場合に車両Mの走行車線を特定してもよい。
図4は、判定テーブル182の内容の一例を示す図である。判定テーブル182は、判定条件および区画線条件に、判定結果が対応付けられた情報である。図4に示す判定テーブル182の例では、それぞれの判定条件を識別する識別情報として条件IDも含まれている。判定開始条件とは、特定部153が走行車線を特定するための条件である。「常時」には、所定周期の意味が含まれる。区画線条件には、車両Mの左右それぞれにおける2つの区画線(左側第1区画線、左側第2区画線、右側第1区画線、右側第2区画線)の線種の条件が含まれる。図4の区画線条件に含まれる「-」の部分は、区画線がどの線種でもよい(未検知の場合も含めて不問である)ことを示している。判定結果は、判定開始条件および区画線条件に示す条件を満たす場合の車両Mが走行している車線(レーン)を特定するものである。
以下に、図4に対応させて判定開始条件と区画線情報との組み合わせに応じた判定結果(走行車線の特定)について、判定パターン(条件ID)ごとに説明する。また、以下では、第1地図情報54により車両Mが走行する道路が対面通行区間であることが取得できていない(または対面通行区間でないと取得できている)場合(第1~第4の判定パターン)と、取得できている場合(第5~第7の判定パターン)とを含めて説明する。
<第1の判定パターン>
図5は、第1の判定パターンの一例を示す図である。図5の例では、道路RD1の延伸方向(図中X軸方向)に向かって車両Mが速度VMで走行しているものとする。図5の例について、区画線RL11は左側第2区画線に相当し、区画線RL12は左側第1区画線に相当し、区画線RL13は右側第1区画線に相当し、区画線RL14は右側第2区画線に相当するものとする。以降の図面についても同様とする。
図5は、第1の判定パターンの一例を示す図である。図5の例では、道路RD1の延伸方向(図中X軸方向)に向かって車両Mが速度VMで走行しているものとする。図5の例について、区画線RL11は左側第2区画線に相当し、区画線RL12は左側第1区画線に相当し、区画線RL13は右側第1区画線に相当し、区画線RL14は右側第2区画線に相当するものとする。以降の図面についても同様とする。
特定部153は、車両Mの走行車線を特定する必要がある場合に、所定周期で(常時)、条件ID「C101」~「C104」の区画線条件を満たすか否かを判定する。ここで、図5の例において、認識部130により区画線RL11およびRL14は検知(認識)できておらず(未検知)、区画線RL12およびRL13は実線であると認識できているものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C101」の区画線条件を満たすため、車両Mの走行車線は、単一車線の端レーンである(単一車線である)と特定する。また、特定部153は、第1の判定パターンにおいて、区画線RL11およびRL14の少なくとも一方が未検知に代えて、路肩(路肩区画線)であると認識部130により認識された場合も同様に、車両Mの走行車線が単一車線の端レーンであると特定する。
<第2の判定パターン>
図6は、第2の判定パターンの一例を示す図である。図6の例では、認識部130により、区画線RL11が路肩(または路側帯)、区画線RL12が実線、および区画線RL13が破線であると認識されているものとする。また、第2の判定パターンにおいて、区画線RL14は、未検知であってもよく、何らかの区画線が検知できている状態であってもよいものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C102」の区画線条件を満たすため、車両Mの走行車線が複数車線の左端のレーンであると特定する。
図6は、第2の判定パターンの一例を示す図である。図6の例では、認識部130により、区画線RL11が路肩(または路側帯)、区画線RL12が実線、および区画線RL13が破線であると認識されているものとする。また、第2の判定パターンにおいて、区画線RL14は、未検知であってもよく、何らかの区画線が検知できている状態であってもよいものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C102」の区画線条件を満たすため、車両Mの走行車線が複数車線の左端のレーンであると特定する。
<第3の判定パターン>
図7は、第3の判定パターンの一例を示す図である。図7の例では、認識部130により、区画線RL11が実線、および区画線RL12、RL13が破線であると認識されているものとする。また、第3の判定パターンにおいて、区画線RL14は、未検知であってもよく、何らかの区画線が検知できている状態であってもよいものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C103」の区画線条件を満たすため、車両Mの走行車線が3車線以上の道路の第2レーン(左端から2レーン目)であると特定する。なお、特定部153は、第3の判定パターンの条件に加えて、更に車両Mの位置情報に基づいて第1地図情報54を参照し、道路RD1が3車線以上の道路である場合に「C103」の条件を満たすと判定してもよい。
図7は、第3の判定パターンの一例を示す図である。図7の例では、認識部130により、区画線RL11が実線、および区画線RL12、RL13が破線であると認識されているものとする。また、第3の判定パターンにおいて、区画線RL14は、未検知であってもよく、何らかの区画線が検知できている状態であってもよいものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C103」の区画線条件を満たすため、車両Mの走行車線が3車線以上の道路の第2レーン(左端から2レーン目)であると特定する。なお、特定部153は、第3の判定パターンの条件に加えて、更に車両Mの位置情報に基づいて第1地図情報54を参照し、道路RD1が3車線以上の道路である場合に「C103」の条件を満たすと判定してもよい。
<第4の判定パターン>
図8は、第4の判定パターンの一例を示す図である。図8の例では、認識部130により、区画線RL11およびRL13が実線、区画線RL12が破線である認識されているものとする。区画線RL14は、未検知であってもよく、路肩が検知できている状態であってもよいものとする。この場合、この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C104」の区画線条件を満たすため、車両Mの走行車線が2車線の道路の第2レーン(左側から2レーン目)であると特定する。特定部153は、上述の条件に加えて、車両Mの位置情報に基づいて第1地図情報54を参照し、道路RD1が2車線の道路である場合に「C104」の条件を満たすと判定してもよい。
図8は、第4の判定パターンの一例を示す図である。図8の例では、認識部130により、区画線RL11およびRL13が実線、区画線RL12が破線である認識されているものとする。区画線RL14は、未検知であってもよく、路肩が検知できている状態であってもよいものとする。この場合、この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C104」の区画線条件を満たすため、車両Mの走行車線が2車線の道路の第2レーン(左側から2レーン目)であると特定する。特定部153は、上述の条件に加えて、車両Mの位置情報に基づいて第1地図情報54を参照し、道路RD1が2車線の道路である場合に「C104」の条件を満たすと判定してもよい。
<第5の判定パターン>
図9は、第5の判定パターンの一例を示す図である。図9の例では、地図情報(第1地図情報54)により、車両Mが走行する道路RD1が、対面通行区間であり、且つレーン数(車線数)が1(片側1車線)であることを取得したものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C105」の条件を満たすため、次に条件ID「C105」の区画線条件を満たすか否かを判定する。ここで、図9の例において、認識部130により区画線RL12、RL13が実線であると認識されているものとする。また、第5の判定パターンにおいて、区画線RL11、RL14は、未検知であってもよく、何らかの区画線が検知できている状態であってもよいものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C105」の判定開始条件を満たすため、車両Mの走行車線が対面通行区間の片側1車線の端レーンであると特定する。
図9は、第5の判定パターンの一例を示す図である。図9の例では、地図情報(第1地図情報54)により、車両Mが走行する道路RD1が、対面通行区間であり、且つレーン数(車線数)が1(片側1車線)であることを取得したものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C105」の条件を満たすため、次に条件ID「C105」の区画線条件を満たすか否かを判定する。ここで、図9の例において、認識部130により区画線RL12、RL13が実線であると認識されているものとする。また、第5の判定パターンにおいて、区画線RL11、RL14は、未検知であってもよく、何らかの区画線が検知できている状態であってもよいものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C105」の判定開始条件を満たすため、車両Mの走行車線が対面通行区間の片側1車線の端レーンであると特定する。
また、特定部153は、第5の判定パターンにおいて、区画線RL12、RL13が実線であることに代えて、少なくとも一方が破線、特殊線、または路肩(路肩区画線)であってもよい。特殊線とは、例えば、カメラ画像から線があることが認識できるが、線の種別(実線、破線等)が認識できない線である。特殊線には、例えば、擦れや汚れ等で一部が消えている線や減速破線等が含まれる。減速破線とは、例えば、車両の運転者に幅員を狭く見せるための路面標示である。第5の判定パターンにおいて、特定部153は、車両Mが走行する道路が片側1車線の対面通行区間であり、車両Mの左右の区画線のうち、少なくとも何れかの区画線の種別が、実線、破線、特殊線、または路肩区画線である場合に、車両Mの走行車線が片側1車線の端レーンであると特定する。
車両Mがどの車線を走行しているかを特定することは、例えば第1運転モードの運転制御を行う上でとても重要である。そのため、第1地図情報54によって対面通行区間の片側1車線であると認識した場合であっても、その車線内を実際に走行していることを担保する必要がある。したがって、第5の判定パターンのように、車両Mの左右の区画線の種別から車両Mが片側1車線の端レーンを走行していることを特定することで、より適切な運転制御を実行(継続)することができる。
なお、第5の判定パターンにおいて、特定部153は、図9に示すように周辺車両(車両Mから所定距離以内に存在する他車両)m1が存在する場合に、認識部130により認識された周辺車両m1の移動方向に基づいて、道路RD1が対面通行道路か否かを判定したり、対面通行の車線を特定してもよい。図9の例では、周辺車両m1が速度Vm1で車両Mの進行方向と逆方向に走行している。例えば、図9に示すように、車両Mの走行車線から1つの区画線RL13で区画された隣接車線を車両Mの進行方向とは逆方向に走行する周辺車両m1が認識された場合、特定部153は、車両Mの走行車線の右隣接車線が対面通行用の車線であることを特定する。また、特定部153は、対面通行用の車線であることを特定することに代えて、車両Mの走行車線が対面通行の車線に最も近い車線であると特定してもよい。
<第6の判定パターン>
図10は、第6の判定パターンの一例を示す図である。図10の例では、地図情報(第1地図情報54)により、車両Mが走行する道路RD1が、対面通行区間であり、且つレーン数(車線数)が2(片側2車線)であることを取得したものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C106」の判定開始条件を満たすため、次に条件ID「C106」の区画線条件を満たすか否かを判定する。ここで、図10の例において、認識部130により、少なくとも区画線RL11が実線であり、区画線RL12が破線または特殊線であると認識されているものとする。また、第6の判定パターンにおいて、区画線RL13は、実線であると認識されていてもよく、区画線RL14は、未検知であってもよく、何らかの区画線が検知できている状態であってもよいものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C106」の条件を満たすため、車両Mの走行車線が対面通行区間の片側2車線の道路の右端レーン(または左側から2レーン目)であると特定する。
図10は、第6の判定パターンの一例を示す図である。図10の例では、地図情報(第1地図情報54)により、車両Mが走行する道路RD1が、対面通行区間であり、且つレーン数(車線数)が2(片側2車線)であることを取得したものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C106」の判定開始条件を満たすため、次に条件ID「C106」の区画線条件を満たすか否かを判定する。ここで、図10の例において、認識部130により、少なくとも区画線RL11が実線であり、区画線RL12が破線または特殊線であると認識されているものとする。また、第6の判定パターンにおいて、区画線RL13は、実線であると認識されていてもよく、区画線RL14は、未検知であってもよく、何らかの区画線が検知できている状態であってもよいものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C106」の条件を満たすため、車両Mの走行車線が対面通行区間の片側2車線の道路の右端レーン(または左側から2レーン目)であると特定する。
また、第6の判定パターンにおいて、区画線RL13は、実線に代えて破線、特殊線、路肩(路肩区画線)、または、ポールであってもよい。ポールには、例えば、路面に設置される車線分離標や、工事区間等により一時的に置かれる(常設していない)パイロン(カラーコーン(登録商標))等が含まれる。第6の判定パターンにおいて、特定部153は、道路RD1が対面通行区間であり、且つ複数の並走車線(同一方向へ進行可能な車線数が2以上)を有する場合に、認識部130により認識された車両Mの周辺の認識結果のうち、対面通行用の区画線RL14を除外した区画線を用いて走行車線を特定する。具体的には、特定部153は、道路RD1が片側2車線の対面通行区間であり、且つ、車両Mの左側の区画線RL12が破線である場合に、右側の区画線RL13の線種に関係なく、車両Mの走行車線が片側2車線の右端レーンであると特定する。
なお、第6の判定パターンにおいて、特定部153は、図10に示すように周辺車両(他車両)m1、m2が存在する場合に、認識部130により認識された周辺車両m1、m2の移動方向に基づいて、道路RD1が対面通行道路か否かを判定したり、車両Mの走行車線を特定してもよい。図10の例では、周辺車両m1が速度Vm1で車両Mの進行方向と逆方向に走行し、周辺車両m2が速度Vm2で車両Mの進行方向と同方向に走行している。この場合、特定部153は、車両Mの走行車線の右隣接車線が対面通行用の車線であることを特定する。また、特定部153は、周辺車両m2が、区画線RL11とRL12で区画線された車線を走行しているため、車両Mの走行車線が片側2車線の右端レーンであると特定する。
<第7の判定パターン>
図11は、第7の判定パターンの一例を示す図である。図11の例では、地図情報(第1地図情報54)により、車両Mが走行する道路RD1が、対面通行区間であり、且つレーン数(車線数)が3(片側3車線)以上であることを取得したものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C107」の判定開始条件を満たすため、次に条件ID「C107」の区画線条件を満たすか否かを判定する。ここで、図11の例において、認識部130により区画線RL12が破線、区画線RL13が黄色実線であると認識されているものとする。また、第7の判定パターンにおいて、区画線RL11、RL14は、未検知であってもよく、何らかの区画線が検知できている状態であってもよいものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C107」の条件を満たすため、車両Mの走行車線が対面通行区間の片側3車線以上の車線の右端レーンであると特定する。
図11は、第7の判定パターンの一例を示す図である。図11の例では、地図情報(第1地図情報54)により、車両Mが走行する道路RD1が、対面通行区間であり、且つレーン数(車線数)が3(片側3車線)以上であることを取得したものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C107」の判定開始条件を満たすため、次に条件ID「C107」の区画線条件を満たすか否かを判定する。ここで、図11の例において、認識部130により区画線RL12が破線、区画線RL13が黄色実線であると認識されているものとする。また、第7の判定パターンにおいて、区画線RL11、RL14は、未検知であってもよく、何らかの区画線が検知できている状態であってもよいものとする。この場合、特定部153は、図4に示す条件ID「C107」の条件を満たすため、車両Mの走行車線が対面通行区間の片側3車線以上の車線の右端レーンであると特定する。
なお、第7の判定パターンにおいて、区画線RL12は、破線に代えて特殊線であってもよい。第7の判定パターンにおいて、特定部153は、道路RD1が対面通行区間であり、且つ複数の並走車線(同一方向へ進行可能な車線数が3以上)を有する場合に、認識部130により認識された車両Mの周辺の認識結果のうち、対面通行用の区画線RL14を除外した区画線を用いて走行車線を特定する。具体的には、特定部153は、車両Mが走行する道路が片側3車線以上の対面通行区間であり、且つ、車両Mの右側の区画線が黄色車線および車両Mの左側の区画線が破線である場合に、車両Mの走行車線が片側3車線以上の車線の右端レーンであると特定する。
また、第7の判定パターンにおいても、上述した第6の判定パターンと同様に、特定部153は、車両Mに周辺車両(他車両)m1、m2が存在する場合に、周辺車両m1、m2の移動方向等に基づいて、道路RD1が対面通行道路か否かを判定したり、車両Mの走行車線を特定してもよい。
なお、上述した第5~第7の判定パターンにおいて、特定部153は、第1地図情報54に含まれる情報から道路RD1が対面通行区間であることを取得することに代えて(または加えて)、カメラ画像から認識された区画線の線種によって、道路RD1が対面通行区間であるか否かを判定してもよい。この場合、特定部153は、例えば、カメラ画像から認識した区画線に黄色の実線が含まれる場合や、区画線が対面通行区間を示す形状である場合に、道路RD1が対面通行区間であると認識する。また、特定部153は、カメラ画像から認識された道路の情報に対面通行の道路標識が含まれる場合に、道路RD1が対面通行区間であると判定してもよい。
上述した第1~第7の判定パターンを用いて車両Mの走行車線を特定することで、例えば、カメラ画像からでは認識しにくい道路状況であっても、より正確に車両Mの走行車線を特定することができる。したがって、カメラ画像からでは認識しにくい対面通行道路であっても、地図情報から取得した道路の情報と、カメラ画像から認識した道路(走行車線)の情報とのアンマッチ等となることを抑制することができる。したがって、第1運転モードから第2運転モードに切り替えずに、第1運転モードを継続させることができる。なお、特定部153は、第1~第7の判定パターン以外のパターンにより車両Mの走行車線を特定してもよい。
また、上述した第1~第7の判定パターン(条件ID「C101」~「C107」)の何れにも該当しない場合、特定部153は、車両Mの走行車線が道路RD1に含まれる一以上の車線のうち、どの車線を走行しているかが特定できないものとする。
モード変更処理部154は、特定部153により車両Mの走行車線が特定される場合には第1運転モードを実行させ、特定された走行車線を逸脱することなく車両Mを走行させたり、前走車両に追従したり、目的地方面に向かって走行するように車線変更を行う等の運転制御が実行される。また、モード変更処理部154は、特定部153により車両Mの走行車線が特定されない場合には第2運転モードを実行させる。これにより、車両Mが道路上のどの車線を走行しているかが特定できない場合に、自動運転を制限して、より安全に車両Mを走行させることができる。
また、モード変更処理部154は、特定部153により車両Mの走行車線が特定されない場合には、実行中の運転モードを継続して車両Mを走行させてもよい。このように、車両Mの走行車線が特定できない状況下で運転モードを切り替えずに、現状の走行を維持させることで、より安定した走行を実現することができる。
なお、車両Mの走行車線が特定できなくなった場合に、第2運転モードに切り替えるか、または、現在の運転モード(第1運転モードまたは第2運転モード)を継続させるかについては、例えば車両Mの周辺状況や第1地図情報54から得られる道路の情報に基づいて決定されてよい。例えば、認識部130により、車両Mの周辺(所定距離以内)に所定数以上の他車両が存在する場合には、他車両の影響で区画線が認識できない可能性がある。そのため、モード変更処理部154は、車両Mの周辺に他車両が所定数以上存在する場合には車両Mの走行車線が特定できない場合であっても現在の運転モードを継続させ、所定数未満である場合に第2運転モードに切り替える。また、モード変更処理部154は、第1地図情報54を参照し、車両Mの位置情報に基づいて車両Mの周囲の道路の情報を取得し、車両Mから所定距離以内に道路の車線数の増減がない場合や道路の曲率が小さい(閾値以下)である場合には現在の運転モードを継続させ、車線数の増減があったり道路の曲率が大きい(閾値より大きい)場合には第2運転モードに切り替えてもよい。これにより、車両Mの周辺状況に応じて、より適切な運転モードを実行することができる。
また、特定部153により車両Mの走行車線が特定できなかった場合、HMI制御部170は、車両Mの走行車線が特定できていないことをHMI30に出力させて、乗員に通知してもよい。これにより、車両Mの状況を乗員に通知することができ、乗員に車両周辺を監視させたり、必要に応じて手動運転に切り替えるなど、状況に応じた運転制御を実行することができる。
[処理フロー]
次に、実施形態の自動運転制御装置100よって実行される処理の流れについて説明する。なお、以下では、自動運転制御装置100によって実行される処理のうち、主に車両Mの走行車線を特定する処理と、特定する処理結果に基づく運転モードの切り替え処理とを中心として説明する。また、本フローチャートの処理は、例えば、所定のタイミングで繰り返し実行されてよい。
次に、実施形態の自動運転制御装置100よって実行される処理の流れについて説明する。なお、以下では、自動運転制御装置100によって実行される処理のうち、主に車両Mの走行車線を特定する処理と、特定する処理結果に基づく運転モードの切り替え処理とを中心として説明する。また、本フローチャートの処理は、例えば、所定のタイミングで繰り返し実行されてよい。
図12は、自動運転制御装置100よって実行される運転制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。図12の例において、認識部130は、車両Mの周辺状況を認識する(ステップS100)。次に、モード決定部150は、周辺状況等に基づいて予め設定された複数の運転モードの何れかで車両を走行させる(ステップS102)。
次に、モード決定部150は、第1地図情報、認識部130による認識結果、および車両Mの位置を特定するための参照情報を取得し(ステップS104)、取得した情報に基づいて車両Mの走行車線を特定するための処理を行う(ステップS106)。ここで、モード決定部150の特定部153は、取得した情報に基づいて、対面通行に関する判定条件(例えば、上述した判定テーブル182の条件ID「C105」~「C107」の条件)を満たすか否かを判定する(ステップS108)。条件を満たすと判定した場合、特定部153は、特別ルール(所定の緩和条件)を採用し、少なくとも対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定する。より具体的には、特定部153は、対面通行用の区画線を除外した区画線を用いて走行車線を特定する(ステップS110)。また、ステップS108の処理において、条件を満たさないと判定した場合、特定部153は、特別ルールを採用せずに、認識した区画線を用いて車両Mの走行車線を特定する(ステップS112)。
次に、モード変更処理部154は、車両Mの運転モードが第1運転モードを実行中か否かを判定する(ステップS114)。第1運転モードを実行中であると判定した場合に、モード変更処理部154は、特定部153により車両Mの走行車線が特定されているか否かを判定する(ステップS116)。モード変更処理部154は、走行車線が特定されていると判定された場合に、特定された走行車線に基づいて第1運転モードを継続し(ステップS118)、走行車線が特定されていないと判定された場合には、第1運転モードから第2運転モードに切り替える制御を行う(ステップS120)。これにより、本フローチャートの処理は終了する。また、ステップS114の処理において、第1運転モードを実行していないと判定された場合、本フローチャートの処理は終了する。
[変形例]
以下に、本実施形態の幾つかの変形例について説明する。例えば、上述した実施形態において、特定部153により車両Mの走行車線が特定できなくなった場合に、運転制御部は、車両Mを走行中の道路の左端または右端の車線に位置付けるように車線変更等を行ってもよい。これにより、車線変更後に、より正確に走行車線を特定することができる。なお、運転制御部は、車両Mを道路の左端または右端の車線に位置付けた直後に、特定部153により車両Mの走行車線を特定させる処理を行わせてもよい。これにより、走行車線が特定できなくなった場合に、より迅速に走行車線を特定することができる。
以下に、本実施形態の幾つかの変形例について説明する。例えば、上述した実施形態において、特定部153により車両Mの走行車線が特定できなくなった場合に、運転制御部は、車両Mを走行中の道路の左端または右端の車線に位置付けるように車線変更等を行ってもよい。これにより、車線変更後に、より正確に走行車線を特定することができる。なお、運転制御部は、車両Mを道路の左端または右端の車線に位置付けた直後に、特定部153により車両Mの走行車線を特定させる処理を行わせてもよい。これにより、走行車線が特定できなくなった場合に、より迅速に走行車線を特定することができる。
また、上述した実施形態では、第1地図情報54に加えて、第1地図情報54よりも高精度な地図情報(第2地図情報)を保持している場合であって、且つ、第2地図情報が取得できない状況になった場合に、第1地図情報54やカメラ10により撮像された画像を用いて走行車線を特定する制御を行ってもよい。
ここで、第2地図情報とは、例えば、第1地図情報54よりも短い区間で車線ごとに道路情報が定義された地図情報である。また、第2地図情報は、例えば、車線の中央の情報または車線の境界の情報等を含んでもよい。また、第2地図情報は、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などを含んでもよい。第2地図情報は、通信装置20が他装置と通信することにより、随時、アップデートされてよい。第2地図情報は、例えばMPU60のHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置に保持されていてもよく、記憶部180に格納されていてもよい。
例えば、MPU60または記憶部180に第2地図情報がある場合、推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された地図上経路を複数のブロックに分割し、第2地図情報を参照してブロックごとに推奨車線を決定する。この場合、推奨車線決定部61は、第2地図情報に含まれる車線情報を用いて車両Mが左から何番目の車線を走行するといった決定を行ってもよい。
ここで、例えば車両Mが第1運転モードを実行中であり、且つ、第2地図情報のデータ異常や第2地図情報の更新中の異常等の影響により、第2地図情報が利用できない場合、モード決定部150は、第1地図情報54から取得される情報に基づいて上述したように車両Mの走行車線を特定して第1運転モードを継続させる。これにより、第2地図情報が利用できない状況であっても、自動化率の高い運転モードを実行させることができる。
また、実施形態において、モード決定部150は、第1運転モードから第2運転モードに切り替える場合において、車両Mの走行状態や走行環境に応じて、第2運転モードに含まれる複数のモードのうち、どのモードに切り替えるかを決定してもよい。走行状態とは、例えば、運転者状態判定部151により判定された運転者の状態である。走行環境とは、例えば、車両Mの周辺の道路形状、車線数、分岐、合流の有無、周辺に存在する他車両の数や相対位置等である。例えば、モード決定部150は、第1運転モードから第2運転モードに切り替える条件を満たす場合において、車両Mの走行車線が特定できない場合の車線数が3車線の場合にはモードCに切り替え、4車線の場合にはモードDに切り替え、5車線以上の場合にはモードEに切り替えることを決定する。これにより、走行状態や走行環境に応じて、より適切なモードで車両Mを走行させることができる。また、上述の実施形態の判定テーブル182における区画線条件は、本実施形態が適用される外国の交通法規(道路交通法)等に応じて他の区画線に適宜読み替えてもよい。
以上の通り説明した実施形態によれば、車両制御装置において、車両Mの周辺状況を認識する認識部130と、認識部130により認識された周辺状況に基づいて車両Mの操舵または速度のうち一方または双方を制御する運転制御部(行動計画生成部140、第2制御部160)と、車両Mの周辺の車線情報を含む地図情報と、車両Mの位置を特定するための参照情報とを取得する取得部(第1取得部)152と、参照情報に基づいて地図情報から取得した車両が走行する道路の情報と、認識部130により認識された車両Mの周辺の一以上の車線のそれぞれを区画する区画線の種別とに基づいて、車両Mの走行車線を特定する特定部153とを備え、特定部153は、道路の情報と道路区画線の種別との少なくとも一方に基づいて道路が対面通行であると判定される場合に、認識部130により認識された車両Mの周辺の認識結果のうち、少なくとも対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに道路区画線を用いて走行車線を特定することにより、車両が走行する道路が対面通行区間であっても、より正確に車両の走行車線を特定することができる。したがって、特定された走行車線の情報を用いて第1運転モードを継続させたり、より適切な状況で運転制御の制御度合を変更することができる。
具体的には、例えば周辺車両が存在しない場合等に、カメラ画像のみからでは対面通行の道路であるか否かを判断することができず、車両Mの走行車線が特定できない場合がある。そのため、実施形態では、地図情報等によって対面通行区間の道路であると判定された場合に、特別ルール(所定の緩和条件)を採用して走行車線を特定する(例えば、片側車線数に応じた区画線の種別に応じて車両Mの走行車線を特定する)ことで、走行車線の特定率を向上させると共に、誤特定を抑制させることができる。
また、実施形態によれば、車両Mの左右それぞれの2つの区画線(左側第1区画線、左側第2区画線、右側第1区画線、右側第2区画線)の認識結果に基づいて走行車線を特定するため、認識処理の負荷を増大させることなく車両Mの走行車線の特定率を向上させることができる。また、実施形態によれば、高精度地図情報を車両Mに搭載しない場合や、搭載した高精度地図が使用できない場合であっても、ナビゲーション装置50で用いられるようなナビ地図(第1地図情報54)を用いて、車両Mの位置(走行車線)をより正確に特定して、第1運転モードの実行を継続させることができる。これにより、高精度地図のように、地図情報の随時更新や地図サーバ等による管理も不要となるので、運用コストを低減させることができる。
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
プログラムを記憶した記憶装置と、
ハードウェアプロセッサと、を備え、
前記ハードウェアプロセッサが前記記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、
車両の周辺状況を認識し、
認識した前記周辺状況に基づいて前記車両の操舵または速度のうち一方または双方を制御する運転制御を実行し、
前記車両の周辺の車線情報を含む地図情報と、前記車両の位置を特定するための参照情報とを取得し、
前記参照情報に基づいて前記地図情報から取得した前記車両が走行する道路の情報と、認識した前記車両の周辺の一以上の車線のそれぞれを区画する道路区画線の種別とに基づいて、前記車両の走行車線を特定し、
前記道路の情報と前記道路区画線の種別との少なくとも一方に基づいて前記道路が対面通行区間であると判定される場合に、認識した前記車両の周辺の認識結果のうち、少なくとも前記対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定する、
車両制御装置。
プログラムを記憶した記憶装置と、
ハードウェアプロセッサと、を備え、
前記ハードウェアプロセッサが前記記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、
車両の周辺状況を認識し、
認識した前記周辺状況に基づいて前記車両の操舵または速度のうち一方または双方を制御する運転制御を実行し、
前記車両の周辺の車線情報を含む地図情報と、前記車両の位置を特定するための参照情報とを取得し、
前記参照情報に基づいて前記地図情報から取得した前記車両が走行する道路の情報と、認識した前記車両の周辺の一以上の車線のそれぞれを区画する道路区画線の種別とに基づいて、前記車両の走行車線を特定し、
前記道路の情報と前記道路区画線の種別との少なくとも一方に基づいて前記道路が対面通行区間であると判定される場合に、認識した前記車両の周辺の認識結果のうち、少なくとも前記対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定する、
車両制御装置。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1…車両システム、10…カメラ、12…レーダ装置、14…LIDAR、16…物体認識装置、20…通信装置、30…HMI、32…ウインカスイッチ、40…車両センサ、50…ナビゲーション装置、60…MPU、70…ドライバモニタカメラ、80…運転操作子、82…ステアリングホイール、84…ステアリング把持センサ、100…自動運転制御装置、120…第1制御部、130…認識部、140…行動計画生成部、150…モード決定部、151…運転者状態判定部、152…第1取得部、153…特定部、154…モード変更処理部、160…第2制御部、162…第2取得部、164…速度制御部、166…操舵制御部、170…HMI制御部、180…記憶部、200…走行駆動力出力装置、210…ブレーキ装置、220…ステアリング装置、M…車両
Claims (9)
- 車両の周辺状況を認識する認識部と、
前記認識部により認識された周辺状況に基づいて前記車両の操舵または速度のうち一方または双方を制御する運転制御部と、
前記車両の周辺の車線情報を含む地図情報と、前記車両の位置を特定するための参照情報とを取得する取得部と、
前記参照情報に基づいて前記地図情報から取得した前記車両が走行する道路の情報と、前記認識部により認識された前記車両の周辺の一以上の車線のそれぞれを区画する道路区画線の種別とに基づいて、前記車両の走行車線を特定する特定部と、を備え、
前記特定部は、前記道路の情報と前記道路区画線の種別との少なくとも一方に基づいて前記道路が対面通行区間であると判定される場合に、前記認識部により認識された前記車両の周辺の認識結果のうち、少なくとも前記対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定する、
車両制御装置。 - 前記特定部は、前記地図情報に基づいて、前記道路が対面通行区間であり、且つ複数の並走車線を有することを取得した場合に、前記認識部により認識された前記車両の周辺の認識結果のうち、前記対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定する、
請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記特定部は、前記道路が片側1車線の対面通行区間である場合に、前記車両の左右の道路区画線の種別が、実線、破線、特殊線、または路肩である場合に、前記車両の走行車線が片側1車線であると特定する、
請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記特定部は、前記道路が片側2車線の対面通行区間であり、前記車両の左側の道路区画線が破線または特殊線である場合であって、且つ、前記車両から見て前記左側の道路区画線よりも奥側にある区画線が実線である場合に、前記車両が前記片側2車線の右端車線を走行していると特定する、
請求項1から3のうち何れか1項に記載の車両制御装置。 - 前記特定部は、前記道路が片側3車線以上の対面通行区間であり、且つ、前記車両の右側の道路区画線が黄色車線および前記車両の左側の道路区画線が破線または特殊線である場合に、前記車両の走行車線が前記片側3車線以上の車線の右端車線であると特定する、
請求項1から4のうち何れか1項に記載の車両制御装置。 - 前記運転制御部は、
少なくとも第1運転モードと、前記第1運転モードよりも前記車両の乗員に課されるタスクが重度な第2運転モードとを含む複数の運転モードの何れかを実行して車両を走行させ、
前記特定部により前記車両の走行車線が特定される場合には前記第1運転モードを実行させ、
前記特定部により前記車両の走行車線が特定されない場合には前記第2運転モードを実行させる、
請求項1から5のうち何れか1項に記載の車両制御装置。 - 前記運転制御部は、前記車両の乗員に課されるタスクが異なる複数の運転モードのうち何れかの運転モードを実行して車両を走行させ、前記特定部により前記車両の走行車線が特定されない場合には、実行中の運転モードを継続して前記車両を走行させる、
請求項1から5のうち何れか1項に記載の車両制御装置。 - コンピュータが、
車両の周辺状況を認識し、
認識した前記周辺状況に基づいて前記車両の操舵または速度のうち一方または双方を制御する運転制御を実行し、
前記車両の周辺の車線情報を含む地図情報と、前記車両の位置を特定するための参照情報とを取得し、
前記参照情報に基づいて前記地図情報から取得した前記車両が走行する道路の情報と、認識した前記車両の周辺の一以上の車線のそれぞれを区画する道路区画線の種別とに基づいて、前記車両の走行車線を特定し、
前記道路の情報と前記道路区画線の種別との少なくとも一方に基づいて前記道路が対面通行区間であると判定される場合に、認識した前記車両の周辺の認識結果のうち、前記対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定する、
車両制御方法。 - コンピュータに、
車両の周辺状況を認識させ、
認識された前記周辺状況に基づいて前記車両の操舵または速度のうち一方または双方を制御する運転制御を実行させ、
前記車両の周辺の車線情報を含む地図情報と、前記車両の位置を特定するための参照情報とを取得させ、
前記参照情報に基づいて前記地図情報から取得した前記車両が走行する道路の情報と、認識された前記車両の周辺の一以上の車線のそれぞれを区画する道路区画線の種別とに基づいて、前記車両の走行車線を特定させ、
前記道路の情報と前記道路区画線の種別との少なくとも一方に基づいて前記道路が対面通行区間であると判定される場合に、認識された前記車両の周辺の認識結果のうち、少なくとも前記対面通行用の区画線の線種の情報を用いずに走行車線を特定させる、
プログラム。
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