JP2023140636A - エチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続多段重合でのエチレン系重合体の製造方法を提供すること。【解決手段】周期表第4族の遷移金属化合物であって、シクロペンタジエニル型配位子を含む化合物、および固体状アルミノキサン化合物を含むオレフィン重合用触媒の存在下、(i)および(ii)を満たすエチレン系重合体(e1)を、最終エチレン系重合体(E)の20~80質量%製造する工程(1)と、該エチレン系重合体(e1)の存在下、(iii)および(iv)を満たすエチレン系重合体(e2)を、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の20~80質量%製造する工程(2)とを含む、エチレン系重合体(E)の製造方法。(i):極限粘度(135℃のデカリン中)が0.5~1.5dl/g(ii):重量平均分子量が20000~60000(iii):極限粘度(135℃のデカリン中)が2.0~10.0dl/g(iv):重量平均分子量が170000~1000000【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン系重合体の製造方法に関する。
近年、組成分布を制御しやすいシングルサイト触媒またはシングルサイト触媒を担体に担持した触媒を用いて、分子量が相対的に小さいエチレン単独重合体またはエチレン・α-オレフィン共重合体と、分子量が相対的に大きいエチレン単独重合体またはエチレン・α-オレフィン共重合体とを含むエチレン系重合体を連続重合法によって製造する方法がいくつか開示されている(例えば、特許文献1~2参照)。
特開2011-132531号公報 特開2021-161249号公報
本発明者らの検討によれば、エチレン系重合体を、例えば、連続多段重合で製造した場合、得られるエチレン系重合体から形成される成形体は外観が不良となる場合があることが判明した。
本発明は以上のことに鑑みてなされたものであり、連続多段重合でエチレン系重合体を製造する場合に、外観が良好な成形体を容易に形成することができるエチレン系重合体の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決する方法について鋭意検討を重ねた結果、以下の構成により本発明を完成するに至った。
本発明の構成例は以下の通りである。
[1] 下記式[1]で表される遷移金属化合物(A)および固体状アルミノキサン化合物(S)を含むオレフィン重合用触媒の存在下、下記要件(i)および(ii)を満たすエチレン系重合体(e1)を、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の20~80質量%製造する工程(1)と、
工程(1)で得られたエチレン系重合体(e1)の存在下、下記要件(iii)および(iv)を満たすエチレン系重合体(e2)を、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の20~80質量%製造する工程(2)と、
を含む、エチレン系重合体(E)の製造方法。
要件(i):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5~1.5dl/gである
要件(ii):重量平均分子量(Mw)が20000~60000である
要件(iii):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が2.0~10.0dl/gである
要件(iv):重量平均分子量(Mw)が170000~1000000である
〔式[1]中、
Mは、周期表第4族の遷移金属原子であり、
nは、Mの価数を満たす1~4の整数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、該アニオン配位子が、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基または共役ジエン系二価誘導体基であり、nが2以上の場合は、複数存在するXで示される基は互いに同一でも異なっていてもよく、
Cpは、置換基を有していてもよい、シクロペンタジエニル型配位子であり、該シクロペンタジエニル型配位子が隣接した置換基を有する場合、該隣接した置換基は、互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成してもよく、
Lは、周期表第15族の元素から選ばれる原子であり、
Pは、リン原子であり、
実線は共有結合または配位結合であり、
1~R3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~40の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R1~R3のうち隣接した基は、互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成してもよい。〕
[2] 前記エチレン系重合体(e1)がエチレン単独重合体である、[1]に記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
[3] 前記エチレン系重合体(E)の、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が1.0~6.0dl/gである、[1]または[2]に記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
[4] 前記エチレン系重合体(E)の、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトフローレート(MFR)が0.01~5.0g/10分である、[1]~[3]のいずれかに記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
[5] 前記エチレン系重合体(E)の密度が940~970kg/m3である、[1]~[4]のいずれかに記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
[6] 前記R1~R3が炭素数1~40の炭化水素基である、[1]~[5]のいずれかに記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
[7] 前記R1~R3のうち少なくとも2つは、炭素数1~40の第3級アルキル基である、[1]~[6]のいずれかに記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
[8] 前記Mがチタン原子である、[1]~[7]のいずれかに記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
[9] 前記Lが窒素原子である、[1]~[8]のいずれかに記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
本発明によれば、連続多段重合でエチレン系重合体を製造する場合に、外観が良好な成形体を容易に形成することができるエチレン系重合体の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、機械的強度に優れる、特に環境応力亀裂時間の長い成形体を容易に形成することができるエチレン系重合体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本明細書において、「重合体」という語は単独重合体および共重合体を包含する意味で用いる。従って、例えばエチレン系重合体(E)は、エチレン単独重合体であってもよく、エチレン共重合体であってもよい。同様に「重合」という語は単独重合および共重合を包含する意味で用いる。
以下の説明における各物性の測定方法の詳細は、実施例の欄に記載する。
≪エチレン系重合体(E)の製造方法≫
本発明に係るエチレン系重合体(E)の製造方法(以下「本方法」ともいう。)は、
下記式[1]で表される遷移金属化合物(A)および固体状アルミノキサン化合物(S)を含むオレフィン重合用触媒の存在下、下記要件(i)および(ii)を満たすエチレン系重合体(e1)を、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の20~80質量%製造する工程(1)と、
工程(1)で得られたエチレン系重合体(e1)の存在下、下記要件(iii)および(iv)を満たすエチレン系重合体(e2)を、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の20~80質量%製造する工程(2)と、
を含む。
要件(i):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5~1.5dl/gである
要件(ii):重量平均分子量(Mw)が20000~60000である
要件(iii):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が2.0~10.0dl/gである
要件(iv):重量平均分子量(Mw)が170000~1000000である
本方法は、少なくとも1種のポリマー成分の存在下で、さらなるポリマー成分を製造するための重合を連続的に追加して行う、連続多段重合に該当する重合方法である。
本方法の好適例は、工程(1)で得られた、エチレン系重合体(e1)およびオレフィン重合用触媒を含むスラリー、具体的には、工程(1)で得られた、エチレン系重合体(e1)およびオレフィン重合用触媒を含有する、重合体粒子を含むスラリーを、工程(2)に連続的に供給する。
本方法によれば、外観が良好な成形体を容易に形成することができるエチレン系重合体(E)を製造することができる。本発明者らは、この理由を以下のように推測している。
オレフィン重合用触媒を用いて、いわゆる連続多段重合によりエチレン系重合体を製造する場合、バッチ式と異なり、各段の重合において様々な滞留時間の重合体粒子が存在し、例えば、二段重合の場合、前段において、オレフィン重合用触媒周りで重合体が充分に合成されないうちに後段の重合に用いられる触媒成分、すなわち重合履歴が不充分な触媒を含む成分(以下「ショートパス成分」ともいう)が存在し得る。
例えば、前記二段重合において、前段で低分子量の重合体を合成し、次いで、後段で高分子量の重合体を合成するという設計の場合であって、前記のようなショートパス成分が存在する場合、ショートパス成分中のオレフィン重合用触媒は、重合履歴が不充分であるため、後段の重合の際に過大な重合活性を発現しやすく、従って、想定よりも高分子量成分を多く含む重合体粒子が製造されると考えられる。このような高分子量成分を多く含む重合体粒子は、成形体中での分散性が低く、成形体の外観不良を引き起こすと考えられる。
本方法では、後段の重合の際に前記のようなショートパス成分が存在しても、想定よりも高分子量成分を多く含む重合体粒子の製造が抑制され、このことにより、外観が良好な成形体を容易に得ることができると考えられる。これは、前記オレフィン重合用触媒が、前段重合の際に重合履歴が不充分であっても、重合活性が過大とはならないという性質を有するため、または、後段重合で合成される重合体の極限粘度[η]が過度に高くなることを抑制できるためであると考えられる。
なお、以上の説明は推測であって、本発明を何ら限定するものではない。
<工程(1)>
工程(1)は、下記式[1]で表される遷移金属化合物(A)および固体状アルミノキサン化合物(S)を含むオレフィン重合用触媒の存在下、極限粘度および重量平均分子量(Mw)が以下の範囲にあるエチレン系重合体(e1)を、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の20~80質量%製造する工程である。
工程(1)で得られるエチレン系重合体(e1)の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.5~1.5dl/gであり、好ましくは0.7~1.3dl/gである。例えば、重合系へのエチレンの供給量比を変更したり、重合温度を変更したりすることにより、前記[η]を調整することができる。
エチレン系重合体(e1)のMwは、20000~60000であり、好ましくは30000~57000、より好ましくは34000~55000である。
エチレン系重合体(e1)は、エチレン単独重合体であってもよく、エチレンとα-オレフィン等の他のモノマーとの共重合体であってもよいが、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の高剛性化等の点から、エチレン単独重合体であることが好ましい。
エチレン系重合体(e1)が前記共重合体である場合、該共重合体におけるエチレン由来の構成単位の含有割合は、通常は80.0モル%以上、好ましくは85.0モル%以上、より好ましくは90.0モル%以上、さらに好ましくは95.0モル%以上、特に好ましくは98.0モル%以上である。
前記α-オレフィンとしては、例えば、炭素数3~20、好ましくは炭素数3~10のα-オレフィンが挙げられ、具体例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンが挙げられる。
エチレン系重合体(e1)が、α-オレフィン由来の構成単位を有する場合、その含有割合は、通常は20.0モル%以下、好ましくは15.0モル%以下、より好ましくは10.0モル%以下、さらに好ましくは5.0モル%以下、特に好ましくは2.0モル%以下である。
エチレン系重合体(e1)が、α-オレフィン由来の構成単位を有する場合、当該構成単位を、1種のみ有してもよく、2種以上有してもよい。
前記工程(1)で用いるモノマーとしては、少なくとも1種以上のバイオマス由来モノマー(例:バイオマスエチレン)を用いてもよい。エチレン系重合体(E)の原料モノマーはバイオマス由来モノマーのみでもよいし、バイオマス由来モノマーと化石燃料由来モノマーとの両方を含んでもよい。
バイオマス由来モノマーとは、菌類、酵母、藻類および細菌類を含む、植物由来または動物由来などの、あらゆる再生可能な天然原料およびその残渣を原料としてなるモノマーであり、例えば、炭素として14C同位体を10-12程度の割合で含有し、ASTM D 6866に準拠して測定したバイオマス炭素濃度(pMC)が100(pMC)程度であるモノマーが挙げられる。バイオマス由来モノマー(例:バイオマスエチレン)は、従来から知られている方法により得ることができ、市販品を用いてもよい。エチレン系重合体(E)の原料として、バイオマス由来モノマーを用いることは、環境負荷低減の観点から好ましい。
工程(1)では、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の20~80質量%、好ましくは30~78質量%、より好ましくは40~75質量%の範囲で、エチレン系重合体(e1)を製造する。
本方法の一実施態様では、エチレン系重合体(e1)とエチレン系重合体(e2)との合計をエチレン系重合体(E)100質量%とする。
エチレン系重合体(E)に含まれるエチレン系重合体(e1)および(e2)の質量比(重合量比)は、例えば、エチレン系重合体(E)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により得られた分子量曲線から、エチレン系重合体(e1)および(e2)それぞれに由来するピーク曲線を分離し、それぞれのピーク曲線から算出することができる。
工程(1)は、特定のオレフィン重合用触媒を用い、得られるエチレン系重合体(e1)が、前記極限粘度およびMwを有し、最終的に得られるエチレン系重合体(E)におけるエチレン系重合体(e1)の重合量が前記範囲となる限り、その方法は特に制限されないが、スラリー重合であることが好ましい。
なお、「スラリー重合」とは、重合により生じる重合体(エチレン系重合体)が、例えば微粒子として前記重合溶媒等の媒体中に分散した形で存在することを特徴とする重合のことをいう。
本方法の一実施態様では、工程(1)は連続的に実施されることが好ましい。具体的には、本方法の一実施態様では、エチレンを含むモノマー成分、オレフィン重合用触媒および重合溶媒、ならびに必要により界面活性剤を連続的に重合槽に供給して工程(1)を実施し、工程(1)で得られたエチレン系重合体(e1)を含むスラリーを、前記重合槽から連続的に抜き出す、例えば、前記重合槽内の液レベルが一定になるように前記重合槽から連続的に抜き出すことが好ましい。
前記エチレンを含むモノマー成分の供給量の一実施態様は、好ましくは2~20kg/hr、より好ましくは4~15kg/hrである。
前記オレフィン重合用触媒の供給量の一実施態様は、オレフィン重合用触媒における、遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子(M、すなわち周期表第4族の遷移金属原子)量が、通常は0.001~1.00mmol/hr、好ましくは0.005~0.50mmol/hr、より好ましくは0.010~0.30mmol/hrとなる量である。
前記オレフィン重合用触媒における、固体状アルミノキサン化合物(S)中のアルミニウム原子(Al)と、遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比[Al/M]が、通常は10~10000、好ましくは30~2000、より好ましくは50~1000となる量で用いることが望ましい。
前記重合溶媒としては、例えば、炭化水素系溶媒が挙げられ、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。
重合溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
工程(1)では、さらに水素分子を供給して重合を行ってもよく、この場合、該水素分子の供給量は、エチレンを含むモノマー成分1モルあたり、好ましくは0.10モル以下、より好ましくは0.05モル以下である。
水素分子を用いることで、得られるエチレン系重合体(e1)の極限粘度[η]を容易に調整することができる。
また、重合を円滑に進行させる目的で、帯電防止剤、アンチファウリング剤および/または界面活性剤などを使用してもよい。
工程(1)での重合温度は、通常は25~100℃、好ましくは50~90℃、より好ましくは70~85℃である。
工程(1)での重合圧力は、通常は常圧~10MPaG、好ましくは常圧~5MPaGである。
前記工程(1)で得られるエチレン系重合体(e1)を含むスラリー中のエチレン系重合体(e1)(粒子)の濃度は、通常は50~600g/L、好ましくは100~500g/Lである。
該スラリー濃度は、例えば、ろ紙(目開き1μm)を用い、室温(25℃)で、ヘキサンで洗浄しながらスラリーのろ過を行うことで、算出することができる。
前記のように、得られたスラリーを連続的に重合槽から抜き出す場合、重合槽におけるスラリーの平均滞留時間は、通常は0.5~8.0時間、好ましくは1.5~6.0時間である。なお、工程(1)を複数の重合槽を用いて行う場合、各重合槽におけるスラリーの平均滞留時間が前記範囲にあることが好ましい。
工程(1)で用いられる重合槽としては、通常、原料成分であるエチレンを含むモノマー成分、オレフィン重合用触媒および重合溶媒等を連続的に供給できる供給手段と、重合槽内の液レベルが一定になるように重合槽内容物を重合槽から連続的に抜き出すことができる抜き出し手段とを有する重合槽が挙げられる。
前記重合槽から連続的に抜き出された、エチレン系重合体(e1)を含むスラリー等の内容物から、工程(2)での反応条件を制御するため、未反応のエチレン等を除去する除去工程を行うことが好ましい。前記除去には、例えば、フラッシュドラムを用いる。
該除去工程は、例えば、減圧条件下、所定の温度で行うことができ、該減圧条件としては、内圧が、通常0.2MPaG以下、好ましくは0.1MPaG以下であり、該温度としては、通常は20~80℃、好ましくは30~75℃である。
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で得られたエチレン系重合体(e1)の存在下、極限粘度および重量平均分子量(Mw)が以下の範囲にあるエチレン系重合体(e2)を、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の20~80質量%製造する工程である。
工程(2)で得られるエチレン系重合体(e2)の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、2.0~10.0dl/gであり、好ましくは3.0~10.0dl/g、より好ましくは3.0~8.0dl/gである。
エチレン系重合体(e2)のMwは、170000~1000000であり、好ましくは170000~920000、より好ましくは170000~780000である。
エチレン系重合体(e2)は、エチレン単独重合体であってもよく、エチレンとα-オレフィン等の他のモノマーとの共重合体であってもよいが、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の高強度化等の点から、エチレンとα-オレフィンとの共重合体であることが好ましい。
エチレン系重合体(e2)が前記共重合体である場合、該共重合体におけるエチレン由来の構成単位の含有割合は、通常は80.0モル%以上、好ましくは85.0モル%以上、より好ましくは90.0モル%以上であり、上限は、好ましくは99.9モル%である。
前記α-オレフィンとしては、例えば、炭素数3~20、好ましくは炭素数3~10のα-オレフィンが挙げられ、具体例としては、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンが挙げられる。これらの中でも、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の高強度化等の点から、1-ヘキセンが好ましい。
エチレン系重合体(e2)が、α-オレフィン由来の構成単位を有する場合、その含有割合は、通常は20.0モル%以下、好ましくは15.0モル%以下、より好ましくは10.0モル%以下であり、下限は、好ましくは0.1モル%である。
エチレン系重合体(e2)が、α-オレフィン由来の構成単位を有する場合、当該構成単位を、1種のみ有してもよく、2種以上有してもよい。
前記工程(2)で用いるモノマーとしては、環境負荷低減の観点から、少なくとも1種以上のバイオマス由来モノマー(例:バイオマスエチレン)を用いてもよい。該バイオマス由来モノマーとしては、工程(1)の欄で記載したモノマーと同様のモノマーが挙げられる。
工程(2)では、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の20~80質量%、好ましくは22~70質量%、より好ましくは25~60質量%の範囲で、エチレン系重合体(e2)を製造する。
工程(2)は、前記エチレン系重合体(e1)の存在下で、得られるエチレン系重合体(e2)が、前記極限粘度およびMwを有し、最終的に得られるエチレン系重合体(E)におけるエチレン系重合体(e2)の重合量が前記範囲となる限り、その方法は特に制限されないが、スラリー重合であることが好ましい。
本方法の一実施態様では、工程(2)は、工程(1)で得られたエチレン系重合体(e1)およびオレフィン重合用触媒を含むスラリーを、連続的に工程(2)の重合槽に供給し、さらに、エチレンを含むモノマー成分と、必要に応じて水素分子および/または重合溶媒とを連続的に工程(2)の重合槽に供給し、重合反応を行う工程であることが好ましい。
工程(2)は、例えば、複数の工程に分けて実施してもよく、工程(2)で使用される重合槽は1つであっても複数であってもよく、一実施態様では1つである。
前記エチレンを含むモノマー成分の供給量は、一実施態様では、好ましくは1~10kg/hr、より好ましくは2~8kg/hrである。
前記重合溶媒としては、例えば、工程(1)で例示した炭化水素系溶媒と同様の溶媒が挙げられる。重合溶媒は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
工程(2)で重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は、工程(1)の重合溶媒と同一であっても異なっていてもよい。
工程(2)では、さらに水素分子を供給して重合を行ってもよく、この場合、該水素分子の供給量は、エチレンを含むモノマー成分1モルあたり、好ましくは0.01モル以下、より好ましくは0.005モル以下である。
工程(2)での重合温度は、通常は25~100℃、好ましくは50~90℃、より好ましくは65~85℃である。
工程(2)での重合圧力は、通常は常圧~10MPaG、好ましくは常圧~5MPaGである。
前記工程(2)では、エチレン系重合体(e1)および(e2)を含有するエチレン系重合体(E)を含むスラリーを得ることができる。
該スラリー中のエチレン系重合体(E)(粒子)の濃度は、通常は50~600g/L、好ましくは100~500g/Lである。
工程(2)では、前記工程(2)で得られたエチレン系重合体(E)を含むスラリーを、前記重合槽から連続的に抜き出す、例えば、前記重合槽内の液レベルが一定になるように前記重合槽から連続的に抜き出すことが好ましい。
この場合、重合槽におけるスラリーの平均滞留時間は、通常は0.3~5.0時間、好ましくは0.9~3.7時間である。なお、工程(2)を複数の重合槽を用いて行う場合、各重合槽におけるスラリーの平均滞留時間が前記範囲にあることが好ましい。
工程(2)で用いられる重合槽としては、通常、工程(1)の重合槽から連続的に抜き出されたスラリーと、原料成分であるエチレンを含むモノマー成分と、必要に応じて重合溶媒等を、連続的に供給できる供給手段と、重合槽内の液レベルが一定になるように重合槽内容物を重合槽から連続的に抜き出すことができる抜き出し手段とを有する重合槽が挙げられる。
<後処理工程>
本方法で得られたエチレン系重合体(E)に対しては、必要に応じて、公知の触媒失活処理工程、触媒残渣除去工程、乾燥工程等の後処理工程を行うことができる。
例えば、重合槽内容物を重合槽から抜き出すと同時にまたは可及的速やかに、溶媒分離装置を用いて重合体と重合溶媒、未反応モノマー成分等とを分離する方法;前記内容物に窒素などの不活性ガスを加えて、重合溶媒、未反応モノマー成分等を強制的に系外へ排出する方法;前記内容物にかかる圧力を制御して、重合溶媒、未反応モノマー成分等を強制的に系外へ排出する方法;前記内容物に多量の重合溶媒を添加して実質的に重合が起こらないと考えられる濃度まで未反応モノマー成分を希釈する方法;重合用触媒を失活させる、メタノール等の物質を添加する方法;実質的に重合が起こらないと考えられる温度まで前記内容物を冷却する方法が挙げられる。
これらの方法は単独で実施してもよいし、いくつかを組み合わせて実施してもよい。
<エチレン系重合体(E)>
エチレン系重合体(E)は、前記本方法で製造される。
エチレン系重合体(E)を用いることにより、外観が良好で、機械的強度に優れる、特に環境応力亀裂時間の長い成形体を容易に形成することができる。
エチレン系重合体(E)において、エチレン由来の構成単位の含有割合は、通常80.0モル%以上、好ましくは85.0モル%以上、さらに好ましくは90.0モル%以上である。
また、エチレン系重合体(E)が、α-オレフィン、特に炭素数3~20のα-オレフィン由来の構成単位を有する場合、その含有割合は、通常20.0モル%以下、好ましくは15.0モル%以下、さらに好ましくは10.0モル%以下である。
エチレン系重合体(E)の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、好ましくは1.0~6.0dl/g、より好ましくは1.3~5.0dl/g、さらに好ましくは1.5~4.0dl/gである。
エチレン系重合体(E)の温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.01~5.0g/10分、より好ましくは0.1~4.0g/10分、さらに好ましくは0.2~3.0g/10分である。
MFRが前記範囲にあると、成形時の流動性等の点で好ましい。なお、エチレン系重合体(E)の用途に応じて好ましいMFR範囲に調整することが望ましい。
エチレン系重合体(E)の密度は、好ましくは940~970kg/m3、より好ましくは942~969kg/m3、さらに好ましくは945~967kg/m3である。
密度が前記範囲にあると、剛性等の点で好ましい。通常、密度が高いほど剛性が高いので、エチレン系重合体(E)の用途に応じて適切な密度に調整することが望ましい。
エチレン系重合体(E)の一実施態様は、GPC法におけるその分子量曲線が多峰性であることが好ましく、二峰性であることがより好ましい。
エチレン系重合体(E)には、本発明の目的を損なわない範囲で、添加剤および/または顔料等の他の成分を配合して、エチレン系重合体(E)を含む組成物とすることができる。これらの他の成分はそれぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
添加剤としては、例えば、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、核剤、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤が挙げられる。
顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、チタンイエロー、フタロシアニン化合物、イソインドリノン化合物、キナクリドン化合物、縮合アゾ化合物、群青、コバルトブルーが挙げられる。
エチレン系重合体(E)やエチレン系重合体(E)を含む組成物は、ペレット化してもよい。ペレット化の方法としては、例えば、以下の方法(1)および(2)が挙げられる。
(1)エチレン系重合体(E)および所望により添加される前記他の成分を、押出機、ニーダー等を用いてブレンドして、所定の大きさにカットする方法。
(2)エチレン系重合体(E)および所望により添加される前記他の成分を適当な良溶媒(例えば、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒)に溶解し、次いで該溶媒を除去し、その後に押出機、ニーダー等を用いてブレンドして、所定の大きさにカットする方法。
エチレン系重合体(E)やエチレン系重合体(E)を含む組成物は、ブロー成形体、インフレーション成形体、キャスト成形体、押出ラミ成形体、パイプや異形などの押出成形体、発泡成形体、射出成形体、プレス成形体などに成形することができ、また、繊維、モノフィラメント、不織布などに使用することもできる。これらの成形体は、エチレン系重合体(E)またはエチレン系重合体(E)を含む組成物から形成された部分と、他の樹脂から形成された部分とを有する成形体(例:積層体)であってもよい。また、エチレン系重合体(E)は、成形過程で架橋されていてもよい。
<オレフィン重合用触媒>
本方法で用いるオレフィン重合用触媒は、下記式[I]で表される遷移金属化合物(A)および固体状アルミノキサン化合物(S)を含む。
前記オレフィン重合用触媒を用いることで、ファウリングや得られるエチレン系重合体(E)の凝集が起こり難い傾向があり、効率的、安定的にエチレン系重合体(E)を製造することができる。
このような効果が発現する要因は、現時点では定かではないが、本発明者らは以下のように推測している。
前記ファウリングや凝集の原因としては、大きく2つが挙げられる。
1つは、重合環境下において重合活性種となる遷移金属化合物(A)が固体状アルミノキサン化合物(S)から遊離(リーチング)することにより不定形ポリマーが生成することで発生する物理的要因であり、もう1つは、後述する固体触媒成分(X)とエチレン系重合体(E)および重合反応器との摩擦帯電が起きることで発生する静電気的要因である。
前記オレフィン重合用触媒は、シクロペンタジエニル配位子および15族から選ばれる原子を含む配位子を有する遷移金属化合物(A)に起因すると考えられる静電気的要因で発生するファウリングに対して、固体状アルミノキサン化合物(S)を固体状担体として用いることが非常に有効な効果を発現していると本発明者らは考えている。このような効果が発現されるのは、固体状アルミノキサン化合物(S)が、比較的フレキシブルな構造を持ち、高い極性を有しているため、担体、助触媒の性能だけではなく、帯電防止剤のような性能も発現していることによる可能性があるのではないかと本発明者らは考えている。
[遷移金属化合物(A)]
遷移金属化合物(A)は、下記式[I]で表される。
遷移金属化合物(A)は、重合体を高い重合活性で製造できることから好ましい。
オレフィン重合用触媒に用いる遷移金属化合物(A)は、1種でもよく、2種以上でもよい。また、化学構造が同一である光学異性体の1種を用いてもよいし、光学異性体の混合物(例:メソ体混合物またはラセミ体混合物)を用いてもよい。
式[1]におけるMは、周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的には、チタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、チタン原子が好ましい。
式[1]におけるnは、Mの価数を満たす1~4の整数であり、1または2が好ましい。
式[1]におけるLは、周期表第15族元素から選ばれる原子であり、窒素原子が好ましい。
式[1]におけるPは、リン原子である。
式[1]における実線は、共有結合または配位結合である。
式[1]におけるXは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、該アニオン配位子が、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基または共役ジエン系二価誘導体基である。Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基または共役ジエン系誘導体基であることが好ましい。
nが2以上の場合は、複数存在するXで示される基は互いに同一でも異なっていてもよい。また、前記環が複数存在する場合には、前記環は互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記Xにおけるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、好ましくは塩素または臭素である。
前記Xにおける炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、1-プロピル基、1-ブチル基、1-ペンチル基、1-ヘキシル基、1-ヘプチル基、1-オクチル基、iso-プロピル基、sec-ブチル基(ブタン-2-イル基)、tert-ブチル基(2-メチルプロパン-2-イル基)、iso-ブチル基(2-メチルプロピル基)、ペンタン-2-イル基、2-メチルブチル基、iso-ペンチル基(3-メチルブチル基)、ネオペンチル基(2,2-ジメチルプロピル基)、シアミル基(1,2-ジメチルプロピル基)、iso-ヘキシル基(4-メチルペンチル基)、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、テキシル基(2,3-ジメチルブタ-2-イル基)、4,4-ジメチルペンチル基などの直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル基、アリル基、プロペニル基(プロパ-1-エン-1-イル基)、iso-プロペニル基(プロパ-1-エン-2-イル基)、アレニル基(プロパ-1,2-ジエン-1-イル基)、ブタ-3-エン-1-イル基、クロチル基(ブタ-2-エン-1-イル基)、ブタ-3-エン-2-イル基、メタリル基(2-メチルアリル基)、ブタ-1,3-ジエニル基、ペンタ-4-エン-1-イル基、ペンタ-3-エン-1-イル基、ペンタ-2-エン-1-イル基、iso-ペンテニル基(3-メチルブタ-3-エン-1-イル基)、2-メチルブタ-3-エン-1-イル基、ペンタ-4-エン-2-イル基、プレニル基(3-メチルブタ-2-エン-1-イル基)などの直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基または不飽和二重結合含有基;
エチニル基、プロパ-2-イン-1-イル基、プロパルギル基(プロパ-1-イン-1-イル基)などの直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基または不飽和三重結合含有基;
ベンジル基、2-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、2,4,6-トリメチルベンジル基、3,5-ジメチルベンジル基、クミニル基(4-iso-プロピルベンジル基)、2,4,6-トリ-iso-プロピルベンジル基、4-tert-ブチルベンジル基、3,5-ジ-tert-ブチルベンジル基、1-フェニルエチル基、ベンズヒドリル基(ジフェニルメチル基)などの芳香族含有直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または不飽和二重結合含有基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘプタトリエニル基、ノルボルニル基、ノルボルネニル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基などの環状飽和炭化水素基;
フェニル基、トリル基(メチルフェニル基)、キシリル基(ジメチルフェニル基)、メシチル基(2,4,6-トリメチルフェニル基)、クメニル基(iso-プロピルフェニル基)、ジュリル基(2,3,5,6-テトラメチルフェニル基)、2,6-ジ-iso-プロピルフェニル基、2,4,6-トリ-iso-プロピルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ビナフチル基、アセナフタレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ピレニル基、フェロセニル基などの芳香族基
が挙げられる。
前記Xにおける炭化水素基の中でも、メチル基、iso-ブチル基、ネオペンチル基、シアミル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基が好ましい。
前記Xにおけるハロゲン含有基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ビストリフルオロメチルフェニル基、ヘキサクロロアンチモン酸アニオンが挙げられる。
前記Xにおけるハロゲン含有基の中でも、ペンタフルオロフェニル基が好ましい。
前記Xにおけるケイ素含有基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ-iso-プロピルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基、トリメチルシリルメチル基が挙げられる。
前記Xにおけるケイ素含有基の中でも、トリメチルシリルメチル基が好ましい。
前記Xにおける酸素含有基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、アリルオキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、iso-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ベンジルオキシ基、メトキシメトキシ基、フェノキシ基、2,6-ジメチルフェノキシ基、2,6-ジ-iso-プロピルフェノキシ基、2,6-ジ-tert-ブチルフェノキシ基、2,4,6-トリメチルフェノキシ基、2,4,6-トリ-iso-プロピルフェノキシ基、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、過塩素酸アニオン、過ヨウ素酸アニオンが挙げられる。
前記Xにおける酸素含有基の中でも、メトキシ基、エトキシ基、iso-プロポキシ基、tert-ブトキシ基が好ましい。
前記Xにおける硫黄含有基としては、例えば、メシル基(メタンスルホニル基)、フェニルスルホニル基、トシル基(p-トルエンスルホニル基)、トリフリル基(トリフルオロメタンスルホニル基)、ノナフリル基(ノナフルオロブタンスルホニル基)、メシラート基(メタンスルホナート基)、トシラート基(p-トルエンスルホナート基)、トリフラート基(トリフルオロメタンスルホナート基)、ノナフラート基(ノナフルオロブタンスルホナート基)が挙げられる。
前記Xにおける硫黄含有基の中でも、トリフラート基が好ましい。
前記Xにおける窒素含有基としては、例えば、アミノ基、シアノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アリルアミノ基、ジアリルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリル基、ピロリル基、ビストリフリルイミド基が挙げられる。
前記Xにおける窒素含有基の中でも、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、ピロリル基、ビストリフリルイミド基が好ましい。
前記Xにおけるリン含有基としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸アニオンが挙げられる。
前記Xにおけるホウ素含有基としては、例えば、テトラフルオロホウ酸アニオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸アニオン、(メチル)(トリス(ペンタフルオロフェニル))ホウ酸アニオン、(ベンジル)(トリス(ペンタフルオロフェニル))ホウ酸アニオン、テトラキス((3,5-ビストリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸アニオン、BR4(Rはそれぞれ独立に、水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基またはハロゲン原子等である。)で表される基が挙げられる。
前記Xにおけるアルミニウム含有基としては、例えば、下記式(1)または(2)で表される四員環を形成可能な、AlR4(Rはそれぞれ独立に、水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基またはハロゲン原子等である。)で表される基が挙げられる。
〔式(1)および(2)中のMはそれぞれ独立に、前記式[1]中のMと同義である。〕
前記Xにおける共役ジエン系二価誘導体基としては、例えば、1,3-ブタジエニル基、イソプレニル基(2-メチル-1,3-ブタジエニル基)、ピペリレニル基(1,3-ペンタジエニル基)、2,4-ヘキサジエニル基、1,4-ジフェニル-1,3-ペンタジエニル基、シクロペンタジエニル基、メタロシクロペンテン基が挙げられる。
前記Xにおける孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなどのエーテル類、トリエチルアミン、ジエチルアミンなどのアミン類、ピリジン、ピコリン、ルチジン、オキサゾリン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、チオフェンなどの複素環式化合物、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィンなどの有機リン化合物が挙げられる。
式[1]におけるCpは、置換基を有していてもよい、シクロペンタジエニル型配位子である。該シクロペンタジエニル型配位子が隣接した置換基を有する場合、該隣接した置換基は、互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成してもよい。
前記シクロペンタジエニル型配位子は、π型結合によって金属原子に結合している5員炭素環を有する置換配位子であり、置換シクロペンタジエニル配位子、置換テトラヒドロインデニル配位子、置換オクタヒドロフルオレニル配位子、置換ヒドロアズレニル配位子、置換ペンタヒドロアズレニル配位子、置換ジヒドロシクロペンテノアニュレン配位子、置換シクロペンテノピロール配位子、置換シクロペンテノチオフェン配位子および置換シクロペンテノジチオフェン配位子等の置換シクロペンタジエニル型配位子、置換インデニル配位子、置換テトラヒドロインデニル配位子、置換ベンゾインデニル配位子、置換ジヒドロインダセニル配位子、置換インデノピロール配位子、置換インデノインドール配位子および置換インデノチオフェン等の置換インデニル型配位子、ならびに置換フルオレニル配位子等を含む。
シクロペンタジエニル型配位子としては、置換シクロペンタジエニル型配位子および置換インデニル型配位子が好ましく、置換シクロペンタジエニル配位子、置換ジヒドロシクロペンテノアニュレン配位子、置換シクロペンテノチオフェン配位子、置換シクロペンテノジチオフェン配位子、置換インデニル配位子がより好ましい。
式[1]におけるR1~R3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~40の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R1~R3のうち隣接した基は、互いに結合して置換基を有していてもよい環(ビシクロ環等の環も含む)を形成してもよい。
式[1]におけるR1~R3は、炭素数1~40の炭化水素基、炭素数1~20の酸素含有基または炭素数1~20の窒素含有基が好ましく、炭素数1~40の炭化水素基または炭素数1~20の窒素含有基がより好ましい。
前記エチレン系重合体(e1)、(e2)および(E)を容易に合成することができる等の点から、式[1]におけるR1~R3はそれぞれ独立に、炭素数1~40の炭化水素基であることが好ましく、該R1~R3のうち少なくとも2つは、炭素数1~40の第3級アルキル基であることがより好ましい。
前記R1~R3における炭素数1~40の炭化水素基は、炭素数1~20の炭化水素基(但し、芳香族炭化水素基を除く)または炭素数6~40の芳香族炭化水素基が好ましい。
前記炭素数1~20の炭化水素基は、炭素数1~20の脂肪族または脂環族の炭化水素基が好ましい。炭素数1~20の炭化水素基には、アリールアルキル基等の芳香族構造を有する置換基も含まれる。
前記R1~R3における炭素数1~40の炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、1-プロピル基、1-ブチル基、1-ペンチル基、1-ヘキシル基、1-ヘプチル基、1-オクチル基、1-ノニル基、1-デカニル基、1-ウンデカニル基、1-ドデカニル基、1-エイコサニル基、iso-プロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、iso-ブチル基、ペンタン-2-イル基、2-メチルブチル基、iso-ペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基(1,1-ジメチルプロピル基)、シアミル基、ペンタン-3-イル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、iso-ヘキシル基、1,1-ジメチルブチル基、3-メチルペンタン-2-イル基、4-メチルペンタン-2-イル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、テキシル基、3-メチルペンタン-3-イル基、3,3-ジメチルブタン-2-イル基、ヘキサン-3-イル基、2-メチルペンタン-3-イル基、ヘプタン-4-イル基、2,4-ジメチルペンタン-2-イル基、3-エチルペンタン-3-イル基、4,4-ジメチルペンチル基、4-メチルヘプタン-4-イル基、4-プロピルヘプタン-4-イル基、2,3,3-トリメチルブタン-2-イル基、2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル基などの炭素数1~40の直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル基、アリル基、プロペニル基、iso-プロペニル基、アレニル基、ブタ-3-エン-1-イル基、クロチル基、ブタ-3-エン-2-イル基、メタリル基、ブタ-1,3-ジエニル基、ペンタ-4-エン-1-イル基、ペンタ-3-エン-1-イル基、ペンタ-2-エン-1-イル基、iso-ペンテニル基、2-メチルブタ-3-エン-1-イル基、ペンタ-4-エン-2-イル基、プレニル基、2-メチル-ブタ-2-エン-1-イル基、ペンタ-3-エン-2-イル基、2-メチル-ブタ-3-エン-2-イル基、ペンタ-1-エン-3-イル基、ペンタ-2,4-ジエン-1-イル基、ペンタ-1,3-ジエン-1-イル基、ペンタ-1,4-ジエン-3-イル基、iso-プレニル基(2-メチル-ブタ-1,3-ジエン-1-イル基)、ペンタ-2,4-ジエン-2-イル基、ヘキサ-5-エン-1-イル基、ヘキサ-4-エン-1-イル基、ヘキサ-3-エン-1-イル基、ヘキサ-2-エン-1-イル基、4-メチル-ペンタ-4-エン-1-イル基、3-メチル-ペンタ-4-エン-1-イル基、2-メチル-ペンタ-4-エン-1-イル基、ヘキサ-5-エン-2-イル基、4-メチル-ペンタ-3-エン-1-イル基、3-メチル-ペンタ-3-エン-1-イル基、2,3-ジメチル-ブタ-2-エン-1-イル基、2-メチルペンタ-4-エン-2-イル基、3-エチルペンタ-1-エン-3-イル基、ヘキサ-3,5-ジエン-1-イル基、ヘキサ-2,4-ジエン-1-イル基、4-メチルペンタ-1,3-ジエン-1-イル基、2,3-ジメチル-ブタ-1,3-ジエン-1-イル基、ヘキサ-1,3,5-トリエン-1-イル基、2-(シクロペンタジエニル)プロパン-2-イル基、2-(シクロペンタジエニル)エチル基などの炭素数2~40の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基または不飽和二重結合含有基;
エチニル基、プロパ-2-イン-1-イル基、プロパルギル基、ブタ-1-イン-1-イル基、ブタ-2-イン-1-イル基、ブタ-3-イン-1-イル基、ペンタ-1-イン-1-イル基、ペンタ-2-イン-1-イル基、ペンタ-3-イン-1-イル基、ペンタ-4-イン-1-イル基、3-メチル-ブタ-1-イン-1-イル基、ペンタ-3-イン-2-イル基、2-メチル-ブタ-3-イン-1-イル基、ペンタ-4-イン-2-イル基、ヘキサ-1-イン-1-イル基、3,3-ジメチル-ブタ-1-イン-1-イル基、2-メチル-ペンタ-3-イン-2-イル基、2,2-ジメチル-ブタ-3-イン-1-イル基、ヘキサ-4-イン-1-イル基、ヘキサ-5-イン-1-イル基などの炭素数2~40の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基または不飽和三重結合含有基;
ベンジル基、2-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、2,4,6-トリメチルベンジル基、3,5-ジメチルベンジル基、クミニル基、2,4,6-トリ-iso-プロピルベンジル基、4-tert-ブチルベンジル基、3,5-ジ-tert-ブチルベンジル基、1-フェニルエチル基、ベンズヒドリル基、クミル基(2-フェニルプロパン-2-イル基)、2-(4-メチルフェニル)プロパン-2-イル基、2-(3,5-ジメチルフェニル)プロパン-2-イル基、2-(4-tert-ブチルフェニル)プロパン-2-イル基、2-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)プロパン-2-イル基、3-フェニルペンタン-3-イル基、4-フェニルヘプタ-1,6-ジエン-4-イル基、1,2,3-トリフェニルプロパン-2-イル基、1,1-ジフェニルエチル基、1,1-ジフェニルプロピル基、1,1-ジフェニル-ブタ-3-エン-1-イル基、1,1,2-トリフェニルエチル基、トリチル基(トリフェニルメチル基)、トリ-(4-メチルフェニル)メチル基、2-フェニルエチル基、スチリル基(2-フェニルビニル基)、2-(2-メチルフェニル)エチル基、2-(4-メチルフェニル)エチル基、2-(2,4,6-トリメチルフェニル)エチル基、2-(3,5-ジメチルフェニル)エチル基、2-(2,4,6-トリ-iso-プロピルフェニル)エチル基、2-(4-tert-ブチルフェニル)エチル基、2-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)エチル基、2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イル基、3-フェニルプロピル基、シンナミル基(3-フェニルアリル基)、ネオフィル基(2-メチル-2-フェニルプロピル基)、3-メチル-3-フェニルブチル基、2-メチル-4-フェニルブタン-2-イル基、シクロペンタジエニルジフェニルメチル基、2-(1-インデニル)プロパン-2-イル基、(1-インデニル)ジフェニルメチル基、2-(1-インデニル)エチル基、2-(テトラヒドロ-1-インダセニル)プロパン-2-イル基、(テトラヒドロ-1-インダセニル)ジフェニルメチル基、2-(テトラヒドロ-1-インダセニル)エチル基、2-(1-ベンゾインデニル)プロパン-2-イル基、(1-ベンゾインデニル)ジフェニルメチル基、2-(1-ベンゾインデニル)エチル基、2-(9-フルオレニル)プロパン-2-イル基、(9-フルオレニル)ジフェニルメチル基、2-(9-フルオレニル)エチル基、2-(1-アズレニル)プロパン-2-イル基、(1-アズレニル)ジフェニルメチル基、2-(1-アズレニル)エチル基などの炭素数7~40の芳香族含有直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または不飽和二重結合含有基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、n-ブチルシクロペンタジエニル基、n-ブチル-メチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、1-メチルシクロペンチル基、1-アリルシクロペンチル基、1-ベンジルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、1-メチルシクロヘキシル基、1-アリルシクロヘキシル基、1-ベンジルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘプテニル基、シクロヘプタトリエニル基、1-メチルシクロヘプチル基、1-アリルシクロヘプチル基、1-ベンジルシクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクテニル基、シクロオクタジエニル基、シクロオクタトリエニル基、1-メチルシクロオクチル基、シクロドデシル基、1-アリルシクロオクチル基、1-ベンジルシクロオクチル基、4-シクロヘキシル-tert-ブチル基、ノルボルニル基、ノルボルネニル基、ノルボルナジエニル基、2-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル基、7-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-7-イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-2-イル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、1-(2-メチルアダマンチル)、1-(3-メチルアダマンチル)、1-(4-メチルアダマンチル)、1-(2-フェニルアダマンチル)、1-(3-フェニルアダマンチル)、1-(4-フェニルアダマンチル)、1-(3,5-ジメチルアダマンチル)、1-(3,5,7-トリメチルアダマンチル)、1-(3,5,7-トリフェニルアダマンチル)、ペンタレニル基、インデニル基、フルオレニル基、インダセニル基、テトラヒドロインダセニル基、ベンゾインデニル基、アズレニル基などの炭素数3~40の環状飽和または不飽和炭化水素基;
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、ジュリル基、2,6-ジ-iso-プロピルフェニル基、2,4,6-トリ-iso-プロピルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル基、アリルフェニル基、(ブタ-3-エン-1-イル)フェニル基、(ブタ-2-エン-1-イル)フェニル基、メタリルフェニル基、プレニルフェニル基、4-アダマンチルフェニル基、3,5-ジ-アダマンチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ビナフチル基、アセナフタレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ピレニル基、フェロセニル基などの炭素数6~40の芳香族基
が挙げられる。
前記炭素数1~40の直鎖状または分岐状のアルキル基の中でも、メチル基、エチル基、1-プロピル基、1-ブチル基、1-ペンチル基、1-ヘキシル基、1-ヘプチル基、1-オクチル基、iso-プロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、iso-ブチル基、iso-ペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、ペンタン-3-イル基、iso-ヘキシル基、1,1-ジメチルブチル基、3,3-ジメチルブチル基、テキシル基、3-メチルペンタン-3-イル基、ヘプタン-4-イル基、2,4-ジメチルペンタン-2-イル基、3-エチルペンタン-3-イル基、4,4-ジメチルペンチル基、4-メチルヘプタン-4-イル基、4-プロピルヘプタン-4-イル基、2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル基などが好ましく、メチル基、エチル基、1-プロピル基、1-ブチル基、1-ペンチル基、1-ヘキシル基、iso-プロピル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、2,4-ジメチルペンタン-2-イル基、2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル基がより好ましい。
前記炭素数2~40の直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基または不飽和二重結合含有基の中でも、ビニル基、アリル基、ブタ-3-エン-1-イル基、クロチル基、メタリル基、ペンタ-4-エン-1-イル基、プレニル基、ペンタ-1,4-ジエン-3-イル基、ヘキサ-5-エン-1-イル基、2-メチルペンタ-4-エン-2-イル基、2-(シクロペンタジエニル)プロパン-2-イル基、2-(シクロペンタジエニル)エチル基などが好ましく、ビニル基、アリル基、ブタ-3-エン-1-イル基、ペンタ-4-エン-1-イル基、プレニル基、ヘキサ-5-エン-1-イル基がより好ましい。
前記炭素数2~40の直鎖状もしくは分岐状のアルキニル基または不飽和三重結合含有基の中でも、エチニル基、プロパ-2-イン-1-イル基、プロパルギル基、ブタ-2-イン-1-イル基、ブタ-3-イン-1-イル基、ペンタ-3-イン-1-イル基、ペンタ-4-イン-1-イル基、3-メチル-ブタ-1-イン-1-イル基、3,3-ジメチル-ブタ-1-イン-1-イル基、ヘキサ-4-イン-1-イル基、ヘキサ-5-イン-1-イル基などが好ましく、プロパ-2-イン-1-イル基、プロパルギル基、ブタ-2-イン-1-イル基、ブタ-3-イン-1-イル基がより好ましい。
前記炭素数7~40の芳香族含有直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または不飽和二重結合含有基の中でも、ベンジル基、2-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、2,4,6-トリメチルベンジル基、3,5-ジメチルベンジル基、クミニル基、2,4,6-トリ-iso-プロピルベンジル基、4-tert-ブチルベンジル基、3,5-ジ-tert-ブチルベンジル基、ベンズヒドリル基、クミル基、1,1-ジフェニルエチル基、トリチル基、2-フェニルエチル基、2-(4-メチルフェニル)エチル基、2-(2,4,6-トリメチルフェニル)エチル基、2-(3,5-ジメチルフェニル)エチル基、2-(2,4,6-トリ-iso-プロピルフェニル)エチル基、2-(4-tert-ブチルフェニル)エチル基、2-(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)エチル基、スチリル基、2-メチル-1-フェニルプロパン-2-イル基、3-フェニルプロピル基、シンナミル基、ネオフィル基、シクロペンタジエニルジフェニルメチル基、2-(1-インデニル)プロパン-2-イル基、(1-インデニル)ジフェニルメチル基、2-(1-インデニル)エチル基、2-(9-フルオレニル)プロパン-2-イル基、(9-フルオレニル)ジフェニルメチル基、2-(9-フルオレニル)エチル基などが好ましく、ベンジル基、ベンズヒドリル基、クミル基、1,1-ジフェニルエチル基、トリチル基、2-フェニルエチル基、3-フェニルプロピル基、シンナミル基がより好ましい。
前記炭素数3~40の環状飽和または不飽和炭化水素基の中でも、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、1-メチルシクロペンチル基、1-アリルシクロペンチル基、1-ベンジルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、1-メチルシクロヘキシル基、1-アリルシクロヘキシル基、1-ベンジルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘプテニル基、シクロヘプタトリエニル基、1-メチルシクロヘプチル基、1-アリルシクロヘプチル基、1-ベンジルシクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクテニル基、シクロオクタジエニル基、シクロドデシル基、4-シクロヘキシル-tert-ブチル基、ノルボルニル基、2-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1-イル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基、ペンタレニル基、インデニル基、フルオレニル基などが好ましく、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、1-メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、1-メチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基、1-アダマンチル基がより好ましい。
前記炭素数6~40の芳香族基の中でも、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、2,6-ジ-iso-プロピルフェニル基、2,4,6-トリ-iso-プロピルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル基、アリルフェニル基、プレニルフェニル基、4-アダマンチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ビナフチル基、フェナントリル基、アントラセニル基、フェロセニル基などが好ましく、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、2,6-ジ-iso-プロピルフェニル基、2,4,6-トリ-iso-プロピルフェニル基、4-tert-ブチルフェニル基、3,5-ジ-tert-ブチルフェニル基、アリルフェニル基、4-アダマンチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ビナフチル基、フェナントリル基、アントラセニル基がより好ましい。
前記R1~R3におけるハロゲン含有基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、ドデカフルオロヘキシル基、6,6,6-トリフルオロヘキシル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニルメチル基、ジ-tert-ブチル-フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ビストリフルオロメチルフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、ビストリフルオロメトキシフェニル基、トリフルオロメチルチオフェニル基、ビストリフルオロメチルチオフェニル基、フルオロビフェニル基、ジフルオロビフェニル基、トリフルオロビフェニル基、テトラフルオロビフェニル基、ペンタフルオロビフェニル基、ジ-tert-ブチル-フルオロビフェニル基、トリフルオロメチルビフェニル基、ビストリフルオロメチルビフェニル基、トリフルオロメトキシビフェニル基、ビストリフルオロメトキシビフェニル基、トリフルオロメチルジメチルシリル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、フルオロフェノキシ基、ジフルオロフェノキシ基、トリフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、ジ-tert-ブチル-フルオロフェノキシ基、トリフルオロメチルフェノキシ基、ビストリフルオロメチルフェノキシ基、トリフルオロメトキシフェノキシ基、ビストリフルオロメトキシフェノキシ基、ジフルオロメチレンジオキシフェニル基、ビストリフルオロメチルフェニルイミノメチル基、トリフルオロメチルチオ基が挙げられる。
前記R1~R3におけるハロゲン含有基の中でも、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、4,4,4-トリフルオロブチル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニルメチル基、トリフルオロメチルフェニル基、ビストリフルオロメチルフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、ペンタフルオロビフェニル基、トリフルオロメチルビフェニル基、ビストリフルオロメチルビフェニル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、ビストリフルオロメチルフェノキシ基、ビストリフルオロメチルフェノキシ基、ジフルオロメチレンジオキシフェニル基、トリフルオロメチルチオ基が好ましく、トリフルオロメチル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニルメチル基、トリフルオロメチルフェニル基、ビストリフルオロメチルフェニル基、ペンタフルオロビフェニル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基がより好ましい。
前記R1~R3におけるケイ素含有基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ-iso-プロピルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基、シクロペンタジエニルジメチルシリル基、ジ-n-ブチル(シクロペンタジエニル)シリル基、シクロペンタジエニルジフェニルシリル基、インデニルジメチルシリル基、ジ-n-ブチル(インデニル)シリル基、インデニルジフェニルシリル基、フルオレニルジメチルシリル基、ジ-n-ブチル(フルオレニル)シリル基、フルオレニルジフェニルシリル基、4-トリメチルシリルフェニル基、4-トリエチルシリルフェニル基、4-トリ-iso-プロピルシリルフェニル基、4-tert-ブチルジフェニルシリルフェニル基、4-トリフェニルシリルフェニル基、4-トリス(トリメチルシリル)シリルフェニル基、3,5-ビス(トリメチルシリル)フェニル基が挙げられる。
前記R1~R3におけるケイ素含有基の中でも、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ-iso-プロピルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、シクロペンタジエニルジメチルシリル基、シクロペンタジエニルジフェニルシリル基、インデニルジメチルシリル基、インデニルジフェニルシリル基、フルオレニルジメチルシリル基、フルオレニルジフェニルシリル基、4-トリメチルシリルフェニル基、4-トリエチルシリルフェニル基、4-トリ-iso-プロピルシリルフェニル基、4-トリフェニルシリルフェニル基、3,5-ビス(トリメチルシリル)フェニル基などが好ましく、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、4-トリメチルシリルフェニル基、4-トリエチルシリルフェニル基、4-トリ-iso-プロピルシリルフェニル基、3,5-ビス(トリメチルシリル)フェニル基がより好ましい。
前記R1~R3における酸素含有基としては、炭素数1~20の酸素含有基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、アリルオキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、iso-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、メタリルオキシ基、プレニルオキシ基、ベンジルオキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基、トルイルオキシ基、iso-プロピルフェノキシ基、アリルフェノキシ基、tert-ブチルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、iso-プロポキシフェノキシ基、アリルオキシフェノキシ基、ビフェニルオキシ基、ビナフチルオキシ基、メトキシメチル基、アリルオキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メトキシエチル基、アリルオキシエチル基、ベンジルオキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシプロピル基、アリルオキシプロピル基、ベンジルオキシプロピル基、フェノキシプロピル基、メトキシビニル基、アリルオキシビニル基、ベンジルオキシビニル基、フェノキシビニル基、メトキシアリル基、アリルオキシアリル基、ベンジルオキシアリル基、フェノキシアリル基、ジメトキシメチル基、ジ-iso-プロポキシメチル基、ジオキソラニル基、テトラメチルジオキソラニル基、ジオキサニル基、ジメチルジオキサニル基、メトキシフェニル基、iso-プロポキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチレンジオキシフェニル基、3,5-ジメチル-4-メトキシフェニル基、3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル基、フリル基、メチルフリル基、テトラヒドロフリル基、ピラニル基、テトラヒドロピラニル基、フロフリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基が挙げられる。
前記R1~R3における酸素含有基の中でも、メトキシ基、エトキシ基、iso-プロポキシ基、アリルオキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、プレニルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基、トルイルオキシ基、iso-プロピルフェノキシ基、アリルフェノキシ基、tert-ブチルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、ビフェニルオキシ基、ビナフチルオキシ基、アリルオキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシアリル基、ベンジルオキシアリル基、フェノキシアリル基、ジメトキシメチル基、ジオキソラニル基、テトラメチルジオキソラニル基、ジオキサニル基、ジメチルジオキサニル基、メトキシフェニル基、iso-プロポキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチレンジオキシフェニル基、3,5-ジメチル-4-メトキシフェニル基、3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル基、フリル基、メチルフリル基、テトラヒドロピラニル基、フロフリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基などが好ましく、メトキシ基、iso-プロポキシ基、tert-ブトキシ基、アリルオキシ基、フェノキシ基、ジメトキシメチル基、ジオキソラニル基、メトキシフェニル基、iso-プロポキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、3,5-ジメチル-4-メトキシフェニル基、3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル基、フリル基、メチルフリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基がより好ましい。
前記R1~R3における窒素含有基としては、炭素数1~20の窒素含有基が好ましく、例えば、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジ-iso-プロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジ-iso-ブチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、アリルアミノ基、ジアリルアミノ基、ジデシルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリル基、アゼピニル基、アダマンチルアミノ基、ジメチルアミノメチル基、ジベンジルアミノメチル基、ピロリジニルメチル基、ジメチルアミノエチル基、ベンジルアミノメチル基、ベンジルアミノエチル基、ピロリジニルエチル基、ジメチルアミノビニル基、ベンジルアミノビニル基、ピロリジニルビニル基、ジメチルアミノプロピル基、ベンジルアミノプロピル基、ピロリジニルプロピル基、ジメチルアミノアリル基、ベンジルアミノアリル基、ピロリジニルアリル基、アミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、3,5-ジメチル-4-ジメチルアミノフェニル基、3,5-ジ-iso-プロピル-4-ジメチルアミノフェニル基、ジュロリジニル基、テトラメチルジュロリジニル基、ピロリジニルフェニル基、ピペリジニルフェニル基、モルホリルフェニル基、ピロリルフェニル基、ピリジルフェニル基、キノリルフェニル基、イソキノリルフェニル基、インドリニルフェニル基、インドリルフェニル基、カルバゾリルフェニル基、ジ-tert-ブチルカルバゾリルフェニル基、ピロリル基、メチルピロリル基、フェニルピロリル基、ピリジル基、キノリル基、テトラヒドロキノリル基、iso-キノリル基、テトラヒドロ-iso-キノリル基、インドリル基、インドリニル基、カルバゾリル基、ジ-tert-ブチルカルバゾリル基、イミダゾリル基、ジメチルイミダゾリジニル基、ベンゾイミダソリル基、オキサゾリル基、オキサゾリジニル基、ベンゾオキサゾリル基が挙げられる。
前記R1~R3における窒素含有基の中でも、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-n-プロピルアミノ基、ジ-iso-プロピルアミノ基、ジ-n-ブチルアミノ基、ジ-iso-ブチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、アリルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリル基、アダマンチルアミノ基、ジメチルアミノメチル基、ベンジルアミノメチル基、ピロリジニルメチル基、ジメチルアミノエチル基、ピロリジニルエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ピロリジニルプロピル基、ジメチルアミノアリル基、ピロリジニルアリル基、アミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、3,5-ジメチル-4-ジメチルアミノフェニル基、3,5-ジ-iso-プロピル-4-ジメチルアミノフェニル基、ジュロリジニル基、テトラメチルジュロリジニル基、ピロリジニルフェニル基、ピペリジニルフェニル基、モルホリルフェニル基、ピロリルフェニル基、カルバゾリルフェニル基、ジ-tert-ブチルカルバゾリルフェニル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基、テトラヒドロキノリル基、iso-キノリル基、テトラヒドロ-iso-キノリル基、インドリル基、インドリニル基、カルバゾリル基、ジ-tert-ブチルカルバゾリル基、イミダゾリル基、ジメチルイミダゾリジニル基、ベンゾイミダソリル基、オキサゾリル基、オキサゾリジニル基、ベンゾオキサゾリル基などが好ましく、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ-iso-プロピルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリル基、ジメチルアミノフェニル基、3,5-ジメチル-4-ジメチルアミノフェニル基、3,5-ジ-iso-プロピル-4-ジメチルアミノフェニル基、ジュロリジニル基、テトラメチルジュロリジニル基、ピロリジニルフェニル基、ピペリジニルフェニル基、モルホリルフェニル基、ピロリルフェニル基、ピロリル基、ピリジル基、カルバゾリル基、イミダゾリル基がより好ましい。
前記R1~R3における硫黄含有基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ベンジルチオ基、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、メチルチオメチル基、ベンジルチオメチル基、フェニルチオメチル基、ナフチルチオメチル基、メチルチオエチル基、ベンジルチオエチル基、フェニルチオエチル基、ナフチルチオエチル基、メチルチオビニル基、ベンジルチオビニル基、フェニルチオビニル基、ナフチルチオビニル基、メチルチオプロピル基、ベンジルチオプロピル基、フェニルチオプロピル基、ナフチルチオプロピル基、メチルチオアリル基、ベンジルチオアリル基、フェニルチオアリル基、ナフチルチオアリル基、メルカプトフェニル基、メチルチオフェニル基、チエニルフェニル基、メチルチエニルフェニル基、ベンゾチエニルフェニル基、ジベンゾチエニルフェニル基、ベンゾジチエニルフェニル基、チエニル基、テトラヒドロチエニル基、メチルチエニル基、チエノフリル基、チエノチエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、チエノベンゾフリル基、ベンゾジチエニル基、ジチオラニル基、ジチアニル基、オキサチオラニル基、オキサチアニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、チアゾリジニル基が挙げられる。
前記R1~R3における硫黄含有基の中でも、チエニル基、メチルチエニル基、チエノフリル基、チエノチエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、チエノベンゾフリル基、ベンゾジチエニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基が好ましい。
1~R3のうち隣接した基が互いに結合して形成する置換基を有していてもよい環としては、例えば、リン原子を含む、置換基を有していてもよい4~8員環の飽和または不飽和ヘテロ環が好ましい。該環としては、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、好ましくは5員環または7員環であり、この場合、リン原子と併せた構造として、例えば、置換ホスホール環、置換ホスホラン環、置換ジヒドロホスフェピン環、置換ジオキサホスフェピン環、置換ジアザホスフェピン環、置換ホスファアダマンタン環、置換トリオキサホスファアダマンタン環が挙げられ、置換ジヒドロホスフェピン環、置換ジオキサホスフェピン環、置換ジアザホスフェピン環、置換トリオキサホスファアダマンタン環であることが好ましい。
前記R1~R3およびシクロペンタジエニル型配位子における置換基としては、炭素数1~40の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基、硫黄含有基等が挙げられる。
これらの置換基の具体例としては、前記R1~R3における基として例示した基と同様の基が挙げられる。
以下、便宜上、前記遷移金属化合物(A)の、Cpで表される部分をシクロペンタジエニル型配位子部分、MXnで表される部分を金属部分、R1~R3の総称を置換基部分、=P-(R1)(R2)(R3)で表される部分であって、該R1~R3のうち隣接した基が互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成している場合のこの部分をイミド型配位子部分環状構造という。
前記シクロペンタジエニル型配位子部分の略称をαとし、その具体例を下記表1に示す。
前記置換基部分の略称をβとし、その具体例を下記表2に示す。
前記イミド型配位子部分環状構造の略称をγとし、その具体例を下記表3に示す。
なお、前記表3中のR3、RaおよびRbは、前記表2のβ-1~β-66のいずれかである。また、表3中の波線は窒素原子との結合部位を示す。
前記金属部分(MXn)の具体例としては、TiF2、TiCl2、TiBr2、TiI2、Ti(Me)2、Ti(Bn)2、Ti(アリル)2、Ti(CH2-tBu)2、Ti(1,3-ブタジエニル)、Ti(1,3-ペンタジエニル)、Ti(2,4-ヘキサジエニル)、Ti(1,4-ジフェニル-1,3-ペンタジエニル)、Ti(CH2-Si(Me)32、Ti(ОMe)2、Ti(ОiPr)2、Ti(NMe22、Ti(ОMs)2、Ti(ОTs)2、Ti(ОTf)2、ZrF2、ZrCl2、ZrBr2、ZrI2、Zr(Me)2、Zr(Bn)2、Zr(アリル)2、Zr(CH2-tBu)2、Zr(1,3-ブタジエニル)、Zr(1,3-ペンタジエニル)、Zr(2,4-ヘキサジエニル)、Zr(1,4-ジフェニル-1,3-ペンタジエニル)、Zr(CH2-Si(Me)32、Zr(ОMe)2、Zr(ОiPr)2、Zr(NMe22、Zr(ОMs)2、Zr(ОTs)2、Zr(ОTf)2、HfF2、HfCl2、HfBr2、HfI2、Hf(Me)2、Hf(Bn)2、Hf(アリル)2、Hf(CH2-tBu)2、Hf(1,3-ブタジエニル)、Hf(1,3-ペンタジエニル)、Hf(2,4-ヘキサジエニル)、Hf(1,4-ジフェニル-1,3-ペンタジエニル)、Hf(CH2-Si(Me)32、Hf(ОMe)2、Hf(ОiPr)2、Hf(NMe22、Hf(ОMs)2、Hf(ОTs)2、Hf(ОTf)2が挙げられる。
ここで、Meはメチル基、Bnはベンジル基、tBuはtert-ブチル基、Si(Me)3はトリメチルシリル基、ОMeはメトキシ基、ОiPrはiso-プロポキシ基、NMe2はジメチルアミノ基、ОMsはメタンスルホナート基、ОTsはp-トルエンスルホナート基、ОTfはトリフルオロメタンスルホナート基である。
遷移金属化合物(A)の具体例としては、下記式[11]~[14]で表される化合物が挙げられる。
なお、下記式[14]における金属部分(MXn)は、Ti(1,3-ペンタジエニル)である。
遷移金属化合物(A)は、従来公知の製造方法により製造することができ、その製造方法は特に制限されない。
該従来公知の製造方法としては、例えば、「Оrganometallics 1999,18,1116.」、特表2001-516776号公報、「Оrganometallics 2001,20,4424.」、「Chem. Commun. 2002,608.」、「Оrganometallics 2003,22,1937.」、「J.Organomet.Chem. 2004,689,203.」、「Оrganometallics 2004,23,1562.」、「Оrganometallics 2004,23,3309.」、国際公開第2005/090418号、米国特許第6239061号明細書、「Оrganometallics 2005,24,2548.」、特表2007-529584号公報、「J.Organomet.Chem. 2011,696,2451.」、「Dalton Trans. 2011,40,7842.」、特開2012-007171号公報、特開2012-046764号公報、特開2013-155371号公報、特表2013-510214号公報、特表2013-515120号公報、米国特許第9045504号明細書、特表2014-509670号公報、米国特許第9035081号明細書、特表2015-520276号公報、特表2016-532730号公報、特表2017-509595号公報に記載の方法等が挙げられる。
[固体状アルミノキサン化合物(S)]
固体状アルミノキサン化合物(S)としては特に制限されないが、下記式(S-a)で表される構造のアルミノキサン、下記式(S-b)で表される構造のアルミノキサン、および、下記式(S-c)で表される繰り返し単位と下記式(S-d)で表される繰り返し単位とを構造として有するアルミノキサンから選ばれる少なくとも1種のアルミノキサンが挙げられる。
オレフィン重合用触媒に用いる固体状アルミノキサン化合物(S)は、1種でもよく、2種以上でもよい。
前記式(S-a)~(S-d)において、Reはそれぞれ独立に、炭素数1~20、好ましくは1~4の炭化水素基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、フェニル基、トリル基、エチルフェニル基が挙げられ、メチル基、エチル基、イソブチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。また、Reの一部が塩素、臭素などのハロゲン原子で置換され、かつハロゲン含有率がRe100質量%に対し、40質量%以下であってもよい。
(S-c)および(S-d)中の、一端が原子と繋がっていない線分は、示していない別の原子との結合を示す。
前記式(S-a)および(S-b)中、rは2~500の整数を示し、好ましくは6~300、特に好ましくは10~100である。
前記式(S-c)および(S-d)中、s、tはそれぞれ1以上の整数を示す。
前記r、sおよびtは、前記アルミノキサンが、用いられる反応環境下において実質的に固体状態を維持できるように選択される。
前記固体状アルミノキサン化合物は、従来公知のオレフィン重合触媒用担体と異なり、シリカやアルミナなどの無機固体成分や、ポリエチレン、ポリスチレンなどの有機系ポリマー成分を含まず、アルキルアルミニウム化合物を主たる成分として固体化したものである。
前記「固体状」とは、アルミノキサン化合物が、用いられる反応環境下において、実質的に固体状態を維持することである。より具体的には、後述のように前記遷移金属化合物(A)と固体状アルミノキサン化合物(S)とを接触させてオレフィン重合用触媒を調製する際、および、調製されたオレフィン重合用触媒を用いてエチレンの重合(例:スラリー重合)を行う場合に、アルミノキサン化合物が実質的に固体状態を維持することである。
なお、重合環境下において前記アルミノキサン化合物の一部が多少液状等になったとしても本発明の趣旨を逸脱することはない。
前記アルミノキサン化合物が固体状態であるかどうかは、目視による確認が最も簡便な方法であるが、例えば、重合時などは目視による確認が困難である場合が多い。その場合は、例えば、重合後に得られた重合体パウダーの性状や反応器への付着状態などから判断することが可能である。重合体パウダーの性状を判断する指標としては、嵩密度、粒子形状、表面形状、不定形ポリマーの存在度合いなどが挙げられるが、定量性の観点からポリマー嵩密度が好ましい。前記嵩密度は、通常0.01~0.9g/cm3、好ましくは0.05~0.6g/cm3、より好ましくは0.1~0.5g/cm3である。
前記固体状アルミノキサン化合物(S)の、25℃の温度に保持されたn-ヘキサンに対する溶解割合は、通常0~40モル%、好ましくは0~20モル%、特に好ましくは0~10モル%である。
前記溶解割合は、25℃に保持された50mlのn-ヘキサンに固体状アルミノキサン化合物(S)2gを加えた後、2時間撹拌を行ない、次いで、G-4グラス製フイルターを用いて得られた濾液中のアルミニウム濃度を測定することで求められる。従って、溶解割合は、用いた固体状アルミノキサン化合物(S)2gに相当するアルミニウム原子の量に対する、前記濾液中に存在するアルミニウム原子の割合として決定される。
前記固体状アルミノキサン化合物(S)としては、公知の固体状アルミノキサン化合物を制限なく用いることができ、例えば、国際公開第2014/123212号に記載された固体状ポリアルミノキサン組成物を用いることもできる。
前記固体状アルミノキサン化合物(S)としては、公知の製造方法で製造することもでき、該公知の製造方法としては、例えば、特公平7-42301号公報、特開平6-220126号公報、特開平6-220128号公報、特開平11-140113号公報、特開平11-310607号公報、特開2000-38410号公報、特開2000-95810号公報、国際公開第2010/55652号などに記載された製造方法が挙げられる。
前記固体状アルミノキサン化合物(S)は、粒子状であることが好ましい。
粒子状である前記固体状アルミノキサン化合物(S)の重量平均粒子径は、通常0.01~50000μm、好ましくは1~1000μm、特に好ましくは1~200μmである。該重量平均粒子径は、走査型電子顕微鏡により粒子状の固体状アルミノキサン化合物(S)を観察し、100個以上の粒子の粒径を測定し、重量平均化することにより求められる。まず、各粒子の粒径は、粒子像を水平方向、垂直方向それぞれに2本の平行線で挟んで長さを測り、下式により求められる。
粒径=((水平方向長さ)2+(垂直方向長さ)20.5
次に、固体状アルミノキサン化合物(S)の重量平均粒子径は、前記で求めた粒径を用いて下式により求められる。
平均粒子径=Σnd4/Σnd3
〔n;粒子個数、d;粒径〕
前記固体状アルミノキサン化合物(S)の比表面積は、通常50~1000m2/g、好ましくは100~800m2/gであり、細孔容積は、好ましくは0.1~2.5cm3/gである。
[オレフィン重合用触媒の調製方法]
前記オレフィン重合用触媒は、少なくとも1種の遷移金属化合物(A)と、少なくとも1種の固体状アルミノキサン化合物(S)とを、有機溶媒中または有機溶媒を用いた重合系中に添加することにより調製される固体触媒成分(X)が好ましい態様の一つである。
各成分の接触方法は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、例えば、固体または液体の遷移金属化合物(A)を、固体状アルミノキサン化合物(S)と有機溶媒とを含む懸濁液に一括添加または分割添加して接触させる方法;遷移金属化合物(A)を有機溶媒に溶解または懸濁させたものを、固体状アルミノキサン化合物(S)と有機溶媒とを含む懸濁液に一括添加または分割添加して接触させる方法;有機溶媒に懸濁させた固体状アルミノキサン化合物(S)を、遷移金属化合物(A)に添加して接触させる方法;が挙げられる。反応を均一にする観点からは、遷移金属化合物(A)を固体状アルミノキサン化合物(S)に添加することが好ましい。遷移金属化合物(A)を2種以上使用する場合は、遷移金属化合物(A)を1種ずつ添加しても、2種以上を混合して添加してもよい。
前記接触方法におけるいずれの方法においても、下記成分(G)を用いることにより、重合反応中のファウリングをさらに高度に抑制することや、エチレン系重合体の粒子性状をさらに改善することができる。
前記成分(G)としては、極性官能基を有する化合物が挙げられ、非イオン性(ノニオン)界面活性剤が好ましく、高級脂肪族アミド、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテル、アルキルジエタノールアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、N-アシルアミノ酸がより好ましい。前記成分(G)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記有機溶媒としては、不活性炭化水素が挙げられ、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物等が挙げられる。
本方法には、前記固体触媒成分(X)をそのまま用いることができるが、この固体触媒成分(X)にオレフィンを予備重合させ予備重合触媒成分(XP)を形成してから用いることにより、重合反応中のファウリングをさらに高度に抑制することや、エチレン系重合体の粒子性状をさらに改善することができる。
予備重合触媒成分(XP)は、前記固体触媒成分(X)の存在下、通常、不活性炭化水素中、オレフィンを導入することにより調製することができる。
予備重合触媒成分(XP)を調製する際には、ファウリングの抑制やエチレン系重合体の粒子性状を改善することを目的として、前記固体触媒成分(X)と前記成分(G)とを混合接触してもよい。
前記固体触媒成分(X)と前記成分(G)とを混合接触するに際して、前記成分(G)の使用量は、固体触媒成分(X)100質量部に対して、通常0.1~20質量部、好ましくは0.3~10質量部、より好ましくは0.4~5質量部である。
前記固体触媒成分(X)と前記成分(G)との混合接触は、不活性炭化水素中で行うことができ、該不活性炭化水素としては、前記固体触媒成分(X)の調製に用いる有機溶媒と同様の溶媒等が挙げられる。
不活性炭化水素中で調製した予備重合触媒成分(XP)は、懸濁液から分離した後、再び不活性炭化水素中に懸濁させ、得られた懸濁液中にオレフィンを導入してもよく、また、懸濁液から分離して乾燥させた後オレフィンを導入してもよい。
前記予備重合触媒成分(XP)における固体触媒成分(X)の重合容積1リットル中の濃度は、通常1~1000グラム/リットル、好ましくは10~500グラム/リットルである。
オレフィンを予備重合する方法としては、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法でもよい。また、オレフィンの予備重合反応は、減圧、常圧または加圧下のいずれでも行うことができる。
前記予備重合温度は、通常-20~80℃、好ましくは0~60℃である。また、予備重合時間は、通常0.5~100時間、好ましくは1~50時間である。
また、前記予備重合触媒成分(XP)の流動性の改善や、重合時のヒートスポット・シーティングやポリマー塊の発生抑制を目的に、前記予備重合によって一旦生成させた予備重合触媒成分(XP)に前記成分(G)を混合接触させてもよい。
前記成分(G)を混合接触させる際の温度は、通常-50~50℃、好ましくは-20~50℃であり、接触時間は1~1000分間、好ましくは5~600分間である。
前記オレフィン重合用触媒は、前記予備重合触媒成分(XP)を、不活性ガスの流通下で乾燥して乾燥予備重合触媒として用いることもできる。このような態様は、特に気相重合法を採用する場合に好ましい。勿論、液相重合法の場合に用いることもできる。
また、前記オレフィン重合用触媒には、必要に応じて下記成分(B)を用いることができる。
下記成分(B)は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
成分(B)としては、下記(b-1)~(b-3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
(b-1):下記式[b-1-1]、[b-1-2]または[b-1-3]で表される有機金属化合物
(b-2):有機アルミニウムオキシ化合物
(b-3):遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物
a mAl(ORb)npq・・・[b-1-1]
〔式[b-1-1]中、RaおよびRbは、炭素数1~15の炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3であり、かつ、m+n+p+q=3である。〕
aAlRa 4・・・[b-1-2]
〔式[b-1-2]中、MaはLi、NaまたはKであり、Raは独立に、炭素数1~15の炭化水素基である。〕
a rbb st・・・[b-1-3]
〔式[b-1-3]中、RaおよびRbは、炭素数1~15の炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていてもよく、Mbは、Mg、ZnまたはCdであり、Xはハロゲン原子であり、rは0<r≦2、sは0≦s≦1、tは0≦t≦1であり、かつ、r+s+t=2である。〕
前記(b-1)としては、特に、前記式[b-1-1]で表される有機アルミニウム化合物が好ましい。
前記成分(B)として前記式[b-1-1]で表される有機アルミニウム化合物を用いる場合、該成分(B)の使用量は、該成分(B)中のアルミニウム原子(Al)と遷移金属化合物(A)とのモル比(成分(B)/遷移金属化合物)が、通常0.1~10000、好ましくは0.5~5000となるような量である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[固体状アルミノキサン(S-1)の調製]
固体状アルミノキサンの調製は、国際公開第2010/055652号に記載の方法(予備実験1および実施例5)に準じて実施した。ただし、トリメチルアルミニウムの発火等の安全性に配慮して、当該文献に開示されている条件の約1/6倍の濃度で実施した。
具体的には、攪拌装置を有するガラス製反応器に0.5mol/Lに調整したトリエチルアルミニウムのトルエン溶液100mLを装入した。この溶液を15℃になるまで冷却し、これに安息香酸2.18gを溶液の温度が25℃以下になるような速度でゆっくりと添加した。その後50℃で加熱熟成を1時間行った。この時、トリメチルアルミニウムのアルミニウム原子と安息香酸の酸素原子とのモル比(Al/O)は、1.40であった。
加熱熟成後の反応液を70℃で4時間加熱し、その後60℃で6時間加熱した後、一度室温まで冷却した。次いで、100℃で8時間加熱し、固体状アルミノキサンを析出させた。固体状アルミノキサンが析出した液を、30℃以下まで冷却した後、洗浄のためにn-ヘキサン100mLを攪拌下で添加し、30分間静置した後、上澄み液150mLを除去し、さらにn-ヘキサン150mLを攪拌下で添加し、15分間静置した。その後、上澄み液150mLを除去し、さらにn-ヘキサン150mLを攪拌下で添加し、15分間静置した後、上澄み液180mLを除去し、得られるスラリー中のn-ヘキサンを総量が42mLになるようにn-ヘキサンを添加することで、固体状アルミノキサン(S-1)のヘキサンスラリーを得た。
得られた固体状アルミノキサン(S-1)のヘキサンスラリーの一部を採取し、濃度を調べたところ、スラリー濃度は14.2g/Lであり、Al濃度は0.202mol/Lであった。また、得られた固体状アルミノキサン(S-1)の粒子を、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、平均粒子径は6.8μmであり、比表面積は18.1m2/mmol-Alであった。
[オレフィン重合用触媒(B-1)の調製]
磁気攪拌子を備え、充分に窒素置換した30mLガラス容器に、脱水ヘキサン9.79mLを装入し、前記で調製した固体状アルミノキサン(S-1)のヘキサンスラリーを5.03mL(Al原子換算で1.02mmol)装入した。次いで、下記(A-1)で表される遷移金属錯体のヘキサン溶液4.45mL(Ti原子換算で0.0622mmol)を滴下装入し、室温で1時間反応することで、オレフィン重合用触媒(B-1)を得た。
[オレフィン重合用触媒(CB-1)の調製]
磁気攪拌子を備え、充分に窒素置換した30mLガラス容器に、脱水ヘキサン4.65mLを装入し、固体状アルミノキサン(S-1)のヘキサンスラリーを8.20mL(Al原子換算で1.66mmol)装入した。次いで、下記(C-1)で表される遷移金属錯体のヘキサン溶液2.15mL(Zr原子換算で0.0105mmol)を滴下装入し、室温で1時間反応させ、オレフィン重合用触媒(CB-1)を得た。
[オレフィン重合用触媒(CB-2)の調製]
磁気攪拌子を備え、充分に窒素置換した30mLガラス容器に、脱水ヘキサン5.67mLを装入し、固体状アルミノキサン(S-1)のヘキサンスラリーを17.45mL(Al原子換算で3.52mmol)装入した。次いで、前記(C-1)で表される遷移金属錯体のヘキサン溶液1.60mL(Zr原子換算で0.0122mmol)を滴下装入し、室温で10分間反応させた。次いで、下記(C-2)で表される遷移金属錯体のヘキサン溶液0.28mL(Zr原子換算で0.0012mmol)を滴下装入し、室温で1時間反応させ、オレフィン重合用触媒(CB-2)を得た。
[実施例1]
・工程(1)
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、精製ヘプタン500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.25mmolおよびオレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で12.0mg装入し、75℃に昇温して、0.30MPa・Gとなるようにエチレンを連続的に供給し、156分間重合を行うことでエチレン系重合体(e1-1)を得た。
・工程(2)
その後、エチレン系重合体(e1-1)を含むオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.10mmol、1-ヘキセンを9ml、および、オレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で0.24mg装入し、再びエチレンを連続的に供給し、60分間重合を行い、2段重合を行った。その後、オートクレーブを冷却し、残留ガスをパージして重合を停止した。得られたエチレン系重合体(E1)のスラリーを、ろ紙No.4を用いた桐山ロート(φ95mm)でろ過した。この際のろ紙のつまりはなかった。ろ物であるエチレン系重合体(E1)を80℃で10時間減圧乾燥することで、エチレン系重合体(E1)を得た。
なお、この工程(2)のみで合成されたエチレン系重合体、つまり、得られたエチレン系重合体(E1)におけるエチレン系重合体(e1-1)以外の重合体を、以下「エチレン系重合体(e2-1)」ともいう。
また、以下の実施例および比較例では、小試(実験室レベルの試験)として、バッチ重合を行っているが、工業生産時には、例えば、第1重合槽や第2重合槽等を用いる連続多段重合を行うことになると考えられる。バッチ重合では、前記推測のような、ショートパス成分が生じない傾向にあるため、連続多段重合の際に生じ得ると考えられるショートパス成分を再現するために、前記工程(2)において、オレフィン重合用触媒を追添加することで、疑似的にショートパス成分を再現している。つまり、以下の実施例は、バッチ重合ではあるが、第1重合槽や第2重合槽等を用いる連続多段重合を行う際に生じ得ると考えられる問題を解決できることを示す試験でもある。
得られたエチレン系重合体(E1)の量は177.0gであり、重合活性は47.6kg-PE/mmol-Ti・hrであり、生産性は9800g-PE/g-cat.・hrであった。
[実施例2]
・工程(1)
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、精製ヘプタン500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.25mmolおよびオレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で18.0mg装入し、75℃に昇温して、0.30MPa・Gとなるようにエチレンを連続的に供給し、156分間重合を行うことでエチレン系重合体(e1-2)を得た。
・工程(2)
その後、エチレン系重合体(e1-2)を含むオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.10mmol、1-ヘキセンを12ml、および、オレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で0.36mg装入し、再びエチレンを連続的に供給し、143分間重合を行い、2段重合を行った。その後、オートクレーブを冷却し、残留ガスをパージして重合を停止した。得られたエチレン系重合体(E2)のスラリーを、ろ紙No.4を用いた桐山ロート(φ95mm)でろ過した。この際のろ紙のつまりはなかった。ろ物であるエチレン系重合体(E2)を80℃で10時間減圧乾燥することで、エチレン系重合体(E2)を得た。
なお、この工程(2)のみで合成されたエチレン系重合体、つまり、得られたエチレン系重合体(E2)におけるエチレン系重合体(e1-2)以外の重合体を、以下「エチレン系重合体(e2-2)」ともいう。
得られたエチレン系重合体(E2)の量は290.5gであり、重合活性は52.0kg-PE/mmol-Ti・hrであり、生産性は10100g-PE/g-cat.・hrであった。
[実施例3]
・工程(1)
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、精製ヘプタン500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.25mmolおよびオレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で3.0mg装入し、75℃に昇温して、0.30MPa・Gとなるようにエチレンを連続的に供給し、156分間重合を行うことでエチレン系重合体(e1-3)を得た。
・工程(2)
その後、エチレン系重合体(e1-3)を含むオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.10mmol、1-ヘキセンを13.5ml、および、オレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で0.06mg装入し、再びエチレンを連続的に供給し、90分間重合を行い、2段重合を行った。その後、オートクレーブを冷却し、残留ガスをパージして重合を停止した。得られたエチレン系重合体(E3)のスラリーを、ろ紙No.4を用いた桐山ロート(φ95mm)でろ過した。この際のろ紙のつまりはなかった。ろ物であるエチレン系重合体(E3)を80℃で10時間減圧乾燥することで、エチレン系重合体(E3)を得た。
なお、この工程(2)のみで合成されたエチレン系重合体、つまり、得られたエチレン系重合体(E3)におけるエチレン系重合体(e1-3)以外の重合体を、以下「エチレン系重合体(e2-3)」ともいう。
得られたエチレン系重合体(E3)の量は198.4gであり、重合活性は50.0kg-PE/mmol-Ti・hrであり、生産性は9600g-PE/g-cat.・hrであった。
[実施例4]
・工程(1)
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、精製ヘプタン500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.25mmolおよびオレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で2.0mg装入し、80℃に昇温して、0.65MPa・Gとなるようにエチレンを連続的に供給し、156分間重合を行うことでエチレン系重合体(e1-4)を得た。
・工程(2)
その後、エチレン系重合体(e1-4)を含むオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.10mmol、1-ヘキセンを3.0ml、および、オレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で0.04mg装入し、再びエチレンを連続的に供給し、140分間重合を行い、2段重合を行った。その後、オートクレーブを冷却し、残留ガスをパージして重合を停止した。得られたエチレン系重合体(E4)のスラリーを、ろ紙No.4を用いた桐山ロート(φ95mm)でろ過した。この際のろ紙のつまりはなかった。ろ物であるエチレン系重合体(E4)を80℃で10時間減圧乾燥することで、エチレン系重合体(E4)を得た。
なお、この工程(2)のみで合成されたエチレン系重合体、つまり、得られたエチレン系重合体(E4)におけるエチレン系重合体(e1-4)以外の重合体を、以下「エチレン系重合体(e2-4)」ともいう。
得られたエチレン系重合体(E4)は142.6gであり、重合活性は191.6kg-PE/mmol-Ti・hrであり、生産性は9500g-PE/g-cat.・hrであった。
[実施例5]
・工程(1)
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、精製ヘプタン500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.25mmolおよびオレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で3.0mg装入し、80℃に昇温して、0.65MPa・Gとなるようにエチレンを連続的に供給し、156分間重合を行うことでエチレン系重合体(e1-5)を得た。
・工程(2)
その後、エチレン系重合体(e1-5)を含むオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.10mmol、1-ヘキセンを3.0ml、および、オレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で0.06mg装入し、再びエチレンを連続的に供給し、100分間重合を行い、2段重合を行った。その後、オートクレーブを冷却し、残留ガスをパージして重合を停止した。得られたエチレン系重合体(E5)のスラリーを、ろ紙No.4を用いた桐山ロート(φ95mm)でろ過した。この際のろ紙のつまりはなかった。ろ物であるエチレン系重合体(E5)を80℃で10時間減圧乾燥することで、エチレン系重合体(E5)を得た。
なお、この工程(2)のみで合成されたエチレン系重合体、つまり、得られたエチレン系重合体(E5)におけるエチレン系重合体(e1-5)以外の重合体を、以下「エチレン系重合体(e2-5)」ともいう。
得られたエチレン系重合体(E5)は164.2gであり、重合活性は134.5kg-PE/mmol-Ti・hrであり、生産性は13000g-PE/g-cat.・hrであった。
[実施例6]
・工程(1)
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、精製ヘプタン500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.25mmolおよびオレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で3.0mg装入し、80℃に昇温して、0.65MPa・Gとなるようにエチレンを連続的に供給し、156分間重合を行うことでエチレン系重合体(e1-6)を得た。
・工程(2)
その後、エチレン系重合体(e1-6)を含むオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.10mmol、1-ヘキセンを5.0ml、および、オレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で0.06mg装入し、再びエチレンを連続的に供給し、90分間重合を行い、2段重合を行った。その後、オートクレーブを冷却し、残留ガスをパージして重合を停止した。得られたエチレン系重合体(E6)のスラリーを、ろ紙No.4を用いた桐山ロート(φ95mm)でろ過した。この際のろ紙のつまりはなかった。ろ物であるエチレン系重合体(E6)を80℃で10時間減圧乾燥することで、エチレン系重合体(E6)を得た。
なお、この工程(2)のみで合成されたエチレン系重合体、つまり、得られたエチレン系重合体(E6)におけるエチレン系重合体(e1-6)以外の重合体を、以下「エチレン系重合体(e2-6)」ともいう。
得られたエチレン系重合体(E6)は154.5gであり、重合活性は129.6kg-PE/mmol-Ti・hrであり、生産性は12600g-PE/g-cat.・hrであった。
[実施例7]
・工程(1)
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、精製ヘプタン500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.25mmolおよびオレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で3.0mg装入し、80℃に昇温して、0.65MPa・Gとなるようにエチレンを連続的に供給し、156分間重合を行うことでエチレン系重合体(e1-7)を得た。
・工程(2)
その後、エチレン系重合体(e1-7)を含むオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.10mmol、1-ヘキセンを3.0ml、および、オレフィン重合用触媒(B-1)を固体成分換算で0.06mg装入し、再びエチレンを連続的に供給し、160分間重合を行い、2段重合を行った。その後、オートクレーブを冷却し、残留ガスをパージして重合を停止した。得られたエチレン系重合体(E7)のスラリーを、ろ紙No.4を用いた桐山ロート(φ95mm)でろ過した。この際のろ紙のつまりはなかった。ろ物であるエチレン系重合体(E7)を80℃で10時間減圧乾燥することで、エチレン系重合体(E7)を得た。
なお、この工程(2)のみで合成されたエチレン系重合体、つまり、得られたエチレン系重合体(E7)におけるエチレン系重合体(e1-7)以外の重合体を、以下「エチレン系重合体(e2-7)」ともいう。
得られたエチレン系重合体(E7)は149.55gであり、重合活性は96.5kg-PE/mmol-Ti・hrであり、生産性は13400g-PE/g-cat.・hrであった。
[比較例1]
・工程(1)
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、精製ヘプタン500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.25mmol、脱水1-ヘキセンを3mlおよびオレフィン重合用触媒(CB-1)を固体成分換算で7.00mg装入し、80℃に昇温して、0.50MPa・Gとなるようにエチレンを連続的に供給し、156分間重合を行うことでエチレン系重合体(ce1-1)を得た。
・工程(2)
その後、エチレン系重合体(ce1-1)を含むオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.10mmol、1-ヘキセンを9ml、および、オレフィン重合用触媒(CB-1)を固体成分換算で0.14mg装入し、再びエチレンを連続的に供給し、80分間重合を行い、2段重合を行った。その後、オートクレーブを冷却し、残留ガスをパージして重合を停止した。得られたエチレン系重合体(CE1)のスラリーを、ろ紙No.4を用いた桐山ロート(φ95mm)でろ過した。この際のろ紙のつまりはなかった。ろ物であるエチレン系重合体(CE1)を80℃で10時間減圧乾燥することで、エチレン系重合体(CE1)を得た。
なお、この工程(2)のみで合成されたエチレン系重合体、つまり、得られたエチレン系重合体(CE1)におけるエチレン系重合体(ce1-1)以外の重合体を、以下「エチレン系重合体(ce2-1)」ともいう。
得られたエチレン系重合体(CE1)は267.84gであり、重合活性は110.55kg-PE/mmol-Zr・hrであり、生産性は15305g-PE/g-cat.・hrであった。
[比較例2]
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、精製ヘプタン500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.25mmolおよびオレフィン重合用触媒(CB-1)を固体成分換算で7.70mg装入し、80℃に昇温して、0.65MPa・Gとなるようにエチレンを連続的に供給し、150分間重合を行うことでエチレン系重合体(ce1-2)を得た。
その後、エチレン系重合体(ce1-2)を含むオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.10mmol、1-ヘキセンを9ml、および、オレフィン重合用触媒(CB-1)を固体成分換算で0.15mg装入し、再びエチレンを連続的に供給し、20分間重合を行い、2段重合を行った。その後、オートクレーブを冷却し、残留ガスをパージして重合を停止した。得られたエチレン系重合体(CE2)のスラリーを、ろ紙No.4を用いた桐山ロート(φ95mm)でろ過した。この際のろ紙のつまりはなかった。ろ物であるエチレン系重合体(CE2)を80℃で10時間減圧乾燥することで、エチレン系重合体(CE2)を得た。
なお、この工程(2)のみで合成されたエチレン系重合体、つまり、得られたエチレン系重合体(CE2)におけるエチレン系重合体(ce1-2)以外の重合体を、以下「エチレン系重合体(ce2-2)」ともいう。
得られたエチレン系重合体(CE2)は116.7gであり、重合活性は43.8kg-PE/mmol-Zr・hrであり、生産性は6060g-PE/g-cat.・hrであった。
[比較例3]
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、精製ヘプタン500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.25mmolおよびオレフィン重合用触媒(CB-2)を固体成分換算で6.00mg装入し、75℃に昇温して、0.65MPa・Gとなるようにエチレンを連続的に供給し、96分間重合を行うことでエチレン系重合体(ce1-3)を得た。
その後、エチレン系重合体(ce1-3)を含むオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)0.10mmol、1-ヘキセンを6ml、および、オレフィン重合用触媒(CB-2)を固体成分換算で0.14mg装入し、再びエチレンを連続的に供給し、35分間重合を行い、2段重合を行った。その後、オートクレーブを冷却し、残留ガスをパージして重合を停止した。得られたエチレン系重合体(CE3)のスラリーを、ろ紙No.4を用いた桐山ロート(φ95mm)でろ過した。この際のろ紙のつまりはなかった。ろ物であるエチレン系重合体(CE3)を80℃で10時間減圧乾燥することで、エチレン系重合体(CE3)を得た。
なお、この工程(2)のみで合成されたエチレン系重合体、つまり、得られたエチレン系重合体(CE3)におけるエチレン系重合体(ce1-3)以外の重合体を、以下「エチレン系重合体(ce2-3)」ともいう。
得られたエチレン系重合体(CE3)は151.4gであり、重合活性は82.2kg-PE/mmol-Zr・hrであり、生産性は7970g-PE/g-cat.・hrであった。
[比較例4]
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、精製ヘプタン500mLを入れ、エチレンを流通し、液相および気相をエチレンで飽和させた。ここに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.25mmolおよびオレフィン重合用触媒(CB-2)を固体成分換算で15.00mg装入し、75℃に昇温して、0.65MPa・Gとなるようにエチレンを連続的に供給し、156分間重合を行うことでエチレン系重合体(ce1-4)を得た。
その後、エチレン系重合体(ce1-4)を含むオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウムのn-デカン溶液(Al=1.0mol/L)をAl換算で0.10mmol、1-ヘキセンを3ml、および、オレフィン重合用触媒(CB-2)を固体成分換算で0.30mg装入し、再びエチレンを連続的に供給し、70分間重合を行い、2段重合を行った。その後、オートクレーブを冷却し、残留ガスをパージして重合を停止した。得られたエチレン系重合体(CE4)のスラリーを、ろ紙No.4を用いた桐山ロート(φ95mm)でろ過した。この際のろ紙のつまりはなかった。ろ物であるエチレン系重合体(CE4)を80℃で10時間減圧乾燥することで、エチレン系重合体(CE4)を得た。
なお、この工程(2)のみで合成されたエチレン系重合体、つまり、得られたエチレン系重合体(CE4)におけるエチレン系重合体(ce1-4)以外の重合体を、以下「エチレン系重合体(ce2-4)」ともいう。
得られたエチレン系重合体(CE4)は243.5gであり、重合活性は44.9kg-PE/mmol-Zr・hrであり、生産性は4350g-PE/g-cat.・hrであった。
<エチレン系重合体(e1)およびエチレン系重合体(E)の極限粘度[η]>
極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。
前記工程(1)で得られたエチレン系重合体(e1)[(e1-1)~(e1-7)、(ce1-1)~(ce1-4)]、および、最終的に得られたエチレン系重合体(E)[(E1)~(E7)、(CE1)~(CE4)]の極限粘度[η]を測定した。結果を表4および5に示す。
具体的には、これら各重合体約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリンを5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η]として求めた(下記式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
<エチレン系重合体(e2)の極限粘度[η]>
前記工程(1)で得られたエチレン系重合体(e1)の極限粘度[η]1、および、最終的に得られたエチレン系重合体(E)の極限粘度[η]Eの値と、以下のようにして求めたエチレン系重合体(e1)とエチレン系重合体(e2)[(e2-1)~(e2-7)、(ce2-1)~(ce2-4)]との質量比とから、エチレン系重合体(e2)の極限粘度[η]2を算出した。結果を表4および5に示す。
具体的には、エチレン系重合体(e1)および(e2)の質量割合をそれぞれw1およびw2(但し、w1+w2=1)とした場合、エチレン系重合体(e2)の極限粘度[η]2は、下記式で算出できる。
[η]2=([η]E-w1・[η]1)/w2
<エチレン系重合体(e1)とエチレン系重合体(e2)との重合量比>
最終的に得られたエチレン系重合体(E)の分子量曲線から、前記工程(1)で得られたエチレン系重合体(e1)および前記工程(2)で重合されたエチレン系重合体(e2)それぞれに由来するピーク曲線を分離し、それぞれのピーク曲線から、エチレン系重合体(e1)と(e2)との重合量比(質量比)を算出した。具体的には、以下のように算出した。結果を表4および5に示す。
ウォーターズ社製GPC-150Cを用いて、最終的に得られたエチレン系重合体(E)の分子量曲線を以下のようにして測定した。
分離カラムとして、TSKgel GMH6-HTおよびTSKgel GMH6-HTL(カラムサイズはそれぞれ内径7.5mm、長さ600mm)を用い、カラム温度を140℃とし、移動相には、酸化防止剤としてBHT(武田薬品工業(株)製)0.025質量%を含むo-ジクロロベンゼン(富士フィルム和光純薬(株)製)を用い、移動相を1.0ml/minで移動させ、試料濃度を0.1質量%とし、試料注入量を500μlとし、検出器として示差屈折計を用いた。また、標準ポリスチレンとして、分子量がMw<1,000およびMw>4×106の場合には、東ソー(株)製の標準ポリスチレンを用い、分子量が1,000≦Mw≦4×106の場合には、プレッシャーケミカル社製の標準ポリスチレンを用いた。分子量の計算は、ユニバーサル校正して、ポリエチレンに換算して求めた。
最終的に得られたエチレン系重合体(E)の分子量曲線から、エチレン系重合体(e1)および(e2)それぞれに由来するピーク曲線を分離した。ピーク曲線の分離は、マイクロソフト社製のエクセルのビジュアルベーシックを用いて作成したプログラムに基づき行った。分離する2つのピーク曲線は対数正規分布として、収束計算により分子量分布曲線を分子量が異なる2つのピーク曲線に分離した。分離した2つのピーク曲線を再合成した曲線とGPC法で実測した分子量曲線とを比較して、両者がほぼ一致するように初期値を変更しながら計算を実行した。計算はLog(分子量)を0.02間隔に分割し、実測した分子量曲線の面積と分離した2つのピーク曲線を再合成した曲線の面積とが1になるように強度を規格化して行った。
<重量平均分子量(Mw)>
前記で得られた、エチレン系重合体(e1)および(e2)それぞれの分子量曲線から、エチレン系重合体(e1)および(e2)それぞれの重量平均分子量(Mw)を算出した。結果を表4および5に示す。
<エチレン系重合体(e1)およびエチレン系重合体(E)の密度>
前記工程(1)で得られたエチレン系重合体(e1)、および、最終的に得られたエチレン系重合体(E)の密度を測定した。結果を表4および5に示す。
具体的には、各重合体を、120℃で1時間熱処理し、1時間かけて直線的に室温まで徐冷した後、JIS K 7112:1999に準拠し、密度勾配管で密度を測定した。
<エチレン系重合体(e2)の密度>
前記工程(1)で得られたエチレン系重合体(e1)密度の値D1、および、最終的に得られたエチレン系重合体(E)の密度の値DEと、前記のようにして求めたエチレン系重合体(e1)とエチレン系重合体(e2)との質量比とから、エチレン系重合体(e2)の密度の値D2を算出した。結果を表4および5に示す。
具体的には、エチレン系重合体(e1)および(e2)の質量割合をそれぞれw1およびw2(但し、w1+w2=1)とした場合、エチレン系重合体(e2)の密度D2は、下記式で算出できる。
D2=(DE-w1・D1)/w2
<MFR>
エチレン系重合体(E)のMFRは、ASTM D-1238-89に準拠し、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定した。結果を表4および5に示す。
<嵩密度>
エチレン系重合体(E)の嵩密度は、ASTM D 1895-96 A法に準じて測定した。結果を表4および5に示す。
<表面粗さ>
エチレン系重合体(E)100質量%に、Irganox1010(BASFジャパン(株)製)0.1質量%、Irgafos168(BASFジャパン(株)製)0.1質量%を加え、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)ミキサーを用い、樹脂温度180℃、回転数40rpmで90秒間溶融混練した。さらに、得られた溶融ポリマーを、プレス成形機((株)神藤金属工業所製)を用い、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kg/cm2の条件にて冷却した。
得られたプレス片を用いて、以下のようにしてストランドを採取した。
装置には(株)東洋精機製作所製キャピログラフ1Dを用い、オリフィスはノズル径2.095mmφ、ノズル長さ8mmを用い、温度190℃、溶融時間6分、押出速度0.5mm/分にてストランドを押し出して採取した。
得られたストランドについて、(株)東京精密製の表面粗さ形状測定機サーフコム1400Dを用いて十点平均粗さRzを、測定長さ12.5mm、測定速度0.15mm/s、カットオフ波長0.8mmの条件で測定した。結果を表4に示す。
表4に示すように、実施例1~6で得られたストランドは、比較例1~3で得られたストランドに比べ、特に、表面粗さRzが小さく、外観が良好であることが分かった。
<プレスシートの作製>
エチレン系重合体(E)100質量%に、Irganox1010(BASFジャパン(株)製)0.1質量%、Irgafos168(BASFジャパン(株)製)0.1質量%、ステアリン酸カルシウム(日東化成工業(株)製)0.15質量%を加え、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)単軸押出機を用い、スクリーンメッシュ60/80/60、設定温度210℃、スクリュー回転数60rpmの条件で溶融混練した後、ストランド上に押し出したものをカットすることでペレットを作製した。
190℃に設定した(株)神藤金属工業所製の油圧式熱プレス機を用い、前記で得られたペレットを、100kg/cm2の圧力でプレスすることで、2mm厚または4mm厚のシートを成形し、20℃に設定した別の(株)神藤金属工業所製の油圧式熱プレス機を用い、100kg/cm2の圧力でプレスすることで冷却し、プレスシートを作製した。
<プレスシートの曲げ弾性率>
JIS K 6922-2:2018の表3「一般的性質及びその試験条件」における、曲げ弾性率の項の記載に従い、4mm厚のプレスシートを用いて、JIS K 7171:2022に記載の曲げ特性の求め方に準じて曲げ弾性率を測定した。結果を表5に示す。
<プレスシートの引張衝撃強さ>
JIS K 6922-2:2018の表3「一般的性質及びその試験条件」における、引張衝撃強さノッチ付きの項の記載に従い、4mm厚のプレスシートを用いて、JIS K 7160:1996(ISO 8256)の試験方法に準じて引張衝撃強さを測定した。結果を表5に示す。
<プレスシートのESCR>
2mm厚のプレスシートを用いて、ASTM D1693に準拠してESCR(環境応力亀裂)時間を測定した。試験液は、濃度10質量%のIgepal CO-630(MERCK社製)を用い、50℃の測定温度で測定した。結果を表5に示す。
表5に示すように、実施例7で得られたプレスシートは、比較例4で得られたプレスシートに比べ、特に、引張衝撃強さ、ESCRが優れることが分かった。
なお、実施例7で得られたプレスシートは、実施例4と同程度の表面粗さRzの値を示すと考えられる。

Claims (9)

  1. 下記式[1]で表される遷移金属化合物(A)および固体状アルミノキサン化合物(S)を含むオレフィン重合用触媒の存在下、下記要件(i)および(ii)を満たすエチレン系重合体(e1)を、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の20~80質量%製造する工程(1)と、
    工程(1)で得られたエチレン系重合体(e1)の存在下、下記要件(iii)および(iv)を満たすエチレン系重合体(e2)を、最終的に得られるエチレン系重合体(E)の20~80質量%製造する工程(2)と、
    を含む、エチレン系重合体(E)の製造方法。
    要件(i):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5~1.5dl/gである
    要件(ii):重量平均分子量(Mw)が20000~60000である
    要件(iii):135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が2.0~10.0dl/gである
    要件(iv):重量平均分子量(Mw)が170000~1000000である
    〔式[1]中、
    Mは、周期表第4族の遷移金属原子であり、
    nは、Mの価数を満たす1~4の整数であり、
    Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、該アニオン配位子が、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基または共役ジエン系二価誘導体基であり、nが2以上の場合は、複数存在するXで示される基は互いに同一でも異なっていてもよく、
    Cpは、置換基を有していてもよい、シクロペンタジエニル型配位子であり、該シクロペンタジエニル型配位子が隣接した置換基を有する場合、該隣接した置換基は、互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成してもよく、
    Lは、周期表第15族の元素から選ばれる原子であり、
    Pは、リン原子であり、
    実線は共有結合または配位結合であり、
    1~R3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1~40の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R1~R3のうち隣接した基は、互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成してもよい。〕
  2. 前記エチレン系重合体(e1)がエチレン単独重合体である、請求項1に記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
  3. 前記エチレン系重合体(E)の、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が1.0~6.0dl/gである、請求項1または2に記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
  4. 前記エチレン系重合体(E)の、温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定したメルトフローレート(MFR)が0.01~5.0g/10分である、請求項1~3のいずれか1項に記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
  5. 前記エチレン系重合体(E)の密度が940~970kg/m3である、請求項1~4のいずれか1項に記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
  6. 前記R1~R3が炭素数1~40の炭化水素基である、請求項1~5のいずれか1項に記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
  7. 前記R1~R3のうち少なくとも2つは、炭素数1~40の第3級アルキル基である、請求項1~6のいずれか1項に記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
  8. 前記Mがチタン原子である、請求項1~7のいずれか1項に記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
  9. 前記Lが窒素原子である、請求項1~8のいずれか1項に記載のエチレン系重合体(E)の製造方法。
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