JP2023140148A - レーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザヘッドにヒュームやダストが付着せず、レーザの性能および指向性を維持できるレーザ加工装置を提供すること。【解決手段】レーザ加工装置1は、レーザ光Lを照射するレーザヘッド2と、加工対象物Wを密閉する筐体4に配置され、レーザ光Lを通過させる保護部5と、保護部5と同軸上で筐体4に配置する受け部6と、を備えている。保護部5は、筐体4内にレーザ光Lを入射させる保護部ケーシング7内に配置されレーザ光Lを通過させる保護窓8と、保護窓8の表面に形成するコーティング層9と、コーティング層9の表面に圧縮エアまたは冷却ガスを供給するガス流路12と、筐体4内に配置され、アシストガスを供給するアシストガスノズル13と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、レーザ加工装置に関する。
従来、原子力分野における原子炉要素の解体工事や、一般分野における建築物(例えば、コンクリートや金属等の柱部材等)の工事においては、作業自体に大きなエネルギーを要するため、レーザ光を用いた加工が行われることが多い。
レーザ切断システムとしては、例えば、レーザ切断ユニット(レーザヘッド)と、レーザ出力装置と、レーザ切断ユニット付帯機器と、ダンパユニットと、ダンパ付帯機器と、防塵ユニットと、粉塵回収ユニットと、移動ユニットと、仮置き容器と、制御装置と、構台と、コンテナユニットと、を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のレーザ切断システムは、防塵ユニットや、粉塵回収ユニットを用いて、切断対象物の切断で発生するヒュームやダストを吸引および回収することで、作業環境を整えることや、水カーテンで減衰したレーザ光を受けることを特徴としている。
特開2019-155449号公報
特許文献1に記載のレーザ切断システムは、防塵ユニットや粉塵回収ユニットを用いて、切断対象物の切断によって発生するヒュームやダストを吸引および回収できる。しかし、吸引しきれないヒュームやダストは、レーザ切断ユニットに付着する可能性がある。ヒューム、ダスト等の異物がレーザ切断ユニットに蓄積した場合は、切断対象物(加工対象物)の加工精度に悪影響を及ぼす可能性があった。
また、レーザヘッドを単にガラス等で遮蔽するだけでは、レーザ光の性能や指向性が低下する可能性があるため、レーザ切断ユニット周辺の機構を改良する必要があった。
本発明は、レーザヘッドにヒュームやダストが付着せず、レーザ光の性能および指向性を維持できるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るレーザ加工装置は、レーザ光を照射するレーザヘッドと、加工対象物を密閉する筐体に配置され、前記レーザ光を通過させる保護部と、前記保護部と同軸上で前記筐体に配置する受け部と、を備え、前記保護部は、前記筐体内に前記レーザ光を入射させる保護部ケーシング内に配置され前記レーザ光を通過させる保護窓と、前記保護窓の表面に形成するコーティング層と、前記コーティング層の表面に圧縮エアまたは冷却ガスを供給するガス流路と、前記筐体内に配置され、アシストガスを供給するアシストガスノズルと、を有する。
本発明のレーザ加工装置によれば、レーザヘッドにヒュームやダストが付着せず、レーザ光の性能および指向性を維持できる。さらに、圧縮エア、冷却ガス、不活性ガス等のアシストガスを利用することによって、切断対象物の加工精度を向上できる。
また、レーザヘッドを、加工対象物が密閉される筐体の外部に配置することによって、レーザヘッドが故障した場合等において、メンテナンスを容易に行うことができる。
本実施形態のレーザ加工装置の概略斜視図。 本実施形態のレーザ加工装置の概略断面図。 本実施形態の昇降機構の要部概略断面図。 本実施形態の昇降機構およびY軸移動部の概略斜視図。 本実施形態の昇降機構およびX軸移動部の概略斜視図。 本実施形態のレーザ加工装置の第1変形例を示す要部概略斜視図。 本実施形態のレーザ加工装置の第1変形例を示す要部概略斜視図。 本実施形態のレーザ加工装置の第1変形例を示す要部概略横断面図。 本実施形態のレーザ加工装置の第2変形例を示す説明図。 本実施形態のレーザ加工装置の第3変形例を示す説明図。 本実施形態のレーザ加工装置の第4変形例を示す説明図。
以下、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置1を、適宜図面を参照しながら説明する。なお、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、便宜上、図1に示すレーザヘッド2側を「前」、筐体4側を「後」、鉛直上方側を「上」、鉛直下方側を「下」、X軸移動部18が延設された方向を「左」、「右」として適宜説明する。
≪レーザ加工装置の構成≫
図1または図2に示すように、レーザ加工装置1は、レーザヘッド2から照射されたレーザ光Lによって加工対象物Wをレーザ加工する装置である。レーザ加工装置1は、レーザ光Lを照射するレーザヘッド2と、レーザ光Lを通過させる保護部5と、保護部5と同軸上で筐体4に配置される受け部6と、レーザ加工で発生した切り屑等を回収する回収部24と、を主に有する。図1に示すように、レーザ加工装置1は、このほか、レーザヘッド2を、XYZ軸方向(上下、前後、左右方向)に移動させるために、昇降機構15と、X軸移動部18と、Y軸移動部21と、を有する。
なお、レーザ加工装置1のレーザヘッド2を移動させる装置は、少なくとも昇降機構15、X軸移動部18、Y軸移動部21のいずれか1つを備えていればよい。以下、レーザ加工装置1の一例として、昇降機構15と、X軸移動部18と、Y軸移動部21と、を有する場合を例に挙げて説明する。
<レーザヘッドの構成>
図1に示すように、レーザヘッド2は、レーザ発振器3から供給されるレーザ光Lを加工対象物Wに照射する装置である。レーザヘッド2は、後記する昇降機構15の昇降板16bの側面に取り付けられる。レーザ光Lとしては、ファイバレーザ、YAGレーザ等を使用する。レーザ光Lは、加工対象物Wや加工環境に応じて、連続波、パルス波等に適宜変更してもよい。
<筐体の構成>
図2に示すように、筐体4は、加工対象物Wを遮蔽した状態に収容する多角形または円筒形の箱体である。加工対象物Wを加工するための内部環境として、筐体4内に気体(ガス)を充満させる場合は、気体(ガス)が筐体4内から漏れ出ることのないように、筐体4を遮蔽性の高い材質を採用することや、隙間のない密閉構造とすることが好ましい。
<保護部の構成>
保護部5は、レーザヘッド2から照射されるレーザ光Lを通過させ、加工対象物Wにレーザ光Lを照射するためのものである。保護部5は、筐体4の外部前面に配置される。レーザ加工装置1は、保護部5を配置したことで、レーザヘッド2と加工対象物Wの空間が遮断され、レーザ加工によって加工対象物Wから発生されるヒューム、ダスト、ドロス等がレーザヘッド2に付着するのを防止できる。
保護部5は、保護部ケーシング7(第1の保護部ケーシング7a、および、第2の保護部ケーシング7b)と、保護窓8と、コーティング層9と、保護カバー10と、冷却水流路11と、ガス流路12と、アシストガスノズル13と、を有する。
<保護ケーシングの構成>
図2に示すように、保護部ケーシング7は、筐体4内にレーザ光Lを入射させる金属製の筒状のケーシングである。保護部ケーシング7は、第1の保護部ケーシング7aと、第2の保護部ケーシング7bと、によって構成される。第1の保護部ケーシング7aと、第2の保護部ケーシング7bとは、保護窓8を挟み込んだ状態で、互いに固定される。また、第2の保護部ケーシング7bは、筐体4内から気体が漏れ出ることのないように、密閉性を確保した上で筐体4に固定される。
<保護窓の構成>
保護窓8は、レーザ光Lを通過させるガラス等の透過性材料によって形成される。保護窓8は、加工対象物Wの大きさや位置に適した焦点距離で、レーザ光Lを照射できるものを選択して使用する。保護窓8は、筐体4の前側の側面に設置された保護部ケーシング7内に配置される。このため、保護窓8は、加工対象物Wの加工エリアとなる筐体4内の空間と、レーザ光Lの生成空間と、を分離することによって、レーザ光Lの効能を最大限発揮できる。保護窓8の透過性材料としては、例えば、溶融シリカを用いることができる。保護窓8は、溶融シリカを用いることによって、レーザ光Lの収束性や反射防止等の効果を得ることができる。また、保護窓8表面には、コーティング層9が形成される。なお、本明細書中においては、保護窓8の一方のみにコーティング層9を形成しているが、どちらか一方(表面、裏面)や両面(全面を含む)に形成することもできる。
<保護カバーの構成>
図2に示すように、保護カバー10は、第2の保護部ケーシング7b内部に固定されるカバーである。保護カバー10は、レーザ光Lが照射されることで加工対象物Wから発生するヒューム、ドロス、他の飛散物等の異物が保護窓8に付着することを防止する。その結果、保護カバー10は、レーザ光Lの性能を維持できる。保護カバー10は、保護窓8の形状のように円筒状の部材から成り、筐体4内の第2の保護部ケーシング側の内壁に設置されて、加工対象物W付近までレーザ光Lを包囲するように配置される。
<冷却水流路の構成>
冷却水流路11は、冷却水供給源Qから供給される冷却水を保護窓8の周囲に流すことによって、保護窓8がレーザ光Lの照射による温度上昇を緩和するための冷却水供給路である。冷却水流路11は、第1の保護部ケーシング7aの外側から内周面に亘って形成される。冷却水流路11は、加工対象物Wの加工前や加工途中等、適宜、冷却水を供給することで、最適な加工条件にできる。
<ガス流路の構成>
ガス流路12は、コーティング層9の表面に各種ガスを供給するためのガス供給路である。ガスとしては、圧縮エア、冷却ガス、不活性ガス等を用いることができる。圧縮エアや不活性ガスを用いる場合は、圧縮ガス流路や不活性ガス流路として構成され、気密性を維持できる材質等を利用する。さらに、冷却ガスを用いる場合は、冷却ガス流路として構成され、冷却性能を維持できる材質等を利用する。ガス流路12は、第1の保護部ケーシング7aに形成された第1のガス流路12aと、第2の保護部ケーシング7bに形成された第2のガス流路12bと、の少なくともどちらかを有して成る。さらに、ガス流路12(第1のガス流路12a、第2のガス流路12b)の位置としては、コーティング層9の表面(保護窓8を冷却し、間接的にコーティング層9を冷却することも含む)や側面にガスを噴射できる位置であればよい。ガス流路12は、例えば、アシストガス供給源Aに接続される。なお、第1のガス流路12aに供給するガスは、アシストガス以外のガスであってもよい。
また、本実施例においては、ガスとアシストガスが同じ場合を例示しているが、当然、ガスとアシストガスはそれぞれ別々の供給源から供給する形態を含むことは言うまでもない。
なお、ガスとアシストガスに関して、冷却ガスを用いることによる加工対象物Wや筐体4内の温度上昇を避けることや、アシストガスを用いることによるドロス等の異物を除去することや、不活性ガスを用いることによる加工対象物Wの酸化を防止すること等、加工対象物Wを加工に適した効果と対策によって、適宜選択できる。
また、第1の保護部ケーシング7aに形成された第1のガス流路12aと、第2の保護部ケーシング7bに形成された第2のガス流路12bに対しても、必ずしも同じ冷却ガスである必要はなく、別々の供給源からガスを供給することもできる。さらに、ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムといったガスだけでなく、空気や圧縮空気等を用いることができることも言うまでもない。
特に、筐体4内や加工対象物Wの温度上昇が小さいような場合において、エアパージ等で代替できる。
ガス流路12は、第1の保護部ケーシング7aに形成することで、保護窓8の周囲から直接アシストガス供給源Aから供給されるガスを保護窓8に噴射できるため、保護窓8付近に付着した塵等を除去できる。
また、ガス流路12を第2の保護部ケーシング7bに形成する場合は、アシストガス供給源Aから供給される冷却ガスをコーティング層9の表面に供給することで、レーザヘッド2から照射されるレーザ光Lの特性や指向性を最大限維持できる。第2の保護部ケーシング7bに形成する場合、冷却ガスは、保護窓8の表面にヒューム、ダスト、ドロス等の異物が付着するのを防止できるという効果も有する。なお、ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス、あるいは、不活性ガス以外のガス等(エア等も含む)を適宜使用してもよい。なお、ガスとアシストガスは、同じ媒体であってよく、また、別々の媒体であってもよい。
このように、ガス流路12から供給するガスは、適宜変更してもよく、その一例として、以下、アシストガス供給源Aから不活性ガスから成るガスを供給する場合を例に挙げて説明する。
<アシストガスノズルの構成>
図2に示すように、アシストガスノズル13は、筐体4内に事前に不活性ガス等を充満させることによって加工対象物Wに対する適切な加工を施すため、または、レーザ照射で溶融した金属や付着したドロス等の異物を、アシストガスを噴射することによって吹き飛ばすためのノズルである。アシストガスノズル13は、筐体4内の保護カバー10の上方の内壁に、噴射口を加工対象物Wの被加工面に向けて設置される。
なお、アシストガスノズル13は、後述のレーザヘッド2の移動機構と同様に、X軸、Y軸の移動機構を設けて移動可能にしてもよい。また、アシストガスノズル13は、圧縮ガス、冷却ガス、不活性ガス等を適宜選択することができ、フラットノズル、多段ノズル、もしくは、複数ノズルを採用することで、X軸またはY軸の移動機構を筐体4内に設けることなく直線状もしくは加工形状に合わせてアシストガスを吹き付けることができる。なお、圧縮ガス、冷却ガス、不活性ガスを単体で吹き付ける形式だけでなく、圧縮ガスと冷却ガス、圧縮ガスと不活性ガス等、複数のノズルで複数の流体を同時または時間差で吹き付けることもできる。これにより、アシストガスノズル13は、高温環境、高放射線環境、蒸気環境など移動機構の潤滑や機構の寿命の確保が難しい環境にも適用できる。
<受け部の構成>
受け部6は、保護部5と同軸上に配置され、加工対象物Wが加工された後に直行するレーザ光Lを受ける部位である。受け部6は、筐体4の外部後面に配置される。受け部6は、レーザ吸収体14を有しており、レーザ光Lが外部に放出されないようにレーザ光Lを吸収する。
<回収部の構成>
図2に示すように、回収部24は、レーザヘッド2から照射されるレーザ光Lによって、加工対象物Wが加工された後に生じる切り屑や、ドロス等を回収するためのものである。回収部24は、加工対象物Wの直径よりも大きい箱状の部材から成る。回収部24は、落下後の跳ね返りや、収容の容易性を確保するために、回収部24の周囲にテーパ状に拡開した縁部24aが設けられる。
<ワーク把持部の構成>
ワーク把持部26は、加工対象物Wを把持するための把持装置である。ワーク把持部26は、筐体4の天井部に固定された、加工対象物Wを上部から把持するように構成される。
なお、ワーク把持部26は、加工対象物Wを把持可能なものであればよく、市販の把持工具を先端に装着させる形式や、ボルトとネジで固定する形式等であってもよく、適宜変更しても構わない。
<ワーク回転部の構成>
ワーク回転部28は、加工対象物Wを回転させて、被加工部の向き変えるための装置である。ワーク回転部28は、加工対象物Wを把持するワーク把持部26を回転駆動させるモータ(不図示)を駆動源として構成される。ワーク回転部28は、ワーク把持部26の上部に設置される。ワーク回転部28は、モータ(不図示)の駆動に伴い、不図示のモータに連結する駆動軸が回転し、その駆動軸の回転が加工対象物Wに伝達することで、加工対象物Wを回転させる。なお、ワーク回転部28は、レーザヘッド2を、XYZ軸方向(上下、前後、左右方向)に移動させることで加工が可能であれば、削除してもかまわない。
<昇降機構の構成>
図1および図4に示すように、昇降機構15は、レーザヘッド2をZ軸方向(上下方向)に昇降させるための昇降装置である。昇降機構15は、昇降本体16と、昇降ガイド16aと、昇降板16bと、昇降用ボールねじ17aと、昇降用ナット17bと、昇降モータM1と、を有する。
図3に示すように、昇降本体16は、正面視して逆凹状に形成された枠状部材である。昇降本体16は、基台19a上に立設される。
昇降ガイド16aは、昇降モータM1が駆動することによって移動する昇降板16bを垂直な方向に上下動させるための前後一対のガイドである。昇降ガイド16aは、基台19a上の左右端部から上方向に垂直に延びる昇降本体16の支柱部の右側の表面に設けられる。
昇降板16bは、前後一対の昇降ガイド16aに昇降自在に設けられた板状部材である。図4に示すように、昇降板16bの右側表面の上下中央部には、前後方向に延びるY軸移動ガイド22と、Y軸移動モータM3と、が設けられる。Y軸移動ガイド22には、レーザヘッド2が前後方向に移動自在に設けられる。つまり、レーザヘッド2は、昇降板16bに上下方向に一体に保持されるとともに、昇降板16bに対して前後方向に移動可能に配置される。昇降板16bの右側裏面(左側表面)の上下中央部には、昇降用ナット17bが固定される。
昇降モータM1は、レーザヘッド2を昇降させるためのモータである。昇降モータM1は、昇降本体16の天井部中央に上下方向に向けて設置される。昇降モータM1のロータ軸には、昇降用ボールねじ17aが連結される。
その昇降用ボールねじ17aは、昇降モータM1から下方向に垂直に延設される。昇降用ボールねじ17aの下側寄りの位置には、昇降板16bに固定された昇降用ナット17bが螺合される。このため、昇降用ボールねじ17aは、昇降モータM1が駆動することによって回転して、レーザヘッド2およびY軸移動モータM3を支持している昇降板16bに固定された昇降用ナット17bを昇降させる。
このように、昇降板16bは、レーザヘッド2が固定される面とは反対の箇所に、昇降用ナット17bが固定されることで、昇降板16bおよびレーザヘッド2が昇降ガイド16aに沿ってZ軸方向(上下方向)に昇降できる。
<X軸移動部の構成>
X軸移動部18は、図1および図5に示すように、レーザヘッド2をレーザ光Lの照射方向に垂直なX軸方向(左右方向)に移動させるための装置である。X軸移動部18は、基台19aと、X軸移動ガイド19bと、X軸移動用ボールねじ20と、X軸移動モータM2と、を有する。
図5に示すように、基台19aは、レーザヘッド2を支持している昇降板16bを備えた昇降本体16を、基台19a上の中央部に左右方向に移動自在に載置するための部材である。基台19aは、左右方向に長い平面視して矩形の厚板部材から成る。
X軸移動ガイド19bは、左右方向に移動する昇降本体16をガイドするためのガイド部材である。X軸移動ガイド19bは、基台19aの前後端部にそれぞれ設けられて、左右方向にレール状に延設される。前後のX軸移動ガイド19b上には、正面視して逆凹状の昇降本体16の下端部が左右方向に移動自在に載置される。
X軸移動モータM2は、駆動することによって、X軸移動用ボールねじ20を回転させるためのモータである。X軸移動モータM2は、基台19a上の左側端部中央に固定される。X軸移動モータM2のロータ軸には、X軸移動用ボールねじ20が連結される。
X軸移動用ボールねじ20は、回転することによって、先端部が、昇降本体16に固定されたX軸移動用ナット(不図示)をX軸方向(左右方向)に移動させる雄ねじ部材である。このため、X軸移動用ボールねじ20は、回転することによって、X軸移動用ナット(不図示)を介して、昇降機構15および昇降機構15に固定されるレーザヘッド2をX軸移動ガイド19bに沿ってX軸方向(左右方向)に移動させる。
<Y軸移動部の構成>
図1および図4に示すように、Y軸移動部21は、レーザヘッド2をレーザ光Lの照射方向に平行なY軸方向(前後方向)に移動させるための装置である。Y軸移動部21は、Y軸移動ガイド22と、Y軸移動用ボールねじ23と、Y軸移動モータM3と、を有する。
図4に示すように、レーザヘッド2は、昇降板16bの上下方向の中央部に前後方向に延設されたY軸移動ガイド22に、前後方向に移動自在に設けられる。レーザヘッド2の前端部には、Y軸移動用ボールねじ23が螺合する雌ねじ部(不図示)が設けられる。
Y軸移動ガイド22は、前後方向に移動するレーザヘッド2の移動をガイドするための部材である。
Y軸移動モータM3は、レーザヘッド2を前後方向に移動せるためのモータである。Y軸移動モータM3は、昇降板16bの上下方向中央の前端部に固定される。Y軸移動モータM3のロータ軸には、Y軸移動用ボールねじ23が連結される。このため、Y軸移動モータM3は、駆動することによって、Y軸移動用ボールねじ23を回転させる。
Y軸移動用ボールねじ23は、回転することによって、先端がレーザヘッド2に設けられたY軸移動用ナット(不図示)を介してレーザヘッド2をY軸移動ガイド22に沿ってY軸方向(前後方向)に移動させる。
≪レーザ加工装置の作用≫
次に、図1~図5を参照しながら本実施形態に係るレーザ加工装置1の作用を、加工工程順に説明する。
まず、加工前の準備工程として、図2に示すように、加工対象物Wの設置を行う。外部から搬送される加工対象物Wを、筐体4内のワーク把持部26に把持させる。次に、筐体4内を密閉した状態とする。なお、事前に、回収部24は、筐体4内の下部に配置する。
続いて、加工前の準備工程として、レーザ加工の効果が最大限向上する環境を整備する。具体的には、図2に示すように、筐体4内において、アシストガス供給源Aから供給されるアシストガスを、筐体4内に配置されるアシストガスノズル13から供給することによって、筐体4にアシストガスを充満させる。アシストガスとして、不活性ガスを用いることで加工対象物Wの酸化を防止することや、冷却ガスを用いることで加工対象物Wを冷却する等、目的に応じて選択できる。
次に、加工前の準備工程として、レーザ光Lが正確に照射されるように、保護部5およびレーザヘッド2の設定を行う。
保護部5には、アシストガス供給源Aから第1の保護部ケーシング7a、第2の保護部ケーシング7bのうち少なくとも一か所において、アシストガスを供給した状態とする。
加工前または加工途中において、保護部5の温度上昇を避けるために、冷却水供給源Qから冷却水流路11内に冷却水を供給してもよい。
そして、レーザ発振器3を起動し、レーザ光Lを照射できるようにする。
次に、レーザヘッド2から加工対象物Wに対してレーザ光Lを照射し、加工を行う。レーザヘッド2から照射されるレーザ光Lは、保護部5の内部に配置される保護窓8およびコーティング層9を通過し、加工対象物Wに照射される。アシストガスノズル13から継続して加工対象物Wにアシストガスが供給されており、レーザ光Lの効能を促進しながら加工する。
また、筐体4内には、保護カバー10が配置されており、保護カバー10内をレーザ光Lが通過することで、外乱によるレーザ光Lの効能低下を防止できる。
さらに、レーザ光Lは、直進性があり、加工対象物Wを貫通した場合、受け部6のレーザ吸収体14で受け止める構造となっている。
また、レーザ光Lで加工対象物Wの加工を行うのにあたり、図4および図5に示すように、昇降機構15、X軸移動部18、Y軸移動部21におけるXYZ軸を指定の位置に移動させることによって、レーザヘッド2の位置を調整できる。レーザヘッド2の位置を調整することによって、保護窓8の範囲に限られるが、加工位置を変更できる。
さらに、ワーク把持部26の位置を変更することや、ワーク回転部28によって、加工対象物Wを回転させることを付加することで、加工対象物Wに対して、複合的な加工を施すことができる。
加工対象物Wの加工が終わった場合は、レーザヘッド2からのレーザ光Lの供給を停止し、アシストガスノズル13からのアシストガスの供給を停止させる。次に、筐体4内のアシストガスを排気口4dから排出させることで完了する。
このように、本発明に係るレーザ加工装置1は、図1に示すように、レーザ光Lを照射するレーザヘッド2と、加工対象物Wを密閉する筐体4に配置され、レーザ光Lを通過させる保護部5と、保護部5と同軸上で筐体4に配置する受け部6と、を備え、保護部5は、筐体4内にレーザ光Lを入射させる保護部ケーシング7内に配置されレーザ光Lを通過させる保護窓8と、保護窓8の表面に形成するコーティング層9と、コーティング層9の表面に圧縮エアまたは冷却ガスを供給するガス流路12と、筐体4内に配置され、アシストガスを供給するアシストガスノズル13と、を有する。
かかる構成によれば、本発明のレーザ加工装置1は、加工対象物Wを密閉する筐体4に配置された保護部5と、保護部ケーシング7内に配置された保護窓8と、保護窓8の表面に形成するコーティング層9と、を有している。このため、レーザヘッド2は、ヒューム、ダスト、その他の飛散物等の異物が付着せず、レーザ光Lの性能および指向性を維持できる。
また、レーザ加工装置1は、圧縮エア、冷却ガス、不活性ガス等のアシストガスを供給するアシストガスノズル13を有していることで、アシストガスで、レーザ照射で溶融した金属や付着したドロス等の異物を吹き飛ばすことや、筐体4内または加工対象物W等を冷却すること等ができる。
また、図2に示すように、レーザ加工装置1は、加工対象物Wを筐体4の上部から把持するワーク把持部26を有する。
かかる構成によれば、レーザ加工装置1は、加工対象物Wを筐体4の上部から把持するワーク把持部26を有することで、加工対象物Wを、筐体4内のレーザ加工し易い所望位置に容易に配置できる。
また、保護部5は、筐体4内に保護カバー10を有する。
かかる構成によれば、保護部5は、筐体4内に保護カバー10を有することで、レーザ光Lの照射で溶融した金属が保護部ケーシング7やレーザヘッド2側に飛散するのを抑制できる。
また、図1に示すように、レーザ加工装置1は、レーザヘッド2を昇降させる昇降機構15と、レーザヘッド2をレーザ光Lの照射方向に垂直な方向に移動させるX軸移動部18と、レーザヘッド2をレーザ光Lの照射方向に平行な方向に移動させるY軸移動部21と、を有する、もしくは、いずれかを有する。
かかる構成によれば、レーザ加工装置1は、昇降機構15と、X軸移動部18と、Y軸移動部21と、を有することで、レーザヘッド2をX,Y,Z軸方向(上下前後左右方向)に自由に移動させることができる。このため、レーザ加工装置1は、レーザヘッド2の向きを加工対象物Wの被加工部の位置に合わせて適宜に移動させて、正確に加工できる。
また、レーザ加工装置1は、昇降機構15と、X軸移動部18と、Y軸移動部21と、のいずれかを有することで、レーザヘッド2をX,Y,Z軸方向(上下前後左右方向)のうちのいずれかの適宜な方向に自動的に移動させることができる。
また、図2に示す保護窓8は、透過性材料で構成される。
かかる構成によれば、保護窓8は、透過性材料で構成されていることで、レーザ光Lを透過させて、異物等の出入りを遮断できる。
また、図2に示す保護窓8は、溶融シリカで構成される。
かかる構成によれば、保護窓8は、溶融シリカで構成されていることで、耐食性、耐熱性に優れ、透明度が高く、レーザ光Lを減衰させることなく透過できる。
また、図2に示すアシストガスノズル13は、フラットノズル、多段ノズル、あるいは、複数ノズルとした。
かかる構成によれば、アシストガスノズル13は、ノズル先端の直線形状に合わせた範囲に均一に風を当てることができるフラットノズルとすることで、固定のノズルを用いつつ、直線的な加工形状に合わせた送風を可能とし、容器内に可動部を設けることなく、直線状の加工ができる。
また、アシストガスノズル13は、形状を加工形状に合わせた多段ノズルとすることで、容器内に可動部を設けることなく、必要な形状の加工ができる。
さらに、アシストガスノズル13は、ノズル配置を加工形状に合わせた複数ノズルとすることで、容器内に可動部を設けることなく、必要な形状の加工ができる。
これらにより、加工形状に対応したノズルを使用することで、X軸またはY軸の移動機構を筐体4内に設けることなく、レーザ加工が可能となり、高温環境、高放射線環境、蒸気環境など移動機構の潤滑や機構の寿命の確保が難しい環境にも適用できる。
[第1変形例]
以上、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
図6は、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置1の第1変形例を示す要部概略斜視図である。図7は、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置1の第1変形例を示す要部概略斜視図である。図8は、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置1の第1変形例を示す要部概略横断面図である。
<加工対象物Wの搬入出の機構>
例えば、レーザ加工装置1が、加工対象物Wの搬入出を効率的に行うための機構として、図6および図7に示すように、筐体4Aを分割構造とすることや、加工対象物W把持用のワーク把持部26を移動させるためのワーク把持部移動用ガイド27を配置してもよい。
図6~図8に示すように、筐体4は、開閉扉4cによって二つに区切ることにより、筐体4を第1の筐体4aと、第2の筐体4bと、に分割される。第1の筐体4aは、加工対象物Wを加工するための空間である。第2の筐体4bは、加工対象物Wを搬送するための空間としてもよい。
この場合、第1の筐体4aは、加工対象物Wを加工するための空間を形成する部材である。第1の筐体4aは、内部に各種ガスを充満させた状態で利用することが多いが、充満するガスを排出するための排気口4dを第1の筐体4aの下部に配置することで、第1の筐体4a内のガスを排出できる。
なお、レーザ加工装置1は、筐体4の外部に吸引装置(不図示)を配置して排気口4dと連結することで、筐体4内のガスを排出し易い構造にしてもよい。
図6および図7に示すように、開閉扉4cは、例えば、第1の開閉扉4c1と、第2の開閉扉4c2と、から成る分割構造になっている。開閉扉4cは、ワーク把持部26または回収部24をスライドさせることのできる構造とすることによって、加工対象物Wを第1の筐体4aと第2の筐体4bとを往来できる。
また、本発明の第1変形例では、開閉扉4cを扉状の構造としているが、蛇腹状とすることや、左右開閉ではなく、上下開閉の形態としてもよい。
また、ワーク把持部26は、筐体4Aの上部に配置されるワーク把持部移動用ガイド27に連結し、第2の筐体4b内における加工対象物Wの把持時の状態から、第1の筐体4a内における加工対象物Wの加工時の状態にスライドさせてもよい。この場合は、モータ(不図示)を駆動源(動力)として、ワーク把持部26がワーク把持部移動用ガイド27に沿ってスライドする。
なお、ワーク把持部26を水平方向に移動させる移動装置は、モータに限らず、ボールねじを利用した構造等でもよい。
また、回収部24は、スライドできる構造としてもよい。例えば、第1の筐体4aと第2の筐体4bとは、筐体4Aの内底面に前後一対のレール状の回収部移動用ガイド25を左右方向に延設し、回収部24が第1の筐体4aの内底面上と、第2の筐体4bの内底面上と、をスライドする構造にしてもよい。
≪レーザ加工装置の作用≫
次に、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置1の第1変形例の作用を、図6~図8を主に図1および2を参照しながら加工工程順に説明する。
まず、加工前の準備工程として、加工対象物Wを筐体4A内に設置する。図6に示すように、外部から搬送される加工対象物Wを、第2の筐体4b内において、ワーク把持部26によって把持する。
続いて、第1の筐体4aと第2の筐体4bを仕切る開閉扉4cを開き、加工対象物Wが第2の筐体4bから第1の筐体4a内でスライドできる状態にする。次に、図7に示すように、ワーク把持部26を、ワーク把持部移動用ガイド27に沿って第1の筐体4a側にスライドさせる。
続いて、開閉扉4cを閉じ、第1の筐体4aと第2の筐体4bの空間を分離し、少なくとも第1の筐体4a内が密閉した状態とする。
なお、事前に、回収部24は、第1の筐体4a内の下部に配置した状態とする。
次に、加工前の準備工程として、レーザ加工の効果が最大限向上する環境を整備する。具体的には、第1の筐体4a内において、図2に示すように、アシストガス供給源Aから供給されるアシストガスを、第1の筐体4a内部に配置されるアシストガスノズル13から供給することによって、第1の筐体4aにアシストガスを充満させる。
この場合、変形例として、筐体4の外部に吸引装置(不図示)を配置し、排気口4dと連結し、アシストガスの供給に代わり、筐体4内の気体を吸引することによって、筐体4内を真空状態で加工できるようにしてもよい。
次に、加工前の準備工程として、レーザ光Lが正確に照射されるように、保護部5およびレーザヘッド2の設定を行う。
保護部5には、アシストガス供給源Aから第1の保護部ケーシング7a、第2の保護部ケーシング7bのうち少なくとも一か所において、アシストガスを供給した状態とする。
加工前または加工途中において、保護部5の温度上昇を避けるために、冷却水供給源Qから冷却水流路11内に冷却水を供給してもよい。
そして、レーザ発振器3を起動し、レーザヘッド2からレーザ光Lを照射できるようにする。
次に、レーザヘッド2から加工対象物Wに対してレーザ光Lを照射し、加工を行う。レーザヘッド2から照射されるレーザ光Lは、保護部5の内部に配置される保護窓8およびコーティング層9を通過し、加工対象物Wに照射される。アシストガスノズル13から継続して加工対象物Wにアシストガスが供給されており、レーザ光Lの効能を促進しながら加工する。また、第1の筐体4a内には、保護カバー10が配置されており、保護カバー10内をレーザ光Lが通過することで、外乱によるレーザ光Lの効能低下を防いだ状態とする。
さらに、レーザ光Lは直進性があり、加工対象物Wを貫通した場合、受け部6のレーザ吸収体14で受け止める構造となっている。
また、レーザ光Lで加工対象物Wの加工を行うのにあたり、図4および図5に示すように、昇降機構15、X軸移動部18、Y軸移動部21におけるXYZ軸を指定の位置に移動させることによって、レーザヘッド2の位置を調整できる。レーザヘッド2の位置を調整することによって、保護窓8の範囲に限られるが、加工位置を変更できる。
さらに、ワーク把持部26の位置を変更することやワーク回転部28によって、加工対象物Wを回転させることを付加することで、加工対象物Wに対して、複合的な加工ができる。
加工対象物Wの加工が終わった場合は、レーザヘッド2からのレーザ光Lの供給を停止し、アシストガスノズル13からのアシストガスの供給を停止し、第1の筐体4a内のアシストガスを排気口4dから排出した後、開閉扉4cを開き、ワーク把持部26を第2の筐体4b内に移動させることで完了する。
このように、本発明の第1変形例に係るレーザ加工装置1の筐体4は、図6および図7に示すように、加工対象物Wを密閉する第1の筐体4aと、加工対象物Wの搬送準備をするための第2の筐体4bと、第1の筐体4aおよび第2の筐体4bを区切る開閉扉4cと、を有するものであってもよい。
かかる構成によれば、筐体4は、第1の筐体4aと第2の筐体4bとに開閉扉4cによって区切られているので、加工対象物Wをレーザ加工する際に、加工対象物Wの搬送および準備を効率よく行うことができる。
また、開閉扉4cは、第1の開閉扉4c1および第2の開閉扉4c2が互いにスライドすることで、開閉するようにしてもよい。
かかる構成によれば、第1の開閉扉4c1および第2の開閉扉4c2は、互いにスライドすることで、開閉扉4cを開閉できるため、開閉時に加工対象物W等に当接することがないので、スムーズに開閉できる。
[第2変形例]
図9は、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置1の第2変形例を示す説明図である。
前記したレーザ加工装置1(図1参照)は、図9に示すレーザ加工装置1Bのように、保護カバー10Bは、当該保護カバー10B内に循環させる冷却用ガスG1を噴射する循環用ノズル31を備えていてもよい。なお、第2の変形例の説明において、冷却用ガスG1を前提として表現するが、冷却用ガスG1は、圧縮エア、冷却ガス、不活性ガス等を適宜選択できることは言うまでもない。
循環用ノズル31は、アルゴンガス等の冷却用ガスG1を供給する冷却ガス供給源A2に接続される。循環用ノズル31は、例えば、保護カバー10Bの内壁に、噴出口を保護窓8側に向けて設置される。循環用ノズル31から噴射された冷却用ガスG1は、保護カバー10Bの内壁に沿って前方の保護窓8側に流れた後、保護窓8に沿って上昇して保護カバー10Bの内壁を後側に流れ、雰囲気分断用ノズル32から噴射されたエアカーテンG4によって循環用ノズル31側に戻るように循環する。
このように、レーザ加工装置1Bは、保護カバー10B内を循環する冷却用ガスG1を噴射する循環用ノズル31を備えていることで、冷却用ガスG1を保護カバー10B内に循環できる。このため、循環用ノズル31は、少ない冷却用ガスG1で効率よく保護窓8および保護カバー10B内を冷却できる。
また、図9に示すように、保護カバー10Bは、当該保護カバー10B内にエアカーテンG4を形成するための雰囲気分断用ノズル32を備えていてもよい。
この場合、雰囲気分断用ノズル32は、アルゴンガス等の冷却用ガスG1を供給する冷却ガス供給源A3に接続される。雰囲気分断用ノズル32は、例えば、循環用ノズル31に対向する保護カバー10Bの外周面に、噴出口を保護カバー10B内の中心側に向けて設置される。雰囲気分断用ノズル32から噴射されたエアカーテンG4は、保護カバー10Bを前後に分断させるように流れるとともに、循環用ノズル31から噴射された冷却用ガスG1が保護カバー10Bの保護窓8側寄りの領域を循環するように規制する。
このように、レーザ加工装置1Bは、保護カバー10B内にエアカーテンG4を形成する雰囲気分断用ノズル32を備えている。このため、保護カバー10B内を循環する冷却用ガスG1は、エアカーテンG4によって、保護カバー10B内の冷却用ガスG1よりも加工対象物W側に流れることを抑制して、保護カバー10B内の所定範囲だけを循環するように遮断できる。
また、図9に示すように、保護カバー10Bは、当該保護カバー10B内にヒュームF、ドロスD等の異物が侵入するのを抑制する侵入防止用ガスG3を噴射するパージ用ノズル34と、保護カバー10B内に侵入したヒュームF、ドロスD等の異物を保護カバー10B外に押し出す押出用ガスG2を噴射する排出用ノズル33と、を備えていてもよい。
この場合、排出用ノズル33およびパージ用ノズル34は、例えば、アルゴンガス等を供給するガス供給源A1に接続される。パージ用ノズル34は、保護カバー10Bの加工対象物W側の開口部の外周面に取り付けられて、噴出口を保護カバー10Bの開口部内の中心側に向けて設置される。
排出用ノズル33は、保護カバー10Bの外周面に、噴出口を保護カバー10Bの開口部内の中心側に向けて設置される。排出用ノズル33から噴射された押出用ガスG2は、保護カバー10Bの内側からの開口部の外側に向けて噴射される。
このように、レーザ加工装置1Bは、保護カバー10B内にヒュームF、ドロスD等の異物が侵入するのを抑制する侵入防止用ガスG3を噴射するパージ用ノズル34を備えている。このため、パージ用ノズル34から噴射された侵入防止用ガスG3は、保護カバー10Bの開口部にエアカーテンを形成して、レーザ加工の際に発生したヒュームF、ドロスD、他の飛散物等の異物が、保護カバー10B内に侵入するのを抑制できる。
また、レーザ加工装置1Bは、排出用ノズル33を備えていることによって、押出用ガスG2を噴射することで、保護カバー10B内に侵入したヒュームF、ドロスD、他の飛散物等の異物を押し出すことができる。
[第3変形例]
図10は、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置1の第3変形例を示す説明図である。
また、図10に示すレーザ加工装置1Cのように、保護部ケーシング7Cは、保護窓8Cの表面に向けて冷却用ガスG5を噴射する補助ノズル35(第一の補助ノズル)と、冷却用ガスG5を保護部ケーシング7C外に排気するためのガス排気口36と、を備えていてもよい。なお、第3の変形例の説明において、冷却用ガスG5を前提として表現するが、冷却用ガスG5は、圧縮エア、冷却ガス、不活性ガス等を適宜選択できることは言うまでもない。
補助ノズル35(第一の補助ノズル)は、例えば、アルゴンガス等の冷却用ガスG5を供給する冷却ガス供給源A4に接続される。補助ノズル35(第一の補助ノズル)は、保護部ケーシング7Cの後端部に、噴射口を保護窓8Cの軸心線方向に向けて設置される。ガス排気口36は、保護部ケーシング7Cの補助ノズル35(第一の補助ノズル)に対向する保護部ケーシング7Cの後端部寄りの位置に設置される。ガス排気口36は、保護部ケーシング7C内に噴出された冷却用ガスG5を保護カバー10Cの後側に排気するように、保護部ケーシング7Cに取り付けられる。なお、排気方向は適宜変更できる。
このように、レーザ加工装置1Cは、補助ノズル35(第一の補助ノズル)を有することで、保護窓8Cの後側の表面に向けて冷却用ガスG5を噴射して、保護窓8Cを冷却できるとともに、保護窓8Cに付着した異物を吹き落とすことができる。また、レーザ加工装置1Cは、ガス排気口36を有することで、保護窓8Cを冷却して暖められた冷却用ガスG5を保護部ケーシング7C外にスムーズに排気できる。
[第4変形例]
図11は、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置1の第4変形例を示す説明図である。
また、図11に示すレーザ加工装置1Dのように、保護部ケーシング7Dは、保護窓8Dの外側表面に向けて冷却用ガスG6を噴射する補助ノズル37(第二の補助ノズル)を備えていてもよい。なお、第4の変形例の説明において、冷却用ガスG6を前提として表現するが、冷却用ガスG6は、圧縮エア、冷却ガス、不活性ガス等を適宜選択できることは言うまでもない。
補助ノズル37(第二の補助ノズル)は、例えば、アルゴンガス等の冷却用ガスG6を供給する冷却ガス供給源A4に接続される。補助ノズル37(第二の補助ノズル)は、保護部ケーシング7Dの前端部に、噴射口を保護窓8Dの軸心線方向に向けて設置される。ガス排気口38は、保護部ケーシング7Dの補助ノズル35(第一の補助ノズル)に対向する保護部ケーシング7Dの前端部寄りの位置に設置される。ガス排気口38は、保護窓8Dの前面に噴出された冷却用ガスG6を保護部ケーシング7Dの前側に排気するように、保護部ケーシング7Dに取り付けられる。なお、排気方向は適宜変更できる。
このように、レーザ加工装置1Dは、補助ノズル37(第二の補助ノズル)を備えていることで、保護窓8Dの外側表面に向けて冷却用ガスG6を噴射して保護窓8Dを冷却できるとともに、保護窓8Cに付着した異物を吹き落とすことができる。
1,1A,1B,1C,1D レーザ加工装置
2 レーザヘッド
3 レーザ発振器
4 筐体
4a 第1の筐体
4b 第2の筐体
4c 開閉扉
4d 排気口
5 保護部
6 受け部
7,7C,7D 保護部ケーシング
7a 第1の保護部ケーシング
7b 第2の保護部ケーシング
8,8C,8D 保護窓
9 コーティング層
10,10B,10C 保護カバー
11 冷却水流路
12 ガス流路
12a 第1のガス流路
12b 第2のガス流路
13 アシストガスノズル
14 レーザ吸収体
15 昇降機構
16 昇降本体
16a 昇降ガイド
16b 昇降板
17a 昇降用ボールねじ
17b 昇降用ナット
18 X軸移動部
19a 基台
19b X軸移動ガイド
20 X軸移動用ボールねじ
21 Y軸移動部
22 Y軸移動ガイド
23 Y軸移動用ボールねじ
24 回収部
24a 縁部
25 回収部移動用ガイド
26 ワーク把持部
27 ワーク把持部移動用ガイド
28 ワーク回転部
31 循環用ノズル
32 雰囲気分断用ノズル
33 排出用ノズル
34 パージ用ノズル
35,37 補助ノズル
36,38 ガス排気口
A,A1 アシストガス供給源
A2,A3,A4 ガス供給源
D ドロス
F ヒューム
G1,G5,G6 各種ガス
G2 押出用ガス
G3 侵入防止用ガス
G4 エアカーテン
L レーザ光
M1 昇降モータ
M2 X軸移動モータ
M3 Y軸移動モータ
Q 冷却水供給源
W 加工対象物

Claims (14)

  1. レーザ光を照射するレーザヘッドと、
    加工対象物を密閉する筐体に配置され、前記レーザ光を通過させる保護部と、
    前記保護部と同軸上で前記筐体に配置する受け部と、を備え、
    前記保護部は、
    前記筐体内に前記レーザ光を入射させる保護部ケーシング内に配置され前記レーザ光を通過させる保護窓と、
    前記保護窓の表面に形成するコーティング層と、
    前記コーティング層の表面に圧縮エアまたは冷却ガスを供給するガス流路と、
    前記筐体内に配置され、アシストガスを供給するアシストガスノズルと、を有する、
    レーザ加工装置。
  2. 前記筐体は、
    前記加工対象物を密閉する第1の筐体と、
    前記加工対象物の搬送準備をするための第2の筐体と、
    前記第1の筐体および前記第2の筐体を区切る開閉扉と、を有する、
    請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記開閉扉は、第1の開閉扉および第2の開閉扉が互いにスライドすることで、開閉する、
    請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記加工対象物を前記筐体の上部から把持するワーク把持部を有する、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記保護部は、前記筐体内に保護カバーを有する、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  6. 前記レーザヘッドを昇降させる昇降機構と、
    前記レーザヘッドを前記レーザ光の照射方向に垂直な方向に移動させるX軸移動部と、
    前記レーザヘッドを前記レーザ光の照射方向に平行な方向に移動させるY軸移動部と、
    を有する、もしくは、いずれかを有する
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  7. 前記保護窓は、透過性材料で構成される、
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  8. 前記保護窓は、溶融シリカで構成される、
    請求項1から請求項7のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  9. 前記アシストガスノズルは、フラットノズル、多段ノズル、あるいは、複数のノズルとした、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  10. 前記保護カバーは、当該保護カバー内に循環させる圧縮エアまたは冷却ガスを噴射する循環用ノズルを備えている、
    請求項5に記載のレーザ加工装置。
  11. 前記保護カバーは、当該保護カバー内にエアカーテンを形成するための雰囲気分断用ノズルを備えている、
    請求項5に記載のレーザ加工装置。
  12. 前記保護カバーは、
    当該保護カバー内にヒューム、ドロス等の物が侵入するのを抑制する侵入防止用ガスを噴射するパージ用ノズルと、
    前記保護カバー内に侵入したヒューム、ドロス等の異物を前記保護カバー外に押し出す押出用ガスを噴射する排出用ノズルと、
    を備えている、
    請求項5に記載のレーザ加工装置。
  13. 前記保護部ケーシングは、
    前記保護窓の表面に向けて圧縮エアまたは冷却ガスを噴射する補助ノズルと、
    前記圧縮エアまたは冷却ガスを前記保護部ケーシング外に排気するためのガス排気口と、
    を備えている、
    請求項1から請求項12のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  14. 前記保護部ケーシングは、前記保護窓の外側表面に向けて圧縮エアまたは冷却ガスを噴射する補助ノズルを備えている、
    請求項1から請求項13のいずれかに記載のレーザ加工装置。
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