JP2020044574A - レーザ加工装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ照射部のレーザヘッドを保護する保護ガラスに対する飛散物の付着を防いで交換頻度を減らすこと。【解決手段】保護ガラス23の中心が、レーザ照射部5から出射されるレーザ光Lの光軸中心からずれるように保護ガラス23を配置する。そして、レーザ溶接時に発生するプルームやスパッタなどの飛散物が保護ガラス23のワーク側面23aに付着した際に、飛散物による汚染箇所とレーザ光Lの透過領域とが重ならないように保護ガラス23を所定方向に移動させる固定手段24を備えた。【選択図】図1
Description
本発明は、レーザ光を用いて被溶接物となるワークに加工を行うレーザ加工装置に関するものである。
従来より、レーザ光を用いて被加工物であるワークに所定の加工を行うレーザ加工装置として、レーザ光でワークの溶接を行うレーザ溶接装置が知られている。ところで、レーザ溶接装置でレーザ溶接を行うと、ワークのレーザ光照射部分からプルーム(金属蒸気)や、スパッタ(金属溶滴)がワーク周囲に飛散する。飛散した飛散物がレーザヘッドの光学系(集光レンズ)に付着すると、レーザ光が遮られてワークへのレーザ照射が不安定になるとともに、飛散物がレーザ光を吸収して光学系が損傷してしまい交換を余儀なくされる。
この対策として、従来のレーザ溶接装置は、溶接加工時に発生する飛散物による光学系の汚れを防止するため、レーザヘッドとワークとの間に保護ガラスを設けている。
しかし、保護ガラスを採用することでレーザヘッドの光学系が汚れるのを防止することはできるが、今度は保護ガラスに付着した飛散物にレーザが照射されることで保護ガラスが損傷するという問題が生じる。保護ガラスが損傷する前に定期的な交換が必要となるが、保護ガラスは高価なため、極力交換頻度を少なくしてランニングコストを抑えたいという要望がある。
そこで、保護ガラスの交換頻度を抑えるため、下記特許文献1,2に開示されるレーザ溶接装置が提供されている。
下記特許文献1の装置は、レーザヘッドとワークとの間にシールドガスが導入可能なシールドガス筒の上端部に、レーザ光を透過させつつレーザヘッドの集光レンズの汚れを防止する透過窓(保護ガラスに相当)を固設し、レーザ溶接時に導入したシールドガスを発生したプルームとともに真空ポンプで外部に排気して透過窓の汚れを防止している。
下記特許文献2の装置は、レーザトーチから出力されるレーザ光の被溶接物への入熱量に基づく入熱量低下比率に応じて保護ガラスの汚れを判断した上で保護ガラスの交換を行っている。そのため、製品品質に問題が起こりそうな状態となるまで保護ガラスが使用可能となり、無駄な交換が抑制される。
特許文献1の装置では、シールドガスをシールドガス筒から導入して透過窓に対するプルームやスパッタなどの飛散物の付着を防止しているが、それでも飛散物の付着を完全に防止することはできない。また、透過窓を飛散物から保護する目的としてシールドガス筒をチャンバーから外方に延出させて保護ガラスと溶接位置との間隔を確保しているため、装置が大型化するという問題もある。
特許文献2の装置では、レーザ光の入熱量を測定して保護ガラスの交換の判断を行う技術であるため、保護ガラスに飛散物が付着した状態でレーザ照射が継続されてしまうと、レーザ出力が低下して適切な溶接結果を得ることができない。また、この装置では飛散物自体の付着を防ぐことができないため、一般的なレーザ溶接装置と交換頻度が変わらず、保護ガラスの交換費用を抑制する効果は期待できない。
さらに、特許文献1,2に開示される装置では、何れもレーザ光の照射位置と保護ガラスの設置位置が共に固定されているため、保護ガラスに付着した飛散物の位置とレーザ光の透過領域とが重なってしまうと、レーザ光が飛散物に吸収され保護ガラスが損傷して継続的に溶接作業が行えないという問題がある。
本発明は、以上説明した従来の技術における種々の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、保護ガラスの交換頻度を少なくして交換費用を抑えつつ溶接作業を継続的に行えるようにするレーザ加工装置を提供することにある。
本発明の第1の態様は、加工対象となるワークにレーザヘッドからレーザ光を照射するレーザ照射部と、前記レーザヘッドのレーザ出射口に対向して配置され、前記レーザヘッドに内蔵される光学系を保護する保護ガラスと、を備えるレーザ加工装置において、前記レーザ光の透過領域と、前記保護ガラスの汚染箇所とが重ならないように前記保護ガラスの固定位置が移動可能な固定手段を備えたことを特徴とする、レーザ加工装置である。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係るレーザ加工装置において、前記ワークを減圧雰囲気下で収容する減圧チャンバーを備え、前記減圧チャンバーにおける前記保護ガラスの設置箇所近傍に、所定のガスを供給しつつ前記保護ガラスの周囲の気体を外部に排気する給排気部を設けたことを特徴とする、レーザ加工装置である。
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様又は第2の態様に係るレーザ加工装置において、前記レーザ光が通過する部分に開口が形成されたカバー部材を、前記保護ガラスのワーク側面を覆うように設けたことを特徴とする、レーザ加工装置である。
本発明の第4の態様は、本発明の第3の態様に係るレーザ加工装置において、前記カバー部材は、前記保護ガラス側に向けて延出する側壁が外周縁に沿って立設されることを特徴とする、レーザ加工装置である。
本発明の第5の態様は、本発明の第3の態様又は第4の態様に係るレーザ加工装置において、さらに、前記カバー部材は、前記開口の外周縁を囲った状態で前記ワーク側に向けて延出する囲い部材が設けられることを特徴とする、レーザ加工装置である。
本発明の第6の態様は、本発明の第1の態様〜第5の態様の何れかに係るレーザ加工装置において、前記保護ガラスは、その中心が前記レーザ光の光軸中心からずれた状態で前記固定手段に保持され、前記中心を回転中心として前記固定手段により回転移動されることを特徴とする、レーザ加工装置である。
本発明によれば、レーザ光の光軸中心から保護ガラスの中心をずらした配置とし、保護ガラスの汚染箇所とレーザ光の透過領域とが重ならないように移動可能な構成としたため、保護ガラスに付着した飛散物にレーザ光が照射されることで生じる保護ガラスの損傷を防止することができる。よって、保護ガラスの交換頻度が低減してランニングコストが抑えられるとともに、継続的に溶接作業を行うことができる。
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態によって本発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範疇に含まれるものとする。
なお、本明細書において、添付する各図を参照した以下の説明において、方向乃至位置を示すために上、下、左、右の語を使用した場合、これはユーザが各図を図示の通りに見た場合の上、下、左、右に一致する。また、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
本実施形態に係るレーザ加工装置1は、レーザ光Lを用いて加工対象となる被加工物(以下、「ワークW」という)に対する溶接処理、切断処理、焼き入れ処理などの各種レーザ工法を用いて加工を施す装置である。以下、レーザ加工装置1の装置形態としてレーザ溶接装置の例を用いて説明する。
図1に示すように、レーザ加工装置1は、減圧チャンバー2と、移動装置3と、給排気部4と、レーザ照射部5と、制御部6とを備えている。レーザ加工装置1は、減圧チャンバー2内にワークWを収容し、位置固定されたレーザヘッド52からレーザ光Lを出射し、移動装置3でワークWを移動させながら減圧雰囲気下で溶接加工を行う。
減圧チャンバー2は、上面にレーザ照射部5から出射されたレーザ光Lを通過させる開口孔21が形成され、ワークWを覆う箱状の収容部として機能する。
減圧チャンバー2の底部近傍には、真空ポンプなどの減圧手段22が接続され、ワークWを出し入れするための出入口部分には、減圧状態(低真空状態)が維持可能なようにシール部材が設けられている。減圧手段22で減圧チャンバー2内を減圧することで、空間内を低真空状態(1/10気圧(10kPa)から1/1000気圧(0.1kPa)程度)に保持することができる。
減圧チャンバー2の開口孔21には、レーザ照射部5のレーザヘッド52内の光学系を保護する保護ガラス23が設けられている。
保護ガラス23は、所定の厚みを有する円形や多角形状を成し、レーザ光Lの照射エネルギーを阻害せずに透過させる光透過性を有する石英ガラスなどのガラス材料で構成される。保護ガラス23の外周にはシール部材が設けられており、減圧チャンバー2の低真空状態が維持されるようになっている。
保護ガラス23は、その中心がレーザ光Lの光軸中心から外れた位置となるよう開口孔21に配置され、固定手段24によって所定方向に移動可能に位置固定される。図1には、円形の保護ガラス23の円心付近を固定手段24で保持し、この円心を回転中心として保護ガラス23を周方向に回転させる形態例を示している。
本装置では、レーザ光Lの光軸中心に対し、保護ガラス23の中心をずらして配置し、さらに汚染箇所がレーザ光Lの透過部分と重ならないように保護ガラス23を固定手段24で所定方向に移動可能な構成としている。これにより、保護ガラス23の汚染されていない箇所にレーザ光Lを透過させることが可能となるため、レーザ光Lが飛散物に吸収されることで生じる保護ガラス23の損傷を未然に防止することができる。
なお、保護ガラス23は、減圧チャンバー2の低真空状態が保持されたまま、保護ガラス23の汚染箇所がレーザ光Lの透過領域と重ならない位置まで移動されればよい。そのため、固定手段24による保護ガラス23の移動の仕方としては、図1に示すような保護ガラス23を周方向に沿って回転させる構成の他、水平面上の任意の位置に移動させる構成など特に限定されない。
また、固定手段24による保護ガラス23の移動タイミングは、保護ガラス23を保護する観点から、保護ガラス23の汚れを検出した時点で汚染箇所がレーザ光Lの透過領域と重ならないように移動させるのが好ましい。
汚染箇所の検出方法としては、作業者による目視の他、汚染箇所を検出する手段を用いた周知の検出方法(例えば、図示しない撮像手段による撮像画像を解析する方法)などで検出することが可能である。
保護ガラス23の直下には、保護ガラス23におけるワーク側面23aに飛散物が付着するのを防ぐためのカバー部材25が設けられている。
カバー部材25は、その中心が保護ガラス23を透過するレーザ光Lの光軸中心に合わせて開口された開口25aを有する平板で構成され、少なくとも保護ガラス23のワーク側面を覆うように設けられている。
開口25aの開口面積は、光路を妨げない程度に開口される必要はあるが、飛散物が開口25aを通過して保護ガラス23に付着するのを極力避けるため、保護ガラス23を透過するレーザ光Lの水平方向における透過断面積と略同等、若しくは透過断面積よりも若干広げた程度に設計するのが好ましい。
カバー部材25を設けることで、保護ガラス23のワーク側面23aに対する飛散物の付着を直接的に防ぐことができる。そのため、給排気部4による飛散物の排出効果に加え、保護ガラス23に飛散物がより付着しにくくなる。
移動装置3は、減圧チャンバー2内でレーザ光Lの焦点位置とワークWの溶接位置とが一致するようにワークWを適切な方向及び速度で移動させる。移動装置3は、制御部6により図示しない駆動機構(モータ)の駆動が制御されることで、台座上に載置されたワークWの移動方向及び移動速度が適切に制御される。
給排気部4は、減圧チャンバー2内にプルーム除去用の所定のガスを供給する供給手段41と、保護ガラス23周囲に飛散した飛散物を保護ガラス23近傍の気体と一緒に外部に排気させる排気手段42とを有する給排気装置で構成される。
給排気部4から導入されるガスは、溶接加工に好適な窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス(シールドガス)の他、空気など溶接加工に支障をきたさない気体であれば特に限定されない。
給排気部4は、保護ガラス23の近傍、すなわち減圧チャンバー2の開口孔21近傍の側壁に配置する。これにより、保護ガラス23近傍に飛散した飛散物を、供給するガスとともに外部に効率的に排気することができるため、保護ガラス23に対する防汚効果を高めることができる。
また、給排気部4を保護ガラス23の近傍に配置することで、保護ガラス23に対する飛散物の付着抑制効果が得られるため、保護ガラス23とワークWとの距離を確保する必要がなくなる。よって、減圧チャンバー2を小型化することができるため、低真空状態とするための減圧時間が短縮され、生産性を向上させることができる。
さらに、給排気部4を保護ガラス23近傍に設けることで、減圧手段22のみで減圧チャンバー2内の減圧及び飛散物の除去を行う従来の装置構成と比べ、ガスの供給量やガス及び飛散物の排気量の調整を細かく制御することができる。ガスの供給量が適切に制御可能となれば、使用するガス量が削減され、ランニングコストを抑えることができる。
レーザ照射部5は、減圧チャンバー2内のワークWにレーザ光Lを照射するものである。レーザ照射部5は、ワークWを溶接するためのレーザ光Lを発生させるレーザ発振器51と、レーザ光Lの焦点を調整する集光レンズなどの光学部品(総称して「光学系」という)を具備するレーザヘッド52と、レーザ発振器51で発生させたレーザ光Lをレーザヘッド52に出力する光導出部材53とを備えている。
レーザ発振器51は、ワークWの溶接に使用するレーザ光を発生させる。レーザ光の種類は、気体レーザ(例えばCO2レーザ)、固体レーザ(例えばYAGレーザ)、ファイバレーザなどが挙げられ、ワークWの材質や加工方法に基づき適切なレーザが選択可能である。
レーザヘッド52は、レーザ出射口を開口孔21と対向させた状態で減圧チャンバー2の外方に位置固定される。図1では、開口孔21と対向するように、減圧チャンバー2の上方に配置されている。レーザヘッド52は、光導出部材53を介して入射されたレーザ光Lを、内蔵する光学系を介してワークWに出射する。本実施形態において、レーザヘッド52から出射されるレーザ光Lは、短焦点距離レーザであり、ワークWの溶接箇所であるレーザ光Lの焦点を頂点とする略円錐形状に出射される。
光導出部材53は、光ファイバなどの導光部材で構成され、レーザ発振器51とレーザヘッド52との間に接続される。光導出部材53は、レーザ発振器51で発生させたレーザ光Lをレーザヘッド52に導出する。
制御部6は、減圧チャンバー2内を低真空状態に維持するための減圧手段22の駆動制御、溶接加工時における移動装置3の移動制御、給排気部4のガス供給/排気制御、レーザ照射部5のレーザ発振制御(出力エネルギー制御)など、レーザ加工装置1を構成する各部の駆動制御を行う。
上記構成のレーザ加工装置1は、ワークWを減圧チャンバー2に収容し、減圧手段22を駆動させて減圧チャンバー2内を低真空状態にする。減圧チャンバー2内が低真空状態になると、レーザ照射部5を駆動してレーザ光Lを発生させ、レーザヘッド52からワークWにレーザ光Lを照射して溶接加工を行う。
このとき、レーザ光LがワークWの溶接箇所に照射されると、ワークWが溶融してプルームやスパッタなどの保護ガラス23に付着し得る飛散物が発生する。この飛散物は、保護ガラス23の周囲に飛散するが、保護ガラス23近傍に設置した給排気部4のガス供給/排気処理により飛散物が効率的に排気される。
また、保護ガラス23の直下にカバー部材25が設けられているため、給排気部4や減圧手段22で排気しきれなかった飛散物があったとしても、保護ガラス23への付着量が低減される。
しかし、溶接加工の回数を重ねていくと、保護ガラス23のワーク側面23aに飛散物が付着することがある。その場合は、保護ガラス23の汚れを検出し、固定手段24で保護ガラス23の汚染箇所がレーザ光Lの透過領域と重ならない位置まで保護ガラス23を所定方向に移動させる。
保護ガラス23を所定方向に移動させることで、レーザ光Lは保護ガラス23の汚染されていない箇所を透過するため、保護ガラス23に付着した飛散物を起因とする保護ガラス23の損傷を回避することができる。
以上説明したように、上述したレーザ加工装置1は、レーザ溶接時に発生するプルームやスパッタなどの飛散物が保護ガラス23のワーク側面23aに付着した際に、飛散物による汚染箇所がレーザ光Lの透過領域と重ならないように保護ガラス23を所定方向に移動させる固定手段24を備えている。
これにより、レーザ光Lが保護ガラス23を透過する位置と、保護ガラス23の汚染箇所とが重ならないため、レーザ光Lが飛散物に吸収されることで生じる保護ガラス23の損傷を未然に防止することができる。よって、保護ガラス23の交換頻度が抑えられ、ランニングコストを低減させることができる。
また、保護ガラス23の直下にカバー部材25を設けた構成とすることで、溶接加工中に発生した飛散物が保護ガラス23のワーク側面23aに付着しづらくなり、保護ガラス23が汚れにくくなる。よって、保護ガラス23の交換頻度がさらに抑えられ、ランニングコストもより低減される。
さらに、減圧チャンバー2における保護ガラス23の設置箇所近傍に給排気部4を設けた構成とすれば、飛散物が保護ガラス23に付着する前に供給したガスと一緒に効率良く排気させることができるので、保護ガラス23がさらに汚れにくくなる。また、供給するガスは保護ガラス23近傍のみでよいため、ガスの供給量が削減されランニングコストの低減につながる。
また、保護ガラス23の中心がレーザ照射部5から出射されるレーザ光Lの光軸中心からずれるように保護ガラス23を配置し、固定手段24は、保護ガラス23の中心を回転中心として所定方向に回転移動させる構成とすることで、機構的に簡素な構成で保護ガラス23の汚染箇所とレーザ光Lの透過領域とをずらすことができる。なお、回転させる構成とした場合、保護ガラス23の形状は、回転動作がスムーズに行えるよう円形とするのが好ましい。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下に示すように使用環境などに応じて適宜変更して実施することもできる。また、以下の変形例を本発明の要旨を逸脱しない範囲の中で任意に組み合わせて実施することもできる。
―変形例1―
上述した形態では、レーザ照射部5から出射されるレーザ光Lとして短焦点距離レーザを用いた構成としたが、使用するレーザはこれに限定されない。
例えば、図2に示すようにレーザ光Lとして長焦点距離レーザを使用した場合、減圧チャンバー2の筐体上面から外方に延出されるように焦点距離調整用の筒部材26を設けた構成としてもよい。筒部材26は、レーザ照射部5から照射されたレーザ光Lが通過する通過孔が貫通して形成された中空形状(円筒、角筒を問わず)とし、減圧チャンバー2の上面に形成される開口孔21と連通するように設けられる。
なお、上記構成とした場合、飛散物の付着を防ぐ観点から、保護ガラス23を開口孔21ではなく筒部材26の天井付近に設けるのが好ましい。
上述した形態では、レーザ照射部5から出射されるレーザ光Lとして短焦点距離レーザを用いた構成としたが、使用するレーザはこれに限定されない。
例えば、図2に示すようにレーザ光Lとして長焦点距離レーザを使用した場合、減圧チャンバー2の筐体上面から外方に延出されるように焦点距離調整用の筒部材26を設けた構成としてもよい。筒部材26は、レーザ照射部5から照射されたレーザ光Lが通過する通過孔が貫通して形成された中空形状(円筒、角筒を問わず)とし、減圧チャンバー2の上面に形成される開口孔21と連通するように設けられる。
なお、上記構成とした場合、飛散物の付着を防ぐ観点から、保護ガラス23を開口孔21ではなく筒部材26の天井付近に設けるのが好ましい。
―変形例2―
上述した形態において、カバー部材25は、開口25aが形成された平板として説明したが、例えば図3(a)に示すように、カバー部材25の外周縁から保護ガラス23側に向けて延出する側壁25b(図中のハッチング部分)を、前記外周縁に沿って立設させて保護ガラス23を覆うケース形状とした構成としてもよい。また、図3(b)に示すように、開口25aの外周縁を囲った状態でワークW側に向けて所定距離だけ延出する中空筒状の囲い部材25c(図中のハッチング部分)を設けた構成としてもよい。
上述した形態において、カバー部材25は、開口25aが形成された平板として説明したが、例えば図3(a)に示すように、カバー部材25の外周縁から保護ガラス23側に向けて延出する側壁25b(図中のハッチング部分)を、前記外周縁に沿って立設させて保護ガラス23を覆うケース形状とした構成としてもよい。また、図3(b)に示すように、開口25aの外周縁を囲った状態でワークW側に向けて所定距離だけ延出する中空筒状の囲い部材25c(図中のハッチング部分)を設けた構成としてもよい。
カバー部材25の追加構成となる側壁25bや囲い部材25cは、何れか一方を採用しても保護ガラス23に対する防汚効果が十分得られるが、両者を組み合わせた構成とすることで、さらに保護ガラス23に対する防汚効果を高めることができる。
―変形例3―
上述した形態では、保護ガラス23を固定手段24で保持した状態で固定する構成として説明したが、保護ガラス23の固定方法はこれに限定されない。
例えば、開口25aの周囲に保護ガラス23を下方から支持する支持部材を設け、外周縁にシール部材を設けた保護ガラス23を開口25aに嵌合させた状態で減圧手段22の真空引きによる負圧を利用して保護ガラス23を固定させる構成としてもよい。この場合、減圧手段22の駆動を停止することで減圧チャンバー2内の雰囲気圧力が低真空状態から大気圧まで戻り、保護ガラス23の取り外しや汚染箇所の移動が可能となる。変形例3における保護ガラス23の移動の仕方としては、作業者が手動で移動させてもよいし、移動機構を具備させて自動で移動させてもよい。
上述した形態では、保護ガラス23を固定手段24で保持した状態で固定する構成として説明したが、保護ガラス23の固定方法はこれに限定されない。
例えば、開口25aの周囲に保護ガラス23を下方から支持する支持部材を設け、外周縁にシール部材を設けた保護ガラス23を開口25aに嵌合させた状態で減圧手段22の真空引きによる負圧を利用して保護ガラス23を固定させる構成としてもよい。この場合、減圧手段22の駆動を停止することで減圧チャンバー2内の雰囲気圧力が低真空状態から大気圧まで戻り、保護ガラス23の取り外しや汚染箇所の移動が可能となる。変形例3における保護ガラス23の移動の仕方としては、作業者が手動で移動させてもよいし、移動機構を具備させて自動で移動させてもよい。
―変形例4―
上述した形態では、減圧チャンバー2内に収容したワークWに対してレーザ照射部5から鉛直方向(図1における上方向から下方向)に向けてレーザ光Lを出射して溶接加工を行う構成として説明したが、レーザ光Lの出射方向は特に限定されない。
例えば、図1の装置形態において、レーザ照射部5のレーザヘッド52を減圧チャンバー2の左右何れかの側面の外方に配置し、レーザヘッド52と対向する側面に形成した開口孔21に保護ガラス23を設け、移動装置3でワークWを図中上下方向に移動可能な構成とする。この構成では、レーザ光Lを減圧チャンバー2の側面(図中右方向又は左方向)から出射し、ワークWを上下何れかの方向に移動させながら溶接加工が行われる。
上述した形態では、減圧チャンバー2内に収容したワークWに対してレーザ照射部5から鉛直方向(図1における上方向から下方向)に向けてレーザ光Lを出射して溶接加工を行う構成として説明したが、レーザ光Lの出射方向は特に限定されない。
例えば、図1の装置形態において、レーザ照射部5のレーザヘッド52を減圧チャンバー2の左右何れかの側面の外方に配置し、レーザヘッド52と対向する側面に形成した開口孔21に保護ガラス23を設け、移動装置3でワークWを図中上下方向に移動可能な構成とする。この構成では、レーザ光Lを減圧チャンバー2の側面(図中右方向又は左方向)から出射し、ワークWを上下何れかの方向に移動させながら溶接加工が行われる。
なお、上記構成例のように、レーザ光Lを減圧チャンバー2の側面から出射する構成とした場合、給排気部4や減圧手段22の配置も変更されるが、少なくとも給排気部4は保護ガラス23の設置箇所近傍とし、減圧手段22は給排気部4の機能を阻害せず、効率的に減圧チャンバー2内が低真空状態となる位置に配置すればよい。
―変形例5―
上述した形態では、収容部である減圧チャンバー2内にワークWを収容した状態でレーザ加工を行う構成で説明したが、必ずしもワークWを収容部に収容させてレーザ加工する必要はなく、レーザの種類や工法によっては、ワークWを収容部に収容せずにレーザ加工する構成でもよい。
上述した形態では、収容部である減圧チャンバー2内にワークWを収容した状態でレーザ加工を行う構成で説明したが、必ずしもワークWを収容部に収容させてレーザ加工する必要はなく、レーザの種類や工法によっては、ワークWを収容部に収容せずにレーザ加工する構成でもよい。
―変形例6―
上述した形態では、カバー部材25を保護ガラス23の直下に設けた構成として説明したが、保護ガラス23のワーク側面23aに直接設ける構成とすることもできる。このような構成の一例として、例えばワーク側面23aにカバー部材25を剥離可能な状態で貼着した構成とすれば、保護ガラス23が汚れた際に、カバー部材25の開口25aを保護ガラス23の汚れていない位置にくるように貼り直した後、保護ガラス23を移動させることによって、保護ガラス23を交換せずに利用することが容易に行える。
上述した形態では、カバー部材25を保護ガラス23の直下に設けた構成として説明したが、保護ガラス23のワーク側面23aに直接設ける構成とすることもできる。このような構成の一例として、例えばワーク側面23aにカバー部材25を剥離可能な状態で貼着した構成とすれば、保護ガラス23が汚れた際に、カバー部材25の開口25aを保護ガラス23の汚れていない位置にくるように貼り直した後、保護ガラス23を移動させることによって、保護ガラス23を交換せずに利用することが容易に行える。
―変形例7―
上述した形態では、保護ガラス23を減圧チャンバー2の開口孔21に移動可能に固定する形態で説明したが、例えばレーザヘッド52のレーザ出射口に設けるなど、保護ガラス23は、少なくともレーザヘッド52内に内蔵される光学系が保護可能な位置に、固定手段24によって移動可能に固設されていれば、その固設箇所は特に限定されない。
上述した形態では、保護ガラス23を減圧チャンバー2の開口孔21に移動可能に固定する形態で説明したが、例えばレーザヘッド52のレーザ出射口に設けるなど、保護ガラス23は、少なくともレーザヘッド52内に内蔵される光学系が保護可能な位置に、固定手段24によって移動可能に固設されていれば、その固設箇所は特に限定されない。
1…レーザ加工装置
2…減圧チャンバー
3…移動装置
4…給排気部
5…レーザ照射部
6…制御部
21…開口孔
22…減圧手段
23…保護ガラス(23a…ワーク側面)
24…固定手段
25…カバー部材(25a…開口)
41…供給手段
42…排気手段
51…レーザ発振器
52…レーザヘッド
53…光導出部材
L…レーザ光
W…被加工物であるワーク
2…減圧チャンバー
3…移動装置
4…給排気部
5…レーザ照射部
6…制御部
21…開口孔
22…減圧手段
23…保護ガラス(23a…ワーク側面)
24…固定手段
25…カバー部材(25a…開口)
41…供給手段
42…排気手段
51…レーザ発振器
52…レーザヘッド
53…光導出部材
L…レーザ光
W…被加工物であるワーク
Claims (6)
- 加工対象となるワークにレーザヘッドからレーザ光を照射するレーザ照射部と、
前記レーザヘッドのレーザ出射口に対向して配置され、前記レーザヘッドに内蔵される光学系を保護する保護ガラスと、
を備えるレーザ加工装置において、
前記レーザ光の透過領域と、前記保護ガラスの汚染箇所とが重ならないように前記保護ガラスの固定位置が移動可能な固定手段を備えたことを特徴とする、
レーザ加工装置。 - 前記ワークを減圧雰囲気下で収容する減圧チャンバーを備え、
前記減圧チャンバーにおける前記保護ガラスの設置箇所近傍に、所定のガスを供給しつつ前記保護ガラスの周囲の気体を外部に排気する給排気部を設けたことを特徴とする、
請求項1に記載のレーザ加工装置。 - 前記レーザ光が通過する部分に開口が形成されたカバー部材を、前記保護ガラスのワーク側面を覆うように設けたことを特徴とする、
請求項1又は2に記載のレーザ加工装置。 - 前記カバー部材は、前記保護ガラス側に向けて延出する側壁が外周縁に沿って立設されることを特徴とする、
請求項3に記載のレーザ加工装置。 - さらに、前記カバー部材は、前記開口の外周縁を囲った状態で前記ワーク側に向けて延出する囲い部材が設けられることを特徴とする、
請求項3又は4に記載のレーザ加工装置。 - 前記保護ガラスは、その中心が前記レーザ光の光軸中心からずれた状態で前記固定手段に保持され、前記中心を回転中心として前記固定手段により回転移動されることを特徴とする、
請求項1〜5の何れか一項に記載のレーザ加工装置。
Priority Applications (1)
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JP2018177380A JP2020044574A (ja) | 2018-09-21 | 2018-09-21 | レーザ加工装置 |
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JP2018177380A JP2020044574A (ja) | 2018-09-21 | 2018-09-21 | レーザ加工装置 |
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2018
- 2018-09-21 JP JP2018177380A patent/JP2020044574A/ja active Pending
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