JP2023138452A - 粘着テープ、及びその製造方法 - Google Patents

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Kenta Hayashi
信人 神谷
Nobuto Kamiya
健輔 津村
Kensuke Tsumura
清士郎 成松
Seishiro Narimatsu
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Abstract

【課題】クラフトテープのように厚みが薄く、かつ気泡を含有する粘着テープにおいて、タック性能及び梱包性能を向上させる。【解決手段】粘着テープ10は、基材11と、内部に気泡21を含有する粘着剤層20とを備え、粘着剤層20の厚みが45μm以下であり、気泡21の平均気泡径が45μm以下であり、かつ気泡密度が3000個/mm3以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着剤層の内部に気泡を有する粘着テープ、及びその製造方法に関する。
粘着テープは、様々な分野で使用されており、例えば、梱包用などに使用されるテープとして、クラフト紙を基材としたクラフトテープが広く用いられている。クラフトテープなどの粘着テープにおいては、少ない粘着剤の量で、タック性能、梱包性能を向上させる手段として、粘着剤層に気泡を含有させ、柔軟性を持たすことが行われている。例えば、特許文献1では、クラフトテープにおいて、基材に水などの揮散性物質を浸透させ、それをガス化させることで微小独立気泡を粘着剤層中に形成する手法が開示されている。
また、粘着テープの粘着剤層に気泡を含有させる手法としては、上記以外にも様々な方法が知られており、例えば、発泡剤を使用して発泡させる方法、上記した揮散性物質のガス化と発泡剤による発泡を組み合わせる方法、超臨界発泡を利用して粘着剤層に気泡を混入させる方法などが知られている(例えば、特許文献2~6参照)。
特許3704274号号公報 特開平8-67861号公報 特開2014-65810号公報 特開2000-169802号公報 特開2006-36870号公報 国際公開2020/153357号
ところで、近年クラフトテープは、種々の材料に適用させたいという要望があり、更なるタック性能及び梱包性能の向上が求められている。しかしながら、従来の粘着剤層に気泡を含有させる手法によって、粘着剤層中に気泡を含有させても、クラフトテープのように厚みが薄い粘着テープでは、タック性能及び梱包性能を十分に向上させることが難しい。
そこで、本発明は、クラフトテープのように厚みが薄く、かつ気泡を含有する粘着テープにおいて、タック性能及び梱包性能を向上させることを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、厚みが薄くかつ粘着剤層に気泡を含有させた粘着テープにおいて、平均気泡径が一定値以下の微細な気泡を、所定の気泡密度以上で粘着剤層に含有させることで上記の課題が解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[13]を提供する。
[1]基材と、内部に気泡を含有する粘着剤層とを備え、
前記粘着剤層の厚みが45μm以下であり、前記気泡の平均気泡径が45μm以下であり、かつ気泡密度が3000個/mm以上である、粘着テープ。
[2]比重試験により測定した前記粘着剤層の発泡倍率が2.0倍以上である上記[1]に記載の粘着テープ。
[3]前記基材が、紙基材と、前記紙基材の一方の面上に設けられる樹脂層とを備え、前記紙基材の他方の面上に前記粘着剤層が設けられる上記[1]又は[2]に記載の粘着テープ。
[4]前記樹脂層がポリエチレン系樹脂層である上記[3]に記載の粘着テープ。
[5]前記基材が紙基材を備え、前記紙基材がクラフト紙である上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の粘着テープ。
[6]前記粘着剤層の160℃における粘度が20000mPa・s以上150000mPa・s以下である上記[1]~[5]のいずれか1項に記載の粘着テープ。
[7]前記粘着剤層を構成する粘着剤がホットメルト樹脂を含む上記[1]~[6]のいずれか1項に記載の粘着テープ。
[8]前記粘着剤層を構成する粘着剤がスチレン系熱可塑性エラストマーを含む上記[1]~[7]のいずれか1項に記載の粘着テープ。
[9]前記気泡が不活性ガス由来である上記[1]~[8]のいずれか1項に記載の粘着テープ。
[10]前記平均気泡径が、前記粘着剤層の厚み以下である上記[1]~[9]のいずれか1項に記載の粘着テープ。
[11]前記粘着剤層の外表面の表面粗さ(Rz)が40μm以下である上記[1]~[10]のいずれか1項に記載の粘着テープ。
[12]前記粘着剤層における残留溶剤の量が10ppm未満である、上記[1]~[11]のいずれか1項に記載の粘着テープ。
[13]上記[1]~[12]のいずれか1項に記載の粘着テープの製造方法であって、
不活性ガスを加圧下で粘着剤に含浸させる工程と、加圧された圧力を開放して、前記気泡を形成する工程とを含む、
粘着テープの製造方法。
本発明によれば、厚みが薄く、かつ気泡を含有する粘着テープにおいて、タック性能及び梱包性能を十分に向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る粘着テープを示す模式的な断面図である。 本発明の一実施形態において、基材を詳細に示した粘着テープを示す模式的な断面図である。
本発明の実施形態に係る粘着テープについて詳細に説明する。
図1は、本発明の粘着テープの一実施形態を示す。本発明において、粘着テープ10は、基材11と、内部に複数の気泡21を含有する粘着剤層20とを備える。粘着テープ10において、粘着剤層20は、基材11の少なくとも一方の面に設けられる。粘着剤層20は、基材の両面に設けられてもよいが、図1に示すとおり、基材11の片面のみに設けられることが好ましい。
本発明の粘着テープは、粘着剤層の厚みが45μm以下であり、粘着剤層に含有される気泡の平均気泡径が45μm以下であり、かつ気泡密度が3000個/mm以上となるものである。本発明の粘着テープは、以上の構成を有することで、微細な気泡を粘着剤層中に多数かつ均一に含有させることができ、厚みが45μm以下で粘着剤層が薄いながらも、タック性能及び梱包性能の両方を向上させることができる。
<粘着剤層の厚み>
粘着テープにおける粘着剤層の厚みは、上記の通り、45μm以下である。粘着剤層の厚みが45μmより大きくなると、粘着剤層における粘着剤の量が必要以上に多くなる。そのため、コストが高くなったり、粘着力が必要以上に高くなったりして、クラフトテープなどにおいて実用的に使用しにくくなる。粘着剤層の厚みは、粘着剤量を抑制する観点から、40μm以下が好ましく、35μm以下がより好ましい。また、粘着剤層の厚みは、タック性能などを確保しやすい観点から、15μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、25μm以上がさらに好ましい。
<平均気泡径>
粘着剤層に含有される気泡の平均気泡径は、45μm以下である。平均気泡径が45μmより大きくなると、破泡等が生じやすくなり、多数の気泡を均一に粘着剤層に含有させることが難しくなる。そのため、貼り付け後に粘着性能が低下して剥離が生じることで梱包性能が低下し、また、粘着剤層のタック性能が低下し、初期貼り付け性が不十分となるおそれがある。
粘着剤層の厚みを小さくしつつ梱包性能及びタック性能を向上させる観点から、気泡の平均気泡径は、42μm以下が好ましく、39μm以下がより好ましく、35μm以下がさらに好ましく、22μm以下がよりさらに好ましい。気泡の平均気泡径は、特に限定されないが、気泡を形成しやすくする観点、発泡倍率を高くしやすくする観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは8μm以上、さらに好ましくは10μm以上、よりさらに好ましくは13μm以上である。
また、平均気泡径は、粘着剤層の厚み以下であることが好ましい。平均気泡径を粘着剤層の厚み以下の大きさとすることで、破泡などを生じさせることなく、多数の気泡を粘着剤層中に均一に含有させやすくなり、梱包性能及びタック性能を向上させやすくなる。
梱包性能及びタック性能の観点から、気泡の平均気泡径は、粘着剤層の厚みに対する比率が、0.9以下であることが好ましく、0.85以下がより好ましく、0.75以下がさらに好ましい。また、特に限定されないが、気泡の平均気泡径は、粘着剤層の厚みに対する比率が、0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましく、0.3以上がさらに好ましい。
<気泡密度>
粘着剤層に含有される気泡の密度(気泡密度)は、3000個/mm以上である。気泡密度が3000個/mm未満となると、粘着剤層に多数の気泡を含有させることが難しくなる。そのため、粘着剤層のタック性能が低下して初期貼り付け性が不十分になることがある。また、貼り付け後に粘着性能が低下して剥離が生じたりすることで梱包性能が低下することもある。
タック性能及び梱包性能の観点から、気泡密度は、3500個/mm以上が好ましく、4200個/mm以上がより好ましく、7500個/mm以上がさらに好ましく、10000個/mm以上がよりさらに好ましい。
また、気泡密度は、特に限定されないが、一定のタック性能及び梱包性能を確保しやすい観点から、例えば50000個/mm以下、好ましくは35000個/mm以下、より好ましくは25000個/mm以下、さらに好ましくは19600個/mm以下である。
なお、平均気泡径は、3DX線顕微鏡にて3D化した画像において、例えば3mm×3mm×厚みの測定領域内の全気泡の気泡径の平均値を算出することで求めることができる。また、気泡密度は、測定領域内の全気泡の個数を測定領域の体積で除して求めることができる。
粘着剤層における気泡は、好ましくは、不活性ガス由来の気泡である。不活性ガス由来の気泡であることで、後述するとおり、不活性ガスを粘着剤に含浸させることで、均一かつ多数の気泡を粘着剤層に形成できる。不活性ガスは、常温(23℃)及び常圧(1気圧)で気体となるものであり、具体的には、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、空気などが挙げられるが、これらの中では、窒素、二酸化炭素が好ましい。窒素、二酸化炭素のいずれかを使用することで、後述する製造方法で粘着剤に気泡を含浸させやすくなる。不活性ガスは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しててもよい。
<発泡倍率>
本発明において、粘着剤層の発泡倍率は例えば1.9倍以上であるが、2.0倍以上であることが好ましい。粘着剤層の発泡倍率を上記下限値以上とすると、粘着剤層における粘着剤量を十分に減らすことができ、また、均一かつ多数の気泡を有する粘着剤層を得やすくなる。
発泡倍率は、粘着剤量を減らす観点からは高ければ高いほうがよいが、粘着性能を一定以上に維持する観点などからは、3.2倍以下が好ましく、3.0倍以下がより好ましく、2.8倍以下がさらに好ましく、2.4倍以下が特に好ましい。
なお、発泡倍率は、比重測定により求めることができる。具体的には、比重計で測定される粘着剤単体の比重(ρb)、及び、粘着剤層の体積(Vd)と重量(Md)からMd/Vdで算出される粘着剤層の比重(ρd)を基に、ρb/ρdにより求めることができる。ここで、粘着剤単体の比重とは、気泡を除く粘着剤自体の比重であり、粘着剤層の比重は、気泡を含む粘着剤層の比重を意味する。
<粘着剤層の粘度>
粘着剤層の160℃における粘度は20000mPa・s以上150000mPa・s以下であることが好ましい。160℃における粘度を上記下限値以上とすることで、製造時に気泡が粘着剤層から抜けることを防止できる。また、上記上限値以下とすることで、気泡を適度に成長させることができ、適切なサイズの気泡を粘着剤層の内部に含有させやすくなる。
粘着剤層の160℃における粘度は25000mPa・s以上100000mPa・s以下であることがより好ましく、30000mPa・s以上70000mPa・s以下であることがさらに好ましい。
粘着剤層の160℃における粘度は、後述する塗工時の粘着剤の160℃における粘度と通常は同じであるが、塗工後に粘着剤が硬化、架橋などする場合などには、後述する塗工時の粘着剤の160℃における粘度よりも高くなる。なお、ここでいう粘度は、B型粘度計により測定した粘度である。
<粘着剤>
粘着剤層は、粘着剤により構成されるとよい。粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、オレフィン系粘着剤などが挙げられる。これら粘着剤は、アクリル樹脂、ゴム成分、ウレタン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂、オレフィン系樹脂などの粘着剤の主剤となる樹脂成分を含むものであり、その主剤にさらに適宜添加剤などが配合されて構成される。上記樹脂成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
また、粘着剤は、樹脂成分として、ホットメルト樹脂を含有することが好ましい。粘着剤は、ホットメルト樹脂を含有することで、ホットメルト粘着剤にすることができる。ホットメルト樹脂は、熱可塑性樹脂や、熱可塑性エラストマーにより構成されるものであり、例えば、上記樹脂成分のうちのいずれかであるとよい。
粘着剤における上記樹脂成分の含有量は、特に限定されないが、粘着剤全量基準で、例えば、20質量%以上90質量%以下、好ましくは30質量%以上80質量%以下、より好ましくは35質量%以上70質量%以下である。
(ゴム系粘着剤)
粘着剤層を構成する粘着剤は、上記した中では、ゴム系粘着剤を使用することが好ましい。ゴム系粘着剤を使用することで、粘着剤層は、一定以上の硬さが付与されて、内部に多くの気泡を形成しても一定の形状を維持しやすくなる。そのため、粘着剤層は、発泡倍率を高くしても粘着性能を維持しやすくなる。ゴム系粘着剤は、主剤として上記のようにゴム成分を使用するものであり、そのゴム成分としては、天然ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、エチレン・プロピレンゴム(EPM)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム、ブチルゴム(IIR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロスルホン化ポリエチレン等が挙げられる。また、ゴム成分としては熱可塑性エラストマーも挙げられる。
これらゴム成分は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分は、熱可塑性エラストマーが好ましく、中でもスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。熱可塑性エラストマーを使用することで、上記の通り、粘着剤をホットメルト粘着剤とすることができ、微細な気泡を多数形成しやすくなる。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレンとイソプレンをブロック共重合化したものが好ましく使用され、具体的にはスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-イソプレンブロック共重合体(SI)等が挙げられ、中でもSISがより好ましい。
ゴム系粘着剤は、上記ゴム成分に加えて、粘着性付与剤を含有することが好ましい。粘着性付与剤は、ゴム系粘着剤に粘着性を付与して粘着剤層の粘着性能を向上させる。粘着性付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン-インデン樹脂、石油系樹脂、テルペン-フェノール樹脂などが挙げられ、これらの中では石油系樹脂が好ましい。粘着剤における粘着性付与剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、20質量部以上200質量部以下、好ましくは50質量部以上150質量部以下である。
ゴム系粘着剤は、上記粘着性付与剤に加えて、軟化剤を含有してもよい。ゴム系粘着剤は、軟化剤を含有することで、粘着剤が軟化して、塗工性、粘着性能などを良好にしやすくなる。軟化剤としては、パラフィンオイル、ナフテンオイルなどの鉱油(プロセスオイルとも呼ばれる)、液状ポリブテン、液状ラノリン、液状ポリイソプレン、液状ポリアクリレートなどが挙げられる。粘着剤における軟化剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば5質量部以上80質量部以下、好ましくは10質量部以上50質量部以下である。
粘着剤層を構成する粘着剤には、上記以外にも、充填材、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線防止剤、顔料、架橋剤等の粘着剤に使用される公知の添加剤が適宜配合されてもよい。
なお、以上では、ゴム系粘着剤について詳細に説明したが、他の粘着剤も、ゴム成分の代わりに他の樹脂成分を使用し、かつ他の樹脂成分に加えて、上記の通りに粘着性付与剤を含有してもよく、また、軟化剤や、その他の上記添加剤を適宜含有してもよい。
粘着テープの粘着剤層のタック性能は、例えば、ボールタック値で表される。粘着テープの粘着剤層についてのボールタック値は、好ましくは7以上、より好ましくは10以上である。ボールタック値が7以上であると、粘着剤層のタック性能が良好となり、初期貼り付け性が良好になり、ボールタック値が10以上であると初期貼り付け性がより優れたものとなる。なお、ボールタック値は、特に限定されないが、タック性能が必要以上に高くなることを防止するために、例えば30以下であるとよく、また、20以下であってもよい。なお、ボールタック値は、JISZ 0237:2009に準拠して測定できる。
(残留溶剤)
粘着剤層における残留溶剤の量は10ppm未満であることが好ましく、3ppm以下であることがより好ましく、0ppmであることがより好ましい。なお、本明細書において「ppm」は質量基準の量とする。
残留溶剤は、粘着剤層の製造時に使用する粘着剤組成物に含まれる溶剤に起因するものであり、例えば、溶剤を含む粘着剤組成物により粘着剤層を形成させた場合は、通常は残留溶剤の量は10ppmを超えてしまう。したがって、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物は、溶剤を含まないことが好ましい。
溶剤を使用せずに粘着剤層を形成させる方法を行うことにより、二酸化炭素の排出量の削減が可能となり、環境負荷が低減される。また、その結果、粘着剤層の残留溶剤の量を上記のとおり調整しやすくなる。粘着剤層における残留溶剤の量は、ガスクロマトグラフィーにより測定することができる。
本発明の粘着テープ10では、粘着剤層20の外表面20Aの表面粗さは特に限定されていないが、粘着剤層20の外表面20Aの表面粗さ(Rz)が40μm以下であってもよい。粘着剤層の外表面の表面粗さ(Rz)が40μm以下であると、粘着剤層中に気泡を多く含有させて粘着剤量を少なくしても、高い粘着性能が維持されるとともに、梱包性能を確保しやすくなる。
粘着テープ10における梱包性能の観点から、粘着剤層20の外表面20Aの表面粗さ(Rz)は、30μm以下であり、より好ましくは25μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下である。粘着剤層の外表面の表面粗さ(Rz)の範囲の下限値は特に限定されないが、例えば0μm以上である。なお、粘着剤層20の外表面20Aの表面粗さ(Rz)は、後述の実施例に記載の方法に基づき測定された値を意味する。
<基材>
粘着テープに使用される基材としては、紙基材、布基材、樹脂フィルムであってもよいし、これらを2以上組み合わせた多層基材であってもよい。例えば、紙基材又は布基材の少なくとも一方の面に樹脂層が設けられた多層基材などでもよい。
紙基材としては、クラフト紙、グラシン紙、上質紙などが挙げられる。布基材としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂、綿糸、麻糸等の天然繊維等により構成された織布、編布、不織布等が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、EVAフィルム等が挙げられる。同様に、多層基材に使用される樹脂層としては、ポリエステル樹脂層、ポリオレフィン樹脂層、ポリスチレン樹脂層、アクリル樹脂層、ポリフェニレンスルフィド樹脂層、EVA樹脂層などが挙げられる。
これらの中では、基材は、紙基材を備えることが好ましく、紙基材の中でもクラフト紙が好ましい。紙基材としてクラフト紙を使用すると、粘着テープがクラフトテープとなり、梱包用の粘着テープなどとして好適になる。
基材11は、紙基材、布基材、又は樹脂フィルムのいずれかからなる単層であってもよいが、基材が2層以上を有する多層基材であってもよい。
基材11は、例えば、図2に示すように、紙基材12と、紙基材12の一方の面上に設けられる樹脂層13とを備える多層基材であることが好ましい。この場合、紙基材12の樹脂層13が設けられた面とは反対側の面上に粘着剤層20が設けられるとよい。
上記した紙基材と樹脂層を有する多層基材において、紙基材は、クラフト紙であることが好ましく、樹脂層はポリオレフィン樹脂層であることが好ましい。ポリオレフィン樹脂層に使用されるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂が好ましいが、ポリエチレン系樹脂がより好ましい。すなわち、樹脂層はポリエチレン系樹脂層であることが好ましい。ポリエチレン系樹脂を使用することで、耐熱性や、クラフト紙などの紙基材との接着性などが良好となりやすい。
基材の厚みは、特に限定されないが、例えば10μm以上1000μm以下である。また、基材が上記のように紙基材と樹脂層とを備える多層基材である場合には、紙基材は坪量で10g/m以上150g/m以下であることが好ましく、40g/m以上100g/m以下であることがより好ましい。また、多層基材において樹脂層の厚みは、例えば、5μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましい。
<離型剤層>
基材11は、図1、2に示すように基材11の粘着剤層20が設けられる面とは反対側の面に、離型剤層30が設けられることが好ましい。離型剤層30が設けられることで、粘着テープ10をロール状に巻回して巻回体とする際、粘着剤層20が離型剤層30に接触することになる。そのため、粘着テープ10を巻回体から容易に繰り出すことが可能になる。
離型剤層30は、シリコーン系離型剤、長鎖アルキル系離型剤などの公知の離型剤より形成すればよい。離型剤層30の厚みは、特に限定されないが、その付着量(すなわち、単位面積当たりの重量)が例えば0.1g/m以上10g/m以下、好ましくは0.3g/m以上5g/m以下程度となるように調製すればよい。
粘着テープは、ロール状に巻回して巻回体とするとよい。粘着テープは、例えば巻芯を中心にロール状に巻回するとよい。巻回体とする場合には、粘着剤層が内側、離型剤層が外側になるように巻回すればよく、それにより、巻回体の最外周面を離型剤層にできる。また、粘着テープは、巻回体とすることで梱包用の粘着テープなどとして好適である。
勿論、粘着テープは巻回体とする必要はなく、シート状のままとしてもよい。そのような場合、粘着剤層の表面には、粘着剤層を保護するための離型シートなどを貼付してもよく、また、離型剤層は適宜省略してもよい。
[粘着テープの製造方法]
次に、本発明の粘着テープの製造方法の一実施形態について説明する。本発明の粘着テープは、特に限定されないが、例えば、以下の工程1及び工程2を少なくとも有する製造方法により製造することができる。
工程1:不活性ガスを加圧下で粘着剤に含浸させる工程と
工程2:加圧された圧力を開放して、粘着剤中に気泡を形成する工程
以下、各工程について説明する。
(工程1)
工程1では、粘着剤を用意する。粘着剤は、主剤(樹脂成分)、必要に応じて配合される粘着性付与剤、軟化剤、その他の添加剤などの粘着剤を構成する成分を混合して得るとよく、例えば、粘着剤層を構成する成分を押出機に投入し、混練することで得るとよい。押出機は、単軸押出機、二軸押出機のいずれでもよい。
なお、粘着剤は、溶剤によって希釈されない非溶剤系であることが好ましく、また、上記の通り、ホットメルト樹脂を含有してホットメルト粘着剤とすることが好ましい。ホットメルト粘着剤であることで、工程2において、ダイから吐出された粘着剤は、容易に固化して生成した気泡を均一かつ微細な分散状態で保持できる。また、粘着剤は、ホットメルト粘着剤の場合には、押出機において、主剤である樹脂成分が溶融する温度以上に加熱して混練するとよい。
工程1において押出機では、ベンドなどから不活性ガスを注入し、押出機内部において混練される粘着剤に不活性ガスを含浸させ、粘着剤に不活性ガスを混合させるとよい。不活性ガスは、加圧されながら、加熱された粘着剤に含浸されるとよく、具体的には、液体状態、亜臨界状態、又は超臨界状態のいずれかで粘着剤に含浸されるとよい。中でも、亜臨界状態、又は超臨界状態のいずれかで粘着剤に含浸されることが好ましく、特に超臨界状態で粘着剤に含浸されることが好ましい。不活性性ガスは、亜臨界状態又は超臨界状態、特に超臨界状態で粘着剤に含浸させることで、均一かつ多数の微細な気泡を粘着剤に含有させることができる。
粘着剤に不活性ガスを含浸させる際のガス比率は、例えば2質量%以上25質量%以下である。また、上記ガス比率は、使用するガスの種類によって適宜調整され、例えば窒素の場合には、5質量%以上25質量%以下が好ましく、8質量%以上15質量%以下がより好ましい。また、例えば二酸化炭素の場合には、粘着剤に対する親和性が高く比較的少ない量でよく、具体的には2質量%以上15質量%以下が好ましく、4質量%以上10質量%以下がより好ましい。ガス比率は、上記下限値以上とすることで、一定量以上の不活性ガスが粘着剤に含浸され、発泡倍率及び気泡密度を一定以上にして、多数の気泡を均一に粘着剤に含有させやすくなる。また、上記上限値以下とすることで、気泡の平均気泡径を一定値以下としやすくなる。なお、ガス比率は、粘着剤100質量%に対する質量%である。
また、粘着剤に不活性ガスを含浸する際の温度及び圧力は、不活性ガスが液体状態、亜臨界状態、又は超臨界状態のいずれかになる条件であるとよく、好ましくは亜臨界状態、又は超臨界状態のいずれかになる条件であるとよく、特に好ましくは超臨界状態になる条件とすればよい。
粘着剤に不活性ガスを含浸する際の温度は、例えば40℃以上220℃以下、好ましくは50℃以上200℃以下、より好ましくは60℃以上180℃以下であり、また、圧力は、例えば6MPa以上100MPa以下、好ましくは8MPa以上50MPa以下、より好ましくは10MPa以上40MPa以下である。
(工程2)
不活性ガスが含浸された粘着剤は、圧力を開放して、気泡を形成するとよい。具体的には、押出機の先端に取り付けられたダイなどから、不活性ガスが含浸された粘着剤を吐出させるとよい。ダイとしては、スロットダイ、スリットダイ、Tダイなどが挙げられる。粘着剤は、ダイから吐出されることで、上記した加圧状態から大気圧まで脱圧され、その脱圧時に含浸された不活性ガスがガス化して、気泡が粘着剤の内部に形成される。
工程2では、加圧された圧力を開放する速度、すなわち、脱圧速度を調整することで、得られる気泡の気泡径を調整できる。具体的には、脱圧速度を速くすることで平均気泡径を小さくすることができ、また、脱圧速度を遅くすることで平均気泡径を大きくすることができる。
なお、脱圧速度は、例えばダイの形状及びサイズ、吐出量、不活性ガスを含浸させる際の押出機内の圧力値などにより調整できる。より具体的には、ダイの吐出口(例えば、ダイの幅や高さ)を大きくすると脱圧速度が遅くなり、ダイの吐出口を小さくすると脱圧速度が速くなる。また、粘着剤の吐出量を大きくすると脱圧速度も速くなる。また、不活性ガスを含浸させる際の押出機内の圧力値を大きくすると、脱圧速度も速くなる。
脱圧速度は、好ましくは50MPa/秒以上400MPa/秒以下、より好ましくは80MPa/秒以上300MPa/秒以下である。脱圧速度はこれら範囲内とすることで、粘着剤層に形成される気泡の平均気泡径を所望の範囲内に調整しやすくなる。
また、粘着剤は、ダイから基材に向けて吐出されるとよく、これにより基材上に粘着剤が塗工されて粘着剤層が形成され、粘着テープが得られるとよい。ここで、基材の詳細は、上記の通りであり、好ましくは離型剤層を有する基材が使用される。なお、離型剤層を有する基材においては離型剤層を有する側の面とは反対側の面に粘着剤が塗工されるとよい。
粘着剤の塗工量は、所望する粘着剤層の厚みに応じて適宜調整すればよいが、例えば、3g/m以上40g/m以下、好ましくは5g/m以上30g/m以下、より好ましくは10g/m以上25g/m以下である。
また、塗工時の粘着剤は、160℃における粘度が20000mPa・s以上150000mPa・s以下であることが好ましい。塗工時の粘着剤の160℃における粘度を上記範囲内とすることで、脱圧時などにおいて気泡が粘着剤から抜けることを防止しつつ、気泡を適度に成長させることができ、適切なサイズの気泡を粘着剤の内部に含有させやすくなる。塗工時の粘着剤の160℃における粘度は25000mPa・s以上100000mPa・s以下であることがより好ましく、30000mPa・s以上70000mPa・s以下であることがさらに好ましい。なお、ここでいう粘度は、B型粘度計により測定した粘度である。
基材は、例えばロールトゥロールなどにより搬送されながら粘着剤が塗工されるとよい。また、粘着剤層が形成された基材(すなわち、粘着テープ)は、ロール状に巻回されて巻回体としてもよいが、ロール状に巻回されなくてもよい。
なお、以上では押出機を使用した製造方法の例を説明したが、押出機以外の装置を使用して、粘着剤に気泡を形成させることで、粘着テープを製造してもよい。
以下に本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
<平均気泡径及び気泡密度>
各実施例及び比較例で製造した粘着テープについて、3mm×3mm×粘着剤層の厚みの領域を高分解能3DX線顕微鏡(リガク社製、「nano3DX」)にて3D化し、画像処理ソフトウェア(FEI社製、「Avizo2019.4」)にて上記領域内の全気泡の気泡径と個数を測定した。なお、3D化した各気泡の外接直方体の各辺を長い順に、長径、中径及び短径とし、中径を各気泡の気泡径とした。そして、測定された気泡径の平均値を平均気泡径とした。また、気泡の個数を測定領域の体積で除したものを気泡密度とした。
<発泡倍率>
20mm×50mmの基材単体の重量(Ma)と粘着テープの重量(Mc)をそれぞれ汎用の重量計で測定した。また、基材単体の比重(ρa)、粘着剤単体の比重(ρb)、及び粘着テープの比重(ρc)を比重計(アルファミラージュ製「SD-200L」)で測定した。なお、粘着剤単体の比重は、テープに塗工する前のバルク状の粘着剤を使用して測定できる。
以下の計算により粘着剤層の発泡倍率を算出した。
基材の体積(Va)=Ma/ρa
粘着テープの体積(Vc)=Mc/ρc
粘着テープの粘着剤層重量(Md)=Mc-Ma
粘着テープの粘着剤層体積(Vd)=Vc-Va
粘着テープの粘着剤層比重(ρd)=Md/Vd
発泡倍率=ρb/ρd
<粘着剤の粘度>
各粘着テープに使用した粘着剤について、B型粘度計(東機産業製「TV-20」)を使用して温度160℃における粘度を測定した。測定した粘度を、粘着剤層の粘度及び塗工時の粘着剤の粘度とした。なお、粘度は、ローターサイズφ10mm、回転数10rpmとして測定した。
<破泡の有無>
各実施例、比較例で製造した粘着テープについて、粘着剤層の外表面側から1mm×1mmの領域を光学顕微鏡(キーエンス社製「VHX-6000」)により倍率300倍で観察し、破泡の有無を確認した。なお、破泡は、外表面付近の気泡の膜が破れている状態か否かで確認した。
A:破泡が見られない、または少ない。
C:破泡が多く見られる。
<タック評価>
実施例、比較例で製造した粘着テープについて、JISZ 0237:2009に準拠して、傾斜角度30°で、粘着剤層表面のボールタック値を測定した。測定されたボールタック値より以下の評価基準でタック性能を評価した。なお、表2には、ボークタック値とともに、評価結果を示す。
A:ボールタック値が10以上となり、初期貼り付け性が優れていた。
B:ボールタック値が7以上、10未満で初期貼り付け性が良好であった。
C:ボールタック値が7未満で粘着力が不十分となり、初期貼り付け性が不十分であった。
<梱包性能>
400mm×320mm×300mmの寸法を有し、かつフラップ突き合わせ部分の長さが400mmである、市販のダンボール箱を用意した。そのダンボール箱に50mmの幅の粘着テープをフラップ突き合わせ部分に25℃でI貼りにて貼り合わせ、32g/50mmで圧着した。その後、雰囲気温度25℃、湿度50%RH下で24時間放置した後の剥離率(初期評価)を測定し、以下の評価基準で評価した。剥離率は、使用した粘着テープに対する、剥離した部分の面積割合である。なお、表2には、剥離率(%)の値とともに、評価結果を示す。
AA:剥離率が15%以下であり、貼り付け後においても長期間にわたって優れた粘着力を維持できた。
A:剥離率が15%より大きく40%以下であり、貼り付け後においても長期間にわたって一定の粘着力を維持できた。
B:剥離率が40%より大きく50%以下であり、貼り付け後においても実用的に使用できる粘着力を維持できた。
C:剥離率が50%より大きく、貼り付け後において良好な粘着力を長期間にわたって維持できなかった。
<残留溶剤>
粘着剤層中の残留溶剤の量は、ガスクロマトグラフィー(株式会社島津製作所社製GC-2014)により以下の条件で測定した。
バイアル保温温度:100℃
バイアル保温時間:8分
注入量:1.0mL
カラム:RTX-1(内径0.32mm×長さ30m 膜厚0.5μm)
カラム温度:50℃
注入口温度:150℃
カラム入り口圧力:100kPa
カラム流量:3.4mL/min
検出器:FID
試料量:10cm×10cm
<表面粗さ(Rz)>
JIS B 0601に準拠して測定した粗さ曲線において、その平均線から縦方向の最高の山頂から高さ順で5番目までの高さの山高さの平均と、最深の谷底から深さ順に5番目の深さまでの谷深さの平均との和より算出した。
[実施例1]
クルパック加工およびウェットストレングス加工が施された坪量73g/mの未晒クラフト紙からなる紙基材の片面に、20μmの厚みとなるようにポリエチレン(PE)を押出ラミネートし、紙基材の一方の面にポリエチレン系樹脂層を形成して、紙基材と樹脂層からなる基材を得た。得られた基材のポリエチレン系樹脂層の上に、シリコーン系離型剤を乾燥後の付着量が1g/mとなるように塗布し乾燥して、基材の裏面に離型剤層を形成した。
表1に示す配合割合で、二軸混練押出機のホッパーから各原料を投入し、押出機で150~170℃で混練することで得た粘着剤に対して、押出機に設けられたベントからガス比率13質量%で窒素ガスを圧力4~6MPaで注入した。また押出機内の圧力を10~20MPaに昇圧し、超臨界状態で押出機内部で窒素を粘着剤に含浸させた。窒素が含浸された粘着剤を、押出機のTダイから吐出させて、基材の表面側に表2の塗工量で塗工させて、粘着テープを得た。なお、ダイから吐出させる際に、加圧状態から大気圧まで脱圧されたが、その際の脱圧速度は、100MPa/秒であった。
[実施例2]
ベントから注入される窒素ガスの量を実施例1と同程度にしたうえで、超臨界状態で押出機内部で窒素を粘着剤に含浸させた。押出機出口のポンプの吐出量を下げて押出機内部の圧力を上昇させることで、脱圧速度が実施例1よりも速くなるようにし、窒素を含浸させた粘着剤を、基材の表面側に表2の塗工量で塗工させて、粘着テープを得た点を除いて実施例1と同様に実施した。
[実施例3]
ベントから注入される窒素ガスの量を実施例1と同程度にしたうえで、超臨界状態で押出機内部で窒素を粘着剤に含浸させた。押出機出口のポンプの吐出量を実施例2より下げて押出機内部の圧力をさらに上昇させることで、脱圧速度が実施例2よりもさらに速くなるようにし、窒素を含浸させた粘着剤を、基材の表面側に表2の塗工量で塗工させて、粘着テープを得た点を除いて実施例2と同様に実施した。
[実施例4]
ベントから注入されるガスを二酸化炭素に変更した。また、発泡倍率が2.1倍となるように、二酸化炭素のガス比率を実施例1よりも減らしたうえで、超臨界状態で押出機内部で二酸化炭素を粘着剤に含浸させた。脱圧速度が実施例1と同程度になるようにして、二酸化炭素を含浸させた粘着剤を、基材の表面側に表2の塗工量で塗工させて、粘着テープを得た点を除いて実施例1と同様に実施した。なお、押出機内部の温度は、150~170℃であり、二酸化炭素は圧力1~3MPaで注入した。
[比較例1]
発泡倍率が2.9倍となるように窒素ガスの量を実施例1よりも大きく増やしたうえで、超臨界状態で押出機内部で窒素を粘着剤に含浸させた。脱圧速度が実施例1と同程度になるようにして、窒素を含浸させた粘着剤を、基材の表面側に粘着剤を表2の塗工量で塗工させて、粘着テープを得た点を除いて実施例1と同様に実施した。
[比較例2]
発泡倍率が1.1倍となるように窒素ガスの量を実施例1よりも大きく減らしたうえで、超臨界状態で押出機内部で窒素を粘着剤に含浸させた。脱圧速度が実施例1と同程度になるようにして、窒素を含浸させた粘着剤を、基材の表面側に粘着剤を表2の塗工量で塗工させて、粘着テープを得た点を除いて実施例1と同様に実施した。
各実施例において、粘着剤層は、平均気泡径を小さくしつつ、気泡密度を一定値以上とすることで、微細な気泡を多数含有させることができたため、粘着剤層が薄くても、破泡が生じることなく、タック性能及び梱包性能の両方が優れたものとなった。それに対して、比較例1、2では、気泡密度及び平均気泡径の少なくともいずれかが規定値外となったため、タック性能及び梱包性能の一方又は両方を良好にすることができなかった。
10 粘着テープ
11 基材
12 紙基材
13 樹脂層
20 粘着剤層
21 気泡
30 離型剤層

Claims (13)

  1. 基材と、内部に気泡を含有する粘着剤層とを備え、
    前記粘着剤層の厚みが45μm以下であり、前記気泡の平均気泡径が45μm以下であり、かつ気泡密度が3000個/mm以上である、粘着テープ。
  2. 比重試験により測定した前記粘着剤層の発泡倍率が2.0倍以上である請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 前記基材が、紙基材と、前記紙基材の一方の面上に設けられる樹脂層とを備え、前記紙基材の他方の面上に前記粘着剤層が設けられる請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  4. 前記樹脂層がポリエチレン系樹脂層である請求項3に記載の粘着テープ。
  5. 前記基材が紙基材を備え、前記紙基材がクラフト紙である請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  6. 前記粘着剤層の160℃における粘度が20000mPa・s以上150000mPa・s以下である請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  7. 前記粘着剤層を構成する粘着剤がホットメルト樹脂を含む請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  8. 前記粘着剤層を構成する粘着剤がスチレン系熱可塑性エラストマーを含む請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  9. 前記気泡が不活性ガス由来である請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  10. 前記平均気泡径が、前記粘着剤層の厚み以下である請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  11. 前記粘着剤層の外表面の表面粗さ(Rz)が40μm以下である請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  12. 前記粘着剤層における残留溶剤の量が10ppm未満である、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  13. 請求項1又は2に記載の粘着テープの製造方法であって、
    不活性ガスを加圧下で粘着剤に含浸させる工程と、加圧された圧力を開放して、前記気泡を形成する工程とを含む、
    粘着テープの製造方法。
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