JP2023137435A - 2サイクルエンジン - Google Patents

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良多 松澤
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Abstract

【課題】少量の混合燃料で大端部における潤滑及び冷却を行うことができる2サイクルエンジンを提供する。【解決手段】エンジン1は、シリンダ2に連結されたクランクケース6と、クランク室6aに配置され、クランクシャフト7aを中心に回転するクランク機構7と、ピストン4に連結された小端部21と、クランク機構7に連結された大端部22とを有するコネクティングロッド10と、クランクケース6に取り付けられ、大端部22の円周状の軌道の接線方向に向けて混合燃料を噴射して大端部22に混合燃料を吹き付ける燃料噴射ノズル30と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ピストンバルブ方式の2サイクルエンジンに関する。
従来、特許文献1に記載されるように、シリンダブロックに主掃気通路と補助掃気通路とが形成された燃料噴射式2サイクルエンジンが知られている。この2サイクルエンジンでは、クランクケースに燃料噴射装置が取り付けられている。燃料噴射装置は、補助掃気通路の掃気入口に向けて燃料を噴射するように指向されている。燃料の噴射方式としては、この他に、クランク室へと至る吸気経路に燃料を噴射する方式や、燃焼室内に燃料を直接噴射する方式等が知られている。
特開平7-224741号公報
上記した特許文献1に記載の噴射方式によれば、始動性及び応答性に優れた2サイクルエンジンが提供される。しかしながら、クランクシャフトやベアリング部に対する潤滑油の供給については、特に検討がなされていない。従来は、クランクシャフトやベアリング部の潤滑を行うために、潤滑油のための別の通路を設けたり、オイルポンプ等を装備したりする必要があった。潤滑不足に至った場合には、焼き付きなどの問題が発生する虞もある。
本発明者らは、ピストンバルブ方式の2サイクルエンジンにおいて、クランクケース内に配置されるコネクティングロッドの大端部における潤滑及び冷却が重量であることを見出した。ガソリン等の燃料は、オイルと混合され、混合燃料として供給(噴射)される。低燃費化及び環境への配慮の観点から、少量の混合燃料で潤滑及び冷却を行うことのできる2サイクルエンジンが望まれている。
本発明は、少量の混合燃料で大端部における潤滑及び冷却を行うことができる2サイクルエンジンを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、シリンダ(2)のボア部(3)内を軸線方向に沿って往復動するピストン(4)により吸気口が開閉されるピストンバルブ方式の2サイクルエンジン(1)において、シリンダ(2)に連結され、クランク室(6a)を有するクランクケースと、クランク室(6a)に配置され、クランクシャフト(7a)を中心に回転するクランク機構(7)と、ピストン(4)に連結された小端部(21)と、クランク機構(7)に連結された大端部(22)とを有するコネクティングロッドと、クランクケースに取り付けられ、大端部(22)の円周状の軌道の接線方向に向けて混合燃料を噴射して大端部(22)に混合燃料を吹き付ける燃料噴射器(30)と、を備える。
この2サイクルエンジン(1)によれば、クランクケースに取り付けられた燃料噴射器(30)は、コネクティングロッドの大端部(22)に混合燃料を吹き付ける。燃料噴射器(30)は、この際、大端部(22)の円周状の軌道の接線方向に向けて混合燃料を噴射する。混合燃料に含まれるオイルにより、大端部(22)の潤滑及び冷却が行われる。混合燃料に含まれる燃料(ガソリン等)によっても、大端部(22)の冷却が行われる。これにより、少量の混合燃料で、大端部(22)における潤滑及び冷却を行うことができる。また燃焼室やボア部(3)内ではなくクランクケース内に混合燃料を噴射するので、燃料噴射器(30)の周辺構成に関して耐圧性及び耐熱性を考慮する必要がない。
燃料噴射器(30)の噴射口(31)はクランク室(6a)内に突出していてもよい。この構成によれば、大端部(22)により近い位置から混合燃料を噴射できるので、上記した所望の潤滑効果及び冷却効果を得やすくなる。
クランク機構(7)は、クランクシャフト(7a)に連結されてクランクシャフト(7a)の軸方向に離間する一対のクランクウェブ(7b)を有し、燃料噴射器(30)の噴射口(31)は、一対のクランクウェブ(7b)の間の隙間(G)を通る位置に配置されていてもよい。この構成によれば、噴射口(31)をより大端部(22)に近づけることができ、より確実かつ効果的に大端部(22)を冷却することができる。
燃料噴射器(30)は、少なくともピストン(4)が上死点に位置するときに大端部(22)に混合燃料を噴射するように構成されていてもよい。この構成によれば、燃料の噴射が掃気のタイミングと合わさるので、大端部(22)に吹き付けた燃料を掃気孔に導入させやすい。
シリンダ(2)には掃気孔(14)が形成されており、クランク室(6a)に向けて開口する掃気孔(14)の入口(14a)は、軸線方向において燃料噴射器(30)の噴射口(31)と同じ高さに位置していてもよい。この構成によれば、大端部(22)に吹き付けた燃料を掃気孔(14)に導入させやすい。混合燃料が掃気孔(14)の入口(14a)付近に滞留するため、燃料が掃気孔(14)に容易に導入される。これにより、掃気孔(14)に導入されない無駄な燃料を減らすことができ、燃費を低減させる効果も得られる。さらには過渡応答性、及び始動性が向上する。
本発明によれば、少量の混合燃料で、大端部における潤滑及び冷却を行うことができる。
本発明の実施形態に係る2サイクルエンジンの縦断面図である。 図1のII-II線に沿った断面図である。 ピストンが下死点に位置する状態を示す縦断面図である。 図1のIV-IV線に沿った断面図である。 図5(a)はクランク機構及びコネクティングロッドを示す分解斜視図、図5(b)はクランク機構及びコネクティングロッドを示す側面図である。 燃料噴射器における混合燃料の噴射制御に係る概略構成を示すブロック図である。 図7(a)は図1の2サイクルエンジンにおける混合燃料の噴射タイミングを示す図、図7(b)は変形例に係る2サイクルエンジンにおける混合燃料の噴射タイミングを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。以下の説明で「上下」を用いる場合、ピストン4が挿入される開口部を下側にしてシリンダ2のボア部3が鉛直方向に延びるようにシリンダ本体2aを立てた場合を基準とする。「上方」は、ボア部3の軸線L方向の一方に相当し、「下方」は軸線L方向の下方に相当する。
図1、図2及び図3に示されるように、エンジン(2サイクルエンジン)1は、掃気方法としてシニューレ方式を採用した2サイクルエンジンであり、例えば刈払機や背負動力散布機等に装備される。エンジン1は、シリンダ2と、シリンダ2内のボア部3内を往復動するピストン4と、シリンダ2の下方に連結され、クランク室6aを有するクランクケース6と、クランクケース6のクランク室6aに配置されたクランク機構7とを備える。ピストン4内に設けられたピストンピン8と、クランクケース6内に設けられたクランク機構7のクランクピン9とは、コネクティングロッド10によって連結されている。ピストン4は、ボア部3内に配置されて、燃焼室11とクランク室6aとの間で、軸線L方向に沿って往復動可能とされている。以下の説明において、コネクティングロッド10はコンロッド10と称される。
シリンダ2には、燃焼室11と、燃焼室11に連接してピストン4が挿入される円筒形状のボア部3と、ボア部3に連通する吸気口12及び排気口13と、一対の吸気側掃気孔14及び一対の排気側掃気孔16とが形成されている。シリンダ2は、シリンダ本体2aと、シリンダ本体2aの下部に嵌め込まれた一対の掃気カセット2bとを有している。一対の掃気カセット2bは、ボア部3の径方向において互いに対向するように形成された2つの開口内に嵌入され、固定されている。一対の吸気側掃気孔14及び一対の排気側掃気孔16は、例えば、シリンダ本体2aと一対の掃気カセット2bとによって形成されている(図2参照)。
ボア部3は、円柱形状のボア面3aを有しており、シリンダ2内を軸線L方向に沿って延在している。ボア部3は、その下死点側(図示下側)が開放されており、クランク室6aと連通されている。ボア部3の上死点側の端部には窪んだ形状の燃焼室11が形成されており、燃焼室11の内部には点火プラグ18等の放電電極が配置される。シリンダ本体2aの燃焼室11近傍には、点火プラグ18が取り付けられる点火プラグ取付孔19が設けられている。
吸気口12及び排気口13は、それぞれボア部3と連通されており、軸線L方向において、排気口13が吸気口12よりもやや上死点側に配置されている。吸気口12及び排気口13は、ボア部3の径方向において互いに対向するように、ボア部3の周方向に互いに略180°ずらされて配置されている。
吸気側掃気孔14は、掃気工程において、燃料を含有する新気ガスをボア部3及び燃焼室11に導入するためのものであり、シリンダ2の側壁内部を軸線L方向に沿って延在している。新気ガスとは、ガソリン及びオイルからなる混合燃料と、空気とが混ざったエンジン作動のための燃料混合気である。吸気側掃気孔14の上死点側の端部は、軸線L方向において、排気口13と略同様な位置でボア部3にそれぞれ連通している。吸気側掃気孔14は、ボア部3の周方向に互いに離間して配置されている。より詳しくは、吸気側掃気孔14は、径方向において吸気口12と排気口13とを結ぶ仮想線に対して略線対称に配置されている。吸気側掃気孔14は、ボア部3に導入される新気ガスが吸気口12寄りに向かうように設けられている。
吸気側掃気孔14の下死点側の端部(後述する入口14a)は、クランク室6aと連通されている。排気側掃気孔16の下死点側の端部(図示せず)は、上述のクランク室6aと連通されている。
排気側掃気孔16は、掃気工程において、作動ガスよりも燃料の含有率が低い燃焼後の排気ガスであるEGR(Exhaust Gas Recirculation)ガスをボア部3及び燃焼室11に導入するためのものであり、シリンダ2の側壁内部を軸線L方向に沿って延在している。排気側掃気孔16の上死点側の端部は、軸線L方向において、排気口13と略同様な位置でボア部3にそれぞれ連通している。排気側掃気孔16は、ボア部3の周方向に互いに離間して配置されている。より詳しくは、排気側掃気孔16は、径方向において吸気口12と排気口13とを結ぶ仮想線に対して略線対称に配置されている。排気側掃気孔16は、ボア部3に導入されるEGRガスが吸気口12寄りに向かうように設けられている。ピストン4には、例えば、ピストン4が上死点近傍となったときに排気口13と排気側掃気孔16とを連通し、燃焼後の排気ガスがEGRガスとして排気口13から排気側掃気孔16に取り入れられる連通路が設けられてもよい。
上記したとおり、エンジン1は、ボア部3内を往復動するピストン4により吸気口12が開閉されるピストンバルブ方式の2サイクルエンジンである。エンジン1では、新気ガスを構成する成分のうち、空気は吸気口12から導入される一方、ガソリン及びオイルを含んだ混合燃料は、コンロッド10の大端部22の冷却のため、クランク室6a内に噴射される。これにより、クランクケース6のクランク室6a内において、空気と混合燃料とが混合され、上記燃料混合気が生成される。
図5(a)及び図5(b)を参照して、クランク機構7及びコンロッド10の構成について説明する。図5(a)に示されるように、クランク機構7は、クランクシャフト7aと、クランクシャフト7aに連結された一対のクランクウェブ7bと、径方向においてクランクウェブ7bの反対側に設けられた一対の連結部7cとを有する。コネクティングロッド10は、ピン挿通孔21aにピストンピン8が挿通されることでピストンピン8を介してピストン4に回動可能に連結された小端部21と、ピン挿通孔22aにクランクピン9が挿通されることでクランクピン9を介してクランク機構7の連結部7cに回動可能に連結された大端部22と、小端部21及び大端部22を接続するロッド本体23とを有する。
クランクウェブ7b、連結部7c及びクランクシャフト7aは一体に成形されている。一対の連結部7cに挿通されたクランクピン9は、これら連結部7cに接合・固定されており、クランク機構7全体が剛体を形成している。一対のクランクウェブ7bは、クランクシャフト7aを中心とする扇形状をなしており、クランク室6aの円筒状の壁面に案内されてクランクシャフト7aを中心に回転する。ピストン4の往復動に伴ってコンロッド10が上下動するとき、コンロッド10の大端部22はクランクピン9及び連結部7cと共に円周状の軌道を移動し(回転し)、ピストン4の往復運動がクランクシャフト7aの回転運動に変換される。
図5(b)に示されるように、一対のクランクウェブ7bは、互いに平行に延在しており、クランクシャフト7aの軸方向に離間している。一対のクランクウェブ7bの間には隙間Gが形成されている。クランク機構7の回転中、コンロッド10の大端部22と、クランクウェブ7b間の隙間Gとは、径方向において常に反対側に位置する。大端部22の円周状の軌跡と、隙間Gの円周状の軌跡とは重なっている。
図1に示されるように、エンジン1は、コンロッド10の大端部22に向けて混合燃料を吹き付ける燃料噴射ノズル(燃料噴射器)30を備えている。燃料噴射ノズル30は、クランクケース6の上部であってシリンダ本体2aとの連結位置の近傍に取り付けられている。混合燃料が噴射される噴射口31を含む燃料噴射ノズル30の先端部分が、クランクケース6の外側から内側へ向けて嵌め込まれている。燃料噴射ノズル30の噴射口31は、例えば、ボア部3の軸線L方向とクランクシャフト7aの軸方向の両方に交わる方向に向けられている。より詳細には、燃料噴射ノズル30の噴射口31は、ボア部3の軸線L方向とクランクシャフト7aの軸方向の両方に直交する方向に向けられている。
図4は、図1のIV-IV線に沿った断面図である。図4に示されるように、燃料噴射ノズル30は、平面視においてボア部3(ボア面3a)の直径方向に向けて配置されている。燃料噴射ノズル30の噴射口31は、僅かにクランク室6a内に突出している。噴射口31は、クランク機構7の回転中、一対のクランクウェブ7bの間の隙間G(図5(b)参照)を通る位置に配置されている。このように噴射口31が隙間Gを臨む(面する)構造により、噴射口31とピン挿通孔22aの間には他の部材が存在しない位置関係となっている。
さらに図1及び図4に示されるように、噴射口31の側方近傍には、一対の吸気側掃気孔14の入口14aが位置している。一対の入口14aは、クランク室6aに向けて開口している。また一対の入口14aは、一対の排気側掃気孔16にも連通している。噴射口31と入口14aとの周方向に沿った距離は、ボア面3aの周面(ボア部3の内周面)の長さの4分の1よりも短い。すなわち、ボア部3の軸線Lを基準として中心角で90°の範囲内に、噴射口31と一方の吸気側掃気孔14とが配置されている。ボア部3の軸線Lを基準として中心角で90°の範囲内に、噴射口31と他方の吸気側掃気孔14とが配置されている。吸気側掃気孔14の入口14aは、軸線Lの方向において燃料噴射ノズル30の噴射口31と同じ高さに位置する。言い換えれば、燃料噴射ノズル30の噴射口31は、クランクケース6の上端の高さ位置に位置する。
図1及び図7(a)に示されるように、燃料噴射ノズル30は、大端部22の円周状の軌道の接線方向に向けて混合燃料を噴射する。燃料噴射ノズル30から混合燃料が噴射される期間は、少なくとも、ピストン4が上死点に位置するときを含んでおり(そのときピン大端部22も最も上に位置する)、例えば、上死点後30°の時点まで継続されてもよい。言い換えれば、燃料噴射ノズル30から混合燃料が噴射される期間は、ピストン4が上死点に位置するとき(0°のとき)又はそれより僅かに手前(数°~15°程度手前)において開始され、上死点後30°の時点で終了してもよい。燃料噴射ノズル30は、コンロッド10の大端部22に混合燃料を吹き付けるように構成されている。燃料噴射ノズル30は、大端部22が噴射口31の前を通過する間に混合燃料を噴射する。
燃料噴射ノズル30における混合燃料の噴射タイミングは、図6に示されるように、エンジン1を制御するECU40によって制御される。ECU40は、スロットルセンサS1から入力するスロットルの開度情報、及び、角度センサS2から入力するクランク機構7の回転角度情報に基づき、吸気口12への吸気経路を開閉するバルブ50及び燃料噴射ノズル30を制御する。上記した噴射タイミング(噴射期間)は、ECU40によって、エンジン1の状態に基づいて適宜に調整され得る。燃料噴射ノズル30は、電子制御用のインジェクタであり、混合燃料の噴射量を高精度に調整可能である。ECU40は、例えば、必要とされる混合燃料(ガソリン量)が最小である場合も、制御上可能な限界値(最小の量)に相当する混合燃料を燃料噴射ノズル30から噴射させる。本実施形態では、燃料噴射ノズル30は、少なくともピストン4が上死点に位置するときに大端部22に混合燃料を吹き付けるように構成されている。なお、図6では、燃料噴射ノズル30に接続された混合燃料のライン(経路)は省略されている。
噴射口31から噴射される混合燃料は、放射状であってもよく、直線状であってもよい。ノズルの形式は、適宜に選定されてよい。燃料噴射ノズル30の噴射方向(噴射の中心軸線方向)は、軸線Lに交差しており、平面視においてボア部3を横切る。燃料噴射ノズル30の噴射の中心軸線方向は、例えば、軸線Lに直交する。燃料噴射ノズル30の噴射の中心軸線方向は、例えば、クランクシャフト7aの軸方向にも直交する。
続いて、エンジン1における動作について説明する。まず、ピストン4の下死点から上死点へ向けての上昇に伴い、吸気側掃気孔14、排気側掃気孔16及び排気口13はピストン4により閉じられ、燃焼室11内の新気ガスは圧縮される。ピストン4の更なる上昇によって、吸気口12がボア部3を介してクランク室6aと連通し、空気がクランク室6a内に導入される(図1及び図2参照)。
ピストン4が上死点近傍に達すると燃焼室11において混合気が爆発し、ピストン4は下死点側に下降する。一方、クランク室6a内では、ピストン4が上死点近傍に位置するとき、ECU40の制御によって燃料噴射ノズル30から混合燃料が噴射される。混合燃料は、コンロッド10の大端部22に吹き付けられ、これによって大端部22の潤滑及び冷却が行われる。混合燃料の噴射は、ピストン4の下降開始直後に(遅くとも上記の上死点後30°の時点までに)停止される。空気と混合燃料とが、クランク室6a内で混合され、新気ガスが生成される。
ピストン4の下降が更に進むと、排気口13が開口され、燃焼ガスが排気される(図3参照)。そして、排気口13の開口からやや遅れて、吸気側掃気孔14および排気側掃気孔16がボア部3内に露出し、掃気行程が開始される。混合燃料の噴射は、掃気工程開始のタイミングに近い。また噴射口31から吸気側掃気孔14の入口14aまでの距離も短い。混合燃料(新気ガス)は確実かつ容易に吸気側掃気孔14内に導入される。掃気工程の前半において、排気側掃気孔16の中にはEGRガスが充填されており、吸気側掃気孔14の中には新気ガスが充填されている。
吸気側掃気孔14がボア部3に開口すると、吸気側掃気孔14からボア部3へ新気ガスの導入が開始される。ピストン4の下降に伴って、新気ガスが吸気側掃気孔14からボア部3内に流入する。これと同時に、排気側掃気孔16が開口されることで、EGRガスと新気ガスとがこの順番で排気側掃気孔16から流入する。これにより、層状掃気が行われる。
ピストン4が下死点に達する過程においてクランク機構7の一対のクランクウェブ7bが燃料噴射ノズル30の近傍を通過するが、噴射口31は、一対のクランクウェブ7bの間の隙間Gを通るので、これらは干渉しない。
本実施形態のエンジン1によれば、クランクケース6に取り付けられた燃料噴射ノズル30は、コンロッド10の大端部22に混合燃料を吹き付ける。燃料噴射ノズル30は、この際、大端部22の円周状の軌道の接線方向に向けて混合燃料を噴射する。混合燃料に含まれるオイルにより、大端部22の潤滑及び冷却が行われる。また混合燃料に含まれるガソリンによっても、大端部22の冷却が行われる。これにより、少量の混合燃料で、大端部22における潤滑及び冷却を行うことができる。また燃焼室11やボア部3内ではなくクランクケース6内に混合燃料を噴射するので、燃料噴射ノズル30の周辺構成に関して耐圧性及び耐熱性を考慮する必要がない。
燃料噴射ノズル30の噴射口31はクランク室6a内に突出している。これにより、大端部22により近い位置から混合燃料を噴射できるので、上記した所望の潤滑効果及び冷却効果を得やすくなる。
燃料噴射ノズル30の噴射口31は、一対のクランクウェブ7bの間の隙間Gを通る位置に配置されている。これにより、噴射口31をより大端部22に近づけることができ、より確実かつ効果的に大端部を冷却することができる。
燃料噴射ノズル30は、少なくともピストン4が上死点に位置するときに大端部22に混合燃料を噴射するように構成される。これにより、燃料の噴射が掃気のタイミングと合わさるので、大端部22に吹き付けた燃料を吸気側掃気孔14に導入させやすい。
吸気側掃気孔14の入口14aは、軸線Lの方向において燃料噴射ノズル30の噴射口31と同じ高さに位置する。これにより、大端部22に吹き付けた燃料を吸気側掃気孔14に導入させやすい。混合燃料が吸気側掃気孔14の入口14a付近に滞留するため、燃料が吸気側掃気孔14に容易に導入される。これにより、吸気側掃気孔14に導入されない無駄な燃料を減らすことができ、燃費を低減させる効果も得られる。さらには過渡応答性、及び始動性が向上する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、燃料噴射ノズル30が、少なくともピストン4が上死点に位置するときに大端部22に混合燃料を噴射する構成に限られない。例えば、図7(b)に示されるように、ピストン4が上死点に向かう途中において、燃料噴射ノズル30がコンロッド10の大端部22に混合燃料を吹き付けてもよい。燃料噴射ノズル30は、大端部22の円周状の軌道の接線方向に向けて混合燃料を噴射するため、例えばクランクケース6の下部に取り付けられてもよい。噴射口31は、上方に向けられてもよい。
シリンダ2に、一対の吸気側掃気孔14と一対の排気側掃気孔16との4本の掃気孔が設けられる場合に限られず、1本の吸気側掃気孔14と1本の排気側掃気孔16とが設けられた構成でもよい。吸気側掃気孔14が新気ガスを導入し、排気側掃気孔16がEGRガスを導入する構成に限られない。本発明は、空気を使用するタイプの層状掃気エンジンにも適用できる。また、吸気口12と排気口13との間に、径方向で対向する一対の掃気孔のみが設けられてもよい。シリンダ2に対して掃気孔が1本のみ設けられてもよい。
1…エンジン(2サイクルエンジン)、2…シリンダ、3…ボア部、4…ピストン、6…クランクケース、6a…クランク室、7…クランク機構、7a…クランクシャフト、7b…クランクウェブ、9…クランクピン、11…燃焼室、12…吸気口、13…排気口、14…吸気側掃気孔(掃気孔)、16…排気側掃気孔(掃気孔)、21…小端部、22…大端部、30…燃料噴射ノズル(燃料噴射器)、31…噴射口、G…隙間、L…(ボア部の)軸線。

Claims (5)

  1. シリンダ(2)のボア部(3)内を軸線方向に沿って往復動するピストン(4)により吸気口が開閉されるピストンバルブ方式の2サイクルエンジン(1)において、
    前記シリンダ(2)に連結され、クランク室(6a)を有するクランクケースと、
    前記クランク室(6a)に配置され、クランクシャフト(7a)を中心に回転するクランク機構(7)と、
    前記ピストン(4)に連結された小端部(21)と、前記クランク機構(7)に連結された大端部(22)とを有するコネクティングロッドと、
    前記クランクケースに取り付けられ、前記大端部(22)の円周状の軌道の接線方向に向けて混合燃料を噴射して前記大端部(22)に前記混合燃料を吹き付ける燃料噴射器(30)と、を備える2サイクルエンジン。
  2. 前記燃料噴射器(30)の噴射口(31)は前記クランク室(6a)内に突出している、請求項1に記載の2サイクルエンジン。
  3. 前記クランク機構(7)は、前記クランクシャフト(7a)に連結されて前記クランクシャフト(7a)の軸方向に離間する一対のクランクウェブ(7b)を有し、
    前記燃料噴射器(30)の噴射口(31)は、前記一対のクランクウェブ(7b)の間の隙間(G)を通る位置に配置されている、請求項2に記載の2サイクルエンジン。
  4. 前記燃料噴射器(30)は、少なくとも前記ピストン(4)が上死点に位置するときに前記大端部(22)に前記混合燃料を吹き付けるように構成されている、請求項1~3の何れか一項に記載の2サイクルエンジン。
  5. 前記シリンダ(2)には掃気孔(14)が形成されており、
    前記クランク室(6a)に向けて開口する前記掃気孔(14)の入口(14a)は、前記軸線方向において前記燃料噴射器(30)の噴射口(31)と同じ高さに位置している、請求項1~4の何れか一項に記載の2サイクルエンジン。
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