JP2023136664A - 混合ガスの製造方法、ドライリフォーミング反応用触媒およびその製造方法 - Google Patents

混合ガスの製造方法、ドライリフォーミング反応用触媒およびその製造方法 Download PDF

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Aoi Tomei
敏夫 今井
Toshio Imai
啓一 三浦
Keiichi Miura
博 中西
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Abstract

【課題】ドライリフォーミング反応において原料ガスが水蒸気を含んでいても触媒の強度や活性度を維持でき、長時間にわたって混合ガスの製造が可能となる混合ガスの製造方法、混合ガス製造用触媒および混合ガス製造用触媒の製造方法を提供する。【解決手段】触媒層を700℃以上800℃以下に加熱する工程と、二酸化炭素およびメタンを含む原料ガスを加熱された触媒層に通し、ドライリフォーミング反応により原料ガスから一酸化炭素および水を含む混合ガスを生成する工程と、を含み、触媒層には、γ-アルミナおよびθ-アルミナのうち少なくとも1種以上を与える化合物および粘土化合物の焼結物を混錬、焼成して得られた複合体と、複合体により担持される金属と、を備えるドライリフォーミング反応用触媒25を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、混合ガスの製造方法、ドライリフォーミング反応用触媒およびその製造方法に関する。
現在、地球温暖化ガスとして環境に悪影響を及ぼす二酸化炭素の削減・固定化は、世界的な急務である。それを受けて、各所において、CO排出削減技術、CO分離・回収技術、CO有用資源化技術、CO固定化技術など、多様な技術が実用化に向けて研究開発なされている。
二酸化炭素を有効利用する方法として、例えば、二酸化炭素および水素からメタネーション反応によりメタンを生成し、ドライリフォーミング反応によってメタンおよび二酸化炭素から一酸化炭素を生成し、ブドワール反応により一酸化炭素から固体炭素を析出する方法が知られており、それぞれの反応に適した触媒を用いることで効率的に反応を生じさせている。
特開2014-200705号公報 特開2019-037905号公報
ドライリフォーミング反応では、固体炭素の析出による触媒劣化が問題となっており、様々な策が講じられてきた(特許文献1、2を参照)。しかしながら、メタネーション反応においてメタンだけでなく、水蒸気も生成されてしまうことから、水蒸気による触媒の劣化も問題として挙げられる。特にγ-アルミナを担体とする触媒は、耐アルカリ性が低く、水蒸気を含むアルカリ性ガスに長時間暴露されると、水和反応が進行して比表面積の小さいベーマイトへ変質してしまう。これにより、触媒強度が低下し、触媒本体の劣化や活性度低下を引き起こすおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ドライリフォーミング反応において原料ガスが水蒸気を含んでいても触媒の強度や活性度を維持でき、長時間にわたって混合ガスの製造が可能となる混合ガスの製造方法、ドライリフォーミング反応用触媒およびその製造方法を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明の混合ガスの製造方法は、触媒層を700℃以上800℃以下に加熱する工程と、二酸化炭素およびメタンを含む原料ガスを加熱された前記触媒層に通し、ドライリフォーミング反応により前記原料ガスから一酸化炭素および水を含む混合ガスを生成する工程と、を含み、前記触媒層には、γ-アルミナおよびθ-アルミナのうち少なくとも1種以上を与える化合物および粘土化合物の焼結物を混錬、焼成して得られた複合体と、前記複合体により担持される金属と、を備えるドライリフォーミング反応用触媒を用いることを特徴とする。
このように、γ-アルミナまたはθ-アルミナに粘土化合物の焼結物を混錬、焼成して得られた複合体と複合体により担持される金属とで形成される触媒を用いているため、原料ガスが水蒸気を含んでいても触媒の強度や活性度を維持できる。その結果、長時間にわたって混合ガスの製造が可能となる。
(2)また、本発明の混合ガスの製造方法において、前記複合体には、前記γ-アルミナおよびθ-アルミナの合計量が40質量%以上60質量%以下含まれていることを特徴とする。これにより、複合体の比表面積を大きくして触媒の活性度を高めつつ、耐アルカリ性を高く維持することができる。
(3)また、本発明の混合ガスの製造方法において、前記金属は、ニッケル、ロジウム、イリジウムおよび白金からなる群より選ばれる1または複数の組み合わせであることを特徴とする。これにより、ドライリフォーミング反応を促進できる。
(4)また、本発明の混合ガスの製造方法において、前記ドライリフォーミング反応用触媒は、90質量%以上の粒度範囲が0.5mm以上5mm以下の粒子で構成されることを特徴とする。これにより、複合体の比表面積を大きくして触媒の活性度を高めることができる。
(5)また、本発明の混合ガスの製造方法において、前記触媒層として、前記ドライリフォーミング反応用触媒をガス流路に0.5g/cm以上1.0g/cm以下充填させることを特徴とする。これにより、触媒を十分に機能させることができる。
(6)また、本発明のドライリフォーミング反応用触媒の製造方法は、γ-アルミナおよびθ-アルミナのうち少なくとも1種以上と粘土化合物とを前記γ-アルミナおよびθ-アルミナの合計の含有量が40質量%以上60質量%以下となるように混錬して混錬物を得る工程と、前記混錬物を成形する工程と、前記成形で得られた成形体を900℃以上1200℃以下で焼成する工程と、前記焼成により得られた焼成体を、粉砕し、90質量%以上の粒度範囲が0.5mm以上5mm以下となるように分級する工程と、を含むことを特徴とする。これにより、原料ガスが水蒸気を含んでいても強度や活性度を維持できるドライリフォーミング反応用触媒を製造できる。
(7)また、本発明のドライリフォーミング反応用触媒は、γ-アルミナおよびθ-アルミナのうち少なくとも1種以上、および、粘土化合物を含む成型体の焼結物である複合体と、前記複合体により担持される金属と、を備え、90質量%以上の粒度範囲が0.5mm以上5mm以下であることを特徴とする。これにより、原料ガスが水蒸気を含んでいても強度や活性度を維持できるドライリフォーミング反応用触媒として利用できる。
本発明によれば、ドライリフォーミング反応において原料ガスが水蒸気を含んでいても触媒の強度や活性度を維持でき、長時間にわたって混合ガスの製造が可能となる。
混合ガスの製造に用いられる固体炭素析出装置の概略図である。 ガス流路の一例を示す概略図である。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
[混合ガスの製造方法]
(原理)
本発明の混合ガスの製造方法は、以下の二酸化炭素および水素を含む原料ガスから固体炭素を析出させる一連の反応のうちの第二反応(ドライリフォーミング反応)に適用される。
第一反応:CO+4H→CH+2HO ΔH=-165kJ/mol…(式1)
第二反応:CO+CH→2CO+2H ΔH=248kJ/mol…(式2)
第三反応:2CO→C+CO ΔH=-172kJ/mol…(式3)。
上記の反応では、式1に示されるように、第一反応として、二酸化炭素および水素からメタンに変換するメタネーション反応を生じさせる。第一反応では、通常、1molの二酸化炭素および4molの水素から、触媒を介してメタンおよび水蒸気が生成される。二酸化炭素と水素を含む原料ガスは、第一反応で合成されたメタンと水蒸気と、未反応の二酸化炭素と、水素とからなる混合ガスとなる。
次に、式2の通り、第二反応として、二酸化炭素およびメタンから一酸化炭素に変換するドライリフォーミング反応を生じさせる。第二反応では、第一反応で合成された1molのメタンおよび1molの二酸化炭素から、触媒を介して2molの一酸化炭素および2molの水素が生成される。第二反応を終えた原料ガスは、水素、メタン、二酸化炭素、一酸化炭素および水蒸気を含む混合ガスとなる。
そして、式3の通り、第三反応として、ブドワール反応によって一酸化炭素から固体炭素を析出させる。第三反応では、2molの一酸化炭素から、触媒を介して1molの固体炭素および1molの二酸化炭素に生成される。固体炭素は触媒の表面に析出するため、析出した固体炭素を回収するために触媒ごと回収する。なお、第三反応では様々な反応系が競合している。そのため、第三反応を終えた原料ガスは、水素、メタン、二酸化炭素、一酸化炭素および水蒸気を含む混合ガスとなる。
(装置構成)
図1は混合ガスの製造に用いられる固体炭素析出装置1の概略図である。上記のような一連の反応は、二酸化炭素を含むプロセス排ガスから固体炭素を析出させる固体炭素析出装置1で行うことが可能である。特に、本発明の混合ガスの製造方法に関連する部分を破線で囲む領域A1で示している。
なお、プロセス排ガスとは、例えばセメントクリンカ焼成過程、生石灰製造過程、火力発電所、廃棄物焼却処理施設、陶磁器などの焼成設備や製鉄所、化学プラントから排出される二酸化炭素を含む排ガスを指す。
固体炭素析出装置1は直列に連結された第一反応器10、第二反応器20、第三反応器30を有している。固体炭素析出装置1は、水素供給設備、水素流量計、ガス混合器、ガス分離器および水蒸気除去設備を備えていてもよい。
第一反応器10は、供給される原料ガスと、メタネーション反応を活性化させる触媒とを接触させ、式1の通り、原料ガスからメタンおよび水を生成する。第一反応器10は、ガス流通反応管13およびメタネーション反応用触媒15を備えている。ガス流通反応管13には、メタネーション反応用触媒15が充填されている。ガス流通反応管13は、加熱炉により300~550℃に加熱できる。第一反応器10は、例えば、固定式のガス流通管である常圧流通式反応器が用いられる。
メタネーション反応を活性化させる触媒は、二酸化炭素および水素からメタンを生成可能なものでよく、例えば、Ni、Ru、Pt、Rhである。また、担体としては、CeO、ZrO、YおよびAlなどの各種酸化物やアルミノシリケートを用いることができる。触媒の容積が少なくて済むことから螺旋状が好ましい。メタネーション反応用触媒を螺旋状にする場合、アルミニウムなどの金属製の板部材を螺旋状に成形し、ペースト状の触媒を塗布することで作製される。
第二反応器20は、第一反応器10から供給されるメタンを含む混合ガスと、ドライリフォーミング反応を促進させる触媒とを接触させた状態で加熱することにより、式2の通り、メタンを一酸化炭素に変換する。第二反応器20に供給される混合ガスは、空間速度が1300~5400/hとなるように供給されることが好ましい。第二反応器20は、ガス流通反応管23およびドライリフォーミング反応用触媒25を備えている。ガス流通反応管23には、ドライリフォーミング反応用触媒25が充填されている。ガス流通反応管23は、加熱炉により700~900℃に加熱できる。第二反応器20は、固体生成物により反応器内のガス流路が閉塞される懸念が少ないため、例えば、固定式のガス流側管である常圧流通式反応器が用いられる。
ドライリフォーミング反応を活性化させる触媒は、二酸化炭素とメタンから一酸化炭素および水素を生成可能なものとして、ニッケル、ロジウム、イリジウムおよび白金からなる群より選ばれる1または複数の組み合わせが挙げられる。例えば、ニッケル、ロジウムが好ましい。また、担体としては、γ-アルミナおよびθ-アルミナのうち少なくとも1種以上を与える化合物および粘土化合物の焼結物を混錬、焼成して得られた複合体を用いることができる。これらにより形成されるドライリフォーミング反応用触媒25の詳細は後述する。
第三反応器30は、第二反応器20から供給される一酸化炭素を含む混合ガスと、ブドワール反応を活性化させる触媒とを接触させ、式3の通り、一酸化炭素から固体炭素を析出させる。第三反応器30は、ガス流通反応管33およびブドワール反応用触媒35を備えている。ガス流通反応管33には、ブドワール反応用触媒35が充填されている。ガス流通反応管33は、加熱炉により400~500℃に加熱できる。
ブドワール反応を活性化させる触媒は、一酸化炭素から固体炭素を析出可能なものでよく、Ni、Feが挙げられる。担体としては、CeO、ZrO、YおよびAlなどの各種酸化物やアルミノシリケートを用いることができる。触媒を螺旋状にすることが好ましい。
ガス混合器M1は第二反応器20に供給する混合ガスを調整し、ガス混合器M2は第三反応器30に供給する混合ガスを調整する。ガス混合器M1およびガス混合器M2は、各反応器から排出される混合ガスの一部除去や他のガスを追加し、ガスを次の反応に適した組成比にする。
(ドライリフォーミング反応用触媒の充填)
ドライリフォーミング反応用触媒25の充填について説明する。図2は、混合ガスの製造に用いられるガス流路の一例を示す概略図である。ガス流通反応管の内壁面23aで形成される流路にドライリフォーミング反応用触媒25および石英ウール27が充填されている。石英ウール27を流路の前後に充填することで、ドライリフォーミング反応用触媒25を固定することが好ましい。
(処理の流れ)
次に、一連の反応によりなされる固体炭素の析出方法について説明する。まず、原料ガスを第一反応器10に供給し、第一反応器10のガス流通反応管に原料ガスを流通させる。このとき原料ガス比はH/CO=4以下となるよう調整する。ガス流通反応管のなかには加熱炉によって300~550℃に加熱された触媒が充填されており、メタネーション反応を活性化させる触媒と原料ガスが接触し、原料ガスからメタンが生成される。
次に、第一反応器10から排出された混合ガスを第二反応器20に供給し、第二反応器20のガス流通反応管に混合ガスを流通させる。ガス流通反応管内のドライリフォーミング反応用触媒は、加熱炉によって700℃以上900℃以下に加熱され、触媒と混合ガスが接触し、メタンが一酸化炭素に変換される。
次に、第二反応器20から排出された混合ガスを第三反応器30に供給し、第三反応器30のガス流通反応管に混合ガスを流通させる。ガス流通反応管のなかには加熱炉によって約450℃に加熱された触媒が充填されている。ブドワール反応を活性化させる触媒と混合ガスが接触し、一酸化炭素が固体炭素となり、触媒の表面に固体炭素が析出する。固体炭素が析出した触媒を回収することによって、固体炭素を回収できる。
[ドライリフォーミング反応用触媒の構成]
ドライリフォーミング反応用触媒25は、複合体と、複合体により担持される金属とを備えている。複合体は、γ-アルミナおよびθ-アルミナのうち少なくとも一種以上と粘土化合物との混錬物を焼成して得られた焼結物を含む。
複合体のアルミナの含有量が少なすぎると、その比表面積を十分に高めることができない。一方、アルミナの含有量が多すぎると、耐アルカリ性が低下する。これらの理由から、複合体におけるアルミナの含有量は、40質量%~60質量%であることが好ましい。
粘土化合物の焼結物は、粘土化合物を焼結させることで得られる。粘土化合物としては、カオリナイト、ムライト、イライト等のアルミノケイ酸塩や、アルミノケイ酸塩を多く含有する蛙目粘土、笠岡粘土、木節粘土、信楽士等の陶土等が挙げられる。これらは、単一または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、高い処理能力が得られることから、蛙目粘土を用いることが好ましい。これらの粘土化合物を900℃から1200℃の温度で焼成することで、粘土化合物の焼結物が得られる。粘土化合物の焼結物は、γ-アルミナおよびθ-アルミナの焼結促進に効果がある。
複合体における粘土化合物の焼結物の含有量は、アルミナの量に応じて適宜調整できる。例えば、複合体中のアルミナの含有量を40質量%~60質量%にする場合、粘土化合物の焼結物の含有量(シリカを含む場合はシリカとの合計量)を60質量%~40質量%に調整できる。なお、ここでの粘土化合物の焼結物の含有量とは、製造時における粘土化合物を105℃で乾燥した後の質量のことを指す。
複合体は、活性成分として金属を担持している。担持される金属としては、ニッケル、ロジウム、イリジウムおよび白金からなる群より選ばれる1または複数の組み合わせが挙げられる。金属の担持量は、ドライリフォーミング反応の処理性能とコストのバランスから、担体の重量の0.01質量%~25質量%、好ましくは1質量%~15質量%、さらに好ましくは5質量%~15質量%である。
[ドライリフォーミング反応用触媒の製造方法]
ドライリフォーミング反応用触媒25は、γ-アルミナおよびθ-アルミナのうち少なくとも1種以上を与える化合物と、粘土化合物を混練して混練物を得る工程と、混練物を成形した後、成形体を900℃~1200℃の温度で焼成する工程を含む製造方法により製造される。
「γ-アルミナを与える化合物」とは、γ-アルミナ、または焼成によってγ-アルミナを生成する化合物のことを意味する。焼成によってγ-アルミナを生成する化合物としては、特に限定されないが、ギブサイト、ダイアスポア、ベーマイト等の水酸化物、硝酸アルミニウム等の硝酸塩、塩化アルミニウム等の塩化物等が挙げられる。γ-アルミナを与える化合物は、単一または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、「θ-アルミナを与える化合物」とは、θ-アルミナ、又は焼成によってθ-アルミナを生成する化合物のことを意味する。焼成によってθ-アルミナを生成する化合物としては、特に限定されないが、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
上記の原料を混練して混練物を得る場合、混練性およびその後の成形性を確保する観点から、水、1,3-ブタンジオール等の溶剤を混練物に配合してもよい。混練方法としては、通常用いられる混練機等を用いて行なうことができる。
原料の配合割合としては、複合体中のγ-アルミナおよびθ-アルミナの合計の含有量を40質量%~60質量%とするために、混練物の固形分中のγ-アルミナおよびθ-アルミナを与える化合物の合計の含有量を40質量%~60質量%に設定することが好ましい。
γ-アルミナおよびθ-アルミナの粒度は、比表面積を維持しつつ、アルミナの焼結による消失を低減するために、平均粒径(D50)が50μm以下であることが好ましく、10~30μmがより好ましい。
一方、混練物の固形分中の粘土化合物の含有量は、105℃で乾燥した後において、γ-アルミナの含有量に応じて40質量%~60質量%とすることができる。また、粘土化合物は、性能を維持しつつ、耐アルカリ性を保持するために、平均粒径(D50)が100μm以下であることが好ましく、10~50μmがより好ましい。
混練物の成形方法としては、作製する処理材の形状に応じて適切な方法を選択できる。例えば、混練物を球状の成形体に成形する場合、造粒機等を用いて成形すればよい。また、混練物を円柱状、直方体状、筒状、ハニカム状等の成形体に成形する場合、押出成形機等を用いて成形すればよい。混練物を成形した後、成形体を直ぐに焼成してもよいが、クラック等の発生を防止する観点から、必要に応じて焼成前に乾燥を行ってもよい。なお、原料に粘土化合物が含有されているから、成形性に優れている。そのため、バインダーを添加しなくても、容易に成形が可能である。
成形体の焼成は、900℃から1200℃の温度で行う。このような温度範囲で焼成を行うことにより、強度を高めつつ、γ-アルミナおよびθ-アルミナの比表面積を維持したドライリフォーミング反応用触媒を得ることが可能になる。
焼成温度が900℃未満であると、ドライリフォーミング反応用触媒の強度が低下し、形状が崩れ易い。一方、焼成温度が1200℃を超えると、γ-アルミナおよびθ-アルミナが相転移してコランダム構造のα-アルミナとなり、アルミナの焼結が進行するため、ドライリフォーミング反応用触媒の比表面積が低下してしまう。焼成方法としては、特に限定されず、公知の焼成装置を用いて行うことができる。焼成装置としては、バッチ炉、トンネル窯、ロータリーキルン等を用いることができる。
このようにして得られた複合体は、粉砕し、分級する。粉砕方法は、ジョークラッシャー、ボールミル等が挙げられる。また、粉砕物は、90質量%以上の粒度範囲が0.5mm以上5mm以下となるように分級する。
次に、このようにして得られた複合体に金属を担持させる。金属の担持方法は問わないが、例えば金属水溶液に含侵する方法が挙げられる。金属水溶液に含侵する方法は、まず、金属イオン含有水溶液に複合体を含浸させる。含浸後に、エバポレータ、遠心分離装置(低速回転)等を用いて複合体に付着した水分を飛ばし、焼成することで複合体に金属を担持させることができる。例えば、ルテニウムを担持させる場合には、塩化ヘキサアンミンルテニウム溶液に複合体を含浸させ、水分を除去し、300~500℃程度で2時間焼成する。
なお、水分除去は、焼成前に、温風を当てたり、乾燥機に入れたりする方法で、風乾により資材表面の過剰な水分を除去することも有効である。特に、焼成温度を段階的に上げずに複合体を焼成する場合、事前に風乾を行うことで高い熱効率で焼成できる。
また、除去した金属イオン含有水溶液は回収し、繰り返し使用できる。焼成後に焼成体を水素還元してもよい。水素還元は、例えば、焼成体に対し500℃の10%水素含有ガスを流通させることで可能である。水素還元は、特に触媒活性が低下した触媒に実施することで、活性が向上する。
[実施例]
(1.担体試料の作製)
γアルミナ40~60質量%それぞれに対して粘土鉱物60~40質量%を添加後(表1参照)、粉砕混合し、加水して円筒型に成形した。成形後、150℃で12時間乾燥し、1000℃で10時間焼成を行い、複合体担体を得た。一方、γアルミナ担体としては、γアルミナの原料をそのまま用いた。
(2.担体試料の性能評価)
性能評価として各担体試料の比表面積を測定した。各担体試料2gを28%アンモニア水20gに浸漬し、100mlオートクレーブ中で150~230℃の温度を12時間保持した。加熱後の比表面積は、γアルミナ担体触媒の場合には大幅に減少したが、複合体担体の場合は、変動が少なく性能を保持していた。表1は、γアルミナ担体および複合体担体のそれぞれの構成と比表面積を示している。
(3.触媒試料の作製および準備)
触媒試料の調製は以下の手順により実施した。まず、各担体試料を粉砕して粒子サイズが5mm~0.5mmの範囲に整粒した。整粒された担体試料60g、水40g、硝酸ニッケル六水和物30g(うちNiは6g)を混合し、毛細管現象により担体試料に含浸させた。含浸後、105℃で12時間水を蒸発させ、試料を乾固させた。大気雰囲気下において、試料を500℃で2時間焼成し、硝酸分を除去した。水素雰囲気(200ml/min)において700℃で1時間、還元処理を行うことで、触媒試料を準備した。
各触媒試料を直径φ8mmの石英管に3.027g充填した。流路内の触媒試料の前後に石英ウールを7.7cmの間隔で充填した。いずれの触媒試料も充填度が0.782g/cmとなるように充填した。
(4.ドライリフォーミング反応用触媒の性能評価)
同じ条件でメタネーション反応処理を行った後に、上記で得られた各触媒試料を用いてドライリフォーミング反応処理を実施し、反応性能を評価した。メタネーション反応処理には、CeO担体にNiを担持させて、ガス流通反応管を450℃に加熱した。ドライリフォーミング反応処理は、触媒担体としてアルミナ担体または複合体を用い、ガス流通反応管を800℃に加熱した。
表2は、メタネーションおよびドライリフォーミング触媒反応条件を示している。表3は、第二反応器の出口ガスの組成を示している。表3に示すように、ドライリフォーミング反応用触媒の性能は従来のγアルミナ担体触媒と同等であった。
1 固体炭素析出装置
10 第一反応器
13 ガス流通反応管
15 メタネーション反応用触媒
20 第二反応器
23 ガス流通反応管
23a 内壁面
25 ドライリフォーミング反応用触媒
27 石英ウール
30 第三反応器
33 ガス流通反応管
35 ブドワール反応用触媒
A1 領域
M1、M2 ガス混合器

Claims (7)

  1. 触媒層を700℃以上800℃以下に加熱する工程と、
    二酸化炭素およびメタンを含む原料ガスを加熱された前記触媒層に通し、ドライリフォーミング反応により前記原料ガスから一酸化炭素および水を含む混合ガスを生成する工程と、を含み、
    前記触媒層には、γ-アルミナおよびθ-アルミナのうち少なくとも1種以上を与える化合物および粘土化合物の焼結物を混錬、焼成して得られた複合体と、前記複合体により担持される金属と、を備えるドライリフォーミング反応用触媒を用いることを特徴とする混合ガスの製造方法。
  2. 前記複合体には、前記γ-アルミナおよびθ-アルミナの合計量が40質量%以上60質量%以下含まれていることを特徴とする請求項1記載の混合ガスの製造方法。
  3. 前記金属は、ニッケル、ロジウム、イリジウムおよび白金からなる群より選ばれる1または複数の組み合わせであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の混合ガスの製造方法。
  4. 前記ドライリフォーミング反応用触媒は、90質量%以上の粒度範囲が0.5mm以上5mm以下の粒子で構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の混合ガスの製造方法。
  5. 前記触媒層として、前記ドライリフォーミング反応用触媒をガス流路に0.5g/cm以上1.0g/cm以下充填させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の混合ガスの製造方法。
  6. γ-アルミナおよびθ-アルミナのうち少なくとも1種以上と粘土化合物とを前記γ-アルミナおよびθ-アルミナの合計の含有量が40質量%以上60質量%以下となるように混錬して混錬物を得る工程と、
    前記混錬物を成形する工程と、
    前記成形で得られた成形体を900℃以上1200℃以下で焼成する工程と、
    前記焼成により得られた焼成体を、粉砕し、90質量%以上の粒度範囲が0.5mm以上5mm以下となるように分級する工程と、を含むことを特徴とするドライリフォーミング反応用触媒の製造方法。
  7. γ-アルミナおよびθ-アルミナのうち少なくとも1種以上、および、粘土化合物を含む成型体の焼結物である複合体と、
    前記複合体により担持される金属と、を備え、
    90質量%以上の粒度範囲が0.5mm以上5mm以下であることを特徴とするドライリフォーミング反応用触媒。
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