JP2023136621A - 液体組成物、収容容器、並びに固体電解質層又は電極合材層の製造装置及び製造方法 - Google Patents

液体組成物、収容容器、並びに固体電解質層又は電極合材層の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Yoshio Ito
博道 栗山
Hiromichi Kuriyama
倫正 梶田
Tomomasa Kajita
聡 中島
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雄司 曽根
Yuji Sone
綾 宇津木
Aya Utsugi
彼野人 大屋
Kanoto Oya
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Abstract

【課題】無機固体電解質を高濃度で含有しつつも、硫化水素の発生の抑制と、前記無機固体電解質の高い分散性とを両立することができ、インクジェット方式で吐出可能な液体組成物を提供する。【解決手段】溶媒と、無機固体電解質と、分散剤と、を含む液体組成物であって、前記溶媒は、25℃における蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下である、(I)脂肪族炭化水素、(II)モノエーテル、及び(III)枝分かれ構造を有するエステルからなる群から選択される少なくとも1種である液体組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、液体組成物、収容容器、並びに固体電解質層又は電極合材層の製造装置及び製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、レドックスキャパシタ等の電気化学素子は、電子機器、電気自動車等に搭載され、幅広く利用されている。とりわけ、車載向けのリチウムイオン二次電池の需要は、近年の低環境負荷のニーズを背景に、拡大していくことが予想されている。その様な背景の中で、リチウムイオン二次電池の安全性やエネルギー密度のさらなる向上が求められており、既存の電解液から固体電解質に代えた全固体電池の実用化の取組が盛んである。
全固体電池中の固体電解質層の製造プロセスは、乾式プロセスと、湿式プロセスに大別される。前記乾式プロセスは、乾燥した固体電解質粉末粒子をシート状に配置し、プレス及び焼結により、シート状の固体電解質層を得るプロセスである。前記湿式プロセスは、溶媒中に固体電解質を混合した液体組成物を塗工するプロセスである。生産性の観点からは、湿式プロセスが好ましい。
さらに、湿式プロセスの中でも、精密な塗工制御が可能であり、固体電池形状の自由度向上や効率化に寄与するインクジェット印刷による塗工プロセスは、将来的な電池形状の自由度や高効率生産の観点から非常に有効である。
また、生産効率を上げる観点からは、固体電解質層を形成する際に、固体電解質を含有したスラリーの固形分濃度を上げることが考えられる。
例えば、固体電解質のイオン電導度の低下を抑制することを目的とする技術として、特定の溶媒を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。前記提案の技術によれば、前記溶媒を用いることにより、スラリー保持性及びスラリー塗布性に優れる組成物とすることができることも記載されている。
また、分散性に優れることにより、全固体二次電池の生産効率を向上させること等を目的とする技術として、所定の条件を満たすマクロモノマー由来の構成成分を含むポリマーと、分散媒とを含む固体電解質組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、液体に混合したときにスラリー状態を一定時間維持できる固体電解質等を提供することを目的とする技術として、所定の粒径の固体電解質粒子を用いる技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、極性の低い炭化水素系溶媒などを用いることで、製造工程で硫化水素の発生や、硫黄酸化物等の生成を抑制する取り組みもなされている(例えば、特許文献4参照)。
本発明は、無機固体電解質を高濃度で含有しつつも、硫化水素の発生の抑制と、前記無機固体電解質の高い分散性とを両立することができ、インクジェット方式で吐出可能な液体組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の液体組成物は、溶媒と、無機固体電解質と、分散剤と、を含む液体組成物であって、前記溶媒は、25℃における蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下である、(I)脂肪族炭化水素、(II)モノエーテル、及び(III)枝分かれ構造を有するエステルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明によると、無機固体電解質を高濃度で含有しつつも、硫化水素の発生の抑制と、前記無機固体電解質の高い分散性とを両立することができ、インクジェット方式で吐出可能な液体組成物を提供することができる。
図1は、本実施形態の固体電解質層又は電極合材層の製造方法を実現するための固体電解質層又は電極合材層の製造装置の一例を示す模式図である。 図2は、本実施形態の固体電解質層又は電極合材層の製造方法を実現するための固体電解質層又は電極合材層の製造装置(液体吐出装置)の他の一例を示す模式図である。 図3は、本実施形態の固体電解質層を設けた蓄電素子の一例を示す模式図である。
(液体組成物)
本発明の液体組成物の1つの態様は、溶媒と、無機固体電解質と、分散剤と、を含み、必要に応じて更にその他の成分を含む(以下、「第1の態様」と称することがある。)。また、本発明の液体組成物の他の態様は、インクジェットヘッドを用いて吐出される液体組成物であって、溶媒と、無機固体電解質と、分散剤と、を含み、必要に応じて更にその他の成分を含む(以下、「第2の態様」と称することがある。)。
上記したように、全固体電池中の固体電解質層の製造プロセスは、生産性の観点で、湿式プロセスが好ましい。しかしながら、無機固体電解質、特に硫黄元素を含む硫化物固体電解質は水分だけでなく有機溶媒とも反応し有害な硫化水素が発生するため、湿式塗工プロセスで用いることができる溶媒が限られていた。
また、生産効率を上げる観点からは、固体電解質層を形成する際に、無機固体電解質を含有したスラリーの固形分濃度を上げることが考えられるが、液体組成物中の無機固体電解質の固形分濃度を高めると、無機固体電解質の凝集が生じる、または、粘度の上昇が生じる。
従来技術において、上記したような様々な検討がなされているが、無機固体電解質(以下、「イオン伝導性材料」と称することがある。)を高濃度に含有した場合でも、凝集を抑制し、分散性を維持し、インクジェット吐出性能を発現させることは困難であった。
また、一部の溶媒では、インクジェット吐出自体は可能であるものの、一度吐出を停止し再度吐出する際に、吐出部のインクが乾燥し詰まりが発生するという問題があった。
本発明者らは、溶媒と、無機固体電解質と、分散剤と、を含む液体組成物であって、前記溶媒として、25℃における蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下である、(I)脂肪族炭化水素、(II)モノエーテル、及び(III)枝分かれ構造を有するエステルからなる群から選択される少なくとも1種である溶媒を用いることで、高濃度の無機固体電解質を含有した液体組成物においても硫化水素の発生及び無機固体電解質の凝集を抑制し、液体組成物の分散性を向上させることで、インクジェット吐出可能な液体組成物を得ることができることを見出した。
本明細書において、インクジェット方式で吐出可能とは、液滴観察装置EV1000(株式会社リコー製)にてインクジェットヘッドの1ノズル(ノズル径:40μm)から吐出を行い、60秒間以上吐出状態を維持できている場合のことをいう。なお、60秒間以上吐出状態を維持できている場合とは、吐出開始から少なくとも60秒間の時点において、液体組成物が吐出されていることをいい、その吐出量は問わない。即ち、吐出開始から少なくとも60秒間の時点において、液体組成物が吐出されている限り、吐出開始時と、吐出開始から60秒間後の時点とにおいて、吐出量は変化していなくてもよいし、変化していてもよい。
また、本明細書において、インクジェット方式で再吐出可能とは、液滴観察装置EV1000(株式会社リコー製)にてインクジェットヘッドの1ノズル(ノズル径:40μm)から吐出を行い、60秒間吐出状態を維持した後、5分間静置し、その後、再度吐出した際に、再吐出できている場合のことをいう。
<溶媒>
-第1の態様-
前記第1の態様における溶媒は、25℃における蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下である、(I)脂肪族炭化水素、(II)モノエーテル、及び(III)枝分かれ構造を有するエステルからなる群から選択される少なくとも1種を含む。25℃における蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下である前記溶媒を用いた液体組成物は、蒸散性が十分低いため、インクジェット吐出時に乾燥による吐出口の詰まりの発生を抑制することができる。また、(I)脂肪族炭化水素、(II)モノエーテル、及び(III)枝分かれ構造を有するエステルからなる群から選択される少なくとも1種を用いるため、液体組成物を作製した際に、無機固体電解質の劣化の発生を抑制することができ、且つ、高い分散性を有するため、粒子の凝集が起こることを抑制することができる。
前記溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、2種以上の溶媒を組み合わせた混合溶媒を用いる場合には、各溶媒のそれぞれについて、25℃における蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下であるか否かを判断する。
前記溶媒の25℃における蒸気圧は、溶媒の安全データシート(SDS)に記載のあるものについてはその値を参照することができる。また、SDSに記載がないものについては、化学物質の物理化学的性状把握に関する研究(1986年/日本環境協会 出版/環境庁環境保健部保険調査室 著)に記載のアイソテニスコープ法に従い測定することができる。
前記溶媒の25℃における蒸気圧としては、0.1hPa以上1.0hPa以下であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、乾燥防止の点から0.1hPa以上0.5hPa以下であることが好ましい。
[(I)脂肪族炭化水素]
前記(I)は、脂肪族炭化水素構造を有する溶媒である。脂肪族炭化水素は、その構造上、硫化物固体電解質との反応性が十分低いため、塗工後のイオン伝導性への影響が少ない。
前記脂肪族炭化水素は、分岐鎖を有するものであってもよいし、分岐鎖を有さないものであってもよい。
前記(I)脂肪族炭化水素の炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、11~14の範囲内であることが好ましい。前記好ましい範囲内であると、インクジェット塗工の際のヘッドの渇きによる詰まりの発生を抑制することができ、また、溶媒の粘度が高くならないため、インクジェット工程にて詰まりが発生することも抑制することができる。
前記(I)脂肪族炭化水素の例としては、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリデカン、シクロテトラデカン、2-ブチルオクタンが好ましく、ウンデカン、トリデカン、テトラデカン、2-ブチルオクタンがより好ましい。
[(II)モノエーテル]
前記(II)は、モノエーテル構造を有する溶媒である。ジエーテル以上の多エーテル構造では、硫化物固体電解質との反応性が高く、安定したインクが得られないためである。
前記(II)モノエーテルの基本骨格を構成する分子数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、11~13の範囲内であることが好ましい。前記好ましい範囲内であると、インクジェット塗工の際のヘッドの渇きによる詰まりの発生を抑制することができ、また、溶媒の沸点が250℃を超えないため、インクジェット後の乾燥工程にかかるエネルギーが過剰となることを防ぐこともできる。
前記(II)モノエーテルの例としては、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、ヘキシルフェニルエーテル、ジペンチルエーテル、ジヘキシルエーテルが好ましく、ブチルフェニルエーテル、ジヘキシルエーテルがより好ましい。
[(III)枝分かれ構造を有するエステル]
前記(III)は、枝分かれ構造を有するエステル構造を有する溶媒である。
前記(III)枝分かれ構造を有するエステルは、(i)エステル基の炭素側に炭素数2以下の炭化水素基が結合しており、且つエステル基の酸素側に枝分かれ構造を有する炭化水素基が結合しているエステル、及び(ii)エステル基の酸素側に炭素数3以下の炭化水素基が結合しており、且つエステル基の炭素側に枝分かれ構造を有する炭化水素基が結合しているエステルのいずれかのエステルが好ましい。
前記(i)のエステルの場合、エステル基の炭素と結合する基が炭素数2以下の炭化水素基(メチル基又はエチル基)であるため、化合物サイズを抑えられ、粘度を十分低くすることができ、インクジェット吐出が良好となる。また、エステル基の酸素と結合する基が枝分かれ構造を有するため、立体障害によりエステル基の反応性が抑制され、無機固体電解質と反応せず安定した固体電解質膜を提供することができる。
前記(i)のエステルにおけるエステル基の酸素と結合する基としては、炭素数が3以上であり且つ枝分かれ構造を有する炭化水素基が好ましい。
前記(ii)のエステルの場合、エステル基の酸素と結合する基が炭素数3以下の炭化水素基であるため、化合物サイズを抑えられ、粘度を十分低くすることができ、インクジェット吐出が良好となる。また、エステル基の炭素と結合する基が枝分かれ構造を有するため、立体障害によりエステル基の反応性が抑制され、無機固体電解質と反応せず安定した固体電解質膜を提供することができる。
なお、エステル基の炭素側(エステル基の炭素と結合する基)とは下記式(A)における「R」のことをいい、エステル基の酸素側(エステル基の酸素と結合する基)とは下記式(A)における「R’」のことをいう。
前記(III)枝分かれ構造を有するエステルの例としては、酢酸イソオクチル、酢酸2-エチルヘキシル、酢酸2-ノニル、プロピオン酸2-エチルヘキシルが好ましく、酢酸2-ノニル、酢酸2-エチルヘキシル、プロピオン酸2-エチルヘキシルがより好ましい。
前記溶媒は、前記(I)、(II)、及び(III)からなる群から選択される構造の溶媒を、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
前記溶媒を2種以上併用する場合の質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記溶媒は、脱水したものを用いることが好ましい。前記脱水の程度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カールフィッシャー水分濃度計により測定した水分含有量が、1,000ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることがさらに好ましい。
-第2の態様-
前記第2の態様における溶媒は、上記した第1の態様における溶媒と同様である。
<無機固体電解質>
-第1の態様-
前記第1の態様における無機固体電解質としては、電子伝導性を有さず、イオン伝導性を有する限り、特に制限はない。前記無機固体電解質の中でも、イオン伝導率の観点で、組成式に硫黄元素を含む硫化物固体電解質、またはアニオンとして酸素元素を含む酸化物固体電解質が好ましく、高い可塑性を有することで、固体電解質粒子間同士、あるいは固体電解質および活物質間の間で、良好な界面を形成することができる点で、硫化物固体電解質がより好ましい。前記無機固体電解質は、1種類でも、2種類以上でもよく、適宜使用することができる。
--硫化物固体電解質--
硫化物系無機固体電解質は、硫黄原子(S)を含有し、かつ、周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有する化合物が好ましい。
前記硫化物固体電解質は、結晶系硫化物固体電解質とガラス系固体電解質に大別できる。
前記結晶系硫化物固体電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Li9.54Si1.741.4411.7Cl0.3、Li9.612、Li、Li9.81Sn0.812.1912、Li9.42Si1.022.19.962.04、Li10Ge(P1-xSb12(0≦x≦0.15)、Li10SnP12、Li10.35[M11-xM21.351.6512(M1及びM2は、Si、Ge、Sn、As、及びSbのいずれかである、0≦x≦0.15)、Li11SiPS12、Li11AlP12、Li3.45Si0.450.55、LiPSX(Xは、Cl、Br、及びIのいずれかである)、LiPS(Xは、Cl、Br、及びIのいずれかである)、Li5.5PS4.5Cl1.5、Li5.35Ca0.1PS4.5Cl1.55、Li6+xSb1-xI(Mは、Si、Ge、及びSnのいずれかである、0≦x≦1)、LiI、γ-LiPS、LiMS(Mは、Ge、Sn、及びAsのいずれかである)、Li4-xSn1-xSb(0≦x≦0.15)、Li4-xGe1-x(0≦x≦0.15)、Li3+5x1-x(0≦x≦0.3)などが挙げられる。
前記ガラス系硫化物固体電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、LiS-P、LiS-P-LiI、LiS-P-P、LiS-P-LiCl、LiS-SiS、LiS-SiS-P、LiS-SiS-Al、LiS-SiS-LiMO(Mは、Si、P、及びGeのいずれかである)などが挙げられる。またガラス系硫化物固体電解質の一部が結晶化した、Li11ガラスセラミクスなども用いることができる。ここで、ガラス系硫化物固体電解質の各原料の混合比は問わない。
--酸化物固体電解質--
酸化物系無機固体電解質は、酸素元素(O)を含有し、かつ、周期律表第1族又は第2族に属する金属のイオン伝導性を有し、かつ、電子絶縁性を有する化合物が好ましい。
前記酸化物固体電解質は、結晶系酸化物固体電解質とガラス系酸化物固体電解質に大別できる。
前記結晶系酸化物固体電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Li1+xTi2-x(PO(Mは、Al、Cr、Ga、Fe、Sc、In、Lu、Y、及びLaのいずれかである、0≦x≦0.5)、LaLiTiO(0.3≦x≦0.7、0.3≦y≦0.7)、Li7-xLaZr2-x12(Mは、Nb、及びTaのいずれかである、0≦x≦1)などが挙げられる。
前記ガラス系酸化物固体電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、LiSiO-LiBO、LiBO-LiSO、LiO-B-P、LiO-SiOなどが挙げられる。
前記無機固体電解質は、公知の方法により調製したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。
前記無機固体電解質の前記液体組成物中における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記無機固体電解質の固形分濃度として、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、30質量%以上がさらに好ましい。また、上限としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60質量%以下が好ましい。前記好ましい範囲内であると、生産性がより優れる点で、有利である。
-第2の態様-
前記第2の態様における無機固体電解質は、上記した第1の態様における無機固体電解質と同様である。
<分散剤>
-第1の態様-
前記第1の態様における分散剤としては、前記無機固体電解質と反応しづらく、かつ前記無機固体電解質を分散できる限り、特に制限はなく、従来公知のもの又は市販されているものを目的に応じて適宜選択することができる。前記分散剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記分散剤は、前記溶媒に溶解するものであることが好ましい。
本明細書において、前記分散剤が前記溶媒に溶解するとは、前記溶媒に相溶性があることをいう。より具体的には、前記溶媒に、前記分散剤を3質量%投入し、溶解させた後、10分間静置させた後に、沈降物又は上澄みが確認されていない場合に、溶解したと判断することができる。
前記分散剤の具体例としては、例えば、ポリエチレン系、ポリエチレンオキシド系、ポリプロピレンオキシド系、ポリカルボン酸系、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合系、ポリエチレングリコール系、ポリカルボン酸部分アルキルエステル系、ポリエーテル系、ポリエチレンイミン系、ポリアルキレンポリアミン系等の高分子分散剤;アルキルスルホン酸系、四級アンモニウム系高級アルコールアルキレンオキサイド系、多価アルコールエステル系、アルキルポリアミン系等の低分子分散剤;ポリリン酸塩分散剤等の無機分散剤等が挙げられる。
前記分散剤の前記液体組成物中における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記分散剤の固形分濃度としては、分散させる固体電解質に対して10質量%以下であることが好ましい。前記好ましい範囲外であると、分散剤濃度が高すぎることによる凝集を生じる懸念がある。
-第2の態様-
前記第2の態様における分散剤は、上記した第1の態様における分散剤と同様である。
<その他の成分>
前記第1の態様及び第2の態様における液体組成物中のその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体電解質層又は電極合材層に用いられる公知の成分などが挙げられる。具体的には、バインダー、活物質、導電助剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の液体組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-バインダー-
前記バインダーとしては前記無機固体電解質同士、又は前記無機固体電解質と基体若しくは電極活物質とを結着させることが可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高分子化合物、高分子粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド化合物、ポリイミド化合物、ポリアミドイミド、エチレン-プロピレン-ブタジエンゴム(EPBR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、イソプレンゴム、ポリイソブテン、ポリエチレングリコール(PEO)、ポリメチルメタクリル酸(PMMA)、ポリエチレンビニルアセテート(PEVA)等が挙げられる。
液体に分散することが可能な高分子化合物として、高分子粒子を用いてもよい。高分子粒子の最大粒子径としては、液体吐出ヘッドのノズル径よりも小さければよい。高分子粒子のモード径としては、0.01~1μmであることが好ましい。前記高分子粒子を構成する材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、アクリル樹脂、スチレン-ブタジエンゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテフタレート、ポリブチレンテフタレート等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
-活物質-
前記活物質としては、電気化学素子に適用することが可能な正極活物質、又は負極活物質を用いることができる。
前記正極活物質としては、アルカリ金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出することが可能であれば、特に制限はないが、アルカリ金属含有遷移金属化合物を用いることができる。
前記アルカリ金属含有遷移金属化合物としては、例えば、コバルト、マンガン、ニッケル、クロム、鉄及びバナジウムからなる群より選択される1種以上の元素とリチウムとを含む複合酸化物等のリチウム含有遷移金属化合物が挙げられる。
前記リチウム含有遷移金属化合物としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムなどが挙げられる。
前記アルカリ金属含有遷移金属化合物としては、結晶構造中にXO四面体(X=P,S,As,Mo,W,Si等)を有するポリアニオン系化合物も用いることができる。これらの中でも、サイクル特性の点で、リン酸鉄リチウム、リン酸バナジウムリチウム等のリチウム含有遷移金属リン酸化合物が好ましく、リチウム拡散係数、電気化学素子の入出力特性の点で、リン酸バナジウムリチウムが特に好ましい。
なお、ポリアニオン系化合物は、電子伝導性の点で、炭素材料等の導電助剤により表面が被覆されて複合化されていることが好ましい。
前記負極活物質としては、アルカリ金属イオンを可逆的に吸蔵及び放出することが可能であれば、特に制限はないが、黒鉛型結晶構造を有するグラファイトを含む炭素材料を用いることができる。
前記炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)などが挙げられる。
前記炭素材料以外の前記負極活物質としては、例えば、チタン酸リチウム、酸化チタンなどが挙げられる。
また、電気化学素子のエネルギー密度の点から、前記負極活物質として、例えば、金属リチウム、シリコン、スズ、シリコン合金、スズ合金、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化スズ等の高容量材料を用いることが好ましい。
前記活物質の前記液体組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。液体組成物中の活物質の含有量が10質量%以上であると、所定の目付量の電極合材層を形成するために必要な印刷回数が少なくなる。
-導電助剤-
前記導電助剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性カーボンブラック、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、グラフェン、黒鉛粒子等の炭素材料を用いることができる。
ここで、導電助剤は、前記活物質と複合化されていてもよい。
導電性カーボンブラックは、例えば、ファーネス法、アセチレン法、ガス化法などにより製造することができる。
炭素材料以外の導電助剤としては、例えば、アルミニウム等の金属粒子、金属繊維を用いることができる。
活物質に対する導電助剤の量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい。
[粘度]
前記第1の態様及び第2の態様の液体組成物の粘度としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェットヘッドのノズルから吐出可能な粘度であることが好ましい。より具体的には、25℃における粘度が、200mPa・s以下であることが好ましく、100mPa・s以下であることがより好ましく、50mPa・s以下がさらに好ましく、25mPa・s以下が特に好ましい。下限値は特に限定されないがインクジェット方式で吐出できる粘度で適宜設定すればよい。
前記液体組成物の粘度の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、B型粘度計(コーンプレート型粘度計)にNo.CPA-40Zのロータを装着して、測定することができる。本明細書において、前記液体組成物の粘度は、25℃における粘度のことをいう。
[最大粒子径]
前記第1の態様及び第2の態様の液体組成物に含まれる固形分の最大粒子径としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクジェットヘッドのノズル径よりも小さいことが好ましく、インクジェット吐出性をより高めることができる点で、インクジェットヘッドのノズル径よりも十分小さいことが好ましい。具体的には、前記液体組成物に含まれる固形分の最大粒子径と、インクジェットヘッドのノズル径との比(液体組成物に含まれる固形分の最大粒子径/インクジェットヘッドのノズル径)が、0.8以下であることが好ましく、0.6以下であることがより好ましく、0.5以下であることが更に好ましい。即ち、インクジェットヘッドのノズル径が40μmであるとすると、液体組成物に含まれる固形分の最大粒子径は32μm以下であることが好ましく、24μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが更に好ましい。
前記液体組成物に含まれる固形分の最大粒子径の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ISO13320に準じて、測定することができる。前記測定に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA-960、株式会社堀場製作所製)などが挙げられる。
なお、液体組成物の原料に用いられる粉末成分の最大粒子径の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上記した液体組成物に含まれる固形分の最大粒子径の測定方法と同様に、レーザー回折法を用いて測定する方法、走査型電子線回折により得られる画像から求める方法などが挙げられる。
前記液体組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記溶媒中に、前記無機固体電解質と、前記分散剤と、必要に応じて前記その他の成分とを投入し、混合することにより調製することができる。
前記混合の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、超音波ホモジナイザーなどが挙げられる。前記混合の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記液体組成物の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、全固体二次電池の固体電解質層の材料として又は電極合材層の材料を形成する際の一部として好適に用いることができる。
(収容容器)
本発明の収容容器は、上記した本発明の液体組成物が収容された収容容器である。
前記収容容器の形状、構造、及び大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
(固体電解質層又は電極合材層の製造装置、固体電解質層又は電極合材層の製造方法)
本発明の固体電解質層又は電極合材層の製造装置は、上記した本発明の収容容器と、インクジェットヘッドを用いて前記収容容器に収容された前記液体組成物を吐出する吐出手段と、を含み、必要に応じて、更にその他の構成を含む。
本発明の固体電解質層又は電極合材層の製造方法は、インクジェットヘッドを用いて上記した本発明の液体組成物を吐出する吐出工程を含み、必要に応じて、更にその他の工程を含む。
<吐出手段、吐出工程>
前記吐出手段は、インクジェットヘッドを用いて前記収容容器に収容された前記液体組成物を吐出する手段である。
前記吐出工程は、インクジェットヘッドを用いて前記液体組成物を吐出する工程である。
前記吐出により、対象物上に液体組成物を付与して、液体組成物層を形成することができる。
前記対象物(以下、「吐出対象物」と称することがある。)としては、固体電解質層又は電極合材層を形成する対象であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活物質層などが挙げられる。
<その他の構成、その他の工程>
前記固体電解質層又は電極合材層の製造装置におけるその他の構成としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱手段などが挙げられる。
前記固体電解質層又は電極合材層の製造方法におけるその他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱工程などが挙げられる。
-加熱手段、加熱工程-
前記加熱手段は、前記吐出手段により吐出された液体組成物を加熱する手段である。
前記加熱工程は、前記吐出工程で吐出された液体組成物を加熱する工程である。
前記加熱により、前記液体組成物層を乾燥させることができる。
図1は、本実施形態の固体電解質層又は電極合材層の製造方法を実現するための固体電解質層又は電極合材層の製造装置の一例を示す模式図である。
図1の固体電解質層又は電極合材層の製造装置は、上記した液体組成物を用いて固体電解質層又は電極合材層を製造する装置である。固体電解質層又は電極合材層装置は、吐出対象物を有する印刷基材4上に、液体組成物を付与して液体組成物層を形成する工程を含む吐出工程部10と、液体組成物層を加熱して固体電解質層又は電極合材層を得る加熱工程を含む加熱工程部30を備える。固体電解質層又は電極合材層装置は、印刷基材4を搬送する搬送部5を備え、搬送部5は、吐出工程部10、加熱工程部30の順に印刷基材4をあらかじめ設定された速度で搬送する。
前記活物質層などの吐出対象物を有する印刷基材4の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
吐出工程部10は、印刷基材4上に液体組成物を付与する付与工程を実現する付与手段であるインクジェット印刷法に応じた任意の印刷装置1aと、液体組成物を収容する収容容器1bと、収容容器1bに貯留された液体組成物を印刷装置1aに供給する供給チューブ1cを備える。
収容容器1bは液体組成物7を収容し、吐出工程部10は、印刷装置1aから液体組成物7を吐出して、印刷基材4上に液体組成物7を付与して液体組成物層を薄膜状に形成する。なお、収容容器1bは、固体電解質層又は電極合材層装置と一体化した構成であってもよいが、固体電解質層又は電極合材層装置から取り外し可能な構成であってもよい。また、固体電解質層又は電極合材層装置と一体化した収容容器や固体電解質層又は電極合材層装置から取り外し可能な収容容器に添加するために用いられる容器であってもよい。
収容容器1bや供給チューブ1cは、液体組成物7を安定して貯蔵および供給できるものであれば任意に選択可能である。
加熱工程部30は、図1に示すように、加熱装置3aを有し、液体組成物層に残存する溶媒を、加熱装置3aにより加熱して乾燥させて除去する溶媒除去工程を含む。これにより固体電解質層又は電極合材層を形成することができる。加熱工程部30は、溶媒除去工程を減圧下で実施してもよい。
前記加熱装置3aとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、基板加熱、IRヒーター、温風ヒーターなどが挙げられ、これらを組み合わせてもよい。
また、加熱温度や時間に関しては、液体組成物7に含まれる溶媒の沸点や形成膜厚に応じて適宜選択可能である。
図2は、本実施形態の固体電解質層又は電極合材層の製造方法を実現するための固体電解質層又は電極合材層の製造装置(液体吐出装置)の他の一例を示す模式図である。
液体吐出装置300’は、ポンプ310と、バルブ311、312を制御することにより、液体組成物が液体吐出ヘッド306、タンク307、チューブ308を循環することが可能である。
また、液体吐出装置300’は、外部タンク313が設けられており、タンク307内の液体組成物が減少した際に、ポンプ310と、バルブ311、312、314を制御することにより、外部タンク313からタンク307に液体組成物を供給することも可能である。
固体電解質層又は電極合材層の製造装置を用いると、吐出対象物の狙ったところに液体組成物を吐出することができる。
前記固体電解質層又は電極合材層は、例えば、蓄電素子の構成の一部として、好適に用いることができる。前記蓄電素子における前記固体電解質層又は電極合材層以外の構成としては、特に制限はなく、公知のものを適宜選択することができ、例えば、正極、負極、セパレータなどが挙げられる。
前記蓄電素子の製造方法としては、固体電解質層又は電極合材層を本発明のものとする以外は、公知の方法を適宜選択することができる。
前記蓄電素子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図3に示すような形状の他にも、一般的に採用されている各種形状の中から、その用途に応じて適宜選択することができる。前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シート電極及び固体電解質層をスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及び固体電解質層を組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及び固体電解質層を積層したコインタイプなどが挙げられる。
図3は、本実施形態の固体電解質層を設けた蓄電素子の一例を示す模式図である。
本実施形態に係る蓄電素子110は、図3に示すように、正極11と、正極11に対向して設けられた負極12と、正極11と負極12との間に配置された固体電解質層13と、を有している。
蓄電素子110は、正極11と、負極12と、電解質層13とを囲繞して保持する外装缶としての容器15と、容器15を貫いて正極11と接続された正極線16と、同様に容器15を貫いて負極12と接続された負極線17と、を有している。
<用途>
前記蓄電素子の用途には、特に制限はなく、各種用途に用いることができ、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ、車両等の電源、バックアップ電源などが挙げられる。
以下、実施例に基づき、本発明について、さらに詳細に説明する。なお、本発明は、実施例に限定されるものではない。
なお、以下の操作は、特に断りがない限り、無機固体電解質と大気中の水分との反応を抑制するために、露点環境-70℃以下に維持されたアルゴングローブボックス内で実施した。
(調製例1:無機固体電解質1の合成)
無機固体電解質1として、アルジロダイト型硫化物固体電解質LiPSCl(LPSC)を文献1(Nataly Carolina Rosero-Navarro et al., Journal of Power Sources 396(2018)33.)に従い合成した。
(調製例2:無機固体電解質2の合成)
無機固体電解質2として、Li10GeP12(LGPS)を文献2(J.Mater.Chem.A3,438-446(2015))に従い合成した。
(実施例1~11及び比較例1~8:液体組成物の作製)
下記の実施例1~11及び比較例1~8では、脱水した溶媒中に、無機固体電解質及び分散剤を投入し、株式会社日本精機製作所製超音波ホモジナイザー(US-300E)を用いて70%出力の設定にて10分間混合し、液体組成物を得た。
ここで、前記脱水した溶媒として、カールフィッシャー水分濃度計により、100ppm以下の水分含有量であることを確認したものを用いた。
[評価]
下記の実施例1~11及び比較例1~8で用いた溶媒の25℃における蒸気圧は、下記のようにして求めた。
また、下記の実施例1~11及び比較例1~8の液体組成物について、硫化水素の検出、インクジェット吐出性、及び停止後再吐出性を以下のようにして評価した。
[25℃における蒸気圧]
各溶媒の蒸気圧については、各溶媒の安全データシート(SDS)に記載のあるものについてはその値を参照した。また、SDSに記載がないものについては、文献3(化学物質の物理化学的性状把握に関する研究(1986年/日本環境協会 出版/環境庁環境保健部保険調査室 著)に記載のアイソテニスコープ法に従い測定した。
[硫化水素の検出]
混合した液体組成物から硫化水素が発生したかどうかを以下のように判定した。
液体組成物10mLをスクリュー管に入れ、アルゴングローブボックス内で25℃、1時間保管した。保管後に、硫化水素センサー(Honeywell社製、BW Solo lite)を近づけ、スクリュー管を開封した際に、硫化水素センサーにおいて0.1ppm以上の数値が3秒間以上表示された場合、これを硫化水素が発生したと判断した。
なお、安全性を考慮し、本試験で「b」と評価したものについては、インクジェット吐出性及び停止後再吐出性の評価は行わなかった。
-評価-
a : 硫化水素の発生なし
b : 硫化水素の発生あり
[インクジェット吐出性]
液滴観察装置EV1000(株式会社リコー製)を用いて液体組成物のインクジェット吐出性を以下のように評価した。
評価する液体組成物をEV1000にてインクジェットヘッドの1ノズル(ノズル径:40μm)から吐出を行い、60秒間以上吐出状態を維持できている場合、これを吐出可能と判断した。なお、60秒間以上吐出状態を維持できている場合とは、吐出開始から少なくとも60秒間の時点において、液体組成物が吐出されていることをいい、その吐出量は問わない。即ち、吐出開始から少なくとも60秒間の時点において、液体組成物が吐出されている限り、吐出開始時と、吐出開始から60秒間後の時点とにおいて、吐出量は変化していなくてもよいし、変化していてもよい。
なお、停止後再吐出性の試験の性質上、本試験で「×」と評価したものについては、停止後再吐出性の評価は行わなかった。
-評価-
○ : 吐出可能(60秒間以上吐出状態を維持できる。)
× : 吐出可能ではない(60秒間吐出状態を維持できない。)
[停止後再吐出性]
液滴観察装置EV1000(株式会社リコー製)を用いて液体組成物のインクジェット吐出後の再吐出性を以下のように評価した。
評価する液体組成物をEV1000にてインクジェットヘッドの1ノズル(ノズル径:40μm)から吐出を行い、60秒間吐出状態を維持した後、5分間静置した。その後、再度吐出した際に、問題なく再吐出できている場合、これを停止後再吐出可能と判断した。
-評価-
○ : 再吐出可能
× : 再吐出可能ではない
<実施例1>
溶媒としてウンデカン(東京化成社製)40gを取り、その中に、前記無機固体電解質1を56gと、分散剤(Lubrizol社製SOLSPERSE3000(以下、「S-3000」と称することがある。))4gとを投入し、超音波ホモジナイザーにより、混合し、実施例1の液体組成物とした。
<実施例2>
溶媒として、ウンデカンの代わりにテトラデカン(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、実施例2の液体組成物とした。
<実施例3>
溶媒として、ウンデカンの代わりに2-ブチルオクタン(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、実施例3の液体組成物とした。
<実施例4>
溶媒として、ウンデカンの代わりにブチルフェニルエーテル(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、実施例4の液体組成物とした。
<実施例5>
溶媒として、ウンデカンの代わりにジヘキシルエーテル(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、実施例5の液体組成物とした。
<実施例6>
溶媒として、ウンデカンの代わりに酢酸2-ノニル(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、実施例6の液体組成物とした。
<実施例7>
溶媒として、ウンデカンの代わりに酢酸2-エチルヘキシル(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、実施例7の液体組成物とした。
<実施例8>
溶媒として、ウンデカンの代わりにプロピオン酸2-エチルヘキシル(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、実施例8の液体組成物とした。
<実施例9>
分散剤として、S-3000の代わりにマリアリムSC-0708A(日本油脂株式会社製、以下、「SC0708A」と称することがある。)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、実施例9の液体組成物とした。
<実施例10>
無機固体電解質として、無機固体電解質1の代わりに無機固体電解質2を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、実施例10の液体組成物とした。
<実施例11>
溶媒として、ウンデカンの代わりに、テトラデカンと酢酸2-エチルヘキシルとを質量比1:1で混合したものを使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、実施例11の液体組成物とした。
<比較例1>
溶媒として、ウンデカンの代わりにn-デカン(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、比較例1の液体組成物とした。
<比較例2>
溶媒として、ウンデカンの代わりにn-ペンタデカン(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、比較例2の液体組成物とした。
<比較例3>
溶媒として、ウンデカンの代わりにプロポキシベンゼン(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、比較例3の液体組成物とした。
<比較例4>
溶媒として、ウンデカンの代わりにジへプチルエーテル(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、比較例4の液体組成物とした。
<比較例5>
溶媒として、ウンデカンの代わりに1,4―ジエトキシベンゼン(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、比較例5の液体組成物とした。
<比較例6>
溶媒として、ウンデカンの代わりに酢酸n-オクチル(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、比較例6の液体組成物とした。
<比較例7>
溶媒として、ウンデカンの代わりに酪酸2-エチルヘキシル(東京化成社製)を使用した以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、比較例7の液体組成物とした。
<比較例8>
分散剤を使用しなかった以外は実施例1と同様にして液体組成物を作製し、比較例8の液体組成物とした。
上記した実施例及び比較例の評価結果などを下記の表1に示す。なお、表1の「硫化水素の発生有無」の項目中、「a」は「硫化水素の発生なし」、「b」は「硫化水素の発生あり」を表す。
Figure 2023136621000002
実施例1、2、及び3、並びに比較例1及び2の結果より、脂肪族炭化水素構造を有する溶媒のうち、蒸気圧が0.1hPa以上1.0以下hPaであるウンデカン(実施例1)及びテトラデカン(実施例2)は、硫化水素の検出が無く、インクジェット吐出性が良く、且つ停止後再吐出性も良い結果を示した。これに対し、蒸気圧が1.0hPa超であるn-デカン(比較例1)では、インクジェット吐出口での乾燥が早いため、停止後再吐出の際につまりが発生していた。また、蒸気圧が0.1hPa未満であるn-ペンタデカン(比較例2)は、溶媒の粘度が高く、調合した液体組成物の粘度も高いため、インクジェット吐出性の評価時に詰まりが発生した。このことから、脂肪族炭化水素構造を持つ溶媒については、蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下の溶媒が好適である。また、2-ブチルオクタン(実施例3)についても、いずれの評価結果も良好であり、分岐を有する脂肪族炭化水素であっても同等の効果が得られることが分かる。
実施例4及び5、並びに比較例3、4、及び5の結果より、エーテル構造を有する溶媒のうち、蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下であるブチルフェニルエーテル(実施例4)及びジヘキシルエーテル(実施例5)は、硫化水素の検出が無く、インクジェットの吐出性が良く、且つ停止後再吐出性も良い結果を示した。これに対し、蒸気圧が1.0hPa超であるプロポキシベンゼン(比較例3)は、インクジェット吐出口での乾燥が早いため、停止後再吐出の際につまりが発生しており、また、蒸気圧が0.1hPa未満であるジヘプチルエーテル(比較例4)は、溶媒の粘度が高く、調合した液体組成物の粘度も高いため、インクジェット吐出性の評価時に詰まりが発生した。このことから、エーテル構造を有する溶媒についても、蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下であることが必要である。また、ジエーテル構造を有する1,4-ジエトキシベンゼン(比較例5)については、液体組成物より硫化水素が検出された。このことから、構造中にエーテル基を複数有する構造は、硫化物固体電解質との反応性が高いため、使用に適さないことが分かった。
実施例6、7、及び8、並びに比較例6及び7より、エステル構造を有する溶媒のうち、蒸気圧0.1hPa以上1.0hPa以下であり、且つエステル基の酸素側に結合した炭素から1位に分岐を持つ酢酸2-ノニル(実施例6)、及び2位に分岐を持つ酢酸2-エチルヘキシル(実施例7)は、いずれも硫化水素検出が無く、インクジェットの吐出性が良く、且つ停止後再吐出性も良い結果を示した。これに対し、エステル基の酸素側に結合した炭素に分岐が無い酢酸n-オクチル(比較例6)は、液体組成物より硫化水素が検出された。このことから、酸素側に結合した炭素に分岐が無いエステルは、硫化物固体電解質との反応性が高いため、使用に適さないことが分かる。また、エステル基の炭素側にプロピル基が結合した酪酸2-エチルヘキシル(比較例7)は、硫化水素の発生は抑制されるものの、蒸気圧が0.1hPa未満であり、液体組成物の粘度が高く、インクジェット吐出時に詰まりが発生するのに対し、エステル基の炭素側にエチル基が結合したプロピオン酸2-エチルヘキシル(実施例8)は、蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下の範囲に収まっており、インクジェット吐出時に詰まりが発生しなかった。このことから、エステル構造を有する溶媒については、蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下であり、且つ、エステル基の炭素側に結合する基としてはメチル基又はエチル基が好ましいことが分かった。
実施例9及び比較例8より、分散剤を添加しなかった比較例8は、粒子の凝集が発生するためインクジェット吐出時のつまりが発生した。また、実施例1から分散剤の種類を変更した実施例9は、実施例1と同等に良好な吐出性能を示した。このことから、分散剤の添加が必須であること、一方で分散剤の種類には依存せず、効果が得られる分散剤であれば種類を問わず、本発明の効果が得られることが分かった。
実施例10より、実施例1から無機固体電解質の種類を変更した実施例10は、実施例1と同等に良好な吐出性能を示した。このことから、固体電解質の種類に因らず、本発明の効果が得られることが分かった。
実施例11より、使用する溶媒として混合溶媒を使用した実施例11は、実施例1と同等に良好な吐出性能を示した。このことから、溶媒に混合溶媒を用いた場合でも、本発明の効果が得られることが分かった。
本実施形態に係る態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 溶媒と、無機固体電解質と、分散剤と、を含む液体組成物であって、
前記溶媒は、25℃における蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下である、(I)脂肪族炭化水素、(II)モノエーテル、及び(III)枝分かれ構造を有するエステルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする液体組成物である。
<2> 前記液体組成物の粘度が、200mPa・s以下である前記<1>に記載の液体組成物である。
<3> 前記液体組成物に含まれる固形分の最大粒子径が、32μm以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の液体組成物である。
<4> インクジェットヘッドを用いて吐出される液体組成物であって、
前記液体組成物は、溶媒と、無機固体電解質と、分散剤と、を含み、
前記溶媒は、25℃における蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下である、(I)脂肪族炭化水素、(II)モノエーテル、及び(III)枝分かれ構造を有するエステルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする液体組成物である。
<5> 前記液体組成物の粘度が、インクジェットヘッドのノズルより吐出可能な粘度である前記<4>に記載の液体組成物である。
<6> 前記液体組成物に含まれる固形分の最大粒子径が、インクジェットヘッドのノズル径よりも小さい前記<4>から<5>のいずれかに記載の液体組成物である。
<7> 前記液体組成物に含まれる固形分の最大粒子径と、インクジェットヘッドのノズル径との比が0.8以下である前記<4>から<6>のいずれかに記載の液体組成物である。
<8> 前記(I)脂肪族炭化水素が、炭素数が11~14の脂肪族炭化水素である前記<1>から<7>のいずれかに記載の液体組成物である。
<9> 前記(II)モノエーテルが、基本骨格を構成する分子数が11~13のモノエーテルである前記<1>から<8>のいずれかに記載の液体組成物である。
<10> 前記(III)枝分かれ構造を有するエステルが、(i)エステル基の炭素側に炭素数2以下の炭化水素基が結合しており、且つエステル基の酸素側に枝分かれ構造を有する炭化水素基が結合しているエステル、及び(ii)エステル基の酸素側に炭素数3以下の炭化水素基が結合しており、且つエステル基の炭素側に枝分かれ構造を有する炭化水素基が結合しているエステルのいずれかのエステルである前記<1>から<9>のいずれかに記載の液体組成物である。
<11> 前記溶媒が、前記(I)、(II)、及び(III)からなる群から選択される構造の溶媒を1種又は2種以上を混合して使用する前記<1>から<10>のいずれかに記載の液体組成物である。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の液体組成物が収容されたことを特徴とする収容容器である。
<13> 前記<12>に記載の収容容器と、インクジェットヘッドを用いて前記収容容器に収容された前記液体組成物を吐出する吐出手段と、を含むことを特徴とする固体電解質層又は電極合材層の製造装置である。
<14> インクジェットヘッドを用いて前記<1>から<11>のいずれかに記載の液体組成物を吐出する吐出工程を含むことを特徴とする固体電解質層又は電極合材層の製造方法である。
前記<1>から<11>のいずれかに記載の液体組成物、前記<12>に記載の収容容器、前記<13>に記載の固体電解質層又は電極合材層の製造装置、又は前記<14>に記載の固体電解質層又は電極合材層の製造方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
1a 印刷装置
1b 収容容器
1c 供給チューブ
3a 加熱装置
4 印刷基材
5 搬送部
7 液体組成物
10 吐出工程部
11 正極
12 負極
13 固体電解質層
15 容器
16 正極線
17 負極線
30 加熱工程部
110 蓄電素子
300’ 液体吐出装置
306 液体吐出ヘッド
307 タンク
308 チューブ
310 ポンプ
311 バルブ
312 バルブ
313 外部タンク
314 バルブ
国際公開第2016/013224号 国際公開第2019/054455号 特開2009-211950号公報 特開2009-211950号公報

Claims (14)

  1. 溶媒と、無機固体電解質と、分散剤と、を含む液体組成物であって、
    前記溶媒は、25℃における蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下である、(I)脂肪族炭化水素、(II)モノエーテル、及び(III)枝分かれ構造を有するエステルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする液体組成物。
  2. 前記液体組成物の粘度が、200mPa・s以下である請求項1に記載の液体組成物。
  3. 前記液体組成物に含まれる固形分の最大粒子径が、32μm以下である請求項1から2のいずれかに記載の液体組成物。
  4. インクジェットヘッドを用いて吐出される液体組成物であって、
    前記液体組成物は、溶媒と、無機固体電解質と、分散剤と、を含み、
    前記溶媒は、25℃における蒸気圧が0.1hPa以上1.0hPa以下である、(I)脂肪族炭化水素、(II)モノエーテル、及び(III)枝分かれ構造を有するエステルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする液体組成物。
  5. 前記液体組成物の粘度が、インクジェットヘッドのノズルより吐出可能な粘度である請求項4に記載の液体組成物。
  6. 前記液体組成物に含まれる固形分の最大粒子径が、インクジェットヘッドのノズル径よりも小さい請求項4から5のいずれかに記載の液体組成物。
  7. 前記液体組成物に含まれる固形分の最大粒子径と、インクジェットヘッドのノズル径との比が0.8以下である請求項4から6のいずれかに記載の液体組成物。
  8. 前記(I)脂肪族炭化水素が、炭素数が11~14の脂肪族炭化水素である請求項1から7のいずれかに記載の液体組成物。
  9. 前記(II)モノエーテルが、基本骨格を構成する分子数が11~13のモノエーテルである請求項1から8のいずれかに記載の液体組成物。
  10. 前記(III)枝分かれ構造を有するエステルが、(i)エステル基の炭素側に炭素数2以下の炭化水素基が結合しており、且つエステル基の酸素側に枝分かれ構造を有する炭化水素基が結合しているエステル、及び(ii)エステル基の酸素側に炭素数3以下の炭化水素基が結合しており、且つエステル基の炭素側に枝分かれ構造を有する炭化水素基が結合しているエステルのいずれかのエステルである請求項1から9のいずれかに記載の液体組成物。
  11. 前記溶媒が、前記(I)、(II)、及び(III)からなる群から選択される構造の溶媒を1種又は2種以上を混合して使用する請求項1から10のいずれかに記載の液体組成物。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の液体組成物が収容されたことを特徴とする収容容器。
  13. 請求項12に記載の収容容器と、インクジェットヘッドを用いて前記収容容器に収容された前記液体組成物を吐出する吐出手段と、を含むことを特徴とする固体電解質層又は電極合材層の製造装置。
  14. インクジェットヘッドを用いて請求項1から11のいずれかに記載の液体組成物を吐出する吐出工程を含むことを特徴とする固体電解質層又は電極合材層の製造方法。

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