JP2023136113A - エンジン - Google Patents

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JP2023136113A JP2022041562A JP2022041562A JP2023136113A JP 2023136113 A JP2023136113 A JP 2023136113A JP 2022041562 A JP2022041562 A JP 2022041562A JP 2022041562 A JP2022041562 A JP 2022041562A JP 2023136113 A JP2023136113 A JP 2023136113A
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優太 佐藤
Yuta Sato
諒 吉名
Ryo Yoshina
寿喜 萩原
Toshiki Hagiwara
幸希 安東
Koki Ando
雅貴 桑原
Masaki Kuwabara
聡志 木脇
Satoshi Kiwaki
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Yamaha Motor Co Ltd
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Subaru Corp
Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】燃焼室形状の制約を受けることなく、シリンダヘッドの強度低下を抑制する。【解決手段】エンジンは、シリンダヘッドと、前記シリンダヘッドに貫通形成されるポートと、前記シリンダヘッドの燃焼室側の面において前記ポートの周囲に陥没形成された装着部と、前記装着部に圧入され、バルブの弁体が着座可能なバルブシートと、前記シリンダヘッドに貫通形成されるバルブガイド圧入孔と、前記バルブガイド圧入孔に圧入され、前記バルブのステムが挿通されるバルブガイドと、を備え、前記装着部の中心軸は、前記バルブガイド圧入孔の中心軸に対して傾斜している。【選択図】図4

Description

本発明は、エンジンに関する。
エンジンは、シリンダブロックおよびシリンダヘッドを備える。シリンダブロックとシリンダヘッドとによりエンジンの燃焼室が形成される。また、シリンダヘッドには、燃焼室と連通する吸気ポートが形成され、吸気ポートには、燃焼室と吸気ポートが連通する開口部を開閉する吸気バルブが設けられる。この開口部の周囲には、吸気バルブが着座可能な円環状のバルブシートが設けられる。
例えば、特許文献1には、エンジン用のバルブシートの一例が開示されている。吸気バルブが開口部を閉じたとき、吸気バルブは、バルブシートに着座する。特許文献1には、燃焼室内に大きなタンブル流を発生させるために、バルブシートの中心軸を、吸気バルブのステムの中心軸に対して平行にシフトした位置に設定することが開示されている。
特開昭62-23512号公報
シリンダヘッドの内面における吸気ポートの周囲には、環状のバルブシートを圧入して装着するための環状の装着部が陥没形成される。ところが、特許文献1に記載のように、バルブシートの中心軸を吸気バルブのステムの中心軸に対して平行にシフトさせた場合、シフトした側で、吸気ポートと装着部との間の肉厚が薄い薄肉部の領域が拡大してしまう。その結果、シリンダヘッドのうち吸気ポートと装着部の間の部位において強度低下が生じる。
また、シリンダヘッドにおいて、薄肉部の厚さを厚くするため、装着部を燃焼室側に移動させた場合は、燃焼室の容積が小さくなったり、燃焼室を理想的な設計形状とすることが困難になったりする。そのため、薄肉部を肉厚にした場合、燃焼室形状に制約を受ける場合がある。
そこで、上記事情に鑑み、本発明は、燃焼室形状の制約を受けることなく、シリンダヘッドの強度低下を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係るエンジンは、
シリンダヘッドと、
前記シリンダヘッドに貫通形成されるポートと、
前記シリンダヘッドの燃焼室側の面において前記ポートの周囲に陥没形成された装着部と、
前記装着部に圧入され、バルブの弁体が着座可能なバルブシートと、
前記シリンダヘッドに貫通形成されるバルブガイド圧入孔と、
前記バルブガイド圧入孔に圧入され、前記バルブのステムが挿通されるバルブガイドと、
を備え、
前記装着部の中心軸は、前記バルブガイド圧入孔の中心軸に対して傾斜している。
本発明によれば、燃焼室形状の制約を受けることなく、シリンダヘッドの強度低下を抑制することが可能となる。
図1は、本実施形態に係るエンジンの構成を示す概略図である。 図2は、第1比較例に係るシリンダヘッドの一部を示す部分拡大図である。 図3は、第2比較例に係るシリンダヘッドの一部を示す部分拡大図である。 図4は、本実施形態に係るシリンダヘッドの一部を示す部分拡大図である。 図5は、図4に示すバルブシート周辺部位の部分拡大図である。 図6は、本実施形態に係る装着部形成前のシリンダヘッドの一部を示す部分拡大図である。 図7は、本実施形態に係る装着部形成後のシリンダヘッドの一部を示す部分拡大図である。 図8は、変形例に係るシリンダヘッドの一部を示す部分拡大図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す具体的な寸法、材料、数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態に係るエンジン10の構成を示す概略図である。エンジン10は、例えば、車両1に搭載される。エンジン10は、シリンダブロック20、ピストン22、シリンダヘッド24、吸気バルブ26および排気バルブ28を備える。
シリンダブロック20には、複数のシリンダ30が形成されている。ピストン22は、シリンダ30内に摺動可能に収容され、シリンダ30の軸方向に往復運動可能である。ピストン22は、コネクティングロッド32を介して、不図示のクランクシャフトに連結される。クランクシャフトは、ピストン22の往復運動に従って回転する。
シリンダヘッド24は、シリンダブロック20におけるクランクシャフトとは反対側に配置される。シリンダヘッド24は、シリンダ30の上部開口を覆うようにシリンダ30上に配置され、シリンダブロック20に連結される。燃焼室34は、シリンダ30の内面、シリンダヘッド24の内面およびピストン22の冠面で囲まれた空間である。
シリンダヘッド24は、吸気ポート40および排気ポート42を有する。吸気ポート40および排気ポート42は、シリンダヘッド24に貫通形成される。吸気ポート40および排気ポート42は、燃焼室34に連通している。具体的には、吸気ポート40は、吸気ポート40の燃焼室34側の開口部44aを通じて燃焼室34と接続される。排気ポート42は、排気ポート42の燃焼室34側の開口部44bを通じて燃焼室34と接続される。
吸気バルブ26は、吸気ポート40に設けられ、吸気ポート40の開口部44aを開閉する。吸気バルブ26は、傘部(弁体)26aと、ステム26bとを有する。傘部26aが吸気バルブ26の一端に形成され、ステム26bが傘部26aから吸気バルブ26の他端まで延在している。吸気バルブ26の傘部26aによって吸気ポート40の開口部44aが開かれると、吸気ポート40を通じて燃焼室34に空気が送入される。
排気バルブ28は、排気ポート42に設けられ、排気ポート42の開口部44bを開閉する。排気バルブ28は、傘部(弁体)28aと、ステム28bとを有する。傘部28aが排気バルブ28の一端に形成され、ステム28bが傘部28aから排気バルブ28の他端まで延在している。排気バルブ28の傘部28aによって排気ポート42の開口部44bが開かれると、燃焼室34内のガスが排気ポート42を通じて排出される。
シリンダヘッド24には、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび排気バルブガイド圧入孔46bが形成される。吸気バルブガイド圧入孔46aは、シリンダヘッド24内の吸気ポート40とシリンダヘッド24の外部空間とを連通する。排気バルブガイド圧入孔46bは、シリンダヘッド24内の排気ポート42とシリンダヘッド24の外部空間とを連通する。吸気バルブガイド圧入孔46aおよび排気バルブガイド圧入孔46bは、シリンダヘッド24に貫通形成される。
吸気バルブガイド圧入孔46aには、吸気バルブ26のステム26bが挿通される吸気バルブガイド48aが圧入される。排気バルブガイド圧入孔46bには、排気バルブ28のステム28bが挿通される排気バルブガイド48bが圧入される。
吸気バルブガイド圧入孔46a、吸気バルブガイド48a、吸気バルブ26のステム26bの中心軸は、実質的に等しい。ここで、実質的に等しいとは、完全に等しい場合と、例えば±1mmなどの許容誤差(加工精度や組付誤差等)の範囲内で完全に等しい場合からずれている場合とを含む意味である。以下、等しい、または、同じとは、完全に等しい(同じ)場合と、許容誤差(加工精度や組付誤差等)の範囲内で完全に等しい(同じ)場合からずれている場合とを含む意味である。
吸気バルブガイド48aは、円筒状に形成され、内側に吸気バルブ26のステム26bが挿通される。吸気バルブガイド48aは、吸気バルブ26のステム26bの中心軸方向の移動をガイドする。吸気バルブ26のうち、傘部26aと反対側のステム26bの端部には、吸気カムシャフト50のカム50aが当接される。詳細な説明は省略するが、クランクシャフトの回転に伴い、吸気カムシャフト50およびカム50aが回転し、カム50aの回転により、吸気バルブ26が吸気バルブガイド48aにガイドされながらステム26bの中心軸方向に移動する。この吸気バルブ26の移動により、吸気ポート40の開口部44aが開閉される。
排気バルブガイド48bは、円筒状に形成され、内側に排気バルブ28のステム28bが挿通される。排気バルブガイド48bは、排気バルブ28のステム28bの中心軸方向の移動をガイドする。排気バルブ28のうち、傘部28aと反対側のステム28bの端部には、排気カムシャフト52のカム52aが当接される。詳細な説明は省略するが、クランクシャフトの回転に伴い、排気カムシャフト52およびカム52aが回転し、カム52aの回転により、排気バルブ28が排気バルブガイド48bにガイドされながらステム28bの中心軸方向に移動する。この排気バルブ28の移動により、排気ポート42の開口部44bが開閉される。
シリンダヘッド24は、吸気ポート40側の装着部60a、および、吸気ポート40側のバルブシート62aを備える。装着部60aは、シリンダヘッド24の燃焼室34側の面(シリンダヘッド24の内面)に対してバルブシート62aを装着するための装着用凹部である。装着部60aは、吸気ポート40の燃焼室34側の開口部44aの周囲に設けられる。装着部60aは、開口部44aの周囲を取り囲むように、円環状に陥没形成される。装着部60aは、例えば、燃焼室34とは反対側に窪んでいる。つまり、装着部60aは、シリンダヘッド24の燃焼室34側の面において吸気ポート40の周囲に陥没形成される。
バルブシート62aは、円環状に形成される環状部材である。円環状のバルブシート62aの径方向の中心に形成された中空部は、吸気ポート40に連通する通気口となる。バルブシート62aは、装着部60aに圧入されて、シリンダヘッド24の内面における吸気ポート40の開口部44aに装着される。バルブシート62aは、吸気バルブ26の傘部28aが着座可能に構成されている。吸気バルブ26は、バルブシート62aに接触することで吸気ポート40の開口部44aを閉じる。吸気ポート40側のバルブシート62aについては、後に詳述する。
シリンダヘッド24は、排気ポート42側の装着部60b、および、排気ポート42側のバルブシート62bを備える。装着部60bは、シリンダヘッド24の燃焼室34側の面(シリンダヘッド24の内面)に対してバルブシート62bを装着するための装着用凹部である。装着部60bは、排気ポート42の燃焼室34側の開口部44bの周囲に設けられる。装着部60bは、開口部44bの周囲を取り囲むように、円環状に陥没形成される。装着部60bは、例えば、燃焼室34とは反対側に窪んでいる。つまり、装着部60bは、シリンダヘッド24の燃焼室34側の面において排気ポート42の周囲に陥没形成される。
バルブシート62bは、円環状に形成される環状部材である。円環状のバルブシート62bの径方向の中心に形成された中空部は、排気ポート42に連通する通気口となる。バルブシート62bは、装着部60bに圧入されて、シリンダヘッド24の内面における排気ポート42の開口部44bに装着される。バルブシート62bは、排気バルブ28の傘部28aが着座可能に構成されている。排気バルブ28は、バルブシート62bに接触することで排気ポート42の開口部44bを閉じる。
シリンダヘッド24の内部には、装着部60aおよびバルブシート62aの中心軸を基準として吸気ポート40と反対側の位置に、ウォータージャケットWJが形成される。ここで、装着部60aの中心軸は、例えば、装着部60aの内周面IC(図5参照)の中心軸である。バルブシート62aの中心軸は、例えば、バルブシート62aの外周面PS(図5参照)の中心軸である。また、ウォータージャケットWJは、装着部60bおよびバルブシート62bの中心軸を基準として排気ポート42と反対側の位置に形成される。ウォータージャケットWJは、吸気ポート40および排気ポート42とは別の空洞であり、吸気ポート40および排気ポート42から離隔した位置に形成される。本実施形態では、ウォータージャケットWJは、吸気ポート40および排気ポート42の間に形成される。
シリンダヘッド24には、不図示のインジェクタおよび点火プラグが設けられる。インジェクタは、噴射口を燃焼室34に向けて配置される。インジェクタは、ガソリンなどの燃料を所定のタイミングで燃焼室34内に噴射する。点火プラグは、電極を燃焼室34に向けて配置される。点火プラグは、燃焼室34内の空気と燃料との混合ガスを所定のタイミングで点火して燃焼させる。かかる燃焼により、ピストン22がシリンダ30内で往復運動する。
次に、図2~図3を参照して、第1比較例と第2比較例に係るシリンダヘッド124、224を説明する。その上で、これら比較例と対比しながら、図4を参照して、本実施形態に係るシリンダヘッド24について詳述する。
図2は、第1比較例に係るシリンダヘッド124の一部を示す部分拡大図である。図2に示すように、第1比較例に係るシリンダヘッド124は、吸気ポート40、吸気バルブガイド圧入孔46a、吸気バルブガイド48a、装着部160a、バルブシート162aを備える。以下、本実施形態のシリンダヘッド24と実質的に等しい構成要素については、同一符号を付して説明を省略し、本実施形態のシリンダヘッド24と異なる部分について詳細に説明する。
装着部160aは、シリンダヘッド124に形成され、吸気ポート40の燃焼室34側の開口部44aの周囲に設けられる。装着部160aは、開口部44aを囲む円環状に形成される。装着部160aは、例えば、燃焼室34とは反対側に窪んでいる。バルブシート162aは、円環状に形成される。バルブシート162aは、装着部160aに圧入される。バルブシート162aは、吸気バルブ26(図1参照)が着座可能に構成されている。
第1比較例では、装着部160aの中心軸O1は、バルブシート162aの中心軸O2と実質的に等しい。また、装着部160aの中心軸O1と、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3は、実質的に等しい。また、バルブシート162aの中心軸O2と、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3は、実質的に等しい。
図3は、第2比較例に係るシリンダヘッド224の一部を示す部分拡大図である。図3に示すように、第2比較例に係るシリンダヘッド224は、吸気ポート40、吸気バルブガイド圧入孔46a、吸気バルブガイド48a、装着部260a、バルブシート262aを備える。以下、本実施形態のシリンダヘッド24と実質的に等しい構成要素については、同一符号を付して説明を省略し、本実施形態のシリンダヘッド24と異なる部分について詳細に説明する。なお、図3では、第1比較例のバルブシート162aの形状を破線で表示させている。
装着部260aは、シリンダヘッド224に形成され、吸気ポート40の燃焼室34側の開口部44aの周囲に設けられる。装着部260aは、開口部44aを囲む円環状に形成される。装着部260aは、例えば、燃焼室34とは反対側に窪んでいる。バルブシート262aは、円環状に形成される。バルブシート262aは、装着部260aに圧入される。バルブシート262aは、吸気バルブ26(図1参照)が着座可能に構成されている。
第2比較例では、装着部260aの中心軸O4と、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3は、互いに異なる。また、バルブシート162aの中心軸O5と、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3は、互いに異なる。
具体的に、装着部260aの中心軸O4は、バルブシート262aの中心軸O5と実質的に等しい。そして、中心軸O4および中心軸O5は、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3に対し、排気ポート42(図1参照)と反対側に平行移動してシフトされた位置に設けられる。同様に、中心軸O4および中心軸O5は、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3に対し、ウォータージャケットWJと反対側に平行移動してオフセットされた位置に設けられる。
ところで、第1比較例~第2比較例のシリンダヘッド124、224のうち、吸気ポート40と装着部160a、260aとの間には、薄肉部TPが形成される。ここで、第2比較例の装着部260aの内径は、第1比較例の装着部160aの内径より大きい。そのため、第2比較例の装着部260aと第1比較例の装着部160aとの間には、内径差ΔLが生じる。
したがって、第2比較例のシリンダヘッド224には、内径差ΔLが生じた分、第1比較例のシリンダヘッド124に比べ薄肉部TPの領域が拡大する。薄肉部TPの領域が拡大すると、シリンダヘッド224のうち吸気ポート40と装着部260aの間の部位において強度低下が生じる。
また、第2比較例のシリンダヘッド224において、薄肉部TPの厚さを厚くするため、装着部260aを燃焼室34側に移動させた場合は、燃焼室34の容積が小さくなったり、燃焼室34を理想的な設計形状とすることが困難になったりする。
一方、第1比較例の薄肉部TPの領域は、第2比較例の薄肉部TPの領域に比べ内径差ΔLだけ小さいものの、第1比較例の薄肉部TPの厚さは、第2比較例の薄肉部TPの厚さと変わらず、シリンダヘッド124のうち吸気ポート40と装着部160aの間の部位において強度懸念が生じる場合があった。
そこで、本実施形態のシリンダヘッド24では、装着部60aを燃焼室34側に移動させることなく、薄肉部TPの厚さを大きくすべく、装着部60aの中心軸を、吸気バルブガイド圧入孔46aの中心軸に対して傾斜させている点を特徴としている。
図4は、本実施形態に係るシリンダヘッド24の一部を示す部分拡大図である。図5は、図4に示すバルブシート62a周辺部位の部分拡大図である。なお、図5では、装着部60aの内周面ICおよびバルブシート62aの外周面PSの説明を容易にするため、バルブシート62aを装着部60aから離隔させた状態を図中に破線で表している。図5から見て分かるように、バルブシート62aが装着部60aに圧入されると、バルブシート62aの外周面PSが装着部60aの内周面ICと接触し、外周面PSと内周面ICとは、実質的に同一面を形成する。図4および図5に示すように、本実施形態では、装着部60aの中心軸O6と、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3は、互いに異なる。また、バルブシート62aの中心軸O7と、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3は、互いに異なる。
具体的に、装着部60aの中心軸O6は、バルブシート62aの中心軸O7と実質的に等しい。そして、中心軸O6および中心軸O7は、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3に対し、排気ポート42(図1参照)と反対側に所定角度θ傾斜して設けられる。換言すれば、装着部60aの中心軸O6は、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3に対して吸気ポート40側に所定角度θ傾斜している。同様に、中心軸O6および中心軸O7は、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3に対し、ウォータージャケットWJと反対側に所定角度θ傾斜して設けられる。
所定角度θは、中心軸O3と吸気ポート40の中心軸O8との間の角度範囲に設定される。本実施形態では、中心軸O6,O7と中心軸O8との間の角度は、中心軸O6,O7と中心軸O3との間の角度よりも大きい。ただし、これに限定されず、中心軸O6,O7と中心軸O8との間の角度は、中心軸O6,O7と中心軸O3との間の角度よりも小さくてもよい。中心軸O6,O7が中心軸O8に近づくほど、吸気を燃焼室34に滑らかに供給させることができる。そのため、中心軸O6,O7と中心軸O8との間の角度は、小さいほど好ましく、中心軸O6,O7は、中心軸O8と実質的に等しいことが好ましい。
所定角度θを大きくするほど、薄肉部TPの厚さが大きくなる。つまり、中心軸O6,O7と中心軸O3との間に所定角度θを設けた場合、所定角度θを設けない場合に比べ、薄肉部TPの厚さを大きくすることができる。このように、本実施形態では、第1比較例および第2比較例に比べ、吸気ポート40と装着部60aとの間の距離を大きくすることができる。また、薄肉部TPを肉厚にするために、装着部60aを燃焼室34側に平行にシフトさせる必要がないため、燃焼室形状の大幅な変更を回避することができる。つまり、本実施形態では、薄肉部TPの厚さを、第1比較例および第2比較例の薄肉部TPの厚さよりも大きくすることができ、燃焼室形状の制約を受けることなく、シリンダヘッド24の強度低下を抑制することができる。
次に、図6~図7を参照して、本実施形態に係る装着部60aの形成方法について説明する。
図6は、本実施形態に係る装着部60a形成前のシリンダヘッド24の一部を示す部分拡大図である。図6では、本実施形態のシリンダヘッド24を鋳造した後、装着部60aを形成する前の段階を示している。また、図6中、第1比較例の装着部160aを形成する前のシリンダヘッド124の形状を破線で示している。
図6に示すように、本実施形態のシリンダヘッド24は、第1比較例のシリンダヘッド124よりも、燃焼室34側に突出した突起80を備えている。突起80は、吸気ポート40の周囲のうちウォータージャケットWJおよび排気ポート42(図1参照)と反対側に形成される。
図7は、本実施形態に係る装着部60a形成後のシリンダヘッド24の一部を示す部分拡大図である。図7中、第1比較例の装着部160aのリブの形状を破線で示している。
図7に示すように、本実施形態のシリンダヘッド24には、第1比較例の装着部160aのリブよりも、燃焼室34側に突出したリブ90が形成される。本実施形態では、図6に示す突起80を設けた分、第1比較例の装着部160aのリブよりも高いリブ90を形成することができる。リブ90は、装着部60aを形成するために、図6に示す突起80を切削加工した際に形成される。リブ90は、装着部60aのうちウォータージャケットWJおよび排気ポート42(図1参照)と反対側に形成される。
装着部60aの内壁の高さは、リブ90が形成されたことにより、装着部60aの周方向において実質的に等しい。図7に示すように、装着部60aの内壁のうち、排気ポート42側の高さH1は、排気ポート42と反対側の高さH2と実質的に等しい。
このように、リブ90は、装着部60aの内壁の高さが、装着部60aの周方向に実質的に等しくなるように、燃焼室34側の面のうち装着部60aの周囲の少なくとも一部に突出形成される。
これにより、装着部60aにバルブシート62aを圧入する際に、バルブシート62aの全周に亘って装着部60aの内壁が当接可能となる。その結果、バルブシート62aの中心軸O7が装着部60aの中心軸O6から傾斜した状態で圧入されるのを抑制することができ、装着部60aにバルブシート62aを容易に圧入することができる。
一方、第1比較例の装着部160aの内壁の高さは、装着部160aの周方向に亘って不均一である。図7に示すように、装着部160aの内壁のうち、排気ポート42側の高さH1は、排気ポート42と反対側の高さH3よりも大きい。そのため、装着部160aにバルブシート162aを圧入する際に、バルブシート162aの全周に亘って装着部160aの内壁を当接させることが困難になる。その結果、バルブシート162aの中心軸が装着部160aの中心軸から傾斜した状態で圧入され、装着部160aにバルブシート162aを圧入することが困難になる。
図8は、変形例に係るシリンダヘッド324の一部を示す部分拡大図である。図8に示すように、本変形例では、装着部360aの中心軸O9と、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3は、互いに異なる。また、バルブシート362aの中心軸O10と、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3は、互いに異なる。
具体的に、装着部360aの中心軸O9は、バルブシート362aの中心軸O10と実質的に等しい。そして、中心軸O9および中心軸O10は、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3に対し、排気ポート42(図1参照)側に所定角度θ傾斜して設けられる。換言すれば、装着部360aの中心軸O9は、吸気バルブガイド圧入孔46aおよび吸気バルブガイド48aの中心軸O3に対して吸気ポート40と反対側のウォータージャケットWJ側に所定角度θ傾斜している。
これにより、本変形例では、上記実施形態に比べ、ウォータージャケットWJと装着部360aとの間の距離を大きくすることができ、ウォータージャケットWJと装着部360aが連通することを抑制することができる。その結果、シリンダヘッド324のうちウォータージャケットWJと装着部360aの間の部位において強度低下を抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施形態および変形例では、吸気ポート40側の装着部60a,360aの中心軸06,O9を、吸気バルブガイド48aの中心軸O3に対して所定角度θ傾斜させる例について説明した。しかし、これに限定されず、排気ポート42側の装着部60bの中心軸を、排気バルブガイド48bの中心軸に対して所定角度θ傾斜させてもよい。
TP 薄肉部
WJ ウォータージャケット
1 車両
10 エンジン
20 シリンダブロック
22 ピストン
24 シリンダヘッド
26 吸気バルブ
26a 傘部(弁体)
26b ステム
28 排気バルブ
28a 傘部
28b ステム
30 シリンダ
32 コネクティングロッド
34 燃焼室
40 吸気ポート
42 排気ポート
44a 開口部
44b 開口部
46a 吸気バルブガイド圧入孔
46b 排気バルブガイド圧入孔
48a 吸気バルブガイド
48b 排気バルブガイド
50 吸気カムシャフト
50a カム
52 排気カムシャフト
52a カム
60a 装着部
60b 装着部
62a バルブシート
62b バルブシート
80 突起
90 リブ
324 シリンダヘッド
360a 装着部

Claims (5)

  1. シリンダヘッドと、
    前記シリンダヘッドに貫通形成されるポートと、
    前記シリンダヘッドの燃焼室側の面において前記ポートの周囲に陥没形成された装着部と、
    前記装着部に圧入され、バルブの弁体が着座可能なバルブシートと、
    前記シリンダヘッドに貫通形成されるバルブガイド圧入孔と、
    前記バルブガイド圧入孔に圧入され、前記バルブのステムが挿通されるバルブガイドと、
    を備え、
    前記装着部の中心軸は、前記バルブガイド圧入孔の中心軸に対して傾斜している、
    エンジン。
  2. 前記装着部の中心軸は、前記バルブガイド圧入孔の中心軸に対して前記ポート側に傾斜している、
    請求項1に記載のエンジン。
  3. 前記シリンダヘッドの内部において、前記バルブガイド圧入孔の中心軸を基準として前記ポートと反対側の位置には、前記ポートとは別の空洞が形成されており、
    前記装着部の中心軸は、前記バルブガイド圧入孔の中心軸に対して前記ポートと反対側の前記空洞側に傾斜している、
    請求項1に記載のエンジン。
  4. 前記装着部の内壁の高さが、前記装着部の周方向に実質的に等しくなるように、前記シリンダヘッドの燃焼室側の面のうち前記装着部の周囲の少なくとも一部に突出形成されるリブを備える
    請求項1~3のいずれか1項に記載のエンジン。
  5. 前記バルブは、吸気バルブである、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のエンジン。
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