JP2008038841A - インジェクタ用シール部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッドカバーを大型化することなく、カムなどの他の部材との干渉を回避でき、且つ密閉性および耐疲労性の高いシール部材を提供する。
【解決手段】ヘッドシール部11のシール面である外周面15を、インジェクタ2の軸部5に対して偏心した円形とする。ヘッドシール部11をインジェクタ2の外形に適合した最小限の径に設計することにより、ヘッドカバー4を大型化することなく、カムなどの他の部材との干渉を回避できる。ヘッドシール部11のシール面が円形であるため、これを長円形などの非円形とした場合に比べて、高い密封性と耐疲労性とを得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】ヘッドシール部11のシール面である外周面15を、インジェクタ2の軸部5に対して偏心した円形とする。ヘッドシール部11をインジェクタ2の外形に適合した最小限の径に設計することにより、ヘッドカバー4を大型化することなく、カムなどの他の部材との干渉を回避できる。ヘッドシール部11のシール面が円形であるため、これを長円形などの非円形とした場合に比べて、高い密封性と耐疲労性とを得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンのインジェクタとヘッドカバーとの間を密封するためのインジェクタ用シール部材に関する。
図3に示されるように、従来のインジェクタ用シール部材110は、エンジン101のヘッドカバー104に取り付けられ、ヘッドカバー104の口縁部108に密接するヘッドシール部111と、インジェクタ2の軸部に密接する軸シール部112と、これらヘッドシール部111と軸シール部112とを相互に接続する略円錐形の筒状の中間部114と、を有する。このような通常のシール部材の範疇に属する構成は、例えば特許文献1に示されている。
このようなシール部材110は、中間部114の弾性変形によって、ヘッドカバー104とインジェクタ2との相対的な位置ずれを吸収し、密閉性を維持することができる。ヘッドシール部111のシール面と軸シール部112とのシール面は、いずれも平面視において同心の円形であり、これらの共通の軸線C1は、インジェクタ2の軸部5の軸線とも一致している。
ところで、図3に示されるように、ヘッドカバー104の表面がインジェクタ2の軸部5と直交する構造において、ヘッドシール部111と軸シール部112との両シール面が平面視において同心の円形であるようなシール部材110を適用しようとすると、シール部材110がカム21,23や吸気弁・排気弁などのヘッドカバー内の他の部材と干渉するおそれがある。これを避けるためにはヘッドカバー104を大型化する必要があるため、車両搭載が不可能になったり、あるいはシリンダヘッド103の構造変更を招いてコストアップにつながるという問題点がある。
また、インジェクタ2の頭部6の近傍のシール部材110を、頭部6の断面形状に近い長円形などに構成すると、この部分の断面形状は小さくでき搭載性を改善できるが、シール部材110の弾力が周方向で不均一となり、密閉性および耐疲労性に悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで本発明の目的は、ヘッドカバーを大型化することなく、カムなどの他の部材との干渉を回避でき、且つ密閉性および耐疲労性の高いシール部材を提供することにある。
本発明のインジェクタ用シール部材は、ヘッドカバーの口縁部に密接するヘッドシール部と、インジェクタの軸部に密接する軸シール部と、これらヘッドシール部と軸シール部とを相互に接続する筒状の中間部と、を有し、エンジンのヘッドカバーに取り付けられるインジェクタ用シール部材であって、前記ヘッドシール部と前記軸シール部とのシール面がいずれも円形であり、且つヘッドシール部のシール面が、前記軸部に対し偏心していることを特徴とする。
本発明では、ヘッドシール部のシール面が、インジェクタの軸部に対して偏心しているので、このヘッドシール部をインジェクタの外形に適合した最小限のサイズに設計することにより、ヘッドカバーを大型化することなく、カムなどの他の部材との干渉を回避できる。また、ヘッドシール部と軸シール部とのシール面がいずれも円形であるため、長円形などの非円形である場合に比べて、高い密封性と耐疲労性とを得ることができる。
本発明の実施形態について、以下に図面に従って説明する。図1および図2において、本発明の第1実施形態に係るエンジン1は、インジェクタ2を有するディーゼル内燃機関であり、インジェクタ2は不図示の燃焼室の頂面に向けて設置される。エンジン1は、シリンダヘッド3およびその上面を覆うヘッドカバー4を有する。インジェクタ2は、燃料通路を有する軸部5と、軸部5よりも膨大した断面積を有する頭部6とを有する。軸部5は、ブッシュ9を介してシリンダヘッド3の固定孔7に挿入される。頭部6は、ヘッドカバー4の挿入孔8に挿入される。
インジェクタ2を組み付ける際にヘッドカバー4の内外を密閉するために、シール部材10が用いられる。シール部材10は、ゴムなどの弾性体からなり、ヘッドカバー4の挿入孔8の口縁部に密接するヘッドシール部11と、インジェクタ2の軸部5に密接する軸シール部12と、これらヘッドシール部11と軸シール部12とを相互に接続する筒状の中間部14と、を有する。
ヘッドシール部11の外周面15は、ヘッドカバー4との間のシール面であって、ヘッドカバー4の挿入孔8よりもわずかに大径であり、ヘッドシール部11は圧縮された状態で挿入孔8に嵌め込まれる。ヘッドシール部11は、その上端部近傍に外向きのリップ部11aを有する。
軸シール部12の内周面16は、軸部5との間のシール面であって、軸部5よりもわずかに小径であり、軸部5の挿入に伴って拡径させられる。軸シール部12には、その密閉性を促進するために、周知のガータスプリングを設けてもよい。
これらヘッドシール部11の外周面15、および軸シール部12の内周面16は、いずれも円形である。また、ヘッドシール部11の外周面15は、平面視すなわち軸部5の軸方向から見た場合において、軸部5に対し(かつ軸シール部12に対し)偏心している。すなわち、軸部5の軸線C1と、外周面15の軸線C2との間には、所定のずれ量Δ(Δ≠0)が存在する。これに対し、軸シール部12の内周面の軸線は、軸部5の軸線C1と一致している。したがって、中間部14は概ね斜円錐台形である。
インジェクタ2は、不図示の二叉形状の固定部材によって、肩部17を図中下向きに押え付けられて、シリンダヘッド3に固定されている。ヘッドカバー4の内部には、吸気側カム23を有するカムシャフト24、および排気側カム21を有するカムシャフト22が設置されている。吸気側カム23のカム頂点の軌跡は符号23a、排気側カム21のカム頂点の軌跡は符号21aで示されている。本実施形態のエンジン1はいわゆる直打式のDOHCエンジンであり、不図示の吸気弁および排気弁のステム部はそれぞれカムシャフト22,24の下方に配置されている。
以上のとおり構成された本実施形態では、ヘッドシール部11のシール面である外周面15が、インジェクタ2の軸部5に対して偏心しているので、このヘッドシール部11をインジェクタ2の外形に適合した最小限の径に設計することにより、ヘッドカバー4を大型化することなく、カムなどの他の部材との干渉を回避できる。
すなわち、従来のシール部材のようにヘッドシール部を軸部5と同軸にした場合には、シール部材の外周面は二点鎖線Aで示されるとおり外方に突出しなければならないところ、本実施形態におけるヘッドシール部11のシール面である外周面15は、これを従来に比べてインジェクタ2に近接した位置に配置することができ、しかもヘッドシール部11のシール面が円形であるため、これを長円形などの非円形とした場合に比べて、高い密封性と耐疲労性とを得ることができる。
また本実施形態では、カムシャフト間が狭くインジェクタ周囲のスペースが限定される直打型のディーゼルエンジンに本発明を適用したので、本発明の利点をとくに有効に利用することができる。しかしながら、本発明は他の形式のエンジンに適用することも可能であって、そのような適用も本発明の範疇に属するものである。
1,101 エンジン
2 インジェクタ
3,103 シリンダヘッド
4,104 ヘッドカバー
5 軸部
6 頭部
10,110 シール部材
11,111 ヘッドシール部
12,112 軸シール部
14 中間部
15 外周面
16 内周面
21 排気側カム
23 吸気側カム
C1,C2 軸線
2 インジェクタ
3,103 シリンダヘッド
4,104 ヘッドカバー
5 軸部
6 頭部
10,110 シール部材
11,111 ヘッドシール部
12,112 軸シール部
14 中間部
15 外周面
16 内周面
21 排気側カム
23 吸気側カム
C1,C2 軸線
Claims (1)
- ヘッドカバーの口縁部に密接するヘッドシール部と、インジェクタの軸部に密接する軸シール部と、これらヘッドシール部と軸シール部とを相互に接続する筒状の中間部と、を有し、エンジンのヘッドカバーに取り付けられるインジェクタ用シール部材であって、
前記ヘッドシール部と前記軸シール部とのシール面がいずれも円形であり、且つヘッドシール部のシール面が、前記軸部に対し偏心していることを特徴とするインジェクタ用シール部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006217057A JP2008038841A (ja) | 2006-08-09 | 2006-08-09 | インジェクタ用シール部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006217057A JP2008038841A (ja) | 2006-08-09 | 2006-08-09 | インジェクタ用シール部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008038841A true JP2008038841A (ja) | 2008-02-21 |
Family
ID=39174144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006217057A Pending JP2008038841A (ja) | 2006-08-09 | 2006-08-09 | インジェクタ用シール部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008038841A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE202008014950U1 (de) * | 2008-11-11 | 2010-04-01 | Mann+Hummel Gmbh | Zylinderkopfhaube für einen Zylinderkopf einer Brennkraftmaschine |
CN104632459A (zh) * | 2015-01-26 | 2015-05-20 | 陕西北方动力有限责任公司 | 一种直列四缸水冷柴油机气门室罩 |
-
2006
- 2006-08-09 JP JP2006217057A patent/JP2008038841A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE202008014950U1 (de) * | 2008-11-11 | 2010-04-01 | Mann+Hummel Gmbh | Zylinderkopfhaube für einen Zylinderkopf einer Brennkraftmaschine |
CN104632459A (zh) * | 2015-01-26 | 2015-05-20 | 陕西北方动力有限责任公司 | 一种直列四缸水冷柴油机气门室罩 |
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