JP2023135510A - 二酸化炭素および酸素の回収装置 - Google Patents

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健男 荒井
Takeo Arai
雅卓 大橋
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Abstract

【課題】二酸化炭素および酸素を含有する混合ガスから二酸化炭素を酸素と分離して回収することができる二酸化炭素および酸素の回収装置を提供する。【解決手段】酸素を還元するカソード10と、水を酸化するアノード12と、カソード10とアノード12との間に設置された二酸化炭素脱離膜14と、カソード10と二酸化炭素脱離膜14との間に設置されたイオン濃縮膜16と、カソード10とイオン濃縮膜16との間に存在する第1電解液18と、二酸化炭素脱離膜14とアノード12との間に存在する第2電解液20と、イオン濃縮膜16と二酸化炭素脱離膜14との間に存在する第3電解液22と、を有し、水酸化物イオンを利用して二酸化炭素および酸素を含有する混合ガス中の二酸化炭素を炭酸水素イオン等に変換して吸収し、炭酸水素イオン等をプロトンと反応させることによって二酸化炭素を脱離させる、二酸化炭素および酸素の回収装置1である。【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化炭素および酸素の回収装置に関する。
地球温暖化問題等に対する対策の一つとして、大気中等の二酸化炭素(CO)を分離、回収、貯留する技術が検討されている。
特許文献1には、ガス拡散電極であるカソードとアノードの間に、電解液と陰イオン交換膜とを有する二酸化炭素富化デバイスが記載されている。電解液は、陰イオン交換膜により区分けされ、炭酸、炭酸水素イオン、炭酸イオンの少なくとも一種の溶存無機炭素を含む。特許文献1のデバイスでは、カソードの酸素還元反応により二酸化炭素が電解液の溶媒に溶解して溶存無機炭素が生成し、陰イオン交換膜を介してアノードへ輸送され、アノードでの水の酸化反応により酸素が生成されるとともに、溶存無機炭素から二酸化炭素が生成する。
特許文献2には、溶融炭酸塩をしみ込ませた電解質板をカソードとアノードで挟んでなる濃縮器を用いる二酸化炭素の電気化学的分離法が記載されている。特許文献2の方法では、カソードに低濃度の二酸化炭素(CO)と酸素(O)を含む排ガスを供給し、電気化学反応により二酸化炭素を炭酸イオン(CO 2-)に変える。炭酸イオンを、電解質板を通してアノードに泳動させ、電気化学反応により二酸化炭素と酸素を生成させ、アノード出口ガスとして圧縮液化分離機に送り、圧縮液化分離機で二酸化炭素を分離させた後の酸素を気体のままカソード入口にリサイクルさせる。
特許文献3には、二酸化炭素を還元してイオン担体種を形成するカソードチャンバと、イオン担体種を酸化して二酸化炭素を形成するアノードチャンバからなり、カソードチャンバとアノードチャンバがイオン液体を備えた電解質膜で隔てられた、屋内雰囲気中の二酸化炭素濃度を調整するための電気化学デバイスが記載されている。特許文献3のデバイスでは、イオン担体種としてペルオキシジカーボネートアニオン、ホルメートアニオン、シュウ酸アニオン、およびそれらの混合物で構成される群から選択される。
非特許文献1には、白金(Pt)電極をカソード、ニッケル(Ni)電極をアノード、隔膜に陰イオン交換膜を用いたMembrane Electrode Assembly(MEA)型の電解セルを用いたCO:50%、O:50%の混合ガスからの酸素還元反応による二酸化炭素の回収方法が記載されている。
しかし、特許文献1,2および非特許文献1の方法では、アノードから二酸化炭素と酸素が同時に生成するため、別途、二酸化炭素と酸素の分離作業が必要となる。これは、アノード上で生成するプロトンを利用して溶存無機炭素から二酸化炭素を脱離させているためである。
特許文献3の方法においても、アノードから二酸化炭素と酸素が同時に生成するため、別途、分離作業が必要となる。これは、カソード上で生成したイオン担体種をアノード上で酸化することによって二酸化炭素を脱離させており、アノード上で水の酸化反応による酸素生成も同時に進行するためと推察される。
国際特許出願公開第2012/164913号パンフレット 特開平11-028331号公報 特開2018-144024号公報
J. Landon, et al., "Electrochemical concentration of carbon dioxide from an oxygen/carbon dioxide containing gas stream", J. Electrochem. Soc., Vol. 157 (2010), pp. B1149-B1153.
本発明の目的は、二酸化炭素および酸素を含有する混合ガスから二酸化炭素を酸素と分離して回収することができる二酸化炭素および酸素の回収装置を提供することにある。
本発明は、酸素を還元して水酸化物イオンを生成するカソードと、前記カソードから離間して設置された、水を酸化して酸素を生成するアノードと、前記カソードと前記アノードとの間に設置された二酸化炭素脱離膜と、前記カソードと前記二酸化炭素脱離膜との間に設置されたイオン濃縮膜と、前記イオン濃縮膜が前記カソードと前記二酸化炭素脱離膜との間に離間して設置されている場合に、前記カソードと前記イオン濃縮膜との間に存在する第1電解液と、前記二酸化炭素脱離膜が前記アノードと前記イオン濃縮膜との間に離間して設置されている場合に、前記二酸化炭素脱離膜と前記アノードとの間に存在する、または、前記二酸化炭素脱離膜が前記アノードと接触して設置されている場合に、前記アノードと接触するように存在する第2電解液と、前記イオン濃縮膜と前記二酸化炭素脱離膜との間に存在する第3電解液と、を有し、前記カソードで生成する前記水酸化物イオンを利用して、二酸化炭素および酸素を含有する混合ガス中の前記二酸化炭素を炭酸水素イオンまたは炭酸イオンに変換して吸収し、前記炭酸水素イオンまたは前記炭酸イオンを前記二酸化炭素脱離膜において生成したプロトンと反応させることによって二酸化炭素を脱離させる、二酸化炭素および酸素の回収装置である。
前記二酸化炭素および酸素の回収装置において、前記二酸化炭素脱離膜は、バイポーラ膜、または前記カソード側に陽イオン交換膜と前記アノード側に陰イオン交換膜とを配置した膜であることが好ましい。
前記二酸化炭素および酸素の回収装置において、前記第3電解液は、pH緩衝作用の低い液体であることが好ましい。
前記二酸化炭素および酸素の回収装置において、前記イオン濃縮膜は、陰イオン交換膜であることが好ましい。
前記二酸化炭素および酸素の回収装置において、前記イオン濃縮膜は、前記カソードと接触して設置されており、前記第1電解液を有さないことが好ましい。
前記二酸化炭素および酸素の回収装置において、前記イオン濃縮膜は、前記カソードと前記二酸化炭素脱離膜との間に離間して設置されており、前記カソードと接触して設けられた第2イオン濃縮膜をさらに有することが好ましい。
本発明により、二酸化炭素および酸素を含有する混合ガスから二酸化炭素を酸素と分離して回収することができる二酸化炭素および酸素の回収装置を提供することができる。
本実施形態に係る二酸化炭素および酸素の回収装置の一例の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る二酸化炭素および酸素の回収装置の他の例の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る二酸化炭素および酸素の回収装置の他の例の構成を示す概略図である。 本実施形態に係る二酸化炭素および酸素の回収装置の他の例の構成を示す概略図であり、(a)は、断面図であり、(b)は、外観図である。 実施例1,2、比較例1における、二酸化炭素脱離膜からの二酸化炭素ガスの生成量を示すグラフである。 実施例1,2、比較例1における、二酸化炭素脱離膜からの二酸化炭素ガス生成の電流効率を示すグラフである。 実施例3,4において、第1電解液を変更した場合のカソードにおける二酸化炭素ガス吸収挙動の比較を示すグラフである。 実施例3,5において、カソード直前にガラスフィルターを設置した場合のカソードにおける二酸化炭素ガス吸収挙動の比較を示すグラフである。 実施例3,6において、カソード直前に陰イオン交換膜を設置した場合のカソードにおける二酸化炭素ガス吸収挙動の比較を示すグラフである。 実施例3,7において、カソードに陰イオン交換樹脂を修飾した場合のカソードにおける二酸化炭素ガス吸収挙動の比較を示すグラフである。 実施例3,8において、第1電解液を除去し、カソードの電極面積を3倍にした場合のカソードにおける二酸化炭素ガス吸収挙動の比較を示すグラフである。 実施例3,6,8において、各電流値における印加電圧の変化を示すグラフである。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る二酸化炭素および酸素の回収装置の一例の概略構成を図1に示し、その構成について説明する。
図1に示す二酸化炭素および酸素の回収装置1は、酸素を還元して水酸化物イオンを生成するカソード10と、カソード10から離間して設置された、水を酸化して酸素を生成するアノード12と、カソード10とアノード12との間に、カソード10とアノード12とから離間して設置された二酸化炭素脱離膜14と、カソード10と二酸化炭素脱離膜14との間に、カソード10と二酸化炭素脱離膜14とから離間して設置されたイオン濃縮膜16と、カソード10とイオン濃縮膜16との間に存在する第1電解液18と、二酸化炭素脱離膜14とアノード12との間に存在する第2電解液20と、イオン濃縮膜16と二酸化炭素脱離膜14との間に存在する第3電解液22と、を有し、カソード10で生成する水酸化物イオンを利用して、二酸化炭素および酸素を含有する混合ガス中の二酸化炭素を炭酸水素イオンまたは炭酸イオンに変換して吸収し、炭酸水素イオンまたは炭酸イオンを二酸化炭素脱離膜14において生成したプロトンと反応させることによって二酸化炭素を脱離させる装置である。
二酸化炭素および酸素の回収装置1において、電解槽26にカソード10とアノード12とが、離間して設置されている。カソード10とアノード12とは、二酸化炭素脱離膜14により仕切られている。カソード10と二酸化炭素脱離膜14とは、イオン濃縮膜16により仕切られている。カソード10とイオン濃縮膜16との間には、第1電解液18が存在し、カソード10の一方の面の少なくとも一部、およびイオン濃縮膜16の一方の面の少なくとも一部が、第1電解液18と接している。アノード12と二酸化炭素脱離膜14との間には、第2電解液20が存在し、アノード12の一方の面の少なくとも一部、および二酸化炭素脱離膜14の一方の面の少なくとも一部が、第2電解液20と接している。イオン濃縮膜16と二酸化炭素脱離膜14との間には、第3電解液22が存在し、イオン濃縮膜16の他方の面の少なくとも一部、および二酸化炭素脱離膜14の他方の面の少なくとも一部が、第3電解液22と接している。カソード10の他方の面側には、例えば、混合ガス供給配管28およびガス放出配管30が接続され、混合ガス供給配管28を通して混合ガスが供給できるようになっており、ガス放出配管30を通して余剰のガスが排出できるようになっている。なお、カソード10の他方の面(第1電解液18との接触面と反対側の面)に回収対象の混合ガスが接触するようにすればよく、混合ガス供給配管28およびガス放出配管30を用いずに、カソード10の他方の面側を例えば開放系(例えば、カソード10の他方の面側のセル壁面が開放されている状態)としてもよい。電解槽26における第3電解液22の上方には、例えば、二酸化炭素放出配管32が接続され、二酸化炭素が放出できるようになっており、第2電解液20の上方には、例えば、酸素放出配管34が接続され、酸素が放出できるようになっている。カソード10とアノード12との間には、電源24によって電圧が印加されるようになっている。
本実施形態に係る二酸化炭素および酸素の回収方法および二酸化炭素および酸素の回収装置1の動作について説明する。
カソード10-アノード12間に電源24によって電圧が印加されて、カソード10において、酸素(O)が還元されて水酸化物イオン(OH)が生成され、アノード12において、水(HO)が酸化されて酸素(O)が生成される(下記式(1))。カソード10側には、例えば混合ガス供給配管28を通して二酸化炭素(CO)および酸素(O)を含有する混合ガスが供給され、水酸化物イオン(OH)を含む第1電解液18において、二酸化炭素(CO)と水酸化物イオン(OH)の反応によって二酸化炭素(CO)が炭酸水素イオン(HCO )または炭酸イオン(CO 2-)として第1電解液18中に回収される。余剰のガスは、例えばガス放出配管30を通して放出される。炭酸水素イオン(HCO )は、イオン濃縮膜16を透過し、バイポーラ膜等の二酸化炭素脱離膜14上に移動し、二酸化炭素脱離膜14上で水(HO)の解離によって生じたプロトン(H)と反応することによって二酸化炭素(CO)が脱離する(下記式(2))。生成した二酸化炭素(CO)は、例えば、二酸化炭素放出配管32を通して排出される。アノード12で生成した酸素(O)は、例えば、酸素放出配管34を通して排出される。
2HO → O + 4H + 4e・・・(1)
HCO + H → CO + HO ・・・(2)
本実施形態に係る二酸化炭素および酸素の回収装置では、カソード10における酸素還元反応によって生じる水酸化物イオンを利用して、二酸化炭素を炭酸水素イオンまたは炭酸イオンに変換して吸収する。電場によって炭酸水素イオンまたは炭酸イオンは二酸化炭素脱離膜14上に移動し、バイポーラ膜等の二酸化炭素脱離膜14上で水の解離によって生じたプロトンと反応することによって二酸化炭素が脱離する。陰イオンである炭酸水素イオンまたは炭酸イオンは、電解反応中にアノード12寄りに移動するが、二酸化炭素脱離膜14での水の電離によって生成したプロトンと反応して二酸化炭素ガスに戻り、系外に放出される。アノード12では水の酸化反応により酸素が発生し、系外に放出される。これにより、酸素と二酸化炭素をともにカソード10から取込み、二酸化炭素脱離膜14において二酸化炭素を、アノード12において酸素を分離、放出する。これにより、見かけ上、二酸化炭素および酸素を含有する混合ガスから酸素と二酸化炭素を吸収し、それらを分離して放出する効果が得られる。
このように、酸素還元反応と二酸化炭素脱離膜を利用した電解反応によって、二酸化炭素および酸素の回収、分離を行うことができる。二酸化炭素脱離膜において生成するプロトンを利用するため、アノード上での酸素生成反応との分離が可能となる。
二酸化炭素の分離、回収の観点から、有機物の燃焼では空気よりも酸素を供給する方が不純物ガスの低減に繋がり、酸素の重要性は今後高まっていくと考えられる。また、二酸化炭素の分離、回収技術は、宇宙空間等の閉鎖空間における生命維持に重要な役割を果たしており、生命維持の観点でも二酸化炭素の分離および酸素の再利用は必要な技術である。その点において、本実施形態に係る二酸化炭素および酸素の回収装置は、吸収した二酸化炭素と酸素を分離して放出することを可能としている。
回収対象の二酸化炭素および酸素を含有する混合ガスは、例えば、二酸化炭素および酸素を含有する空気等である。
カソード10は、酸素を還元して水酸化物イオンを生成することができる電極であればよく、特に制限はない。カソード10は、例えば、酸素還元触媒、または酸素還元触媒を担持した導電性担体である。カソード10の酸素還元触媒としては、例えば、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Ag)等の金属、鉄(Fe)やコバルト(Co)等を中心金属として有する金属ポルフィリンおよび金属フタロシアニン等の金属錯体等が挙げられる。これらのうち、反応過電圧等の点から、白金(Pt)触媒が好ましい。カソード10の担体は、多孔質構造を有し、裏面に撥水処理を施すことによって気体と直接接触が可能な構成であることが好ましく、触媒自体が導電性を有する場合は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルター等が担体として好ましく、触媒自体の導電性が低い場合は、カーボンペーパー等の導電性多孔質体が担体として好ましい。
カソード10は、第1電解液18に両面を浸漬してもよいが、その場合、二酸化炭素および酸素を含有する混合ガスは、第1電解液18の液中に吹き込めばよい。
アノード12は、水を酸化して酸素を生成することができる電極であればよく、特に制限はない。アノード12は、例えば、水の酸化触媒、または水の酸化触媒を担持した導電性担体である。アノード12としては、例えば、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、イリジウム等を含む金属や化合物の平板、多孔質体等が挙げられる。これらのうち、バイポーラ膜に化学的バイアスを印加することを目的として第2電解液20に水酸化カリウム水溶液等の強アルカリ性溶液を用いる場合、反応過電圧等の点から、SUS316やSUS316L等の鉄とニッケルを含有する金属多孔質体が好ましい。
アノード12は、電解液抵抗の低減のため二酸化炭素脱離膜14に直接接触していてもよい。この場合は、アノード12は、第2電解液20に両面を浸漬する、または、アノード12の二酸化炭素脱離膜14との接触面と反対側の面を第2電解液20に接触させてもよい。
二酸化炭素脱離膜14は、水の解離によってプロトンを生じさせることができる膜であればよく、特に制限はないが、例えば、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを張り合わせた構造を有するバイポーラ膜の他に、カソード10側に陽イオン交換膜とアノード12側に陰イオン交換膜を配置した膜、陽イオン交換膜等が挙げられる。これらのうち、電解液との組み合わせや抵抗値等の点から、バイポーラ膜が好ましい。
イオン濃縮膜16は、炭酸水素イオン(HCO )または炭酸イオン(CO 2-)を濃縮することができる膜であればよく、特に制限はないが、例えば、陰イオン交換膜や、ガラス、紙、セルロース、ナイロン等のメンブレンフィルター、ゲル膜等が挙げられる。これらのうち、イオン選択性等の点から、陰イオン交換膜が好ましい。
第1電解液18、第3電解液22としては、硫酸カリウム水溶液、アルカリ金属元素と水酸化物イオン(OH)、炭酸水素イオン(HCO )、硫酸水素イオン(HSO )、チオ硫酸イオン(S 2-)、炭酸イオン(CO 2-)、塩化物イオン(Cl)等の陰イオンとを含む水溶液、またはエチレングリコール等の有機溶媒等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。第2電解液20としては、硫酸カリウム水溶液、アルカリ金属元素と水酸化物イオン(OH)、炭酸水素イオン(HCO )、硫酸水素イオン(HSO )、チオ硫酸イオン(S 2-)、炭酸イオン(CO 2-)、塩化物イオン(Cl)や、ホウ酸イオン(BO 3-)等のホウ酸系イオン、リン酸イオン(PO 3-)等のリン酸系イオン等の陰イオンとを含む水溶液等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。アノード12として酸化イリジウムを用いた場合は、第2電解液20は、電解質を含まない純水や純水の水蒸気であってもよい。
第1電解液18、第3電解液22としては、pH緩衝効果の低い電解液を用いることが好ましい。pH緩衝効果の低い電解液を使用した方が、電極近傍のpHが上昇しやすく、電極を透過した二酸化炭素の吸収効率が向上する。
pH緩衝作用の低い液体とは、電離度が1に近い酸と塩基からなる電解質を含む液体またはイオン液体である。電離度が1に近い酸と塩基からなる電解質とは、例えばカチオンとしてアルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオン、アニオンとして硫酸イオン、硝酸イオンまたはハロゲン化物イオンを含むものである。pH緩衝作用の低い液体としては、カチオンとしてアルカリ金属イオン、アニオンとして硫酸イオンを含むものが好ましい。
二酸化炭素および酸素の回収装置において、例えば、カソード10は、PTFEフィルター上に白金を修飾した電極であり、アノード12は、SUS316Lの金属多孔質体であり、二酸化炭素脱離膜14は、バイポーラ膜であり、イオン濃縮膜16は、陰イオン交換膜であり、第1電解液を用いずにカソード10とイオン濃縮膜16とを直接接合し、第2電解液20は、アルカリ水溶液(pH>7)であり、第3電解液22は、硫酸イオンを含む水溶液である。
イオン濃縮膜16が陰イオン交換膜の場合、第1電解液18は、炭酸水素イオンや炭酸イオンを含む水溶液を用いることが好ましく、または、第1電解液を用いずにカソード10と陰イオン交換膜とを直接接合することが好ましい。この場合、第3電解液22は、pH緩衝作用の低い液体であることが好ましい。
イオン濃縮膜16がフィルターの場合、第1電解液18と第3電解液22は、pH緩衝作用の低い液体であることが好ましい。
二酸化炭素脱離膜14としては、陽イオン交換膜を用いることもできる。その場合、第2電解液20は、純水であることが好ましく、アノード12は、酸化イリジウム触媒を用いたものが好ましい。この場合、電解液の抵抗の低減のため、アノード12と二酸化炭素脱離膜14とが直接接触していてもよい。
イオン濃縮膜16に加えて、同様のイオン濃縮膜として第2イオン濃縮膜をカソード10と接触して設けてもよい。図2に、このような構成を有する二酸化炭素および酸素の回収装置の例の概略構成を示す。
二酸化炭素および酸素の回収装置2は、図1の二酸化炭素および酸素の回収装置1の構成に加えて、カソード10と接触して設置された第2イオン濃縮膜36をさらに有する。
二酸化炭素および酸素の回収装置2において、第2イオン濃縮膜36の一方の面の少なくとも一部が、第1電解液18と接しており、第2イオン濃縮膜36の他方の面が、カソード10の一方の面に接触して設置されている。
これらのような構成によって、二酸化炭素の吸収量を増加させることができる。
第2イオン濃縮膜をカソード10と接触して設ける構成としては、図2に示すように、カソードと接触して第2イオン濃縮膜を設置してもよいし、カソードの一方の面の上に第2イオン濃縮膜として陰イオン交換樹脂等を修飾して形成してもよい。
第1電解液18を用いずに、イオン濃縮膜16をカソード10と接触して設置してもよい。図3に、このような構成を有する二酸化炭素および酸素の回収装置の例の概略構成を示す。
二酸化炭素および酸素の回収装置3は、酸素を還元して水酸化物イオンを生成するカソード10と、カソード10から離間して設置された、水を酸化して酸素を生成するアノード12と、カソード10とアノード12との間に離間して設置された二酸化炭素脱離膜14と、カソード10と二酸化炭素脱離膜14との間にカソード10と接触して設置されたイオン濃縮膜16と、二酸化炭素脱離膜14とアノード12との間に存在する第2電解液20と、イオン濃縮膜16と二酸化炭素脱離膜14との間に存在する第3電解液22と、を有する。
二酸化炭素および酸素の回収装置3において、電解槽26にカソード10とアノード12とが、離間して設置されている。カソード10とアノード12とは、二酸化炭素脱離膜14により仕切られている。カソード10と二酸化炭素脱離膜14とは、イオン濃縮膜16により仕切られている。カソード10の一方の面の少なくとも一部とイオン濃縮膜16の一方の面の少なくとも一部とが接しており、図1の二酸化炭素および酸素の回収装置1のような第1電解液18は、用いられていない。アノード12と二酸化炭素脱離膜14との間には、第2電解液20が存在し、アノード12の一方の面の少なくとも一部、および二酸化炭素脱離膜14の一方の面の少なくとも一部が、第2電解液20と接している。イオン濃縮膜16と二酸化炭素脱離膜14との間には、第3電解液22が存在し、イオン濃縮膜16の他方の面の少なくとも一部、および二酸化炭素脱離膜14の他方の面の少なくとも一部が、第3電解液22と接している。カソード10の他方の面側には、例えば、混合ガス供給配管28およびガス放出配管30が接続され、混合ガス供給配管28を通して混合ガスが供給できるようになっており、ガス放出配管30を通して余剰のガスが排出できるようになっている。なお、カソード10の他方の面(第1電解液18との接触面と反対側の面)に回収対象の混合ガスが接触するようにすればよく、混合ガス供給配管28およびガス放出配管30を用いずに、カソード10の他方の面側を例えば開放系(例えば、カソード10の他方の面側のセル壁面が開放されている状態)としてもよい。電解槽26における第3電解液22の上方には、例えば、二酸化炭素放出配管32が接続され、二酸化炭素が放出できるようになっており、第2電解液20の上方には、例えば、酸素放出配管34が接続され、酸素が放出できるようになっている。カソード10とアノード12との間には、電源24によって電圧が印加されるようになっている。
これらのような構成によって、二酸化炭素の吸収量を増加させることができる。
図1~図3に示すような、電解槽にカソード、アノード、二酸化炭素脱離膜、イオン濃縮膜を設置して、電解液を用いるセル形態の他に、図4に示すような円筒形状等の筒形状のカソード、アノード、二酸化炭素脱離膜、イオン濃縮膜を設置して、電解液を用いるセル形態も実施形態の一例として挙げられる。図4(a)は、円筒形状のセルの中心軸に対して垂直方向の断面図であり、図4(b)は、外観図である。
図4に示す二酸化炭素および酸素の回収装置4は、酸素を還元して水酸化物イオンを生成する例えば円筒形状のカソード10と、カソード10から離間して設置された、水を酸化して酸素を生成する例えば円筒形状のアノード12と、カソード10とアノード12との間に設置された例えば円筒形状の二酸化炭素脱離膜14と、カソード10と二酸化炭素脱離膜14との間に設置された例えば円筒形状のイオン濃縮膜16と、カソード10とイオン濃縮膜16との間に存在する第1電解液18と、二酸化炭素脱離膜14とアノード12との間に存在する第2電解液20と、イオン濃縮膜16と二酸化炭素脱離膜14との間に存在する第3電解液22と、を有する。
二酸化炭素および酸素の回収装置4において、円筒形状のカソード10の内周側に円筒形状のアノード12が、離間して設置されている。カソード10とアノード12とは、円筒形状の二酸化炭素脱離膜14により仕切られている。カソード10と二酸化炭素脱離膜14とは、円筒形状のイオン濃縮膜16により仕切られている。カソード10とイオン濃縮膜16との間には、第1電解液18が存在し、カソード10の一方の面の少なくとも一部、およびイオン濃縮膜16の一方の面の少なくとも一部が、第1電解液18と接している。アノード12と二酸化炭素脱離膜14との間には、第2電解液20が存在し、アノード12の一方の面の少なくとも一部、および二酸化炭素脱離膜14の一方の面の少なくとも一部が、第2電解液20と接している。イオン濃縮膜16と二酸化炭素脱離膜14との間には、第3電解液22が存在し、イオン濃縮膜16の他方の面の少なくとも一部、および二酸化炭素脱離膜14の他方の面の少なくとも一部が、第3電解液22と接している。カソード10の他方の面側には、混合ガスが供給できるようになっている。第3電解液22から二酸化炭素が放出できるようになっており、第2電解液から酸素が放出できるようになっている。カソード10とアノード12との間には、電源によって電圧が印加されるようになっている。
図4に示すような円筒形状等の筒形状の二酸化炭素および酸素の回収装置4の構成は、図1~図3のいずれのセル構成に対しても適用することができる。図4に示すような構成によって、二酸化炭素や酸素の回収面積の大きなセルを構築することができる。また、図4に示すような構成を複数本設置して並列に接続することによって、広い回収面積を小さいサイズの装置で実現可能となる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[カソード(Pt/PTFE電極)の作製]
カソードとして用いるPt/PTFE電極は、担体となる疎水性PTFEメンブレン上に白金(Pt)をRFマグネトロンスパッタリング法で成膜して作製した。可動マスク機構付スパッタ装置(キヤノントッキ、SPK-404L)内で、Arガス流量50sccm、圧力0.5Paの条件において、出力電力200WでPtターゲットを放電し、担体上に約200nmの厚みでPtを成膜した。
[二酸化炭素および酸素の回収装置の構築]
電解セルとしては、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)製の二極型セルを使用し、二酸化炭素脱離膜としては、バイポーラ膜を用いた。カソードとしては、Pt/PTFE電極、アノードとしては、ステンレス(SUS316L)の金属多孔質体を用いた。他の詳細は実施例に表記する。
[炭酸水素イオンからの二酸化炭素の脱離]
炭酸水素イオンからの二酸化炭素の脱離に関して、イオン濃縮膜の有無、第3電解液として硫酸イオンを添加した場合の二酸化炭素の生成量と電流効率を比較した。電圧は、電気化学測定システム(BioLogic、SP-150)を用いて、電解セルにアノードを基準としてカソードに-2.5Vの電圧を印加した。二酸化炭素脱離膜(バイポーラ膜)から生成する二酸化炭素ガスはArガスをキャリアガスとして用いて回収し、ガスクロマトグラフ(SRI Instruments、マルチガスアナライザー#5)で定量した。電流効率は、下記の反応式から、1電子あたり1分子の二酸化炭素が生成する場合を100%とした。
2HO → O + 4H + 4e
HCO + H → CO + H
<実施例1>
第1電解液および第3電解液として0.5mol/Lの炭酸水素カリウム水溶液、第2電解液として、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いた。イオン濃縮膜として、陰イオン交換膜(アストム製、ASE)を用いた。カソードには、Arガスを流通させた。
<実施例2>
第1電解液として、0.5mol/Lの炭酸水素カリウム水溶液、第2電解液として、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液、第3電解液として、0.5mol/Lの炭酸水素カリウム水溶液と0.5mol/Lの硫酸カリウム水溶液とを体積比1:4で混合した溶液を用いた。イオン濃縮膜として、陰イオン交換膜(アストム、ASE)を用いた。カソードには、Arガスを流通させた。
<比較例1>
第1電解液および第3電解液として、0.5mol/Lの炭酸水素カリウム水溶液、第2電解液として、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いた。イオン濃縮膜は除去した。カソードには、Arガスを流通させた。
(評価結果)
実施例1、実施例2および比較例1において、電圧印加のときに二酸化炭素脱離膜上で生成した二酸化炭素ガス量を図5に、二酸化炭素の生成の電流効率を図6に示す。イオン濃縮膜として陰イオン交換膜を使用した実施例1,2では、イオン濃縮膜を用いない比較例1と比較して二酸化炭素の生成量が増加した。二酸化炭素生成の電流効率も、比較例1では効率の最大値が約50%であるのに対して、実施例1,2では80~90%まで増加した。実施例2において第3電解液に含まれる炭酸水素イオンの量が100μmolであるのにもかかわらず、生成した二酸化炭素ガスの総量は338μmolであった。これは第1電解液の炭酸水素イオンが陰イオン交換膜を通して第3電解液に供給されるためであると考えられる。
[酸素還元反応による二酸化炭素の吸収]
酸素還元反応による二酸化炭素の吸収に関して、第1電解液を変更した場合、カソード直前にもイオン濃縮膜を設置した場合、カソード面積を3倍にして第1電解液を用いない構成に変更した場合の二酸化炭素の生成量を比較した。電気化学測定システム(BioLogic、SP-150)を用い、20分毎に電流値を変化させながら定電流電解(0→1→2→4→8mA)を行った。カソード背面にAr 3mL/min、O 2mL/min、Ar(CO 1%)5mL/minを混合したガスを流通させ、カソード出口において電解中の二酸化炭素の濃度の変化を測定した。二酸化炭素の濃度の測定には、ハンディタイプCO計(VAISALA、GM70)を用いた。
<実施例3>
第1電解液および第3電解液として、0.5mol/Lの硫酸カリウム水溶液、第2電解液として、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いた。イオン濃縮膜として、ガラスフィルターを用いた。
<実施例4>
第1電解液および第3電解液として、0.5mol/Lの炭酸水素カリウム水溶液、第2電解液として、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いた。イオン濃縮膜として、ガラスフィルターを用いた。
<実施例5>
第1電解液および第3電解液として、0.5mol/Lの硫酸カリウム水溶液、第2電解液として、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いた。イオン濃縮膜として、ガラスフィルターを用いた。図2に示すようにカソードの直前にも第2イオン濃縮膜としてガラスフィルターを用いた。
<実施例6>
第1電解液および第3電解液として、0.5mol/Lの硫酸カリウム水溶液、第2電解液として、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いた。イオン濃縮膜として、ガラスフィルターを用いた。図2に示すようにカソードの直前にも第2イオン濃縮膜として陰イオン交換膜を用いた。
<実施例7>
第1電解液および第3電解液として、0.5mol/Lの硫酸カリウム水溶液、第2電解液として、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いた。イオン濃縮膜として、ガラスフィルターを用いた。カソードとして、カソードの第1電解液側の面に陰イオン交換樹脂(Sustainion XA-9)を修飾して第2イオン濃縮膜を形成したものを用いた。
<実施例8>
イオン濃縮膜として、陰イオン交換膜を用い、図3に示すようにカソードと直接接触させた。第1電解液を除去し、第2電解液として、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液、第3電解液として、0.5mol/Lの硫酸カリウム水溶液を用いた。カソード面積は、実施例1~7の3倍とした。
(評価結果)
定電流電解において、第1電解液として硫酸カリウム水溶液を用いた実施例3では、二酸化炭素の濃度が1mAで480ppm、8mAで1480ppm低下したのに対して、第1電解液として炭酸水素カリウム水溶液を用いた実施例4では、1mAで130ppm、8mAで350ppm低下した(図7参照)。これは、第1電解液が炭酸水素カリウムのようなpH緩衝作用のある電解液の場合、カソード上の酸素還元反応によって局所的に生じる水酸化物イオンが緩衝作用により中和されるためと考えられる。また、水酸化物イオンと二酸化炭素ガスとが反応して生成するイオンも炭酸水素イオンであるため、多量に炭酸水素イオンが存在する溶液中では平衡的に反応が進行しにくいと考えられる。緩衝作用がほとんどない硫酸カリウム水溶液では、カソード近傍で生成した水酸化物イオンが維持されるため、カソード背面の二酸化炭素ガスと反応して炭酸水素イオンを生成しやすく、二酸化炭素の吸収量が増加していると考えられる。
カソード近傍に第2イオン濃縮膜としてガラスフィルターを設置した実施例5では、二酸化炭素の濃度が1mAで550ppm、8mAで2120ppm低下し、実施例3と比べて二酸化炭素の吸収量が増大した(図8参照)。これは、ガラスフィルターを設置することによって、カソード上で生成した水酸化物イオンの拡散が抑制され、二酸化炭素ガスとの反応が促進されたためと考えられる。
カソード近傍に第2イオン濃縮膜として陰イオン交換膜を設置した実施例6では、二酸化炭素の濃度が1mAで520ppm、8mAで2270ppm低下し、実施例3と比べて8mAにおける二酸化炭素の吸収量が増大した(図9参照)。これは、第2イオン濃縮膜として陰イオン交換膜を設置することによって、カソード上で生成した水酸化物イオンの拡散が抑制され、二酸化炭素ガスとの反応が促進されたためと考えられる。
カソードに第2イオン濃縮膜として陰イオン交換樹脂を直接修飾した実施例7でも、未修飾の実施例3と比較して8mAにおける二酸化炭素の吸収量は増加しており、カソード表面に第2イオン濃縮膜を直接修飾しても同様の効果が得られることが確認された(図10参照)。
カソード近傍にイオン濃縮膜として陰イオン交換膜を設置して第1電解液を除去し、電極面積を増加した構成の実施例8では、二酸化炭素の濃度が1mAで460ppm、8mAで2620ppm低下し、実施例3と比べて8mAにおける二酸化炭素の吸収量が増大した(図11参照)。また、第1電解液を用いた実施例6と比較して、各電流値における印加電圧が低下しており(図12参照)、実施例3とほぼ同じ印加電圧で多くの二酸化炭素の吸収が可能な構成となっている。これは、第1電解液を除去したことによって、その分の電解液の抵抗が低下したことと、電極面積の増加により電流密度が低下したことが要因と考えられる。印加電圧の低減は二酸化炭素および酸素の回収装置の消費電力の低減に繋がる。
このように、実施例の二酸化炭素および酸素の回収装置によって、二酸化炭素および酸素を含有する混合ガスから二酸化炭素を酸素と分離して回収することができた。
1 二酸化炭素および酸素の回収装置、10 カソード、12 アノード、14 二酸化炭素脱離膜、16 イオン濃縮膜、18 第1電解液、20 第2電解液、22 第3電解液、24 電源、26 電解槽、28 混合ガス供給配管、30 ガス放出配管、32 二酸化炭素放出配管、34 酸素放出配管、36 第2イオン濃縮膜。

Claims (6)

  1. 酸素を還元して水酸化物イオンを生成するカソードと、
    前記カソードから離間して設置された、水を酸化して酸素を生成するアノードと、
    前記カソードと前記アノードとの間に設置された二酸化炭素脱離膜と、
    前記カソードと前記二酸化炭素脱離膜との間に設置されたイオン濃縮膜と、
    前記イオン濃縮膜が前記カソードと前記二酸化炭素脱離膜との間に離間して設置されている場合に、前記カソードと前記イオン濃縮膜との間に存在する第1電解液と、
    前記二酸化炭素脱離膜が前記アノードと前記イオン濃縮膜との間に離間して設置されている場合に、前記二酸化炭素脱離膜と前記アノードとの間に存在する、または、前記二酸化炭素脱離膜が前記アノードと接触して設置されている場合に、前記アノードと接触するように存在する第2電解液と、
    前記イオン濃縮膜と前記二酸化炭素脱離膜との間に存在する第3電解液と、
    を有し、
    前記カソードで生成する前記水酸化物イオンを利用して、二酸化炭素および酸素を含有する混合ガス中の前記二酸化炭素を炭酸水素イオンまたは炭酸イオンに変換して吸収し、前記炭酸水素イオンまたは前記炭酸イオンを前記二酸化炭素脱離膜において生成したプロトンと反応させることによって二酸化炭素を脱離させることを特徴とする二酸化炭素および酸素の回収装置。
  2. 請求項1に記載の二酸化炭素および酸素の回収装置であって、
    前記二酸化炭素脱離膜は、バイポーラ膜、または前記カソード側に陽イオン交換膜と前記アノード側に陰イオン交換膜とを配置した膜であることを特徴とする二酸化炭素および酸素の回収装置。
  3. 請求項1または2に記載の二酸化炭素および酸素の回収装置であって、
    前記第3電解液は、pH緩衝作用の低い液体であることを特徴とする二酸化炭素および酸素の回収装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の二酸化炭素および酸素の回収装置であって、
    前記イオン濃縮膜は、陰イオン交換膜であることを特徴とする二酸化炭素および酸素の回収装置。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の二酸化炭素および酸素の回収装置であって、
    前記イオン濃縮膜は、前記カソードと接触して設置されており、
    前記第1電解液を有さないことを特徴とする二酸化炭素および酸素の回収装置。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載の二酸化炭素および酸素の回収装置であって、
    前記イオン濃縮膜は、前記カソードと前記二酸化炭素脱離膜との間に離間して設置されており、
    前記カソードと接触して設けられた第2イオン濃縮膜をさらに有することを特徴とする二酸化炭素および酸素の回収装置。
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