JP2023135456A - 積層セラミックコンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的強度が向上し、厚みが薄くなっても内部にクラックが発生することを抑制できるLW逆転タイプの積層セラミックコンデンサを提供することができる。【解決手段】積層セラミックコンデンサ1であって、積層体10が、幅方向の寸法w>長さ方向の寸法l>高さ方向の寸法tの寸法関係にあり、内部電極層30の第1の引き出し部31Bおよび第2の引き出し部32Bにおける、第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にそれぞれ露出する部分である側面露出部33の長さ方向Lの寸法e1が、積層体10の長さ方向Lの寸法に対して10%以上44%以下であり、外部電極40の長さ方向Lの長さe2が、積層体10の長さ方向Lの寸法に対して17%以上48%以下である。【選択図】図8

Description

本発明は、積層セラミックコンデンサに関する。
従来、複数の誘電体層および複数の内部電極層が交互に積層された多層構造の積層体に外部電極が設けられた積層セラミックコンデンサが知られている。一般的な積層セラミックコンデンサは、幅方向Wの寸法よりも長さ方向Lの寸法が長い略直方体形状の積層体を有し、この積層体の長さ方向Lの両端部のそれぞれに、外部電極が設けられている。一方、ESLを低減するために、積層体の長さ方向Lの寸法と幅方向Wの寸法の大小関係を逆転させた、所謂LW逆転タイプの積層セラミックコンデンサも知られている(特許文献1および特許文献2を参照)。
さらに近年では、基板の実装密度が高密度化するにつれて、積層セラミックコンデンサの実装面積が減少している。そこで、PoP(Package on Package)の実装形態が採用され、基板の下端部にLSC(Land side Capacitor)タイプで実装される積層セラミックコンデンサの需要が増大している。このようなLSCタイプで実装される積層セラミックコンデンサとしては、低背化された高さ方向の厚みの薄い積層セラミックコンデンサが求められる。
特開2020-57753号公報 特開2020-61524号公報
しかしながら、例えば150μm以下といったように厚みが薄くなるにつれて、積層セラミックコンデンサは強度が低下し、外力が加わった際に内部にクラックが生じる場合がある。
そこで本発明は、機械的強度を向上させることができ、これによって厚みが薄くなっても内部にクラックが発生することを抑制できるLW逆転タイプの積層セラミックコンデンサを提供することを目的とする。
本発明の積層セラミックコンデンサは、高さ方向に交互に積層された複数の誘電体層および複数の内部電極層を含むとともに、前記高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、前記高さ方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、前記高さ方向および前記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、を有する積層体と、前記積層体の長さ方向両端部のそれぞれに、互いに離間して配置された一対の外部電極と、を備え、前記内部電極層は、前記第1の端面に引き出される第1の内部電極層と、前記第2の端面に引き出される第2の内部電極層と、を含み、前記外部電極は、前記第1の内部電極層に接続され、前記第1の端面上、および、前記第1の主面上の一部および前記第2の主面上の一部のうちの少なくとも一方、に配置される第1の外部電極と、前記第2の内部電極層に接続され、前記第2の端面上、および、前記第1の主面上の一部および前記第2の主面上の一部のうちの少なくとも一方、に配置される第2の外部電極と、を有する、積層セラミックコンデンサであって、前記積層体の前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ前記長さ方向の長さをl、前記第1の側面と前記第2の側面とを結ぶ前記幅方向の長さをw、前記第1の主面と前記第2の主面とを結ぶ前記高さ方向の長さをtとしたとき、w>l>tの寸法関係にあり、前記第1の内部電極層は、前記積層体の内部に位置し、前記第2の内部電極層と対向する第1の対向電極部と、前記第1の対向電極部よりも幅方向寸法が大きく、前記第1の端面、前記第1の側面の一部、および前記第2の側面の一部、に露出するように配置される第1の引き出し部と、を有し、前記第2の内部電極層は、前記積層体の内部に位置し、前記第1の内部電極層と対向する第2の対向電極部と、前記第2の対向電極部よりも幅方向寸法が大きく、前記第2の端面、前記第1の側面の一部、および前記第2の側面の一部、に露出するように配置される第2の引き出し部と、を有し、前記第1の引き出し部および前記第2の引き出し部における、前記第1の側面の一部および前記第2の側面の一部にそれぞれ露出する部分である側面露出部の前記長さ方向の寸法をe1としたとき、当該e1は、前記積層体の前記長さ方向の寸法に対して10%以上44%以下であり、前記第1の主面上の一部および前記第2の主面上の一部のうちの少なくとも一方に配置される前記第1の外部電極における、前記第2の端面側の先端から前記第1の端面側の端部までの長さ方向の長さ、および、前記第1の主面上の一部および前記第2の主面上の一部のうちの少なくとも一方に配置される前記第2の外部電極における、前記第1の端面側の先端から前記第2の端面側の端部までの長さ方向の長さをe2としたとき、当該e2は、前記積層体の前記長さ方向の寸法に対して17%以上48%以下である。
本発明によれば、機械的強度を向上させることができ、これによって厚みが薄くなっても内部にクラックが発生することを抑制できるLW逆転タイプの積層セラミックコンデンサを提供することができる。
実施形態に係る積層セラミックコンデンサの外観斜視図である。 図1のII方向矢視図である。 図3は、図2のIII方向矢視図である。 図2のIV方向矢視図である。 図3のV-V断面図である。 図5のVI-VI断面図である。 図5のVIIA-VIIA断面図である。 図5のVIIB-VIIB断面図である。 図3のVIII-VIII断面図である。 図5のIXAで示す部分の拡大図である。 図5のIXBで示す部分の拡大図である。 上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサの外部電極の層構成の変形例を示す断面図であり、図9Aに対応する図である。 上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサの外部電極の層構成の変形例を示す断面図であり、図9Bに対応する図である。 上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造工程における途中状態を示す図である。 上記実施形態の積層セラミックコンデンサの製造工程における途中状態を示す図である。 上記実施形態の積層セラミックコンデンサの製造工程における途中状態を示す図である。 上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサにおいて外部電極の形状が異なる第1変形例が適用された積層セラミックコンデンサを示す外観斜視図であり、図1に対応する図である。 図14のXV-XV断面図である。 図15のXVIで示す部分の拡大図である。 上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサにおいて外部電極の形状が異なる第2変形例が適用された積層セラミックコンデンサを示す外観斜視図であり、図1に対応する図である。 上記実施形態に係る積層セラミックコンデンサにおいて外部電極の形状が異なる第2変形例が適用された積層セラミックコンデンサを示す外観斜視図であり、図1に対応する図である。 実施例で行った機械強度試験の方法を説明する図である。
以下、図面を参照しながら実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1について説明する。図1は、実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の外観斜視図である。図2は、図1のII方向矢視図である。図3は、図2のIII方向矢視図である。図4は、図2のIV方向矢視図である。図5は、図3のV-V断面図である。図6は、図5のVI-VI断面図である。図7Aは、図5のVIIA-VIIA断面図である。図7Bは、図5のVIIB-VIIB断面図である。図8は、図3のVIII-VIII断面図である。図9Aは、図5のIXAで示す部分の拡大図である。図9Bは、図5のIXBで示す部分の拡大図である。
図1に示すように、実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、略直方体形状を有している。積層セラミックコンデンサ1は、略直方体形状を有する積層体10と、積層体10の両端部のそれぞれに互いに離間して配置された一対の外部電極40と、を備えている。
図1において、矢印Tは、積層セラミックコンデンサ1および積層体10の高さ方向を示している。この高さ方向Tは、積層セラミックコンデンサ1および積層体10の厚み方向でもある。図1において、矢印Lは、積層セラミックコンデンサ1および積層体10の、高さ方向Tに直交する長さ方向を示している。図1において、矢印Wは、積層セラミックコンデンサ1および積層体10の、高さ方向Tおよび長さ方向Lに直交する幅方向を示している。一対の外部電極40は、積層体10の長さ方向Lの一端部および他端部にそれぞれ配置されている。
図1~図8には、XYZ直交座標系が示されている。積層セラミックコンデンサ1および積層体10の長さ方向Lは、Y方向と対応している。積層セラミックコンデンサ1および積層体10の幅方向Wは、X方向と対応している。積層セラミックコンデンサ1および積層体10の高さ方向Tは、Z方向と対応している。ここで、図5に示す断面はLT断面とも称される。図6に示す断面はWT断面とも称される。図7Aおよび図7Bに示す断面はLW断面とも称される。なお、後述する図14、図15、図17および図18にも、同様にXYZ直交座標系が示されている。
(積層体)
図1~図6に示すように、積層体10は、高さ方向Tに相対する第1の主面TS1および第2の主面TS2と、高さ方向Tに直交する長さ方向Lに相対する第1の端面LS1および第2の端面LS2と、高さ方向Tおよび長さ方向Lに直交する幅方向Wに相対する第1の側面WS1および第2の側面WS2と、を含む。
積層体10の第1の主面TS1と第2の主面TS2とを結ぶ長さが、積層体10の高さ方向Tの寸法である。以下においてはこの積層体10の高さ方向Tの寸法を、tまたは寸法tという場合がある。積層体10の第1の端面LS1と第2の端面LS2とを結ぶ長さが、積層体10の長さ方向Lの寸法である。以下においてはこの積層体10の長さ方向Lの寸法を、lまたは寸法lという場合がある。積層体10の第1の側面WS1と第2の側面WS2とを結ぶ長さが、積層体10の幅方向Wの寸法である。以下においてはこの積層体10の幅方向Wの寸法を、wまたは寸法wという場合がある。
積層体10は、その角部および稜線部に丸みがつけられていることが好ましい。角部は、積層体10の3面が交わる部分であり、稜線部は、積層体10の2面が交わる部分である。なお、積層体10を構成する表面の一部または全部に、凹凸などが形成されていてもよい。
図5および図6に示すように、積層体10は、内層部11と、高さ方向Tにおいて内層部11を挟み込むように配置された第1の主面側外層部12および第2の主面側外層部13と、を有する。
内層部11は、高さ方向Tに交互に積層される複数の誘電体層20および複数の内部電極層30を含む。高さ方向Tは、すなわち複数の誘電体層20および複数の内部電極層30の積層方向であり、かつ、積層セラミックコンデンサ1および積層体10の厚み方向である。
内層部11は、高さ方向Tにおいて、最も第1の主面TS1側に位置する内部電極層30から最も第2の主面TS2側に位置する内部電極層30までを含む。内層部11では、複数の内部電極層30が誘電体層20を介して対向して配置されている。内層部11は、静電容量を発生させ実質的にコンデンサとして機能する部分である。なお、内層部11は、有効層部ともいう。
複数の誘電体層20は、誘電体材料により構成される。誘電体材料は、例えば、セラミック材料である。誘電体材料は、例えば、BaTiO、CaTiO、SrTiO、またはCaZrOなどの成分を含む誘電体セラミックであってもよい。これらの成分が主成分である場合、所望とする積層体の特性に応じて、例えば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの、主成分よりも含有量が少ない副成分が添加されていてもよい。
誘電体層20の寸法tである厚みは、0.4μm以上2μm以下であることが好ましい。積層される誘電体層20の枚数は、10枚以上200枚以下であることが好ましい。なお、この誘電体層20の枚数は、内層部11の誘電体層の枚数と第1の主面側外層部12および第2の主面側外層部13の誘電体層の枚数との総数である。
複数の内部電極層30は、複数の第1の内部電極層31と、複数の第2の内部電極層32と、を含む。第1の内部電極層31と第2の内部電極層32とが、その間に誘電体層20を挟んで高さ方向Tに交互に配置されている。第1の内部電極層31は、第1の端面LS1に引き出されている。第2の内部電極層32は、第2の端面LS2に引き出されている。なお、以下においては、第1の内部電極層31と第2の内部電極層32とを区別して説明する必要のない場合には、第1の内部電極層31と第2の内部電極層32とをまとめて内部電極層30という場合がある。
図7Aに示すように、第1の内部電極層31は、第1の対向電極部31Aと、第1の引き出し部31Bと、を有する。第1の対向電極部31Aは、誘電体層20を間に挟んで第2の内部電極層32に対向する領域であり、積層体10の内部に位置する。第1の引き出し部31Bは、第1の対向電極部31Aから第1の端面LS1、第1の側面WS1の一部、および第2の側面WS2の一部に引き出されている部分である。第1の引き出し部31Bは、第1の対向電極部31Aに接続され、第1の端面LS1、第1の側面WS1の一部、および第2の側面WS2の一部に露出している。
図7Bに示すように、第2の内部電極層32は、第2の対向電極部32Aと、第2の引き出し部32Bと、を有する。第2の対向電極部32Aは、誘電体層20を間に挟んで第1の内部電極層31に対向する領域であり、積層体10の内部に位置する。第2の引き出し部32Bは、第2の対向電極部32Aから第2の端面LS2、第1の側面WS1の一部、および第2の側面WS2の一部に引き出されている部分である。第2の引き出し部32Bは、第2の対向電極部32Aに接続され、第2の端面LS2、第1の側面WS1の一部、および第2の側面WS2の一部に露出している。
図8は、図3に示す積層セラミックコンデンサ1のXIII-XIII線に沿った断面図であり、積層体10の第1の側面WS1を示している。なお、図7Aおよび図7Bにおいても、図8の断面図の位置を示すXIII-XIII線を示している。図8に示すように、積層体10の第1の側面WS1には、第1の内部電極層31の第1の引き出し部31Bと、第2の内部電極層32の第2の引き出し部32Bと、が露出している。
また、図示は省略するが、第1の側面WS1側と同様に、第2の側面WS2側にも、第1の内部電極層31の第1の引き出し部31Bと、第2の内部電極層32の第2の引き出し部32Bと、が露出している。
これにより、第1の内部電極層31の第1の引き出し部31Bと、第2の内部電極層32の第2の引き出し部32Bとの距離を短くすることができるため、電流が流れる経路を短くすることが可能となる。よって、ESLを減少させることができる。
以下においては、第1の引き出し部31Bおよび第2の引き出し部32Bの第1の側面WS1の一部に露出する部分、および、第1の引き出し部31Bおよび第2の引き出し部32Bの第2の側面WS2の一部に露出する部分を、まとめて内部電極層30の側面露出部33という場合がある。そして、この側面露出部33の長さ方向Lの寸法を、e1または寸法e1という場合がある。
本実施形態では、第1の対向電極部31Aと第2の対向電極部32Aとが誘電体層20を介して互いに対向することにより容量が形成され、コンデンサの特性が発現する。
第1の対向電極部31Aおよび第2の対向電極部32Aの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、矩形形状のコーナー部が丸められていてもよいし、矩形形状のコーナー部が斜めに形成されていてもよい。
第1の引出き出し部31Bおよび第2の引き出し部32Bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、矩形形状のコーナー部が丸められていてもよいし、矩形形状のコーナー部が斜めに形成されていてもよい。
なお、第1の引き出し部31Bの幅方向Wの寸法は、第1の対向電極部31Aの幅方向の寸法よりも大きい。第2の引き出し部32Bの幅方向Wの寸法は、第2の対向電極部32Aの幅方向の寸法よりも大きい。これにより、積層セラミックコンデンサ1の強度を向上させることができるだけでなく、内部電極層30と外部電極40間のコンタクト面積が増えることで電流経路が広くなるため、積層セラミックコンデンサ1のESLを減少させることができる。
第1の内部電極層31の第1の引き出し部31B、および第2の内部電極層32の第2の引き出し部32Bのそれぞれの側面露出部33の長さ方向の寸法e1は、積層体10の長さ方向Lの寸法lに対して、10%以上44%以下であることが好ましい。
上記寸法e1が、積層体10の長さ方向Lの寸法lに対して10%以上44%以下であることにより、LW逆転タイプの積層セラミックコンデンサ1であっても、積層体10内における内部電極層30の面積を向上させることができる。このため、誘電体層20の部分よりも強度が高い内部電極層30の面積割合を大きくすることができる。その結果、積層セラミックコンデンサ1の強度を向上させることができ、内部にクラックが発生することを抑制できる。具体的には、積層セラミックコンデンサ1の製造時において、内部電極層30のパターンを焼結して内部電極層30を形成する際に、内部電極層30の総量が増加することで圧縮応力を向上させることができる。その結果、外部から加わる応力に対して耐性が強くなり、積層セラミックコンデンサ1の強度を向上させることができる。
上記寸法e1が、積層体10の長さ方向Lの寸法に対して10%よりも小さい場合には、積層体10内における内部電極層30の面積を十分に増大させることができず、機械的強度を確保し難い。このため、外部から応力が加わった際に、積層セラミックコンデンサ1の内部にクラックが生じる場合がある。また、寸法e1が、積層体10の長さ方向Lの寸法に対して44%よりも大きくなった場合には、第1の外部電極40Aと第2の外部電極40Bとの間の長さ方向Lの距離が近くなるため、マイグレーションが発生し、耐湿性が低下する可能性がある。
複数の第1の引き出し部31Bにおける側面露出部33のそれぞれの長さ方向Lの寸法e1は、具体的には、30μm以上230μm以下であることが好ましい。複数の第2の引き出し部32Bにおける側面露出部33のそれぞれの長さ方向Lの寸法e1は、具体的には、30μm以上230μm以下であることが好ましい。
なお、上記寸法e1は、例えば次の方法で測定することができる。積層体10を、高さ方向Tの真ん中の位置、すなわちt/2の位置まで第1の主面TS1側をLW断面と平行となるように研磨する。そして、マイクロスコープを用いて、研磨により露出したLW断面における、第1の引き出し部31Bの第1の側面WS1側の側面露出部33および第2の側面WS2側の側面露出部33と、第2の引き出し部32Bの第1の側面WS1側の側面露出部33および第2の側面WS2側の側面露出部33と、をそれぞれ測定する。そしてそれら4つの測定値の平均値を、測定した積層セラミックコンデンサ1における側面露出部33の長さ方向Lの寸法e1とする。
積層体10は、対向電極部11Eを有する。対向電極部11Eは、図5~図7Bに示すように、第1の内部電極層31の第1の対向電極部31Aと、第2の内部電極層32の第2の対向電極部32Aとが対向する部分である。対向電極部11Eは、内層部11の一部として構成されている。なお、対向電極部11Eは、コンデンサ有効部ともいう。
第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、例えば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、これらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成される。合金を用いる場合、第1の内部電極層31および第2の内部電極層32は、例えばAg-Pd合金等により構成されてもよい。
第1の内部電極層31および第2の内部電極層32のそれぞれの厚みは、例えば、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。第1の内部電極層31および第2の内部電極層32の枚数は、合わせて15枚以上200枚以下であることが好ましい。
図5および図6に示すように、第1の主面側外層部12は、第1の主面TS1側に位置している。第1の主面側外層部12は、第1の主面TS1と、内層部11の第1の主面TS1側の最表面である第1の最表面11H上および第1の最表面11Hの延長面11h上との間に位置する。第2の主面側外層部13は、第2の主面TS2側に位置している。第2の主面側外層部13は、第1の主面TS1と、内層部11の第2の主面TS2側の最表面である第2の最表面11F上および第2の最表面11Fの延長面11f上との間に位置する。第1の主面側外層部12および第2の主面側外層部13は、いずれも複数の誘電体層20の集合体である。第1の主面側外層部12および第2の主面側外層部13で用いられる誘電体層20は、いずれも内層部11で用いられる誘電体層20と同じものであってもよい。
第1の主面側外層部12および第2の主面側外層部13のうちのいずれか、あるいは双方の厚み、すなわち高さ方向Tの寸法は、内層部11の厚みの15%以上35%以下であることが好ましい。これにより、静電容量の確保と積層セラミックコンデンサ1の強度向上の両立を図ることができる。
なお、内層部11、第1の主面側外層部12および第2の主面側外層部13の厚みは、例えば次の方法で測定できる。積層セラミックコンデンサ1の幅方向Wの長さが1/2となるまで、第1の側面を研磨して幅方向Wの中央のLT断面を露出させる。そして、マイクロスコープを用いて、そのLT断面における内層部11、第1の主面側外層部12および第2の主面側外層部13の厚みをそれぞれ測定する。
積層体10は、端面側外層部を有する。端面側外層部は、図5、図7Aおよび図7Bに示すように、第1の端面LS1側に位置する第1の端面側外層部LG1と、第2の端面LS2側に位置する第2の端面側外層部LG2と、を有する。第1の端面側外層部LG1は、対向電極部11Eと第1の端面LS1との間に位置する誘電体層20および第1の引き出し部31Bを含む部分である。すなわち、第1の端面側外層部LG1は、複数枚の誘電体層20の第1の端面LS1側の部分と複数枚の第1の引き出し部31Bの集合体である。第2の端面側外層部LG2は、対向電極部11Eと第2の端面LS2との間に位置する誘電体層20および第2の引き出し部32Bを含む部分である。すなわち、第2の端面側外層部LG2は、複数枚の誘電体層20の第2の端面LS2側の部分と複数枚の第2の引き出し部32Bの集合体である。なお、第1の端面側外層部LG1および第2の端面側外層部LG2は、Lギャップまたはエンドギャップともいう。
積層体10は、側面側外層部を有する。側面側外層部は、図6、図7Aおよび図7Bに示すように、第1の側面WS1側に位置する第1の側面側外層部WG1と、第2の側面WS2側に位置する第2の側面側外層部WG2と、を有する。第1の側面側外層部WG1は、対向電極部11Eと第1の側面WS1との間に位置する誘電体層20を含む部分である。すなわち、第1の側面側外層部WG1は、複数枚の誘電体層20の第1の側面WS1側の部分の集合体である。第2の側面側外層部WG2は、対向電極部11Eと第2の側面WS2との間に位置する誘電体層20を含む部分である。すなわち、第2の側面側外層部WG2は、複数枚の誘電体層20の第2の側面WS2側の部分の集合体である。なお、第1の側面側外層部WG1および第2の側面側外層部WG2は、Wギャップまたはサイドギャップともいう。
図4~図7Bに示すように、積層体10の第1の端面LS1と第2の端面LS2とを結ぶ長さ方向Lの長さをl、第1の側面WS1および第2の側面WS2を結ぶ幅方向Wの長さをw、第1の主面TS1および第2の主面TS2を結ぶ高さ方向Tの長さをtとしたとき、これらの寸法関係は、w>l>tとなっている。すなわち、積層体10の長さlは幅wよりも小さい。これにより、第1の内部電極層31と第2の内部電極層32との間の電流経路が短くなるだけでなく、第1の内部電極層31の第1の引き出し部31Bと第2の内部電極層32の第2の引き出し部32Bの面積を大きくすることができる。このため、積層セラミックコンデンサ1のESLを減少させることができる。
具体的には、積層体10の第1の端面LS1と第2の端面LS2とを結ぶ長さ方向Lの長さlは、0.30mm以上0.60mm以下であることが好ましい。また、積層体10の第1の側面WS1と第2の側面WS2とを結ぶ幅方向Wの長さwは、0.60mm以上1.0mm以下であることが好ましい。
また、積層体10の第1の主面TS1と第2の主面TS2とを結ぶ高さ方向Tの長さtは、150μm以下であることが好ましい。これにより、高密度実装が可能となる。また、積層体10の第1の主面TS1と第2の主面TS2とを結ぶ高さ方向Tの長さtは、100μm以下であることが好ましい。これにより、より高密度実装が可能となる。
なお、積層体10のl、w、tの各寸法は、例えば以下の方法により測定することができる。
まず、積層体10の寸法wを測定する。具体的には、積層体10の長さ方向Lにおける真ん中の位置、すなわち積層体10のl/2の位置において、積層体10の寸法wをマイクロスコープにより測定する。
次に、積層体10の寸法lおよび寸法tを測定する。まず、寸法wを測定した積層体10と同一の積層体10を、積層体10の幅方向Wにおける真ん中の位置、すなわち積層体10のw/2の位置まで、LT断面と平行となるように研磨する。そして、研磨により露出したLT断面を、マイクロスコープにより観察する。積層体10の寸法lは、LT断面における、積層体10の高さ方向Tにおける真ん中の位置、すなわち積層体10のt/2の位置において、マイクロスコープにより測定する。積層体10の寸法tは、LT断面における、積層体10の長さ方向Lにおける真ん中の位置、すなわち積層体10のl/2の位置において、マイクロスコープにより測定する。
(外部電極)
外部電極40は、図5に示すように、積層体10の第1の端面LS1側に配置された第1の外部電極40Aと、積層体10の第2の端面LS2上側に配置された第2の外部電極40Bと、を有する。第1の外部電極40Aは、第1の端面LS1に露出する複数の第1の内部電極層31のそれぞれの第1の引き出し部31Bに接触している。これにより、第1の外部電極40Aは複数の第1の内部電極層31に電気的に接続している。第2の外部電極40Bは、第2の端面LS2に露出する複数の第2の内部電極層32のそれぞれの第2の引き出し部32Bに接触している。これにより、第2の外部電極40Bは複数の第2の内部電極層32に電気的に接続している。
第1の外部電極40Aは、第1の端面LS1上、および、第1の主面TS1上の一部および第2の主面TS2上の一部のうちの少なくとも一方、に配置される。図5、図7Aおよび図7Bに示すように、本実施形態の第1の外部電極40Aは、第1の端面LS1上、第1の主面TS1上の一部、第1の側面WS1上の一部および第2の側面WS2上の一部に配置されており、第2の主面TS2上には配置されていない。なお、以下においては、第1の外部電極40Aと第2の外部電極40Bとを区別して説明する必要のない場合には、第1の外部電極40Aと第2の外部電極40Bとをまとめて外部電極40という場合がある。
本実施形態の第1の外部電極40Aは、第1の端面LS1上に位置する第1面部40A1と、第1の主面TS1上の一部に位置する第2面部40A2と、第1の側面WS1上の一部に位置する第3面部40A3と、第2の側面WS2上の一部に位置する第4面部40A4と、を有する。
第1面部40A1は、第1の端面LS1の全体を覆っており、第1の内部電極層31の第1の引き出し部31Bに接続される部分である。第2面部40A2は、実装基板のランドに接続される部分である。
第3面部40A3は、第1の側面WS1に露出する第1の内部電極層31の、第1の引き出し部31Bの側面露出部33に接続される部分である。第5面部40A5は、第2の側面WS2に露出する第1の内部電極層31の、第1の引き出し部31Bの側面露出部33に接続される部分である。
第1の外部電極40Aの第3面部40A3および第4面部40A4の長さ方向Lの寸法e2は、積層体10の長さ方向Lの寸法lに対して17%以上48%以下であることが好ましい。図2および図3に示すように、寸法e2は、第1の外部電極40Aにおける、第2の端面LS2側の先端41Aから第1の端面LS1側の端部42Aまでの長さである。
第2の外部電極40Bは、第2の端面LS2上、および、第1の主面TS1上の一部および第2の主面TS2上の一部のうちの少なくとも一方、に配置される。図5、図7Aおよび図7Bに示すように、本実施形態の第2の外部電極40Bは、第2の端面LS2上、第1の主面TS1上の一部、第1の側面WS1上の一部および第2の側面WS2上の一部に配置されており、第2の主面TS2上には配置されていない。
本実施形態の第2の外部電極40Bは、第2の端面LS2上に位置する第6面部40B1と、第1の主面TS1上の一部に位置する第7面部40B2と、第1の側面WS1上の一部に位置する第8面部40B3と、第2の側面WS2上の一部に位置する第9面部40B4と、を有する。
第6面部40B1は、第2の端面LS2の全体を覆っており、第2の内部電極層32の第2の引き出し部32Bに接続される部分である。第7面部40B2は、実装基板のランドに接続される部分である。
第8面部40B3は、第1の側面WS1に露出する第2の内部電極層32の、第2の引き出し部32Bに接続される部分である。第10面部40B5は、第2の側面WS2に露出する第2の内部電極層32の、第2の引き出し部32Bに接続される部分である。
第2の外部電極40Bの第8面部40B3および第9面部40B4の長さ方向Lの寸法e2は、積層体10の長さ方向Lの寸法lに対して17%以上48%以下であることが好ましい。寸法e2は、第2の外部電極40Bにおける、第1の端面LS1側の先端41Bから第2の端面LS2側の端部42Bまでの長さである。
第1の外部電極40Aおよび第2の外部電極40Bのそれぞれの寸法e2が、積層体10の長さ方向Lの寸法lに対して17%以上48%以下であることにより、本実施形態の効果である、機械的強度の向上によるクラック発生の抑制という効果を、外部電極40の機能を損なうことなく適切に得ることが可能となる。
第1の外部電極40Aおよび第2の外部電極40Bのそれぞれの寸法e2が、積層体10の長さ方向Lの寸法lに対して17%よりも小さい場合には、実装基板との接合面積が十分に確保することができなくなるため、セルフアライメント効果が低下し、積層セラミックコンデンサ1の実装不良に繋がる場合がある。
また、第1の外部電極40A第2の外部電極40Bのそれぞれの寸法e2が、積層体10の長さ方向Lの寸法lに対して48%よりも大きい場合には、実装基板への実装時において、積層セラミックコンデンサ1が回転してしまい、2つの実装ランドに対して第1の外部電極40Aもしくは第2の外部電極40Bが跨るように実装されてしまい、ショート不良が発生する場合がある。さらに、第1の外部電極40Aと第2の外部電極40Bとの間の長さ方向Lの距離が近くなるため、マイグレーションが発生し、耐湿性が低下する可能性がある。
なお、上述のセルフアライメント効果とは、はんだ付けに際して溶融したはんだにその表面積が小さくなるような力、すなわち表面張力が作用することにより、溶融したはんだによって支持された実装の対象となる電子素子が移動することで、その位置決めが行われる効果のことである。このセルフアライメント効果が得られることにより、実装時の位置ずれが抑制される。
第1の外部電極40Aおよび第2の外部電極40Bのそれぞれの寸法e2は、具体的には、50μm以上250μm以下であることが好ましい。
第1の外部電極40Aおよび第2の外部電極40Bのそれぞれの寸法e2の測定方法は、外観からメジャーを使用して測定することができる。具体的には、第1の外部電極40Aの幅方向Wの真ん中のe2寸法と、第2の外部電極40Bの幅方向Wの真ん中のe2寸法とをメジャーで測定し、その平均値をe2とする。
図9Aに示すように、第1の外部電極40Aは、下地電極層としての第1の下地電極層50Aと、第1の下地電極層50A上に配置された第1のめっき層60Aと、を有する。第1の下地電極層50Aは、積層体10の表面に配置される。第1のめっき層60Aは、第1の下地電極層50Aを覆うように配置される。
図9Bに示すように、第2の外部電極40Bは、下地電極層としての第2の下地電極層50Bと、第2の下地電極層50B上に配置された第2のめっき層60Bと、を有する。第2の下地電極層50Bは、積層体10の表面に配置される。第2のめっき層60Bは、第2の下地電極層50Bを覆うように配置される。
第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bは、焼き付け層、薄膜層等から選ばれる少なくとも1つを含む。
第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bは、本実施形態においては、薄膜層である。薄膜層は、金属粒子が堆積された層である。
第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bを薄膜層で形成する場合は、スパッタリング法または蒸着法等の薄膜形成法により形成されていることが好ましい。ここではスパッタリング法で形成されたスパッタ電極について説明する。
本実施形態の第1の下地電極層50Aは、スパッタ電極により形成された第1の薄膜層51Aにより構成されている。第2の下地電極層50Bは、スパッタ電極により形成された第2の薄膜層51Bにより構成されている。スパッタ電極で第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bを形成する場合は、積層体10の第1の主面TS1に直接スパッタ電極を形成することが好ましい。
図5および図9Aに示すように、スパッタ電極で形成される第1の薄膜層51Aは、第1の主面TS1上の第1の端面LS1側の一部に配置されている。具体的には、第1の薄膜層51Aは、第1の主面TS1上における、図4に示される第1の外部電極40Aに覆われている部分に配置されていることが好ましい。
さらに、第1の薄膜層51Aは、第1の主面TS1上の一部と、第1の主面TS1上の一部から連続して第1の端面LS1の一部に若干周り込むように配置されていることが好ましい。
例えば、後述の製造工程の説明に用いられる図11に示されるように、積層体10の稜線部に丸み等の面取り部Cが形成されている場合、第1の薄膜層51Aは、第1の主面TS1の第1の端面LS1側の一部と、その部分に連続する第1の端面LS1側の面取り部Cに配置されていることが好ましい。これであれば、スパッタリング法等による薄膜層の形成が容易である。
以上の方法により、めっき層を形成する際に、第1の端面LS1上の一部に配置される第1の薄膜層51Aと、第1の端面LS1上に露出している内部電極層30との距離をコントロールすることができる。よって、第1の端面LS1上の一部に配置される第1の薄膜層51Aと、第1の端面LS1上に露出している内部電極層30との間の積層体10の表面上においても、めっき層を堆積させることが容易となる。
図5および図9Bに示すように、スパッタ電極で形成される第2の薄膜層51Bは、第1の主面TS1上の第2の端面LS2側の一部に配置されている。具体的には、第2の薄膜層51Bは、第1の主面TS1上における、図4に示される第2の外部電極40Bに覆われている部分に配置されていることが好ましい。
さらに、第2の薄膜層51Bは、第1の主面TS1上の一部と、第1の主面TS1上の一部から連続して第2の端面LS2の一部に若干周り込むように配置されていることが好ましい。
例えば、後述の製造工程の説明に用いられる図11に示されるように、積層体10の稜線部に丸み等の面取り部Cが形成されている場合、第2の薄膜層51Bは、第1の主面TS1の第2の端面LS2側の一部と、その部分に連続する第2の端面LS2側の面取り部Cに配置されていることが好ましい。これであれば、スパッタリング法等による薄膜層の形成が容易である。
以上の方法により、めっき層を形成する際に、第2の端面LS2上の一部に配置される第2の薄膜層51Bと、第2の端面LS2上に露出している内部電極層30との距離をコントロールすることができる。よって、第2の端面LS2上の一部に配置される第2の薄膜層51Bと、第2の端面LS2上に露出している内部電極層30との間の積層体10の表面上においても、めっき層を堆積させることが容易となる。
スパッタ電極により形成される第1の薄膜層51Aおよび第2の薄膜層51Bは、例えば、Mg、Al、Ti、W、Cr、Cu、Ni、Ag、Co、MoおよびVからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。これにより、積層体10に対する外部電極40の固着力を高めることができる。薄膜層は、単層であってもよいし、複数層によって形成されていてもよい。例えば、Ni-Cr合金の層と、Ni-Cu合金の層の2層構造によって形成されていてもよい。
スパッタ電極により形成される第1の薄膜層51Aおよび第2の薄膜層51Bの厚み、すなわち第1の主面TS1と第2の主面TS2とを結ぶ高さ方向Tの厚みは、50nm以上400nm以下であることが好ましく、50nm以上130nm以下であることがさらに好ましい。
積層体10の第1の主面TS1に直接スパッタ電極を形成して、第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bを配置する場合は、第1の端面LS1上および第2の端面LS2上には焼き付け層の下地電極層を形成するか、下地電極層を形成せずに後述するめっき層を直接形成することが好ましい。本実施形態においては、第1の端面LS1上および第2の端面LS2上には下地電極層を形成せずに後述するめっき層を直接形成している。
なお、後述する変形例のように、第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bは、焼き付け層であってもよい。焼き付け層は、金属成分と、ガラス成分もしくはセラミック成分のどちらか一方を含んでいるか、その両方を含んでいることが好ましい。金属成分は、例えば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。ガラス成分は、例えば、B、Si、Ba、Mg、Al、Li等から選ばれる少なくとも1つを含む。セラミック成分は、誘電体層20と同種のセラミック材料を用いてもよいし、異なる種類のセラミック材料を用いてもよい。セラミック成分は、例えば、BaTiO、CaTiO、(Ba,Ca)TiO、SrTiO、CaZrO等から選ばれる少なくとも1つを含む。
焼き付け層は、例えば、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体10に塗布して焼き付けたものである。焼き付け層は、内部電極層および誘電体層を有する積層チップと積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時焼成したものでもよく、内部電極層および誘電体層を有する積層チップを焼成して積層体10を得た後に積層体10に導電性ペーストを塗布して焼き付けたものでもよい。なお、内部電極層および誘電体層を有する積層チップと積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時に焼成する場合には、焼き付け層は、ガラス成分の代わりにセラミック材料を添加したものを焼き付けて形成することが好ましい。この場合、添加するセラミック材料として、誘電体層20と同種のセラミック材料を用いることが特に好ましい。焼き付け層は、複数層であってもよい。
なお、第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bを設けずに、積層体10上に後述の第1のめっき層60Aおよび第2のめっき層60Bが直接配置される構成であってもよい。
第1のめっき層60Aは、第1の下地電極層50Aを覆うように配置されている。
第2のめっき層60Bは、第2の下地電極層50Bを覆うように配置されている。
第1のめっき層60Aおよび第2のめっき層60Bは、例えば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag-Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。第1のめっき層60Aおよび第2のめっき層60Bは、それぞれ複数層により形成されていてもよい。
下地電極層が薄膜層で形成されている場合には、めっき層は、下層めっき層としてのCuめっき層と、中層めっき層としてのNiめっき層と、上層めっき層としてのSnめっき層の3層構造で形成されていることが好ましい。すなわち、第1のめっき層60Aは、第1のCuめっき層61Aと、第1のNiめっき層62Aと、第1のSnめっき層63Aと、を有することが好ましい。第2のめっき層60Bは、第2のCuめっき層61Bと、第2のNiめっき層62Bと、第2のSnめっき層63Bと、を有することが好ましい。ただし、第1のめっき層60Aおよび第2のめっき層60Bは、3層構造に限らず、その他の層構成であってもよい。第1のCuめっき層61Aおよび第2のCuめっき層61Bは、本開示における内側めっき層の一例である。第1のNiめっき層62A、第1のSnめっき層63A、第2のNiめっき層62Bおよび第2のSnめっき層63Bは、本開示における外側めっき層の一例である。
第1のCuめっき層61Aは、積層体10の第1の端面LS1と、積層体10の第1の主面TS1に配置された第1の下地電極層50Aとしての第1の薄膜層51Aと、を覆うように配置される。本実施形態においては、第1のCuめっき層61Aはさらに、積層体10の第1の側面WS1および第2の側面WS2における、内部電極層30が露出している側面露出部33を覆うように配置される。このとき、第1の薄膜層51Aと、積層体10の第1の端面LS1に露出している内部電極層30との間の隙間や、積層体10の表面に露出している複数の内部電極層30どうしの隙間は狭く形成されているため、これらの隙間の領域にもめっき層が堆積する。
第1のNiめっき層62Aは、第1のCuめっき層61Aを覆うように配置される。第1のSnめっき層63Aは、第1のNiめっき層62Aを覆うように配置される。本実施形態においては、第1のめっき層60Aは、第1の内部電極層31と直接電気的に接続されている。
第2のCuめっき層61Bは、積層体10の第2の端面LS2と、積層体10の第1の主面TS1に配置された第2の下地電極層50Bとしての第2の薄膜層51Bと、を覆うように配置される。本実施形態においては、第2のCuめっき層61Bはさらに、積層体10の第1の側面WS1および第2の側面WS2における、内部電極層30が露出している側面露出部33を覆うように配置される。このとき、第2の薄膜層51Bと、積層体10の第2の端面LS2に露出している内部電極層30との間の隙間や、積層体10の表面に露出している複数の内部電極層30どうしの隙間は狭く形成されているため、これらの隙間の領域にもめっき層が堆積する。
第2のNiめっき層62Bは、第2のCuめっき層61Bを覆うように配置される。第2のSnめっき層63Bは、第2のNiめっき層62Bを覆うように配置される。本実施形態においては、第2のめっき層60Bは、第2の内部電極層32と直接電気的に接続されている。
下地電極層を覆うようにCuめっき層およびNiめっき層からなるめっき層を設けることにより、積層セラミックコンデンサ1を実装する際のはんだによって下地電極層が侵食されることが抑制される。また、Niめっき層の表面に、さらに、Snめっき層を設けることにより、積層セラミックコンデンサ1を実装する際のはんだの濡れ性を向上させることができる。これにより、積層セラミックコンデンサ1を容易に実装することができる。
めっき層一層あたりの厚みは、2μm以上15μm以下であることが好ましい。すなわち、第1のCuめっき層61A、第1のNiめっき層62A、第1のSnめっき層63A、第2のCuめっき層61B、第2のNiめっき層62B、および第2のSnめっき層63Bのそれぞれの平均厚みは、2μm以上15μm以下であることが好ましい。より具体的には、第1のCuめっき層61Aおよび第2のCuめっき層61Bのそれぞれの平均厚みは、5μm以上8μm以下であることがより好ましい。また、第1のNiめっき層62A、第1のSnめっき層63A、第2のNiめっき層62B、および第2のSnめっき層63Bそれぞれの平均厚みは、2μm以上4μm以下であることがより好ましい。
積層体10と一対の外部電極40を含む積層セラミックコンデンサ1の全体寸法としては、高さ方向Tの寸法は0.06mm以上0.15mm以下であることが好ましく、長さ方向Lの寸法は0.30mm以上0.60mm以下であることが好ましく、幅方向Wの寸法は0.60mm以上1.0mm以下であることが好ましい。本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の長さ方向の寸法Lは、積層セラミックコンデンサ1の幅方向の寸法Wよりも小さい。すなわち実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、LW逆転タイプの積層セラミックコンデンサである。
(外部電極の層構成の変形例)
次に、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の外部電極40の層構成の変形例について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態と同じ構成については、同じ符号を付すとともに、詳細な説明を省略する。図10Aおよび図10Bは、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の外部電極40の層構成の変形例を示す断面図であり、それぞれ図9Aおよび図9Bに対応する図である。本変形例においては、外部電極40の構成が、上記実施形態とは異なる。
第1の外部電極40Aは、第1の下地電極層50Aと、第1のめっき層60Aを有する。本変形例の第1の下地電極層50Aは、第1の焼き付け層52Aにより構成される。本変形例の第1のめっき層60Aは、第1のNiめっき層62Aと、第1のSnめっき層63Aを有する。
第2の外部電極40Bは、第2の下地電極層50Bと、第2のめっき層60Bを有する。本変形例の第2の下地電極層50Bは、第2の焼き付け層52Bにより構成される。本変形例の第2のめっき層60Bは、第2のNiめっき層62Bと、第2のSnめっき層63Bを有する。
本変形例においては、第1の下地電極層50Aは、例えば、上述の第1の外部電極40Aと同様に、第1の端面LS1上に位置する第1面部と、第1の主面TS1上の一部に位置する第2面部と、第1の側面WS1上の一部に位置する第3面部と、第2の側面WS2上の一部に位置する第4面部と、を有する。なお、本変形例においては、第1の下地電極層50Aは、第1の内部電極層31に接続されている。
第1のNiめっき層62Aは、第1の下地電極層50Aを覆うように配置される。第1のSnめっき層63Aは、第1のNiめっき層62Aを覆うように配置される。
本変形例においては、第2の下地電極層50Bは、例えば、上述の第2の外部電極40Bと同様に、第2の端面LS2上に位置する第6面部と、第1の主面TS1上の一部に位置する第7面部と、第1の側面WS1上の一部に位置する第8面部と、第2の側面WS2上の一部に位置する第9面部と、を有する。なお、本変形例においては、第2の下地電極層50Bは、第2の内部電極層32に接続されている。
第2のNiめっき層62Bは、第2の下地電極層50Bを覆うように配置される。第2のSnめっき層63Bは、第2のNiめっき層62Bを覆うように配置される。
第1の下地電極層50Aを構成する第1の焼き付け層52Aおよび第2の下地電極層50Bを構成する第2の焼き付け層52Bは、例えば、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体に塗布して焼き付けたものであってもよい。なお、焼成前の積層チップと、積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時に焼成する場合には、焼き付け層は、ガラス成分の代わりにセラミック材料を添加したものを焼き付けて形成することが好ましい。このとき、添加するセラミック材料として、誘電体層20と同種のセラミック材料を用いることが特に好ましい。
下地電極層が焼き付け層で形成されている場合には、第1のめっき層60Aおよび第2のめっき層60Bは、Niめっき層の上にSnめっき層が形成された2層構造であることが好ましい。この場合、積層セラミックコンデンサ1を実装する際のはんだによって下地電極層が侵食されることが、Niめっき層により抑制される。また、Snめっき層により、積層セラミックコンデンサ1を実装する際のはんだの濡れ性を向上させることができる。これにより、積層セラミックコンデンサ1を容易に実装することができる。
なお、第1のめっき層60Aおよび第2のめっき層60Bは、2層構造に限らず、上記実施形態と同様、Cuめっきを含む3層構造で形成されていてもよいし、その他の層構成であってもよい。Cuめっき層を形成した場合には、めっき液やその他の水分の浸入を抑制する効果が得られる。
めっき層一層あたりの厚みは、2μm以上15μm以下であることが好ましい。すなわち、第1のNiめっき層62A、第1のSnめっき層63A、第2のNiめっき層62B、および第2のSnめっき層63Bのそれぞれの平均厚みは、2μm以上15μm以下であることが好ましい。より具体的には、第1のNiめっき層62A、第1のSnめっき層63A、第2のNiめっき層62B、および第2のSnめっき層63Bのそれぞれの平均厚みは、2μm以上4μm以下であることがより好ましい。
(製造方法)
次に、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の製造方法について説明する。
誘電体層20用の誘電体シートと、内部電極層30用の導電性ペーストを準備する。誘電体層20用の誘電体シートおよび内部電極層30用の導電性ペーストは、いずれもバインダおよび溶剤を含む。バインダおよび溶剤は、公知のものであってもよい。導電性材料からなるペーストは、例えば、金属粉末に有機バインダおよび有機溶剤が加えられたものである。
誘電体シート上に、内部電極層30用の導電性ペーストを、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷などにより、本実施形態の内部電極層30の形状になるようにパターン設計された印刷版を用いて印刷する。これにより、第1の内部電極層31のパターンが形成された誘電体シートと、第2の内部電極層32のパターンが形成された誘電体シートが準備される。
内部電極層30のパターンが印刷されていない誘電体シートを所定枚数積層することにより、第1の主面TS1側の第1の主面側外層部12となる部分を形成する。その上に、第1の内部電極層31のパターンが印刷された誘電体シートおよび第2の内部電極層32のパターンが印刷された誘電体シートを順次交互に積層して、内層部11となる部分を形成する。この内層部11となる部分の上に、内部電極層30のパターンが印刷されていない誘電体シートを所定枚数積層して、第2の主面TS2側の第2の主面側外層部13となる部分を形成する。これにより、積層シートを得る。
次いで、積層シートを、静水圧プレスなどの手段によって積層方向にプレスすることにより、積層ブロックを作製する。
次いで、積層ブロックを所定のサイズにカットして個片化することにより、複数の積層チップを得る。この後、バレル研磨などにより積層チップを研磨して、角部および稜線部に丸みをつけてもよい。
次いで、積層チップを焼成して積層体10を得る。このときの焼成温度は、誘電体層20や内部電極層30の材料にもよるが、例えば900℃以上1400℃以下であることが好ましい。
本実施形態においては、下地電極層を、薄膜層により形成する。下地電極層を薄膜層で形成する場合は、マスキングなどを行うことにより、積層体10の外部電極を形成したい部分に薄膜層が形成される。薄膜層は、スパッタリング法または蒸着法等の薄膜形成法により形成することができる。本実施形態においては、スパッタリング法により、薄膜層としてのスパッタ電極を形成する。
図11~図13は、本実施形態の積層セラミックコンデンサの製造工程における途中状態を示す図であり、積層体10に薄膜層が配置された後であって、めっき層が配置される前の状態を示している。図11は、積層体10に薄膜層としての第1の薄膜層51Aおよび第2の薄膜層51Bが配置された状態を示す図であって、図5のLT断面に対応する図である。図12は、積層体10に薄膜層としての第1の薄膜層51Aが配置された状態を示す図であって、図6のWT断面に対応する図である。図13は、積層体10に第1の薄膜層51Aおよび第2の薄膜層51Bが配置された状態を示す図であって、図8に対応する、積層体10の第1の側面WS1の表面を示す図である。
スパッタ電極で形成される第1の薄膜層51Aは、第1の主面TS1上の第1の端面LS1側の一部に配置される。スパッタ電極で形成される第2の薄膜層51Bは、第1の主面TS1上の第2の端面LS2側の一部に配置される。
本実施形態においては、スパッタ電極で形成される薄膜層を、第1の主面TS1上の一部に配置するとともに、第1の主面TS1上の一部から連続して第1の端面LS1の一部および第2の端面LS2の一部に若干周りむように配置する。これにより、第1の端面LS1上の一部および第2の端面LS2上の一部に回り込んで配置される薄膜層と、第1の端面LS1上および第2の端面LS2上に露出している内部電極層30との距離をコントロールすることが可能となる。よって、第1の端面LS1上の一部および第2の端面LS2上の一部に回り込んで配置される薄膜層と、第1の端面LS1上および第2の端面LS2上に露出している内部電極層30との間の積層体10の表面上においても、めっき層を堆積させることが可能となる。
その後、薄膜層からなる下地電極層および積層体の表面上に、めっき層を形成する。本実施形態においては、めっき層として、Cuめっき層と、Niめっき層と、Snめっき層の3層のめっき層を形成する。
めっき層を形成するにあたっては、電解めっき法で形成する。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。
また、めっき層は、積層体10の第1の側面WS1および第2の側面WS2における、内部電極層30が露出している側面露出部33を覆うように配置する。めっき層は、積層体10の第1の側面WS1および第2の側面WS2における、内部電極層30が露出している側面露出部33を覆うように配置される。このとき、薄膜層と、積層体10の表面に露出している内部電極層30との間の隙間や、積層体10の表面に露出している複数の内部電極層30どうしの隙間を狭く形成することにより、これらの隙間の領域にもめっき層が堆積する。
なお、めっき層の形成のコントロールが難しい場合には、積層体10の表面を露出させる箇所をマスキングしてめっき層を形成してもよい。これにより、所望の形状のめっき層を形成しやすくなる。
なお、下地電極層を焼き付け層で形成する場合は、積層体10の第1の端面LS1側において、積層体10の第1の端面LS1上に位置する第1面部と、第1の主面TS1上の一部に位置する第2面部と、第1の側面WS1上の一部に位置する第3面部と、第2の側面WS2上の一部に位置する第4面部とに、第1の下地電極層となる導電性ペーストを塗布する。また、積層体10の第2の端面LS2側において、積層体10の第2の端面LS2上に位置する第6面部と、第1の主面TS1上の一部に位置する第7面部と、第1の側面WS1上の一部に位置する第8面部と、第2の側面WS2上の一部に位置する第9面部とに、第2の下地電極層となる導電性ペーストを塗布する。
なお、下地電極層を形成したくない部分には、あらかじめマスキングなどを行う。マスキングを行った後、ガラス成分と金属とを含む導電性ペーストを、例えばディッピングやスクリーン印刷などの方法により、積層体10に塗布する。その後、焼き付け処理して下地電極層を形成する。このときの焼き付け処理の温度は、例えば700℃以上900℃以下であることが好ましい。
なお、焼成前の積層チップと、積層チップに塗布した導電性ペーストとを同時に焼成する場合には、焼き付け層は、ガラス成分の代わりにセラミック材料を添加したものを焼き付けて形成することが好ましい。このとき、添加するセラミック材料として、誘電体層20と同種のセラミック材料を用いることが特に好ましい。この場合は、焼成前の積層チップに対して、導電性ペーストを塗布し、積層チップと積層チップに塗布した導電性ペーストを同時に焼き付けて、焼き付け層が形成された積層体10を形成する。
その後、焼き付け層からなる下地電極層および積層体10の表面上に、めっき層を形成する。下地電極層を焼き付け層で形成する場合は、めっき層として、例えば、Niめっき層と、Snめっき層の2層のめっき層を形成する。めっき層を形成するにあたっては、電解めっき法で形成する。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。
なお、めっき層の形成のコントロールが難しい場合には、積層体10の表面を露出させる箇所をマスキングして、めっき層を形成してもよい。これにより、所望の形状のめっき層を形成しやすくなる。
このような製造工程により、積層セラミックコンデンサ1が製造される。
(外部電極の形状の変形例)
外部電極40の構成は、上記実施形態の構成に限らない。以下、本実施形態の積層セラミックコンデンサ1の外部電極40の形状が異なる第1変形例、第2変形例および第3変形例について説明する。なお、以下の説明において、上記実施形態と同じ構成については同じ符号を付すとともに、詳細な説明を省略する。
図14は、第1変形例に係る外部電極40が適用された積層セラミックコンデンサ1を示す斜視図であり、図1に対応する図である。図15は、図14のXV-XV断面図、すなわちLT断面図であり、図5に対応する図である。
第1変形例の第1の外部電極40Aは、上記実施形態では無かった積層体10の第2の主面TS2上の一部に配置される部分として、第5面部40A5をさらに有する。すなわち、第1変形例の第1の外部電極40Aは、第1の端面LS1上に位置する第1面部40A1と、第1の主面TS1上の一部に位置する第2面部40A2と、第1の側面WS1上の一部に位置する第3面部40A3と、第2の側面WS2上の一部に位置する第4面部40A4と、第2の主面TS2上の一部に位置する第5面部40A5と、を有する。第1の外部電極40Aにおいては、第2面部40A2および第5面部40A5のいずれか一方が、実装基板のランドに接続される。
第1変形例の第2の外部電極40Bは、上記実施形態では無かった積層体10の第2の主面TS2上の一部に配置される部分として、第10面部40B5をさらに有する。すなわち、第1変形例の第2の外部電極40Bは、第2の端面LS2上に位置する第6面部40B1と、第1の主面TS1上の一部に位置する第7面部40B2と、第1の側面WS1上の一部に位置する第8面部40B3と、第2の側面WS2上の一部に位置する第9面部40B4と、第2の主面TS2上の一部に位置する第10面部40B5と、を有する。第2の外部電極40Bにおいては、第7面部40B2および第10面部40B5のいずれか一方が、実装基板のランドに接続される。
第1変形例に係る外部電極40は、上記実施形態と同様に、下地電極層と、下地電極層上に配置されるめっき層と、を有し、下地電極層は、焼き付け層、薄膜層等から選ばれる少なくとも1つを含むものであってよい。
図16は、図15のXVIで示す部分の拡大図であり、図9Aに対応する図である。すなわち図16は第1変形例に係る第1の外部電極40Aを含むLT断面を示している。なお、第1変形例に係る第2の外部電極40Bも、第1変形例に係る第1の外部電極40Aと同じ構成であるため、第1の外部電極40Aを説明することによって第2の外部電極40Bの説明を省略する。
図16に示すように、第1変形例に係る第1の外部電極40Aは、第1の下地電極層50Aと、第1の下地電極層50A上に配置された第1のめっき層60Aと、を有する。第1の下地電極層50Aは、積層体10の表面に配置される。第1のめっき層60Aは、第1の下地電極層50Aを覆うように配置される。
第1変形例に係る第1の下地電極層50Aは、スパッタ電極により形成された第1の薄膜層51Aにより構成されている。スパッタ電極で形成される第1の薄膜層51Aは、第1の主面TS1上の第1の端面LS1側の一部、および第2の主面TS2上の第1の端面LS1側の一部に配置されている。第1の薄膜層51Aは、第1の主面TS1上の一部と、第1の主面TS1上の一部から連続して第1の端面LS1の一部に若干周り込むように配置されていることが好ましい。第1の薄膜層51Aは、第2の主面TS2上の一部と、第2の主面TS2上の一部から連続して第1の端面LS1の一部に若干周りむように配置されていることが好ましい。
第1のめっき層60Aは、第1の下地電極層50Aを覆うように配置されている。第1のめっき層60Aは、第1のCuめっき層61Aと、第1のNiめっき層62Aと、第1のSnめっき層63Aと、を有することが好ましい。ただし、第1のめっき層60Aは、3層構造に限らず、その他の層構成であってもよい。
第1のCuめっき層61Aは、積層体10の第1の端面LS1と、積層体10の第1の主面TS1および第2の主面TS2に配置された第1の下地電極層50Aとしての第1の薄膜層51Aと、を覆うように配置される。この場合、第1のCuめっき層61Aはさらに、積層体10の第1の側面WS1および第2の側面WS2における、内部電極層30が露出する側面露出部33を覆うように配置される。
第1のNiめっき層62Aは、第1のCuめっき層61Aを覆うように配置される。第1のSnめっき層63Aは、第1のNiめっき層62Aを覆うように配置される。第1のめっき層60Aは、第1の内部電極層31と直接電気的に接続されている。
第1変形例の第1の外部電極40Aは、図10Aに示したように、第1の下地電極層50Aが第1の焼き付け層52Aにより構成され、第1のめっき層60Aが第1のNiめっき層62Aおよび第1のSnめっき層63Aを有する2層構造であってもよい。
次に、図17を参照して外部電極40の第2変形例を説明する。図17は、第2変形例の外部電極40が適用された積層セラミックコンデンサ1の斜視図であり、図1に対応している。
第2変形例に係る外部電極40は、図1に示した上記実施形態の外部電極40を変形させたもので、積層体10の、第1の側面WS1上および第2の側面WS2上にそれぞれ配置される部分の、第2の主面TS2側および長さ方向Lの内側(第2の外部電極40B側)が切り欠かれた形状を有する。すなわち、図17に示すように、第1の外部電極40Aの第2面部40A2には、第2の主面TS2側および長さ方向Lの内側の部分を切り欠いた切り欠き部45が形成されている。また、第2の外部電極40Bの第8面部40B3には、第2の主面TS2側および長さ方向Lの内側の部分を切り欠いた切り欠き部45が形成されている。図17には図示されないが、第1の外部電極40Aの第4面部40A4および第2の外部電極40Bの第9面部40B4のそれぞれにも、同様の切り欠き部45が形成されている。
第2変形例に係る外部電極40は、上記実施形態と同様の層構成、すなわち、下地層が薄膜層または焼き付け層を有し、その下地層の上に2層または3層のめっき層が形成された層構成が適用されてよい。
次に、図18を参照して外部電極40の第3変形例を説明する。図18は、第3変形例の外部電極40が適用された積層セラミックコンデンサ1の斜視図であり、図1に対応している。
第2変形例に係る外部電極40は、図14に示した上記第1変形例の外部電極40を変形させたもので、積層体10の、第1の側面WS1上および第2の側面WS2上にそれぞれ配置される部分に、凹部が形成されている。
すなわち、図18に示すように、第1の外部電極40Aの第3面部40A3には、その高さ方向Tの真ん中に、幅方向Wの内側から外側に凹む凹部46が形成されている。凹部46は、幅方向Wの内側すなわち第2の端面LS2側に開口している。また、第2の外部電極40Bの第8面部40B3には、その高さ方向Tの真ん中に、幅方向Wの内側から外側に凹む凹部46が形成されている。凹部46は、幅方向Wの内側すなわち第1の端面LS1側に開口している。図18には図示されないが、第1の外部電極40Aの第4面部40A4および第2の外部電極40Bの第9面部40B4のそれぞれにも、同様の凹部46が形成されている。第3面部40A3、第4面部40A4、第8面部40B3および第9面部40B4は、凹部46が形成される本開示における側面被覆部の一例である。
第3変形例に係る外部電極40は、上記実施形態と同様の層構成、すなわち、下地層が薄膜層または焼き付け層を有し、その下地層の上に2層または3層のめっき層が形成された層構成が適用されてよい。
以上説明した実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1によれば、以下の効果を奏する。
実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、高さ方向Tに交互に積層された複数の誘電体層20および複数の内部電極層30を含むとともに、高さ方向Tに相対する第1の主面TS1および第2の主面TS2と、高さ方向Tに直交する長さ方向Lに相対する第1の端面LS1および第2の端面LS2と、高さ方向Tおよび長さ方向Lに直交する幅方向Wに相対する第1の側面WS1および第2の側面WS2と、を有する積層体10と、積層体10の長さ方向Lの両端部のそれぞれに、互いに離間して配置された一対の外部電極40と、を備え、内部電極層30は、第1の端面LS1に引き出される第1の内部電極層31と、第2の端面LS2に引き出される第2の内部電極層32と、を含み、外部電極40は、第1の内部電極層31に接続され、第1の端面LS1上、および、第1の主面TS1上の一部および第2の主面TS2上の一部のうちの少なくとも一方、に配置される第1の外部電極40Aと、第2の内部電極層32に接続され、第2の端面LS2上、および、第1の主面TS1上の一部および第2の主面TS2上の一部のうちの少なくとも一方、に配置される第2の外部電極40Bと、を有する、積層セラミックコンデンサ1であって、積層体10の第1の端面LS1と第2の端面LS2とを結ぶ長さ方向Lの長さをl、第1の側面WS1と第2の側面WS2とを結ぶ幅方向Wの長さをw、第1の主面TS1と第2の主面TS2とを結ぶ高さ方向Tの長さをtとしたとき、w>l>tの寸法関係にあり、第1の内部電極層31は、積層体10の内部に位置し、第2の内部電極層32と対向する第1の対向電極部31Aと、第1の対向電極部31Aよりも幅方向寸法Wが大きく、第1の端面LS1、第1の側面WS1の一部、および第2の側面WS2の一部、に露出するように配置される第1の引き出し部31Bと、を有し、第2の内部電極層32は、積層体10の内部に位置し、第1の内部電極層31と対向する第2の対向電極部32Aと、第2の対向電極部32Aよりも幅方向寸法Wが大きく、第2の端面LS2、第1の側面WS1の一部、および第2の側面WS2の一部、に露出するように配置される第2の引き出し部32Bと、を有し、第1の引き出し部31Bおよび第2の引き出し部32Bにおける、第1の側面WS1の一部および第2の側面WS2の一部にそれぞれ露出する部分である側面露出部33の長さ方向Lの寸法をe1としたとき、当該e1は、積層体10の長さ方向Lの寸法に対して10%以上44%以下であり、第1の主面TS1上の一部および第2の主面TS2上の一部のうちの少なくとも一方に配置される第1の外部電極40Aにおける、第2の端面LS2側の先端41Aから第1の端面LS1側の端部42Aまでの長さ方向Lの長さ、および、第1の主面TS1上の一部および第2の主面TS2上の一部のうちの少なくとも一方に配置される第2の外部電極40Bにおける、第1の端面LS1側の先端41Bから第2の端面LS2側の端部42Bまでの長さ方向Lの長さをe2としたとき、当該e2は、積層体10の長さ方向Lの寸法に対して17%以上48%以下である。
これにより、LW逆転タイプの積層セラミックコンデンサ1において、高さ方向Tの長さtである厚みが薄くなっても機械的強度を向上させることができ、内部にクラックが発生することを抑制できる。
実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1においては、第1の主面TS1と第2の主面TS2とを結ぶ高さ方向Tの長さtは、150μm以下である形態を含む。
これにより、高さ方向Tの長さtが150μm以下と薄い積層セラミックコンデンサ1であっても、機械的強度が向上しているため、クラックが発生し難い。
実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1においては、第1の主面TS1と第2の主面TS2とを結ぶ高さ方向Tの長さtは、100μm以下である形態を含む。
これにより、高さ方向Tの長さtが100μm以下と薄い積層セラミックコンデンサ1であっても、機械的強度が向上しているため、クラックが発生し難い。
実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1においては、第1の外部電極40Aは、第1の下地電極層50Aと、第1の下地電極層50A上であって、かつ、第1の端面LS1上に配置される内側めっき層と、第1のCuめっき層61A上に配置される外側めっき層としての第1のNiめっき層62Aおよび第1のSnめっき層63Aを有し、第2の外部電極40Bは、第2の下地電極層50Bと、第2の下地電極層50B上であって、かつ、第2の端面LS2上に配置される内側めっき層と、第2のCuめっき層61B層上に配置される外側めっき層としての第2のNiめっき層62Bおよび第2のSnめっき層63Bと、を有し、第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bのそれぞれは、Mg、Al、Ti、W、Cr、Cu、Ni、Ag、Co、MoおよびVを含む金属群の中から選ばれる少なくとも1種の金属を含む第1の薄膜層51Aおよび第2の薄膜層51Bであり、内側めっき層は、第1のCuめっき層61Aおよび第2のCuめっき層61Bを含むことが好ましい。
これにより、内側めっき層の第1のCuめっき層61Aおよび第2のCuめっき層61Bによって、積層セラミックコンデンサ1を実装する際のはんだにより第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bが侵食されることが抑制される。また、スパッタリング法または蒸着法等の薄膜形成法により第1の薄膜層51Aおよび第2の薄膜層51Bを形成できるため、第1の下地電極層50Aおよび第2の下地電極層50Bを容易に形成することができる。
実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1においては、第1の外部電極40Aの外側めっき層は、第1のNiめっき層62Aと、第1のNiめっき層62A上に配置される第1のSnめっき層63Aと、を含み、第2の外部電極40Bの外側めっき層は、第2のNiめっき層62Bと、第2のNiめっき層62B上に配置される第2のSnめっき層63Bと、を含むことが好ましい。
これにより、積層セラミックコンデンサ1を実装する際のはんだの濡れ性を向上させることができ、積層セラミックコンデンサ1を容易に実装することができる。
以下に、本発明の実施例を説明する。図1~図9Bに示した上記実施形態の積層セラミックコンデンサ1と同様の構成を有し、上記寸法e1および上記寸法e2を変化させた積層セラミックコンデンサを、表1に示す試験例1~13として、それぞれ必要数を作製した。作製した積層セラミックコンデンサはいずれもLW逆転タイプであって、コンデンササイズが「1005」(W×Lが1.0mm×0.5mm)と、コンデンササイズが「0603」(W×Lが0.6mm×0.3mm)の2種類の積層セラミックコンデンサを作製した。表1には、試験例1~13の、寸法e1および寸法e2、積層体の長さ方向Lに対する寸法e1の比率、積層体の長さ方向Lに対する寸法e2の比率、をそれぞれ示している。なお、以下においては、積層体の長さ方向Lに対する寸法e1の比率を単に「寸法e1の比率」、積層体の長さ方向Lに対する寸法e2の比率を単に「寸法e2の比率」という場合がある。
なお、今回製造した1005サイズの積層セラミックコンデンサと、0603サイズの積層セラミックコンデンサの具体的な寸法および電気的特性を、表2に示す。
Figure 2023135456000002
Figure 2023135456000003
試験例1、試験例2および試験例8は、いずれも、寸法e1の比率および寸法e2の比率の双方とも本発明の範囲を下回る比較例である。試験例7、試験例12および試験例13は、いずれも、寸法e1の比率および寸法e2の比率の双方とも本発明の範囲を上回る比較例である。試験例3~試験例6および試験例9~試験例11は、本発明の寸法e1の比率および寸法e2の比率が双方とも本発明の範囲内にある実施例である。
試験例1~13の積層セラミックコンデンサについて、下記の機械強度試験と耐湿負荷試験を行った。
(機械強度試験)
図19に示すように、積層セラミックコンデンサ1を、1.6mmの厚みを有する実装用の基板100の一方の面に、はんだペーストを用いて実装した。次いで、基板100を一対のころ101上に支持し、積層セラミックコンデンサ1が実装されていない他方の面から曲率半径1mmの押し棒102によって1.0mm/sの速さで荷重を加えて基板100を曲げ、積層セラミックコンデンサ1に機械的ストレスを与えた。このとき、基板100に生じる曲げ量は3mmとし、5±1秒間にわたり基板100を曲げた。
次に、基板100から取り外した積層セラミックコンデンサ1に対して断面研磨を行い、内部にクラックが発生しているか否かを観察した。試験数は、各試験例につき10個ずつとし、次に示す4つの断面の少なくともいずれか1つでのクラックの有無を観察し、クラックがあったものをカウントした。
・第1の側面WS1または第2の側面WS2から、幅方向Wの長さが減じるように積層セラミックコンデンサ1を研磨した際の、内部電極層30が露出した直後のLT断面。
・第1の側面WS1または第2の側面WS2から、幅方向Wの長さが減じるように積層セラミックコンデンサ1を研磨し、幅方向長さWが1/2に到達した際のLT断面。
・第1の主面TS1または第2の主面TS2から、高さ方向Tの長さが減じるように積層セラミックコンデンサ1を研磨した際の、内部電極層30が露出した直後のLW断面。
・第1の主面TS1または第2の主面TS2から、高さ方向Tの長さが減じるように積層セラミックコンデンサ1を研磨し、高さ方向長さTが1/2に到達した際のLW断面。
(耐湿負荷試験)
耐湿負荷試験は、高湿度環境において電圧負荷を加えた場合に、電気特性に規定以上の変化があるか否かを調べるもので、次のような方法を採用した。相対湿度85%、温度85℃の試験槽の中に、規定の治具に取り付けた積層セラミックコンデンサを治具ごと収容し、その積層セラミックコンデンサに、定格電圧6.3Vを印加した状態を、1000時間経過させた。試験数は、各試験例につき20個ずつとした。試験を経た積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗値を測定し、その絶縁抵抗値が1.0×10^6[Ω]以下のものを、耐湿性が劣化したものとしてカウントした。
以上の機械強度試験および耐湿負荷試験の結果を、表1に併記する。
表1によれば、寸法e1の比率が小さいと、クラックが発生する可能性が高くなることが判る。これは、積層セラミックコンデンサ内での内部電極層の面積割合が減少して機械的強度が低減することに起因すると推察される。一方、寸法e2の比率が大きくなると、耐湿性が劣化する可能性が高くなることが判る。これは、第1の外部電極と第2の外部電極との間の長さ方向Lの距離が近くなるため、マイグレーションが発生することにより耐湿性が低下すると考えられる。
表1によれば、1005サイズの試験例1~7のうち、内部電極層の寸法e1の比率および寸法e2の比率の双方とも本発明範囲を下回る試験例1は、クラックが発生したものがあった。また、1005サイズの試験例1~7のうち、内部電極層の寸法e1の比率および寸法e2の比率の双方とも本発明範囲を上回る試験例7は、耐湿性が劣化したものがあった。なお、比較例である試験例2は、クラック発生および耐湿性劣化が生じなかった。一方、0603サイズの試験例8~13のうち、内部電極層の寸法e1の比率および寸法e2の比率の双方とも本発明範囲を下回る比較例の試験例8は、クラックが発生したものがあった。また、1005サイズの試験例8~13のうち、内部電極層の寸法e1の比率および寸法e2の比率の双方とも本発明範囲を上回る比較例の試験例13は、耐湿性が劣化したものがあった。なお、比較例の試験例12は、クラック発生および耐湿性劣化が生じなかった。
比較例の試験例2は、クラック発生および耐湿性劣化が生じなかったが、この試験例2の寸法e1の比率および寸法e2の比率に近似する値を有する比較例の試験例8においては、クラックが発生したものがある。したがってコンデンササイズによっては、試験例2および試験例8のような寸法e1の比率および寸法e2の比率を有する積層セラミックコンデンサは、少なくともクラックが発生する可能性があるといえる。また、比較例の試験例12は、クラック発生および耐湿性劣化が生じなかったが、この試験例12の寸法e1の比率および寸法e2の比率に近似する値を有する試験例7では、耐湿性が劣化したものがある。したがってコンデンササイズによっては、試験例7および試験例12の寸法e1の比率および寸法e2の比率を有する積層セラミックコンデンサは、少なくとも耐湿性が劣化する可能性があるといえる。
以上のように、試験例1~試験例13を総合的に鑑みた場合、LW逆転タイプの積層セラミックコンデンサにおいては、寸法e1の比率は10%以上44%以下が好ましく、寸法e2の比率は17%以上48%以下であることが好ましい。
1 積層セラミックコンデンサ
10 積層体
11 内層部
11H 内層部の第1の最表面
11h 第1の最表面の延長面
11F 内層部の第2の最表面
11f 第2の最表面の延長面
12 第1の主面側外層部
13 第2の主面側外層部
20 誘電体層
30 内部電極層
31 第1の内部電極層
31A 第1の対向電極部
31B 第1の引き出し部
32 第2の内部電極層
32A 第2の対向電極部
32B 第2の引き出し部
33 側面露出部
40 外部電極
40A 第1の外部電極
40B 第2の外部電極
40A3 第3面部(側面被覆部)
40A4 第4面部(側面被覆部)
40B3 第8面部(側面被覆部)
40B4 第9面部(側面被覆部)
41A 第1の外部電極の第2の端面側の先端
41B 第2の外部電極の第1の端面側の先端
42A 第1の外部電極の第1の端面側の端部
42B 第2の外部電極の第2の端面側の端部
46 凹部
50A 第1の下地電極層(下地電極層)
51A 第1の薄膜層(薄膜層)
50B 第2の下地電極層(下地電極層)
51B 第2の薄膜層(薄膜層)
61A 第1のCuめっき層61A(内側めっき層)
61B 第2のCuめっき層61B(内側めっき層)
62A 第1のNiめっき層(外側めっき層)
62B 第2のNiめっき層(外側めっき層)
63B 第2のSnめっき層(外側めっき層)
63A 第1のSnめっき層(外側めっき層)
L 長さ方向
W 幅方向
T 高さ方向
l 積層体の長さ方向の長さ
w 積層体の幅方向の長さ
t 積層体の高さ方向の長さ
LS1 第1の端面
LS2 第2の端面
WS1 第1の側面
WS2 第2の側面
TS1 第1の主面
TS2 第2の主面

Claims (6)

  1. 高さ方向に交互に積層された複数の誘電体層および複数の内部電極層を含むとともに、前記高さ方向に相対する第1の主面および第2の主面と、前記高さ方向に直交する長さ方向に相対する第1の端面および第2の端面と、前記高さ方向および前記長さ方向に直交する幅方向に相対する第1の側面および第2の側面と、を有する積層体と、
    前記積層体の長さ方向両端部のそれぞれに、互いに離間して配置された一対の外部電極と、を備え、
    前記内部電極層は、
    前記第1の端面に引き出される第1の内部電極層と、
    前記第2の端面に引き出される第2の内部電極層と、を含み、
    前記外部電極は、
    前記第1の内部電極層に接続され、前記第1の端面上、および、前記第1の主面上の一部および前記第2の主面上の一部のうちの少なくとも一方、に配置される第1の外部電極と、
    前記第2の内部電極層に接続され、前記第2の端面上、および、前記第1の主面上の一部および前記第2の主面上の一部のうちの少なくとも一方、に配置される第2の外部電極と、を有する、積層セラミックコンデンサであって、
    前記積層体の前記第1の端面と前記第2の端面とを結ぶ前記長さ方向の長さをl、前記第1の側面と前記第2の側面とを結ぶ前記幅方向の長さをw、前記第1の主面と前記第2の主面とを結ぶ前記高さ方向の長さをtとしたとき、w>l>tの寸法関係にあり、
    前記第1の内部電極層は、前記積層体の内部に位置し、前記第2の内部電極層と対向する第1の対向電極部と、前記第1の対向電極部よりも幅方向寸法が大きく、前記第1の端面、前記第1の側面の一部、および前記第2の側面の一部、に露出するように配置される第1の引き出し部と、を有し、
    前記第2の内部電極層は、前記積層体の内部に位置し、前記第1の内部電極層と対向する第2の対向電極部と、前記第2の対向電極部よりも幅方向寸法が大きく、前記第2の端面、前記第1の側面の一部、および前記第2の側面の一部、に露出するように配置される第2の引き出し部と、を有し、
    前記第1の引き出し部および前記第2の引き出し部における、前記第1の側面の一部および前記第2の側面の一部にそれぞれ露出する部分である側面露出部の前記長さ方向の寸法をe1としたとき、当該e1は、前記積層体の前記長さ方向の寸法に対して10%以上44%以下であり、
    前記第1の主面上の一部および前記第2の主面上の一部のうちの少なくとも一方に配置される前記第1の外部電極における、前記第2の端面側の先端から前記第1の端面側の端部までの長さ方向の長さ、および、前記第1の主面上の一部および前記第2の主面上の一部のうちの少なくとも一方に配置される前記第2の外部電極における、前記第1の端面側の先端から前記第2の端面側の端部までの長さ方向の長さをe2としたとき、当該e2は、前記積層体の前記長さ方向の寸法に対して17%以上48%以下である、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記第1の主面と前記第2の主面とを結ぶ前記高さ方向の長さは、150μm以下である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記第1の主面と前記第2の主面とを結ぶ前記高さ方向の長さは、100μm以下である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記外部電極は、下地電極層と、当該下地電極層上であって、かつ、前記第1の端面上および前記第2の端面上のそれぞれに配置される内側めっき層と、当該めっき層上に配置される外側めっき層と、を有し、
    前記下地電極層は、Mg、Al、Ti、W、Cr、Cu、Ni、Ag、Co、MoおよびVを含む金属群の中から選ばれる少なくとも1種の金属を含む薄膜層であり、
    前記内側めっき層は、Cuめっき層を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記外側めっき層は、Niめっき層と、前記Niめっき層上に配置されるSnめっき層を含む、請求項4に記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記第1の外部電極および前記第2の外部電極のそれぞれは、前記積層体の前記第1の側面および前記第2の側面のうちの少なくとも一方の側面を覆う側面被覆部を有し、
    前記側面被覆部における前記高さ方向の中央部には、前記長さ方向の内側から外側に向かって凹む凹部が形成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
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