JP2023135352A - スロットル開度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の作動により発電された電力がバッテリを介さずに制御ユニットに供給されるときであっても、適切なスロットル閉鎖値を設定する。【解決手段】燃料噴射制御システム10は、エンジン12の作動により発電された電力がバッテリを介さずに供給され得るように構成されたECU14を備える。ECU14は、エンジン12の作動により発電された電力がバッテリを介さずに供給されるとき、ECU14の起動後、所定条件を満たすまでは、スロットル開度センサ46の検出値VDTCがECU14の起動後の最小値でなくても、当該検出値VDTCを、スロットル弁38が閉鎖していることを示すスロットル閉鎖値VCLSに設定する。【選択図】図3
Description
本発明は、スロットル開度検出装置に関し、特に、内燃機関の作動により発電された電力がバッテリを介さずに供給され得るように構成された制御ユニットを備えるスロットル開度検出装置に関する。
内燃機関には、吸気を制御するためのスロットル弁と、そのスロットル弁の開度を検出するスロットル開度センサが設けられている。スロットル弁の開度は、スロットル弁が閉鎖していることを示すスロットル閉鎖値を基準にスロットル開度センサの検出値を用いて算出される。スロットル閉鎖値の算出方法として、検出されたスロットル弁開度とスロットル弁全閉学習値との差が所定値以上であるか否かに応じて、学習値更新要求カウンタのカウンタ値を増減し、そのカウンタ値が所定の設定カウント値になったときにスロットル弁全閉学習値を更新する、エンジンのスロットル弁開度検出装置が提案されている(特許文献1参照)。
車両にはマイコンである電子制御ユニット(以下、「ECU」という)が搭載されており、ECUがスロットル閉鎖値を更新する。一方、例えば車両がバッテリレスである場合や、バッテリがあってもバッテリが切れてECUへの電力供給が不能になる場合もある。このような場合も適切なスロットル開度の制御を実現するために、内燃機関の作動により発電された電力がバッテリを介さずにECUに供給される技術も存在する。しかしながら、発電された電圧が、ECUの起動後、ECUが定常的に稼働する定常電圧へ到達するまでは短時間ではあるが時間がかかる。このようにECUに与えられる電圧が定常電圧へ到達するまでの間は、スロットル開度センサの検出値も、定常電圧がECUに与えられている場合に比べて低い値となる。このようなときにスロットル閉鎖値を更新すると、定常電圧がECUに与えられている場合に設定すべきスロットル閉鎖値よりも低い値にスロットル閉鎖値が設定されてしまう可能性があり、適切なスロットル開度の制御が困難となる。
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、内燃機関の作動により発電された電力がバッテリを介さずに制御ユニットに供給されるときであっても、適切なスロットル閉鎖値を設定することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るスロットル開度検出装置は、内燃機関の作動により発電された電力がバッテリを介さずに供給され得るように構成された制御ユニットを備える。制御ユニットは、内燃機関の作動により発電された電力がバッテリを介さずに供給されるとき、制御ユニットの起動後、所定条件を満たすまでは、スロットル開度センサの検出値が制御ユニットの起動後の最小値でなくても、当該検出値を、スロットル弁が閉鎖していることを示すスロットル閉鎖値に設定する。
この態様によれば、制御ユニットに与えられる電圧が定常電圧へ到達するまでの間に、本来設定すべきスロットル閉鎖値よりも低い値にスロットル閉鎖値が設定されてしまった場合であっても、その後、そのスロットル閉鎖値をより適正な値に更新することができる。このため、内燃機関の作動により発電された電力がバッテリを介さずに制御ユニットに供給されるときであっても、適切なスロットル開度の制御が可能となる。
所定条件は、制御ユニットの起動後、スロットル開度センサに与えられる電圧が、スロットル開度センサが定常的に稼働する定常電圧へ到達したとみなすことができる条件であってもよい。この態様によれば、制御ユニットに与えられる電圧が定常電圧へ到達するまでスロットル閉鎖値を継続して更新することができる。このため、スロットル閉鎖値をより適正な値に更新することができる。
所定条件は、制御ユニットの起動後、所定時間が経過することであってもよい。制御ユニットに与えられる電圧は、内燃機関が始動してから毎回概ね同じ時間で定常電圧へ到達する。この態様によれば、制御ユニットの起動後に時間をカウントするという簡易な制御でスロットル閉鎖値を適正な値に更新することができる。
制御ユニットは、スロットル開度センサの検出値が所定の上限値を超える場合には、スロットル開度センサの検出値をスロットル閉鎖値に設定することを回避してもよい。
内燃機関が始動した直後で制御ユニットに与えられる電圧が定常電圧へ到達していなくても、スロットル開度センサの検出値が高い場合には、スロットル弁が開放されている可能性がある。この態様によれば、スロットル弁が開放されているときのスロットル開度センサの検出値をスロットル閉鎖値に設定することを回避することができる。
制御ユニットは、スロットル開度センサの検出値が所定の上限値を超える場合には、所定の上限値をスロットル閉鎖値に設定してもよい。この態様によれば、本来設定すべきスロットル閉鎖値よりも低い値にスロットル閉鎖値が設定されてしまったままスロットル閉鎖値が更新されないことを回避することができる。
制御ユニットは、所定条件を満たした後においては、制御ユニットの起動後のスロットル開度センサの検出値の最小値を、スロットル閉鎖値に設定してもよい。所定条件を満たした後においては、制御ユニットには定常電圧が与えられると考えられる。このため、所定条件を満たした後に制御ユニットの起動後のスロットル開度センサの検出値の最小値が検出された場合、その最小値は正確な値と考えられるため、その最小値がスロットル閉鎖値であると考えられる。したがってこの態様によれば、所定条件を満たした後において、スロットル閉鎖値を適正な値に更新することができる。
図1は、本実施形態に係る燃料噴射制御システム10の構成を示す図である。燃料噴射制御システム10は、エンジン12およびECU14を有する。エンジン12は、内燃機関による原動機であり、気筒16、ピストン18、コンロッド20、およびクランク軸22を有する。ピストン18は、気筒16のシリンダ室26に収容されている。ピストン18は、コンロッド20を介してクランク軸22に連結されている。ピストン18の軸方向の往復運動は、コンロッド20を介してクランク軸22の回転運動に変換される。
ピストン18の先端部側には、燃焼室28が形成されている。燃焼室28には、吸気ポート30および排気ポート32が接続されている。吸気ポート30と燃焼室28との間には吸気弁34が配置されており、排気ポート32と燃焼室28との第には排気弁36が配置されている。吸気弁34は、吸気ポート30から燃焼室28へのエアの通流を調整し、排気弁36は、燃焼室28から排気ポート32へのエアの通流を調整する。
吸気ポート30の内部には、スロットル弁38が回転可能に配置されている。スロットル弁38は、回転することによりその開度が変化し、燃焼室28に供給されるエアの量を調整する。スロットル弁38は、運転者のアクセルの踏み込み量に応じて開度が変化するように構成されている。
エンジン12は、点火プラグ40、点火コイル42、燃料噴射弁44、スロットル開度センサ46、吸気圧センサ48、およびパルサ50をさらに有する。点火プラグ40は、その点火部が燃焼室28内においてピストン18の頂面に対向するように配置されている。点火プラグ40は、点火コイル42を介してECU14に接続されている。ECU14は、点火プラグ40への電力の供給を制御することにより、点火プラグ40による点火を制御して、燃焼室28における燃焼を制御する。
燃料噴射弁44、スロットル開度センサ46、吸気圧センサ48、およびパルサ50もまた、ECU14に接続されている。燃料噴射弁44は、吸気ポート30内に燃料を噴射できるように吸気ポート30の壁部に配置されている。ECU14は、燃料噴射弁44に与える駆動信号を制御することにより、吸気ポート30内に噴射される燃料の量を調整する。スロットル開度センサ46は、スロットル弁38近傍に配置され、スロットル弁38の開度を検出する。スロットル弁38の検出結果はECU14に入力される。
吸気圧センサ48は、吸気ポート30内の吸気圧を検出できるように、吸気ポート30の壁部に配置されている。吸気圧センサ48の検出結果は、ECU14に入力される。
パルサ50は、クランク軸22の回転運動に応じてパルス信号を発生する。パルサ50が発生したパルス信号は、ECU14に入力される。ECU14は、このパルス信号を用いて、クランク軸22の回転角度を算出し、且つエンジン回転数を算出する。したがって、パルサ50はエンジン回転数センサとして機能する。
図2は、ECU14およびECU14に接続されている構成要素を示すブロック図である。ECU14は、いわゆるマイクロコンピュータであり、演算処理装置60および保存装置62を有する。保存装置62は、書き込み可能なRAM64と、書き込み不能なROM66を含む。演算処理装置60は、ECU14に接続された様々なセンサの検出結果に基づいて、ROM66に格納されたテーブルなども用いてエンジン12の駆動制御に必要な計算を実行する。算出された値はRAM64に格納される。
ECU14は、スロットル開度センサ46、吸気圧センサ48、パルサ50の検出結果、すなわちスロットル開度、吸気圧、およびエンジン回転数に基づいて燃料噴射弁44からの燃料噴射量を制御する。したがって、ECU14は、燃料噴射制御装置として機能する。
ECU14は、スロットル開度センサ46の検出値VDTCに基づいて、スロットル閉鎖値を更新する。ECU14は、スロットル開度センサ46の検出値VDTCと、更新されたスロットル閉鎖値VCLSを用いて、スロットル弁38の開度を算出する。したがって、ECU14は、スロットル開度検出装置としても機能する。
本実施形態では、通常はバッテリ(図示せず)からECU14に電力が供給される。バッテリからECU14に電力が供給されている間は、ECU14には、安定した定常電圧が供給される。本実施形態では定常電圧は5Vに設定されている。しかしながら、バッテリが切れる場合もある。
しかしながら、バッテリが切れてしまった場合、バッテリが再び充電されるまで、バッテリからECU14への電力供給が不能になる。このような場合も適切なスロットル開度の制御を実現するために、本実施形態では、ECU14は、エンジン12の作動により発電された電力がバッテリを介さずに供給され得るように構成されている。具体的には、ECU14は、エンジン12の作動によって発電する発電機(図示せず)からも直接電力を供給可能に構成されている。ECU14は、バッテリから与えられる電圧などに基づいてバッテリが切れているか否かを、ECU14の起動後速やかに判定する。ECU14は、バッテリが切れていると判定した場合には、その発電機から供給される電力を用いて起動する。このような技術は公知のため、その詳細な構成については説明を省略する。
しかしながら、発電された電圧が、ECU14が起動してからECU14が定常的に稼働する定常電圧へ到達するまでは短時間ではあるが時間がかかる。このようにECU14に与えられる電圧が定常電圧へ到達するまでの間は、スロットル開度センサ46の検出値VDTCも、定常電圧がECU14に与えられている場合に比べて低い値となる。このようなときにスロットル閉鎖値VCLSを更新すると、定常電圧がECU14に与えられている場合に設定すべきスロットル閉鎖値VCLSよりも低い値にスロットル閉鎖値VCLSが設定されてしまう可能性がある。
そこで、本実施形態では、エンジン12の作動により発電された電力がバッテリを介さずにECU14に供給されるときであっても、適切なスロットル閉鎖値VCLSを設定可能なスロットル閉鎖値VCLSの更新処理を実行する。以下、フローチャートを用いてスロットル閉鎖値VCLSの更新処理を詳細に説明する。
図3は、スロットル閉鎖値VCLSの更新処理を示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、ECU14が起動し、所定のイニシャライズが終了した後に、所定時間毎に繰り返し実行される。
ECU14は、スタートカウンタCSTARTをインクリメントする(S10)。スタートカウンタCSTARTがインクリメントされると、ECU14は、スタートカウンタCSTARTから算出される、スタートカウンタCSTARTのカウント開始からの時間が、制御切替時間TCNGよりも小さいか否かを判定する(S12)。
スタートカウンタCSTARTのカウント開始からの時間が、制御切替時間TCNGよりも小さいと判定された場合(S12のY)、ECU14に与えられる電圧が定常電圧に到達していないと考えられる。この場合、ECU14は、スロットル開度センサ46の検出値VDTCが所定の上限値VLMTより小さいか否かを判定する(S14)。上限値VLMTは、その値よりスロットル開度センサ46の検出値VDTCが大きいと、ECU14に与えられる電圧が定常電圧に達していない間であってもスロットル弁38が開放していると考えられる値として、実験的に予め求められた値である。上限値VLMTは、ROM66に格納されている。
スロットル開度センサ46の検出値VDTCが所定の上限値VLMTより小さいと判定された場合(S14のY)、ECU14は、スロットル開度センサ46の検出値VDTCをスロットル閉鎖値VCLSに設定する(S16)。具体的には、ECU14は、スロットル開度センサ46の検出値VDTCをスロットル閉鎖値VCLSとしてRAM64に格納する。スロットル開度センサ46の検出値VDTCがスロットル閉鎖値VCLSに設定されると、本フローチャートにおける処理が一旦終了される。
このように、ECU14は、エンジン12の作動により発電された電力がバッテリを介さずに供給されるとき、ECU14の起動後、所定条件を満たすまでは、スロットル開度センサ46の検出値VDTCがECU14の起動後における最小値でなくても、スロットル開度センサ46の検出値VDTCを、スロットル弁38が閉鎖していることを示すスロットル閉鎖値VCLSに設定する。これにより、ECU14に与えられる電圧が定常電圧へ到達するまでの間に、本来設定すべきスロットル閉鎖値VCLSよりも低い値にスロットル閉鎖値VCLSが設定されてしまった場合であっても、その後、そのスロットル閉鎖値VCLSをより適正な値に更新することができる。このため、エンジン12の作動により発電された電力がバッテリを介さずにECU14に供給されるときであっても、スロットル弁38の適切な開度制御が可能となる。
本実施形態では所定条件は、ECU14の起動後、スロットル開度センサ46に与えられる電圧が、スロットル開度センサ46が定常的に稼働する定常電圧へ到達したとみなすことができる条件である。具体的には、所定条件は、ECU14の起動後、所定時間が経過することである。本実施形態では、所定時間は、ECU14の起動後、イニシャライズが終了し、スタートカウンタCSTARTをカウントし始めてからの時間である。エンジン12が始動してからECU14に与えられる電圧が定常電圧に到達する時間、エンジン12が始動してからECU14が起動されるまでの時間、およびECU14が起動してからイニシャライズが終了するまでの時間が実験的に求められている。上記所定時間は、これらの時間から、スロットル開度センサ46が定常的に稼働する定常電圧へ到達したとみなすことができる時間として予め求められ、ROM66に格納されている。
スロットル開度センサ46の検出値VDTCが所定の上限値VLMT以上と判定された場合(S14のN)、ECU14は、その上限値VLMTをスロットル閉鎖値VCLSに設定する(S18)。具体的には、ECU14は、上限値VLMTをスロットル閉鎖値VCLSとしてRAM64に格納する。上限値VLMTがスロットル閉鎖値VCLSに設定されると、本フローチャートにおける処理が一旦終了される。
このようにECU14は、スロットル開度センサ46の検出値VDTCが所定の上限値を超える場合には、スロットル開度センサ46の検出値VDTCをスロットル閉鎖値VCLSに設定することを回避する。ECU14が起動した直後でECU14に与えられる電圧が定常電圧へ到達していなくても、スロットル開度センサ46の検出値VDTCが高い場合には、スロットル弁38が開放されている可能性がある。これにより、スロットル弁38が開放されているときのスロットル開度センサ46の検出値VDTCをスロットル閉鎖値VCLSに設定することを回避することができる。
本実施形態では、ECU14は、スロットル開度センサ46の検出値VDTCが所定の上限値VLMTを超える場合には、上限値VLMTをスロットル閉鎖値VCLSに設定する。具体的には、ECU14は、上限値VLMTをスロットル閉鎖値VCLSとしてRAM64に格納する。
スタートカウンタCSTARTから算出される、スタートカウンタCSTARTのカウント開始からの時間が制御切替時間TCNG以上と判定された場合(S12のN)、ECU14に与えられる電圧が定常電圧に到達していると考えられる。この場合、ECU14はスロットル開度センサ46の検出値VDTCがスロットル閉鎖値VCLSよりも小さいか否かを判定する(S20)。スロットル開度センサ46の検出値VDTCがスロットル閉鎖値VCLSよりも小さいと判定された場合(S20のY)、ECU14は、スロットル開度センサ46の検出値VDTCをスロットル閉鎖値VCLSに設定する(S22)。すなわち、ECU14は、制御切替時間TCNGの経過後においては、ECU14の起動後におけるスロットル開度センサ46の検出値VDTCの最小値を、スロットル閉鎖値VCLSに設定する。ECU14は、スロットル開度センサ46の検出値VDTCをスロットル閉鎖値VCLSとしてRAM64に格納する。スロットル開度センサ46の検出値VDTCがスロットル閉鎖値VCLSに設定されると、本フローチャートにおける処理が一旦終了される。
制御切替時間TCNGの経過後においては、ECU14には定常電圧が与えられると考えられる。このため、制御切替時間TCNGの経過後にECU14の起動後のスロットル開度センサ46の検出値VDTCの最小値が検出された場合、その最小値は正確な値と考えられるため、その最小値がスロットル閉鎖値VCLSであると考えられる。したがってこの態様によれば、制御切替時間TCNGの経過後において、スロットル閉鎖値VCLSを適正な値に更新することができる。
なお、ECU14は、バッテリからECU14への電力供給が可能なときも、ECU14の起動後のスロットル開度センサ46の検出値VDTCの最小値を、スロットル閉鎖値VCLSに設定する。具体的には、ECU14は、スロットル開度センサ46の検出値VDTCの最小値をスロットル閉鎖値VCLSとしてRAM64に格納する。バッテリからECU14への電力供給が可能なときは、ECU14には定常電圧が与えられていると考えられる。したがって、この場合もスロットル開度センサ46の検出値VDTCの最小値がスロットル閉鎖値VCLSであると考えられる。これにより、バッテリからECU14への電力供給が可能なときにもスロットル閉鎖値VCLSを適正な値に更新することができる。
スロットル開度センサ46の検出値VDTCがスロットル閉鎖値VCLS以上と判定された場合(S20のN)、スロットル弁38が開放していると考えられる。このため、ECU14がスロットル閉鎖値VCLSを更新することなく、本フローチャートにおける処理が一旦終了される。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて実施形態における組合せや処理の順番を適宜組み替えることや各種の設計変更等の変形を実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。
ある変形例では、ECU14は、エンジン12の作動により発電された電力がバッテリを介さずに供給されるように構成されている。具体的には、車両には、上述のバッテリが搭載されているが、ECU14は、これらのバッテリからの電力の供給は受けず、エンジン12の作動により発電する発電機からの電力供給を受けて稼働する。ECU14は、これらのバッテリが切れているか否かに関わりなく、エンジン12が始動するたびに、図3に示されるスロットル閉鎖値VCLSの更新制御を実行する。これにより、エンジン12の作動により発電された電力がバッテリを介さずに供給されるようにECU14が構成されている場合においても、スロットル閉鎖値VCLSを適正な値に更新することができる。
ある別の変形例では、ECU14は、バッテリレスの車両に搭載されている。バッテリレスの車両は公知であるため、その詳細な構成についての説明を省略する。この場合も、ECU14は、エンジン12が始動するたびに、図3に示されるスロットル閉鎖値VCLSの更新制御を実行する。これにより、ECU14は、バッテリレスの車両に搭載されている場合においても、スロットル閉鎖値VCLSを適正な値に更新することができる。
ある別の変形例では、ECU14は、パルサ50の検出結果に基づいて、クランク軸22の回転角度を算出する。ECU14は、図12のS12において、スタートカウンタCSTARTのカウント開始からの時間が、制御切替時間TCNGよりも小さいか否かを判定するのではなく、クランク軸22の回転角度が所定の制御切替角度に達したか否かを判定する。すなわち、クランク軸22の回転角度を検出し始めてからクランク軸22の回転角度が所定の制御切替角度に達することが、上述の所定条件を満たすこととなる。上記所定角度は、スロットル開度センサ46が定常的に稼働する定常電圧へ到達したとみなすことができるクランク軸22の回転角度として実験的に予め求められ、ROM66に格納されている。
ECU14が起動しスタートカウンタCSTARTをカウントし始めてからECU14に与えられる電圧が定常電圧に達するまでの時間と、ECU14が起動しクランク軸22の回転角度を検出し始めてからクランク軸22の回転角度が所定の制御切替角度に達するまでの時間には相関があることが判明した。このためこの変形例によっても、ECU14に与えられる電圧が定常電圧に達するまで、スロットル閉鎖値VCLSを適正な値に更新することができる。
ある別の変形例では、燃料噴射制御システム10は、内燃機関の始動にのみ用いられる予備的なバッテリを有していてもよい。予備的なバッテリとは、例えばセルモータを回転させるためにのみ用いられるバッテリである。このように予備的なバッテリがあることにより、上記のメインのバッテリが切れてしまった場合においても、予備的なバッテリで内燃機関を適切に始動させることができる。
また、ある別の変形例では、ECU14の内部又は外部に基準電圧源を設け、電源電圧と基準電圧源の電圧とを比較するように構成しても良い。基準電圧源は、例えば、ツェナーダイオードやシャントレギュレータ等の定電圧素子により構成することができる。この変形例においては、電源電圧が基準電圧源の電圧を超えたときに上述の所定条件を満たすこととなる。
ある別の変形例では、燃料噴射制御システム10は、内燃機関の始動にのみ用いられる予備的なバッテリを有していてもよい。予備的なバッテリとは、例えばセルモータを回転させるためにのみ用いられるバッテリである。このように予備的なバッテリがあることにより、上記のメインのバッテリが切れてしまった場合においても、予備的なバッテリで内燃機関を適切に始動させることができる。
また、ある別の変形例では、ECU14の内部又は外部に基準電圧源を設け、電源電圧と基準電圧源の電圧とを比較するように構成しても良い。基準電圧源は、例えば、ツェナーダイオードやシャントレギュレータ等の定電圧素子により構成することができる。この変形例においては、電源電圧が基準電圧源の電圧を超えたときに上述の所定条件を満たすこととなる。
10 燃料噴射制御システム,12 エンジン,14 ECU,16 気筒,18 ピストン,20 コンロッド,22 クランク軸,26 シリンダ室,28 燃焼室,30 吸気ポート,32 排気ポート,34 吸気弁,36 排気弁,38 スロットル弁,40 点火プラグ,42 点火コイル,44 燃料噴射弁,46 スロットル開度センサ,48 吸気圧センサ,50 パルサ,60 演算処理装置,62 保存装置
Claims (6)
- 内燃機関の作動により発電された電力がバッテリを介さずに供給され得るように構成された制御ユニットを備え、
前記制御ユニットは、前記内燃機関の作動により発電された電力がバッテリを介さずに供給されるとき、前記制御ユニットの起動後、所定条件を満たすまでは、スロットル開度センサの検出値が前記制御ユニットの起動後の最小値でなくても、当該検出値を、スロットル弁が閉鎖していることを示すスロットル閉鎖値に設定することを特徴とする、スロットル開度検出装置。 - 前記所定条件は、
前記制御ユニットの起動後、前記スロットル開度センサに与えられる電圧が、前記スロットル開度センサが定常的に稼働する定常電圧へ到達したとみなすことができる条件であることを特徴とする、請求項1に記載のスロットル開度検出装置。 - 前記所定条件は、前記制御ユニットの起動後、所定時間が経過することであることを特徴とする、請求項1または2に記載のスロットル開度検出装置。
- 前記制御ユニットは、前記スロットル開度センサの検出値が所定の上限値を超える場合には、前記スロットル開度センサの検出値を前記スロットル閉鎖値に設定することを回避することを特徴とする、請求項1から3いずれか1項に記載のスロットル開度検出装置。
- 前記制御ユニットは、前記スロットル開度センサの検出値が前記所定の上限値を超える場合には、前記所定の上限値を前記スロットル閉鎖値に設定することを特徴とする、請求項4に記載のスロットル開度検出装置。
- 前記制御ユニットは、前記所定条件を満たした後においては、前記制御ユニットの起動後の前記スロットル開度センサの検出値の最小値を、前記スロットル閉鎖値に設定することを特徴とする、請求項1から5いずれか1項に記載のスロットル開度検出装置。
Priority Applications (1)
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JP2022040514A JP2023135352A (ja) | 2022-03-15 | 2022-03-15 | スロットル開度検出装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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2022
- 2022-03-15 JP JP2022040514A patent/JP2023135352A/ja active Pending
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