JP2023134037A - 太陽光発電システムを備える簡易建物 - Google Patents

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隆弘 鯉ノ内
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亮弘 稲津
Akihiro Inazu
卓史 山本
Takuji Yamamoto
淳哉 真山
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Abstract

【課題】太陽光発電パネルによる発電効率を向上させ、発電量を増やすことを可能とする太陽光発電システムを備える簡易建物を提供する。【解決手段】架台2を介し上面の発電面8を太陽光入射方向に向けて所定角度αに傾斜させて複数設置される太陽光発電パネル7は、上面8と下面9の両面に発電面を備える両面入射型太陽光発電パネルよりなり、架台2を所定高さに設定して両面入射型太陽光発電パネル7の下面発電面9の下方に光通過空間10を設け、両面入射型太陽光発電パネル7の下部及びその周囲に反射体41を具備し、反射体41は、建物屋根4を構成し、所定角度βに傾斜しており、両面入射型太陽光発電パネル7の下面発電面9に対向する表面側が、太陽光の直射光及び散乱光を下面発電面9に向けて反射させる光反射率の高い色の板材よりなる光反射面11を有している。【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽光発電システムを備える簡易建物に関する。
世界的に環境対策の重要性が唱えられ、国内でも具体的な行動計画がとられ始めており、温暖化ガスの排出削減を目的に、再生可能エネルギーの活用推進のための支援策が強化されている。
例えば、一般的な住宅家屋の屋根面に太陽光発電パネルを配置して発電を行い、家庭内での電源供給などに使われるものがある(特許文献1、特許文献2)。家屋の屋根以外に、家屋に付帯される物置やカーポートの屋根面にも太陽光発電パネルを設置し、発電を行う構成などもあり、同様にその発電にて家庭内で用いたり、蓄電に利用したり、或いは売電なども行われている。
また、太陽光を農業生産と発電とで共有する取り組みである営農型太陽光発電は、作物の販売収入に加え、売電による収入や発電電力の自家利用により、農業者の収入拡大による農業経営のさらなる規模拡大や6次産業化の推進が期待できるものである。
この営農型太陽光発電は、発電事業を行う間、太陽光パネルの下部の農地で適切に営農を継続する必要があるが、農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備を設置し、太陽光を農業生産と発電とで共有するもので、例えば、複数の太陽光パネルのそれぞれに隙間を空けて設置することで、太陽光を農地へ届かせてパネル下部での営農を可能としたり、或いは、農地での作業機械のサイズに合わせて太陽光パネルを農地上部に設置して、この太陽光パネルの下部での機械作業を可能とするものなど、下記特許文献3のような構成がある。
特開平8-19193号公報 特開平10-331366号公報 特開2019-170145号公報
しかしながら、上記のような家屋の屋根における太陽光発電パネルの設置向きについて、必ずしも太陽光の向き、例えば真南で適切な勾配角度に屋根面が向いているとは限らず、その屋根面に設置される太陽光発電パネルが本来の発電効率を発揮できず、設置環境によって思惑通りの発電量を得られない場合がある。
また、上記のような営農型太陽光発電においても、作物の販売収入と売電収入とをそれぞれに効率よく行うには、それぞれにその構成を考慮する必要があり、すなわち、その農地の作物の種類等と、太陽光パネルによるパネル下部の農地への遮光率との兼ね合いによることから、容易にそれぞれを効率よく得ることが可能ではなく、農地への太陽光を優先すれば遮光率を減らせねばならないが、そのことで太陽光パネルの設置数を減らすこととなり発電量が減ることとなる。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、太陽光発電パネルによる発電効率を向上させ、発電量を増やすことを可能とする太陽光発電システムを備える簡易建物を提供することにある。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の太陽光発電システムを備える簡易建物1は、架台2を介し上面の発電面8を太陽光入射方向に向けて所定角度αに傾斜させて複数設置される太陽光発電パネル7を具備する太陽光発電システムを備えた簡易建物であって、
前記太陽光発電パネル7は、前記上面8と下面9の両面に発電面を備える両面入射型太陽光発電パネルよりなり、
前記架台2を所定高さに設定して前記両面入射型太陽光発電パネル7の下面発電面9の下方に光通過空間10を設け、
前記両面入射型太陽光発電パネル7の下部及びその周囲における少なくとも一部に配置される反射体41を具備し、
該反射体41は、
建物屋根4の少なくとも一部を構成し、所定角度βに傾斜しており、
前記両面入射型太陽光発電パネル7の下面発電面9に対向する表面側が、太陽光の直射光及び散乱光を前記下面発電面9に向けて反射させる光反射率の高い色の板材よりなる光反射面11を有していることを特徴とする。
この太陽光発電システムを備える簡易建物1では、発電パネル部3において、その上面の発電面8にて太陽光による発電が行われるとともに、下面の発電面9では、発電パネル部3と屋根部4との間の光通過空間10を介して太陽からの直接の直射光だけではなく、散乱光を受けて発電となる。この下面の発電面9は、発電パネル部3の下部の屋根部4上面ともなる光反射面11からの反射光を受けることで発電となる。これにより、太陽光発電パネル7では、両面の発電にて発電量が増えることとなる。
また、この簡易建物1は、例えば、カーポートとして構成することで、このカーポートの屋根部分にて発電を行え、大面積の駐車場敷地であれば、日除け、雨除け以外に敷地の上方空間を有効に使用することができる。
本発明の請求項2記載の太陽光発電システムを備える簡易建物は、請求項1に記載の太陽光発電システムを備える簡易建物であって、
前記反射体41は、折板または波板からなることを特徴とする。
この太陽光発電システムを備える簡易建物では、反射体41の構造として、折板または波板とされ構成されることで、反射体41の剛性を高め、大面積で構成される場合の撓みを防止し、太陽光の反射を安定させる。また、建物構造としての屋根下地の構成を簡略化でき、工期の短縮やコスト削減を図ることが可能となる。さらに、雨水を一方向に流しやすく、水はけが良い構成とすることができる。
本発明の請求項3記載の太陽光発電システムを備える簡易建物は、請求項1または2に記載の太陽光発電システムを備える簡易建物であって、
前記光反射面は、白色であることを特徴とする。
この太陽光発電システムを備える簡易建物では、光反射面11が白色で構成されることで、太陽光の直射光や散乱光のうち発電に用いられる波長の光を下面発電面9に良好に反射光として入射させることができ、発電効率を向上させることができる。
本発明の請求項4記載の太陽光発電システムを備える簡易建物は、請求項1~3のいずれか1つに記載の太陽光発電システムを備える簡易建物であって、
前記光反射面は、太陽光のうち500~1000nmの波長の光反射率が70%以上であるとともに、5000~20000nmの波長の平均光反射率が15%以下であることを特徴とする。
この太陽光発電システムを備える簡易建物では、太陽光のうち可視光~短波長側の近赤外線領域の光を反射させ、遠赤外線領域側の光反射率が低いことから、太陽光発電パネル7の温度上昇を防ぐことができ、発電効率を低下させることがない。
本発明の請求項5記載の太陽光発電システムを備える簡易建物は、請求項1~4のいずれか1つに記載の太陽光発電システムを備える簡易建物であって、
前記架台2の支柱が建物躯体5を構成する柱13の延長部であることを特徴とする。
この太陽光発電システムを備える簡易建物では、架台2の支柱と建物躯体5の柱13とを連続した一体構造として構築でき、建物躯体5と架台2とを一体に構成でき、構造体として頑丈なものとなる。
本発明の請求項6記載の太陽光発電システムを備える簡易建物は、請求項1~5のいずれか1つに記載の太陽光発電システムを備える簡易建物であって、
前記光反射面11の表面には、紫外線劣化防止層を有することを特徴とする。
この太陽光発電システムを備える簡易建物では、紫外線劣化防止層によって、光反射面11の紫外線劣化を防ぎ、すなわち太陽光に含まれる紫外線領域の光の照射による劣化を防いで光反射面11の寿命を延ばし、交換間隔、メンテナンス間隔を延ばすことができる。
本発明の請求項7記載の太陽光発電システムを備える簡易建物は、請求項1~6のいずれか1つに記載の太陽光発電システムを備える簡易建物であって、
前記建物屋根4の下方空間は、自動車駐車スペースであることを特徴とする。
この太陽光発電システムを備える簡易建物では、建物屋根4の下方空間が自動車の駐車スペースであり、所謂カーポートを構成する。すなわち、カーポートの屋根より上方が発電のためのスペースを確保でき、敷地及び空間の有効活用が行える。
本発明に係る請求項1記載の太陽光発電システムを備える簡易建物によれば、発電パネル部の上面の発電面にて太陽光の直接光による発電が行われるとともに、下面の発電面では、発電パネル部と屋根部との間の光通過空間を介して太陽からの直接の直射光だけではなく、散乱光を受けて発電となるとともに、この下面発電面は、発電パネル部の下部の屋根部上面である光反射面からの反射光を受けることでも発電となり、これにより、発電パネル部の面積のみであっても発電効率が向上し、発電量が増えることとなる。
本発明に係る請求項2記載の太陽光発電システムを備える簡易建物によれば、屋根部の剛性を高め、大面積で構成される場合の撓みを防止し、これにより太陽光の反射を安定させ太陽光発電パネルの下面発電面へ向けて反射させることができる。
本発明に係る請求項3記載の太陽光発電システムを備える簡易建物によれば、光反射面が白色で構成されることで、太陽光の直射光や散乱光のうち発電に用いられる波長の光を下面発電面に良好に反射光として入射させることができ、発電効率を向上させることができる。
本発明に係る請求項4記載の太陽光発電システムを備える簡易建物によれば、遠赤外線領域側の光反射率が低いことから、太陽光発電パネルの温度上昇を防ぐことができ、発電効率を低下させることがない。特に、太陽光発電パネルの発電に寄与する、波長500~1000nmの波長の光を70%以上と高効率で反射するとともに、波長5000~20000nmの遠赤外領域の光は反射率を低く抑えた樹脂成型板を屋根材として用いることで太陽光発電パネルの発電効率を高く維持することが可能になる。
本発明に係る請求項5記載の太陽光発電システムを備える簡易建物によれば、架台の支柱と建物躯体の柱とを連続した一体構造として構築でき、建物躯体と架台とを一体に構成でき、構造体として頑丈なものとなる。
本発明に係る請求項6記載の太陽光発電システムを備える簡易建物によれば、光反射面の表面に紫外線劣化防止層を有することで、光反射面の紫外線劣化を防ぎ、すなわち太陽光に含まれる紫外線領域の光の照射による劣化を防いで光反射面の寿命を延ばし、交換間隔、メンテナンス間隔を延ばすことができる。
本発明に係る請求項7記載の太陽光発電システムを備える簡易建物によれば、建物屋根の下方空間が自動車の駐車スペースであり、所謂カーポートを構成することができ、カーポートの屋根より上方が発電のためのスペースを確保でき、敷地及び空間の有効活用が行える。
本発明の実施形態に係る太陽光発電システムを備える簡易建物の概略を示す斜視図である。 同簡易建物の側面図である。 同簡易建物の作用を示す概略側面図である。 他の実施形態における同簡易建物の作用を示す概略側面図である。 他の実施形態における簡易建物の概略斜視図である。 他の実施形態における簡易建物の概略側面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る太陽光発電システムを備える簡易建物の概略を示す斜視図である。
本実施形態に係る簡易建物1は、カーポートとして適用する例として以下に説明する。カーポート1は、架台2と、発電パネル部3と、屋根部4と、躯体5とを主要な構成としている。
発電パネル部3は、支持体6に太陽光発電パネル7が配設されて構成される。
太陽光発電パネル7は、複数の太陽電池セルを一体化しモジュール化して構成されたもので、本実施形態では、上下両面に太陽電池セルが設けられ、発電面が両面となる両面入射型太陽光発電パネルよりなる。
太陽光発電パネル7は縦横に複数並列され、例えば図1に示すように、縦3列横12列となって横方向にやや長尺に連結され1つのパネル群とされる。このパネル群は、連結部材や枠組部材等にて構成される支持体6と一体化され、発電パネル部3となる。図1に示す例では、発電パネル部3を複数の3組で構成し、それぞれが屋根部4上に並列配置されて構成される。
この太陽光発電パネル7としては、様々な構成のものがあるが、例えば、ジンコソーラー社製Swanシリーズや、JAソーラー社製MBB両面PERCハーフセルダブルガラスモジュール、トリナソーラー社製Duomax Twin、カナディアンソーラー社製HiKu5シリーズ、ロンジソーラー社製LR4-72HBDシリーズ、ハンファQセルズ社製Q.PEAK DUO、ライセンエネルギー社製ダブルガラス両面発電単結晶PERCモジュール、Golden Concord Holdings Limited(GCL)製GCL-M6/72GDなどが好適に用いられ、いずれも下面発電面9による発電で1枚あたりの発電量がおよそ20%増加するものである。
発電パネル部3は、パネル群が太陽の方角、例えば、日本など北半球の高緯度地域では、上面の発電面8を南に向けて傾斜して構成され、所謂片流れ屋根のように構成している。また、発電パネル部3の傾斜角度αは、設置場所の緯度や環境などの条件により考慮され決定されるが、本実施形態では、傾斜角度を約5~20°に設定される。
なお、この発電パネル部3の傾斜状態を維持し支持する架台2としては、支柱や横架材、枠材などの支持部材で構成され、支持体6と連結されるが、本実施形態では、後述する躯体5と兼ねて構成してもよい。
建物屋根としての屋根部4は、発電パネル部3の下部に位置し、傾斜して配設、或いは略水平となって配設される。本実施形態では、屋根部4は建物躯体5の屋根であり、反射体41とされている。すなわち、太陽光を反射する反射体41は、躯体5の屋根部4であり、屋根部4の全面が反射体41とされる。屋根部4は傾斜しており、その傾斜角βを例えば約2°と設定されている。屋根部4の上面と発電パネル部3の下面(発電面9)との間は離間しており光通過空間10を形成している。この屋根部4も、上記発電パネル部3と同様に、傾斜状態を維持し支持する構成としては、柱や横架材、枠材などの支持部材であり、本実施形態では、後述する躯体5となる。
反射体41は、シート状の部材、或いはパネルなどの板状の部材よりなるが、本実施形態では屋根部4と兼ねていることから板状の部材よりなり、表裏面方向は光を通さない素材が好ましく、例えば屋根部下部での遮光率80%以上などとされる。
屋根部4の上面は、発電パネル部3の太陽光発電パネル7の下面発電面9に対向する光反射面11とされる。この光反射面11は、光反射率の高い色などで構成されることが好ましく、本実施形態では白色とされ、光を有効に反射する面となっている。
この光反射面11は、所定の素材よりなる板材の面に、白色の塗膜で構成されたり、白色のシート材を貼着して構成するなど、太陽光の直射光及び散乱光を反射させる光反射率の高い色の面よりなり、例えば、シート材であれば、表面を白色で構成した反射シートとされる。この反射シートは、厚みが0.5~3.0mm、好ましくは1.0mmや1.5mmの樹脂製シートなどよりなり、例えば、樹脂製シートの素材としては、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フッ素樹脂、ナイロン樹脂などとされ、或いは、樹脂繊維などよりなる織布や不織布とされる。そして、表面が白色とされ、反射シート自体の素材としての白色、或いは表面を白色の塗膜などとされている。
屋根部4は、遮水性や撥水性を備える構成が好ましく、遮水性を有することで雨水などを屋根部4の下面側へ通さず、雨水や水滴を外方に導くことが可能となり、また撥水性を有することで、雨水を弾き、屋根部4の上面から水滴を外方へ導き出せるようになっている。例えば、この屋根部4を傾斜させて構成することで、雨水などを傾斜下方へ導き、水溜まりなどの発生を防止できる。また、屋根部4の上面は、耐薬品、耐熱、防火防炎、難燃、耐寒、耐放射線、熱伝導率、摩耗、摩擦、帯電防止などの機能を有していることが好ましい。なお、撥水性については、上面に撥水剤を具備する構成とすればよく、例えば上記シート材に撥水剤を含有させる構成としたり、上面に撥水剤など表面処理剤を塗布など行い撥水層を設けるなどとすればよい。
ここで、上述した光反射面11を構成させる部材としての反射シートについて、反射シート表面が光反射率の高い白色である点をより具体的に述べると、太陽光発電パネル7の発電面は太陽光が照射されることで発電するが、発電面に対して太陽光の全波長域を受光する必要はなく、赤外線域は必要としない。一方、赤外線域の太陽光は、太陽光発電パネル7に対して発熱現象が起き、発電面が50℃を超えると発電効率を低下させる原因となる。
このことから、光反射面において、太陽光のうち可視光~短波長側の近赤外線領域の光を反射させることが好ましく、例えば、光反射面を白色とするとともに、その面に赤外線除去膜が設けられ、例えば1000nm以上の領域の近赤外線、遠赤外線を除去、或いは吸収するフィルターのような膜が設けられて、赤外線領域の光を太陽光発電パネル7へ反射しない構成とする。
また、太陽光に含まれる紫外線により反射シートが劣化しやすくなるため、反射シートの表層に紫外線吸収剤を配合させたり、紫外線劣化防止のコーティングを施して紫外線劣化防止層を設ける構成としてもよい。
なお、上記のような反射シートとして、例えば、太陽光のうち500~1000nmの波長の光反射率が70%以上、或いは430~990nmの波長の光反射率が90%以上であり、2300nm以上の波長の光反射率が低いとともに、5000~20000nmの波長の平均光反射率が15%以下、好ましくは5000~20000nmの波長の平均光反射率が10%以下と低く、短波長赤外線~中波長赤外線、そして長波長赤外線(熱赤外線)や遠赤外線と言われる帯域の光が反射されない特性を備えたシートが好適であり、また、例えば、反射シート表面を白色とするとともに、その表面に赤外線除去膜が設けられ、好ましくは1000nm以上の領域の近赤外線、遠赤外線を除去、或いは吸収するフィルターのような膜が設けられて、赤外線領域の光を太陽光発電パネル7へ反射しない構成としてもよい。
具体的な反射シートとしては、例えば、表面に白色顔料を有する白色層、裏面に黒色顔料を有する黒色層からなるオレフィン系樹脂で構成されるタキロンシーアイ株式会社製ビノンメタロバリアーSLS(商品名)が好適に用いられる。この場合、反射シート自体も遮光率が99%程度であり、この反射シートよりも下方において、後述する空間18に社交性を備える構成とする場合に好ましくなる。そして、この反射シートにて、光反射面11が形成されるように屋根部4が構成される。
この屋根部4と、上記発電パネル部3との間は、上述の通り光通過空間10を有しているとともに、発電パネル部3の軒側端部3aと各端部3b,3c,3dの下部に、屋根部4の端縁との間で間隙を形成しており採光開口部12を構成している(図3参照)。この採光開口部12は、少なくとも発電パネル部3の頂部となる一側端部としての棟側端部3bの下部に構成していればよく、発電パネル部両側部3c,3dと屋根部両側部との間も採光開口部としてもよい。
なお、図示しないが、この採光開口部12には、封鎖部材が設けられることとしてもよい。この封鎖部材は、透明樹脂板など透明素材で構成され、発電パネル部3の棟側端部3bと屋根部4の端部とに上下縁部を接続固定され、採光開口部12を開放させずに閉ざし、光通過空間10内へ異物の進入、例えば野鳥の進入や枯葉の進入、雨水の進入などを防止するようになる。封鎖部材を透明な素材とすることで、光は光通過空間10へと進入でき、発電の妨げになることはない。
躯体5は、柱13と横架材14とで大略構成される。
柱13は、複数で構成され、地面に埋設される基礎15に下端を連結され、立設される。横架材14は、各柱13に掛け渡されるように略水平となって梁などとして構成され、柱13同士を連結している。横架材14は、躯体5としての各側面において上下方向に多数設けてもよく、図示しない壁面部分としての補強としてもよい。
そして、この躯体5にて、上述した発電パネル部3と屋根部4とが支えられる。本実施形態では、躯体5を構成する柱13の延長部を、上記した架台2の支柱として構成され、すなわち地面から発電パネル部3を支える構造となっている。
具体的には、各柱13の上端延長部に連続する支柱の上端に、ブラケットなどの連結部材16が設けられ、この連結部材16を介して発電パネル部3が取り付けられる。柱13の高さは、発電パネル部3の傾斜下部である軒側端部3aの地面GLからの高さを約3500mmとしており、発電パネル部3の傾斜上部である棟側端部3bの地面GLからの高さを約3800mmとし、発電パネル部3の傾斜状態を支持する。また、屋根部4は、発電パネル部3の下部にて、各柱13に連結され、屋根部4と発電パネル部3との間である光通過空間10は、高さ約600~800mmの空間となる。この屋根部4と発電パネル部3とは、図1に示すように、屋根部4の軒側の端縁4aが発電パネル部3の軒側端部3aと向きを変え、それぞれが直交するように構成してもよく、図2に示すように屋根部4の軒側端縁4aが発電パネル部3の軒側端縁3aとほぼ同位置となるよう各柱13に連結され傾斜向きを同方向とすることとしてもよく、屋根部4以下の躯体5の構造として例えば雨水を流すための傾斜などとされる傾斜向きと、太陽の方角に合わせる発電パネル部3の傾斜向きは、設置環境などで設定され、限定されるものではない。
躯体5に支持され連結される屋根部4の下方は空間18となる。この空間18は、地面GLからの高さ約2500mmの位置に屋根部4が配設され、自動車駐車スペースとされる。
なお、この躯体5において、各柱13間、各横架材14間などに筋交いなどを設けてもよく、この筋交いによって補強され躯体5としての剛性を向上させることができる。
このように、本実施形態のカーポート1では、図3に示すように、発電パネル部3の両面入射型太陽光発電パネル7の上面の発電面8には太陽光の直射光が入射し、下面の発電面9には採光開口部12から入射される太陽光の直射光及び散乱光が屋根部4の光反射面11にて反射し反射光となって入射し、これら上下面の発電面8,9によって発電となる。
すなわち、単に敷地に両面発電型モジュール(両面入射型太陽光発電パネル7)を採用した構成としても、コンクリートやアスファルトにて舗装された地面からの反射光は小さいため、片面発電型発電パネルと比較しても発電量の増加はさほど見込めないことから、本発明のように発電パネル部3を両面入射型太陽光発電パネル7とし、その下方に光通過空間10を挟んで光反射面11を備えた反射体41(屋根部4)を有した構成としたことで、両面入射型太陽光発電パネル7の発電能力を活かし、有効に使用することが可能となる。
この実施形態でのカーポート1によれば、発電パネル部3と屋根部4とによって、売電収入を確保でき、躯体5で構成される空間18部分にて自動車駐車場を構成することでの収入を得ることもでき、太陽光発電システムを備えた簡易建物として構築ができる。
ここで、両面入射型太陽光発電パネル7は、従来の片面のみ発電の太陽光発電パネルと比べて、両面の発電面によって発電効率が向上し、発電量が30~50%程度向上が可能である。
このことから、上記簡易建物(カーポート)1として、発電電力の売電収入を増額させることができるものである。
例えば、広域に設置して1MWの発電量を得ると仮定した場合に、斜面日射量が3.5時間の場合1MW当たりの年間発電量が、上面の発電面のみで1,277,500kwhで有る場合に、FIT(固定価格買取制度)40円とすると、51,100,000円の売電収入となることが見込まれる。
そして、本発明の簡易建物1、すなわち上下両面に発電面8,9を備え、光反射面11を有する屋根部4を備えた構造での発電量30%増となると、66,430,000円の売電収入となって、差額15,330,000円の年間収益増となる。
このシステムにて15年間の売電期間が残っている場合、約2.3億円の売電増となる。
なお、上述の構成例では、屋根部4の構成として、シート状の部材やパネルなどの平らな板状の部材として説明したが、この屋根部4は、山谷が連続して複数列となって形成される所謂折板や波板を用いて構成することが好ましい。
この折板の場合、金属板を折曲形成して得られるものでもよいが、樹脂素材よりなるものが好ましい。
金属よりなる折板で構成する場合には、その表面である上面に上述同様に塗膜などにて白色に形成し、光反射面11を備える構成とする。また、上述の反射シートを上面に貼着して光反射面11を構成することとしてもよい。
屋根部4としての折板を樹脂素材で構成する場合には、樹脂素材そのものの色として白色の樹脂製折板を使用する。この折板を屋根部4として使用するには、躯体5の上部に構成させることから軽量な樹脂素材が好ましく、例えばポリカーボネート樹脂やFRP(繊維強化プラスチック)、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの樹脂素材が好適となる。このようなポリカーボネートやFRPなどの樹脂素材とすることで、金属素材と比べて太陽光による表面温度の上昇が起こりにくい構成とすることが可能となる。例えば鉄などを素材とした場合に表面温度は85℃を超える場合があり、ポリカーボネートでは60℃程度で留まる。このことから、光反射面11からの放射熱(輻射熱)が少なくなり、太陽光発電パネル7の温度が上がりにくくなって、発電効率の低下を招くことがない。
また、樹脂素材として熱伝導率の低い材料を用いることで、日射による屋根部4の温度上昇を低減でき、それによって屋根部4からの熱伝導による太陽光発電パネルの温度上昇を抑制することができる。樹脂素材の熱伝導率は0.001~1.0W/m・Kとするのがよい。たとえばポリカーボネートは0.2W/m・K、FRPは0.45W/m・Kであるため、CFRTP(7~数十W/m・K)や、鉄(46.5W/m・K)、Al(192W/m・K)等の金属と比較すると好ましい材料といえる。また、多孔質体とすることによって、樹脂素材の熱伝導率をさらに低減することができる。
また、FRP製折板では、屋根不燃認定(DR認定)を取得しており、建築物として耐火構造を備えている。
屋根部4は、単なる平板(平滑な光反射面を備えた板体)では太陽光の反射光が直接反射光のみとなり、太陽光パネルの一部箇所で集中的に温度が上がるおそれがあるが、屋根部4を折板で構成することで、反射体表面(光反射面11)が山谷のある面となり、反射光が拡散されこの反射光の集中を防止することができる。
また、上述の構成例では、屋根部4の構成として光反射面11が備えられることとされたものであるが、この屋根部4を従来型の片面入射型太陽光発電パネルを用い、この発電パネルの発電面が白色などの光反射率の高い色とされる構成とされれば、この発電面が光反射面11を兼ねることが可能となり、発電パネル部3においては上下両面で発電し、屋根部4においては光反射面11が発電することとなり、発電パネル部3のみの発電に加えて屋根部4においても発電し、簡易建物1としての発電量をさらに得ることが可能となる。
次に、本発明の簡易建物1の他の実施形態について説明する。
図4は、他の実施形態における同簡易建物の作用を示す概略側面図である。
上記したカーポートなどの簡易建物1として、発電パネル部3の構成を太陽光発電パネル7が複数連結されてパネル群とされる例で述べたが、これら複数の太陽光発電パネル7については、全てが面状に連続する構成に限らず、各太陽光発電パネル7が発電パネル部3の傾斜角度からさらにそれぞれ仰角方向へ傾斜する、すなわち発電パネル部3としての傾斜角度は上記の通り20°とされ、各太陽光発電パネル7は25~30°など、支持体6からさらに傾斜して構成させることとしてもよい。
このような構成では、各太陽光発電パネル7の上縁と支持体6との間には、採光間隙20が形成されることになり、図4に示すように、この採光間隙20から太陽光の散乱光等が入射可能となり、太陽光発電パネル7の下面発電面9に入射するとともに、採光間隙20から屋根部4の光反射面11に届くことで、ここからさらに反射して下面発電面9へと入射が可能となる。
上記した各太陽光発電パネル7が支持体6からさらに傾斜する図4に示す構成については、その傾斜角度を固定させる構成としてもよく、或いは、傾斜角度を太陽に追尾させて自動的に傾斜角度を可変とする構成としてもよい。
次に、本発明の簡易建物1のさらに他の実施形態としてカーポートに提供した例について説明する。
図5は、他の実施形態における簡易建物の概略斜視図、図6は、他の実施形態における簡易建物の概略側面図である。
なお、上述したカーポート1の実施形態と同等の構成箇所については同じ符号を付して詳述を省略する。
カーポート1を構成する発電パネル部3は、上述した構成と同等であるが、図1に示すような太陽光発電パネル7同士を隙間無く縦横に連結するのではなく、図5に示すように各太陽光発電パネル7同士に所定の間隔をあけて枠材30にて連結した構成としている。
太陽光発電パネル7同士の間隔部分は、上述同様に採光間隙20を構成しており、この採光間隙20から太陽光を屋根部4の光反射面11にて反射させ、反射光や散乱光とともに太陽光発電パネル7の下面発電面9への入射を可能とする。
屋根部4は、上記した平らな板材や折板が好適であり、素材は白色で軽量なポリカーボネート樹脂やFRP(繊維強化プラスチック)、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などとされる。屋根部4は、平らな板材で構成する場合、一様な平面で構成されることから、良好な太陽光の反射を得られ、また折板で構成する場合には、十分な強度を得ることができる。屋根部4を折板で構成する場合、山谷の延在方向がやや傾斜する方向となって躯体5に設けられ、雨水が谷部分を伝わり流れ溜まらないように構成される。このカーポート1の屋根部4においても、上述した例と同様に、光反射面11の構成として反射シートを設ける構成としても良く、その表面において、太陽光のうち可視光~短波長側の近赤外線領域の光を反射させることが好ましく、例えば、反射シート表面に赤外線除去膜が設けられ、例えば1000nm以上の領域の近赤外線、遠赤外線を除去、或いは吸収するフィルターのような膜が設けられて、赤外線領域の光を太陽光発電パネル7へ反射しない構成とする。また、太陽光に含まれる紫外線により反射シートが劣化しやすくなるため、反射シートの表層に紫外線吸収剤を配合させたり、紫外線劣化防止のコーティングを施して紫外線劣化防止層を設ける構成としてもよい。
このように構成されたカーポート1では、例えば屋根部4の地面GLからの高さを2100~2400mmとし、屋根部4から太陽光発電パネル7までの高さを300~2000mm、好ましくは800~1000mm程度として躯体5を構成し、屋根部4の下部に十分な空間となる下方空間18を構成して、この下方空間18を駐車スペースとされる。
このカーポート1によれば、上記した実施形態の各効果に加え、太陽光発電パネル7が連結されず採光間隙20を有して構成されていることから、屋根部4の光反射面11にて太陽光を反射させ、反射光や散乱光とともに太陽光発電パネル7の下面発電面9への入射を可能とすることから、発電効率が向上することとなる。
また、採光間隙20にて風が通り抜けられることで発電パネル部3全体が煽られることがなく、発電パネル部3の損傷を防止させることが可能となる。
このような構成とすることで、簡易建物1は、複数の車が駐車できる駐車場などに応用でき、屋根部4の下方空間18を有効に使用でき、太陽光発電パネル7による発電と駐車スペースの確保の両立が可能となる。
なお、太陽光発電パネル7による発電は、上述したような他事業への売電でも良く、駐車スペース側や附帯施設への電源供給、また、駐車車両Mが電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV,PHEV)である場合に、その駐車車両Mに対する充電のために用いることとしてもよい。
次に、太陽光発電パネル7を太陽に追尾する構成として簡易建物をカーポート1に適用する例として説明する。なお、上述した各実施形態と同等の構成箇所については同じ符号を付して詳述を省略する。
カーポート1を構成する発電パネル部3は、支持体6が方形枠状に組まれ、略水平に躯体5の上部に配設される。支持体6は、その規模によって筋交い23などが設けられ剛性を向上させた構成とされる。
支持体6の上部には、図示しない駆動装置を介して太陽光発電パネル7が設けられる。太陽光発電パネル7は、所定の面積となるように複数を1枚構成とされるパネル群をユニット7Aとされる。各ユニット7Aには、上下前後左右に発電面8,9の傾斜角度を三次元的に可変させ、日出から日没まで好ましい角度で太陽光の入射が行えるように支持体6に設けられており、図示しない制御装置などからなる追尾手段(図示せず)にて、駆動装置を作動させ発電効率を向上させることが可能となっている。
また、各ユニット7A間には間隙を有し、上述同様に採光間隙20を構成しており、この採光間隙20から太陽光を屋根部4の光反射面11にて反射させ、反射光や散乱光とともに太陽光発電パネル7の下面発電面9への入射を可能とする。
屋根部4は、上述のカーポートの例と同様に上記した平らな板材や折板が好適であり、素材は白色で軽量なポリカーボネート樹脂やFRP(繊維強化プラスチック)、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)などとされる。屋根部4は、平らな板材で構成する場合、一様な平面で構成されることから、良好な太陽光の反射を得られ、また折板で構成する場合には、十分な強度を得ることができる。屋根部4を折板で構成する場合、山谷の延在方向がやや傾斜する方向となって躯体5に設けられ、雨水が谷部分を伝わり流れ溜まらないように構成される。このカーポート1の屋根部4においても、上述した例と同様に、光反射面11の構成として反射シートを設ける構成としても良く、その表面において、太陽光のうち可視光~短波長側の近赤外線領域の光を反射させることが好ましく、例えば、反射シート表面に赤外線除去膜が設けられ、例えば1000nm以上の領域の近赤外線、遠赤外線を除去、或いは吸収するフィルターのような膜が設けられて、赤外線領域の光を太陽光発電パネル7へ反射しない構成とする。また、太陽光に含まれる紫外線により反射シートが劣化しやすくなるため、反射シートの表層に紫外線吸収剤を配合させたり、紫外線劣化防止のコーティングを施して紫外線劣化防止層を設ける構成としてもよい。
なお、図に示した通り、屋根部4の傾斜下縁には、雨樋24が設けられる。
このように構成された追尾手段を備えたカーポート1では、例えば屋根部4の地面GLからの高さを2100~2400mmとし、屋根部4から太陽光発電パネル7までの高さを300~2000mm、好ましくは800~1000mm程度として構成され、躯体5の構成を門型とし、屋根部4の下部に十分な空間となる下方空間18を構成して、この下方空間18を駐車スペースとされる。
躯体5を門型とすることで車両Mの出入りに支障がなく、屋根部4までの高さも十分に確保されて人の出入りや通行にも支障がない。
このカーポート1によれば、上記した各実施形態の各効果に加え、ユニット7Aを角度可変自在として太陽光発電パネル7の発電面、特に上発電面8の向きを変えることを可能としたことから、悪天候時、例えば強風時や強雨時、降雪時などの際に各ユニット7Aが煽られたり雨や雪の重みを受けないように、例えば風向きに合わせて風による抵抗を防ぐ角度や、両発電面8,9を垂直にするなど傾斜角度を変えることができ、損傷を防止させることが可能となる。
このような構成とすることで、簡易建物1は、図6に示すようなカーポート1、或いは複数の車が駐車できる駐車場などに応用でき、屋根部4の下方空間18を有効に使用でき、太陽光発電パネル7による発電と駐車スペースの確保の両立が可能となる。
なお、太陽光発電パネル7による発電は、上述したような他事業への売電でも良く、駐車スペース側や附帯施設への電源供給、また、駐車車両Mが電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV,PHEV)である場合に、その駐車車両Mに対する充電のために用いることとしてもよい。
なお、上述した構成例では、簡易建物1としてカーポートの説明を行ったが、本発明の簡易建物1は、その他の建物構造物に適用してもよく、例えば物置、或いは住宅の屋根として構成することとしてもよく、さらには農業用ハウスとして構成してもよい。
例えば、農業用ハウスとして構成した場合では、屋根部4の下部において、躯体5には外周となる四面の各側部に、壁材などが取り付けられ、この躯体5に支持され連結される屋根部4の下方は、遮光された空間18とすることができる。すなわち、各壁材は、遮光性を有する素材とすることで、空間18においては遮光率を80%以上とされる。空間18における地面GLは、農作物が栽培される農地であり、本実施形態では例えばキクラゲなどキノコなどの菌茸類の栽培地となる。このような遮光された空間18により、太陽光を必要としないキノコなどの菌茸類、或いはその他の作物の栽培に良好となる。この遮光された空間18においては、屋根部4までの十分な高さを有することで、その作業に支障がなく、作業者の入出、作業用の車両などの入出を行え、農作業としての作業性を低下させることがない。このことから作物の販売収入を減少させることがない。
このような農業用ハウスによれば、発電パネル部3と屋根部4とによって、売電収入を確保でき、躯体5で構成される空間18部分にて農作物を安定して栽培、及び供給を行うことを可能とし、その収益を得られることから、営農型太陽光発電として有効なものとなる。
いずれの建物構造物においても、本発明の簡易建物によれば、発電パネル部3と屋根部4の組合せで構成し、発電パネル部3の傾斜を太陽に向け、この発電パネル部3の下部に屋根部4となる反射体41を配置構成し、発電パネル部3と屋根部4との間には光通過空間10を設ける構成とすることで、十分な発電量を得ることができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば、上記した簡易建物1を構成する屋根部4の光反射面11については、白色であることとし、塗膜やシート材の貼着で構成する例を示したが、太陽光の直射光及び散乱光を反射させる光反射率の高い色であれば白色に限定されることなく、その他の色で構成することとしてもよく、淡いグレー色、明度の高い色、色彩などでも良く、太陽光の直射光や散乱光を良好に反射させる、すなわち光反射率の高いものとすることができれば良い。例えば、明るい緑色や、緑色をベースとした色、色彩や、迷彩色など模様等があるものとすれば、周囲に木々などのある環境への違和感を減らしながら太陽光の直射光や散乱光を良好に反射することができ、太陽光発電パネル7の下面の発電面9に対して有効である。
また、上述の屋根部4の構成では、光反射面11となる表面を白色とした例で説明したが、この光反射面11を金属層にて形成してもよく、例えば金属層付反射シートにて構成して金属光沢色にて構成することとしてもよい。
例えば、アルミ箔などの金属箔を表面に形成した金属箔付反射シートとして構成してもよく、この金属箔付反射シートでは、その基材として、例えば、樹脂製シートとされ、この基材である樹脂製シートの一方の面となる表面に、厚さ0.5~1.0mmの金属箔を形成して構成し、屋根部4の光反射面11を構成させる。
なお、金属箔とした場合に、太陽光を全反射してしまうことから、上述のように赤外線領域の光も反射することから熱対策が必要となる。このことから、光沢すなわち鏡面のような正反射とならないように艶消しコーティングを施したり、表面をシボ加工などの粗面として形成したり、上記同様に赤外線を除去、或いは吸収するフィルターやコーティングを備えることが好ましい。
また、金属箔の他に、金属被膜を樹脂シートに成膜させる構成としても良く、蒸着や塗装、メッキなどの手段で反射面を形成することとしてもよい。
さらに、上記のアルミニウム以外に、酸化チタン、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、マイカ粉、粉末ガラス、粉末ニッケル、粉末アルミニウムなどの粉末から選ばれる少なくとも1種の光反射剤を膜状に形成し、シルバー色から白色に近い色合いで構成してもよい。
また、上記した金属層等の表面に透明な保護膜をコーティングにより形成してもよい。この保護膜は、例えば、樹脂素材、例えばポリエチレン樹脂などよりなり、塗膜などとされ、撥水性や防汚性を備えるためにも好ましい構成となる。
従って、本実施形態に係る簡易建物1によれば、発電パネル部分のみで発電効率を上げ、発電量を向上させることができ、カーポートや物置、住宅の屋根や倉庫や工場施設の屋根、大型商業施設や娯楽施設、それら施設に付設される駐車場などに有効に構築でき、また、農業用ハウスとした場合、躯体5における遮光された空間18にて農作物の栽培が行え、営農型太陽光発電設備を構築させることができる。
1…簡易建物(カーポート)
2…架台
4…建物屋根(屋根部)
5…躯体
7…太陽光発電パネル(両面入射型太陽光発電パネル)
8…上面発電面
9…下面発電面
10…光通過空間
11…光反射面(上面)
13…柱
18…空間
41…反射体

Claims (7)

  1. 架台を介し上面の発電面を太陽光入射方向に向けて所定角度αに傾斜させて複数設置される太陽光発電パネルを具備する太陽光発電システムを備えた簡易建物であって、
    前記太陽光発電パネルは、前記上面と下面の両面に発電面を備える両面入射型太陽光発電パネルよりなり、
    前記架台を所定高さに設定して前記両面入射型太陽光発電パネルの下面発電面の下方に光通過空間を設け、
    前記両面入射型太陽光発電パネルの下部及びその周囲における少なくとも一部に配置される反射体を具備し、
    該反射体は、
    建物屋根の少なくとも一部を構成し、所定角度βに傾斜しており、
    前記両面入射型太陽光発電パネルの下面発電面に対向する表面側が、太陽光の直射光及び散乱光を前記下面発電面に向けて反射させる光反射率の高い色の板材よりなる光反射面を有していることを特徴とする太陽光発電システムを備える簡易建物。
  2. 請求項1に記載の太陽光発電システムを備える簡易建物であって、
    前記反射体は、折板または波板からなることを特徴とする太陽光発電システムを備える簡易建物。
  3. 請求項1または2に記載の太陽光発電システムを備える簡易建物であって、
    前記光反射面は、白色であることを特徴とする太陽光発電システムを備える簡易建物。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載の太陽光発電システムを備える簡易建物であって、
    前記光反射面は、太陽光のうち500~1000nmの波長の光反射率が70%以上であるとともに、5000~20000nmの波長の平均光反射率が15%以下であることを特徴とする太陽光発電システムを備える簡易建物。
  5. 請求項1~4のいずれか1つに記載の太陽光発電システムを備える簡易建物であって、
    前記架台の支柱が建物躯体を構成する支柱の延長部であることを特徴とする太陽光発電システムを備える簡易建物。
  6. 請求項1~5のいずれか1つに記載の太陽光発電システムを備える簡易建物であって、
    前記光反射面の表面には、紫外線劣化防止層を有することを特徴とする太陽光発電システムを備える簡易建物。
  7. 請求項1~6のいずれか1つに記載の太陽光発電システムを備える簡易建物であって、
    前記建物屋根の下方空間は、自動車駐車スペースであることを特徴とする太陽光発電システムを備える簡易建物。
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