JP2023133683A - エッチング方法 - Google Patents

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Kazuki Nishihara
勇哉 赤西
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Abstract

【課題】本願明細書に開示される技術は、複数種の膜を効率よくエッチング処理するための技術である。【解決手段】本願明細書に開示される技術に関するエッチング方法は、処理室内を減圧状態にする工程と、第1のエッチングガスと第1の流量の水蒸気とを処理室内に供給して、第2の膜をエッチングする第1のエッチング工程と、第1のエッチング工程の後、第2のエッチングガスと第1の流量とは異なる流量である第2の流量の水蒸気とを処理室内に供給して、第3の膜をエッチングする第2のエッチング工程とを備える。【選択図】図2

Description

本願明細書に開示される技術は、基板のエッチング技術に関するものである。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、有機EL(electroluminescence)表示装置などのflat panel display(FPD)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用ガラス基板、セラミック基板、電界放出ディスプレイ(field emission display、すなわち、FED)用基板、または、太陽電池用基板などが含まれる。
半導体デバイスの製造工程においては、基板上に形成された被覆膜をエッチングする工程が含まれる。基板上に形成される被覆膜としては、たとえば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などがある。
従来、たとえばシリコン酸化膜のエッチングには、フッ化水素酸をベースとするウェットエッチングが採用されてきた。しかしながら、半導体デバイスの高集積化に伴って形成するパターンが微細化されると、ウェットエッチングでは水の表面張力でパターンが倒壊する問題などが生じてきた。
そこで、フッ酸ベーパーを用いる気相エッチング技術または無水フッ化水素ガスを用いる気相エッチング技術が採用されている(たとえば、特許文献1を参照)。
特許6782140号公報
上記の技術で複数種の膜を対象としてエッチング処理を行う場合、対象となる膜それぞれに対応してチャンバーを用意する方法を採用すると、エッチング処理にかかる時間が長くなってしまう。
本願明細書に開示される技術は、以上に記載されたような問題を鑑みてなされたものであり、複数種の膜を効率よくエッチング処理するための技術である。
本願明細書に開示される技術の第1の態様であるエッチング方法は、第1の膜上(側面を含む)にそれぞれ形成された第2の膜および第3の膜を同一の処理室内でエッチングするエッチング方法であり、前記処理室内を減圧状態にする工程と、第1のエッチングガスと第1の流量の水蒸気とを前記処理室内に供給して、前記第2の膜をエッチングする第1のエッチング工程と、前記第1のエッチング工程の後、第2のエッチングガスと前記第1の流量とは異なる流量である第2の流量の前記水蒸気とを前記処理室内に供給して、前記第3の膜をエッチングする第2のエッチング工程とを備える。
本願明細書に開示される技術の第2の態様であるエッチング方法は、第1の態様であるエッチング方法に関連し、前記第1のエッチングガスと前記第2のエッチングガスとが、ともにフッ化水素を含むエッチングガスである。
本願明細書に開示される技術の第3の態様であるエッチング方法は、第1または2の態様であるエッチング方法に関連し、前記第1の膜がシリコン酸化膜であり、前記第2の膜がBSG膜であり、前記第3の膜がシリコン窒化膜である。
本願明細書に開示される技術の第4の態様であるエッチング方法は、第1から3のうちのいずれか1つの態様であるエッチング方法に関連し、前記第1の膜と前記第3の膜とが複数の積層構造を形成し、前記第2の膜が、隣接する前記積層構造の間に形成される。
本願明細書に開示される技術の少なくとも第1の態様によれば、異なる流量設定のエッチング工程をそれぞれ行うことによって、流量設定を変えずに同一のエッチング工程を継続して行う場合に比べて、処理対象とする膜それぞれを効率的にエッチングすることができる。
また、本願明細書に開示される技術に関連する目的と、特徴と、局面と、利点とは、以下に示される詳細な説明と添付図面とによって、さらに明白となる。
実施の形態に関するエッチング装置の構成の例を概略的に示す側面図である。 実施の形態に関するエッチング装置の動作の例を示すフローチャートである。 エッチング工程の対象となる被覆膜の例を概略的に示す図である。 エッチング工程の対象となる被覆膜の例を概略的に示す図である。
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、技術の説明のために詳細な特徴なども示されるが、それらは例示であり、実施の形態が実施可能となるためにそれらすべてが必ずしも必須の特徴ではない。
なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化などが図面においてなされるものである。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。また、断面図ではない平面図などの図面においても、実施の形態の内容を理解することを容易にするために、ハッチングが付される場合がある。
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
また、本願明細書に記載される説明において、ある構成要素を「備える」、「含む」または「有する」などと記載される場合、特に断らない限りは、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
また、本願明細書に記載される説明において、「第1の」または「第2の」などの序数が使われる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上使われるものであり、実施の形態の内容はこれらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
また、本願明細書に記載される説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「側」、「底」、「表」または「裏」などの特定の位置または方向を意味する用語が使われる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上使われるものであり、実施の形態が実際に実施される際の位置または方向とは関係しないものである。
<実施の形態>
以下、本実施の形態に関するエッチング方法について説明する。
<エッチング装置の構成について>
図1は、本実施の形態に関するエッチング装置1の構成の例を概略的に示す側面図である。エッチング装置1は、半導体ウエハなどの基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式のエッチング装置である。
本実施の形態において、エッチング対象となるシリコンを含む被覆膜はシリコン窒化膜、および、CVD法で得られるBSG(Boron Silicate Glass)膜であるものとするが、被覆膜はこれに限られるものではなく、たとえば、他のシリコン酸化膜などであってもよい。また、シリコン酸化膜についても、熱酸化により形成される熱シリコン酸化膜であってもよいし、化学気相堆積(chemical vapor deposition、すなわち、CVD)法を用いて得られるTEOS(Tetra Ethoxy Silane)膜、PSG(Phospho Silicate Glass)膜、BPSG(Boron doped Phospho Silicate Glass)膜などのシリコン酸化膜などであってもよい。
図1に例が示されるように、エッチング装置1は、基板Wを処理するチャンバーなどである処理室2と、エッチング装置1に備えられた装置の動作またはバルブの開閉などを制御する制御部3とを備えている。制御部3は、入力された情報に基づいて所定の判断を行う判断部31と、入力された情報、判断部31における判断の結果、および、判断部31から出力された情報などを記憶する記憶部32とを備える。
処理室2は、たとえば円筒形状をなし、内部に基板Wを処理する処理空間を有する。処理室2内には基板Wを略水平姿勢で保持する基板ホルダー4が設置されている。基板Wが図示しない搬送系によって処理室2内に搬送され、さらに、基板ホルダー4に載置される。
処理室2内には、基板Wを保持する基板ホルダー4と、基板Wを加熱するために基板ホルダー4に内蔵された加熱機構5と、処理室2内の基板ホルダー4の上方に位置するガス分散板6と、処理室2内を減圧するために処理室2に連通して接続された排気配管7と、処理室2に連結された圧力センサー10と、処理室2の上部に連通して接続される配管11(混合ガス配管)とが設けられる。
基板ホルダー4は、基板Wをチャックピンなどで保持するものであってもよいし、基板ホルダー4の上面に基板Wを吸着するものであってもよい。
基板Wは、基板ホルダー4に内蔵された加熱機構5によって30℃から200℃の範囲の所定の温度に加熱される。加熱機構5としては、たとえば、抵抗加熱式の電気ヒーターが想定される。
ガス分散板6には、複数の開口61が形成され、かつ、処理室2内の上部と下部とを分離するように基板Wの上方に設けられる。配管11から供給されるガスは、ガス分散板6の複数の開口61を介して分散されて、ガス分散板6の下方にさらに供給される。本実施の形態では、ガス分散板6には、内径が0.1mmである開口61が、5mm間隔で複数形成されている。なお、開口の内径および間隔はこれに限られるものではない。また、ガス分散板6は、複数段設置されていてもよい。
圧力センサー10は、処理室2内の圧力(真空度)を測定するセンサーであり、圧力の測定結果を、有線または無線の通信手段によって制御部3へ出力することができる。
排気配管7には、バルブ21と、バルブ21の下流に位置するAPC(Auto Pressure Controller)バルブ9と、APCバルブ9の下流に位置し、かつ、排気配管7を介して処理室2内を減圧する減圧ポンプ8とが設けられる。APCバルブ9は、処理室2からの排気流量を調整することによって処理室2内の圧力を調節する。制御部3における判断部31が、圧力センサー10で測定された処理室2内の圧力が所望の圧力となるように、APCバルブ9の開度を調整することができる。
なお、本実施の形態においては、処理室2内の減圧手段として減圧ポンプ8が記載されているが、減圧手段はこれに限られるものではなく、たとえば、工場ユーティリティ排気によって行われてもよい。
配管11は、上流側で配管12と、配管13と、配管14とに接続され、それぞれの配管から供給される気体が合流する配管である。配管11において合流した気体は、処理室2の上部へ供給される。
配管12には、バルブ22と、バルブ22の上流に位置する窒素流量コントローラ82と、窒素流量コントローラ82の上流に位置する窒素供給源42とが設けられる。窒素流量コントローラ82の制御によってバルブ22の開閉が調整され、これによって窒素供給源42から配管12に供給される窒素(不活性ガス)の流量が制御される。なお、窒素流量コントローラ82は、窒素の流量を計測し、得られた計測値に基づいて流量制御を行う。
配管13には、バルブ23と、バルブ23の上流に位置するフッ化水素ガス流量コントローラ83と、フッ化水素ガス流量コントローラ83の上流に位置するフッ化水素ガス供給源43とが設けられる。フッ化水素ガス流量コントローラ83の制御によってバルブ23の開閉が調整され、これによってフッ化水素ガス供給源43から配管13に供給されるフッ化水素ガスの流量が制御される。なお、フッ化水素ガス供給源43には、たとえば、無水フッ化水素の高圧ボンベが用いられる。なお、フッ化水素ガス流量コントローラ83は、フッ化水素ガスの流量を計測し、得られた計測値に基づいて流量制御を行う。
配管14には、バルブ24と、バルブ24の上流に位置する気化器25と、気化器25の上流に位置する水流量コントローラ84と、水流量コントローラ84の上流に位置する水供給源44とが設けられる。さらに、気化器25において配管14から分岐する配管14Aの上流には、窒素流量コントローラ85と、窒素流量コントローラ85の上流に位置する窒素供給源45とが設けられる。なお、水流量コントローラ84は、水蒸気の流量を計測し、得られた計測値に基づいて流量制御を行う。また、窒素流量コントローラ85は、窒素の流量を計測し、得られた計測値に基づいて流量制御を行う。
気化器25において、水供給源44から供給される水が、窒素供給源45から供給される窒素(不活性ガス)によって気化して圧送する。そして、バルブ24によって、配管14から配管11へ供給される気化された水蒸気の流量が制御される。なお、気化器25に供給される水蒸気は水流量コントローラ84によって、気化器25に供給される窒素(不活性ガス)は窒素流量コントローラ85によって、それぞれ流量が制御される。
制御部3の判断部31は、エッチング装置1における加熱機構5の温度調節、窒素流量コントローラ82を介するバルブ22の開閉度調節、フッ化水素ガス流量コントローラ83を介するバルブ23の開閉度調節、バルブ24の開閉度調節、バルブ21の開閉度調節、減圧ポンプ8の排気動作、圧力センサー10の測定動作、APCバルブ9の開度調節などを行う。
制御部3がそれぞれのバルブを制御することによって、配管11から処理室2内に供給されるガスは、窒素、フッ化水素ガスおよび水蒸気のうちから選択される。そして、選択されたガスは、処理室2内でガス分散板6を通過して基板Wに到達する。
基板Wに形成された複数種の被覆膜をエッチングするために供給されるフッ化水素ガスの供給量は、たとえば、100cc/minから2000cc/minである。このフッ化水素ガスに対して混合する水蒸気の供給量は、たとえば、300cc/minから10000cc/minである。
また、被覆膜をエッチングした後の基板表面の洗浄工程(後述)では、水蒸気の供給量は、たとえば、300cc/minから10000cc/minである。
また、基板Wの処理中、処理室2内の圧力は、たとえば、1Pa以上、かつ、30000Pa以下に維持される。水蒸気の供給量、および、水蒸気とフッ化水素ガスとの混合ガスの供給量に応じて、圧力センサー10が示す処理室2内の圧力があらかじめ定められた所定圧力となるように制御部3でAPCバルブ9の開度が調節されることによって、処理室2内の圧力が制御される。
<エッチング装置の動作について>
本実施の形態に関するエッチング装置の動作について、以下に説明する。図2は、本実施の形態に関するエッチング装置の動作の例を示すフローチャートである。以下の動作は、制御部3によって制御されつつ実行される。
ここで、処理対象である基板Wの被覆膜は、シリコン窒化膜、および、BSG膜であるものとする。そして、基板Wの上面にはシリコン酸化膜(熱酸化膜)が形成され、シリコン窒化膜はシリコン酸化膜の上面に、BSG膜はシリコン酸化膜の側面にそれぞれ形成されているものとする。
まず、基板Wが図示しない搬送系によって処理室2内に搬送され、さらに、基板ホルダー4に載置される(ステップST1)。そして、基板Wが基板ホルダー4に載置された後、基板ホルダー4に内蔵された加熱機構5によって、基板Wが30℃から200℃の範囲の所定の温度に加熱される。
次に、基板Wが基板ホルダー4上に載置された後、減圧ポンプ8によって処理室2内の真空引きが開始される(ステップST2)。真空引きは、処理室2内の圧力が0.1Pa程度になるまで実行され、処理室2内の大気雰囲気が排気される。
真空引きの時間は、真空引きに使われる真空ポンプの能力および許容される真空引き時間によって決められるが、できるだけ多く減圧するほうが処理室2内の大気雰囲気が排気され、かつ、処理室2内がクリーンになる。
次に、バルブ23の開閉によってエッチングガスであるフッ化水素ガスが所定の供給流量に調節され、さらに、バルブ24の開閉によって気化された水蒸気が所定の供給流量に調節されて、気化器25においてフッ化水素ガスと水蒸気とが混合されて混合ガスとなる。そして、処理室2内の圧力が0.1Pa程度まで到達した後、窒素供給源42から配管12を通じて窒素が処理室2内に供給される。処理室2内の圧力が1Paから30000Paの所定の範囲へと調圧された後、当該混合ガスが配管11から処理室2内に供給される。
処理室2内に供給された混合ガスが、ガス分散板6の複数の開口を通過して基板Wの表面の全面に均一に供給され、さらに、処理対象である被覆膜をエッチングする(ステップST3の第1のエッチング工程)。
この際、処理室2内の圧力が所定の真空度になるように、処理室2内の圧力を圧力センサー10によって監視して、圧力センサー10が示す圧力に基づいて、制御部3によってAPCバルブ9の開度が調節される。
ここで、上記のステップST3に先んじて、水蒸気が配管11から処理室2内に供給されてもよい。水蒸気は、ガス分散板6の複数の開口61を通過して基板Wの表面の全面に供給される。基板Wの表面の全面に到達した水蒸気は、基板Wの上面で薄い水の層を形成する。
上記の水の層が形成されていれば、エッチングガスであるフッ化水素ガスが水の層に溶け込んでHF フッ素イオンが生成され、直ちにエッチングを開始することができる。なお、水蒸気の供給時間は特に限定されるものではないが、基板Wの表面全面に薄い水の層が形成される程度の時間(たとえば、1秒以上、かつ、10秒以下程度)であればよい。
図3は、第1のエッチング工程の対象となる被覆膜の例を概略的に示す図である。図3に例が示されるように、シリコン酸化膜70の上面にはシリコン窒化膜90が形成され、また、シリコン酸化膜70の側面にはBSG膜92が形成されている。図3に示される例では、シリコン酸化膜70とシリコン窒化膜90とが交互に積層される積層構造が示されている。そして、BSG膜92は、当該積層構造間に形成されたトレンチ94内に形成され、かつ、隣接する積層構造双方を接触して形成されている。
第1のエッチング工程では、主に、BSG膜92がエッチングされる。第1のエッチング工程では、シリコン酸化膜70に対するBSG膜92のエッチングレート(選択比)が高くなるように、混合ガスにおける水蒸気およびフッ化水素ガスそれぞれの供給流量が設定される。たとえば、水蒸気の供給流量は300cc/minから10000cc/minの範囲で設定され、フッ化水素ガスの供給流量は100cc/minから2000cc/minに設定される。
BSG膜92が十分に除去されて、第1のエッチング工程が終了した後、同一の処理室2内において、混合ガスにおける水蒸気およびフッ化水素ガスの供給流量ならびに処理室2内の真空度を変更しつつ当該混合ガスを処理室2内に供給し、処理対象である被覆膜をエッチングする(ステップST4の第2のエッチング工程)。処理室2内に供給された混合ガスは、ガス分散板6の複数の開口を通過して基板Wの表面の全面に均一に供給される。
この際、処理室2内の圧力が所定の真空度になるように、処理室2内の圧力を圧力センサー10によって監視して、圧力センサー10が示す圧力に基づいて、制御部3によってAPCバルブ9の開度が調節される。
図4は、第2のエッチング工程の対象となる被覆膜の例を概略的に示す図である。図4に例が示されるように、第1のエッチング工程でBSG膜92が除去されており、トレンチ94の内部において、シリコン窒化膜90の側面が露出している。
第2のエッチング工程では、主に、シリコン窒化膜90がエッチングされる。第2のエッチング工程では、シリコン酸化膜70に対するシリコン窒化膜90のエッチングレート(選択比)が高くなるように、混合ガスにおける水蒸気およびフッ化水素ガスそれぞれの供給流量が設定される。具体的には、第2のエッチング工程において供給される混合ガスは、第1のエッチング工程において供給される混合ガスとは水蒸気の供給比率(供給流量)が異なる。
シリコン窒化膜90が十分に除去されて、第2のエッチング工程が終了した後、制御部3の制御によってバルブ23が閉じられて、エッチングガスであるフッ化水素ガスの供給が停止される。一方で、水蒸気がバルブ24の調整によって供給されて、配管14から処理室2内に供給される(ステップST5)。
第2のエッチング工程後に供給される水蒸気は、ガス分散板6の複数の開口61を通過して基板Wの全面に到達する。そして、水蒸気が第2のエッチング工程後の基板Wを洗浄する(洗い流す)ことによって、基板Wの表面に残存するフッ素(SiF系の残渣)が除去される。
なお、上記のステップST5の洗浄工程は、第1のエッチング工程の後にも行われてもよい。
<混合ガスにおける供給比率について>
第1のエッチング工程においては、処理対象であるBSG膜92をエッチングするために十分な供給量のフッ化水素ガスと、あらかじめ定められた供給量(第1の流量)の水蒸気とが、混合ガスとして基板Wに供給される。
ここで、基板Wの表面には、エッチング装置1に搬入される前の段階で、熱酸化膜が形成される。本実施の形態では、基板Wはシリコン基板であり、上記の熱酸化膜がシリコン酸化膜70であるものとする。
熱酸化膜は、基板Wの表面から内部にかけて酸化していく方法で形成される。具体的には、基板Wを高温の雰囲気中で酸素または水蒸気に暴露させることによって、シリコン(Si)と酸素(O)とが化学的に反応し、二酸化シリコン(SiO)の薄膜(熱酸化膜)が形成される。この熱酸化膜の密度(膜密度)は比較的高く、2.2g/cm程度である。
一方で、シリコン酸化膜70の側面に形成されるBSG膜92の密度(膜密度)は1.8g/cm程度であり、熱酸化膜の密度(2.2g/cm)と比べて小さい。
膜密度が低い膜はポーラスな膜であると言え、一般に、膜内に水蒸気が侵入してエッチング反応が進みやすい。よって、第1の流量の水蒸気が供給される条件下で、BSG膜92は、シリコン酸化膜70に対して高い選択比を維持しつつエッチングされる。
次に、第2のエッチング工程においては、処理対象であるシリコン窒化膜90をエッチングするために十分な供給量のフッ化水素ガスと、あらかじめ定められた供給量(第2の流量)の水蒸気とが、混合ガスとして基板Wに供給される。
シリコン窒化膜90のシリコン酸化膜70に対する選択比は水蒸気の量が少ないほど高くなるため、上記の第2の流量は、所望の選択比に対応する水蒸気の流量以下の流量に設定される。
なお、第1のエッチング工程と第2のエッチング工程とで処理対象となる被覆膜は上記の場合に限られるものではなく、たとえば、第1のエッチング工程で処理対象となる被覆膜がシリコン窒化膜90であり、第2のエッチング工程で処理対象となる被覆膜がBSG膜92であってもよい。また、第1の流量および第2の流量の一方が、流量ゼロであってもよい。
ここで、第1のエッチング工程においては、第2のエッチング工程でエッチングされる被覆膜が存在している状態である。そのため、第1のエッチング工程で設定される第1の流量は、第1のエッチング工程でエッチングされる被覆膜の、第2のエッチング工程でエッチングされる被覆膜に対する選択比が十分高くなる流量、または、第1のエッチング工程で処理対象となる被覆膜のエッチングが十分に早く完了する流量に設定される。
上記のような、異なる流量設定のエッチング工程をそれぞれ行うことによって、流量設定を変えずに同一のエッチング工程を継続して行う場合に比べて、処理対象とする被覆膜それぞれを効率的にエッチングすることができる。
そうすると、双方の被覆膜(BSG膜92およびシリコン窒化膜90)をエッチングするために要する全体の処理時間を短くすることができるため、処理対象でない膜(たとえば、図3および図4におけるシリコン酸化膜70)を意図せず除去してしまうことが抑制される。よって、3次元構造を有する3次元NANDなどの複雑な構造において複数種の被覆膜を除去する場合でも、所望の構造を実現することが容易となる。
また、同一の処理室2内で第1のエッチング工程および第2のエッチング工程が行われることによって、基板Wを移動させずに連続してエッチング処理を行うことができる。そのため、双方の被覆膜(BSG膜92およびシリコン窒化膜90)をエッチングするために要する処理時間を短くすることができる。
なお、第1のエッチング工程と第2のエッチング工程との間で、処理室2内の圧力、温度、および、窒素またはフッ化水素ガスの供給流量も適宜変更可能である。
また、第1のエッチング工程および第2のエッチング工程の双方において、処理対象である被覆膜が少なくとも一部除去されればよく、必ずしも全部が除去されなくてもよい。
<以上に記載された実施の形態によって生じる効果について>
次に、以上に記載された実施の形態によって生じる効果の例を示す。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態に例が示された具体的な構成に基づいて当該効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本願明細書に例が示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。すなわち、以下では便宜上、対応づけられる具体的な構成のうちのいずれか1つのみが代表して記載される場合があるが、代表して記載された具体的な構成が対応づけられる他の具体的な構成に置き換えられてもよい。
以上に記載された実施の形態によれば、エッチング方法は、第1の膜としてのシリコン酸化膜70上(上面および側面を含む)にそれぞれ形成された第2の膜としてのBSG膜92および第3の膜としてのシリコン窒化膜90を、同一の処理室2内でエッチングする方法である。このエッチング方法において、処理室2内を減圧状態にする。そして、第1のエッチングガス(フッ化水素ガス)と第1の流量の水蒸気とを処理室2内に供給して、BSG膜92をエッチングする(第1のエッチング工程)。そして、第1のエッチング工程の後、第2のエッチングガス(フッ化水素ガス)と第1の流量とは異なる流量である第2の流量の水蒸気とを処理室2内に供給して、シリコン窒化膜90をエッチングする(第2のエッチング工程)。
このような構成によれば、異なる流量設定のエッチング工程をそれぞれ行うことによって、流量設定を変えずに同一のエッチング工程を継続して行う場合に比べて、処理対象とする被覆膜それぞれを効率的にエッチングすることができる。よって、双方の被覆膜(BSG膜92およびシリコン窒化膜90)をエッチングするために要する全体の処理時間を短くすることができるため、処理対象でない膜(たとえば、図3および図4におけるシリコン酸化膜70)を意図せず除去してしまうことを抑制することができる。また、同一の処理室2内で第1のエッチング工程および第2のエッチング工程が行われることによって、基板Wを移動させずに連続してエッチング処理を行うことができる。そのため、双方の被覆膜をエッチングするために要する処理時間を短くすることができる。
なお、上記の構成に本願明細書に例が示された他の構成を適宜追加した場合、すなわち、上記の構成としては言及されなかった本願明細書中の他の構成が適宜追加された場合であっても、同様の効果を生じさせることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、第1のエッチングガスと第2のエッチングガスとが、ともにフッ化水素を含むエッチングガスである。このような構成によれば、フッ化水素ガスの作用によって、BSG膜92およびシリコン窒化膜90を、別々のエッチング工程において除去することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、第1の膜がシリコン酸化膜であり、第2の膜がBSG膜であり、第3の膜がシリコン窒化膜である。このような構成によれば、第1のエッチング工程で、BSG膜92のシリコン酸化膜70に対する選択比を維持しつつBSG膜92を除去し、第2のエッチング工程で、シリコン窒化膜90のシリコン酸化膜70に対する選択比を維持しつつシリコン窒化膜90を除去することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、シリコン酸化膜70とシリコン窒化膜90とが複数の積層構造を形成する。また、BSG膜92が、隣接する積層構造の間に形成される。このような構成によれば、第1のエッチング工程で積層構造の間(トレンチ94)におけるBSG膜92が除去されるためシリコン窒化膜90の側面が露出する。そして、第2のエッチング工程で、露出しているシリコン窒化膜90を効果的にエッチングすることができる。
<以上に記載された実施の形態の変形例について>
以上に記載された実施の形態では、それぞれの構成要素の材質、材料、寸法、形状、相対的配置関係または実施の条件などについても記載する場合があるが、これらはすべての局面においてひとつの例であって、限定的なものではないものとする。
したがって、例が示されていない無数の変形例と均等物とが、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
また、以上に記載された実施の形態において、特に指定されずに材料名などが記載された場合は、矛盾が生じない限り、当該材料に他の添加物が含まれた、たとえば、合金などが含まれるものとする。
2 処理室
70 シリコン酸化膜
90 シリコン窒化膜
92 BSG膜

Claims (4)

  1. 第1の膜上(側面を含む)にそれぞれ形成された第2の膜および第3の膜を同一の処理室内でエッチングするエッチング方法であり、
    前記処理室内を減圧状態にする工程と、
    第1のエッチングガスと第1の流量の水蒸気とを前記処理室内に供給して、前記第2の膜をエッチングする第1のエッチング工程と、
    前記第1のエッチング工程の後、第2のエッチングガスと前記第1の流量とは異なる流量である第2の流量の前記水蒸気とを前記処理室内に供給して、前記第3の膜をエッチングする第2のエッチング工程とを備える、
    エッチング方法。
  2. 請求項1に記載のエッチング方法であり、
    前記第1のエッチングガスと前記第2のエッチングガスとが、ともにフッ化水素を含むエッチングガスである、
    エッチング方法。
  3. 請求項1または2に記載のエッチング方法であり、
    前記第1の膜がシリコン酸化膜であり、前記第2の膜がBSG膜であり、前記第3の膜がシリコン窒化膜である、
    エッチング方法。
  4. 請求項1から3のうちのいずれか1つに記載のエッチング方法であり、
    前記第1の膜と前記第3の膜とが複数の積層構造を形成し、
    前記第2の膜が、隣接する前記積層構造の間に形成される、
    エッチング方法。
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