JP2023132824A - 車両用環境改善システム - Google Patents

車両用環境改善システム Download PDF

Info

Publication number
JP2023132824A
JP2023132824A JP2022038367A JP2022038367A JP2023132824A JP 2023132824 A JP2023132824 A JP 2023132824A JP 2022038367 A JP2022038367 A JP 2022038367A JP 2022038367 A JP2022038367 A JP 2022038367A JP 2023132824 A JP2023132824 A JP 2023132824A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
outside air
vehicle
filter
area
degree
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022038367A
Other languages
English (en)
Inventor
武 今井
Takeshi Imai
翔太 森谷
Shota Moriya
大地 八木
Daichi Yagi
加奈子 金澤
Kanako KANAZAWA
佳行 津田
Yoshiyuki Tsuda
沙弥佳 岡
Sayaka Oka
真梨恵 長濱
Marie NAGAHAMA
里穂 渡邊
Riho Watanabe
安恵 米津
Yasue Yonezu
やよい 濱本
Yayoi Hamamoto
明規 桑山
Akinori Kuwayama
拓也 片岡
Takuya Kataoka
琢巳 倉田
Takumi Kurata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2022038367A priority Critical patent/JP2023132824A/ja
Publication of JP2023132824A publication Critical patent/JP2023132824A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

Figure 2023132824000001
【課題】ユーザの利便性を向上可能な車両用環境改善システムを提供する。
【解決手段】環境改善システムには、走行エリアに応じたフィルタ再生条件が設定されている。フィルタ再生条件は、活性酸素や洗浄水の吹付けなどによって自動的にフィルタを再生させる制御を実行する条件であって、外気汚れ度とフィルタ汚れのそれぞれに対する閾値を含む。環境改善システムは、ナビゲーション装置から現在の走行エリアの種別を取得するとともに、現在の外気汚れ度やフィルタ汚れ度が走行エリアの種別に応じたフィルタ再生条件を充足していることに基づいてフィルタ再生制御を実施する。
【選択図】図6

Description

本開示は、車外の空気を浄化する技術に関する。
特許文献1には、車載空調装置の上流側に、空気を浄化するフィルタとして機能するカセットを取り付け、走行中に車外の空気をきれいにするシステムが開示されている。特許文献1に開示のシステムでは、再生基地でカセットそのもの又はカセットの中身が交換されることにより、各車両の空気浄化機能が回復する。
特開2006-167615号公報
大気の浄化を効率的に行うためには、空気中の汚染物質を除去するフィルタを、本来の性能が発揮されるようにメンテナンスする必要がある。特許文献1に開示の構成では、空気浄化フィルタとしてのカセット本体/その中身を、再生基地で交換する必要があり、ユーザの利便性としては改善の余地がある。ところで近年は、紫外線/可視光と光触媒の組み合わせ、あるいは、ストリーマ放電などによってフィルタを再生させる、いわゆる自己再生技術の開発が進んでいる。
本開示は、上記の検討又は着眼点に基づいて成されたものであり、その目的の1つは、ユーザの利便性を向上可能な車両用環境改善システムを提供することにある。
ここに開示される第1の車両用環境改善システムは、車両で使用される車両用環境改善システムであって、車外の空気である外気の汚れ度合いである外気汚れ度を示すデータを取得する外気汚れ度取得部(F1)と、外気に含まれるターゲットを除去するためのフィルタの汚れ度合いであるフィルタ汚れ度を示すデータを取得するフィルタ汚れ度取得部(F2)と、フィルタを用いて外気を浄化する外気浄化制御と、フィルタの汚れを除去するフィルタ再生制御とを選択的に実施する制御部(F4)と、を備え、制御部は、フィルタ汚れ度及び外気の汚れ度に基づいて、フィルタ再生制御を実行するか否かを決定するように構成されている。
上記構成によれば、フィルタとしてのカセットを再生基地まで交換しに行くなどのユーザの手間を削減する効果が期待できる。加えて、上記車両用環境改善システムは、フィルタの汚れ度合い及び車外空気の汚れ度合いに応じたタイミングでフィルタ再生制御を自動的に実行する。故に、ユーザの利便性を高めつつ、より効率的に大気を浄化することが可能となる。
ここに開示される第2の車両用環境改善システムは、車両で使用される車両用環境改善システムであって、車両が走行しているエリアである走行エリアの種別を取得する状況取得部(F3)と、車外の空気である外気を少なくとも1つのフィルタを用いて浄化する外気浄化制御と、フィルタの汚れを除去するフィルタ再生制御と、を選択的に実施する制御部(F4)と、を備え、制御部は、走行エリアの種別に基づいて、フィルタ再生制御と外気浄化制御のどちらを実施するかを決定するように構成されている。
上記構成によれば、車両が走行しているエリアが特定の種別であることに基づいて、自動的にフィルタ再生制御が実行されうる。よって、ユーザの利便性を高めつつ、大気を浄化することが可能となる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
車載システムの構成例を示すブロック図である。 コントローラの構成を示すブロック図である。 空気の流れを説明するための図である。 空気清浄装置の構成を説明するためのブロック図である。 コントローラの機能ブロック図である。 走行中におけるコントローラの作動を説明するためのフローチャートである。 エリアごとのフィルタ再生条件の一例を示す図である。 駐車シーンにおけるコントローラの作動を説明するためのフローチャートである。 駐車予定時間に応じて駐車中の制御態様を変更する場合のコントローラの作動例を示すフローチャートである。 エリア区分(種別)の他の設定例を示す図である。 保護地域付近を走行中か否かに応じて制御態様を変更する場合のコントローラの作動例を示すフローチャートである。 次エリアの外気汚れ度の予測値に応じてフィルタ再生制御を実施するタイミングを変更する場合のコントローラの作動例を示すフローチャートである。 次エリアの外気汚れ度の予測値に応じてフィルタ再生制御を実施するタイミングを変更する場合のコントローラの作動例を示すフローチャートである。 天気に応じてフィルタ再生制御を実施するタイミングを変更する場合のコントローラの作動例を示すフローチャートである。
以下、本開示にかかる車両用環境改善システムの実施形態について図を用いて説明する。図1は、車両用環境改善システムを含む車載システムSysの概略的な構成示す図である。以降では車載システムSysが搭載されている車両を自車とも記載する。自車は例えば電動車である。もちろん、自車は、エンジン車であってもよい。電動車の概念には、電気自動車のみならず、プラグインハイブリッド車や、ハイブリッド車、燃料電池車を含めることができる。
車載システムSysは、図1に示すように車両状態センサ1、外界センサ2、前方カメラ3、ナビゲーション装置4、無線通信機5、操作デバイス6、及び、環境改善システム7を備える。ナビゲーション装置4はロケータ41を備える。環境改善システム7は、統合コントローラ71、空気清浄装置72、空調装置73、ガスセンサ74、粒子センサ75、空気質センサ76、及び圧力センサ77を備える。車両状態センサ1、外界センサ2、前方カメラ3、ナビゲーション装置4、無線通信機5、及び操作デバイス6はそれぞれ環境改善システム7と車両内ネットワークを介して通信可能に接続されている。もちろん、一部の装置は専用線を用いて環境改善システム7と直接的に接続されていても良い。デバイス同士の接続態様は適宜変更可能である。
車両状態センサ1は、自車の状態を示す信号を出力するセンサである。例えば車速センサや、シフトポジションセンサ、着座センサ等が車両状態センサ11に該当する。車速センサは、自車の車速を示す信号を出力するセンサである。シフトポジションセンサは、シフトポジションを示す信号を出力する。着座センサは、人間が着座しているか否かを検出するセンサである。着座センサ、座席ごとに配置されている。着座センサは例えば座席の着座面に配置された圧力センサである。各車両状態センサ1は、検出対象とする項目の現在の値/状態を示す信号を環境改善システム7に出力する。
なお、環境改善システム7には、走行用電源状態を示す信号や、ワイパーの作動状態を示す信号なども入力されうる。走行用電源は、自車が走行するための電源であって、自車がエンジン車である場合にはイグニッション電源を指す。自車が電動車である場合、走行用電源とはシステムメインリレーに対応する。電源状態を信号は電源スイッチや電源ECUから入力されうる。ワイパーの作動状態はパイパーモータやワイパースイッチから入力されうる。
外界センサ2は、車外の環境を示す信号を出力するセンサである。例えば、レインセンサや、外気温センサ、照度センサなどが、外界センサ2に相当する。レインセンサは降雨量を検出するセンサである。外気温センサは外気温を検出するセンサである。照度センサは、車外の明るさを検出する。
前方カメラ3は、例えば自車前方を所定の画角で撮像するように配置された光学/赤外線カメラである。前方カメラ3は、フロントガラスの車室内側の上端部や、フロントグリル、ルーフトップ等に配置されている。前方カメラ3は、画像フレームに対して認識処理を施すことで、他車両や交通標識を検出する。加えて前方カメラ3は、撮影映像を解析することで自車周辺の交通量を判定する。例えば画像に含まれる他車両の数や、車間距離などに基づいて交通量を評価しうる。交通量の判定機能は、統合コントローラ71が備えていても良い。
ナビゲーション装置4は、地図データを用いて現在地から目的地までの走行を案内する装置である。目的地は、ドライバ等の乗員によって設定される。現在地は、ロケータ41にて特定される。ナビゲーション装置4は、現在位置を基準として定まる所定範囲の地図データである周辺地図データを読み出し、環境改善システム7に提供する。周辺地図データは、自車が所定時間以内に走行予定の道路にかかるデータを含みうる。周辺地図データは自車が走行しているエリアの種別を示すデータとして機能しうる。なお、ナビゲーション装置4に相当する機能は、外部サーバに設けられていても良いし、ドライバが車内に持ち込んだスマートフォン等が備えていても良い。
ロケータ41は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を構成する測位衛星から送信される航法信号を用いて自車の位置座標を算出及び出力するデバイスである。ロケータ41は、例えばGNSS受信機、慣性センサ、及び地図メモリを備える。慣性センサとは、例えばジャイロセンサや加速度センサである。地図メモリは、地図データが保存されている記憶媒体である。ロケータ41は、GNSS受信機で受信する測位信号、慣性センサの検出値、地図データに示される道路形状を組み合わせることにより、ロケータ41を搭載した自車の位置(以下、自車位置)及び移動方向を逐次測位する。自車位置は、例えば緯度、経度、及び高度の3次元座標で表される。
無線通信機5は、自車が他の装置と無線通信を実施するための装置である。通信相手としては、インターネットに接続するサーバや、道路沿いに設置された通信設備である路側機などが想定される。無線通信機5は、セルラー通信を実施可能に構成されている。セルラー通信とは、例えばLTE(Long Term Evolution)や4G、5Gなどの規格に準拠した無線通信である。
また、無線通信機5は、狭域通信を実施可能に構成されている。本開示における狭域通信とは、通信可能距離が数百m以内に限定される無線通信を指す。狭域通信の規格としては、例えばIEEE802.11p規格に対応するDSRC(Dedicated Short Range Communications)や、Wi-Fi(登録商標)などを採用可能である。狭域通信は、セルラーV2Xであってもよい。無線通信機5はセルラー通信と狭域通信の何れか一方のみを実施可能に構成されていてもよい。道路沿いに設置された通信設備である。
無線通信機5は、情報配信サーバや路側機などの外部装置から、現在位置及び所定時間以内に自車が通過予定の道路区間についての天気情報を取得しうる。天気情報は、地点ごとの降雨量や風速、気温、湿度などとった気象状態を示す。天気情報は所定時間以内における5分毎、或いは10分毎の気象状態の予測値が含まれていても良い。また、無線通信機5は外部装置から地点毎の空気質情報を受信しうる。空気質情報は、PM(Particulate Matter)2.5や二酸化窒素などといった汚染物質の濃度を示す。例えば空気質情報は、オゾン、二酸化窒素、PM2.5、PM10、一酸化炭素、及び二酸化硫黄のそれぞれについてのAQI(Air Quality Index)を示す。空気質情報もまた、現在の状態に加えて、時刻ごとの予測値を含みうる。すなわち、無線通信機5は、地点ごとの気象状態及び空気質についての現在の状態、及び、所定時間以内の予測状態を示すデータを外部装置から取得しうる。なお、PM2.5は、大気中に浮遊する小さな粒子のうち、粒子の大きさ(厳密には空気力学径)が2.5μm以下の粒子を意味する。
操作デバイス6は、車載システムSysに対する乗員の指示操作を受け付けるための装置である。操作デバイス6は、乗員の手指で操作されるデバイスである。車載システムSysは操作デバイス6として、例えばタッチパネルやステアリングスイッチを備える。タッチパネルは、インストゥルメントパネルに設けられたディスプレイに積層されている。ステアリングスイッチは、ステアリングホイールのスポーク部に設けられたスイッチである。操作デバイス6はインストゥルメントパネルに配置されたハードウェアスイッチであってもよい。操作デバイス6は、例えば乗員が空調装置73の設定温度や風量、空調モードを変更するための入力装置として機能しうる。ここでの空調モードとは、外気導入モードか内気循環モードかを意味する。
操作デバイス6に対する乗員の操作は、車載システムSysに対する指示入力と読み替える事ができる。各操作デバイス6は、乗員が行った操作に対応する電気信号を操作信号としてHCU30に出力する。操作信号は、乗員の操作内容を示す情報を含む。なお、方向指示器を作動させるためのスイッチ/レバーもまた、操作デバイス6の一種と解することもできる。操作デバイス6は音声入力装置であってもよい。車載HMI(Human Machine Interface)の構成は適宜変更可能である。
統合コントローラ71は、車載システムSysが備える種々のセンサ/デバイスからの信号に基づいて、空気清浄装置72及び空調装置73の動作を統合的に制御するモジュールである。統合コントローラ71は、図2に示すようにプロセッサ711、メモリ713、ストレージ712、及び通信インターフェース714を備えたコンピュータを主体として構成されている。
プロセッサ711は、CPU(Central Processing Unit)等の演算コアである。プロセッサ711は、メモリ713へのアクセスにより、種々の処理を実行する。ストレージ712は、例えばフラッシュメモリなどの書き換え可能な不揮発性である。ストレージ712には、プロセッサ711によって実行されるプログラムである環境制御プログラムが格納されている。プロセッサ711が環境制御プログラムを実行することは、環境制御方法が実行されることに相当する。メモリ713は書き換え可能な揮発性の記憶媒体であって例えばRAM(Random Access Memory)である。通信インターフェース714は、統合コントローラ71が他のデバイス/センサと通信するためのインターフェース、すなわち信号の入出力回路である。統合コントローラ71の詳細は別途後述する。
空気清浄装置72は、吸入空気から、ターゲットとする物質を除去した空気を生成及び出力する装置である。吸入空気とは、装置に設けられた吸入口より取り込んだ空気を指す。空気清浄装置72の吸入口は、図3に示すように外気導入口91a及び内気導入口91bとダクト92cを介して接続されている。空気清浄装置72は、これらの導入口から流れてきた空気に対してターゲットの除去処理を施す。
なお、空気清浄装置72が処理した空気は、空調装置73を通ったのちに車内吹出口91cから車室内に吹き出される。車内吹出口91cは複数存在しうる。室内の任意の箇所には、換気口91dが形成されている。車内吹出口91cから室内に流入した空気は、換気口91dを通って車外に放出される。換気口91dは例えばトランクの底部などに配置されている。なお、空気の流れにかかる構成は適宜変更可能である。他の態様として、空調装置73が空気清浄装置72の上流側に配置されていても良い。また、車両には空気清浄装置72が処理した空気を、室内を通らずに車外に放出するためのダクト等などが設けられていても良い。
空気清浄装置72がターゲット(除去対象)とする物質は、PM2.5やPM10、タイヤ摩耗粉、一酸化窒素や二酸化窒素といった窒素化合物(いわゆるノックス:NOx)、二酸化硫黄、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素などである。タイヤ摩耗粉は、タイヤのトレッド部が路面との摩擦によって生じる、タイヤ由来の粉塵である。本開示では、PM2.5やPM10、タイヤ摩耗粉などをまとめて粒子系ターゲットと称する。また、ノックスや二酸化硫黄、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素などをガス系ターゲットと称する。
ターゲットとする物質の種類は、適宜選定されればよく、空気清浄装置72は上記すべての物質を除去可能に構成されている必要はない。なお、ここでの除去とは空気中に含まれる量を低減することを意味するものであって、完全に取り除くことに限定されない。ターゲットの除去は、フィルタへの吸着や、化学反応による無害化などによって実現されうる。
なお、空気清浄装置72の上流側、例えば、外気導入口91aに連なるダクト92aと、内気導入口91bに連なるダクト92bとが合流するところには、モード切替ドア93が配置されている。モード切替ドア93は、車室の空気(いわゆる内気)と車外の空気(いわゆる外気)のどちらを空気清浄装置72等に導入するかを切り替えるためのドアである。モード切替ドア93の位置(開度)は、アクチュエータを介して統合コントローラ71によって制御される。本開示では、内気を導入するようにモード切替ドア93を設定した状態を内気循環モードを称する。また、外気を導入するようにモード切替ドア93を設定した状態を外気導入モードと称する。内気循環モードにおいては、空気清浄装置72は内気を浄化するように作動する。また、外気導入モードにおいては、空気清浄装置72は外気(大気)を浄化するように作動する。空気の浄化とは、空気に含まれる微粒子や有害物質、化学物質の除去することを意味する。
空気清浄装置72は、ターゲットを除去するための機構(いわゆるフィルタ)として、静電フィルタ81、活性炭フィルタ82、及び、光触媒フィルタ83を備える。また、空気清浄装置72は、種々のフィルタの機能を再生するための構成として、光触媒洗浄器84と、電極洗浄器85とを備える。
空気清浄装置72が備える種々のフィルタは、ターゲットの種類、及び、ターゲットの除去原理が互いに相違しうる。空気清浄装置72内においては、静電フィルタ81が最も上流側に配置されており、光触媒フィルタ83が最も下流側に配置されている。なお、各フィルタの配置順序は一例である。他の態様としては、例えば活性炭フィルタ82が最も上流側に配置されていてもよい。
静電フィルタ81は、静電気の力を利用して粒子系ターゲットを捕集するフィルタである。静電フィルタ81は、電気集塵方式のフィルタとして構成されている。すなわち、静電フィルタ81は、イオン放射部811と、捕集部812とを備える。イオン放射部811は、吸入空気に対して例えばプラズマイオン化光線を照射するデバイスである。イオン放射部811は、捕集部812の上流側に配置されている。
捕集部812は、ターゲットを吸着するための構成であって、例えば互いに異なる極性が印加される第1、第2電極を備える。第1電極は、第2電極よりも上流側、あるいは、空気の流路の中央部に配置されている。第2電極は、第1電極の裏側、又は、流路の隅部に配置されている。各電極は、例えば板状に形成されている。各電極は、網目状やハニカム構造など、通気性を有する構造を有している。第1電極、第2電極は、例えばセラミックやカーボン、プラスチックなどの基材(例えばフレーム)に、導電性の皮膜又は金属繊維を付着したものであっても良い。
より好ましい態様として、各電極の極性(プラス/マイナス)は入れ替え可能に構成されている。統合コントローラ71は、各電極の極性を制御する。統合コントローラ71は、基本的には第1電極にマイナスを、第2電極にプラスを印加する。本開示ではマイナスに帯電された電極をマイナス極と、プラスに帯電している電極をプラス極とも称する。静電フィルタ81は、イオン放射部811が吸入空気に対してプラスイオンを吹き付けることにより、空気中に含まれる微粒子をプラスに帯電させ、マイナス極に吸着させる。
活性炭フィルタ82は、活性炭を用いてターゲットを吸着するフィルタである。活性炭フィルタ82は、活性炭モジュール821とヒーター822とを含む。活性炭モジュール821は活性炭を主材料とする部材である。活性炭モジュール821は、通気性を有する板状部材である。例えば活性炭モジュールは、セラミックスに活性炭を練り込んでハニカム状に押出成形したセラミックハニカムプレートである。活性炭モジュール821は、酢酸やアセトアルデヒドなどの揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)ガスや、NOxなどの酸性ガスなど、多様なガスを吸着しうる。なお、活性炭モジュール821は、所定材料のフレームに、活性炭繊維(ACF:Activated Carbon Fiber)、又は、活性炭を封入した不織布を取り付けたものであってもよい。
ヒーター822は、活性炭モジュール821を温めるための装置である。ヒーター822は、例えば赤外線(熱)を放出する、いわゆる輻射式のヒーターとして構成されている。ヒーター822は、活性炭モジュール821を温める事により、後述するフィルタ再生効率を高めるための要素である。フィルタ再生効率の向上を追求しない場合、活性炭モジュール821を温める必要はなく、ヒーター822は省略可能である。
光触媒フィルタ83は、光触媒に紫外線を照射することにより、空気中の水分から活性酸素を発生させ、ターゲットを二酸化炭素や水などに無害化するフィルタである。活性酸素とは、OHラジカルやスーパーオキサイドイオンなどを指す。光触媒フィルタ83は、紫外線照射部831と光触媒プレート832とを含む。紫外線照射部831は、光触媒プレート832に向けて紫外線を照射する光源モジュールであって、紫外線を照射するLEDなどを用いて実現されている。光触媒プレート832は、酸化チタン(TiO2)のような金属酸化物半導体を、所定材料の担持体表面に付加してなる板状部材である。担持体は、セラミックやプラスチック、金属など任意のものを採用可能である。担持体は、ハニカム構造など、通気性を有するように構成されている。
光触媒プレート832と活性炭モジュール821の間隔は微小であっても良い。また、光触媒プレート832と活性炭モジュール821と当接/密着していても良い。さらに、光触媒そのものが活性炭モジュール821の皮膜として形成されていても良い。つまり、光触媒プレート832は、活性炭モジュール821と統合されていても良い。
なお、光触媒フィルタ83を構成する光触媒は、可視光に応答して活性酸素を発生させる、可視光応答型のものであってもよい。例えば、光触媒プレート832は、酸化タングステンを主成分として構成されていてもよい。光触媒フィルタ83は、鉄系化合物修飾酸化チタン光触媒及び銅系化合物修飾酸化チタン光触媒の何れか一方又は両方を用いて実現されていても良い。光触媒フィルタ83には複数種類の光触媒が混合されていても良い。光触媒フィルタ83は、光触媒のタイプに対応する電磁波を出力するものであればよい。紫外線照射部831は、可視光源に置き換え可能である。なお、光触媒フィルタ83が鉄系化合物修飾酸化チタン光触媒で実現されている場合には、より高いVOC分解効果が期待できる。また、光触媒フィルタ83が銅系化合物修飾酸化チタン光触媒で実現されている場合には、より高いウイルス除去効果が期待できる。
光触媒洗浄器84は、光触媒フィルタ83の機能を再生、換言すれば、光触媒フィルタ83の汚れを除去するための装置である。光触媒洗浄器84は、例えば光触媒プレート832に水を吹き付ける事により、光触媒プレート832に付着している物質を洗い流す装置として構成されている。当該構成によれば、光触媒洗浄器84は、活性酸素では分解できない物質を光触媒プレート832から取り除くことができる。なお、洗浄用の水としては、空調装置73で発生する水、いわゆるドレーン水を援用できる。
光触媒フィルタ83の洗浄に使用された水は、ドレーンホースを通って車外に排出されうる。有害物質自体は、活性酸素にて無害化されているため、排出される水もまた、無害であることが期待できる。なお、光触媒洗浄器84は、空気を高圧で光触媒プレート832に吹き付ける事により、フィルタの汚れを除去するものであっても良い。また、光触媒洗浄器84は、可動式のブラシによって光触媒プレート832の付着物を除去する構成であっても良い。
電極洗浄器85は、静電フィルタ81の機能を再生、換言すれば、静電フィルタ81の汚れを除去するための装置である。電極洗浄器85は、例えば捕集部812に水を吹き付ける事により捕集部812に付着している物質を洗い流す。洗浄用の水としては前述の通りドレーン水を採用可能である。電極洗浄器85は、光触媒洗浄器84と同様に、高圧空気を吹き付けるにより捕集部812上の付着物を除去する装置であっても良いし、ブラシ等を用いて付着物を除去する装置であっても良い。
空気清浄装置72は運転モードとして、フィルタを用いて吸入空気を浄化する空気浄化モードと、フィルタの汚れを除去するフィルタ再生モードと、を選択的に実施可能に構成されている。空気浄化モードは、例えばイオン放射部811からプラスイオンを放出させるとともに第1電極をマイナス極に設定する状態に対応する。また、空気浄化モードは、紫外線照射部831に通電して紫外線を照射させる状態に対応する。フィルタ再生モードにおける各フィルタの作動については後述する。なお、空気清浄装置72は、動作を停止している状態である待機モードを取りうる。待機モードは、空気浄化制御もフィルタ再生制御も実施していない状態である。
空調装置73は、温度等を調整した空気を生成し、車室内に配された吹出口63から吹き出す装置である。本実施形態では一例として空調装置73は空気清浄装置72の下流側に配置されている。すなわち、空調装置73は空気清浄装置72で浄化済みの空気に対して、温度調整等を実施する。
空調装置73は、一般的な車載空調装置と同様の構成であって、エバポレータや、ヒートコア、エアミックドア、送風機731などを備える。エバポレータは、冷却用の熱交換器である。ヒートコアは加熱用の熱交換器であってコンデンサとも称される。エアミックドアは、冷却空気と加熱空気の混合割合を調整することで室内に出力する空気の温度を調整する機構である。
送風機731は、ケース内に導入された空気を、下流側に送るための構成である。送風機731は、例えば遠心式多翼ファン(シロッコファン)と、ファンを駆動するためのモータとを用いて実現されている。なお、送風機731の構成としては多様な構成を採用可能である。送風機731は、フィンの回転方向を逆転させることにより、空気の吹き出し方向を逆向きに切替可能に構成されていても良い。例えば送風機731はリングブロワなどであってもよい。
ガスセンサ74は、空気中に含まれるガスの量を検出するセンサである。ここでのガスとは、一酸化窒素や二酸化窒素といった窒素化合物(いわゆるノックス:NOx)や、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素、二酸化硫黄、オゾンなどを指す。ガスセンサ74としては、半導体式、接触燃焼式、電気化学式、NDIR(non-dispersive infrared)式など、多様な方式を採用可能である。
なお、半導体式とは、酸化スズ等を用いたセンサ部の抵抗値の変化量に基づいて、ガス濃度を検出する方式を指す。接触燃焼式は、触媒表面でのガスの接触燃焼による白金線コイルの温度上昇をもとにガス濃度を計測する方式である。電気化学式は、検知対象ガスによって生じる酸化還元反応を利用する方式であって、検知極と対極の間を流れる電流量によってガス濃度が測定される。測定NDIR方式は、赤外線が対象ガスの分子振動を引き起こすことにより、特定波長の赤外線が吸収される現象を利用してガスを検知する方式である。
環境改善システム7は、ガスセンサ74として、図3及び図4に示すように第1~第4ガスセンサ74a~74dを備える。複数のガスセンサ74は、外気導入口91aから室内吹出口62に至るまでの空気流路において、それぞれ異なる箇所に配置されている。第1ガスセンサ74aは、モード切替ドア93と空気清浄装置72の吸入口とをつなぐダクト92cの内壁部などに取付けられている。なお、第1ガスセンサ74aは、空気清浄装置72が備える種々のフィルタよりも上流側に配置されていればよく、外気導入口91aとモード切替ドア93をつなぐダクト92a内に配置されていても良い。
第2ガスセンサ74bは、活性炭フィルタ82の上流側、例えば静電フィルタ81と活性炭フィルタ82の間に配置されている。なお、第2ガスセンサ74bが第1ガスセンサ74aの役割を兼ねていても良い。第3ガスセンサ74cは活性炭フィルタ82の下流側、例えば活性炭フィルタ82と光触媒フィルタ83の間に配置されている。第4ガスセンサ74dは、光触媒フィルタ83の下流側、例えば空気清浄装置72と空調装置73の間に配置されている。
各ガスセンサ74は、その検出結果を示す信号を統合コントローラ71に出力する。なお、ここで開示するガスセンサ74の数や配置態様は一例であって適宜変更可能である。例えば、ガスセンサ74の配置箇所は、空気清浄装置72の空気吸込口付近と、空気吹出口付近の2箇所だけであってもよい。環境改善システム7は、それぞれ検出対象とするガスが異なる複数種類のガスセンサ74を備えていても良い。
粒子センサ75は、PM2.5やPM10などの空気に含まれる粒子の濃度を検出するセンサである。粒子センサ75は、例えば照射したレーザ光の受光量に基づいて粒子濃度を検出する。粒子センサ75は、空気清浄装置72の上流側に配置されている。環境改善システム7は、静電フィルタ81の下流側に配置された粒子センサ75を備えていても良い。
空気質センサ76は、空気の質(AQI)を検出するセンサである。空気質センサ76は、例えばオゾン、二酸化窒素、PM2.5、一酸化炭素、二酸化硫黄といった、5つの主要な大気汚染物質毎の濃度に応じて、大気汚染物質毎のAQIを算出及び出力する。空気質センサ76は、例えば空気清浄装置72の上流側、例えばダクト92c内に配置されている。空気質センサ76は、空気清浄装置72の吸入側と吹き出し側のそれぞれに配置されていてもよい。
空気質センサ76は、第1ガスセンサ74a及び粒子センサ75の出力を援用して、外気のAQIを測定するように構成されていても良い。換言すれば、第1ガスセンサ74aと粒子センサ75は、空気質センサ76として統合された態様で外気導入口91aから空気清浄装置72の間に配置されていても良い。なお、空気質センサ76は、共通空気質指数(CAQI:Common Air Quality Index)を算出するものであっても良いし、空気質健康指数(AQHI:Air Quality Health Index)を算出するものであっても良い。空気質センサ76は、部分的にガスセンサ74で代用可能であるため省略されても良い。また、統合コントローラ71が、第1ガスセンサ74aの出力に基づいてAQI相当の指標を算出しても良い。
圧力センサ77は、空気清浄装置72のケース内を流れる空気の圧力を計測するセンサであって、静電フィルタ81の前後に配置されている。2つの圧力センサ77の差は、静電フィルタ81による圧損を示す。
<統合コントローラの機能について>
統合コントローラ71は、機能部として図5に示すように、外気汚れ度判定部F1、フィルタ汚れ度判定部F2、状況判定部F3、及び、制御部F4を備える。これら機能部は、プロセッサ711が環境制御プログラムを実行することにより実現される。
外気汚れ度判定部F1は、第1ガスセンサ74a及び空気質センサ76からの信号に基づいて外気の汚れ度合いを判定し、メモリ713に一時保存する。外気の汚れ度合いは、例えば5段階で表現される。外気汚れ度は、値が小さいほど、空気としては綺麗であることを示す。なお、外気汚れ度は、3段階や4段階、10段階などで評価されても良い。外気汚れ度は0~100のスコアで表現されても良い。外気汚れ度は、ターゲットとする物質毎の濃度をもとに、所定の算術式を用いて算出される。なお、外気汚れ度は、物質ごとのAQIの最悪値/平均値であっても良い。外気汚れ度の具体的な算出方法は適宜変更可能である。
また、外気汚れ度判定部F1は、外気汚れ度を、粒子系汚れ度と、ガス系汚れ度などに分けて評価しても良い。粒子系汚れ度は、大気中に含まれる粒子系ターゲットの濃度に応じて定まるパラメータである。ガス系汚れ度は、大気中に含まれるガス系ターゲットの濃度に応じて定まるパラメータである。外気汚れ度判定部F1は、粒子系汚れ度とガス系汚れ度の平均値又は最大値を総合的な外気汚れ度として採用可能である。
その他、外気汚れ度判定部F1は、無線通信機5が受信した空気質情報に基づいて、外気汚れ度を判定しても良い。当該構成によれば、現時点の外気汚れ度だけでなく、10分後や30分後に走行する地域の外気汚れ度も判定可能となる。また、空気質情報を受信する構成によれば環境改善システム7が備えるべきガスセンサ74等の数や種類を削減可能となる。加えて、プロセッサ711の処理負荷も低減可能となる。外気汚れ度判定部F1が外気汚れ度取得部に相当する。なお、本開示における「取得」には、他の装置/センサから入力されたデータなどを元に内部演算によって生成/検出することも含まれる。
フィルタ汚れ度判定部F2は、ガスセンサ74、粒子センサ75、空気質センサ76及び圧力センサ77の少なくとも何れか1つからの信号に基づいて、種々のフィルタの汚れ度合いを判定し、メモリ713に一時保存するモジュールである。
例えば静電フィルタ81は、目詰まりを起こすと圧損が高くなる。故に、フィルタ汚れ度判定部F2は、圧力センサ77の出力信号から静電フィルタ前後の圧損を測定し、観測された圧損に応じて静電フィルタ81の汚れ度を判定する。フィルタの汚れ度は、例えば5段階で評価される。フィルタ汚れ度もまた、値が小さいほど綺麗であることを示す。もちろん、フィルタ汚れ度は、2段階や3段階、10段階で評価されても良い。また、フィルタの汚れ度は0~100のスコアで表現されても良い。
また、フィルタ汚れ度判定部F2は、第2ガスセンサ74bの出力信号が示すガス濃度と、第3ガスセンサ74cの出力信号が示すガス濃度の差から、活性炭フィルタ82によるターゲットの除去率を算出する。そして、当該算出された除去率に基づいて活性炭フィルタ82の汚れ度を判定する。ターゲット除去率は、所定風量における1pass除去率に対応しうる。なお、フィルタ汚れ度判定部F2は、第3ガスセンサ74cの検出信号のみを用いて活性炭フィルタ82の汚れ度を判定しても良い。
フィルタ汚れ度判定部F2は、第3ガスセンサ74cの出力信号が示すガス濃度と、第4ガスセンサ74dの出力信号が示すガス濃度の差から、光触媒フィルタ83によるターゲットの除去率を算出する。そして、当該算出された除去率に基づいて光触媒フィルタ83の汚れ度を判定する。なお、光触媒フィルタ83の汚れ度は、相対的にフィルタの下流側に位置する第4ガスセンサ74dの検出信号のみを用いて判定されても良い。
フィルタ汚れ度判定部F2は、フィルタ毎の汚れ度の平均値、最大値に基づいて、総合的なフィルタ汚れ度を決定する。なお、以上では、フィルタ汚れ度判定部F2がフィルタごとの汚れ度を判定する態様について述べたが、これに限らない。フィルタ汚れ度判定部F2は、フィルタごとの汚れ度は判定せずに、空気清浄装置72に流入する空気のAQIと、空気清浄装置72が出力する空気のAQIに基づいて空気清浄装置72全体の汚れ度を評価しても良い。
その他、フィルタ汚れ度判定部F2は、内気循環モードに設定している状態における、ガス/粒子濃度の減少速度に基づいてフィルタ汚れを推定しても良い。当該評価方法によれば、空気質センサ76は1つでよく、空気質センサ76を複数設ける必要がなくなる。フィルタ汚れ度判定部F2がフィルタ汚れ度取得部に相当する。また、フィルタ汚れ度判定部F2は、自車が外気浄化制御を実施しながら通過した地点の外気汚れ度の積分値に基づいて、現在のフィルタ汚れ度を推定するものであっても良い。外気汚れ度の積分値は、地点毎の外気汚れ度に、各地点で外気浄化制御を実施した時間を乗算した値に相当する。当然、外気汚れ度が高いエリアを通過するほど、フィルタも汚れうる。当該構成によってもフィルタ汚れ度判定部F2はフィルタ汚れ度を判定可能である。
状況判定部F3は、車両状態センサ1や外界センサ2、前方カメラ3、ナビゲーション装置4などからの信号に基づき、自車の状況を判定するモジュールである。状況判定部F3が状況取得部に相当する。自車の状況には、使用状態か否かも含む。使用状態とは、室内に人が存在する状態に対応する。使用状態には、自車が実際に走行しているである走行中も含まれる。使用状態ではない状態とは、例えば車両が駐車されてあって、且つ、車内に人が居ない状態を指す。本開示では、車両が駐車されてあって、且つ、車内に人が居ない状態、つまり車両が使われていない状態を待機状態とも称する。
また自車の状況には、どのような環境を走行中であるかといった、走行シーンの種別も含む。走行シーンは、市街地や田園部といった場所(エリア)の種別の他、天気や、空気質、昼か夜かといった明るさによっても区分されうる。加えて、走行シーンは、出発シーンか、到着シーン、移動シーンかにも区分可能である。出発シーンは、ユーザが乗車した直後であって、まだ発進していない状況である。到着シーンは目的地に到着した状況に対応する。自宅に戻った状況もまた、到着シーンに含まれる。移動シーンは、走行中に対応する。
状況判定部F3は、車両状態センサ1からの信号に基づき、自車が使用状態であるか否かを判定する。例えば状況判定部F3は、走行用電源がオフであり、且つ、車両が施錠されており、どの座席にも人が着座していないことが検知されている場合に、自車は待機状態であると判定する。人の有無は座席毎の着座センサの出力から判別されうる。状況判定部F3は、車両が充電中であることに基づいて待機状態と判定しても良い。充電中とは、車載バッテリが駐車場等に配備された給電設備から給電されている状態を指す。具体的には、充電プラグが車両に設けられた充電口に装着されている状態が充電中に対応する。
なお、状況判定部F3は、シフトポジションがパーキングポジションに設定されたことや、走行用電源をオフに設定するスイッチが押下されたことに基づいて、現在が到着シーンであると判定する。状況判定部F3は、現在が到着シーンであると判定した場合、任意の機能要素として、その時点での自車位置、すなわち駐車位置に応じて、自宅駐車場に駐車されたのか、外部駐車場に駐車されたかを判定する。外部駐車場はより細かく、工場エリア、ショッピングモール、郊外、都市部、及び住宅街に細分化されていても良い。駐車位置の属性は、ナビゲーション装置4から取得する位置情報や地図データに基づいて判別可能である。また、駐車位置の属性は、前方カメラ3に移る景色から判別されても良い。
状況判定部F3は、待機状態ではないと判定している場合、自車は使用状態と判定する。状況判定部F3は、着座センサなどの出力に基づき室内に人が存在することが検知されている場合、使用状態に該当すると判定しても良い。状況判定部F3は、走行用電源がオンに設定されていることに基づいて使用状態と判定しても良い。
状況判定部F3は、自車が使用状態に該当すると判定した場合には、ナビゲーション装置4から取得する周辺地図データに基づいて現在の走行エリアの種別を判定する。走行エリアは、都市部、住宅街、工場エリア、田園部、山間部、駐車場、自動車専用道路内などに区分されうる。都市部とは、ビル等が存在するエリアである。都市部は商業エリアと言い換えることもできる。住宅街は、自車から所定距離以内となるエリアにおいて、住居用の建物が占める割合が所定値以上となるエリアである。工場エリアが、工場が占める割合が所定値以上となるエリアである。田園部は、田畑が占める割合が所定値以上となるエリアである。山間部は、主として山と山の間の道路であって、且つ、住宅が存在する数/割合が所定値未満となるエリアを指す。自動車専用道路とは、歩行者や自転車の進入が禁止されている道路であって、例えば高速道路などの有料道路などを指す。
エリア種別の設定は、建築基準法や都市計画法に基づき、行政機関が設定したものであっても良い。状況判定部F3は、法律等に基づくエリア区分を示す地図データを用いて現在の走行エリアの種別を判定しても良い。走行エリアの種別は上述したように地理的な種別であってもよいし、外気の汚れ度合いやその内容に応じた種別であってもよい。走行エリアの種別は、ガス系ターゲットが多い/少ないエリア、粒子系ターゲットが多い/少ないエリアといった観点で区分されていても良い。状況判定部F3は、大気の汚れ度合い/汚れのタイプをマップ化したデータを用いてエリア種別を判定しても良い。
その他、状況判定部F3は、前方カメラ3の画像を解析することで、走行エリアの種別を判定しても良い。例えば前方カメラ3の撮影画像の天空比(換言すれば天空率)が所定値以上であることや、田畑が観測されていることに基づいて、走行エリアは田園部と判定しても良い。同様に前方カメラ3の撮影画像にビルが含まれていることに基づいて、都市部/商業エリアと判定しても良い。さらに、状況判定部F3は、前方カメラ3で検出されている他車両の数や道路幅に基づいて、自車が大通りを走行しているシーンに該当するか否かを判定しても良い。
状況判定部F3は、現在の状態のみならず、ナビゲーション装置4から取得する走行スケジュール情報に基づいて、所定時間後(例えば15分後)における自車状態も判定する。ここでの車両状態とは、待機状態か使用状態かに加えて、使用状態である場合にはその素行エリアの種別も含まれる。例えば状況判定部F3は、ナビゲーション装置4からのデータに基づき、次の走行エリアの種別も判定しうる。
制御部F4は、空気清浄装置72及び空調装置73の作動を制御する。空調装置73の作動に関しては、制御部F4は、主として操作デバイス6から入力される信号の基づき制御する。制御部F4は、外気汚れ度判定部F1が判定している外気汚れ度と、フィルタ汚れ度判定部F2が判定しているフィルタ汚れ度とに基づいて、空気清浄装置72の動作モードを切り替える。制御部F4は、後述するフィルタ再生条件が充足している場合にフィルタ再生制御を実施する。
フィルタ再生制御の具体的な内容は、フィルタごとに異なりうる。統合コントローラ71は、静電フィルタ81の再生制御として、まずは、捕集部812の第1電極の極性を入れ替えることで、電気的な反発力により、第1電極から付着物を浮かせる。例えば、マイナス極としての第1電極に付着していた物質は、第1電極の極性をマイナスからプラスに入れ替えることにより、反発力によって第1電極から離脱しうる。そして、電極洗浄器85を作動させることで、付着物を捕集部812から除去する。
なお、送風機731が送風方向を反転可能に構成されている場合には、送風機731を上流側に向かって空気を吹き出させることで、電気的反発力で浮いたターゲットを車外に吐き出せてもよい。その場合、電極洗浄器85を作動させる必要はない。空気清浄装置72は、第1電極から離脱した付着物等を車外に放出するための送風機を、空調用の送風機731とは別に備えていても良い。なお、第1電極の極性を入れ替えずとも、イオン放射部811からプラスイオンを放射することにより、付着物の極性をマイナスからプラスに反転させてもよい。当該構成によっても、付着物の除去効果は期待できる。
また、統合コントローラ71は、活性炭フィルタ82の再生制御として、まずは、紫外線照射部831を所定時間作動させることで光触媒プレート832から活性酸素を放出させるとともに、送風機731の動作を停止させるか送風方向を反転させる。これにより、活性酸素を活性炭モジュール821と反応させ、活性炭モジュール821が吸着している有害物質を無害化する。その後、ヒーター822を駆動することで活性炭モジュール821の温度を上昇させて、無害化されたガスを放出させる。
なお、活性炭フィルタ82の再生方法は、光触媒から放出される活性酸素を流用する方法に限定されない。例えば、ストリーマ放電を用いて、活性炭フィルタ82を再生させても良い。当該再生方式では、ストリーマ放電によって生じた高速電子が、空気中の窒素や酸素と反応することで活性酸素を発生させる。当該方式によっても活性炭フィルタ82の機能を再生可能である。その場合、活性炭モジュール821の近傍にはストリーマ放電を行う装置(電極)が配置されていればよい。
さらに、統合コントローラ71は、光触媒フィルタ83の再生制御として、まず紫外線照射部831を所定時間駆動させ、光触媒プレート832に付着した有害物質を無害化する。その後、光触媒洗浄器84から水を吹き付けることにより、光触媒プレート832の汚れを除去する。当該構成によれば、例えばノックスや二酸化硫黄など、活性酸素では分解されにくい成分も、硝酸イオンや硫酸イオンとして除去する効果が期待できる。
なお、フィルタ再生制御実行中は中間臭として、不快な匂いを発生させる可能性がある。仮に車両が使用状態であって内気循環モードに設定されていると、当該中間臭が乗員に知覚される可能性が高まる。そのためフィルタ再生制御実行時、統合コントローラ71は基本的にはモード切替ドア93を外気導入モードに設定する。ただし、統合コントローラ71は、駐車シーンである場合や、外気汚れ度が所定値以上である場合には、モード切替ドア93を内気循環モードに設定した上でフィルタ再生制御を実行することがある。
<空気清浄装置の制御例について>
ここでは図6に示すフローチャートを用いて統合コントローラ71の作動について説明する。図6に示すフローチャートは走行用電源がオンであることを条件として、例えば15分毎など、所定間隔で実行される。図6に示すフローチャートは一例としてステップS101~S110を含む。ステップの実施主体としての外気汚れ度判定部F1~制御部F4との記載は適宜、統合コントローラ71/プロセッサ711と読み替え可能である。
ステップS101は、現在位置での外気汚れ度を判定するステップである。例えば外気汚れ度判定部F1は、外気汚れ度判定部F1がガスセンサ74、粒子センサ75、及び空気質センサ76の少なくとも何れか1つの出力データに基づいて外気汚れ度を判定する。前述の通り、外気汚れ度判定部F1は、無線通信機5が受信する空気質情報を用いて外気汚れ度を判定しても良い。外気汚れ度判定部F1は、受信した現在位置の空気質情報と、種々の車載センサの出力値とを組み合わせて外気汚れ度を判定しても良い。外気汚れ度判定部F1は、判定した外気汚れ度を、判定時刻を示すデータ(いわゆるタイムスタンプ)とともにメモリ713に保存する。
ステップS102は、フィルタ汚れ度判定部F2がフィルタ汚れ度を判定するステップである。フィルタ汚れ度判定部F2は、例えばガスセンサ74、粒子センサ75、空気質センサ76、及び圧力センサ77の少なくとも何れか1つの出力データに基づいてフィルタ汚れ度を判定する。ここでのフィルタ汚れ度は、総合的な汚れ度、換言すれば、空気清浄装置72全体の汚れ度を指すものとする。もちろんフィルタ汚れ度判定部F2は総合的なフィルタ汚れ度とは別に、フィルタ毎の汚れ度を評価しても良い。フィルタ汚れ度判定部F2は、フィルタ汚れ度の判定値を、判定時刻を示すデータ(いわゆるタイムスタンプ)とともにメモリ713に保存する。
ステップS103は状況判定部F3が、自車の状況を判定する。例えば状況判定部F3は、現在の走行エリアが山間部、田園部、住宅街、工場エリアなどの何れの種別(区分)に該当するかを判定する。
ステップS104は、制御部F4が、現在の外気汚れ度及びフィルタ汚れ度が、現在の走行エリアに応じたフィルタ再生条件を充足しているか否かを判定する。フィルタ再生条件は、フィルタ再生制御を実行する条件である。走行エリア毎のフィルタ再生条件は、例えば図7に示すように予め設定されている。図7に示す「Pa」は、外気汚れ度を意味しており、「Pf」はフィルタ汚れ度を意味するパラメータである。図7では、走行エリアが山間部である場合のフィルタ再生条件がPa≦2、且つ、Pf≧3に設定されている場合を例示している。この例示によれば、統合コントローラ71は山間部を走行中、外気汚れ度が2以下であって、フィルタ汚れ度が3以上である場合に、フィルタ再生制御を実施する。
統合コントローラ71は自車が使用状態である場合、空調モードを外気導入モードに設定した上でフィルタ再生制御を実施する。しかしながら、外気が汚れていると、流入空気自体が汚れているため、フィルタの再生が進みにくい。よって、フィルタ再生条件は、基本的には、外気がきれいである環境、すなわち、外気汚れ度が2以下である場合にフィルタ再生制御を実施するように設定されている。ただし、到着シーンなど、まもなく乗員がいなくなる場合には、内気循環モードに設定することにより、外気が汚れている場合であっても効率的にフィルタを再生可能となる。故に、駐車場などにおいては、フィルタ再生条件にかかる外気汚れ度は大きめの値に設定されうる。
なお、本実施形態の統合コントローラ71には、外気浄化制御を実施する条件である外気浄化条件も設定されている。外気浄化条件もまた走行エリアごとに異なる内容となっている。図7に示す走行エリア毎のフィルタ再生条件や外気浄化条件は一例であって、具体的な条件設定は適宜変更可能である。フィルタ再生条件と外気浄化条件の両方が充足する場合、統合コントローラ71は外気浄化制御よりもフィルタ再生制御を優先する。もちろん、他の態様としてフィルタ再生条件と外気浄化条件の両方が充足する場合、統合コントローラ71はフィルタ再生制御よりも外気浄化制御を優先させてもよい。
制御部F4は、現在観測されている外気汚れ度及びフィルタ汚れ度が、走行エリアに応じたフィルタ再生条件を充足している場合(S104 YES)、空気清浄装置72にフィルタ再生制御を実行させる(S105)。このとき自車が使用状態であって、空調モードが内気循環モードに設定されている場合には、空調モードを外気導入モードに切り替える。
なお、統合コントローラ71は、自車がユーザによって使用中である状況においては、空調モードが外気導入モードに設定されていることを条件として、フィルタ再生制御を自動的に開始するように構成されていても良い。フィルタ再生条件が充足された時点において、空調モードが内気循環モードに設定されている場合には、フィルタ再生制御の開始をキャンセル/延期してもよい。
また、統合コントローラ71は、フィルタ再生制御を開始することを決定した際に、現在の空調モードが内気循環モードに設定されている場合、ドライバに対して外気導入モードに切り替えて良いかを問い合わせる処理を実施しても良い。ドライバへの問い合わせ処理は、ディスプレイへのメッセージ画像を表示すること、及び、音声メッセージを出力することの少なくとも何れか一方を含む。また、問い合わせに対するドライバからの応答は、操作デバイス6からの信号に基づき取得する。統合コントローラ71は問い合わせ処理の実行後、ドライバから外気導入モードへの切り替えが否定された場合、フィルタ再生制御の実行をキャンセルする。統合コントローラ71は、問い合わせ処理の実行後、ドライバから外気導入モードへの切り替えが許可された場合、フィルタ再生制御を開始する。
制御部F4は、現在観測されている外気汚れ度及びフィルタ汚れ度が、走行エリアに応じたフィルタ再生条件を充足していない場合(S104 NO)、ステップS106を実行する。ステップS106は、現在観測されている外気汚れ度及びフィルタ汚れ度が、走行エリアに応じた外気浄化条件を充足しているか否かを制御部F4が判定するステップである。外気汚れ度及びフィルタ汚れ度が外気浄化条件を充足している場合(S106 YES)、制御部F4は外気浄化制御を開始する(S107)。外気浄化制御は、外気を対象とする浄化処理を実施することである。外気浄化制御は、具体的には、モード切替ドア93を外気導入モードに設定した上で、空気清浄装置72を空気浄化モードで運転させることに相当する。なお、モード切替ドア93を内気循環モードに設定した状態で、空気清浄装置72を空気浄化モードで運転させることを本開示では内気浄化制御とも称する。
なお、統合コントローラ71は、空調モードが外気循環モードに設定されていることを条件として、外気浄化制御を自動的に開始するように構成されていても良い。外気浄化条件が充足された時点において、空調モードが内気循環モードに設定されている場合には、外気浄化制御の開始をキャンセルしてもよい。また、統合コントローラ71は、外気浄化制御の開始を決定したタイミングにおいて、空調モードが内気循環モードに設定されている場合には、外気循環モードに切り替えてもよいかを乗員に問い合わせる処理を実施しても良い。問い合わせ処理の結果、ドライバから外気導入モードへの切り替えが否定された場合、統合コントローラ71は外気浄化制御の実行をキャンセルする。また、問い合わせ処理の結果、ドライバから外気導入モードへの切り替えが許可された場合、統合コントローラ71は外気浄化制御を開始する。
外気汚れ度及びフィルタ汚れ度が外気浄化条件を充足していない場合(S106 NO)、制御部F4は、乗員の設定に応じた制御を実行する(ステップS108)。例えば、乗員が空気清浄機能をオンに設定しており、且つ、空調モードを内気循環モードに設定している場合には、内気浄化制御を実施する。また、空気清浄機能をオンに設定されており、且つ、空調モードを外気導入モードに設定している場合には、外気浄化制御を実施する。さらに、空気清浄機能をオフに設定している場合には、空気清浄装置72を待機モードに設定する。
なお、上記制御フローは、一定間隔で実施される他、所定の実行イベントを検知した場合にも実行される。例えば統合コントローラ71は、走行用電源がオフからオンに切り替える操作が行われた場合や、走行用電源をオンからオフに切り替える操作が行われた場合にも図6に示す制御フローを実行しうる。走行用電源の状態を切り替える操作が行われたことは、スタートスイッチの出力信号に基づき検出可能である。スタートボタンは、走行用電源のオン/オフを切り替えるためのスイッチである。
<補足:駐車時(到着時)の作動>
ここでは到着シーンでの作動について補足する。到着シーンにおいては、乗員がまもなく居なくなるとともに、走行中に比べて時間的にも余裕がある。そのような事情から、統合コントローラ71は、全ての乗員が降車し、自車が施錠されたことに基づいて、外気浄化制御とフィルタ再生制御の両方を順に実行してもよい。
例えば統合コントローラ71は、図8に示すように自宅の駐車場にて走行用電源をオフに設定する操作が行われた場合(S201 YES)、全ての乗員が降車したことを確認した上で、外気浄化制御を所定時間実施する(S202)。外気浄化制御は、自宅駐車場での外気汚れ度が所定値(2又は3)以上であることを条件として実行されても良い。統合コントローラ71は、必ずしも外気浄化制御を一定時間実施する必要はなく、その途中において外気汚れ度が所定値未満となったタイミングで外気浄化制御を終了させてもよい。ステップS201により、仮に駐車場所が自宅のガレージである場合には、ガレージ内の空気をきれいにすることができる。
統合コントローラ71は、外気浄化制御の後、空調モードを内気循環モードに切り替えた上で(S203)、フィルタ再生制御を所定時間実行する(S204)。フィルタ再生制御もまた、フィルタ汚れ度が所定値以上であることを条件として実行されうる。統合コントローラ71は、必ずしもフィルタ再生制御を一定時間実施する必要はなく、その途中においてフィルタ汚れ度が所定値未満となった場合にはフィルタ再生制御を終了させてもよい。
また、統合コントローラ71は、工場エリアの駐車場やショッピングモールの駐車場に自車が駐車されたことを検知した場合にも、外気浄化制御とフィルタ再生制御を順に実行しても良い。また、駐車場所が自宅以外である場合には、比較的に短時間でドライバが車両に戻ってくることも懸念される。統合コントローラ71は、駐車位置が自宅以外である場合には、フィルタ再生制御を優先させても良い。つまり、統合コントローラ71は、駐車位置が自宅以外である場合には、外気浄化制御の実施時間を短縮又は外気浄化制御の実施を省略しても良い。
また、統合コントローラ71は、駐車時のバッテリ残量に応じて、挙動を変更しても良い。駐車時点でのバッテリ残量が所定値未満である場合には、駐車中における外気浄化制御やフィルタ再生制御を中止しても良いし、外気浄化制御を省略してフィルタ再生制御のみを実施してもよい。駐車時点でのバッテリ残量が所定値未満である場合には、駐車時点でのバッテリ残量が所定値以上である場合に比べて、外気浄化制御及びフィルタ再生制御の実行時間を短縮させても良い。ただし、自車が充電状態である場合には、バッテリ残量は気にせずに、外気浄化制御及びフィルタ再生制御を実行することを決定しても良い。
加えて、統合コントローラ71は、駐車予定時間に基づき挙動を変えても良い。駐車予定時間は、駐車状態が維持される時間、換言すれば、車内に人が居ない状態が維持される時間の予測値である。駐車予定時間は、乗員不在時間や、空き時間などと呼ぶことができる。駐車予定時間は、例えばドライバのスケジュール情報を外部サーバから取得することにより特定可能である。また、統合コントローラ71は、駐車場所の種別に応じて駐車予定時間を推定しても良い。
例えば統合コントローラ71は駐車場所が小規模なショッピングモールやスーパーである場合には1時間と見積もる一方、駐車場所が大規模なショッピングモールである場合には3時間と見積もる。駐車場所が勤務先である場合には4時間以上と見積もる一方、駐車場所がコンビニエンスストアである場合には15分程度と見積もる。
統合コントローラ71は図9に示すように駐車予定時間が第1の所定値(例えば1時間)以上である場合には(S301 YES)、外気浄化制御とフィルタ再生制御を順に実行することを決定する(S302)。図9中のTpは駐車予定時間を表している。
一方、統合コントローラ71は駐車予定時間が第1の所定値未満、且つ、第2の所定値(例えば30分)以上である場合には(S303 YES)、フィルタ再生制御のみを実行することを決定する(S304)。統合コントローラ71は駐車予定時間が第2の所定値未満である場合には(S303 NO)、何もしない(S305)。このように統合コントローラ71は駐車予定時間の見積もり値に基づいて、駐車中の作動を変更してもよい。
<上記実施形態の効果>
上記環境改善システム7はフィルタ汚れ度及び外気の汚れ度に基づいてフィルタ再生制御を実行するか否かを決定する。なお、フィルタ再生制御を実行するか否かを決定することには、フィルタ再生制御を開始するタイミングを変更(調整)することや、フィルタ再生制御と外気浄化制御のどちらをこれから実行するかを選択することも含まれる。
例えば上記環境改善システム7によれば、自車が走行中であってもフィルタ汚れ度が所定値以上であることに基づいて、フィルタ再生制御が自動的に実行される。移動中においてもフィルタ機能が随時回復されるため、フィルタが汚れたまま移動し続ける恐れを低減できる。すなわち、本来の外気浄化性能が発揮できない状態で、外気浄化制御を実施し続ける恐れを低減できる。その結果、大気の汚れを効率的に除去可能となる。
また、上記統合コントローラ71は、より好ましい1つの制御方式として、外気汚れ度が所定値未満であり、かつ、空調モードが外気導入モードに設定されていることを条件として、フィルタ再生制御を実行する。当該制御方式によれば、フィルタ再生制御に起因してドライバ等の乗員に不快感を与える恐れを低減できる。
さらに、上記統合コントローラ71は、フィルタ汚れ度や外気汚れ度が走行エリアに応じたフィルタ再生条件を充足していることに基づいてフィルタ再生制御を実行する。当該制御方式によれば、走行場所に応じてフィルタ再生制御を外気浄化制御よりも優先させたり、外気浄化制御をフィルタ再生制御よりも優先させたりすることが可能となる。その結果、例えば農作物を作っている場所や自然保護地区など、所定のエリアでは優先的に外気浄化制御を実施させることが可能となる。
また、上記統合コントローラ71は、所定の外気浄化条件が充足されていない場合には、外気浄化制御を実施しない。当該構成によれば、空気清浄装置72の負荷を低減できる。
なお、本実施形態では、フィルタに溜まったターゲットの一部又は前部を、活性酸素を用いて無害化してから車外に放出するが、これに限らない。他の態様として、外気汚れ度が所定値未満のエリアを走行していることを条件として、フィルタに溜まっているターゲットを電気的な反発力、熱の印加、水又は空気の吹き付けなどにより、そのまま外部に放出してもよい。当該構成によっても、場所ごとの空気の汚れ度合いの偏りを平準化できるといった効果は得られる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば下記の種々の補足や変形例などは、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。なお、以上で述べた部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略することがある。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については上記説明を適用することができる。
<変形例(1)>
上記実施形態はより簡素化して実施することもできる。例えば図10に示すように走行エリアの区分は、都市部、郊外、その他の3つなどであってもよい。
統合コントローラ71は、図11に示すようにフィルタ再生条件が充足する場合であっても(S401 YES)、自車位置が保護地域内である場合には(S402 YES)、フィルタ再生制御を実施しないように構成されていても良い。保護地域とは、フィルタ再生制御の実施を禁止するエリア、或いは、外気浄化制御を優先的に実施するエリアに相当する。例えば野菜や果実、穀物などの食べ物を作っている地域や、国立公園などが保護地域に設定されうる。
なお、図11に示す制御例では、統合コントローラ71は、フィルタ再生条件が充足し(S401 YES)、かつ、自車位置が保護地域内ではない場合(S402 NO)、フィルタ再生制御を実施する。ステップS401は、外気汚れ度やフィルタ汚れ度、空調モードなどの観点からフィルタ再生条件を充足しているか否かを判定するステップである。ステップS402は、現在の自車位置が保護地域内であるか否かを判定するステップである。現在の自車位置が保護地域内であるか否かは、例えば、自車位置座標と地図データとから判別されれば良い。また、統合コントローラ71は、前方カメラ3が保護地域であることを示す物体を検出していることに基づいて、保護地域内と判定しても良い。保護地域であることを示す物体とは、看板や標識、農作物などである。図11に示す処理フローは、前述の種々の処理と並列的に、又は、組み合わせて、又は置き換えて実施可能である。なお、走行エリアの区分(種別)は、保護地域とその他の2つだけであってもよい。
<変形例(2)>
以上では、走行エリアごとのフィルタ再生条件/外気浄化条件を充足しているか否かに応じて、空気清浄装置72の作動を制御する例について述べたが、これに限らない。統合コントローラ71は、外気の汚れ度合いの実際の観測値によらずに、走行エリア/シーンに応じてフィルタ再生制御を実行するタイミングを決定しても良い。外気の汚れ度合いと走行エリア種別との間にはある程度の相関が期待できるためである。以下は、走行エリア/シーンの種別に応じた制御内容の一例である。
シーン(1):自宅駐車場出発時
統合コントローラ71は、自宅の駐車場にて走行用電源がオンに設定された場合、外気浄化制御の実施を決定する。自宅の駐車場は、駐車時の制御により、空気がきれいであることともに、フィルタの再生も完了していることが期待できる。自宅駐車場の出発に伴って、外気浄化制御を開始する構成によれば、より効率的に大気を綺麗にする効果が期待できる。なお、実際に外気浄化制御を実行するかどうかは、ドライバが空調モードを外気導入モードに設定するか否かによって決まりうる。
シーン(2):山道を走行中
山道は、交通量が少なく、外気も綺麗であることが期待できる。統合コントローラ71は、山道を走行中である場合にはフィルタ再生制御を優先的に実行する。ただし、外気汚れ度が所定値以上である場合には外気浄化制御を優先させる。
シーン(3):田園部を走行中
田園部は、交通量が少なく、外気も綺麗であることが期待できる。統合コントローラ71は、田園部を走行中である場合にはフィルタ再生制御を実行する。ただし、道路から田畑(農作物)までの距離が所定値未満である状況においては、フィルタ再生制御よりも外気浄化制御や待機状態を優先させてもよい。
シーン(4):住宅街の細街路を走行中
住宅街の細街路は、比較的交通量が少ないものの、生活等により外気汚れ度は中レベル(3前後)であることが想定できる。そのような事情から、統合コントローラ71は、住宅街を走行中である場合には外気浄化制御を実行する。ただし、ナビゲーション装置4から提供される走行スケジュールに基づき、所定時間以内に大通りや都市部/工場エリアに入ることが予見される場合には、その準備としてフィルタ再生制御を採用しても良い。また、フィルタ汚れ度が所定値以上である場合にも、フィルタ再生制御を優先させても良い。なお、ここでの細街路とは、例えば車線数が1本以下の道路であって、一方通行道路を含む。他方、片側2車線以上の道路をここでは大通りと称する。大通りと細街路といった道路格は、車線数だけでなく道路幅や平均的な交通量をもとに設定されてもよい。大通りは細街路に比べて交通量が多い道路に相当する。
シーン(5):住宅街の大通りを走行中
住宅街の大通りは、街中にあってかつ交通量も多いことから外気汚れ度が比較的高いことが想定される。例えば住宅街の大通りは外気汚れ度が4相当である可能性が高い。よって、統合コントローラ71は、住宅街の大通りを走行中である場合には外気浄化制御を優先的に実行する。
シーン(6):工場エリアを走行中。
工場エリアもまた外気汚れ度が比較的高い可能性が高い。よって、統合コントローラ71は、住宅街の大通りを走行中である場合には外気浄化制御を優先的に実行する。
シーン(7):都市部の自動車専用道路を走行中
都市部の自動車専用道路は、交通量が多く、外気汚れ度が高いことが想定できる。よって、統合コントローラ71は都市部の自動車専用道路を走行中であることに基づいて外気浄化制御を実行するように構成されていても良い。なお、都市部の自動車専用道路とは、都市内を巡回するように形成された都市内高速道路などを指す。都市間を結ぶ高速道路である都市間高速道路において、都市の内部を通る区間もまた、都市部の自動車専用道路に含まれうる。
シーン(8):都市部の外側に設けられた自動車専用道路内を走行中
都市外の自動車専用道路では、都市内の自動車専用道よりかは比較的交通量が少ないことが期待できる。統合コントローラ71は、都市外の自動車専用道路を走行中である場合には、外気浄化制御とフィルタ再生制御を交互に実行するように構成されていても良い。当該構成は、都市外の自動車専用道路を走行中であることに基づいて、外気浄化制御を間欠的に実行するように構成に相当する。
上記のように走行エリアに応じて制御内容を決定する構成によれば、外気汚れ度等を逐次判定する必要がないため、統合コントローラ71の処理負荷を低減できる。なお、統合コントローラ71には待機状態を採用する走行エリアが設定されていて良い。例えば住宅街の細街路などは、待機状態を採用するエリアに設定されていても良い。
<変形例(3)>
状況判定部F3は、現在が外気浄化条件を充足している場合であっても、次エリアの外気汚れ度によっては、フィルタ再生制御を優先的に実行するように構成されていても良い。次エリアとは、自車が所定時間後に走行しているエリア(地点)を指す。例えば次エリアは、15分後又は30分後に自車が走行しているエリアを意味する。自車が所定時間後に走行しているエリアは、ナビゲーション装置4から取得する自車の走行予定経路情報及びそれにかかる地図データに基づき特定可能である。なお、目的地が設定されていない場合には、統合コントローラ71は自車が現在走行している道路において現在から所定時間後に到達可能な地点を次エリアと見なすことができる。所定時間での自車の移動距離は現在の自車速などに基づき概算可能である。
図12は当該技術思想に対応する制御フローの一例を示したものである。図12に示す処理フローは、前述の種々の処理と並列的に、又は、組み合わせて、又は置き換えて実施可能である。図12に示す制御フローはステップS501~S506を含む。
ステップS501は現エリアの情報、すなわち、現点で観測されている外気汚れ度、フィルタ汚れ度、及び、エリア種別を取得するステップである。現エリアとは自車が現在走行しているエリア(地点)を指す。現エリアの外気汚れ度は前述の通り、空気質センサ76等から取得しても良いし、外部装置から受信しても良い。ステップS502は次エリアの外気汚れ度を取得するステップである。次エリアの外気汚れ度は、無線通信機5が外部装置から受信する、地点ごとの空気質情報に基づいて判定可能である。
ステップS503は現エリアにて、所定の/現エリアの種別に応じた外気浄化条件が充足しているか否かを判定するステップである。ここでいう外気浄化条件は、外気汚れ度とフィルタ汚れ度の組み合わせによって定まるものであってよいし、エリア種別とフィルタ汚れ度の組み合わせによって定まるものであっても良い。現在、外気浄化条件が充足されている場合(S503 YES)、統合コントローラ71は、次エリアの外気汚れ度が現エリアの外気汚れ度よりも大きいか否かを判定する(S504)。図12及び図13に示すPa_Nxtは次エリアの外気汚れ度を表しており、Pa_Nwは現エリアの外気汚れ度を示している。ステップS503は、次エリアの外気汚れ度が現エリアの外気汚れ度よりも所定値以上大きいか否かを判定するステップであっても良い。
次エリアの外気汚れ度が現エリアの外気汚れ度よりも大きい場合(S504 YES)、統合コントローラ71は、現エリアにて外気浄化制御を実施するのを中止し、次エリアに備えてフィルタ再生制御を実施する(ステップS505)。もちろん、制御部F4は、次エリアの外気汚れ度が現エリアの外気汚れ度よりも大きいことに加えて、現在の外気汚れ度が所定値以下であることや、フィルタ汚れ度が所定値以上であることを条件として、次エリアに備えたフィルタ再生制御を実行してもよい。
当該構成は、現エリアよりも次エリアのほうが大気の汚れが深刻であることが予見される場合には、次エリアの大気浄化を優先させる構成に相当する。当該構成によれば、地点ごとの大気の汚れ度合いの偏りを緩和する事が可能となる。
なお、統合コントローラ71は、現在、外気浄化条件を充足していない場合(ステップS503 NO)、所定の/現エリアの種別に応じたフィルタ再生条件を充足していることに基づいて、フィルタ再生制御を実施する(ステップS505)。また、次エリアの外気汚れ度が現エリアの外気汚れ度よりも大きくない場合(S504 NO)、統合コントローラ71は外気浄化制御を実行する(S506)。
以上では現エリア及び次エリアでの外気汚れ度の比較結果に基づいて次エリアに備えてフィルタ再生制御を実施する構成について述べた。他の態様として統合コントローラ71は、次エリアの種別に応じて、フィルタ再生制御を実行するように構成されていても良い。例えばステップS503は現エリアの種別が外気浄化制御を実行すべき種別に該当するか否かを判定するステップであっても良い。またステップS504は、次エリアが現エリアよりも外気汚れ度が大きいことが予見される種別に該当するか否かを判定するステップであってもよい。ステップS504は、次エリアが特定種別(例えば工場エリアなど)であるか否かを判定するステップであってもよい。なお、ステップS505は、待機モードに移行するステップであってもよい。
上記の統合コントローラ71は、本来外気浄化制御を実施するシーンであっても、次エリアのほうがより外気汚れ度が高いことが予見される場合にはフィルタ再生制御の実行を優先させる。例えば現エリアが住宅街の細街路であり、かつ、所定時間後には大通りを走行予定である場合にはフィルタ再生制御を優先させる。当該構成によっても、地点ごとの大気の汚れ度合いの偏りを緩和可能である。
<変形例(4)>
状況判定部F3は、現在がフィルタ再生条件を充足している場合であっても、次エリアのほうが外気汚れ度が小さいことが予見される場合には、いったんフィルタ再生制御の実行を保留とし、例えば外気浄化制御を実行するように構成されていても良い。つまり、統合コントローラ71は現エリアよりも次エリアのほうが空気が綺麗であることが予見される場合、現エリアでフィルタ再生制御よりも外気浄化制御を優先的に実行するように構成されていても良い。図13は当該技術思想に対応する制御フローの一例を示したものである。図13に示す処理フローは、前述の種々の処理と並列的に、又は、組み合わせて、又は置き換えて実施可能である。
図13に示すステップS601は現エリアの種別、外気汚れ度、及びフィルタ汚れ度を取得するステップである。ステップS602は次エリアの外気汚れ度を取得するステップである。ステップS603は現時点にて、所定の/現エリアの種別に応じたフィルタ再生条件が充足されているか否かを判定するステップである。現在、フィルタ再生条件が充足されている場合(S603 YES)、統合コントローラ71は、次エリアの外気汚れ度が現エリアの外気汚れ度よりも小さいか否かを判定する(S604)。ステップS603は、次エリアの外気汚れ度が現エリアの外気汚れ度よりも所定値以上小さいか否かを判定するステップであっても良い。
次エリアの外気汚れ度が現エリアの外気汚れ度よりも小さい場合(S604 YES)、統合コントローラ71は、現エリアにてフィルタ再生制御を実施するのを中止し、例えば外気浄化制御を実施する(S605)。もちろん、制御部F4は、次エリアの外気汚れ度が現エリアの外気汚れ度よりも小さいことに加えて、現在の外気汚れ度が所定値以上であることや、フィルタ汚れ度が所定値以下であることを条件として、外気浄化制御を実行してもよい。
当該構成は、現エリアのほうが次エリアのほうが外気汚れ度が大きいことが予見される場合には、現エリアの大気浄化を優先させる構成に相当する。当該構成によっても地点ごとの大気の汚れ度合いの偏りを緩和する事が可能となる。また、より空気がきれいなエリアでフィルタ再生制御を実行することにより、より効率的にフィルタを浄化可能となりうる。なお、統合コントローラ71は、現在、フィルタ再生条件を充足していない場合(S603 NO)、所定の/現エリアの種別に応じた外気浄化条件を充足していることに基づいて、外気浄化制御を実施する(S605)。また、次エリアの外気汚れ度が現エリアの外気汚れ度よりも小さくない場合(S604 NO)、統合コントローラ71はフィルタ再生制御を実行する(S606)。
以上では現エリア及び次エリアでの外気汚れ度の比較結果に基づいてフィルタ再生制御の実施を先延ばしする構成について述べた。他の態様として統合コントローラ71は、次エリアの種別に応じて、現エリアでの制御内容としてフィルタ再生制御よりも外気浄化制御を優先させるように構成されていても良い。例えばステップS603は現エリアがフィルタ再生制御を実行すべき種別に該当するか否かを判定するステップであっても良い。またステップS604は、次エリアが現エリアよりも外気汚れ度が小さいことが予見される種別に該当するか否かを判定するステップであってもよい。ステップS604は、次エリアが特定種別であるか否かを判定するステップであってもよい。なお、ステップS605は、待機モードに移行するステップであってもよい。
<変形例(5)>
統合コントローラ71は、天気に応じて空気清浄装置72の制御態様を変更しても良い。一般的に雨天時には、晴天時に比べて、外気汚れ度が小さくなりやすい。そのような事情から、統合コントローラ71は、走行エリアが本来外気浄化制御を実施するエリアであっても、天気が雨である場合にはフィルタ再生制御を実行するように構成されていても良い。本来外気浄化制御を実施する場所は、晴れている場合には外気浄化制御を実施する場所であって、例えば都市部や工場エリアなどである。本来外気浄化制御を実施する場所の種別は、予め設定されていればよい。
図14は上記制御フローの一例を示したものである。ステップS701は地図データ等に基づいて現在の走行エリアが本来外気浄化制御を実施するべきエリアに該当するかを判定するステップである。ステップS702はレインセンサの出力やワイパー作動状態、無線通信機5が受信する天気情報に基づき、天気が雨又は雪であるかを判定するステップである。ステップS703はフィルタ再生制御を実行するステップであり、ステップS704は外気浄化制御を実行するステップである。フィルタ汚れ度が所定値以下(例えば1)である場合、ステップS703は待機状態を適用/内気浄化制御を実施するステップとしても良い。
以上では、晴れている状態を基準として実際の天気に応じて空気清浄装置72の制御態様を変更する場合について述べたが、基準とする天気は雨であってもよい。統合コントローラ71は、走行エリアが本来フィルタ再生制御を実施するエリアであっても、天気が晴れである場合には外気浄化制御を実行するように構成されていても良い。なお、曇りの場合は極端に場所による環境特性が変化しないと考えられる。そのため、天気が曇りである場合には、走行エリアの種別に応じた制御を実施すれば良い。
統合コントローラ71は、天気に応じて外気浄化条件やフィルタ再生条件を補正するように構成されていても良い。例えば統合コントローラ71は天気が晴れである場合には外気浄化条件を緩和し、外気浄化制御を実施しやすくする。また、統合コントローラ71は天気が雨や雪である場合は、フィルタ再生条件を緩和し、フィルタ再生制御を実施しやすくしてもよい。条件の緩和は外気汚れ度及びフィルタ汚れ度に関する閾値を所定量上げたり下げたりすることに対応する。
<変形例(6)>
統合コントローラ71は複数のフィルタを個別に制御しうる。統合コントローラ71は、走行エリアの種別に応じて、外気の浄化に使用するフィルタの組み合わせを変更してもよい。例えば走行エリアが、粒子系ターゲットが多く、かつ、ガス系ターゲットが少ないことが想定されるエリアである場合には、外気浄化制御として、静電フィルタ81は作動させる一方、光触媒フィルタ83は停止させても良い。また、走行エリアが、粒子系ターゲットが少なく、かつ、ガス系ターゲットが多いことが想定されるエリアである場合には、光触媒フィルタ83は作動させる一方、静電フィルタ81は停止させても良い。
統合コントローラ71は、外気汚れ度に応じて、外気の浄化に使用するフィルタの組み合わせを変更するように構成されていてもよい。例えば統合コントローラ71は、外気汚れ度が4以下である場合には外気浄化制御として静電フィルタ81は動作させる一方、光触媒フィルタ83を停止させる。一方、統合コントローラ71は、外気汚れ度が5である場合には外気浄化制御として静電フィルタ81と光触媒フィルタ83を動作させる。
さらに、外気汚れ度判定部F1は、ターゲットとする物質ごとの濃度を取得可能に構成されていても良い。例えば外気汚れ度判定部F1は、オゾン、PM2.5、PM10、二酸化窒素、一酸化炭素、二酸化硫黄のそれぞれの濃度を取得してもよい。統合コントローラ71は、外気浄化制御として、数値が悪い成分を除去可能なフィルタのみを作動させてもよい。換言すれば、数値が悪い成分に対して作用しない/効果が薄いフィルタは動作を停止させても良い。当該構成によれば、節電効果が期待できる。
<変形例(7)>
空気清浄装置72を構成するフィルタの種類は上述したものに限らない。空気清浄装置72は、PM10以上の大きさを有するホコリや塵、花粉などを除去するためのプレフィルタを静電フィルタ81よりも上流側に備えていても良い。例えばプレフィルタは空気清浄装置72の空気吸込口の直後などに配置されていてもよい。空気清浄装置72は、活性炭フィルタ82の代わりに/並列的に、複合金属酸化触媒フィルタを備えていても良い。上記実施形態等で例示したフィルタの配置順は適宜変更可能である。また、空気清浄装置72が備えるフィルタの種類は1種類だけであってもよい。例えば空気清浄装置72が備えるフィルタは、活性炭フィルタ82だけであっても良い。空気清浄装置72が備えるフィルタは、表面に光触媒皮膜が付与された活性炭フィルタであってもよい。複合金属酸化触媒フィルタの再生はヒーター822による加熱によって実現しうる。その他、空調装置73は任意の要素である。空調装置73と空気清浄装置72は独立して設けられていても良い。空気清浄装置72及び統合コントローラ71を含む構成が車両用空調装置に相当する。
以上では、フィルタ再生条件をエリア種別に応じて異なる内容とする態様を述べたがこれに限らない。フィルタ再生条件はエリア種別によらずに一定であってもよい。外気浄化条件に関してもエリア種別によらずに一定であってもよい。フィルタ再生条件は、外気汚れ度に関する条件を含んでいなくとも良い。例えばフィルタ再生条件は、フィルタ汚れ度に関する閾値のみであってもよい。また、フィルタ再生条件は、フィルタ汚れ度に関する閾値と、走行エリアの種別で規定されていても良い。
<付言>
本開示に示す種々のフローチャートは何れも一例であって、フローチャートを構成するステップの数や、処理の実行順は適宜変更可能である。また、本開示に記載の装置、システム、並びにそれらの手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路を用いて実現されてもよい。本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。例えば統合コントローラ71が備える機能の一部又は全部はハードウェアとして実現されても良い。統合コントローラ71が備える機能の一部は、ロジック回路、システムオンチップ、IC(Integrated Circuit)、及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)の何れかを用いて実現されていてもよい。ICの概念には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)も含まれる。
また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に記憶されていればよい。プログラムの記録媒体としては、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を採用可能である。コンピュータを統合コントローラ71として機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体等の形態も本開示の範囲に含まれる。
1 車両状態センサ、2 外界センサ、3 前方カメラ、4 ナビゲーション装置、5 無線通信機、6 操作デバイス、7 環境改善システム、71 統合コントローラ、72 空気清浄装置、73 空調装置、74 ガスセンサ、75 粒子センサ、76 空気質センサ、77 圧力センサ、81 静電フィルタ、82 活性炭フィルタ、83 光触媒フィルタ、84 光触媒洗浄器、85 電極洗浄器、F1 外気汚れ度判定部(外気汚れ度取得部)、F2 フィルタ汚れ度判定部(フィルタ汚れ度取得部)、F3 状況判定部(状況取得部)、F4 制御部

Claims (12)

  1. 車両で使用される車両用環境改善システムであって、
    車外の空気である外気の汚れ度合いである外気汚れ度を示すデータを取得する外気汚れ度取得部(F1)と、
    前記外気に含まれるターゲットを除去するためのフィルタの汚れ度合いであるフィルタ汚れ度を示すデータを取得するフィルタ汚れ度取得部(F2)と、
    前記フィルタを用いて前記外気を浄化する外気浄化制御と、前記フィルタの汚れを除去するフィルタ再生制御とを選択的に実施する制御部(F4)と、を備え、
    前記制御部は、前記フィルタ汚れ度及び前記外気の汚れ度に基づいて、前記フィルタ再生制御を実行するか否かを決定するように構成されている車両用環境改善システム。
  2. 請求項1に記載の車両用環境改善システムであって、
    前記車両が走行中であるか否かを示すデータを取得する状況取得部(F3)を備え、
    前記制御部は、前記フィルタ汚れ度と前記外気汚れ度がフィルタ再生条件を充足する場合には、走行中であっても前記フィルタ再生制御を実施するように構成されている車両用環境改善システム。
  3. 請求項2に記載の車両用環境改善システムであって、
    前記状況取得部は、前記車両が存在するエリアの種別を取得し、
    前記制御部は、前記フィルタ再生条件として、前記車両が走行しているエリアの種別に応じて異なる条件を適用するように構成されている車両用環境改善システム。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の車両用環境改善システムであって、
    前記制御部は、前記車両が走行中である場合、前記外気汚れ度が所定値以下であることを条件として前記フィルタ再生制御を実施する車両用環境改善システム。
  5. 請求項4に記載の車両用環境改善システムであって、
    前記車両が走行しているエリアの種別を取得する状況取得部(F3)を備え、
    前記制御部は、前記外気汚れ度が所定値以下であっても、前記車両が所定の保護地域を走行中である場合には前記フィルタ再生制御は実施しない、車両用環境改善システム。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の車両用環境改善システムであって、
    前記車両が走行しているエリアである走行エリアの種別を取得する状況取得部(F3)を備え、
    前記制御部は、前記外気汚れ度が所定値以下、前記フィルタ汚れ度が所定値以上、かつ、前記走行エリアが所定の種別に該当することに基づいて、前記フィルタ再生制御を実施する車両用環境改善システム。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の車両用環境改善システムであって、
    前記車両が次に走行するエリアである次エリアの種別を取得する状況取得部(F3)を備え、
    前記制御部は、前記フィルタ汚れ度と前記外気汚れ度が、予め設定されている外気浄化条件を充足していることに基づいて前記外気浄化制御を実施するものであって、
    前記制御部は、現時点で前記外気浄化条件が充足されている場合であっても、前記次エリアの種別に応じて、前記外気浄化制御よりも前記フィルタ再生制御を優先的に実行する車両用環境改善システム。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の車両用環境改善システムであって、
    前記車両が次に走行するエリアである次エリアの種別を取得する状況取得部(F3)を備え、
    前記制御部は、前記フィルタ汚れ度と前記外気汚れ度が、予め設定されているフィルタ再生条件を充足していることに基づいて前記フィルタ再生制御を実施するものであって、
    前記制御部は、現時点で前記フィルタ再生条件が充足されている場合であっても、前記次エリアの種別に応じて、前記フィルタ再生制御よりも前記外気浄化制御を優先的に実行する車両用環境改善システム。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載の車両用環境改善システムであって、
    前記車両が駐車されたことを検出する状況取得部(F3)を備え、
    前記制御部は、前記車両が駐車されたことを前記状況取得部が検出した場合には、所定時間経過するか又は前記外気汚れ度が所定値以下となるまで前記外気浄化制御を実行した後、前記フィルタ再生制御を実施してから電源をオフに設定する車両用環境改善システム。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の車両用環境改善システムであって、
    前記車両が走行しているエリアである走行エリアの種別を取得する状況取得部(F3)を備え、
    前記制御部は、
    前記外気浄化制御を実施するモードと、前記フィルタ再生制御を実施するモードの他に、動作を停止する待機モードを備え、
    前記車両が走行しているエリアの種別が所定の種別に該当する場合には、前記待機モードに移行するように構成されている車両用環境改善システム。
  11. それぞれ構成が異なる複数の前記フィルタを備える、請求項1から10の何れか1項に記載の車両用環境改善システムであって、
    前記制御部は、前記車両が走行しているエリアの種別又は前記外気汚れ度に応じて、複数の前記フィルタのうち、前記外気の浄化に使用する前記フィルタの組み合わせを変更するように構成されている車両用環境改善システム。
  12. 車両で使用される車両用環境改善システムであって、
    前記車両が走行しているエリアである走行エリアの種別を取得する状況取得部(F3)と、
    車外の空気である外気を少なくとも1つのフィルタを用いて浄化する外気浄化制御と、前記フィルタの汚れを除去するフィルタ再生制御と、を選択的に実施する制御部(F4)と、を備え、
    前記制御部は、前記走行エリアの種別に基づいて、前記フィルタ再生制御と前記外気浄化制御のどちらを実施するかを決定するように構成されている車両用環境改善システム。
JP2022038367A 2022-03-11 2022-03-11 車両用環境改善システム Pending JP2023132824A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022038367A JP2023132824A (ja) 2022-03-11 2022-03-11 車両用環境改善システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022038367A JP2023132824A (ja) 2022-03-11 2022-03-11 車両用環境改善システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023132824A true JP2023132824A (ja) 2023-09-22

Family

ID=88065469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022038367A Pending JP2023132824A (ja) 2022-03-11 2022-03-11 車両用環境改善システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023132824A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Okokon et al. Particulates and noise exposure during bicycle, bus and car commuting: A study in three European cities
KR101924061B1 (ko) 차량용 보조 장치 및 차량
RU2711398C2 (ru) Анализ данных от датчика частиц в транспортном средстве
KR101747357B1 (ko) 차량의 능동형 공기 정화 장치
Briggs et al. Effects of travel mode on exposures to particulate air pollution
CN106166932B (zh) 具有根据运输工具的预计路线限定的除污策略的空气除污装置
CN107234936A (zh) 车辆中的空气污染反应系统
CN110740886A (zh) 智能多模式车辆空气过滤系统及相关方法
CN107073384A (zh) 用于交通工具的乘客舱室中的空气的二氧化碳去除的系统和方法
JP2009223514A (ja) プローブカーシステム並びにプローブカーシステムが配信する情報に応じて動作する車載空調システム及びナビゲーションシステム
CN110641255A (zh) 车辆、车机设备及其车载空气环境控制方法
Kumar et al. The nexus between in-car aerosol concentrations, ventilation and the risk of respiratory infection
CN115717762B (zh) 空气净化控制方法、装置、空气净化器和交通工具
CN109720164A (zh) 一种应用于车辆的空气净化方法及系统
US20140366734A1 (en) Air purification device
KR102189075B1 (ko) 미세먼지 저감시스템을 갖는 공간분리형 버스정류장
JP2023132824A (ja) 車両用環境改善システム
KR102540631B1 (ko) 차량 실내 이산화탄소 제거 장치 및 그 재생과 제어 방법
CN113858911A (zh) 车辆及其座舱空气净化方法、系统及存储介质
KR102346238B1 (ko) 차량용 실내공기 청정 장치
KR20180101881A (ko) 운전자 맞춤형 공조 제어 시스템 및 방법
CN110567528A (zh) 空气质量监测系统和平台
CN109466479B (zh) 车辆控制方法、装置、终端设备和介质
JP2003072353A (ja) 車両用空調装置
KR102132067B1 (ko) 차량용 미세먼지 절감장치