JP2023132371A - ディスペンサシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークに対して塗布される流動体の塗布量の調整時間を短縮することが可能な塗布システム、及びワークに対して充填される流動体の充填量の調整時間を短縮することが可能な充填システムをなすディスペンサシステムを提供する。【解決手段】塗布システム100は、吐出運転によりワークに対して流動体を吐出した後にサックバック運転を行うことにより、ワークに対して流動体を塗布する塗布動作を行う。また、充填システムは、吐出運転によりワークに対して流動体を吐出した後にサックバック運転を行うことにより、ワークに対して流動体を充填する充填動作を行う。ディスペンサ制御装置2が、サックバック運転における流動体の吸込量と相関関係を有する吸込パラメータを、流動体の吸込条件に基づいて自動設定する運転パラメータ設定部23を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、塗布材や充填材などの流動体の塗布や充填を行うためのディスペンサシステムに関する。
従来、流動体の塗布や充填を行うために用いられるディスペンサシステムが提供されている。例えば、塗布対象物(ワーク)に対して塗布材を塗布する塗布動作を行える塗布システムや、充填対象物(ワーク)に対して充填材を充填する充填動作を行える充填システムが、流動体の塗布や充填を行うために用いられるディスペンサシステムとして提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、ノズルの吐出口からペースト状のパターン形成材料(塗布材)を吐出して、塗布対象物としての基板上にパターンを形成するパターン形成装置が開示されている。この特許文献1には、所定のピッチ及び断面形状(パターンの高さや幅等)を有するパターンの形成を行うとともに、所定のピッチ及び断面積形状を変更したパターンの形成を行うことが可能であること、が記載されている。
また、上記特許文献1には、所望するパターンのピッチ間隔や断面形状に関して、例えば、「ピッチ300μm、幅80μm、高さ150μm」等の数値を入力することによって、モータ、ポンプ、及び光源ユニット等への出力を決定する複数のパラメータを自動で演算すること、が記載されている。また、上記特許文献1には、主に吐出口のノズル角度、ワークとノズルとの相対移動速度、及びUV照度等を調整することによって、塗布パターンを制御していること、が記載されている。その一方で、上記特許文献1には、ポンプから吐出されるパターン形成材料(塗布材)の塗布量の制御については、詳細に記載されていない。
特許第4082499号公報
一般的に、ユーザは、上記特許文献1に記載のように、塗布材の塗布量を塗布径及び高さ等の塗布寸法(塗布形状)により管理しているという実情がある。その一方で、塗布システムの動作制御等を行う制御装置(コントローラ)において設定するパラメータは、ポンプの回転速度、塗布材の流量、塗布量、及び塗布時間等であることがほとんどである。塗布パターンについて所望の塗布寸法を得るために設定及び調整するには、詳細な計算やノウハウが必要である。
パターン形成装置の一例として、塗布材がポンプ機構部から吐出口に向けて移動するようにポンプ機構部を作動させることにより塗布材を吐出する吐出運転を行うとともに、塗布材が吐出口からポンプ機構部に向けて移動するようにポンプ機構部を作動させることにより塗布材を吸い込むサックバック運転(逆転吸込)を行えるディスペンサ装置を塗布システムに用いた場合には、停止時に逆転吸込を行うことによりノズル内の残圧を無くして液垂れを防止している。しかしながら、逆転吸込に関する設定は容易ではない。具体的には、塗布量を調整する際に、ポンプ機構部の回転速度を変更した場合には、塗布材の流量が変わるため、吐出圧力が変化して、最適な逆転吸込設定が変わるという不具合がある。そこで、逆転吸込設定を変更した場合には、今度は塗布材の塗布量が変わるという不具合もある。このため、塗布対象物に対して塗布される塗布材の所望の塗布量を得るまでに何度も調整を行う必要があるという問題点がある。
また、上述したようなディスペンサ装置を充填システムに用いた場合においても、停止時に逆転吸込を行うことによりノズル内の残圧を無くして液垂れを防止している。しかしながら、ディスペンサ装置を塗布システムに用いた場合と同様に、逆転吸込に関する設定は容易ではない。具体的には、充填量を調整する際に、ポンプ機構部の回転速度を変更した場合には、充填材の流量が変わるため、吐出圧力が変化して、最適な逆転吸込設定が変わるという不具合がある。そこで、逆転吸込設定を変更した場合には、今度は充填材の充填量が変わるという不具合もある。このため、ワークに対して充填される充填材の所望の充填量を得るまでに何度も調整を行う必要があるという問題点がある。
本発明は、上記問題点を解消すべくなされたものであって、塗布対象物に対して塗布される流動体の塗布量の調整時間を短縮することが可能な塗布システムや、充填対象物に対して充填される流動体の充填量の調整時間を短縮することが可能な充填システムをなすディスペンサシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、次のように構成されている。
(1)本発明によるディスペンサシステムは、流動体を吐出する吐出口、及び前記吐出口に対して流動体を移動させるポンプ機構部を有し、流動体が前記ポンプ機構部から前記吐出口に向けて移動するように前記ポンプ機構部を作動させる吐出運転、及び流動体が前記吐出口から前記ポンプ機構部に向けて移動するように前記ポンプ機構部を作動させるサックバック運転を行えるディスペンサ装置と、前記ディスペンサ装置の動作制御を行う制御装置と、を備え、前記吐出運転によりワークに対して流動体を吐出した後に前記サックバック運転を行うことにより、ワークに対して流動体を塗布する塗布動作、及び前記吐出運転によりワークに対して流動体を吐出した後に前記サックバック運転を行うことにより、ワークに対して流動体を充填する充填動作のいずれか一方又は双方を行えるものであり、前記制御装置が、前記サックバック運転における流動体の吸込量と相関関係を有する吸込パラメータを、流動体の吸込条件に基づいて自動設定する運転パラメータ設定部を有すること、を特徴とする。
上記ディスペンサシステムによれば、サックバック運転における流動体の吸込量と相関関係を有する吸込パラメータが流動体の吸込条件に基づいて自動設定されるため、例えばユーザがワークに塗布された流動体の塗布断面の寸法等に基づいて試行錯誤することなく吸込パラメータをスムーズに設定することができる。このように、流動体の吸込量に係る吸込パラメータが運転パラメータ設定部により自動的に設定されるため、難しい調整ノウハウが不要となる。その結果、サックバック運転時における流動体の吸込量の調整時間を短縮できるため、ワークに対して塗布される流動体の塗布量の調整時間も短縮することができる。
また、上記ディスペンサシステムによれば、サックバック運転における流動体の吸込量と相関関係を有する吸込パラメータが流動体の吸込条件に基づいて自動設定されるため、例えばユーザがワークに充填された流動体の質量等に基づいて試行錯誤することなく吸込パラメータをスムーズに設定することができる。このように、流動体の吸込量に係る吸込パラメータが運転パラメータ設定部により自動的に設定されるため、難しい調整ノウハウが不要となる。その結果、サックバック運転時における流動体の吸込量の調整時間を短縮できるため、ワークに対して充填される流動体の充填量の調整時間も短縮することができる。
(2)本発明によるディスペンサシステムにおいて、好ましくは、前記運転パラメータ設定部が、前記ポンプ機構部による流動体の吐出量と相関関係を有する吐出パラメータを、流動体の吐出条件に基づいて導出して設定するものであり、前記運転パラメータ設定部が、前記吸込パラメータを、前記運転パラメータ設定部によって設定された前記吐出パラメータとの関係に基づいて設定すること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、吸込パラメータが吐出パラメータとの関係に基づいて自動的に設定されるため、例えばユーザがワークに塗布された流動体の状態に基づいて試行錯誤して吸込パラメータを設定しなくてもよい。これにより、吸込パラメータを設定する際の煩雑な作業が不要になるため、流動体の吸込量の調整に要する時間を短縮することができる。
(3)この場合において、好ましくは、前記制御装置は、前記吐出パラメータ及び前記吸込パラメータの組み合わせに係る実績値に基づいて、前記吐出パラメータと前記吸込パラメータとの関係を生成するパラメータ関係生成部を有すること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、吐出パラメータに対応する適切な吸込パラメータが設定されることにより両者の関係が自動的に生成される。このため、ユーザが予め吐出パラメータに対応する適切な吸込パラメータを試行錯誤して設定しなくてもよい。
(4)上記パラメータ関係生成部を有するディスペンサシステムにおいて、好ましくは、前記パラメータ関係生成部は、複数点を用いた直線補間、あるいは多項式のうち少なくともいずれかを用いて、前記吐出パラメータと前記吸込パラメータとの関係を生成すること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、複数点を用いた直線補間、あるいは多項式のうち少なくともいずれかを用いることによって、吐出パラメータに対応する適切な吸込パラメータを設定することができる。これにより、両者の関係が自動的に生成されるため、ユーザが予め吐出パラメータに対応する適切な吸込パラメータを試行錯誤することなく設定することができる。
(5)上記パラメータ関係生成部を有するディスペンサシステムにおいて、好ましくは、前記運転パラメータ設定部が、前記吐出パラメータを、前記吐出運転時に前記ワークに対して吐出される流動体の目標吐出量、及び塗布断面の目標塗布寸法のうち、少なくともいずれかに基づいて設定すること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、対応する吸込パラメータを設定すべき吐出パラメータが、運転パラメータ設定部により流動体の目標吐出量、及び塗布断面の目標塗布寸法のうち、少なくともいずれかに基づいて自動的に設定されるため、ユーザが吐出パラメータを計算等により算出することが不要になる。なお、目標吐出量は質量及び体積の両方を含む概念であり、目標塗布寸法は長さ及び面積の両方を含む概念である。
(6)上記運転パラメータ設定部により吐出パラメータが設定される構成において、好ましくは、前記運転パラメータ設定部が、前記吐出パラメータを、前記吐出運転時に前記ワークに対して吐出される流動体の前記目標吐出量及び流動体の実測吐出量の差異、及び塗布断面の目標塗布寸法及び実測塗布寸法の差異のうち、少なくともいずれかに基づいて設定すること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、対応する吸込パラメータを設定すべき吐出パラメータが、運転パラメータ設定部により流動体の目標吐出量及び実測吐出量の差異、及び塗布断面の目標塗布寸法及び実測塗布寸法の差異、のうち少なくともいずれかに基づいて自動的に設定されるため、ユーザが吐出パラメータを計算等により算出することが不要になる。なお、目標吐出量及び実測吐出量は質量及び体積の両方を含む概念であり、目標塗布寸法及び実測塗布寸法は長さ及び面積の両方を含む概念である。
(7)本発明によるディスペンサシステムにおいて、好ましくは、前記吸込パラメータは、前記ディスペンサ装置における前記サックバック運転時の出力及び/又は運転時間であること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、運転パラメータ設定部により設定された吸込パラメータに対応する出力及び/又は運転時間に基づいてディスペンサ装置をサックバック運転させることができる。
(8)本発明によるディスペンサシステムにおいて、好ましくは、前記ディスペンサ装置は、一軸偏心ねじ式ディスペンサであること、を特徴とするとよい。このように構成すれば、運転パラメータと、吐出量及び吸込量とがほぼ比例するので、計算値と現実の値とが合いやすく、調整が収束しやすい。また、エア式やスクリュー式等のディスペンサ装置と比べると、吐出量及び吸込量と、運転パラメータとの比例度が高く、調整もより簡単となる。その結果、一軸偏心ねじ式ディスペンサを用いて、ワークに対して塗布される流動体の塗布量の調整時間を短縮することが可能なディスペンサシステムを構成することができる。
本発明に係る態様によれば、ワークに対して塗布される流動体の塗布量の調整時間を短縮することが可能な塗布システムや、及びワークに対して充填される流動体の充填量の調整時間を短縮することが可能な充填システムをなすディスペンサシステムを提供することができる。
(a)は本発明の実施形態に係る塗布システムの全体構成を示す概略図であり、(b)は本発明の実施形態に係る塗布システムの他の全体構成を示す概略図である。 本実施形態に係る塗布システムにおいて採用されているディスペンサ装置を示す断面図である。 本実施形態に係る塗布システムを示すブロック図である。 本実施形態に係る塗布システムの塗布量調整手順を示すフロー図である。 本実施形態に係る塗布システムの塗布量調整手順を示すフロー図である。 本実施形態に係る塗布システムのディスペンサ装置の回転速度計算方法を説明するためのイメージ図である。 本実施形態に係る塗布システムの逆転吸込設定について説明するための正転回転速度と逆転回転速度との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る塗布システムのディスペンサ装置における正転回転速度と目標塗布量との関係を示すグラフである。 本実施形態に係る塗布システムの運転パラメータの補正について説明するためのイメージ図である。 本実施形態に係る塗布システムにおいて塗布条件及び運転パラメータが表示される塗布形状指定画像図である。 本実施形態に係る塗布システムにおいて運転パラメータを補正する際に表示される補正情報表示画像図である。 本実施形態に係る塗布システムにおいて運転パラメータを補正する際に表示される補正情報表示画像図である。 本発明の他の実施形態に係る充填システムの全体構成を示す概略図である。
以下、添付図面を参照して、本発明のディスペンサシステムの一実施形態である塗布システムについて説明する。これらの図は模式図であって、必ずしも大きさを正確な比率で記したものではない。また、図中、同様の構成部品は、同様の符号を付して示す。
図1~図12を参照して、本実施形態に係る塗布システム100について説明する。図1(a)に示すように、塗布システム100は、主に、ディスペンサ装置1と、ディスペンサ制御装置2と、ロボット3と、ロボット制御装置4と、入出力装置5(図3参照)を備えている。これらの装置は、一方向又は双方向に情報通信可能なように有線通信又は無線通信により電気的に接続されている。ディスペンサ制御装置2は、主にディスペンサ装置1全体の制御を司るものである。ロボット制御装置4は、主にロボット3全体の制御を司るものである。ロボット3には、ディスペンサ装置1が取り付けられている。
塗布システム100は、ディスペンサ制御装置2に規定された塗布条件に基づいて導出して設定された運転パラメータに従いディスペンサ装置1を規定通りに作動させるとともに、ロボット制御装置4に規定された塗布条件に基づいて導出して設定された運転パラメータに基づいてロボット3を規定通りに作動させる。このようにして、塗布システム100は、所定の塗布過程を経て、所定の塗布条件により流動体である塗布材をワーク(塗布対象物)に対して塗布する処理を行う。
なお、図1(b)に示すように、ディスペンサ制御装置2及びロボット制御装置4の両方の制御機能を一つの制御装置に集約させることによって、ディスペンサ装置1及びロボット3の両方の制御を行うことも可能である。その一方で、上記の制御機能を三つ以上の制御装置に分割して構成することも可能である。
ディスペンサ装置1は、ワーク(塗布対象物)に対して流動体(塗布材)を吐出して塗布するためのものである。ディスペンサ装置1は、塗布材を圧送するためのものであり、一軸偏心ねじポンプ10によって主要部が構成されている。ディスペンサ装置1は、ディスペンサ制御装置2からの動作指令に則って動作し、ポンプ機構部11を駆動させるとともに、先端部に設けられた吐出口12から塗布材を吐出させて、ワークに対して点塗布あるいは線塗布等を行うことができる。
図2に示すように、一軸偏心ねじポンプ10は、回転容積式のポンプである。一軸偏心ねじポンプ10は、動力を受けて偏心回転する雄ねじ型のロータ13と、内周面14aが雌ねじ型に形成されたステータ14と、モータ15とを有している。
ロータ13は、n条(本実施形態ではn=1)の雄ねじ形状とされた金属製の軸体である。ステータ14は、内周面14aがn+1条(本実施形態ではn=1)の雌ネジ形状に形成された貫通孔14bを有する略円筒形の部材である。一軸偏心ねじポンプ10は、ロータ13をステータ14の貫通孔14bに挿通することによって主要部が構成されたポンプ機構部11を、ポンプケーシング17に内蔵させた構成とされている。ポンプ機構部11は、吐出口12に対して塗布材を移動させる機能を有する。
モータ15は、一軸偏心ねじポンプ10の駆動源となるものである。モータ15は、動力伝達部及び偏心回転部(図示省略)を介してロータ13の基端部に接続されている。そのため、一軸偏心ねじポンプ10は、モータ15を作動させることにより、ロータ13を貫通孔14bの内部において自由に偏心回転させることができる。
一軸偏心ねじポンプ10は、ロータ13をステータ14の貫通孔14b内において正方向に回転させることにより、ロータ13及びステータ14の間に形成された流体搬送路16を長手方向に進めることができる。そのため、ロータ13を回転させることにより、ステータ14の一端側から流体搬送路16内に流動体を吸い込み、ステータ14の他端側に向けて移送し、吐出させることが可能である。また、ロータ13(モータ15)の回転量に応じて、流動体の移送量(吐出量)を制御することができる。さらに、ロータ13の回転方向を逆方向に切り替えることにより、流体搬送路16内における流動体の進行方向を切り替えることができる。
ディスペンサ装置1は、塗布材がポンプ機構部11から吐出口12に向けて移動するようにポンプ機構部11を作動(正転回転)させる吐出運転、及び塗布材が吐出口12からポンプ機構部11に向けて移動するようにポンプ機構部11を作動(逆転回転)させるサックバック運転を行える。言い換えると、ディスペンサ装置1は、ポンプ機構部11を正方向に作動させること(正転回転)により、吐出口12から塗布材を吐出させる吐出運転を行うことが可能である。さらに、ディスペンサ装置1は、ポンプ機構部11を逆方向に作動させること(逆転回転)により、塗布材を吸い込むサックバック運転を行うことが可能である。また、ディスペンサ装置1は、吐出運転によりワークに対して塗布材を吐出した後に、サックバック運転を行うことにより、ワークに対して塗布材を塗布する塗布動作を行えるものである。
ロボット3は、ワークに対してディスペンサ装置1を相対移動させるためのものである。ロボット3の一例としては、産業用ロボットが用いられている。ロボット3は、ロボット制御装置4のロボット動作制御部41からの指令信号に基づいてロボットアームを動作させることができる。そのため、ロボット動作制御部41の動作制御により、ロボットアームの先端部分に取り付けられたディスペンサ装置1を予め規定された軌跡に沿って移動させることができる。
入出力装置5は、塗布条件(塗布情報)の入力及び表示、吐出パラメータ及び吸込パラメータを補正(変更)するための入力及び表示、及び入力された情報の出力を行うための装置である。塗布条件とは、例えば、ワークに対して塗布される塗布材の目標塗布量、目標塗布寸法(塗布断面の塗布径、塗布高さ)、塗布時間、塗布速度等のように塗布材の塗布パターンに関する情報であるが、これらの条件に限定されるものではない。また、上述した「量」とは、体積及び質量の両方を含むものである。また、入出力装置5は、タッチパネルを備えている。タッチパネルは、塗布情報の表示機能(表示装置51)及び入力機能(入力装置52)の双方を担う。表示装置51は液晶表示装置や有機EL表示装置等により構成されており、表示装置51には後述する各種画像(GUI)等が表示されるようになっている。
入出力装置5(タッチパネル)は、表示装置51上に表示される図10~図12に示すような各種画像(GUI:Graphical User Interface)に対して、塗布条件、運転パラメータ、及び補正情報を表示及び/又は入力可能に構成されている。
図3に示すように、ディスペンサ制御装置2は、入力受付部21と、塗布条件設定部22と、運転パラメータ設定部23と、パラメータ関係生成部24と、動作制御部25と、記憶部26と、補正情報受付部27と、表示制御部28とを有している。
入力受付部21は、例えば入出力装置5の表示装置51において表示される各種画像に対してユーザにより入力されたワークに対する塗布材の塗布条件の入力を受け付ける。
塗布条件設定部22は、例えば、ワークに対して塗布される塗布材の目標塗布量、塗布断面の目標塗布寸法、及び運転パラメータのうち、少なくともいずれかを塗布条件として設定可能である。塗布寸法とは、ワークに対して点塗布される塗布材を回転楕円体の半球とした場合における塗布断面の塗布径及び塗布高さに係る寸法である。なお、上述した設定方法は一例であり、塗布径及び/又は塗布高さに紐づけられていれば、設定するための計算方法は別途準備され得る。また、ワークに対して塗布材を線状に塗布する線塗布の場合には、線の長さに係る値が関係し、例えば線状の塗布材を断面視した場合の形状(かまぼこ型)の体積を計算する場合がある。
運転パラメータ設定部23は、ワークに対する塗布材の塗布量と相関関係を有する運転パラメータを、塗布材の塗布条件に基づいて導出して設定する。なお、「塗布材の塗布条件に基づいて導出して設定する」とは、運転パラメータ設定部23が運転パラメータを全自動で設定する場合や、運転パラメータを設定する際にユーザが部分的に手動で操作(条件入力)することにより運転パラメータを設定する場合等を含むものである。
運転パラメータは、吐出パラメータ及び吸込パラメータを含んでいる。吐出パラメータは、ポンプ機構部11による塗布材の吐出量と相関関係を有するパラメータである。吐出パラメータは、塗布材の吐出条件に基づいて導出して設定されるものである。なお、吐出条件とは、ディスペンサ制御装置2に対してユーザによって入力された吐出に係る任意の数値等であり、例えば「吐出時間」や「吐出回転速度」等が挙げられる。吐出パラメータは、例えばディスペンサ装置1における正転運転時の出力及び/又は運転時間等である。なお、上記「出力」とは、一軸偏心ねじ式であればロータ13やモータ15の回転速度であり、プランジャ式であればプランジャの移動速度であり、エア式であればエア圧力等である。吸込パラメータは、ポンプ機構部11による塗布材の吸込量と相関関係を有するパラメータである。吸込パラメータは、塗布材の吸込条件に基づいて導出して設定されるものである。吸込パラメータは、例えばディスペンサ装置1におけるサックバック運転時の出力及び/又は運転時間等である。なお、吸込条件とは、ディスペンサ制御装置2に対してユーザによって入力された吸込に係る任意の数値等である。
運転パラメータ設定部23は、後述する方法により運転パラメータを導出して設定することが可能である。例えば、運転パラメータ設定部23は、塗布条件設定部22において設定された塗布条件に基づいて運転パラメータを設定した上で、サックバック運転に伴う塗布材の塗布量の減少に応じて吐出運転による塗布材の吐出量が増加するように設定を行う、ことが可能である。
運転パラメータ設定部23は、後述する方法により吐出パラメータを導出して設定することが可能である。例えば、運転パラメータ設定部23は、吐出パラメータを、ポンプ機構部11による塗布材の吐出量と相関関係を有する塗布材の吐出条件に基づいて導出して設定する、吐出運転時にワークに対して吐出(または塗布)される塗布材の目標吐出量(または目標塗布量)に基づいて導出して設定する、及び/又は吐出運転時にワークに対して吐出(または塗布)される塗布材の目標吐出量(または目標塗布量)及び塗布材の実測吐出量(または実測塗布量)の差異に基づいて導出して設定する、ことが可能である。
運転パラメータ設定部23は、吸込パラメータを、運転パラメータ設定部23によって設定された吐出パラメータとの関係に基づいて導出して設定することが可能である。
また、塗布システム100は、塗布条件に応じて運転パラメータの最適化を図るためのキャリブレーション動作(初期設定)を行えるものである。キャリブレーション動作においては、運転パラメータ設定部23が、サックバック運転に伴う塗布材の吸込量を仮吸込量として仮設定する。例えば、運転パラメータ設定部23は、サックバック運転に伴う塗布材の吸込量を仮吸込量として仮設定する際に、(1)目標塗布量及び/又は目標塗布寸法等、(2)正転回転速度及び/又は時間等の吐出パラメータ、(3)ユーザにより入力された任意の値、(4)他の条件やパラメータに関係ない固定値、(5)吸込パラメータ、のうち少なくともいずれかに基づいて計算するように構成されている。
言い換えると、運転パラメータ設定部23は、キャリブレーション動作において、吸込量(仮吸込量)を所定値に初期設定すると共に、初期設定された仮吸込量、目標塗布寸法、目標塗布量、及び塗布時間等に基づいて吐出パラメータ(回転速度)を初期設定する。その後、動作制御部25が、初期設定された吐出パラメータに則って塗布動作を試験的に実行する試験塗布を行う。
上述のように、本実施形態では、運転パラメータ設定部23は、初期設定において、逆転吸込による塗布量減少を考慮した計算式により初期の正転回転速度を求めており、一例として、次式により示される。すなわち、正転回転速度=((吐出量)+(仮の逆転吸込量))/(理論吐出量×正転時間)で示される計算式に基づいて計算される。言い換えると、上式の分子は、吐出量に仮の逆転吸込量を加算したものを仮塗布量として設定し、仮塗布量を狙いの塗布量に合致させることを目的としたものとなる。狙いの塗布量とは、「所望する塗布径、及び塗布高さの回転楕円体の半球」を仮定して算出されるものである。上記のように、「仮の逆転吸込量」を算入することによって、初期段階からより適切な(正解に近い)正転回転速度を算出することが可能である。
パラメータ関係生成部24は、吐出パラメータ及び吸込パラメータの組み合わせに係る実績値に基づいて、吐出パラメータと吸込パラメータとの関係を生成するものである。実績値とは、過去の算出結果やシミュレーション結果等によるものである。
動作制御部25は、運転パラメータ設定部23において設定された運転パラメータに則って、ディスペンサ装置1の動作制御を行う。
記憶部26には、ディスペンサ装置1全体の制御を司るプログラム、データ、及び表示装置51に表示される各種画像等が予め記憶(格納)されている。また、記憶部26には、ユーザにより入力された塗布条件(パターン)の設定、及び設定された運転パラメータ等の履歴が記憶されるようになっている。
補正情報受付部27は、所望の塗布量が得られるように塗布量を調整するための運転パラメータの補正に係る補正情報の入力を受け付ける。補正情報受付部27は、ワークに対して塗布された塗布材の塗布断面の実測塗布寸法や実測塗布量、及び塗布材の塗布断面の目標塗布寸法や目標塗布量等を補正情報として受け付けられるものである。
補正情報受付部27は、吐出パラメータ補正情報受付部271と、吸込パラメータ補正情報受付部272とを含んでいる。吐出パラメータ補正情報受付部271は、塗布材の吐出量の調整をするための吐出パラメータの補正に係る補正情報の入力を受け付ける。吸込パラメータ補正情報受付部272は、塗布材の吸込量の調整をするための吸込パラメータの補正に係る補正情報の入力を受け付ける。
運転パラメータ設定部23は、運転パラメータを、補正情報受付部27において受け付けられた補正情報に基づいて補正する。例えば、運転パラメータ設定部23は、吐出パラメータを、補正情報受付部27において受け付けられた塗布材の実測塗布寸法と目標塗布寸法との関係を利用して補正する。なお、実測塗布寸法や目標塗布寸法に限らず、実測塗布量や目標塗布量であってもよい。また、運転パラメータ設定部23は、吸込パラメータを、吐出パラメータ及び吸込パラメータの組み合わせに係る実績値に基づいて、吐出パラメータと吸込パラメータとの関係を利用して補正することが可能である。
表示制御部28は、塗布条件表示部281と、運転パラメータ表示部282と、補正情報表示部283とを入出力装置5の表示装置51に表示させる制御を行う。塗布条件表示部281は、入力受付部21において受け付けられた塗布条件を表示するものである。この塗布条件表示部281は、例えば、図10(a)に示される塗布形状指定画像における「幅」及び「高さ」等に関する画像である。
運転パラメータ表示部282は、入力受付部21において受け付けられた塗布条件に基づき、運転パラメータ設定部23によって導出して設定された運転パラメータ(吐出パラメータ、及び吸込パラメータ)を表示するものである。この運転パラメータ表示部282は、例えば、図10(a)に示される塗布形状指定画像における「吐出回転速度」、「吐出時間」、「吸込速度」、及び「吸込時間」等に関する画像である。
補正情報表示部283は、補正情報受付部27において受け付けられた補正情報を表示するものである。この補正情報表示部283は、例えば、図11及び図12に示されるような「吸込速度」、「吸込時間」、「直径」、及び「高さ」等に関する画像である。
次に、図3~図12を参照して、本実施形態による塗布システムの塗布量調整手順について説明する。
図4に示すように、ステップS1-1において、ワークに塗布される塗布材の塗布条件として塗布寸法や塗布時間等がユーザにより入力(設定)される。このとき、例えば、図10(a)に示されるような塗布形状指定画像(塗布条件表示部281、及び運転パラメータ表示部282)が表示装置51に表示される。ユーザは、ワークに塗布される塗布材の塗布条件として塗布寸法(図10(a)に示す「幅」及び「高さ」)や塗布時間(吐出時間)等を表示装置51に表示された塗布形状指定画像に対してタッチパネルを操作して入力する。ユーザにより入力された情報(塗布条件)は、ディスペンサ制御装置2の入力受付部21により受け付けられ、塗布条件設定部22により塗布条件として設定される。また、図10(a)に示す画像における「?」ボタンを押下すると、図10(b)に示すような塗布材の塗布寸法に関する説明図が表示されるようになっている。なお、本実施形態では、図10(a)に示す「吸込速度」及び「吸込時間」は仮の値としての一定値があらかじめ表示されているが、ユーザが別の値を入力できるようにしてもよい。ユーザが別の値を入力した場合に、後述するステップS1-2における「吐出回転速度」の計算結果に反映されないように制御してもよいし、計算結果に反映されるように制御してもよい。
また、ユーザが入力する吐出時間に対して仮の吸込時間が長すぎた場合は、吸込時間が短くなるように自動調整されるようにしてもよい。なお、上述の「一定値」は仮の値であるため、適宜設定可能である。このほか、目標塗布量及び/又は目標塗布寸法等の塗布条件、あるいは正転回転速度及び/又は時間等の吐出パラメータに基づいて「吸込速度」及び「吸込時間」が自動的に設定されるようにしてもよい。なお、本実施形態では、「吸込速度」「吸込時間」といった吸込パラメータを表示及び/又は入力するようにしているが、これに代えて又はこれに加えて、「吸込量」及び/又は「仮吸込量」を表示及び/又は入力可能としてもよい。この場合の吸込量や仮吸込量は、吸込速度や吸込時間と同じく、一定値、ユーザが入力する値、又は塗布条件や吐出パラメータに基づいて自動計算される値など、種々の値とすることが可能である。
次に、ステップS1-2において、ディスペンサ装置1の正転回転速度が自動計算される。このとき、ディスペンサ制御装置2は、正転回転速度を計算する際に、仮の逆転吸込量(仮吸込量)を算入した上で計算を行う。具体的には、運転パラメータ設定部23は、キャリブレーション動作(初期設定)において、サックバック運転に伴う塗布材の吸込量を仮吸込量として仮設定する。さらに、運転パラメータ設定部23は、吐出運転に伴う塗布材の吐出量に対して仮吸込量を加算して得られる量を、塗布動作によりワークに対して吐出される仮塗布量として仮塗布量に基づいて運転パラメータ(正転回転速度)を仮設定する。このとき、運転パラメータ設定部23は、正転回転速度=((吐出量)+仮の逆転吸込量)/(理論吐出量×正転時間)で示される計算式に基づいて計算する。なお、前述の塗布形状指定画面において、吸込速度や吸込時間といった吸込パラメータが表示及び/又は入力された場合は、それらの値に基づいて仮吸込量を計算し、使用することができる。一方、吸込量や仮吸込量が表示及び/又は入力された場合は、それらの値をそのまま仮吸込量として使用すること、およびそれらの値に基づいて計算した別の値を仮吸込量として使用することができる。
ここで、ディスペンサ装置1における回転速度計算方法についてイメージ図を用いて説明する。図6に示すように、横軸を時間tとして縦軸を回転速度Vとした場合に、領域Aが正転時の吐出量であり、領域Bが逆転時の吸込量であり、領域C(斜線部)が実際には塗布されない量であるとする。このような場合に、狙いの塗布量=100とすると、従来の計算方法では、A=100となるように計算される。その結果、Bの減少分が考慮されていないため、例えば塗布量が想定より少ない97等になる。その一方で、本実施形態による計算方法では、A-B=100となるように計算する。最初の計算段階では、吸込パラメータが未定であり、Bの値(吸込量)が確定していないため、仮の値(仮吸込量)を計算に使用する。これにより、従来の計算方法に比して誤差を少なくすることが可能となる。
次に、図4に示すステップS1-3において、運転パラメータ設定部23によって仮設定された運転パラメータに則って塗布動作を実行する試験塗布(試し塗布)が行われる。
次に、ステップS2において、吸込パラメータを適切なものに修正する。上記ステップS1-3における試し塗布では、液垂れあるいは吸い込み過ぎることが多いため、塗布量や塗布寸法を正確に実測できない。そこで、吸込パラメータを適切なものに修正(補正)する。ユーザは、塗布材の液切れの状態を見て、吸込時間及び吸込速度に係る吸込パラメータを設定することとなる。例えば、ユーザは、表示装置51に表示される図11(a)に示されるような補正1画像(補正情報表示部283)において、逆転吸込条件として「吸込速度1」及び「吸込時間」等を入力する。このとき、ユーザにより入力された情報(補正情報)は、ディスペンサ制御装置2の補正情報受付部27の吸込パラメータ補正情報受付部272により受け付けられる。なお、試し塗布時にサックバック運転が行われない場合には、塗布材の吸い込みが生じないため、上述したステップS2における吸込パラメータの修正(補正)では、サックバック運転が不実施の場合に新規に条件設定が行われるというケースが含まれ得る。
次に、ステップS3において、運転パラメータ設定部23が上記ステップS1~S2において入力された塗布条件及び吸込条件に基づいて運転パラメータを導出して設定し、逆転吸込を伴う試し塗布を行う。例えば、ユーザは、表示装置51に表示される図11(b)に示されるような補正2画像(補正情報表示部283)において、「運転1」スイッチにタッチして液を数回吐出させる。
次に、ステップS4において、ノギスや定規等を用いてワークに塗布された塗布材の塗布寸法をユーザが実際に計測(実測)する。ユーザは、表示装置51に表示される図11(b)に示されるような補正2画像において、測定された塗布寸法(「直径1」及び「高さ1」)を入力する。このとき、ユーザにより入力された情報(補正情報)は、ディスペンサ制御装置2の補正情報受付部27により受け付けられる。なお、塗布材の塗布寸法を計測するための計測機器等を任意の位置に設けて、塗布材の塗布寸法を自動的に計測するようにしてもよい。さらに、計測機器による計測結果を通信する通信装置を設ければ、塗布寸法の計測及びパラメータ設定の両方を自動化することが可能である。
次に、図5に示すように、ステップS5-1において、ステップS4の測定結果に基づき、ディスペンサ制御装置2が、所望塗布寸法が得られるであろう正転回転速度範囲を予測し、当該範囲内の数点の正転回転速度で吸込パラメータを調整するよう指示を出す(表示装置51に表示する)。このとき、例えば、図12(a)に示すような「運転2」、「運転3」、及び「運転4」の各々のスイッチにタッチして液を吐出させて、液切れが適正になるように「吸込速度2」、「吸込速度3」、及び「吸込速度4」の各々のパラメータを設定する補正3画像(補正情報表示部283)が表示装置51に表示される。なお、表示制御部28は、「正転回転速度x回転の逆転吸込を調整してください」というような画像を表示装置51に対して表示するように制御してもよい。なお、上述した逆転吸込の調整(自動設定)に関しては、一点のみの正転速度と逆転速度との組み合わせに基づいて行うこともあり得る。この場合、ステップS2で設定したパラメータを元にAI等の人工知能により関係生成が行われ、ステップS5-1及びS5-2が省略され得る。
具体的には、ステップS4において、ユーザが塗布寸法の測定結果を図11(b)に示す補正2画像の所定の項目に入力すると、運転パラメータ設定部23が所望の塗布量を得られる正転回転速度範囲を推測する(自動的に指定される)。正転回転速度範囲の決定方法としては、上記ステップS4で得られた実測塗布量(実測塗布寸法から計算した値)と狙いの塗布量(目標塗布寸法から計算した値)の比に所定の余裕率を掛け合わせたものを、範囲の上限又は下限として設定される。より簡易的な変形例としては、実測塗布量は計算に使用せず、狙いの塗布量だけを基準にして、計算又はデータベース利用等により範囲を指定することもあり得る。また、塗布量に限らず、塗布寸法、すなわち径(幅)、高さ、または面積(径や高さを基に計算してもよいし、画像処理等で取得してもよい)を計算に使用することが可能である。
例えば、図7に示す例では、横軸を正転回転速度[min-1]とし、縦軸を逆転回転速度[min-1]とした場合に、正転回転速度範囲が10.0~20.9[min-1]の範囲であると推測される。なお、正転回転速度10.0[min-1]における逆転回転速度はステップS2において調整・入力済みであるため、図12(a)に示す補正3画像においては、正転回転速度13.6[min-1]、17.3[min-1]、及び20.9[min-1]の各々における逆転回転速度を調整及び入力するよう指示されている。また、逆転吸込時間は一定とし、変更しないこととする。なお、逆転吸込時間を変更可能とし、回転速度を一定としてもよい。
次に、ステップS5-2において、指示された正転回転速度に対応する吸込パラメータを、ユーザが予め調整する。例えば、ユーザは、表示装置51に表示される図12(a)に示されるような補正3画像において、「運転2」、「運転3」、及び「運転4」スイッチの各々にタッチして液を吐出させる。次に、ユーザは、液切れが適正になるように「吸込速度2」、「吸込速度3」、及び「吸込速度4」の各々のパラメータを調整する。その後、ユーザが調整した結果を入出力装置5(タッチパネル)から入力することにより、入力された結果がディスペンサ制御装置2の補正情報受付部27の吸込パラメータ補正情報受付部272により受け付けられる。このように、複数の正転回転速度(吐出パラメータ)に対応する適切な逆転回転速度(吸込パラメータ)を設定することにより両者の関係が生成される。すなわち、正転回転速度(吐出パラメータ)及び逆転回転速度(吸込パラメータ)の組み合わせに係る実績値に基づいて、パラメータ関係生成部24が吐出パラメータ及び吸込パラメータの関係を生成する。例えば、パラメータ関係生成部24は、複数点を用いた近似曲線により、関係を生成することができる。具体的に、図7の例では、二点を用いた直線補間により関係を生成しているが、三点以上を用いた直線補間、あるいは多項式、指数近似、対数近似、正弦波等にしてもよい。このように関係を生成することで、正転回転速度を変更した際に、変更後の正転回転速度がステップS2やステップS5-2において吸込パラメータを設定済みの正転回転速度でなかったとしても、適切な吸込パラメータを自動計算することが可能となる。ステップ5-2において、上記三種類の回転速度で適正な液切れになったことが確認できたら次の手順に進む。
次に、ステップS6及びステップS7が繰り返して行われる。ステップS6においては、運転パラメータ設定部23により計算された正転及び逆転回転速度に基づいて塗布が行われ、ステップS7においては、ユーザによりワークに塗布された塗布材の塗布寸法(直径及び高さ)が測定されるとともに、測定結果の入力が行われる。以下に、ステップS6及びステップS7の処理内容を詳細に説明する。
ステップS6において、運転パラメータ設定部23は、ステップS1-1で設定された設定寸法に基づいて正転回転速度を計算するとともに、ステップS5で求めた正転回転速度と逆転回転速度との関係に基づいて逆転回転速度を計算する。正転回転速度を計算する際には、例えば、図8に示すように、横軸が正転回転速度であり、縦軸が塗布材の塗布量(試し塗布及び実測した寸法から計算した回転楕円体の半球体積)であるグラフが参照される。図8において、Z(n-2)は(n-2)回目に塗布した回転速度及び塗布量を示しており、Z(n-1)は(n-1)回目に塗布した回転速度及び塗布量を示している。Z(0)は、補正後の予想として、次回(n回目)の回転速度及び狙いの塗布量になり得る。
上述した補正後の予想について、図9のイメージ図を参照して説明する。図9では、上述した図8と同様に、横軸が正転回転速度であり、縦軸が塗布材の塗布量を示している。図9(a)において、一回目を「〇」とし、二回目を「△」とする。塗布量と回転速度の関係が直線である場合、計算された回転速度で塗布すると「□」の量だけ出ると推定される。実際に出たものが「◇」となる。次に、図9(b)において、補正には、過去二回分のデータを使用しているため、「△」を「〇」に置き換えるとともに、「◇」を「△」に置き換えて計算する。上記の計算を複数回繰り返すことにより、図9(c)に示すように、「〇」及び「△」が近づくようになる。
上述のように過去二回分の実測値(実績値)の関係に基づいて(二点を線で結んで)補正を行えるのは、三回目の試し塗布以降になる。よって、一回目はステップS1~S4に示すような計算及び実測が行われることにより一点目がプロットされる。二回目は、一回目の実測塗布寸法と所望する塗布寸法の差異(比率)を、一回目の回転速度に掛け合わせることにより、二回目の回転速度が算出される。この回転速度で試し塗布及び実測を行うことにより、二点目がプロットされる。三回目は、一点目と二点目とを線で結ぶことにより、所望する塗布寸法に対応する回転速度が導かれる。上述のような方法で、狙いの塗布量になるまで繰り返される。
次に、ステップS7において、ユーザによりワークに塗布された塗布材の塗布寸法(直径及び高さ)が測定されるとともに、測定結果の入力が行われる。例えば、ワークに塗布された塗布材が複数あれば、各塗布寸法の平均値を入力するとよい。このとき、例えば、ユーザは、表示装置51に表示される図12(b)に示されるような補正4画像(補正情報表示部283)において、塗布寸法の測定結果として「直径2」及び「高さ2」を入力する。このとき、ユーザにより入力された情報(補正情報)は、ディスペンサ制御装置2の補正情報受付部27の吐出パラメータ補正情報受付部271により受け付けられ、運転パラメータ設定部23により補正情報に基づいて運転パラメータが補正される。なお、ステップS6及びステップS7が繰り返される。このとき、ステップS6では、上述したように、毎回、運転パラメータ設定部23が、ステップS4及びステップS7において測定された実測寸法とステップS1-1で設定された設定寸法との関係に基づいて正転回転速度を計算するとともに、ステップS5で求めた正転回転速度と逆転回転速度との関係に基づいて逆転回転速度を計算する。
上記説明した実施形態によれば、以下の効果(1)~(8)を得ることができる。
(1)上記実施形態による塗布システム100では、運転パラメータ設定部23が、サックバック運転における流動体の吸込量と相関関係を有する吸込パラメータを、流動体の吸込条件に基づいて自動設定するようにした。上記実施形態によれば、サックバック運転における流動体の吸込量と相関関係を有する吸込パラメータが流動体の吸込条件に基づいて自動的に設定される。このため、例えばユーザがワークに塗布された流動体の状態に基づいて試行錯誤することなく吸込パラメータをスムーズに設定することができる。このように、流動体の吸込量に係る吸込パラメータが運転パラメータ設定部23により自動的に設定されるため、難しい調整ノウハウが不要となる。その結果、サックバック運転時における流動体の吸込量の調整時間を短縮できるため、ワークに対して塗布される流動体の塗布量の調整時間も短縮することができる。
(2)上記実施形態による塗布システム100では、運転パラメータ設定部23が、吸込パラメータを、運転パラメータ設定部23によって設定された吐出パラメータとの関係に基づいて設定するようにした。これにより、吸込パラメータが吐出パラメータとの関係に基づいて自動的に設定されるため、例えばユーザがワークに塗布された流動体の状態に基づいて試行錯誤して吸込パラメータを設定しなくてもよい。これにより、吸込パラメータを設定する際の煩雑な作業が不要になるため、流動体の吸込量の調整に要する時間を短縮することができる。
(3)上記実施形態による塗布システム100では、パラメータ関係生成部24が、吐出パラメータ及び吸込パラメータの組み合わせに係る実績値に基づいて、吐出パラメータと吸込パラメータとの関係を生成するようにした。これにより、吐出パラメータに対応する適切な吸込パラメータが設定されることにより両者の関係が自動的に生成される。このため、ユーザが予め吐出パラメータに対応する適切な吸込パラメータを試行錯誤して設定しなくてもよい。
(4)上記実施形態による塗布システム100では、複数点を用いた直線補間、あるいは多項式のうち少なくともいずれかを用いて、パラメータ関係生成部24により吐出パラメータと吸込パラメータとの関係を生成することとした。これにより、複数点を用いた直線補間、あるいは多項式のうち少なくともいずれかを用いることによって、吐出パラメータに対応する適切な吸込パラメータを設定することができる。これにより、両者の関係が自動的に生成されるため、ユーザが予め吐出パラメータに対応する適切な吸込パラメータを試行錯誤することなく設定することができる。
(5)上記実施形態による塗布システム100では、運転パラメータ設定部23が、吐出パラメータを、吐出運転時にワークに対して吐出される流動体の目標吐出量、及び塗布断面の目標塗布寸法のうち、少なくともいずれかに基づいて設定するようにした。これにより、対応する吸込パラメータを設定すべき吐出パラメータが、運転パラメータ設定部23により流動体の目標吐出量、及び塗布断面の目標塗布寸法のうち、少なくともいずれかに基づいて自動的に設定されるため、ユーザが吐出パラメータを計算等により算出することが不要になる。
(6)上記実施形態による塗布システム100では、運転パラメータ設定部23が、吐出パラメータを、吐出運転時にワークに対して吐出される流動体の目標吐出量及び流動体の実測吐出量の差異、及び塗布断面の目標塗布寸法及び実測塗布寸法の差異のうち、少なくともいずれかに基づいて設定するようにした。これにより、対応する吸込パラメータを設定すべき吐出パラメータが、運転パラメータ設定部23により流動体の目標吐出量及び実測吐出量の差異、及び塗布断面の目標塗布寸法及び実測塗布寸法の差異のうち、少なくともいずれかに基づいて自動的に設定されるため、ユーザが吐出パラメータを計算等により算出することが不要になる。
(7)上記実施形態による塗布システム100では、吸込パラメータがディスペンサ装置1におけるサックバック運転時の出力及び/又は運転時間であるようにした。これにより、運転パラメータ設定部23により設定された吸込パラメータに対応する出力及び/又は運転時間に基づいてディスペンサ装置1をサックバック運転させることができる。
(8)上記実施形態による塗布システム100では、ディスペンサ装置1を一軸偏心ねじ式ディスペンサにより構成した。これにより、運転パラメータと、吐出量及び吸込量とがほぼ比例するので、計算値と現実の値とが合いやすく、調整が収束しやすい。また、エア式やスクリュー式等のディスペンサ装置と比べると、吐出量及び吸込量と、運転パラメータとの比例度が高く、調整もより簡単となる。その結果、一軸偏心ねじ式のディスペンサ装置1を用いて、ワークに対して塗布される流動体の塗布量の調整時間を短縮することが可能な塗布システム100を構成することができる。
(他の実施形態)
次に、図13を参照して、本発明のディスペンサシステムの他の実施形態に係る充填システム110について説明する。
図13に示すように、充填システム110は、主に、ディスペンサ装置1と、ディスペンサ制御装置2と、ロボット3と、ロボット制御装置4とを備えている。これらの装置は、一方向又は双方向に情報通信可能なように有線通信又は無線通信により電気的に接続されている。ディスペンサ制御装置2は、主にディスペンサ装置1全体の制御を司るものである。ロボット制御装置4は、主にロボット3全体の制御を司るものである。ロボット3には、ディスペンサ装置1が取り付けられている。
本実施形態では、充填システム110と上述した塗布システム100との異なる点は、充填システム110のディスペンサ装置1から吐出される充填材120を容器等のワーク130(充填対象物)に充填する点のみである。そのため、塗布システム100において備えられた構成は、充填システム110に置き換えることが可能である。
上記説明した実施形態によれば、以下の効果(9)~(16)を得ることができる。
(9)上記実施形態による充填システム110では、運転パラメータ設定部23が、充填材120の吸込量と相関関係を有する吸込パラメータを、充填材120の吸込条件に基づいて自動設定するようにした。上記実施形態によれば、サックバック運転における充填材120の吸込量と相関関係を有する吸込パラメータが充填材120の吸込条件に基づいて自動的に設定される。このため、例えばユーザがワーク130に充填された充填材120の状態に基づいて試行錯誤することなく吸込パラメータをスムーズに設定することができる。このように、充填材120の吸込量に係る吸込パラメータが運転パラメータ設定部23により自動的に設定されるため、難しい調整ノウハウが不要となる。その結果、サックバック運転時における充填材120の吸込量の調整時間を短縮できるため、ワーク130に対して充填される充填材120の充填量の調整時間も短縮することができる。
(10)上記実施形態による充填システム110では、運転パラメータ設定部23が、吸込パラメータを、運転パラメータ設定部23によって設定された吐出パラメータとの関係に基づいて設定するようにした。これにより、吸込パラメータが吐出パラメータとの関係に基づいて自動的に設定されるため、例えばワーク130に充填された充填材120の状態に基づいてユーザが試行錯誤して吸込パラメータを設定しなくてもよい。これにより、吸込パラメータを設定する際の煩雑な作業が不要になるため、充填材120の吸込量の調整に要する時間を短縮することができる。
(11)上記実施形態による充填システム110では、パラメータ関係生成部24が、吐出パラメータ及び吸込パラメータの組み合わせに係る実績値に基づいて、吐出パラメータと吸込パラメータとの関係を生成するようにした。これにより、吐出パラメータに対応する適切な吸込パラメータが設定されることにより両者の関係が自動的に生成される。このため、予め吐出パラメータに対応する適切な吸込パラメータをユーザが試行錯誤して設定しなくてもよい。
(12)上記実施形態による充填システム110では、複数点を用いた直線補間、あるいは多項式のうち少なくともいずれかを用いて、パラメータ関係生成部24により吐出パラメータと吸込パラメータとの関係を生成することとした。これにより、複数点を用いた直線補間、あるいは多項式のうち少なくともいずれかを用いることによって、吐出パラメータに対応する適切な吸込パラメータを設定することができる。これにより、両者の関係が自動的に生成されるため、予め吐出パラメータに対応する適切な吸込パラメータをユーザが試行錯誤することなく設定することができる。
(13)上記実施形態による充填システム110では、運転パラメータ設定部23が、吐出パラメータを、吐出運転時にワーク130に対して吐出される充填材120の目標吐出量に基づいて設定するようにした。これにより、対応する吸込パラメータを設定すべき吐出パラメータが、運転パラメータ設定部23により充填材120の目標吐出量に基づいて自動的に設定されるため、ユーザが吐出パラメータを計算等により算出することが不要になる。
(14)上記実施形態による充填システム110では、運転パラメータ設定部23が、吐出パラメータを、吐出運転時にワーク130に対して吐出される充填材120の目標吐出量及び充填材120の実測吐出量の差異に基づいて設定するようにした。これにより、対応する吸込パラメータを設定すべき吐出パラメータが、運転パラメータ設定部23により充填材120の目標吐出量及び実測吐出量の差異に基づいて自動的に設定されるため、ユーザが吐出パラメータを計算等により算出することが不要になる。
(15)上記実施形態による充填システム110では吸込パラメータがディスペンサ装置1におけるサックバック運転時の出力及び/又は運転時間であるようにした。これにより、運転パラメータ設定部23により設定された吸込パラメータに対応する出力及び/又は運転時間に基づいてディスペンサ装置1をサックバック運転させることができる。
(16)上記実施形態による充填システム110では、ディスペンサ装置1を一軸偏心ねじ式ディスペンサにより構成した。これにより、運転パラメータと、吐出量及び吸込量とがほぼ比例するので、計算値と現実の値とが合いやすく、調整が収束しやすい。また、エア式やスクリュー式等のディスペンサ装置と比べると、吐出量及び吸込量と、運転パラメータとの比例度が高く、調整もより簡単となる。その結果、一軸偏心ねじ式のディスペンサ装置1を用いて、ワーク130に対して充填される充填材120の充填量の調整時間を短縮することが可能な充填システム110を構成することができる。
(他の変形例)
上記実施形態は、以下のように変更した構成とすることもできる。
上記実施形態では、ディスペンサ装置の一例として一軸偏心ねじ式を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、プランジャ式(ピストン式)、バルブ式、スクリュー式、及びエア式等のサックバック運転可能なディスペンサ装置であれば、いずれの方式であっても使用可能である。
上記実施形態では、塗布条件の一例として、主に塗布材の塗布径、塗布高さ、及び塗布時間を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、塗布材の塗布径、塗布高さ、及び塗布時間以外の条件を塗布条件に含めてもよい。
上記実施形態では、ワークに対して塗布材を点で塗布する点塗布の場合について説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ワークに対して塗布材を線状に塗布する線塗布の場合には、塗布長さ(線の長さ)に係る値が塗布条件になり得る。例えば線状の塗布材を断面視した場合の形状(かまぼこ型)の体積を計算する必要があり得る。また、線塗布の場合には、塗布条件として、塗布時間の代わりに塗布速度(ワークに対するディスペンサ装置の相対移動速度)が採用され得る。
上記実施形態では、塗布条件の一例として、塗布寸法により管理する例を示したが、塗布量(体積又は質量)で管理することも可能である。
上記実施形態では、運転パラメータ設定部により吸込パラメータが設定される際に、ユーザが吸込パラメータを塗布試験により割り出してディスペンサ制御装置に対して入力する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、塗布された塗布材の寸法等の計測等を自動化することにより、ユーザが制御装置に対して入力することなく制御装置が吸込パラメータを自動設定することが可能となる。
上記実施形態では、運転パラメータ(吐出パラメータ及び吸込パラメータ)の一例として、吐出パラメータをディスペンサ装置における正転運転時の出力及び/又は運転時間等とし、吸込パラメータをディスペンサ装置におけるサックバック運転時の出力及び/又は運転時間等とする例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、運転パラメータがワークに対する塗布材の塗布量と相関関係を有していればよく、例えばロボットの移動速度あるいは移動距離等も運転パラメータに含まれ得る。
上記実施形態では、表示装置及び入力装置が一体的に構成された入出力装置(タッチパネル)を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示装置(例えば、ディスプレイやモニタ等)、及び入力装置(例えば、キーボード、テンキー、及びマウス等)を別体により構成することも可能である。また、制御装置の筐体にタッチパネル等の入出力装置を設けたようなものでもよいし、制御装置の筐体に設けられたタッチパネルをなくしてしまって全く別の(別体の)PCやタブレットを使用してデータを入力及び表示させてもよい。
上記実施形態では、塗布形状指定画像(図10)において、ユーザにより塗布条件等を入力可能なように構成したが、これに加えて、ユーザにより塗布条件等が入力された際に、塗布条件等が反映された図形を表示装置の塗布形状指定画像等に表示させるようにしてもよい。これにより、ユーザは塗布される塗布材の塗布形状を視覚的に確認することができる。
上記実施形態では、塗布形状指定画像(図10)において、ユーザにより塗布条件等を入力可能なように構成したが、これに加えて、オートシェイプのような描画方法、すなわち、マウスでのドラッグや、タッチパネル上でのピンチイン(縮小)及びピンチアウト(拡大)等の親指と人差指とを近接及び離反させる操作により、図形入力やサイズ変更ができ、自動的に寸法値に反映されるようにしてもよい。
上記実施形態では、塗布形状指定画像(図10)において、ユーザにより塗布条件等を入力可能なように構成したが、これに加えて、塗布寸法を拡大又は縮小させるための「倍率」を入力可能な入力部や選択可能な選択ボタンを設けて、ユーザにより「倍率」を入力(選択)することにより塗布寸法を調節可能に構成してもよい。
上記実施形態では、塗布形状指定画像(図10)において、ユーザにより塗布条件等を入力可能なように構成したが、これに加えて、塗布寸法を拡大又は縮小させるための「数値」を予め表示させておき、ユーザにより「数値」ボタンを選択する(タッチパネルの場合はタッチ操作を行う)ことにより塗布寸法を調節可能に構成してもよい。
なお、上記した塗布システムに関する変形例は、上記した充填システムについても同様の変形例として適用可能である。
上記実施形態は、いずれも本発明の適応の例示であり、特許請求の範囲に記載の範囲内におけるその他いかなる実施形態も、発明の技術的範囲に含まれることは当然のことである。
1 :ディスペンサ装置
11 :ポンプ機構部
12 :吐出口
2 :ディスペンサ制御装置(制御装置)
21 :入力受付部
22 :塗布条件設定部
23 :運転パラメータ設定部
24 :パラメータ関係生成部
25 :動作制御部
27 :補正情報受付部
271 :吐出パラメータ補正情報受付部
272 :吸込パラメータ補正情報受付部
28 :表示制御部
281 :塗布条件表示部(条件表示部)
282 :運転パラメータ表示部
283 :補正情報表示部
51 :表示装置
100 :塗布システム(ディスペンサシステム)
110 :充填システム(ディスペンサシステム)
120 :充填材
130 :ワーク

Claims (8)

  1. 流動体を吐出する吐出口、及び前記吐出口に対して流動体を移動させるポンプ機構部を有し、流動体が前記ポンプ機構部から前記吐出口に向けて移動するように前記ポンプ機構部を作動させる吐出運転、及び流動体が前記吐出口から前記ポンプ機構部に向けて移動するように前記ポンプ機構部を作動させるサックバック運転を行えるディスペンサ装置と、
    前記ディスペンサ装置の動作制御を行う制御装置と、を備え、
    前記吐出運転によりワークに対して流動体を吐出した後に前記サックバック運転を行うことにより、前記ワークに対して流動体を塗布する塗布動作、及び前記吐出運転により前記ワークに対して流動体を吐出した後に前記サックバック運転を行うことにより、前記ワークに対して流動体を充填する充填動作のいずれか一方又は双方を行えるものであり、
    前記制御装置が、前記サックバック運転における流動体の吸込量と相関関係を有する吸込パラメータを、流動体の吸込条件に基づいて自動設定する運転パラメータ設定部を有すること、を特徴とするディスペンサシステム。
  2. 前記運転パラメータ設定部が、前記ポンプ機構部による流動体の吐出量と相関関係を有する吐出パラメータを、流動体の吐出条件に基づいて導出して設定するものであり、
    前記運転パラメータ設定部が、前記吸込パラメータを、前記運転パラメータ設定部によって設定された前記吐出パラメータとの関係に基づいて設定すること、を特徴とする請求項1に記載のディスペンサシステム。
  3. 前記制御装置は、前記吐出パラメータ及び前記吸込パラメータの組み合わせに係る実績値に基づいて、前記吐出パラメータと前記吸込パラメータとの関係を生成するパラメータ関係生成部を有すること、を特徴とする請求項2に記載のディスペンサシステム。
  4. 前記パラメータ関係生成部は、複数点を用いた直線補間、あるいは多項式のうち少なくともいずれかを用いて、前記吐出パラメータと前記吸込パラメータとの関係を生成すること、を特徴とする請求項3に記載のディスペンサシステム。
  5. 前記運転パラメータ設定部が、前記吐出パラメータを、前記吐出運転時に前記ワークに対して吐出される流動体の目標吐出量、及び塗布断面の目標塗布寸法のうち、少なくともいずれかに基づいて設定すること、を特徴とする請求項3又は4に記載のディスペンサシステム。
  6. 前記運転パラメータ設定部が、前記吐出パラメータを、前記吐出運転時に前記ワークに対して吐出される流動体の前記目標吐出量及び流動体の実測吐出量の差異、及び塗布断面の目標塗布寸法及び実測塗布寸法の差異、のうち少なくともいずれかに基づいて設定すること、を特徴とする請求項5に記載のディスペンサシステム。
  7. 前記吸込パラメータは、前記ディスペンサ装置における前記サックバック運転時の出力及び/又は運転時間であること、を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のディスペンサシステム。
  8. 前記ディスペンサ装置は、一軸偏心ねじ式ディスペンサであること、を特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のディスペンサシステム。
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