JP2023132047A - 燃焼ガス抽気プローブ及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抽気率を増強した場合にも抽気ガスを十分に冷却でき、所定の塩素除去効率を維持した運転を可能とする燃焼ガス抽気プローブ及びその運転方法を提供する。【解決手段】プローブ2は、キルン1からの燃焼ガスG1の一部を抽気する内管21と、内管21に穿設され、内管21が抽気した抽気ガスG2の流れ方向に対して直角方向、かつ抽気ガスG2の流れの中心方向に冷風Cを各々吐出する複数の吐出口25と、を備え、吐出口25は、抽気ガスG2の運動量MGに対する吐出口25一口当たりの冷風Cの運動量MCの比(MC/MG)が1.2~4.0を満たし、かつ抽気ガスG2の風速VGに対する冷風Cの風速VCの比(VC/VG)を内管21の内径Dで除した値(m-1)が1.5~3.5を満たすように、冷風Cを吐出する。【選択図】図3

Description

本発明は、燃焼ガス抽気プローブ及びその運転方法に関する。
塩素バイパスシステムは、セメント製造設備から塩素を含むガスを抽気し系外に排出することで、塩素に起因するキルンやプレヒータ系のコーチングトラブルを防止する。塩素バイパスシステムは、セメント製造設備を構成するキルンの窯尻近傍に設けられた燃焼ガス抽気プローブ(以下、「プローブ」ともいう)によって燃焼ガスの一部を抽気する。抽気された燃焼ガス(以下、「抽気ガス」ともいう)は低温ガス(以下、「冷風」ともいう)と混合され、抽気ガス中に含まれる塩素分は気体状態から固体状態に相転移し、塩化カリウムを主成分とする塩素バイパスダストと呼ばれる形で回収・系外除去される。このとき抽気ガスを急冷することにより、塩素分がバイパスダストの微粉側へ濃縮することが分かっている。
塩素バイパスシステムにおいて、ガス中に含まれる原料分(粗粉)と塩素分(微粉)はサイクロンで分離され、原料分はキルン側へと戻され、塩素分は系外に排出される。しかし、冷却速度が遅いと塩素分濃縮が低い粗粉と共にキルン側に戻る塩素分量が多くなり、塩素除去効率は低下する。
ところで、近年、脱炭素や原燃料コスト低減を目的に廃プラスチックを始めとする廃棄物の活用が推進されており、セメント製造設備に持ち込まれる塩素量(インプット塩素量)が増加している。そのため、塩素バイパスシステムの能力増強、つまり抽気風量の増量(=抽気率の増強)が必要となっている。一方、抽気風量を増量させるとそのガス温度を一定以下に冷却するため、冷風量(低温ガス量)もそれに応じて増量させる必要があり、プローブ内のガス速度増加(ガス冷却の維持)への対応、例えばプローブの大型化が必要となる。他方、プローブを含む塩素バイパスシステムの大型化には設備場所の確保が困難な状況であり、例えば既存設備を活用してプローブ内のガス速度を増加させる必要がある。
下記特許文献1には、低温ガスを抽気ガスの吸引方向に対して直角中心方向、かつ断面の中心部に達する運動量を有するように吐出させることで、抽気ガスを冷却することが記載されている。
また、下記特許文献2には、低温ガスを抽気ガスの吸引方向に対して直角中心方向、かつ低温ガスの運動量ベクトルが鉛直下向きの成分を有するように吐出させることで、抽気ガスを冷却することが記載されている。
また、下記特許文献3には、低温ガスの運動量の合成ベクトルの方向が、プローブ断面の中心部から抽気ガスの速度分布の重心へ向かう方向と逆方向の成分を有するように低温ガスを吐出させることで、抽気ガスを冷却することが記載されている。
特許第4744299号公報 特許第5411126号公報 特許第5290099号公報
抽気率の増強のために、上記のように、プローブを大型化すると低温ガスがプローブの中心部まで届きにくくなり、また、プローブ内のガス速度を増加させると滞留時間が減少するため、プローブ内の混合冷却域の形成が悪化し、短時間かつ均一な冷却が難しい。抽気ガスの冷却が不十分になると塩素分濃縮が低い粗粉と共にキルン側に戻る塩素分量が多くなり、塩素バイパスシステムによる塩素除去効率は低下する。
特許文献1~3では、何れもプローブを流れる抽気ガスに対して直角方向に低温ガスを吐出させて冷却を行っているが、抽気率を増強した際の低温ガスの吐出速度や運動量に関する運転指標は明記していない。
よって、本発明の目的は、抽気率を増強した場合にも抽気ガスを十分に冷却でき、所定の塩素除去効率を維持した運転を可能とする燃焼ガス抽気プローブ及びその運転方法を提供することにある。
本発明の燃焼ガス抽気プローブは、キルンからの燃焼ガスの一部を抽気するガス管と、
前記ガス管に穿設され、前記ガス管が抽気した抽気ガスの流れ方向に対して直角方向、かつ前記抽気ガスの流れの中心方向に低温ガスを各々吐出する複数の吐出口と、を備え、
前記吐出口は、前記抽気ガスの運動量に対する前記吐出口一口当たりの前記低温ガスの運動量の比が1.2~4.0を満たし、かつ前記抽気ガスの風速に対する前記低温ガスの風速の比を前記ガス管の内径で除した値(m-1)が1.5~3.5を満たすように、前記低温ガスを吐出する。
また、本発明の燃焼ガス抽気プローブの運転方法は、キルンからの燃焼ガスの一部を抽気するガス管と、
前記ガス管に穿設され、前記ガス管が抽気した抽気ガスの流れ方向に対して直角方向、かつ前記抽気ガスの流れの中心方向に低温ガスを各々吐出する複数の吐出口と、を備える燃焼ガス抽気プローブの運転方法であって、
前記抽気ガスの運動量に対する前記吐出口一口当たりの前記低温ガスの運動量の比が1.2~4.0を満たし、かつ前記抽気ガスの風速に対する前記低温ガスの風速の比を前記ガス管の内径で除した値(m-1)が1.5~3.5を満たす。
本発明によれば、抽気率が増加した場合にも抽気ガスを十分に冷却でき、所定の塩素除去効率を維持した運転を可能とする。
本発明に係る燃焼ガス抽気プローブを含む塩素バイパスシステムの一実施形態を表わす全体構成図 プローブを模式的に示す断面図 図2のIII-III断面図 解析2における吐出口の「横」の配置を示す断面図 解析2における吐出口の「下」の配置を示す断面図 解析2における吐出口の「Y」の配置を示す断面図 解析2における吐出口の「逆Y」の配置を示す断面図 冷風-抽気ガス運動量比とプローブの出口断面における温度偏差の関係を示すグラフ 冷風-抽気ガス運動量比と冷風-抽気ガス風速比/プローブ径の関係を示すグラフ
以下、本発明に係る燃焼ガス抽気プローブ及びその運転方法における一実施形態について、図1~図3を参照しながら説明する。なお、各図において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
図1は、本発明に係る燃焼ガス抽気プローブを含む塩素バイパスシステムの一実施形態を模式的に示す全体構成図である。塩素バイパスシステム100は、窯尻1aから最下段サイクロン(不図示)に至るまでのキルン排ガス流路から燃焼ガスG1の一部を抽気するプローブ2と、プローブ2に冷風C(低温ガスに相当)を供給する冷風ファン3と、その冷風ファン3の出力を調整するインバーター4と、抽気ガスG2と冷風Cが混合された混合ガスG3に含まれる粗紛A1を分離する分級機としてのサイクロン5と、サイクロン5から排出された微粉A2を含む混合ガスG4を冷却する冷却器6と、冷却器6から排出された排ガスG5から微粉A2を回収する集塵装置7と、集塵装置7の排ガスG6を誘引する排気ファン8と、排気ファン8の風速等を測定する計測器9(風速計・温度計等)と、を備える。
図2は、プローブ2を模式的に示す断面図である。プローブ2は、窯尻1aからキルン排ガス流路の一部として上方へ向かう立上がり部1bに突設されている。プローブ2の入口2aは、立上がり部1b内のキルン排ガス流路に開口する。プローブ2による抽気率は、5%以上であり、好ましくは10~15%である。なお、抽気率は、窯尻1aを単位時間に通過する燃焼ガスG1のガス風量(Nm3/単位時間)に対する、単位時間に抽気される抽気ガスG2のガス風量(Nm3/単位時間)の割合(比率)をいう。
また、抽気ガスG2の抽気量は、2,500Nm3/h以上が好ましく、10,000Nm3/h以上がより好ましい。
プローブ2は、円筒状の内管21(ガス管に相当)と、内管21を囲む円筒状の外管22と、内管21と外管22との間に形成された冷風通路23と、冷風ファン3からの冷風を冷風通路23に供給する供給口24とを備える。抽気ガスG2は、内管21内を矢印の方向に流れる。
プローブ2は、内管21に穿設され、冷風通路23に供給された冷風Cを抽気ガスG2に向かって吐出する複数の吐出口25を備える。吐出口25は、円状に形成されている。
図3は、図2のIII-III矢視図である。複数の吐出口25は、内管21の延伸方向において略同じ位置に配置され、好ましくは同じ位置に配置されている。言い換えると、複数の吐出口25は、内管21の延伸方向に対して垂直な面内に配置されていることが好ましい。複数の吐出口25は、内管21内の抽気ガスG2の流れ方向に対して直角方向に冷風Cを各々吐出する。ただし、複数の吐出口25は、後述するように、各吐出口25から吐出された冷風Cが互いに衝突して拡散することができれば、内管21の延伸方向において完全に同じ位置に配置される必要はない。
本実施形態においては、2つの吐出口25が、内管21の中心Oを通る鉛直線Pを対称軸として線対称の位置に設けられている。2つの吐出口25は、吐出口25の中心25cと内管21の中心Oとを結ぶ直線Lと、内管21の中心Oを通る水平線Hとのなす角度が15°となるように左右にそれぞれ配置されている。2つの吐出口25は、内管21の中心Oに向かって冷風Cを各々吐出する。言い換えると、2つの吐出口25は、内管21内の抽気ガスG2の流れの中心方向に冷風Cを各々吐出する。そのため、2つの吐出口25から各々吐出される冷風Cは、内管21の中心O付近で互いに衝突して拡散する。これにより、冷風Cと抽気ガスG2との十分な混合が可能となる。
一方、衝突後の冷風Cは、抽気ガスG2の流れ方向と逆方向、すなわち窯尻1aに向かう方向にも速度ベクトルを有する。窯尻1aに向かう冷風Cの風量が過大になると、窯尻1aへの冷風Cの逆流が生じ、熱ロスを生み出す要因となり得る。
塩素バイパスシステム100は、不図示の制御部を備える。制御部は、計測器9の計測値から算出される排気風量と、冷風ファン3から吐出させる冷風量とから抽気ガスG2の風量と運動量(モメンタム)をリアルタイムで把握することができると共に、インバーター4を制御して最適な出力の冷風ファン3の運転を常時できる。
なお、本明細書において、ガスの(単位時間当たりの)運動量は以下のように定義される。
ガスの運動量[kg・m/s2]=密度[kg/m3]×風速[m/s]×風量[m3/s]
制御部は、プローブ2の入口2aにおける抽気ガスG2の風速、風量、温度から算出される抽気ガスG2の運動量MGに対する、吐出口25一口当たりの冷風Cの風速、風量、温度から算出される冷風Cの運動量MCの比(MC/MG)が1.2~4.0の範囲となるように、かつ抽気ガスG2の風速VGに対する冷風Cの風速VCの比(VC/VG)をプローブ径Dで除した値[m-1]が1.5~3.5の範囲となるように、冷風ファン3の出力を調整する。これにより、抽気率が増加した場合にも抽気ガスG2を十分に冷却でき、所定の塩素除去効率を維持した運転を可能とする(詳しくは後述の実施例を参照)。
運動量の比(MC/MG)を下げ過ぎると、冷風Cの運動量MCが抽気ガスG2の運動量MGに対して小さいため、抽気ガスG2との十分な混合が得られにくくなる。そのため、運動量の比(MC/MG)は、1.2以上であり、好ましくは3.0以上である。
一方、運動量の比(MC/MG)を上げ過ぎると圧損が増加し、冷風ファン3の大型化も必要となる。また、運動量の比(MC/MG)の増加に伴う、プローブ2の出口断面2bにおける温度偏差(詳しくは後述する)の低減割合が縮小する一方で、プローブ2内を逆流して窯尻1aに到達する冷風量が増加する。そのため、運動量の比(MC/MG)は、4.0以下であり、好ましくは3.6以下である。
風速の比/プローブ径(VC/VG/D)を下げ過ぎると、冷風Cは衝突拡散する前に抽気ガスG2によってサイクロン5の方へと流され、十分な混合が得られにくくなる。。そのため、風速の比/プローブ径(VC/VG/D)は、1.5以上が好ましく、2.3以上がより好ましい。
風速の比/プローブ径(VC/VG/D)を上げ過ぎると、圧損が増加し、冷風ファン3の大型化も必要となる。また、プローブ2内を逆流して窯尻1aに到達する冷風量が増加する。。そのため、風速の比/プローブ径(VC/VG/D)は、3.5以下が好ましく、3.0以下がより好ましい。
冷風Cの風速VCは、25~180m/sが好ましく、50~150m/sがより好ましい。
なお、吐出口25の開口面積を変動させる不図示の可変ノズルを設け、冷風Cの風量を維持したまま風速VCのみを増加させることで運動量の比(MC/MG)を増加してもよい。
以下、本発明についてさらに詳細に説明するために具体的な実施例等を示すが、本発明はこれら実施例の態様に限定されるものではない。
本発明者らは、抽気ガスG2と冷風Cの混合状態のシミュレーション解析を通じ、抽気ガスG2の冷却効率改善に資する因子の探索を実施した。シミュレーション解析に用いたソフトウェアは、ANSYS社製のFluent 2020 R2である。塩素バイパスシステム100での抽気率は5~15%とした。また、冷風Cは20℃であり、プローブ2の出口断面2b(図2を参照)における平均温度が400℃となるように冷風Cを導入した。各条件では吐出口25の面積を調整することで、所定の風量を維持したまま冷風Cの速度を変化させている。
(解析1)
抽気率や冷風Cの風速(表1では「冷風速度」と表示)、プローブ径Dを変更したプローブ2内の温度分布を評価した。シミュレーション解析に用いたプローブ2の形状は、図2及び図3に示す形状である。また、解析条件を表1に示す。抽気率は5~15%、冷風速度は28~200m/sの範囲で実施した。なお、プローブ2のサイズは、冷風Cと抽気ガスG2の運動量の比(MC/MG)などから設定し、解析例1-1~3-2をAタイプ、解析例4-1~4-4をAタイプの1.5倍の断面積に拡大、解析例5-1~5-2をAタイプの0.5倍の断面積に縮小させて実施した。表1において、「冷風-抽気ガス運動量比」は、抽気ガスG2の運動量MGに対する、吐出口25一口当たりの冷風Cの運動量MCの比(MC/MG)を意味し、「冷風-抽気ガス風速比/プローブ径)」は、抽気ガスG2の風速VGに対する冷風Cの風速VCの比/プローブ径D(VC/VG/D)を意味する(後述の表2~表4についても同様)。
(解析2)
上記Aタイプのプローブ2において、吐出口25の配置や口数を変更した。解析条件を表2に、吐出口25の配置の様子を図4A~図4Dにそれぞれ示す。表2において、「横」は吐出口25が図4Aの配置であることを示し、「下」は吐出口25が図4Bの配置であることを示し、「Y」は吐出口25が図4Cの配置であることを示し、「逆Y」は吐出口25が図4Dの配置であることを示す(後述の表4についても同様)。
プローブ2の出口断面2bにおける平均温度を400℃となるように冷風Cを導入させ、抽気ガスG2の温度を塩素化合物の融点である600~700℃以下(特許第4294871号公報参照)に下げる観点から、ガス冷却の程度の判断は、プローブ2の出口断面2bにおける温度偏差が200℃以下の達成可否を評価基準とした。ここで、プローブ2の出口断面2bにおける温度偏差とは、出口断面2b内における平均温度からのバラツキである。
冷風Cの風速の増加によって窯尻1aへの冷風Cの混入(逆流)が懸念される。そこで冷風量に対する窯尻1aに到達した冷風量を定量化するため、プローブ2と窯尻1aの接合部(入口2a)での温度低下(窯尻1aの温度との差分)から算定し、導入した冷風Cの逆流率を算定した。この逆流率は吐出した冷風Cが衝突し拡散する力の指標の一つと見なすことができ、この値が高いとプローブ2内における冷風Cの混合力が強いことを示す。流体シミュレーションでは窯尻1aに到達した冷風Cはほぼ全量が再度プローブ2側へ流れる一方、その量が過大になると冷風Cが窯尻1aに吹き抜けて熱ロスを生み出す要因になりうる。そのため、逆流率は極力抑制することが望まれ、本解析では10%以下とする。
解析1におけるプローブ2の出口断面2bにおける温度偏差、および逆流率を表3に示す。表3において、「○」は、プローブ2の出口断面2bにおける温度偏差が200℃以下であり、かつ、逆流率が10%以下であることを示し、「×」は、プローブ2の出口断面2bにおける温度偏差が200℃を超えるか、また、逆流率が10%を超えることを示す。
冷風-抽気ガス運動量比の増加に伴い、温度偏差は低減し、抽気率15%の条件、プローブ径が異なる場合であっても温度偏差は低減する傾向となった。
解析1の冷風-抽気ガス運動量比とプローブ2の出口断面2bにおける温度偏差の関係を図5に示す。白抜き部は判定で「×」とした条件であり、塗りつぶし部は判定で「○」とした条件である(図6においても同様)。冷風-抽気ガス運動量比とプローブ2の出口断面2bにおける温度偏差との間には、抽気率、プローブ径Dの大小によらず相関が確認された。一方、冷風-抽気ガス運動量比のみで運転条件を規定することはできない。
そこで、本発明者らは、冷風-抽気ガス運動量比の他に冷風Cの衝突に関わる因子として、風速とプローブ径Dの因子を含む指標で判定を行った。結果を図6に示す。図6に示すように、冷風-抽気ガス運動量比が1.2~4.0、かつ冷風-抽気ガス風速比/プローブ径(m-1)が1.5~3.5の範囲であれば、抽気率、プローブ径Dに関わらずプローブ2の出口断面2bにおける温度偏差が200℃以下となった。よって、この指標を用いることで、異なる塩素バイパスシステムであっても簡易に塩素バイパスシステムの十分な冷却性能を達成できる。
解析2におけるプローブ2の出口断面2bにおける温度偏差を表4に示す。表4において、「○」は逆流率が10%以下であることを示し、「×」は逆流率が10%を超えることを示す。
吐出口25の配置に関わらず、冷風-抽気ガス運動量比が増加するに従い、プローブ2の出口断面2bにおける温度偏差は低減する傾向となった。そのため、吐出口25の配置によらず冷風-抽気ガス運動量比を制御することで所定の冷却性能を達成することができる。なお、吐出口25を「横」に配置した場合が、冷却性能が最も高い。すなわち、複数の吐出口25は、内管21の水平方向の両側に対向配置され、水平方向に冷風Cを吐出する一対の吐出口25を含むことが好ましい。これは、水平方向の両側に対向配置された一対の吐出口25から水平方向に吐出された冷風C同士を正面衝突させた場合、冷風Cが上下方向に偏流しにくく、冷却性能が高いものと考えられる。
以上のように、本実施形態に係るプローブ2は、キルン1からの燃焼ガスG1の一部を抽気する内管21と、内管21に穿設され、内管21が抽気した抽気ガスG2の流れ方向に対して直角方向、かつ抽気ガスG2の流れの中心方向に冷風Cを各々吐出する複数の吐出口25と、を備え、吐出口25は、抽気ガスG2の運動量MGに対する吐出口25一口当たりの冷風Cの運動量MCの比(MC/MG)が1.2~4.0を満たし、かつ抽気ガスG2の風速VGに対する冷風Cの風速VCの比(VC/VG)を内管21のプローブ径Dで除した値(m-1)が1.5~3.5を満たすように、冷風Cを吐出する。
この構成によれば、抽気率が増加した場合にも抽気ガスG2を十分に冷却でき、所定の塩素除去効率を維持した運転を可能とする。
また、本実施形態に係るプローブ2においては、複数の吐出口25は、内管21の水平方向の両側に対向配置され、水平方向に冷風Cを吐出する一対の吐出口25を含むことが好ましい。
この構成によれば、良好な冷却性能を達成することができる。
また、本実施形態に係るプローブ2においては、冷風Cの風速VCは、25~180m/sであることが好ましい。
この構成によれば、良好な冷却性能を達成することができる。
また、本実施形態に係るプローブ2においては、複数の吐出口25から各々吐出される冷風Cは、互いに衝突した後に抽気ガスG2の流れ方向と逆方向に速度ベクトルを有し、吐出される冷風Cに対する窯尻1aに逆流する冷風Cの比が10%以下となることが好ましい。
この構成によれば、逆流率を低く抑え、熱ロスを抑制することができる。
また、本実施形態に係るプローブ2の運転方法は、キルン1からの燃焼ガスG1の一部を抽気する内管21と、内管21に穿設され、内管21が抽気した抽気ガスG2の流れ方向に対して直角方向、かつ抽気ガスG2の流れの中心方向に冷風Cを各々吐出する複数の吐出口25と、を備えるプローブ2の運転方法であって、抽気ガスG2の運動量MGに対する吐出口25一口当たりの冷風Cの運動量MCの比(MC/MG)が1.2~4.0を満たし、かつ抽気ガスG2の風速VGに対する冷風Cの風速VCの比(VC/VG)を内管21のプローブ径Dで除した値(m-1)が1.5~3.5を満たす。
この構成によれば、抽気率が増加した場合にも抽気ガスG2を十分に冷却でき、所定の塩素除去効率を維持した運転を可能とする。
なお、燃焼ガス抽気プローブ及びその運転方法は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、燃焼ガス抽気プローブは、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記した複数の実施形態の各構成や各方法等を任意に採用して組み合わせてもよく、さらに、下記する各種の変形例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
上記実施形態に係るプローブ2においては、2つの吐出口25が内管21に穿設されている、という構成である。しかしながら、プローブ2は、かかる構成に限られない。例えば図4Aに示すように、3つ以上の吐出口25が内管21に穿設されているという構成でもよい。3つ以上の吐出口25を設ける場合、内管21の周方向に等間隔に配置されていることが好ましい。
1 :キルン
1a :窯尻
1b :立上がり部
2 :プローブ
2a :プローブの入口
2b :プローブの出口断面
3 :冷風ファン
4 :インバーター
5 :サイクロン
6 :冷却器
7 :集塵装置
8 :排気ファン
9 :計測器
21 :内管
22 :外管
23 :冷風通路
24 :供給口
25 :吐出口
25c :吐出口の中心
100 :塩素バイパスシステム
A1 :粗紛
A2 :微粉
C :冷風
D :プローブ径
G1 :燃焼ガス
G2 :抽気ガス
G3 :混合ガス
G4 :混合ガス
G5 :排ガス
G6 :排ガス
H :水平線
MC :冷風の運動量
MG :抽気ガスの運動量
O :内管の中心
VC :冷風の風速
VG :抽気ガスの風速

Claims (5)

  1. キルンからの燃焼ガスの一部を抽気するガス管と、
    前記ガス管に穿設され、前記ガス管が抽気した抽気ガスの流れ方向に対して直角方向、かつ前記抽気ガスの流れの中心方向に低温ガスを各々吐出する複数の吐出口と、を備え、
    前記吐出口は、前記抽気ガスの運動量に対する前記吐出口一口当たりの前記低温ガスの運動量の比が1.2~4.0を満たし、かつ前記抽気ガスの風速に対する前記低温ガスの風速の比を前記ガス管の内径で除した値(m-1)が1.5~3.5を満たすように、前記低温ガスを吐出することを特徴とする燃焼ガス抽気プローブ。
  2. 前記複数の吐出口は、前記ガス管の水平方向の両側に対向配置され、水平方向に前記低温ガスを吐出する一対の前記吐出口を含むことを特徴とする請求項1に記載の燃焼ガス抽気プローブ。
  3. 前記低温ガスの風速は、25~180m/sであることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼ガス抽気プローブ。
  4. 前記複数の吐出口から各々吐出される前記低温ガスは、互いに衝突した後に前記抽気ガスの流れ方向と逆方向に速度ベクトルを有し、
    吐出される前記低温ガスに対するの窯尻に逆流する前記低温ガスの比が10%以下となることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の燃焼ガス抽気プローブ。
  5. キルンからの燃焼ガスの一部を抽気するガス管と、
    前記ガス管に穿設され、前記ガス管が抽気した抽気ガスの流れ方向に対して直角方向、かつ前記抽気ガスの流れの中心方向に低温ガスを各々吐出する複数の吐出口と、を備える燃焼ガス抽気プローブの運転方法であって、
    前記抽気ガスの運動量に対する前記吐出口一口当たりの前記低温ガスの運動量の比が1.2~4.0を満たし、かつ前記抽気ガスの風速に対する前記低温ガスの風速の比を前記ガス管の内径で除した値(m-1)が1.5~3.5を満たすことを特徴とする燃焼ガス抽気プローブの運転方法。
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