JP2023131583A - レーザアニール装置およびレーザアニール方法 - Google Patents

レーザアニール装置およびレーザアニール方法 Download PDF

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順 後藤
Jun Goto
卓哉 澤井
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Abstract

【課題】結晶の剥がれやガラス基板へのクラックなどの損傷が発生しない、良質で面内均一性が高い、帯状の結晶化領域や略全面アニールした結晶化領域の形成を可能にするレーザアニール装置を提供すること。【解決手段】連続発振レーザ光からなり被照射面に対して長方形のビームスポットを有するレーザビームを出射する複数のビーム出射部を備え、前記レーザビームを、基板の上に成膜された非晶質シリコン膜に対して、スキャン方向に沿って相対的にスキャンして前記非晶質シリコン膜の帯状の改質予定領域を結晶化するレーザアニール装置であって、前記ビームスポットの長辺が、前記スキャン方向に対して直交する方向と平行であり、前記ビームスポットの長辺の長さが、前記レーザビームの照射による加熱に伴って発生する前記基板に固有の内部応力により前記基板を破損させる長さよりも短く設定されている。【選択図】図4

Description

本発明は、レーザアニール装置およびレーザアニール方法に関する。
基板上の非晶質シリコン膜に対して、線状に延びる疑似単結晶シリコン膜(結晶化領域)をストライプ状に形成することができるレーザアニール装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この疑似単結晶シリコン膜は、長手方向に沿って列をなす薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)を形成するための半導体膜として利用される。
このレーザアニール装置は、複数の光ファイバの出射側端部が配置された光学ヘッドを有する。光ファイバの出射側端部のコア形状は円形状であり、光学ヘッドの光出射面において所定の直線に沿って所定間隔を隔てて列をなすように配置されている。通常、このレーザアニール装置では、上記光出射面における所定の直線がスキャン方向に対して直交するように光学ヘッドを配置し、非晶質シリコン膜に対して相対的にスキャンしながら結晶化レーザアニールを行う。加えて、このレーザアニール装置では、光学ヘッドを非晶質シリコン膜に対向させた状態で、スキャン方向と直交する方向に対して任意の角度をなすように回転移動させることにより、作製される線状の結晶化領域同士の間隔を調整することが可能である。
近年は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Electroluminescence Display)などの薄型ディスプレイ(FPD:Flat Panel Display)において、TFTの数の増加や、集積化が進んでいる。これに伴い、TFT基板に対して幅の広い帯状の結晶化領域や、略全面アニールした結晶化領域の形成が必要になっている。このような幅の広い結晶化領域をレーザアニールにより形成する場合、この領域に作製されるTFTの素子特性を均一化するために、結晶化領域の膜質の面内均一性が特に重要となる。このため、結晶化領域に照射されるレーザビームの照射条件(照射時間、ビーム照射量など)は、スキャン方向に対して直交する方向(結晶化領域の幅方向)のどの位置においても同じ照射条件であることが望ましい。したがって、レーザアニール装置から出射されるレーザビームのビームスポットの形状はスキャン方向に対して直交する方向に沿ったどの位置においてもビーム幅(スキャン方向の長さ)が一定な長方形であることが好ましい。
国際公開第2021/039920号
しかしながら、ビームスポットにおけるスキャン方向に対して直交する方向の長さ(長方形の長辺の長さ)が長くなると、アニールによる発熱に起因する基板内の引っ張り応力によりガラス基板に曲がりが発生する。そのため、結晶の剥がれやガラス基板にクラックが発生するという問題が生じる。処理効率の観点からは、ビームスポットにおけるスキャン方向に対して直交する方向の長さを長くすることが好ましい。この現象は、ビームスポットがスキャン方向に対して直交する方向に長くなり過ぎると、アニールによって発熱された領域から熱放散する効率が低下して、基板内に内部応力が蓄積するためであると推測される。近年では、ディスプレイの大型化や薄型化がさらに進んでおり、結晶化領域の幅、面積が大きくなるにつれてガラス基板が損傷され割れ易くなるという問題が危惧されている。因みに、近年の大型液晶ディスプレイ(60インチ)の場合でも、標準的なガラス基板の厚さは2.8mm程度でしかない。薄いガラス基板ほど機械的に壊れ易くなる。また、電子移動度の高い疑似単結晶シリコン膜の製作においては、ガラス基板の損傷を防止するためにアニール温度を下げることは、膜質の低下を招き、疑似単結晶成長自体をも困難にする。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、結晶の剥がれやガラス基板へのクラックなどの損傷が発生しない、良質で面内均一性が高い、帯状の結晶化領域や略全面アニールした結晶化領域の形成を可能にするレーザアニール装置およびレーザアニール方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の態様は、連続発振レーザ光からなり被照射面に対して方形のビームスポットを有するレーザビームを出射する複数のビーム出射部を備え、前記レーザビームを、基板の上に成膜された非晶質シリコン膜に対して、スキャン方向に沿って相対的にスキャンして前記非晶質シリコン膜の帯状の改質予定領域を結晶化するレーザアニール装置であって、前記ビームスポットの一辺が、前記スキャン方向に対して直交する方向と平行であり、前記ビームスポットの前記一辺の長さが、前記レーザビームの照射による加熱に伴って発生する前記基板に固有の内部応力により前記基板を破損させる長さよりも短く設定されていることを特徴とする。
上記態様としては、前記非晶質シリコン膜の表面において、それぞれの前記ビーム出射部から出射された前記レーザビームの前記ビームスポットは、前記基板の基板面内において、前記スキャン方向に対して直交する方向から見ると、前記スキャン方向に対して直交する方向に沿って互いに隣接する前記ビームスポット同士が、前記スキャン方向に沿って、前記レーザビームの照射により加熱された前記改質予定領域の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する距離よりも長い距離を隔てて互いに配置されていることが好ましい。
上記態様としては、前記レーザビームの照射により加熱された前記改質予定領域の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する距離は、前記基板の厚み、前記非晶質シリコン膜の厚み、前記非晶質シリコン膜およびその下層の材料膜の熱拡散能力、前記レーザビームの照射量、および前記レーザビームの相対スキャン速度に基づいて算出されることが好ましい。
上記態様としては、前記複数のレーザビームは、選択的に点灯可能であることが好ましい。
上記態様としては、前記ビーム出射部から出射するレーザビームの強度変調が可能であることが好ましい。
上記態様としては、前記ビーム出射部は、光ファイバの一端部であり、前記光ファイバの他端部は、連続発振レーザ光を出射する光源に接続され、前記ビーム出射部の端面の形状で前記ビームスポットの形状が設定されていることが好ましい。
本発明の他の態様は、連続発振レーザ光からなり被照射面に対して方形のビームスポットを有するレーザビームを、出射する複数のビーム出射部を備え、前記レーザビームを、基板の上に成膜された非晶質シリコン膜に対して、スキャン方向に沿って相対的にスキャンして前記非晶質シリコン膜の帯状の改質予定領域を結晶化するレーザアニール装置であって、前記ビームスポットの一辺が前記スキャン方向に対して直交する方向と平行であり、前記スキャン方向から見ると、前記複数のビーム出射部から出射されたレーザビームの前記ビームスポットは、前記改質予定領域の全幅に亘って連続するように配置され、前記基板の基板面内において、前記スキャン方向に対して直交する方向に沿って互いに隣接する前記ビームスポット同士は、前記スキャン方向に対して直交する前記方向から見ると、前記スキャン方向に沿って離隔されていることを特徴とする。
上記態様としては、前記ビームスポットの前記一辺の長さが、前記レーザビームの照射による加熱に伴って発生する前記基板に固有の内部応力により前記基板を破損させる長さよりも短く設定され、前記スキャン方向に対して直交する前記方向に沿って互いに隣接する前記ビームスポット同士は、前記スキャン方向に沿って、前記レーザビームの照射により加熱された前記改質予定領域の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する距離よりも長い距離を隔てて互いに配置されていることが好ましい。
上記態様としては、前記レーザビームの照射により加熱された前記改質予定領域の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する前記距離は、前記基板の厚み、前記非晶質シリコン膜の厚み、前記非晶質シリコン膜およびその下層の材料膜の熱拡散能力、前記レーザビームの照射量、および前記レーザビームの相対スキャン速度に基づいて算出されることが好ましい。
上記態様としては、前記複数のレーザビームは、選択的に点灯可能であることが好ましい。
上記態様としては、前記ビーム出射部から出射するレーザビームの強度変調が可能であることが好ましい。
上記態様としては、前記ビーム出射部は、光ファイバの一端部であり、前記光ファイバの他端部は、連続発振レーザ光を出射する光源に接続され、前記ビーム出射部の端面の形状で前記ビームスポットの形状が設定されていることが好ましい。
本発明の他の態様は、複数のビーム出射部から、連続発振レーザ光からなり基板の上に成膜された非晶質シリコン膜の被照射面に対して方形のビームスポットを有する複数のレーザビームを照射し、この状態で、前記複数のレーザビームを前記基板に対してスキャン方向に沿って相対的にスキャンして前記非晶質シリコン膜の帯状の改質予定領域を結晶化させるレーザアニール方法であって、
前記基板に対して予備試験を行い、前記ビームスポット同士の距離を、レーザ加熱による熱応力割れが発生しない距離になるように、前記複数のビーム出射部同士の距離を調整、設定する工程と、その後、前記複数のレーザビームを前記基板に対して相対的にスキャンしてレーザアニールを行う工程と、を備えることを特徴とする。
上記態様としては、前記予備試験は、試験用の前記基板を用いて熱応力試験を行うことが好ましい。
上記態様としては、前記予備試験は、シミュレーションを行うことが好ましい。
本発明に係るレーザアニール装置およびレーザアニール方法によれば、結晶の剥がれやガラス基板を損傷させることなく、膜質の均一性が高い、帯状の結晶化領域や略全面アニールした結晶化領域の形成を可能にする。
図1は、本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置の概略を示す構成図である。 図2は、本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置のファイバアレイの説明図である。 図3は、非晶質シリコン膜に対してレーザビームをスキャンしている状態を示す断面説明図である。 図4は、本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置におけるビームスポットの配置関係を光ファイバのコアの配置に基づいて説明する平面説明図である。 図5は、レーザアニール装置におけるビームスポットの長辺の長さと基板裏面の曲げ応力との関係を示す説明図である。 図6は、被処理膜におけるレーザアニール装置のビーム中心からのスキャン方向距離と温度との関係を示す図である。 図7は、レーザビームのビーム中心からのスキャン方向の距離と温度との関係を表し、レーザビームの移動に伴う非晶質シリコン膜表面の定常温度分布を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置を用いて複数の線状の結晶化領域をストライプ状に形成する実施例1を示す説明図である。 図9は、本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置を用いて複数の帯状の結晶化領域をストライプ状に形成する実施例2を示す説明図である。 図10は、本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置を用いて略全面アニールした結晶化領域を形成する実施例3を示す説明図である。 図11は、本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置のビームスポットの配置関係を示す変形例を光ファイバのコアの配置に基づいて説明する平面説明図である。
以下に、本発明の実施の形態に係るレーザアニール装置の詳細を図面に基づいて説明する。但し、図面は模式的なものであり、各部材の数、各部材の寸法、寸法の比率、形状などは現実のものと異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率や形状が異なる部分が含まれている。
(レーザアニール装置の概略構成)
図1に示すように、本実施の形態に係るレーザアニール装置1は、光源ユニット2と、光学ヘッド3と、被処理基板10を載せるステージ20と、被処理基板10を所定のスキャン方向に沿って移動させる図示しない基板搬送手段と、を備えて概略構成されている。
光源ユニット2は、光源として例えば24個の半導体レーザLDを備える。図1においては、4個の半導体レーザLD1a~LD1dだけを示している。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、半導体レーザLDの数を24個としたが、本発明はこれに限定されるものではなく適宜変更可能である。
これらの半導体レーザLDは、連続発振レーザ光(CWレーザ光)を発振する。ここで、連続発振レーザ光とは、目的領域に対して連続してレーザ光を照射する所謂疑似連続発振も含む概念である。つまり、レーザ光がパルスレーザであっても、パルス間隔が加熱後のシリコン薄膜(非晶質シリコン膜)の冷却時間よりも短い(固まる前に次のパルスで照射する)疑似連続発振レーザであってもよい。なお、本実施の形態では、半導体レーザLDとして波長が445nm~455nmのものを用いている。
光源としては、半導体レーザLDの他に、固体レーザ、液体レーザ、気体レーザなどの各種のレーザを用いることが可能である。
光源ユニット2は、上記の複数の半導体レーザLDと、これら半導体レーザLDの光出射側にそれぞれに対応する位置に配置された複数のカップリングレンズ21と、図示しないドライブ回路などを備えている。
ドライブ回路は、複数の半導体レーザLDのそれぞれに接続されており、それぞれの半導体レーザLDを駆動する。本実施の形態において、これら半導体レーザLDは、選択的に点灯可能に設定されている。さらに、ドライブ回路は、これら半導体レーザLDから出射するレーザビームを強度変調させる駆動が可能に設定されている。
光学ヘッド3は、ファイバアレイ31と、結像光学系32と、を備える。図1および図2に示すように、ファイバアレイ31は、導波路としての光ファイバ41~44、51~54、61~64、71~74、81~84、91~94の一端部が図2に示す配置関係となるように接続されている。
これら光ファイバ41~94から出射されるレーザビームLBのビームスポット同士の配置関係は、後述する。また、光ファイバ41~94の他端部は、上記したカップリングレンズ21の光出射側に対応する位置に接続されている。本実施の形態では、光ファイバ41~94としては、マルチモードファイバを適用している。
図1に示すように、結像光学系32は、少なくとも入射側の第1レンズ33と、出射側の第2レンズ34と、を備えている。本実施の形態では、結像光学系32としては、ファイバアレイ31側から入射したレーザ光を被処理基板10の被照射面へ等倍投影する構成とした。
図3に示すように、被処理基板10は、ガラス基板11を本体とする。このガラス基板11の上には、例えばシリコン窒化膜(Si)、シリコン酸化膜(SiO)などからなる絶縁膜12、非晶質シリコンからなる被処理膜13が、成膜されて構成されている。
図示しない基板搬送手段は、レーザアニール処理を施す被処理基板10をスキャン方向へ任意の速度で搬送する機構を備える。したがって、光学ヘッド3の位置を固定した状態で被処理基板10側をスキャン方向と逆の方向へ搬送することによって、被処理基板10に対してレーザビームLBを相対的にスキャンするようになっている。
(本実施の形態の光ファイバの配置関係)
上述したように、本実施の形態では、結像光学系32を、ファイバアレイ31側から入射したレーザ光を被処理基板10の被照射面へ等倍投影する構成である。このため、ファイバアレイ31の光出射面における光ファイバ41~94の一端部同士の配置関係は、光ファイバ41~94の一端部から出射されたレーザビームLBが被照射面に投影されるビームスポット同士の配置関係と同じに設定されている。
そこで、本実施の形態においては、説明の便宜上、ビームスポットの配置関係として、レーザビームの出射面である、光ファイバ41~94の一端部の配置関係を用いて説明する。
図2は、ファイバアレイ31を上から見下ろしたときの光ファイバ41~94の一端部(光出射面)の配置位置を表した説明図である。すなわち、図2は、ファイバアレイ31を下方に位置する被処理基板10側へ投影した説明図である。それぞれの光ファイバ41~94は、中心を通るコアと、その周囲を覆うクラッドとでなる。
図1に示す一部の光ファイバ41~44について説明すれば、図2に示すように、これら光ファイバ41~44は、コア41a,42a,43a,44aと、その周囲を覆うクラッド41b,42b,43b,44bと、を有する。他の光ファイバ51~54、61~64、71~74、81~84、91~94においても、同様にコアとクラッドとを有する構成であり、図面に符号を付して説明は省略する。
光ファイバ41~44、51~54、61~64、71~74、81~84、91~94のそれぞれのコアの少なくとも一端部は長方形角柱形状である。図2に示すように、それぞれのコアの一端面(ビーム出射部)は、同一の大きさの長方形に形成されている。このコアの一端面は、長方形の長辺(一辺)がスキャン方向(Y)に対して直交する方向(X)と平行になるように配置されている。なお、本実施の形態では、コアの一端面が長方形であるが、長方形に限定されるものではなく、正方形も含めた方形であればよい。すなわち、本実施の形態のように、コアの一端面がスキャン方向に対して直交する方向に長い長方形としたが、スキャン方向に長い長方形であってもよい。
図4は、光ファイバ44,54,64のコア44a,54a,64aを被処理基板10側に投影した配置を説明する図である。図4に示すように、それぞれのコア44a,54a,64aの一端面(ビーム出射部)の長辺の長さ(L)は、後述するシミュレーションにより得られた長さよりも短く設定されている。この長さ(L)は、レーザビームの照射による加熱に伴って発生する被処理基板10に固有の内部応力によりガラス基板11を破損させる長さ、よりも短く設定されている。本実施の形態においてこの長辺の長さ(L)は、1mm以下、好ましくは0.5mm以下である。
因みに、本実施の形態においては、レーザビームのビームスポットサイズは、長辺が100μm(0.1mm)、短辺が20μm(0.02mm)の長方形に設定している。また、レーザビームのパワー密度は、170kW/cmに設定している。
図5は、上記条件の長方形のビームスポットをベースにして長辺の長さ(L)を変えた場合のアニール時の発生応力(基板裏面の曲げ応力)をシミュレーションして得られた結果である。このシミュレーションは、有限要素法を用いた熱応力解析により行った。図5から分かるように長辺の長さ(L)が2mmを超えると、基板裏面の曲げ応力が55[MPa]程度となる。因みに、このとき、被処理基板10の表面とビームスポットの端部に発生する応力が100MPaを超え、ガラス基板11が割れる状態となる。この長辺の長さ(L)が1mm以下では、基板裏面の曲げ応力が30[MPa]以下に抑制される。さらに、長辺の長さ(L)が、0.5mm以下になると、基板裏面の曲げ応力は非常に低いレベルまで抑制できる。
図2に示すように、ファイバアレイ31は、6つの支持ブロック40,50,60,70,80,90を組み合わせて構成されている。例えば、支持ブロック40には、光ファイバ41,42,43,44が等間隔に配置されている。他の支持ブロック50,60,70,80,90においても同様に光ファイバが等間隔に配置されている。
また、それぞれの支持ブロック40,50,60,70,80,90では、光ファイバの配置位置を長手方向(X方向)に沿って、順次、1つのコアの長辺の長さ(L)分ずつ配置位置がずれるように設定されている。したがって、図2に示すように、6つの支持ブロック40,50,60,70,80,90を重ね合わせてファイバアレイ31を構成した状態で、Y方向からみたときに、コア41a,51a,61a,71a,81a,91aがX方向に沿って順次互いに隣接するように配置されている。
同様に、コア42a,52a,62a,72a,82a,92aは、Y方向から見たときに、X方向に沿って順次互いに隣接するように配置されている。ここで、コア94aとコア43aは、Y方向から見たときに、X方向に沿って互いに隣接する位置に配置されている。
コア43a,53a,63a,73a,83a,93aは、Y方向から見たときに、X方向に沿って順次互いに隣接するように配置されている。ここで、コア93aとコア42aは、Y方向から見たときに、X方向に沿って互いに隣接する位置に配置されている。
コア44a,54a,64a,74a,84a,94aは、Y方向から見たときに、X方向に沿って順次互いに隣接するように配置されている。ここで、コア92aとコア41aは、Y方向から見たときに、X方向に沿って互いに隣接する位置に配置されている。上述のように、本実施の形態では、ビームスポットが、スキャン方向から見ると、連続するように配置されている。また、スキャン方向に対して直交する方向から見ると、スキャン方向に対して直交方向に互いに隣接するビームスポット同士が所定の距離(Dy)を隔てて配置されている。
図6は、スキャン速度が異なる複数のケースをシミュレーションしたものであり、レーザビームLBの移動によるシリコン膜表面の定常温度分布を示す。図6において、レーザビームLBのスキャン方向は、x軸方向の(+)方向である。スキャン速度は、100~500[mm/s](ピッチ100mm/s)とした。最高温度(ピーク温度)は、ビーム中心[0]から後方に移行している。このようなシミュレーションの結果から、例えば、図6に示すように、スキャン速度が400mm/sの場合、図4に示した距離(Dy)を0.05mm(50μm)以上、スキャン速度が300mm/sの場合、距離(Dy)を0.08mm(80μm)とすればよいことが分かる。
図7は、アニール後、すなわちレーザビームLBのスキャン後の膜温度変化のシミュレーション結果の一例を示す図であり、図6のv=200mm/sの曲線を、横軸(ビーム中心からの距離)のスケールを変えてプロットした図である。レーザアニール時の膜温度は一旦、シリコンの融点1410℃を超える。条件によっては、2000℃を超えることもある。レーザビームLBが通過後、ビームスポットからの距離が離れるに従って温度が低下する。なお、上記シミュレーションにおいては、基板の厚み、非晶質シリコン膜の厚み、非晶質シリコン膜およびその下層の材料膜の熱拡散能力、レーザビームの照射量、およびレーザビームの相対スキャン速度などに基づいて算出される。
図7に示すように、ビーム中心からのスキャン方向距離が6mm離れると基板温度(膜温度)は200℃以下となる。また、13mm離れると、150℃以下となる。このため、図2および図4に示す配置関係において、全面アニールする場合、スキャンで先行するレーザビームで加熱された改質予定領域の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する距離より長い距離(Dy)だけ離すことにより改質予定領域を均一にアニールすることができる。
スキャン方向に対して直交する方向Xに沿って隣接するビームスポット同士では、スキャンで先行するビームスポットで加熱された位置近傍に後続のビームスポットが達したときに、膜温度は十分に低下していることが望ましい。図7に示すように、膜温度200℃以下、さらには150℃以下とすることが望ましい。したがって、図7のシミュレーション結果から、距離Dyは、7mm以上、さらに好ましくは13mm以上とすることが望ましい。
上述のレーザビームLBの照射により加熱された改質予定領域の非晶質シリコン13aの温度が、シリコンが結晶化する温度(約1406℃)以下まで低下するスキャン時間に相当する距離Dyは、被処理基板10の厚み、非晶質シリコン13aの厚み、非晶質シリコン13aおよびその下層の材料膜の熱拡散能力、レーザビームの照射量、およびレーザビームLBの相対スキャン速度に基づいて算出することができる。
また、膜温度としては、1400℃から1600℃の間で良好な結晶が得られるが、凡そ1600℃を超えると、膜アブレーションが発生するため、1400℃から1600℃の間の範囲で温度制御することが好ましい。
上記距離Dyの距離を例えば5mm以上の距離とすることができない場合は、先行のビームスポットによる温度上昇を考慮して、後続のビームスポットを低い照射エネルギーに強度変調させておいてもよい。上記の実施の形態では、全ての半導体レーザLDに対して同一パワーを投入して駆動した。しかし、図2および図4に示す配置において、半導体レーザLDの投入パワーを独立に制御できるように設定し、それぞれの半導体レーザLDの投入パワーを膜温度が一定になる条件に電流制御してもよい。
上記実施の形態においては、レーザビームLBが被処理膜13に対して、相対的にスキャンされるスキャン速度は、200mm~500mm/秒であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
なお、本実施の形態では、図2に示したように、6つの支持ブロック40,50,60,70,80,90のそれぞれに4つのコアを有する構成としたが、それぞれ1つのコアを有する構成としてもよいし、支持ブロックやコアの数は、上記実施の形態の数に限定されるものではない。
(本発明のビームスポットの基板上での配置関係)
本実施の形態も含めた本発明における本来のビームスポットの被照射面(被処理面)における配置条件は、以下の通りである。
すなわち、本発明に係るビームスポットの配置関係としては、以下に列挙する(1)~(5)の条件を満足するものであればよい。
(1)ビームスポットが方形である。
(2)そのビームスポットの方形の一辺がスキャン方向(Y方向)に対して直交する方向(X方向)と平行である。
(3)ビームスポットの長方形の上記一辺の長さ(L)が、レーザビームLBの照射による加熱に伴って発生する被処理基板10に固有の内部応力によりガラス基板11を破損させる長さよりも短く設定されている。
(4)被処理膜13の表面において、それぞれのビームスポットは、スキャン方向(Y方向)から見ると、連続するように配置されている。
(5)スキャン方向(Y方向)に対して直交する方向(X方向)から見ると、スキャン方向(Y)に対して直交する方向(X)に沿って互いに隣接する前記ビームスポット同士が、レーザビームLBの照射により加熱された被処理膜13の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する距離よりも長い距離Dy(図4参照)を隔てて互いに配置されている。
(本実施の形態に係るレーザアニール装置の動作および作用)
先ず、ステージ20の上に被処理基板10を配置し、被処理基板10のアニール開始位置に光学ヘッド3を位置合わせする。
このとき、改質予定領域に応じて光学ヘッドにおいて点灯させるビーム出射部(本実施の形態ではコア)を設定しておく。なお、ここでは、スキャン方向から見て、互いに隣接する複数のビーム出射部を点灯して、被処理膜13を帯状に結晶化させる場合について述べる。
次に、図示しない搬送手段により被処理基板10をスキャンさせる方向に所定の速度で移動を開始し、同時に光学ヘッドからのレーザビームLBの照射も開始する。図3に示すように、レーザビームLBが被処理基板10に対して相対的にスキャンされ、長方形状のビームスポットで照射された被処理膜13を形成する非晶質シリコン13aは、溶融シリコン13mに溶融し、所定の時間の経過後に帯状の疑似単結晶シリコン13pが結晶化される。
このようなレーザビームLBのスキャンにより、被処理膜13の改質予定領域の結晶化が終了する。
本実施の形態では、長方形状のビームスポットの長辺が、スキャン方向に対して直交する方向と平行であり、この長辺の長さ(L)が、レーザビームLBの照射による加熱に伴って発生する被処理基板10に固有の内部応力によりガラス基板11を破損させる長さよりも短く設定されているため、レーザアニールに伴うガラス基板11の破損の発生や結晶の剥がれなどを抑制できる。
また、本実施の形態では、ビームスポットが、スキャン方向から見ると、連続するように配置されている。また、スキャン方向に対して直交する方向から見ると、スキャン方向に対して直交方向に互いに隣接するビームスポット同士が所定の距離(Dy)を隔てて配置されている。この距離(Dy)は、レーザビームの照射により加熱された改質予定領域(被処理膜13)の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する距離よりも長い距離である。
このため、スキャン方向から見たときに、互いに隣接するビームスポット同士のうち、被処理膜13において、先行してスキャンされたビームスポットが照射された領域が、後続してスキャンされるビームスポットの近傍に移動したときに、先行して照射された領域の膜温度を十分に下げておくことができる。したがって、後続のスキャンに伴って過度の温度上昇が生じないようにすることができ、ガラス基板11が損傷されることや結晶の剥がれが発生することを抑制できる。
なお、本実施の形態では、レーザビームの照射により加熱された改質予定領域の温度(膜温度)がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する距離を、被処理基板10の厚み、非晶質シリコン膜(被処理膜13)の厚み、非晶質シリコン膜およびその下層の材料膜の熱拡散能力、レーザビームLBの照射量、および前記レーザビームLBの相対スキャン速度に基づいて算出されるため、容易に求めることができる。
(本実施の形態に係るレーザアニール方法)
本実施の形態に係るレーザアニール方法では、複数のビーム出射部から、連続発振レーザ光からなる方形のビームスポットを有する複数のレーザビームLBを照射し、この状態で、複数のレーザビームLBを被処理基板10に対してスキャン方向に沿って相対的にスキャンして非晶質シリコン膜(被処理膜)13の帯状の改質予定領域を結晶化させるレーザアニール方法である。
先ず、被処理基板10に対して予備試験を行い、ビームスポット同士の距離を、レーザ加熱による熱応力割れが発生しない距離になるように、複数のビーム出射部同士の距離を調整、設定する。その後、複数のレーザビームLBを被処理基板10に対して相対的にスキャンしてレーザアニールを行う。具体的には、ビームスポットの長辺(一辺)がスキャン方向に対して直交する方向と平行になるように設定する。そして、スキャン方向から見て、複数のビーム出射部から出射されたレーザビームLBのビームスポットを、被処理膜13における改質予定領域の全幅に亘って連続するように配置している。ガラス基板11の基板面内において、スキャン方向に対して直交する方向に沿って互いに隣接するビームスポット同士を、スキャン方向から見て、スキャン方向に沿って、上記予備試験で得られた距離だけ離隔するように配置させる。
このレーザアニール方法においては、ビームスポットの長辺(一辺)の長さが、レーザビームの照射による加熱に伴って発生するガラス基板11に固有の内部応力によりガラス基板11を破損させる長さよりも短く設定する。
また、このレーザアニール方法では、スキャン方向に対して直交する方向に沿って互いに隣接するビームスポット同士は、スキャン方向に沿って、レーザビームの照射により加熱された改質予定領域の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する距離よりも長い距離だけ距離を隔てるように配置する。なお、予備試験としては、試験用の基板を用いて熱応力試験を行うか、または、シミュレーションを行う。
(実施例1)
図8は、本実施の形態に係るレーザアニール装置を用いて線状の疑似単結晶シリコン13pをストライプ状に作製する実施例1を示す平面説明図である。この実施例1は、ファイバアレイ31において点灯するコアとして、ストライプ状に形成する線状の疑似単結晶シリコン13p同士の間隔を隔てた位置に相当するコア44a,53a,62a,71aを選択した実施例である。実施例1によれば、スキャン方向に沿って細長い疑似単結晶シリコン13pの領域を形成することができる。
(実施例2)
図9は、本実施の形態に係るレーザアニール装置を用いて広い幅を有する帯状の疑似単結晶シリコン13pをストライプ状に作製する実施例2を示す平面説明図である。この実施例2は、ファイバアレイ31において点灯するコアとして、スキャン方向(Y方向)から見て互いに連続する複数のコア44a,54a,64a,74a,84a,94aを選択した実施例である。実施例2によれば、スキャン方向に沿って幅の広い疑似単結晶シリコン13pの領域を形成することができる。なお、このようにコア44a,54a,64a,74a,84a,94aが選択されたファイバアレイ31をX方向に移動させて再度スキャンを行うことにより、幅の広い疑似単結晶シリコン13pの領域をストライプ状に形成することができる。
この実施例2では、それぞれのコアからのレーザビームLBの照射により線状の疑似単結晶シリコン13pの領域が互いに融合して均一な膜質の結晶化領域を形成できる。
(実施例3)
図10は、本実施の形態に係るレーザアニール装置を用いてさらに広い領域に疑似単結晶シリコン13pの領域を作製する略全面アニールする場合の実施例3を示す平面説明図である。この実施例3は、ファイバアレイ31において全てのコアを点灯して用いる。実施例3によれば、効率よく略全面アニールすることができる。
この実施例3では、全部のコアからのレーザビームLBの照射により多くの隣接する線状の疑似単結晶シリコン13pの領域が互いに融合して略全面アニールされた均一な膜質の結晶化領域を形成できる。
上記の本実施の形態および実施例1から実施例3によれば、結晶の剥がれやガラス基板11へのクラックなどの損傷が発生しない、良質で面内均一性が高い、線状の結晶化領域、帯状の結晶化領域、および略全面アニールした面積の広い結晶化領域の形成が可能になる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、実施の形態の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
上記の実施の形態では、結像光学系32として、光学ヘッド3側から入射したレーザ光を同じ大きさで被処理基板10の被処理面へ投影する等倍投影としたが、これに限定されるものではない。
上記の実施の形態では、レーザアニール処理を施す被処理基板10をスキャン方向へ任意の速度で搬送する基板搬送手段を用いたが、被処理基板10側を位置固定した状態で、光学ヘッド3側をスキャン方向に沿って移動させるガントリステージを備えた構成としてもよい。
上記の実施の形態では、光ファイバ41~94の一端部のコア41a~94aの配置関係について説明したが、結像光学系32が等倍投影を行わない構成の場合は、ビームスポットの形状および配置関係が、上記した(1)~(5)に記載したビームスポットの基板上での配置関係を満足すればよい。
また、本発明おいては、本来のビームスポットの配置関係として、図2および図4に示すような配置に限定されるものではなく、例えば、図11に示すような変形例としてもよい。この変形例では、X方向にコア54aを挟んで離れて配置されるコア44aとコア64aがY方向で同じ位置に配置されている。
この変形例においても、スキャン方向から見たときに、スキャン方向に対して直交する方向(X方向)に沿って並ぶビームスポット(図11においてコア44a,54a,64aを示す)同士が互いに隣接する。
そして、スキャン方向(Y方向)に対して直交する方向(X方向)から見ると、スキャン方向(Y)に対して直交する方向(X)に沿って互いに隣接するビームスポット同士(図11においてコア44aとコア54a、コア54aとコア64a)が、所定の距離(Dy)を隔てて互いに配置されている。
この距離(Dy)は、レーザビームLBの照射により加熱された被処理膜13の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する距離よりも長い距離である。
上記した実施の形態では、全てのビーム出射部(コア)の形状を同一に設定したが、上記したビームスポットの基板上での配置関係を満足すれば、互いに長辺の長さ(L)が異なるように設定してもよい。
上記した実施の形態では、光ファイバ41~44、51~54、61~64、71~74、81~84、91~94のそれぞれのコアの少なくとも一端部を長方形角柱形状に設定して、この一端面をビーム出射部としたが、ビーム出射部の構成はこれに限定されるものではない。例えば、複数の半導体レーザLDからレーザビームを発生させ、このレーザビームLBを集光レンズおよびレンチキュラーレンズを用いて長方形のビームスポットに形成して、光ファイバを介さずに直接、非晶質シリコン膜に照射、スキャンするようにしてもよい。この場合も、上記実施の形態と同様に、複数のビームスポットの配置条件を設定すればよい。
上記実施の形態では、複数の光源を用いたが、単一もしくは複数の光源を用いて幅の広いレーザビームLBを発生させ、この幅の広いレーザビームLBを複数のレーザビームLBに分解するように複数のミラーを備える反射デバイスとしてのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)や、マスクアレイを用いて複数のビームスポットの形状、配置を本発明の配置条件に制御する構成としてもよい。この他、単一の母ビームを、回折格子、投影レンズなどを介して子ビームに分割する態様を適用しても本発明を実施することが可能である。
LB レーザビーム
LD 半導体レーザ(光源)
1 レーザアニール装置
2 光源ユニット
3 光学ヘッド
10 被処理基板
11 ガラス基板
13 被処理膜
13a 非晶質シリコン
13m 溶融シリコン
13p 疑似単結晶シリコン
20 ステージ
21 カップリングレンズ
31 ファイバアレイ
32 結像光学系
40,50,60,70,80,90 支持ブロック
41~44 光ファイバ
41a~44a コア
41b~44b クラッド

Claims (15)

  1. 連続発振レーザ光からなり被照射面に対して方形のビームスポットを有するレーザビームを、出射する複数のビーム出射部を備え、
    前記レーザビームを、基板の上に成膜された非晶質シリコン膜に対して、スキャン方向に沿って相対的にスキャンして前記非晶質シリコン膜の帯状の改質予定領域を結晶化するレーザアニール装置であって、
    前記ビームスポットの一辺が、前記スキャン方向に対して直交する方向と平行であり、
    前記ビームスポットの前記一辺の長さが、前記レーザビームの照射による加熱に伴って発生する前記基板に固有の内部応力により前記基板を破損させる長さよりも短く設定されていることを特徴とするレーザアニール装置。
  2. 前記非晶質シリコン膜の表面において、それぞれの前記ビーム出射部から出射された前記レーザビームの前記ビームスポットは、
    前記基板の基板面内において、前記スキャン方向に対して直交する方向から見ると、前記スキャン方向に対して直交する方向に沿って互いに隣接する前記ビームスポット同士が、前記スキャン方向に沿って、前記レーザビームの照射により加熱された前記改質予定領域の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する距離よりも長い距離を隔てて互いに配置されている請求項1に記載のレーザアニール装置。
  3. 前記レーザビームの照射により加熱された前記改質予定領域の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する前記距離は、前記基板の厚み、前記非晶質シリコン膜の厚み、前記非晶質シリコン膜およびその下層の材料膜の熱拡散能力、前記レーザビームの照射量、および前記レーザビームの相対スキャン速度に基づいて算出される請求項2に記載のレーザアニール装置。
  4. 前記複数のレーザビームは、選択的に点灯可能である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のレーザアニール装置。
  5. 前記ビーム出射部から出射するレーザビームの強度変調が可能である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のレーザアニール装置。
  6. 前記ビーム出射部は、光ファイバの一端部であり、前記光ファイバの他端部は、連続発振レーザ光を出射する光源に接続され、前記ビーム出射部の端面の形状で前記ビームスポットの形状が設定されている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のレーザアニール装置。
  7. 連続発振レーザ光からなり被照射面に対して方形のビームスポットを有するレーザビームを、出射する複数のビーム出射部を備え、
    前記レーザビームを、基板の上に成膜された非晶質シリコン膜に対して、スキャン方向に沿って相対的にスキャンして前記非晶質シリコン膜の帯状の改質予定領域を結晶化するレーザアニール装置であって、
    前記ビームスポットの一辺が前記スキャン方向に対して直交する方向と平行であり、
    前記スキャン方向から見ると、前記複数のビーム出射部から出射されたレーザビームの前記ビームスポットは、前記改質予定領域の全幅に亘って連続するように配置され、
    前記基板の基板面内において、前記スキャン方向に対して直交する方向に沿って互いに隣接する前記ビームスポット同士は、前記スキャン方向に対して直交する前記方向から見ると、前記スキャン方向に沿って離隔されていることを特徴とするレーザアニール装置。
  8. 前記ビームスポットの前記一辺の長さが、前記レーザビームの照射による加熱に伴って発生する前記基板に固有の内部応力により前記基板を破損させる長さよりも短く設定され、
    前記スキャン方向に対して直交する前記方向に沿って互いに隣接する前記ビームスポット同士は、前記スキャン方向に沿って、前記レーザビームの照射により加熱された前記改質予定領域の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する距離よりも長い距離を隔てて互いに配置されている、請求項7に記載のレーザアニール装置。
  9. 前記レーザビームの照射により加熱された前記改質予定領域の温度がシリコンの結晶化温度以下まで低下するスキャン時間に相当する前記距離は、前記基板の厚み、前記非晶質シリコン膜の厚み、前記非晶質シリコン膜およびその下層の材料膜の熱拡散能力、前記レーザビームの照射量、および前記レーザビームの相対スキャン速度に基づいて算出される請求項8に記載のレーザアニール装置。
  10. 前記複数のレーザビームは、選択的に点灯可能である請求項7から請求項9いずれかに記載のレーザアニール装置。
  11. 前記ビーム出射部から出射するレーザビームの強度変調が可能である請求項7から請求項10のいずれか一項に記載のレーザアニール装置。
  12. 前記ビーム出射部は、光ファイバの一端部であり、前記光ファイバの他端部は、連続発振レーザ光を出射する光源に接続され、前記ビーム出射部の端面の形状で前記ビームスポットの形状が設定されている請求項7から請求項11のいずれか一項に記載のレーザアニール装置。
  13. 複数のビーム出射部から、連続発振レーザ光からなり基板の上に成膜された非晶質シリコン膜の被照射面に対して方形のビームスポットを有する複数のレーザビームを照射し、この状態で、前記複数のレーザビームを前記基板に対してスキャン方向に沿って相対的にスキャンして前記非晶質シリコン膜の帯状の改質予定領域を結晶化させるレーザアニール方法であって、
    前記基板に対して予備試験を行い、前記ビームスポット同士の距離を、レーザ加熱による熱応力割れが発生しない距離になるように、前記複数のビーム出射部同士の距離を調整、設定する工程と、
    その後、前記複数のレーザビームを前記基板に対して相対的にスキャンしてレーザアニールを行う工程と、
    を備えることを特徴とするレーザアニール方法。
  14. 前記予備試験は、試験用の前記基板を用いて熱応力試験を行う、請求項13に記載のレーザアニール方法。
  15. 前記予備試験は、シミュレーションを行う、請求項13に記載のレーザアニール方法。
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