JP2023131317A - 部品実装装置、転写装置、及び部品実装装置における転写高さの設定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ペーストを被実装部材に転写する際の転写ヘッドの高さを良好に設定する部品実装装置、転写装置及び転写高さの設定方法を提供する。【解決手段】部品実装装置において、転写ヘッド41は、転写ピン47と、転写ピンの接触による荷重を測定する測定部12と、ノズルシャフト43の下降量を検出するエンコーダ43Bと、制御部13と、を備え、ノズルシャフトの高さを調整する高さ調節処理と、高さ調節処理の際に測定部の荷重が目標値近傍となったときのノズルシャフトの高さを基準高さHsとして記憶する記憶処理と、基準高さに基づいて、転写高さを設定する転写高さ設定処理と、を実行する。高さ調節処理は、測定部の荷重が目標値を超えるまでノズルシャフトを単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、ノズルシャフトを終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする動作を複数セット繰り返す。単位長さは、後のセットほど小さく設定される。【選択図】図7
Description
本開示は、部品実装装置、転写装置、及び部品実装装置における転写高さの設定方法に関する。
部品実装装置として、従来、特開2010-98210号公報(下記特許文献1)に記載の電子部品実装装置が知られている。この電子部品実装装置は、電子部品を基板に接着するためのペースト接着剤を基板に転写する転写ツールを備える。転写ツールは、鉛直方向及び水平方向に移動可能な転写ヘッドに装着されている。ペースト接着剤はペースト貯留部に貯留されている。ペースト貯留部上で転写ヘッドを下降させることにより、転写ツールの下端部にペースト接着剤を付着させる。ペースト接着剤が付着した転写ツールを基板に接触させることで、ペースト接着剤を基板に転写する。
ところで、部品実装装置には、特開2014-168004号公報(下記特許文献2)に記載されるように、基板に部品を実装する際に基板にかかる衝撃を緩和する構成を有するものがある。下記特許文献2の部品実装装置の部品実装ヘッドは、昇降機構によって昇降可能なノズルシャフトと、ノズルシャフトの先端側に装着される吸着ノズルと、を備える。吸着ノズルは、下端部において部品を吸着するノズル本体と、ノズル本体を内側に保持する筒状のホルダ部と、ホルダ部に対してノズル本体を下方に付勢するバネ部材と、を備える。吸着ノズルにより部品を基板に実装する際、バネ部材が縮むことでノズル本体がノズルシャフトに対して上方に移動可能となっているから、部品が基板から受ける衝撃を緩和することができる。
特許文献2に記載のバネ部材付きの吸着ノズルの構成を、特許文献1に記載の転写ツールの構成に適用することで、ペースト接着剤の転写時に転写ツールが基板に接触する際の衝撃を緩和することが考えられる。しかしながら、このような構成においては、転写ヘッドへの転写ツールの装着にかかる組付公差や、バネ部材の個体差等により、転写ツールがペースト接着剤を転写する際の最適な高さを設定することが難しい。このため、異なる複数の転写ツール間で基板へのペースト接着剤の転写量がばらつく場合がある。
本開示の部品実装装置は、部品が実装される被実装部材にペーストを転写する転写ピンを備える部品実装装置であって、第1ヘッドユニットと、前記第1ヘッドユニットの下部に保持される転写ヘッドと、前記転写ピンの接触による下向きの荷重を測定可能な測定部と、検出部と、制御部と、を備え、前記転写ヘッドは、前記第1ヘッドユニットに対して昇降可能なノズルシャフトと、前記ノズルシャフトの下方に配される前記転写ピンと、前記転写ピンを下方に付勢するバネ部材と、を備え、前記転写ピンは、前記バネ部材が縮むことで、前記ノズルシャフトに対して上方に移動可能とされ、前記検出部は、前記第1ヘッドユニットに対する前記ノズルシャフトの下降量を検出可能とされ、前記制御部は、前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される初期位置に前記ノズルシャフトを移動させる初期移動処理と、前記測定部により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくように前記ノズルシャフトの高さを調整する高さ調節処理と、前記高さ調節処理の際に前記測定部により測定される荷重が前記目標値近傍となったときの前記ノズルシャフトの高さを基準高さとして記憶する記憶処理と、前記基準高さに基づいて、前記転写ピンが前記被実装部材にペーストを転写する際の前記ノズルシャフトの高さである転写高さを設定する転写高さ設定処理と、を実行するように構成されており、前記高さ調節処理は、前記測定部により測定される荷重が前記目標値を超えるまで前記ノズルシャフトを単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、前記下降動作により下降した前記ノズルシャフトを前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す処理とされ、Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の前記単位長さは、N-1セット目の前記単位長さより小さくなっており、前記基準高さは、最終セットの前記下降上昇動作における前記下降動作が完了したときの前記ノズルシャフトの高さに基づいて設定され、前記ノズルシャフトの高さが前記転写高さとなるとき、前記転写ピンから前記被実装部材にかかる荷重は前記目標値近傍となっている、部品実装装置である。
また、本開示の部品実装装置における転写高さの設定方法は、部品が実装される被実装部材にペーストを転写する転写ピンを備える部品実装装置における転写高さの設定方法であって、前記部品実装装置は、第1ヘッドユニットと、前記第1ヘッドユニットの下部に保持される転写ヘッドと、前記転写ピンの接触による下向きの荷重を測定可能な測定部と、検出部と、を備え、前記転写ヘッドは、前記第1ヘッドユニットに対して昇降可能なノズルシャフトと、前記ノズルシャフトの下方に配される前記転写ピンと、前記転写ピンを下方に付勢するバネ部材と、を備え、前記転写ピンは、前記バネ部材が縮むことで、前記ノズルシャフトに対して上方に移動可能とされ、前記検出部は、前記第1ヘッドユニットに対する前記ノズルシャフトの下降量を検出可能とされ、前記転写高さは、前記転写ピンが前記被実装部材にペーストを転写する際の前記ノズルシャフトの高さであり、前記部品実装装置における前記転写高さの設定方法は、前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される初期位置に前記ノズルシャフトを移動させる初期移動工程と、前記測定部により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくように前記ノズルシャフトの高さを調整する高さ調節工程と、前記高さ調節工程の際に前記測定部により測定される荷重が前記目標値近傍となったときの前記ノズルシャフトの高さを基準高さとして記憶する記憶工程と、前記基準高さに基づいて、前記転写高さを設定する転写高さ設定工程と、を含み、前記高さ調節工程は、前記測定部により測定される荷重が前記目標値を超えるまで前記ノズルシャフトを単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、前記下降動作により下降した前記ノズルシャフトを前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す工程とされ、Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の前記単位長さは、N-1セット目の前記単位長さより小さくなっており、前記基準高さは、最終セットの前記下降上昇動作における前記下降動作が完了したときの前記ノズルシャフトの高さに基づいて設定され、前記ノズルシャフトの高さが前記転写高さとなるとき、前記転写ピンから前記被実装部材にかかる荷重は前記目標値近傍となっている、部品実装装置における転写高さの設定方法である。
本開示によれば、部品実装装置においてペーストを被実装部材に転写する際の転写ヘッドの高さを良好に設定することができる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
(1)本開示の部品実装装置は、部品が実装される被実装部材にペーストを転写する転写ピンを備える部品実装装置であって、第1ヘッドユニットと、前記第1ヘッドユニットの下部に保持される転写ヘッドと、前記転写ピンの接触による下向きの荷重を測定可能な測定部と、検出部と、制御部と、を備え、前記転写ヘッドは、前記第1ヘッドユニットに対して昇降可能なノズルシャフトと、前記ノズルシャフトの下方に配される前記転写ピンと、前記転写ピンを下方に付勢するバネ部材と、を備え、前記転写ピンは、前記バネ部材が縮むことで、前記ノズルシャフトに対して上方に移動可能とされ、前記検出部は、前記第1ヘッドユニットに対する前記ノズルシャフトの下降量を検出可能とされ、前記制御部は、前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される初期位置に前記ノズルシャフトを移動させる初期移動処理と、前記測定部により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくように前記ノズルシャフトの高さを調整する高さ調節処理と、前記高さ調節処理の際に前記測定部により測定される荷重が前記目標値近傍となったときの前記ノズルシャフトの高さを基準高さとして記憶する記憶処理と、前記基準高さに基づいて、前記転写ピンが前記被実装部材にペーストを転写する際の前記ノズルシャフトの高さである転写高さを設定する転写高さ設定処理と、を実行するように構成されており、前記高さ調節処理は、前記測定部により測定される荷重が前記目標値を超えるまで前記ノズルシャフトを単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、前記下降動作により下降した前記ノズルシャフトを前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す処理とされ、Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の前記単位長さは、N-1セット目の前記単位長さより小さくなっており、前記基準高さは、最終セットの前記下降上昇動作における前記下降動作が完了したときの前記ノズルシャフトの高さに基づいて設定され、前記ノズルシャフトの高さが前記転写高さとなるとき、前記転写ピンから前記被実装部材にかかる荷重は前記目標値近傍となっている、部品実装装置である。
このような構成によると、下降上昇動作が繰り返し実行され、後の下降動作ほど単位長さが小さく設定されているため、転写ピンからの荷重が目標値近傍となる基準高さを求めることができる。そして、基準高さに基づいて転写高さを設定することができる。
(2)Mを3以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、M-1セット目の前記終了高さは、M-2セット目の前記終了高さより低くなっていることが好ましい。
このような構成によれば、下降上昇動作を繰り返す毎に終了高さが低くなるから、転写高さの設定にかかる時間を短縮することができる。
(3)前記転写ピンが前記ノズルシャフトに対して最も上方に移動した状態では、前記測定部により測定される荷重は閾値以上となっており、前記制御部は、前記測定部により測定される荷重が前記閾値近傍となるまで前記ノズルシャフトを下降させた後、前記転写ピンが前記ノズルシャフトに対して上下方向に移動可能とされる長さに基づいて予め設定された所定長さだけ前記ノズルシャフトを上昇させることで、前記初期移動処理を実行することが好ましい。
このような構成によると、初期位置における転写ピンと測定部との上下方向の間隔を小さく設定しやすいため、転写高さの設定にかかる時間を短縮することができる。
(4)最終セットの前記終了高さは、他のセットの前記終了高さよりも高く設定されていることが好ましい。
このような構成によると、最終セットの終了高さを高く設定することにより、転写高さの設定後の作業に移行しやすい。
(5)上記の部品実装装置は、前記部品を前記被実装部材に実装する実装ヘッドを備える第2ヘッドユニットをさらに備えることが好ましい。
このような構成によると、第1ヘッドユニットによりペーストの転写を行い、第2ヘッドユニットにより部品の実装を行うことができるため、生産効率を向上させることができる。
(6)本開示の転写装置は、被実装部材にペーストを転写する転写ピンを備える転写装置であって、第1ヘッドユニットと、前記第1ヘッドユニットの下部に保持される転写ヘッドと、前記転写ピンの接触による下向きの荷重を測定可能な測定部と、検出部と、制御部と、を備え、前記転写ヘッドは、前記第1ヘッドユニットに対して昇降可能なノズルシャフトと、前記ノズルシャフトの下方に配される前記転写ピンと、前記転写ピンを下方に付勢するバネ部材と、を備え、前記転写ピンは、前記バネ部材が縮むことで、前記ノズルシャフトに対して上方に移動可能とされ、前記検出部は、前記第1ヘッドユニットに対する前記ノズルシャフトの下降量を検出可能とされ、前記制御部は、前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される初期位置に前記ノズルシャフトを移動させる初期移動処理と、前記測定部により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくように前記ノズルシャフトの高さを調整する高さ調節処理と、前記高さ調節処理の際に前記測定部により測定される荷重が前記目標値近傍となったときの前記ノズルシャフトの高さを基準高さとして記憶する記憶処理と、前記基準高さに基づいて、前記転写ピンが前記被実装部材にペーストを転写する際の前記ノズルシャフトの高さである転写高さを設定する転写高さ設定処理と、を実行するように構成されており、前記高さ調節処理は、前記測定部により測定される荷重が前記目標値を超えるまで前記ノズルシャフトを単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、前記下降動作により下降した前記ノズルシャフトを前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す処理とされ、Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の前記単位長さは、N-1セット目の前記単位長さより小さくなっており、前記基準高さは、最終セットの前記下降上昇動作における前記下降動作が完了したときの前記ノズルシャフトの高さに基づいて設定され、前記ノズルシャフトの高さが前記転写高さとなるとき、前記転写ピンから前記被実装部材にかかる荷重は前記目標値近傍となっている、転写装置である。
このような構成によると、下降上昇動作が繰り返し実行され、後の下降動作ほど単位長さが小さく設定されているため、転写ピンからの荷重が目標値近傍となる基準高さを求めることができる。そして、基準高さに基づいて転写高さを設定することができる。
(7)また、本開示の部品実装装置における転写高さの設定方法は、部品が実装される被実装部材にペーストを転写する転写ピンを備える部品実装装置における転写高さの設定方法であって、前記部品実装装置は、第1ヘッドユニットと、前記第1ヘッドユニットの下部に保持される転写ヘッドと、前記転写ピンの接触による下向きの荷重を測定可能な測定部と、検出部と、を備え、前記転写ヘッドは、前記第1ヘッドユニットに対して昇降可能なノズルシャフトと、前記ノズルシャフトの下方に配される前記転写ピンと、前記転写ピンを下方に付勢するバネ部材と、を備え、前記転写ピンは、前記バネ部材が縮むことで、前記ノズルシャフトに対して上方に移動可能とされ、前記検出部は、前記第1ヘッドユニットに対する前記ノズルシャフトの下降量を検出可能とされ、前記転写高さは、前記転写ピンが前記被実装部材にペーストを転写する際の前記ノズルシャフトの高さであり、前記部品実装装置における前記転写高さの設定方法は、前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される初期位置に前記ノズルシャフトを移動させる初期移動工程と、前記測定部により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくように前記ノズルシャフトの高さを調整する高さ調節工程と、前記高さ調節工程の際に前記測定部により測定される荷重が前記目標値近傍となったときの前記ノズルシャフトの高さを基準高さとして記憶する記憶工程と、前記基準高さに基づいて、前記転写高さを設定する転写高さ設定工程と、を含み、前記高さ調節工程は、前記測定部により測定される荷重が前記目標値を超えるまで前記ノズルシャフトを単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、前記下降動作により下降した前記ノズルシャフトを前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す工程とされ、Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の前記単位長さは、N-1セット目の前記単位長さより小さくなっており、前記基準高さは、最終セットの前記下降上昇動作における前記下降動作が完了したときの前記ノズルシャフトの高さに基づいて設定され、前記ノズルシャフトの高さが前記転写高さとなるとき、前記転写ピンから前記被実装部材にかかる荷重は前記目標値近傍となっている、部品実装装置における転写高さの設定方法である。
(8)上記の部品実装装置における転写高さの設定方法において、Mを3以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、M-1セット目の前記終了高さは、M-2セット目の前記終了高さより低くなっていることが好ましい。
(9)上記の部品実装装置における転写高さの設定方法において、前記転写ピンが前記ノズルシャフトに対して最も上方に移動した状態では、前記測定部により測定される荷重は閾値以上となっており、前記初期移動工程では、前記測定部により測定される荷重が前記閾値近傍となるまで前記ノズルシャフトを下降させた後、前記転写ピンが前記ノズルシャフトに対して上下方向に移動可能とされる長さに基づいて予め設定された所定長さだけ前記ノズルシャフトを上昇させることが好ましい。
(10)上記の部品実装装置における転写高さの設定方法において、最終セットの前記終了高さは、他のセットの前記終了高さよりも高く設定されていることが好ましい。
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
<実施形態1>
本開示の実施形態1について、図1から図13を参照しつつ説明する。以下、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
本開示の実施形態1について、図1から図13を参照しつつ説明する。以下、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
部品実装装置100は、ダイシングされたウエハWからベアチップ(半導体チップ)Cを取り出してプリント配線板等の基板P上に実装(搭載)するとともに、テープフィーダ31により供給されるチップ部品を基板P上に実装することが可能ないわゆる複合型の部品実装装置100である。なお、ベアチップC及びチップ部品は、本開示の「部品」の一例である。以下、ベアチップC及びチップ部品を特に区別しない場合には、これらのいずれかを指すために部品Eという文言を用いる。また、基板Pは、本開示の「被実装部材」の一例である。「被実装部材」の他の例としては、例えば、半導体素子等の電子部品や、高さの異なる実装面を有する立体的な部材等が含まれる。
部品実装装置100は、部品実装前の基板P上にフラックスや接着剤等のペーストを転写する転写ピン47を備える。基板Pに転写されたペーストにより部品Eが基板P上に接着されるようになっている。この部品実装装置100によれば、例えば、図3に示すように、転写ピン47により、基板Pに設けられた導電路にフラックス(ペースト)を転写した後、実装ヘッド51の吸着ノズル51Aによりフラックス転写済みの基板Pに部品Eを実装することができる。
この部品実装装置100は、図1に示すように、基台1と、コンベア2と、2つのチップ部品供給部3と、第1ヘッドユニット4と、第2ヘッドユニット5と、ウエハ保持部6と、突上げ部7(図2参照)と、取出部8と、転写ユニット9と、固定カメラ10と、ウエハ収納部11と、測定部12と、制御部13(図7参照)とを含んでいる。
コンベア2は、基板Pを搬送するためのX方向に延びるコンベア本体と、このコンベア本体上で基板Pを持ち上げて位置決めする図外の位置決め機構とを含む。基板Pは、このコンベア2により、図1の左側から右側に向かって水平姿勢でX方向に搬送され、所定の実装作業位置で位置決め固定される。本実施形態では、コンベア2による搬送経路上であってX方向に所定間隔だけ離間する位置(図中の基板Pの位置)がそれぞれ基板Pの作業位置とされている。以下の説明では、基板Pの搬送方向上流側(図の左側)の位置を第1作業位置S1と称し、下流側(図の右側)の位置を第2作業位置S2と称す。
2つのチップ部品供給部3は、それぞれ、部品実装装置100の手前側(図1の図示下側)の両端に設けられている。チップ部品供給部3には、テープフィーダ31がX方向に沿って並んで配置されている。各テープフィーダ31は、キャリアテープを間欠的に送り出し、所定の部品供給位置にキャリアテープに含まれるIC、トランジスタ、抵抗、コンデンサ等のチップ部品を供給する。なお、ベアチップCは、ウエハWにより供給するほか、キャリアテープに個別収納された状態で、テープフィーダ31により供給することが可能である。
[第1ヘッドユニット、第2ヘッドユニット]
図2に示すように、第1ヘッドユニット4は、XY移動機構4Aにより、コンベア2およびウエハ保持部6の上方を水平方向(XY方向)に移動可能に支持されている。第2ヘッドユニット5も同様にXY移動機構5Aによりコンベア2およびウエハ保持部6の上方を水平方向(XY方向)に移動可能に支持されている。第1ヘッドユニット4は、基台1上のうち主に第1作業位置S1(図1参照)を含む上流側の領域を可動領域としている。他方、第2ヘッドユニット5は、基台1上のうち主に第2作業位置S2(図1参照)を含む下流側の領域を可動領域としている。
図2に示すように、第1ヘッドユニット4は、XY移動機構4Aにより、コンベア2およびウエハ保持部6の上方を水平方向(XY方向)に移動可能に支持されている。第2ヘッドユニット5も同様にXY移動機構5Aによりコンベア2およびウエハ保持部6の上方を水平方向(XY方向)に移動可能に支持されている。第1ヘッドユニット4は、基台1上のうち主に第1作業位置S1(図1参照)を含む上流側の領域を可動領域としている。他方、第2ヘッドユニット5は、基台1上のうち主に第2作業位置S2(図1参照)を含む下流側の領域を可動領域としている。
第1ヘッドユニット4は、X方向に並びかつ各々昇降(上下動)可能な2つの転写ヘッド41と基板認識用の1つの移動カメラ42とを備える。各転写ヘッド41は、後述する転写ユニット9により供給されるペーストを基板P上に転写する。また、第1ヘッドユニット4は、基板Pへのペーストの転写に先立って移動カメラ42により基板Pに付されたフィデューシャルマーク(図示せず)を撮像する。移動カメラ42は、その画像信号を制御部13に出力する。これにより第1作業位置S1における基板Pの位置が認識される。
[エンコーダ]
第1ヘッドユニット4には、転写ヘッド41のノズルシャフト43(図4参照)をZ軸方向(上下方向)に移動させるためのサーボモータ43Aが設けられている。サーボモータ43Aは、エンコーダ43Bを有する。エンコーダ43Bの出力に基づいて、ノズルシャフト43の第1ヘッドユニット4からの下降量、及びノズルシャフト43の高さ(Z軸方向位置座標)が検出可能とされている。なお、エンコーダ43Bは、本開示の「検出部」の一例である。
第1ヘッドユニット4には、転写ヘッド41のノズルシャフト43(図4参照)をZ軸方向(上下方向)に移動させるためのサーボモータ43Aが設けられている。サーボモータ43Aは、エンコーダ43Bを有する。エンコーダ43Bの出力に基づいて、ノズルシャフト43の第1ヘッドユニット4からの下降量、及びノズルシャフト43の高さ(Z軸方向位置座標)が検出可能とされている。なお、エンコーダ43Bは、本開示の「検出部」の一例である。
[転写ヘッド、ノズルシャフト、転写ピン]
図4に示すように、転写ヘッド41は、第1ヘッドユニット4から下方に延びるノズルシャフト43と、ノズルシャフト43の下部に取り付けられる筒状のホルダ部44と、ホルダ部44の下側部分に挿入されて保持されるノズル本体45と、ノズル本体45を下方に付勢するバネ部材46と、ノズル本体45の先端部(下端部)に設けられる転写ピン47と、を備える。転写ピン47は、後述する転写ユニット9によって引きのばされたペーストを受け取り、基板P上に転写する(図3参照)。このペーストにより基板Pに部品Eが接着される。転写ヘッド41は、特許文献2(特開2014-168004号公報)に記載の「吸着ノズル」と同様に構成されており、バネ部材46によって転写ピン47が基板Pに接触したときの衝撃が緩和されるようになっている。
図4に示すように、転写ヘッド41は、第1ヘッドユニット4から下方に延びるノズルシャフト43と、ノズルシャフト43の下部に取り付けられる筒状のホルダ部44と、ホルダ部44の下側部分に挿入されて保持されるノズル本体45と、ノズル本体45を下方に付勢するバネ部材46と、ノズル本体45の先端部(下端部)に設けられる転写ピン47と、を備える。転写ピン47は、後述する転写ユニット9によって引きのばされたペーストを受け取り、基板P上に転写する(図3参照)。このペーストにより基板Pに部品Eが接着される。転写ヘッド41は、特許文献2(特開2014-168004号公報)に記載の「吸着ノズル」と同様に構成されており、バネ部材46によって転写ピン47が基板Pに接触したときの衝撃が緩和されるようになっている。
図4に示すように、ホルダ部44は、筒状をなし、上側筒部44Aと、中間筒部44Bと、下側筒部44Cと、先端部44Dと、を備える。上側筒部44Aがノズルシャフト43の下側部分を収容した状態で、ホルダ部44はノズルシャフト43に固定されるようになっている。中間筒部44Bは、上側筒部44Aの下部に連なって形成され、ノズル本体45の上側部分と摺接可能とされている。下側筒部44Cは、中間筒部44Bの下部に連なり、中間筒部44Bよりも内径が大きく形成されている。下側筒部44Cは、ノズル本体45の中間部分とバネ部材46とを内部に収容するようになっている。バネ部材46の上端は、下側筒部44Cと中間筒部44Bとを接続する段差状部44Eによって上方から押さえられている。ホルダ部44の先端部44Dは、ノズル本体45の下側部分が挿通される開口を有する。この開口の開口縁部44Fがノズル本体45と当接することで、ノズル本体45が下方に抜け止めされている。
ノズル本体45は、上側略三分の二の領域に配される軸状部45Aと、軸状部45Aの下方に連なり、軸状部45Aより小さい外径を有して設けられるノズル部45Bと、ノズル部45Bの先端(下端)に設けられる転写ピン47と、を備える。転写ピン47は、ノズル部45Bと別体に形成されてもよく、一体に形成されてもよい。軸状部45Aの下端部付近には、軸状部45Aより外側に拡径して形成されるフランジ部45Cが設けられている。フランジ部45Cは、バネ部材46の下端を下方から支持するようになっている。フランジ部45Cより下方には、ノズル部45Bより外側に拡径して形成される係止部45Dが設けられている。係止部45Dはホルダ部44の開口縁部44Fと当接するようになっている。
バネ部材46は、圧縮コイルバネであり、ノズル本体45の軸状部45Aが挿入されることにより軸状部45Aに装着される。バネ部材46は、ノズル本体45の軸状部45Aの外周側で、かつ、ホルダ部44の下側筒部44C内に配置されている。バネ部材46は、ノズル本体45(フランジ部45C)を先端側(下方)に付勢して、係止部45Dを開口縁部44Fに押圧している。ノズル本体45に上向きの応力を加えると、図5に示すように、ノズル本体45はバネ部材46を圧縮させながら、ノズルシャフト43に対して上方に移動できるようになっている。図6に示すように、ノズル本体45は、ノズル本体45の上端部がノズルシャフト43に当接するまでノズルシャフト43に対して上方に移動可能とされている。したがって、転写作業時、ノズル本体45の先端の転写ピン47が基板Pと接触する際の衝撃を緩和することができる。ノズル本体45がノズルシャフト43に対して上下方向に移動可能な長さは、可動ストロークMR(図4参照)とされている。
[実装ヘッド]
図2に示すように、第2ヘッドユニット5は、X方向に並びかつ各々昇降(上下動)可能な2つの実装ヘッド51と基板認識用の1つの移動カメラ52とを備える。第2ヘッドユニット5は、テープフィーダ31によって供給されるチップ部品を実装ヘッド51により吸着して基板P上に実装するとともに、取出部8(ウエハヘッド81)によりウエハWから取り出されるベアチップCを実装ヘッド51により吸着して基板P上に実装する。これにより、トランジスタ、コンデンサ等のチップ部品とベアチップCの双方が基板P上に実装される。また、第2ヘッドユニット5は、基板Pへの部品Eの実装に先立って移動カメラ52により基板Pに付されたフィデューシャルマーク(図示せず)を撮像する。移動カメラ52は、その画像信号を制御部13に出力する。これにより作業位置S2における基板Pの位置が認識される。
図2に示すように、第2ヘッドユニット5は、X方向に並びかつ各々昇降(上下動)可能な2つの実装ヘッド51と基板認識用の1つの移動カメラ52とを備える。第2ヘッドユニット5は、テープフィーダ31によって供給されるチップ部品を実装ヘッド51により吸着して基板P上に実装するとともに、取出部8(ウエハヘッド81)によりウエハWから取り出されるベアチップCを実装ヘッド51により吸着して基板P上に実装する。これにより、トランジスタ、コンデンサ等のチップ部品とベアチップCの双方が基板P上に実装される。また、第2ヘッドユニット5は、基板Pへの部品Eの実装に先立って移動カメラ52により基板Pに付されたフィデューシャルマーク(図示せず)を撮像する。移動カメラ52は、その画像信号を制御部13に出力する。これにより作業位置S2における基板Pの位置が認識される。
実装ヘッド51の構成は詳細に図示しないものの、転写ヘッド41と同様の構成とされている。ただし、実装ヘッド51は、実装ヘッド51の先端部(下端部)に転写ピン47の代わりに吸着ノズル51Aを備える(図3参照)。実装ヘッド51はバネ部材46を備えているため、吸着ノズル51Aにより吸着された部品Eが基板Pに接触する際の衝撃を緩和することができる。
図1に示すように、基台1上であって第2ヘッドユニット5の可動領域内には、部品認識用の固定カメラ10が設置されている。固定カメラ10は、第2ヘッドユニット5の吸着ノズル51Aにより吸着されている部品Eを下側から撮像するように構成されている。制御部13は、この固定カメラ10による部品Eの下面画像に基づき、部品Eの吸着位置ずれや、部品Eのバンプまたはリードの欠損などを認識することが可能である。
ウエハ収納部11は、ダイシングされた複数枚のウエハWを収容可能に構成されている。ウエハWのベアチップCは、たとえば電極上にバンプが形成されたフリップチップである。なお、ウエハ収納部11に収容されている各ウエハWは、それぞれベアチップCがフェイスアップ状態(回路形成面が上向きの状態)となるようにフィルム状のウエハシート上面に貼着され、保持されている。
ウエハ保持部6は、図示しない出し入れ機構によりウエハ収納部11から引き出されたウエハWを所定位置で支持するように構成されている。また、ウエハ保持部6は、Y方向に移動可能に構成されている。
図2に示すように、突上げ部7は、ウエハ保持部6上のウエハWのうち、取り出し対象となるベアチップCをその下側から突上げることにより、そのベアチップCをウエハシートから剥離させながら持ち上げるように構成されている。突上げ部7は、X方向に移動可能に構成されている。ウエハ保持部6のY方向移動と、突上げヘッド71のX方向移動とによって、突上げヘッド71はウエハ保持部6に保持されたウエハWの任意のベアチップCを突上げることが可能となっている。
取出部8は、ウエハWからベアチップCを取り出して第2ヘッドユニット5に受け渡すように構成されている。また、取出部8は、所定の駆動手段によりウエハ保持部6の上方の位置において水平方向(XY方向)に移動される。また、取出部8は、4つのウエハヘッド81を含んでいる。また、取出部8のフレームには、部品認識カメラ82が設けられている。部品認識カメラ82は、ウエハWからのベアチップCの取り出しに先立ち、取り出し対象となるベアチップCを撮像するように構成されている。制御部13は、この部品認識カメラ82によるベアチップCの画像に基づき、ベアチップCの取出位置および角度を認識することが可能である。
ウエハヘッド81は、X軸回りに回転が可能で、かつ上下方向(Z方向)への移動(昇降)が可能に構成されている。また、ウエハヘッド81は、負圧発生機(図示せず)により先端に発生させた負圧によって、ベアチップCを吸着することが可能に構成されている。これにより、取出部8は、突上げヘッド71により突き上げられたベアチップCをウエハヘッド81により吸着して取り出し、ベアチップCを反転(フリップ)させ、所定の受け渡し位置において、吸着ノズル51AにベアチップCを受け渡すように構成されている。これにより、吸着ノズル51Aは、フェイスダウン状態(回路形成面が下向きの状態)でベアチップCを吸着することができる(図3参照)。
取出部8のXY方向における可動領域と第2ヘッドユニット5のXY方向における可動領域とは平面視において一部重複しており、第2ヘッドユニット5と取出部8とを上下に並ぶように配置させることが可能である。これにより、取出部8から第2ヘッドユニット5へのベアチップCの受渡しが可能となっている。
また、取出部8から第2ヘッドユニット5へのベアチップCの受け渡しは、基台1上に設けた中継テーブル(図示省略)を介して行ってもよい。すなわち、取出部8は中継テーブルにベアチップCを載置し、第2ヘッドユニット5は中継テーブルに載置されたベアチップCを受け取るようにしてもよい。この場合、取出部8のウエハヘッド81はX軸回りに回転可能な構成でなくてもよい。中継テーブルを設けることにより、第2ヘッドユニット5の吸着ノズル51Aはフェイスアップ状態のベアチップCを吸着し、基板Pに搭載することができる。
また、取出部8を省略し、第2ヘッドユニット5の実装ヘッド51が直接ウエハWからベアチップCを吸着する構成としてもよい。
図2に示すように、転写ユニット9は、平坦な上面(転写面91)を有する回転ステージ92と、回転ステージ92の転写面91から僅かに上方に離間して配置されたスキージ93とを有する。転写面91上には、フラックス等のペーストが供給され、回転ステージ92により転写面91が回転する。この結果、ペーストは、転写面91上でスキージ93によって引きのばされ、転写面91とスキージ93との間隔分の薄い平坦面状に成形される。
[測定部]
測定部12は、部品実装装置100において転写ヘッド41が接触した際の荷重を測定できるようになっている。本実施形態では、一般の荷重計測に使用される汎用型のロードセルを測定部12として用い、荷重を求める構成となっている。図7に示すように、測定部12は、制御部13に電気的に接続されている。測定部12の上面に上方から荷重が加わると、測定部12内の歪みゲージの抵抗値が変化する。これにより、荷重に応じた信号が制御部13に出力されるようになっている。
測定部12は、部品実装装置100において転写ヘッド41が接触した際の荷重を測定できるようになっている。本実施形態では、一般の荷重計測に使用される汎用型のロードセルを測定部12として用い、荷重を求める構成となっている。図7に示すように、測定部12は、制御部13に電気的に接続されている。測定部12の上面に上方から荷重が加わると、測定部12内の歪みゲージの抵抗値が変化する。これにより、荷重に応じた信号が制御部13に出力されるようになっている。
測定部12は、図1に示すように、基台1の第1作業位置S1より下方の位置に固定されている。図4及び図5に示すように、測定部12の上方から第1ヘッドユニット4の転写ヘッド41(ノズルシャフト43)を下降させることにより、転写ピン47の先端(下端)が測定部12の上面に当接可能とされている。
[制御部]
制御部13は、コンベア2、チップ部品供給部3(テープフィーダ31)、第1ヘッドユニット4、第2ヘッドユニット5、ウエハ保持部6、突上げ部7、取出部8、転写ユニット9等の動作制御を行う機能を有する。制御部13は、上記の各部の駆動モータに内蔵される位置検出手段からの出力信号に基づいて、各部の動作制御を行う。例えば、図7に示すように、制御部13は、サーボモータ43Aのエンコーダ43Bからの出力信号に基づいて、ノズルシャフト43の昇降動作の制御を行う。また、制御部13は、各種カメラ(移動カメラ42、部品認識カメラ82および固定カメラ10)の撮像制御及び画像認識を行う機能を有する。
制御部13は、コンベア2、チップ部品供給部3(テープフィーダ31)、第1ヘッドユニット4、第2ヘッドユニット5、ウエハ保持部6、突上げ部7、取出部8、転写ユニット9等の動作制御を行う機能を有する。制御部13は、上記の各部の駆動モータに内蔵される位置検出手段からの出力信号に基づいて、各部の動作制御を行う。例えば、図7に示すように、制御部13は、サーボモータ43Aのエンコーダ43Bからの出力信号に基づいて、ノズルシャフト43の昇降動作の制御を行う。また、制御部13は、各種カメラ(移動カメラ42、部品認識カメラ82および固定カメラ10)の撮像制御及び画像認識を行う機能を有する。
また、制御部13は図示しない記憶部を備える。記憶部は、制御部13が実行する各種プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、及び装置の動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)等から構成されている。
記憶部に記憶される各種プログラムには、具体的には、基板Pの情報、基板Pに実装される部品Eの情報、基板P上のペーストの転写位置や部品Eの実装位置に関する情報等が含まれている。また、記憶部に記憶される各種データには、後述する転写高さ設定処理において用いられる各種数値データ等が含まれている。
[転写高さの設定]
次に、本実施形態における転写高さの設定について説明する。
本開示においては、転写高さは、転写ピン47によりペーストを良好に転写することができるノズルシャフト43の高さとして規定される。ノズルシャフト43の高さは、サーボモータ43Aによる制御、及びエンコーダ43Bによる検出が可能である。一方、例えば、転写ピン47の高さにより転写高さを規定しようとした場合、バネ部材46の圧縮により、転写高さを適切に規定することが困難である。
次に、本実施形態における転写高さの設定について説明する。
本開示においては、転写高さは、転写ピン47によりペーストを良好に転写することができるノズルシャフト43の高さとして規定される。ノズルシャフト43の高さは、サーボモータ43Aによる制御、及びエンコーダ43Bによる検出が可能である。一方、例えば、転写ピン47の高さにより転写高さを規定しようとした場合、バネ部材46の圧縮により、転写高さを適切に規定することが困難である。
本実施形態では、ノズルシャフト43を測定部12に向かって下降及び上昇させながら転写ピン47からの下向きの荷重を測定部12により測定し、荷重が目標値近傍となるようなノズルシャフト43の高さを求め、その結果に基づいて転写高さを設定する。目標値は、ペーストの転写時に基板Pにかかる最適な荷重である。すなわち、転写ピン47から基板Pに目標値近傍とされる荷重が加わったとき、ペーストが基板Pに良好に転写されるように目標値が設定される。ペーストの転写の良し悪しは、例えば、基板Pに転写されるペーストの量や基板Pへの損傷の有無等により、判断することができる。
図8は、ノズルシャフト43の下降量と測定部12により測定される荷重との関係の一例を模式的に表す図である。横軸はノズルシャフト43の下降量であり、図示右方に向かうほどノズルシャフト43が下降していることに留意する。ノズルシャフト43の下降量に合わせて表されるノズルシャフト43の高さは、図示左方に向かうほど高くなっている。なお、本開示は、測定部12により測定される荷重とノズルシャフト43の下降量との関係が図8とは異なる場合でも適用することができる。
図8において、ノズルシャフト43の下降量が少ない領域では、荷重は略一定であり、初期値(図8ではF0)となっている。この状態では、転写ピン47が測定部12に接触しておらず、測定部12に荷重がかからない(図4参照)。ノズルシャフト43の下降量が大きくなると、転写ピン47が測定部12に接触したところで荷重が急激に増加する。図8では、ノズルシャフト43の下降量がD1近傍であるとき、荷重が立ち上がっている。
さらにノズルシャフト43の下降量が大きくなると、ノズルシャフト43の下降量に略比例して荷重が増えていく。荷重がノズルシャフト43の下降量に略比例する領域(図8の図示中央部)では、バネ部材46が縮むことで転写ピン47がノズルシャフト43に対して上方に移動することができる(図5参照)。このため、フックの法則に従ってバネ部材46が縮んだ長さに比例して荷重が増加するようになっている。
さらにノズルシャフト43の下降量が大きくなると、ノズル本体45の上端がノズルシャフト43に当接する(図6参照)。これにより、転写ピン47がノズルシャフト43に対して上方に移動することができなくなるため、図8に示すように、ノズルシャフト43の下降量に対する荷重の増加の傾きが非常に大きくなる。ノズル本体45の上端がノズルシャフト43に当接するとき、ノズルシャフト43の下降量はD2であり、測定部12により測定される荷重はF2(閾値)とされている。閾値は、図8のような、ノズルシャフト43の下降量に対する測定部12の荷重の関係を、測定することで求められる。また、閾値は、バネ部材46のバネ定数と可動ストロークMRの積(及び荷重の初期値)から算出することもできる。
転写ピン47による基板Pへのペーストの転写は、通常、バネ部材46が圧縮可能とされる高さにおいて行われる。また、ペースト転写時、転写ピン47から基板Pへの荷重が過大になりすぎないことが好ましい。転写が良好に行われる際の荷重は基板Pやペースト、転写ピン47の種類等によって異なるが、本実施形態では、転写ピン47が基板Pに接触したところの荷重の立ち上がり付近の荷重を目標値(図8ではF1)として設定した場合について説明する。荷重の目標値は、ノズルシャフト43の下降量に対する測定部12の荷重の関係を測定した結果等から設定してもよい。また、バネ部材46のバネ定数と可動ストロークMRから求めた閾値等に基づいて設定してもよい。
以下、部品実装装置100における転写高さの設定の手順について説明する。
図11に示すように、制御部13は、まず初期移動処理を実行し、ノズルシャフト43を初期位置へ移動させる(S1)。ノズルシャフト43が初期位置にあるとき、転写ピン47と測定部12とが上下方向に対向した状態、かつ転写ピン47の下端部と測定部12の上端部とが接触していない状態となっている(例えば図4の状態)。制御部13は、初期位置に移動したノズルシャフト43を段階的に下降・上昇させる動作を繰り返す高さ調節処理を実行する(S2)。制御部13は、高さ調節処理の結果から、測定部12により測定される荷重が目標値近傍となるノズルシャフト43の高さである基準高さHsを記憶する(図13のS26)。制御部13は、基準高さHsに基づいて基板Pにペーストを転写する際のノズルシャフト43の高さである転写高さを設定する(図11のS3)。
本実施形態の初期移動処理では、これに続く処理に要する時間を短縮するために、初期位置におけるノズルシャフト43の高さをできるだけ低く設定するようになっている。具体的には、図12のような手順により、初期位置が設定される。まず制御部13は、転写ピン47が測定部12に接触するようにノズルシャフト43を下降させる(S11)。すると、測定部12が転写ピン47に押圧され、測定部12により測定される荷重が閾値近傍に到達する(S12)。ここで、閾値近傍とは、例えば閾値の98%から102%の範囲とすることができる。S12の後、制御部13は予め設定された所定長さだけノズルシャフト43を上昇させる(S13)。ここで、所定長さとは、ノズルシャフト43に対して転写ピン47が上下方向に移動可能な長さである可動ストロークMR(図4参照)より少し長く設定される(例えば可動ストロークMRの102%)。これにより、転写ピン47が測定部12に接触しない状態で、できる限り転写ピン47と測定部12との間の距離を小さくしやすくなる。
S13の後、制御部13は、測定部12により測定される荷重が初期値を超えているか否かを判定する(S14)。荷重が初期値を超えていない場合(S14:NO)、転写ピン47が測定部12と接触していないと判定し、初期移動処理を完了する。一方、荷重が初期値を超えている場合(S14:YES)、転写ピン47が測定部12と接触していると判定し、制御部13はさらにノズルシャフト43を予備長さだけ上昇させ(S15)、再度荷重が初期値を超えているか否か判定する(S14)。予備長さは、例えば可動ストロークMRの2%とすることができる。ここでは、図8のグラフの下部に示すように、初期移動処理によりノズルシャフト43の下降量がD0とされ、ノズルシャフト43の高さがH0とされる初期位置にノズルシャフト43が移動したものとして、以降の処理について説明する。
初期移動処理の後に行われる、高さ調節処理では、測定部12により荷重を測定しながら、予め設定された2以上のセット数だけ上昇下降動作が繰り返されるようになっている。1セットの上昇下降動作は、ノズルシャフト43を単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、下降動作の後にノズルシャフト43を終了高さまで上昇させる上昇動作と、から構成されている。ここで、下降動作は、測定部12により測定される荷重が目標値を超えるまで行われる。換言すると、荷重が目標値を超えたときに下降動作は終了する。また、セット数が増えると、単位長さは小さくなるように設定されている。すなわち、Nを2以上かつ設定されたセット数以下の整数とすると、Nセット目の単位長さはN-1セット目の単位長さより小さくなっている。したがって、上昇下降動作を繰り返すことにより、より小さな単位長さの精度において、荷重が目標値近傍となるノズルシャフト43の下降量を決定することができる。
本実施形態では、セット数を2に設定したときの高さ調節処理の手順(図13参照)について具体的に説明する。制御部13は、1セット目の下降上昇動作を開始する。まず、制御部13は、初期位置から単位長さL1だけノズルシャフト43を下降させる(S21)。単位長さL1は、例えば50μmとすることができる。測定部12により測定される荷重が目標値を超えない場合(S22:NO)、制御部13は、再度、単位長さL1だけノズルシャフト43を下降させる(S21)。ノズルシャフト43を単位長さL1だけ下降させる動作を1回以上実行することにより、測定部12により測定される荷重が目標値を超えると(S22:YES)、制御部13はノズルシャフト43の下降動作を終了し、ノズルシャフト43の上昇動作(S23)に移行する。ここでは、図9のグラフの下部に示すように、ノズルシャフト43を単位長さL1だけ下降させる動作を2回実行したとき、測定部12により測定される荷重が目標値(=F1)を超えたものとして、以降の処理を説明する。
S23では、制御部13はノズルシャフト43を終了高さH1まで上昇させ、1セット目の下降上昇動作を完了する。本実施形態では、終了高さH1は、下降動作を終了したノズルシャフト43の高さから単位長さL1だけ高く設定されている。したがって、図9に示す場合、終了高さH1は、初期位置の高さ(図9ではH0)より低くなっている。このように、1セット目の下降上昇動作の終了高さH1を、下降動作を終了したノズルシャフト43の高さから単位長さL1だけ高く設定することにより、2セット目の下降上昇動作が開始される際のノズルシャフト43の高さは初期位置より高くなることはない。したがって、2セット目の下降上昇動作に要する時間を短縮することができる。
次に制御部13は2セット目(最終セット)の下降上昇動作を実行する。制御部13は、1セット目の終了高さH1から単位長さL2だけノズルシャフト43を下降させる(S24)。ここで、2セット目の単位長さL2は、1セット目の単位長さL1に比べて小さく設定されている。単位長さL2は、例えば10μmとすることができる。測定部12により測定される荷重が目標値を超えない場合(S25:NO)、制御部13は、再度、単位長さL2だけノズルシャフト43を下降させる(S24)。ノズルシャフト43を単位長さL2だけ下降させる動作を1回以上実行することにより、測定部12により測定される荷重が目標値を超えると(S25:YES)、制御部13はノズルシャフト43の下降動作を終了する。ここでは、図10のグラフの下部に示すように、ノズルシャフト43を単位長さL2だけ下降させる動作を3回実行したとき、測定部12により測定される荷重が目標値(=F1)を超えたものとして、以降の処理を説明する。
最終セットの下降上昇処理においては、制御部13は、下降動作を終了した際のノズルシャフト43の高さに基づいて基準高さHsを決定し、記憶する記憶処理を実行する(S26)。基準高さHsは、測定部12に対して目標値近傍の荷重を与えるときのノズルシャフト43の高さである。図10に示す場合では、基準高さHsは下降動作を終了した際のノズルシャフト43の高さ(すなわちH1-3L2)としている。この他にも、基準高さHsは、例えば下降動作を終了した際のノズルシャフト43の高さより単位長さL2だけ高い高さ(すなわちH1-2L2)であってもよい。
S26の後、制御部13は、ノズルシャフト43を2セット目の終了高さH2まで上昇させ、最終セットの下降上昇動作を完了する(S27)。これにより、高さ調節処理が完了する。最終セットの終了高さH2は、以降の動作(基板Pの生産等)に移行しやすいように、1セット目の終了高さH1より高く設定することが好ましい。例えば、終了高さH2は、ノズルシャフト43の下降量がゼロであるノズルシャフト43の高さとすることができる。
制御部13は、基準高さHsに基づいて転写高さの設定を行う(図11のS3)。具体的には、測定部12の上面の高さと、ペーストを転写する際の基板Pの上面の高さとの差に応じたオフセットを基準高さHsに加えることにより、転写高さを求めることができる。本実施形態では、測定部12は基板Pが配される位置より下方に配されているから、測定部12の上面の高さをHm、ペーストを転写する際の基板Pの上面の高さをHp(>Hm)としたとき、転写高さはHs-Hm+Hpとなる。なお、Hp≦Hmのときは、転写高さはHs-Hp+Hmとなる。このように転写高さを設定することにより、転写ピン47が基板Pにペーストを転写するとき、転写ピン47から基板Pにかかる荷重を目標値近傍にすることができる。したがって、基板Pへのペースト転写を良好に行うことができる。
[実施形態1の作用効果]
実施形態1によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態1にかかる部品実装装置100は、部品Eが実装される被実装部材(基板P)にペーストを転写する転写ピン47を備える部品実装装置100であって、第1ヘッドユニット4と、第1ヘッドユニット4の下部に保持される転写ヘッド41と、転写ピン47の接触による下向きの荷重を測定可能な測定部12と、検出部(エンコーダ43B)と、制御部13と、を備え、転写ヘッド41は、第1ヘッドユニット4に対して昇降可能なノズルシャフト43と、ノズルシャフト43の下方に配される転写ピン47と、転写ピン47を下方に付勢するバネ部材46と、を備え、転写ピン47は、バネ部材46が縮むことで、ノズルシャフト43に対して上方に移動可能とされ、検出部は、第1ヘッドユニット4に対するノズルシャフト43の下降量を検出可能とされ、制御部13は、転写ピン47の下端部が測定部12の上端部より上方に配される初期位置にノズルシャフト43を移動させる初期移動処理と、測定部12により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくようにノズルシャフト43の高さを調整する高さ調節処理と、高さ調節処理の際に測定部12により測定される荷重が目標値近傍となったときのノズルシャフト43の高さを基準高さHsとして記憶する記憶処理と、基準高さHsに基づいて、転写ピン47が被実装部材にペーストを転写する際のノズルシャフト43の高さである転写高さを設定する転写高さ設定処理と、を実行するように構成されており、高さ調節処理は、測定部12により測定される荷重が目標値を超えるまでノズルシャフト43を単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、下降動作により下降したノズルシャフト43を転写ピン47の下端部が測定部12の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す処理とされ、Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の単位長さは、N-1セット目の単位長さより小さくなっており、基準高さHsは、最終セットの下降上昇動作における下降動作が完了したときのノズルシャフト43の高さに基づいて設定され、ノズルシャフト43の高さが転写高さとなるとき、転写ピン47から被実装部材にかかる荷重は目標値近傍となっている。
実施形態1によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態1にかかる部品実装装置100は、部品Eが実装される被実装部材(基板P)にペーストを転写する転写ピン47を備える部品実装装置100であって、第1ヘッドユニット4と、第1ヘッドユニット4の下部に保持される転写ヘッド41と、転写ピン47の接触による下向きの荷重を測定可能な測定部12と、検出部(エンコーダ43B)と、制御部13と、を備え、転写ヘッド41は、第1ヘッドユニット4に対して昇降可能なノズルシャフト43と、ノズルシャフト43の下方に配される転写ピン47と、転写ピン47を下方に付勢するバネ部材46と、を備え、転写ピン47は、バネ部材46が縮むことで、ノズルシャフト43に対して上方に移動可能とされ、検出部は、第1ヘッドユニット4に対するノズルシャフト43の下降量を検出可能とされ、制御部13は、転写ピン47の下端部が測定部12の上端部より上方に配される初期位置にノズルシャフト43を移動させる初期移動処理と、測定部12により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくようにノズルシャフト43の高さを調整する高さ調節処理と、高さ調節処理の際に測定部12により測定される荷重が目標値近傍となったときのノズルシャフト43の高さを基準高さHsとして記憶する記憶処理と、基準高さHsに基づいて、転写ピン47が被実装部材にペーストを転写する際のノズルシャフト43の高さである転写高さを設定する転写高さ設定処理と、を実行するように構成されており、高さ調節処理は、測定部12により測定される荷重が目標値を超えるまでノズルシャフト43を単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、下降動作により下降したノズルシャフト43を転写ピン47の下端部が測定部12の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す処理とされ、Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の単位長さは、N-1セット目の単位長さより小さくなっており、基準高さHsは、最終セットの下降上昇動作における下降動作が完了したときのノズルシャフト43の高さに基づいて設定され、ノズルシャフト43の高さが転写高さとなるとき、転写ピン47から被実装部材にかかる荷重は目標値近傍となっている。
このような構成によると、下降上昇動作が繰り返し実行され、後の下降動作ほど単位長さが小さく設定されているため、転写ピン47からの荷重が目標値近傍となる基準高さHsを求めることができる。そして、基準高さHsに基づいて転写高さを設定することができる。
実施形態1では、転写ピン47がノズルシャフト43に対して最も上方に移動した状態では、測定部12により測定される荷重は閾値以上となっており、制御部13は、測定部12により測定される荷重が閾値近傍となるまでノズルシャフト43を下降させた後、転写ピン47がノズルシャフト43に対して上下方向に移動可能とされる長さに基づいて予め設定された所定長さだけノズルシャフト43を上昇させることで、初期移動処理を実行する。
このような構成によると、初期位置における転写ピン47と測定部12との上下方向の間隔を小さく設定しやすいため、転写高さの設定にかかる時間を短縮することができる。
実施形態1では、最終セット(2セット目)の終了高さH2は、他のセット(1セット目)の終了高さH1よりも高く設定されている。
このような構成によると、最終セットの終了高さH2を高く設定することにより、転写高さの設定後の作業(例えば基板Pの生産)に移行しやすい。
実施形態1にかかる部品実装装置100は、部品Eを被実装部材に実装する実装ヘッド51を備える第2ヘッドユニット5をさらに備える。
このような構成によると、第1ヘッドユニット4によりペーストの転写を行い、第2ヘッドユニット5により部品Eの実装を行うことができるため、生産効率を向上させることができる。
また、実施形態1にかかる部品実装装置100における転写高さの設定方法は、部品Eが実装される被実装部材にペーストを転写する転写ピン47を備える部品実装装置100における転写高さの設定方法であって、部品実装装置100は、第1ヘッドユニット4と、第1ヘッドユニット4の下部に保持される転写ヘッド41と、転写ピン47の接触による下向きの荷重を測定可能な測定部12と、検出部と、を備え、転写ヘッド47は、第1ヘッドユニット4に対して昇降可能なノズルシャフト43と、ノズルシャフト43の下方に配される転写ピン47と、転写ピン47を下方に付勢するバネ部材46と、を備え、転写ピン47は、バネ部材46が縮むことで、ノズルシャフト43に対して上方に移動可能とされ、検出部は、第1ヘッドユニット4に対するノズルシャフト43の下降量を検出可能とされ、転写高さは、転写ピン47が被実装部材にペーストを転写する際のノズルシャフト43の高さであり、部品実装装置100における転写高さの設定方法は、転写ピン47の下端部が測定部12の上端部より上方に配される初期位置にノズルシャフト43を移動させる初期移動工程と、測定部12により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくようにノズルシャフト43の高さを調整する高さ調節工程と、高さ調節工程の際に測定部12により測定される荷重が目標値近傍となったときのノズルシャフト43の高さを基準高さHsとして記憶する記憶工程と、基準高さHsに基づいて、転写高さを設定する転写高さ設定工程と、を含み、高さ調節工程は、測定部12により測定される荷重が目標値を超えるまでノズルシャフト43を単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、下降動作により下降したノズルシャフト43を転写ピン47の下端部が測定部12の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す工程とされ、Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の単位長さは、N-1セット目の単位長さより小さくなっており、基準高さHsは、最終セットの下降上昇動作における下降動作が完了したときのノズルシャフト43の高さに基づいて設定され、ノズルシャフト43の高さが転写高さとなるとき、転写ピン47から被実装部材にかかる荷重は目標値近傍となっている。
<実施形態2>
本開示の実施形態2について、図14を参照しつつ説明する。なお、実施形態2の構成は、高さ調節処理以外は実施形態1と同様であるため、重複する説明を省略する。
本開示の実施形態2について、図14を参照しつつ説明する。なお、実施形態2の構成は、高さ調節処理以外は実施形態1と同様であるため、重複する説明を省略する。
本実施形態では、高さ調節処理のセット数が3以上であり、Mを3以上の整数としたとき、M-1セット目の終了高さは、M-2セット目の終了高さより低く設定されている。これにより、M-1セット目の終了高さにあるノズルシャフト43を下降及び上昇させるMセット目の下降上昇動作に要する時間を短縮することができる。
以下、簡単のために、高さ調節処理のセット数が3とされる場合について例示する。
図14に示す高さ調節処理では、制御部13は、1セット目の下降上昇動作(S31、S32、S33)、及び2セット目の下降動作(S34、S35)を、実施形態1のS21~S25(図13)と同様に実行する。
S36では、制御部13は2セット目の上昇動作を行い、ノズルシャフト43を終了高さH2まで上昇させる。ここで、実施形態2では、2セット目の終了高さH2は1セット目の終了高さH1よりも小さく設定されている。これにより3セット目の下降上昇動作(S37、S38、S39、S40)に要する時間を短縮することができる。
3セット目の下降上昇動作は、最終セットの下降上昇動作であって、実施形態1のS24~S27(図13)と同様の手順で実行される。
[実施形態2の作用効果]
実施形態2によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態2では、Mを3以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、M-1セット目の終了高さは、M-2セット目の終了高さより低くなっている。
実施形態2によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態2では、Mを3以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、M-1セット目の終了高さは、M-2セット目の終了高さより低くなっている。
このような構成によれば、下降上昇動作を繰り返す毎に終了高さが低くなるから、転写高さの設定にかかる時間を短縮することができる。
<実施形態3>
本開示の実施形態3について、図15を参照しつつ説明する。実施形態3にかかる転写装置200は、上記実施形態と同様に、基台1と、コンベア2と、転写ヘッド41を有する第1ヘッドユニット4と、転写ユニット9と、測定部12と、制御部13(図7参照)とを備える。転写装置200は、上記実施形態と同様に、転写高さの設定、及び基板Pへのペースト転写を実行するように構成することができる。
本開示の実施形態3について、図15を参照しつつ説明する。実施形態3にかかる転写装置200は、上記実施形態と同様に、基台1と、コンベア2と、転写ヘッド41を有する第1ヘッドユニット4と、転写ユニット9と、測定部12と、制御部13(図7参照)とを備える。転写装置200は、上記実施形態と同様に、転写高さの設定、及び基板Pへのペースト転写を実行するように構成することができる。
一方、転写装置200は、上記実施形態とは異なり、部品Eを基板Pに実装するための構成(例えば、実装ヘッド51、チップ部品供給部3、ウエハ保持部6、突上げ部7、取出部8等)を備えなくてもよい。転写装置200により、ペーストが転写された基板Pは、転写装置200に隣接する部品実装装置(図示せず)に送られ、隣接する部品実装装置において部品Eの実装が行われる。
[実施形態3の作用効果]
実施形態3によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態3にかかる転写装置200は、被実装部材(基板P)にペーストを転写する転写ピン47を備える転写装置200であって、第1ヘッドユニット4と、第1ヘッドユニット4の下部に保持される転写ヘッド41と、転写ピン47の接触による下向きの荷重を測定可能な測定部12と、検出部(エンコーダ43B)と、制御部13と、を備え、転写ヘッド41は、第1ヘッドユニット4に対して昇降可能なノズルシャフト43と、ノズルシャフト43の下方に配される転写ピン47と、転写ピン47を下方に付勢するバネ部材46と、を備え、転写ピン47は、バネ部材46が縮むことで、ノズルシャフト43に対して上方に移動可能とされ、検出部は、第1ヘッドユニット4に対するノズルシャフト43の下降量を検出可能とされ、制御部13は、転写ピン47の下端部が測定部12の上端部より上方に配される初期位置にノズルシャフト43を移動させる初期移動処理と、測定部12により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくようにノズルシャフト43の高さを調整する高さ調節処理と、高さ調節処理の際に測定部12により測定される荷重が目標値近傍となったときのノズルシャフト43の高さを基準高さHsとして記憶する記憶処理と、基準高さHsに基づいて、転写ピン47が被実装部材にペーストを転写する際のノズルシャフト43の高さである転写高さを設定する転写高さ設定処理と、を実行するように構成されており、高さ調節処理は、測定部12により測定される荷重が目標値を超えるまでノズルシャフト43を単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、下降動作により下降したノズルシャフト43を転写ピン47の下端部が測定部12の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す処理とされ、Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の単位長さは、N-1セット目の単位長さより小さくなっており、基準高さHsは、最終セットの下降上昇動作における下降動作が完了したときのノズルシャフト43の高さに基づいて設定され、ノズルシャフト43の高さが転写高さとなるとき、転写ピン47から被実装部材にかかる荷重は目標値近傍となっている。
実施形態3によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態3にかかる転写装置200は、被実装部材(基板P)にペーストを転写する転写ピン47を備える転写装置200であって、第1ヘッドユニット4と、第1ヘッドユニット4の下部に保持される転写ヘッド41と、転写ピン47の接触による下向きの荷重を測定可能な測定部12と、検出部(エンコーダ43B)と、制御部13と、を備え、転写ヘッド41は、第1ヘッドユニット4に対して昇降可能なノズルシャフト43と、ノズルシャフト43の下方に配される転写ピン47と、転写ピン47を下方に付勢するバネ部材46と、を備え、転写ピン47は、バネ部材46が縮むことで、ノズルシャフト43に対して上方に移動可能とされ、検出部は、第1ヘッドユニット4に対するノズルシャフト43の下降量を検出可能とされ、制御部13は、転写ピン47の下端部が測定部12の上端部より上方に配される初期位置にノズルシャフト43を移動させる初期移動処理と、測定部12により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくようにノズルシャフト43の高さを調整する高さ調節処理と、高さ調節処理の際に測定部12により測定される荷重が目標値近傍となったときのノズルシャフト43の高さを基準高さHsとして記憶する記憶処理と、基準高さHsに基づいて、転写ピン47が被実装部材にペーストを転写する際のノズルシャフト43の高さである転写高さを設定する転写高さ設定処理と、を実行するように構成されており、高さ調節処理は、測定部12により測定される荷重が目標値を超えるまでノズルシャフト43を単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、下降動作により下降したノズルシャフト43を転写ピン47の下端部が測定部12の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す処理とされ、Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の単位長さは、N-1セット目の単位長さより小さくなっており、基準高さHsは、最終セットの下降上昇動作における下降動作が完了したときのノズルシャフト43の高さに基づいて設定され、ノズルシャフト43の高さが転写高さとなるとき、転写ピン47から被実装部材にかかる荷重は目標値近傍となっている。
このような構成によると、下降上昇動作が繰り返し実行され、後の下降動作ほど単位長さが小さく設定されているため、転写ピン47からの荷重が目標値近傍となる基準高さHsを求めることができる。そして、基準高さHsに基づいて転写高さを設定することができる。
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、1つの転写ヘッド41は1つの転写ピン47を備えていたが、これに限られることはなく、1つの転写ヘッドは複数の転写ピンを備えていてもよい。
(2)上記実施形態では、部品実装装置100は、転写ヘッド41を備える第1ヘッドユニット4と、実装ヘッド51を備える第2ヘッドユニット5と、を備える構成としたが、これに限られることはなく、部品実装装置は、転写ヘッド及び実装ヘッドを備える1つのヘッドユニットを備える構成としてもよい。
(3)実施形態1では、初期移動処理は図12の手順で実行されたが、これに限られることはない。例えば、初期移動処理では、予め設定された初期位置にノズルシャフトを移動させてもよい。
(4)実施形態1では高さ調節処理のセット数は2に設定され、実施形態2では高さ調節処理のセット数は3に設定されていたが、これに限られることはない。高さ調節処理のセット数を4以上に設定した場合でも、実施形態1及び実施形態2の構成を採用することができる。
(1)上記実施形態では、1つの転写ヘッド41は1つの転写ピン47を備えていたが、これに限られることはなく、1つの転写ヘッドは複数の転写ピンを備えていてもよい。
(2)上記実施形態では、部品実装装置100は、転写ヘッド41を備える第1ヘッドユニット4と、実装ヘッド51を備える第2ヘッドユニット5と、を備える構成としたが、これに限られることはなく、部品実装装置は、転写ヘッド及び実装ヘッドを備える1つのヘッドユニットを備える構成としてもよい。
(3)実施形態1では、初期移動処理は図12の手順で実行されたが、これに限られることはない。例えば、初期移動処理では、予め設定された初期位置にノズルシャフトを移動させてもよい。
(4)実施形態1では高さ調節処理のセット数は2に設定され、実施形態2では高さ調節処理のセット数は3に設定されていたが、これに限られることはない。高さ調節処理のセット数を4以上に設定した場合でも、実施形態1及び実施形態2の構成を採用することができる。
1…基台、2…コンベア、3…チップ部品供給部、4…第1ヘッドユニット、4A…XY移動機構、5…第2ヘッドユニット、5A…XY移動機構、6…ウエハ保持部、7…突上げ部、8…取出部、9…転写ユニット、10…固定カメラ、11…ウエハ収納部、12…測定部、13…制御部、31…テープフィーダ
41…転写ヘッド、42…移動カメラ、43…ノズルシャフト、43A…サーボモータ、43B…エンコーダ(検出部)、44…ホルダ部、44A…上側筒部、44B…中間筒部、44C…下側筒部、44D…先端部、44E…段差状部、44F…開口縁部、45…ノズル本体、45A…軸状部、45B…ノズル部、45C…フランジ部、45D…係止部、46…バネ部材、47…転写ピン
51…実装ヘッド、51A…吸着ノズル、52…移動カメラ、71…突上げヘッド、81…ウエハヘッド、82…部品認識カメラ、91…転写面、92…回転ステージ、93…スキージ、100…部品実装装置、200…転写装置
C…ベアチップ、E…部品、P…基板(被実装部材)、S1…第1作業位置、S2…第2作業位置、W…ウエハ
H1…終了高さ、H2…終了高さ、Hs…基準高さ、L1…単位長さ、L2…単位長さ、MR…可動ストローク
41…転写ヘッド、42…移動カメラ、43…ノズルシャフト、43A…サーボモータ、43B…エンコーダ(検出部)、44…ホルダ部、44A…上側筒部、44B…中間筒部、44C…下側筒部、44D…先端部、44E…段差状部、44F…開口縁部、45…ノズル本体、45A…軸状部、45B…ノズル部、45C…フランジ部、45D…係止部、46…バネ部材、47…転写ピン
51…実装ヘッド、51A…吸着ノズル、52…移動カメラ、71…突上げヘッド、81…ウエハヘッド、82…部品認識カメラ、91…転写面、92…回転ステージ、93…スキージ、100…部品実装装置、200…転写装置
C…ベアチップ、E…部品、P…基板(被実装部材)、S1…第1作業位置、S2…第2作業位置、W…ウエハ
H1…終了高さ、H2…終了高さ、Hs…基準高さ、L1…単位長さ、L2…単位長さ、MR…可動ストローク
Claims (10)
- 部品が実装される被実装部材にペーストを転写する転写ピンを備える部品実装装置であって、
第1ヘッドユニットと、前記第1ヘッドユニットの下部に保持される転写ヘッドと、前記転写ピンの接触による下向きの荷重を測定可能な測定部と、検出部と、制御部と、を備え、
前記転写ヘッドは、前記第1ヘッドユニットに対して昇降可能なノズルシャフトと、前記ノズルシャフトの下方に配される前記転写ピンと、前記転写ピンを下方に付勢するバネ部材と、を備え、
前記転写ピンは、前記バネ部材が縮むことで、前記ノズルシャフトに対して上方に移動可能とされ、
前記検出部は、前記第1ヘッドユニットに対する前記ノズルシャフトの下降量を検出可能とされ、
前記制御部は、前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される初期位置に前記ノズルシャフトを移動させる初期移動処理と、
前記測定部により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくように前記ノズルシャフトの高さを調整する高さ調節処理と、
前記高さ調節処理の際に前記測定部により測定される荷重が前記目標値近傍となったときの前記ノズルシャフトの高さを基準高さとして記憶する記憶処理と、
前記基準高さに基づいて、前記転写ピンが前記被実装部材にペーストを転写する際の前記ノズルシャフトの高さである転写高さを設定する転写高さ設定処理と、を実行するように構成されており、
前記高さ調節処理は、前記測定部により測定される荷重が前記目標値を超えるまで前記ノズルシャフトを単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、前記下降動作により下降した前記ノズルシャフトを前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す処理とされ、
Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の前記単位長さは、N-1セット目の前記単位長さより小さくなっており、
前記基準高さは、最終セットの前記下降上昇動作における前記下降動作が完了したときの前記ノズルシャフトの高さに基づいて設定され、
前記ノズルシャフトの高さが前記転写高さとなるとき、前記転写ピンから前記被実装部材にかかる荷重は前記目標値近傍となっている、部品実装装置。 - Mを3以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、M-1セット目の前記終了高さは、M-2セット目の前記終了高さより低くなっている、請求項1に記載の部品実装装置。
- 前記転写ピンが前記ノズルシャフトに対して最も上方に移動した状態では、前記測定部により測定される荷重は閾値以上となっており、
前記制御部は、前記測定部により測定される荷重が前記閾値近傍となるまで前記ノズルシャフトを下降させた後、前記転写ピンが前記ノズルシャフトに対して上下方向に移動可能とされる長さに基づいて予め設定された所定長さだけ前記ノズルシャフトを上昇させることで、前記初期移動処理を実行する、請求項1または請求項2に記載の部品実装装置。 - 最終セットの前記終了高さは、他のセットの前記終了高さよりも高く設定されている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の部品実装装置。
- 前記部品を前記被実装部材に実装する実装ヘッドを備える第2ヘッドユニットをさらに備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の部品実装装置。
- 被実装部材にペーストを転写する転写ピンを備える転写装置であって、
第1ヘッドユニットと、前記第1ヘッドユニットの下部に保持される転写ヘッドと、前記転写ピンの接触による下向きの荷重を測定可能な測定部と、検出部と、制御部と、を備え、
前記転写ヘッドは、前記第1ヘッドユニットに対して昇降可能なノズルシャフトと、前記ノズルシャフトの下方に配される前記転写ピンと、前記転写ピンを下方に付勢するバネ部材と、を備え、
前記転写ピンは、前記バネ部材が縮むことで、前記ノズルシャフトに対して上方に移動可能とされ、
前記検出部は、前記第1ヘッドユニットに対する前記ノズルシャフトの下降量を検出可能とされ、
前記制御部は、前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される初期位置に前記ノズルシャフトを移動させる初期移動処理と、
前記測定部により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくように前記ノズルシャフトの高さを調整する高さ調節処理と、
前記高さ調節処理の際に前記測定部により測定される荷重が前記目標値近傍となったときの前記ノズルシャフトの高さを基準高さとして記憶する記憶処理と、
前記基準高さに基づいて、前記転写ピンが前記被実装部材にペーストを転写する際の前記ノズルシャフトの高さである転写高さを設定する転写高さ設定処理と、を実行するように構成されており、
前記高さ調節処理は、前記測定部により測定される荷重が前記目標値を超えるまで前記ノズルシャフトを単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、前記下降動作により下降した前記ノズルシャフトを前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す処理とされ、
Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の前記単位長さは、N-1セット目の前記単位長さより小さくなっており、
前記基準高さは、最終セットの前記下降上昇動作における前記下降動作が完了したときの前記ノズルシャフトの高さに基づいて設定され、
前記ノズルシャフトの高さが前記転写高さとなるとき、前記転写ピンから前記被実装部材にかかる荷重は前記目標値近傍となっている、転写装置。 - 部品が実装される被実装部材にペーストを転写する転写ピンを備える部品実装装置における転写高さの設定方法であって、
前記部品実装装置は、第1ヘッドユニットと、前記第1ヘッドユニットの下部に保持される転写ヘッドと、前記転写ピンの接触による下向きの荷重を測定可能な測定部と、検出部と、を備え、
前記転写ヘッドは、前記第1ヘッドユニットに対して昇降可能なノズルシャフトと、前記ノズルシャフトの下方に配される前記転写ピンと、前記転写ピンを下方に付勢するバネ部材と、を備え、
前記転写ピンは、前記バネ部材が縮むことで、前記ノズルシャフトに対して上方に移動可能とされ、
前記検出部は、前記第1ヘッドユニットに対する前記ノズルシャフトの下降量を検出可能とされ、
前記転写高さは、前記転写ピンが前記被実装部材にペーストを転写する際の前記ノズルシャフトの高さであり、
前記部品実装装置における前記転写高さの設定方法は、前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される初期位置に前記ノズルシャフトを移動させる初期移動工程と、
前記測定部により測定される荷重が予め設定された目標値に近づくように前記ノズルシャフトの高さを調整する高さ調節工程と、
前記高さ調節工程の際に前記測定部により測定される荷重が前記目標値近傍となったときの前記ノズルシャフトの高さを基準高さとして記憶する記憶工程と、
前記基準高さに基づいて、前記転写高さを設定する転写高さ設定工程と、を含み、
前記高さ調節工程は、前記測定部により測定される荷重が前記目標値を超えるまで前記ノズルシャフトを単位長さずつ1回以上下降させる下降動作と、前記下降動作により下降した前記ノズルシャフトを前記転写ピンの下端部が前記測定部の上端部より上方に配される終了高さまで上昇させる上昇動作と、を1セットとする下降上昇動作を予め設定されたセット数だけ繰り返す工程とされ、
Nを2以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、Nセット目の前記単位長さは、N-1セット目の前記単位長さより小さくなっており、
前記基準高さは、最終セットの前記下降上昇動作における前記下降動作が完了したときの前記ノズルシャフトの高さに基づいて設定され、
前記ノズルシャフトの高さが前記転写高さとなるとき、前記転写ピンから前記被実装部材にかかる荷重は前記目標値近傍となっている、部品実装装置における転写高さの設定方法。 - Mを3以上かつ予め設定されたセット数以下の整数としたとき、M-1セット目の前記終了高さは、M-2セット目の前記終了高さより低くなっている、請求項7に記載の部品実装装置における転写高さの設定方法。
- 前記転写ピンが前記ノズルシャフトに対して最も上方に移動した状態では、前記測定部により測定される荷重は閾値以上となっており、
前記初期移動工程では、前記測定部により測定される荷重が前記閾値近傍となるまで前記ノズルシャフトを下降させた後、前記転写ピンが前記ノズルシャフトに対して上下方向に移動可能とされる長さに基づいて予め設定された所定長さだけ前記ノズルシャフトを上昇させる、請求項7または請求項8に記載の部品実装装置における転写高さの設定方法。 - 最終セットの前記終了高さは、他のセットの前記終了高さよりも高く設定されている、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の部品実装装置における転写高さの設定方法。
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