JP2023130901A - 衝突検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両への衝突体が人であるか否かを良好に検知する。【解決手段】衝突検知装置10では、圧力チューブ52が、アブソーバ30の前端部の一部を構成するチューブ保持部32の溝部34に保持されており、押しカバー40がチューブ保持部32の前端部に組付けられている。また、押しカバー40の押し部44が、溝部34の開口溝部34B内に配置されて、圧力チューブ52の前側に配置されている。ここで、圧力チューブ52の外周部には、前側へ突出し且つ押し部44と前後方向に対向する第1突起部52Aが設けられている。第1突起部52Aは、上下一対の傾斜面52A1を有しており、傾斜面52A1が車幅方向から見て、前側へ向かうに従い互いに接近する方向に傾斜している。また、圧力チューブ52の外周部には、第2突起部52Bが設けられており、第2突起部52Bが第1突起部52Aよりも上側に配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、衝突検知装置に関するものである。
車両では、車両のバンパカバーの後側に衝突検知センサが設けられており、車両との衝突体が人であるか否かを、衝突検知センサによって検知するようになっている。例えば、下記特許文献1に記載の車両用衝突感知センサ取付構造では、バンパビームの前側に衝撃吸収部材が設けられており、車幅方向から見て、衝撃吸収部材が、全体として後側へ開放された略凹状に形成されている。また、衝撃吸収部材の前部には、溝部が形成されており、溝部には、圧力チューブが保持されている。そして、車両と人との衝突では、圧力チューブが上下方向に押し潰されるように、衝撃吸収部材が変形することで、車両と人との衝突を検知する。一方、小動物などの人以外の衝突体と車両との衝突では、主として衝撃吸収部材の上部及び下部が変形して、圧力チューブの変形が抑制される。これにより、人以外の衝突体と車両との衝突を検知することができる。
特開2016-55711号公報
ところで、人が車両前方側を向いた状態での車両と人との衝突では、車両のバンパカバーが、人の脚部の背面に衝突する。このとき、人の脚部が、膝部を起点に屈曲するようになる。このため、人から車両へ入力される衝突荷重が小さくなる。これにより、圧力チューブを良好に押し潰すことができなくなる可能性がある。この場合には、衝突検知装置によって、車両への衝突体が人であるか否かを良好に検知することができなくなる虞がある。
本発明は、上記事実を考慮して、車両への衝突体が人であるか否かを良好に検知することができる衝突検知装置を提供することを目的とする。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、車幅方向に延在されたバンパビームと、前記バンパビームの車両前側に隣接して配置され、車幅方向に延在されたアブソーバと、車幅方向に延在され且つ前記アブソーバに保持された圧力チューブを含んで構成され、前記圧力チューブの圧力変化に応じた信号を出力する衝突検知センサと、前記アブソーバの前端部の一部を構成し、車両前側へ開放され且つ前記圧力チューブを回転可能に保持する溝部を有するチューブ保持部と、前記チューブ保持部の前端部に組付けられ、前記チューブ保持部の前面を車両前側から覆う本体部と、前記本体部から車両後側へ延出されて前記圧力チューブの前側に配置された押し部と、を含んで構成されたカバーと、前記圧力チューブの外周部に設けられ、前記圧力チューブから車両前側へ突出すると共に、前記押し部と車両前後方向に対向して配置され、車幅方向から見て車両前側へ向かうに従い互いに接近する方向に傾斜する上下一対の傾斜面を有する第1突起部と、前記圧力チューブの外周部又は前記溝部の内周部に設けられ、前記第1突起部よりも車両上側に配置された第2突起部と、を備えた衝突検知装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、車両への衝突体が人であるか否かを良好に検知することができる。
本実施の形態に係る衝突検知装置を示す模式的な平面図である。 図1に示される衝突検知装置の左側から見た断面図(図1の2-2線拡大断面図)である。 図2に示されるアブソーバのチューブ保持部の周辺を拡大して示す拡大断面図である。 車両と人との前面衝突時における衝突検知装置の動作を模式的に示す図3に対応する断面図である。 車両と人以外の衝突体との前面衝突時における衝突検知装置の動作を模式的に示す図3に対応する断面図である。
以下、図面を用いて、本実施の形態に係る衝突検知装置10について説明する。なお、図面に適宜示される矢印FRは、衝突検知装置10が適用された車両(自動車)Vの車両前側を示し、矢印UPは車両上側を示し、矢印LHは車両左側(車幅方向一方側)を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、車両上下方向、車両前後方向、車両左右方向を示すものとする。
図1及び図2に示されるように、衝突検知装置10は、車両Vの前端部に配置されて、衝突体の車両Vへの衝突を検知する装置として構成されている。衝突検知装置10は、車両Vの骨格部材を構成するバンパビーム20と、バンパビーム20の前側に配置されたアブソーバ30と、アブソーバ30に組付けられたカバーとしての押しカバー40と、を含んで構成されている。また、衝突検知装置10は、衝突検知センサ50を有している。以下、衝突検知装置10の各構成について説明する。
(バンパビーム20について)
バンパビーム20は、左右方向(車幅方向)に延在されると共に、バンパビーム20の長手方向から見た断面視で略矩形閉断面形状に形成されている。バンパビーム20は、バンパビーム20の前端部を構成するフロントパネル22と、バンパビーム20の後部を構成するリヤパネル24と、を含んで構成されている。
フロントパネル22は、金属板材によって構成されると共に、前後方向を板厚方向とし且つ左右方向に延在されている。また、フロントパネル22の上下方向中間部には、後側へ一段窪んだ凹部22Aが形成されている。そして、フロントパネル22における凹部22Aよりも上側部分が上側フランジ部22Bとして構成され、フロントパネル22における凹部22Aよりも下側部分が下側フランジ部22Cとして構成されている。
リヤパネル24は、フロントパネル22と同様に金属板材によって構成されると共に、左右方向に延在されている。リヤパネル24は、その長手方向から見て、前側へ開放された略ハット形状に形成されている。そして、リヤパネル24の上端部がフロントパネル22の上側フランジ部22Bに接合され、リヤパネル24の下端部が、フロントパネル22の下側フランジ部22Cに接合されている。
バンパビーム20の後側には、車両Vの骨格を構成する左右一対のフロントサイドフレーム60が設けられており、フロントサイドフレーム60は、前後方向に延在されている。そして、バンパビーム20の車幅方向両端部が、クラッシュボックス62を介して、フロントサイドフレーム60の前端部に連結されている。
(アブソーバ30について)
アブソーバ30は、発泡樹脂材すなわちウレタンフォーム等によって構成されている。アブソーバ30は、左右方向を長手方向とする略長尺状に形成されると共に、バンパビーム20の凹部22Aの前側に隣接して配置されている。アブソーバ30は、長手方向から見た断面視で、略台形状に形成されている。具体的には、アブソーバ30の下面が、左右方向から見て、後側へ向かうに従い下側へ傾斜している。そして、アブソーバ30の後面が、バンパビーム20の凹部22Aの前面に固定されている。また、アブソーバ30の前側には、バンパカバー64が設けられている。バンパカバー64は、車両Vの前端を構成しており、アブソーバ30を前側から覆っている。
図3にも示されるように、アブソーバ30の前端部には、後述する圧力チューブ52を保持し且つ押しカバー40を組付けるためのチューブ保持部32が設けられている。チューブ保持部32は、アブソーバ30の上端部から前側に張り出されている。チューブ保持部32の上下方向中間部には、前側へ開放された溝部34が形成されており、溝部34は、アブソーバ30の長手方向全体に亘って形成されている。溝部34は、左側から見た側断面視で、前側へ開放された略逆C字形状に形成されている。具体的には、溝部34は、溝部34の後部を構成し且つ圧力チューブ52を保持するための保持溝部34Aと、溝部34の開口部を構成する開口溝部34Bと、を含んで構成されている。保持溝部34Aは、側断面視で、略楕円状に形成されている。開口溝部34Bは、前後方向に貫通して、保持溝部34Aと連通している。また、保持溝部34Aの上下寸法は、開口溝部34Bの幅寸法(上下方向の寸法)よりも大きく設定されており、開口溝部34Bが、保持溝部34Aの上下方向の略中央部から前側へ延出している。
(押しカバー40について)
押しカバー40は、樹脂材によって構成されて、アブソーバ30のチューブ保持部32に組付けられている。押しカバー40は、本体部としてのカバー本体42と、押し部44と、を含んで構成されている。
カバー本体42は、左右方向に延在された略長尺プレート状に形成されると共に、側断面視で後側へ開放された略U字形状に形成されている。具体的には、カバー本体42は、前後方向を板厚方向とする前壁42Aと、前壁42Aの上端部から後側へ延出された上壁42Bと、前壁42Aの下端部から後側へ延出された下壁42Cと、を含んで構成されている。そして、上壁42B及び下壁42Cがチューブ保持部32を上下方向両側から挟持するように、カバー本体42をチューブ保持部32に前側から嵌め込んで、カバー本体42が、チューブ保持部32に組付けられている。カバー本体42のチューブ保持部32への組付状態では、前壁42Aが、チューブ保持部32の前側に隣接配置されている。
押し部44は、上下方向を厚み方向とし且つ左右方向に延在された略長尺リブ状に形成されて、カバー本体42の上下方向中間部から後側へ延出されている。押し部44の厚み寸法は、アブソーバ30の開口溝部34Bの溝幅寸法よりも小さく設定されており、押し部44が、開口溝部34B内に配置されている。押し部44の後面は、押し面44Aとして構成されており、押し面44Aは、側断面視で後側へ凸となる円弧状に湾曲している。
(衝突検知センサ50について)
衝突検知センサ50は、アブソーバ30に保持された圧力チューブ52と、圧力チューブ52の圧力変化に応じた信号を出力する圧力センサ54(広義には、圧力検出器として把握される要素である)と、を含んで構成されている。
圧力チューブ52は、左右方向を長手方向とする長尺状に形成されると共に、断面略円環状の中空構造体として構成されている。そして、圧力チューブ52が、溝部34の保持溝部34A内に嵌め込まれて、アブソーバ30のチューブ保持部32に回転可能に保持されている。また、圧力チューブ52の直径は、開口溝部34Bの溝幅寸法よりも大きく設定されている。
圧力チューブ52の前端部の外周部には、第1突起部52Aが形成されている。第1突起部52Aは、車幅方向に延在されたリブ状に形成されており、圧力チューブ52の長手方向全体に亘って形成されている。第1突起部52Aは、側断面視で、略三角形状に形成されている。具体的には、第1突起部52Aは、上下一対の傾斜面52A1を有しており、一対の傾斜面52A1が、側断面視で、前側へ向かうに従い互いに接近する方向(上下方向内側)に傾斜している。一対の傾斜面52A1の交点が、第1突起部52Aの前端を構成しており、第1突起部52Aは、開口溝部34Bの後端部内に配置されている。具体的には、第1突起部52Aの前端が、押し部44の押し面44Aの上下方向中央部に対して後側に隣接して配置されて、第1突起部52Aと押し部44とが前後方向に対向配置されている(以下、この状態における圧力チューブ52の位置を初期位置という)。
また、詳細については後述するが、車両と人との前面衝突時には、押し部44の押し面44Aによって第1突起部52Aが押圧されて、圧力チューブ52が、左側から見て、初期位置から反時計回りに回転した第1位置(図4に示される位置である)に配置されるようになっている。一方、車両と人以外の衝突体との前面衝突時には、押し部44の押し面44Aによって第1突起部52Aが押圧されて、圧力チューブ52が、左側から見て、初期位置から時計回りに回転した第2位置(図5に示される位置である)に配置されるようになっている。
また、圧力チューブ52の上端部の外周部には、第2突起部52Bが形成されている。第2突起部52Bは、車幅方向に延在されたリブ状に形成されており、圧力チューブ52の長手方向全体に亘って形成されている。第2突起部52Bは、第1突起部52Aと同様に、側断面視で、略三角形状に形成されている。すなわち、第2突起部52Bは、前後一対の傾斜面52B1を有しており、一対の傾斜面52B1が、側断面視で、上側へ向かうに従い互いに接近する方向(前後方向内側)に傾斜している。
また、前述した保持溝部34Aは、圧力チューブ52が第1位置と第2位置との間を移動可能となるように、略楕円状に形成されている。具体的には、保持溝部34Aが、後側へ向かうに従い上側へ若干傾斜する方向(図3の矢印A方向及び矢印B方向であり、以下、この方向を傾斜方向という)を長辺とし、傾斜方向に対して直交する方向(図3の矢印C方向及び矢印D方向であり、以下、この方向を直交方向という)を短辺とする楕円状に形成されている。また、保持溝部34Aの直交方向一方側(図3の矢印C方向側)の内周面と圧力チューブ52の外周面とが接するように、圧力チューブ52が保持溝部34A内に配置されており、保持溝部34Aと圧力チューブ52との間には、間隙Gが形成されている。そして、第1突起部52A及び第2突起部52Bが間隙Gに配置されており、第2突起部52Bの頂部が、保持溝部34Aの内周面に接している。また、間隙Gは、少なくとも、圧力チューブ52における第1突起部52Aの上下方向両側に形成されており、圧力チューブ52の初期位置から第1位置又は第2位置への回転時に、第1突起部52Aが保持溝部34Aの内周部に干渉することを抑制している。
圧力センサ54は、圧力チューブ52の長手方向両端部に設けられると共に、図示しない位置において車体に固定されている。圧力センサ54は、ECU56(広義には、衝突判定部として把握される要素である)に電気的に接続されている。そして、圧力チューブ52が変形することで、圧力チューブ52内の圧力変化に応じた信号が圧力センサ54からECU56へ出力されるようになっている。
また、ECU56は、圧力センサ54の出力信号に基づいて、圧力チューブ52内の圧力変化値を算出し、圧力変化値が閾値を超えるか否かを判断して、バンパカバー64への衝突体が、人であるのか、小動物等の人以外の衝突体であるのかを判定するようになっている。詳しくは、圧力チューブ52内の圧力変化値が閾値以上の場合には、ECU56が、衝突体を人であると判定し、圧力チューブ52内の圧力変化値が閾値よりも小さい場合には、ECU56が、衝突体を人以外であると判定する。
(作用効果)
次に、人と車両Vとの前面衝突時、及び人以外の衝突体と車両Vとの前面衝突時における、衝突検知装置10の動作を説明しつつ、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
車両Vの人との前面衝突では、人の脚部がバンパカバー64に当たり、人が車両Vのフード上に倒れ込むようになる。このため、図4に示されるように、主として、後斜め下方の衝突荷重F1が、バンパカバー64に入力されると共に、アブソーバ30の前端部(チューブ保持部32)に組付けられた押しカバー40に入力される。衝突荷重F1が押しカバー40に入力されると、押しカバー40が、後斜め下方側へ傾く後傾姿勢になると共に、後側へ変位する。このため、押しカバー40の押し部44が、アブソーバ30の開口溝部34B内において後傾する。このとき、押し部44の押し面44Aが、圧力チューブ52における第1突起部52Aの上側の傾斜面52A1に当接し、上側の傾斜面52A1を下方側へ押圧する。これにより、圧力チューブ52が、初期位置から第1位置に回転する。
圧力チューブ52の第1位置では、圧力チューブ52の第2突起部52Bが、初期位置から前方側に変位するが、チューブ保持部32における上部の下側に第2突起部52Bが隣接配置された状態が維持される。また、押しカバー40が、後傾姿勢になることで、押しカバー40のカバー本体42が、主として、チューブ保持部32の上部を後斜め下方側へ押圧する。これにより、チューブ保持部32の上部が、後斜め上方側へ変位して、圧力チューブ52の第2突起部52Bを後斜め下方側へ押圧する。その結果、圧力チューブ52が押し潰されるように変形する。よって、圧力チューブ52内の圧力が変化して、圧力チューブ52の圧力変化に応じた信号を圧力センサ54がECU56に出力する。その結果、ECU56において、衝突体が人であることを検知する。
一方、小動物等の人以外の衝突体と車両Vとの前面衝突では、当該衝突体がバンパカバー64の下部に当たる。このため、図5に示されるように、主として、後斜め上方側への衝突荷重F2が、バンパカバー64に入力されると共に、アブソーバ30の前端部(チューブ保持部32)に組付けられた押しカバー40に入力される。衝突荷重F2が押しカバー40に入力されると、押しカバー40が、前斜め下方側へ傾く前傾姿勢になると共に、後側へ変位する。このため、押しカバー40の押し部44が、アブソーバ30の開口溝部34B内において前傾する。このとき、押し部44の押し面44Aが、圧力チューブ52における第1突起部52Aの下側の傾斜面52A1に当接し、下側の傾斜面52A1を上方側へ押圧する。これにより、圧力チューブ52が、初期位置から第2位置に回転する。
圧力チューブ52の第2位置では、圧力チューブ52の第2突起部52Bが初期位置から後方側に変位して、第2突起部52Bがチューブ保持部32における上部の下側に隣接配置された状態が維持される。また、押しカバー40が、前傾姿勢になることで、押しカバー40のカバー本体42が、チューブ保持部32の下部を後斜め上方側へ押圧する。これにより、チューブ保持部32の下部が、後斜め上方側へ変位する。このとき、圧力チューブ52の第2突起部52Bは、保持溝部34Aに対してチューブ保持部32の下部とは反対側に配置されているため、チューブ保持部32の下部による第2突起部52Bへの押圧を抑制できる。しかも、圧力チューブ52とチューブ保持部32の下部との間には、間隙Gが形成されているため、チューブ保持部32の下部が後斜め上方側へ変位しても、チューブ保持部32の下部の圧力チューブ52への押圧が抑制される。これにより、人以外の衝突体との衝突時における圧力チューブ52内の圧力の変化が小さくなるため、ECU56において、バンパカバー64への衝突体が人以外の小動物等であることを検知する。
以上説明したように、本実施形態の衝突検知装置10では、圧力チューブ52が、アブソーバ30の前端部の一部を構成するチューブ保持部32の溝部34に保持されており、押しカバー40がチューブ保持部32の前端部に組付けられている。また、押しカバー40の押し部44が、溝部34の開口溝部34B内に配置されて、圧力チューブ52の前側に配置されている。ここで、圧力チューブ52の外周部には、前側へ突出し且つ押し部44と前後方向に対向する第1突起部52Aが設けられている。第1突起部52Aの外周面は、上下一対の傾斜面52A1で構成されており、傾斜面52A1が車幅方向から見て、前側へ向かうに従い互いに接近する方向に傾斜している。また、圧力チューブ52の外周部には、第2突起部52Bが設けられており、第2突起部52Bが第1突起部52Aよりも上側に配置されている。このため、上述のように、車両Vと人との前面衝突時には、押し部44によって第1突起部52Aの上側の傾斜面52A1を押圧して、圧力チューブ52を初期位置から第1位置に回転させることができる。また、第2突起部52Bは、第1突起部52Aよりも上側に配置されているため、衝突荷重F1が主に入力されるチューブ保持部32の上部(溝部34に対して上側部分)によって第2突起部52Bを押圧して、圧力チューブ52を良好に変形することができる。一方、車両Vと人以外の衝突体との前面衝突時には、押し部44によって第1突起部52Aの下側の傾斜面52A1を押圧して、圧力チューブ52を初期位置から第2位置に回転させることができる。また、このときには、第2突起部52Bが、溝部34に対してチューブ保持部32の下部(溝部34に対して下側部分)とは反対側に配置されるため、チューブ保持部32の下部による第2突起部52Bへの押圧を抑制することができる。その結果、圧力チューブ52の変形量を小さくすることができる。したがって、本実施形態の衝突検知装置10によれば、車両Vへの衝突体が人であるのか否かを良好に検知することができる。
また、第2突起部52Bが圧力チューブ52に一体に形成されている。これにより、アブソーバ30の保持溝部34Aを楕円状に形成することができる。よって、アブソーバ30の成形性を向上することができる。
また、押し部44の押し面44Aが、車幅方向から見て、後側へ凸となる円弧状に湾曲している。このため、押し面44Aによって、第1突起部52Aの上側又は下側の傾斜面52A1を押圧して、圧力チューブ52を初期位置から第1位置又は第2位置へ回転させることができる。
なお、本実施の形態では、第2突起部52Bが圧力チューブ52に設けられているが、第2突起部52Bに対応する突起部を、アブソーバ30の保持溝部34Aの上部の内周面に形成して、第1突起部52Aよりも上側に配置してもよい。この場合には、アブソーバ30に形成された突起部を、圧力チューブ52の上側に接するように隣接配置する。そして、この場合には、圧力チューブ52が第1位置又は第2位置に回転しても、第2突起部52Bに対応する突起部の位置が変化しないため、第2突起部52Bを適正な位置に容易に設定することができる。
また、本実施の形態では、第2突起部52Bが、側断面視で略三角形状に形成されているが、第2突起部52Bの断面形状は任意に設定することができる。例えば、第2突起部52Bの断面形状を半円状に形成して、圧力チューブ52の径方向外側へ突出するように構成してもよい。この場合には、圧力チューブ52が保持溝部34A内を回転するときの、第2突起部52Bの保持溝部34Aに対する摺動抵抗を低くすることができる。
10 衝突検知装置
20 バンパビーム
30 アブソーバ
32 チューブ保持部
34 溝部
40 押しカバー(カバー)
42 カバー本体(本体部)
44 押し部
50 衝突検知センサ
52 圧力チューブ
52A 第1突起部
52A1 傾斜面
52B 第2突起部

Claims (3)

  1. 車幅方向に延在されたバンパビームと、
    前記バンパビームの車両前側に隣接して配置され、車幅方向に延在されたアブソーバと、
    車幅方向に延在され且つ前記アブソーバに保持された圧力チューブを含んで構成され、前記圧力チューブの圧力変化に応じた信号を出力する衝突検知センサと、
    前記アブソーバの前端部の一部を構成し、車両前側へ開放され且つ前記圧力チューブを回転可能に保持する溝部を有するチューブ保持部と、
    前記チューブ保持部の前端部に組付けられ、前記チューブ保持部の前面を車両前側から覆う本体部と、前記本体部から車両後側へ延出されて前記圧力チューブの前側に配置された押し部と、を含んで構成されたカバーと、
    前記圧力チューブの外周部に設けられ、前記圧力チューブから車両前側へ突出すると共に、前記押し部と車両前後方向に対向して配置され、車幅方向から見て車両前側へ向かうに従い互いに接近する方向に傾斜する上下一対の傾斜面を有する第1突起部と、
    前記圧力チューブの外周部又は前記溝部の内周部に設けられ、前記第1突起部よりも車両上側に配置された第2突起部と、
    を備えた衝突検知装置。
  2. 前記第2突起部が、前記圧力チューブの上端部における外周部から車両上側へ突出している請求項1に記載の衝突検知装置。
  3. 前記押し部の後端面が、車幅方向から見て、車両後方側へ凸となる円弧状に湾曲している請求項1又は請求項2に記載の衝突検知装置。
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