JP2023130888A - ジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法 - Google Patents

ジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法 Download PDF

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淳士 市川
Atsushi Ichikawa
健志 藤田
Kenji Fujita
日南人 有本
Hinato Arimoto
公祐 佐野
Kosuke Sano
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Abstract

【課題】1,1,1,2-テトラフルオロエタンを出発物質として、効率的にジフルオロメチル置換ピラゾールを得ることができるジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法を提供する。【解決手段】1,1,1,2-テトラフルオロエタンを含む反応溶液(1)に塩化亜鉛(II)-テトラヒドロフラン溶液を加えて混合することにより、1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を得る工程と、α-ハロヒドラゾンおよび1価の銅錯体を含む反応溶液(2)に、前記1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加えて、前記反応溶液(2)を混合する工程と、を有する、ジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法に関する。
ピラゾール(C)は、2つの隣接した窒素原子と3つの炭素原子からなる五員環の芳香族化合物である。特に含フッ素置換基を有するピラゾール類は、生理活性作用を持つものが多く知られ、医薬品や農薬として用いられている。また、ジフルオロメチル置換ピラゾールも、様々な生理活性を発現することが知られている。そのため、ジフルオロメチル置換ピラゾール骨格の効率的な構築法の開発は、有機合成化学だけでなく医農薬の分野においても重要である。
ジフルオロメチル置換ピラゾールは、ピラゾール環への直接的なジフルオロメチル基の導入、あるいはジフルオロメチル基を予め有する基質の環化によって合成されてきた。ジフルオロメチル基を直接導入する方法としては、例えば、ホルミル基が置換したピラゾールに対して、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)を用いて脱酸素的フッ素化を行う方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、ジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法としては、例えば、予めジフルオロメチル基が末端炭素に置換したジケトンとヒドラジンとを反応させる方法も知られている(例えば、非特許文献2参照)。
近年、ジフルオロエチルアミンから生成するジフルオロジアゾエタンとアルキンとの[3+2]付加環化による、ジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法が知られている(例えば、非特許文献3参照)。
Yue Zhang,Zhen Chen,Jing Nie,Fa-Guang Zhang,Jun-An Ma,"Development of Cyanopyrazoles as Building Blocks to Fungicide Fluxapyroxad and Analogues",The Journal of Organic Chemistry,2019,84,7148-7158. Francis Gosselin,Paul D.O’Shea,Robert A.Webster,Robert A.Reamer,Richard D.Tillyer,Edward J.J.Grabowski,"Highly Regioselective Synthesis of 1-Aryl-3,4,5-Substituted Pyrazoles",Synlett 2006,No.19,3267-3270. Pavel K.Mykhailiuk,"In Situ Generation of Difluoromethyl Diazomethane for[3+2]Cycloadditions with Alkynes",Angewandte Chemie International Edition 2015,54,6558-6561.
しかしながら、非特許文献1に記載の方法で用いられるDASTは、市販されていて入手が容易である一方、爆発性を有している等、取り扱う上で十分な注意が必要であるという課題があった。
非特許文献2に記載の方法では、基質に対して、予めジフルオロメチル基を導入しておく必要がある上に、ジフルオロメチル基の位置異性体の混合物が生成するという課題があった。
非特許文献3に記載の方法では、室温で容易に反応が進行するものの、電子が不足したアルキンしか用いることができず、基質の適用範囲が狭いという課題があった。
また、代替フロンである1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)の化学変換法は、1,1,1,2-テトラフルオロエタンを回収した後の再利用法として期待されている。しかしながら、従来、効率的な1,1,1,2-テトラフルオロエタンの化学変換法はほとんど存在しなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、1,1,1,2-テトラフルオロエタンを出発物質として、効率的にジフルオロメチル置換ピラゾールを得ることができるジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]1,1,1,2-テトラフルオロエタンを含む反応溶液(1)に塩化亜鉛(II)-テトラヒドロフラン溶液を加えて混合することにより、1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を得る工程と、
α-ハロヒドラゾンおよび1価の銅錯体を含む反応溶液(2)に、前記1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加えて、前記反応溶液(2)を混合する工程と、
を有する、ジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法。
[2]前記1価の銅錯体は、臭化銅(I)である、[1]に記載のジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法。
本発明によれば、1,1,1,2-テトラフルオロエタンを出発物質として、効率的にジフルオロメチル置換ピラゾールを得ることができるジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法を提供することができる。
本発明のジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[ジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法]
本発明の一実施形態に係るジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法は、1,1,1,2-テトラフルオロエタンを含む反応溶液(1)に塩化亜鉛(II)-テトラヒドロフラン溶液を加えて混合することにより、1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を得る工程(以下、「第1の工程」と言う。)と、α-ハロヒドラゾンおよび1価の銅錯体を含む反応溶液(2)に、前記1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加えて、前記反応溶液(2)を混合する工程(以下、「第2の工程」と言う。)と、を有する。
「第1の工程」
第1の工程では、下記の反応式(1)で表される化学反応を行う。
Figure 2023130888000001
第1の工程では、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)を用いて、1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤(上記の反応式(1)において、化学式(a)で表される化合物)を作製する。
攪拌子を具備したガラス反応容器(二口ナス型フラスコ)に、1,1,1,2-テトラフルオロエタンをビニール風船により導入する。
ガラス反応容器に導入する1,1,1,2-テトラフルオロエタンの量を、0.5eq(倍モル量)~100eq(倍モル量)とする。
1,1,1,2-テトラフルオロエタンを導入したガラス反応容器に、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)およびテトラヒドロフラン(THF)を加えて、撹拌、混合する。
ガラス反応容器に加えるN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミンの量を、0.1eq(倍モル量)~2.5eq(倍モル量)とする。
テトラヒドロフランの添加量は、特に限定されないが、例えば、1.0mL~30mLとする。
1,1,1,2-テトラフルオロエタン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミンおよびテトラヒドロフランの混合物を撹拌する際、混合物の温度を-100℃~室温(25℃)とする。
1,1,1,2-テトラフルオロエタン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミンおよびテトラヒドロフランの混合物を撹拌する時間を、10分~1時間とする。
次いで、上記の混合物にリチウムジイソプロピルアミド-テトラヒドロフラン溶液を加えて、撹拌、混合する。
リチウムジイソプロピルアミド(LDA)を加える量を、1.0eq(倍モル量)~3.0eq(倍モル量)とする。
テトラヒドロフランの添加量は、特に限定されないが、例えば、6.0mL~30mLとする。
上記の混合物にリチウムジイソプロピルアミド-テトラヒドロフラン溶液を加えた反応溶液(1)を撹拌する際、反応溶液(1)の温度を-100℃~室温(25℃)とする。
上記の反応溶液(1)を撹拌する時間を、30分~24時間とする。
次いで、上記の反応溶液(1)に塩化亜鉛(II)-テトラヒドロフラン溶液を加えて、撹拌、混合する。
塩化亜鉛(II)を加える量を、0.5eq(倍モル量)~3.0eq(倍モル量)とする。
テトラヒドロフランの添加量は、特に限定されないが、例えば、2.0mL~30mLとする。
塩化亜鉛(II)-テトラヒドロフラン溶液を加えた反応溶液(1)を撹拌する際、反応溶液(1)の温度を-100℃~-60℃とする。
上記の反応溶液(1)を撹拌する時間を、30分~24時間とする。
上記の反応式(1)で表される化学反応が終了した後、反応溶液(1)の温度を室温に戻す。
以上の操作により、1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を得る。
「第2の工程」
第2の工程では、下記の反応式(2)で表される化学反応を行う。
Figure 2023130888000002
第2の工程では、1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤-テトラヒドロフラン溶液に、1価の銅錯体の存在下でα-ハロヒドラゾンを作用させることにより、ジフルオロメチル置換ピラゾールを作製する。
攪拌子を具備したガラス反応容器(シュレンク管)に、α-ハロヒドラゾン(上記の反応式(2)において、化学式(b)で表される化合物)、1価の銅錯体、1,4-シクロヘキサジエンおよびジエチルエーテルを加え、撹拌、混合し、反応溶液(2)を調製する。
α-ハロヒドラゾンを加える量を、0.2eq(倍モル量)~2.0eq(倍モル量)とする。
1価の銅錯体を加える量を、0.1eq(倍モル量)~3.0eq(倍モル量)とする。
1,4-シクロヘキサジエンを加える量を、0.1eq(倍モル量)~3.0eq(倍モル量)とする。
ジエチルエーテルを加える量を、0.1mL~15mLとする。
上記の反応溶液(2)を撹拌する際、反応溶液(2)の温度を0℃~60℃とする。
上記の反応溶液(2)を撹拌する時間を、2時間~24時間とする。
α-ハロヒドラゾンを表す化学式(b)において、Rは、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいシクロヘキシル基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基である。
上記化学式(b)において、R’は、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいスルホニル基、置換基を有していてもよいベンジル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基である。
上記化学式(b)において、Xは、Cl、Brである。化学式(b)において、Xの付け根の炭素に置換基を有していてもよい。Xの付け根の炭素とNの付け根の炭素が置換基を有していてもよく、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン環等の炭素環の一部になっていてもよい。
1価の銅錯体としては、例えば、臭化銅(I)(CuBr)、臭化銅(I)-ジメチルスルフィド錯体(CuBr・SMe)、塩化銅(I)(CuCl)、ヨウ化銅(I)(CuI)、チオシアン酸銅(I)(CuSCN)、酢酸銅(I)(CuOAc)等が挙げられる。これらの中でも、1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤とα-ハロヒドラゾンの反応性を高め、ジフルオロメチル置換ピラゾールの収率を高めることができる点から、臭化銅(I)が好ましい。
次いで、反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、撹拌、混合した。
1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加える量を、0.5eq(倍モル量)~5.0eq(倍モル量)とする。
上記の反応式(2)で表される化学反応が終了した後、上記の反応溶液(2)に酢酸エチルを加え、その反応溶液(2)をシリカゲルが充填されたフィルターに通過させ、さらに酢酸エチルでシリカゲルを洗浄する。
反応溶液(2)を洗浄液と合わせてフラスコに集め、溶媒を減圧留去する。
以上の操作により、ジフルオロメチル置換ピラゾール(上記の反応式(2)において、化学式(c)で表される化合物)を得る。
ジフルオロメチル置換ピラゾールを表す化学式(c)において、Rは、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいシクロヘキシル基、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基である。
本実施形態のジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法によれば、α-ハロヒドラゾンから反応系中で発生するアゾアルケンに対して、1,1,1,2-テトラフルオロエタンから導かれる1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を、1価の銅錯体の存在下で作用させることにより、効率的にジフルオロメチル置換ピラゾールを得ることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
「1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤の合成」
下記の反応式(3)で表される化学反応を行い、1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を合成した。
攪拌子を具備した100mLのガラス反応容器(二口ナス型フラスコ)に、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)141mL(5.8mmol)をビニール風船により導入した。
HFC-134aを導入したガラス反応容器内に、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン1.00mL(6.5mmol)、およびテトラヒドロフラン3.0mLを加え、-80℃に冷却した。
さらに、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミンおよびテトラヒドロフランも加えたガラス反応容器内に、リチウムジイソプロピルアミド-テトラヒドロフラン溶液12.7mL(0.80M、10mmol)を10分かけて加え、-80℃で20分間、攪拌、混合し、反応溶液(1)を調製した。
次いで、反応溶液(1)に塩化亜鉛(II)-テトラヒドロフラン溶液4.0mL(1.63M、6.5mmol)を加え、-80℃で5分攪拌、混合した。
反応終了後、反応溶液(1)を室温(25℃)に戻した。
Figure 2023130888000003
「生成物の分析」
反応溶液(1)0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCFを所定量加え、重ベンゼンを含むガラスキャピラリーとともに19F-NMRを測定したところ、上記の反応式(3)において、化学式(a)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(a)で表される化合物の収率は67%であった。
19F-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
得られた化合物の19F-NMRの測定データを以下に示す。
19F-NMRデータ(470MHz、溶媒:重ベンゼン)δ(ppm):30.0(dd,J=105,34Hz,1F)、34.6(dd,J=105,89Hz,1F)、68.3(dd,J=89,34Hz,1F)。
[実施例2]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
下記の反応式(4)で表される化学反応を行い、ジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
攪拌子を具備した30mLのガラス反応容器(シュレンク管)に、α-クロロヒドラゾン(下記の反応式(4)において、化学式(b)で表される化合物)27mg(0.10mmol)、臭化銅(I)14mg(0.10mmol)、1,4-シクロヘキサジエン12μL(0.10mmol)、および1,4-ジオキサン3.0mLを加え、撹拌、混合し、反応溶液(2)を調製した。
次いで、反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤1.5mL(0.20mmol)を加え、室温(25℃)で14時間攪拌、混合した。
反応終了後、反応溶液(2)に酢酸エチル3mLを加え、その反応溶液(2)をシリカゲルが充填されたフィルターに通過させ、さらに酢酸エチルでシリカゲルを洗浄した。
反応溶液(2)を洗浄液と合わせてフラスコに集め、エバポレーターにより溶媒を減圧留去した。残留物を重クロロホルムに溶かした。
Figure 2023130888000004
「生成物の分析」
残留物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてPhCFを所定量加え、実施例1と同様にして、19F-NMRを測定した。
その結果、上記の反応式(4)において、化学式(c)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(c)で表される化合物の収率は80%であった。
得られた化合物の19F-NMRを以下に示す。
19F-NMR(470MHz、溶媒:CDCl)δ(ppm):48.3(d,J=54Hz)。
[実施例3]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
下記の反応式(4)で表される化学反応を行い、ジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
攪拌子を具備した30mLのガラス反応容器(シュレンク管)に、α-クロロヒドラゾン(下記の反応式(5)において、化学式(b)で表される化合物)27mg(0.10mmol)、臭化銅(I)14mg(0.10mmol)、1,4-シクロヘキサジエン12μL(0.10mmol)、および1,4-ジオキサン3.0mLを加え、撹拌、混合し、反応溶液(2)を調製した。
次いで、反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤1.5mL(0.20mmol)を加え、室温(25℃)で14時間攪拌、混合した。
反応終了後、反応溶液(2)に酢酸エチル3mLを加え、その反応溶液(2)をシリカゲルが充填されたフィルターに通過させ、さらに酢酸エチルでシリカゲルを洗浄した。
反応溶液(2)を洗浄液と合わせてフラスコに集め、エバポレーターにより溶媒を減圧留去した。
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製した。
Figure 2023130888000005
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例3の生成物を分析した。
その結果、上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(c)で表される化合物の収率は78%であった。
得られた化合物を溶かした重クロロホルム溶液0.5mLを取り出し、内部標準物質としてテトラメチルシランを所定量加え、H-NMRおよび13C-NMRを測定した。
H-NMRおよび13C-NMRの測定には、Bruker社製のAvance500を用いた。
また、HORIBA社製のFT-300Sにより、残留物のIRを測定した。
得られた化合物のH-NMR、13C-NMR、19F-NMRおよびIRの測定データを以下に示す。
H-NMR(500MHz、溶媒:CDCl)δ(ppm):1.69(s,9H)、7.05-7.26(m,2H)、7.40-7.44(m,3H)、7.88-7.90(m,2H)。
13C-NMR(126MHz、溶媒:CDCl)δ(ppm):27.8、86.9、107.7、108.4(t,J=238Hz)、126.4、128.7、129.4、131.0、140.5(t,J=31Hz)、147.3、153.7。
19F-NMR(470MHz、溶媒:CDCl)δ(ppm):48.3(d,J=54Hz)。
IR(neat)2360、1736、1446、1352、1298、1134、1038、773cm-1
[実施例4]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(6)で表される化合物を94mg(0.30mmol)用い、下記の化学式(6)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で15時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(7)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000006
Figure 2023130888000007
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例4の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(7)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(7)で表される化合物の収率は78%であった。
[実施例5]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(8)で表される化合物を50mg(0.20mmol)用い、下記の化学式(8)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で17時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(9)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000008
Figure 2023130888000009
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例5の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(9)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(9)で表される化合物の収率は36%であった。
[実施例6]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(10)で表される化合物を98mg(0.30mmol)用い、下記の化学式(10)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で15時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(11)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000010
Figure 2023130888000011
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例6の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(11)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(11)で表される化合物の収率は53%であった。
[実施例7]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(12)で表される化合物を103mg(0.30mmol)用い、下記の化学式(12)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で15時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(13)で15時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(13)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。化学式(13)中、MeはCHである。
Figure 2023130888000012
Figure 2023130888000013
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例7の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(13)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(13)で表される化合物の収率は51%であった。
[実施例8]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(14)で表される化合物を91mg(0.25mmol)用い、下記の化学式(14)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で19時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(15)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000014
Figure 2023130888000015
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例8の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(15)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(15)で表される化合物の収率は51%であった。
[実施例9]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(16)で表される化合物を82mg(0.25mmol)用い、下記の化学式(16)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で17時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(17)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000016
Figure 2023130888000017
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例9の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(17)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(17)で表される化合物の収率は48%であった。
[実施例10]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(18)で表される化合物を82mg(0.25mmol)用い、下記の化学式(18)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で17時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(19)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000018
Figure 2023130888000019
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例10の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(19)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(19)で表される化合物の収率は91%であった。
[実施例11]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(20)で表される化合物を75mg(0.25mmol)用い、下記の化学式(20)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で17時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(21)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000020
Figure 2023130888000021
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例11の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(21)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(21)で表される化合物の収率は35%であった。
[実施例12]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(22)で表される化合物を99mg(0.30mmol)用い、下記の化学式(22)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で15時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(23)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000022
Figure 2023130888000023
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例12の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(23)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(23)で表される化合物の収率は43%であった。
[実施例13]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(24)で表される化合物を95mg(0.25mmol)用い、下記の化学式(24)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で17時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(25)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000024
Figure 2023130888000025
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例13の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(25)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(25)で表される化合物の収率は15%であった。
[実施例14]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(26)で表される化合物を50mg(0.20mmol)用い、下記の化学式(26)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で15時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(27)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000026
Figure 2023130888000027
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例14の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(27)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(27)で表される化合物の収率は48%であった。
[実施例15]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(28)で表される化合物を70mg(0.20mmol)用い、下記の化学式(28)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で16時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(29)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000028
Figure 2023130888000029
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例15の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(29)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(29)で表される化合物の収率は46%であった。
[実施例16]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(30)で表される化合物を50mg(0.20mmol)用い、下記の化学式(30)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で15時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(31)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000030
Figure 2023130888000031
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例16の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(31)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(31)で表される化合物の収率は80%であった。
[実施例17]
「ジフルオロメチル置換ピラゾールの合成」
上記の反応式(5)において、化学式(c)で表される化合物の代わりに、下記の化学式(32)で表される化合物を68mg(0.20mmol)用い、下記の化学式(32)で表される化合物を含む反応溶液(2)に1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加え、室温(25℃)で16時間攪拌、混合したこと以外は、実施例2と同様にして、下記の化学式(33)で表されるジフルオロメチル置換ピラゾールを合成した。
Figure 2023130888000032
Figure 2023130888000033
「生成物の分析」
実施例2と同様にして、実施例17の生成物を分析した。
その結果、上記の化学式(33)で表される化合物が得られたことが確認できた。また、化学式(33)で表される化合物の収率は53%であった。

Claims (2)

  1. 1,1,1,2-テトラフルオロエタンを含む反応溶液(1)に塩化亜鉛(II)-テトラヒドロフラン溶液を加えて混合することにより、1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を得る工程と、
    α-ハロヒドラゾンおよび1価の銅錯体を含む反応溶液(2)に、前記1,2,2-トリフルオロビニル亜鉛反応剤を加えて、前記反応溶液(2)を混合する工程と、
    を有する、ジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法。
  2. 前記1価の銅錯体は、臭化銅(I)である、請求項1に記載のジフルオロメチル置換ピラゾールの製造方法。
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