JP2023130673A - 異径柱接合構造 - Google Patents

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Tatsuki Igarashi
聡 佐々木
Satoshi Sasaki
泉 小原
Izumi Ohara
大輔 桂
Daisuke Katsura
剛史 三山
Takashi Miyama
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Abstract

【課題】ダイアフラムを介して相互に異径の下柱と上柱が接合されている異径柱接合構造において、テーパー管形式のパネルコアを適用することなく、また、上ダイアフラムの板厚を厚くすることなく、上柱からパネルコアと下柱への円滑な力の伝達を実現できる異径柱接合構造を提供すること。【解決手段】パネルゾーンを形成する角形鋼管からなるパネルコア30Aの上端31と下端32に上ダイアフラム40Aと下ダイアフラム40Bを備え、下ダイアフラム40Bの下面43に角形鋼管からなる下柱10Aが接合され、上ダイアフラム40Aの上面41に角形鋼管からなる上柱20Aが接合され、下柱10Aに対して上柱20Aが小径である、異径柱接合構造100であり、上ダイアフラム40Aの下面42のうち、上柱20Aの隅角部23に対応する位置に補強リブ50が接合されている。【選択図】図1

Description

本発明は、異径柱接合構造に関する。
鉄骨造の建築物において、パネルゾーンを形成するパネルコアの上端と下端に上ダイアフラムと下ダイアフラムを備え、下ダイアフラムの下面に角形鋼管からなる下階の柱(下柱)が接合され、上ダイアフラムの上面に角形鋼管からなる上階の柱(上柱)が接合され、下柱に対して上柱が小径である異径柱接合構造においては、例えばテーパー管形式のパネルコアを適用して、その上下の上柱と下柱の各径に対応させながらパネルコアと上柱及び下柱を接続し、上柱から作用する力をパネルコア及び下柱に円滑に伝達可能とする接合構造がある。このテーパー管形式のパネルコアは、例えば平面視台形状の四枚の鋼板を相互に溶接接合することにより形成されるが、一般のパネルコアと異なり特注品となることから、接合構造の製作コストを増加させる要因となり得る。
一方、下柱とパネルコアを同寸法の角形鋼管により形成し、上ダイアフラムの板厚を例えば40mm程度かそれ以上に厚くすること(肉厚プレート形式)により、上柱から作用する力を上ダイアフラムを介してパネルコア及び下柱に円滑に伝達可能とする接合構造がある。この肉厚プレートからなる上ダイアフラムも、一般のダイアフラムと異なり特注品となることから、接合構造の製作コストを増加させる要因となり得る。
ここで、特許文献1には、上下異径の鋼管柱接合部における、ダイアフラムの剛性予測方法と板厚設計方法が提案されている。このうち、ダイアフラムの板厚設計方法は、上柱の断面の隣り合う二辺が下柱の断面の隣り合う二辺にそれぞれ揃う、二方向に偏心した上下柱異径の鋼管柱接合部における、ダイアフラムの剛性を予測する方法を用いて、上柱に設計荷重を与えた際のダイアフラムの剛性を求め、規格化された複数種の板厚の鋼板の中から、必要となる剛性を充足しつつ最も薄い板厚の鋼板をダイアフラムの材料として選定する板厚設計方法である。
特許第5864491号公報
特許文献1に記載される上下異径の鋼管柱接合部における、ダイアフラムの板厚設計方法によれば、二方向偏心の異径柱接合構造におけるダイアフラムの板厚設計を高精度に行うことができるものの、異径柱接合構造における下柱と上柱の偏心の有無に関わらず、テーパー管形式のパネルコアを適用することなく、また、上ダイアフラムの板厚を厚くすることなく、上柱からパネルコアと下柱への円滑な力の伝達を実現する手段は開示されていない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、ダイアフラムを介して相互に異径の下柱と上柱が接合されている異径柱接合構造において、テーパー管形式のパネルコアを適用することなく、また、上ダイアフラムの板厚を厚くすることなく、上柱からパネルコアと下柱への円滑な力の伝達を実現できる異径柱接合構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による異径柱接合構造の一態様は、
パネルゾーンを形成する角形鋼管からなるパネルコアの上端と下端に上ダイアフラムと下ダイアフラムを備え、前記下ダイアフラムの下面に角形鋼管からなる下柱が接合され、前記上ダイアフラムの上面に角形鋼管からなる上柱が接合され、前記下柱に対して前記上柱が小径である、異径柱接合構造であって、
前記上ダイアフラムの下面のうち、前記上柱の隅角部に対応する位置に補強リブが接合されていることを特徴とする。
本態様によれば、角形鋼管からなるパネルコアの上下の上ダイアフラムと下ダイアフラムにそれぞれ、異径の角形鋼管からなる上柱と下柱が例えば溶接接合されている接合構造において、上ダイアフラムの下面のうち、上柱の隅角部に対応する位置に補強リブが接合されていることにより、角形鋼管により形成されるパネルコアを適用して、上ダイアフラムの板厚を厚くすることなく、上柱からパネルコアと下柱への円滑な力の伝達を実現することができる。ここで、パネルコアと下柱は例えば同寸法の角形鋼管により形成される。
また、本発明による異径柱接合構造の他の態様は、
パネルゾーンを形成する角形鋼管からなるパネルコアの上端と下端に上ダイアフラムと下ダイアフラムを備え、前記下ダイアフラムの下面に角形鋼管からなる下柱が接合され、前記上ダイアフラムの上面にH形鋼からなる上柱が接合され、前記下柱に対して前記上柱が小径である、異径柱接合構造であって、
前記上ダイアフラムの下面のうち、前記上柱のフランジの端部に対応する位置に補強リブが接合されていることを特徴とする。
本態様によれば、角形鋼管からなるパネルコアの上下の上ダイアフラムと下ダイアフラムにそれぞれ、異径のH形鋼からなる上柱と角形鋼管からなる下柱が例えば溶接接合されている接合構造において、上ダイアフラムの下面のうち、上柱のフランジの端部に対応する位置に補強リブが接合されていることにより、角形鋼管により形成されるパネルコアを適用して、上ダイアフラムの板厚を厚くすることなく、上柱からパネルコアと下柱への円滑な力の伝達を実現することができる。例えば、上柱が屋上階の柱である場合は、支持する荷重が少なくなることから、H形鋼からなる上柱が適用されることにより、上柱に角形鋼管等を適用する場合と比べて、材料コストを可及的に抑えた異径柱接合構造を形成することができる。
また、本発明による異径柱接合構造の他の態様は、
少なくとも前記パネルコアと前記下柱が、前記角形鋼管の内部にコンクリートが充填されている、コンクリート充填鋼管により形成され、
前記補強リブが前記コンクリートに埋設されていることを特徴とする。
本態様によれば、パネルコアと下柱がコンクリート充填鋼管(CFT:Concrete Filled Steel Tube)によって形成されていることにより、パネルコアと下柱の軸圧縮耐力や曲げ耐力、変形性能を高めることが可能になる。また、上ダイアフラムの下面に接合されている補強リブがパネルコアの内部にあるコンクリートに埋設されていることにより、上ダイアフラムと補強リブの双方から伝達される力を、コンクリートを介してパネルコアを形成する角形鋼管やさらに下方のコンクリート充填鋼管である下柱に効果的に伝達することができる。さらに、上ダイアフラムの下面がコンクリート充填鋼管からなるパネルコアの全断面により支持されていることから、上ダイアフラムの下方への面外変形(凹み)がコンクリート充填鋼管の圧縮反力により抑制され、上ダイアフラムを含めた上柱の脚部の補強リブによる面外剛性の増加と相俟って、上ダイアフラムの板厚を薄くすることができる。ここで、「少なくともパネルコアと下柱がコンクリート充填鋼管により形成される」とは、パネルコアと下柱がコンクリート充填鋼管により形成される形態と、パネルコアと下柱に加えて上柱もコンクリート充填鋼管により形成される形態を含んでいる。
また、本発明による異径柱接合構造の他の態様は、
平面視において、前記補強リブの少なくとも一部が、前記上柱の前記隅角部もしくは前記フランジの端部に重畳していることを特徴とする。
本態様によれば、上ダイアフラムの下面のうち、角形鋼管からなる上柱の隅角部、もしくはH形鋼からなる上柱のフランジの端部に対応する位置に補強リブが接合されている(平面視でラップしている)ことにより、上柱から力が作用した際に上ダイアフラムの中でも破損し易い領域が補強リブにて効果的に補強されることで、上ダイアフラムの破損を抑制しながらパネルコアや下柱への円滑な力の伝達を実現できる。
また、本発明による異径柱接合構造の他の態様は、
前記補強リブが、相互に直交する二方向に延びる鋼板の接合体により形成され、
平面視において、二方向の前記鋼板が角形鋼管からなる前記上柱の前記隅角部において相互に直交する側面に沿って位置合わせされている、もしくは、前記接合体の一方の前記鋼板がH形鋼からなる前記上柱の前記フランジに沿って位置合わせされていることを特徴とする。
本態様によれば、補強リブが相互に直交する二方向に延びる鋼板の接合体により形成され、二方向の鋼板が上柱の角形鋼管の隅角部の直交する側面に沿って位置合わせされている、もしくは、一方の鋼板が上柱のH形鋼のフランジに沿って位置合わせされていることにより、上柱に対して直交する二方向に地震時や強風時の水平力が作用した際に、上柱の脚部から上ダイアフラムに作用する押込力に対して、鋼板の接合体が上ダイアフラムを効果的に補強することができ、上ダイアフラムの破損を抑制しながら、パネルコアや下柱への円滑な力の伝達を実現できる。
また、本発明による異径柱接合構造の他の態様は、
前記補強リブが一枚の鋼板により形成され、
平面視において、前記鋼板が前記上柱の対角線方向に平行もしくは略平行に位置合わせされていることを特徴とする。
本態様によれば、一枚の鋼板により形成される補強リブが、平面視において上柱の対角線方向に平行もしくは略平行に位置合わせされていることにより、上柱に対して直交する二方向に地震時や強風時の水平力が作用した際に、上柱の脚部から上ダイアフラムに作用する押込力に対して、一枚の鋼板が上ダイアフラムを効果的に補強することができ、上ダイアフラムの破損を抑制しながら、パネルコアや下柱への円滑な力の伝達を実現できる。
また、本発明による異径柱接合構造の他の態様は、
前記補強リブが一枚の鋼板により形成され、
平面視において、前記鋼板が前記上柱の対角線に直交する方向に平行もしくは略平行に位置合わせされていることを特徴とする。
本態様によれば、一枚の鋼板により形成される補強リブが、平面視において上柱の対角線に直交する方向に平行もしくは略平行に位置合わせされていることにより、上柱に対して直交する二方向に地震時や強風時の水平力が作用した際に、上柱の脚部から上ダイアフラムに作用する押込力に対して、一枚の鋼板が上ダイアフラムを効果的に補強することができ、上ダイアフラムの破損を抑制しながら、パネルコアや下柱への円滑な力の伝達を実現できる。
また、本発明による異径柱接合構造の他の態様において、
前記補強リブの下端面は、前記上柱の前記隅角部もしくは前記フランジの端部に対応する位置が下に凸のテーパー面であることを特徴とする。
本態様によれば、補強リブの下端面のうち、角形鋼管からなる上柱の隅角部もしくはH形鋼からなる上柱のフランジの端部に対応する位置が、下に凸のテーパー面であることにより、上柱から下方へ充填されるコンクリート、もしくは下柱から上方へ充填されるコンクリートの下方もしくは上方への流動を、補強リブが阻害することを抑制できる。特に、コンクリートが上方へ流動する場合は、補強リブの下端のテーパー面に沿ってコンクリートが補強リブの側方へ円滑に導かれることになる。
また、本発明による異径柱接合構造の他の態様において、
前記補強リブが貫通孔を備え、前記貫通孔に前記コンクリートが入り込んでいることを特徴とする。
本態様によれば、補強リブが備える貫通孔に、角形鋼管の内部にあるコンクリートが入り込んでいることにより、貫通孔に入っているコンクリートの支圧力によって荷重伝達性能が一層高まる。
また、本発明による異径柱接合構造の他の態様は、
前記上ダイアフラムに対して、平面視において前記下柱の柱芯からずれた偏心位置に前記上柱が接合されていることを特徴とする。
本態様によれば、下柱と上柱の双方の柱芯が、平面視において矩形の一方向もしくは二方向に偏心している形態であっても、上ダイアフラムの下面のうち、上柱の隅角部に対応する位置に補強リブが接合されていることにより、角形鋼管により形成されるパネルコアを適用して、上ダイアフラムの板厚を厚くすることなく、上柱からパネルコアと下柱への円滑な力の伝達を実現できる。
以上の説明から理解できるように、本発明の異径柱接合構造によれば、ダイアフラムを介して相互に異径の下柱と上柱が接合されている異径柱接合構造において、テーパー管形式のパネルコアを適用することなく、また、上ダイアフラムの板厚を厚くすることなく、上柱からパネルコアと下柱への円滑な力の伝達を実現できる。
実施形態に係る異径柱接合構造の一例の斜視図である。 図1のII方向矢視図であって、上ダイアフラムの下方から見た斜視図である。 補強リブの他の例を、上ダイアフラムの下方から見た斜視図である。 補強リブのさらに他の例を、上ダイアフラムの下方から見た斜視図である。 補強リブのさらに他の例を、上ダイアフラムの下方から見た斜視図である。 補強リブのさらに他の例を、上ダイアフラムの下方から見た斜視図である。 パネルコアと上柱が二方向偏心している形態における補強リブの例を、パネルコアの途中から見た平面図である。 パネルコアと上柱が二方向偏心している形態における補強リブの他の例を、パネルコアの途中から見た平面図である。 上柱の他の例を備えた異径柱接合構造における補強リブの例を、パネルコアの途中から見た平面図である。
以下、実施形態に係る異径柱接合構造の一例について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態に係る異径柱接合構造]
図1乃至図6を参照して、実施形態に係る異径柱接合構造の一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係る異径柱接合構造の一例の斜視図であり、図2は、図1のII方向矢視図であって、上ダイアフラムの下方から見た斜視図である。
異径柱接合構造100は、パネルゾーンを形成する角形鋼管からなるパネルコア30Aの上端31と下端32に上ダイアフラム40A(通しダイアフラム)と下ダイアフラム40B(通しダイアフラム)を備え、下ダイアフラム40Bの下面43に角形鋼管からなる下柱10Aが接合され、上ダイアフラム40Aの上面41に、角形鋼管からなる下柱10Aよりも小径の上柱20Aが接合されている。ここで、下柱とパネルコアは、角形鋼管の他にも鋼管により形成されてもよい。また、上ダイアフラムと下ダイアフラムには、通しダイアフラムの他に内ダイアフラムが適用されてもよい。
下柱10Aは、角形鋼管10の内部にコンクリート15が充填された、コンクリート充填鋼管(CFT)である。同様に、パネルコア30Aは、角形鋼管30の内部にコンクリート35が充填されたコンクリート充填鋼管であり、上柱20Aは、角形鋼管20の内部にコンクリート25が充填されたコンクリート充填鋼管である。ここで、下柱とパネルコア、上柱がいずれも角形鋼管や鋼管のみにより形成される形態(コンクリート充填鋼管でない形態)であってもよいし、下柱とパネルコアのみがコンクリート充填鋼管であり、上柱が角形鋼管や鋼管のみにより形成される形態であってもよいし、下柱、パネルコア、及び上柱の全てにコンクリートが充填されておらず、これらが角形鋼管や鋼管のみにより形成されている形態であってもよい。
下柱10Aとパネルコア30Aは、同寸法の角形鋼管10,30により形成されている。図示例は、H形鋼により形成される梁70のウェブ71がパネルコア30Aの側面に接合され、上フランジ72が上ダイアフラム40Aの端面に接合され、下フランジ73が下ダイアフラム40Bの端面に接合されている。ここで、以下の説明における「接合」は、原則的には溶接接合であるが、必要に応じてボルト接合等が適用されてもよい。
上ダイアフラム40Aと下ダイアフラム40Bは、平面視矩形(図示例は正方形)で同面積の鋼板により形成される。
異径柱接合構造100において、下柱10Aとパネルコア30Aと上柱20Aの柱芯は、いずれも一致している。
図2に示すように、上ダイアフラム40Aの下面42のうち、上柱20Aの隅角部23に対応する位置に補強リブ50Aが接合されている。言い換えると、平面視において、上ダイアフラム40Aの下面42における上柱20Aの隅角部23に対応する位置に、補強リブ50Aの少なくとも一部がラップした態様で接合されている。尚、上柱とパネルコアが同寸法の角形鋼管により形成され、下柱がパネルコアよりも大寸法の角形鋼管により形成される形態であってもよく、この形態では、下ダイアフラム40Bの下面におけるパネルコアの隅角部に対応する位置に、補強リブ50Aが設けられる。
補強リブ50Aは、相互に直交する二方向に延びる鋼板51A,52Aの接合体により形成されている。上ダイアフラム40Aの下面42における上柱20Aの角形鋼管20の隅角部23に対応する位置に、二方向の鋼板51A,52Aが、角形鋼管20の相互に直交する側面(X方向に平行な側面とY方向に平行な側面)に沿って位置合わせされている。
図2において、上ダイアフラム40Aの中央位置には、角形鋼管20内に充填されたコンクリートが流通する充填孔44が開設されている。また、上ダイアフラム40Aの下面42には本来的には下柱10Aの角形鋼管10が接合されており、例えば下柱10Aの内部に充填されたコンクリートが充填孔44を介して上方に打ち上げられていく過程で、上ダイアフラム40Aの下面42に溜まる空気を抜くための空気抜き孔45が、上ダイアフラム40Aの四隅に開設されている。
このように、平面視において、補強リブ50Aを形成する二方向の鋼板51A,52Aが、上柱20Aの隅角部23において相互に直交する側面に沿って位置合わせされていることにより、上ダイアフラム40Aの面外剛性が高められる。このことにより、例えば、図1に示すような地震時もしくは強風時の水平力Hが上柱20Aに作用し、上柱20Aの脚部から上ダイアフラム40Aに対して押込力Pが作用し際に、上ダイアフラム40Aにおける上柱20Aの隅角部23の近傍領域が局所的に過度に面外変形して破損することが抑制され、上ダイアフラム40Aを介してパネルコア30Aと下柱10Aに対して荷重を円滑に伝達することができる。
また、補強リブ50Aにより、上ダイアフラム40Aの面外剛性と耐力が向上することから、地震時における上柱20Aの脚部の変形を抑制でき、当該脚部における応力勾配の緩和により、上柱20Aの脚部の耐力を向上させることができる。
さらに、上ダイアフラム40Aの下面42がコンクリート充填鋼管からなるパネルコア30Aの全断面により支持されていることから、上ダイアフラム40Aの下方への面外変形がコンクリート充填鋼管30Aの圧縮反力により抑制され、上ダイアフラム40Aを含めた上柱20Aの脚部の補強リブ50Aによる面外剛性の増加と相俟って、上ダイアフラム40Aの板厚を薄くすることも可能になる。
仮に補強リブ50Aが存在しない場合は、図1に示すように、異径柱接合構造ゆえにパネルコア30Aの角形鋼管30の断面内に上柱20Aが完全に入り込んでしまうケースでは、上ダイアフラム40Aにおける上柱20Aから押込力Pが作用する箇所が、パネルコア30Aにて直接支持されていないことから、上ダイアフラム40Aの板厚を押込力Pに抗し得る板厚にする必要が生じ、上ダイアフラムの板厚が自ずと厚くならざるを得ない。
例えば、鋼板の板厚が50mmを超えると、加工できる鉄骨製作工場のグレードに制限が生じ得ることから、上ダイアフラム40Aの板厚を薄くできることにより、加工可能な鉄骨製作工場の増加に繋がる。
尚、接合体50Aは、このように上柱20Aからの押込力Pをパネルコア30Aと下柱10Aに伝達する部材であることから、接合体50Aを構成する鋼板51A,52Aの厚みは押込力Pを伝達可能な剛性を付与する厚みに設定され、接合体50Aの寸法は、押込力Pを伝達可能な溶接長を確保できる寸法に設定される。
次に、図3乃至図6を参照して、補強リブの他の例について説明する。ここで、図3A乃至図4Bは、補強リブの他の例を、上ダイアフラムの下方から見た斜視図である。
まず、図3Aと図3Bは、補強リブを構成する接合体50B,50Cの下端面がいずれも、上柱20Aの隅角部23に対応する位置が下に凸のテーパー面51aとなっている。尚、図3Aと図3Bはともに、上ダイアフラム40Aを上下反転して示していることから、テーパー面51aが上に凸で図示されているが、図1に示す通常の形態ではテーパー面51aは下に凸となる。
図3Aに示す接合体50Bは、平面視台形状の鋼板51Bに対して平面視三角形状の鋼板52Bが接合されることにより、その先端が平坦面となっている。一方、図3Bに示す接合体50Cは、平面視三角形状の鋼板51Cに対して平面視三角形状の鋼板52Cが接合されることにより、その先端が先鋭となっている。
接合体50B,50Cのいずれにおいても、上柱20Aの隅角部23に対応する位置が下に凸のテーパー面51aを有していることから、例えば下柱10Aに充填されて打ち上げられてくるコンクリートを、テーパー面51aに沿って側方へ円滑に導びくことができるため、接合体50B,50Cによるコンクリートの流動阻害を抑制できる。
また、接合体50B,50Cを構成する各鋼板51B,51C,52B、52Cには、貫通孔51bが開設されている。それぞれの貫通孔51bに、角形鋼管30の内部にあるコンクリート35が入り込むことにより、貫通孔51bに入っているコンクリートの支圧力により、パネルコア30Aの荷重伝達性能を一層高めることができる。尚、図2に示す接合体50を構成する鋼板51A,52Aにも、同様の貫通孔が設けられていてよい。
次に、図4Aと図4Bは、補強リブ50D、50Eがいずれも一枚の鋼板により形成されている点で共通する。
図4Aに示す例は、上ダイアフラム40Aの下面42において、鋼板50Dが、上柱20Aの対角線Lに直交する方向に平行もしくは略平行に位置合わせされている。ここで、「略平行」とは、20度以下程度の範囲で平行から僅かにずれている角度を意味する。
一方、図4Bに示す例は、上ダイアフラム40Aの下面42において、鋼板50Eが、上柱20Aの対角線Lに平行もしくは略平行に位置合わせされている。
図4Aと図4Bに示すいずれの形態ともに、上ダイアフラム40Aの下面42における、上柱20Aの隅角部23に対応する領域やその近傍を効果的に補強し、上ダイアフラム40Aの面外剛性を高めている。
次に、図5Aと図5Bに示す例はいずれも、パネルコア30Aを構成する角形鋼管30と上柱20Aを構成する角形鋼管20が、相互に二方向偏心している形態における補強リブの例を、パネルコア30Aの途中から見た平面図である。
図5Aに示す例は、上ダイアフラム40Aの下面42における上柱20Aの偏心位置の各隅角部23において、接合体50Aが接合されている形態である。
一方、図5Bに示す例は、上ダイアフラム40Aの下面42における上柱20Aの偏心位置の各隅角部23において、鋼板50Eが接合されている形態である。
ここで、上ダイアフラム40Aの下面42の各隅角部23には、他の接合体50B,50Cや、鋼板50Dが適用されてもよい。
パネルコア30A(及び下柱10A)と上柱20Aが相互に二方向偏心している場合であっても、上ダイアフラム40Aの下面42における上柱20Aの偏心位置の各隅角部23に補強リブ50が接合されていることにより、上ダイアフラム40Aの面外剛性と耐力が向上することから、上ダイアフラム40Aが局所的に過度に変形して破損することが抑制され、上ダイアフラム40Aを介してパネルコア30Aと下柱10Aに荷重を円滑に伝達することができる。ここで、図示例の二方向偏心の形態の他にも、X方向もしくはY方向の一方向のみへの一方向偏心の形態であってもよい。
一方、図6に示す例は、上柱20BがH形鋼により形成される異径柱接合構造における補強リブの例を、パネルコア30Aの途中から見た平面図である。
図示例は、補強リブとして接合体50Aを適用する形態であり、上ダイアフラム40Aの下面42における、上柱20Bのフランジ26の端部27に対応する位置に、接合体50Aが接合されている。
より詳細には、接合体50Aを構成する二方向の鋼板51A,52Aのうち、鋼板51AがH形鋼20Bのフランジ26に沿って位置合わせされ、他の鋼板52Aがフランジ26に直交している。
このように、H形鋼により形成される上柱20Bを有する異径柱接合構造においても、上ダイアフラム40Aの下面42における上柱20Bのフランジ26の端部27に、補強リブ50Aが接合されていることにより、上ダイアフラム40Aの面外剛性と耐力が向上することから、上ダイアフラム40Aが局所的に過度に変形して破損することが抑制され、上ダイアフラム40Aを介してパネルコア30Aと下柱10Aに荷重を円滑に伝達することができる。
上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
例えば、パネルコアを備えていない異径柱接合構造であってもよい。具体的には、以下の形態を例示できる。
一形態は、ダイアフラムに対して、その下面に相対的に大径の下柱が接合され、その上面に相対的に小径の上柱が接合されている、異径柱接合構造であって、
前記上柱と前記下柱は、少なくとも角形もしくは円形の鋼管を備えており、
前記ダイアフラムの下面のうち、前記上柱の隅角部に対応する位置に補強リブが接合されていることを特徴とする、異径柱接合構造である。
他の形態は、ダイアフラムに対して、その下面に相対的に大径の下柱が接合され、その上面に相対的に小径の上柱が接合されている、異径柱接合構造であって、
前記下柱は、少なくとも角形もしくは円形の鋼管を備え、前記上柱はH形鋼により形成されており、
前記ダイアフラムの下面のうち、前記上柱のフランジの端部に対応する位置に補強リブが接合されていることを特徴とする、異径柱接合構造である。
さらに、他の形態は、前記下柱が、前記鋼管の内部にコンクリートが充填されている、コンクリート充填鋼管により形成されていることを特徴とする、異径柱接合構造である。
10:角形鋼管
10A:下柱(コンクリート充填鋼管)
15:コンクリート
20:角形鋼管
20A:上柱(コンクリート充填鋼管)
20B:上柱(H形鋼)
21:下端
23:隅角部
25:コンクリート
26:フランジ
27:端部
30:角形鋼管
30A:パネルコア(コンクリート充填鋼管)
35:コンクリート
40A:上ダイアフラム
40B:下ダイアフラム
41:上面
42:下面
44:充填孔
45:空気抜き孔
50:補強リブ
50A,50B,50C:接合体(補強リブ)
50D,50E:鋼板(補強リブ)
51A,51B,51C,52A、52B、52C:鋼板
51a:テーパー面
51b:貫通孔
70:梁(H形鋼)
100:異径柱接合構造
L:対角線

Claims (10)

  1. パネルゾーンを形成する角形鋼管からなるパネルコアの上端と下端に上ダイアフラムと下ダイアフラムを備え、前記下ダイアフラムの下面に角形鋼管からなる下柱が接合され、前記上ダイアフラムの上面に角形鋼管からなる上柱が接合され、前記下柱に対して前記上柱が小径である、異径柱接合構造であって、
    前記上ダイアフラムの下面のうち、前記上柱の隅角部に対応する位置に補強リブが接合されていることを特徴とする、異径柱接合構造。
  2. パネルゾーンを形成する角形鋼管からなるパネルコアの上端と下端に上ダイアフラムと下ダイアフラムを備え、前記下ダイアフラムの下面に角形鋼管からなる下柱が接合され、前記上ダイアフラムの上面にH形鋼からなる上柱が接合され、前記下柱に対して前記上柱が小径である、異径柱接合構造であって、
    前記上ダイアフラムの下面のうち、前記上柱のフランジの端部に対応する位置に補強リブが接合されていることを特徴とする、異径柱接合構造。
  3. 少なくとも前記パネルコアと前記下柱が、前記角形鋼管の内部にコンクリートが充填されている、コンクリート充填鋼管により形成され、
    前記補強リブが前記コンクリートに埋設されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の異径柱接合構造。
  4. 平面視において、前記補強リブの少なくとも一部が、前記上柱の前記隅角部もしくは前記フランジの端部に重畳していることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の異径柱接合構造。
  5. 前記補強リブが、相互に直交する二方向に延びる鋼板の接合体により形成され、
    平面視において、二方向の前記鋼板が角形鋼管からなる前記上柱の前記隅角部において相互に直交する側面に沿って位置合わせされている、もしくは、前記接合体の一方の前記鋼板がH形鋼からなる前記上柱の前記フランジに沿って位置合わせされていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の異径柱接合構造。
  6. 前記補強リブが一枚の鋼板により形成され、
    平面視において、前記鋼板が前記上柱の対角線方向に平行もしくは略平行に位置合わせされていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の異径柱接合構造。
  7. 前記補強リブが一枚の鋼板により形成され、
    平面視において、前記鋼板が前記上柱の対角線に直交する方向に平行もしくは略平行に位置合わせされていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の異径柱接合構造。
  8. 前記補強リブの下端面は、前記上柱の前記隅角部もしくは前記フランジの端部に対応する位置が下に凸のテーパー面であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の異径柱接合構造。
  9. 前記補強リブが貫通孔を備え、前記貫通孔に前記コンクリートが入り込んでいることを特徴とする、請求項3,請求項3に従属する請求項4乃至8のいずれか一項に記載の異径柱接合構造。
  10. 前記上ダイアフラムに対して、平面視において前記下柱の柱芯からずれた偏心位置に前記上柱が接合されていることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の異径柱接合構造。
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