JP2023129262A - 樹脂材料の分離回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複合材料からエチレン-ビニルアルコール共重合体及びポリアミドを個別に分離することが可能な樹脂材料の分離回収方法を提供する。【解決手段】本発明は、少なくとも、エチレン-ビニルアルコール共重合体、及びポリアミドを含む複合材料を、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体が溶解可能で且つ前記ポリアミドが溶解しない第1温度の溶媒に溶解させて第1溶液を生成し、当該第1溶液から前記ポリアミドを含む第1濾物を除去する第1ステップと、前記第1溶液から前記第1濾物を除去した第1濾液から、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む組成物を得る第2ステップと、前記第1濾物を、前記ポリアミドが溶解可能な第2温度の前記溶媒に溶解させて第2溶液を生成し、当該第2溶液から第2濾物を除去する第3ステップと、前記第2溶液から前記第2濾物を除去した第2濾液から、前記ポリアミドを含む組成物を得る第4ステップと、を備えている方法。【選択図】図1

Description

本発明は、少なくともエチレン-ビニルアルコール共重合体、及びポリアミドを含む複合材料から、エチレン-ビニルアルコール共重合体、及びポリアミドを分離回収する、樹脂材料の分離回収方法に関する。
近年、樹脂材料の再生の要請から、特許文献1のような樹脂材料の分離回収方法が提案されている。この文献には、ポリアミド又はエチレン-ビニルアルコール共重合体、及びポリスチレン又は塩素系樹脂を水溶液中で比重分離する方法が開示されている。
特開2021-146507号公報
ところで、ポリアミドやエチレン-ビニルアルコール共重合体は、ガスバリア性や耐ピンホール性に優れた樹脂であるため、これらを個別に回収したいという要望がある。しかしながら、特許文献1の方法では、ポリアミドまたはエチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリスチレンまたは塩素系樹脂の中間の比重になるように水溶液を調整して分離を行っているため、エチレン-ビニルアルコール共重合体のエチレン含有率、ポリアミドの種類によっては、ポリアミドとエチレン-ビニルアルコール共重合体が同程度の比重になることがある。したがって、特許文献1の方法では、ポリアミドとエチレン-ビニルアルコール共重合体とを分離することができない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複合材料からエチレン-ビニルアルコール共重合体及びポリアミドを個別に分離することが可能な樹脂材料の分離回収方法を提供することを目的とする。
項1.少なくとも、エチレン-ビニルアルコール共重合体、及びポリアミドを含む複合材料を、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体が溶解可能で且つ前記ポリアミドが溶解しない第1温度の溶媒に溶解させて第1溶液を生成し、当該第1溶液から前記ポリアミドを含む第1濾物を除去する第1ステップと、
前記第1溶液から前記第1濾物を除去した第1濾液から、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む組成物を得る第2ステップと、
前記第1濾物を、前記ポリアミドが溶解可能な第2温度の前記溶媒に溶解させて第2溶液を生成し、当該第2溶液から第2濾物を除去する第3ステップと、
前記第2溶液から前記第2濾物を除去した第2濾液から、前記ポリアミドを含む組成物を得る第4ステップと、
を備えている、樹脂材料の分離回収方法。
項2.前記第1ステップにおいては、前記複合材料を所定の大きさに裁断した上で、前記溶媒に溶解する、項1に記載の樹脂材料の分離回収方法。
項3.前記溶媒のSP値が、12~17(cal/cm30.5である、項1または2に記載の樹脂材料の分離回収方法。
項4.前記第1温度と前記第2温度の差が、5℃以上である、項1から3のいずれかに記載の樹脂材料の分離回収方法。
項5.前記第2ステップでは、前記第1濾液を冷却することで、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む組成物を析出させ、当該組成物を吸引濾過または遠心分離によって得るように構成され、
前記第4ステップでは、前記第2濾液を冷却することで、前記ポリアミドを含む組成物を析出させ、当該組成物を吸引濾過または遠心分離によって得るように構成される、項1から4のいずれかに記載の樹脂材料の分離回収方法。
項6.項1または2に記載の樹脂材料の回収方法により、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む組成物及び前記ポリアミドを含む組成物を回収するステップと、
回収された前記組成物を用いてフィルムを製造するステップと、
を備えている、フィルムの製造方法。
本発明によれば、複合材料からエチレン-ビニルアルコール共重合体及びポリアミドを個別に分離回収することができる。
対象となるフィルムの一例を示す断面図である。
以下、本発明に係る樹脂材料の分離回収方法の一実施形態について説明する。具体的には、本発明は、少なくとも、エチレン-ビニルアルコール共重合体(以下、EVOH)、及びポリアミドを含む複合材料から、EVOH及びポリアミドを分離回収する方法に関する。以下、詳細に説明する。
<1.分離対象となる複合材料の例>
本実施形態において対象となる複合材料としては、種々のものがあるが、例えば、EVOH、及びポリアミドが含有されたものに加え、これらとは別に分離される材料(以下、異材料という)が含まれていてもよい。さらに、EVOH、ポリアミド、及び異材料のいずれかとともに分離される材料(後述する混合樹脂、添加剤)を含んでもよい。
<1-1.EVOH>
対象となるEVOHとしては、例えば、次のものを挙げることができる。EVOHのエチレン含量は、好ましくは55モル%程度以下であり、より好ましくは20モル%~50モル%程度、更に好ましくは25モル%~44モル%程度である。
EVOHの酢酸ビニル成分のケン化度は、好ましくは90モル%程度以上であり、より好ましくは95モル%程度以上である。
EVOHは、更に少量のプロピレン、イソブテン、α-オクテン、α-ドデセン、α-オクタデセン等のα-オレフィン;不飽和カルボン酸又はその誘導体(例えば、塩、部分アルキルエステル、完全アルキルエステル、ニトリル、アミド、無水物);不飽和スルホン酸又はその塩等のコモノマーを含んでも良い。なお、EVOHのSP値は、11~14.5(cal/cm30.5程度である。SP値については後述する。
<1-2.ポリアミド>
対象となるポリアミドは、例えば、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリアミドエラストマー等を含む。
芳香族ポリアミドとして、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンとテレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる、非晶性芳香族ポリアミド(アモルファスナイロン)が挙げられる。芳香族ポリアミドとして、好ましくはヘキサメチレンジアミン-テレフタル酸-ヘキサメチレンジアミン-イソフタル酸の共重合体等である。ポリアミドエラストマーとしては、例えば、ポリエーテルエステルアミドエラストマーを挙げることができる。
脂肪族ポリアミドとして、脂肪族ナイロン及びその共重合体を好ましく用いることができる。
脂肪族ポリアミドとして、具体的には、ポリカプラミド(ナイロン-6)、ポリ-ω-アミノヘプタン酸(ナイロン-7)、ポリ-ω-アミノノナン酸(ナイロン-9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン-11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン-12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン-2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン-4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン-6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン-6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン-6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン-8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン-10,8)等を好ましく用いることができる。
脂肪族ポリアミドとして、具体的には、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン-6/12)、カプロラクタム/ω-アミノノナン酸共重合体(ナイロン-6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン-6/6,6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン-12/6,6)、エチレンジアミンアジパミド/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン-2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン-6,6/6,10)、エチレンアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン-6/6,6/6,10)等を好ましく用いることができる。
これら脂肪族ポリアミドは、1種の使用であっても、2種以上の併用であっても良い。
芳香族ポリアミドとして、例えば、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン等の芳香族ジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸又はその誘導体との重縮合反応で得られる結晶性芳香族ポリアミドが挙げられる。芳香族ポリアミドとしては、好ましくは、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD-ナイロン)等の結晶性芳香族ポリアミドである。なお、ポリアミドのSP値は、9.5~13.6(cal/cm30.5程度である。
<1-3.異材料>
複合材料からさらに分離される異材料は、後述する溶媒に溶解しない材料とすることができる。あるいは、ポリアミド及びEVOHとの溶解温度差によって分離できる樹脂であってもよい。例えば、ポリアミドより高い温度で溶解する樹脂、またはEVOHよりも低い温度で溶解する樹脂とすることができる。具体的には、複合材料において、以下の機能を有する材料を挙げることができる。
<1-3-1.バリア層>
バリア機能を持つものを挙げることができる。具体的には、酸素バリア、水蒸気バリア等のバリア性能と有するポリエステル樹脂等の樹脂層を挙げることができる。また、酸素バリア、水蒸気バリア、保香性、または油分バリア等のバリア性能を有する金属蒸着膜であってもよい。具体的な金属蒸着膜としては、例えば、金属酸化物、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、クロム、亜鉛、金、銀、プラチナ、ニッケル等の金属を挙げることができる。あるいは、このような材料のバリアコートが塗布されていてもよい。
<1-3-2.接着層>
複合材料の層間を接着する接着層を挙げることができる。具体的には、PP、PE(LLDPE、HDPE、LDPE)等のポリオレフィン系樹脂、変性ポリオレフィン、変性スチレン系エラストマーを挙げることができる。
<1-3-3.シーラント層>
シーラント層同士を接着させて袋状にするためのものであり、例えば、低密度、中密度、高密度、直鎖状低密度ポリエチレン、プロピレンホモポリマー、プロピレンエチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル系のオレフィン系樹脂等の樹脂材料を挙げることができる。
<1-3-4.その他>
機械的強度や寸法安定性を有する樹脂、さらに耐熱性を持っている樹脂を挙げることができる。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等を挙げることができる。
<1-4.EVOH及びポリアミドとともに分離される樹脂及び添加剤>
分離回収されるEVOH及びポリアミドには、例えば、物性(例えば透明性、強度等、以下、同じ)に影響しない程度の樹脂(以下、混合樹脂ということがある)や添加剤であれば、混合されていてもよい。このような樹脂としては、例えば、変性エチレン酢酸、酢酸ビニル共重合体、メタクリル酸共重合体アイオノマー、α-オレフィン、不飽和カルボン酸またはその塩・部分アルキルエステル・完全アルキルエステル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸またはその塩等のコモノマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、アイオノマー重合体などが挙げられる。
添加剤としては、改質剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、熱安定剤、防曇剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線防止剤、光安定剤、難燃剤、抗菌剤、蛍光増白剤、耐屈曲剤、着色剤、充填剤等が挙げられ、特に有機系化合物由来の添加剤が挙げられる。これらは、EVOHやポリアミドの物性に影響しない程度であれば、分離したEVOHやポリアミドに混合されていてもよい。
具体的な材料は、例えば、次の通りである。改質剤として、例えば、変性EVA、変性ポリエステル、変性ポリエチレン等のエラストマー、非晶性ナイロン等を挙げることができる。アンチブロッキング剤としては、例えば、シリカ系、アクリル系のものを挙げることができる。熱安定剤としては、フェノール系、リン系、チオエーテル系のもの、防曇剤としてはグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等、滑剤としては、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸アミド等の脂肪酸系化合物を挙げることができる。
このような樹脂や添加物は、後述する溶媒に、EVOHやポリアミドとともに溶解し、EVOHまたはポリアミドとの混合物として分離回収される。但し、上記の樹脂や添加剤は、本技術に選択される溶媒の種類によって溶解性が異なる場合があるため、必ずしもEVOHやポリアミドに混合して分離されるわけではない。したがって、添加物によっては、異材料との混合物として分離回収されることがある。異材料に混合して分離される添加剤としては、後述する溶媒に溶解しない添加剤が挙げられ、特に顔料、無機系添加剤や架橋樹脂由来の添加剤などが挙げられる。
<1-5.複合材料の形態>
複合材料は、複数層からなるフィルムとすることができる。例えば、図1に示すフィルムは、第1層11、第2層12、第3層13及び第4層14がこの順で積層されている。第1層11は、一例としてポリエチレン(異材料)を含む層、第2層12及び第4層14は、一例としてポリアミドを含む層、第3層13は、一例としてEVOHを含む層とすることができる。この場合、後述する方法によって、このフィルムから、EVOH、ポリアミド、ポリエチレンが含有された組成物が、それぞれ分離される。
なお、図1のフィルムは、一例であり、2層、3層または5層以上の層が積層されたフィルムであってもよい。そして、少なくとも一層において、少なくともEVOHが含有され、他の層にポリアミドが含有されていればよい。あるいは、少なくとも一層において、EVOHとポリアミドとが混合されていてもよい。上述した異材料を含む層はなくてもよい。また、混合樹脂、あるいは添加剤は必ずしも混合されていなくてもよいが、これらが混合される場合には、EVOH及びポリアミドの少なくとも一方と混合したものとすることができる。また、複合材料はフィルム状に形成されていなくてもよく、ペレット状など種々の形態であってもよい。
<2.樹脂材料の分離回収方法>
次に、一例として、上記のようなフィルム(複合材料)からEVOH及びポリアミドを分離する方法について説明する。分離方法は、以下の7つのステップを含んでいる。
(1)フィルムの裁断ステップ
(2)フィルムの溶解ステップ(本発明の第1ステップ)
(3)第1溶液の濾過ステップ(本発明の第1ステップ)
(4)EVOHの分離ステップ(本発明の第2ステップ)
(5)第1濾物の溶解ステップ(本発明の第3ステップ)
(6)第2溶液の濾過ステップ(本発明の第3ステップ)
(7)ポリアミドの分離ステップ(本発明の第4ステップ)
以下、各ステップについて詳細に説明する。
<2-1.フィルムの裁断ステップ>
まず、フィルムを所定の大きさに裁断する。これにより、裁断されたフィルムと後述する溶媒との接触面積が大きくなり、溶解しやすくなる。裁断する大きさは特には限定されないが、例えば、0.5~4cm角、好ましくは1~2cm角の大きさに裁断することができる。但し、このステップは必ずしも必要ではなく、次のステップにおいて、フィルムを裁断することなく、フィルムをそのまま溶媒に浸漬させてもよい。
<2-2.フィルムの溶解ステップ>
次に、上記のように裁断されたフィルムを溶媒に溶解し、第1溶液を生成する。ここで用いる溶媒は、例えば、以下の条件(1)~(3)のうち、少なくとも(1)(2)を充足する溶媒である。
(1)ポリアミドとEVOHとが異なる温度で溶解するような溶媒を用いることができる。ポリアミドの溶解温度とEVOHの溶解温度の差は、5℃以上であることが好ましく、10℃以上であることが好ましい。これは溶解温度の差が小さいと分離が困難になるからである。
(2)ポリアミドまたはEVOHと反応(結合)して、これらを劣化させない溶媒である。劣化させないとは、例えば、解重合が生じたり、分子鎖を短くしないことである。なお、回収されるポリアミドまたはEVOH樹脂の物性に影響を及ぼされなければ、わずかであれば異材料が溶解するような溶媒であってもよい。また、上述した混合樹脂や添加剤が溶解可能な溶媒であってもよい。
(3) 例えば、SP値が12~17(cal/cm3)、より好ましくは13~16(cal/cm30.5の溶媒を用いることができる。SP値とは、溶解度パラメータの値を意味する。本発明でいうSP値は、Fedorの計算方法により求められる。FedorによるSP値の計算方法はR.F.Fedor;Polymer Engineering Science、14(2)147-154(1974)に記載されている。
このようなSP値を有する溶媒は、ポリアミドとEVOHのSP値と近いSP値を有する溶媒であるため、ポリアミド及びEVOHが溶解しやすい。
具体的には、本実施形態で利用可能な溶媒として、脂肪族環状アルコール、脂肪族アルコール、エチレングリコール(14.8)、プロピレングリコール(14.4)、ブタンジオール(14.8)、ペンタンジオール(14.2)等のグリコール、酢酸エステル類を挙げることができる。なお、括弧内の数値はSP値(単位は省略しているが、以下では単位を省略することがある)である。
以上のような溶媒をEVOHが溶解する第1温度に加熱し、裁断されたフィルムを浸漬することで第1溶液を生成する。第1温度は、例えば10~200℃とすることができる。このとき、EVOHは溶媒に溶解するが、ポリアミド及び異材料は溶解しないため、第1溶液には、ポリアミド及び異材料を含む成分(以下、第1濾物という)が沈殿する。
このとき、溶媒は、安全性の観点から、溶媒の沸点以下で加熱することが好ましい。沸点以上で加熱すると溶媒の反応性が高くなり、ポリアミドまたはEVOHと反応してしまう可能性がある。この点は、後述するポリアミドを分離する際の第2温度の調整においても同じである。なお、溶媒の沸点が高い方が、高温でフィルム(あるいは後述する第1濾物)を溶解できるため、溶解速度を速くすることができる。
溶解の時間は、溶媒及びフィルムの量にもよるため、特には限定されないが、例えば、ポリアミドや異材料成分が沈殿するのが目視で十分に確認できるまでの時間とすることができる。溶解の時間が短すぎると完全に樹脂が溶解しきらず、長すぎると熱劣化してしまう恐れがある。この観点から、溶解の時間は、例えば、5~40分程度、より好ましくは10~30分程度にすることができる。
<2-3.第1溶液の濾過ステップ>
次に、第1溶液の濾過ステップについて説明する。濾過ステップでは、上記のように第1濾物が生成された第1溶液を、フィルタによって濾過する。フィルタは、第1濾物を分離できるものであれば特には限定されないが、例えば、開口の径が100μm以下のフィルタを用いることができる。また、濾液を減圧容器に吸引しながら濾過を行う、減圧濾過(吸引濾過)を採用することもできる。これにより、濾過の時間を短縮することができる。その他、遠心分離により第1濾物を分離することもできる。
こうして、ポリアミド及び異材料を含む第1濾物と、EVOHが溶解した第1濾液とを分離することができる。
<2-4.EVOHの分離ステップ>
次に、第1濾液からEVOHを分離する。分離する方法は、特には限定されず、種々の方法を採用することができる。例えば、第1濾液をEVOHが析出する温度まで冷却することができる。その後、第1濾液に対し、吸引濾過、遠心分離等を行うことで、析出したEVOHを回収する。
このとき、温度条件、時間条件は溶媒の種類に依存するため、特には限定されないが、例えば、第1濾液を40℃以下まで冷却し、0.5~2時間安置することで、EVOHを析出させることができる。なお、常温でEVOHが溶解する溶媒を用いたときは、冷却設備等で冷却して、EVOHを析出させる必要がある。この点は、後述するように、ポリアミドを析出させるために溶媒を冷却する場合も同じである。
以上のように第1濾液からEVOHが得られると、これを所定時間、例えば、1~3日程度、自然乾燥させる、あるいは、加熱乾燥させる。その際に、乾燥時間を短縮するため、減圧条件下で乾燥してもよい。こうして、EVOHをフィルムから分離して回収することができ、再利用が可能となる。なお、回収されるEVOHには、上述したような混合樹脂や添加物が混合されることがある。
<2-5.第1濾物の溶解ステップ>
次に、上記フィルムを溶解させたのと同じ溶媒をポリアミドが溶解する第2温度に加熱し、第1濾物を浸漬させて、第2溶液を生成する。例えば、溶媒としてエチレングリコールを用いた場合には、第2温度は15~205℃とすることができる。このとき、ポリアミドは溶媒に溶解するが、異材料は溶解しないため、第2溶液には、異材料を含む成分(以下、第2濾物という)が沈殿する。
溶解の時間は、溶媒及び第1濾物の量にもよるため、特には限定されないが、例えば、異材料を含む成分が沈殿するのが目視で十分に確認できるまでの時間とすることができる。溶解の時間が短すぎると完全に樹脂が溶解しきらず、長すぎると熱劣化してしまう恐れがある。この観点から、溶解の時間は、例えば、5~40分程度、より好ましくは10~30分程度にすることができる。
<2-6.第2溶液の濾過ステップ>
次に、第2溶液の濾過ステップについて説明する。この濾過ステップは、第1溶液の濾過ステップと概ね同じであり、異材料を含む成分(第2濾物)と、ポリアミドが溶解した第2濾液とを分離する。こうして、第2濾物として、異材料を含む成分を、フィルムから分離回収することができる。
<2-7.ポリアミドの分離ステップ>
続いて、第2濾液からポリアミドを分離する。ポリアミドを分離する方法は、特には限定されず、種々の方法を採用することができる。例えば、第2濾液をポリアミドが析出する温度まで冷却することができる。その後、第2濾液に対し、吸引濾過、遠心分離等を行うことで、析出したポリアミドを回収することができる。
このとき、温度条件、時間条件は溶媒の種類に依存するため、特には限定されないが、例えば、第2濾液を100℃以下まで冷却し、0.5~2時間安置することで、ポリアミドを析出させることができる。
以上のように第2濾液からポリアミドが得られると、これを所定時間、例えば、1~3日程度、自然乾燥させる、あるいは、加熱乾燥させる。その際に、乾燥時間を短縮するため、減圧条件下で乾燥してもよい。こうして、ポリアミドをフィルムから分離して回収することができ、再利用が可能となる。なお、回収されるポリアミドには、上述したような混合樹脂や添加物が混合されることがある。
<2-8.その他>
以上の工程において、以下のいずれか1つ以上を検討することができる。
(1) 溶解工程においては、回収対象となる材料の劣化抑制のため、窒素パージした状態で溶解を行うことができる。
(2) 圧力下で溶解を行うこともできる。
(3) 第2濾物は、同じ溶媒で共洗い(加熱しながらでもよい)することで、より純粋な異材料を回収することができ、これによって異材料の再利用が可能となる。
(4) 市中回収した印刷層を備えている複合材料、例えば、印刷層/ポリアミド層/EVOH層からなるフィルムに対しても、上記分離回収方法によりポリアミド及びEVOHを回収することができる。この場合、上記工程に先立って、印刷層を除去する公知の工程を設ける。印刷層を除去するには、例えば、アルカリ洗浄により印刷層を除去したり、印刷層を削るなどして物理的に印刷層を除去したり、あるいは印刷層と基材層の間に予め剥離層を設けておき、印刷層を剥離するなどの方法がある。
<2-9.回収した樹脂材料の利用>
こうして、回収された各樹脂材料は、ペレット化したり、あるいは粉体状のものもしくはペレット状に造粒したものを溶融成膜して単層または多層の再生フィルムを形成することができる。
再生フィルムは、ポリアミド系樹脂またはEVOH樹脂の単層でもよいし、これらの樹脂を組み合わせたもの、あるいはこれらの樹脂以外の他の樹脂層を含む複数層であってもよい。他の樹脂層は、例えば、石油由来のバージン原料、バイオマス由来のバージン原料でもよい。また、リサイクル原料でもよい。この場合、ケミカルリサイクル、メカニカルリサイクルは問わない。
なお、回収したポリアミド系樹脂またはEVOH樹脂層は、単層でもよいし、複数の層(例えば、表層、コア層)に含有させることもできるが、例えば、回収したポリアミド系樹脂は、再生フィルムの1~10重量%以上であることが好ましい。また、例えば、回収したEVOH樹脂は、再生フィルムの0.1~5重量%以上であることが好ましい。また、再生フィルムの各層には、アンチブロッキング剤、添加剤が含まれてもよい。添加剤としては熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、蛍光増白剤などが挙げられる。また、回収された各樹脂は、回収元のフィルムの原料に再利用してもよい。
このような再生フィルムは、逐次二軸延伸による延伸で成形することができる。このとき、縦延伸倍率を1倍以上、横延伸倍率を2.5倍以上とすることが好ましい。また、押出温度は150℃以上300℃以下が好ましい。横延伸は、成形時の予熱ゾーン、延伸ゾーン、及び熱固定ゾーンのテンター延伸機において、50℃以上220℃以下で設定することができる。
なお、再生フィルムに含まれるポリアミド系樹脂またはEVOH樹脂のうち、0.1~100重量%、より好ましくは0.1~80重量%、さらに好ましくは0.1~60重量%を回収したポリアミド系樹脂またはEVOH樹脂とすることができる。そして、回収したポリアミド系樹脂またはEVOH樹脂層をこのような含有量にした再生フィルムは、ポリアミド系樹脂またはEVOH樹脂層としてバージン材料を用いたフィルムと同等の物性を得られることが本発明者により確認されている。
<3.特徴>
以上のような分離回収方法によれば、次の効果を得ることができる。
(1)従来技術の比重分離法では分離できなかったEVOHとポリアミドとを、所定の溶媒を用い、溶解温度の差を利用することで、分離回収することができる。したがって、ガスバリア性や耐ピンホール性に優れた樹脂を個別に分離して再利用することが可能となる。
(2)一種の溶媒を用いることで、少なくともEVOH及びポリアミドを複合材料から分離することができる。したがって、上記工程のコストダウンや環境配慮、設備の簡略化が実現可能となる。つまり、全ての濾物を回収し終えた残渣溶媒は混合溶媒ではない為、さらに分離などの操作の必要もなくそのまま再利用可能である。
(3)複合材料に混合されたEVOH及びポリアミド以外の材料の回収が可能である。つまり、複合材料からEVOH及びポリアミドが分離された後に残った材料(第2濾物)、つまり上述した異材料を回収することもできる。
(4)溶媒の種類によっては、EVOHやポリアミドだけでなく、混合樹脂や添加剤を溶解できるため、回収されたEVOHやポリアミドには混合樹脂や添加剤が混合される。したがって、例えば、予め熱安定剤のような添加剤が添加されたEVOHやポリアミドを回収できるため、改めてこのような添加剤(あるいは混合樹脂)を添加する必要がない、あるいは、添加剤を少量添加しただけで回収したEVOHやポリアミドを再利用することができる。
なお、上記実施形態では、分離対象としてフィルムを挙げたが、例えば、フィルム以外のペレットのような、EVOHとポリアミド等とが混合された複合材料においても上記の方法を適用することで、EVOH及びポリアミド等を分離回収することができる。
一般的には、EVOHのSP値はポリアミドのSP値よりも高いが、EVOHよりもSP値が高いポリアミドがまれに存在する。この場合には、上述した第1溶液にポリアミドが溶解し、その濾液からポリアミドが回収され、第1濾物にはEVOHが含まれることになる。そして、第2溶液にはEVOHが溶解し、その濾液からEVOHが回収される。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定されない。
<1.対象となるフィルム>
まず、表1及び表2に示すとおり、本発明の分離回収方法の対象となる2種類のフィルムを準備した。対象フィルム1は3層からなるフィルム(複合材料)であり、表1に示している。一方、対象フィルム2は4層からなるフィルム(複合材料)であり、表2に示している。対象フィルム1の重量は1.00gであり、対象フィルム2の重量は1.14gであった。
第1層に含まれる添加剤は、熱安定剤(リン系・フェノール系材料を含有)、滑剤(脂肪酸塩)である。いずれも、後述する溶媒には溶解しない。
<2.分離回収方法>
上記対象フィルム1,2に対して、上述した(1)~(7)のステップを含む分離回収方法を適用した。まず、裁断ステップとして、フィルムを1cm2程度の大きさに粉砕した。次に、溶解ステップとして、粉砕したフィルム粉砕物を溶媒である30mlのエチレングリコールに浸漬し、溶媒の温度が110~130℃になるように加熱した。そして、20分間加熱攪拌した後、加熱を停止した。こうしてEVOHが溶解した第1溶液を得た。
次に、濾過ステップとして、第1溶液を粗濾過し、第1濾物と第1濾液に分離した。続いて、第1濾液を40℃まで冷却し、EVOHを析出させた。そして、析出したEVOHをメンブレンフィルター(開口径1μm)を使用して吸引濾過により回収した。
続いて、第1濾物を溶媒である30mlのエチレングリコールに浸漬し、溶媒の温度が140~160℃になるように加熱した。そして、20分間加熱攪拌した後、加熱を停止した。こうしてポリアミドが溶解した第2溶液を得た。
続いて、対象フィルム2に対し、濾過ステップとして、第2溶液を粗濾過し、第2濾物と第2濾液に分離した。これに続いて、第2濾液を100℃以下まで冷却し、ポリアミドを析出させた。そして、析出したポリアミドをメンブレンフィルター開口径1μm)を使用して吸引濾過により回収した。また、第2濾物は、ポリエチレンが含有された組成物として回収した。なお、この濾過ステップは、対象フィルム1に対しては行っていない。
<3.回収物の分析1(FT-IR)>
回収したEVOH及びポリアミドと、バージンのEVOH及びポリアミドとをFT-IRにより分析した。測定機器として、Perkin Elmer(株)製 フーリエ変換赤外線分光光度計(FT-IR)SPectrum100を用いて、EVOHおよびポリアミドの特徴的なピークをバージンと回収物で比較した。結果は、以下の通りである。
表3は回収したEVOHとバージンのEVOHとの吸収スペクトルの比較である。表3中の「○」は両者の吸収スペクトルのピークが一致した箇所を示している(後述する表4も同じ)。このように、両者の吸収スペクトルのピークが複数箇所で一致しているため、ほぼ純粋なEVOHが回収されたのが分かる。
表4は回収したポリアミドとバージンのポリアミドとの吸収スペクトルの比較である。このように、両者の吸収スペクトルのピークが複数箇所で一致しているため、ほぼ純粋なポリアミドが回収されたのが分かる。
<4.回収物の分析2(DSC測定)>
回収したEVOH及びポリアミドと、バージンのEVOH及びポリアミドとをDSC測定により比較した。この測定においては、DSC(示差走査熱量測定)を用い、JIS K 7122(転移熱測定法)に準じて測定した。測定装置として、DSC2910[商品名、ティー・エイ・インスツルメント(株)製]を用いた。昇温速度10℃/minで40~200℃範囲で測定し、吸熱ピークトップ温度(融点)を算出した。結果は以下の通りである。
表5によれば、バージンの材料と回収した材料の吸熱ピークトップ温度がほぼ一致していること、他の吸熱ピークが見られなかったことから、回収したポリアミド及びEVOHはほぼ純粋な物質が得られたと考えられる。
<5.回収された樹脂材料を用いたフィルムの製造>
上記のように回収したポリアミド系樹脂(ナイロン6)、及びEVOH樹脂を原料とし、表6に示すポリアミド系多層フィルム(3層フィルム)を製造した。なお、全てバージン原料により製造したものを比較例1とした。比較例1の表層のポリアミド系樹脂の一部を回収樹脂に代えたものを実施例1とした。比較例1の中間層のEVOH樹脂の一部を回収樹脂に代えたものをそれぞれ実施例2、3とした。比較例1の表層のポリアミド系樹脂の一部を回収樹脂に、中間層のEVOH樹脂の一部を回収樹脂に代えたものを実施例4とした。以下の表6における各組成の数値の単位は各層における重量%である。
製造方法は、以下の通りである。まず、バレル温度が180~260℃の押出機に投入し、220~260℃の多層ダイスから、表層と裏面層がポリアミド系樹脂、中間層がEVOH樹脂の3層構造のシート状に押出し、25~30℃の引き取りロールにて冷却固化した。次いで、予熱ゾーン80~100℃、延伸ゾーン80~130℃、熱固定ゾーン150~230℃のテンター延伸機内で延伸倍率4倍にて延伸した後、巻き取り機で巻き取ることによって、ポリアミド系多層フィルムを得た。
得られた各ポリアミド系多層フィルムについて、以下の物性を測定した。
<耐突刺し性>
ポリアミド系フィルムの突刺し強度を、JIS Z-1707(1997)に準拠した測定方法により測定した。試験片を固定し、直径1.0mm、先端形状半径0.5mmの半円形の針を毎分50±5mmの速度で突刺し、針が貫通するまでの最大応力(突刺強度(N))を測定した。試験片の数は5個以上とし、平均値を求めて測定結果とした。
・突刺強度(23℃の条件下):強度は8.0N以上であると良好である。
・突刺強度(-25℃の条件下):強度は13.0N以上であると良好である。
<耐衝撃性>
ポリアミド系フィルムの衝撃強度(J)を、インパクトテスター((株)東洋精機製作所製)を用いて測定した。
・衝撃強度(23℃の条件下):強度は、0.9J以上であると良好であり、1.0J以上であるとより良好である。
・衝撃強度(-25℃の条件下):強度は、0.3J以上であると良好であり、0.5J以上であるとより良好である。
<耐屈曲性>
ポリアミド系フィルムの屈曲による耐ピンホール性を、理化学工業(株)製のゲルボフレックステスターを用いて測定した。
折り径150mm、長さ300mmの筒状に製袋したポリアミド系フィルムを、ゲルボフレックステスターに装着し、最初の88.9mmで440°の捻りを与え、その後63.5mmは直線水平運動となる繰り返しの屈曲直線運動を5℃、-5℃及び-25℃の条件下で試験速度40回/分にて1,000回繰り返した後、夫々浸透液を用いてピンホールの数を調べた。ピンホール数の測定はサンプルの中央部における300cm2の箇所で行った。3枚のサンプルについてピンホールの数を測定し、平均値を測定結果とした。
・耐屈曲性(5℃の条件下):ピンホール数は、5個以下であると良好であり、3個以下であるとより良好である。
・耐屈曲性(-5℃の条件下):ピンホール数は、7個以下であると良好であり、5個以下であるとより良好である。
・耐屈曲性(-25℃の条件下):ピンホール数は、27個以下であると良好であり、25個以下であるとより良好である。
<酸素透過度>
酸素透過度は、測定条件(20℃×65%RH)において、JIS K7126-2に従い測定した。なお、測定装置はOX-TRAN MODEL2/21(MOCON社製)を用いた。
結果は、以下の通りであった。
表7の結果からすると、比較例1のバージン材料フィルムと実施例1~4の再生材料フィルムとでは、物性値に大きい変化はなく、再生材料フィルムをバージン材料フィルムと同等に使用できることが分かった。
11 第1層
12 第2層
13 第3層
14 第4層

Claims (6)

  1. 少なくとも、エチレン-ビニルアルコール共重合体、及びポリアミドを含む複合材料を、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体が溶解可能で且つ前記ポリアミドが溶解しない第1温度の溶媒に溶解させて第1溶液を生成し、当該第1溶液から前記ポリアミドを含む第1濾物を除去する第1ステップと、
    前記第1溶液から前記第1濾物を除去した第1濾液から、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む組成物を得る第2ステップと、
    前記第1濾物を、前記ポリアミドが溶解可能な第2温度の前記溶媒に溶解させて第2溶液を生成し、当該第2溶液から第2濾物を除去する第3ステップと、
    前記第2溶液から前記第2濾物を除去した第2濾液から、前記ポリアミドを含む組成物を得る第4ステップと、
    を備えている、樹脂材料の分離回収方法。
  2. 前記第1ステップにおいては、前記複合材料を所定の大きさに裁断した上で、前記溶媒に溶解する、請求項1に記載の樹脂材料の分離回収方法。
  3. 前記溶媒のSP値が、12~17(cal/cm30.5である、請求項1または2に記載の樹脂材料の分離回収方法。
  4. 前記第1温度と前記第2温度の差が、5℃以上である、請求項1または2に記載の樹脂材料の分離回収方法。
  5. 前記第2ステップでは、前記第1濾液を冷却することで、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む組成物を析出させ、当該組成物を吸引濾過または遠心分離によって得るように構成され、
    前記第4ステップでは、前記第2濾液を冷却することで、前記ポリアミドを含む組成物を析出させ、当該組成物を吸引濾過または遠心分離によって得るように構成される、請求項1または2に記載の樹脂材料の分離回収方法。
  6. 請求項1または2に記載の樹脂材料の回収方法により、前記エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む組成物及び前記ポリアミドを含む組成物を回収するステップと、
    回収された前記組成物を用いてフィルムを製造するステップと、
    を備えている、フィルムの製造方法。
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