JP2023129206A - 荷役助力装置及び荷役助力装置の制御方法 - Google Patents

荷役助力装置及び荷役助力装置の制御方法 Download PDF

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【課題】荷役物の状態に応じた操作性の改善を図った荷役助力装置及び荷役助力装置の制御方法の提供。【解決手段】係止部6と、昇降作動部16と、モータ部11と、重量検出部12と、制御部10と、を有して荷役物7の昇降の助力を行う荷役助力装置1であって、係止部6は、荷役物7を係止し、昇降作動部16は、係止部6を繋ぐスリングを巻回して係止部6を昇降させ、モータ部11は、昇降作動部16を駆動し、重量検出部12は、昇降作動部16に加わる重量値を検出して制御部10へ送信し、制御部10は、重量検出部12から受信した重量値の変化量を用いて制御値を演算して、この制御値に基づいて係止部6及び荷役物7の少なくとも1つの昇降の制御を行う制御手段を有する。【選択図】図3

Description

本願は、令和4年3月4日付けの出願を基礎とする国内優先権主張の出願である。本発明は、製造分野の製造組立てや搬送などに用いる荷役助力装置であって、例えば荷役物を昇降させる際にモータによるアシストにより僅かな操作力で上下移動させる荷役助力装置及び荷役助力装置の制御方法に関するものである。
従来から工業製品の組立てを行う工場では、大きな重量を有する工具、作業用機器、製品、半完成品などを移動させる荷役装置を使用している。その荷役装置の中でも、大きな重量の荷役物に対して使用者が軽い操作力で任意の高さに昇降移動できるように助力(アシスト力)を発生させる荷役助力装置が一部で使用されている。このように助力を発生させる荷役助力装置は、モータによって助力を行い、荷役物に小さな操作力を加えることでスムーズに移動させている。したがって単に上下動作を電動モータで行うものとは異なり、荷役物の荷重やこれに加わる操作力を例えば荷重検出器で検出して、サーボモータ等で外力の印加による重量変化を元に制御を行うように構成されている。
特開2019-52007号公報
特許文献1には、荷役助力装置に関する技術が開示されている。この荷役助力装置の操作性の向上やトラブル防止のため、荷役物の吊り上げや着床などの荷役物の状態の検出を行いたいという要望がある。さらに液体や粉体を入れた容器を宙吊りとし、作業者は容器を傾けて被注入設備等に移し替える作業を行うと荷役物の重量が減少するので吊下げている容器の高さが変わってしまい、操作性の改善が求められている。
このような問題に鑑みて、本発明は、荷役物の状態に応じた操作性の改善を図った荷役助力装置及び荷役助力装置の制御方法の提供を目的としている。
本発明の一態様に係る荷役助力装置は、上記の目的を達成するために、
係止部と、昇降作動部と、モータ部と、重量検出部と、制御部と、を有して荷役物の昇降の助力を行う荷役助力装置であって、
係止部は、荷役物を係止し、
昇降作動部は、係止部を繋ぐスリングを巻回して係止部を昇降させ、
モータ部は、昇降作動部を駆動し、
重量検出部は、昇降作動部に加わる重量値を検出して制御部へ送信し、
制御部は、重量検出部から受信した重量値の変化量を用いて制御値を演算して、当該制御値に基づいて、係止部及び荷役物の少なくとも1つの昇降の制御を行う。
また、制御部は、変化量として重量値を時間微分して得た重量微分値を基に、係止部及び荷役物の少なくとも1つの昇降の状態を判定する状態判定手段を有する。
また、制御部がモータ部への指令によって係止部を下降させている際に、
状態判定手段が、重量微分値が第1の所定値を超えたと判断した時、
制御部は、直ちに係止部を上昇させるように昇降作動部を駆動する。
また、制御部は予め荷役物重量値を記憶する予設定重量記憶部を有し、
制御部が係止部の上昇指示を操作指令部から受信してモータ部へ上昇指令を送信している際に、
状態判定手段が、重量微分値が第2の所定値を超えたと判断し、
制御部が、重量検出部から受信した重量値が予設定重量記憶部に記憶している荷役物重量値に達したと判断した時、
制御部は、上昇指令を止め、荷役物重量値を基に荷役物の昇降の助力をモータ部へ指令する。
また、制御部が、荷役物への鉛直方向の外力の印加によって荷役物の昇降をモータ部へ指令して助力している時、
状態判定手段が、重量微分値の絶対値が第3の所定値を超えたと判断し、
制御部が、重量検出部から受信した重量値が第4の所定値以下と判断した時、
制御部が、現在の重量値を登録重量値として重量記憶部に記憶して、登録重量値を基に荷役物の昇降の助力をモータ部へ指令する。
また、係止部の位置を検出して位置値を送信する位置検出部をさらに備え、
制御部は、登録手段と、重量追従制御手段と、を有し
制御部が、操作指令を制御部へ送信する操作指令部から重量追従制御指令を受信した時、
登録手段は、
現在の重量検出部から受信した重量値を登録重量値として重量記憶部へ、現在の位置検出部から受信した位置値を登録位置値として位置記憶部へ、それぞれ記憶し、
重量追従制御手段は、その後に受信した重量値を登録重量値から減算した減算値に所定の係数を乗算して得られた差分値と、登録位置値と、を加算した値を移動目標値として昇降作動部を駆動する重量追従制御を実行する。
また、制御部は、受信した重量値が登録重量値から定めた割合以下となった時、若しくは前回受信した重量値と現在受信した重量値の差が閾値を超えた時、重量追従制御を解除する。
また、制御部は、差分値の符号が前回の値から反転若しくは絶対値が減少した時に、前回の移動目標値を使用して重量追従制御を実行する。
また、制御部は、係止部が前回演算した移動目標値に未だ到達していないことを位置検出部から検出し、かつ新たに演算した差分値の絶対値が前回の値より減少して、かつ次の新移動目標値の絶対値が現在の位置値の絶対値よりも大きい時、新移動目標値を使用して重量追従制御を実行する。
また、係止部の位置を検出して位置値を送信する位置検出部をさらに備え、
制御部は、登録手段と重量追従制御手段とを有し、
登録手段は予め、荷役物を分配する際の分配重量値を登録分配重量値として重量記憶部へ記憶し、少なくとも2つ以上の登録位置値を位置記憶部へ記憶し、
制御部が、操作指令を制御部へ送信する操作指令部から重量追従制御指令を受信した時、
登録手段は、現在の重量検出部から受信した重量値を登録重量値として重量記憶部へ記憶し、
重量追従制御手段は、その後に受信した重量値が、登録重量値から登録分配重量値を減算した分配基準値に到達するまでの期間内に、重量値を登録重量値から減算した減算値に所定の係数を乗算して得られた差分値と、登録位置値と、を加算した値を移動目標値として昇降作動部を駆動し、
重量値が分配基準値に到達した時には、受信した重量値を新たな登録重量値として更新して重量記憶部へ記憶する。
また、所定の係数が、荷役物を入れて係止部に吊下げて使う容器の形状及び荷役物の状態により定められる。
本発明の一態様に係る荷役助力装置の制御方法は、
係止部と、昇降作動部と、モータ部と、重量検出部と、制御部と、を有して荷役物の昇降の助力を行う荷役助力装置の制御方法であって、
係止部は、荷役物を係止し、
昇降作動部は、係止部を繋ぐスリングを巻回して係止部を昇降させ、
モータ部は、昇降作動部を駆動し、
重量検出部は、昇降作動部に加わる重量値を検出して制御部へ送信し、
制御部は、
重量検出部から受信した重量値の変化量を用いて制御値を演算するステップと、
当該制御値に基づいて係止部及び荷役物の少なくとも1つの昇降の制御を行うステップと、を有する。
また、制御部は、変化量として重量値を時間微分して得た重量微分値を基に、係止部及び荷役物の少なくとも1つの昇降の状態を判定するステップを有する。
また、荷役助力装置は係止部の位置を検出して位置値を送信する位置検出部をさらに備え、
制御部は、操作指令を制御部へ送信する操作指令部から重量追従制御指令を受信した時、
現在の重量検出部から受信した重量値を登録重量値として重量記憶部へ、現在の位置検出部から受信した位置値を登録位置値として位置記憶部へ、それぞれ登録するステップと、
その後に受信した重量値を登録重量値から減算した減算値に所定の係数を乗算して得られた差分値と、登録位置値と、を加算した値を移動目標値として演算するステップと、
移動目標値へ昇降作動部を駆動するステップと、を含む。
また、係止部の位置を検出して位置値を送信する位置検出部をさらに備え、
制御部は、
予め、荷役物を分配する際の分配重量値を登録分配重量値として重量記憶部へ記憶するステップと、
予め、少なくとも2つ以上の登録位置値を位置記憶部へ記憶するステップと、
制御部が、操作指令を制御部へ送信する操作指令部から重量追従制御指令を受信した時、現在の重量検出部から受信した重量値を登録重量値として重量記憶部へ記憶するステップと、
その後に受信した重量値が、登録重量値から登録分配重量値を減算した分配基準値に到達するまでの期間内に、重量値を登録重量値から減算した減算値に所定の係数を乗算して得られた差分値と、登録位置値と、を加算した値を移動目標値として昇降作動部を駆動するステップと、
重量値が分配基準値に到達した時には、受信した重量値を新たな登録重量値として更新して重量記憶部へ記憶するステップと、を含む。
本発明によれば、荷役物の状態に応じた操作性の改善を図った荷役助力装置を提供できる。
本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置と荷役物の斜視構成図である。 本発明の第1及び第2の実施形態に係る荷役助力装置の本体装置の一部を省略した斜視構成図と操作指令部の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置の電子回路のブロック構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業を表した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業を表した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業を表した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業を表した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業を表した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業を表した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業を表した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業を表した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業を表した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業を表した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業を表した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業を表した模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置の制御部が実施するフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置の制御部が実施するフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置の制御部が演算する荷重値と荷重微分値のグラフ例である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業のタイムチャートを模式的に表した図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業のタイムチャートを模式的に表した図である。 本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置を用いた作業のタイムチャートを模式的に表した図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置の電子回路のブロック構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置と吊り具の斜視構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第1の注ぎ作業を表した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第1の注ぎ作業を表した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第1の注ぎ作業を表した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第1の注ぎ作業を表した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置の制御部が実施するフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第1の注ぎ作業のタイムチャートを模式的に表した図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第2の注ぎ作業を表した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第2の注ぎ作業を表した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第2の注ぎ作業のタイムチャートを模式的に表した図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第3の注ぎ作業を表した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第3の注ぎ作業を表した模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第3の注ぎ作業を表した模式図である。
以下、本発明の実施形態に係る荷役助力装置について、図面を基に詳細な説明を行う。図1は本発明の第1の実施形態の一例である荷役助力装置1と吊り具6及び荷役物7の斜視構成図である。
荷役助力装置1は、本体装置2と、吊下げフック3と、リンクチェーン4と、吊り具用フック5と、操作指令部9と、を含んで構成されている。本体装置2は、スリングであるリンクチェーン4を介して、吊り具用フック5と、吊り具用フック5に係止された吊り具6と、吊り具6に係止される荷役物7と、の昇降を行う。吊り具用フック5は、この本体装置2から鉛直下方向へ伸びたリンクチェーン4の下方に設けられている。本体装置2の天面部には吊下げフック3が設けられている。したがって本体装置2は建物の梁や、図4から図15で表される水平移動用のレール32に沿って水平方向に移動自在な移動ブロック31などに吊して使用することができる。
吊り具用フック5は、リンクチェーン4の一端に設けられた荷役物用のフックであって、吊り具6を係止する係止部である。吊り具6は、荷役物7を支持するものである。荷役物7は例えば軸方向で直径の大きさが変化する円柱状の物体であって、重心位置が中央では無く、偏っているものである。吊り具6は断面が略コの字状の中空角柱形状で、各先端部に対向する突部が設けられ、中空部を荷役物7の軸方向に沿って移動させる事で、荷役物7を床に置いたままで係止することができる係止部材である。
操作指令部9は、本体装置2を遠隔にて操作するため釦を配置した所謂リモコンであって、本実施形態では電波によって通信している。操作指令部9は、電池によって駆動される。
図2は本発明の第1及び第2の実施形態の荷役助力装置1の本体装置2の一部を省略した斜視構成図と操作指令部9の拡大斜視図である。
本体装置2はカバーを備えていて、その内部には制御部10、モータ部11、昇降作動部16、重量検出部12、位置検出部13等が収納されている。
本体装置2の制御部10はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、その他の記憶装置及び入出力装置を備えて、リンクチェーン4を介して吊り具用フック5の上下移動の制御等を行う。また制御部10は本体装置2を構成する電気電子部品等に電気を供給する回路を含んでいる。
モータ部11は、昇降作動部16を作動させてリンクチェーン4によって吊り具用フック5を上下移動させるための駆動源である。モータ部11のモータの負荷側には減速機が取り付けられている。このモータは例えば交流サーボモータである。
この減速機はモータの回転速度を所定の速度に減速している。減速機は例えば波動歯車減速機である。波動歯車減速機は、ウェーブジェネレータと、フレクスプラインと、サーキュラスプラインとを有している。ウェーブジェネレータは、楕円状のカムの外周に薄肉のボールベアリングが嵌め込まれ、全体が楕円形状をしている。ベアリングの内輪は楕円カムに固定されていて、外輪はボールを介して弾性変形する。フレクスプラインは、外周に多数の外歯が形成されウェーブジェネレータに外嵌されてウェーブジェネレータの回転により円周方向へ撓まされる位置が変化するようにした弾性変形可能なものである。サーキュラスプラインは、フレクスプラインの外周側にあってフレクスプラインの外歯と嵌合する内歯を備えている。そして動力は、フレクスプラインを回転出力として繋げた出力軸15に取り出されて伝達される。このモータ部11の減速機に例えば波動歯車減速機のようなバックラッシが微小なものを使用することで、モータの正逆回転切り換えを頻繁に行って上下移動を行う時に、切り換え時の制御不能な領域をなくし、スムーズな操作感を実現できる。なお減速機は波動歯車減速機に限るものではない。
出力軸15は、減速機にてモータの回転速度を減速し、増大させたトルクを出力する回転軸であり、昇降作動部16に連結され、昇降作動部16を連続的に正逆に回転させるものである。
リンクチェーン4はスリングであって、半円弧部とこれに繋がる直線部からなる長円形の環が交差して交互に連接されたものである。リンクチェーン4の一端は吊り具用フック5に繋がっていて、他端(無負荷側)はチェーン収納部8に収納されている。
昇降作動部16は、駆動源のモータ部11からの動力の伝達によって回転する回転部材を含んで構成される。本実施形態では昇降作動部16の回転部材は中空円柱の形状であって、中空部で出力軸15と繋がっていて、外側円柱面でリンクチェーン4を巻回し、リンクチェーン4の巻き上げ及び繰り出しを行う。リンクチェーン4が巻回される位置は、おおよそ吊下げフック3の鉛直下付近であって、本体装置2の重心位置に近いところに設けられる。リンクチェーン4は昇降作動部16の外側円柱面に設けられたポケット溝に嵌入されておおよそ180度ほど巻回される。本実施形態では吊り具用フック5に繋がって昇降作動部16に巻回されるものにリンクチェーン4を用いたが、これに限らずワイヤーロープであっても良い。ワイヤーロープを使用した時は、昇降作動部16はドラム形状でワイヤーロープはその一端が固定されて回転部材に巻回される。
位置検出部13は、モータ部11の反負荷側に連結されている。位置検出部13は、モータの回転角位置を検出する。位置検出部13は例えばアブソリュートエンコーダであって、光学式にてモータの回転角位置を検出して位置値を出力する。したがってこの位置検出部13は、吊り具用フック5の繰り出し位置すなわち吊り具用フック5の昇降位置を検出することができる。
重量検出部12は、起歪体と起歪体に貼られた歪みゲージを備えている。重量検出部12は、吊下げフック3に吊るされ、一方で昇降作動部16を吊るす構造となっている。重量検出部12の起歪体は昇降作動部16に巻きつけられているリンクチェーン4から伝達される力を検出できるように弾性変形する形状を有している。歪みゲージは重量に応じて起歪体に生ずる歪みを電気信号に変換するホイートストーンブリッジ回路に組み込まれ、重量検出部12は昇降作動部16に加わる重量を検出して、重量値を出力する。なお重量検出部12は、ホイートストーンブリッジ回路からのアナログ出力を増幅する回路や、増幅した信号をデジタル信号に変換する回路を含んでいても良い。
そして本体装置2の制御部10が本体装置2内の昇降作動部16の近傍に配置されている。この制御部10は、位置検出部13から位置値を、重量検出部12から重量値をそれぞれ受信し、これらを基に演算を行い、モータ部11を制御する。本体装置2の制御部10を含む電装部は、本体装置2を粉粒や水滴のかかる場所での使用も可能にするためにカバー内に配置されている。
なお制御部10は、重量検出部12からのアナログ出力を増幅する回路や、増幅した信号をデジタル信号に変換する回路を含んでいても良い。
また、本実施形態では、位置検出部13はモータ部11の反負荷側に配置したがこれに限らず、減速機の出力である出力軸15や昇降作動部16に設けられても良く、また両方に設けられても良い。さらに光学式に限らず磁気式や静電容量式等であっても良い。
また重量検出部12は昇降作動部16に加わる重量を検出できれば良く、減速機と昇降作動部16との間に設けた回転軸の捻れからトルクを検出するような回転型の構造や、モータ部11が受ける反力を検出するフランジ型や鼓型の構造のものであっても良い。さらに歪みゲージ式に限らず磁歪式や静電容量式等であっても良い。
本体装置送受信部14が、本体装置2の制御部10の回路基板と並んで配置されている。本体装置送受信部14は、操作指令部9と無線にて通信するための電子回路を有している。
操作指令部9は、操作手段として例えばバランス釦21、保持釦22、上昇釦23及び下降釦24を有している。操作の内容詳細については後述する。
図3は本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置1の電子回路のブロック構成図である。荷役助力装置1は、本体装置2と操作指令部9とを含んで構成されている。
本体装置2の制御部10は本体装置2全体の制御を行っている。本体装置2の制御部10は、モータ部11を駆動する駆動回路を含んでいる。そして本体装置2の制御部10は、重量検出部12から昇降作動部16に加わる重量値を受信し、位置検出部13からモータ部11の回転角の位置値を受信し、本体装置送受信部14と信号の送受信を行う。本体装置送受信部14と本体装置2の制御部10とは有線で繋がっていて、極めて短い時間間隔で高速に信号の送受信を行う。なお制御部10内には、重量登録手段10a、バランス制御手段10b、状態判定手段10c、予設定重量記憶部10d、重量記憶部10e、設定値記憶部10fが含まれている。
本体装置送受信部14は、操作指令部9の操作指令送受信部25と無線にて通信を行う。本体装置送受信部14及び操作指令送受信部25は無線通信を行う電子回路で構成され、電波による送信器と受信器を有する他、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有する場合がある。
操作指令制御部20は操作指令部9全体の制御を行っている。操作指令制御部20は各操作手段(操作釦)による操作指令を受けて、操作の指令信号を操作指令送受信部25へ送信する。そして操作指令送受信部25は操作指令制御部20から受信した操作の指令を、本体装置送受信部14へ無線にて送信する。この指令を含んだ信号には、操作指令部9と本体装置2のペアリングを行うための操作指令部9の識別情報が付与されている。
次いで操作指令部9に設けられている操作手段である各操作釦の役割について説明する。各操作釦は例えばモーメンタリ動作のプッシュスイッチであって、押している期間中はONとなって離すと自己復帰でOFFになる。作業者がバランス釦21を押すと操作指令部9からバランス指令が送信され、本体装置2の制御部10はこれを受信してバランス制御を開始する。本体装置2の制御部10は操作指令部9からバランス指令を受信すると、重量検出部12が昇降作動部16に加わる重量値を検出して出力した重量値を登録値として重量登録手段10aに記憶する。この後は、本体装置2の制御部10内のバランス制御手段10bは、重量検出部12から昇降作動部16に加わる重量値(負荷)を受信して、これが重量登録手段10aに記憶された登録値と等しくなるように制御値の演算を行って、モータ部11を制御する。この制御を本発明ではバランス制御と言い、本体装置2の制御部10がバランス制御を行っている期間中、吊り具用フック5以下の部材(吊り具6及び荷役物7)はバランス状態にあると言う。換言すると、本体装置2の制御部10は、登録した重量で生じるリンクチェーン4のテンションと、重量検出部12が検出した重量で生じるリンクチェーン4のテンションとが同じになるように演算してモータ部11を制御し、この制御がバランス制御である。そして作業者がこのバランス制御中に吊り具6若しくは荷役物7に鉛直下向きの外力を加えると、昇降作動部16に加わる重量が大きくなることから、本体装置2の制御部10は、これを登録重量へ近づけるように制御値を演算し、さらにリンクチェーン4を繰り出す方向にモータ部11を制御し、吊り具6及び荷役物7は下降する。一方、作業者がこのバランス制御中に吊り具6若しくは荷役物7に鉛直上向きの外力を加えると、昇降作動部16に加わる重量が小さくなることから、本体装置2の制御部10は、これを登録重量へ近づけるように制御値を演算し、さらにリンクチェーン4を巻き上げる方向にモータ部11を制御し、吊り具6及び荷役物7は上昇する。そして作業者が外力の印加をやめると、重量検出部12が検出する重量が登録重量と等しくなるのですぐさま吊り具6及び荷役物7は静止した状態となる。この制御値は例えば加速度などを含んでいる。
一方で、作業者が保持釦22を押すと、本体装置2の制御部10は、保持指令を受信し、昇降作動部16を現在位置にて保持する保持制御を実行し、保持制御は吊り具用フック5及び吊り具6の昇降位置を保つようにモータ部11を制御する。
作業者が上昇釦23若しくは下降釦24を押すと、本体装置2の制御部10はこれを受けてモータ部11を制御して、吊り具用フック5を上昇若しくは下降させる。作業者は上昇釦23若しくは下降釦24を連続的に押すことで、モータ部11により吊り具用フック5及び吊り具30を連続的に昇降させることができる。本体装置2が保持状態及びバランス状態いずれにあっても、作業者が上昇釦23若しくは下降釦24を押すと、上昇若しくは下降を行い、押した上昇釦23若しくは下降釦24から手を離すと保持状態に戻る。
図4から図15は、作業者が本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置1を用い、吊り具6及び荷役物7を扱う一連の作業状態を表した模式図である。また図16、図17は本発明の第1の実施形態に係る荷役助力装置1の本体装置2の制御部10が実行するフローチャートである。図4から図17を用いて吊り具6及び荷役物7の動きとその時の本体装置2の制御部10が実行する制御方法の各ステップについて説明する。
図4において、レール32は作業構内の天井等に水平方向に設けられた軌道レールである。移動ブロック31はレール32に沿って略水平方向に移動可能な部材であって、吊下げフック3と連結して本体装置2を吊している。したがって移動ブロック31は吊下げフック3以下を水平方向に移動自在にしている。床は、床面30aと床面30aに段差を有した床面30bとを有し、本実施形態では床面30aに置かれた荷役物7を床面30bへ移動させる作業について説明する。
図16のフローチャートにおいて、まず荷役助力装置1の電源が入っていない状態で、作業者が、本体装置2の不図示の電源スイッチをONにすると、本体装置2の制御部10が起動して、制御部10はステップS101を実行して、ステップS102へ進む。本体装置2の制御部10はステップS101にて、昇降作動部16を現在位置にて保持する。
次いで図4に示すように作業者は、操作指令部9の下降釦24を連続的に押して、吊り具6が荷役物7を装着できる鉛直方向の位置まで吊り具用フック5を下降させようとする。この時、上昇釦23は押されていないので、図16において制御部10はステップS102にて上昇釦23は押されていないと判断し(No)、ステップS103へ進む。次いで制御部10はステップS103にて下降釦24が押されていると判断し(Yes)、下降処理ステップS200へ進む。
下降処理ステップS200は、ステップS201からステップS204を含み、制御部10は、下降処理ステップS200では図17(a)に示す吊り具6や荷役物7の下降処理を行う。
制御部10はステップS201にて、モータ部11へ下降の指令を行い、ステップS202へ進む。次いで、制御部10はステップS202にて、荷重微分値演算を行って、ステップS203へ進む。ここで荷重微分値演算について説明する。重量検出部12は所定の周期で、昇降作動部16に加わる重量値を制御部10へ送信している。したがって、制御部10はこの重量値を受信して、所定の時間間隔で時間の微分演算を行って、荷重微分値を得ることができる。なお荷重は加速度に比例するので、荷重微分値は所謂加加速度に相当するものである。
制御部10はステップS203にて荷重微分値の絶対値が所定の値以下であると判断すると(No)、RETURNとなってステップS101へ進み、作業者が下降釦24を押している限りステップS201を実行する。制御部10はステップS203にて荷重微分値の絶対値が所定の値J1よりも大きいと判断すると(Yes)、ステップS204へ進む。ここで所定の値J1は、何らかの原因でリンクチェーン4がチェーン収納部8内で絡まってしまい、リンクチェーン4の繰り出しが不能になった場合の荷重微分値である。所定の値J1は、予め実験などによって定め、制御部10の設定値記憶部10fに記憶され、さらに書き換え可能であって良い。制御部10の設定値記憶部10fへのアクセスは、有線ケーブル若しくは無線にてパーソナルコンピュータや専用端末を制御部10へ繋いで行うことができる。後述する予設定重量記憶部10dのアクセスも同じ手段で実施することが可能である。図5は、リンクチェーン4がチェーン収納部8内で絡まってしまい、リンクチェーン4の繰り出しが不能になった場合を示している。
制御部10はステップS204にて、モータ部11へ予め定めた所定距離だけ上昇の指令を行い、RETURNによって下降処理ステップS200を終了し、ステップS101へ進み、位置保持状態となる。さらに制御部10はステップS204にて、リンクチェーン4がチェーン収納部8内で絡まってしまっている可能性があることを、本体装置2に設けられた表示機や音声発生機などで警告発信してもよい。
次に図7から図15を参照して、床面30aに置かれた荷役物7を、床面30bへ移動させる作業について説明する。図7の状態において、作業者が操作指令部9のバランス釦21を押す。すると図16のフローチャートにおいて、制御部10はステップS104にて、バランス釦21が押されたと判断して、ステップS105へ進む。
制御部10はステップS105にて、現在の重量値を重量検出部12から受信して、これを用いて演算し、重量記憶部10eに登録重量値として記憶させ、ステップS106へ進む。すなわち図7において登録重量値は、荷役物7が吊るされていない吊り具6のみの重量である。
制御部10はステップS106にて、登録重量値に基づいてバランス制御を実行する。この時、吊り具6はバランス状態にあるため、作業者が吊り具6に下向きの小さな外力を加えると吊り具6は下降し、上向きの小さな外力を加えると吊り具6は上昇し、外力を取り去ると吊り具6は停止する。図7において、作業者が吊り具6に下向きの小さな外力を加えると吊り具6は下降し、やがて図8に示すように吊り具6を床面30a付近まで動かすことができる。そして作業者は、吊り具6が荷役物7を係止できる位置まで荷役助力装置1を水平移動させ(図9)、操作指令部9の上昇釦23を押して係止部の上昇指示を行う。
すると、制御部10はステップS107にて、上昇釦23が押されたと判断し(Yes)、上昇処理ステップS300へ進む。上昇処理ステップS300は上昇処理であって、ステップS301からステップS309を含み、制御部10は、上昇処理ステップS300では図17(b)に示す上昇処理を行う。
制御部10はステップS301にて、モータ部11へ上昇指令を行い、ステップS302へ進む。次いで、制御部10はステップS302にて、荷重微分値演算を行って、ステップS303へ進む。荷重微分値演算は、ステップS202と同様である。
制御部10はステップS303にて荷重微分値の絶対値が所定の値J2以下と判断すると(No)、RETURN1にて上昇処理ステップS300を終了し、ステップS101へ進み、位置保持状態となる。もちろん、作業者が上昇釦23を押し続け、荷重微分値の絶対値が所定の値J2以下の場合は、上昇を継続する。一方制御部10はステップS303にて荷重微分値の絶対値が所定の値J2より大きいと判断すると(Yes)、ステップS304へ進む。ここで所定の値J2は、吊り具6が上昇してリンクチェーン4のテンションが急激に大きくなった場合の荷重微分値である。所定の値J2は、上昇の設定速度に対して予め実験などによって定め、制御部10の設定値記憶部10fに記憶され、さらに書き換え可能であって良い。この時の荷役物7の状態を示したものが図10であって、この時点では荷役物7が床面30aから離間したとは言えない状態である。
制御部10はステップS304にて、予設定重量記憶部10dから予設定重量値を読出し、ステップS305へ進む。ここで予設定重量値とは、予め荷役物重量値を予設定重量記憶部10dへ登録しておき、制御部10は必要に応じてこの予設定の荷役物重量値を用いてバランス制御を行うものである。予設定重量記憶部10dへの登録は、設定値記憶部10fへのアクセスと同様に、有線ケーブル若しくは無線にてパーソナルコンピュータや専用端末を制御部10へ繋いで行うことができる。
制御部10はステップS305にて、予設定重量記憶部10dの内容が空白(Null)であると判断すると(No)、RETURN1にて上昇処理ステップS300を終了し、ステップS101へ進む。ここで予設定重量記憶部10dの内容が空白である場合は、制御部10は参照するバランス制御のための予設定の荷役物重量値が存在しないことから、単なる操作指令部9からの上昇釦23の押下による上昇のみの処理として扱う。
制御部10はステップS305にて、予設定重量記憶部10dに予設定重量値が存在すると判断すると(Yes)、ステップS306へ進む。
制御部10はステップS306にて、吊り具6を上昇させ、ステップS307へ進んで、重量値が予設定重量値になるまでループでステップS306を実行する。
制御部10はステップS307にて、重量値が予設定重量値になったと判断すると(Yes)、ステップS308へ進む。この時の状態が図11に示されている。
制御部10はステップS308にて、吊り具6を停止させ、ステップS309へ進む。制御部10はステップS309にて、予設定重量記憶部10dの予設定重量値をバランス制御に用いる設定を行い、RETURN2にて上昇処理ステップS300を終了し、ステップS106へ進む。よって図11に示すように、作業者が吊り具6または荷役物7に僅かな外力を加えることで、荷役物7を昇降できる状態となる。なおステップS105にて登録した登録重量値によるバランス制御、ステップS309にて予設定重量値をバランス制御に用いる設定を行ったバランス制御、のいずれにおいても、操作指令部9の上昇釦23、下降釦24、保持釦22のいずれかを押すことでバランス制御は解除され(ステップS107からステップS109の各Yes)、ステップS101へ戻ることになる。さらにステップS105にて登録した登録重量値によるバランス制御、ステップS309にて予設定重量値をバランス制御に用いる設定を行ったバランス制御、のいずれにおいても、操作指令部9のバランス釦21を押すことで、制御部10はステップS110にて、バランス釦21が押されたと判断して(Yes)、ステップS105へ進む。よって、制御部10はバランス釦21が押された時の重量値を基に登録重量値として適用してバランス制御を行うことになる。
制御部10はステップS107からステップS110の全てにおいていずれの釦も押されていないと判断すると(いずれもNo)、ステップS111へ進む。
制御部10はステップS111にて、荷重微分値を演算してステップS112へ進む。この演算の方法はステップS202、S302と同様である。
制御部10はステップS112にて、現在の荷重微分値の絶対値が第3の所定値J3を超えているかを判断し、超えていなければ(No)、ステップS106へ戻って、バランス制御を継続する。一方、制御部10はステップS113にて、現在の荷重微分値の絶対値が第3の所定値J3を超えていると判断したら(Yes)、ステップS113へ進む。この第3の所定値J3は、荷役物7が床などに接触した場合に生じる荷重微分値であって、これも予め実験などによって定めることができる。
制御部10はステップS113にて、所定のn秒後の重量値を重量検出部12から取得して、ステップS114へ進む。この所定のn秒はおおむね0.5から1秒程度であって、例えば予め実験などによって決められて、設定値記憶部10fに記憶しておくものである。
制御部10はステップS114にて、ステップS113で得た重量値と登録重量値の変化が第4の所定値W4より大きいと判断すると(Yes)、ステップS101へ進む。この時、制御部10は、荷役物7が吊り具6から脱落した可能性があると判断し、保持状態となる。この第4の所定値W4は荷役物7の形状や重心位置などで設定され、予め設定値記憶部10fに記憶しておくものである。
一方、制御部10はステップS114にて、ステップS113で得た重量値と登録重量値の変化量が第4の所定値W4以下と判断すると(No)、ステップS105へ進み、この時の重量値を登録重量値として記憶する。すなわち制御部10はステップS114にてNoと判断すると、荷役物7の一部が床に着地したものとして、減少した重量にてバランス制御を行うことになる。
次に、荷重微分値を用いて吊り具6(係止部)及び荷役物7の昇降の状態を判定することの根拠について、図18(a)から図18(d)を用いて説明する。図18(a)は、ある荷役物をバランス状態にて吊下げた状態でこれに鉛直上向きの外力を人手で印加した時の荷重値Wの時間による変化を示したものである。一方、図18(b)は、ある荷役物をバランス状態にて吊下げた状態で床に荷役物を接触させた時の荷重値Wの時間による変化を示したものである。図18(c)は、図18(a)における荷重微分値をプロットしたグラフであり、図18(d)は、図18(d)における荷重値Wを時間で微分した荷重微分値Jをプロットしたグラフである。図18(a)では大きな荷重の変化は見られるものの、図18(c)に示すように荷重微分値としてはさほど大きく現れないことが分かる。一方、図18(b)では若干の荷重の変化は見られるものの、図18(d)に示すように荷重微分値としては大きく現れることが分かった。故に、荷重微分値を用いることで、係止部及び荷役物に外力の印加が起こっているか、荷役物の床などへの接触が起こっているかは容易に識別でき、したがって係止部(吊り具6)及び荷役物7の昇降の状態を判定することができる。
図19は、作業者が下降釦24を押して、吊り具6を下降させている際に、リンクチェーン4がチェーン収納部8で絡まったことを検出して、上昇させるまでの状態を示すタイムチャートを模式的に表したものである。すなわち図19は、図4から図6、及び図17(a)の下降処理ステップS200に関するものである。
ここでは吊り具6には荷役物7を係止していない保持状態から始まり、作業者が時刻ta1にて下降釦24を押し続けると、リンクチェーン4の繰り出し量がL1から徐々に増加する。そしてリンクチェーン4がチェーン収納部8で絡まって動きが阻害され、荷重微分値が所定の値J1を超えた瞬間(時刻ta2)、状態判定手段10cが、重量微分値が第1の所定値J1を超えたと判断して(ステップS203)、直ちにステップS204を実行して、リンクチェーン4を所定量だけ巻き上げ、リンクチェーン4の繰り出し量がL2となって保持状態となる(時刻ta3)。
図20は、作業者が吊り具6を引っ張って下降させ、床面30aに置かれた荷役物7を床面30bへ移動させるまでの状態を示すタイムチャートを模式的に表したものである。すなわち図7から図15、及び図16全般と図17(b)の上昇処理ステップS300に関するものである。
ここでは吊り具6には荷役物7を係止していない保持状態から始まり、作業者が時刻tb1にてバランス釦21を押すと、制御部10は図16におけるステップS104、ステップS105、ステップS106を順次実行する。荷役物7を係止していない吊り具6のみの重量はW1であるから、制御部10はこれを登録重量値として重量記憶部10eに記憶しバランス制御を行う。したがって作業者は吊り具6に鉛直下方向の小さな外力を加えることで吊り具6をリンクチェーン4の繰り出し量L5からL7へ降下できる。
作業者は、時刻tb2にて吊り具6をL7へ降下させた後、吊り具6を荷役物7へ係止できる位置まで水平移動させる。そして作業者は、時刻tb3から上昇釦23を押し続けて吊り具6を上昇させる。制御部10は、図16におけるステップS107でYesと判断するので、上昇処理ステップS300を順次実行する。作業者は、上昇釦23を押し続けているので、制御部10は、図17(b)のステップS303において、荷重微分値が第2の所定値J2を超えるまで上昇を実行する。すると、吊り具6が上昇して、荷役物7に当接してリンクチェーン4に荷役物7によるテンションが加わった時刻tb4にて荷重微分値が第2の所定値J2を超えることになり、制御部10は図17(b)のステップS303においてYesへ進む。
制御部10は図17(b)のステップS304において予設定重量値を予設定重量記憶部10dから読出し、ステップS305において予設定重量値にWpが記憶されていることからYesへ進む。その後、制御部10は図17(b)のステップS306とステップS307のループによって、重量値が予設定重量値Wpに達するまで上昇を継続する。重量値が予設定重量値Wpに達した時刻tb5で、リンクチェーン4の繰り出し量はL6となって、制御部10はステップS309にて予設定重量値をバランス制御に使用して、荷役物7有りのバランス状態となる。
時刻tb5から、作業者は吊り具6または荷役物7に小さな外力を加えて上昇させ、任意の所望の高さ(リンクチェーン4の繰り出し量はL4)に到達させる。そして、作業者は荷役物7を図12のように、移動先の床面30bの鉛直上方に水平移動させる。さらに時刻tb6にて作業者は吊り具6に鉛直下向きの外力を加えて、荷役物7を降下させる。やがて、荷役物7が床面30bに当たって(図13)、時刻tb7にて荷重微分値の絶対値が第3の所定値J3に達して、制御部10は、図16のステップS112にて荷重微分値の絶対値が第3の所定値J3よりも大きいと判断し、ステップS113でn秒間待機した後の重量値を取得して、ステップS114で重量変化がW4以下と判断すると、ステップS105にて現在の重量値W2を登録重量値として更新記憶し、ステップS106でバランス制御を行う。
作業者は引き続き吊り具6に鉛直下向きの外力を加えて、荷役物7を降下させる。そして、荷役物7が床面30bに全て着地すると(図14)、再度荷重微分値が第3の所定値J3に達して(時刻tb8)、制御部10は図16のステップS112にて、荷重微分値の絶対値がJ3よりも大きいと判断し、ステップS113でn秒間待機した後の重量値を取得して、ステップS114で重量変化がW4以下と判断すると、時刻tb9以降でステップS105にて現在の重量値W1を登録重量値として更新記憶し、ステップS106でバランス制御を行う。
図21は、作業者が吊り具6を引っ張って下降させ、床面30aに置かれた荷役物7を床面30bへ移動させるものの、途中で脱落して復帰させるまでの状態を示すタイムチャートを模式的に表したものである。なお時刻tc7までは図20と同じなので省略する。
時刻tc7にて荷重微分値の絶対値が第3の所定値J3に達して、制御部10は、図16のステップS112にて、荷重微分値の絶対値がJ3よりも大きいと判断し、ステップS113でn秒間待機した後の重量値を取得して、ステップS114で重量変化がW4より大きいと判断すると、ステップS101へ進み、時刻tc8にて保持状態となる。すなわち制御部10は、重量変化がW4より大きいことから、荷役物7が吊り具6から脱落した状態である可能性が高いと判断して動作を保持し、その後の作業処理を作業者ができるようにしている。図21では、作業者が時刻tc9から時刻tc10の期間、下降釦24を連続的に押して吊り具6を降下させ、荷役物7を吊り具6から開放し、時刻tc11にてバランス釦21を押して吊り具6のみでのバランス状態にして作業を続行している。
以上説明したように本発明の荷役助力装置によれば、荷役物の状態の検出により操作性の改善を図った荷役助力装置及びその制御方法を提供できる。
図22は本発明の第2及び第3の実施形態に係る荷役助力装置1の電子回路のブロック構成図である。荷役助力装置1は、本体装置2と操作指令部9とを含んで構成されている。基本的な構成は第1の実施形態に係る荷役助力装置1の電子回路のブロック構成と同じであるので、相違点のみ説明する。
制御部10は、重量記憶部10eに加えて位置記憶部10hを有している。登録手段10gは、重量検出部12から得た重量値と、位置検出部13から得た位置値とを、操作指令制御部20からの指令に基づき、重量記憶部10e及び位置記憶部10hにそれぞれ登録値として記憶する。また制御部10は、重量追従制御手段10iを有している。重量追従制御手段10iは、例えば吊り上げる容器48内に入れられた液体や粉体などの荷役物50を容器48から被注入設備51へ注ぐ時に有用である。
図23は本発明の第2の実施形態の一例である荷役助力装置1と吊り具40及び容器48の斜視構成図である。
吊り具用フック5は、リンクチェーン4の一端に設けられた荷役物用のフックであって、吊り具40を係止する係止部である。吊り具40は、容器48を支持するものである。容器48は、有底の円筒型で、円筒側面の上端部に鍔が設けられたものである。吊り具40は、吊りアーム42と、容器ホルダ43と、容器押え板44と、回転軸45と、回転操作アーム46と、ハンドル47とを含んでいる。
吊りアーム42は、門型の部材であって、その中心部にはアイボルト41が取り付けられていて、アイボルト41を介して吊り具用フック5によって係止され、荷役助力装置1に吊り下げ可能な構成となっている。アイボルト41はボルトの頭部がリング状になっているものである。
容器ホルダ43は、容器48の鍔の下面部分に当接して鉛直下方から容器48を支持する。一方、容器押え板44は、容器ホルダ43とで容器48の鍔を挟むように、容器48の鍔の上面付近に設けられる。容器48は、容器ホルダ43に矢印A方向から挿入することで装着される。回転操作アーム46は回転軸45を介して容器ホルダ43及び容器押え板44と結合し、容器ホルダ43と容器押え板44とを吊りアーム42に対して制限された範囲で回転自在である。ハンドル47は回転操作アーム46の端部に取り付けられている。したがって作業者はハンドル47を握って回転操作アーム46を操作することで、容器ホルダ43及び容器押え板44を制限された範囲で回転させることができる。回転操作アーム46のハンドル47の隣には、操作指令部9が着脱可能な領域が設けられている。よって操作指令部9が装着されている場合には作業者はハンドル47を握りながら操作指令部9のスイッチを押して、荷役助力装置1の操作が可能である。
図24から図27は、作業者が本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置1を用い、吊り具40及び容器48内の荷役物50を扱う一連の第1の注ぎ作業状態を表した模式図である。また図28は本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置1の本体装置2の制御部10が実行するフローチャートである。図24から図28を用いて、第1の注ぎ作業における吊り具40及び容器48内の荷役物50の動きとその時の本体装置2の制御部10が実行する制御方法の各ステップについて説明する。
図24において、レール32は作業構内の天井等に水平方向に設けられた軌道レールである。移動ブロック31はレール32に沿って略水平方向に移動可能な部材であって、吊下げフック3と連結して本体装置2を吊している。したがって移動ブロック31は吊下げフック3以下を水平方向に移動自在にしている。床面30aには、荷役物50が入った容器48が置かれており、床面30aより高い場所に被注入設備51が載せ置かれている。次に床面30aに置かれた容器48内の荷役物50を、被注入設備51へ移動させる第1の注ぎ作業について説明する。
図24は、床面30aに置かれて荷役物50が入った容器48に対して、作業者が水平方向に吊り具40を移動させて、容器48を容器ホルダ43に装着した後の状態を示している。
図28のフローチャートにおいて、まず荷役助力装置1の電源が入っていない状態で、作業者が、本体装置2の不図示の電源スイッチをONにすると、本体装置2の制御部10が起動して、制御部10はステップS401を実行して、ステップS402へ進む。本体装置2の制御部10はステップS401にて、昇降作動部16を現在位置にて保持する。
次いで作業者は、操作指令部9の下降釦24を連続的に押して、吊り具用フック5が吊り具40を係止できる鉛直方向の位置まで吊り具用フック5を下降させる。したがって制御部10はステップS402にて下降釦24が押されていると判断し(Yes)、ステップS403へ進む。制御部10はステップS403にて、昇降作動部16を作動させて下降させ、作業者が操作指令部9の下降釦24を押すのを止めると、その位置でステップS401へ進み位置保持状態となる。そして作業者は、吊り具用フック5を吊り具40のアイボルト41に係止して、図24で示された状態となる。
次いで作業者は、操作指令部9の上昇釦23を連続的に押して、容器48を床面30aから地切する高さまで上昇させる。すなわち、制御部10はステップS402にて上昇釦23が押されていると判断し(Yes)、ステップS403へ進む。制御部10はステップS403にて、昇降作動部16を作動させて上昇させ、作業者が操作指令部9の上昇釦23を押すのを止めると、その位置でステップS401へ進み位置保持状態となる。そして作業者は、操作指令部9のバランス釦21を押して荷役助力装置1をバランス制御状態にする。
図28のフローチャートにおいて、制御部10はステップS402にて上昇釦23若しくは下降釦24が押されていないと判断して(No)、ステップS404へ進み、ステップS404にてバランス釦21が押されたと判断すると(Yes)、ステップS405へ進む。
制御部10はステップS405にて、現在の重量値を重量検出部12から受信して、これを用いて演算し、重量記憶部10eに登録重量値として記憶させ、ステップS406へ進む。
制御部10はステップS406にて、登録重量値に基づいてバランス制御を実行する。制御部10によってバランス制御が行われている期間は、吊り具40以下の容器48及び荷役物50はバランス状態にあるため、作業者が吊り具40に下向きの小さな外力を加えると吊り具40は下降し、上向きの小さな外力を加えると吊り具40は上昇し、外力を取り去ると吊り具40は停止する。したがって作業者は、容器48が荷役物50を被注入設備51へ注入できる位置まで荷役助力装置1を鉛直及び水平移動(移動ブロック31とレール32による)させることができる(図25)。
この状態で作業者がバランス釦21を例えば1秒以上長押しするまでは、制御部10は引き続きバランス制御を実行する。すなわち制御部10はステップS407にてバランス釦21が長押されず、重量追従制御に切り替える重量追従制御指令を受信していないと判断すると(No)、ステップS417へ進む。制御部10はステップS417にて、新たにバランス釦21が押されたと判断すると(Yes)、ステップS405に進み、最新の重量値を重量検出部12から受信して、これを用いて演算し、重量記憶部10eに登録重量値として記憶させる。制御部10はステップS417にて、バランス釦21が押されていないと判断すると(No)、ステップS418に進む。制御部10はステップS418にて上昇釦23若しくは下降釦24が押されたと判断すると(Yes)、ステップS419へ進み、上昇釦23若しくは下降釦24が押されている期間中、吊り具40を上昇若しくは下降させる。そして作業者が上昇釦23若しくは下降釦24を押すのをやめた時点で昇降作動部16を停止させ、ステップS401へ進む。制御部10はステップS418にて上昇釦23若しくは下降釦24が押されていないと判断すると(No)、ステップS420へ進む。制御部10はステップS420にて保持釦22が押されていないと判断すると(No)、ステップS406へ進み、引き続きバランス制御を継続する。制御部10はステップS420にて保持釦22が押されたと判断すると(Yes)、ステップS401へ進み、保持制御を実行する。
制御部10はステップS407にてバランス釦21が長押され、重量追従制御に切り替える重量追従制御指令を操作指令部9から受信したと判断すると(Yes)、ステップS408へ進む。制御部10はステップS408にて、直ちに登録手段10gによって、重量検出部12から得た重量値と、位置検出部13から得た位置値とを、重量記憶部10e及び位置記憶部10hにそれぞれ登録重量値及び登録位置値として記憶して、ステップS409へ進む。この登録位置値は例えばリンクチェーン4の本体装置2からの繰り出し量であって、図25における繰り出し量LB1である。なお重量追従制御指令は、バランス釦21の1秒以上の長押しに限らず、操作指令部9に別途設けた釦を用いたり、2つの釦の同時押しによるものであったり、などの種々の変形であってもよい。
制御部10はステップS409にて、重量検出部12から得た最新の重量値を取得し、続いてステップS410にて、この最新の重量値と、重量記憶部10e及び位置記憶部10hに記憶された登録重量値と登録位置値とを用いて、リンクチェーン4の本体装置2からの繰り出し目標値、すなわち吊り具40の移動目標値を演算する。
ここで移動目標値は、以下のように演算され、その演算の周期は、例えば1ms~10msで行われて、その度に更新される。
移動目標値=登録位置値+(登録重量値―最新重量)×変化勾配(mm/kg) (式1)
そしてここでの「登録重量値―最新重量」が重量値の変化量を示す減算値であって、この減算値に変化勾配を乗算したものを差分値と定義する。
変化勾配は、容器48の形状、寸法や荷役物50の状態などから、計算若しくは予め測定した値から近似式を得るなどして決定される。すなわち容器48が回転軸45によって傾いた角度と、容器48に残留する荷役物50の重量との関係を、近似式若しくはテーブル等で設定値記憶部10fに記憶しておき、これらを読み出し用いて演算を行う。
また移動目標値の演算において、差分値の符号が前回の値から反転若しくは絶対値が減少した時には、移動目標値は前回の値を使用して、制御部10は重量追従制御を実行する。これは、検出重量が上下することで移動目標の位置も上下してしまうことから、結果として大きく振動してしまうのを避けるためのものである。
さらに、検出した重量変化が大きく差分値が比較的大きくなって、移動目標値の変化量が比較的大きい場合で、前回設定された移動目標位置へ吊り具40が到達する前であれば、新たな差分値が前回のものより小さく、かつこの新たな差分値を基にした新たな新移動目標値の絶対値が現在の位置値の絶対値より大きければ、新移動目標値を用いて重量追従制御を行う。すなわち制御部10の行う重量追従制御は、吊り具40が移動する方向は一方向で、逆戻りはさせない制御を行っている。この制御は、例えば作業者が鉛直方向の外力を吊り具40や容器48へ意図せずに加えてしまい、検出した重量変化が大きくなってしまった場合で、その後直ぐに外力の鉛直成分が無くなって本来の荷役物50の重量に復帰した場合などに有用である。
制御部10は、ステップS410にて演算した移動目標値を基に、昇降作動部16を作動して、ステップS411にて吊り具40の移動を実行し、ステップS412へ進む。
制御部10はステップS412にて、バランス釦21が押されたと判断すると(Yes)、ステップS413に進む。制御部10はステップS413にて、重量追従制御を終了してステップS405に進んで、再度現在の重量値を重量検出部12から受信して、これを用いて演算し、重量記憶部10eに登録重量値として記憶させ(ステップS405)、その後バランス制御(ステップS406)を実行する。
制御部10はステップS412にて、バランス釦21が押されていないと判断すると(No)、ステップS414に進む。制御部10はステップS414にて上昇釦23若しくは下降釦24が押されたと判断すると(Yes)、ステップS415へ進み、上昇釦23若しくは下降釦24が押されている期間中、吊り具40を上昇若しくは下降させる。そして作業者が上昇釦23若しくは下降釦24を押すのをやめた時点で昇降作動部16を停止させ、ステップS401へ進み、保持制御を実行する。制御部10はステップS414にて上昇釦23若しくは下降釦24が押されていないと判断すると(No)、ステップS416へ進む。制御部10はステップS416にて保持釦22が押されていないと判断すると(No)、ステップS409へ進み、引き続き重量追従制御を継続する。制御部10はステップS416にて保持釦22が押されたと判断すると(Yes)、ステップS401へ進み、保持制御を実行する。
図25は、作業者がバランス釦21を長押しして制御部10に重量追従制御を実行させ、作業者はハンドル47を持って回転操作アーム46を操作して容器48を傾け始めて、荷役物50を被注入設備51へ注ぎ始める直前の状態を示す。注ぎ開始時の容器48の容器鍔端部48aの位置は床面30aから高さHの状態であって、吊り具40の繰り出し位置値はLb1である。
そして作業者が容器48を角度θ1ほど傾けた状態が図26である。制御部10は常に重量検出部12から重量値を得て重量追従制御の演算を行っているので、容器鍔端部48aの位置は床面30aから高さHの状態で保たれ、この時の吊り具40の繰り出し位置値はLb2である。
さらに作業者は容器48を傾けて荷役物50を被注入設備51へ注ぎ、角度θ3=90度ほど傾けた状態が図27である。制御部10は継続的に重量追従制御の演算を行っているので、容器鍔端部48aの位置は床面30aから高さHの状態が保たれ、この時の吊り具40の繰り出し位置値はLb3である。この状態で容器48内の荷役物50は被注入設備51へ注ぎ終わると、作業者はバランス釦21を押して重量追従制御を解除してバランス制御に切り替えて、ハンドル47を用いて容器48の開口部が鉛直上方向に向くように戻す。さらに作業者は容器48を床面30aへ着地させ、容器ホルダ43から容器48を開放して第1の注ぎ作業を終える。
図29は、本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第1の注ぎ作業のタイムチャートを模式的に表した図である。
時刻t0で電源が投入され、制御部10は保持制御で開始する。時刻t1で上昇釦23が押されたことから、制御部10はリンクチェーン4を巻き上げる方向に昇降作動部16を作動させる。時刻t2で、上昇釦23が押されなくなると、保持状態となる。この時、容器48が地切りとなり検出重量がWb2に収束し、バランス制御のための重量を登録できる状態である。次いで時刻t3でバランス釦21が押されると、制御部10はこの時の重量値Wb2を登録重量値として記憶する。そして制御部10は、登録重量値Wb2を基にバランス制御を実行するので、作業者はハンドル47を持って荷役物50の入った容器48を軽微な力で昇降できるようになる。
作業者が容器48を被注入設備51の鉛直上に位置させて、バランス釦21を長押しすると、時刻t4から制御部10は重量追従制御を開始する。すなわち制御部10は登録位置をLb1として記憶し、吊下げられた重量は変化しないのでWb2のままである。作業者は徐々に容器48を傾けて荷役物50を被注入設備51へ注ぎ入れる。容器48の傾斜角度が増加するにつれて、検出重量は減少し、一方リンクチェーン4の繰り出し位置は重量追従制御により鉛直方向の注ぎ位置を保つため減少する。すなわち制御部10が重量追従制御を行っている期間では、制御部10はリンクチェーン4の繰り出し長さをLb1からLb4へ連続的に変化させる。作業者は容器48を傾けて荷役物50を被注入設備51へ注ぎ入れ終わると、バランス釦21を押してバランス制御に切り替える(時刻t5)。
時刻t5から、制御部10は吊り具40と空の容器48の重量Wb1を登録重量としてバランス制御を行う。作業者は時刻t6で下降釦24を時刻t7まで押し続けることで、容器48を床面30aに着地させ、第1の注ぎ作業は終了となる。
図30と図31は、作業者が本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置1を用い、吊り具40及び容器48内の荷役物50を扱う第2の注ぎ作業状態の一部を表した模式図である。そして、図32は、本発明の第2の実施形態に係る荷役助力装置を用いた第2の注ぎ作業のタイムチャートを模式的に表した図である。
時刻t4までは、第1の注ぎ作業と同じであるため説明を省略する。作業者は、図30に示すように容器48の傾き角度θ2になった時に、バランス釦21を押して重量追従制御を終了させ、バランス制御に切り替える(時刻t4a)。重量追従制御では、容器鍔端部48aの鉛直方向位置を一定に保つことから、作業者は容器48の傾き角度を一定に保ちつつ注ぎ口である容器鍔端部48aの高さを自在に変えることができない。ここでは作業者が容器鍔端部48aの鉛直方向位置をHからH2へ移動する場合について説明する。時刻t4aから、制御部10はバランス制御に切り替わっているので、作業者はハンドル47を用いて容器48を自在に昇降できる。この動きは図28に示した、制御部10が行うステップS412においてバランス釦21が押されたと判断して重量追従制御を解除するステップS413、その後重量値を記憶して(ステップS405)、バランス制御を実行(ステップS406)、に沿ったものである。
作業者は容器鍔端部48aの鉛直方向高さを所望のH2にしたところで、再度バランス釦21を長押しすると、時刻t4bから制御部10は重量追従制御を開始する。この時、リンクチェーン4の繰り出し位置値はLb5、重量値はWb3であるので、制御部10はこれらを基に重量追従制御を再度実行する。作業者は徐々に容器48を傾けて荷役物50を被注入設備51へ注ぎ終わると、リンクチェーン4の繰り出し位置値はLb6に達する。そして制御部10は、重量検出部12から受信した重量値が所定の値以下Wb1となると、重量追従制御を解除し、バランス制御に切り替える。すなわち制御部10は、重量検出部12から受信した重量値が、登録重量値Wb3の所定の割合以下となった際には、重量追従制御はこれ以上行わず自動的にバランス制御に切り替える。これによって、作業者はバランス釦21を押さずに次の作業を行うことができる。また制御部10は、重量追従制御を解除した後に、保持制御に切り替えという変形であっても良い。
また制御部10は、前回受信した重量値と現在受信した重量値の差が予め定めた閾値を超えた時にも、重量追従制御を解除し、バランス制御若しくは保持制御に切り替える。すなわち急激な重量値変化があった場合には、制御部10は安全性等を考慮して自動的に昇降する重量追従制御は中止させるようにしている。
図33から図35は、作業者が本発明の第3の実施形態に係る荷役助力装置1を用い、容器48内の荷役物50を扱う第3の注ぎ作業状態の一部を表した模式図である。
図22において、基本的な構成は第2の実施形態に係る荷役助力装置1の電子回路のブロック構成と同じであるが、位置記憶部10hには複数の重量追従制御用の登録位置値が記憶されている。すなわち、第2の実施形態に係る荷役助力装置1において、位置記憶部10hに記憶されている重量追従制御に用いられる登録値は基本1つであるが、第3の実施形態の位置記憶部10hには複数の重量追従制御用の登録位置値が記憶され、各登録位置値を起点とした重量追従制御がシーケンスで実行される。
第3の注ぎ作業は、図33から図35に示すように、鉛直方向で3段階の高さにある被注入設備51a~被注入設備51cへ荷役物50を注ぎ入れるものである。図33における、被注入設備51aへの登録位置値Ha(繰り出し位置はLba)、被注入設備51bへの登録位置値Hb(繰り出し位置はLbb)、被注入設備51cへの登録位置値Hcが(繰り出し位置はLbc)、予めそれぞれ位置記憶部10hに記憶されている。そして重量記憶部10eには、荷役物50を各被注入設備51a~被注入設備51cへ分配する際の分配重量値が登録分配重量値として、予め記憶されている。例えば総重量30kgの荷役物50に対し、被注入設備51a~被注入設備51cへそれぞれ等分で分配する場合の分配重量値は10kgとなる。なお、第1の実施形態の荷役助力装置に設けられた予設定重量記憶部10dに、分配する際の分配重量値が登録分配重量値として記憶される構成であっても良い。
作業者がハンドル47を操作して、容器48を被注入設備51aの付近に移動させて、バランス釦21を1秒以上長押しして重量追従制御に切り替えると、制御部10は現在の重量値30kgを登録重量値として(吊り具などの風袋重量は予め差し引いている)重量記憶部10eに記憶する。そして、制御部10はリンクチェーン4の繰り出し位置値(吊り具40の位置)をLbaに設定して、昇降作動部16に指令をして移動を開始する(図33)。
作業者はハンドル47を操作して荷役物50を被注入設備51aに注ぎ込み始めると、荷役物50の減少に伴って、移動目標値が刻々変化する重量追従制御が行われる。やがて、重量検出部12から受信した重量値が、(登録重量値30kg―分配重量値10kg=)20kgとなるので、制御部10は、注ぎ量が1つ目の分配基準値に達したことを本体装置2若しくは操作指令部9から発する音や光などで作業者に報知し、現在の重量値20kgを登録重量値として重量記憶部10eに記憶してこれを基にバランス制御へ移行する。
作業者はバランス制御にてハンドル47を操作して、容器48を被注入設備51bの付近に移動させて、バランス釦21を1秒以上長押しして再度重量追従制御に切り替えると、制御部10は、リンクチェーン4の繰り出し位置値(吊り具40の位置)をLbbに設定して、昇降作動部16に指令をして移動を開始する。
作業者はハンドル47を操作して荷役物50を被注入設備51bに注ぎ込み始めると、荷役物50のさらなる減少に伴って、移動目標値が刻々変化する重量追従制御が行われる(図34)。やがて重量検出部12から受信した重量値が、(登録重量値20kg―分配重量値10kg=)10kgとなるので、制御部10は、注ぎ量が2つ目の分配基準値に達したことを音や光などで作業者に報知し、現在の重量値10kgを登録重量値として重量記憶部10eに記憶してこれを基にバランス制御へ移行する。
作業者はバランス制御にてハンドル47を操作して、容器48を被注入設備51cの付近に移動させて、バランス釦21を1秒以上長押しして再度重量追従制御に切り替えると、制御部10は、リンクチェーン4の繰り出し位置値(吊り具40の位置)をLbcに設定して、昇降作動部16に指令をして移動を開始する。
作業者はハンドル47を操作して荷役物50を被注入設備51cに注ぎ込み始めると、荷役物50のさらなる減少に伴って、移動目標値が刻々変化する重量追従制御が行われる。やがて重量検出部12から受信した重量値が、(登録重量値10kg―分配重量値10kg=)0kgとなるので(図35)、制御部10は、注ぎ量が3つ目の分配基準値に達したことを音や光などで作業者に報知し、現在の重量値0kgを登録重量値として重量記憶部10eに記憶してこれを基にバランス制御へ移行する。これ以降は図32における時刻t5以降と同様である。
以上本発明によれば、重量追従制御により注ぎ口の鉛直方向高さを所望の位置で略一定に保って、荷役物50を移動することができるので、作業性の向上を図ることができる。また重量追従制御とバランス制御を切り替え可能な構成にしていることから、途中で注ぎ口の高さを変更したい場合においても柔軟な対応ができ、作業性に優れる。
本発明を好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明の活用例として、荷役物の移動を助力して行う荷役機械への適用が可能である。
1 :荷役助力装置
2 :本体装置
3 :吊下げフック
4 :リンクチェーン(スリング)
5 :吊り具用フック(係止部)
6 :吊り具(係止部)
7 :荷役物
8 :チェーン収納部
9 :操作指令部
10 :制御部(本体装置制御部)
10a :重量登録手段
10b :バランス制御手段
10c :状態判定手段
10d :予設定重量記憶部
10e :重量記憶部
10f :設定値記憶部
10g :登録手段
10h :位置記憶部
10i :重量追従制御手段
11 :モータ部
12 :重量検出部
13 :位置検出部
14 :本体装置送受信部
15 :出力軸
16 :昇降作動部
20 :操作指令制御部
21 :バランス釦
22 :保持釦
23 :上昇釦
24 :下降釦
25 :操作指令送受信部
30a :床面
30b :床面
31 :移動ブロック
32 :レール
40 :吊り具(係止部)
41 :アイボルト
42 :吊りアーム
43 :容器ホルダ
44 :容器押え板
45 :回転軸
46 :回転操作アーム
47 :ハンドル
48 :容器
48a :容器鍔端部
50 :荷役物
51 :被注入設備


Claims (15)

  1. 係止部と、昇降作動部と、モータ部と、重量検出部と、制御部と、を有して荷役物の昇降の助力を行う荷役助力装置であって、
    前記係止部は、前記荷役物を係止し、
    前記昇降作動部は、前記係止部を繋ぐスリングを巻回して前記係止部を昇降させ、
    前記モータ部は、前記昇降作動部を駆動し、
    前記重量検出部は、前記昇降作動部に加わる重量値を検出して前記制御部へ送信し、
    前記制御部は、前記重量検出部から受信した前記重量値の変化量を用いて制御値を演算して、当該制御値に基づいて、前記係止部及び前記荷役物の少なくとも1つの昇降の制御を行う、荷役助力装置。
  2. 前記制御部は、前記変化量として前記重量値を時間微分して得た重量微分値を基に、前記係止部及び前記荷役物の少なくとも1つの昇降の状態を判定する状態判定手段を有する請求項1に記載の荷役助力装置。
  3. 前記制御部が前記モータ部への指令によって前記係止部を下降させている際に、
    前記状態判定手段が、前記重量微分値が第1の所定値を超えたと判断した時、
    前記制御部は、直ちに前記係止部を上昇させるように前記昇降作動部を駆動する請求項2に記載の荷役助力装置。
  4. 前記制御部は予め荷役物重量値を記憶する予設定重量記憶部を有し、
    前記制御部が前記係止部の上昇指示を操作指令部から受信して前記モータ部へ上昇指令を送信している際に、
    前記状態判定手段が、前記重量微分値が第2の所定値を超えたと判断し、
    前記制御部が、前記重量検出部から受信した前記重量値が前記予設定重量記憶部に記憶している前記荷役物重量値に達したと判断した時、
    前記制御部は、前記上昇指令を止め、前記荷役物重量値を基に前記荷役物の昇降の助力を前記モータ部へ指令する請求項2に記載の荷役助力装置。
  5. 前記制御部が、前記荷役物への鉛直方向の外力の印加によって前記荷役物の昇降を前記モータ部へ指令して助力している時、
    前記状態判定手段が、前記重量微分値の絶対値が第3の所定値を超えたと判断し、
    前記制御部が、前記重量検出部から受信した前記重量値が第4の所定値以下と判断した時、
    前記制御部が、現在の前記重量値を登録重量値として重量記憶部に記憶して、前記登録重量値を基に前記荷役物の昇降の助力を前記モータ部へ指令する請求項2に記載の荷役助力装置。
  6. 前記係止部の位置を検出して位置値を送信する位置検出部をさらに備え、
    前記制御部は、登録手段と、重量追従制御手段と、を有し
    前記制御部が、操作指令を前記制御部へ送信する操作指令部から重量追従制御指令を受信した時、
    前記登録手段は、
    現在の前記重量検出部から受信した前記重量値を登録重量値として重量記憶部へ、現在の前記位置検出部から受信した前記位置値を登録位置値として位置記憶部へ、それぞれ記憶し、
    前記重量追従制御手段は、その後に受信した前記重量値を前記登録重量値から減算した減算値に所定の係数を乗算して得られた差分値と、前記登録位置値と、を加算した値を移動目標値として前記昇降作動部を駆動する重量追従制御を実行する請求項1に記載の荷役助力装置。
  7. 前記制御部は、受信した前記重量値が前記登録重量値から定めた割合以下となった時、若しくは前回受信した前記重量値と現在受信した前記重量値の差が閾値を超えた時、前記重量追従制御を解除する請求項6に記載の荷役助力装置。
  8. 前記制御部は、前記差分値の符号が前回の値から反転若しくは絶対値が減少した時に、前回の前記移動目標値を使用して前記重量追従制御を実行する請求項6に記載の荷役助力装置。
  9. 前記制御部は、前記係止部が前回演算した前記移動目標値に未だ到達していないことを前記位置検出部から検出し、かつ新たに演算した前記差分値の絶対値が前回の値より減少して、かつ次の新移動目標値の絶対値が現在の前記位置値の絶対値よりも大きい時、前記新移動目標値を使用して前記重量追従制御を実行する請求項6に記載の荷役助力装置。
  10. 前記係止部の位置を検出して位置値を送信する位置検出部をさらに備え、
    前記制御部は、登録手段と重量追従制御手段とを有し、
    前記登録手段は予め、前記荷役物を分配する際の分配重量値を登録分配重量値として重量記憶部へ記憶し、少なくとも2つ以上の登録位置値を位置記憶部へ記憶し、
    前記制御部が、操作指令を前記制御部へ送信する操作指令部から重量追従制御指令を受信した時、
    前記登録手段は、現在の前記重量検出部から受信した前記重量値を登録重量値として前記重量記憶部へ記憶し、
    前記重量追従制御手段は、その後に受信した前記重量値が、前記登録重量値から前記登録分配重量値を減算した分配基準値に到達するまでの期間内に、前記重量値を前記登録重量値から減算した減算値に所定の係数を乗算して得られた差分値と、前記登録位置値と、を加算した値を移動目標値として前記昇降作動部を駆動し、
    前記重量値が前記分配基準値に到達した時には、受信した前記重量値を新たな登録重量値として更新して前記重量記憶部へ記憶する、請求項1に記載の荷役助力装置。
  11. 前記所定の係数が、前記荷役物を入れて前記係止部に吊下げて使う容器の形状及び前記荷役物の状態により定められる請求項6から10のいずれか1項に記載の荷役助力装置。
  12. 係止部と、昇降作動部と、モータ部と、重量検出部と、制御部と、を有して荷役物の昇降の助力を行う荷役助力装置の制御方法であって、
    前記係止部は、前記荷役物を係止し、
    前記昇降作動部は、前記係止部を繋ぐスリングを巻回して前記係止部を昇降させ、
    前記モータ部は、前記昇降作動部を駆動し、
    前記重量検出部は、前記昇降作動部に加わる重量値を検出して前記制御部へ送信し、
    前記制御部は、
    前記重量検出部から受信した前記重量値の変化量を用いて制御値を演算するステップと、
    当該制御値に基づいて前記係止部及び前記荷役物の少なくとも1つの昇降の制御を行うステップと、を有する荷役助力装置の制御方法。
  13. (重量微分)
    前記制御部は、前記変化量として前記重量値を時間微分して得た重量微分値を基に、前記係止部及び前記荷役物の少なくとも1つの昇降の状態を判定するステップを有する請求項12に記載の荷役助力装置の制御方法。
  14. 前記荷役助力装置は前記係止部の位置を検出して位置値を送信する位置検出部をさらに備え、
    前記制御部は、操作指令を前記制御部へ送信する操作指令部から重量追従制御指令を受信した時、
    現在の前記重量検出部から受信した前記重量値を登録重量値として重量記憶部へ、現在の前記位置検出部から受信した前記位置値を登録位置値として位置記憶部へ、それぞれ登録するステップと、
    その後に受信した前記重量値を前記登録重量値から減算した減算値に所定の係数を乗算して得られた差分値と、前記登録位置値と、を加算した値を移動目標値として演算するステップと、
    前記移動目標値へ前記昇降作動部を駆動するステップと、を含む請求項12に記載の荷役助力装置の制御方法。
  15. 前記係止部の位置を検出して位置値を送信する位置検出部をさらに備え、
    前記制御部は、
    予め、前記荷役物を分配する際の分配重量値を登録分配重量値として重量記憶部へ記憶するステップと、
    予め、少なくとも2つ以上の登録位置値を位置記憶部へ記憶するステップと、
    前記制御部が、操作指令を前記制御部へ送信する操作指令部から重量追従制御指令を受信した時、現在の前記重量検出部から受信した前記重量値を登録重量値として前記重量記憶部へ記憶するステップと、
    その後に受信した前記重量値が、前記登録重量値から前記登録分配重量値を減算した分配基準値に到達するまでの期間内に、前記重量値を前記登録重量値から減算した減算値に所定の係数を乗算して得られた差分値と、前記登録位置値と、を加算した値を移動目標値として前記昇降作動部を駆動するステップと、
    前記重量値が前記分配基準値に到達した時には、受信した前記重量値を新たな登録重量値として更新して前記重量記憶部へ記憶するステップと、を含む請求項12に記載の荷役助力装置の制御方法。
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