JP2023128925A - ポリエステル樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】PETボトルと分別せずに回収してリサイクルすることができ、しかも、各種容器等の製品としての物性、具体的には柔軟性、滑り性、耐熱性等を満たすことができるポリエステル樹脂組成物を提供する。【解決手段】テレフタル酸単位及びダイマー酸単位を含むジカルボン酸単位と、ポリアルキレングリコール単位及び1,4-ブタンジオール単位を含むジオール単位とを主構成単位として含むポリエステルを含むポリエステル樹脂組成物であって、炭素数が8~22の脂肪酸アミドをポリエステル100重量部に対して0.05重量部以上4.0重量部以下含有し、該ポリエステル中の1,4-ブタンジオール単位の含有量が20重量%以上であり、該ポリエステル中のダイマー酸単位の含有量が0.5重量%以上5重量%以下であり、該ポリエステル中のポリアルキレングリコール単位の含有量が1重量%以上30重量%以下であるポリエステル樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル樹脂組成物に関する。詳しくは、本発明は、PETボトルと分別せずに回収してリサイクルすることができ、しかも、各種容器等の製品としての物性、具体的には、柔軟性、滑り性、耐熱性等を満たすことができるポリエステル樹脂組成物と、このポリエステル樹脂組成物を用いた成形体に関する。
ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)は、機械的強度、化学的安定性、ガスバリア性、保香性、衛生性等に優れ、また容器などの成形品を回収、洗浄粉砕し再度溶融成形することが可能であるため、環境面でも優れたリサイクル可能な包装容器等として広く用いられている。しかし、ポリエステルは柔軟性が劣るため、その改良が求められてきた。
特許文献1には、柔軟性と透明性に優れた成形品を得ることができると共に、保管中の透明性の低下の問題もなく、得られた成形品を回収して粉砕後再度溶融成形した際も透明な成形品を得ることができ、優れた再利用適性を有するポリエステルとして、ジカルボン酸単位としてテレフタル酸単位と特定量のダイマー酸単位を含み、ジオール単位としてエチレングリコール単位と特定量のポリアルキレングリコール単位を含むポリエステルが提案されている。
一方で、各種食品容器や飲料容器等の容器類にあっては、その用途や適用対象により、柔軟性(曲げ特性)、滑り性、耐熱性(耐加熱変形性)等が要求される。
従来、このような物性が要求される容器類においては、ポリオレフィンやポリスチレンが用いられている。
即ち、現行のPETボトル用のPETは、硬いために、柔軟性不足から、離型時に弾性変形できず、例えば、逆テーパー部のある製品には、離型性が悪いため、適用できない。
一方、柔軟性の高いPETでは滑り性が悪く、このようなPET製容器では、運搬のために容器同士を重ねた場合、これらを取り出す際の分離が困難であり、著しい場合には容器が割れる場合がある。また、相対的に変形し難い物体との滑り性も悪い(滑り難い)ため、取り扱いが困難である。更には、柔軟性のあるPETは耐熱性が不足し、高温時の変形が大きいという問題もある。
このようなことから、従来、柔軟性、滑り性、耐熱性が要求される用途においては、成形材料としてポリオレフィンやポリスチレンが用いられている。
しかし、ポリオレフィンやポリスチレン製容器では、PETボトル等のPET製容器と共に溶融成形できない。即ち、これらは、PETと相溶しないので、PETとの溶融成形で得られる成形品は不透明となり再利用できない。このため、ポリオレフィンやポリスチレン製の容器はPETボトルと分別回収する必要がある。
このようなことから、PETボトル等のPET製容器と分別せずに回収してリサイクルすることができ、かつ柔軟性、滑り性、耐熱性にも優れた成形材料の開発が望まれている。
特開2021-24951号公報
本発明は、上記従来の実状に鑑み、PETボトルと分別せずに回収してリサイクルすることができ、しかも、各種容器等の製品としての物性、具体的には柔軟性、滑り性、耐熱性等を満たすことができるポリエステル樹脂組成物と、このポリエステル樹脂組成物を用いた成形体を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、テレフタル酸単位及びダイマー酸単位を含むジカルボン酸単位と、ポリアルキレングリコール単位及び1,4-ブタンジオール単位を含むジオール単位とを主構成単位として含むポリエステルであって、ダイマー酸単位と1,4-ブタンジオール単位とポリアルキレングリコール単位を所定の割合で含むポリエステルと、特定の脂肪酸アミドとを所定量含むポリエステル樹脂組成物が、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は以下を要旨とする。
[1] テレフタル酸単位及びダイマー酸単位を含むジカルボン酸単位と、ポリアルキレングリコール単位及び1,4-ブタンジオール単位を含むジオール単位とを主構成単位として含むポリエステルを含むポリエステル樹脂組成物であって、炭素数が8~22の脂肪酸アミドをポリエステル100重量部に対して0.05重量部以上4.0重量部以下含有し、該ポリエステル中の1,4-ブタンジオール単位の含有量が20重量%以上であり、該ポリエステル中のダイマー酸単位の含有量が0.5重量%以上5重量%以下であり、該ポリエステル中のポリアルキレングリコール単位の含有量が1重量%以上30重量%以下であるポリエステル樹脂組成物。
[2] 前記ポリアルキレングリコールが重量平均分子量4000以下のポリエチレングリコールである[1]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[3] 前記脂肪酸アミドがエルカ酸アミドである[1]又は[2]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[4] [1]から[3]のいずれか一項に記載のポリエステル樹脂組成物を用いた成形体。
本発明によれば、PETボトル用PETとの相溶性に優れ、PETボトル等のPET製容器と分別せずに回収してリサイクルすることができ(以下、この物性を「リサイクル性」と称す場合がある。)、かつ柔軟性、滑り性、耐熱性にも優れたポリエステル樹脂組成物が提供される。
本発明のポリエステル樹脂組成物は柔軟性に優れるため、逆テーパー部のある形状であっても良好な成形性で成形することができる。
また、滑り性に優れることから、運搬時等における取り扱い性に優れる。
更には、本発明のポリエステル樹脂組成物は耐熱性に優れ、高温条件下でも変形し難い。
このため、本発明のポリエステル樹脂組成物は、従来、ポリオレフィンやポリスチレンが用いられている各種容器類等の成形材料として用いて、その廃材を容易にPET製品と共に回収してリサイクルすることができるようになる。
以下に本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の代表例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
〔ポリエステル樹脂組成物〕
本発明のポリエステル樹脂組成物は、テレフタル酸単位及びダイマー酸単位を含むジカルボン酸単位と、ポリアルキレングリコール単位及び1,4-ブタンジオール単位を含むジオール単位とを主構成単位として含むポリエステルを含むポリエステル樹脂組成物であって、
炭素数が8~22の脂肪酸アミドをポリエステル100重量部に対して0.05重量部以上4.0重量部以下含有し、
該ポリエステル中の1,4-ブタンジオール単位の含有量が20重量%以上であり、
該ポリエステル中のダイマー酸単位の含有量が0.5重量%以上5重量%以下であり、
該ポリエステル中のポリアルキレングリコール単位の含有量が1重量%以上30重量%以下であることを特徴とする。
PETボトルとともにリサイクルするための物性としては、ボトル用PETに混ぜて溶融成形しても透明な成形品が得られることが要求される。また、各種用途において、逆テーパー部でも離型できる弾性変形性を有すること、低い摩擦係数を有すること、高温環境での変形が小さいことが要求される。
本発明では、PETと相溶性の良いダイマー酸共重合ポリエステルであって、ポリアルキレングリコール単位を含有することで、軟らかく弾性変形しやすくし、また、滑剤を含有させて滑りやすくし、1,4ブタンジオールを含有することにより結晶化を促進することで耐熱性を付与して、上記課題を解決する。
本発明において、「単位」とは、ポリエステルの製造原料として用いた化合物(単量体)に由来してポリエステル中に導入された繰り返し単位を指し、例えば、テレフタル酸単位とは、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体(以下、これらを「テレフタル酸成分」と称し、同様にジカルボン酸単位導入に用いるジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体についても「ジカルボン酸成分」と称す場合がある。)に由来してポリエステルに導入された単位をさす。ダイマー酸単位、ジカルボン酸単位、イソフタル酸単位についても同様である。
一方、ポリアルキレングリコール単位は、ポリエステルの製造原料として用いたポリアルキレングリコールに由来してポリエステルに導入された繰り返し単位を指し、1,4-ブタンジオール単位、エチレングリコール単位、ジオール単位についても同様である。
また、「主構成単位」とは、ポリエステルを構成する全構成単位中の60重量%以上、特に70~100重量%を占める繰り返し単位を指す。
ポリエステル中の各ジカルボン酸単位及び各ジオール単位等の構成単位は、H-NMRスペクトルを測定することにより定量することができる。
本発明において、ポリエステルを構成する各構成単位は、単一のポリエステルにすべて含まれている場合に限らず、別々のポリエステルに含まれて、本発明のポリエステル樹脂組成物中に含まれるものであってもよい。
即ち、本発明のポリエステル樹脂組成物に含まれるポリエステルは、テレフタル酸単位、ダイマー酸単位、ポリアルキレングリコール単位及び1,4-ブタンジオール単位のすべてを含む共重合ポリエステルであってもよく、テレフタル酸単位及び/又はダイマー酸単位と、ポリアルキレングリコール単位とを含む共重合ポリエステルと、テレフタル酸単位及び/又はダイマー酸単位と1,4-ブタンジオール単位とを含む共重合ポリエステルとのブレンド物であってもよく、テレフタル酸単位と1,4-ブタンジオール単位とを含むポリエステルと、ダイマー酸単位とポリアルキレングリコール単位とを含むポリエステルとのブレンド物であってもよく、本発明のポリエステル樹脂組成物に必須の構成単位として含まれる単位のいずれか1種又は2種以上を含むポリエステルを前述の1,4-ブタンジオール単位、ダイマー酸単位及びポリアルキレングリコール単位の含有量となるようにブレンドしたものであってもよい。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物には、テレフタル酸単位、ダイマー酸単位、ポリアルキレングリコール単位及び1,4-ブタンジオール単位のいずれをも含まないポリエステルが含まれていてもよい。
以下において、本発明のポリエステル樹脂組成物に含まれるポリエステルを「本発明のポリエステル」と称す場合があるが、本発明のポリエステルは、上述の通り、単一のポリエステルのみからなるものであってもよく、2種以上のポリエステルのブレンド物であってもよい。
[ジカルボン酸単位]
本発明のポリエステルを構成するジカルボン酸単位は、テレフタル酸単位及びダイマー酸単位を含み、ポリエステル中のダイマー酸単位の含有量が0.5重量%以上5重量%以下であることを特徴とする。本発明に係るジカルボン酸単位は、テレフタル酸及びダイマー酸以外のジカルボン酸単位としてイソフタル酸単位等を含有していてもよい。
<テレフタル酸単位>
本発明のポリエステル中のテレフタル酸単位の含有量には特に制限はないが、40重量%以上80重量%以下であることが好ましく、特に45重量%以上70重量%以下であることが好ましい。ポリエステル中のテレフタル酸単位の含有量が少なすぎると耐熱性に劣る可能性がある。一方、ポリエステル中のテレフタル酸単位の含有量が多すぎると相対的にダイマー酸単位の含有量が少なくなってリサイクル性や滑り性に劣る場合がある。
ポリエステルにテレフタル酸単位を導入するために用いる製造原料としてのテレフタル酸成分としては、テレフタル酸及びその炭素数1~4程度のアルキル基を有するエステルやハロゲン化物が挙げられる。これらのテレフタル酸成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<ダイマー酸単位>
本発明のポリエステル中のダイマー酸単位の含有量は0.5重量%以上5重量%以下で、1重量%以上4.5重量%以下であることが好ましく、1重量%以上4重量%以下であることがより好ましい。ポリエステル中のダイマー酸単位の含有量が少なすぎるとポリエステルのリサイクル性、滑り性が低下する可能性がある。一方、ポリエステル中のダイマー酸単位の含有量が多すぎるとポリエステルのリサイクル性を悪化させる場合がある。
本発明におけるダイマー酸とは、炭素数16以上の不飽和脂肪族カルボン酸の二量体又はその水添物をいう。このダイマー酸は、例えば、大豆油や菜種油、牛脂、トール油などの非石油原料から抽出された炭素数16以上の不飽和カルボン酸(例えば、リノール酸やオレイン酸を主成分とする不飽和脂肪族カルボン酸)の混合物を二量体化又はそれを水添して得ることができる。このような製法を用いてダイマー酸を得ると、不純物として、過剰に反応した三量体、未反応物である不飽和脂肪族カルボン酸が含有される。該不純物はポリエステルにおいてはブリードアウトやゲル化の原因となるため、可能な限り少ないことが好ましい。
また、ダイマー酸は不飽和結合を含み、そのまま使用すると重合中に分岐反応が進行したり、得られるポリエステルの色調を悪化させる可能性があることから、ポリエステルにダイマー酸単位を導入するために用いる製造原料としてのダイマー酸成分は、水添されたものであることが好ましい。
ポリエステルの製造原料としてのダイマー酸成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<イソフタル酸単位>
本発明のポリエステルがテレフタル酸単位とダイマー酸単位以外のジカルボン酸単位としてイソフタル酸単位を含む場合、ポリエステル中のイソフタル酸単位の含有量は5重量%以下であることが好ましく、3重量%以下であることがより好ましい。ポリエステル中のイソフタル酸単位の含有量が上記上限を超えると、得られる成形品の結晶性が低下し耐熱性が低下する傾向がある。
ポリエステルにイソフタル酸単位を導入するために用いる製造原料としてのイソフタル酸成分としては、イソフタル酸及びその炭素数1~4程度のアルキル基を有するエステルやハロゲン化物が挙げられる。これらのイソフタル酸成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<その他のジカルボン酸単位>
本発明のポリエステルは、本発明の効果を妨げない範囲において、例えばポリエステル中の含有量として10重量%以下の範囲において、テレフタル酸単位、ダイマー酸単位及びイソフタル酸単位以外の他のジカルボン酸単位を含んでいてもよい。ポリエステルに他のジカルボン酸単位を導入するために用いる製造原料としての他のジカルボン酸成分としては、例えば、フタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、フェニレンジオキシジカルボン酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’-ジフェニルケトンジカルボン酸、4,4’-ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’-ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸、及び、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジカルボン酸、ドデカジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、並びにこれらの炭素数1~4程度のアルキル基を有するエステル、及びハロゲン化物等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[ジオール単位]
本発明のポリエステルを構成するジオール単位は、ポリアルキレングリコール単位及び1,4-ブタンジオール単位を含み、ポリエステル中のポリアルキレングリコール単位の含有量が1重量%以上30重量%以下で、1,4-ブタンジオール単位の含有量が20重量%以上であることを特徴とする。本発明に係るジオール単位は、ポリアルキレングリコール単位及び1,4-ブタンジオール単位以外のジオール単位として、エチレングリコール単位、ジエチレングリコール単位や1,4-シクロヘキサンジメタノール単位等を含有していてもよい。
<ポリアルキレングリコール単位>
本発明のポリエステル中のポリアルキレングリコール単位の含有量は、1重量%以上30重量%以下、好ましくは2重量%以上27重量%以下、より好ましくは3重量%以上25重量%以下である。ポリエステル中のポリアルキレングリコール単位の含有量が少なすぎると柔軟性が不十分となり、多すぎると得られる成形品が保管中に白濁したり、リサイクル成形品の透明性が悪化したりする場合がある。
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールブロック共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等が挙げられるが、これらのうち、樹脂の透明性と柔軟性の観点から、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
ポリアルキレングリコールとしては、PETとの良好な相溶性の観点から重量平均分子量が4000以下のポリエチレングリコールが好ましい。
ポリアルキレングリコールの分子量が上記上限以下であれば、白濁を防止して透明なポリエステルを得ることができる。ただし、ポリアルキレングリコールの分子量が小さすぎるとポリエステルの融点が低くなりすぎるため、ポリエチレングリコールであれば、その重量平均分子量は500以上であることが好ましく、より好ましくは1000以上2000以下である。
ポリエチレングリコールの重量平均分子量が上記範囲内であると溶融状態で透明なポリエステルが得られ、PETボトル用PETとのブレンドした際のリサイクル成形品の透明性に影響を及ぼしにくくなる。
ここで、ポリエチレングリコールの重量平均分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)での値である。
これらのポリアルキレングリコールは、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<1,4-ブタンジオール単位>
本発明のポリエステル中の1,4-ブタンジオール単位の含有量は20重量%以上であり、好ましくは22重量%以上、より好ましくは24重量%以上である。ポリエステル中の1,4-ブタンジオール単位の含有量が上記下限以上であれば、リサイクル性、耐熱性、滑り性等に優れたポリエステルを得ることができる。
一方、本発明のポリエステル中の1,4-ブタンジオール単位の含有量は、好ましくは32重量%以下、より好ましくは29重量%以下である。ポリエステル中の1,4-ブタンジオール単位の含有量が上記上限以下であれば、柔軟性に優れたポリエステルを得ることが出来る。
<エチレングリコール単位及びジエチレングリコール単位>
本発明のポリエステルは1,4-ブタンジオール単位及びポリアルキレングリコール単位以外のジオール単位として、エチレングリコール単位及び/又はジエチレングリコール単位を含んでいてもよい。
本発明のポリエステルがエチレングリコール単位を含む場合、ポリエステル中のエチレングリコール単位の含有量は0.5重量%以上5重量%以下が好ましく、1重量%以上4重量%以下がより好ましい。ポリエステル中のエチレングリコール単位の含有量がこの範囲であることよりポリエステルのリサイクル性が良好となり、耐熱性が向上する傾向にある。
本発明のポリエステルがジエチレングリコール単位を含む場合、ポリエステル中のジエチレングリコール単位の含有量は0.1重量%以上1重量%以下が好ましく、0.1重量%以上0.9重量%以下がより好ましい。ポリエステル中のエチレングリコール単位の含有量がこの範囲であることよりポリエステルのリサイクル性が良好となり、PETとブレンドし成形した成形品の透明性が向上する傾向にある。
なお、ポリエステル中のジエチレングリコール単位量を制御する方法としては、ポリエステル製造時に原料として使用するジエチレングリコール量を調整する方法が挙げられる。
また、ポリエステル中のジエチレングリコール単位は、ポリエステル製造時に原料として使用するエチレングリコール2分子が脱水結合し、ジエチレングリコールとなって、ポリエステル中にジエチレングリコール単位として組み込まれる場合もある。この場合の制御方法として、例えば、原料として使用するジカルボン酸成分に対する、原料として使用するエチレングリコールを含むジオール成分の仕込みモル比を上げるとエチレングリコールの2分子化は促進されジエチレングリコール量は増加する傾向となる場合がある。また、水酸化ナトリウム等の金属水酸化物やテトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ成分存在下でエステル化反応を行うと、エチレングリコールの2分子化が抑制されジエチレングリコール単位量は低下する傾向となる。
<その他のジオール単位>
本発明のポリエステルは、本発明の効果を妨げない範囲において、例えば、ポリエステル中に10重量%以下の割合で、上記の1,4-ブタンジオール単位、ポリアルキレングリコール単位、エチレングリコール単位、ジエチレングリコール単位以外の他のジオール単位を含んでいてもよい。
ポリエステルに他のジオール単位を導入するための製造原料としての他のジオール成分としては、例えば、トリメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、等の脂肪族ジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,1-シクロヘキサンジメチロール、2,5-ノルボルナンジメチロール等の脂環式ジオール、及び、キシリレングリコール、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4’-β-ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン酸等の芳香族ジオール、並びに、2,2-ビス(4’-ヒドロキシフェニル)プロパンのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物、ダイマージオール等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[その他の構成単位]
本発明のポリエステルは、ジカルボン酸単位及びジオール単位以外のその他の構成単位を10重量%以下の範囲で含有していてもよい。
ポリエステルにその他の構成単位を導入するための製造原料としてのその他の構成成分としては、特に制限はないが、例えば、グリコール酸、p-ヒドロキシ安息香酸、p-β-ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸やアルコキシカルボン酸、及び、ステアリルアルコール、ヘネイコサノール、オクタコサノール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、t-ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ナフタレンテトラカルボン酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、シュガーエステルなどの三官能以上の多官能成分等が挙げられる。これらは、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[固有粘度]
本発明のポリエステルの固有粘度(IV)は0.40dL/g~1.20dL/gであることが好ましく、より好ましくは0.45dL/g~1.15dL/g、更に好ましくは0.48dL/g~1.10dL/gである。固有粘度が上記範囲内であると生産性を悪化させずに、成形加工性に優れたポリエステルとすることが可能となる。
ポリエステルの固有粘度は以下に記載の方法で測定される。
試料約0.25gを、フェノール/1,1,2,2-テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒約25mLに、濃度が1.00g/dLとなるように溶解させた後、30℃まで冷却し、30℃において全自動溶液粘度計(センテック社製「DT553」)にて、試料溶液の落下秒数、溶媒のみの落下秒数それぞれを測定し、以下の式により、固有粘度(IV)を算出する。
IV=((1+4Kηsp0.5-1)/(2KC)
ここで、ηsp=η/η-1であり、ηは試料溶液の落下秒数、ηは溶媒のみの落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dL)、Kはハギンズの定数である。Kは0.33とする。試料の溶解条件は、110℃で30分間とする。
なお、適切に乾燥成形された場合、成形後のIV保持率は90~95%程度となる。
ポリエステルの固有粘度は後述のポリエステルの製造方法において、例えば触媒や蒸気剤の添加量の最適化や、重縮合時の温度、圧力、反応時間を最適な範囲に調節することにより上記好適範囲内に調整することができる。
〔ポリエステルの製造方法〕
本発明のポリエステルは、テレフタル酸単位を導入するための製造原料としてのテレフタル酸及びそのエステル形成性誘導体等のテレフタル酸成分、ダイマー酸単位を導入するための製造原料としてのダイマー酸成分、必要に応じて更にイソフタル酸単位を導入するための製造原料としてのイソフタル酸及びそのエステル形成性誘導体等のイソフタル酸成分を含むジカルボン酸成分と、ポリアルキレングリコール、1,4-ブタンジオール及び必要に応じてさらにエチレングリコール等を含むジオール成分とを製造原料として用い、これらのジカルボン酸成分とジオール成分とのエステル化又はエステル交換反応により直接、テレフタル酸単位、ダイマー酸単位、ポリアルキレングリコール単位及び1,4-ブタンジオール単位を含むポリエステルとして製造することもできるが、反応性や各構成単位の含有量制御の容易性等を考慮した場合、以下の通り、本発明のポリエステルの必須構成単位の一部を含むポリエステルを複数種用い、これらを溶融混練して本発明のポリエステルを得ることが好ましい。
(1) ダイマー酸単位を含むポリエチレンテレフタレート(ダイマー酸単位とテレフタル酸単位とエチレングリコール単位とを含むポリエステル。以下「ポリエステルI」と称す場合がある。)と、ポリアルキレングリコール単位を含むポリブチレンテレフタレート(ポリアルキレングリコール単位とテレフタル酸単位と1,4-ブタンジオール単位を含むポリエステル。以下、「ポリエステルII」と称す場合がある。)とを溶融混練する。
(2) ダイマー酸単位を含むポリエチレンテレフタレート(ポリエステルI)と、ポリアルキレングリコール単位を含むポリブチレンテレフタレート(ポリエステルII)と、ダイマー酸単位及びポリアルキレングリコール単位を含まないポリエチレンテレフタレート(テレフタル酸単位とエチレングリコール単位を含むポリエステル。以下、「ポリエステルIII」と称す場合がある。)とを溶融混練する。
(3) ダイマー酸単位を含むポリブチレンテレフタレート(ダイマー酸単位とテレフタル酸単位と1,4-ブタンジオール単位を含むポリエステル。以下、「ポリエステルIV」と称す場合がある。)と、ポリアルキレングリコール単位を含むポリエチレンテレフタレート(テレフタル酸単位とポリアルキレングリコール単位とエチレングリコール単位を含むポリエステル。以下、「ポリエステルV」と称す場合がある。)とを溶融混練する。
(4) ダイマー酸単位を含むポリブチレンテレフタレート(ポリエステルIV)と、ポリアルキレングリコール単位を含むポリエチレンテレフタレート(ポリエステルV)と、ダイマー酸単位及びポリアルキレングリコール単位を含まないポリエチレンテレフタレート(ポリエステルIII)とを溶融混練する。
(5) ダイマー酸単位及びポリアルキレングリコール単位を含まないポリエチレンテレフタレート(ポリエステルIII)と、ダイマー酸単位及びポリアルキレングリコール単位を含むポリエステル(以下、「ポリエステルVI」と称す場合がある。)とを溶融混練する。
(6) ダイマー酸単位を含むポリエチレンテレフタレート(ポリエステルI)と、ポリアルキレングリコール単位を含むポリエチレンテレフタレート(ポリエステルV)と、ダイマー酸単位及びポリアルキレングリコール単位を含まないポリブチレンテレフタレート(ポリエステルVII)とを溶融混練する。
上記(1)~(6)の方法は2種以上を組み合わせて用いてもよい。いずれの場合においても、ポリエステルI~VIIのうち2種以上を所定のダイマー酸単位含有量、ポリアルキレングリコール単位及び1,4-ブタンジオール単位含有量となるように用いて溶融混練することにより、容易に本発明のポリエステルを製造することができる。
上記ポリエステルI~VIIの物性や製法は特に限定されず、これらを溶融混練して本発明のポリエステルを得ることができればよい。
本発明のポリエステルの製造方法は特に制限されるものではなく、通常の方法を適用することができる。例えば、テレフタル酸又はそのエステル形成性誘導体、必要に応じてイソフタル酸又はそのエステル形成性誘導体を含むジカルボン酸成分と、1,4-ブタンジオール、又はエチレングリコールを含むジオール成分とを、所定割合で攪拌下に混合して原料スラリーとする工程、次いで、該原料スラリーを常圧又は加圧下で加熱して、エステル化反応させ工ポリエステル低重合体(以下「オリゴマー」と称する場合がある。)とする工程、次いで、得られたオリゴマーにダイマー酸又はそのエステル形成性誘導体とポリアルキレングリコールを添加し、エステル交換触媒等の存在下に、漸次減圧するとともに、加熱して、溶融重縮合反応させポリエステルを得る工程、必要に応じて得られたポリエステルを更に固相重縮合反応する工程を経て製造することができる。
尚、ダイマー酸又はそのエステル形成性誘導体やポリアルキレングリコールは原料スラリーに添加する方法、オリゴマーに添加する方法のいずれの方法も適用することができる。
エステル交換触媒としては、例えば、三酸化二アンチモン等のアンチモン化合物;二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム等のゲルマニウム化合物;テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のチタンアルコラート、テトラフェニルチタネート等のチタンフェノラート等のチタン化合物;ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、シクロヘキサヘキシルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸等のスズ化合物;酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウム等のマグネシウム化合物、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、カルシウムアルコキサイド、燐酸水素カルシウム等のカルシウム化合物等が挙げられる。尚、これらの触媒は、単独でも2種以上混合して使用することもできる。
また、ポリエステルの製造時、エステル交換触媒と共に安定剤を併用することが好まい。安定剤としては、正リン酸、ポリリン酸、及び、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ-n-ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(トリエチレングリコール)ホスフェート、エチルジエチルホスホノアセテート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、モノブチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、トリエチレングリコールアシッドホスフェート等の5価のリン化合物、亜リン酸、次亜リン酸、及びジエチルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、トリスノニルデシルホスファイト、トリフェニルホスファイト等の3価のリン化合物等が挙げられる。これらの中、3価のリン化合物は5価のリン化合物よりも一般に還元性が強く、重縮合触媒として添加した金属化合物が還元されて析出し、異物を発生する原因となる場合があるので、5価のリン化合物の方が好ましい。
溶融重縮合反応における反応圧力は絶対圧力で0.001kPa~1.33kPaであることがこのましい。また、反応温度は220℃~280℃であることが好ましく、230℃~260℃であることがより好ましい。
固相重縮合反応は減圧下または不活性ガス雰囲気下で行われ、反応温度は180℃~220℃であることが好ましい。固相重縮合反応の反応時間は5時間~100時間であることが好ましい。
前記溶融重縮合反応条件、固相重縮合反応条件とすることにより所望の固有粘度を有するポリエステルとすることが可能となる。
前述のポリエステルI~VIIのうちの2種以上を用いて本発明のポリエステルを製造する場合、各ポリエステルを溶融状態のまま混練してペレット化してもよく、各ポリエステルをペレット状にした後、2種以上のポリエステルペレットを乾式混合し、更に溶融混練してもよい。各ポリエステルペレットは予め溶融混練した後成形に供してもよく、成形機内で溶融混練して成形してもよい。溶融混練時の温度は通常240~300℃程度である。
[脂肪酸アミド]
本発明のポリエステル樹脂組成物は、上記の本発明のポリエステル100重量部に対して炭素数が8~22の脂肪酸アミドを0.05重量部以上4.0重量部以下含む。
脂肪酸アミドの炭素数が7以下では融点が低く耐熱性が劣る傾向がある。一方、脂肪酸アミドの炭素数が23以上では滑り性改良効果が不十分である。このため、本発明では炭素数8~22、好ましくは炭素数14~22の脂肪酸アミドを用いる。
脂肪酸アミドとしては飽和脂肪酸アミドでも不和脂肪酸アミドでもよいが、衛生性の観点から不飽和脂肪酸アミドが好ましく、具体的には、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ブラシジン酸アミド、エライジン酸アミド等の公知の不飽和脂肪酸アミドが挙げられる。これらの不飽和脂肪酸アミドは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの不飽和脂肪酸アミドの中でも、融点が高く耐熱性に優れることから、エルカ酸アミド、オレイン酸アミドが好ましく、エルカ酸アミドがより好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物中の脂肪酸アミドの含有量が本発明のポリエステル100重量部に対して0.05重量部以上であれば脂肪酸アミドを含むことによる滑り性の向上効果を十分に得ることができる。脂肪酸アミドの含有量が多過ぎるとリサイクル性が悪化し、成形品の粉砕品とのブレンド使用によるリサイクル成形品の透明性が劣ることから、本発明のポリエステル樹脂組成物において、脂肪酸アミドの含有量は本発明のポリエステル100重量部に対して0.05重量部以上4重量部以下であることが好ましく、0.1重量部以上3重量部以下であることがより好ましい。
[その他の成分]
本発明のポリエステル樹脂組成物には、その用途に応じて、本発明のポリエステルの効果を損なわない範囲で、更に脂肪酸アミド以外の結晶核剤、酸化防止剤、着色防止剤、顔料、染料、紫外線吸収剤、離型剤、易滑剤、難燃剤、帯電防止剤、無機及び/又は有機粒子等を配合することができる。
本発明のポリエステル樹脂組成物におけるこれらのその他の成分の含有量は、本発明のポリエステル樹脂組成物中に5重量%以下、例えば0.1~5重量%であることが好ましい。
〔ポリエステル樹脂組成物の用途〕
本発明のポリエステル樹脂組成物は、リサイクル性、柔軟性、滑り性、耐熱性に優れる。
このため、このような柔軟性、滑り性、耐熱性が求められ、更にPETボトルと共に回収されてリサイクルされるリサイクル性が求められる複雑な形状の食品容器やその保護シートやフィルム等に有用である。
例えば、食品容器としては、本発明のポリエステル樹脂組成物を射出成形により、開口部を有する容器やその蓋とすることができる。また本発明のポリエステル樹脂組成物を射出成形によりプリフォームとし、該プリフォームを延伸ブロー成形、又は、押出成形によってパリソンとし、該パリソンをブロー成形することにより、ボトルやチューブ等の容器とすることができる。このような容器は、固形物や飲料、醤油、ソース、みりん、ドレッシング、マヨネーズ等の液状調味料等の容器として有用である。
また、本発明のポリエステルを押出成形によってシートとし、該シートを真空成形などにより所望の形状に賦形させた容器にすることができ、これらは飲料カップやその蓋として、揚げ物や総菜といった食品などのトレーや容器等として有用である。また、該シートを延伸によりフィルム等とし、食品包装材やトレーや容器の内外表面の保護フィルムとして利用することが可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[ポリエステル中の各ジカルボン酸単位及び各ジオール単位の定量]
以下の実施例及び比較例で用いたポリエステル中の各ジカルボン酸単位及び各ジオール単位は以下の方法で定量した。
ポリエステル(ペレット又はその混合物)約20mgを重クロロホルム/重ヘキサフルオロイソプロパノール(重量比7/3)の混合溶媒0.75mLに溶解させ、重ピリジン25μLを添加して試料溶液とした。該試料溶液を外径5mmのNMR試料管に入れ、核磁気共鳴装置(Bruker社製「AVANCE400」)を用い、室温でH-NMRスペクトルを測定し、ポリエステル中の各ジカルボン酸単位及びジオール単位の割合を求めた。
[製造例1:ポリエステル1(ポリブチレンテレフタレート)の製造]
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計、留出管を備えたエステル交換反応槽に、ジメチルテレフタレート64.1重量部、1,4-ブタンジオール(以下1.4BG)をジメチルテレフタレートに対してモル比で1.2倍となる量、触媒としてテトラブチルチタネートを金属チタン換算で、生成するポリマーに対して33ppmとなるように1,4BG溶液として添加した。次いで、槽内液温を150℃に60分保持した後90分かけて210℃まで昇温し210℃で30分保持した。この間、生成するメタノールを留出させつつ、合計180分エステル交換反応を行った。
エステル交換反応終了の15分前に、酢酸マグネシウム・四水塩を1,4BGに溶解して添加し、さらにヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・ガイギー社製「Irganox 1010」)を1,4BGのスラリーとして加え、引き続き、テトラブチルチタネートを1,4BGの溶液として添加した後、攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計、留出管、減圧用排気口を備えた重縮合反応槽に移送し減圧を付加して、重縮合反応を行った。
重縮合反応は槽内圧力を常圧から0.4kPaまで85分かけて徐々に減圧し、0.4kPa以下で継続した。反応温度は減圧開始から15分間210℃に保持し、以後、この反応の最高温度240℃まで45分間で昇温し、この温度で1時間保持し、その後最終温度235℃となるようにコントロールした。最終温度は235℃である。所定の攪拌トルク(IV=1.20dL/gに相当)に到達した時点で反応を終了した。重縮合反応に要した時間は150分であった(重縮合反応時間は減圧開始から窒素で復圧までの時間とした。)。
次に槽内を減圧状態から窒素で復圧し、次いでポリマー抜出しのため加圧状態にした。抜出しの際の口金の熱媒温度を230℃としてポリマーを口金からストランド状に抜き出し、次いで冷却水槽内でストランドを冷却した後、該ストランドをカッターでカットすることによりポリエステル1のペレットを得た。ポリエステル1中の各成分の含有量は以下の通りであり、固有粘度は1.20dL/gであった。
テレフタル酸単位 : 67.3重量%
1,4-ブタンジオール単位 : 32.7重量%
[製造例2:ポリエステル2(ポリエチレングリコール単位を含むポリエステル)の製造]
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計、留出管を備えたエステル交換反応槽に、ジメチルテレフタレート64.1重量部、1,4-ブタンジオール(以下1.4BG)36.8重量部、ポリエチレングリコール(重量平均分子量2000)30重量部、触媒としてテトラブチルチタネートを金属チタン換算で、生成するポリマーに対して33ppmとなるように1,4BG溶液として添加した。次いで、槽内液温を150℃に60分保持した後90分かけて210℃まで昇温し210℃で30分保持した。この間、生成するメタノールを留出させつつ、合計180分エステル交換反応を行った。
エステル交換反応終了の15分前に、酢酸マグネシウム・四水塩を1,4BGに溶解して添加し、さらにヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・ガイギー社製「Irganox 1010」)を1,4BGのスラリーとして加え、引き続き、テトラブチルチタネートを1,4BGの溶液として添加した後、攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計、留出管、減圧用排気口を備えた重縮合反応槽に移送し減圧を付加して、重縮合反応を行った。
重縮合反応は槽内圧力を常圧から0.4kPaまで85分かけて徐々に減圧し、0.4kPa以下で継続した。反応温度は減圧開始から15分間210℃に保持し、以後、この反応の最高温度240℃まで45分間で昇温し、この温度で1時間保持し、その後最終温度235℃となるようにコントロールした。最終温度は235℃である。所定の攪拌トルク(IV=1.20dL/gに相当)に到達した時点で反応を終了した。重縮合反応に要した時間は150分であった(重縮合反応時間は減圧開始から窒素で復圧までの時間とした。)。
次に槽内を減圧状態から窒素で復圧し、次いでポリマー抜出しのため加圧状態にした。抜出しの際の口金の熱媒温度を230℃としてポリマーを口金からストランド状に抜き出し、次いで冷却水槽内でストランドを冷却した後、該ストランドをカッターでカットすることによりポリエステル2のペレットを得た。ポリエステル2の各成分の含有量は以下の通りであり、固有粘度は1.20dL/gであった。
テレフタル酸単位 : 47.1重量%
ポリエチレングリコール単位 : 30.0重量%
1,4-ブタンジオール単位 : 22.9重量%
[製造例3:ポリエステル3(ダイマー酸単位を含むポリエステル)の製造]
テレフタル酸、イソフタル酸は重合後のポリエステル中においてそれぞれ58.5重量%、3.3重量%となる量、エチレングリコールはテレフタル酸とイソフタル酸の合計量に対しモル比で1.2倍となる量を攪拌装置、昇温装置及び留出液分離塔を備えたエステル化反応槽に仕込み、温度250℃、圧力0.90kg/cmにてエステル化反応を4時間行った。次に、温度250℃、常圧下で4時間エステル化反応を行ない、ポリエステル低重合体(オリゴマー)を得た。
次いで、該オリゴマーを、留出管を備えた攪拌機付き重縮合反応槽へ移送し、炭素数36の水添ダイマー酸(クローダジャパン社製「Pripol1009」)を重合後のポリエステル中において17.4重量%となる量添加し、さらに触媒として二酸化ゲルマニウムのエチレングリコール溶液を、安定剤として正リン酸のエチレングリコール溶液を添加した。
該重縮合反応槽内温度を280℃に保ちながら、2時間かけて圧力を0.13kPaに減圧し、次いで、同圧力にて3時間反応を行った後、反応系を常圧に戻し、反応を終了した。
得られたポリエステルを該重縮合反応槽の底部からストランドとして抜き出し、水中を潜らせた後、カッターで該ストランドをカットすることによりポリエステル3のペレットを得た。ポリエステル3の各成分の含有量は以下の通りであり、固有粘度は0.67dL/gであった。
テレフタル酸単位 : 58.5重量%
イソフタル酸単位 : 3.3重量%
ダイマー酸単位 : 17.4重量%
エチレングリコール単位 : 18.8重量%
ジエチレングリコール単位 : 2.0重量%
[PETボトル用ポリエチレンテレフタレート]
相溶性評価のためのPETボトル用ポリエチレンテレフタレートとして、三菱ケミカルインドネシア社製ポリエチレンテレフタレート樹脂「BK2180」(以下、「相溶性評価用PET」と称す。)を準備した。
この相溶性評価用PETの各成分の含有量は以下の通りであり、固有粘度は0.83dL/gであった。
テレフタル酸単位 : 75.3重量%
イソフタル酸単位 : 1.3重量%
エチレングリコール単位 : 22.2重量%
ジエチレングリコール単位 : 1.2重量%
[評価方法]
<リサイクル性(PETボトル用PETとの相溶性)>
各実施例及び比較例で得られた成形板試料を、粉砕機((株)ホーライ製V形粉砕機「V-360」、スクリーン穴直径8mm)を用いて粉砕し、粉砕品400gと前述の相溶性評価用PET1600gとをステンレス缶の中に入れて混合し、混合物を60℃で72時間真空乾燥機にて乾燥した。乾燥後の混合物を用いて射出成形機(日精樹脂工業製「FE80S12ASE」)により、以下の条件で成形板(以下、「再利用成形板」と称す。)を射出成形した。
成形温度:280℃(シリンダー設定)
金型温度:20℃(チラー水設定温度)
成形板重量:80g(平板部、ランナー部、スプルー部を含んだ全重量)
金型内への充填時間:1.5秒
保圧時間:13.5秒
冷却時間:90秒
成形板寸法:厚み3~7mmの段付きを有する110mm幅で、ランナー側より7mm厚が20mm、次いで6mm厚が20mm、次いで5mm厚が20mm、次いで4mm厚が20mm、最後に3mm厚が30mmとなる110mm×110mm(ランナー・スプルー含まず)
この再利用成形板の厚さ3mm部分のヘーズをヘーズメーター(日本電色工業社製「NDH-300A」)にて測定した。
ヘーズが小さい程透明性が良好であり、PETボトル用PETとの相溶性に優れると判断される。
測定されたヘーズが6%以下を合格「○」とし、ヘーズが6%を超えるものを不合格「×」とした。
<柔軟性(成形板の曲げ特性)>
各実施例及び比較例で得られた成形板試料より幅10mm×長さ60mm×厚さ1mmの試験片を切り出し、以下の曲げ試験機を用いて以下の条件で定速曲げ試験を実施した。
東洋精機製作所社製 曲げ試験機:ベンドグラフII 型式:B
支点間距離:16mm
試験速度 :1mm/分
この定速曲げ試験において、所定の変位における荷重が小さい程柔軟性に優れると判断される。
変位0.2mmにおける荷重が0.14kgf以下で合格「○」とし、0.14kgfを超えるものを「×」とした。
<滑り特性(硬質物質との滑り性)>
各実施例及び比較例で得られた成形板試料を用い、新東科学製「トライボギアTYPE14DR」にて、以下条件により定荷重水平摩擦試験での水平抗力を測定し、摩擦子の移動距離が0.3cmから0.7cmの間の水平抗力平均値を印加荷重で除した値を動摩擦係数とした。
摩擦子 :直径2mmのサファイア製球針
印加荷重:1kgf
移動速度:1cm/秒
抗力測定:0.01秒/回
上記の成形板試料の定荷重水平摩擦試験で測定された動摩擦係数が小さい程滑り性に優れると判断される。
成形板試料の定荷重水平摩擦試験で、摩擦子に荷重1kgfを掛けて1cm/秒で試験した際の摩擦子の移動距離0.3~0.7cmにおける動摩擦係数が0.10以下で合格「○」とし、0.10を超えるものを不合格「×」とした。
<耐熱性(耐熱変形性)>
各実施例及び比較例で得られた成形板試料を用い、セイコーインスツルネント社製「TMA/SS6100」にて、以下条件により定荷重昇温試験を行い、針侵入深さが0.1mmとなる温度を評価した。
評価温度:室温~120℃
昇温速度:5℃/分
プローブ:針入プローブ(先端径1mm)
測定荷重:0.5N
上記の成形板試料の定荷重昇温試験で針侵入深さが0.1mmとなる時の温度が高い程、耐熱性に優れると判断される。
この温度が70℃以上で合格「○」とし、70℃未満を不合格「×」とした。
[実施例1]
ポリエステル1を65重量%、ポリエステル2を25重量%、及びポリエステル3を10重量%用い、これらをペレットの状態でブレンドし、60℃で72時間真空乾燥機にて乾燥させた。このブレンド重量比から計算により求めたブレンド物に含まれるポリエステルの各構成単位の割合は表1に示す通りである。
乾燥後のペレットを密封パッキン付きステンレス缶に入れ粉状滑剤(三菱ケミカル社製 エルカ酸アミド「ダイヤミッド(登録商標) L-200」)を乾燥ペレットに対して0.5重量%相当量添加し、密封後十分に攪拌した。
得られたポリエステル樹脂組成物を用いて射出成形機(日精樹脂工業製「FE80S12ASE」)で、以下の条件で成形板(以下、「成形板試料」と称す。)を射出成形した。
成形温度:260℃(シリンダー設定)
金型温度:20℃(チラー水設定温度)
成形板重量:40g(平板部、ランナー部、スプルー部を含んだ全重量)
金型内への充填時間:1秒
保圧時間:14秒
冷却時間:20秒
成形板寸法:厚み1mm、110mm×110mm(ランナー・スプルー含まず)
得られた成形板試料を用いて前述の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例2~4、比較例1~5]
ポリエステル1~3のブレンド量、エルカ酸アミドの配合量を表1に示す通り変更したこと以外は、実施例1と同様にして成形板試料を製造し、それぞれ評価を行った。ブレンド物に含まれるポリエステルの各構成単位の割合と評価結果を表1に示す。
なお、比較例3で用いた「BK2180」の詳細は以下の通りである。
三菱ケミカルインドネシア社製 BK-PET「BK2180」
テレフタル酸単位: 75.3重量%
イソフタル酸単位: 1.3重量%
エチレングリコール単位:22.2重量%
ジエチレングリコール単位:1.2重量%
固有粘度:0.83dL/g
表1中、各構成単位の略号は以下の通りである。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
DA:ダイマー酸
BG:1,4-ブタンジオール
EG:エチレングリコール
DEG:ジエチレングリコール
PEG:ポリエチレングリコール
Figure 2023128925000001
表1より、テレフタル酸単位、ダイマー酸単位、ポリアルキレングリコール単位、及び1,4-ブタンジオール単位を含むポリエステルであって、1,4-ブタンジオール単位、ダイマー酸単位及びポリアルキレングリコール単位の含有率が本発明の規定範囲であるポリエステルに、エルカ酸アミドを所定の割合で添加してなる本発明のポリエステル樹脂組成物であれば、リサイクル性、柔軟性、滑り性、耐熱性のすべてにおいて優れていることが分かる。
これに対して、エルカ酸アミドを含まない比較例1~4ではこれらの物性のいずれかが劣る。
即ち、比較例1は、エルカ酸アミドを含まず、動摩擦係数が大きく滑り性が悪い。
比較例2,3は、エルカ酸アミドと、柔軟成分であるポリアルキレングリコール単位を含まず柔軟性に劣る。
比較例3は、1,4-ブタンジオール単位を含まず、更に耐熱性にも劣る。
比較例4は、エルカ酸アミド及びダイマー酸単位を含まず、リサイクル性、滑り性に劣る。
エルカ酸アミドの添加量が多過ぎる比較例5では、リサイクル性に劣る。

Claims (4)

  1. テレフタル酸単位及びダイマー酸単位を含むジカルボン酸単位と、ポリアルキレングリコール単位及び1,4-ブタンジオール単位を含むジオール単位とを主構成単位として含むポリエステルを含むポリエステル樹脂組成物であって、
    炭素数が8~22の脂肪酸アミドをポリエステル100重量部に対して0.05重量部以上4.0重量部以下含有し、
    該ポリエステル中の1,4-ブタンジオール単位の含有量が20重量%以上であり、
    該ポリエステル中のダイマー酸単位の含有量が0.5重量%以上5重量%以下であり、
    該ポリエステル中のポリアルキレングリコール単位の含有量が1重量%以上30重量%以下であるポリエステル樹脂組成物。
  2. 前記ポリアルキレングリコールが重量平均分子量4000以下のポリエチレングリコールである請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 前記脂肪酸アミドがエルカ酸アミドである請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のポリエステル樹脂組成物を用いた成形体。
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