JP2023128841A - ファン装着可能な衣服、ファン付き衣服およびファン装着可能な衣服の製造方法 - Google Patents

ファン装着可能な衣服、ファン付き衣服およびファン装着可能な衣服の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】衣服のデザイン性などを維持しながら、ファンによって衣服内に取り込まれる外気を首後部などから排出する。【解決手段】ファン付き衣服100において、台衿70と後ろ身頃30との間を繋ぐ背ヨーク40において、根元80Nを台衿側に、先80Tを後ろ身頃側にしたダーツ80を形成し、背中央側に向けて立体的に仕立てる。【選択図】図1

Description

本発明は、外気を衣服内に送り込み、衣服内の温度上昇や着用者の発汗、体温上昇を抑える効果をもつファン付き衣服(EFウェアともいう)、およびその製造方法に関する。
ファン付き衣服では、衣服の後身頃の腰付近、あるいは背中袖部の位置にファン装着用開口部が設けられており、ファンを装着することによって、衣服内に取り込まれた外気が衿元や袖口から排出される。首後部と衿元との間から空気を効果的に排出するため、例えば、複数の紐を上下方向に沿って縫い付けて衣服内に空間を形成し、衣服内に取り込まれた外気により膨らませる構成が知られている(特許文献1参照)。
また、首後部と衿元との間に形成される空気排出口のスペースを調整する機構も知られている(特許文献2、3参照)。そこでは、衿元の裏地に設けられる首当て用バンド(帯)の長さを、ボタンの留め具などによって変更することで、空気排出口のスペースの大きさを変更する。もしくは、空気排出スペースを背中の片側に偏らせる。
特開2021-152243号公報 特許第6895171号公報 特許第6178525号公報
通常、着用対象となる人の身丈、体つき、胸や胴回りサイズなどを考慮して衣服をデザインし、前身頃、後ろ身頃、衿、袖などのパーツを作成する。ファン付き衣服において、衿元の首後部から空気を排出するスペースを確保するために紐の縫い付けなどを行うと、衣服としてのデザイン性が良好に保てない。また、バンド(帯)の長さ調整などを行う構成では、ファン使用時における衣服の形態が変化し、本来提供されるべき着心地、着用感などが損なわれる、あるいは悪化してしまう。
したがって、衣服のデザイン性などを維持しながら、ファンによって衣服内に取り込まれる外気を首後部などから効果的に排出することが求められる。
本発明の一態様であるファン装着可能な衣服は、ファンの取付部を設けたファン装着可能な衣服であって、衿を備えたシャツ、ベスト型のインナー、あるいはアウターなどの(ファン装着可能な)衣服に適用可能である。そして、本発明のファン装着可能な衣服は、後ろ身頃と台衿との間に設けられる背ヨークに、背中央側に向けて立体的に仕立てるダーツが設けられている。あるいは、後ろ身頃において、背中央側に向けて立体的に仕立てるダーツが設けられている。
ここで、「背中央側」とは、衣服を着用した状態において、衿元または袖、あるいはそれらの付近と比べて衣服中央にある側を表す。頭部~臀部に沿った中央ライン(ここでは、横方向中央ラインという)や肩幅に沿った中間位置付近が、「背中央側」に含まれる。また、「立体的に」とは、背中央側に向けて高くなる形状を表す。背ヨークにおいて、衿元(首部)側、その逆側(後ろ身頃側)いずれにおいても、背中央側に向けて立体的に仕立てるダーツを形成することができる。
例えば、背ヨークにおいて、台衿との縫合部分あるいは後ろ身頃との縫合部分をダーツ根元とし、その間にダーツ先を定め、立体的に仕立てるダーツを形成することができる。あるいは、ダーツ根元を袖との縫合部分あるいは袖付近の箇所にし、背中央側にダーツ先を定め、立体的に仕立てるダーツを形成することが可能である。
本発明では、従来、ヒップなどの立体的部分に沿って形成する、あるいは、見立てとしてウエストを絞る目的で背側に形成されるダーツを、背ヨークあるいは後ろ身頃において背中央側に向けて立体的形状の仕立てとなるように、ダーツを設ける。このような構成により、デザイン性を損なわない衣服形態のまま、ファン付き衣服としての機能(冷却性など)を発揮させることが可能になる。
ダーツは、1つあるいは2つ以上形成することが可能である。衣服着用時の立体感が左右対称的になることを考慮すれば、後ろ身頃または背ヨークの横方向中央ラインに関して対称的な位置にある対のダーツを構成することが可能である。また、複数の対のダーツを形成することも可能である。
台衿の裏に、長さ一定の首当て用バンドを、首当て部と台衿の裏との間に隙間が設けられるように、取り付けることが可能である。また、表身頃にファスナーを設け、表身頃の裏に、ファスナーの開閉範囲の少なくとも一部をカバーするメッシュ状裏地が、縫い付けられている。なお、このような構成は、上述したダーツの構成をもたないファン装着可能な衣服にも適用可能である。すなわち、表身頃にファスナーを設け、表身頃の裏に、ファスナーの開閉範囲の少なくとも一部をカバーするメッシュ状裏地が、縫い付けられている、ファンの取付部を設けたファン装着可能な衣服を提供可能である。着用した人が、衣服から流出する空気の量を適宜調整する技術的課題を解決する手段として構成することが可能にする。
本発明のファン装着可能な衣服の製造方法は、背ヨークまたはファン取付穴を形成した後ろ身頃に対し、背中央側に向けて立体的に仕立てるダーツを形成する工程と、背ヨークまたは後ろ身頃と台衿とを縫合する工程とを含む。背側をより立体感ある衣服に仕立てることを考慮すれば、背ヨークにダーツを形成する場合、台衿を、背ヨーク側に対して反るように湾曲する構成にすることが可能である。
例えば、背ヨークに対し、ダーツ根元を、背ヨークと台衿との縫合部または背ヨークと後ろ身頃との縫合部または縫合部付近の箇所に、そして、ダーツ先を、ダーツ根元から後ろ身頃側または台衿側の箇所に定め、ダーツを形成することが可能である。また、後ろ身頃に対し、ダーツ根元を後ろ身頃と袖との縫合部または縫合部付近の箇所に、そして、ダーツ先を、ダーツ根元から背中央側の箇所に定め、ダーツを形成することが可能である。
本発明によれば、衣服のデザイン性などを維持しながら、ファンによって衣服内に取り込まれる外気を首後部などから効果的に排出することができる。
第1の実施形態であるファン付き衣服を表側および背側から示した平面図である。 ファン付き衣服の衿元付近を側面側から示した図である。 ファン付き衣服の製造方法で使用される一部パーツを示した平面図である。 第2の実施形態であるファン付き衣服を背側から示した平面図である。 第2の実施形態におけるファン付き衣服の製造方法で使用される一部パーツを示した平面図である。 第3の実施形態であるファン付き衣服を表側および背側から示した平面図である。 第3の実施形態であるファン付き衣服を裏側で展開した平面図である。 第4の実施形態であるファン付き衣服の一部を表側および背側から示した平面図である。
以下、図面を用いて本実施形態であるファン付き衣服について説明する。
図1は、第1の実施形態であるファン付き衣服を表側および背側から示した図である。ファン付き衣服(以下、衣服という)100は、ここでは上半身着用型であって衿を設けたシャツ型の衣服であり、綿または化学繊維などの生地から成る。衣服100の背面側には、一対の穴(以下、ファン取付部分という)10A、10Bが、衣服100の肩幅に沿った横方向における中央ライン(以下、横方向中央ラインという)Cに関して対称的な位置に形成されている。そして、2つの衣服用ファン1A、1Bが、それぞれファン取付部分(取付穴)10A、10Bに装着される。
衣服用ファン1A、1Bは、ここでは、プロペラを収容するフランジ付きケーシングとリングなどのアタッチメント部材から構成され、衣服表側からケーシングをファン取付部分(取付穴)10A、10Bに通して衣服100の裏側にファン本体を配置し、リングなどのアタッチメント部材を衣服100の裏側から取り付ける。衣服100の表側にあるケーシングフランジとアタッチメント部材とを衣服100に挟み込むことで、衣服用ファン1A、1Bが装着される。衣服用ファン1A、1Bは、図示しないバッテリから電源ケーブルを介して電源供給される。なお、他の形態の衣服用ファンを着脱自在に装着させる構成にしてもよい。
シャツ型の衣服100は、前側から見た図に示す上前身頃20A、下前身頃20B、背側から見た図に示す後ろ身頃30、背中側に設けられるヨーク(以下、背ヨークという)40といった胴体部分に応じたパーツを備え、また、上前身頃20A、下前身頃20Bにそれぞれ縫合される袖50A、50B、さらに上衿(衿羽)60、台衿70といったパーツを備える。上前身頃20A、下前身頃20Bには、ファスナー22A、22Bおよびポケット24A、24Bがそれぞれ設けられている。また、上前身頃20A、下前身頃20Bには、肩に沿ってベルト90A、90Bが取り付けられている。
台衿70と後ろ身頃30とを繋げる背ヨーク40は、肩から背中にかけての切替部分となるパーツであり、身体の両肩に衣服100がフィットするように布分量などが調整されている。その一方で、背ヨーク40には、背ヨーク40から後ろ身頃30に向けて衣服100を立体的に仕立てる一対のダーツ80が設けられている。
本実施形態におけるダーツ80は、従来のようにヒップなど身体の立体的部分に合わせて衣服一部を立体的仕立てにするのではなく、平面的な背中央側に向けて立体的な仕立てを構築する。具体的には、ダーツ80は、その根元80Nを、台衿70と背ヨーク40との繋目側にし、その先80Tを、背ヨーク40と後ろ身頃30との繋目側にして形成されている。すなわち、ダーツ80は、衣服100を着用した時に背中央側(後ろ身頃30側)に向けて高くなるように入れられている。
ここでのダーツ80は、衣服100の横方向中央ラインCに対して対称的な位置に形成されている。また、ダーツ80は、横方向中央ラインCからその先80Tが互いに離れる方向に傾斜するラインに沿って形成されている。このようなダーツ80の取り入れにより、衣服用ファン1A、1Bの未使用時および使用時いずれにおいても、デザイン性、着用感、機能性などが維持される。以下、図2を用いて詳述する。
図2は、衣服100の一部を前から見て右側面から示した図である。ただし、説明を容易にするため、上前身頃20Aのアームホール21Aと縫合される袖50Aの図示を省略している。また、ベルト90A、90Bなどの一部パーツも図示を省略している。
図2に示すように、ダーツ80を背ヨーク40に形成したことにより、背ヨーク40および後ろ身頃30に跨って、立体的形状が形成される(符号D参照)。しかしながら、ダーツ80は、後述するように背ヨーク40の一部につまみを設けた構成のパーツであり、背面から見た時、デザイン性において特別な違和感などを生じさせるパーツでなく、多少の皺が生じる程度に収まり、シャツとして認識され得る。
衣服100の着用者が衣服用ファン1A、1Bを動作させると、衣服100内に吸入された外気は、後ろ身頃30、背ヨーク40、台衿70を通って首後部から排出される。このとき、立体的形状Dが衣服100の背中央側に形成されている、すなわち、着用者の背中と衣服100の後ろ身頃30および背ヨーク40との間に適度な内部空間が形成されているため、衣服100はそれほど膨らまず、空気が着用者の背面に沿って首後部からそのまま排出されやすい。
したがって、衣服用ファン1A、1Bの動作前、動作後において、衣服100の形態(特に、背面側)が大きく膨らんで変形するのを抑えることができる。さらに、後述するように、台衿70が湾曲形状であるため、着用時、首後部と台衿70との間に比較的大きな隙間となる空間が形成される(符号NS参照)。そのため、衣服用ファン1A、1Bの風量が増加しても、そのまま首後部から多くの空気を排出させることができる。
一方、デザインの観点から見れば、着用時に台衿70が首後部から比較的離れた位置に収まるため、衣服100を横から見た時の台衿70から立体的形状部Dまでのプロファイルが、緩やかに連なった立体感を与える。そのため、衣服用ファン1A、1Bの動作の有無に関係なく、優れたデザイン性を発揮することができる。
このような衣服100は、以下の製造工程によって製造することができる。まず、従来公知のように、型紙に基づいて裁ち方図を作成する。そして、上前身頃、下前身頃、後身頃、背ヨーク、上衿、台衿などのパーツ部分を裁断し、裁断したパーツを縫合して衣服を作成する。
図3は、裁ち方図に描かれる上衿、台衿、背ヨークの裏から見た形状を示した図である。台衿は、従来のようにフラット形状ではなく、後ろ身頃側縁部分が、背ヨークに対して反るように湾曲した形状となっている(符号W参照)。上衿は、台衿の上衿側縁部分の湾曲形状に合わせ、湾曲形状になっている。
一方、裁ち方図の背ヨークには、台衿側縁部分において、対称的な位置に三角形状のダーツ線Lが描かれている。ダーツ線の真ん中の線を折線L0とし、折線に合わせて布を折った後、折線両側の線L1、L2に沿って縫う。これにより、根元から先に向けて互いに離れてくラインに沿ったつまみ部分となるダーツが、背ヨークに形成される。背ヨークを後ろ身頃と縫合した後、上衿と縫合した台衿を、背ヨークと縫合する。
次に、図4、5を用いて、第2の実施形態であるファン付き衣服について説明する。第2の実施形態では、背ヨークに形成されるダーツが、後ろ身頃側をダーツ根元とし、台衿側に向けて立体的になるように仕立てる構成になっている。
図4は、第2の実施形態であるファン付き衣服を背側から示した平面図である。衣服100’は、第1の実施形態と同様のシャツ型衣服であり、ファン取付部分(取付穴)10A、10Bが背側に設けられている。そして、一対のダーツ80’が、背ヨーク40に設けられている。ここでは、ダーツ80’が、その根元80’Nが後ろ身頃30と背ヨーク40との縫合部分STの位置に合わせて形成され、ダーツ80’の先80’Tは、台衿70側に向けられている。
縫合部分STは、ここでは、袖から台衿側へ斜めに延びる縫合部分ST1、ST2および衣服横方向に延びる縫合部分ST3から構成される。ダーツ80’は、縫合部分ST1、ST2と縫合部分ST3との境目部分あるいはその付近に根元80’Nが位置し、横方向中央ラインCに対して対称的な位置に形成されている。
このようなダーツ80’の形成によって、衣服100’は、背中央側に立体的形状をもつことになり、第1の実施形態と同様、デザイン性を維持しながら、冷却機能などの効果を発揮することができる。また、後ろ身頃30と背ヨーク40との縫合部分STにダーツ根元80’Nを定めることにより、後ろ身頃30の形態に合わせながら、背ヨーク40において所望する立体的形態をデザインしやすい。
例えば、縫合部分ST1、ST2において、ダーツ80’に向けて高くなるように縫合することにより、縫合部分ST1、ST2およびダーツ80’の形成ラインに沿って、滑らかな立体的形状を背ヨーク40の広範囲に渡って形成することが可能となる。
図5は、第2の実施形態におけるファン付き衣服の製造方法で使用される一部パーツを示した平面図である。図5に示すように、後ろ身頃側の縁部分において、対称的な位置に三角形状のダーツ線L’が描かれる。製造方法については、第1の実施形態と同様の製造方法によって製造することができる。
次に、図6、7を用いて、第3の実施形態であるファン付き衣服について説明する。第3の実施形態では、台衿に首当て用バンドが設けられるとともに、ベンチレーションとして機能するファスナーが設けられている。
図6は、第3の実施形態であるファン付き衣服の前側および背側から示した平面図である。図7は、第3の実施形態であるファン付き衣服の裏側の展開図である。
ファン付き衣服(以下、衣服)200は、ファスナー開閉式でベストタイプ(ブルゾン型)の衣服であり、化学繊維を素材として伸縮性のある衣服として構成されている。背側の下部側後ろ身頃230Bに、一対のファン取付部分210A、210Bが形成されている。そして、第1の実施形態と同様、図6の背側の図に示すように、上部側後ろ身頃230Aと繋がる背ヨーク240において、背中央側に向けて立体的に仕立てる一対のダーツ280が形成されている。衣服200の製造方法は、第1、第2の実施形態と同様、各パーツを縫合する工程を含み、第2の実施形態と同様の箇所にダーツ280を形成する。
一方、図6の前側の図に示すように、下部側前身頃220Bには、風抜け用ファスナー222A、222Bが、アームホール205A、205B付近から下端の範囲で開閉するように設けられている。さらに、風抜け用ファスナー225A、225Bが、上部側前身頃220Aの上下方向に沿って所定長さの範囲で開閉するように設けられている。
図7に示すように、上部側前身頃220Aおよび下部側前身頃220Bの裏の一部分に、メッシュの裏地250が縫い付けられている。メッシュの裏地250は、ファスナー225A、225Bの開閉範囲全体、また、ファスナー222A、222Bの一部開閉範囲をカバーするサイズを有する。ファスナー222A、222Bおよびファスナー225A、225Bのスライダーを務歯に沿って移動させることによって、着用者は、排出する空気の風量を調整することができる。
メッシュの裏地250は、ベンチレーション機能を発揮できる程度の耐久性を備えていればよく、ファスナー222A、222Bおよびファスナー225A、225Bと協働的に作用し、ベンチレーションとして主に機能する構成であればよい。ただし、スマートフォンなど軽量物を保持するような耐久性をもたせるように、縫い付けを行ってもよい。
一方、台衿270の裏には、首当て用バンド290が設けられている。首当て用バンド290は、ここではメッシュ生地から成り、首との接触面側に一対の凸部290A、290Bを形成し、台衿270の裏と面接触させ、首との間に隙間が設けられるように構成されている(図7の符号Fで示す断面参照、ただし、図6では図示を省略している)。
次に、図8を用いて、第4の実施形態であるファン付き衣服について説明する。第4の実施形態では、後ろ身頃にダーツが形成されている。
ファン付き衣服(以下、衣服)300は、長袖であってファスナー開閉式のアウタータイプの衣服であり、背ヨークが設けられていない。後ろ身頃330には、背中央側を立体的に仕立てるダーツ380が設けられている。ここでは、ダーツ380は、アームホール付近を根元に定め、その先を背中央側に向けて形成されている。このようにダーツ380の形成によっても、背中央側に向けて立体的に仕立てることができる。
前身頃320には、ベンチレーションとして機能するファスナー322A、322Bおよびファスナー325が設けられている。第2の実施形態と同様、前身頃320の裏には、ファスナー322A、322Bおよびファスナー325の開閉範囲に応じて、メッシュ生地が縫い付けられている。
台衿370と上衿360との繋目付近には、空気を逃す首当て用バンド390が取り付けられている。首当て用バンド390は、ここではメッシュ生地から成り、その両端が台衿370に固定され、長さ一定である。首当て用バンド390と台衿370との間には、隙間が形成されている(図8の符号Gで示す断面参照)。そのため、衣服用ファン1A、1Bを装着して動作させたとき、首当て用バンド390と台衿370の裏との間を通って空気が排出される。
このような首当て用バンド390を設けることにより、台衿370を湾曲形状にしなくても、首後部から多くの空気を排出することができる。また、ファスナー322A、322Bおよびファスナー325により、前側からも空気の排出量を調整することができ、体感温度、気温などに合わせて衣服内に取り込む空気の量を容易に調整することができる。衣服300は、後ろ身頃と背ヨークとを縫合する工程によって製造することが可能である。第1、第2の実施形態と同様、台衿370を湾曲形状にしてもよい。
第4の実施形態の首当て用バンド390の構成を、第1、第2の実施形態に対して適用してもよい。また、第3の実施形態で示した首当て用バンド290を、第1、第2の実施形態に対して適用してもよい。さらに、第3、第4の実施形態で示したファスナーによるベンチレーション機能を、第1、第2の実施形態にもたせてもよい。一方、第3、4の実施形態において、ファスナーによるベンチレーション機能をもたせない構成にしてもよく、また、ポケット兼用としてベンチレーション機能を持たせる構成にしてもよい。
第1~第4の実施形態では、対のダーツを形成しているが、2対以上のダーツを形成してもよく、あるいは1つのダーツを形成してもよい。また、背中央側に先を向けるラインにダーツを形成する限りにおいて、後ろ身頃あるいは背ヨークにおけるダーツの形成箇所は、任意である。
10A 10B ファン取付部分(取付穴)
20A 20B 前身頃
30 後ろ身頃
40 背ヨーク
60 上衿
70 台衿
80 ダーツ
100 100’ ファン付き衣服

Claims (10)

  1. ファンの取付部を設けたファン装着可能な衣服であって、
    後ろ身頃、または前記後ろ身頃と台衿との間に設けられる背ヨークにおいて、背中央側に向けて立体的に仕立てるダーツが設けられていることを特徴とするファン装着可能な衣服。
  2. 前記ダーツが、前記背ヨークにおいて、背中央側に向けて立体的に仕立てる箇所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のファン装着可能な衣服。
  3. 前記ダーツが、前記後ろ身頃と前記背ヨークとの縫合部分から前記台衿に向けて立体的に仕立てる箇所に、設けられていることを特徴とする請求項2に記載のファン装着可能な衣服。
  4. 前記ダーツが、前記後ろ身頃において、袖側から背中央側に向けて立体的に仕立てる箇所に、設けられていることを特徴とする請求項1に記載のファン装着可能な衣服。
  5. 前記台衿の裏に、長さ一定の首当て用バンドが、前記首当て部と前記台衿の裏との間に隙間が設けられるように、取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4に記載のファン装着可能な衣服。
  6. 表身頃にファスナーが設けられ、
    前記表身頃の裏に、前記ファスナーの開閉範囲の少なくとも一部をカバーするメッシュ状裏地が、縫い付けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のファン装着可能な衣服。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載のファン装着可能な衣服と、
    前記衣服に装着されたファンと
    を備えたことを特徴とするファン付き衣服。
  8. 背ヨークまたはファン取付穴を形成した後ろ身頃に対し、背中央側に向けて立体的に仕立てるダーツを形成する工程と、
    前記背ヨークまたは前記後ろ身頃と台衿とを縫合する工程と
    を含むことを特徴とするファン装着可能な衣服の製造方法。
  9. 前記背ヨークに対し、ダーツ根元を、前記背ヨークと前記台衿との縫合部または前記背ヨークと前記後ろ身頃との縫合部または縫合部付近の箇所に、そして、ダーツ先を、前記ダーツ根元から前記後ろ身頃側または前記台衿側の箇所にして、前記ダーツを形成することを特徴とする請求項8に記載のファン装着可能な衣服の製造方法。
  10. 前記後ろ身頃に対し、ダーツ根元を前記後ろ身頃と袖との縫合部または縫合部付近の箇所に、そして、ダーツ先を、前記ダーツ根元から背中央側の箇所にして、前記ダーツを形成することを特徴とする請求項8に記載のファン装着可能な衣服の製造方法。
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