JP2023128732A - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】反転退避部におけるシートのめくれやばたつきを抑制する。
【解決手段】シートを搬送するシート搬送部５は、シートを搬送方向ＣＤに搬送した後、シートを搬送方向と反対の反転搬送方向ＲＤに搬送させる反転機構２００と、反転機構に設けられ、反転機構によって搬送方向に搬送されたシートが一時的に退避される反転退避部３００と、反転機構によって反転搬送方向に搬送されたシートが搬送される両面搬送部２２０と、両面搬送部に設けられた第一のファン２２１と、反転退避部に設けられ、シートの一方の面のみを案内する反転退避ガイド部材３１０と、を備え、ファンは、両面搬送部から引いた空気を反転退避部に向かって搬送方向に吹くように配置されている。
【選択図】図４

Description

本発明は、シートを搬送するシート搬送装置及びシートに画像を形成する画像形成装置に関する。

プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置は、記録材として用いるシートに画像を形成する。シートの画像が形成された面を下に向けて排出するフェースダウン排出又はシートの両面に画像を形成する両面印刷の場合、シートの表裏を反転させる反転機構が用いられる。特許文献１は、シートのスイッチバック搬送を行う反転ローラ対を有する反転搬送機構と、スイッチバックするためにシートが案内される反転退避部と、を設けた反転機構を開示している。両面印刷の場合、画像形成部によって第一面に画像が形成されたシートは、反転ローラ対によってスイッチバックされ、両面搬送路を通って、第一面とこれから画像が形成される第二面とが反転した状態で画像形成部へ再給送される。

ところで、ジャム（紙詰まり）が発生した場合に、搬送路にあるジャムしていないシートを反転退避部へ排出する画像形成装置がある。これにより、画像形成装置の内部の搬送路に滞留した複数のシートが反転退避部へ集められるので、ジャム処理性が向上する。このようなシート排出機構を備えた画像形成装置において、反転退避部は、搬送されるシートの下側のみにガイド部材が設けられている。

一方、両面印刷時にスイッチバックされて両面搬送路へ搬送されたシートから水蒸気が放出され、両面搬送路のガイド部材に結露が生じてシートがガイド部材に貼りつき、ジャムが発生することがある。特許文献２は、ファンによって空気を両面搬送路へ吹いて結露の発生を抑制し、ジャムの発生を防止する画像形成装置を開示している。

特開２０２１－６６５６０号公報 特開２０２０－３８３５２号公報

ところで、最近の画像形成装置ではより速く印刷することが求められている。印刷のスピードを上げるためには画像形成装置全体のシートの搬送速度を上げる必要があり、スイッチバック搬送も速度を上げなければならない。しかし、反転退避部のガイド部材が下側のみにしかない場合、スイッチバック搬送の速度が上がると、シートは空気の抵抗によってめくれあがってしまい、シートへのダメージやジャムが発生するおそれがある。

上記課題を解決するために、本発明の一実施例による、シートを搬送するシート搬送装置は、
前記シートを第一の方向に搬送した後、前記シートを前記第一の方向と反対の第二の方向に搬送させる反転部と、
前記反転部に設けられ、前記反転部によって前記第一の方向に搬送された前記シートが一時的に退避される反転退避部と、
前記反転部によって前記第二の方向に搬送された前記シートが搬送される搬送部と、
前記搬送部に設けられたファンと、
前記反転退避部に設けられ、前記シートの一方の面のみを案内するガイド部材と、
を備え、
前記ファンは、前記搬送部から引いた空気を前記反転退避部に向かって前記第一の方向に吹くように配置されていることを特徴とする。

本発明によれば、反転退避部におけるシートのめくれやばたつきを抑制しつつシートの搬送速度を上げることができる。

画像形成装置の断面図。 シート搬送部の断面図。 従来のシート搬送部の断面図。 シートの浮き上がりを防止するファンの空気流を示す説明図。 図４の矢印Ｖで示す方向に見た両面搬送部を示す図。 変形例によるシート搬送部の断面図。

（画像形成装置）
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を用いて説明する。図１は、画像形成装置の断面図である。画像形成装置１は、電子写真方式を用いてシートＰ（記録媒体）にカラー画像を形成するカラープリンタである。しかし、画像形成装置１は、これに限らず、例えば、電子写真複写機（例えば、デジタル複写機）、カラーＬＥＤプリンタ、ＭＦＰ（複合機）、ファクシミリ装置又は印刷機であってもよい。画像形成装置１は、電子写真画像形成装置に限らず、インクジェット方式の画像形成装置であってもよい。画像形成装置１は、モノクロ画像を形成する画像形成装置であってもよい。

画像形成装置１は、４つの画像形成部２Ｙ、２Ｍ、２Ｃ及び２Ｋ、二次転写部３（転写部）、定着部４及びシート搬送部（シート搬送装置）５を有する。画像形成部２Ｙは、イエロートナーを用いてイエロー画像を形成する。画像形成部２Ｍは、マゼンタトナーを用いてマゼンタ画像を形成する。画像形成部２Ｃは、シアントナーを用いてシアン画像を形成する。画像形成部２Ｋは、ブラックトナーを用いてブラック画像を形成する。参照符号の添字Ｙ、Ｍ、Ｃ及びＫは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックを示す。以下の説明において、特に必要でない場合、参照符号の添字Ｙ、Ｍ、Ｃ及びＫを省略することがある。４つの画像形成部２Ｙ、２Ｍ、２Ｃ及び２Ｋは、トナー（現像剤）の色を除いて同一の構造を有する。

画像形成部２は、回転する感光ドラムとしての感光体（像担持体）１１を有する。感光体１１の周りには、帯電装置１２、画像書き込み部として機能する露光装置１３、現像装置１４、一次転写装置３５及びドラムクリーニング装置１５が配置されている。感光体１１の下方には、無端状の中間転写ベルト（中間転写体）３１が配置されている。

中間転写ベルト３１は、二次転写内ローラ３２、駆動ローラ３３、テンションローラ３４及び一次転写装置３５に張架されている。中間転写ベルト３１は、画像形成の際に図１の矢印Ｂで示す方向に回転される。一次転写装置３５は、中間転写ベルト３１を介して感光体１１に対向して配置されている。二次転写内ローラ３２は、中間転写ベルト３１を介して二次転写外ローラ４１に対向して配置され、中間転写ベルト３１と二次転写外ローラ４１の間に二次転写ニップ部を形成する。二次転写内ローラ３２及び二次転写外ローラ４１は、二次転写部３を構成する。ベルトクリーニング装置３６は、駆動ローラ３３に対向して配置されている。

画像形成装置１の下部には、シートＰを収納する給送カセット６１、６２及び６３が配置されている。給送カセット６１、６２及び６３は、異なるサイズのシートＰを収納可能である。画像形成装置１の側部には、手差しトレイ６４が配置されている。シートＰは、給送カセット６１、６２又は６３若しくは手差しトレイ６４からそれぞれのピックアップローラ６１ａ、６２ａ、６３ａ又は６４ａによって給送される。

給送カセット６１、６２又は６３からピックアップローラ６１ａ、６２ａ又は６３ａによって矢印Ａで示す方向に給送されたシートＰは、搬送ローラ対１３０及びプレレジストレーションローラ対１２０によってレジストレーションローラ対１１０へ搬送される。手差しトレイ６４からピックアップローラ６４ａによって給送されたシートＰは、プレレジストレーションローラ対７３によってレジストレーションローラ対１１０へ搬送される。プレレジストレーションローラ対１２０及び７３は、シートＰの斜行を補正するために、停止しているレジストレーションローラ対１１０のニップ部にシートＰの先端部を突き当てる。これによって、プレレジストレーションローラ対１２０及び７３は、シートＰをループさせてシートＰの斜行を補正する。レジストレーションローラ対１１０は、シートＰを二次転写部３へ搬送する。

シートＰの搬送方向において、二次転写部３の下流に、エア吸着搬送手段４２及び定着部４が配置されている。エア吸着搬送手段４２は、二次転写部３から定着部４へシートＰを搬送する。定着部４は、定着ローラ５１と加圧ローラ５２とからなる定着ローラ対５０を有する。定着ローラ５１と加圧ローラ５２は、互いに対向して配置されて定着ニップ部を形成する。シートＰの搬送方向において定着部４の下流側には、画像が形成されたシートＰが積載される排出トレイ６５が設けられている。

両面印刷又はフェースダウン排出の場合、定着部４から定着後ローラ対５３によって搬送されたシートＰは、切替部８１によって搬送経路が反転経路８３へ切り替えられ、反転第一ローラ対９０によってシート搬送部（シート搬送装置）５へ搬送される。シート搬送部５は、反転機構２００（反転部）及び両面搬送部２２０（搬送部）を有する。反転機構２００には、反転退避部３００が設けられている。

（画像形成プロセス）
画像形成装置１の画像形成プロセスを説明する。４つの画像形成部２Ｙ、２Ｍ、２Ｃ及び２Ｋにおける画像形成プロセスは、同一であるのでイエロー画像を形成する画像形成部２Ｙにおける画像形成プロセスを説明する。帯電装置１２Ｙは、回転する感光体１１Ｙの表面を均一に帯電する。露光装置１３Ｙは、イエロー成分の画像情報の信号に従って変調された光ビームを、均一に帯電された感光体１１Ｙの表面に照射し、感光体１１の表面上に静電潜像を形成する。現像装置１４Ｙは、イエロートナーで静電潜像を現像してイエローのトナー像として顕在化する。一次転写装置３５Ｙは、所定の加圧力及び静電バイアスが与えられ、感光体１１Ｙ上のイエロートナー像を中間転写ベルト３１上に転写する（一次転写）。一次転写後に感光体１１Ｙの表面上に残ったトナーは、ドラムクリーニング装置１５Ｙによって除去される。

同様にして、画像形成部１１Ｍによって形成されたマゼンタトナー像は、中間転写ベルト３１上のイエロートナー像の上に精度よく重ねて転写される。以下、シアントナー像及びブラックトナー像が、中間転写ベルト３１上のマゼンタトナー像の上に順次重ね合わせて転写される。その結果、フルカラーのトナー像が中間転写ベルト３１上に形成される。中間転写ベルト３１の回転によって、中間転写ベルト３１上のトナー像は、二次転写部３へ搬送される。

シートＰは、給送カセット６１、６２又は６３若しくは手差しトレイ６４からレジストレーションローラ対１１０へ搬送される。レジストレーションローラ対１１０は、二次転写部３でシートＰの先端部が中間転写ベルト３１上のトナー像と一致するようにシートＰを二次転写部３へ搬送する。二次転写部３は、二次転写内ローラ３２と二次転写外ローラ４１の間に形成される二次転写ニップ部へ所定の加圧力と静電バイアスを与えることで中間転写ベルト３１上のトナー像をシートＰ上へ転写する（二次転写）。二次転写後に中間転写ベルト３１の表面上に残ったトナーは、ベルトクリーニング装置３６によって除去される。トナー像が転写されたシートＰは、エア吸着搬送手段４２によって定着部４へ搬送される。定着部４は、定着ローラ５１と加圧ローラ５２の間に形成される定着ニップ部によってシートＰを加圧及び加熱してトナー像をシートＰに定着させる。トナー像が定着されたシートＰは、定着後ローラ対５３によって定着部４から排出される。その後、シートＰは、通紙モードに従って異なる経路を通って画像形成装置１の外部へ排出される。

通紙モードが片面フェースダウン通紙である場合、シートＰの搬送経路は、切替部８１によって反転経路８３へ切り替えられ、片面に画像が形成されたシートＰは、反転第一ローラ対９０によって反転経路８３へ搬送される。その後、シートＰの搬送方向は、搬送方向の切り替えが可能な反転第二ローラ対９２によってフェースダウン排出経路８４へ切り替えられる。シートＰは、フェースダウン排出経路８４を通り排出ローラ対９３によって排出トレイ６５へフェースダウンで排出される。

通紙モードが片面フェースアップ通紙である場合、シートＰの搬送経路は、切替部８１によってフェースアップ排出経路８２へ切り替えられ、片面に画像が形成されたシートＰは、フェースアップ排出経路８２へ搬送される。その後、シートＰは、搬送ローラ対９１及び排出ローラ対９３によって排出トレイ６５へフェースアップで排出される。

通紙モードが両面印刷である場合、シートＰの搬送経路は、切替部８１によって反転経路８３へ切り替えられ、第一面（一方の面）に画像が形成されたシートＰは、反転第一ローラ対９０によって反転経路８３へ搬送される。その後、シートＰは、反転第二ローラ対９２によって反転機構２００へ搬送される。反転機構２００は、シートＰをスイッチバックさせるスイッチバック搬送を実行する。反転機構２００は、反転第三ローラ対２３０の正転によってシートＰを搬送方向ＣＤ（第一の方向）に搬送し、シートＰを反転退避部３００へ一時的に退避させる。その後、反転機構２００は、反転第三ローラ対２３０の逆転によってシートＰを搬送方向ＣＤと反対の反転搬送方向ＲＤ（第二の方向）に搬送し、シートＰを両面搬送部２２０へ搬送する。

両面搬送部２２０は、二次転写部３よりも上流側の搬送ローラ対１３０につながっている。両面搬送部２２０は、反転機構２００によって第一面と第二面（他方の面）とが反転されたシートＰを搬送ローラ対１３０へ搬送する。このように、反転機構２００によってスイッチバックされたシートＰは、反転機構２００及び両面搬送部２２０によって搬送ローラ対１３０へ向けて再び搬送される。シートＰは、二次転写部３及び定着部４を通って第二面に画像が形成される。両面に画像が形成されたシートＰの搬送経路は、切替部８１によってフェースアップ排出経路８２へ切り替えられる。シートＰは、フェースアップ排出経路８２へ搬送され、その後、排出ローラ対９３によって排出トレイ６５へ排出される。

（シート搬送部）
次に、図２を用いてシート搬送部（シート搬送装置）５を説明する。図２は、シート搬送部５の断面図である。シート搬送部５は、反転機構２００及び両面搬送部２２０を有する。まず、反転機構２００について説明する。反転機構２００は、反転搬送部２０１（第一の搬送路）、反転第三ローラ対２３０、両面切替フラップ２３１（切替部材）、反転退避部３００及び反転搬送部２０１から分岐する搬送路２２７（第二の搬送路）を備える。切替部８１によって反転経路８３へ案内されたシートＰは、反転第二ローラ対９２によって反転経路８３から反転搬送部２０１へ搬送される。

反転手段としての反転第三ローラ対２３０は、反転搬送部２０１におけるスイッチバック前の搬送方向ＣＤに関して、反転搬送部２０１と搬送路２２７とが合流する合流部ＪＰよりも下流（鉛直方向に関して下方）に設けられている。反転第三ローラ対２３０は、例えば、正転及び逆転が可能なモータに駆動連結され、シートの搬送方向をスイッチバック前の搬送方向ＣＤと搬送方向ＣＤに反対の反転搬送方向ＲＤとへ切替可能に構成される。両面切替フラップ２３１は、反転搬送部２０１と搬送路２２７とが合流する合流部ＪＰに設けられ、反転第三ローラ対２３０によって反転搬送方向ＲＤに搬送されるシートＰが反転経路８３へ逆流することを規制する。搬送路２２７は、両面搬送部２２０の両面搬送路２２６に連通している。反転第三ローラ対２３０によって反転搬送方向ＲＤに搬送されるシートＰは、両面切替フラップ２３１によって案内されて搬送路２２７を通って両面搬送部２２０の両面搬送路２２６へ搬送される。

両面搬送部２２０には、複数の両面搬送ローラ対２２３、第一のファン２２１、第二のファン２２５及び両面搬送ガイド部材２２４が設けられている。両面搬送ガイド部材２２４は、シートＰを搬送ローラ対１３０へ搬送するための両面搬送路２２６を画定する。複数の両面搬送ローラ対２２３は、反転第三ローラ対２３０によって反転されて両面搬送部２２０へ搬送されたシートＰを、搬送ローラ対１３０へ向けて搬送する。

シートＰが退避する退避部としての反転退避部３００は、反転搬送部２０１におけるスイッチバック前の搬送方向ＣＤに関して反転第三ローラ対２３０の下流に設けられている。反転退避部３００は、反転第三ローラ対２３０がシートＰをスイッチバックさせる際にシートＰの一部分を一時的に退避させるための退避領域ＲＲを形成している。反転退避部３００は、反転第三ローラ対２３０によって搬送されるシートＰを退避させる退避領域ＲＲを囲むように配置された金属製の反転退避ガイド部材３１０（ガイド部材）によって構成される。反転退避ガイド部材３１０は、湾曲した湾曲部３１０ａを有する。反転退避ガイド部材３１０は、シートＰが退避領域ＲＲに退避するように搬送される際にシートＰの先端部が反転退避ガイド部材３１０の内面をなぞるように案内される退避搬送路３２０を形成する。反転退避ガイド部材３１０は、退避搬送路３２０の片側のみに配置されている。

ついで、ジャム発生時における反転退避部３００の使用について説明する。上記したように反転退避部３００は、反転第三ローラ対２３０によってシートＰを反転させる際にシートＰを一時的に退避させるための退避領域ＲＲ（空間）を確保する。しかし、画像形成装置１においてジャムが発生した場合に、画像形成装置１の内部に滞留しているシートのうち反転退避部３００へ搬送可能なシートは、反転退避部３００へ搬送される。これによって、反転退避部３００の内部の退避領域ＲＲ（空間）を、画像形成装置１の内部に滞留しているシートを排出（パージ）する空間として使用できる。反転退避部３００は、反転退避ガイド部材３１０がパージされたシートの下側のみに配置されているので、パージされたシートの上側に解放空間がある。反転退避ガイド部材３１０の上方にユーザがアクセス可能な空間としての退避領域ＲＲが設けられているので、ジャムが発生した場合に、ユーザは、ジャム処理を容易に行うことができる。

定着ローラ対５０によって加熱されたシートＰは、高温になっているため、搬送中にシートＰから水蒸気が放出され、冷えた反転退避ガイド部材３１０に結露が生じることがある。反転退避ガイド部材３１０が結露すると、結露水によってシートＰが反転退避ガイド部材３１０に貼りついてしまい、ジャムが発生することがある。また、ジャムが発生しなくとも、結露水によってシートＰに跡がつき画像不良になることもある。図２に示すように、両面搬送部２２０の両面搬送ガイド部材２２４の搬送面には空気を通す複数の通風孔２２２（複数の穴）が設けられている。第一のファン２２１及び第二のファン２２５は、両面搬送部２２０から空気を引くことで水蒸気が両面搬送部２２０の内部に滞留しないようにし、両面搬送ガイド部材２２４に結露が発生することを防止する。これによって、両面搬送ガイド部材２２４におけるジャムの発生や画像不良が防止される。

画像形成装置１の印刷速度を上げるためには、画像形成装置１のシートＰの搬送速度を全体的に上げる必要がある。画像形成装置１におけるシートＰのスイッチバック動作における搬送速度も、従来の画像形成装置の搬送速度に比べて高い。一方、スイッチバック動作におけるシートＰの搬送速度を上げると、反転退避部３００内のシートＰが浮き上がることがある。図３は、従来のシート搬送部１０５の断面図である。図３に示すように、従来のシート搬送部１０５に設けられたファン２３２は、空気を両面搬送ガイド部材２２４へ向かって吹く。図３において一点鎖線で示すように、反転退避部３００へ搬送されるシートＰの先端部は、スイッチバック前の搬送方向ＣＤへシートＰの移動による空気抵抗で浮き上がってしまうことがある。シートＰが浮き上がると、シートＰにダメージが生じたり、シートＰの搬送位置が安定しなかったりする。

そこで、本実施例では、両面搬送部２２０に配置された第一のファン２２１が空気を反転退避部３００へ向かって吹くことによって、シートＰの浮き上がりを防止している。図４は、シートＰの浮き上がりを防止する第一のファン２２１の空気流を示す説明図である。図５は、図４の矢印Ｖで示す方向に見た両面搬送部２２０を示す図である。両面搬送部２２０は、複数のファンが設けられている。両面搬送部２２０は、両面切替フラップ２３１の近傍に第一のファン２２１が配置されている。第一のファン２２１は、両面搬送部２２０におけるシートＰの反転搬送方向ＲＤに直交する幅方向Ｗに並んで配置された３つのファン２２１ａ、２２１ｂ及び２２１ｃを有する。反転搬送方向ＲＤにおいて、第一のファン２２１の下流側に第二のファン２２５が設けられている。第二のファン２２５は、幅方向Ｗに並んで配置された３つのファン２２５ａ、２２５ｂ及び２２５ｃを有する。第一のファン２２１及び第二のファン２２５の駆動及び停止は、画像形成装置１に設けられた制御部６によって制御される。

第一のファン２２１は、両面搬送部２２０から引いた空気を、矢印Ｆ１で示すように、反転機構２００の反転退避ガイド部材３１０へ向けて吹く。第二のファン２２５は、両面搬送部２２０から引いた空気を、矢印Ｆ２で示すように、反転退避部３００へ向けて吹く。第一のファン２２１からの空気は、矢印Ｆ１で示すように、反転退避部３００へ流れ、反転退避ガイド部材３１０に沿って、スイッチバック前のシートＰの搬送方向ＣＤと同じ方向に流れる。第二のファン２２５からの空気は、矢印Ｆ２で示すように、反転退避部３００へ流れる。第一のファン２２１及び第二のファン２２５からの空気の流れによって、搬送方向ＣＤに搬送されるシートＰの先端部が受ける空気抵抗を低減させてシートＰの浮き上がりを防止することができる。

なお、反転退避部３００へ搬送されるシートＰが長尺シートである場合、第二のファン２２５からの空気によってシートＰがバタつくことがある。そこで、シートＰが長尺シートである場合、第二のファン２２５の３つのファン２２５ａ、２２５ｂ及び２２５ｃのうちの１つ又は２つ若しくは３つを停止してもよい。制御部６は、シートＰのサイズに従って第二のファン２２５の３つのファン２２５ａ、２２５ｂ及び２２５ｃの駆動及び停止を制御する。例えば、シートＰがＡ３サイズのシートである場合、第二のファン２２５の３つのファン２２５ａ、２２５ｂ及び２２５ｃをすべて停止して、第一のファン２２１からのみ空気をスイッチバック前のシートＰの搬送方向ＣＤと同じ方向に吹いてもよい。シートＰのサイズに従って第二のファン２２５の３つのファン２２５ａ、２２５ｂ及び２２５ｃの駆動及び停止を制御することによって、シートＰのバタつきを防止することができる。一方、第一のファン２２１の３つのファン２２１ａ、２２１ｂ及び２２１ｃは、反転退避部３００内でのシートＰの浮き上がりを防止するために、シートＰのサイズにかかわらず全ての紙種で送風をするとよい。

第一のファン２２１及び第二のファン２２５は、両面搬送部２２０から空気を引くので、両面搬送部２２０の両面搬送ガイド部材２２４に結露が発生することを防止できる。本実施例によれば、両面搬送部２２０の結露防止に使用している第一のファン２２１及び第二のファン２２５によってシートＰの浮き上がりを防止しているので、スイッチバック時のシートＰの搬送速度を上げることができる。

本実施例において、第一のファン２２１が３つのファン２２１ａ、２２１ｂ及び２２１ｃを有し、第二のファン２２５が３つのファン２２５ａ、２２５ｂ及び２２５ｃを有する。しかし、第一のファン２２１及び第二のファン２２５がそれぞれ有するファンの数は、３つに限定されるものではなく、１つ、２つ、４つでもよく、５つ以上であってもよい。また、第二のファン２２５を設けずに、第一のファン２２１のみを両面搬送部２２０に設けてもよい。図６は、変形例によるシート搬送部２０５の断面図である。シート搬送部２０５は、第二のファン２２５を設けずに、第一のファン２２１のみが設けられている。この場合、追加のファンが必要ないので、画像形成装置１のコストアップや消費電力の増加を抑制しつつ、印刷速度の向上が可能となる。本実施例によれば、反転退避部３００におけるシートのめくれやばたつきを抑制しつつシートの搬送速度を上げることができる。

５・・・シート搬送部
２００・・・反転機構
２２０・・・両面搬送部
２２１・・・第一のファン
３００・・・反転退避部
３１０・・・反転退避ガイド部材
ＣＤ・・・搬送方向
ＲＤ・・・反転搬送方向
Ｐ・・・シート

Claims (20)

1. シートを搬送するシート搬送装置であって、
   前記シートを第一の方向に搬送した後、前記シートを前記第一の方向と反対の第二の方向に搬送させる反転部と、
   前記反転部に設けられ、前記反転部によって前記第一の方向に搬送された前記シートが一時的に退避される反転退避部と、
   前記反転部によって前記第二の方向に搬送された前記シートが搬送される搬送部と、
   前記搬送部に設けられたファンと、
   前記反転退避部に設けられ、前記シートの一方の面のみを案内するガイド部材と、
   を備え、
   前記ファンは、前記搬送部から引いた空気を前記反転退避部に向かって前記第一の方向に吹くように配置されていることを特徴とするシート搬送装置。
2. 前記反転部は、
   前記シートが前記第一の方向及び前記第二の方向に搬送される第一の搬送路と、
   前記シートが前記第二の方向に前記反転部から前記搬送部へ搬送される第二の搬送路と、
   前記第一の搬送路と前記第二の搬送路の合流部に設けられ、前記シートの搬送経路を切り替える切替部材と、
   を備え、
   前記ファンは、前記切替部材の近傍に配置されていることを特徴とする請求項１に記載のシート搬送装置。
3. 前記ファンからの前記空気は、前記ガイド部材によって案内される前記シートに沿って流れることを特徴とする請求項１又は２に記載のシート搬送装置。
4. 前記反転退避部において前記ガイド部材の上方にユーザがアクセス可能な空間が設けられていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
5. 前記ファンは、前記搬送部における前記第二の方向に直交する方向に前記搬送部の搬送面に沿って並んで配置された３つのファンを含むことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
6. 前記搬送部の前記搬送面には、前記空気を通す複数の穴が設けられていることを特徴とする請求項５に記載のシート搬送装置。
7. 前記搬送部における前記第二の方向において第一のファンとしての前記ファンの下流で前記搬送部に設けられた第二のファンを更に備えることを特徴とする請求項１乃至６のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
8. 前記第二のファンは、前記搬送部における前記第二の方向に直交する方向に前記搬送部の前記搬送面に沿って並んで配置された３つのファンを含むことを特徴とする請求項７に記載のシート搬送装置。
9. 前記第二のファンは、前記搬送部から引いた空気を前記反転退避部に向かって吹くように配置されていることを特徴とする請求項７又は８に記載のシート搬送装置。
10. 画像形成装置であって、
    トナー像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部によって形成された前記トナー像をシートに転写する転写部と、
    前記転写部によって前記シートに転写された前記トナー像を前記シートに定着させる定着部と、
    前記定着部によって前記トナー像が定着されて画像が形成された前記シートを搬送するシート搬送装置と、
    を備え、
    前記シート搬送装置は、
    前記シートを第一の方向に搬送した後、前記シートを前記第一の方向と反対の第二の方向に搬送させる反転部と、
    前記反転部に設けられ、前記反転部によって前記第一の方向に搬送された前記シートが一時的に退避される反転退避部と、
    前記反転部によって前記第二の方向に搬送された前記シートが搬送される搬送部と、
    前記搬送部に設けられたファンと、
    前記反転退避部に設けられ、前記シートの一方の面のみを案内するガイド部材と、
    を備え、
    前記ファンは、前記搬送部から引いた空気を前記反転退避部に向かって前記第一の方向に吹くように配置されていることを特徴とする画像形成装置。
11. 前記シート搬送装置は、前記一方の面に前記画像が形成された前記シートを前記反転部によって前記第一の方向に搬送して前記反転退避部に一時的に退避させ、その後、前記シートを前記反転部によって前記第二の方向に前記搬送部へ搬送し、その後、前記シートを前記搬送部から前記転写部へ搬送し、
    それによって、前記シートの他方の面に画像が形成されることを特徴とする請求項１０に記載の画像形成装置。
12. 前記反転部は、
    前記シートが前記第一の方向及び前記第二の方向に搬送される第一の搬送路と、
    前記シートが前記第二の方向に前記反転部から前記搬送部へ搬送される第二の搬送路と、
    前記第一の搬送路と前記第二の搬送路の合流部に設けられ、前記シートの搬送経路を切り替える切替部材と、
    を備え、
    前記ファンは、前記切替部材の近傍に配置されていることを特徴とする請求項１０又は１１に記載の画像形成装置。
13. 前記ファンからの前記空気は、前記ガイド部材によって案内される前記シートに沿って流れることを特徴とする請求項１０乃至１２のいずれか一項に記載の画像形成装置。
14. 前記反転退避部において前記ガイド部材の上方にユーザがアクセス可能な空間が設けられていることを特徴とする請求項１０乃至１３のいずれか一項に記載の画像形成装置。
15. 前記反転部は、前記シートがジャムした場合に、前記画像形成装置の内部に滞留しているシートを前記反転退避部へ搬送することを特徴とする請求項１４に記載の画像形成装置。
16. 前記ファンは、前記搬送部における前記第二の方向に直交する方向に前記搬送部の搬送面に沿って並んで配置された３つのファンを含み、
    前記搬送部の前記搬送面には、前記空気を通す複数の穴が設けられていることを特徴とする請求項１０乃至１５のいずれか一項に記載の画像形成装置。
17. 前記搬送部における前記第二の方向において第一のファンとしての前記ファンの下流で前記搬送部に設けられた第二のファンを更に備えることを特徴とする請求項１６に記載の画像形成装置。
18. 前記第二のファンは、前記搬送部における前記第二の方向に直交する方向に前記搬送部の前記搬送面に沿って並んで配置された３つのファンを含むことを特徴とする請求項１７に記載の画像形成装置。
19. 前記第二のファンは、前記搬送部から引いた空気を前記反転退避部に向かって吹くように配置されていることを特徴とする請求項１７又は１８に記載の画像形成装置。
20. 前記第一のファン及び前記第二のファンの駆動及び停止を制御する制御部を更に備えることを特徴とする請求項１７乃至１９のいずれか一項に記載の画像形成装置。

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