JP2023128638A - ベルト回動装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトが片寄った状態で回動されることを防止できるベルト回動装置を提供する。【解決手段】ベルト回動装置の一例である定着装置10は、ベルト端検出部84の出力値に基づいて加圧ローラ80の揺動機構(作動機構110)を制御することで、定着ベルト78の位置を中央側に戻すように補正する揺動制御部(CPU150)を備える。揺動制御部は、ベルト端検出部が出力する第1出力値と第2出力値との差が所定時間以上大きいとき、加圧ローラの一方端部を移動させるときの単位時間当たりの移動距離を揺動方向一方側と他方側とで異なるように揺動機構を制御する片寄補正制御を実行する。【選択図】図18

Description

この発明はベルト回動装置および画像形成装置に関し、特にたとえば、回動可能に設けられた無端状のベルトを備える、ベルト回動装置および画像形成装置に関する。
従来のベルト回動装置(ベルト走行装置)の一例が特許文献1に開示される。特許文献1のベルト回動装置は、周回経路を成すように架け渡されたベルトと、ベルトを一定速度で周回させる駆動部と、ベルトに設けられた被検出領域を検出するセンサと、センサの検出結果に基づいてベルトの回動軸方向(幅方向)の片寄り量を算出する算出部と、ベルトを幅方向に移動させる移動部と、算出部の算出した片寄り量に基づいて移動部を制御してベルトの片寄りを補正する制御部とを備える。被検出領域は、ベルト上の基準位置からの幅方向の距離によって搬送方向の長さが異なる形状を有し、算出部は、センサが被検出領域を検出した時間もしくは検出しない時間の長さに基づいてベルトの回動軸方向の片寄り量を算出する。
特開2009-168868号公報
特許文献1の技術では、ベルトの端部に三角波状の被検出領域を設けるので、非検出領域の分だけベルトの幅(回動軸方向の長さ)を大きくする必要があり、装置が大型化してしまう。また、ベルトの片寄り量を精度よく検出するためには、三角波状の被検出領域をベルトの周方向全長に亘って正確に形成する必要があり、製造が困難であるという問題もある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、ベルト回動装置および画像形成装置を提供することである。
この発明の他の目的は、簡単な構成で、ベルトが片寄った状態で回動されることを防止できる、ベルト回動装置および画像形成装置を提供することである。
第1の発明は、回動可能に設けられた無端状のベルトを備えるベルト回動装置であって、ベルトに内接する内接部材、ベルトの回動軸方向に延びるように設けられ、内接部材との間でベルトを押圧する加圧ローラ、ベルトの回動軸方向における一方端部と対応する位置に設けられ、当該ベルトの一方端部を検出している状態において第1出力値を出力し、当該ベルトの一方端部を検出していない状態において第2出力値を出力するベルト端検出部、ベルトの回動軸方向に対して傾かせるように加圧ローラを揺動可能な揺動機構、およびベルト端検出部が第1出力値を出力したとき、加圧ローラの一方端部が当該加圧ローラの揺動方向における一方側に移動するように揺動機構を制御し、ベルト端検出部が第2出力値を出力したとき、加圧ローラの一方端部が当該加圧ローラの揺動方向における他方側に移動するように揺動機構を制御することで、ベルトの位置を中央側に戻すように補正する揺動制御部を備え、揺動制御部は、ベルト端検出部が第1出力値を出力している時間である第1出力時間と第2出力値を出力している時間である第2出力時間とを比較して、第1出力時間が第2出力時間よりも所定時間以上大きいとき、加圧ローラの一方端部を一方側に移動させるときの単位時間当たりの移動距離である第1移動距離が当該加圧ローラの一方端部を他方側に移動させるときの単位時間当たりの移動距離である第2移動距離よりも大きくなるように揺動機構を制御し、第2出力時間が第1出力時間よりも所定時間以上大きいとき、第2移動距離が第1移動距離よりも大きくなるように揺動機構を制御する第1片寄補正制御を実行する、ベルト回動装置である。
第1の発明によれば、第1片寄補正制御を実行するので、簡単な構成で、ベルトが片側に寄った状態で揺動制御されることを防止できる。つまり、懸架部材の長手方向における所定範囲内で安定してベルトを回動させることができるので、ベルトの損傷を適切に防止できる。
第2の発明は、第1の発明に従属し、揺動制御部は、第1移動距離と第2移動距離とが同じとなるように揺動機構を制御する第1予備揺動制御を実行し、第1予備揺動制御時の第1出力時間と第2出力時間との差に基づいて第1片寄補正制御を実行するかどうかを判定する。
第2の発明によれば、ベルトがどちら側に片寄り易いかを容易に判定でき、第1片寄補正制御を実行するかどうかを適切に判定できる。
第3の発明は、第1または第2発明に従属し、揺動制御部は、単位時間としてベルトが一回転する周期を用い、第1片寄補正制御時において加圧ローラの一方端部を一方側または他方側に単位時間ごとに段階的に移動させる。
第3の発明によれば、加圧ローラの一方端部を移動させた効果をベルト端検出部によって確実に検出できる。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明に従属し、ベルトを加熱する熱源をさらに備え、熱源によって加熱されたベルトと加圧ローラとの間でシートを挟持搬送することでシートを加熱する。
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明に従属し、揺動制御部は、加圧ローラの一方端部が予め決められた基準位置を中心に所定範囲内で揺動するように揺動機構を制御する。
第5の発明によれば、ベルトと加圧ローラとの間でシートを挟持搬送するときに、シートを安定して搬送することができる。
第6の発明は、回動可能に設けられた無端状のベルトを備えるベルト回動装置であって、ベルトに内接される内接部材、ベルトの回動軸方向に延びるように設けられ、内接部材との間でベルトを押圧して当該ベルトと共に回転する加圧ローラ、ベルトの回動軸方向における一方端部と対応する位置に設けられ、当該ベルトの一方端部を検出している状態において第1出力値を出力し、当該ベルトの一方端部を検出していない状態において第2出力値を出力するベルト端検出部、ベルトの回動軸方向に対して傾かせるように加圧ローラを揺動可能な揺動機構、およびベルト端検出部が第1出力値を出力したとき、加圧ローラの一方端部が当該加圧ローラの揺動方向における一方側に移動するように揺動機構を制御し、ベルト端検出部が第2出力値を出力したとき、加圧ローラの一方端部が当該加圧ローラの揺動方向における他方側に移動するように揺動機構を制御することで、ベルトの位置を中央側に戻すように補正する揺動制御部を備え、揺動制御部は、加圧ローラの一方端部が予め決められた基準位置を中心に所定範囲内で揺動するように揺動機構を制御すると共に、加圧ローラの一方端部が一方側への最大移動位置である第1最大位置を維持する第1維持時間が第1所定時間以上になったとき、加圧ローラの一方端部を一方側に移動させるときの単位時間当たりの移動距離である第1移動距離が当該加圧ローラの一方端部を他方側に移動させるときの単位時間当たりの移動距離である第2移動距離よりも大きくなるように揺動機構を制御し、加圧ローラの一方端部が他方側への最大移動位置である第2最大位置を維持する第2維持時間が第1所定時間以上になったとき、第2移動距離が第1移動距離よりも大きくなるように揺動機構を制御する第2片寄補正制御を実行する、ベルト回動装置である。
第6の発明によれば、第2片寄補正制御を実行するので、簡単な構成で、ベルトが片側に寄った状態で揺動制御されることを防止できる。つまり、懸架部材の長手方向における所定範囲内で安定してベルトを回動させることができるので、ベルトの損傷を適切に防止できる。また、加圧ローラの一方端部の位置情報に基づいてその移動条件を変更するので、揺動機構による揺動範囲が限界に近くても適切にベルトを回動させることができる。
第7の発明は、第6の発明に従属し、揺動制御部は、第2片寄補正制御を実行する前に、第1移動距離と第2移動距離とが同じとなるように揺動機構を制御する第2予備揺動制御を実行し、第2予備揺動制御時の第1維持時間または第2維持時間に基づいて第2片寄補正制御を実行するかどうかを判定する。
第7の発明によれば、ベルトがどちら側に片寄り易いかを容易に判定でき、第2片寄補正制御を実行するかどうかを適切に判定できる。
第8の発明は、第6または第7の発明に従属し、第1維持時間または第2維持時間が第1所定時間よりも長い第2所定時間以上になったとき、揺動機構の調整が必要であることを報知する報知部をさらに備える。
第9の発明は、第1から第8のいずれかの発明に係るベルト回動装置を備える、画像形成装置である。
この発明によれば、片寄補正制御を実行するので、簡単な構成で、ベルトが片側に寄った状態で揺動制御されることを防止できる。つまり、懸架部材の長手方向における所定範囲内で安定してベルトを回動させることができるので、ベルトの損傷を適切に防止できる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この発明の第1実施例である定着装置を備える画像形成装置の内部構造を示す図解図である。 定着装置を概略的に示す正面図である。 定着装置を概略的に示す右側面図である。 定着装置が備える加圧ユニットを示す斜視図である。 加圧ユニットを概略的に示す正面図である。 加圧ユニットが備えるカム軸の前端部を示す斜視図である。 加圧ユニットが備える離接カムおよび補正カムを示す正面図である。 定着装置が備えるベルト端検出部を示す図である。 加圧ローラの前端部が第1最大位置にある状態の定着装置を概略的に示す図である。 加圧ローラの前端部が第2最大位置にある状態の定着装置を概略的に示す図である。 定着ベルトが理想的に揺動制御されているときの補正カムの角度位置およびベルト端検出部のセンサ信号を示す図である。 第1片寄補正制御を実行したときの補正カムの角度位置およびベルト端検出部のセンサ信号を示す図である。 画像形成装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。 RAMのメモリマップの一例を示す図である。 CPUが実行するイニシャル制御処理の一例を示すフロー図である。 CPUが実行する予備揺動制御処理の一例の一部を示すフロー図である。 CPUが実行する予備揺動制御処理の一例の残りの部分を示すフロー図である。 CPUが実行する揺動制御処理の一例の一部を示すフロー図である。 第2実施例の第2片寄補正制御を実行したときの補正カムの角度位置およびベルト端検出部のセンサ信号を示す図である。 第2実施例においてCPUが実行する予備揺動制御処理の一例の一部を示すフロー図である。 第2実施例においてCPUが実行する予備揺動制御処理の一例の残りの部分を示すフロー図である。
[第1実施例]
図1を参照して、この発明の第1実施例である定着装置10は、用紙(シート)上に形成されたトナー像を熱定着させるための装置であって、電子写真方式によって用紙に画像を形成する画像形成装置100に用いられる。詳細は後述するように、定着装置10は、ベルト回動装置の一例であって、加熱ローラ74および定着ローラ76によって回動可能に懸架された無端状の定着ベルト78と、定着ローラ76との間で定着ベルト78を押圧する加圧ローラ80とを備える。
先ず、画像形成装置100の基本構成について概略的に説明する。この実施例では、画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)である。
図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成部30等を備える装置本体12、およびその上方に配置される画像読取装置14を含む。
画像読取装置14は、透明材によって形成される原稿載置台16を備える。原稿載置台16の上方には、ヒンジ等を介して原稿押えカバー18が開閉自在に取り付けられる。この原稿押えカバー18には、原稿載置トレイ20に載置された原稿を画像読取位置22に対して1枚ずつ自動的に給紙するADF24(自動原稿送り装置)が設けられる。また、原稿載置台16の前面側には、ユーザによる印刷指示等の入力操作を受け付けるタッチパネルおよび操作ボタン等を含む操作ユニット156(図13参照)が設けられる。
また、画像読取装置14には、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える画像読取部26が内蔵される。画像読取部26は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、原稿表面の画像に基づく画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等が用いられる。
装置本体12には、CPU150、RAM152およびHDD154等(図13参照)を含む制御部28および画像形成部30等が内蔵される。制御部28(具体的にはCPU150)は、タッチパネル等の操作部への入力操作などに応じて、定着装置10を含む画像形成装置100の各部位に制御信号を送信し、画像形成装置100に種々の動作を実行させる。なお、この制御部28は、画像形成装置100の全体を制御するため、定着装置10の制御部でもある。
画像形成部30は、露光ユニット32、現像器34、感光体ドラム36、クリーナユニット38、帯電器40、転写装置42および定着装置10などを備え、給紙トレイ48または手差し給紙トレイ50から搬送される用紙上に画像を形成し、画像形成済みの用紙を排紙トレイ52に排出する。用紙上に画像を形成するための画像データとしては、画像読取部26で読み取った画像データまたは外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。
なお、画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。このため、現像器34、感光体ドラム36、クリーナユニット38および帯電器40のそれぞれは、各色に応じた4種類の潜像を形成するように4個ずつ設けられ、これらによって4つの画像ステーションが構成される。
感光体ドラム36は、導電性を有する円筒状の基体の表面に感光層が形成された像担持体であり、帯電器40は、この感光体ドラム36の表面を所定の電位に帯電させる部材である。また、露光ユニット32は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成され、帯電された感光体ドラム36の表面を露光することによって、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム36の表面に形成する。現像器34は、感光体ドラム36の表面に形成された静電潜像を4色(YMCK)のトナーによって顕像化するものである。また、クリーナユニット38は、現像および画像転写後における感光体ドラム36の表面に残留したトナーを除去する。
転写装置42は、中間転写ベルト54、駆動ローラ56、従動ローラ58、4つの中間転写ローラ60および転写ローラ62等を備え、感光体ドラム36の上方に配置される。中間転写ベルト54は、各感光体ドラム36に接触するように設けられており、中間転写ローラ60を用いて、各感光体ドラム36に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト54に順次重ねて転写することによって、中間転写ベルト54上に多色のトナー像が形成される。また、転写ローラ62は、駆動ローラ56との間で中間転写ベルト54を押圧するように設けられており、中間転写ベルト54と転写ローラ62との間の転写ニップ部を用紙が通過することによって、中間転写ベルト54に形成されたトナー像が用紙に転写される。
定着装置10は、定着ベルト78(ベルトの一例)等を備え、転写ローラ62の上方(用紙搬送方向の下流側)に配置される。定着ベルト78は、加熱ローラ74および定着ローラ76(内接部材の一例)に懸架されており、加熱ローラ74によって所定の定着温度となるように加熱される。また、加圧ローラ80は、定着ローラ76との間で定着ベルト78を押圧するように設けられている。定着装置10は、定着ベルト78と加圧ローラ80との間の定着ニップ部によって用紙を挟持搬送する。これによって、用紙に転写されたトナー像が溶融、混合および圧接されて、用紙に対してトナー像が熱定着される。なお、定着装置10の具体的構成については後述する。
このような装置本体12内には、給紙トレイ48または手差し給紙トレイ50からの用紙をレジストローラ68、転写ローラ62および定着装置10を経由させて排紙トレイ52に送るための第1用紙搬送路L1が形成される。また、用紙に対して両面印刷を行う際に、片面印刷が終了して定着装置10を通過した後の用紙を、転写ローラ62の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路L1に戻すための第2用紙搬送路L2が形成される。この第1用紙搬送路L1および第2用紙搬送路L2には、用紙に対して補助的に推進力を与えるための複数の搬送ローラ66が適宜設けられる。
装置本体12において片面印刷(画像形成)を行う際には、用紙は、給紙トレイ48または手差し給紙トレイ50から1枚ずつ第1用紙搬送路L1に導かれ、搬送ローラ66によってレジストローラ68まで搬送される。そして、レジストローラ68によって、用紙の先端と中間転写ベルト54上の画像情報の先端とが整合するタイミングで用紙が転写ローラ62(転写ニップ部)に搬送され、用紙上にトナー像が転写される。その後、定着装置10(定着ニップ部)を通過することによって用紙上の未定着トナーが熱で溶融して固着されて、排紙トレイ52上に用紙が排出される。
一方、両面印刷を行う際には、片面印刷が終了して定着装置10を通過した用紙の後端部が排紙トレイ52近傍の搬送ローラ66まで到達したとき、この搬送ローラ66を逆回転させることによって、用紙が逆走して第2用紙搬送路L2に導かれる。第2用紙搬送路L2に導かれた用紙は、搬送ローラ66によって第2用紙搬送路L2を搬送されて、レジストローラ68の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路L1に導かれる。この時点で用紙の表裏は反転されるので、その後、転写ローラ62および定着装置10を用紙が通過することによって、用紙の裏面に印刷が行われる。
続いて、図2~図8を参照して、定着装置10の機械的な構成について説明する。定着装置10は、上述のようにベルト回動装置の一例であって、定着ベルト78と加圧ローラ80との間で用紙を挟持搬送することによって用紙を加熱して、用紙にトナー像を定着させる。
具体的には、図2および図3に示すように、定着装置10は、定着ベルト78等を有するヒータユニット70と、加圧ローラ80等を有する加圧ユニット72とを含む。これらヒータユニット70および加圧ユニット72が備える各部材は、図示しない定着フレームによって所定の配置態様で一体的に保持される。
ヒータユニット70は、加熱ローラ74、定着ローラ76および定着ベルト78等を備える。加熱ローラ74は、内部に熱源74aが設けられたローラ部材であって、熱源74aを覆う熱伝導層を備える。熱源74aとしては、ハロゲンランプ等のランプヒータが用いられる。定着ローラ76は、円柱状のローラ部材であって、芯金と、芯金を覆う弾性層とを備える。定着ベルト78は、無端状のベルト部材であって、加熱ローラ74および定着ローラ76によって回動(周回移動)可能に懸架される。つまり、加熱ローラ74および定着ローラ76は、定着ベルト78に内接しており、定着ベルト78の回動軸方向と平行に延びるように設けられる。
また、定着ローラ76のローラ軸76aの後端部には、図示しないギアまたはギア列を介して第1モータ82(図13参照)が連結される。定着ローラ76は、この第1モータ82からの駆動力を受けて回転駆動される。この定着ローラ76の回転駆動に伴い、定着ベルト78は、定着ローラ76の回転方向と同方向に回動する。また、後述する加圧ローラ80は、定着ベルト78の回動に伴い、定着ベルト78の回動方向とは逆方向に従動回転する。
一方、加圧ユニット72は、定着ベルト78を挟んで定着ローラ76と対向する位置に配置される加圧ローラ80を備える。加圧ローラ80は、円柱状のローラ部材であって、芯金と、芯金を覆う弾性層と、弾性層を覆う離型層とを備える。この加圧ローラ80は、定着ローラ76の軸方向(つまり定着ベルト78の回動軸方向)と平行に延びるように設けられ、定着ローラ76との間で定着ベルト78を押圧することで、定着ベルト78との間に定着ニップ部を形成する。
また、図示は省略するが、定着装置10は、定着ベルト78の表面温度を検出するサーミスタ等の温度センサ、および定着ベルト78の表面の残留トナーを除去および回収するクリーニング装置などを備える。
図3および図8に示すように、定着装置10は、加熱ローラ74および定着ローラ76の軸方向(長手方向)に対する定着ベルト78の基準位置からの位置ずれを検出するためのベルト端検出部84をさらに備える。ベルト端検出部84は、加熱ローラ74と定着ローラ76との間の位置において、定着ベルト78の回動軸方向(幅方向)における一方端部である前端部と対応する位置に設けられる。
ベルト端検出部84は、光センサ86とアーム部材88とを備える。光センサ86は、略U字状に形成される基体を有し、その対向する2つの辺のうち、一方にLEDを有する発光部が設けられ、他方にフォトダイオードを有する受光部が設けられる。一方、アーム部材88は、略L字状に形成され、一方端部に設けられるベルト端当接部88aと、他端部に設けられる遮閉部88bとを有する。このアーム部材88は、支軸88cを中心に、透光位置と遮光位置との間で回動可能に設けられる。
このようなベルト端検出部84では、定着ベルト78が基準位置(回動軸方向における中央位置)よりも前側に移動して、定着ベルト78の前端によってアーム部材88のベルト端当接部88aが前方に押されると、遮閉部88bが上方に移動してアーム部材88が透光位置となる。このとき、光センサ86の発光部から出力される光は、受光部で受光される。ベルト端検出部84は、光センサ86の受光部が受光状態のとき、つまり定着ベルト78の前端部を検出している状態のときには、第1出力値を制御部28(CPU150)に出力する。一方、アーム部材88は、定着ベルト78が基準位置よりも後側に移動して、ベルト端当接部88aに対する定着ベルト78の当接が解除されると、遮閉部88bが下方に移動して遮光位置となる。このとき、光センサ86の発光部から出力される光は、アーム部材88の遮閉部88bによって遮られる。ベルト端検出部84は、光センサ86の受光部が非受光状態のとき、つまり定着ベルト78の前端部を検出していない状態のときには、第2出力値を制御部28に出力する。
さらに、定着装置10は、作動機構110を備えている。この第1実施例では、図4に示すように、加圧ユニット72に作動機構110が設けられる。この作動機構110は、定着ベルト78に対して加圧ローラ80を離接方向に移動させることで、定着ベルト78に対する加圧ローラ80の当接圧(押圧力)を変更させたり、定着ベルト78に対して加圧ローラ80を完全に離間させたりする。また、作動機構110は、加圧ローラ80の後端部を支点として前端部を上下方向に揺動させることで、定着ベルト78の回動軸方向に対して加圧ローラ80を傾かせることが可能である。すなわち、作動機構110は、定着ベルト78に対する加圧ローラ80の当接圧を変更可能な当接圧変更機構(離接機構)と、定着ベルト78の回動軸方向に対して傾かせるように加圧ローラ80を揺動可能な揺動機構とを兼ねている。以下、作動機構110の構成について説明する。
図4~図6に示すように、作動機構110は、加圧ユニット72の両端部に設けられて、加圧ローラ80の軸方向と直交する方向に延びる一対の加圧レバー112を備える。加圧レバー112のそれぞれは、その中央部において、軸受114を介して加圧ローラ80のローラ軸80aを回転可能に支持する。また、加圧レバー112のそれぞれは、その一方端部(下端部)に、定着フレームに設けられた回動支軸116と係合する係合孔118を有する。回動支軸116は、定着ベルト78の軸方向と平行に延びるように設けられており、加圧レバー112は、回動支軸116を支点として定着ベルト78と離接する方向(左右方向)に回動可能である。加圧ローラ80は、この加圧レバー112の回動に伴い、定着ベルト78と離接する方向に変位する。さらに、前側の加圧レバー112に形成される係合孔118は、上下方向に長い長孔状に形成されており、前側の加圧レバー112は、上下方向に変位可能に設けられる。加圧ローラ80の前端部は、この前側の加圧レバー112の変位に伴って上下方向に変位し、これによって加圧ローラ80が定着ベルト78の回動軸方向に対して傾くように揺動(傾動)する。
また、加圧レバー112のそれぞれは、その他端部(上端部)に、付勢部材の一例である引張コイルばね(図示せず)の一方端部を係止する係止部120を有する。引張コイルばねの他端部は、定着フレームに係止されており、加圧レバー112(延いては加圧ローラ80)には、加圧ローラ80が定着ベルト78に圧接する方向(左方向)に所定の付勢力が作用する。
また、作動機構110は、定着ベルト78の回動軸方向と平行に延びるように設けられるカム軸122を備える。カム軸122の両端部は、定着フレームによって回転可能に支持される。カム軸122の両端部には、加圧レバー112の隣接位置に離接カム124が設けられ、加圧レバー112には、離接カム124との当接部126が設けられる。また、カム軸122の前端部には、離接カム124と隣り合って補正カム128が設けられ、前側の加圧レバー112には、補正カム128と係合するU字状のガイド130が設けられる。補正カム128は、カム軸122の軸中心に対して偏心する偏心カムである。さらに、カム軸122の後端部には、図示しないギアまたはギア列を介して第2モータ132(図13参照)が連結される。カム軸122は、第2モータ132からの駆動力を受けてその軸線回りに正逆方向に回転駆動され、離接カム124および補正カム128は、カム軸122と共に回転する。
図7に示すように、離接カム124は、領域R1において、カム軸122の軸中心からの距離が徐々に変化する形状となっている。このため、離接カム124は、第2モータ132からの回転駆動力を受けて、当接部126との当接位置が領域R1となる回転位置において正逆方向に回転することで、加圧レバー112を回動させることができ、定着ベルト78に対する加圧ローラ80の当接圧(押圧力)を変更することができる。なお、カム軸122の軸中心からの距離が最も遠くなる位置において離接カム124が当接部126と当接した状態(図5の状態)では、加圧ローラ80が定着ベルト78から離間した状態となる。
また、離接カム124は、領域R2において、カム軸122の軸中心からの距離が最短となる状態(つまり定着ローラ76と加圧ローラ80との軸間距離が一定となる状態)を保つ。補正カム128は、この領域R2を利用して加圧ローラ80を揺動させる。簡単に説明すると、補正カム128は、第2モータ132からの回転駆動力を受けて、カム軸122の軸中心からの距離が最も遠くなる最長部分Mが領域R3となる回転位置において正逆方向に回転する。すなわち、補正カム128は、基準角度Nを中心とする正回転側の最大回転位置である第1最大回転位置Nf(たとえば+50度)から逆回転側の最大回転位置である第2最大回転位置Nb(たとえば-50度)の領域R3内で回転する。そして、補正カム128は、ガイド130を押圧して前側の加圧レバー112を上下動させることで、加圧ローラ80の前端部を上下動させ、定着ベルト78の回動軸方向に対して傾くように加圧ローラ80を揺動させる。この際、加圧ローラ80の前端部は、図3に示すように、予め決められた基準位置X(加圧ローラ80が定着ローラ76と平行に延びる位置)を中心に所定範囲内で揺動する。すなわち、加圧ローラ80の前端部は、揺動方向一方側(上側)への最大移動位置である第1最大位置Y(たとえば+0.6mm)から揺動方向他方側(下側)への最大移動位置である第2最大位置Z(たとえば-0.6mm)までの範囲内で揺動することが可能である。
このような定着装置10においては、定着ベルト78が回動するに従い、懸架部材(加熱ローラ74および定着ローラ76)の軸方向中央部から定着ベルト78が位置ずれしてしまう場合があるので、定着ベルト78の蛇行を補正する蛇行補正制御が行われる。この第1実施例では、蛇行補正制御として、ベルト端検出部84が第1出力値を出力したとき、加圧ローラ80の一方端部が加圧ローラ80の揺動方向における一方側に移動するように作動機構110(揺動機構)を制御し、ベルト端検出部84が第2出力値を出力したとき、加圧ローラ80の一方端部が加圧ローラ80の揺動方向における他方側に移動するように作動機構110を制御することで、定着ベルト78の位置を中央側に戻すように補正する揺動制御が実行される。
すなわち、図9に示すように、定着ベルト78が前側に位置ずれしたときには、光センサ86が受光状態となってベルト端検出部84から第1出力値が出力される。この際には、補正カム128を正方向に回転させて、加圧ローラ80の前端部を上側に移動させる。このように加圧ローラ80を定着ベルト78に対して傾かせながら定着ベルト78を回動させることで、定着ベルト78を中央側(後側)に戻すことができる。一方、図10に示すように、定着ベルト78が後側に位置ずれしたときには、光センサ86が遮光状態となってベルト端検出部84から第2出力値が出力される。この際には、補正カム128を逆方向に回転させて、加圧ローラ80の前端部を下側に移動させる。このように加圧ローラ80を定着ベルト78に対して傾かせながら定着ベルト78を回動させることで、定着ベルト78を中央側(前側)に戻すことができる。
この際、加圧ローラ80の前端部は、予め決められた基準位置を中心に所定範囲内で揺動するように制御することが好ましい。この実施例では、加圧ローラ80の前端部は、第1最大位置Yから第2最大位置Zまでの範囲内で揺動される。この範囲は、加圧ローラ80が搬送する用紙にしわ等の悪影響が出ない範囲で設定される。これにより、用紙を安定して搬送することができる。
このような加圧ローラ80の前端部を上下動させる動作は、補正カム128を単位時間当たり所定角度(たとえば10度)だけ回転させる、つまり加圧ローラ80の前端部を単位時間当たり所定距離だけ移動させることで実行される。この際、単位時間としては定着ベルト78が一回りする周期(たとえば0.85秒)を用いることが好ましく、加圧ローラ80の前端部を上側または下側に単位時間ごとに段階的に移動させることが好ましい。すなわち、定着ベルト78が一回りする周期の間、定着ベルト78に対する加圧ローラ80の傾斜角度を一定にすることが好ましい。これによって、加圧ローラ80の前端部を上下動させた効果をベルト端検出部84によって確実に検出できる。
図11は、定着ベルト78が理想的に揺動制御されているときの補正カム128の角度位置Aと、ベルト端検出部84から出力されるセンサ信号Bとを示している。図11に示すように、定着ベルト78が理想的に揺動制御されている場合、補正カム128は、第1最大回転位置Nfおよび第2最大回転位置Nb(図7参照)に到達することなく、正回転側と逆回転側とに均等に回転される。つまり、加圧ローラ80の前端部は、第1最大位置Yおよび第2最大位置Z(図3参照)に到達することなく、基準位置Xを中心に揺動方向一方側(上側)と揺動方向他方側(下側)とに均等に揺動される。そして、ベルト端検出部84が第1出力値を出力している(つまり定着ベルト78の前端部を検出している)時間である第1出力時間CT1と、ベルト端検出部84が第2出力値を出力している(つまり定着ベルト78の前端部を検出していない)時間である第2出力時間CT2とは、同程度の値となる。なお、第1出力時間CT1と第2出力時間CT2とを足し合わせた値が、定着ベルト78の前端部の揺動周期となる。
上述のような揺動制御を採用することによって、定着ベルト78の片側(一方端部側)のみにベルト端検出部84を設けるという簡単な構成で、定着ベルト78の蛇行を適切に補正することができる。
ただし、定着装置10の各部品の寸法精度および組立ばらつき等によっては、定着ベルト78が前側または後側に片寄った状態で揺動制御されることが生じ得る。すなわち、定着ベルト78に蛇行し易い方向と蛇行し難い方向とが生じ得る。定着ベルト78が片側に寄った状態で揺動制御されると、定着ベルト78の端部位置がそれ以上フレーム側の寄らないように設けたガイド部材(図示せず)に対して定着ベルト78の端部が当接する時間が長くなり、定着ベルト78が破損してしまう恐れが生じる。
そこで、この第1実施例では、図12に示すように、定着ベルト78の揺動制御を実行する際に、以下に示す片寄補正制御(第1片寄補正制御)を実行することで、定着ベルト78が片側に寄った状態で揺動制御されることを防止するようにした。なお、図12では、定着ベルト78が後側に片寄った状態で揺動制御されているのを片寄補正制御によって補正したときの補正カム128の角度位置Aとベルト端検出部84のセンサ信号Bとを示している。以下、具体的に説明する。
この第1実施例の片寄補正制御では、定着ベルト78を回転させながら揺動制御を行い、この際にベルト端検出部84が第1出力値を出力している時間である第1出力時間CT1と、第2出力値を出力している時間である第2出力時間CT2とを検出して比較する。そして、第1出力時間CT1と第2出力時間CT2との差に基づいて、加圧ローラ80の前端部の移動条件を変更する。具体的には、第1出力時間CT1が第2出力時間CT2よりも所定時間a(たとえば定着ベルト78の3回動分の時間である2.55秒)以上大きいときには、加圧ローラ80の前端部を揺動方向一方側(上側)に移動させるときの単位時間当たりの移動距離である第1移動距離Q1が、揺動方向他方側(下側)に移動させるときの単位時間当たりの移動距離である第2移動距離Q2よりも大きくなる(たとえば2倍)ように、揺動機構(具体的には補正カム128の駆動源である第2モータ132)を制御する。一方、第2出力時間CT2が第1出力時間CT1よりも所定時間a以上大きいときには、第2移動距離Q2が第1移動距離Q1よりも大きくなるように揺動機構を制御する。また、第1出力時間CT1と第2出力時間CT2との差が所定時間aより小さい場合には、第1移動距離Q1と第2移動距離Q2とが同じになるように揺動機構を制御する。すなわち、第1出力時間CT1と第2出力時間CT2との差が所定時間a以上の場合(|CT1-CT2|≧a)には、第1移動距離Q1と第2移動距離Q2とを異ならせるように揺動機構を制御する(つまり片寄り易い側からは素早く中央側に戻すようにする)ことで、第1出力時間CT1と第2出力時間CT2との差を小さくする。これにより、定着ベルト78が片側に寄った状態で揺動制御されることを防止できる。つまり、懸架部材の長手方向における所定範囲内で安定して定着ベルト78を回動させることができるので、定着ベルト78の損傷を適切に防止できる。
この片寄補正制御を実行する前には、第1移動距離Q1と第2移動距離Q2とが同じとなるように揺動機構を制御する予備揺動制御(第1予備揺動制御)を実行し、この予備揺動制御時の第1出力時間CT1と第2出力時間CT2との差に基づいて、片寄補正制御を実行するかどうかを判定することが好ましい。第1移動距離Q1と第2移動距離Q2とを同じにした条件で揺動制御(予備揺動制御)を行うことで、定着ベルト78がどちら側に片寄り易いかを容易に判断できる。
また、片寄補正制御を実行する際にも、単位時間としては定着ベルト78が一回りする周期(たとえば0.85秒)を用いることが好ましく、加圧ローラ80の前端部を上側または下側に単位時間ごとに段階的に移動させることが好ましい。さらに、加圧ローラ80の前端部は、予め決められた基準位置を中心に所定範囲内で揺動するように制御することが好ましい。
図13は、画像形成装置100の電気的な構成の一例を示すブロック図である。図13に示すように、画像形成装置100は、CPU150を含む。CPU150には、バスを介して、RAM152、HDD154、操作ユニット156、画像読取装置14および画像形成部30などが接続される。CPU150、RAM152およびHDD154等によって制御部28が構成される。
CPU150は、HDD154に記憶されたプログラムに従って、定着装置10を含む画像形成装置100の全体的な制御を司る。また、CPU150は、揺動制御部などとして機能し、この第1実施例のイニシャル制御処理および揺動制御処理などを実行する。RAM152は、CPU150のワーキング領域およびバッファ領域として用いられる。HDD154は、CPU150が画像形成装置100の各部位の動作を制御するための制御プログラムおよび必要なデータ等を適宜記憶する。ただし、HDDに代えて、またはHDDとともに、SSD、フラッシュメモリ、EEPROMなどの他の不揮発性メモリが用いられてもよい。
操作ユニット156は、タッチパネル付きのディスプレイおよび操作ボタン等を含む。ディスプレイは、LCDなどの汎用のモニタであり、図示しない表示制御回路を介してCPU150に接続される。表示制御回路は、CPU150の指示の下、ディスプレイに種々の画面を表示するための表示画像データを生成し、生成した表示画像データをディスプレイに出力する。タッチパネルは、タッチ有効範囲内でのタッチ操作を検出して、そのタッチ操作の位置を示すタッチ座標データをCPU150に出力する。操作ボタンは、ハードウェアキーであり、ホームボタン、節電キーおよび電源ボタン等の各種のキーないしボタンを含む。
画像読取装置14および画像形成部30は、上記の通りであり、画像形成部30は、定着装置10などを含む。また、定着装置10は、熱源74a、ベルト端検出部84、第1モータ82および第2モータ132等を含む。
熱源74aは、上述のように、定着ベルト78を加熱するためのヒータであって、加熱ローラ74内に設けられる。熱源74aによって加熱された定着ベルト78の表面温度は、温度センサ(図示せず)によって検出される。CPU150は、温度センサによる検出結果に基づいて、定着ベルト78の表面温度が所望の定着温度となるように、熱源74aを制御する。
ベルト端検出部84は、上述のように、定着ベルト78の前端部を検出するためのセンサである。ベルト端検出部84は、CPU150からの指示に従い、定着ベルト78の前端部を検出している状態において第1出力値をCPU150に出力し、定着ベルト78の前端部を検出していない状態において第2出力値をCPU150に出力する。
第1モータ82は、定着ローラ76を回転駆動するためのステッピングモータ等のモータであって、CPU150からの制御信号に基づいて、定着ローラ76(延いては定着ベルト78)が所望の回転速度となるように、モータ軸を回転させる。
第2モータ132は、カム軸122を回転駆動するためのステッピングモータ等のモータであって、CPU150からの制御信号に基づいて、離接カム124および補正カム128が所望の回転位置となるように、モータ軸を回転させる。すなわち、CPU150は、第2モータ132のモータ軸の回転位置(角度)を制御することによって、離接カム124の回転位置を制御して、定着ベルト78と加圧ローラ80との当接圧を制御する。また、CPU150は、第2モータ132のモータ軸の回転位置を制御することによって、補正カム128の回転位置を制御して、加圧ローラ80の前端部を上下動させることで、定着ベルト78の回動軸方向に対する加圧ローラ80の傾斜角度を制御する。
図14は、RAM152のメモリマップ200の一例を示す図である。図14に示すように、RAM152は、プログラム記憶領域202およびデータ記憶領域204を含む。RAM152のプログラム記憶領域202には、操作検出プログラム202a、画像形成プログラム202b、揺動制御プログラム202cおよび片寄補正制御動プログラム202d等が記憶される。
操作検出プログラム202aは、操作ユニット156を含む画像形成装置100の各部への操作を検出するためのプログラムである。画像形成プログラム202bは、画像形成部30などを制御して、多色または単色の画像を用紙に印刷するためのプログラムである。揺動制御プログラム202cは、ベルト端検出部84の出力値に応じて、加圧ローラ80の一方端部が揺動方向一方側または他方側に移動するように第2モータ132を制御するためのプログラムである。片寄補正制御プログラム202dは、揺動制御プログラム202cに含まれるプログラムであり、第1出力時間CT1と第2出力時間CT2との差に基づいて、加圧ローラ80の一方端部の移動条件(Q1およびQ2など)を変更するためのプログラムである。
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域202には、CPU150で各種の機能を実行するための他のプログラムも適宜記憶される。
また、RAM152のデータ記憶領域204には、設定値テーブル204a、ベルト端検出データ204bおよびカム位置データ204cなどが記憶される。
設定値テーブル204aは、片寄補正制御を含む揺動制御の実行に用いられる設定値、たとえば、補正カム128を単位時間当たり所定角度だけ回転させる際のその単位時間および所定角度(基準値および変更値)、ならびに第1出力時間CT1と第2出力時間CT2との差を判定するための所定時間aなどのデータを記憶するテーブルである。ベルト端検出データ204bは、ベルト端検出部84からの出力値に関するデータである。カム位置データ204cは、離接カム124および補正カム128のカム位置を識別するためのデータであり、たとえば、第1最大回転位置Nfから第2最大回転位置Nbまでのどの位置に補正カム128の最長部分Mが位置しているのかを示すデータを含む。
なお、図示は省略するが、データ記憶領域204には、制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)またはレジスタが設けられたり、制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたりする。
上述のような定着装置10を含む画像形成装置100における動作は、CPU150がRAM152に読み出した制御プログラムを実行することによって実現される。以下、図15から図18に示すフロー図を用いて、定着装置10における定着ベルト78の揺動制御処理(片寄補正制御処理)の一例について説明する。
この第1実施例では、揺動制御処理を実行する前に、先ず、予備揺動制御処理を含むイニシャル制御処理が実行される。このイニシャル制御処理では、揺動制御処理において片寄補正制御処理を実行するかどうかが判定されると共に、揺動制御処理で用いる第1移動距離Q1および第2移動距離Q2などの条件が決定される。図15から図17のフロー図は、イニシャル制御処理の一例を示すものである。
図15に示すように、CPU150は、イニシャル制御処理を開始すると、ステップS1において、加圧ローラ80の位置を初期化する。ここでは、作動機構110の第2モータ132に制御信号を出力して、補正カム128の最長部分Mが基準角度Nの位置にくるように補正カム128を回転させ、加圧ローラ80の前端部を基準位置Xに移動させる。そして、このときのベルト端検出部84の出力値が第1出力値の場合は、加圧ローラ80の前端部を予め設定したP0距離だけ上側に移動させ、第2出力値の場合は、加圧ローラ80の前端部をP0距離だけ下側に移動させるように第2モータ132を制御する。
次のステップS3では、定着ベルト78の回動を開始する。ここでは、第1モータ82に制御信号を送信して、定着ローラ76を所定の回転速度で回転させることで、定着ベルト78を所定の回動速度で回動させる。なお、加圧ローラ80は、この定着ベルト78の回動に伴って従動回転する。
次のステップS5では、後述する予備揺動制御を実行する。ステップS5の処理が終了すると、ステップS7に進み、定着ベルト78の回動を停止、つまり第1モータ82を停止させる。その後、このイニシャル制御処理を終了し、揺動制御処理に進む。ただし、ステップS7で定着ベルト78の回動を停止させることなく、そのまま図18に示す揺動制御処理に進むこともできる。
図16に示すように、予備揺動制御を開始すると、CPU150は、ステップS11において、第1移動距離Q1および第2移動距離Q2を基準距離P1(つまり同じ値)に設定する。また、第1周期カウンタC1および第2周期カウンタC2を0に設定すると共に、第1出力時間CT1および第2出力時間CT2を0に設定する。
次のステップS13では、定着ベルト78が一周したかどうかを判断する。ステップS13で“NO”であれば、定着ベルト78が一周するまで待ち、ステップS13で“YES”であれば、ステップS15に進む。ステップS15では、第1出力時間CT1および第2出力時間CT2のいずれかが0かどうかを判断する。ステップS15で“YES”であれば、つまり第1出力時間CT1および第2出力時間CT2の少なくとも一方が0の場合には、ステップS17に進む。
ステップS17では、ベルト端検出部84の出力値が第1出力値かどうかを判断する。ステップS17で“YES”であれば、つまり第1出力値を検出した場合は、ステップS19に進む。ステップS19では、前回(一周前)のベルト端検出部84の出力値が第2出力値かどうかを判断する。ステップS19で“YES”であれば、つまりベルト端検出部84の出力値が第2出力値から第1出力値に切り替わった場合には、ステップS21に進む。ステップS21では、第2出力時間CT2を第2周期カウンタC2の値に設定すると共に、第1周期カウンタC1をインクリメントする。一方、ステップS19で“NO”であれば、つまり第1出力値の検出が連続した場合または最初の出力値が第1出力値である場合には、ステップS23に進む。ステップS23では、第1周期カウンタC1をインクリメントする。ステップS21またはステップS23の処理が終了すると、ステップS25に進む。
ステップS25では、加圧ローラ80の前端部が第1最大位置Yに到達しているかどうか、つまり補正カム128のカム位置が第1最大回転位置Nfにあるかどうかを判断する。ステップS25で“YES”であれば、加圧ローラ80の前端部を移動させることなく、そのままステップS13に戻る。一方、ステップS25で“NO”であれば、ステップS27に進む。ステップS27では、作動機構110の第2モータ132に制御信号を出力して、補正カム128を正回転方向に所定角度だけ回転させて、加圧ローラ80の前端部を揺動方向一方側(上側)に第1移動距離Q1(つまり基準距離P1)だけ移動させる。ステップS27の処理が終了すると、ステップS13に戻る。
また、ステップS17で“NO”であれば、つまり第2出力値を検出した場合は、ステップS29に進む。ステップS29では、前回(一周前)のベルト端検出部84の出力値が第1出力値かどうかを判断する。ステップS29で“YES”であれば、つまりベルト端検出部84の出力値が第1出力値から第2出力値に切り替わった場合には、ステップS31に進む。ステップS31では、第1出力時間CT1を第1周期カウンタC1の値に設定すると共に、第2周期カウンタC2をインクリメントする。一方、ステップS29で“NO”であれば、つまり第2出力値の検出が連続した場合または最初の出力値が第2出力値である場合には、ステップS33に進む。ステップS33では、第2周期カウンタC2をインクリメントする。ステップS31またはステップS33の処理が終了すると、ステップS35に進む。
ステップS35では、加圧ローラ80の前端部が第2最大位置Zに到達しているかどうか、つまり補正カム128のカム位置が第2最大回転位置Nbにあるかどうかを判断する。ステップS35で“YES”であれば、加圧ローラ80の前端部を移動させることなく、そのままステップS13に戻る。一方、ステップS35で“NO”であれば、ステップS37に進む。ステップS37では、作動機構110の第2モータ132に制御信号を出力して、補正カム128を逆回転方向に所定角度だけ回転させて、加圧ローラ80の前端部を揺動方向他方側(下側)に第2移動距離Q2(つまりP1)だけ移動させる。ステップS37の処理が終了すると、ステップS13に戻る。
また、ステップS15で“NO”であれば、つまり第1出力時間CT1および第2出力時間CT2の双方が0でない場合(言い換えると、加圧ローラ80の前端部の揺動周期が一回りした場合)には、図17に示すステップS41に進む。
図17に示すように、ステップS41では、第1出力時間CT1が第2出力時間CT2よりも所定時間a以上大きいかどうかを判断する。ステップS41で“YES”であれば、つまり第1出力時間CT1が第2出力時間CT2よりも所定時間a以上大きい場合には、揺動制御処理において片寄補正制御処理を実行する必要があると判断して、ステップS43に進む。ステップS43では、第1移動距離Q1を変更距離P2に設定すると共に、第2移動距離Q2を基準距離P1に設定する。ここで、変更距離P2は、基準距離P1よりも大きい値であり、たとえば基準距離P1の2倍の値に予め設定されている。
一方、ステップS41で“NO”であれば、ステップS45に進む。ステップS45では、第2出力時間CT2が第1出力時間CT1よりも所定時間a以上大きいかどうかを判断する。ステップS45で“YES”であれば、つまり第2出力時間CT2が第1出力時間CT1よりも所定時間a以上大きい場合には、揺動制御処理において片寄補正制御処理を実行する必要があると判断して、ステップS47に進む。ステップS47では、第1移動距離Q1を基準距離P1に設定すると共に、第2移動距離Q2を変更距離P2に設定する。
また、ステップS45で“NO”であれば、つまり第1出力時間CT1と第2出力時間CT2との差が所定時間a未満の場合には、揺動制御処理において片寄補正制御処理を実行する必要はないと判断して、ステップS49に進む。ステップS49では、第1移動距離Q1および第2移動距離Q2の双方を同じ基準距離P1に設定する。ステップS43、ステップS47またはステップS49の処理が終了すると、予備揺動制御処理を終了し、図15に示すステップS7に進む。
続いて、図18を参照して、揺動処理について説明する。この揺動処理では、予備揺動制御処理で設定した第1移動距離Q1および第2移動距離Q2が用いられる。すなわち、第1出力時間CT1と第2出力時間CT2との差が所定時間a以上の場合には、第1移動距離Q1と第2移動距離Q2とが異なる値に設定された片寄補正制御を含む揺動制御が実行される。また、第1出力時間CT1と第2出力時間CT2との差が所定時間a未満の場合には、第1移動距離Q1と第2移動距離Q2とが同じ値に設定された通常の揺動制御が実行される。
図18に示すように、CPU150は、揺動制御処理を開始すると、ステップS51において、定着ベルト78の回動を開始する。次のステップS53では、定着ベルト78が一周したかどうかを判断する。ステップS53で“NO”であれば、定着ベルト78が一周するまで待ち、ステップS53で“YES”であれば、ステップS55に進む。ステップS55では、この揺動制御処理を終了するかどうかを判断する。ステップS55で“YES”であれば、定着ベルト78の回転を停止し、この揺動制御処理を終了する。一方、ステップS55で“NO”であれば、ステップS57に進む。
ステップS57では、ベルト端検出部84の出力値が第1出力値かどうかを判断する。ステップS57で“YES”であれば、つまり第1出力値を検出した場合は、ステップS59に進む。ステップS59では、加圧ローラ80の前端部が第1最大位置Yに到達しているかどうかを判断する。ステップS59で“YES”であれば、加圧ローラ80の前端部を移動させることなく、そのままステップS53に戻る。一方、ステップS59で“NO”であれば、ステップS61に進む。ステップS61では、作動機構110の第2モータ132に制御信号を出力して、加圧ローラ80の前端部を揺動方向一方側に第1移動距離Q1だけ移動させる。ステップS61の処理が終了すると、ステップS53に戻る。
一方、ステップS57で“NO”であれば、つまり第2出力値を検出した場合は、ステップS63に進む。ステップS63では、加圧ローラ80の前端部が第2最大位置Zに到達しているかどうかを判断する。ステップS63で“YES”であれば、加圧ローラ80の前端部を移動させることなく、そのままステップS53に戻る。一方、ステップS63で“NO”であれば、ステップS65に進む。ステップS65では、作動機構110の第2モータ132に制御信号を出力して、加圧ローラ80の前端部を揺動方向他方側に第2移動距離Q2だけ移動させる。ステップS65の処理が終了すると、ステップS53に戻る。
以上のように、この第1実施例によれば、片寄補正制御を実行するので、簡単な構成で、定着ベルト78が片側に寄った状態で揺動制御されることを防止できる。つまり、懸架部材(加熱ローラ74および定着ローラ76)の長手方向における所定範囲内で安定して定着ベルト78を回動させることができるので、定着ベルト78の損傷を適切に防止できる。
[第2実施例]
次に、図19~図21を参照して、この発明の第2実施例の定着装置10において実行される片寄補正制御(第2片寄補正制御)ついて説明する。この第2実施例では、図15のステップS5における予備揺動制御の処理が上述の第1実施例と異なる。その他の部分については同様であるので、上述の第1実施例と重複する説明は、省略または簡略化する。なお、図19では、定着ベルト78が前側に片寄った状態で揺動制御されているのを片寄補正制御によって補正したときの補正カム128の角度位置Aとベルト端検出部84のセンサ信号Bとを示している。
上述の第1実施例では、ベルト端検出部84の出力値に基づいて第1移動距離Q1および第2移動距離Q2を設定したが、この第2実施例では、加圧ローラ80の前端部の位置情報(補正カム128の回転位置情報)に基づいて第1移動距離Q1および第2移動距離Q2を設定する。すなわち、図19に示すように、第2実施例の片寄補正制御では、定着ベルト78を回転させながら揺動制御を行い、この揺動制御中に、加圧ローラ80の前端部が第1最大位置Yまたは第2最大位置Zに達した場合は、その位置を維持する維持時間(第1維持時間DT1または第2維持時間DT2)を計測する。そして、第1維持時間DT1または第2維持時間DT2に基づいて、加圧ローラ80の前端部の移動条件を変更したり、エラー通知を実行したりする。
具体的には、加圧ローラ80の前端部が第1最大位置Yを維持する第1維持時間DT1が第1所定時間b(たとえば定着ベルト78の4回動分の時間である3.4秒)以上になったときには、第1移動距離Q1が第2移動距離Q2よりも大きくなる(たとえば2倍)ように揺動機構を制御する。一方、加圧ローラ80の前端部が第2最大位置Zを維持する第2維持時間DT2が第1所定時間b以上になったときには、第2移動距離Q2が第1移動距離Q1よりも大きくなるように揺動機構を制御する。また、第1維持時間DT1または第2維持時間DT2のいずれかが第1所定時間bよりも大きい第2所定時間c(たとえば定着ベルト78の10回動分の時間である8.5秒)以上になったときには、蛇行補正不可と判断して、定着ベルト78の回動を停止すると共に、エラー通知を実行する。すなわち、揺動機構の調整が必要であることをディスプレイ(報知部の一例)に表示する等して報知する。
以下、図20および図21に示すフロー図を用いて、第2実施例の揺動制御処理(片寄補正制御処理)について説明する。この第2実施例においても、揺動制御処理を実行する前に、先ず、予備揺動制御処理を含むイニシャル制御処理が実行される。上述の第1実施例とは図15に示すステップS5における予備揺動制御処理が異なるだけなので、ここではS5の予備揺動制御(第2予備揺動制御)処理についてのみ説明する。
図20に示すように、予備揺動制御を開始すると、CPU150は、ステップS71において、第1移動距離Q1および第2移動距離Q2を基準距離P1(つまり同じ値)に設定する。また、第1周期カウンタD1および第2周期カウンタD2を0に設定すると共に、第1維持時間DT1および第2維持時間DT2を0に設定する。
次のステップS73では、定着ベルト78が一周したかどうかを判断する。ステップS73で“NO”であれば、定着ベルト78が一周するまで待ち、ステップS73で“YES”であれば、ステップS75に進む。ステップS75では、第1維持時間DT1および第2維持時間DT2の双方が0かどうかを判断する。ステップS75で“YES”であれば、つまり第1維持時間DT1および第2維持時間DT2の少なくとも一方が0でない場合には、ステップS77に進む。
ステップS77では、第1維持時間DT1または第2維持時間DT2が第1所定時間b以上かどうかを判断する。ステップS77で“NO”であれば、つまり第1維持時間DT1または第2維持時間DT2が第1所定時間b未満の場合には、ステップS79に進む。
ステップS79では、加圧ローラ80の前端部の揺動周期が一周したかどうかを判断する。ステップS79で“YES”であれば、つまり第1維持時間DT1または第2維持時間DT2が第1所定時間bになることなく加圧ローラ80の前端部の揺動周期が一回りした場合には、揺動制御処理において片寄補正制御処理を実行する必要はないと判断して、ステップS81に進む。ステップS81では、第1移動距離Q1および第2移動距離Q2の双方を同じ基準距離P1に設定する。ステップS81の処理が終了すると、予備揺動制御処理を終了し、図15に示すステップS7に進む。
一方、ステップS79で“NO”であれば、つまり加圧ローラ80の前端部の揺動周期が一回りしていない場合には、ステップS83に進む。ステップS83では、ベルト端検出部84の出力値が第1出力値かどうかを判断する。ステップS83で“YES”であれば、つまり第1出力値を検出した場合は、ステップS85に進む。ステップS85では、前回(一周前)のベルト端検出部84の出力値が第2出力値かどうかを判断する。ステップS85で“YES”であれば、つまりベルト端検出部84の出力値が第2出力値から第1出力値に切り替わった場合には、ステップS87に進む。ステップS87では、第2維持時間DT2を第2周期カウンタD2の値に設定し、ステップS89に進む。一方、ステップS85で“NO”であれば、つまり第1出力値の検出が連続した場合または最初の出力値が第1出力値である場合には、ステップS89に進む。
ステップS89では、加圧ローラ80の前端部が第1最大位置Yに到達しているかどうかを判断する。ステップS89で“YES”であれば、加圧ローラ80の前端部を移動させることなく、ステップS91に進む。ステップS91では、第1周期カウンタD1をインクリメントし、その後、ステップS73に戻る。一方、ステップS89で“NO”であれば、ステップS93に進む。ステップS93では、作動機構110の第2モータ132に制御信号を出力して、加圧ローラ80の前端部を揺動方向一方側に第1移動距離Q1(つまり基準距離P1)だけ移動させる。ステップS93の処理が終了すると、ステップS73に戻る。
また、ステップS83で“NO”であれば、つまり第2出力値を検出した場合は、ステップS95に進む。ステップS95では、前回(一周前)のベルト端検出部84の出力値が第1出力値かどうかを判断する。ステップS95で“YES”であれば、つまりベルト端検出部84の出力値が第1出力値から第2出力値に切り替わった場合には、ステップS97に進む。ステップS97では、第1維持時間DT1を第1周期カウンタD1の値に設定し、ステップS99に進む。一方、ステップS95で“NO”であれば、つまり第2出力値の検出が連続した場合または最初の出力値が第2出力値である場合には、ステップS99に進む。
ステップS99では、加圧ローラ80の前端部が第2最大位置Zに到達しているかどうかを判断する。ステップS99で“YES”であれば、加圧ローラ80の前端部を移動させることなく、ステップS101に進む。ステップS101では、第2周期カウンタD2をインクリメントし、ステップS73に戻る。一方、ステップS99で“NO”であれば、ステップS103に進む。ステップS103では、作動機構110の第2モータ132に制御信号を出力して、加圧ローラ80の前端部を揺動方向他方側に第2移動距離Q2(つまりP1)だけ移動させる。ステップS103の処理が終了すると、ステップS73に戻る。
また、ステップS77で“YES”であれば、つまり第1維持時間DT1または第2維持時間DT2が第1所定時間b以上の場合には、図21に示すステップS111に進む。
図21に示すように、ステップS111では、第1維持時間DT1が第2所定時間c未満かどうかを判断する。ステップS111で“YES”であれば、つまり第1維持時間DT1が第1所定時間b以上であってかつ第2所定時間c未満の場合には、揺動制御処理において片寄補正制御処理を実行する必要があると判断して、ステップS113に進む。ステップS113では、第1移動距離Q1を変更距離P2に設定すると共に、第2移動距離Q2を基準距離P1に設定する。
一方、ステップS111で“NO”であれば、ステップS115に進む。ステップS115では、第2維持時間DT2が第2所定時間c未満かどうかを判断する。ステップS115で“YES”であれば、つまり第2維持時間DT2が第1所定時間b以上であってかつ第2所定時間c未満の場合には、揺動制御処理において片寄補正制御処理を実行する必要があると判断して、ステップS117に進む。ステップS117では、第1移動距離Q1を基準距離P1に設定すると共に、第2移動距離Q2を変更距離P2に設定する。
また、ステップS115で“NO”であれば、つまり第1維持時間DT1または第2維持時間DT2が第2所定時間c以上の場合には、蛇行補正不可と判断して、第1モータ82および操作ユニット156に制御信号を送信して、定着ベルト78の回動を停止すると共にエラー通知を実行する。ステップS113、ステップS115またはテップS119の処理が終了すると、予備揺動制御処理を終了し、図15に示すステップS7に進む。
以上のように、第2実施例によれば、第1実施例と同様の作用効果を奏し、簡単な構成で、定着ベルト78が片側に寄った状態で揺動制御されることを防止できる。つまり、懸架部材の長手方向における所定範囲内で安定して定着ベルト78を回動させることができるので、定着ベルト78の損傷を適切に防止できる。また、第2実施例によれば、加圧ローラ80の前端部の位置情報に基づいてその移動条件を変更するので、揺動機構による揺動範囲が限界に近くても適切に定着ベルト78を回動(走行)させることができる。
なお、定着装置の具体的構成は、適宜変更可能である。たとえば、上述の実施例では、内接部材として回転可能なローラ部材(定着ローラ)を用いているが、内接部材としては、回転しないパッド部材(定着パッド)を用いることもできる。
また、上述の実施例では、ベルト回動装置の一例として定着装置を例示したが、ベルト回動装置は、転写装置であってもよい。この場合、中間転写ベルトがベルトとして機能し、駆動ローラが内接部材として機能し、転写ローラが加圧ローラとして機能する。また、ベルト回動装置は、画像形成装置以外の他の装置に適用することもできる。
さらに、上述の実施例では、画像形成装置として、複写機、ファクシミリおよびプリンタ等を組み合わせた複合機を例示したが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリおよびプリンタ等のいずれか、またはこれらの少なくとも2つを組み合わせた複合機であってもよい。
なお、上で挙げた具体的数値および材質などは、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
10 …定着装置(ベルト回動装置)
28 …制御部
30 …画像形成部
42 …転写装置
74 …加熱ローラ
76 …定着ローラ(内接部材)
78 …定着ベルト(ベルト)
80 …加圧ローラ
84 …ベルト端検出部
100 …画像形成装置
110 …作動機構(揺動機構)
150 …CPU(揺動制御部)
152 …RAM
154 …HDD

Claims (9)

  1. 回動可能に設けられた無端状のベルトを備えるベルト回動装置であって、
    前記ベルトに内接する内接部材、
    前記ベルトの回動軸方向に延びるように設けられ、前記内接部材との間で前記ベルトを押圧する加圧ローラ、
    前記ベルトの回動軸方向における一方端部と対応する位置に設けられ、当該ベルトの一方端部を検出している状態において第1出力値を出力し、当該ベルトの一方端部を検出していない状態において第2出力値を出力するベルト端検出部、
    前記ベルトの回動軸方向に対して傾かせるように前記加圧ローラを揺動可能な揺動機構、および
    前記ベルト端検出部が前記第1出力値を出力したとき、前記加圧ローラの一方端部が当該加圧ローラの揺動方向における一方側に移動するように前記揺動機構を制御し、前記ベルト端検出部が前記第2出力値を出力したとき、前記加圧ローラの一方端部が当該加圧ローラの揺動方向における他方側に移動するように前記揺動機構を制御することで、前記ベルトの位置を中央側に戻すように補正する揺動制御部を備え、
    前記揺動制御部は、前記ベルト端検出部が前記第1出力値を出力している時間である第1出力時間と前記第2出力値を出力している時間である第2出力時間とを比較して、前記第1出力時間が前記第2出力時間よりも所定時間以上大きいとき、前記加圧ローラの一方端部を前記一方側に移動させるときの単位時間当たりの移動距離である第1移動距離が当該加圧ローラの一方端部を前記他方側に移動させるときの単位時間当たりの移動距離である第2移動距離よりも大きくなるように前記揺動機構を制御し、前記第2出力時間が前記第1出力時間よりも所定時間以上大きいとき、前記第2移動距離が前記第1移動距離よりも大きくなるように前記揺動機構を制御する第1片寄補正制御を実行する、ベルト回動装置。
  2. 前記揺動制御部は、前記第1移動距離と前記第2移動距離とが同じとなるように前記揺動機構を制御する第1予備揺動制御を実行し、前記第1予備揺動制御時の前記第1出力時間と前記第2出力時間との差に基づいて前記第1片寄補正制御を実行するかどうかを判定する、請求項1記載のベルト回動装置。
  3. 前記揺動制御部は、前記単位時間として前記ベルトが一回りする周期を用い、前記第1片寄補正制御時において前記加圧ローラの一方端部を前記一方側または前記他方側に前記単位時間ごとに段階的に移動させる、請求項1または2記載のベルト回動装置。
  4. 前記ベルトを加熱する熱源をさらに備え、
    前記熱源によって加熱された前記ベルトと前記加圧ローラとの間でシートを挟持搬送することで前記シートを加熱する、請求項1から3のいずれかに記載のベルト回動装置。
  5. 前記揺動制御部は、前記加圧ローラの一方端部が予め決められた基準位置を中心に所定範囲内で揺動するように前記揺動機構を制御する、請求項1から4のいずれかに記載のベルト回動装置。
  6. 回動可能に設けられた無端状のベルトを備えるベルト回動装置であって、
    前記ベルトに内接される内接部材、
    前記ベルトの回動軸方向に延びるように設けられ、前記内接部材との間で前記ベルトを押圧して当該ベルトと共に回転する加圧ローラ、
    前記ベルトの回動軸方向における一方端部と対応する位置に設けられ、当該ベルトの一方端部を検出している状態において第1出力値を出力し、当該ベルトの一方端部を検出していない状態において第2出力値を出力するベルト端検出部、
    前記ベルトの回動軸方向に対して傾かせるように前記加圧ローラを揺動可能な揺動機構、および
    前記ベルト端検出部が前記第1出力値を出力したとき、前記加圧ローラの一方端部が当該加圧ローラの揺動方向における一方側に移動するように前記揺動機構を制御し、前記ベルト端検出部が前記第2出力値を出力したとき、前記加圧ローラの一方端部が当該加圧ローラの揺動方向における他方側に移動するように前記揺動機構を制御することで、前記ベルトの位置を中央側に戻すように補正する揺動制御部を備え、
    前記揺動制御部は、前記加圧ローラの一方端部が予め決められた基準位置を中心に所定範囲内で揺動するように前記揺動機構を制御すると共に、前記加圧ローラの一方端部が前記一方側への最大移動位置である第1最大位置を維持する第1維持時間が第1所定時間以上になったとき、前記加圧ローラの一方端部を前記一方側に移動させるときの単位時間当たりの移動距離である第1移動距離が当該加圧ローラの一方端部を前記他方側に移動させるときの単位時間当たりの移動距離である第2移動距離よりも大きくなるように前記揺動機構を制御し、前記加圧ローラの一方端部が前記他方側への最大移動位置である第2最大位置を維持する第2維持時間が前記第1所定時間以上になったとき、前記第2移動距離が前記第1移動距離よりも大きくなるように前記揺動機構を制御する第2片寄補正制御を実行する、ベルト回動装置。
  7. 前記揺動制御部は、前記第2片寄補正制御を実行する前に、前記第1移動距離と前記第2移動距離とが同じとなるように前記揺動機構を制御する第2予備揺動制御を実行し、前記第2予備揺動制御時の前記第1維持時間または前記第2維持時間に基づいて前記第2片寄補正制御を実行するかどうかを判定する、請求項6記載のベルト回動装置。
  8. 前記第1維持時間または前記第2維持時間が前記第1所定時間よりも長い第2所定時間以上になったとき、前記揺動機構の調整が必要であることを報知する報知部をさらに備える、請求項6または7記載のベルト回動装置。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のベルト回動装置を備える、画像形成装置。
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