JP2023128569A - 蓄電池の充放電制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電池に対して適切な充放電が可能な蓄電池の充放電制御システムを提供する。【解決手段】充放電制御システム10は、太陽電池モジュール12で発電された電力、蓄電池14に蓄電された電力、送電系統(グリッド)16から送電されてきた電力の少なくとも1つを利用して負荷18に電力供給するシステムである。充放電制御システム10は、太陽電池モジュール12、蓄電池14、第1検知部20、充放電部22、電力変換部24、第2検知部26、制御部28および記憶部30を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電池の充電および放電を制御する蓄電池の充放電制御システムに関するものである。
下記特許文献1は過去のデータに基づいて翌日の太陽電池の発電量と消費電力を予測し、夜間に蓄電池に充電するシステムが開示されている。特許文献1は、予測に基づいて必要以上に蓄電池に充電しないようにすることで、昼間の太陽電池の発電電力を蓄電池に蓄電できる容量を確保できるようにしている。
しかし、太陽電池の発電電力は天候に左右され、消費電力は人間活動に左右される。予測した発電電力と消費電力が実際の発電電力と消費電力に完全一致しない場合がある。特許文献1は太陽電池で発電された電力を充電に利用できなかったり、商用電力網からの電力で余計な充電をしすぎたりするおそれがある。
特開2015-213389
本発明の目的は蓄電池に対して適切な充放電が可能な蓄電池の充放電制御システムを提供することにある。
本発明の蓄電池の充放電制御システムは、電力を蓄電する蓄電池と、前記蓄電池の充電率を検知する第1検知部と、前記蓄電池の充放電を制御する充放電部と、送電系統から送電されてくる電力を所定の電力に変換する電力変換部と、負荷で使用される電力を検知する第2検知部と、前記充放電部と電力変換部を制御することで、負荷に供給する電力として前記蓄電池に蓄電された電力または送電系統から送電されてくる電力のいずれかを選択し、蓄電池の充放電を制御する制御部と、前記負荷の電力使用状況を含むデータを記憶した記憶部とを備える。前記蓄電池の充電率において、蓄電池に充電を開始する第1閾値および蓄電池への充電を停止する第2閾値を有し、前記制御部は、記憶部に記憶されたデータ、第1検知部で検知される蓄電池の充電率および第2検知部で検知される負荷の使用電力に基づいて第1閾値および第2閾値を変更する。
本発明によると、第1閾値および第2閾値を柔軟に変更することで、蓄電池の充放電が制御され、適切に蓄電池の充放電を行うことができる。
本発明の充放電制御システムの構成を示すブロック図である。 太陽電池パネルの発電電力で蓄電池を充電するときの制御を示す図である。 送電系統の電力で蓄電池を充電するときの制御を示す図である。 予測と異なり負荷の使用電力が大きかった時の制御を示す図である。 予測と異なり太陽電池パネルで発電された時の制御を示す図である。 太陽電池パネルが省略された充放電制御システムの構成を示すブロック図である。 送電系統の電力で蓄電池を充電するときの制御を示す図である。 予測と異なり負荷の使用電力が大きくなった時の制御を示す図である。 途中で予測と異なり負荷の使用電力が大きくなった時の制御を示す図である。 気象条件を含めて蓄電池の充放電を制御する充放電制御システムの構成を示すブロック図である。 通信部を備えた充放電制御システムの構成を示すブロック図である。
本願の蓄電池の充放電制御システムについて図面を用いて説明する。複数の実施形態を説明するが、一の実施形態と他の実施形態の同一の構成について、一の実施形態で説明して他の実施形態で説明を省略する場合がある。各実施形態は独立したものではなく、適宜組み合わせてもよい。
[実施形態1]
図1に示す充放電制御システム10は、太陽電池モジュール12で発電された電力、蓄電池14に蓄電された電力、送電系統(グリッド)16から送電されてきた電力の少なくとも1つを利用して負荷18に電力供給するシステムである。
充放電制御システム10は、太陽電池モジュール12、蓄電池14、第1検知部20、充放電部22、電力変換部24、第2検知部26、制御部28および記憶部30を備える。各部の装置は後述するような動作をするハードウェア、ソフトウェアまたはその両方によって構成される。
太陽電池モジュール12は太陽光が照射されることで発電する装置である。発電された電力は蓄電池14に蓄電されたり、負荷18で消費されたりする。太陽電池モジュール12の設置場所は特に限定されず、日当たりのよい屋根の上や地上に設置される。
蓄電池14は太陽電池モジュール12で発電された電力および送電系統16から送電されてくる電力を充電する。太陽電池モジュール12で発電される電力が負荷18の消費電力よりも高ければ、発電された電力を蓄電する。太陽電池モジュール12で発電される電力が負荷18の消費電力よりも低ければ、送電系統16の電力を蓄電する。
第1検知部20は蓄電池14の充電率(放電可能量)を測定するための回路等である。第1検知部20は蓄電池14の端子電圧を測定して充電率を求める方式、蓄電池14の充放電時の電流値を測定して充電率を求める方式、上記方式に温度特性や放電特性を加味する方式など、種々の方式を利用する回路等を利用できる。検知された充電率は制御部28に入力される。
充放電部22は蓄電池14への電力の充電と放電を制御する回路等である。制御部28によって充放電部22は制御される。充放電部22は太陽電池モジュール12または送電系統16からの電力を蓄電池14に充電したり、蓄電池14に蓄電された電力が負荷18で使用できるように放電したりする。
電力変換部24は負荷18で消費される電力に変換するための回路等である。たとえば、電力変換部24は負荷18で使用できる周波数および電圧の電力に変換する。太陽電池モジュール12、蓄電池14または送電系統16の少なくとも1つの電力が電力変換部24で変換され、負荷18に供給される。また、電力変換部24は蓄電池14に充電するための電力にも変換する。太陽電池モジュール12または送電系統16の電力が電力変換部24で変換され、充放電部22によって蓄電池14に充電する。制御部28によって電力変換部24は制御される。電力変換部24は蓄電池14の電力を変換する回路等、太陽電池モジュール12の電力を変換する回路等、および送電系統24の電力を変換する回路等がそれぞれ独立していてもよいし、1つにまとめられていてもよい。
第2検知部26は負荷18で消費される電力を検知する回路等である。第2検知部26は電力量計などの装置が使用されてもよい。第2検知部26で検知された値は制御部28に入力される。
制御部28は充放電部22と電力変換部24を制御する装置である。充放電部22と電力変換部24が制御されることで、負荷18への電力供給と蓄電池14の充放電が制御される。制御部28は第1検知部20から入力された値、第2検知部26から入力された値および記憶部30のデータを用いて制御方法を決定する。
記憶部30は負荷18の電力使用状況のデータ32および太陽電池モジュール12の発電状況のデータ34を記憶している装置である。これらのデータ32、34は制御部28に利用される。負荷18の電力使用状況のデータ32は過去の電力使用状況であり、太陽電池モジュール12の発電状況のデータ34は過去の発電状況である。
本システム10は時計部36およびカレンダー部38を備える。時計部36は日および時間を発信する装置であり、日および時間が制御部28に入力される。カレンダー部38は各日の日の出および日の入りの時刻を記憶し、制御装置28に入力する装置である。日、時間、日の出および日の入り時刻がわかることで太陽電池モジュール12の発電電力を予測できる。また、日および時間がわかることで人間活動を予測することができ、負荷18の使用電力を予測することもできる。
次に制御部28がおこなう制御方法について説明する。制御部28が充放電部22と電力変換部24を制御することで、蓄電池14の充放電が制御される。
図2の横軸は時間であり、縦軸は蓄電池14の充電率(蓄電率)である。横軸の時間T1は負荷18の電力消費が無くなる時間、時間T2は日の入時間、時間T3は日の出時間、時間T4は負荷18の電力消費が始まる時間である。
縦軸のAが蓄電池14に充電を開始する第1閾値であり、Bが蓄電池14への充電を停止する第2閾値であり、Cが蓄電池14を劣化させない最低充電率とする。第1閾値Aが第3閾値Cよりも高く設定しておくことで、蓄電池14が第3閾値C以下になることを防止し、蓄電池14の過放電による劣化を防止する。後述するように第1閾値は変更されるが、第3閾値Cよりも高く値で維持される。第2閾値は最初に充電率100%にすることはない。第2閾値が太陽電池モジュール12で発電される前に充電率100%になっていないことで、蓄電池14に充電できる容量を確保する。
図2において、時間T1以前(日中)に蓄電池14の電力を放電して負荷18に供給している。その際、送電系統16からの電力は負荷18に供給されず、蓄電池14の充電にも使用していない。
時間T1に充電率が第1閾値Aになっている。たとえば、制御部28が記憶部30に記憶された負荷18の過去の電力使用状況のデータ32を利用して時間T1以降の電力使用状況を予測する。時間T1から時間T4まで負荷18の電力使用が無いと予測したとする。さらに、時間T3以降、太陽の日差しによって太陽電池モジュール12が発電し、その電力で負荷18の消費電力を賄え、蓄電池14にも充電できると予測したとする。時間T1に第1閾値をAからA1に下げ、蓄電池14に充電をおこなわない。
時間T3になれば太陽の日差しによって太陽電池モジュール12が発電し、蓄電池14に充電が開始される。時間T4以降になれば、太陽電池モジュール12で発電された電力は負荷18に電力供給しつつ、蓄電池14に充電される。時間T3からT4の間よりも時間T4以降の充電率の上昇率が低くなる。
以上のように蓄電池14に電力を充電していく。太陽電池モジュール12で発電されない、または発電された電力が負荷18の消費電力よりも低い場合、蓄電池14の電力を放電することで、時間T1以前のように蓄電池14の充電率が低下していく。なお、時間T3に蓄電池14に電力が蓄電され始めた後、第1閾値をA1からAに戻してもよい。
また、時間T3以降に太陽電池モジュール12で発電されない場合の制御の様子を図3に示す。時間T4以降に負荷18の消費電力を予測し、時間T4から逆算して所定の充電率、たとえば第2閾値Bになるように蓄電池14に電力を充電する。たとえば、時間T1で第1閾値をAからA1に下げ、時間T5で第1閾値をAに戻す。時間T5に、制御部28が充放電部22と電力変換部24を制御することで、蓄電池14に充電を開始する。この時、太陽電池モジュール12は発電しないため、送電系統16から送電される電力を利用して蓄電池14に電力を充電する。
負荷18で必要な電力を供給するための蓄電池14の充電率を第2閾値Bに設定する。時間T4で蓄電池14の充電率が第2閾値Bになるように、時間T5に第1閾値をA1からAに変更し、充電を開始する。時間T4になると、制御部28が充放電部22と電力変換部24を制御し、蓄電池14の放電が開始さる。
なお、時間T1に蓄電池14の充電率が第1閾値Aになるように制御されている。時間T1でその後の充放電の制御を予測し、次に負荷18で電力が消費されるまでに蓄電池14に充電することができる。
図2と図3は予測した太陽電池モジュール12の発電電力と負荷18の消費電力が実際の発電電力と消費電力に一致した場合である。
次に予測した発電電力と消費電力が実際の発電電力と消費電力に一致しない場合について説明する。図4は負荷18の消費電力が予測と異なった場合を示している。図4において、時間T1から時間T4は上記説明と同じである。
図4における予測は図2と同様に、時間T3以降は太陽電池モジュール12で発電された電力で蓄電池14を充電し、時間T4以降は太陽電池モジュール12で発電された電力を負荷18に供給しつつ蓄電池14を充電するようになっている。
時間T6までは発電電力と消費電力の予測と実際の発電電力と消費電力が一致している。また、時間T3以降、第1閾値はAになっているとする。
時間T6以降、負荷18の消費電力が大きくなり、負荷18の消費電力が太陽電池モジュール12の発電電力を上回ったとする。制御部28は蓄電池14への充電を停止し、蓄電池14を放電するように充放電部22と電力変換部24を制御する。この時点で送電系統16の電力は使用していない。
時間T6以降、蓄電池14を放電することで、蓄電池14の充電率が低下する。この状態で放電を継続すると蓄電池14の充電率は第1閾値A以下になると予測される。そこで、制御部28は第1閾値AをA2に上げ、蓄電池14に充電を開始するように充放電部22と電力変換部24を制御する。
蓄電池14の充電率が閾値A2になった時間T7以降、蓄電池14は充電される。このとき、蓄電池14は送電系統16からの送電される電力で充電される。
負荷18で消費される電力を予測し、その予測に合わせて負荷18に電力を供給できる充電率になるように第2閾値Bを変更する。たとえば、時間T1で負荷18の電力使用が無くなると予測しており、その時間T1から逆算して負荷18の必要な電力を逆算する。たとえば、時間T8に蓄電池14の充電率がB1であれば負荷18に電力供給できると予測できた場合、第2閾値BをB1まで下げる。時間T8に蓄電池14の充電率が閾値B1になれば、制御部28は蓄電池14の電力を放電するように、充放電部22と電力変換部24を制御する。時間T8以降は送電系統16の電力は使用しない。蓄電池14の電力を負荷18に供給できる。不必要に送電系統16の電力を利用せず、蓄電池14を充放電して負荷18に電力供給できる。
以上のように、第1閾値と第2閾値になれば制御部28が充放電部22と電力変換部24の制御を切り替えて、蓄電池の充電と放電を切り替える。制御部28が常時または定期的に蓄電池14の充電率の変化から予測との違いを監視する。予測と違えば、負荷18に必要な電力を修正し、第1閾値と第2閾値を変更することで、適切に蓄電池14の充電と放電を切り替えることができる。
太陽電池モジュール12での発電予想が異なった場合について説明する。時間T1以降、翌日、太陽電池モジュール12で発電されないと予測し、負荷18で必要な電力を時間T4までに蓄電池に充電しようとしていたとする(図5)。しかし、予測と異なり、時間T3に太陽電池モジュール12で発電されたとする。第2閾値Bを上げ、たとえば、充電率が100%になるようにする。時間T3で送電系統16の電力を使用した蓄電池14への充電を停止し、太陽電池モジュール12で発電された電力を蓄電池14に充電する。時間T4以降は太陽電池モジュール12で発電された電力を負荷18に供給し、余剰電力は蓄電池14に充電する。
以上のように余剰電力を蓄電できるようにするため、蓄電池14の蓄電容量が負荷18で消費される電力に対して大きくなるようにしておく。たとえば、蓄電池14の充電率が第1閾値になって、第2閾値を決定するときに、第2閾値は100%よりも低い値になるようにする。太陽電池モジュール12の発電電力に余剰電力が生じた場合に、蓄電池14に充電できる。
本システム10が運用された後は、上記のように第1閾値Aおよび第2閾値Bは変更されていく。複数の充放電制御システム10があった場合、充放電制御システム10ごとに第1閾値Aと第2閾値Bが異なることになる。
以上のように、太陽電池モジュール12の発電電力と負荷18の消費電力を予測して蓄電池14を充放電する。実際の発電電力と消費電力が異なった場合に、常時または一定時間ごとに蓄電池14の充電率の第1閾値Aと第2閾値Bを変更し、充放電部22と電力変換部24を制御する。その結果、送電系統16からの電力の使用量を低減させることができ、太陽電池モジュール12の発電電力を有効に使用することができる。
[実施形態2]
第1閾値になった時点で放電から充電に切り替えることに限定されない。第1閾値になっても放電を継続してもよい。たとえば、上記の図4では第1閾値がAからA2に上昇した後、充電率がA2に下がるのは時間T1よりも早い時間T9になっている。このまま蓄電池14を放電しても時間T1までに第3閾値Cを下回らないと予測できれば第1閾値をA2からAまたはそれ以下に下げ、蓄電池14を充電しないようにする。充電率がA2になってから第1閾値を下げてもよいし、それ以前に第1閾値を下げてもよい。制御部28は予測によって第1閾値を適宜変更する。
また、第1閾値をAのままで、上昇させていないときでも、時間T1で充電率が第1閾値Aになるように予測したが、負荷18の使用電力が大きく、時間T1よりも早く蓄電池14の充電率が第1閾値Aになる場合もある。時間T1まで蓄電池14を放電させても蓄電池14の充電率が第3閾値Cを下回らないと予測した場合、第1閾値Aを下げて放電を継続する。送電系統16の電力を使用して蓄電池14を充電しない。
第1閾値Aが第3閾値Cよりも高くなっていることで、蓄電池12の放電容量に余裕ができる。蓄電池12の充電率が第1閾値Aまで下がっても、負荷18の使用電力によっては放電を続けることができる。送電系統16の電力を使用した充電量および充電回数を減らすことができる。
[実施形態3]
図6に示すように、太陽電池モジュール12が省略された充放電制御システム60であってもよい。太陽電池モジュール12が省略されているため、記憶部30に記憶された過去の太陽電池モジュール12の発電状況のデータ34も省略されている。
図7に示す時間T1、時間T4および時間T5は上記実施形態と同様である。時間T1で第1閾値Aになるように負荷18の使用電力を予測し、時間T5から時間T4に蓄電池14を充電する。時間T4以降は蓄電池14を放電して負荷18に電力を供給し、時間T1で第1閾値Aになるようにする。上記と同じように、時間T1でそれ以降の負荷18の使用電力を予測し、充放電を制御する。
負荷18の使用電力の予測と実際の使用電力の予測が異なった場合について説明する。たとえば、実際の負荷18の使用電力が予測よりも大きくなった場合、蓄電池14の充電率の低下が早くなる。図8に示すように、第1閾値をAからA3に上げ、充電開始時間を早める。
また、放電の途中で負荷18の使用電力が予測よりも大きくなり、予測を修正する前に充電率が第1閾値Aになれば充電を開始する(図9)。時間T1までの必要な電力を予測する。必要な電力が第2閾値Bよりも低ければ、第2閾値BをB2まで下げ、その時点で放電を開始する。
太陽電池モジュール12が省略されていても、負荷18の使用電力を予測し、実際の使用電力との誤差から第1閾値Aと第2閾値Bとを常時または定期的に変更しながら、蓄電池14を充放電する。最適な電力が蓄電池14に充電されることになる。
[実施形態4]
実際の負荷18の使用電力が予測よりも小さくなった場合、時間T1になっても蓄電池14の充電率は第1閾値Aよりも高い。このままでは充電が開始されない。第1閾値Aをその時の充電率まで上昇させ、翌日の負荷18で電力使用が無くなる時間T1から逆算して負荷18で消費される使用電力を満たすように蓄電池14を充電してもよい。すなわち、負荷18の電力使用が無くなると予測した時間T1に第1閾値を実際の充電率まで変更し、その後の負荷18の使用電力および太陽電池モジュール12の発電電力などを予測し、第1閾値を決定する。その際、第1閾値と充電率が一致したままであれば、充電を開始する。時間T1で充電の必要が無ければ、充電が必要な時間まで第1閾値を下げておく。太陽電池モジュール12が無い場合であっても、負荷18の電力使用状況を予測し、同様に第1閾値を変更する。
[実施形態5]
記憶部30に記憶されるデータ32、34は書き換えられてもよい。過去の負荷18の電力使用状況と太陽電池モジュールの発電状況の一定期間の平均を求め、データ32、34と異なれば書き換える。データ32、34を書き換えていくことで、予測の精度を高める。
データ32、34は、時間、日、曜日または月など、特定の期間ごとに分けられていてもよい。制御部28は時計部36からの日時に一致する日時のデータ32、34を用いて上記予測および制御する。特定の期間ごとに分けられたデータ32、34であるため、予測の精度が高まる。
また、データ32、34を書き換えるのではなく、データ32、34を追加してもよい。データ32、34を追加することで、制御部28が予測に使用するデータ32、34が増え、予測の精度を高めることができる。
[実施形態6]
上記したように、第1閾値Aと第2閾値Bは予測した発電電力と消費電力および実際の発電電力と消費電力で変更される。第1閾値Aと第2閾値Bを変更した後、蓄電池14の放電から充電に切り替えた後に第1閾値をAに戻し、蓄電池14の充電から放電に切り替えた後に第2閾値をBに戻してもよい。たとえば、図4であれば、第1閾値をAからA1に変更した後、時間T6が過ぎれば第1閾値をAに戻してもよい。また、第2閾値をBからB1に変更した後、時間T7が過ぎれば第2閾値をBに戻してもよい。
[実施形態7]
図10の充放電制御システム100のように、制御部28に気象情報を入力する気象部102を備えてもよい。気象部102は現在または一定時間後の天候、気温またはその両方を制御部28に入力する。制御部28は各検知部20、26、記憶部30および気象部102から入力されるデータに基づいて太陽電池モジュール12の発電電力および負荷18の消費電力を予測し、充放電部22および電力変換部24を制御する。たとえば、天候によって太陽電池モジュール12の発電電力が左右され、気温によって負荷18の電力使用(空気調和機等の使用状況)が左右される。制御部28の予測に天候、気温またはその両方を利用することで、予測精度が高められる。
負荷18またはその周囲にセンサ104を配置してもよい。センサ104は温度センサ、湿度センサなどである。センサ104で検知された情報は制御部28に入力される。制御部28は上記した予測をする際に、さらにセンサ104の情報を加える。センサ104の情報を加えることで、負荷18の電力使用状況を予測しやすくする。
太陽電池モジュール12の近辺に光センサを配置し、その情報を制御部28に入力してもよい。日射量の情報が制御部28に入力され、太陽電池モジュール12の発電電力の予測に利用することで、太陽電池モジュール12の発電電力の予測精度を高めることができる。
上記のような気象情報およびセンサについては、太陽電池モジュール12のないシステム60の場合、天候データおよび光センサを省略してもよい。
[実施形態8]
上記実施形態において、記憶部30に記憶された負荷18の電力使用状況のデータ32および太陽電池モジュールの発電状況のデータ34は過去のデータであった。本願のシステム10、60、100は過去のデータに限定されない。たとえば、負荷18の電力使用が決まっているのであれば、特定の電力使用状況のデータ32を記憶してもよい。
[実施形態9]
図11の充放電制御システム110のように、制御部28に入力される第1検知部20と第2検知部26の信号を通信する通信部112を備えてもよい。通信部112はネットワーク114に接続されており、ネットワーク114に接続された管理者のサーバー、コンピュータまたはモバイル機器の少なくとも1つに蓄電池14の充電率および負荷18の使用電力を送信する。管理者が本システム110の稼働状況を遠隔で確認することができる。また、通信されるデータに制御部28が予測した負荷18の使用電力および太陽電池モジュール12の発電電力を含めてもよい。
[実施形態10]
負荷18は1つに限定されず、複数あってもよい。負荷18ごとに蓄電池14、第1検知部20、充放電部22、電力変換部24および第2検知部26が備えられてもよいし、複数の負荷18に1つの蓄電池14、第1検知部20、充放電部22、電力変換部24および第2検知部26が備えられてもよい。蓄電池18などが複数になった場合、制御部28が蓄電池18ごとに充電率を監視し、上記した充放電をおこなう。
[実施形態11]
上記実施形態は時間T1から時間T4の間に負荷18で電力消費が無い場合について説明したが、時間T1から時間T4の間に負荷18で電力消費されてもよい。負荷18の電力消費および太陽電池モジュール12の発電電力の予測に基づいて蓄電池14に対する充放電が制御される。その際、電力消費および発電電力が予測と異なれば、第1閾値Aと第2閾値Bを変更して蓄電池14の充放電を制御する。
上記実施形態では時間T1で負荷18での電力消費が無くなるため、時間T1で蓄電池14の充電率が第1閾値になるように、蓄電池14が充放電されていた。負荷18の電力消費が無くなる時間がない場合、負荷18の電力消費が最も低くなる時間を予測し、その時間に第1閾値になるように蓄電池14の充放電が制御されてもよい。
その他、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
10、60、100、110:蓄電池の充放電システム
12:太陽電池モジュール
14:蓄電池
16:送電系統
18:負荷
20:第1検知部
22:充放電部
24:電力変換部
26:第2検知部
28:制御部
30:記憶部
32、34:データ
36:時計部
38カレンダー部
102:気象部
104:センサ
112:通信部
114:ネットワーク

Claims (4)

  1. 電力を蓄電する蓄電池と、
    前記蓄電池の充電率を検知する第1検知部と、
    前記蓄電池の充放電を制御する充放電部と、
    送電系統から送電されてくる電力を所定の電力に変換する電力変換部と、
    負荷で使用される電力を検知する第2検知部と、
    前記充放電部と電力変換部を制御することで、負荷に供給する電力として前記蓄電池に蓄電された電力または送電系統から送電されてくる電力のいずれかを選択し、蓄電池の充放電を制御する制御部と、
    前記負荷の電力使用状況を含むデータを記憶した記憶部と、
    を備え、
    前記蓄電池の充電率において、蓄電池に充電を開始する第1閾値および蓄電池への充電を停止する第2閾値を有し、
    前記制御部は、記憶部に記憶されたデータ、第1検知部で検知される蓄電池の充電率および第2検知部で検知される負荷の使用電力に基づいて第1閾値および第2閾値を変更する
    蓄電池の充放電制御システム。
  2. 前記蓄電池の充電率において、蓄電池を劣化させない最低充電率であり、前記第1閾値よりも低い第3閾値を有し、
    前記制御部は、蓄電池の充電率が第1閾値になると、記憶部に記憶されたデータ、第1検知部で検知される蓄電池の充電率および第2検知部で検知される負荷の使用電力に基づいて第1閾値を変更する
    請求項1の蓄電池の充放電制御システム。
  3. 太陽光によって発電する太陽電池モジュールを備え、
    前記記憶部は太陽電池モジュールの発電状況を含むデータを記憶し、
    前記充放電部は太陽電池モジュールで発電された電力および送電系統から送電されてくる電力を利用して蓄電池に充電する請求項1または2の蓄電池の充放電制御システム。
  4. 前記太陽電池モジュールで発電される前の第2閾値が蓄電池の充電率100%よりも低い請求項3の蓄電池の充放電制御システム。
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