JP2023128535A - トナーの製造方法、トナー、現像剤、トナー収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

トナーの製造方法、トナー、現像剤、トナー収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Yoshiyasu Adachi
隆太 吉田
Ryuta Yoshida
亮平 山口
Ryohei Yamaguchi
一雅 田端
Kazumasa Tabata
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Abstract

Figure 2023128535000001
【課題】本発明は、安定的な粒径分布を有すると共に円形度分布に優れるトナーを製造できるトナーの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るトナーの製造方法は、結着樹脂を含む樹脂成分と、着色剤とを含有するトナー組成物を有機溶媒に溶解乃至分散してなる油相を、水系媒体中に乳化又は分散させ、乳化粒子を含む乳化分散液を作製する工程と、前記乳化粒子を収斂させてトナー母体粒子を造粒する工程と、前記有機溶媒を除去する工程と、を含み、前記油相を前記水系媒体中に乳化又は分散させた後の乳化スラリーに純水を供給する工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、トナーの製造方法、トナー、現像剤、トナー収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
画像形成装置の発展に伴い、画像形成装置には出力画像の高画質化及び高速化への要求が高まっており、特に高精細なカラー画像のより短時間での印刷の要求が高まっている。そこで、画像形成装置で形成される出力画像の高画質化及び高速化に対応して、小粒径であり、粒径分布が狭く、高速に対応できる定着性を有するトナーの開発が進められている。
小粒径であり、粒径分布が狭く、高速に対応できる定着性を有するトナーを製造する方法として、例えば、乳化分散法により、トナー組成物を有機溶媒に溶解乃至分散してなる油相を水系媒体中に乳化又は分散させた乳化粒子を含む乳化分散液を収斂させて造粒することでトナー母体粒子を得る、いわゆるケミカルトナーを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかしながら、乳化分散法を用いてトナーを製造する場合、乳化中又は乳化後の乳化粒子は経時で粒径の上昇及び円形度の低下等の粒径形状が変化する傾向にある。そのため、乳化中又は乳化後の乳化粒子の粒径分布又は円形度分布は、溶剤の除去が完了するまで不安定である、という問題があった。
特にコア層とシェル層で構成されるコアシェル構造を有する有機樹脂微粒子を使用した場合には、乳化液中の溶剤濃度に応じて、有機樹脂微粒子の粒径分布又は円形度分布が変化する傾向が顕著に生じ易い。
本発明の一態様は、安定的な粒径分布を有すると共に円形度分布に優れるトナーを製造できるトナーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るトナーの製造方法の一態様は、
結着樹脂を含む樹脂成分と、着色剤とを含有するトナー組成物を有機溶媒に溶解乃至分散してなる油相を、水系媒体中に乳化又は分散させ、乳化粒子を含む乳化分散液を作製する工程と、
前記乳化粒子を収斂させてトナー母体粒子を造粒する工程と、
前記有機溶媒を除去する工程と、
を含み、
前記油相を前記水系媒体中に乳化又は分散させた後の乳化スラリーに純水を供給する工程を含む。
本発明の一態様によれば、安定的な粒径分布、円形度分布に優れるトナーを製造できるトナーの製造方法を提供することができる。
乳化分散液を作製する工程を行う反応装置の一例を模式的に示す概略構成図である。 一実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 一実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 一実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 図4の画像形成装置の部分拡大図である。 一実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、実施形態は以下の記述によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、本明細書において数値範囲を示す「~」は、別段の断わりがない限り、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
<トナーの製造方法>
一実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。一実施形態に係るトナーの製造方法は、結着樹脂を含む樹脂成分と、着色剤とを含有するトナー組成物を有機溶媒に溶解乃至分散してなる油相を、水系媒体中に乳化又は分散させ、乳化粒子を含む乳化分散液を作製する工程(乳化分散液の作製工程)と、乳化粒子を収斂させてトナー母体粒子を造粒する工程(トナー母体粒子の造粒工程)と、有機溶媒を除去する工程(有機溶媒の除去工程)とを含み、油相を水系媒体中に乳化又は分散させた後の乳化スラリーに純水を供給する工程(純水の供給工程)を含む。
上述の特許文献1及び2のトナーの製造方法では、水系媒体中に乳化又は分散させた乳化粒子を含む乳化分散液を貯留槽に貯留した後に純水を投下して溶剤濃度を下げることにより乳化粒子の形状を安定化させている。しかし、特許文献1及び2のトナーの製造方法では、大量の純水を供給することによる乳化分散液の排水量の増加及び生産性の悪化を生じるだけでなく、乳化後から貯留槽に入るまでの乳化分散液中の乳化粒子の粒径分布と円形度分布の安定化を図ることができない。
一実施形態に係るトナーの製造方法は、上記の工程を含み、乳化粒子に供給する純水は乳化機から貯留槽に到達するまでに供給することにより、乳化粒子の形状変化を抑制できるので、得られるトナーの粒径分布と円形度を安定化させることができる。このため、安定的な粒径分布を有すると共に円形度分布に優れたトナーが得られる。
[乳化分散液の作製工程]
乳化分散液の作製工程は、結着樹脂を含む樹脂成分と、着色剤とを含有するトナー組成物(トナー材料)を有機溶媒に溶解乃至分散してなる油相を、水系媒体(水相)中に乳化又は分散させ、乳化粒子を含む乳化分散液を作製する。乳化分散液の作製工程は、トナー材料を含有する油相の調製、水系媒体の調製、トナー材料の乳化乃至分散を行う。
1)トナー材料を含有する油相の調製
油相は、結着樹脂又は結着樹脂と結着樹脂前駆体を含む樹脂成分と、着色剤とを含み、必要に応じて、硬化剤、離型剤等のその他の成分を含むトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散させることにより調製できる。なお、結着樹脂前駆体とは、後述する反応前駆体(以下、「プレポリマー」と称することがある。)ともいう。
<樹脂成分>
樹脂成分は、結着樹脂を含む。結着樹脂は、トナー用の結着樹脂であれば用いることができる。結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等の一般的な結着樹脂を用いることができる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してよい。これらの中でも、トナーが優れた低温定着性を発現する点から、結着樹脂としては、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
[ポリエステル樹脂]
ポリエステル樹脂は、非晶性(非結晶性)ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含む。
(非晶性ポリエステル樹脂)
非晶性ポリエステル樹脂(非晶質ポリエステル樹脂、非晶質ポリエステルとも称する)は、より優れた低温定着性を発現できる。非結晶性ポリエステル樹脂は、構成成分として、ジオール成分及び架橋成分を含む。
非晶性ポリエステル樹脂は、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有するプレポリマーであるポリエステル樹脂(以下、「非晶質ポリエステル樹脂A」とも称する。)と、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有しないポリエステル樹脂(以下、「非晶質ポリエステル樹脂B」とも称する。)を含む。
即ち、トナー材料を含有する油相の調製は、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有するプレポリマーである非晶質ポリエステル樹脂Aと、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有しないポリエステル樹脂Bを含んで行う。
((非晶質ポリエステル樹脂A))
非晶質ポリエステル樹脂Aは、紙等の記録媒体への接着性がより優れる点から、ウレタン結合及びウレア結合の少なくとも何れかを有する。非晶質ポリエステル樹脂Aが、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有することにより、ウレタン結合又はウレア結合が擬似架橋点のような挙動を示し、非晶質ポリエステル樹脂Aのゴム的性質が強くなり、トナーの耐熱保存性及び耐高温オフセット性がより優れる。
非晶質ポリエステル樹脂Aとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基を有する非結晶性ポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物等が挙げられる。反応生成物は、後述する硬化剤と反応させる反応前駆体(プレポリマー)として使用することができる。反応前駆体は、トナーの製造過程において、活性水素含有化合物と反応させることで、樹脂を高分子量化させ、結着樹脂を形成することができる。そのため、非晶質ポリエステル樹脂Aは、トナーの製造において、反応前駆体として使用することができる。
なお、反応前駆体とは、結着樹脂を構成するモノマー、オリゴマー、及び活性水素基と反応可能な官能基を有する変性された樹脂、オリゴマー類を含む伸長又は架橋反応が可能な化合物を指し、これらの条件を満たしていれば、反応前駆体は結晶性樹脂でも非結晶性樹脂でもよい。これらの中でも、反応前駆体は、少なくとも末端にイソシアネート基を有する非晶質ポリエステル樹脂Aであることが好ましく、水系媒体中に分散乃至乳化してトナー母体粒子を造粒する際に、活性水素基との反応によって、伸長乃至架橋反応して結着樹脂を形成することが好ましい。
-活性水素基を有する非結晶性ポリエステル樹脂-
活性水素基を有する非結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、水酸基を有する非結晶性ポリエステル樹脂等が挙げられる。
--非結晶性ポリエステル樹脂--
非結晶性ポリエステル樹脂は、構成成分として、ジオール成分と、架橋成分としてジカルボン酸成分を含む。非結晶性ポリエステル樹脂は、構成成分として、更にジカルボン酸成分以外の架橋成分を含んでもよい。ジカルボン酸成分以外の架橋成分として、3価以上の脂肪族アルコール等が挙げられる。
---ジオール成分---
ジオール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール等の脂肪族ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。これらの中でも、炭素数4~12の脂肪族ジオールが好ましい。これらのジオールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
---ジカルボン酸成分---
ジカルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。また、これらの無水物を用いてもよいし、低級(炭素数1~3)アルキルエステル化物を用いてもよいし、ハロゲン化物を用いてもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられるこれらの中でも、炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
これらのジカルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
---3価以上の脂肪族アルコール---
3価以上の脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。これらの中でも3価~4価の脂肪族アルコールが好ましい。これらの3価以上の脂肪族アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-ポリイソシアネート-
ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジイソシアネート、3価以上のイソシアネート等が挙げられる。
ジイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトカプロン酸メチル、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4'-ジイソシアナトジフェニル、4,4'-ジイソシアナト-3,3'-ジメチルジフェニル、4,4'-ジイソシアナト-3-メチルジフェニルメタン、4,4'-ジイソシアナト-ジフェニルエーテル等が挙げられる。
芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α,α,α',α'-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレート等が挙げられる。
これらのポリイソシアネートは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
((非晶質ポリエステル樹脂B))
非晶質ポリエステル樹脂Bは、構成成分として、ジオール成分及び架橋成分を含む。
非結晶性ポリエステル樹脂Bに含まれるジオール成分は、炭素数3~10の脂肪族ジオールを、50mol%以上含有し、80mol%以上含有することが好ましく、90mol%以上含有することがより好ましい。
炭素数3~10の脂肪族ジオールとしては、例えば、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール等が挙げられる。
非結晶性ポリエステル樹脂Bは、ジオール成分の主鎖となる部分の炭素数が奇数であり、ジオール成分がアルキル基を側鎖に有することが好ましい。
炭素数3~10の脂肪族ジオールは、主鎖となる部分の炭素数が奇数であり、アルキル基を側鎖に有することが好ましく、下記一般式(1)で表される脂肪族ジオールであることが好ましい。
HO-(CR)-OH ・・・一般式(1)
但し、一般式(1)中、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~3のアルキル基を表す。nは3~9の奇数を表す。n個の繰り返し単位において、R及びRは、それぞれ、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
非結晶性ポリエステル樹脂Bに含まれる架橋成分は、3価以上の脂肪族アルコールを含み、3価~4価の脂肪族アルコールを含むことが、定着画像の光沢及び画像濃度の点から好ましい。架橋成分は、3価以上の脂肪族アルコールのみであってもよい。
3価以上の脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
架橋成分の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%~5質量%が好ましく、1質量%~3質量%がより好ましい。
架橋成分における3価以上の脂肪族アルコールの割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量%~100質量%が好ましく、90質量%~100質量%がより好ましい。
架橋成分は、炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸を含有することが好ましく、炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸を50mol%以上60mol%未満含有することが好ましい。
炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。
(結晶性ポリエステル樹脂C)
結晶性ポリエステル樹脂Cは、トナー母体粒子の低温定着性と耐熱保存性との両立を図ることができる。結晶性ポリエステル樹脂は、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステル等の多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られる。なお、本実施形態において、結晶性ポリエステル樹脂とは、上記の成分を用いて得られるものを指し、ポリエステル樹脂を変性して得られる樹脂、例えば、上述の、プレポリマー、及びプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂を含まない。
((多価アルコール))
多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールが挙げられる。
ジオールとしては、例えば、飽和脂肪族ジオール等が挙げられる。飽和脂肪族ジオールとしては、直鎖飽和脂肪族ジオール、分岐飽和脂肪族ジオールが挙げられるが、これらの中でも、直鎖飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が2~12の直鎖飽和脂肪族ジオールがより好ましい。飽和脂肪族ジオールが分岐型であると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が低下してしまうことがある。また、飽和脂肪族ジオールの炭素数が12を超えると、実用上の材料の入手が困難となる。炭素数としては12以下であることがより好ましい。
飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,14-エイコサンデカンジオール等が挙げられる。これらの中でも、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオールが好ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
((多価カルボン酸))
多価カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。
2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;等が挙げられ、更に、これらの無水物やこれらの低級(炭素数1~3)アルキルエステルも挙げられる。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級(炭素数1~3)アルキルエステル等が挙げられる。
また、多価カルボン酸は、飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸を含んでもよい。更に、多価カルボン酸は、飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸を含有してもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数4~12の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸と、炭素数2~12の直鎖飽和脂肪族ジオールとから構成されることが好ましい。即ち、結晶性ポリエステル樹脂は、炭素数4~12の飽和脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位と、炭素数2~12の飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位とを有することが好ましい。そうすることにより、結晶性が高く、シャープメルト性に優れることから、優れた低温定着性を発揮できる点で好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃~120℃であることが好ましい。融点が、60℃未満であると、結晶性ポリエステル樹脂が低温で溶融し易く、トナーの耐熱保存性が低下することがあり、120℃を超えると、定着時の加熱による結晶性ポリエステル樹脂の溶融が不十分で、低温定着性が低下することがある。
結晶性ポリエステル樹脂の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、かつ分子量が低い成分が多いと、耐熱保存性が低下するという観点から、結晶性ポリエステル樹脂のオルトジクロロベンゼンの可溶分が、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定において、重量平均分子量(Mw)は、10000以上であることが好ましい。なお、重合平均分子量の上限に制限はないが、製造し易さ等の観点から、35000以下であることが好ましい。
本実施形態において、樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置を用いて測定できる。カラムとしては、TSKgel SuperHZM-H 15cm 3連(東ソー社製)を使用できる。測定する樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬製)にて0.15質量%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した濾液を試料として用いる。THF試料溶液を測定装置に100μl注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.35ml/分間で測定する。試料の分子量測定にあたっては、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。標準ポリスチレン試料としては、トルエン等を用いる。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
結晶性ポリエステル樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー100質量部に対して、3質量部~20質量部が好ましく、5質量部~15質量部がより好ましい。含有量が、3質量部未満であると、結晶性ポリエステル樹脂によるシャープメルト化が不十分なため、低温定着性に劣ることがある。含有量が、20質量部を超えると、耐熱保存性が低下すること、及び画像のかぶりが生じやすくなる場合がある。含有量が、上記のより好ましい範囲内であると、高画質、及び低温定着性の全てに優れる点で有利である。
結晶性ポリエステル樹脂のトナー母体粒子への導入方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。一般的には、ビーズミル等によって結晶性ポリエステル樹脂を機械的に破砕・分散し、分散液の状態で導入する方法等が挙げられる。
<着色剤>
着色剤としては、特に制限はなく、一般的な染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用の着色剤、マゼンダ、シアン、イエロー等のカラー用の着色剤等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
黒色用の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料等が挙げられる。
マゼンタ用着色剤としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
シアン用の着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36等が挙げられる。
イエロー用着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー0-16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36等が挙げられる。
着色剤のトナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%~15質量%が好ましく、3質量%~10質量%がより好ましい。着色剤の含有量が1質量%以上であると、トナーの着色力を維持でき、15質量%以下であると、トナー中での顔料の分散が維持でき、着色力及びトナーの電気特性を維持できる。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリp-クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂等が挙げられる。
スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン-p-クロロスチレン共重合体、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-アクリル酸オクチル共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
また、これらのマスターバッチ用樹脂は、本発明における結晶性樹脂であっても何ら問題ない。
マスターバッチは、マスターバッチ用樹脂と、着色剤とを高せん断力をかけて混合乃至混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合乃至混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。混合乃至混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
<その他の成分>
一実施形態に係るトナーは、本実施形態の効果を損なわない範囲で、その他の成分を必要に応じて含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、硬化剤、離型剤、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料等が挙げられる。
[硬化剤]
硬化剤としては、プレポリマーと反応するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物等が挙げられる。
(活性水素基含有化合物)
活性水素基含有化合物における活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
活性水素基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ウレア結合を形成可能な点で、アミン類が好ましい。
アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、3価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたもの等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の3価以上のアミンとの混合物が好ましい。
ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン等が挙げられる。芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'-ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。脂環式ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。脂肪族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
3価以上のアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。
アミノアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。
アミノメルカプタンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。
アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。
アミノ基をブロックしたものとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物等が挙げられる。
[離型剤]
離型剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。ロウ類及びワックス類の離型剤としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;等の天然ワックスが挙げられる。
また、これら天然ワックスの他、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。
更に、12-ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド系化合物;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ-n-ステアリルメタクリレート、ポリ-n-ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体又は共重合体(例えば、n-ステアリルアクリレート-エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等を用いてもよい。
離型剤として上記の例示したワックスの中でも、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の炭化水素系ワックスが好ましい。
離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃~80℃が好ましい。融点が60℃以上であると、低温で離型剤が溶融し難くなり、耐熱保存性を維持できる。融点が80℃以下であると、樹脂が溶融して定着温度領域にある場合でも、離型剤が充分溶融して定着オフセットが生じ難く、画像の欠損を生じ難くなる。
離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー100質量部に対して、2質量部~10質量部が好ましく、3質量部~8質量部がより好ましい。含有量が2質量部以上であると、定着時の耐高温オフセット性、及び低温定着性を維持できる。離型剤の含有量が10質量部以下であると、耐熱保存性が低下すると共に、画像のかぶり等を生じ難くすることができる。離型剤の含有量が、上記のより好ましい範囲内であると、高画質化、及び定着安定性を向上させる点で有利である。
[帯電制御剤]
帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、そのような帯電制御剤としては、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP-51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE-82、サリチル酸系金属錯体のE-84、フェノール系縮合物のE-89(いずれもオリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP-302、TP-415(いずれも保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれもヘキスト社製);LRA-901、ホウ素錯体であるLR-147(日本カーリット株式会社製);キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物等が挙げられる。
帯電制御剤のトナーにおける含有量としては、樹脂成分の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、樹脂成分100質量部に対し、0.1質量部~10質量部が好ましく、0.2質量部~5質量部がより好ましい。帯電制御剤の含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
なお、帯電制御剤は、マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよいし、トナーの各成分と共に、溶解乃至分散させる際に添加してもよいし、トナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
<有機溶媒>
有機溶媒には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、樹脂成分及び着色剤を含むトナー材料の溶解乃至分散が容易である点から、沸点が150℃未満の有機溶媒が好ましい。
沸点が150℃未満の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
樹脂成分及び着色剤を含むトナー材料を溶解乃至分散させて得られる油相の固形分濃度としては、40質量%~80質量%が好ましい。濃度が高すぎると、溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いづらく、濃度が低すぎると、トナーの製造量が少なくなる。
樹脂成分及び着色剤を含むトナー材料等は、それぞれ、個別に有機溶剤に溶解乃至分散させ、樹脂溶解液乃至分散液に混合してもよい。
2)水系媒体(水相)の調製
水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。
混和可能な溶剤としては、例えば、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等が挙げられる。
水系媒体のトナー組成物100質量部に対する使用量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常、50質量部~2,000質量部であり、1000質量部~1,000質量部が好ましい。使用量が50質量部以上であると、トナー組成物の分散状態は良く、所定の粒径を有するトナー粒子が得られる。また、使用量が2,000質量部以下であれば、製造コストの負担の増大を抑えられる。
水系媒体中には、界面活性剤、高分子系保護コロイド、無機分散剤及び有機樹脂微粒子を予め水系媒体中に分散させていてもよく、粒度分布がシャープになるとともに分散安定性の観点で好ましい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられる。
フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果を向上させることができる。フルオロアルキル基を有する界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤、フルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤等が挙げられる。
フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2~10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3-[ω-フルオロアルキル(C6~C11)オキシ]-1-アルキル(C3~C4)スルホン酸ナトリウム、3-[ω-フルオロアルカノイル(C6~C8)-N-エチルアミノ]-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11~C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7~C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4~C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N-プロピル-N-(2-ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6~C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6~C10)-N-エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6~C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
フルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級又は2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6~C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
<高分子系保護コロイド>
高分子系保護コロイドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α-シアノアクリル酸、α-シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の酸類;アクリル酸β-ヒドロキシエチル、メタクリル酸β-ヒドロキシエチル、アクリル酸β-ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β-ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ-ヒドロキシプロピル、アクリル酸3-クロロ2-ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド等の水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体;ビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等のビニルアルコールとのエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、及びこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子乃至その複素環を有するもの等のホモポリマー乃至共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類等が挙げられる。
<無機分散剤>
無機分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイト等が用いられる。
<有機樹脂微粒子>
有機樹脂微粒子は、トナー母体粒子の表面にトナー母体粒子の表面を覆うように配置されていることが好ましい。有機樹脂微粒子は、トナー母体粒子の表面を覆って積層した状態でなく、トナー母体粒子の表面に点在した状態で配置されていることが好ましい。有機樹脂微粒子の被覆率は、特に限定されないが、30%~70%であることが好ましい。被覆率が30%以上であることで、トナーの耐熱保存性を担保できる。被覆率が70%以下であることで、外添剤が付着し易くなると共に、トナー定着の際に熱が伝達しやすく、定着性を担保できる。
(有機樹脂微粒子間の距離の測定)
以下のようにして、超音波による外添剤の遊離処理で外添剤を極力除去して、トナー母体粒子に近い状態にし、有機樹脂微粒子間の距離の平均値及び標準偏差を求める。
-外添剤の遊離方法-
[1]100mlのスクリュー管に、界面活性剤を含有した5質量%水溶液(商品名ノイゲンET-165、第一工業製薬株式会社製)を50ml添加し、その混合液にトナー3gを加えて静かに上下左右に動かす。その後、トナーが分散溶液になじむようにボールミルで30min撹拌する。
[2]その後、超音波ホモジナイザー(商品名homogenizer、形式VCX750、CV33、SONICS&MATERIALS有限会社製)を用いて、出力40Wに設定し、60分間超音波エネルギーを付与する。
-超音波条件-
・振動時間:60分連続
・振幅:40W
・振動開始温度:23±1.5℃
・振動中温度:23±1.5℃
[3](1)分散液をろ紙(商品名定性ろ紙(No.2、110mm)、アドバンテック東洋株式会社製)で吸引ろ過し、再度イオン交換水で2回洗浄しろ過し、遊離した添加剤を除去後、トナー粒子を乾燥させる。
(2)(1)で得られたトナーを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察する。まず、反射電子像を観察することでSiを含有する外添剤やフィラーを検出する。
(3)(1)の画像を画像処理ソフト(ImageJ)で二値化し、外添剤とフィラーを排除する。
次に、(1)と同じ位置で二次電子画像を観察する。有機樹脂微粒子は反射電子画像では観察されず、二次電子画像でのみ観察されるため、(3)で得られた画像と照合し、残存外添剤とフィラー以外の部分((3)で排除した以外の部分)に存在する微粒子を有機樹脂微粒子として、画像処理ソフトを使用し、有機樹脂微粒子間の距離(粒子の中心と中心を結ぶ距離)を測定する。
この測定を二値化画像100枚(画像1枚当たりトナー粒子1個)について行い、その平均値を有機樹脂微粒子間の距離の平均値とする。
有機樹脂微粒子間の距離の標準偏差は、粒子間距離をxとすると、下記数式(1)により算出する。
Figure 2023128535000002
[撮影条件]
・走査型電子顕微鏡:SU-8230(株式会社日立ハイテクノロジーズ製)
・撮影倍率:35000倍
・撮影像:SE(L):二次電子、BSE(反射電子)
・加速電圧:2.0kV
・加速電流:1.0μA
・プローブ電流:Normal
・焦点モード:UHR
・WD:8.0mm
有機樹脂微粒子の体積平均一次粒子径は、5nm以上100nm以下が好ましく、10nm~50nmがより好ましい。体積平均一次粒子径が5nm~100nmであると、低温定着性が良好となる。なお、体積平均一次粒子径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)画像観察によって測定することができる。
有機樹脂微粒子(以下、「有機樹脂微粒子(B)」とも表記することがある)としては、コア樹脂(芯部)と、コア樹脂の少なくとも一部の表面を被覆するシェル樹脂(外殻部)とを有することが好ましく、コア樹脂とシェル樹脂からなることがより好ましく、樹脂(b1)、樹脂(b2)からなるビニル系ユニットを含有することが更に好ましい。
シェル樹脂(以下「樹脂(b1)」とも表現する)及びコア樹脂(以下、「樹脂(b2)」とも表現する)は、ビニルモノマーを単独重合又は共重合したポリマーが好ましい。
ビニルモノマーとしては、例えば、下記(1)~(10)が挙げられる。
(1)ビニル炭化水素
ビニル炭化水素としては、例えば、(1-1)脂肪族ビニル炭化水素、(1-2)脂環式ビニル炭化水素及び(1-3)芳香族ビニル炭化水素等が挙げられる。
(1-1)脂肪族ビニル炭化水素
脂肪族ビニル炭化水素としては、例えば、アルケン、アルカジエン等が挙げられる。
アルケンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、α-オレフィン等が挙げられる。
アルカジエンとしては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,4-ペンタジエン、1,6-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン等が挙げられる。
(1-2)脂環式ビニル炭化水素
脂環式ビニル炭化水素としては、モノ-もしくはジ-シクロアルケン及びアルカジエンが挙げられ、具体的な例としては(ジ)シクロペンタジエン、テルペン等が挙げられる。
(1-3)芳香族ビニル炭化水素
芳香族ビニル炭化水素としては、スチレン又はそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体等が挙げられ、具体的にはα-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン及びビニルナフタレン等が挙げられる。
(2)カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩
カルボキシル基含有ビニルモノマー及びその塩としては、例えば、炭素数3~30の不飽和モノカルボン酸(塩)、不飽和ジカルボン酸(塩)並びにその無水物(塩)及びそのモノアルキル(炭素数1~24)エステル又はその塩等が挙げられる。
具体的には、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマー及びこれらの金属塩等が挙げられる。
本実施形態において、「(塩)」とは、酸又はその塩を意味する。例えば、炭素数3~30の不飽和モノカルボン酸(塩)とは、不飽和モノカルボン酸又はその塩を意味する。本実施形態において、「(メタ)アクリル」とは、メタクリル酸又はアクリル酸を意味する。本実施形態において、「(メタ)アクリロイル」とは、メタクリロイル又はアクリロイルを意味する。本実施形態において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
(3)スルホン酸基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩
スルホン酸基含有ビニルモノマー、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩としては、例えば、炭素数2~14のアルケンスルホン酸(塩)、炭素数2~24のアルキルスルホン酸(塩)、スルホ(ヒドロキシ)アルキル-(メタ)アクリレート(塩)、又は(メタ)アクリルアミド(塩)、アルキルアリルスルホコハク酸(塩)等が挙げられる。
具体的には、炭素数2~14のアルケンスルホン酸としては、ビニルスルホン酸(塩)等が挙げられ、炭素数2~24のアルキルスルホン酸(塩)としては、α-メチルスチレンスルホン酸(塩)等が挙げられ、スルホ(ヒドロキシ)アルキル-(メタ)アクリレート(塩)、又は(メタ)アクリルアミド(塩)としては、スルホプロピル(メタ)アクリレート(塩)、硫酸エステル(塩)、又はスルホン酸基含有ビニルモノマー(塩)等が挙げられる。
(4)燐酸基含有ビニルモノマー及びその塩
燐酸基含有ビニルモノマー及びその塩としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1~24)燐酸モノエステル(塩)、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1~24)ホスホン酸(塩)等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1~24)燐酸モノエステル(塩)の具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート(塩)、フェニル-2-アクリロイロキシエチルホスフェート(塩)等が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1~24)ホスホン酸(塩)の具体例としては、2-アクリロイルオキシエチルホスホン酸(塩)等が挙げられる。
上記(2)~(4)の塩としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩、4級アンモニウム塩等が挙げられる。
(5)ヒドロキシル基含有ビニルモノマー
ヒドロキシル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ヒドロキシスチレン、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1-ブテン-3-オール、2-ブテン-1-オール、2-ブテン-1,4-ジオール、プロパルギルアルコール、2-ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、蔗糖アリルエーテル等が挙げられる。
(6)含窒素ビニルモノマー
含窒素ビニルモノマーとしては、例えば、(6-1)アミノ基含有ビニルモノマー、(6-2)アミド基含有ビニルモノマー、(6-3)ニトリル基含有ビニルモノマー、(6-4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマー、(6-5)ニトロ基含有ビニルモノマー等が挙げられる。
(6-1)アミノ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(6-2)アミド基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
(6-3)ニトリル基含有ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等が挙げられる。
(6-4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニルモノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等が挙げられる。
(6-5)ニトロ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、ニトロスチレン等が挙げられる。
(7)エポキシ基含有ビニルモノマー
エポキシ基含有ビニルモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びp-ビニルフェニルフェニルオキサイド等が挙げられる。
(8)ハロゲン元素含有ビニルモノマー
ハロゲン元素含有ビニルモノマーとしては、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ブロムスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン、クロロプレン等が挙げられる。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン
ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4-ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα-エトキシアクリレート、炭素数1~50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等)]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2~8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2~8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニルモノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート[多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
ビニル(チオ)エーテルとしては、例えば、ビニルメチルエーテル等が挙げられる。
ビニルケトンとしては、例えば、ビニルメチルケトン等が挙げられる。
(10)その他のビニルモノマー
その他のビニルモノマーとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、フルオロアクリレート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。
樹脂(b1)の合成には、上記(1)~(10)のビニルモノマーを1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂(b1)としては、低温定着性の観点から、スチレンアクリル樹脂が好ましい。スチレンアクリル樹脂としては、具体的には、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体及び(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましく、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。
樹脂(b1)がカルボン酸を有することで、樹脂に酸価を付与し、有機樹脂微粒子(B)がトナー粒子の表面に付着したトナー粒子を形成しやすくなる。
樹脂(b2)に用いられるビニルモノマーは、樹脂(b1)と同様のものが挙げられる。
樹脂(b2)の合成には、上記樹脂(b1)で挙げた(1)~(10)のビニルモノマーを1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂(b2)としては、低温定着性の観点から、スチレンアクリル樹脂が好ましい。スチレンアクリル樹脂としては、具体的には、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体及び(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましく、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体がより好ましい。
樹脂(b1)の周波数1Hzでの100℃における粘弾性特性の損失弾性率G''としては、1.5MPa~100MPaが好ましく、1.7MPa~30MPaがより好ましく、2.0MPa~10MPaが更に好ましい。
樹脂(b2)の周波数1Hzでの100℃における粘弾性特性の損失弾性率G''としては、0.01MPa~1.0MPaが好ましく、0.02MPa~0.5MPaがより好ましく、0.05MPa~0.3MPaが更に好ましい。
粘弾性特性の損失弾性率G''がこの範囲であれば、樹脂(b1)と樹脂(b2)とを同一粒子内に構成成分として含む有機樹脂微粒子(B)がトナー粒子の表面に付着したトナー粒子を形成しやすい。
樹脂(b1)及び(b2)の周波数1Hzでの100℃における粘弾性特性の損失弾性率G"は、構成モノマーの種類及びその構成比を変えることや、重合条件(開始剤、連鎖移動剤の種類及び使用量、並びに反応温度等)で調整することができる。
具体的には、例えば以下のような組成にすることで各々のG''を前述の範囲に調整することが可能となる。
(1)樹脂(b1)の構成単量体から計算されるガラス転移温度(Tg1)、及び樹脂(b2)の構成単量体から計算されるガラス転移温度(Tg2)について、Tg1を好ましくは0℃~150℃、更に好ましくは50℃~100℃とし、Tg2を好ましくは-30℃~100℃、更に好ましくは0℃~80℃、最も好ましくは30℃~60℃とする。
なお、構成単量体から計算されるガラス転移温度(Tg)とは、Fox法により計算することができる値である。
ここで、Fox法[T.G.Fox,Phys.Rev.,86,652(1952)]とは、下記式で示される個々の単独重合体のTgから共重合体のTgを推算する方法である。
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
[式中、Tgは共重合体のガラス転移温度(絶対温度表示)、Tg1、Tg2・・・Tgnは各単量体成分の単独重合体のガラス転移温度(絶対温度表示)、W1、W2・・・Wnは各単量体成分の重量分率を示す。]
(2)樹脂(b1)の計算酸価(AV1)及び樹脂(b2)の計算酸価(AV2)について、(AV1)を、好ましくは75mgKOH/g~400mgKOH/g、更に好ましくは150mgKOH/g~300mgKOH/gとし、(AV2)を0mgKOH/g~50mgKOH/g、更に好ましくは0mgKOH/g~20mgKOH/g、最も好ましくは0mgKOH/gとする。
なお、計算酸価とは、構成単量体中に含有される酸性基のモル量と、構成モノマーの総重量から計算される理論酸価である。
(1)及び(2)の条件を満たす構成単量体として、樹脂(b1)については、例えば樹脂(b1)の合計質量に基づいて、構成単量体としてスチレンを好ましくは10質量%~80質量%、更に好ましくは30質量%~60質量%含有し、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を好ましくは合計10質量%~60質量%、更に好ましくは合計30質量%~50質量%含有する樹脂が挙げられる。
また、樹脂(b2)については、例えば、樹脂(b2)の合計質量に基づいて、構成単量体としてスチレンを好ましくは10質量%~100質量%、更に好ましくは30質量%~90質量%含有し、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を樹脂(b2)の合計質量に基づいて、好ましくは合計0質量%~7.5質量%、更に好ましくは合計0質量%~2.5質量%含有する樹脂が挙げられる。
(3)重合条件(開始剤、連鎖移動剤の種類及び使用量、並びに反応温度等)を調整する。具体的には、樹脂(b1)及び樹脂(b2)の数平均分子量(Mn1)及び(Mn2)について、(Mn1)は、2,000~2,000,000が好ましく、20,000~200,000がより好ましい。(Mn2)は、1,000~1,000,000が好ましく、10,000~100,000がより好ましい。
本実施形態において、粘弾性特性の損失弾性率G''は、例えば、下記の粘弾性測定装置を用いて測定される。
・装置:ARES-24A(レオメトリック社製)
・治具:25mmパラレルプレート
・周波数:1Hz
・歪み率:10%
・昇温速度:5℃/min
樹脂(b1)の酸価(AVb1)としては、75mgKOH/g~400mgKOH/gが好ましく、150mgKOH/g~300mgKOH/gがより好ましい。酸価が上記範囲であれば、樹脂(b1)と樹脂(b2)とを同一粒子内に構成成分として含むビニル系ユニットを含有する有機樹脂微粒子(B)がトナーの表面に付着した粒子を形成しやすい。
酸価が上記範囲にある樹脂(b1)は、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を樹脂(b1)の合計質量に基づいて、好ましくは合計10質量%~60質量%、更に好ましくは合計30質量%~50質量%含有する樹脂である。
樹脂(b2)の酸価(AVb2)としては、低温定着性の観点から、0mgKOH/g~50mgKOH/gが好ましく、0mgKOH/g~20mgKOH/gがより好ましく、0mgKOH/gが更に好ましい。
酸価がこの範囲にある樹脂(b2)は、メタクリル酸及び/又はアクリル酸を樹脂(b2)の合計質量に基づいて、好ましくは合計0質量%~7.5質量%、更に好ましくは合計0質量%~2.5質量%含有する樹脂である。
酸価は、例えば、JIS K0070:1992の方法で測定することができる。
樹脂(b1)のガラス転移温度としては、樹脂(b2)のガラス転移温度より高いことが好ましく、10℃以上高いことがより好ましく、20℃以上高いことが更に好ましい。樹脂(b1)のガラス転移温度が樹脂(b2)のガラス転移温度より高いと、有機樹脂微粒子(B)がトナーの表面に付着したトナー粒子の形成しやすさと、一実施形態に係るトナーの低温定着性のバランスに優れる。
樹脂(b1)のガラス転移温度(以下、Tgと略記することもある)としては、0℃~150℃が好ましく、50℃~100℃がより好ましい。ガラス転移温度が、0℃以上であれば、耐熱保存性を向上させることができ、150℃以下であれば、低温定着性に対する阻害が少ない。
樹脂(b2)のTgとしては、-30℃~100℃が好ましく、0℃~80℃がより好ましく、30℃~60℃が更に好ましい。ガラス転移温度が、-30℃以上であれば、耐熱保存性を向上させることができ、100℃以下であれば、低温定着性に対する阻害が少ない。
Tgは、「DSC20、SSC/580」[セイコー電子工業株式会社製]を用いて、ASTM D3418-82に規定の方法(DSC)で測定する。
樹脂(b1)の溶解性パラメータ(以下、SP値と略記することもある)としては、トナー粒子の形成しやすさの観点から、9(cal/cm1/2~13(cal/cm1/2が好ましく、9.5(cal/cm1/2~12.5(cal/cm1/2がより好ましく、10.5(cal/cm1/2~11.5(cal/cm)1/2が更に好ましい。
樹脂(b1)のSP値は、構成するモノマーの種類及びその構成比を変えることで調整することができる。
樹脂(b2)のSP値としては、トナー粒子の形成しやすさの観点から、8.5(cal/cm1/2~12.5(cal/cm1/2が好ましく、9(cal/cm1/2~12(cal/cm1/2がより好ましく、10(cal/cm1/2~11(cal/cm)1/2が更に好ましい。
樹脂(b2)のSP値は、構成するモノマーの種類及びその構成比を変えることで調整することができる。
SP値は、Fedorsによる方法[Polym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]により計算する。
樹脂(b1)中に、樹脂(b1)のTg及びその他モノマーとの共重合性の観点から、樹脂(b1)の合計質量に基づいて、構成単量体としてスチレンを10質量%~80質量%含有することが好ましく、30質量%~60質量%含有することがより好ましい。
樹脂(b2)中に、樹脂(b2)のTg及びその他ビニルモノマーとの共重合性の観点から、樹脂(b2)の合計質量に基づいて、構成単量体としてスチレンを10質量%~100質量%含有することが好ましく、30質量%~90質量%含有することがより好ましい。
樹脂(b1)の数平均分子量(Mn)としては、2,000~2,000,000が好ましく、20,000~200,000がより好ましい。数平均分子量が2,000以上であれば、耐熱保存性が向上し、2,000,000以下であれば、トナーの低温定着性に対する阻害が少ない。
樹脂(b1)の重量平均分子量(Mw)としては、樹脂(b2)の重量平均分子量(Mw)より大きいことが好ましく、樹脂(b2)の重量平均分子量(Mw)より1.5倍以上大きいことがより好ましく、樹脂(b2)の重量平均分子量(Mw)より2.0倍以上大きいことが更に好ましい。この範囲であれば、トナーの形成しやすさと、低温定着性のバランスに優れる。
樹脂(b1)の重量平均分子量(Mw)としては、20,000~20,000,000が好ましく、200,000~2,000,000がより好ましい。重量平均分子量(Mw)が、20,000以上であれば、耐熱保存性が向上し、20,000,000以下であれば、低温定着性に対する阻害が少ない。
樹脂(b2)の数平均分子量(Mn)としては、1,000~1,000,000が好ましく、10,000~100,000がより好ましい。Mnが、1,000以上であれば、トナーの耐熱保存性が向上し、1,000,000以下であれば、トナーの低温定着性に対する阻害が少ない。
樹脂(b2)の重量平均分子量(Mw)としては、10,000~10,000,000が好ましく、100,000~1,000,000がより好ましい。Mwが、10,000以上であれば、トナーの耐熱保存性が向上し、10,000,000以下であれば、トナーの低温定着性に対する阻害が少ない。
これらの中でも、樹脂(b1)のMwが200,000~2,000,000で、樹脂(b2)のMwが100,000~500,000で、かつ「(b1)のMw」>「(b2)のMw」であることが好ましい。
数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、以下の条件で測定することができる。
・装置(一例):「HLC-8120」[東ソー株式会社製]
・カラム(一例):「TSK GEL GMH6」[東ソー株式会社製]2本
・測定温度:40℃
・試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液(不溶解分をグラスフィルターでろ別したもの)
・溶液注入量:100μl
・検出装置:屈折率検出器
・基準物質:標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー株式会社製]
有機樹脂微粒子(B)中の樹脂(b1)と樹脂(b2)との質量比率は、5/95~95/5が好ましく、25/75~75/25がより好ましく、40/60~60/40が更に好ましい。樹脂(b1)と樹脂(b2)との質量比率が5/95以上であれば、トナーの耐熱保存性に優れ、樹脂(b1)と樹脂(b2)との質量比率が95/5以下であれば、有機樹脂微粒子(B)がトナー粒子の表面に付着したトナー粒子を形成しやすい。
有機樹脂微粒子(B)を製造する方法としては公知の製造方法が挙げられるが、例えば、次のような製造方法(I)~(V)等が挙げられる。
(I)水性分散液中の樹脂(b1)の微粒子をシードとして、樹脂(b2)の構成モノマーをシード重合する方法。
(II)水性分散液中の樹脂(b2)の微粒子をシードとして、樹脂(b1)の構成モノマーをシード重合する方法。
(III)樹脂(b1)及び樹脂(b2)の混合物を水性媒体に乳化して有機樹脂微粒子の水性分散液として得る方法。
(IV)樹脂(b1)と樹脂(b2)の構成モノマーの混合物とを水性媒体に乳化した後に、樹脂(b2)の構成モノマーを重合して有機樹脂微粒子の水性分散液として得る方法。
(V)樹脂(b2)と樹脂(b1)の構成モノマーの混合物とを水性媒体に乳化した後に、樹脂(b1)の構成モノマーを重合して有機樹脂微粒子の水性分散液として得る方法。
有機樹脂微粒子(B)が、シェル樹脂(b1)とコア樹脂(b2)とを同一粒子内に構成成分として含むことは、有機樹脂微粒子(B)の切断面を公知の表面元素分析装置(TOF-SIMSEDX-SEM等)を用いて元素マッピング画像の観察、及び樹脂(b1)と樹脂(b2)に含まれる官能基に応じた染色剤で染色した有機樹脂微粒子(B)の切断面の電子顕微鏡観察画像の観察を行うことにより確認することができる。
またこの方法で得られる有機樹脂微粒子は、樹脂(b1)と樹脂(b2)とを同一粒子内に構成成分として含む有機樹脂微粒子(B)の他に樹脂(b1)のみを構成樹脂成分とする有機樹脂微粒子及び樹脂(b2)のみを構成樹脂成分とする有機樹脂微粒子を含む混合物として得られる場合があるが、後述する複合化工程においては、混合物のまま用いてもよく、有機樹脂微粒子(B)だけを単離して用いてもよい。
(I)の具体例としては、(b1)の構成モノマーを滴下重合して(b1)を含む有機樹脂微粒子の水性分散液を製造した後、これをシードとして(b2)の構成モノマーをシード重合する方法及びあらかじめ溶液重合等で製造した(b1)を水に乳化分散した後、これをシードとして(b2)の構成モノマーをシード重合する方法等が挙げられる。
(II)の具体例としては、(b2)の構成モノマーを滴下重合して(b2)を含む有機樹脂微粒子の水性分散液を製造した後、これをシードとして(b1)の構成モノマーをシード重合する方法及びあらかじめ溶液重合等で製造した(b2)を水に乳化分散した後、これをシードとして(b1)の構成モノマーをシード重合する方法等が挙げられる。
(III)の具体例としては、あらかじめ溶液重合等で製造した(b1)及び(b2)の溶液又は溶融物を混合した後、これを水性媒体に乳化分散する方法等が挙げられる。
(IV)の具体例としては、あらかじめ溶液重合等で製造した(b1)を(b2)の構成モノマーと混合し、これを水性媒体に乳化分散した後、(b2)の構成モノマーを重合する方法及び(b2)の構成モノマー中で(b1)を製造した後、その混合物を水性媒体に乳化分散した後、(b2)の構成モノマーを重合する方法等が挙げられる。
(V)の具体例としては、あらかじめ溶液重合等で製造した(b2)を(b1)の構成モノマーと混合し、これを水性媒体に乳化分散した後、(b1)の構成モノマーを重合する方法、(b1)の構成モノマー中で(a2)を製造した後、その混合物を水性媒体に乳化分散した後、(b1)の構成モノマーを重合する方法等が挙げられる。
本実施形態においては、上記(I)~(V)のいずれの製造方法も好適である。
有機樹脂微粒子(B)は、水性分散液として用いることが好ましい。
水性分散液に用いられるもの(水性媒体)としては、水に溶解するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、界面活性剤、緩衝剤、保護コロイド等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
水性分散液に用いる、水性媒体としては、水を必須とする液体であれば、特に制限はなく用いることができ、例えば、水を含有させた水溶液等が挙げられる。
3)トナー材料の乳化乃至分散
トナー材料の乳化乃至分散は、トナー材料を含有する油相を、水系媒体中に分散させることにより行うことができる。これにより、乳化粒子を含む乳化分散液が作製される。また、トナー材料を乳化乃至分散させる際に、硬化剤とプレポリマーとを伸長反応及び/又は架橋反応させることができる。
乳化又は分散における油相及び水系媒体の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水系媒体を90~10質量%含み、油相を10~90質量%含むのが好ましい。水系媒体及び油相の含有量が上記の範囲内にあると、水系媒体に油相が分散された水中油型エマルション乃至サスペンションが形成される。
プレポリマーを生成させるための反応条件(反応時間、反応温度)は、特に制限はなく、硬化剤とプレポリマーとの組み合わせに応じて、適宜選択することができる。反応時間は、10分間~40時間が好ましく、2時間~24時間がより好ましい。反応温度は、0℃~150℃が好ましく、40℃~98℃がより好ましい。
水系媒体中において、油相を乳化乃至分散させつつ、プレポリマーを含有する分散液を安定に形成する方法は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、水系媒体相中に、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した油相を添加し、せん断力により分散させる方法等が挙げられる。
水系媒体中に油相を乳化乃至分散させる方法としては、特に限定されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機等の公知の設備が適用できる。これらの中でも、乳化粒子の小粒径化の観点から、高速せん断式分散機を用いることが好ましい。
高速せん断式分散機を使用した場合、回転数、攪拌羽根の周速、分散時間、分散温度等の条件については特に限定されず、適宜選択することができる。回転数は、1,000rpm~30,000rpmが好ましく、5,000rpm~20,000rpmがより好ましい。攪拌羽根の周速は、5m/s~30m/sが好ましい。分散時間は、バッチ方式の場合、0.1分~5分が好ましい。分散温度は、加圧下において、0℃~150℃が好ましく、20℃~80℃がより好ましい。なお、一般に、分散温度が高温である方が分散は容易である。
トナー組成物がプレポリマーを有する場合、プレポリマーが伸長乃至架橋反応するのに必要な活性水素基含有化合物等を、水系媒体中でトナー組成物を分散する前に油相中に予め混合しておいてもよいし、水系媒体中で混合してもよい。
乳化分散液を作成する工程で、連続乳化装置により乳化分散液を作成することが好ましい。乳化分散液を作製する工程を行う反応装置の一例を図1に示す。図1に示すように、反応装置1では、油相貯蔵タンク2より供給される油相2a及びプレポリマー貯蔵タンク3より供給されるプレポリマー3aが混合した原料混合液4は、固定分散機5を通過した後、水相貯蔵タンク6より供給される無機微粒子を含有した水溶液6aを混合して、原料混合液4と水溶液6aを含む混合溶液Aは、乳化装置7においてミキサーで攪拌混合され、乳化液Bとなる。
乳化分散液の作製工程では、乳化系Xにおいて、任意量の混合溶液Aの供給と、この供給量と同量の乳化分散液Cが排出流路L1に排出される。排出流路L1には、純水供給ラインL3が連結され、純水貯蔵タンク8内の純水8aが純水供給ラインL3を通って、排出流路L1内を流れる乳化分散液Cに供給される。
乳化装置7内の乳化液Bは、乳化装置7から排出流路L2に流出し、排出経路L1と排出流路L2との合流点Pから排出経路L1又は循環流路L4に流れて、貯留槽9に供給されるか乳化装置7に戻される。
反応装置1は、乳化装置7を連続式とすることで、反応装置1内のそれぞれの反応を連続で行うことができる。なお、反応装置1の各貯蔵タンクと固定分散機5又は乳化装置7とを連結する流路、固定分散機5と乳化装置7とを連結する流路、排出流路L1、排出流路L2、純水供給ラインL3及び循環流路L4には、それぞれ、不図示の調整弁が設けられ、各流路を流れる流量は制御される。
((純水の供給工程))
本実施形態では、水系媒体中に乳化及び分散の少なくとも何れか一方を行った後の乳化スラリーに純水を投入する。上記の図1に示す反応装置1では、排出流路L1を流れる乳化スラリーに純水Wを投入する。
さらに、乳化機から貯留槽に到達するまでの時間をTとした時、乳化分散液に対する純水は、2/3×T以内に投入することが好ましい。
純水投入前溶剤濃度をA、純水投入後溶剤濃度をBとした時に、乳化分散液に対する純水の投入流量は、純水投入後溶剤濃度Bの純水投入前溶剤濃度Aに対する比(純水投入後溶剤濃度B/純水投入前溶剤濃度A)は、10%以上100%未満となるように調整することが好ましい。
さらに、乳化分散液に対する純水の投入箇所の後に乳化分散液と純水が混合される機構を備えることが好ましく、安定性がより改善される。
トナー材料を乳化乃至分散させる際の水系媒体の使用量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対して、50質量部~2,000質量部が好ましく、100質量部~1,000質量部がより好ましい。水系媒体の使用量が50質量部以上であると、トナー材料の分散状態が良く、所定の粒子径のトナー母体粒子が得られる。水系媒体の使用量が2,000質量部以下であると、生産コストの増大が抑えられる。
トナー材料を含有する油相を乳化乃至分散する際には、油滴等の分散体を安定化させ、所望の形状にすると共に粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
分散剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
界面活性剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。
陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好ましい。
トナー材料を含有する油相を乳化乃至分散する水系媒体中に乳化及び/又は分散させた後の乳化スラリーを貯留槽に貯留した直後に純水を投下することが好ましい。
さらに、乳化分散液に対する純水の投入箇所は乳化機から貯留槽に到達するまでの時間をTとした時に、2/3×T以内に純水を投入することが好ましく、乳化分散液に対する純水の投入流量は、純水投入前溶剤濃度(A)、純水投入後溶剤濃度(B)とした時に100>B/A≧10とすることがより好ましい。
さらに、乳化分散液に対する純水の投入箇所の後に乳化分散液と純水が混合される機構をもつとより好ましく安定性がより改善される。
[トナー母体粒子の造粒工程]
乳化分散液を収斂させてトナー母体粒子を造粒する。収斂は、油相を水系媒体中に乳化乃至分散させて形成した乳化粒子において、互いに近傍に存在する乳化粒子同士を会合させることにより行う。収斂により、互いに近傍に存在する乳化粒子同士から一つのトナー母体粒子が形成される。
ここで、トナー母体粒子を造粒する工程は、少なくとも図1の貯留槽9で行われてもよい。図1に示すように、連続で乳化粒子を作製後、貯留槽9に貯留し、その際に、反応可能な官能基を有する樹脂の変性ポリエステルの重合反応として架橋及び/又は伸長反応を進め分子量を調整する。これによって、トナー等を製造することが連続的に行うことができる。
[有機溶媒の除去]
反応終了後、乳化スラリー(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
乳化スラリー等の分散液から有機溶媒を除去する方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、反応系全体を徐々に昇温させて油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して油滴中の有機溶媒を除去する方法等が挙げられる。
有機溶媒が除去されると、トナー母体粒子が形成される。トナー母体粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、更に分級等を行うことができる。分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
得られたトナー母体粒子は、必要に応じて、外添剤の乾式処理を行い、混合することで、トナーを得ることができる。外添剤の乾式処理は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。このとき、機械的衝撃力を印加することによってトナー母体粒子の表面で外添剤を固定して融合化させることで、トナー母体粒子の表面から異種粒子の脱離するのを抑制することができる。
機械的衝撃力を印加する方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等が挙げられる。
方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
外添剤としては、無機微粒子及び高分子系微粒子等を用いることができる。無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。高分子系微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が好ましい表面処理剤として挙げられる。
アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'ジアミノジフェニルメタン、4,4'-ジアミノ-3,3'ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。また、これらのアミン類のアミノ基をケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)でブロックした、ケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物等が挙げられる。
(乳化粒子)
乳化粒子は、油相を水系媒体中に乳化乃至分散させることで、水系媒体中に生成される。
乳化粒子の組成としては、油相の組成と同一である。即ち、結着樹脂又は結着樹脂及び結着樹脂前駆体と、着色剤とを含み、更に必要に応じて、有機変性層状無機鉱物、離型剤、帯電制御剤、及び結着樹脂前駆体と反応可能な活性水素基含有化合物等のその他の成分を含むトナー材料を有機溶媒に溶解乃至分散される。
乳化分散液を作製する工程で、連続乳化装置により乳化分散液を作製することが好ましい。乳化分散液を作製する工程を行う反応装置の一例を図1に示す。図1に示すように、反応装置1では、油相貯蔵タンク2より供給される油相2a及びプレポリマー貯蔵タンク3より供給されるプレポリマー3aが混合した原料混合液4は、固定分散機5を通過した後、水相貯蔵タンク6より供給される無機微粒子を含有した水溶液6aを混合して、原料混合液4と水溶液6aを含む混合溶液Aは、乳化装置7においてミキサーで攪拌混合され、乳化液Bとなる。
乳化分散液の作製工程では、乳化系Xにおいて、任意量の混合溶液Aの供給と、この供給量と同量の乳化分散液Cが排出流路L1に排出される。排出流路L1には、純水供給ラインL3が連結され、純水貯蔵タンク8内の純水8aが純水供給ラインL3を通って、排出流路L1内を流れる乳化分散液Cに供給される。
乳化装置7内の乳化液Bは、乳化装置7から排出流路L2に流出し、排出経路L1と排出流路L2との合流点Pから排出経路L1又は循環流路L4に流れて、貯留槽9に供給されるか乳化装置7に戻される。
反応装置1は、乳化装置7を連続式とすることで、反応装置1内のそれぞれの反応を連続で行うことができる。なお、反応装置1の各貯蔵タンクと固定分散機5又は乳化装置7とを連結する流路、固定分散機5と乳化装置7とを連結する流路、排出流路L1、排出流路L2、純水供給ラインL3及び循環流路L4には、それぞれ、不図示の調整弁が設けられ、各流路を流れる流量は制御される。
((純水の供給工程))
本実施形態では、水系媒体中に乳化及び分散の少なくとも何れか一方を行った後の乳化スラリーに純水を供給する。上記の図1に示す反応装置では、経路Dを流れる乳化スラリーに純水Wを供給する。
さらに、乳化機から貯留槽に到達するまでの時間をTとした時、乳化分散液に対する純水は、2/3×T以内に供給することが好ましい。
純水供給前溶剤濃度をA、純水供給後溶剤濃度をBとした時に、乳化分散液に対する純水の供給流量は、純水供給後溶剤濃度Bの純水供給前溶剤濃度Aに対する比(純水供給後溶剤濃度B/純水供給前溶剤濃度A)は、10%以上100%未満となるように調整することが好ましい。
さらに、乳化分散液に対する純水の供給箇所の後に乳化分散液と純水が混合される機構を備えることが好ましく、安定性がより改善される。
トナー材料を乳化乃至分散させる際の水系媒体の使用量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対して、50質量部~2,000質量部が好ましく、100質量部~1,000質量部がより好ましい。水系媒体の使用量が50質量部以上であると、トナー材料の分散状態が良く、所定の粒子径のトナー母体粒子が得られる。水系媒体の使用量が2,000質量部以下であると、生産コストの増大が抑えられる。
トナー材料を含有する油相を乳化乃至分散する際には、油滴等の分散体を安定化させ、所望の形状にすると共に粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
分散剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
界面活性剤は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。
陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好ましい。
トナー材料を含有する油相を乳化乃至分散する水系媒体中に乳化及び/又は分散させた後の乳化スラリーを貯留槽に貯留した直後に純水を投下することが好ましい。
さらに、乳化分散液に対する純水の供給箇所は乳化機から貯留槽に到達するまでの時間をTとした時に、2/3×T以内に純水を供給することが好ましく、乳化分散液に対する純水の供給流量は、純水供給前溶剤濃度(A)、純水供給後溶剤濃度(B)とした時に100>B/A≧10とすることがより好ましい。
さらに、乳化分散液に対する純水の供給箇所の後に乳化分散液と純水が混合される機構をもつとより好ましく安定性がより改善される。
[トナー母体粒子の造粒工程]
トナー母体粒子の造粒工程は、乳化分散液を収斂させてトナー母体粒子を造粒する。収斂は、油相を水系媒体中に乳化乃至分散させて形成した乳化粒子において、互いに近傍に存在する乳化粒子同士を会合させることにより行う。収斂により、互いに近傍に存在する乳化粒子同士から一つのトナー母体粒子が形成される。
トナー母体粒子の造粒する際、乳化分散液の温度を制御して、トナー母体粒子の平均円形度を制御してもよい。油相に含まれる樹脂成分は、結晶性樹脂を樹脂成分の50質量%以上含有するため、油相中においても液温を含有される結晶性樹脂の融点以上から融点未満に低下させると、結晶性樹脂の結晶化が始まる。乳化分散液の温度を制御することで、結晶化度を制御し、トナー母体粒子の会合状態を任意に変化させることでトナー母体粒子の円形度を制御することができる。
トナー母体粒子を造粒する工程は、少なくとも図1の貯留槽9で行われてもよい。図1に示すように、連続で乳化粒子を作製後、貯留槽9に貯留し、その際に、反応可能な官能基を有する樹脂の変性ポリエステルの重合反応として架橋及び/又は伸長反応を進め分子量を調整する。これによって、トナー等を製造することが連続的に行うことができる。
[有機溶媒の除去工程]
有機溶媒の除去工程は、トナー母体粒子の造粒の終了後、乳化スラリー(反応物)から有機溶媒を除去して、トナー母体粒子から有機溶媒を除去する。有機溶媒が除去されると、トナー母体粒子が形成される。
乳化スラリー等の分散液から有機溶媒を除去する方法は、特に制限はなく、適宜選択することができる。有機溶媒の除去方法としては、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、乳化分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の有機溶剤を完全に除去してトナー母体粒子を形成すると共に水系分散剤を蒸発除去する方法等が挙げられる。
[その他の工程]
有機溶媒の除去の後、トナー母体粒子に対して、洗浄、乾燥等を行うことができ、更にその後、所望により分級等を行うことができる。分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
得られたトナー母体粒子は、必要に応じて、外添剤の乾式処理を行い、混合することで、トナーを得ることができる。外添剤の乾式処理は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。このとき、トナー母体粒子を、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料等の異種粒子とともに混合を行なったり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによってトナー母体粒子の表面で固定して融合化させることで、トナー母体粒子の表面から異種粒子の脱離することを抑制することができる。
機械的衝撃力を印加する方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を供給し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等が挙げられる。
方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
<外添剤>
外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等);金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモン等)、疎水化された金属酸化物微粒子、フルオロポリマー等が挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子が好適に挙げられる。
疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子を得るためには、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子等の親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。
また、外添剤として、シリコーンオイルで、必要ならば熱を加えて無機微粒子を処理したシリコーンオイル処理無機微粒子も好適である。シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル又はメタクリル変性シリコーンオイル、α-メチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
外添剤の添加量としては、トナーに対して、0.1質量%~5質量%が好ましく、0.3質量%~3質量%がより好ましい。
無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、100nm以下が好ましく、3nm~70nmがより好ましい。個数平均粒径が3nm未満であると、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。個数平均粒径が70nmを超えると、静電潜像担持体表面を不均一に傷つけ好ましくない。
外添剤としては、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径は、1nm~100nmが好ましく、中でも、5nm~70nmの無機微粒子を少なくとも2種含むことがより好ましい。更に、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、BET法による比表面積は、20m2/g~500m2/gであることが好ましい。
酸化物微粒子を含む外添剤の表面処理剤としては、例えば、ジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザン等のシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニス等が挙げられる。
外添剤として樹脂微粒子も添加することができる。樹脂微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系重合体粒子;熱硬化性樹脂による重合体粒子等が挙げられる。このような樹脂微粒子を併用することによってトナーの帯電性が強化でき、逆帯電のトナーを減少させ、未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れを低減することができる。樹脂微粒子の添加量は、トナーに対し0.01質量%~5質量%が好ましく、0.1質量%~2質量%がより好ましい。
<流動性向上剤>
流動性向上剤は、トナーの表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においてもトナーの流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。
<クリーニング性向上剤>
クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子等が挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、重量平均粒径が0.01μm~1μmのものが好適である。
<磁性材料>
磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト等が挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
このように、一実施形態に係るトナーの製造方法は、乳化分散液の作製工程と、トナー母体粒子の造粒工程と、有機溶媒の除去工程とを含み、乳化分散液の作製工程が純水の供給工程を含む。一実施形態に係るトナーの製造方法は、水系媒体中に乳化及び分散の少なくとも何れか一方を行った生成した乳化スラリーに純水を供給することで、乳化スラリー中の溶剤濃度を下げることができるため、乳化スラリー中の乳化粒子の粗大化を抑えることができる。このため、乳化スラリー中の乳化粒子は、安定してシャープな円形度を維持することができる。よって、一実施形態に係るトナーの製造方法は、乳化粒子の形状の変化を抑えることができるため、安定的な粒径分布を有すると共に円形度分布に優れるトナーを製造することができる。
なお、円形度は、乳化粒子又はトナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実際の乳化粒子又はトナーの周囲長で除した値である。乳化粒子又はトナーの円形度は、平均円形度が0.940~0.980が好ましく、0.950~0.970がより好ましい。平均円形度は、例えば、トナーを含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法等により計測することができ、例えば、フロー式粒子像分析装置を用いて測定できる。
一実施形態に係るトナーの製造方法によれば、トナーの粒径分布及び円形度分布を安定させることができるので、得られるトナーの収率を向上させることができる。
また、一実施形態に係るトナーの製造方法によれば、得られるトナーの円形度が高められ、適切な範囲内に制御することができるため、クリーニング不良が抑えられ、安定したクリーニングを行うことができる。トナーの円形度が高過ぎる(例えば、平均円径度が、0.980を超える場合)と、ブレードクリーニング等を採用している画像形成装置では、感光体上及び転写ベルト等のクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがある。または、感光体上に転写残トナーが感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、帯電ローラ等が本来の帯電能力を発揮できなくなる場合がある。一実施形態に係るトナーの製造方法を用いて製造したトナーを用いれば、クリーニング性を安定して発揮できるため、現像性及び転写性を向上させることができる。
一実施形態に係るトナーの製造方法は、乳化分散機に供給する純水を、乳化機から貯留槽に到達するまでに供給することができる。これにより、一実施形態に係るトナーの製造方法は、乳化スラリーに純水を確実に供給することができるため、乳化スラリー中の溶剤濃度を確実に下げ、乳化粒子の形状の変化をより安定して抑えることができる。よって、一実施形態に係るトナーの製造方法は、安定的な粒径分布を有すると共に円形度分布に優れるトナーをより確実に製造することができる。
一実施形態に係るトナーの製造方法は、乳化機から貯留槽に到達するまでの時間をTとした時に、乳化分散液に純水を2/3×T以内に供給できる。これにより、一実施形態に係るトナーの製造方法は、乳化スラリー中の乳化粒子が粗大化することを確実に抑えることができるため、乳化スラリー中の溶剤濃度をさらに確実に下げ、乳化粒子の形状の変化をさらに安定して抑えることができる。よって、一実施形態に係るトナーの製造方法は、安定的な粒径分布を有すると共に円形度分布に優れるトナーをさらに確実に製造することができる。
一実施形態に係るトナーの製造方法は、純水供給前溶剤濃度をA、純水供給後溶剤濃度をBとした時、乳化分散液に対する純水の供給流量を、純水供給後溶剤濃度B/純水供給前溶剤濃度Aが10%以上100%未満となるように調整できる。これにより、一実施形態に係るトナーの製造方法は、乳化スラリー中の溶剤の量に応じて適切に純水を供給することができるため、余計な純水の供給を抑えつつ乳化粒子が粗大化することを確実に抑えることができるため、乳化スラリー中の溶剤濃度を確実に下げ、運転コストを抑えながら乳化粒子の形状の変化を安定して抑えることができる。よって、一実施形態に係るトナーの製造方法は、安定的な粒径分布を有すると共に円形度分布に優れるトナーをコストの低減を図りつつ製造することができる。
一実施形態に係るトナーの製造方法は、乳化分散液に対する純水の供給箇所の後に乳化分散液と純水が混合される機構を有することができる。これにより、一実施形態に係るトナーの製造方法は、乳化スラリー全体に純水を撹拌することができるため、乳化スラリー全体の溶剤濃度を確実に下げ、乳化粒子の形状の変化を確実に抑えることができる。よって、一実施形態に係るトナーの製造方法は、安定的な粒径分布を有すると共に円形度分布に優れたトナーの収率を向上させることができる。
一実施形態に係るトナーの製造方法は、トナー母体粒子の表面に、樹脂(a)からなるコアと、樹脂(b)からなるシェルで構成されるコアシェル構造を有する有機樹脂微粒子を設けることができる。これにより、一実施形態に係るトナーの製造方法は、トナーがトナー母体粒子の表面にコアシェル構造を有する有機樹脂微粒子を設けた複合粒子でも、より安定的な粒径分布を有すると共に円形度分布に優れるトナーを製造できる。
一実施形態に係るトナーの製造方法は、有機樹脂微粒子に、スチレンアクリル樹脂を含有することができる。これにより、一実施形態に係るトナーの製造方法は、スチレンアクリル樹脂がトナー母体粒子の表面に設けられた複合粒子の粒径分布を安定させると共に円形度分布を高めることができるため、スチレンアクリル樹脂をトナー母体粒子の表面に有するトナーの収率を安定して維持することができる。
<トナー>
一実施形態に係るトナーの製造方法を用いて得られるトナーは、安定的な粒径分布を有すると共に、優れた円形度分布を有するため、低温定着性及び帯電性に優れ、優れた画像品質を有する画像を提供することができる。
<現像剤>
一実施形態に係る現像剤は、一実施形態に係るトナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含むことができる。これにより、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定して形成することができる。
現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上の点から、二成分現像剤であることが好ましい。
一実施形態に係るトナーを一成分現像剤に用いる場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミング及びトナーを薄層化するブレード等の部材へのトナーの融着が少なく抑えられ、現像装置において長期間にわたって攪拌されても、良好で安定した現像性及び高画質な画が得られる。
一実施形態に係る現像剤を二成分現像剤に用いる場合には、キャリアと混合して現像剤として用いることができる。一実施形態に係るトナーを二成分現像剤として用いる場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像装置において長期間にわたって攪拌されても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
二成分現像剤中のキャリアの含有量は、目的に応じて適宜選択することができるが、二成分現像剤100質量部に対して、90質量部~98質量部が好ましく、93質量部~97質量部がより好ましい。
一実施形態に係る現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができる。
[キャリア]
キャリアは、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層(被覆層)とを有するものであることが好ましい。
(芯材)
芯材の材料は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g~90emu/gのマンガン-ストロンチウム系材料、50emu/g~90emu/gのマンガン-マグネシウム系材料等が挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g~120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30emu/g~80emu/gの銅-亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
芯材の体積平均粒径は、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm~150μmが好ましく、40μm~100μmがより好ましい。体積平均粒径が10μm以上であれば、キャリア中に微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低下してキャリアの飛散が生じることがあるという問題を有効に防止できる。一方、150μm以下であれば、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがあるという問題を有効に防止することができる。
(樹脂層)
樹脂層は、樹脂及び必要に応じてその他の成分を含有することができる。樹脂層に用いられる樹脂としては、必要な帯電性を付与できる公知の材料を使用できる。具体的にはシリコーン樹脂、アクリル樹脂、又はこれらを併用して使用することが好ましい。また樹脂層を形成するための組成物は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。
樹脂層の平均膜厚は、0.05~0.50μmであることが好ましい。
<現像剤収容容器>
一実施形態に係る現像剤収容容器は、一実施形態に係る現像剤を収容している。現像剤収容容器としては、特に限定されず、公知のものの中から適宜選択することができるが、容器本体とキャップを有するもの等が挙げられる。
また、容器本体の大きさ、形状、構造、材質等は、特に限定されないが、形状は、円筒状等であることが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより、内容物である現像剤が排出口側に移行することが可能であり、スパイラル状の凹凸の一部又は全てが蛇腹機能を有することが特に好ましい。さらに、材質は、特に限定されないが、寸法精度がよいものであることが好ましく、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
現像剤収容容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れるため、後述する画像形成装置、プロセスカートリッジ等に着脱可能に取り付け、現像剤の補給に使用することができる。
<トナー収容ユニット>
一実施形態に係るトナー収容ユニットは、一実施形態に係るトナーを収容することができる。一実施形態に係るトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えば、トナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジが挙げられる。
トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
プロセスカートリッジとは、少なくとも静電潜像担持体(像担持体ともいう)と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段等から選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
一実施形態に係るトナー収容ユニットには、一実施形態に係るトナーが収容される。一実施形態に係るトナー収容ユニットを、画像形成装置に装着して画像形成することで、一実施形態に係るトナーを用いて画像形成が行われるため、低温定着性及び帯電性に優れ、高画質な画像を安定して形成することができる。
<画像形成装置>
一実施形態に係る画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成部と、静電潜像担持体に形成された静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像部とを有し、更に必要に応じて、その他の構成を有することができる。
一実施形態に係る画像形成装置は、より好ましくは、上記の、静電潜像担持体、静電潜像形成部及び現像部の他に、トナー像を記録媒体に転写する転写部と、記録媒体の表面に転写された転写像を定着させる定着部とを備える。
現像部において、一実施形態に係るトナーが使用される。好ましくは、一実施形態に係るトナーを含有し、更に必要に応じて、キャリア等のその他の成分が含有された現像剤を用いることにより、トナー像を形成してもよい。
(静電潜像担持体)
静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)の材質、形状、構造、大きさ等としては、特に制限されず、公知のものの中から適宜選択することができる。静電潜像担持体の材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)等が挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点で、アモルファスシリコンが好ましく、より高精細な画像が得られる点で、有機感光体(OPC)が好ましい。
アモルファスシリコン感光体としては、例えば、支持体を50℃~400℃に加熱し、支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD(化学気相成長、Chemical Vapor Deposition)法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa-Siからなる光導電層を有する感光体を用いることができる。これらの中でも、プラズマCVD法、即ち、原料ガスを直流又は高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa-Si堆積膜を形成する方法が好適である。
静電潜像担持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円筒状が好ましい。円筒状の静電潜像担持体の外径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3mm~100mmが好ましく、5mm~50mmがより好ましく、10mm~30mmが特に好ましい。
静電潜像担持体の線速としては、300mm/s以上であることが好ましい。
(静電潜像形成部)
静電潜像形成部としては、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。静電潜像形成部は、例えば、静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電部材(帯電器)と、静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材(露光器)とを備える。
帯電器としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器等が挙げられる。
帯電器の形状としては、ローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等どのような形態をとってもよく、画像形成装置の仕様や形態にあわせて選択することができる。
帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。また、帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
帯電器としては、接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られる点から、接触式の帯電部材を用いることが好ましい。
露光器としては、帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光器が挙げられる。
露光器に用いられる光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般等が挙げられる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
なお、露光器は、静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
(現像部)
現像部は、静電潜像担持体に形成された静電潜像を現像して可視像を形成できれば、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。現像部は、例えば、トナーを収容し、静電潜像にトナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を備えるものを好適に用いることができ、トナー入り容器を備えた現像器等が好ましい。
現像器は、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよい。現像器として、例えば、トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、内部に固定された磁界発生部とを有し、表面にトナーを含む現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体(例えば、マグネットローラ)を有する現像装置等が好適に挙げられる。
(転写部)
転写部としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写部と、複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写部とを有する態様が好ましい。なお、中間転写体としては、特に制限されず、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
転写部(第一次転写手段及び第二次転写部)は、静電潜像担持体(感光体)上に形成された可視像を記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。転写部は1つであってもよいし、2以上であってもよい。
転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器等が挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
(定着部)
定着部としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部が好適である。加熱加圧部としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ等が挙げられる。
定着部は、発熱体を具備する加熱体と、加熱体と接触するフィルムと、フィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材とを有し、フィルムと加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着できる加熱加圧部であることが好ましい。
加熱加圧部における加熱は、通常、80℃~200℃が好ましい。
加熱加圧部における面圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10N/cm~80N/cmであることが好ましい。
なお、本実施形態においては、目的に応じて、定着部と共に又はこれに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
(その他)
一次形態に係る画像形成装置は、その他、例えば、除電部、リサイクル部、制御部等を備えることができる。
((除電部))
除電部としては、特に制限されず、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
((クリーニング部))
クリーニング部は、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができる。クリーニング部として、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が挙げられる。
一次形態に係る画像形成装置は、クリーニング部を有することにより、クリーニング性を向上させることができる。すなわち、トナー間付着力を制御することにより、トナーの流動性が制御され、クリーニング性を向上させることができる。また、劣化後のトナーの特性を制御することにより、高寿命化や高温多湿等の過酷な条件下においても、優れたクリーニング品質を維持することができる。さらに、感光体上におけるトナーから外添剤を十分に遊離させることができるため、クリーニングブレードニップ部における外添剤の堆積層(ダム層)を形成することにより、高いクリーニング性を達成することができる。
((リサイクル部))
リサイクル部としては、特に制限されず、公知の搬送手段等が挙げられる。
((制御部))
制御部は、上記の各部の動きを制御することができる。制御部としては、上記の各部の動きを制御できれば、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の制御機器が挙げられる。
一実施形態に係る画像形成装置は、一実施形態に係るトナーを用いて画像形成を行うことができるため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定して提供することができる。
<画像形成方法>
一実施形態に係る画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像をトナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含むことができる。画像形成方法は、画像形成装置により好適に行うことができ、静電潜像形成工程は、静電潜像形成部により好適に行うことができ、現像工程は、現像部により好適に行うことができ、その他の工程は、その他の部により好適に行うことができる。
また、一実施形態に係る画像形成方法は、より好ましくは、上記の、静電潜像形成工程及び現像工程の他に、トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写された転写像を定着する定着工程とを含む。
現像工程において、一実施形態に係るトナーが使用される。好ましくは、一実施形態に係るトナーを含有し、更に必要に応じて、キャリア等のその他の成分が含有された現像剤を用いることにより、トナー像を形成してもよい。
静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であり、静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程とを含む。帯電は、例えば、帯電器を用いて静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。露光は、例えば、露光器を用いて静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。静電潜像の形成は、例えば、静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、静電潜像形成部により行うことができる。
現像工程は、静電潜像を複数色のトナーにより順次現像して可視像を形成する工程である。可視像の形成は、例えば、静電潜像をトナーを用いて現像することにより行うことができ、現像器により行うことができる。
現像器内では、例えば、トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて静電潜像担持体(感光体)の表面にトナーによる可視像が形成される。
転写工程は、可視像を記録媒体に転写する工程である。転写工程は、中間転写体を用い、中間転写体上に可視像を一次転写した後、可視像を記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。
転写工程は、二色以上のトナー、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。転写工程は、記録媒体上に二次転写される画像が複数色のトナーからなるカラー画像である場合、中間転写体を用いて、中間転写体上に各色のトナーを順次重ね合わせて中間転写体上に画像を形成し、中間転写体により、中間転写体上の画像を記録媒体上に一括で二次転写してよい。
転写は、例えば、可視像を転写帯電器を用いて静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、転写部により行うことができる。
定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
一次形態に係る画像形成方法は、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程等を含むことができる。
除電工程は、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電部により好適に行うことができる。
クリーニング工程は、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程であり、クリーニング部により好適に行うことができる。
リサイクル工程は、クリーニング工程により除去したトナーを現像部にリサイクルさせる工程であり、リサイクル部により好適に行うことができる。
一実施形態に係る画像形成方法は、一実施形態に係るトナーを用いて画像形成を行うことができるため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定して提供することができる。
[画像形成装置の一態様]
次に、一実施形態に係る画像形成装置の一の態様について、図2を参照しながら説明する。図2は、一実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図2に示すように、画像形成装置100Aは、静電潜像担持体である感光体ドラム10と、帯電部である帯電ローラ20と、露光部である露光装置30と、現像部である現像装置40と、中間転写体(中間転写ベルト)50と、クリーニング部であるクリーニング装置60と、転写部である転写ローラ70と、除電部である除電ランプ80と、中間転写体クリーニング装置90とを備える。
中間転写体50は、内側に配置されている3個のローラ51で張架されている無端ベルトであり、3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50の近傍には、中間転写体クリーニング装置90が配置されている。さらに、中間転写体50の近傍に、転写ローラ70が中間転写体50に対向して配置され、記録媒体としての転写紙Pに現像像(トナー画像)を転写(二次転写)するための転写バイアス(二次転写バイアス)を印加することができる。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー画像に電荷を付与するためのコロナ帯電器52が、中間転写体50の回転方向に対して、感光体ドラム10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙Pとの接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像剤担持体である現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設した現像ユニット42から構成されている。
現像ベルト41は、複数のベルトローラで張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。さらに、現像ベルト41の一部が感光体ドラム10と接触している。
現像ユニット42は、ブラック(Bk)現像ユニット42K、イエロー(Y)現像ユニット42Y、マゼンタ(M)現像ユニット42M、及びシアン(C)現像ユニット42Cから構成されている。
ブラック現像ユニット42Kは、現像剤収容部421Kと現像剤供給ローラ422Kと現像ローラ(現像剤担持体)423Kとを備えている。イエロー現像ユニット42Yは、現像剤収容部421Yと現像剤供給ローラ422Yと現像ローラ423Yとを備えている。マゼンタ現像ユニット42Mは、現像剤収容部421Mと現像剤供給ローラ422Mと現像ローラ423Mとを備えている。シアン現像ユニット42Cは、現像剤収容部421Cと現像剤供給ローラ422Cと現像ローラ423Cとを備えている。
次に、画像形成装置100Aを用いて画像を形成する方法について説明する。まず、帯電ローラ20を用いて、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させた後、露光装置30を用いて、感光体ドラム10に露光光Lを露光し、静電潜像を形成する。次に、感光体ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40から供給されたトナーで現像してトナー像を形成する。さらに、感光体ドラム10上に形成されたトナー像が、ローラ51から印加された転写バイアスにより、中間転写体50上に転写(一次転写)された後、転写ローラ70から印加された転写バイアスにより、不図示の給紙部によって給紙された転写紙P上に転写(二次転写)される。一方、トナー像が中間転写体50に転写された感光体ドラム10は、表面に残留したトナーがクリーニング装置60により除去された後、除電ランプ80により除電される。画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置90によって除去される。
転写工程終了後、転写紙Pは定着ユニットに搬送されて、この定着ユニットで、上記転写されたトナー像は転写紙Pに定着される。
図3は、一実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。図3に示すように、画像形成装置100Bは、図2に示す画像形成装置100Aにおいて、現像ベルト41を設けずに、感光体ドラム10の周囲に、現像ユニット42(ブラック現像ユニット42K、イエロー現像ユニット42Y、マゼンタ現像ユニット42M及びシアン現像ユニット42C)が直接対向して配置されている以外は、画像形成装置100Aと同様の構成を有する。
図4は、一実施形態に係る画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。図4に示すように、画像形成装置100Cは、タンデム型カラー画像形成装置であり、複写装置本体110と、給紙テーブル120と、スキャナ130と、原稿自動搬送装置(ADF)140と、二次転写装置150と、定着部である定着装置160と、シート反転装置170を備えている。
複写装置本体110の中央部には、無端ベルト状の中間転写体50が設けられている。中間転写体50は、3個のローラ53A、53B及び53Cに張架されている無端ベルトであり、図4中、矢印方向に移動することができる。ローラ53Bの近傍には、トナー像が記録紙に転写された中間転写体50上に残留したトナーを除去するための中間転写体クリーニング装置90が配置されている。ローラ53A及び53Bにより張架された中間転写体50に対向すると共に、搬送方向に沿って、現像ユニット42(イエロー(Y)現像ユニット42Y、シアン(C)現像ユニット42C、マゼンタ(M)現像ユニット42M及びブラック(Bk)現像ユニット42K)が配置されている。
また、現像ユニット42の近傍には、露光装置30が配置されている。さらに、中間転写体50の現像ユニット42が配置された側とは反対側には、二次転写装置150が配置されている。二次転写装置150は、二次転写ベルト151を備える。なお、二次転写ベルト151は、一対のローラ152に張架されている無端ベルトであり、二次転写ベルト151上を搬送される記録紙と中間転写体50は、ローラ53Cとローラ152との間で接触することができる。
また、二次転写ベルト151の近傍には、定着装置160が配置されている。定着装置160は、一対のローラに張架されている無端ベルトである定着ベルト161と、定着ベルト161に押圧されて配置された加圧ローラ162とを備えている。
また、二次転写ベルト151及び定着装置160の近傍に、記録紙の両面に画像を形成する場合に、記録紙を反転させるためのシート反転装置170が配置されている。
次に、画像形成装置100Cを用いて、フルカラー画像を形成する方法について説明する。ます、原稿自動搬送装置(ADF)140の原稿台141上にカラー原稿をセットするか、原稿自動搬送装置140を開いてスキャナ130のコンタクトガラス131上にカラー原稿をセットし、原稿自動搬送装置140を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置140にカラー原稿をセットした時は、カラー原稿が搬送されてコンタクトガラス131上へと移動された後で、スキャナ130が駆動し、光源を備える第1走行体132及び第2走行体133が走行する。一方、コンタクトガラス131上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ130が駆動して、光源を備える第1走行体132及び第2走行体133が走行する。このとき、第1走行体132から照射された光の原稿面からの反射光を第2走行体133のミラーで反射した後、結像レンズ135を通して読取りセンサ136で受光することにより、カラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報が得られる。
各色の画像情報は、各色の現像ユニット(イエロー現像ユニット42Y、シアン現像ユニット42C、マゼンタ現像ユニット42M及びブラック現像ユニット42K)にそれぞれ伝達され、各色のトナー像が形成される。
図5は、図4の画像形成装置の部分拡大図である。図5に示すように、各現像ユニット(イエロー現像ユニット42Y、シアン現像ユニット42C、マゼンタ現像ユニット42M及びブラック現像ユニット42K)は、それぞれ、感光体ドラム10(ブラック用静感光体ドラム10K、イエロー用感光体ドラム10Y、マゼンタ用感光体ドラム10M、及びシアン用感光体ドラム10C)と、感光体ドラム10を一様に帯電させる帯電部である帯電ローラ20と、各色の画像情報に基づいて、感光体ドラム10に露光光Lを露光し、感光体ドラム10上に各色の静電潜像を形成する露光装置30と、静電潜像を各色の現像剤で現像して各色のトナー像を形成する現像部である現像装置40と、トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置60と、除電ランプ80とを備える。
各色の現像ユニット(イエロー現像ユニット42Y、シアン現像ユニット42C、マゼンタ現像ユニット42M及びブラック現像ユニット42K)で形成された各色のトナー像は、ローラ53A、53B及び53Cに張架されて移動する中間転写体50上に順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に各色のトナー像が重ね合わされて、複合トナー像が形成される。
一方、給紙テーブル120においては、給紙ローラ121の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク122に多段に備える給紙カセット123の1つから記録紙を繰り出す。記録紙は、分離ローラ124で1枚ずつ分離されて給紙路125に送出され、搬送ローラ126で搬送されて複写装置本体110内の給紙路111に導かれ、レジストローラ112に突き当てて止められる。又は、手差しローラ113を回転して手差しトレイ114上の記録紙を繰り出し、手差しローラ113で1枚ずつ分離して手差し給紙路115に導き、レジストローラ112に突き当てて止める。
なお、レジストローラ112は、一般には接地されて使用されるが、記録紙の紙粉を除去するためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。
次に、中間転写体50上に形成された複合トナー像にタイミングを合わせてレジストローラ112を回転させ、中間転写体50と二次転写ベルト151との間に記録紙を送出させ、複合トナー像を記録紙上に転写(二次転写)する。なお、複合トナー像を転写した中間転写体50上に残留したトナーは、中間転写体クリーニング装置90により除去される。
複合トナー像が転写された記録紙は、二次転写ベルト151により搬送された後、定着装置160により複合トナー像が記録紙上に定着される。
その後、記録紙は、切換爪116により搬送経路が切り換えられ、排出ローラ117により排紙トレイ118上に排出される。又は、記録紙は、切換爪116により搬送経路が切り換えられ、シート反転装置170により反転され、再度、二次転写ベルト151にと導かれ、裏面にも同様にして画像が形成された後、排出ローラ117により排紙トレイ118上に排出される。
<プロセスカートリッジ>
一実施形態に係るプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱可能に成型されており、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に担持された静電潜像を上記の一実施形態に係る現像剤で現像してトナー像を形成する現像部とを有し、必要に応じて、その他の構成を有してもよい。
静電潜像担持体は、上記の画像形成装置の静電潜像担持体と同様であるため、詳細は省略する。
現像部は、一実施形態に係る現像剤を収容する現像剤収容容器と、現像剤収容容器内に収容された現像剤を担持すると共に搬送する現像剤担持体とを有する。なお、現像部は、担持する現像剤の厚さを規制するため、規制部材等をさらに有してもよい。
図6に、一実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す。図6に示すように、画像形成装置プロセスカートリッジ200は、感光体ドラム10、帯電部であるコロナ帯電器22、現像装置40、クリーニング装置60及び転写ローラ70を有する。なお、図中、Pは転写紙を示し、Lは露光光を示す。
以下、実施例及び比較例を示して実施形態を更に具体的に説明するが、実施形態はこれらの実施例及び比較例により限定されるものではない。
<ケチミン化合物の合成>
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部、及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
<製造例A>
[非晶質ポリエステル樹脂Aの合成]
(プレポリマーAの合成)
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、3-メチル-1,5-ペンタン ジオール、テレフタル酸、アジピン酸を、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHが1.2であり、ジオール成分の構成が3-メチル-1,5-ペンタンジオール100mol%であり、ジカルボン酸成分の構成がテレフタル酸50mol%及びアジピン酸50mol%となるように、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して1,000ppm)とともに供給した。
その後、4時間程度で200℃まで昇温し、次いで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後、更に、10mmHg~15mmHgの減圧下で5時間反応させることで、中間体ポリエステルA'を得た。得られた中間体ポリエステルA'のTgは-40℃、Mw15,000、Mw/Mn2.0であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステルA'とヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)3量体とをモル比(HDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)0.2で供給し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、中間体ポリエステルA溶液を得た。得られた中間体ポリエステルAのTgは-35℃、Mw20,000、Mw/Mn2. 2であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステルA溶液とイソホロンジイソシアネート(IPDI)とをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)1.5で供給し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、プレポリマーA溶液を得た。
(非晶質ポリエステル樹脂Aの合成)
得られたプレポリマーAを加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更にプレポリマーA中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、非晶質ポリエステル樹脂Aを得た。非晶質ポリエステル樹脂AのTgは、-25℃であった。
<製造例B>
[非晶質ポリエステル樹脂Bの合成]
(プレポリマーBの合成)
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物をモル比で85/15、イソフタル酸とアジピン酸をモル比で80/20とし、水酸基とカルボキシル基のモル比であるOH/COOHを1.4で仕込み、500ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に常圧下230℃で8時間反応し、さらに10mmHg~15mmHgの減圧で4時間反応し中間体ポリエステルBを得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステルBとイソホロンジイソシアネート(IPDI)とをモル比(IPDIのイソシアネート基/中間体ポリエステルの水酸基)1.5で供給し、酢酸エチルで50%酢酸エチル溶液となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、プレポリマーB溶液を得た。
(非晶質ポリエステル樹脂Bの合成)
得られたプレポリマーBを加熱装置、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中で撹拌し、更にプレポリマーB中のイソシアネート量に対して[ケチミン化合物1]のアミン量が等モルになる量の[ケチミン化合物1]を反応容器に滴下していき、45℃で10時間撹拌後にプレポリマー伸長物を取り出した。得られたプレポリマー伸長物を残酢酸エチル量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、非晶質ポリエステル樹脂Bを得た。非晶質ポリエステル樹脂BのTgは、45℃であった。
<製造例C>
[結晶性ポリエステル樹脂Cの合成]
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ドデカン二酸、及び1,6-ヘキサンジオールを、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが0.9となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に、180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、更に8.3kPaの圧力にて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂Cを得た。
<製造例D>
[ポリエステル樹脂D-1の合成]
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物(BisA-EO)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物(BisA-PO)、トリメチロールプロパン(TMP)、テレフタル酸及びアジピン酸を、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物と、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物と、トリメチロールプロパンとが、モル比(ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物/トリメチロールプロパン)で38.6/57.9/3.5であり、テレフタル酸とアジピン酸とが、モル比(テレフタル酸/アジピン酸)で85/15であり、水酸基とカルボキシル基とのモル比であるOH/COOHが1.12となるように仕込み、チタンテトライソプロポキシド(樹脂成分に対して500ppm)と共に常圧下230℃で8時間反応し、更に10mmHg~15mmHgの減圧で4時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸を全樹脂成分に対して1mol%になるよう入れ、180℃、常圧で3時間反応し、ポリエステル樹脂D-1を得た。
<マスターバッチ(MB)の調製>
水1,200質量部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕500質量部、及びポリエステル樹脂D-1500質量部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
<WAX分散液の作製>
撹拌棒、及び温度計をセットした容器に離型剤1としてパラフィンワックス50質量部(日本精鑞株式会社製、HNP-9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)、及び酢酸エチル450質量部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[WAX分散液1]を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液の作製>
撹拌棒、及び温度計をセットした容器に結晶性ポリエステル樹脂Cを50質量部、及び酢酸エチル450質量部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で分散を行ない、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を得た。
<実施例1>
[油相の調製]
[WAX分散液1]500質量部、[プレポリマーA]300質量部、[プレポリマーB]900質量部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]350質量部、[ポリエステル樹脂D-1]7500質量部、[マスターバッチ1]100質量部、及び硬化剤として[ケチミン化合物1]2質量部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで60分間混合し、[油相2a]を得た。
[有機微粒子エマルション(微粒子分散液)の合成]
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS-30:三洋化成工業株式会社製)11質量部、スチレン138質量部、メタクリル酸138質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分間で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン-メタクリル酸-メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA-920(HORIBA社製)で測定した体積平均粒径は、0.14μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
[水相の調製]
水990質量部、[微粒子分散液1]83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON-7:三洋化成工業株式会社製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とした。
[乳化・脱溶剤]
(乳化)
図1と同様なフローにて乳化条件はそれぞれ以下の通りである。油相2a及びプレポリマー3aを混合した原料混合液4は、固定分散機5を通過した後、水相貯蔵タンク6より供給される無機微粒子を含有した水溶液6aと合流し、原料混合液4と水溶液6aを含む混合溶液Aは、乳化装置7において攪拌混合され、乳化液(乳化分散液)Bとなる。
((条件))
・乳化機:パイプラインホモミクサー
・全送液量:10kg/min(油相2aに対してプレポリマー0.100質量部、水相1,200質量部)
・ホールドアップ量:20L
・乳化機せん断速度:17m/sec
・乳化温度:20℃
さらに貯留層において、攪拌翼外周端周速10.5m/sec、大気圧下(101.3kPa)、30℃にて攪拌を2時間実施する条件とした。その際に乳化分散機出口から排出される乳化スラリーの貯留槽への搬送経路の途中に純水を供給し、純水の供給箇所は乳化機から貯留槽に到達するまでの時間をTとした場合のTとした。さらに乳化分散液に対する純水の供給流量は、純水供給前溶剤濃度(A)、純水供給後溶剤濃度(B)とした時にB/A(%)=90とした。30℃で8時間、脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
[洗浄・乾燥]
[分散スラリー1]100質量部を減圧濾過した後、以下の操作を行った。
(1):濾過ケーキにイオン交換水100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する、という(1)~(4)の操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
(5):(4)の濾過ケーキにイオン交換水300質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後[ポリビニルアルコール1]として株式会社クラレ 3-86 SDを0.2質量部加え[分散スラリー2]を得た。
(6):(5)の[分散スラリー2]を40~60℃に加温したのちTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、濾過して[濾過ケーキ2]を得た。
(7)[濾過ケーキ2]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmのメッシュで篩い[トナー母体粒子1]を得た。
[外添処理]
[トナー母体粒子1]100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8質量部とをヘンシェルミキサーにて混合し、[トナー1]を得た。
<キャリアの作製>
トルエン100質量部に、シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)100質量部、γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5質量部、及びカーボンブラック10質量部を添加し、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000質量部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、[キャリア]を作製した。
<現像剤の作製>
ボールミルを用いて、[トナー1]5質量部と[キャリア]95質量部とを混合し、現像剤を作製した。
<実施例2>
実施例1において、純水の供給箇所は乳化機から貯留槽に到達するまでの時間をTとした場合の2/3×Tとした。それ以外は実施例1と同様にして、[トナー母体粒子2]を得た。この[トナー母体粒子2]を用いて[トナー2]を作製した。
<実施例3>
実施例1において、乳化分散液に対する純水の供給流量は、純水供給前溶剤濃度(A)、純水供給後溶剤濃度(B)とした時にB/A(%)=50とした。それ以外は実施例1と同様にして、[トナー母体粒子3]を得た。この[トナー母体粒子3]を用いて[トナー3]を作製した。
<実施例4>
実施例1において、純水の供給箇所の後に乳化分散液と純水が混合する機構をもたせた。それ以外は実施例1と同様にして、[トナー母体粒子4]を得た。この[トナー母体粒子4]を用いて[トナー4]を作製した。
<実施例5>
実施例1において、純水の供給箇所は乳化機から貯留槽に到達するまでの時間をTとした場合の2/3×Tとし、乳化分散液に対する純水の供給流量は、純水供給前溶剤濃度(A)、純水供給後溶剤濃度(B)とした時にB/A(%)=50とし、実施例1において、純水の供給箇所の後に乳化分散液と純水が混合する機構をもたせた。それ以外は実施例1と同様にして、[トナー母体粒子5]を得た。この[トナー母体粒子5]を用いて[トナー5]を作製した。
<比較例1>
実施例1において、純水を加えなかった以外は、実施例1と同様にして、[トナー母体粒子7]を得た。この[トナー母体粒子6]を用いて[トナー6]を作製した。
<比較例2>
実施例1において、純水の供給箇所は乳化機から貯留槽に到達するまでの時間をTとした場合の2×Tにした以外は実施例1と同様にして、[トナー母体粒子7]を得た。[トナー母体粒子7]を用いて[トナー7]を作製した。
<比較例2>
実施例1において、乳化分散液に対する純水の供給流量は、純水供給前溶剤濃度(A)、純水供給後溶剤濃度(B)とした時にB/A(%)=5にした以外は実施例1と同様にして[トナー母体粒子8]を得た。の[トナー母体粒子8]を用いて[トナー8]を作製 した。
<測定>
[粒径分布の測定方法]
トナーの体積平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)、その比(D4/Dn)は、例えば、コールターカウンターTA-II、コールターマルチサイザーII(何れもコールター社製)等を用いて測定することができる。本発明ではコールターマルチサイザーIIを使用した。
まず、電解水溶液100mL~150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル(非イオン性の界面活性剤))を0.1mL~5mL加える。ここで、電解水溶液とは1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON-II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg~20mg加える。試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1分間~3分間分散処理を行ない、測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とした。
(判断基準)
A:問題なし(乳化後より変化なし)
B:若干問題あるが許容レベル(乳化後より変化は若干あり)
C:問題あり
[トナーの平均円形度]
イオン交換水30mlに対し、任意の界面活性剤を2mlと測定試料であるトナーを0.05g供給し、分散超音波発振器を用いて分散させる。分散時には2分~3分間、分散を行い、所定の分散液とした。分散液濃度が約5000個/μl~10000個/μlとなるように分散液を再調整して、フロー式粒子像測定装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)を用いて測定した。測定結果は、トナーの円相当径で2μm-200μmのデータの範囲で解析して、トナーの平均円形度を算出した。トナーの平均円形度を下記評価基準に基づいて評価した。なお、平均円形度とは、測定したトナーの円形度の平均値である。円形度は、粒子の形状の凹凸度合いを表す。その値は1を最大として、1に近づくほど球形に近くなり、1から遠ざかるほどその形状が球形に対してゆがんだ複雑なものであることを意味する。
円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
なお、「粒子投影面積」とは二値化された粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さである。
(判断基準)
A:問題なし(乳化後より変化なし)
B:若干問題あるが許容レベル(乳化後より変化は若干あり)
C:問題あり
[クリーニング性]
クリーニング後のすり抜けの程度についてトナーを評価した。なお、トナーの形状が球形に近いほどトナー担持体との接触面積が少なくなりクリーニングと画像形成に対して有利になる。一方、トナーの形状が真球に近いと担持体に対する保持する力が必要以上に弱くなってしまう。そのため、高画質な画像形成のためには円形度を適切な範囲に収めることでクリーニングに好ましいトナーを製造できる。
(判断基準)
A:問題なし
B:若干問題あるが許容レベル
C:問題あり
[生産性]
生産性への影響を評価した。乳化後に純水を投下することで安定はするが、入れ過ぎればそれだけ排水量、生産性へ大きな影響を与える。
(判断基準)
A:大きく改善できる
BC:問題なし
C:若干問題あるが許容レベル
D:問題あり
[総合評価]
総合評価は、下記評価基準により評価した。全ての評価項目がAであるものをA、全ての評価項目でAが3つであるものをB、全ての評価項目でAが2つ以下で、残りがB又はCであるものをC、全ての評価項目でB又はCが3つ以下で、残りがDであるものをDとして判定した。
(評価基準)
A:非常に優れている
B:優れている
C:従来より若干優れている
D:実用に耐えない
Figure 2023128535000003
表1より、実施例1~5のトナーは、粒径分布、円形分布、クリーニング性及び生産性を何れも使用上の条件を満たすトナーであることが確認された。これに対して、比較例1~3で得られたトナーは、粒径分布、円形分布、クリーニング性及び生産性の少なくともいずれかが使用上の条件を満たしておらず、実用上問題を有するトナーであることが確認された。
よって、実施例1~5のトナーは、比較例1~3のトナーと異なり、乳化分散液の生成時に純水を所定時間、所定量添加することで、粒径分布、円形分布、クリーニング性及び生産性に優れ、高品質なトナーを製造できるといえる。
以上の通り、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の組み合わせ、省略、置き換え、変更等を行うことが可能である。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
20 帯電ローラ(帯電部)
30 露光装置(露光部)
40 現像装置(現像部)
50 中間転写体(中間転写ベルト)
60 クリーニング装置(クリーニング部)
70 転写ローラ(転写部)
80 除電ランプ(除電部)
100A、100B、100C 画像形成装置
特開2013-186219号公報 特開2007-133267号公報

Claims (12)

  1. 結着樹脂を含む樹脂成分と、着色剤とを含有するトナー組成物を有機溶媒に溶解乃至分散してなる油相を、水系媒体中に乳化又は分散させ、乳化粒子を含む乳化分散液を作製する工程と、
    前記乳化粒子を収斂させてトナー母体粒子を造粒する工程と、
    前記有機溶媒を除去する工程と、
    を含み、
    前記油相を前記水系媒体中に乳化又は分散させた後の乳化スラリーに純水を供給する工程を含むトナーの製造方法。
  2. 乳化分散機に供給する純水は、乳化機から貯留槽に到達するまでに供給する請求項1のトナーの製造方法。
  3. 乳化機から貯留槽に到達するまでの時間をTとした時、前記乳化分散液に前記純水を2/3×T以内に供給する請求項1又は2に記載されるトナーの製造方法。
  4. 純水供給前溶剤濃度をA、純水供給後溶剤濃度をBとした時に、前記乳化分散液に対する前記純水の供給流量は、純水供給後溶剤濃度Bの純水供給前溶剤濃度Aに対する比が10%以上100%未満となるように調整する請求項1~3の何れか一項に記載されるトナーの製造方法。
  5. 前記乳化分散液に対する前記純水の供給箇所の後に前記乳化分散液と前記純水が混合される機構をもつ請求項1~4の何れか一項に記載されるトナーの製造方法。
  6. 前記トナー母体粒子の表面に有機樹脂微粒子が配置される請求項1~5の何れか一項に記載のトナーの製造方法。
  7. 前記有機樹脂微粒子が、スチレンアクリル樹脂を含有する請求項6に記載のトナーの製造方法。
  8. 請求項1~7の何れか一項に記載のトナーの製造方法を用いて得られるトナー。
  9. 請求項8に記載のトナーと、キャリアとを含む現像剤。
  10. 請求項8に記載のトナーを収容したトナー収容ユニット。
  11. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体の上に静電潜像を形成する静電潜像形成部と、
    前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像部と、
    前記可視像を記録媒体に転写する転写部と、
    前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着部と、を備え、
    前記トナーが、請求項8に記載のトナーである画像形成装置。
  12. 静電潜像担持体の上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
    前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
    前記記録媒体に転写された転写像を定着する定着工程と、を含み、
    前記トナーが、請求項8に記載のトナーである画像形成方法。
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