JP2023128141A - 高圧タンク製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】口金上に繊維がかかる部分において、口金と内層繊維との間に空隙が発生することを抑制できる高圧タンク製造装置を提供する。【解決手段】ライナと、口金と、を有し、ライナの外側に熱硬化性樹脂を含浸して熱硬化した繊維強化樹脂層が配置される高圧タンクの製造に用いる高圧タンク製造装置であって、ライナの外側に熱硬化前の繊維強化樹脂層が配置された高圧タンクの中間生成品であるタンクを、口金を介して支持するシャフトと、タンクの熱硬化時において、シャフトを回転させるための回転機構部と、タンクの熱硬化時において、シャフトに装着されたタンクを加熱するための加熱装置と、を備える。回転機構部によるタンクの回転時において、シャフトは、水平方向に対して重力上下方向に傾いて配置されている。【選択図】図1
Description
本開示は、高圧タンク製造装置に関する。
例えば、特許文献1には、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を巻き付けたタンクを、シャフトに装着し、加熱して熱硬化させる高圧タンクの製造方法について記載されている。タンクは、中空円筒状をなすシリンダ部と、シリンダ部の両端に続く2つの半球面形状のドーム部とを有する。タンクの内部には、高圧ガス等の流体を密封するための内部空間が形成される。ドーム部の頂点には口金が形成される。
しかし、上記特許文献1に記載される製造方法では、全長/直径で示されるアスペクト比が小さいタンクを製造する場合に、CFRP層の口金上に繊維がかかる部分において、口金と内層繊維との間に空隙が発生するという問題があった。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
本開示の一形態によれば、高圧タンク製造装置が提供される。この高圧タンク製造装置は、ライナと、口金と、を有し、前記ライナの外側に熱硬化性樹脂を含浸して熱硬化した繊維強化樹脂層が配置される高圧タンクの製造に用いる高圧タンク製造装置であって、前記ライナの外側に熱硬化前の前記繊維強化樹脂層が配置された前記高圧タンクの中間生成品であるタンクを、前記口金を介して支持するシャフトと、前記タンクの熱硬化時において、前記シャフトを回転させるための回転機構部と、前記タンクの熱硬化時において、前記シャフトに装着された前記タンクを加熱するための加熱装置と、を備え、前記回転機構部による前記タンクの回転時において、前記シャフトは、水平方向に対して重力上下方向に傾いて配置されている。
この形態の高圧タンク製造装置によれば、口金を介してタンクを支持した状態で回転するシャフトは、水平方向に対して重力上下方向に傾いて配置されている。このため、口金付近において、内側から外側への面圧を作用させることができ、口金上にかかる熱硬化前の繊維強化樹脂層を形成する繊維を引き伸ばすことができる。これにより、繊維に含まれた樹脂の流動性が向上し、樹脂が口金付近に十分に拡散されるため、口金と、繊維との間に空隙が発生することを抑制できる。
この形態の高圧タンク製造装置によれば、口金を介してタンクを支持した状態で回転するシャフトは、水平方向に対して重力上下方向に傾いて配置されている。このため、口金付近において、内側から外側への面圧を作用させることができ、口金上にかかる熱硬化前の繊維強化樹脂層を形成する繊維を引き伸ばすことができる。これにより、繊維に含まれた樹脂の流動性が向上し、樹脂が口金付近に十分に拡散されるため、口金と、繊維との間に空隙が発生することを抑制できる。
A.第1実施形態:
A1.高圧タンク1の構成:
以下、本開示の第1実施形態について、図1~図4を参照して説明する。図1は、本開示の第1実施形態における、高圧タンク製造装置100の全体を模式的に示す側面図である。図2は、熱硬化の際に、高圧タンク製造装置100が有するシャフト112に装着されたタンク1を模式的に示す断面図であり、シャフト112の中心軸を含む垂直平面で切った断面図である。高圧タンク製造装置100は、ライナ24の外側に熱硬化性樹脂を含浸して熱硬化した繊維強化樹脂層が配置される高圧タンク1の製造に用いる製造装置である。本実施形態の高圧タンク1は、例えば、水素ガス等の気体を70~80MPa程度の高圧で貯蔵するために使用される。
A1.高圧タンク1の構成:
以下、本開示の第1実施形態について、図1~図4を参照して説明する。図1は、本開示の第1実施形態における、高圧タンク製造装置100の全体を模式的に示す側面図である。図2は、熱硬化の際に、高圧タンク製造装置100が有するシャフト112に装着されたタンク1を模式的に示す断面図であり、シャフト112の中心軸を含む垂直平面で切った断面図である。高圧タンク製造装置100は、ライナ24の外側に熱硬化性樹脂を含浸して熱硬化した繊維強化樹脂層が配置される高圧タンク1の製造に用いる製造装置である。本実施形態の高圧タンク1は、例えば、水素ガス等の気体を70~80MPa程度の高圧で貯蔵するために使用される。
まず、本開示の第1実施形態において、製造される高圧タンク1の概略構成について説明する。図2に示すように、高圧タンク1は、中空円筒状をなすシリンダ部21と、シリンダ部21の両側に続く2つのドーム部22,23とに区分可能である。ドーム部22,23は、基部をシリンダ部21の直径と同じ円形状とし、基部から側方へドーム状に膨れ上がった、略半球面形状の一部の形状をなしている。
高圧タンク1は、ライナ24と、補強層25と、バルブ側口金26と、エンド側口金27(図1参照)と、を備える。ライナ24は、流体を密封するための内部空間30を内部に形成する。ライナ24は、例えば、高圧タンク1の長手方向の中央で2分割した形状の2つのライナパーツを接合することによって形成されている。ライナ24は、例えば、ナイロン系樹脂(ポリアミド系樹脂)やポリエチレン系樹脂等の合成樹脂、あるいは、アルミニウム合金等の金属によって形成することができ、本実施形態ではナイロンによって形成している。
補強層25は、ライナ24の外周面を被覆する。補強層25は、繊維強化プラスチック(FRP)によって形成される繊維強化樹脂層であり、ライナ24の外表面全体を覆っている。補強層25の樹脂としては、エポキシ樹脂や、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、補強層25を構成する繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、およびアラミド繊維等が挙げられる。補強層25は、複数種類(例えば、ガラス繊維とカーボン繊維)の繊維を用いたFW法による巻回を順次行うことで、異なる繊維を備える層を積層させて形成することができる。本実施形態では、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から成る層とガラス繊維強化プラスチック(GFRP)から成る層とを順次積層して、補強層25を形成している。
バルブ側口金26は、ライナ24の一端側(図1における左側)のドーム部22の頂点の位置に配置されている。バルブ側口金26は、高圧タンク1の内部空間30と連通する貫通孔28を有する。エンド側口金27は、ライナ24の他端側(図1における右側)のドーム部23の頂点の位置に配置されている。エンド側口金27は、有底孔29を有する。これらバルブ側口金26およびエンド側口金27は、例えば、ライナパーツの成形時に、インサート成形によってライナパーツに接合される。
なお、最終完成品のタンク1には、図示しないプロテクタが装着される。プロテクタは、ライナ24の両端のドーム部22,23において補強層25の上に配置される。プロテクタは、外部から受ける衝撃と、高圧タンク1の内圧による応力から高圧タンク1を保護する保護部材である。プロテクタは、例えばドーム部22,23の形状に沿うように、略半球形状に形成されて、補強層25上に固定される。プロテクタは、例えば、弾性を有する発泡ポリウレタン等の樹脂によって形成することができる。上記高圧タンク1のサイズは、例えば、直径D=400mm、全長L1=700mm程度である。
A2.高圧タンク1の製造工程:
次に、高圧タンク1の製造工程における一連の流れについて説明する。高圧タンク1の製造工程では、まず、樹脂製容器をライナ24として用意する。本実施形態では、樹脂容器として、ナイロン系樹脂からなる樹脂製容器を用いるものとした。樹脂容器として、他の樹脂からなる樹脂容器を用いるものとしてもよい。
次に、高圧タンク1の製造工程における一連の流れについて説明する。高圧タンク1の製造工程では、まず、樹脂製容器をライナ24として用意する。本実施形態では、樹脂容器として、ナイロン系樹脂からなる樹脂製容器を用いるものとした。樹脂容器として、他の樹脂からなる樹脂容器を用いるものとしてもよい。
次に、ライナ24、バルブ側口金26およびエンド側口金27の外周部に、補強層25を形成する。本実施例では、この補強層形成工程として、ライナ24の外周部に、フィラメント・ワインディング法(以下、「FW法」と呼ぶ)によって、熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂を含浸したカーボン繊維を繰り返し巻き付けることにより、カーボン繊維層を形成する。典型的なFW法では、ライナ24のシリンダ部21の外周を被覆するためのフープ巻きと、ドーム部22,23の外周を被覆するためのヘリカル巻きとが利用される。また、この巻き付けの際、タンク1の内部空間30には、バルブ側口金26からエンド側口金27へ亘って、センターシャフト31(図1参照)が挿入されている。
その後、カーボン繊維層外周部に、さらに、FW法によって、熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂を含浸したガラス繊維を繰り返し巻き付けることにより、ガラス繊維層をカーボン繊維層の上に重ねて形成する。こうして重なったカーボン繊維層とガラス繊維層が、ライナ外周表面の補強層25となり、樹脂層形成済みの中間生成品タンクが得られる。ガラス繊維層はカーボン繊維層よりも耐衝撃性が強いため、高圧水素タンクの機械的強度を高くすることができる。補強層25の形成に続いては、熱硬化を行う。
A3.熱硬化工程について:
[高圧タンク製造装置100(熱硬化炉)の全体構成]
熱硬化工程では、図1に示す高圧タンク製造装置100を用いる。図1に示す高圧タンク製造装置100は、熱硬化炉である。この高圧タンク製造装置100は、架台110と、タンク1が装着される金属製のシャフト112と、放熱ヒーター114と、回転機構部118と、を備えている。なお、この熱硬化工程において、シャフト112に装着されるのは、熱硬化前の中間生成品としてのタンクであるが、説明の便宜状上、以下、単に「タンク1」と記載する。シャフト112は、架台110に回転可能に取り付けられている。シャフト112の軸方向長さ(=両端の支点S1、S2間の距離)L2(図2参照)は、タンクの全長L1に対して十分に長く、例えば、タンクの全長L1の3倍~4倍程度であり、具体的には3000mm程度である。
[高圧タンク製造装置100(熱硬化炉)の全体構成]
熱硬化工程では、図1に示す高圧タンク製造装置100を用いる。図1に示す高圧タンク製造装置100は、熱硬化炉である。この高圧タンク製造装置100は、架台110と、タンク1が装着される金属製のシャフト112と、放熱ヒーター114と、回転機構部118と、を備えている。なお、この熱硬化工程において、シャフト112に装着されるのは、熱硬化前の中間生成品としてのタンクであるが、説明の便宜状上、以下、単に「タンク1」と記載する。シャフト112は、架台110に回転可能に取り付けられている。シャフト112の軸方向長さ(=両端の支点S1、S2間の距離)L2(図2参照)は、タンクの全長L1に対して十分に長く、例えば、タンクの全長L1の3倍~4倍程度であり、具体的には3000mm程度である。
放熱ヒーター114は、タンク1を装着済みのシャフト112の炉内上方の幅方向に亘って設けられる長尺状のヒーターである。この放熱ヒーター114により、高圧タンク製造装置100は、タンク1をタンク軸方向において均等に加熱する。放熱ヒーター114は、「加熱装置」に相当する。また、シャフト112の端部(図1における右端)は、チャック116を経て回転機構部118に連結されている。
図1および図2に示す上記の高圧タンク製造装置100を用いた熱硬化工程では、高圧タンク製造装置100への搬入に先だち、樹脂層形成済みの中間生成品としてのタンク1に、シャフト112を装着する。シャフト112は、タンク1の両端の口金26,27に挿入される。より詳しくは、シャフト112は、バルブ側口金26の貫通孔28およびエンド側口金27の有底孔29から挿入され、タンク1の両端からシャフト112が突出した状態で、架台110に水平に取り付けられる。こうしてタンク1を、口金26,27を介してシャフト112に装着した後、高圧タンク製造装置100は、タンク1を熱硬化させる。
この熱硬化工程では、回転機構部118によりタンク1をシャフト112ごと定速で回転させ、その回転を熱硬化工程の間に亘って維持する。タンク1の回転と同時に、或いは、定速回転となると、高圧タンク製造装置100は、補強層25の形成に用いた上記の熱硬化樹脂(例えば、エポキシ樹脂)の熱硬化に適う温度に炉内温度が維持されるよう、放熱ヒーター114を加熱制御する。これにより、タンク1では、ライナ24の外周に形成された補強層25における熱硬化樹脂の熱硬化が始まる。
[作用]
次に、熱硬化工程における作用について説明する。図1,図2に示すように、熱硬化工程では、タンク1は、シャフト112の軸方向の略中間部分に配置されている。このため、タンク1の自重により、実際には、シャフト112は下方へ撓んでいる。つまり、シャフト112に装着されたタンク1の両端の口金26,27の高さ位置は、タンク1の重力を受けてシャフト112が支持される両端の支点S1,S2よりも、重力方向下側へ下がった位置となっている。具体的には、タンク1の両端はシャフト112の支点S1,S2よりも、例えば、200mm程度下がっている。換言すると、シャフト112は、水平方向に対して重力上下方向に傾いている。タンク1の支点S1,S2から下がった距離を撓み量とすると、撓み量は、例えば、シャフト112の全長L2に対して5%以上が好ましい。
次に、熱硬化工程における作用について説明する。図1,図2に示すように、熱硬化工程では、タンク1は、シャフト112の軸方向の略中間部分に配置されている。このため、タンク1の自重により、実際には、シャフト112は下方へ撓んでいる。つまり、シャフト112に装着されたタンク1の両端の口金26,27の高さ位置は、タンク1の重力を受けてシャフト112が支持される両端の支点S1,S2よりも、重力方向下側へ下がった位置となっている。具体的には、タンク1の両端はシャフト112の支点S1,S2よりも、例えば、200mm程度下がっている。換言すると、シャフト112は、水平方向に対して重力上下方向に傾いている。タンク1の支点S1,S2から下がった距離を撓み量とすると、撓み量は、例えば、シャフト112の全長L2に対して5%以上が好ましい。
タンク回転時において、支点S1,S2から離れた口金26,27には、シャフト112の回転による曲げモーメントMが作用し、タンク1においてシャフト112よりも下側の部分においては、図2において矢印A1に示すように、タンク1の内側から外側への面圧が作用する。この面圧により、口金26,27の表面に位置するタンク内層のヘリカル繊維F(以下、単に「内層繊維F」ともいう)は引き伸ばされる。熱硬化中は、シャフト112およびタンク1が回転しているため、内層繊維Fは、シャフト112より下側にきたときには引き伸ばされ、上側にきたときは伸ばされない。この現象が内層繊維Fに繰り返し作用する。
シャフト112が水平に維持された図示しない比較形態の製造装置(以下、単に「比較形態の製造装置」ともいう)により熱硬化させた際には、硬化後のタンク1には、口金26,27と内層繊維Fとの間に空隙が生じるという問題が生じていた。これは、本願発明者の検討により、タンク1を支持するシャフト112が水平状に構成されていることで、口金部分に十分な面圧が作用せずに、繊維が引き伸ばされないことが要因であると分かった。
本願発明者は、シャフト112を撓ませた状態で回転させることで、口金26,27の表面に位置する内層繊維Fにどのように内圧が作用するかを考察するため、口金26,27の表面に位置するタンク最内層のヘリカル繊維F上における、3点(第1点P1、第2点P2、第3点P3)をプロットし、回転時の歪みを計測した。図3は、熱硬化時の高圧タンク1を示す平面図であり、エンド側口金27側から見た図である。図4は、タンク回転時における、口金26,27の表面に位置するタンク最内層のヘリカル繊維Fの歪計測結果をグラフに示す図である。図3に示す状態を回転角度0°とし、タンク1は、図3において矢印A2に示す時計回りに回転する。
図3において、中心付近に破線で示す円状のラインLは、シャフト112が水平に維持された比較形態の製造装置によりタンク1を熱硬化させた際に、口金27と内層繊維Fとの間に空隙が生じた部分である。第1点P1および第2点P2は、ラインL上にある点であり、第3点P3は、第1点P1と第2点P2との間であって、ラインL上にはない点である。図4において、横軸にタンク1の回転角度、縦軸に歪計測値を示している。また、図4において、第1点P1の歪計測結果を実線で示し、第2点P2の歪計測結果を破線で示し、第3点P3の歪計測結果を一点鎖線で示している。
図4に示すように、タンク1の回転時において、内層繊維Fが水平面より下側にある場合には、口金27付近の面圧により歪計測値が引っ張りの値を示し、内層繊維Fが水平面より上側にある場合には、歪計測値が圧縮の値を示していることが分かる。すなわち、引っ張りと圧縮が内層繊維Fに繰り返し作用している。本願発明者による試験により、上記引っ張りおよび圧縮の作用により、内層繊維Fに含まれた樹脂の流動性が向上し、樹脂が口金27付近や多層の繊維間に十分に拡散されるため、口金27と、口金27にかかるタンク最内層のヘリカル繊維Fとの間に空隙が生じないことが確認できた。
[効果]
上記第1実施形態の高圧タンク製造装置100では、熱硬化工程においてタンク1が装着されて回転するシャフト112は、水平方向に対して重力上下方向に傾くように撓んでいる。このため、口金26,27付近に面圧が作用することにより、CFRP層の口金26,27上にかかる内層繊維Fが引き伸ばされるため、口金26,27と内層繊維Fとの間に空隙が発生することを抑制できる。
上記第1実施形態の高圧タンク製造装置100では、熱硬化工程においてタンク1が装着されて回転するシャフト112は、水平方向に対して重力上下方向に傾くように撓んでいる。このため、口金26,27付近に面圧が作用することにより、CFRP層の口金26,27上にかかる内層繊維Fが引き伸ばされるため、口金26,27と内層繊維Fとの間に空隙が発生することを抑制できる。
また、空隙が生じる問題は、特に全長が短く、直径が大きいタンク、すなわちアスペクト比(全長/直径)が小さいタンクで生じやすい。これは、アスペクト比が大きいタンクの場合には、金属製のセンターシャフト31の熱膨張率は非常に大きいため、タンク1を貫通するセンターシャフト31の長さ(=タンク1の全長)が長いほど、センターシャフト31の膨張でタンク全長が伸びるため、内層ヘリカル繊維が伸ばされるためである。よって、口金での繊維の張力が大きく、樹脂が十分に染み出して流動性がよくなる。このため、アスペクト比が大きいタンクの場合には、口金と、口金にかかるタンク最内層のヘリカル繊維との間において空隙が生じにくい。
しかし、上記第1実施形態で例示したように、アスペクト比が小さいタンク1では、内部を貫通するセンターシャフト31の長さも短いため、シャフト112が水平に維持された比較形態の製造装置により製造した場合には、内層繊維Fの伸び量は非常に小さい。この点、上記第1実施形態の高圧タンク製造装置100によれば、上記第1実施形態で例示したアスペクト比が小さいタンク1においても、口金26,27の表面の繊維Fに張力が大きく作用し、樹脂の流動性を向上させることができ、空隙の発生を効果的に抑制できる。
B.他の実施形態:
(B1)上記第1実施形態の高圧タンク製造装置100では、タンク1の自重によってシャフト112が自然に撓むことにより、シャフト112が水平方向に対して傾く構成を実現したが、タンク1をシャフト112に装着する前、または装着後に、意図的にシャフト112を撓ませてもよい。
(B1)上記第1実施形態の高圧タンク製造装置100では、タンク1の自重によってシャフト112が自然に撓むことにより、シャフト112が水平方向に対して傾く構成を実現したが、タンク1をシャフト112に装着する前、または装着後に、意図的にシャフト112を撓ませてもよい。
(B2)また、直線状のシャフト112の長手方向の一端側を、単に下側に傾けた構成とし、タンク1の重力を利用した引っ張りが繊維Fに作用するようにしてもよい。つまり、シャフト112が水平方向に対して傾いていることで、タンク1の回転時において、口金26,27の周囲の内層繊維Fに引張力を作用させることにより、上記効果を奏することができる構成であればよい。
(B3)また、タンク1の両端の口金が、共にバルブが設置される仕様の口金として構成されるタンクの場合には、シャフト112は、支点S1,S2となる両端に亘って連続した単一部材にて構成し、センターシャフト31に代えてタンク1の内部空間30を貫通する形態としてもよい。このように、シャフト112のタンク1への固定については、タンク1の仕様によって適宜変更可能である。
本開示は、上記各実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…高圧タンク、21…シリンダ部、22,23…ドーム部、24…ライナ、25…補強層(繊維強化樹脂層)、26…バルブ側口金、27…エンド側口金、28…貫通孔、29…有底孔、30…内部空間、100…製造装置、110…架台、112…シャフト、114…放熱ヒーター(加熱装置)、116…チャック、118…回転機構部
Claims (1)
- ライナと、口金と、を有し、前記ライナの外側に熱硬化性樹脂を含浸して熱硬化した繊維強化樹脂層が配置される高圧タンクの製造に用いる高圧タンク製造装置であって、
前記ライナの外側に熱硬化前の前記繊維強化樹脂層が配置された前記高圧タンクの中間生成品であるタンクを、前記口金を介して支持するシャフトと、
前記タンクの熱硬化時において、前記シャフトを回転させるための回転機構部と、
前記タンクの熱硬化時において、前記シャフトに装着された前記タンクを加熱するための加熱装置と、
を備え、
前記回転機構部による前記タンクの回転時において、前記シャフトは、水平方向に対して重力上下方向に傾いて配置されている、高圧タンク製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022032285A JP2023128141A (ja) | 2022-03-03 | 2022-03-03 | 高圧タンク製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2022032285A JP2023128141A (ja) | 2022-03-03 | 2022-03-03 | 高圧タンク製造装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2023128141A true JP2023128141A (ja) | 2023-09-14 |
Family
ID=87972142
Family Applications (1)
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JP2022032285A Pending JP2023128141A (ja) | 2022-03-03 | 2022-03-03 | 高圧タンク製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023128141A (ja) |
-
2022
- 2022-03-03 JP JP2022032285A patent/JP2023128141A/ja active Pending
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