JP2023125850A - 電気化学デバイス - Google Patents

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Nobuhiro Shimamura
祥平 増田
Shohei Masuda
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Abstract

【課題】電気化学デバイスの内部抵抗の上昇を抑制する。【解決手段】電気化学デバイスは、正極と、負極と、電解液と、を含む。正極は、アニオンを可逆的にドープする正極活物質を含む。負極は、リチウムイオンを可逆的にドープする負極活物質を含む。負極活物質は、難黒鉛化炭素を含む。負極は、正極と対向する第1領域と、正極と対向しない第2領域と、を有する。第1領域の面積S1に対する第2領域の面積S2の比:S2/S1は、0.1以上である。【選択図】図1

Description

本開示は、電気化学デバイスに関する。
近年、リチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタの蓄電原理を組み合わせた電気化学デバイスが注目されている。電気化学デバイスは、例えば、アニオンを可逆的にドープする正極活物質を含む正極と、リチウムイオンを可逆的にドープする負極活物質を含む負極と、リチウムイオンおよびアニオンを含む電解液と、を備える(例えば、特許文献1)。
特開2014-123641号公報
負極活物質にLiイオンをプレドープする電気化学デバイスにおいて、負極と電解液との副反応により負極からLiイオンが脱ドープし、負極が劣化する。また、上記の負極の劣化により負極電位が上昇し、それに伴い充電時の正極電位が上昇し、それに起因して正極で電解液の酸化分解が生じ、正極が劣化する。上記の負極および正極の劣化により、電気化学デバイスの内部抵抗が大幅に上昇する。
本開示の一側面は、正極と、負極と、電解液と、を含み、前記正極は、アニオンを可逆的にドープする正極活物質を含み、前記負極は、リチウムイオンを可逆的にドープする負極活物質を含み、前記負極活物質は、難黒鉛化炭素を含み、前記負極は、前記正極と対向する第1領域と、前記正極と対向しない第2領域と、を有し、前記第1領域の面積S1に対する前記第2領域の面積S2の比:S2/S1は、0.1以上である、電気化学デバイスに関する。
本開示によれば、電気化学デバイスの内部抵抗の上昇を抑制することができる。
本開示の一実施形態に係る電気化学デバイスの構成を示す断面図である。 電極体を構成する前の負極を模式的に示す上面図である。 電極体の構成を模式的に示す図である。
本開示の一実施形態に係る電気化学デバイスは、正極と、負極と、電解液と、を含む。正極は、アニオンを可逆的にドープする正極活物質を含む。負極は、リチウムイオンを可逆的にドープする負極活物質を含む。負極活物質は、難黒鉛化炭素を含む。負極は、正極と対向する第1領域と、正極と対向しない第2領域と、を有する。第1領域の面積S1に対する第2領域の面積S2の比:S2/S1は、0.1以上である。
負極は、例えば、負極活物質を含む負極合剤層と、負極合剤層を担持するシート状の負極集電体と、を備えてもよい。負極合剤層は、シート状の負極集電体の一方もしくは両方の表面に形成される。負極は、負極集電体に負極合剤層が担持される領域(以下、負極合剤層形成部とも称する。)と、負極集電体に負極合剤層が担持されない領域(以下、負極集電体露出部とも称する。)と、を有してもよい。この場合、負極の負極合剤層形成部(負極集電体露出部を除く領域)が、第1領域および第2領域を有する。
負極集電体の両方の表面にそれぞれ第1負極合剤層および第2負極合剤層が形成されていてもよい。この場合、負極の表裏において第1領域および第2領域の構成が同じであってもよく、異なっていてもよい。第1負極合剤層および第2負極合剤層によりそれぞれ個別に第1領域および第2領域が形成される場合、第1負極合剤層および第2負極合剤層の少なくとも一方が、0.1≦S2/S1の関係を満たす第1領域および第2領域を形成していればよい。第1負極合剤層および第2負極合剤層の両方が、それぞれ0.1≦S2/S1の関係を満たす第1領域および第2領域を形成していることが望ましい。第1負極合剤層および第2負極合剤層によりそれぞれ形成される第2領域は、互いに、ほぼ同じ面積を有していてもよく、異なる面積を有していてもよい。
正極は、例えば、正極活物質を含む正極合剤層と、正極合剤層を担持するシート状の正極集電体と、を備えてもよい。正極集電体に担持される正極合剤層と、を備えてもよい。正極合剤層は、シート状の正極集電体の一方もしくは両方の表面に形成される。正極は、正極集電体に正極合剤層が担持される領域(以下、正極合剤層形成部とも称する。)と、正極集電体に正極合剤層が担持されない領域(以下、正極集電体露出部とも称する。)と、を有してもよい。この場合、第1領域は、正極合剤層形成部(正極合剤層)と対向する領域であり、第2領域は、正極合剤層形成部(正極合剤層)と対向しない領域である。第2領域は、正極集電体露出部と対向していてもよい。
電気化学デバイスは、通常、正極と、負極と、セパレータとで構成される電極体を備える。電極体は、帯状の正極と、帯状の負極とを、セパレータを介して巻回して構成される巻回体であってもよい。電極体は、板状の正極と、板状の負極とを、セパレータを介して積層して構成される積層体であってもよい。第1領域の面積S1は、帯状(もしくは板状)の負極における第1領域の主面の面積である。第2領域の面積S2は、帯状(もしくは板状)の負極における第2領域の主面の面積である。第2領域が複数の領域に分離して形成されている場合、第2領域の面積S2は、当該複数の領域の面積を合計した値である。
電極体が巻回体である場合、帯状の負極において、第2領域は、長さ方向Xの少なくとも一方の端部に形成されていてもよく、幅方向Yの少なくとも一方の端部に形成されていてもよい。第2領域は、幅方向Yの一端部および/または他端部において、長さ方向Xに沿って延びる第2A領域および/または第2B領域を含んでいてもよい。第2領域は、長さ方向Xの一端部および/または他端部において、幅方向Yに沿って延びる第2C領域および/または第2D領域を含んでいてもよい。
中でも、帯状の負極の第2領域は、第2A領域および第2B領域を含むことが好ましい。第1領域の面積S1に対する、第2A領域の面積S2aおよび第2B領域の面積S2bの合計の比:(S2a+S2b)/S1は、0.14以上であってもよく、0.18以上であってもよい。この場合、巻回体の中心側から外周側までの全体において第2領域の形成による作用が効率的に発揮され易い。
第1領域は、充放電反応に寄与する領域であり、第1領域内の負極活物質は充放電時に利用される。一方、第2領域は、充放電反応に殆ど寄与しない領域であり、第2領域内の負極活物質の殆どは充放電時に利用されない。よって、放電時に第1領域よりも第2領域の方でLiイオンが脱ドープしにくく、充放電時に第1領域よりも第2領域の方でLiイオンのドープ量が多くなる。負極活物質が難黒鉛化炭素の場合、これに起因して生じる第1領域と第2領域との間の電位差が大きく、負極内に局部電池が形成され易く、電解液を介して第2領域から第1領域へのLiイオンの供給が行われ易い。
よって、難黒鉛化炭素を含む負極に第2領域を設けることにより、第1領域と電解液との副反応に伴い第1領域からLiイオンが脱ドープしても、第2領域から第1領域にLiが補填され、第1領域と電解液との副反応に伴う負極の劣化が抑制される。当該負極の劣化に伴う正極電位の上昇が抑制され、当該正極電位の上昇に起因する正極の劣化が抑制される。第2領域と電解液との副反応により第2領域からLiイオンが脱ドープしても、充放電反応への影響は殆ど小さく、また、電解液を経由して第1領域に供給され得る。その結果、電気化学デバイスの内部抵抗の上昇が抑制される。例えば、電気化学デバイスの高温下でのフロート充電時の内部抵抗の上昇が大幅に抑制される。
S2/S1が0.1以上である場合、第2領域が十分に形成され、第2領域から第1領域へのLiの補填が確実に行われ、内部抵抗の上昇が十分に抑制される。内部抵抗の上昇が更に抑制される観点から、S2/S1は、好ましくは0.15以上であり、より好ましくは0.2以上である。電気化学デバイスのエネルギー密度および製造コストの観点から、S2/S1は、0.5以下であってもよく、0.4以下であってもよい。S2/S1は、上記の上限と下限とを任意に組み合わせた範囲であってもよい。
仮に負極活物質が黒鉛である場合、0.1≦S2/S1の関係を満たすように第1領域および第2領域を形成し、充放電時に第1領域よりも第2領域の方でLiイオンのドープ量が多くても、これに起因して生じる第1領域と第2領域との間の電位差が小さいため、電解液を介して第2領域から第1領域へLiイオンが供給されにくい。
第2領域の厚さT2は、第1領域の厚さT1と同じであってもよく、第1領域の厚さT1よりも大きくてもよい。電極体の構成し易さの観点から、第1領域の厚さT1に対する第2領域の厚さT2の比:T2/T1は、例えば、1.0超、3.0以下であってもよく、1.5以上、3.0以下であってもよい。第1領域の厚さT1よりも第2領域の厚さT2を大きくすることにより、第2領域を大きく形成する場合に正極からの負極の突出度合いを調整することができ、電極体を収容するセルケースの内容積の増大を抑制できる。第1領域よりも第2領域の方で厚さを大きくする場合、負極へのプレドープのリチウムイオン源である金属リチウムの負極表面への付着は、気相法(蒸着法など)により行うことが望ましい。
負極電位は、例えば、リチウム基準(vs. Li/Li)で0.2V以下である。上記の負極電位は、リチウムイオンのプレドープの完了時(もしくは充電時)における負極電位(25℃)である。負極(負極合剤層)の第1領域および第2領域には、予めリチウムイオンがプレドープされる。これにより、負極の電位が低下し、正極と負極の電位差(すなわち電圧)が大きくなり、電気化学デバイスのエネルギー密度が向上する。プレドープするリチウム量は、プレドープ完了後の電解液中での負極電位が金属リチウムに対して0.2V以下となるように設定される。プレドープされるリチウム量は、例えば、負極に吸蔵可能な最大量の50%~95%程度とすればよい。
負極(負極合剤層)の比表面積は、例えば、10m/g以上、70m/g以上であり、10m/g以上、50m/g以下であってもよい。負極の比表面積を上記範囲内で大きくして、負極の反応性を高めつつ、上記範囲のS2/S1で第2領域を形成することにより、負極の劣化を抑制することができる。
負極の比表面積は、JIS Z8830に準拠した測定装置(例えば株式会社島津製作所製のトライスターII3020)を用いて求められるBET比表面積である。具体的には、電気化学デバイスを分解し、負極を取り出す。この負極を作用極、Li金属箔を対極に用いてハーフセルを組み立て、負極電位が1.5Vになるまで負極内のLiを脱ドープさせる。次に、Liを脱ドープさせた負極をジメチルカーボネート(DMC)で洗浄し、乾燥させる。その後、負極集電体から負極合剤層を剥がし、負極合剤層の試料を0.5g程度採取する。
次に、採取した試料を95kPa以下の減圧下で、150℃で12時間加熱し、その後、質量が既知の試料に対して窒素ガスを吸着させて相対圧0から1の範囲で吸着等温線を得る。そして、吸着等温線から得られたガスの単分子層吸着量から試料の表面積を計算する。ここでは、BET一点法(相対圧0.3)によって下記BET式から比表面積を求める。
P/V(P0-P)=(1/VmC)+{(C-1)/VmC}(P/P0)・・(i)
S=kVm・・(ii)
P0:飽和蒸気圧
P:吸着平衡圧
V:吸着平衡圧Pにおける吸着量
Vm:単分子層吸着量
C:吸着熱などに関するパラメータ
S:比表面積
k:窒素単分子占有面積0.162nm
負極(負極合剤層)は、その表面に炭酸リチウムを含む層(後述の第1層および/または第2層)を有してもよい。この場合、負極と電解液との接触による副反応が抑制され、当該副反応に起因する負極の劣化が抑制される。
負極の表層部は、被膜の構成要素として、炭酸リチウムを含有する第1層を有してもよい。第1層は、主として、負極活物質の表面に形成されている。第1層を形成することで、負極の劣化を抑制することができる。
負極の表層部は、被膜の構成要素として、固体電解質を含む第2層を有してもよい。第2層は第1層とは異なる組成を有し、第2層は第1層と区別可能である。リチウムイオンを利用する電気化学デバイスでは、充放電の際に負極表面に固体電解質界面被膜(すなわちSEI被膜)が形成される。第2層は、SEI被膜として形成されてもよい。SEI被膜は充放電反応において重要な役割を果たす。負極の表層部が、第1層とともにSEI被膜として第2層を有する場合、第1層は、良好なSEI被膜の形成を促進し、かつ充放電を繰り返す場合においてSEI被膜を良好な状態に維持させる作用を有する。SEI被膜として形成される第2層は、充放電反応に寄与する第1領域の表層部に形成され易い。
被膜が第1層と第2層とを有する場合、第2層の少なくとも一部は、第1層を介して負極活物質の表面の少なくとも一部を覆っている。すなわち、第1層の少なくとも一部は第2層に覆われている。第1層は、負極活物質の表面と第2層との間に介在し、第2層の下地層となる。第1層が下地層となることで、良好な状態のSEI被膜として第2層が形成される。
第2層も炭酸リチウムを含有し得る。第2層が炭酸リチウムを含有する場合、第2層に含まれる炭酸リチウムの含有量は、第1層に含まれる炭酸リチウムの含有量よりも少ない。炭酸リチウムを多く含む第1層を下地層とすることが、第2層が良好な状態のSEI被膜として形成される必要条件となる。
第1層は、電気化学デバイスを組み立てる前に、負極の表層部に形成される。第1層の形成は、例えば、気相法(蒸着法など)、塗工法、転写などにより行われる。例えば、真空蒸着装置によって炭酸リチウムを負極合剤層の表面に付着させてもよい。炭酸リチウムを含む溶液もしくは分散液を、負極の表面に、例えば、マイクログラビアコーターを用いて塗布し、乾燥することで、第1層を形成してもよい。
表面に第1層を有する負極を用いて電気化学デバイスを組み立て、エージング処理もしくは充放電することにより、負極活物質の表面に均質で適度な厚さの第2層(SEI被膜)が形成される。SEI被膜は、例えば電気化学デバイス中で電解液と負極とが反応して形成される。電解液は第2層だけでなく第1層も通過し得るため、第1層と第2層を含む表層部の全体をSEI被膜と称してもよいが、本明細書では、便宜上、第2層をSEI被膜と称し、第1層と区別する。
第1層のような炭酸リチウムが含まれる領域の存在は、例えば、X線光電子分光法(XPS)による表層部の分析により確認することができる。ただし、分析方法はXPSに限定されるものではない。
第1層の厚さは、例えば、1nm以上、50nm以下であってもよく、1nm以上(もしくは5nm以上)、30nm以下であってもよい。第2層の厚さは、例えば、1nm以上、20nm以下であってもよく、3nm以上、15nm以下であってもよい。
第1層および第2層の厚さは、負極の複数箇所(少なくとも5箇所)において、負極の表層部を分析することにより測定される。そして、複数箇所で得られた第1層もしくは第2層の厚さの平均を、第1層もしくは第2層の厚さとすればよい。なお、測定試料に供される負極合剤層は、負極集電体から剥がされてもよい。この場合、負極の表層部の近傍を構成していた負極活物質の表面に形成された被膜を分析すればよい。具体的には、負極集電体と接合していた面とは反対の面側に配されていた負極合剤層の領域から、被膜で覆われた負極活物質を採取して分析に用いればよい。
負極の表層部のXPS分析は、例えば、X線光電子分光計のチャンバ内で表層部もしくは負極活物質の表面に形成された被膜にアルゴンビームを照射し、照射時間に対するC1s、O1s電子などに帰属される各スペクトルの変化を観測し、記録する。このとき、分析誤差を避ける観点から、表層部の最表面のスペクトルは無視してもよい。炭酸リチウムに帰属されるピークが安定して観察される領域の厚さが、第1層の厚さに対応する。
完成されて所定のエージングもしくは少なくとも一回の充放電を経た電気化学デバイス内から取り出された負極の場合、負極の表層部は、固体電解質を含むSEI被膜(すなわち第2層)を有する。SEI被膜に含まれる化合物が有する結合に帰属されるピークが安定して観察される領域の厚さが、SEI被膜の厚さ(すなわち第2層の厚さ)に対応する。
SEI被膜に含まれる化合物としては、第2層の標識となり得る元素を含む化合物を選択する。第2層の標識となり得る元素とは、例えば電解液に含まれ、かつ第1層には実質的に含まれない元素(例えばF)を選択すればよい。第2層の標識となり得る元素を含む化合物としては、例えばLiFが選択され得る。
第2層がLiFを含むとき、第2層をX線光電子分光法で測定すると、LiF結合に帰属される実質的なF1sのピークが観測される。この場合、LiF結合に帰属されるピークが安定して観察される領域の厚さが、第2層の厚さに対応する。
一方、第1層は、通常はLiFを含まず、第1層をX線光電子分光法で測定してもLiF結合に帰属される実質的なF1sのピークは観測されない。よって、LiF結合に帰属されるピークが安定して観察されない領域の厚さを第1層の厚さとしてもよい。
SEI被膜にも炭酸リチウムに帰属されるO1sピークが観測され得る。ただし、電気化学デバイス内で生成されたSEI被膜は、予め形成された第1層とは異なる組成を有するため、両者を区別可能である。例えば、SEI被膜のXPS分析では、LiF結合に帰属されるF1sピークが観測されるが、第1層にはLiF結合に帰属される実質的なF1sピークは観測されない。また、SEI被膜に含有される炭酸リチウムは微量である。なお、Li1sピークとしては、例えばROCOLi、ROLiのような化合物に由来するピークが検出され得る。
第1層をXPSで分析するとき、C=O結合に帰属されるO1sの第1ピーク以外に、Li-O結合に帰属されるO1sの第2ピークが観測されてもよい。負極活物質の表面の近傍に存在する被膜の領域は、僅かなLiOHもしくはLiOを含有していてもよい。
具体的には、負極の表層部を構成する第1層を深さ方向に分析するとき、表層部の最表面からの距離が深くなる順に、第1ピーク(C=O結合に帰属されるO1s)と第2ピーク(Li-O結合に帰属されるO1s)とが観測され、かつ第1ピーク強度が第2ピーク強度より大きい第1領域と、第1ピークと第2ピークとが観測され、かつ第2ピーク強度が第1ピーク強度より大きい第2領域とが観測されてもよい。また、第1領域よりも表層部の最表面からの距離が近く、かつ第1ピークが観測され、第2ピークが観測されない第3領域が更に存在してもよい。第3領域は、炭酸リチウム含有領域の厚さが大きい場合に観測されやすい。なお、ピーク強度の大小は、ベースラインからのピークの高さで判断すればよい。
第1層の厚さ方向の中央では、通常、C-C結合に帰属されるC1sピークは実質的に観測されないか、観測される場合でもC=O結合に帰属されるピーク強度の半分以下である。
負極には、予めリチウムイオンがプレドープされる。負極へのリチウムイオンのプレドープは、例えば、負極と電解液とを接触させることで進行し、所定時間放置することで完了してもよい。また、電気化学デバイスを組み立てた後のエージング処理を利用してリチウムイオンの負極へのプレドープを完了してもよい。正極と負極との端子間に所定の充電電圧(例えば3.4~4.0V)を所定時間(例えば1~75時間)印加することで、リチウムイオンの負極へのプレドープを完了させてもよい。第2層の形成は、負極と電解液とを接触させた状態で行われるため、リチウムイオンのプレドープ工程を利用して第2層を形成してもよい。
プレドープされるリチウムイオン源には、例えば、金属リチウムが用いられる。表面に金属リチウムを付着させた負極を用いて、負極へのリチウムイオンのプレドープを行えばよい。負極表面への金属リチウムの付着は、例えば、気相法、転写などにより行われる。気相法としては、化学蒸着、物理蒸着、スパッタリングなどの方法が挙げられる。例えば、真空蒸着装置によって金属リチウムを負極合剤層の表面に膜状に形成すればよい。その後、真空蒸着装置のチャンバ内を炭酸ガス雰囲気とすることにより、第1層を形成してもよい。
ここで、図1は、本開示の一実施形態に係る電気化学デバイス200の構成を模式的に示している。図2は、電極体100を構成する前の負極20を模式的に示す上面図である。図2は、電極体100の負極20を展開した図である。図2中、XおよびYは、それぞれ、帯状の負極20(負極合剤層形成部21y)の長さ方向および幅方向を示す。図2は、負極20の一方の表面を示すが、負極20の他方の表面も図2と同様の構成である。また、図3は、電極体100の構成を模式的に示す図である。図3の負極20は、図2のIII-III断面を示す。
電気化学デバイス200は、電極体100と、非水電解液(図示せず)と、電極体100および非水電解液を収容する金属製の有底のセルケース210と、セルケース210の開口を封口する封口板220とを具備する。封口板220の周縁部にはガスケット221が配されており、セルケース210の開口端部をガスケット221にかしめることでセルケース210の内部が密閉されている。
電極体100は、帯状の正極10と帯状の負極20とを、正極10と負極20との間にセパレータ30を介在させて巻回することにより構成される柱状の巻回体である。正極集電体露出部11xは巻回体の一方の端面から突出しており、負極集電体露出部21xは巻回体の他方の端面から突出している。
帯状の正極10は、正極集電体11と、正極集電体11の両面に担持される正極合剤層12と、を備える。正極10は、幅方向の一方の端部において、長さ方向に沿って、正極集電体露出部11xを有する。
中央に貫通孔13hを有する正極集電板13は、正極集電体露出部11xと溶接されている。正極集電板13に一端が接続されているタブリード15の他端は、封口板220の内面に接続されている。よって、封口板220は、外部正極端子としての機能を有する。
正極集電板13は、概ね円盤状の金属板である。正極集電板の中央部には非水電解液の通路となる貫通孔を形成することが好ましい。正極集電板13の材質は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、チタン、ステンレス鋼などである。正極集電板13の材質は、正極集電体の材質と同じでもよい。
正極集電体露出部は、正極の所定箇所において幅方向に沿って形成されていてもよい。この場合、正極集電体露出部と封口板の内面とが、正極リードを介して接続される。
帯状の負極20は、負極集電体21と、負極集電体21の両面に担持される負極合剤層22と、を備える。負極20は、負極合剤層形成部21yと、負極集電体露出部21xと、を有する。負極集電体露出部21xは、負極20の幅方向Yの一方の端部において、負極20の長さ方向Xに沿って形成されている。
負極集電板23は、負極集電体露出部21xと溶接されている。負極集電板23は、セルケース210の内底面に設けられた溶接用部材に直接溶接されている。よって、セルケース210は、外部負極端子としての機能を有する。負極集電板23は、概ね円盤状の金属板である。負極集電板23の材質は、例えば銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼などである。負極集電板23の材質は、負極集電体の材質と同じでもよい。
負極集電体露出部は、負極の所定箇所において幅方向に沿って形成されていてもよい。この場合、負極集電体露出部とセルケースの内底面とが、負極リードを介して接続される。
負極合剤層形成部21yは、正極合剤層12と対向する第1領域24と、正極合剤層12と対向しない第2領域25と、を有する。
第2領域25は、第2A領域25a~第2D領域25dを有し、第1領域24を囲むように形成されている。第2A領域25aは、正極合剤層12の幅方向の一方の端部側に存在し、正極合剤層12と対向しない領域である。第2B領域25bは、正極合剤層12の幅方向の他方の端部側に存在し、正極合剤層12と対向しない領域である。第2A領域25aおよび第2B領域25bは、それぞれ第1領域24の一方の側および他方の側に配されている。第2C領域25cは、正極合剤層12の長さ方向の一方の端部側に存在し、正極合剤層12と対向しない領域である。第2D領域25dは、正極合剤層12の長さ方向の他方の端部側に存在し、正極合剤層12と対向しない領域である。第2A領域25aおよび第2B領域25bは、第1領域24を挟むように形成されている。第2C領域25cおよび第2D領域25dは、それぞれ、負極20の巻き始め側および巻き終わり側の端部に形成されており、それらの間において第2A領域25aおよび第2B領域25bが形成されている。
第2A領域25aは、負極合剤層形成部21yの幅方向Yの一方の端部において、負極合剤層形成部21yの長さ方向Xに沿って設けられている。第2B領域25bは、負極合剤層形成部21yの幅方向Yの他方の端部において、負極合剤層形成部21yの長さ方向Xに沿って設けられている。第2C領域25cは、負極合剤層形成部21yの長さ方向Xの一方の端部において、負極合剤層形成部21yの幅方向Yに沿って設けられている。第2D領域25dは、負極合剤層形成部21yの長さ方向Xの他方の端部において、負極合剤層形成部21yの幅方向Yに沿って設けられている。
第2A領域25a~第2D領域25dは、それぞれ帯状(もしくはライン状)に形成されており、第2A領域25a~第2D領域25dの幅寸法は、互いにほぼ同じであるが、互いに異なっていてもよい。負極20の巻き終わり側の端部に形成されている第2D領域25dは、負極20の巻き始め側の端部に形成されている第2C領域25cよりも、面積が大きくてもよい。
第1領域24の面積S1に対する、第2領域25の面積S2の比:S2/S1は、0.1以上であり、0.15以上(もしくは0.2以上)であってもよい。第1領域24の面積S1は、第1領域24の主面の面積である。第2領域25の面積S2は、第2領域25の主面の面積である。第2領域25の面積S2は、第2A領域25a~第2D領域25dの面積S2a~S2dを合計した面積である。
第2領域25は第2A領域25aおよび第2B領域25bを含むことから、柱状の巻回体(電極体100)の中心側から外周側までの全体において第2領域の形成による作用が効率的に発揮され易い。内部抵抗の上昇の抑制効果が得られ易い観点から、第1領域24の面積S1に対する、第2A領域25aの面積S2aおよび第2B領域25bを合計した面積(S2a+S2b)の比:(S2a+S2b)/S1は、0.14以上であってもよく、0.18以上であってもよく、0.14以上(もしくは0.18以上)、0.4以下(もしくは0.3以下)であってもよい。
図2および図3の負極では、第2領域として第2A領域~第2D領域が形成されているが、S2/S1が0.1以上を満たすように、第2A領域~第2D領域のうちの少なくとも1つの領域が形成されていればよい。図2および図3の負極では、第1領域の厚さT1(第1領域での負極の総厚さ)と、第2領域の厚さT2(第2領域での負極の総厚さ)とは、互いに、ほぼ同じであるが、T2はT1よりも大きくてもよく、T2/T1は、1.5以上、3以下であってもよい。
電気化学デバイスは、図1に示す巻回型の電気化学デバイスに限定されない。例えば、積層型の電気化学デバイスであってもよい。すなわち、電極体は、板状の正極と、板状の負極とを、セパレータを介して積層して構成される積層体であってもよい。
以下、本開示の実施形態に係る電気化学デバイスの各構成要素について更に詳細に説明する。
(負極)
負極は、リチウムイオンを可逆的にドープする負極活物質を含む。リチウムイオンの負極活物質へのドープとは、少なくとも負極活物質へのリチウムイオンの吸蔵現象を含み、リチウムイオンの負極活物質への吸着や、負極活物質とリチウムイオンとの化学的相互作用なども含み得る概念である。負極活物質は、充電時にリチウムイオンをドープし、放電時にリチウムイオンを脱ドープする。
負極活物質は、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)を含む。難黒鉛化炭素は、X線回折法にて測定される(002)面の面間隔(すなわち、炭素層と炭素層の面間隔)d002が3.8Å以上であってもよい。難黒鉛化炭素の理論容量は、例えば150mAh/g以上であることが望ましい。難黒鉛化炭素を用いることで、低温DCRが小さく、かつ充放電に伴う膨張と収縮の小さい負極を得やすくなる。難黒鉛化炭素は、負極活物質の50質量%以上、更には80質量%以上、更には95質量%以上を占めることが望ましい。また、難黒鉛化炭素は、負極合剤層の40質量%以上、更には70質量%以上、更には90質量%以上を占めることが望ましい。
負極活物質として、難黒鉛化炭素と、難黒鉛化炭素以外の材料とを併用してもよい。負極活物質として用い得る難黒鉛化炭素以外の材料としては、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛など)、リチウムチタン酸化物(スピネル型リチウムチタン酸化物など)、ケイ素酸化物、ケイ素合金、錫酸化物、錫合金などが例示できる。
負極における負極活物質の充填性が高く、電解液との副反応を抑制し易い観点から、負極活物質(特に難黒鉛化炭素)の平均粒径は、1~20μmであることが好ましく、2~15μmであることがさらに好ましい。
なお、本明細書中、平均粒径とは、レーザー回折式の粒度分布測定で得られる粒度分布における体積基準のメディアン径(D50)を意味する。
負極は、負極活物質を含む負極合剤層と、負極合剤層を担持する負極集電体と、を備えてもよい。負極合剤層の厚さは、負極集電体の片面あたり、例えば10~300μmである。
負極合剤層は、負極活物質を必須成分として含み、任意成分として、導電剤、結着剤、増粘剤などを含む。導電剤としては、カーボンブラック、炭素繊維などが挙げられる。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)などが挙げられる。結着剤としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ゴム材料などが挙げられる。増粘剤としては、セルロース誘導体などが挙げられる。
負極合剤層は負極活物質および導電剤を含んでもよい。この場合、負極合剤層の比表面積は、負極活物質および導電剤の比表面積を反映し得る。例えば、比表面積が大きい導電剤(例えば、KB)を用いる場合、導電剤の添加量を変えて負極合剤層の比表面積を調整してもよい。
負極合剤層は、例えば、負極活物質と、導電剤などとを、分散媒とともに混合して負極合剤スラリーを調製し、負極合剤スラリーを負極集電体に塗布した後、乾燥することにより形成される。
負極合剤層には、予めリチウムイオンがプレドープされる。これにより、負極の電位が低下し、正極と負極の電位差(すなわち電圧)が大きくなり、電気化学デバイスのエネルギー密度が向上する。プレドープされるリチウム量は、例えば、負極合剤層に吸蔵可能な最大量の50%~95%程度とすればよい。
負極集電体には、シート状の金属材料が用いられる。シート状の金属材料は、金属箔、金属多孔体、エッチングメタルなどであればよい。金属材料としては、銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼などを用い得る。
(正極)
正極は、アニオンを可逆的にドープする正極活物質を含む。アニオンの正極活物質へのドープとは、少なくとも正極活物質へのアニオンの吸着現象を含み、正極活物質によるアニオンの吸蔵や、正極活物質とアニオンとの化学的相互作用なども含み得る概念である。正極活物質は、充電時にアニオンをドープし、放電時にアニオンを脱ドープする。正極活物質は、例えば、炭素材料、導電性高分子などである。
正極活物質として用いる炭素材料としては、多孔質な炭素材料が好ましく、例えば、活性炭や、負極活物質として例示した炭素材料(例えば難黒鉛化炭素)が好ましい。活性炭の原料としては、例えば、木材、ヤシ殻、石炭、ピッチ、フェノール樹脂などが挙げられる。活性炭は、賦活処理されたものであることが好ましい。活性炭の平均粒径は、特に限定されないが、20μm以下であることが好ましく、3~15μmであることがより好ましい。活性炭は、正極活物質の50質量%以上、更には80質量%以上、更には95質量%以上を占めることが望ましい。
正極活物質として用いる導電性高分子としては、π共役系高分子が好ましい。π共役系高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリチオフェンビニレン、ポリピリジンまたはこれらの誘導体を用い得る。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。導電性高分子の重量平均分子量は、例えば1000~100000である。なお、π共役系高分子の誘導体とは、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリチオフェンビニレン、ポリピリジンなどのπ共役系高分子を基本骨格とする高分子を意味する。例えば、ポリチオフェン誘導体には、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などが含まれる。
導電性高分子は、例えば、カーボン層を備える正極集電体を導電性高分子の原料モノマーを含む反応液に浸漬し、正極集電体の存在下で原料モノマーを電解重合することにより形成される。電解重合では、原料モノマーを含む反応液に正極集電体と対向電極とを浸漬し、正極集電体をアノードとして両者の間に電流を流せばよい。導電性高分子は、電解重合以外の方法で形成されてもよい。例えば、原料モノマーの化学重合により導電性高分子を形成してもよい。化学重合では、正極集電体の存在下で原料モノマーを酸化剤などにより重合させればよい。
電解重合または化学重合で用いられる原料モノマーは、重合により導電性高分子を生成し得る重合性化合物であればよい。原料モノマーは、オリゴマ―を含んでもよい。原料モノマーとしては、例えばアニリン、ピロール、チオフェン、フラン、チオフェンビニレン、ピリジンまたはこれらの誘導体が用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。中でもアニリンは、電解重合によりカーボン層の表面に成長させやすい。
電解重合または化学重合は、アニオン(ドーパント)を含む反応液を用いて行い得る。π電子共役系高分子にドーパントをドープすることで優れた導電性を発現される。ドーパントとしては、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硼酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロ硼酸イオン、ヘキサフルオロ燐酸イオン、フルオロ硫酸イオンなどが挙げられる。ドーパントは、高分子イオンであってもよい。高分子イ
オンとしては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸などのイオンが挙げられる。
正極は、正極活物質を含む正極合剤層と、正極合剤層を担持する正極集電体と、を備えてもよい。正極合剤層の厚さは、正極集電体の片面あたり、例えば10~300μmである。
正極合剤層は、正極活物質を必須成分として含み、任意成分として、導電剤、結着剤、増粘剤などを含む。導電剤としては、カーボンブラック、炭素繊維などが挙げられる。結着剤としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ゴム材料などが挙げられる。増粘剤としては、セルロース誘導体などが挙げられる。
正極合剤層は、例えば、正極活物質と、導電剤などとを、分散媒とともに混合して正極合剤スラリーを調製し、正極合剤スラリーを正極集電体に塗布した後、乾燥することにより形成される。
正極集電体には、シート状の金属材料が用いられる。シート状の金属材料は、金属箔、金属多孔体、エッチングメタルなどであればよい。金属材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、チタンなどを用い得る。
(電解液)
電解液は、例えば、リチウム塩と、リチウム塩を溶解させる溶媒とを含む。リチウム塩のアニオンは、正極へのドープと脱ドープとを可逆的に繰り返す。リチウム塩に由来するリチウムイオンは、可逆的に負極に吸蔵および放出される。
リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCF3SO3、LiFSO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiB10Cl10、LiCl、LiBr、LiI、LiBCl4、LiN(FSO22、LiN(CF3SO22などが挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせてもよい。中でもフッ素含有アニオンを有する塩が好ましく、特にリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、すなわちLiN(SO2F)2を用いることが好ましい。充電状態(充電率(SOC)90~100%)における電解液中のリチウム塩の濃度は、例えば0.2~5mol/Lである。以下、LiN(SO2F)2をLiFSIと称する。リチウム塩の例えば80質量%以上がLiFSIであってもよい。
LiFSIは、内部抵抗の低減に有利である。LiFSIには、正極活物質および負極活物質の劣化を低減する効果があると考えられる。フッ素含有アニオンを有する塩の中でも、FSIアニオンは安定性に優れるため、副生物を生じにくく、活物質の表面を損傷することなく、スムーズに充放電に寄与するものと考えられる。
溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトンなどのラクトン類、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタンなどの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル、ジメチルスルホキシド、1,3-ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、トリメトキシメタン、スルホラン、メチルスルホラン、1,3-プロパンサルトンなどを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
溶媒は、PCを含むことが好ましい。PCの場合、ECの場合と比べて、電解液の粘度が低くなり、特に低温でのイオン伝導度が向上することから、難黒鉛化炭素を含む負極における第2領域から第1領域へのLiの補填がより効率的に行われ、内部抵抗の上昇抑制の効果が顕著に得られる。
電解液に、必要に応じて、種々の添加剤を含ませてもよい。例えば、負極表面にリチウムイオン伝導性の被膜を形成する添加剤として、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネートなどの不飽和カーボネートを添加してもよい。
(セパレータ)
セパレータとしては、セルロース繊維製の不織布、ガラス繊維製の不織布、ポリオレフィン製の微多孔膜、織布もしくは不織布などを用い得る。セパレータの厚さは、例えば8~300μmであり、8~40μmが好ましい。
[実施例]
以下、実施例に基づいて、本開示をより具体的に説明するが、本開示は実施例に限定されるものではない。
《実施例1~4》
(正極の作製)
正極活物質である活性炭(平均粒径5.5μm)88質量部と、導電剤であるアセチレンブラック6質量部と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース4質量部と、結着剤であるポリテトラフルオロエチレン2質量部とを、水に分散させ、正極合剤スラリーを調製した。得られた正極合剤スラリーを正極集電体であるアルミニウム箔の両面に塗布し、塗膜を乾燥し、圧延して、正極合剤層を形成し、正極を得た。
上記において、図3に示す正極を作製した。すなわち、正極集電体11と、正極集電体11に担持される正極合剤層12と、を有する正極10を作製した。正極集電体露出部11xは、正極10の幅方向の一方の端部において、正極10の長さ方向に沿って形成した。正極集電体露出部11xの幅方向の寸法は、10mmとした。正極10の正極合剤層12が形成される領域は、長さ800mm、幅50mmのサイズであった。
(負極の作製)
負極活物質である難黒鉛化炭素(HC)(平均粒径5μm)75質量部と、導電剤であるケッチェンブラック15質量部と、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース4質量部と、結着剤であるスチレンブタジエンゴム6質量部とを、水に分散させ、負極合剤スラリーを調製した。得られた負極合剤スラリーを負極集電体である銅箔の両面に塗布し、塗膜を乾燥し、圧延して、負極合剤層を形成し、負極を得た。
上記において、図2および図3に示す負極20を作製した。負極集電体露出部21xの幅方向Yの寸法は10mmとした。正極合剤層と対向する第1領域24の面積は一定とした。負極集電体21の大きさを適宜調整し、帯状の第2A領域25a~第2D領域25dの幅寸法を適宜調整することにより、第1領域24の面積S1に対する第2領域25の面積S2の比:S2/S1を表1に示す値とした。なお、面積S2は、第2A領域25a~第2D領域25dを合計した面積である。第2A領域25a~第2D領域25dの幅は、互いにほぼ同じとした。第1領域24の厚さT1(第1領域での負極の総厚さ)と、第2領域25(第2A領域25a~第2D領域25d)の厚さT2(第2領域での負極の総厚さ)は、ほぼ同じであった。
その後、負極合剤層(第1領域および第2領域)の全面に、真空蒸着によりプレドープのための金属リチウムの薄膜を形成した。プレドープするリチウム量は、プレドープ完了後の電解液中での負極電位が金属リチウムに対して0.2V以下となるように設定した。
その後、真空蒸着装置のチャンバ内を二酸化炭素でパージし、炭酸ガス雰囲気とすることで、負極合剤層の表層部に、炭酸リチウムを含有する第1層を形成した。炭酸ガス雰囲気の露点は-40℃、二酸化炭素のモル分率は100%、チャンバ内の圧力は1気圧(1.01×105Pa)とした。1気圧の炭酸ガス雰囲気に暴露される負極の温度は25℃とした。炭酸ガス雰囲気に負極を暴露する時間は22時間とした。第1層にはF(もしくはLiF)は実質的に含まれない。
(電極体の作製)
正極と負極とをセルロース製不織布のセパレータ(厚さ25μm)を介して柱状に巻回して巻回体(電極体)を形成した。このとき、正極集電体露出部を巻回体の一方の端面から突出させ、負極集電体露出部を電極体の他方の端面から突出させた。正極集電体露出部および負極集電体露出部にそれぞれ円盤状の正極集電板および負極集電板を溶接した。
上記において、図3に示す電極体100を構成した。このとき、第1領域24が正極合剤層12と対向し、第2領域25(第2A領域25a~第2D領域25d)が正極合剤層12と対向しないように、正極10と負極20とを積層した。
(電解液の調製)
プロピレンカーボネート(PC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)と、ジエチルカーボネート(DEC)との混合溶媒(体積比3:5:2)に、リチウム塩としてLiFSIを溶解させて電解液(PC系電解液)を調製した。電解液中のLiFSIの濃度は、1.2mol/Lとした。
(電気化学デバイスの組み立て)
開口を有する有底のセルケースに電極体を収容し、正極集電板と接続されているタブリードを封口板の内面に接続し、更に、負極集電板をセルケースの内底面に溶接した。セルケース内に電解液を入れた後、セルケースの開口を封口板で塞ぎ、図1に示すような電気化学デバイスを組み立てた。
その後、正極と負極との端子間に3.8Vの充電電圧を印加しながら60℃でエージングしてリチウムイオンの負極へのプレドープを完了させた。表1中、A1~A4は実施例1~4の電気化学デバイスである。
なお、図2の負極20における、第1領域24の面積S1に対する、第2A領域25aの面積S2aおよび第2B領域25bを合計した面積(S2a+S2b)の比:(S2a+S2b)/S1の値については、デバイスA1の負極では0.094であり、デバイスA2の負極では0.14であり、デバイスA3~A4の負極では0.18以上であった。
例えば、デバイスA2の負極の場合、以下のようにして(S2a+S2b)/S1の値が求められる。正極(正極合剤層)の面積はS1に相当し、800×50によりS1が算出される。一方、負極(負極合剤層)の面積は、S1+S2に相当し、図2の第1領域の周りを囲む第2領域(第2A領域~第2D領域)の幅をx(mm)とする場合、負極(負極合剤層)の面積は(800+2x)(50+2x)で表すことができる。デバイスA2の場合、S2/S1=0.15であることから、S1+S2=(1+0.15)×800×50=(800+2x)(50+2x)となり、x=3.5が求められる。(S2a+S2b)/S1は、2x/50に相当し、(2×3.5)/50=0.14が算出される。
《実施例5》
第2領域に形成する負極合剤層の厚さを適宜調整することで、第2領域の厚さT2を2倍に大きくした以外、デバイスA2と同様にして、デバイスA5を作製した。
《実施例6》
PC系電解液の代わりにEC系電解液を用いた。EC系電解液は、エチレンカーボネート(EC)と、EMCと、DECとの混合溶媒(体積比3:5:2)に、リチウム塩としてLiFSIを溶解させることにより調製した。電解液中のLiFSIの濃度は、1.2mol/Lとした。
上記以外、デバイスA2と同様にして、デバイスA6を作製した。
《比較例1》
負極集電体の大きさを適宜調整して、負極に第2領域を形成しなかった以外、デバイスA1と同様にして、デバイスB1を作製した。
《比較例2》
負極活物質としてHCの代わりに黒鉛(GR)を用いた。負極集電体の大きさを適宜調整して、負極に第2領域を形成しなかった。上記以外、デバイスA1と同様にして、デバイスB2を作製した。
《比較例3》
負極活物質としてHCの代わりにGRを用いた。負極集電体の大きさを適宜調整して、負極に第2領域を形成しなかった。PC系電解液の代わりにEC系電解液を用いた。EC系電解液は、エチレンカーボネート(EC)と、EMCと、DECとの混合溶媒(体積比3:5:2)に、リチウム塩としてLiFSIを溶解させることにより調製した。電解液中のLiFSIの濃度は、1.2mol/Lとした。
上記以外、デバイスA1と同様にして、デバイスB3を作製した。
《比較例4》
負極活物質としてHCの代わりにGRを用いた。PC系電解液の代わりにEC系電解液を用いた。EC系電解液は、ECと、EMCと、DECとの混合溶媒(体積比3:5:2)に、リチウム塩としてLiFSIを溶解させることにより調製した。電解液中のLiFSIの濃度は、1.2mol/Lとした。
上記以外、デバイスA2と同様にして、デバイスB4を作製した。
《比較例5》
負極活物質としてHCの代わりにGRを用いた。PC系電解液の代わりにEC系電解液を用いた。EC系電解液は、ECと、EMCと、DECとの混合溶媒(体積比3:5:2)に、リチウム塩としてLiFSIを溶解させることにより調製した。電解液中のLiFSIの濃度は、1.2mol/Lとした。
上記以外、デバイスA3と同様にして、デバイスB5を作製した。
《比較例6》
第1領域に形成する負極合剤層の厚さを適宜調整することで、負極(第1領域)の厚さを1.2倍に大きくした以外、デバイスB1と同様にして、デバイスB6を作製した。
《比較例7》
電解液中のリチウム塩(LiFSI)の濃度を1.5mol/Lとした以外、デバイスB1と同様にして、デバイスB7を作製した。
実施例および比較例の各電気化学デバイスについて、以下の評価1を行った。
[評価1:電気化学デバイスの信頼性評価]
エージング直後の電気化学デバイスに対し、-30℃の環境下で、電圧が3.8Vになるまで、正極面積当たり2mA/cmの電流密度で定電流充電を行った後、3.8Vの電圧を印加した状態を10分間保持した。その後、-30℃の環境下で、電圧が2.2Vになるまで正極面積当たり2mA/cmの電流密度で定電流放電を行った。
上記放電で得られた放電曲線(縦軸:放電電圧、横軸:放電時間)を用い、当該放電曲線の放電開始から0.5秒~2秒経過時の範囲における一次の近似直線を求め、当該近似直線の切片の電圧VSを求めた。放電開始時(放電開始から0秒経過時)の電圧V0から電圧VSを差し引いた値(V0-VS)をΔVとして求めた。ΔV(V)と、放電時の電流値Id(正極面積当たりの電流密度2mA/cm×正極面積)とを用いて、下記式(1)より電気化学デバイスの内部抵抗(DCR)R1(Ω)を求めた。
内部抵抗R1=ΔV/Id (1)
次に、85℃の環境下で電気化学デバイスに定電圧3.8Vを印加した状態で1000時間保持するフロート試験を行った。その後、上記と同様の方法で電気化学デバイスの内部抵抗(DCR)R2(Ω)を求めた。
上記で求められたR1およびR2を用いて、下記式(2)よりDCR変化率(%)を求めた。DCR変化率が小さいほど、内部抵抗の上昇が抑制され、信頼性が高い。
DCR変化率={(R2-R1)/R1}×100 (2)
評価結果を表1に示す。なお、表1中、HCは難黒鉛化炭素を示し、GRは黒鉛を示す。
Figure 2023125850000002
0.1以上のS2/S1で第2領域を形成したデバイスA1~A6では、DCR変化率が小さく、良好な信頼性が得られた。特に、S2/S1が0.15以上であり、PC系電解液を用いたデバイスA2~A4では、DCR変化率が50%以下であり、優れた信頼性が得られた。また、デバイスA2~A4では、(S2a+S2b)/S1が0.14以上であった。デバイスA5では、第2領域について、デバイスA4に対して、厚さT2を2倍とし、面積S2を1/2倍としたが、デバイスA4と同様に優れた信頼性が得られた。
負極に第2領域を形成しなかったデバイスB1では、DCR変化率が増大し、信頼性が低下した。負極に第2領域を形成せず、負極活物質にGRを用いたデバイスB2、B3では、DCR変化率が増大し、信頼性が低下した。特に、PC系電解液を用いたデバイスB2では、フロート試験を開始して直ぐにDCRが大幅に増大し、DCR変化率を測定できなかった。デバイスB4、B5では、S2/S1が0.15であるが、負極活物質にGRを用いたため、DCR変化率が増大し、信頼性が低下した。
第2領域を形成せずに、第1領域の厚さT1を大きくしたデバイスB6、および、第2領域を形成せずに、電解液のリチウム塩の濃度を大きくしたデバイスB7では、DCR変化率が増大し、信頼性が低下した。第1領域(負極合剤層)の厚さT1を大きくしたり、電解液のリチウム塩の濃度を大きくする方法では、第2領域を形成する場合のような第1領域へのLi補填による負極劣化の抑制効果は得られないことが確かめられた。
既述の方法により求められた、デバイスA1~A6で用いた負極の比表面積は、50m/gであった。
また、デバイスA1~A6の負極について、以下の評価2を行った。
[評価2:負極合剤層の表層部のXPS分析]
炭酸ガス雰囲気に暴露後の負極合剤層(第1領域)の表層部をXPSにより、C1sスペクトル、O1sスペクトル、Li1sスペクトルについて分析した。分析には、X線光電子分光装置(商品名:Model 5600、アルバック・ファイ(株)製)を使用した。測定条件を以下に示す。
X線源:Al-mono(1486.6eV)14kV/200W
測定径:800μmφ
光電子取り出し角:45°
エッチング条件:加速電圧3kV、エッチングレート約3.1nm/min(SiO2換算)、ラスター面積3.1mm×3.4mm
C1sスペクトル、O1sスペクトル、Li1sスペクトルの分析の結果、第1層の厚さは概ね18nmであることが確認された。具体的には、最表面には不純物炭素と推察されるC-C結合などのピークが見られたが、第1層の1~2nm深さ付近で急激に小さくなった。一方、表層部の最表面から18nm深さまでC=O結合に帰属される第1ピークが見られた。18nm深さ付近からはLi-O結合に帰属されるピークも観測された。更に、表層部の最表面から18nm深さまで定常的にLiの存在が確認できた。LiFに帰属されるピークは観測されなかった。
電気化学デバイスから取り出した負極の負極合剤層の表層部を、上記と同様にXPS分析したところ、第1層とは組成が異なり、第1層と区別される厚さ10nmのSEI被膜(第2層)が形成されていることが確認できた。また、LiFに帰属されるピークが観測された。
本開示に係る電気化学デバイスは、例えば車載用途として好適である。
100:電極体
10:正極
11:正極集電体
11x:正極集電体露出部
12:正極合剤層
13:正極集電板
15:タブリード
20:負極
21:負極集電体
21x:負極集電体露出部
21y:負極合剤層形成部
22:負極合剤層
23:負極集電板
24:第1領域
25:第2領域
25a:第2A領域
25b:第2B領域
30:セパレータ
200:電気化学デバイス
210:セルケース
220:封口板
221:ガスケット

Claims (8)

  1. 正極と、負極と、電解液と、を含み、
    前記正極は、アニオンを可逆的にドープする正極活物質を含み、
    前記負極は、リチウムイオンを可逆的にドープする負極活物質を含み、
    前記負極活物質は、難黒鉛化炭素を含み、
    前記負極は、前記正極と対向する第1領域と、前記正極と対向しない第2領域と、を有し、
    前記第1領域の面積S1に対する前記第2領域の面積S2の比:S2/S1は、0.1以上である、電気化学デバイス。
  2. 前記負極の電位は、リチウム基準で0.2V以下である、請求項1に記載の電気化学デバイス。
  3. 前記S2/S1は、0.15以上である、請求項1または2に記載の電気化学デバイス。
  4. 帯状の前記正極と帯状の前記負極とをセパレータを介して巻回して構成される巻回体を備え、
    前記帯状の負極の第2領域は、前記負極の幅方向の一端部および他端部において、それぞれ前記負極の長さ方向に沿って延びる第2A領域および第2B領域を含み、
    前記第1領域の面積S1に対する、前記第2A領域の面積S2aおよび前記第2B領域の面積S2bの合計の比:(S2a+S2b)/S1は、0.14以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  5. 前記第2領域の厚さT2は、前記第1領域の厚さT1よりも大きい、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  6. 前記第1領域の厚さT1に対する前記第2領域の厚さT2の比:T2/T1は、1超、3以下である、請求項5に記載の電気化学デバイス。
  7. 前記負極は、その表面に炭酸リチウムを含む層を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  8. 前記電解液が、プロピレンカーボネートを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
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