JP2023125417A - 金属有機構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたガス吸着能力を有する金属有機構造体を提供すること。【解決手段】アルカリ金属と、前記アルカリ金属に配位している有機配位子とを備える金属有機構造体であって、環状構造を有し、前記有機配位子1モルに対し、前記アルカリ金属が7.40モル以下の量で結合している、金属有機構造体。【選択図】なし

Description

本発明は、金属有機構造体に関する。
金属有機構造体(MOF、metal-organic frameworks)は、金属と有機配位子との配位結合により形成される材料である。そのような金属有機構造体として、ゲスト分子を吸着し得るような環状構造を有する多孔性の材料が知られている。このような金属有機構造体には、ゼオライトや活性炭等の多孔質材料に比べ、空孔のサイズが制御しやすいなどといった利点があり、ガス吸着材等の様々な用途において実用化が期待されている。
環状構造を有する金属有機構造体に関連して、非特許文献1(Yaghi, O.M., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2010, 49, 8630-8634)には、γ-シクロデキストリンを使用した金属有機構造体の製造方法が開示されている。非特許文献1には、1.0当量のγ-シクロデキストリンを8当量のKOHと水溶液中で混合し、次いで、この水溶液に対し、メタノールを2~7日間、「蒸気拡散」(Vapor diffusion)させることにより、金属有機構造体を得たことが記載されている。
Yaghi, O.M., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2010, 49, 8630-8634
金属有機構造体として、より優れた吸着能力を有する物質が得られれば、有利である。そこで、本発明の目的は、優れた吸着能力を有する金属有機構造体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の手段により、上記課題が解決されることを見出した。
[1]アルカリ金属と、前記アルカリ金属に配位している有機配位子とを備える金属有機構造体であって、環状構造を有し、前記有機配位子1モルに対し、前記アルカリ金属が7.40モル以下の量で結合している、金属有機構造体。
[2]窒素ガス吸着量が220cm3/g以上である、[1]に記載の金属有機構造体。
[3]CO2ガス吸着量が10cm3/g以上である、[1]又は[2]に記載の金属有機構造体。
[4]前記アルカリ金属が、カリウムである、[1]~[3]のいずれかに記載の有機金属構造体。
[5]前記有機配位子が、シクロデキストリンである、[1]~[4]のいずれかに記載の有機金属構造体。
[6]前記シクロデキストリンが、γ-シクロデキストリンである、[5]に記載の有機金属構造体。
[7][1]~[6]のいずれかに記載された有機金属構造体を含む、ガス吸着剤。
本発明によれば、優れたガス吸着能力を有する金属有機構造体が提供される。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
1:金属有機構造体
本実施形態に係る金属有機構造体は、金属(原子)と、この金属に配位した有機配位子とを含む構造体である。この金属有機構造体は、環状構造を有する。また、有機配位子1モルに対し、アルカリ金属が7.40モル以下の量で結合している。本発明者らの知見によれば、このような構成を有していることによって、吸着能力に優れた金属有機構造体が実現される。
「環状構造」は、具体的には、ゲスト分子を内包することができる空間を有する環状構造をいう。このような構造を有していることにより、金属有機構造体にゲスト分子を吸着させることができる。
環状構造は、金属と有機配位子とが結合することによって初めて形成される構造であることが好ましい。
環状構造の存在により、金属有機構造体に、ゲスト分子を吸着する機能を持たせることができる。この機能により、金属有機構造体を、物質を吸着する機能が求められる用途(例えばガス吸着剤)に利用することができる。
有機配位子1モルに対するアルカリ金属のモル数は、7.40モル以下であればよいが、好ましくは3.50~7.40モル、さらに好ましくは5.00~7.35モル、さらに好ましくは6.00~7.30モルである。
金属は、有機配位子と配位結合を形成することができるものであればよい。金属として、例えば、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、及びBiからなる群から選択される少なくとも一種を挙げることができる。これらの中でも、アルカリ金属、Zn、及びFeが好ましい。アルカリ金属としては、カリウム及びナトリウムがより好ましい。
有機配位子としては、金属と配位結合を形成するものであればよい。有機配位子としては、金属と配位結合を形成する官能基を有する化合物を用いることができる。そのような官能基として、例えば、水酸基、イミダゾール基、ピリジル基、カルボキシル基、スルホン酸基、及びアミド基等を挙げることができる。
一態様において、有機配位子として、ゲスト分子を内包し得る構造を有する化合物を用いることができる。そのような化合物として、例えば、シクロデキストリン系化合物を挙げることができる。シクロデキストリン系化合物としては、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、及びγ-シクロデキストリンなどを挙げることができる。好ましくは、有機配位子は、γ-シクロデキストリンを含む。γ-シクロデキストリンを用いることにより、窒素吸着性及び二酸化炭素(CO2)ガス吸着性に優れた金属有機構造体を実現することができる。
一方で、有機配位子は、必ずしも、それ自体がゲスト分子を内包し得るような機能を有している必要はない。金属有機構造体全体としてゲスト分子を内包し得るような機能を有している物質であればよい。そのような有機配位子として、例えば、イミダゾール骨格を有する化合物(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-ホルミルイミダゾールなど)、単環式又は多環式骨格を有する化合物(例えば、テレフタル酸、トリメシン酸など)などを挙げることができる。
本実施形態によれば、ゲスト分子の吸着性に優れた金属有機構造体を実現することができる。本実施形態によれば、窒素ガス吸着量が、例えば220cm3/g以上である金属有機構造体が実現される。このような金属有機構造体は、窒素ガスを吸着するための吸着剤として、有用である。好ましい一態様では、窒素ガス吸着量が250cm3/g以上である金属有機構造体が実現できる。更に好ましい一態様では、窒素ガス吸着量が280cm3/g以上である金属有機構造体が実現できる。窒素ガス吸着量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本実施形態によれば、CO2ガス吸着量が、例えば10cm3/g以上である金属有機構造体が実現される。このような金属有機構造体は、CO2ガスを吸着するための吸着剤として、有用である。好ましい一態様では、CO2ガス吸着量が20cm3/g以上である金属有機構造体が実現できる。更に好ましい一態様では、CO2ガス吸着量が40cm3/g以上である金属有機構造体が実現できる。CO2ガス吸着量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
金属有機構造体の細孔サイズが、CO2ガスの分子径と同程度以上であることにより、CO2ガス吸着が生じる。また、特に金属有機構造体を構成する有機配位子中にヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基などの極性基が存在する場合、金属有機構造体の細孔壁面と二酸化炭素との相互作用が生じ、CO2ガス吸着性能が向上する。例えば、有機配位子として、シクロデキストリンを用いた場合には、シクロデキストリンを構成するグルコースの第一級アルコールがCO2ガスと相互作用し、カルボン酸としてCO2ガスが吸着される。そのため、CO2ガス最大吸着量は、金属有機構造体の細孔比表面積及び/又は金属有機構造体を構成する有機配位子中の構造構成に関与しないフリーの極性基の存在量に依存する。
金属有機構造体の細孔比表面積は、例えば700~1400m2/g、好ましくは800~1300m2/g、より好ましくは900~1200m2/gである。細孔比表面積は、後述する実施例に記載の方法により、測定することができる。
金属有機構造体の細孔容積は、例えば0.300~0.600cm3/g、好ましくは0.350~0.500cm3/gである。細孔容積は、後述する実施例に記載の方法により、測定することができる。
金属有機構造体の細孔径は、例えば1.300~1.600nm、好ましくは1.400~1.500nmである。細孔径は、後述する実施例に記載の方法により、測定することができる。
2:金属有機構造体の製造方法
上述のような構成を有する金属有機構造体は、例えば、以下に説明する特定の製造方法を用いることによって、製造することができる。
すなわち、本実施形態に係る製造方法は、金属イオンと、前記金属イオンに配位し得る有機配位子とを含む水溶液を、第1の溶液として調製する工程(ステップS1)と、第1の溶液に、有機溶媒を含む第2の溶液を直接添加し、金属イオン由来の金属に有機配位子が配位した金属有機構造体を生成する工程(ステップS2)とを含んでいる。以下に、各工程について詳述する。
(ステップS1:第1の溶液の調製)
まず、第1の溶液として、金属イオンと、有機配位子とを含む水溶液を調製する。具体的には、水に、金属化合物と有機配位子とを加え、溶解させる。これにより、第1の溶液を得ることができる。第1の溶液は、室温(1~30℃)で調製することができる。
金属イオンの供給源として使用される金属化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属水酸化物、塩化物塩などの無機ハロゲン化物塩、並びに硝酸塩及び酢酸塩などの無機酸塩等を用いることができる。
金属イオンがアルカリ金属イオンである場合には、金属化合物として、アルカリ金属の水酸化物を用いることが好ましい。
金属イオンがZnイオン又はFeイオンである場合には、金属化合物として、無機酸塩を用いることが好ましい。
第1の溶液のpHは、金属化合物における金属がイオンとして存在するようなpHであればよい。
例えば、金属イオンとしてアルカリ金属イオンを用いる場合、第1の溶液は、アルカリ性である。この場合に、第1の溶液のpHは、例えば8以上、好ましくは10~14、より好ましくは13~14である。
金属イオンとしてZnイオンを用いる場合、好適なpHはイオンの供給源となる亜鉛化合物の種類次第であるが、酢酸亜鉛を供給源として用いた場合においては、例えば6~13、好ましくは7~12、より好ましくは9~10である。
金属イオンがFeイオンを用いる場合も、好適なpHはイオンの供給源となる鉄化合物の種類次第であるが、硝酸鉄(III)を用いた場合においては、例えば1~6、好ましくは1~4、より好ましくは2~3である。
第1の溶液において、金属イオン1モルに対する有機配位子の量は、例えば、0.05~50モル、好ましくは0.1~40モル、より好ましくは0.125~30モルである。
金属イオンがアルカリ金属イオンである場合、金属イオン1モルに対する有機配位子の量は、好ましくは0.05~5モル、より好ましくは0.125~0.7モルである。
金属イオンがZnイオンである場合、金属イオン1モルに対する有機配位子の量は、好ましくは0.5~50モル、より好ましくは15~40モルである。
金属イオンがFeイオンである場合、金属イオン1モルに対する有機配位子の量は、好ましくは0.05~5モル、より好ましくは0.1~1モルである。
上述のような範囲内であれば、窒素ガス等のゲスト分子の吸着性に優れた金属有機構造体を得ることが可能になる。
金属イオン1モルに対する水の量は、例えば50~5000モルである。
金属イオンとしてアルカリ金属イオンを用いる場合、金属イオン1モルに対する水の量は、好ましくは80~200モル、より好ましくは100~150モルである。
金属イオンとしてZnイオンを用いる場合、金属イオン1モルに対する水の量は、好ましくは500~5000モル、好ましくは1000~3500モルである。
金属イオンとしてFeイオンを用いる場合、金属イオン1モルに対する水の量は、好ましくは200~3000モル、好ましくは500~2000モルである。
有機配位子と水とのモル比(有機配位子:水)は、例えば1:50~1:2000、好ましくは1:80~1:1500、より好ましくは1:100~1:1300である。
(ステップS2:第2の溶液の添加)
続いて、第1の溶液に、第2の溶液を直接添加する。ここで、「直接」添加する、とは、第2の溶液を、液体状態のまま第1の溶液に添加することを意味する。
第2の溶液は、有機溶媒を含んでいる。第2の溶液は、第1の溶液のpHを変化させる溶液であることが好ましい。
より好ましくは、第2の溶液は、第1の溶液のpHを下げるような溶液である。
そのような有機溶媒として、有機配位子における配位結合部位を脱プロトン化するような溶媒を挙げることができる。有機溶媒として、例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、及び非プロトン性溶媒からなる群から選択される少なくとも一種の溶媒が挙げられる。このような有機溶媒を加えることにより、有機配位子が脱プロトン化され、その結果、金属イオンと有機配位子との間に配位結合が形成され、金属有機構造体が形成される。
この場合に、第2の溶液は、第1の溶液のpHが例えば0.01~0.20、好ましくは0.05~0.15下がるような量で添加されることが好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール等を挙げることができる。
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン等を挙げることができる。
非プロトン性溶媒としては、例えば、N,N―ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
好ましい有機溶媒は、アルコール系溶媒であり、より好ましくは、メタノールである。
好ましくは、第1の溶液に剪断をかけながら、第2の溶液を第1の溶液に添加する。より好ましくは、第1の溶液を攪拌しながら、第2の溶液を第1の溶液に添加する。第2の溶液は、室温で第1の溶液に添加することができる。
第2の溶液は、例えば1~20分、好ましくは10~15分かけて、第1の溶液に滴下することが好ましい。
第2の溶液を一度に全て添加すると、白濁化が生じる等する場合があり、所望する金属構造有機体が得られない場合がある。これに対して、1~20分かけて添加することにより、核を作り、結晶構造を成長させることができ、所望する金属構造有機体が得られやすくなる。
第2の溶液を添加する方法としては、例えば、滴下ロートを用いて一定速度で添加する方法であったり、一定の時間毎に一定量を添加する方法、あるいは、傾斜的に添加量を変化させながら添加する方法、などが挙げられる。
第2の溶液の添加後、好ましくは、第1の溶液と第2の溶液の混合溶液を更に攪拌する。第2の溶液の添加後、例えば5~50時間、好ましくは10~30時間、混合溶液を室温にて攪拌する。攪拌を行わない場合、白濁した下層と、透明な上層を有する2層分離状態となり、この2層分離状態を解消することができなくなる場合がある。
有機溶媒の添加量は、金属イオン1モルに対して、例えば3~1000モル、好ましくは5~500モルである。
金属イオンがアルカリ金属イオンであり、有機配位子がγ-シクロデキストリンである場合、有機溶媒の添加量は、金属イオン1モルに対して、好ましくは3~100モル、好ましくは5~50モル、より好ましくは10~30モルである。
金属イオンがZnイオンである場合、有機溶媒の添加量は、金属イオン1モルに対して、好ましくは50~500モル、より好ましくは75~200モルである。
金属イオンがFeイオンである場合、有機溶媒の添加量は、金属イオン1モルに対して、好ましくは100~800モル、より好ましくは250~500モルである。
以上説明した方法により、金属有機構造体を生成することができる。金属有機構造体は、固体生成物として生成する。従って、混合溶液を例えばろ過することによって、金属有機構造体を単離することができる。ろ過後、単離した金属有機構造体を、さらにメタノール等の有機溶媒により洗浄してもよい。また、単離した金属有機構造体を、乾燥させてもよい。
以上説明した本実施形態に係る方法によれば、ゲスト分子の吸着性に優れた金属有機構造体を、短時間で合成することができる。
以下、本発明をより詳細に説明するため、本発明者らによって行われた実施例について説明する。
(測定方法)
[熱重量分析評価]
金属有機構造体の燃焼挙動およびカリウム残量を、日立社製TG/DTA7220を用い、昇温速度3℃/min、測定温度30℃~500℃にて熱重量分析法にて測定した。
[分子構造評価]
上記熱重量分析評価により生じた金属有機構造体の燃焼残渣物の分子構造を、thermo sientific社製DXRを用い、光学系DXR Raman Microscope、レーザ:532nm、レーザ出力:5.0mW、露光時間:6.00秒、露光回数:10、にてラマン分光法にて測定した。
[組成モル比]
上記熱重量分析評価の結果、燃焼残渣物は炭酸水素カリウムと考えられたため、燃焼残渣物中のカリウム量を算出した。カリウム量の算出結果から、金属有機構造体中のγ-シクロデキストリンを算出することにより、金属有機構造体中のγ-シクロデキストリンとカリウムとのモル比を同定した。
[比表面積・細孔容積・細孔直径・吸着量]
金属有機構造体の比表面積、細孔容積、細孔径、窒素ガス最大吸着量を、マイクロトラックベル社製BELSORP MAX II型を用い、多点法で液体窒素温度にて窒素ガスの吸着等温線を測定し、MP計算によりそれぞれ算出した。
また、CO2ガス吸着量を、マイクロトラックベル社製BELSORP MAX II型を用い、多点法で298K下,測定圧力0~100kPaの範囲にてCO2ガス吸着等温線を測定し、CO2ガス最大吸着量を算出した。
(実施例1)
150ml容器(マヨネーズ瓶)に、純水を加えた後、該容器に、水酸化カリウムを加え、室温で溶解させた。更に、γ-シクロデキストリンを加え、室温で溶解させた。得られた溶液のpHは13.50であった。次に、この溶液を攪拌子を用いて攪拌しながら、15分程度をかけて、メタノールを滴下により添加した。添加後、溶液を24時間攪拌し、固体生成物を含む懸濁液を得た。メタノールの添加後の溶液のpHは、13.40であった。得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、単離した固体生成物をメタノールで洗浄した。洗浄後、固体生成物を50℃で1晩乾燥させて、実施例1に係る金属有機構造体Aを得た。
なお、各成分のモル比は、カリウムイオン:γ-シクロデキストリン:水:メタノール=1:0.125:137.5:20とした。
得られた金属有機構造体AのTG測定より得られた燃焼残渣のラマン分光法より、1050~1070cm-1にC-Cのピークを観察することができ、上記燃焼残渣は、炭酸カリウムであることが特定できた。
上記測定結果より、得られた金属有機構造体Aの組成モル比の算出を行うと、γ-シクロデキストリン:カリウムイオン=1:6.70であった。
細孔比表面積は、1327.1m2/gであった。細孔容積は、0.483cm3/gであった。細孔径は、1.457nmであった。窒素ガス最大吸着量は、312cm3/g、CO2ガス最大吸着量は57cm3/gであった。
(実施例2)
用いた各成分のモル比を、カリウムイオン:γ-シクロデキストリン:水:メタノール=1:0.25:137.5:20とした以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体Bを得た。
得られた金属有機構造体Bの組成モル比は、実施例1と同様に算出するとγ-シクロデキストリン:カリウムイオン=1:7.03であった。
細孔比表面積は、1329.0m2/gであった。細孔容積は、0.483cm3/gであった。細孔径は、1.454nmであった。窒素ガス最大吸着量は、312cm3/g、CO2ガス最大吸着量は63cm3/gであった。
(実施例3)
用いた各成分のモル比をカリウムイオン:γ-シクロデキストリン:水:メタノール=1:0.375:137.5:20とした以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体Cを得た。
得られた金属有機構造体Cの組成モル比は、実施例1と同様に算出するとγ-シクロデキストリン:カリウムイオン=1:7.09であった。
細孔比表面積は、1243.8m2/gであった。細孔容積は、0.452cm3/gであった。細孔径は、1.453nmであった。窒素ガス最大吸着量は、291cm3/g、CO2ガス最大吸着量は54cm3/gであった。
(実施例4)
用いた各成分のモル比をカリウムイオン:γ-シクロデキストリン:水:メタノール=1:0.5:137.5:20とした以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体Dを得た。
得られた金属有機構造体Dの組成モル比は、実施例1と同様に算出するとγ-シクロデキストリン:カリウムイオン=1:7.29であった。
細孔比表面積は、1263.3m2/gであった。細孔容積は、0.457cm3/gであった。細孔径は、1.448nmであった。窒素ガス最大吸着量は、297cm3/g、CO2ガス最大吸着量は12cm3/gであった。
(比較例1)
非特許文献1に記載の方法に従い、金属有機構造体Hを合成した。具体的には、30cc容器(スクリュー管瓶)に、純水を加えた後、該容器に、水酸化カリウム(金属成分)を加え、室温で溶解させた。さらに、γ-シクロデキストリン(配位子成分)を加え、室温で溶解させた。このときの各成分のモル比は、カリウムイオン:γ-シクロデキストリン:水=1:0.125:137.5とした。
次に、該容器を、メタノールを入れた450mlマヨネーズ瓶の中に入れて密封し、7日間静置させ、メタノール蒸気による液液界面での合成反応により、固体生成物を含む懸濁液を得た。
さらに、得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、該固体生成物で洗浄した後に、50℃で1晩乾燥した。これにより、比較例1に係る金属有機構造体Gを得た。
得られた金属有機構造体Gの組成モル比は、実施例1と同様に算出するとγ-シクロデキストリン:カリウムイオン=1:7.43であった。
(結果)
表1に、結果を示す。表1に示されるように、比較例1に係る金属有機構造体の組成モル比(有機配位子:金属)は、1:7.43であり、窒素ガス最大吸着量は200cm3/gであった。これに対して、実施例1~4においては、有機配位子1モルに対してアルカリ金属(カリウム)が7.40モル以下で結合していることが確認され、窒素ガス最大吸着量は220cm3/g以上であり、比較例1よりも窒素ガスの吸着性に優れていた。また、実施例1~4においては、CO2ガス吸着量が10cm3/g以上であり、優れたCO2ガス吸着能力を有していることも確認された。
Figure 2023125417000001

Claims (7)

  1. アルカリ金属と、前記アルカリ金属に配位している有機配位子とを備える金属有機構造体であって、
    環状構造を有し、
    前記有機配位子1モルに対し、前記アルカリ金属が7.40モル以下の量で結合している、金属有機構造体。
  2. 窒素ガス吸着量が220cm3/g以上である、請求項1に記載の金属有機構造体。
  3. CO2ガス吸着量が10cm3/g以上である、請求項1又は2に記載の金属有機構造体。
  4. 前記アルカリ金属が、カリウムである、請求項1~3のいずれかに記載の有機金属構造体。
  5. 前記有機配位子が、シクロデキストリンである、請求項1~4のいずれかに記載の有機金属構造体。
  6. 前記シクロデキストリンが、γ-シクロデキストリンである、請求項5に記載の有機金属構造体。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載された有機金属構造体を含む、吸着剤。
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