JP2023125383A - 金属有機構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環状構造を形成する金属有機構造体を、短時間で製造することのできる技術を提供すること。【解決手段】環状構造を有する金属有機構造体の製造方法であって、金属イオンと、前記金属イオンに配位し得る有機配位子とを含む水溶液を、第1の溶液として調製する工程と、前記第1の溶液に、有機溶媒を含む第2の溶液を直接添加し、前記金属イオンに前記有機配位子が配位した金属有機構造体を生成する工程と、を含む、製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、金属有機構造体の製造方法に関する。
金属有機構造体(MOF、metal-organic frameworks)は、金属イオンと有機配位子との配位結合により形成される材料である。そのような金属有機構造体として、ゲスト分子を吸着し得るような環状構造を有する多孔性の材料が知られている。このような金属有機構造体には、ゼオライトや活性炭等の多孔質材料に比べ、空孔のサイズが制御しやすいなどといった利点があり、ガス吸着材等の様々な用途において実用化が期待されている。
環状構造を有する金属有機構造体に関連して、非特許文献1(Yaghi, O.M., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2010, 49, 8630-8634)には、γ-シクロデキストリンを使用した金属有機構造体の製造方法が開示されている。非特許文献1には、1.0当量のγ-シクロデキストリンを8当量のKOHと水溶液中で混合し、次いで、この水溶液に対し、メタノールを2~7日間、「蒸気拡散」(Vapor diffusion)させることにより、金属有機構造体を得たことが記載されている。
Yaghi, O.M., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 2010, 49, 8630-8634
金属有機構造体の実用化には、短時間で金属有機構造体を得ることのできる技術が必要である。非特許文献1に記載の方法では、金属有機構造体を短時間で取得することが困難であった。そこで、本発明の課題は、環状構造を有する金属有機構造体を、短時間で製造することのできる技術を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の手段により、上記課題が解決されることを見出した。
[1]環状構造を有する金属有機構造体の製造方法であって、金属イオンと、前記金属イオンに配位し得る有機配位子とを含む水溶液を、第1の溶液として調製する工程と、前記第1の溶液に、有機溶媒を含む第2の溶液を直接添加し、前記金属イオンに前記有機配位子が配位した金属有機構造体を生成する工程と、を含む、製造方法。
[2]前記金属イオンが、アルカリ金属イオンである、[1]記載の製造方法。
[3]前記金属イオンが、カリウムイオンである、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]前記有機配位子が、シクロデキストリン系化合物を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]前記シクロデキストリン系化合物が、γ-シクロデキストリンを含む、[4]に記載の製造方法。
[6]前記金属イオンが、亜鉛イオンであり、前記有機配位子が、イミダゾール骨格を有する化合物である、[1]に記載の製造方法。
[7]前記イミダゾール骨格を有する化合物が、2-メチルイミダゾールである、[6]に記載の製造方法。
[8]前記金属イオンが、鉄イオンであり、前記有機配位子が、単環式又は多環式骨格を有する化合物である、[1]に記載の製造方法。
[9]前記単環式又は多環式骨格を有する化合物が、トリメシン酸である、[8]に記載の製造方法。
[10]第1の溶液において、前記金属イオン1モルに対し、前記有機配位子が0.05~50モルの量で使用される、[1]~[9」のいずれかに記載の製造方法。
[11」前記第2の溶液が、前記第1の溶液のpHを変化させる溶液である、[1]~[10]のいずれかに記載の製造方法。
[12」前記第2の溶液が、前記第1の溶液のpHを0.01~0.20下げるような量で添加される、[11」に記載の製造方法。
[13]前記第2の溶液が、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、及び非プロトン性溶媒からなる群から選択される少なくとも一種の溶媒を含む、[1]~[12]のいずれかに記載の製造方法。
[14]前記金属有機構造体を生成する工程において、前記第1の溶液に剪断をかけながら、前記第2の溶液が前記第1の溶液に添加される、[1]~[13]のいずれかに記載の製造方法。
[15]更に、前記金属有機構造体を生成する工程の後に、前記金属有機構造体を単離する工程を含む、[1]~[14]のいずれかに記載の製造方法。
[16]前記単離する工程が、前記第1の溶液及び前記第2の溶液の混合溶液をろ過する工程を含む、[15]に記載の製造方法。
[17]前記単離する工程が、前記ろ過する工程の後に、前記金属有機構造体を、洗浄又は乾燥する工程を含む、[16]に記載の製造方法。
本発明によれば、環状構造を形成する金属有機構造体を、短時間で製造することのできる技術が提供される。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
1:金属有機構造体
本実施形態に係る金属有機構造体は、金属イオンと、この金属イオンに配位した有機配位子とを含む構造体である。この金属有機構造体は、環状構造を有する。
「環状構造」は、具体的には、ケージ状構造であることが好ましい。ケージ状構造とは、ゲスト分子を内包することができる空間を有する環状構造をいう。このようなケージ状構造を有していることにより、金属有機構造体にゲスト分子を吸着させることができる。
ケージ状構造は、金属イオンと有機配位子とが結合することによって初めて形成される構造であることが好ましい。
ケージ状構造の存在により、金属有機構造体に、ゲスト分子を吸着する機能を持たせることができる。この機能により、金属有機構造体を、物質を吸着する機能が求められる用途(例えばガス吸着剤)に利用することができる。
金属イオンは、有機配位子と配位結合を形成することができるものであればよい。金属イオンとして、例えば、Li、Na、K、Rb、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、及びBiからなる群から選択される少なくとも一の金属のイオンを挙げることができる。これらの中でも、アルカリ金属イオン、Znイオン、及びFeイオンが好ましい。アルカリ金属イオンとしては、カリウムイオン及びナトリウムイオンがより好ましい。
有機配位子としては、金属イオンと配位結合を形成するものであればよい。有機配位子はとしては、金属イオンと配位結合を形成する官能基を有する化合物を用いることができる。そのような官能基として、例えば、水酸基、イミダゾール基、ピリジル基、カルボキシル基、スルホン酸基、及びアミド基等を挙げることができる。
一態様において、有機配位子として、ゲスト分子を内包し得る構造を有する化合物を用いることができる。そのような化合物として、例えば、シクロデキストリン系化合物を挙げることができる。シクロデキストリン系化合物としては、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、及びγ-シクロデキストリンなどを挙げることができる。好ましくは、有機配位子は、γ-シクロデキストリンを含む。γ-シクロデキストリンを用いることにより、窒素吸着性に優れた金属有機構造体を実現することができる。
一方で、有機配位子は、必ずしも、それ自体がゲスト分子を内包し得るような機能を有している必要はない。金属有機構造体全体としてゲスト分子を内包し得るような機能を有している物質であればよい。そのような有機配位子として、例えば、イミダゾール骨格を有する化合物(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-ホルミルイミダゾールなど)、単環式又は多環式骨格を有する化合物(例えば、テレフタル酸、トリメシン酸など)などを挙げることができる。
2:金属有機構造体の製造方法
続いて、金属有機構造体の製造方法について説明する。本実施形態に係る製造方法は、金属イオンと、前記金属イオンに配位し得る有機配位子とを含む水溶液を、第1の溶液として調製する工程(ステップS1)と、第1の溶液に、有機溶媒を含む第2の溶液を直接添加し、金属イオンに有機配位子が配位した金属有機構造体を生成する工程(ステップS2)とを含んでいる。以下に、各工程について詳述する。
(ステップS1:第1の溶液の調製)
まず、第1の溶液として、金属イオンと、有機配位子とを含む水溶液を調製する。具体的には、水に、金属化合物と有機配位子とを加え、溶解させる。これにより、第1の溶液を得ることができる。第1の溶液は、室温(1~30℃)で調製することができる。
金属イオンの供給源として使用される金属化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、金属水酸化物、塩化物塩などの無機ハロゲン化物塩、並びに硝酸塩及び酢酸塩などの無機酸塩等を用いることができる。
金属イオンがアルカリ金属イオンである場合には、金属化合物として、アルカリ金属の水酸化物を用いることが好ましい。
金属イオンがZnイオン又はFeイオンである場合には、金属化合物として、無機酸塩を用いることが好ましい。
第1の溶液のpHは、金属化合物における金属がイオンとして存在するようなpHであればよい。
例えば、金属イオンとしてアルカリ金属イオンを用いる場合、第1の溶液は、アルカリ性である。この場合に、第1の溶液のpHは、例えば8以上、好ましくは10~14、より好ましくは13~14である。
金属イオンとしてZnイオンを用いる場合、好適なpHはイオンの供給源となる亜鉛化合物の種類次第であるが、酢酸亜鉛を供給源として用いた場合においては、例えば6~13、好ましくは7~12、より好ましくは9~10である。
金属イオンがFeイオンを用いる場合も、好適なpHはイオンの供給源となる鉄化合物の種類次第であるが、硝酸鉄(III)を用いた場合においては、例えば1~6、好ましくは1~4、より好ましくは2~3である。
第1の溶液において、金属イオン1モルに対する有機配位子の量は、例えば、0.05~50モル、好ましくは0.1~40モル、より好ましくは0.125~30モルである。
金属イオンがアルカリ金属イオンである場合、金属イオン1モルに対する有機配位子の量は、好ましくは0.05~5モル、より好ましくは0.125~0.7モルである。
金属イオンがZnイオンである場合、金属イオン1モルに対する有機配位子の量は、好ましくは0.5~50モル、より好ましくは15~40モルである。
金属イオンがFeイオンである場合、金属イオン1モルに対する有機配位子の量は、好ましくは0.05~5モル、より好ましくは0.1~1モルである。
上述のような範囲内であれば、窒素ガス等のゲスト分子の吸着性に優れた金属有機構造体を得ることが可能になる。
金属イオン1モルに対する水の量は、例えば50~5000モルである。
金属イオンとしてアルカリ金属イオンを用いる場合、金属イオン1モルに対する水の量は、好ましくは80~200モル、より好ましくは100~150モルである。
金属イオンとしてZnイオンを用いる場合、金属イオン1モルに対する水の量は、好ましくは500~5000モル、好ましくは1000~3500モルである。
金属イオンとしてFeイオンを用いる場合、金属イオン1モルに対する水の量は、好ましくは200~3000モル、好ましくは500~2000モルである。
有機配位子と水とのモル比(有機配位子:水)は、例えば1:50~1:2000、好ましくは1:80~1:1500、より好ましくは1:100~1:1300である。
(ステップS2:第2の溶液の添加)
続いて、第1の溶液に、第2の溶液を直接添加する。ここで、「直接」添加する、とは、第2の溶液を、液体状態のまま第1の溶液に添加することを意味する。
第2の溶液は、有機溶媒を含んでいる。第2の溶液は、第1の溶液のpHを変化させる溶液であることが好ましい。
より好ましくは、第2の溶液は、第1の溶液のpHを下げるような溶液である。
そのような有機溶媒として、有機配位子における配位結合部位を脱プロトン化するような溶媒を挙げることができる。有機溶媒として、例えば、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、及び非プロトン性溶媒からなる群から選択される少なくとも一種の溶媒が挙げられる。このような有機溶媒を加えることにより、有機配位子が脱プロトン化され、その結果、金属イオンと有機配位子との間に配位結合が形成され、金属有機構造体が形成される。
この場合に、第2の溶液は、第1の溶液のpHが例えば0.01~0.20、好ましくは0.05~0.15下がるような量で添加されることが好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、1-ブタノール等を挙げることができる。
ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン等を挙げることができる。
非プロトン性溶媒としては、例えば、N,N―ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
好ましい有機溶媒は、アルコール系溶媒であり、より好ましくは、メタノールである。
好ましくは、第1の溶液に剪断をかけながら、第2の溶液を第1の溶液に添加する。より好ましくは、第1の溶液を攪拌しながら、第2の溶液を第1の溶液に添加する。第2の溶液は、室温で第1の溶液に添加することができる。
第2の溶液は、例えば1~20分、好ましくは10~15分かけて、第1の溶液に滴下することが好ましい。
第2の溶液を一度に全て添加すると、白濁化が生じる等する場合があり、所望する金属構造有機体が得られない場合がある。これに対して、1~20分かけて添加することにより、核を作り、結晶構造を成長させることができ、所望する金属構造有機体が得られやすくなる。
第2の溶液を添加する方法としては、例えば、滴下ロートを用いて一定速度で添加する方法であったり、一定の時間毎に一定量を添加する方法、あるいは、傾斜的に添加量を変化させながら添加する方法、などが挙げられる。
第2の溶液の添加後、好ましくは、第1の溶液と第2の溶液の混合溶液を更に攪拌する。第2の溶液の添加後、例えば5~50時間、好ましくは10~30時間、混合溶液を室温にて攪拌する。攪拌を行わない場合、白濁した下層と、透明な上層を有する2層分離状態となり、この2層分離状態を解消することができなくなる場合がある。
有機溶媒の添加量は、金属イオン1モルに対して、例えば3~1000モル、好ましくは5~500モルである。
金属イオンがアルカリ金属イオンであり、有機配位子がγ-シクロデキストリンである場合、有機溶媒の添加量は、金属イオン1モルに対して、好ましくは3~100モル、好ましくは5~50モル、より好ましくは10~30モルである。
モル、より好ましくは10~30モルである。
金属イオンがZnイオンである場合、有機溶媒の添加量は、金属イオン1モルに対して、好ましくは50~500モル、より好ましくは75~200モルである。
金属イオンがFeイオンである場合、有機溶媒の添加量は、金属イオン1モルに対して、好ましくは100~800モル、より好ましくは250~500モルである。
以上説明した方法により、金属有機構造体を生成することができる。金属有機構造体は、固体生成物として生成する。従って、混合溶液を例えばろ過することによって、金属有機構造体を単離することができる。ろ過後、単離した金属有機構造体を、さらにメタノール等の有機溶媒により洗浄してもよい。また、単離した金属有機構造体を、乾燥させてもよい。
本実施形態に係る方法によれば、金属有機構造体を、短時間で合成することができる。
以下、本発明をより詳細に説明するため、本発明者らによって行われた実施例について説明する。
(測定方法)
[比表面積・細孔容積・細孔直径・吸着量]
金属有機構造体の比表面積、細孔容積、細孔径、最大吸着量を、マイクロトラックベル社製BELSORP MAX II型を用い、多点法で液体窒素温度にて窒素ガスの吸着等温線を測定し、MP計算によりそれぞれ算出した。
[結晶構造]
得られた金属有機構造体の結晶構造を、リガク社製SmartLabを用い、粉体X線回折法(PXRD)にて評価した。
(実施例1)
150ml容器(マヨネーズ瓶)に、純水を加えた後、該容器に、水酸化カリウムを加え、室温で溶解させた。更に、γ-シクロデキストリンを加え、室温で溶解させた。得られた溶液のpHは13.50であった。次に、この溶液を攪拌子を用いて攪拌しながら、15分程度をかけて、メタノールを滴下により添加した。添加後、溶液を24時間攪拌し、固体生成物を含む懸濁液を得た。メタノールの添加後の溶液のpHは、13.40であった。得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、単離した固体生成物をメタノールで洗浄した。洗浄後、固体生成物を50℃で1晩乾燥させて、実施例1に係る金属有機構造体Aを得た。
なお、各成分のモル比は、カリウムイオン:γ-シクロデキストリン:水:メタノール=1:0.125:137.5:20とした。
細孔比表面積は、1327.1m2/gであった。細孔容積は、0.483cm3/gであった。細孔径は、1.457nmであった。最大吸着量は、312cm3/gであった。
(実施例2)
用いた各成分のモル比を、カリウムイオン:γ-シクロデキストリン:水:メタノール=1:0.25:137.5:20とした以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体Bを得た。
細孔比表面積は、1329.0m2/gであった。細孔容積は、0.483cm3/gであった。細孔径は、1.454nmであった。最大吸着量は、312cm3/gであった。
(実施例3)
用いた各成分のモル比をカリウムイオン:γ-シクロデキストリン:水:メタノール=1:0.375:137.5:20とした以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体Cを得た。
細孔比表面積は、1243.8m2/gであった。細孔容積は、0.452cm3/gであった。細孔径は、1.453nmであった。最大吸着量は、291cm3/gであった。
(実施例4)
用いた各成分のモル比をカリウムイオン:γ-シクロデキストリン:水:メタノール=1:0.5:137.5:20とした以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体Dを得た。
細孔比表面積は、1263.3m2/gであった。細孔容積は、0.457cm3/gであった。細孔径は、1.448nmであった。最大吸着量は、297cm3/gであった。
(実施例5)
用いた各成分のモル比をカリウムイオン:γ-シクロデキストリン:水:メタノール=1:0.625:137.5:20とした以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体Eを得た。
細孔比表面積は、1091.0m2/gであった。細孔容積は、0.395cm3/gであった。細孔径は、1.450nmであった。最大吸着量は、258cm3/gであった。
(実施例6)
用いた各成分のモル比をカリウムイオン:γ-シクロデキストリン:水:メタノール=1:0.75:137.5:20とした以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体Fを得た。
細孔比表面積は、651.4m2/gであった。細孔容積は、0.236cm3/gであった。細孔径は、1.449nmであった。最大吸着量は、157cm3/gであった。
(実施例7)
金属成分を水酸化ナトリウムとした以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体Gを得た。
細孔比表面積は、945.5m2/gであった。細孔容積は、0.345cm3/gであった。細孔径は、1.461nmであった。最大吸着量は、226cm3/gであった。
(比較例1)
非特許文献1に記載の方法に従い、金属有機構造体Hを合成した。具体的には、30cc容器(スクリュー管瓶)に、純水を加えた後、該容器に、水酸化カリウム(金属成分)を加え、室温で溶解させた。さらに、γ-シクロデキストリン(配位子成分)を加え、室温で溶解させた。このときの各成分のモル比は、カリウムイオン:γ-シクロデキストリン:水=1:0.125:137.5とした。
次に、該容器を、メタノールを入れた450mlマヨネーズ瓶の中に入れて密封し、7日間静置させ、メタノール蒸気による液液界面での合成反応により、固体生成物を含む懸濁液を得た。
さらに、得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、該固体生成物で洗浄した後に、50℃で1晩乾燥した。これにより、比較例1に係る金属有機構造体Hを得た。
細孔比表面積は、853.3m2/gであった。細孔容積は、0.31cm3/gであった。細孔径は、1.451nmであった。最大吸着量は、200cm3/gであった。
(実施例1~7及び比較例1の考察)
実施例1~7は、比較例1と同等の細孔比表面積、細孔容積、細孔径及び最大吸着量を有していた。比較例1では、金属有機構造体を得るのに1日では結晶物の生成がみられず、少なくとも7日が必要であったのに対し、実施例1~7では、1日で金属有機構造体を得ることができた。
(実施例8)
有機配位子をα-シクロデキストリンとし、用いた各成分のモル比をカリウムイオン:α-シクロデキストリン:水:メタノール=1:0.125:137.5:184とした以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体Iを得た。
得られた金属有機構造体Iについて、PXRDにより、結晶構造を有することを確認した。
(実施例9)
有機配位子をβ-シクロデキストリンとし、用いた各成分のモル比をカリウムイオン:β-シクロデキストリン:水:メタノール=1:0.125:137.5:104とした以外は実施例1と同様にして、金属有機構造体Jを得た。
得られた金属有機構造体Jについて、PXRDにより、結晶構造を有することを確認した。
(実施例10)
150ml容器(マヨネーズ瓶)に、純水を加えた後、該容器に、2-メチルイミダゾールを加えて室温で溶解させ(このときの溶液のpHは9.64)、さらに、酢酸亜鉛二水和物水溶液(酢酸亜鉛二水和物:純水=0.27g:5g)を添加した。得られた溶液のpHは7.48であった。次に、この溶液を攪拌子を用いて攪拌しながら、メタノールを滴下により添加した。添加後、溶液を1時間攪拌し、固体生成物を含む懸濁液を得た。メタノールの添加後の溶液のpHは、7.38であった。得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、単離した固体生成物をメタノールで洗浄した。洗浄後、固体生成物を50℃で1晩乾燥させて、実施例1に係る金属有機構造体Kを得た。
なお、各成分のモル比は、亜鉛イオン:2-メチルイミダゾール:水:メタノール=1:2:2220:125とした。
細孔比表面積は、69.9m2/gであった。細孔容積は、0.015cm3/gであった。細孔径は、0.879nmであった。最大吸着量は、65cm3/gであった。
(実施例11)
用いた各成分のモル比を亜鉛イオン:2-メチルイミダゾール:水:メタノール=1:18:2220:125した以外は実施例10と同様にして、金属有機構造体Lを得た。
細孔比表面積は1610.5m2/gであった。細孔容積は、0.563cm3/gであった。細孔径は、1.398nmであった。最大吸着量は、351cm3/gであった。
(実施例12)
用いた各成分のモル比を亜鉛イオン:2-メチルイミダゾール:水:メタノール=1:30:2220:125した以外は実施例10と同様にして、金属有機構造体Mを得た。
細孔比表面積は、1674.0m2/gであった。細孔容積は、0.583cm3/gであった。細孔径は、1.394nmであった。最大吸着量は、367cm3/gであった。
(実施例13)
150ml容器(マヨネーズ瓶)に、純水を加えた後、該容器に、トリメシン酸と硝酸鉄(III)九水和物を添加した。得られた溶液のpHは2.11であった。
次に、この溶液を攪拌子を用いて攪拌しながら、メタノールを滴下により添加した。添加後、溶液を48時間攪拌し、固体生成物を含む懸濁液を得た。メタノールの添加後の溶液のpHは、2.03であった。得られた懸濁液から固体生成物をろ別し、単離した固体生成物をメタノールで洗浄した。洗浄後、固体生成物を50℃で1晩乾燥させて、実施例1に係る金属有機構造体Nを得た。
なお、各成分のモル比は、鉄イオン:トリメシン酸:水:メタノール=1:0.25:1247:352とした。
細孔比表面積は、1068.6m2/gであった。細孔容積は、0.42cm3/gであった。細孔径は、1.579nmであった。最大吸着量は、277cm3/gであった。
(実施例14)
用いた各成分のモル比を鉄イオン:トリメシン酸:水:メタノール=1:0.5:1247:352とした以外は実施例13と同様として、金属有機構造体Lを得た。
細孔比表面積は、806.9m2/gであった。細孔容積は、0.298cm3/gであった。細孔径は、1.476nmであった。最大吸着量は、284cm3/gであった。
(実施例15)
用いた各成分のモル比を鉄イオン:トリメシン酸:水:メタノール=1:0.67:1247:352とした以外は実施例13と同様として、金属有機構造体Oを得た。
細孔比表面積は、145.7m2/gであった。細孔容積は、0.051cm3/gであった。細孔径は、0.700nmであった。最大吸着量は、39cm3/gであった。
(実施例8~15についての考察)
実施例8~15により示される通り、金属イオンとしてアルカリ金属イオン以外の金属イオンを用い、有機配位子としてγ-シクロデキストリンとは異なる物質を用いた場合にも、実施例1~7と同様に、有機金属構造体を短時間で得ることができた。

Claims (17)

  1. 環状構造を有する金属有機構造体の製造方法であって、
    金属イオンと、前記金属イオンに配位し得る有機配位子とを含む水溶液を、第1の溶液として調製する工程と、
    前記第1の溶液に、有機溶媒を含む第2の溶液を直接添加し、前記金属イオンに前記有機配位子が配位した金属有機構造体を生成する工程と、
    を含む、製造方法。
  2. 前記金属イオンが、アルカリ金属イオンである、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記金属イオンが、カリウムイオンである、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記有機配位子が、シクロデキストリン系化合物を含む、請求項1~3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記シクロデキストリン系化合物が、γ-シクロデキストリンを含む、請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記金属イオンが、亜鉛イオンであり、
    前記有機配位子が、イミダゾール骨格を有する化合物である、
    請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記イミダゾール骨格を有する化合物が、2-メチルイミダゾールである、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記金属イオンが、鉄イオンであり、
    前記有機配位子が、単環式又は多環式骨格を有する化合物である、
    請求項1に記載の製造方法。
  9. 前記単環式又は多環式骨格を有する化合物が、トリメシン酸である、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記第1の溶液において、前記金属イオン1モルに対し、前記有機配位子が0.05~50モルの量で使用される、請求項1~9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記第2の溶液が、前記第1の溶液のpHを変化させる溶液である、請求項1~10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 前記第2の溶液が、前記第1の溶液のpHを下げる溶液であり、
    前記第2の溶液が、前記第1の溶液のpHが0.01~0.20下がるような量で添加される、請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記第2の溶液が、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、及び非プロトン性溶媒からなる群から選択される少なくとも一種の溶媒を含む、請求項1~12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記金属有機構造体を生成する工程において、前記第1の溶液に剪断をかけながら、前記第2の溶液が前記第1の溶液に添加される、請求項1~13のいずれかに記載の製造方法。
  15. 更に、前記金属有機構造体を生成する工程の後に、前記金属有機構造体を単離する工程を含む、請求項1~14のいずれかに記載の製造方法。
  16. 前記単離する工程が、前記第1の溶液及び前記第2の溶液の混合溶液をろ過する工程を含む、請求項15に記載の製造方法。
  17. 前記単離する工程が、前記ろ過する工程の後に、前記金属有機構造体を、洗浄又は乾燥する工程を含む、請求項16に記載の製造方法。
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