JP2023124340A - 電圧制御装置及び電圧制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】交流電圧の印加によって生じた磁束を用いた装置の制御に際して、装置内の磁束量の平滑化が可能な電圧制御装置及び電圧制御方法を提供する。【解決手段】システム100において、制御パルスによるインバ-タ20のスイッチング素子22A~24Cのオンオフによって出力電圧を制御する電圧制御装置10であって、駆動電圧及び駆動周波数に基づく正弦波を変調波として生成する変調波生成部と、任意の離散時刻〔t〕において、変調波の時間周期よりも小さい時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の、離散時刻〔t〕からN(正の整数)ステップ前まで遡った時間〔t-Nδ~t-δ〕における移動平均値を下記式(1)に従って算出する演算部と、前記移動平均値と離散時刻〔t〕における前記変調波の瞬時値との比較結果に応じて制御パルスを生成する制御パルス生成部と、を備える。JPEG2023124340000010.jpg25170【選択図】図3
Description
本発明は、電圧制御装置及び電圧制御方法に関する。
19世紀に発明された回転電機は、現在では人類活動に必須の工学機器である。例えば、我が国の年間電力消費量は10,000億kWhに迫っているが、その55%以上が各種モータによって消費されている。また、将来の低炭素化社会実現のため、輸送機器についても、鉄道だけでなく自動車、バス、トラック、船舶、航空機等の電動化が進むと考えられ、即ち回転電機の役割が益々重要になってくる。従って、回転電機の効率を1%でも改善できれば、その電力節減効果は極めて大きい。
上述のような電力節減効果を実現するためには、回転電機の高効率駆動制御技術が必須である。近年、回転電機の駆動制御技術としては一般に直流電圧から半導体スイッチによって交流電圧を発生させるインバータが多用されている。さらに、その電圧の発生方法としては、PWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)方式が用いられており、例えば、三角波比較(三角搬送波と正弦変調波との比較)で生成されたパルス状の電圧波形によって交流電圧を実現する方式が、モータ等回転電機の駆動に用いられている。インバータの出力電圧の波形を調整する技術は多々開発されており、例えば、インバータ出力電圧の波形歪を低減できるPWM制御電圧形インバータとして、三角波ではなく瞬時空間ベクトル方式を用いてパルス幅変調された3相交流電圧出力により電動機を駆動する技術等が開発されている(例えば、下記特許文献1参照)
一方、PWM波形は疑似的な正弦波の電圧波形を得る方法であるが、回転電機における電気-機械エネルギー変換を担うのは時間的、空間的に制御された“磁束”であり、トルクを与えるのは電流である。このため、電圧波形が理想のサインカーブを描いていても、実際にはPWM電圧波形の時間高調波が電気-機械エネルギー変換やトルク発生に影響を与えており、回転電機における効率が低下したり、始動電流が高くなったり、トルク脈動が発生する等の原因となってしまう。このため、交流回転電機の制御に際して、汎用されている三角波比較PWMよりも、始動電流やトルク脈動が抑制される新しいPWM電圧波形等のパルス生成方法の開発が期待されている。
本発明は、上述の課題を解決すべく、交流電圧の印加によって生じた磁束を用いた装置の制御に際して、装置内の磁束量の平滑化が可能な電圧制御装置及び電圧制御方法を提供することを目的とする。
本発明者は、出力電圧の移動平均という操作が交流回転電機等内の“磁束”に比例する量を求めていることに着目し、出力電圧の移動平均を用いて交流回転電機内の磁束量の振動を平均操作することによって平滑化できることを見出し、本発明に至った。
本発明は、制御パルスによるスイッチング素子のオンオフによって出力電圧を制御する電圧制御装置であって、駆動電圧及び駆動周波数に基づく正弦波を変調波として生成する変調波生成部と、任意の離散時刻〔t〕において、前記変調波の時間周期よりも小さい時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の、前記離散時刻〔t〕からN(正の整数)ステップ前まで遡った時間〔t-Nδ~t-δ〕における移動平均値を下記式(1)に従って算出する演算部と、前記移動平均値と離散時刻〔t〕における前記変調波の瞬時値との比較結果に応じて前記制御パルスを生成する制御パルス生成部と、を備えた電圧制御装置を提供する。
本発明の電圧制御装置によれば、時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の移動平均値と正弦波である変調波の瞬時値とを比較し、その比較結果に基づいて制御パルスによるスイッチング素子のオンオフによって出力電圧を制御することができる。このように、出力された電圧の移動平均値と正弦波である変調波の瞬時値との比較結果を用いることで、交流回転電機内の磁束量の振動を平均操作することができ、回転電機内の磁束量を平滑化することができる。
本発明の一態様としては、前記制御パルス生成部が、前記移動平均値が正であり且つ前記変調波の瞬時値よりも大きい場合には0、前記移動平均値が正であり且つ前記変調波の瞬時値よりも小さい場合には正のパルス電圧〔+V0〕、前記移動平均値が負であり且つ前記変調波の瞬時値よりも大きい場合には負のパルス電圧〔-V0〕、又は、前記移動平均値が負であり且つ前記変調波の瞬時値よりも小さい場合には0の電圧を出力する制御パルスを生成する電圧制御装置を提供する。
本態様によれば、制御パルス生成部が、出力された電圧の移動平均値と変調波の瞬時値との比較結果に基づいて、0、正のパルス電圧〔+V0〕、負のパルス電圧〔-V0〕を生成する制御パルスを生成することができる。このように、移動平均値と瞬時値との比較に基づき制御パルスを生成することで、回転電機内の磁束量を平滑可能な電圧を出力するようにスイッチング素子のオンオフを制御することができる。
本発明は、制御パルスによるスイッチング素子のオンオフによって出力電圧を制御する電圧制御方法であって、駆動電圧及び駆動周波数に基づく正弦波を変調波として生成し、任意の離散時刻〔t〕において、前記変調波の時間周期よりも小さい時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の、前記離散時刻〔t〕からN(正の整数)ステップ前まで遡った時間〔t-Nδ~t-δ〕における移動平均値を下記式(1)に従って算出し、前記移動平均値と離散時刻〔t〕における前記変調波の瞬時値との比較結果に応じて前記制御パルスを生成する、電圧制御方法を提供する。
本発明の電圧制御方法によれば、時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の移動平均値と正弦波である変調波の瞬時値とを比較し、その比較結果に基づいて制御パルスによるスイッチング素子のオンオフによって出力電圧を制御することができる。このように、出力された電圧の移動平均値と正弦波である変調波の瞬時値との比較結果を用いることで、交流回転電機内の磁束量の振動を平均操作することができ、回転電機内の磁束量を平滑化することができる。
本発明の一態様としては、前記移動平均値が正であり且つ前記変調波の瞬時値よりも大きい場合には0、前記移動平均値が正であり且つ前記変調波の瞬時値よりも小さい場合には正のパルス電圧〔+V0〕、前記移動平均値が負であり且つ前記変調波の瞬時値よりも大きい場合には負のパルス電圧〔-V0〕、又は、前記移動平均値が負であり且つ前記変調波の瞬時値よりも小さい場合には0の電圧を出力する制御パルスを生成する電圧制御方法を提供する。
本態様によれば、制御パルス生成部が、出力された電圧の移動平均値と変調波の瞬時値との比較結果に基づいて、0、正のパルス電圧〔+V0〕、負のパルス電圧〔-V0〕を生成する制御パルスを生成することができる。このように、移動平均値と瞬時値との比較に基づき制御パルスを生成することで、回転電機内の磁束量を平滑可能な電圧を出力するようにスイッチング素子のオンオフを制御することができる。
その他、本発明の一態様としては、上述の電圧制御装置を備えた、回転電機、船舶、自動車、又は、航空機を提供する。本態様によれば、上述の電圧制御装置や電圧制御方法を用いることで、エネルギー効率に優れた、回転電機、船舶、自動車、又は、航空機を製造することができる。
本発明によれば、交流電圧の印加によって生じた磁束を用いた装置の制御に際して、装置内の磁束量の平滑化が可能な電圧制御装置及び電圧制御方法を提供することができる。
以下、本実施形態の電圧制御装置及び電圧制御方法について適宜図を用いて説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の説明において同一又は相当する部材には同一の参照符号を付し、その説明を省略することがある。なお、本明細書において特に限定のない限り回転電機に印加される交流電圧は多相交流電圧(例えば、三相交流電圧)であり、また、特に限定のない限り回転電機に印加される電圧は「線間電圧」を意味する。
本実施形態の電圧制御装置及び電圧制御方法(以下、これらを総じて「本実施形態の電圧制御装置等」と称することがある)は、印加電圧によって生じる磁束を利用した回転電機等の交流電圧の印加によって生じた磁束を用いる装置に好適に用いることができる。本実施形態の電圧制御装置等は制御パルスによってスイッチング素子のオンオフを制御し、出力される電圧を制御するPWMインバータ等として適用可能である。但し、本実施形態の電圧制御装置等で形成される制御パルスはPWMパルスに限定されるものではない。
本実施形態の電圧制御装置等は、変調波の時間周期よりも十分に小さい時間幅〔δ〕毎(例えば、駆動周波数(50Hz)に対しδ=0.1msecなど)に所定の電圧〔v〕の移動平均値と正弦波である変調波の瞬時値とを比較し、その比較結果に基づいて制御パルスによるスイッチング素子のオンオフによって出力電圧を制御する。本実施形態の電圧制御装置等を物理学的に解釈すると、まず、時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の移動平均という操作が、電圧が印加されるモータ等の回転電機等内の“磁束”に比例する量を求めていることになる。本実施形態の電圧制御装置等は電圧の移動平均を使用してパルスパターンを生成する方法であり、以下、電圧〔v〕の移動平均値を用いて出力電圧を制御する方法を「移動平均法」と称することがある。
より詳細には、回転電機等の電気-機械エネルギー変換は、直接的には電圧でなく磁束の制御によって実現される。換言すると、電圧は回転電機等内の磁束を実現するために必要であるが、直接的に電圧によって回転電機等の電気-機械エネルギー変換が起こるわけではない。このため、回転電機等に用いられる電圧制御装置等においては、電圧の波形を高調波成分が少ない正弦波にするよりも磁束の空間分布を高調波成分が少ない正弦波にすることが重要となる。
例えば、後述する条件で駆動した場合のシミュレーション結果において得られる従来のPWM法における線間電圧波形(キャリア(搬送波)1kHz)を図1に示す。図1に示すように、従来のPWM法においては、デューティ比を調整することで、線間電圧の波形が高調波成分の少ない正弦波となるように制御されている。このため、従来のPWM法においては、正弦波の波形に従って電圧が出力されており、例えば、領域A、B及びCのいずれにおいても正負が逆となる電圧の印加は見られない。
これに対し、後述する条件で駆動した場合のシミュレーション結果において得られる本実施形態の電圧制御装置等における線間電圧波形を図2に示す。本実施形態の電圧制御装置等においては移動平均法によって出力される電圧が制御されており、図2に示すように、線間電圧の波形が高調波成分の少ない正弦波であるとはいえない。例えば、図2では、領域A’、B’及びC’のように、正弦波に従わず正負の電圧が混合している領域が存在している。このように、本実施形態の電圧制御装置等においては出力される電圧が高調波成分の少ない正弦波をとなるものではないが、移動平均法によって回転電機等内の磁束の空間分布を高調波成分が少ない正弦波とするものである。
移動平均法によって回転電機等内の磁束の空間分布を高調波成分が少ない正弦波とすることができることはファラディの法則によって裏付けることができる。ファラディの法則によれば鎖交磁束の時間微分が電圧となるため、逆に電圧の時間積分が鎖交磁束になる。このため、鎖交磁束を与える磁束の変化をPWMのパルス幅とすることで磁束の擬似正弦波へ変化できる。例えば、誘導起電力(e)と鎖交磁束(Ψ)との関係はファラディの法則によれば、下記式(A)のように示される。すなわち、誘導起電力(e)を積分すれば下記式(B)に示すように回転電機内の鎖交磁束(Ψ)を求めることができる。
一方、時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の、離散時刻〔t〕からN(正の整数)ステップ前まで遡った時間、すなわち〔t-Nδ~t-δ〕における移動平均値Avは、上述の式(1)に従い、時間幅〔δ〕毎における電圧〔v〕を積分し、得られた値をNで割った値となる。このため、得られた移動平均値Avは、結果、前記式(B)で得られる鎖交磁束(Ψ)をNδで割った値に相当する。換言すると、本実施形態の電圧制御装置等において得られる電圧の移動平均値Avは、回転電機内の誘導起電力(e)により生じた鎖交磁束(Ψ)の移動平均値に相当する。
このように、移動平均法によって、所定の電圧〔v〕の移動平均値と正弦波である変調波の瞬時値とを比較し、その比較結果に基づいて制御パルスによるスイッチング素子のオンオフによって出力電圧を制御することで、出力される電圧の移動平均を整えることができ、結果、回転電機等内の磁束量の振動(揺れ)を平均操作によって平滑化し、回転電機等内の磁束の空間分布を高調波成分が少ない正弦波にすることができる。すなわち、本実施形態の電圧制御装置等における時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の移動平均という操作が磁束量の振動を平均操作によって平滑化することに対応することとなる。
以上のように、回転電機等内の磁束は電気-機械エネルギー変換の本質を担っているため、本実施形態の電圧制御装置等によれば、回転電機等内の磁束の空間分布を高調波成分が少ない正弦波にすることで、一次電流やトルク脈動を抑制することができるとともに、さらに始動電流をも抑制することができる。
[電圧制御装置]
以下、本実施形態の電圧制御装置の一例について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る電圧制御装置を含む全体構成の一例を示す図である。図3においてシステム100は、負荷を交流電動機とした一例であり、インバータ20と、モータ30と、直流(DC)電源40と、を含んで構成される。また、インバータ20は、電圧制御装置10を備えている、
以下、本実施形態の電圧制御装置の一例について図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る電圧制御装置を含む全体構成の一例を示す図である。図3においてシステム100は、負荷を交流電動機とした一例であり、インバータ20と、モータ30と、直流(DC)電源40と、を含んで構成される。また、インバータ20は、電圧制御装置10を備えている、
電圧制御装置10は、変調波生成部12と、演算部14と、制御パルス生成部16とを備えており、制御パルスによりインバータ20のスイッチング素子22A~22C及びスイッチング素子24A~24Cのオンオフを制御する。
変調波生成部12は、駆動電圧及び駆動周波数に基づく正弦波を変調波として生成する。変調波生成部12はシステム100駆動時に駆動電圧及び駆動周波数に基づく変調波を生成してもよいし、制御パルスを出力する際に駆動電圧及び駆動周波数に応じて変調波を生成してもよい。
演算部14は、任意の離散時刻〔t〕において、前記変調波の時間周期よりも小さい時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の、離散時刻〔t〕からN(正の整数)ステップ前まで遡った時間〔t-Nδ~t-δ〕における移動平均値を下記式(1)に従って算出する。以下、離散時刻〔t〕における電圧〔v〕の移動平均値を「移動平均値Av(t)」と称することがある。
電圧制御装置10は、例えば0.1msec毎に制御パルスをインバータ20に出力する。任意の離散時刻(t)は特に限定はないが時間幅〔δ〕の整数倍であることが好ましく、制御パルスを発信する時刻に相当する。演算部14は、時間幅〔δ〕毎に式(1)に従って、移動平均値を算出する。
制御パルス生成部16は、演算部で算出された移動平均値と離散時刻〔t〕における変調波の瞬時値との比較結果に応じて制御パルスを生成する。離散時刻〔t〕における変調波の瞬時値は、変調波生成部12で変調波として生成された正弦波の離散時刻〔t〕おける電圧である(以下、離散時刻〔t〕における変調波の瞬時値を「瞬時値S(t)」と称することがある)。
制御パルス生成部16は、例えば、下記表に示すように、移動平均値Av(t)が正であり且つ変調波の瞬時値S(t)よりも大きい場合には“0”、移動平均値Av(t)が正であり且つ変調波の瞬時値S(t)よりも小さい場合には正のパルス電圧〔+V0〕、移動平均値Av(t)が負であり且つ変調波の瞬時値S(t)よりも大きい場合には負のパルス電圧〔-V0〕、又は、移動平均値Av(t)が負であり且つ変調波の瞬時値S(t)よりも小さい場合には0の電圧を出力する制御パルスを生成する。なお、正のパルス電圧〔+V0〕及び負のパルス電圧〔-V0〕は、インバータ20及び直流電源40によって定められた直流電圧であり、モータ30の駆動に用いられる。
電圧制御装置10は、CPU(central processing unit)17、インターフェース(I/F)18、及び、メモリ19を備えた制御回路で構成でき、ASIC(application specific integrated circuit)等の特定用途向け回路を基礎として構成することができる。特に限定されるものではないが、CPU17は、変調波生成部12、演算部14及び制御パルス生成部16の役割を果たす。インターフェース18は、CPU17から発信された制御信号に応じて、インバータ20の各スイッチング素子22A~22C及び24A~24Cを制御するためのパルス信号を出力する。メモリ19は、主記録部としての役割を果たすROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、及び、補助記録部としての揮発性又は不揮発性メモリなどを含む。メモリ19には、変調波生成部12で生成された変調波や、時間幅〔δ〕毎に出力された各電圧〔v〕などを記憶させることができる。
本実施形態における時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の移動平均値の算出方法について図4を用いて説明する。図4は、本実施形態における移動平均値Av(t)説明するための概略図である。上述のように、演算部14は、制御パルスを発信するため、現在の時刻(離散時刻〔t〕)における移動平均値Av(t)を算出する。移動平均値Av(t)は、離散時刻〔t〕から所定のNステップ前まで遡った時間〔t-Nδ~t-δ〕において、時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕を積分し、Nによって割った値である。図4に示すように、例えば、N=6と設定した場合、時間幅δ1~時間幅δ6までの電圧〔v〕を積算する。図4においては、Nステップ内において6回電圧〔v〕が出力されている。具体的には、時間幅δ1、δ3、δ4、δ6において、正の電圧〔+V0〕が計4回出力されており、時間幅δ5にて不の電圧〔-V0〕が1回出力されている。さらに、図4に示すように時間幅δ2では、出力電圧が“0”となる。例えば、時間幅〔δ〕が各々0.1msec、|V0|が300Vの場合、移動平均値Av(t)は、(300×4-300×1+0×1)/6=150(V)となる。
ついで、制御パルス生成部16は、変調波生成部12によって変調波として生成された正弦波に基づき、離散時刻〔t〕における変調波の瞬時値S(t)を特定し、移動平均値Av(t)と比較する。上述のように移動平均値Av(t)が150V(すなわち、移動平均値Av(t)>0)であった場合、例えば、瞬時値S(t)が150Vよりも大きければ、制御パルス生成部16は、離散時刻〔t〕において出力電圧を“0”とする。一方、瞬時値S(t)が150Vよりも小さければ、制御パルス生成部16は、離散時刻〔t〕において出力電圧を“+V0”とする。さらに、仮に、移動平均値Av(t)が0よりも小さい場合(例えば、-150V)、例えば、瞬時値S(t)が-150Vよりも大きければ、制御パルス生成部16は、離散時刻〔t〕において出力電圧を“+V0”とし、瞬時値S(t)が-150Vよりも小さければ、制御パルス生成部16は、離散時刻〔t〕において出力電圧を“0”とする。なお、移動平均値Av(t)=瞬時値S(t)となる場合や、移動平均値Av(t)=0になる場合、特に限定はないが、例えば、制御パルス生成部16は、離散時刻〔t〕において出力電圧を“0”とすることができる。ただし、本実施形態は当該態様に限定されるものではなく、例えば、“0”を基本とし、時刻t以前の時間の電圧波形の傾向(例えば、電圧が上昇傾向又は下降傾向にあるなど)に応じて、出力電圧を+V0又は-V0に制御してもよい。
本実施形態の電圧制御装置等において、時間幅〔δ〕は変調波の時間周期(例えば、駆動周波数50Hzの場合は、20msec)よりも十分に小さい時間幅であれば特に限定はなく設定可能であるが、標本化定理の観点から、例えば、0.001msec~10msecとすることができ、好ましくは、0.01msec~0.1msecと設定することができる。また、電圧〔v〕の移動平均値を決定するためのNステップのN数(整数)は、平滑化の観点から、例えば、100~10000とすることができ、好ましくは、2~100と設定することができる。
また、電圧制御装置10が制御パルスをインバータ20に出力する時間(間隔)は、特に限定されるものではないが、短いほどきめ細かく高調波成分が少ない波形にできる一方半導体スイッチのスイッチング回数が増えてスイッチング損失が大きくなることもある。係る観点を考慮すると、電圧制御装置10が制御パルスをインバータ20に出力する時間(間隔)は、例えば、0.001msec~10msecとすることができ、好ましくは、0.01msec~0.1msecと設定することができる。
なお、本実施形態においては、処理を通じて、時間幅〔δ〕は一定の数値(時間)であり、また、モータ30に印加される|V0|も一定の値となる。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、印加される|V0|を移動平均値と瞬時値の比較結果に基づいて変動するように構成してもよいし、デューティ比を考慮してきめ細かい制御としてもよい。
インバータ20は、スイッチング素子を含んで構成されたPWM制御インバータであり、直流電圧を供給する直流電源40により、交流回転電機であるモータ30を駆動するために、電圧制御装置10が出力する制御パルスに基づいて直流電力を可変電圧、可変周波数の3相交流電圧に変換する。インバータ20は、スイッチング素子22A~22C及びスイッチング素子24A~24Cを備えており、電圧制御装置10が出力する制御パルスに基づいて各スイッチング素子のオン、オフが制御される。インバータ20はモータ30の各固定子巻線に駆動電圧を印加可能なように接続されており、変換された3相交流電圧を駆動電圧としてモータ30の固定子に印加する。スイッチング素子22A~22C及びスイッチング素子24A~24Cとしては、特に限定されるものではないが、例えば、パワー半導体の一つであるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等を採用することができる。本実施形態では、各スイッチング素子にはフリーホイールダイオードが併設されており、スイッチング素子をオフとした場合に生じる逆起電力を直流電源40側に還流するように設計されている。
モータ30は、交流三相4極の電動機であり、三相交流電圧が固定子に印加されることで回転子が回転する。モータ30としては特に限定はないが、本実施形態の電圧制御装置等による一次電流やトルク脈動の抑制、及び、始動電流の抑制効果を十分に発揮する観点から、例えば高効率で駆動する回転機を好適に用いることができる。このような回転機としては、例えば、国際公開WO2009/116219号公報に記載される、誘導回転及び同期回転が可能であり、熱はけがよく、同期回転のための磁束捕捉が容易である超電導回転機などが挙げられる。
以上のように、本実施形態の電圧制御装置は、制御パルスによるスイッチング素子のオンオフによって出力電圧を制御する電圧制御装置であって、駆動電圧及び駆動周波数に基づく正弦波を変調波として生成する変調波生成部と、任意の離散時刻〔t〕において、前記変調波の時間周期よりも小さい時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の、前記離散時刻〔t〕からN(正の整数)ステップ前まで遡った時間〔t-Nδ~t-δ〕における移動平均値を上述の式(1)に従って算出する演算部と、前記移動平均値と離散時刻〔t〕における前記変調波の瞬時値との比較結果に応じて前記制御パルスを生成する制御パルス生成部と、を備えることによって、交流回転電機の制御に際して、回転電機内の磁束量の平滑化をおこなうことができる。これにより本実施形態の電圧制御装置は、回転電機等の一次電流及びトルク脈動や、始動電流を抑制することができる。
[電圧制御方法]
以下、制御パルスによるスイッチング素子のオンオフによって出力電圧を制御する電圧制御方法であって、駆動電圧及び駆動周波数に基づく正弦波を変調波として生成し、任意の離散時刻〔t〕において、前記変調波の時間周期よりも小さい時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の、前記離散時刻〔t〕からN(正の整数)ステップ前まで遡った時間〔t-Nδ~t-δ〕における移動平均値を前記式(1)に従って算出し、前記移動平均値と離散時刻〔t〕における前記変調波の瞬時値との比較結果に応じて前記制御パルスを生成する、本実施形態の電圧制御方法の流れについて説明する。図5は、本実施形態の電圧制御方法の流れを示すフローチャートである。
以下、制御パルスによるスイッチング素子のオンオフによって出力電圧を制御する電圧制御方法であって、駆動電圧及び駆動周波数に基づく正弦波を変調波として生成し、任意の離散時刻〔t〕において、前記変調波の時間周期よりも小さい時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の、前記離散時刻〔t〕からN(正の整数)ステップ前まで遡った時間〔t-Nδ~t-δ〕における移動平均値を前記式(1)に従って算出し、前記移動平均値と離散時刻〔t〕における前記変調波の瞬時値との比較結果に応じて前記制御パルスを生成する、本実施形態の電圧制御方法の流れについて説明する。図5は、本実施形態の電圧制御方法の流れを示すフローチャートである。
まず、システム100は、任意の離散時刻〔t〕においてインバータ20のスイッチング素子を制御するため制御パルスを生成するために、変調波生成部12において変調波を生成する。変調波生成部12は、駆動電圧及び駆動周波数に基づいて正弦波を生成し、メモリ19内に格納する(ステップS1)。本実施形態においては、ステップS1において離散時刻〔t〕における変調波の瞬時値S(t)を特定しメモリ19内に格納する。なお、2回目以降の処理においてはステップS1において新たに変調波を生成する必要なく、メモリ19内に格納した正弦波(変調波)に基づいて、瞬時値S(t)を特定することができる。
ついで、システム100は、演算部14において、時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の、離散時刻〔t〕からN(正の整数)ステップ前まで遡った時間〔t-Nδ~t-δ〕における移動平均値Av(t)を前記式(1)に従って算出する(ステップS2)。続けて、システム100は、制御パルス生成部16において、移動平均値Av(t)と変調波の瞬時値S(t)とを比較する(ステップS3)。制御パルス生成部16において、まず、移動平均値Av(t)と瞬時値S(t)との大小を比較し(ステップS4)、移動平均値Av(t)が瞬時値S(t)よりも大きい場合(ステップS4肯定)、ステップS5に進む。
ステップS5において、制御パルス生成部16は移動平均値Av(t)が0よりも大きいか否かを判断し、移動平均値Av(t)が0よりも小さい場合(ステップS5否定)はステップS7に進み電圧を“-V0”とする制御パルスを生成し、電圧制御装置10がインバータ20に制御パルス信号を出力する。
ステップS5において、移動平均値Av(t)が0よりも大きい場合(ステップS5肯定)はステップS8に進み電圧を“0”とする制御パルスを生成し、電圧制御装置10がインバータ20に制御パルス信号を出力する。
一方、ステップS4において、移動平均値Av(t)が瞬時値S(t)よりも小さい場合(ステップS4否定)、ステップS6に移行し、制御パルス生成部16は移動平均値Av(t)が0よりも大きいか否かを判断する。ステップS6において、移動平均値Av(t)が0よりも大きい場合(ステップS5肯定)はステップS9に進み電圧を“+V0”とする制御パルスを生成し、電圧制御装置10がインバータ20に制御パルス信号を出力する。
ステップS6において、移動平均値Av(t)が0よりも小さい場合(ステップS6否定)はステップS8に進み電圧を“0”とする制御パルスを生成し、電圧制御装置10がインバータ20に制御パルス信号を出力する。
ステップS7~ステップS9の各々による制御パルス信号がインバータ20に入力されるとこれら信号に応じてスイッチング素子のオンオフが制御され、各PWM信号に応じた電圧がモータ30に印加され、任意の離散時刻〔t〕における処理を終了する。
なお、本実施形態ではステップS4において、移動平均値Av(t)及び調整波の瞬時値S(t)の大小を比較した後、ステップS5及びステップS6で移動平均値Av(t)が0よりも大きいか否かを判断する構成としたが、本発明は当該態様限定されず、移動平均値Av(t)が0よりも大きいか否かを判断した後に移動平均値Av(t)及び調整波の瞬時値S(t)の大小を比較し、比較結果に応じて制御パルス信号を生成するように構成してもよい。また、本実施形態においては、移動平均値Av(t)と変調波の瞬時値S(t)との大小、及び、移動平均値Av(t)が0よりも大きいか否かを判断したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、移動平均値Av(t)を0以外の数値や数値幅と比較したり、移動平均値Av(t)と変調波の瞬時値S(t)との差を比較対象としてもよい。
[効果]
以上のように構成されたシステム100によれば、交流回転電機の制御に際して、回転電機内の磁束量の平滑化をおこなうことができる。これにより本実施形態の電圧制御装置等は、回転電機等の一次電流及びトルク脈動や、始動電流を抑制することができる。
以上のように構成されたシステム100によれば、交流回転電機の制御に際して、回転電機内の磁束量の平滑化をおこなうことができる。これにより本実施形態の電圧制御装置等は、回転電機等の一次電流及びトルク脈動や、始動電流を抑制することができる。
また、上述のように構成された電圧制御装置10は、モータ等の回転電機の他、高周波トランス、メムス(MEMS)等の電解素子等、交流電圧の印加によって生じた磁束を用いる装置に適用可能である。さらに、システム100は、自動車(小型自動車、中型自動車、バス・トラック等大型自動車)、鉄道、潜水艦、航空機、船舶、液体循環移送ポンプ用途など回転機が用いられる用途に広く適用可能であり、例えば、国際公開WO2009/116219号公報に記載の超電導電動機システムなどに適用することができる。
以下に本開示による電圧制御装置及び電圧制御方法の妥当性につき、下記条件にて実施した三相かご誘導モータの駆動シミュレーション結果(Math works社のMATLAB(R)/Simulink(R)を以下に示す。
(条件)
・インバータ:IGBT/ダイオードを備えたインバータを使用
・スイッチング時間:0(理想)
・モータ:三相かご形
・定格出力:2.238kW
・定格電圧:220V
・定格周波数:60Hz
・極数:4
・負荷トルク:7Nm
・駆動周波数:50Hz
・駆動電圧:200V(実効値)
・出力:1.1kW
・移動平均分母〔N〕(ステップ数:N=12)
・移動平均をとる間隔〔δ〕:0.1msec
(条件)
・インバータ:IGBT/ダイオードを備えたインバータを使用
・スイッチング時間:0(理想)
・モータ:三相かご形
・定格出力:2.238kW
・定格電圧:220V
・定格周波数:60Hz
・極数:4
・負荷トルク:7Nm
・駆動周波数:50Hz
・駆動電圧:200V(実効値)
・出力:1.1kW
・移動平均分母〔N〕(ステップ数:N=12)
・移動平均をとる間隔〔δ〕:0.1msec
まず、上述の図1及び図2に示されるように、前記条件に基づいて得られた一般的PWM変調方式によって三相かご形誘導モータを駆動した場合の線間電圧波形と本実施形態における移動平均法における電圧制御方法によって三相かご形誘導モータを駆動した場合の線間電圧波形とを比較すると、図2における本実施形態における移動平均法における電圧制御方法による場合のPWM波形が図1における一般的PWM変調方式よりもやや崩れていることがわかる。
同様に、図6及び図7に、従来のPWM法(疑似正弦波出力方式:キャリア1kHz)によって三相かご形誘導モータを駆動した場合の線間波形周波数スペクトル解析図と、本実施形態における移動平均法における電圧制御方法によって三相かご形誘導モータを駆動した場合の線間波形周波数スペクトル解析図を示す。図8及び図9の比較からわかるように、一般的PWM変調方式によって三相かご形誘導モータを駆動した場合の線間電圧波形と本実施形態における移動平均法における電圧制御方法によって三相かご形誘導モータを駆動した場合の線間波形周波数スペクトル解析図を比較すると、図6における一般的PWM変調方式の線間波形周波数スペクトル解析図と図7における本実施形態における移動平均法における電圧制御方法による場合の線間波形周波数スペクトルとが全く異なる波形を示していることが分かる。
つぎに、上述の条件に基づいて、従来のPWM法(疑似正弦波出力方式:キャリア1kHz)における駆動時のモータ特性と、本実施形態における移動平均法における駆動時のモータ特性と、につき、回転子速度(Rotor Speed)(単位:Hz)、固定子電流Is(単位:A)、回転子電流Ir(単位:A)、電磁トルクTe(単位:N・m)のシミュレーション結果を図8及び図9に示す。
図8に示されるように、一般的PWM変調方式によって三相かご形誘導モータを駆動した場合、始動電流は最大で約43Aに到達しており、また、定常状態に到達後(約0.5秒経過後)も電磁トルクTeや固定子電流Isの波形は振動が残っていることがわかる。
これに対し、図9に示されるように、本実施形態における移動平均法における電圧制御方法によって三相かご形誘導モータを駆動した場合、最大始動電流は36A程度に抑えられており、一般的PWM変調方式の場合(約43A)よりもかなり低く、低損失でインバータに与える過電流の影響も少ないことが推測される。さらには、定常状態に到達後(約0.5秒経過後)の固定子電流Isの波形の乱れが殆ど無く、かつ電磁トルクTeの波形に脈動も殆どない。これは、上述した通り、電圧のPWM波形をみると一見崩れているものの、電気-機械エネルギー変換の主役の磁束の平滑化を移動平均という操作で実現したことによるものと考えられる。また、本実施形態における移動平均法における電圧制御方法によって磁束の空間分布が高調波成分の少ない正弦波となっていることは、図9における固定子電流Isの波形が図8に比して高調波成分の少ない正弦波となっていることで確認できる。さらに、固定子電流が高調波成分の少ない正弦波である(磁束の空間分布が高調波成分の少ない正弦波である)結果、回転子電流Ir、電磁トルクTe、回転速度が安定しているものと推測される。
以上、本発明の様々な実施形態について説明したが、本発明は、上述実施形態に限定されることはない。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、変形可能である。
例えば、本実施形態では、本発明の一態様として、移動平均値に応じて、出力電圧を0か|V0|の2値のみ変更する2レベルのインバータを対象にした態様につき説明したが、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。例えば、3レベル(例えば、出力電圧が0と|V0/2|,|V0|を取り得る)やそれ以上のレベルのインバータを対象とすることもできる。
さらに、本実施形態では、本発明の一態様として、磁束の平滑化について、移動平均値に応じて時間軸に従って所定の電圧を出力するPWMパルスを生成するPWM方式を採用した態様を例に説明したが、本発明は当該実施形態に限定されるものではなく、移動平均値に応じて電圧量を変更するPAM方式やパルス密度を変更するPDM方式を対象とすることもできる。
10:電圧制御装置、12:変調波生成部、14:演算部、16:制御パルス生成部、17:CPU、18:インターフェース、19:メモリ、20:インバータ、22A,22B,22C,24A,24B,24C:スイッチング素子、30:モータ、40:直流電源、100:システム
Claims (8)
- 制御パルスによるスイッチング素子のオンオフによって出力電圧を制御する電圧制御装置であって、
駆動電圧及び駆動周波数に基づく正弦波を変調波として生成する変調波生成部と、
任意の離散時刻〔t〕において、前記変調波の時間周期よりも小さい時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の、前記離散時刻〔t〕からN(正の整数)ステップ前まで遡った時間〔t-Nδ~t-δ〕における移動平均値を下記式(1)に従って算出する演算部と、
前記移動平均値と離散時刻〔t〕における前記変調波の瞬時値との比較結果に応じて前記制御パルスを生成する制御パルス生成部と、
を備えた電圧制御装置。
- 前記制御パルス生成部は、前記移動平均値が正であり且つ前記変調波の瞬時値よりも大きい場合には0、前記移動平均値が正であり且つ前記変調波の瞬時値よりも小さい場合には正のパルス電圧〔+V0〕、前記移動平均値が負であり且つ前記変調波の瞬時値よりも大きい場合には負のパルス電圧〔-V0〕、又は、前記移動平均値が負であり且つ前記変調波の瞬時値よりも小さい場合には0の電圧を出力する制御パルスを生成する、請求項1に記載の電圧制御装置。
- 制御パルスによるスイッチング素子のオンオフによって出力電圧を制御する電圧制御方法であって、
駆動電圧及び駆動周波数に基づく正弦波を変調波として生成し、
任意の離散時刻〔t〕において、前記変調波の時間周期よりも小さい時間幅〔δ〕毎に出力された電圧〔v〕の、前記離散時刻〔t〕からN(正の整数)ステップ前まで遡った時間〔t-Nδ~t-δ〕における移動平均値を下記式(1)に従って算出し、
前記移動平均値と離散時刻〔t〕における前記変調波の瞬時値との比較結果に応じて前記制御パルスを生成する、
電圧制御方法。
- 前記移動平均値が正であり且つ前記変調波の瞬時値よりも大きい場合には0、前記移動平均値が正であり且つ前記変調波の瞬時値よりも小さい場合には正のパルス電圧〔+V0〕、前記移動平均値が負であり且つ前記変調波の瞬時値よりも大きい場合には負のパルス電圧〔-V0〕、又は、前記移動平均値が負であり且つ前記変調波の瞬時値よりも小さい場合には0の電圧を出力する制御パルスを生成する、請求項3に記載の電圧制御方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の電圧制御装置を備えた回転電機。
- 請求項1又は請求項2に記載の電圧制御装置を備えた船舶。
- 請求項1又は請求項2に記載の電圧制御装置を備えた自動車。
- 請求項1又は請求項2に記載の電圧制御装置を備えた航空機。
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2022
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