JP2023123896A - チューブ用注出口 - Google Patents
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Abstract
【課題】開封操作を1回の動作で行うことができ、シール材を容易に剥離させることができる剥離性と、十分な溶着強度を実現できるチューブ用注出口を提供する。【解決手段】容器口部3がチューブ本体5と一体をなし、容器口部3のノズル内周面10に設けた段差部11に易開封シール材20を配置し、容器口部3にネジ接合で中栓12を装着し、ノズル部8内に配置した易開封シール材20を、段差部11と段差部11に対向するインナーリング先端19との間に挟み込み、易開封シール材20の表裏の一側表層21をインナーリング先端19に誘導加熱で溶着し、他側表層22を段差部11に誘導加熱で溶着し、一側表層21の剥離強度を他側表層22の剥離強度よりも強くした。【選択図】図1
Description
本発明は、チューブ用注出口に関し、チューブ容器の易開封性に貢献する技術に係るものである。
従来、この種の技術には、例えば特許文献1に記載するものがある。これは、容器に取り付けられたキャップ本体が注出筒を有し、キャップ本体に取り付ける上蓋を有するキャップである。
上蓋はインナーリングを有し、注出筒はインナーリングの先端面に当接するシール部を有し、シール部にガスバリア性フィルムを設けている。
ガスバリア性フィルムは、シール部とインナーリングの先端面との間で挟まれた状態に保持され、上蓋を開いた際に、インナーリングの先端面に付着してシール部から剥離する。
また、特許文献2に記載するものがある。これは、注出口栓が、円筒形の筒部を有する口栓本体と、口栓本体の筒部に被せたキャップを有し、キャップが円筒形の側壁と、側壁の一端を覆う天面部と、積層フィルムを備えている。
口栓本体は、筒部の一端と他端とを連通する開口を有し、筒部の内周面から突出した当接部を有している。キャップは、天面部から開口近傍へ突出する柱状部を有する。
積層フィルムは、当接部と柱状部との間に設けられて開口を閉塞し、一方の表面層が柱状部の端部にシールされるとともに、他方の表面層が当接部の開口を取り囲む全周にわたってシールされる。一方の表面層と他方の表面層との間にアルミニウム層が積層されており、一方の表面層と柱状部とのシール強度は、他方の表面層と当接部とのシール強度よりも高い。
近年、高齢化社会でのバリアフリーの実現や、便利さを求める消費者の期待に応えるために、手で簡単に開封できる易開封技術に対するニーズが強まっている。
従来のチューブ容器において、消費者は開封時に以下の手順の操作が必要であった。はじめに、容器からキャップを一旦外し、易開封シールを剥がし、再度キャップを容器に装着し、キャップの蓋を開けて内容物を吐出する。
すなわち、開封作業に多数のステップを要し、バリアフリーや便利さの実現に十分に応えることができていなかった。
また、易開封技術において、シール材の剥離性と溶着強度とは相反する関係にあり、密封性を高めるために溶着強度を上げると、剥離性に問題が生じ、剥離性を優先すると密封性を確保するための溶着強度の実現が困難であった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、開封操作を1回の動作で行うことができ、シール材を容易に剥離させることができる剥離性と、十分な溶着強度を実現できるチューブ用注出口を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るチューブ用注出口は、チューブ本体と一体的に成形する容器口部と、容器口部に装着するヒンジキャップとを備え、容器口部は、チューブ本体の内部に通じる口部開孔と、口部開孔の周囲の外周面に形成した雄ネジ部と、口部開孔に通じるノズル口を形成したノズル部を有し、ノズル部は、ノズル内周面にノズル軸心周りに環状をなす段差部を有し、ヒンジキャップは、中栓と、中栓とヒンジを介して一体をなす上蓋を有し、中栓は、中栓内周面に容器口部の雄ネジ部にネジ接合する雌ネジ部を有し、上蓋は、内側天面にノズル部に挿入するインナーリングを有し、インナーリングがノズル口に内嵌合し、ノズル部内に押し込んで配置する易開封シール材を有し、易開封シール材を段差部とノズル軸心方向で段差部に対向するインナーリング先端との間に挟み込み、易開封シール材は、表裏の一側表層がインナーリング先端に誘導加熱で溶着し、他側表層が段差部に誘導加熱で溶着し、一側表層の剥離強度が他側表層の剥離強度よりも強いことを特徴とする。
本発明に係るチューブ用注出口において、易開封シール材は、ヒンジを支点として揺動する上蓋とともに上方に移動して他側表層が段差部から剥離することを特徴とする。
本発明に係るチューブ用注出口において、容器口部の雄ネジ部と中栓の雌ネジ部とで加圧力調整部をなし、加圧力調整部は、雄ネジ部と雌ネジ部のネジ接合により、容器口部に対して中栓が中栓軸心方向に相対的に移動することで、易開封シール材に対する段差部とインナーリング先端による押し圧力を加減することを特徴とする。
本発明に係るチューブ用注出口において、易開封シール材は、ガスバリア層をなすアルミニウム金属層と、アルミニウム金属層の一方の面に設ける溶着性の強いポリエチレン樹脂層と、アルミニウム金属層の他方の面に設けるイージーピール性を有したポリエチレン樹脂層によって構成され、表裏の一側表層の溶着性の強いポリエチレン樹脂層がインナーリング先端に誘導加熱で溶着し、他側表層のイージーピール性を有したポリエチレン樹脂層が段差部に誘導加熱で溶着することを特徴とする。
上記の構成により、容器の製造時には、ノズル部内に易開封シール材を押し込んだ容器口部に対してヒンジキャプを装着する。すなわち、容器口部に中栓をネジ接合により装着し、ノズル口に内嵌合するインナーリングをノズル部にノズル軸心方向に挿入し、ノズル内周面により位置決めされてノズル口を塞ぐ定位置に配置された易開封シール材を、段差部とインナーリング先端との間に挟み込む。
よって、ヒンジキャップの装着時に、易開封シール材の位置ずれを生じることなく、易開封シール材を確実に適切位置に配置できる。
また、加圧力調整部において、雄ネジ部と雌ネジ部のネジ接合により、易開封シール材に対する段差部とインナーリング先端による押し圧力を加減できるので、易開封シール材の挟み込み具合をネジ接合の締め付け加減により調整し、インナーリング先端と段差部に対する易開封シール材の溶着強度を制御して、易開封シール材の適切な剥離性を実現する他側表層における剥離強度と、十分な密封性を確保する一側表層における剥離強度を両立できる。
易開封シール材は、ヒンジを支点として揺動する上蓋とともに上方に移動して他側表層が段差部から剥離するので、開封操作が指で上蓋を押し上げるだけの1回の動作によって実現でき、ヒンジキャップのワンアクションの特性をチューブ容器においても活用できる。
以下、本発明に係る実施の形態を図1から図5を参照して説明する。本実施の形態に係るチューブ容器1のチューブ用注出口2は、容器口部3とヒンジキャップ4を有している。容器口部3は、容器軸心方向の一側においてチューブ本体5に一体的に成形溶着しており、チューブ本体5の内部に通じる口部開孔6と、口部開孔6の周囲の外周面に形成した雄ネジ部7を有している。
容器口部6は、容器軸心方向の他側にノズル部8を有し、ノズル部8は口部開孔6に通じるノズル口9を有し、ノズル内周面10にノズル軸心周りに環状をなしてノズル9の径方向内側に突出する段差部11を有している。
ヒンジキャップ4は、中栓12と、中栓12とヒンジ13を介して一体をなす上蓋14を有し、上蓋14がヒンジ13を支点として閉栓位置と開栓位置に亘って揺動可能である。上蓋14は外周面のヒンジ13に対向する位置に鍔部14aを有している。
中栓12は、中栓内周面15に容器口部3の雄ネジ部7にネジ接合する雌ネジ部16を有し、外周面の上蓋14の鍔部14aに対応する位置に指掛け用の凹部12aを有し、中栓天部12bにノズル部8を通す開口部12cを有している。
上蓋14は、内側天面17にノズル部8に挿入するインナーリング18を有し、インナーリング18はノズル口9に内嵌合する筒形状をなし、筒軸心方向の先端側のインナーリング先端19がノズル軸心方向で段差部11に対向している。
ノズル部8の段差部11には易開封シール材20が配置してあり、ノズル部8の内部に押し込んで配置した易開封シール材20を、ノズル軸心方向において段差部11とインナーリング先端19との間に挟み込んでいる。
易開封シール材20は、ガスバリア性フィルムからなり、金属層と樹脂層とで構成される積層フィルム状の部材ある。金属層はガスバリア層をなし、アルミニウム層からなる。アルミニウム層の一方の面に設ける樹脂層は溶着性の強いポリエチレン層からなる。アルミニウム層の他方の面に設ける樹脂層はイージーピール層、すなわち剥離強度の低い剥がれ易い層であり、イージーピール性を有したポリエチレン層によって構成される。
易開封シール材20は、表裏の一側表層21である溶着性の強いポリエチレン層がインナーリング先端19に誘導加熱で溶着しており、他側表層22のイージーピール性を有したポリエチレン層が段差部11に誘導加熱で溶着している。
このため、インナーリング先端19に対する一側表層21の剥離強度が段差部11に対する他側表層22の剥離強度よりも強くなっている。そして、図2に示すように、易開封シール材20は、ヒンジ13を支点として揺動する上蓋14とともに上方に移動して他側表層22が段差部11から剥離する。
容器口部6の雄ネジ部7と中栓12の雌ネジ部16とで加圧力調整部23をなす。加圧力調整部23は、雄ネジ部7と雌ネジ部16のネジ接合により、容器口部6に対して中栓12が中栓軸心方向に相対的に移動する。インナーリング先端19が段差部11に接近すると易開封シール材に20対する段差部11とインナーリング先端19による押し圧力が増加し、インナーリング先端19が段差部11から離隔すると易開封シール材に20対する段差部11とインナーリング先端19よる押し圧力が減少する。よって、易開封シール材20に対する段差部11とインナーリング先端19による押し圧力を加減することができる。
次に、本実施の形態に係るチューブ容器1の製造方法を説明する。
図6に示すように、チューブ本体5は、ラミネートフィルムをスリーブ状に貼り合わせ、所定長さにカットして筒状に形成する。ラミネートフィルムは、バリア層を含むフィルム構成をなし、例えばPE/Si蒸着PET/PEやPE/EVOH/PEなどからなる。この筒状のチューブ本体5の一端に容器口部3を成形溶着する。
そして、ノズル部8に所定の円形状をなす易開封シール材20をノズル口9から押し込んで段差部11に配置する。易開封シール材20は周囲をノズル内周面に囲まれてノズル口9の上に位置決めされる
次に、図7、図8に示すように、ノズル部8の内部に易開封シール材20を押し込んだ容器口部3に対してヒンジキャプ4を装着する。
次に、図7、図8に示すように、ノズル部8の内部に易開封シール材20を押し込んだ容器口部3に対してヒンジキャプ4を装着する。
すなわち、容器口部3に中栓12をネジ接合により装着し、ノズル口9に内嵌合するインナーリング18をノズル部8にノズル軸心方向に挿入する。そして、ノズル内周面により位置決めされてノズル口9を塞ぐ定位置に配置された易開封シール材20を、段差部11とインナーリング先端19との間に挟み込む。
よって、ヒンジキャップ4の装着時に、易開封シール材20の位置ずれを生じることなく、易開封シール材20を確実に適切位置に配置できる。
そして、容器口部3にヒンジキャップ4と易開封シール材20を装着した状態で、電磁誘導よって加熱し、易開封シール材20の表裏の一側表層21をインナーリング先端19に溶着し、他側表層22を段差部11に溶着する。
このとき、ネジ接合により段差部11とインナーリング先端19との離隔距離を調整できるので、易開封シール材20を確実に段差部11とインナーリング先端19に押し圧でき、電磁誘導の溶着性が安定する。従来のように、易開封シール材と溶着面との距離が固定していると、電磁誘導の溶着性が不安定となることがある。
また、必要に応じて加圧力調整部23により溶着強度を制御する。すなわち、雄ネジ部7と雌ネジ部16のネジ接合により、易開封シール材20に対する段差部11とインナーリング先端19による押し圧力を加減し、易開封シール材20の挟み込み具合をネジ接合の締め付け加減で調整し、インナーリング先端19と段差部11に対する易開封シール材20の溶着強度を制御する。
この制御により、易開封シール材20の適切な剥離性を実現する他側表層22における剥離強度と、十分な密封性を確保する一側表層21における剥離強度を両立できる。 次に、図9から図11に示すように、チューブ容器1に内容物を充填し、開放口を直線シール24で封じて商品の完成となる。
図12に示すように、開封時には、鍔部14aに指を掛けて上蓋14を押し上げる。上蓋14はヒンジ13を支点として揺動し、易開封シール材は上蓋14とともに上方に移動して他側表層22が段差部11から剥離する。
よって、開封操作および開栓操作が指で上蓋14を押し上げるだけの1回の動作によって実現でき、ヒンジキャップ4のワンアクションの特性をチューブ容器1においても活用できる。そして、図13に示すように、ワンアクションで開封、開栓したチューブ容器1から内容物を注出する。
1 チューブ容器
2 チューブ用注出口
3 容器口部
4 ヒンジキャップ
5 チューブ本体
6 口部開孔
7 雄ネジ部
8 ノズル部
9 ノズル口
10 ノズル内周面
11 段差部
12 中栓
12a 凹部
12b 中栓天部
12c 開口部
13 ヒンジ
14 上蓋
14a 鍔部
15 中栓内周面
16 雌ネジ部
17 内側天面
18 インナーリング
19 インナーリング先端
20 易開封シール材
21 一側表層
22 他側表層
23 加圧力調整部
24 直線シール
2 チューブ用注出口
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21 一側表層
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24 直線シール
Claims (4)
- チューブ本体と一体的に成形する容器口部と、容器口部に装着するヒンジキャップとを備え、
容器口部は、チューブ本体の内部に通じる口部開孔と、口部開孔の周囲の外周面に形成した雄ネジ部と、口部開孔に通じるノズル口を形成したノズル部を有し、
ノズル部は、ノズル内周面にノズル軸心周りに環状をなす段差部を有し、
ヒンジキャップは、中栓と、中栓とヒンジを介して一体をなす上蓋を有し、
中栓は、中栓内周面に容器口部の雄ネジ部にネジ接合する雌ネジ部を有し、
上蓋は、内側天面にノズル部に挿入するインナーリングを有し、インナーリングがノズル口に内嵌合し、
ノズル部内に押し込んで配置する易開封シール材を有し、易開封シール材を段差部とノズル軸心方向で段差部に対向するインナーリング先端との間に挟み込み、
易開封シール材は、表裏の一側表層がインナーリング先端に誘導加熱で溶着し、他側表層が段差部に誘導加熱で溶着し、一側表層の剥離強度が他側表層の剥離強度よりも強いことを特徴とするチューブ用注出口。 - 易開封シール材は、ヒンジを支点として揺動する上蓋とともに上方に移動して他側表層が段差部から剥離することを特徴とする請求項1に記載のチューブ用注出口。
- 容器口部の雄ネジ部と中栓の雌ネジ部とで加圧力調整部をなし、
加圧力調整部は、雄ネジ部と雌ネジ部のネジ接合により、容器口部に対して中栓が中栓軸心方向に相対的に移動することで、易開封シール材に対する段差部とインナーリング先端よる押し圧力を加減することを特徴とする請求項1または2に記載のチューブ用注出口。 - 易開封シール材は、ガスバリア層をなすアルミニウム金属層と、アルミニウム金属層の一方の面に設ける溶着性の強いポリエチレン樹脂層と、アルミニウム金属層の他方の面に設けるイージーピール性を有したポリエチレン樹脂層によって構成され、表裏の一側表層の溶着性の強いポリエチレン樹脂層がインナーリング先端に誘導加熱で溶着し、他側表層のイージーピール性を有したポリエチレン樹脂層が段差部に誘導加熱で溶着することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のチューブ用注出口。
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- 2022-02-25 JP JP2022027359A patent/JP2023123896A/ja active Pending
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