JP2023122651A - 椅子用クッション - Google Patents

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和広 喜多
Kazuhiro Kita
明 浅野
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【課題】 車椅子を含めた各種椅子の使用者において、その椅子の座面との接触部位となる使用者臀部骨突出部に褥瘡が発生することを軽減し又は抑制することができる椅子用クッションを提供すること。【解決手段】 椅子用クッションによれば、使用者が着座した場合、使用者臀部骨突出部が凹所に填まり込むか又はこの凹所内に嵌合される補助クッション体を介して本体クッション体の上面より低い位置で支持されることによって、この使用者の体重の大部分は使用者の大腿部や臀部(臀部骨突出部を除く。)を支持する本体クッション体に対して作用するので、使用者臀部骨突出部への圧力集中が低減され、かかる使用者臀部骨突出部に及ぶ体圧の分散が図られる。この使用者臀部骨突出部に対する体圧分散によって、血行障害に起因する使用者臀部骨突出部での褥瘡の発生又は悪化を回避することができる。【選択図】 図8

Description

本発明は、椅子の座面上に載せ敷かれて使用される椅子用クッションに関するものである。
褥瘡は、人の皮膚における物体との接触部位がその人の体重で圧迫されて血流障害が発生することで、特に、接触部位の皮膚が弱くなっている状態(例えば、高齢者の皮膚や、排泄物や汗によりふやけた皮膚や、むくみが強い皮膚や、抗がん剤やステロイドなどの薬の副作用で免疫力が低下している皮膚などの状態が含まれる。)で発生し易くなる。また、かかる褥瘡は、人体部位のうち骨の突き出した部位(以下「骨突出部」という。)がより強く圧迫されて生じ易くなる。
例えば、高齢者や障害者等の車椅子を使用する者は、その下半身が不自由なこともあって、車椅子の座面に長時間着座していると、その使用者の大腿部及び臀部(以下「臀部等」という。)が車椅子座面を介して圧迫され易く、特に、その使用者の座位姿勢によっては、その臀部等の一部である坐骨部(特に坐骨結節部)、尾骨部及び仙骨部などの骨が突き出した部位(以下「臀部骨突出部」という。)にて、毛細血管中の血圧を超える力で圧迫されると毛細血管が変形し血行障害が生じる。
このような臀部骨突出部での血行障害が長時間に及ぶと、かかる臀部骨突出部やその周辺で虚血性壊死である褥瘡が発生してしまう。このため、更に、臀部骨突出部周辺では、同じ姿勢で圧迫が続くと発汗等による水分も滞留し易く、そこの湿度が高くなる傾向がある。その結果、菌が繁殖しやすくなり、わずかな傷であっても炎症を起こしやすくなったり、皮膚がふやけて各種刺激に弱くなってしまうなどの影響があり、車椅子の使用者にあっては、座面との接触部位となる臀部等における臀部骨突出部に褥瘡が生じ易くなるのである。
実用新案登録第3167964号
しかしながら、車椅子の座面は、それとの接触部位となる使用者の臀部骨突出部(以下「使用者臀部骨突出部」という。)を強く圧迫するものであり、使用者の臀部等(以下「使用者臀部等」という。)が車椅子の座面に直接載せられて、かかる使用者が長時間使用すると、その臀部骨突出部に褥瘡が生じ易くなり、特に、高齢者や障害者や罹患者のように姿勢変更により臀部の除圧が思うようにできない者や皮膚の弱くなった者にあっては褥瘡が生じ易い環境にあるという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、車椅子を含めた各種椅子の使用者において、その椅子の座面との接触部位となる使用者臀部骨突出部に褥瘡が発生することを軽減し又は抑制することができる椅子用クッションを提供することを目的としている。
この目的を達成するために第1発明の椅子用クッションは、椅子の座面上に載せ敷かれて使用されるものであって、特に、反発弾性が高低異なる連続気泡多孔質弾性体で形成される高反発層及び低反発層を有している積層体であって使用者臀部等が載せられる本体クッション体と、その本体クッション体上に使用者が着座した状態で使用者臀部等のうち使用者臀部骨突出部が載せられ、当該本体クッション体とは別体に設けられ、その本体クッション体の厚み以下の厚みで形成され、反発弾性が高低異なる連続気泡多孔質弾性体で形成される高反発層及び低反発層を有している積層体である補助クッション体と、その補助クッション体を前記本体クッション体から分離した状態でその本体クッション体に切り欠き形成され、前記補助クッション体が後記第1形態及び第2形態のどちらの形態でも着脱自在に嵌合される凹所と、前記高反発層が前記低反発層の上側に位置した第1形態、又は、その第1形態を上下反転した形態であって前記低反発層が前記高反発層の上側に位置した第2形態のどちらか一方から他方に上下反転して前記切欠き部に着脱自在に嵌合可能となる前記補助クッション体とを備えている。
ここで、椅子用クッションとは、使用者が着座するための座面を有している各種の椅子(家具としての椅子、車椅子その他の座面を有して使用者を着座させて使用者臀部等を支持する座面を有する器具をいう。以下同じ。)の座面上に載せ敷かれて使用者臀部等を支える座布団その他の弾性のある緩衝用具をいう。
また、改めて、使用者臀部等は、使用者の臀部において褥瘡好発部位となり易い坐骨部、尾骨部及び仙骨部の骨突出部を含んでおり、これらの坐骨部、尾骨部及び仙骨部を含めた臀部の骨突出部を「臀部骨突出部」といい、使用者の臀部尾坐骨部を「使用者臀部骨突出部」という。
また、連続気泡多孔質弾性体とは、主に、弾性力を生じるクッション材の一種であり、ウレタンフォームなどの合成樹脂製の多孔質の連続気泡構造を有している弾性体をいう。弾性体とは、弾性の性質を有する物体であって、当該物体に対する外力の作用によって当該物体内部に生じる応力及びひずみに応じた弾性力を生じるものをいう。弾性とは、物体に外力が作用した場合に当該物体内部に応力とひずみ(弾性変形ともいう。)とを生じ、その外力を除荷した場合にこれらの応力及びひずみが消失し,外力作用以前の状態(例えば、寸法(サイズ)及び形状を含む。)に回復する性質をいう。弾性力とは、外力が作用してひずみ変形した弾性体が反作用として他に及ぼす力(反作用力又は反発力)をいい、フックの法則が成立する弾性範囲では垂直荷重(引張又は圧縮荷重)の作用方向における物体のひずみと弾性率(ヤング率)(物体のひずみと応力との比例定数をいう。)との積をいう。反発弾性とは、物体に外力を作用させた場合に、その外力と当該外力を受けた物体がその反作用として他に及ぼす力(反力)との比をパーセントで表した物性値をいう。
また、連続気泡多孔質弾性体によれば、その反発弾性が高いものと低いものとを比較すると、反発弾性率が高いものの方が低いものに比べて、弾性率が高く(大きく)なり、同じ大きさの外力に対して生じる弾性力(反力または反発力)がより高く(大きく)なり、かつ、外力によるひずみ量が低く(小さく)なる。
また、本体クッション体の全体厚みとは、本体クッション体の上面から下面までの厚みをいい(以下同じ。)、補助クッション体の全体厚みとは、補助クッション体の上面から下面までの厚みをいう(以下同じ。)。なお、本願に係る書面において、本体クッション体の厚みとは本体クッション体の全体厚みをいい、補助クッション体の厚みとは補助クッション体の全体厚みをいう。
また、本願書面全体において、「高反発」及び「低反発」の用語を用いているが、これらはあくまでも、「高反発」とは「低反発」と比較して相対的に反発弾性率が高いことを意味し、「低反発」とは「高反発」と比較して相対的に反発弾性率が低いことを意味するにすぎず、「高反発」及び「低反発」が何らかの特定の物性値や特性値を指示するものではない。したがって、本願書面中において、「高反発層」とは「低反発層」に比べて高い反発弾性率の層をいい、「低反発層」とは「高反発層」に比べて相対的に低い反発弾性率の層をいい、「高反発連続気泡多孔質弾性体」とは「低反発連続気泡多孔質弾性体」と比較して相対的に高い反発弾性率を示す連続気泡多孔質弾性体をいい、「低発連続気泡多孔質弾性体」とは「高反発連続気泡多孔質弾性体」と比較して相対的に低い反発弾性率を示す連続気泡多孔質弾性体をいうに過ぎない。
この第1発明の椅子用クッションによれば、これが椅子の座面上に載せ敷かれて、この上に使用者が着座することで使用される。かかる場合、使用者臀部等は、外装カバー体により被包された本体クッション体及び補助クッション体の上に載せられる。なお、この外装カバー体の上面部又は全体は、抗菌性及び透湿防水性を有するシート材である抗菌透湿防水性シート材によって袋状に形成されている。
ここで、本体クッション体及び補助クッション体は、どちらも高反発層が低反発層に比べて反発弾性の低い連続気泡多孔質弾性体で形成されており、この反発弾性が高低異なる2種類の連続気泡多孔質弾性体の積層体となっている。なお、この積層体は、反発弾性が高低異なる2種以上(好ましく2種類から4種類)の連続気泡多孔質弾性体で形成しても良い。
本体クッション体は、椅子の座面上に載せ敷かれた状態で、その上側に高反発層が設けられ、その下側に低反発層が積層された状態となっており、使用者が着座することで使用者臀部等から荷重(以下「使用者加重」という。)を受けると、本体クッション体の上側にある高反発層が弾性変形しながらも高い弾性力を発揮することで本体クッション体の上面の沈み込みを抑えながら使用者臀部等をしっかりと支える一方で、本体クッション体の下側にある低反発層が高反発層よりも低い反発弾性を生じつつ弾性変形することで使用者臀部等に作用する反発、衝撃、圧迫などを緩和する。なお、本体クッション体は、その使用者の体重が比較的重い場合には、その体重を考慮して、当該本体クッション体の積層体の最下層部分に高反発層よりも更に高い反発弾性を有する連続気泡多孔質弾性体を積層するようにしても良い。
このように使用者臀部等が本体クッション体の上に着座した場合、この使用者臀部等のうち使用者臀部骨突出部は、補助クッション体の上に載せられる。このとき、この補助クッション体は、本体クッション体と同じ素材で形成された高反発層及び低反発層が上下に積層されており、本体クッション体の厚み以下(即ち、本体クッション体と同じ厚み又はそれ未満の厚み)で形成され、かつ、高反発層が上側位置する「第1形態」、又は、低反発層が上側に位置する「第2形態」のどちらの形態でも、本体クッション体にある凹所に着脱自在に嵌合して使用される。
特に、補助クッション体が第1形態で凹所に嵌合されて本体クッション体とともに使用される場合、補助クッション体の上面側が高反発層となるので、使用者が着座すると、補助クッション体は、使用者臀部骨突出部から使用者加重を受けることで、補助クッション体の上側にある高反発層が弾性変形しながらも高い弾性力を発揮することで補助クッション体の上面の沈み込みを抑えながら使用者臀部骨突出部をしっかりと支える一方で、補助クッション体の下側にある低反発層が高反発層より低い弾性力を生じつつ弾性変形することで、使用者臀部骨突出部に作用する反発、衝撃、圧迫などが軽減される。
一方、補助クッション体が第2形態で凹所に嵌合されて本体クッション体とともに使用される場合、補助クッション体の上面側が低反発層となるので、使用者が着座すると、補助クッション体は、使用者臀部骨突出部から使用者加重を受けることで、補助クッション体の上面側にある低反発層が弾性変形しながら低い弾性力を発揮して高反発層に比べてより柔らかく沈み込むので、使用者臀部骨突出部に対する反発、衝撃、圧迫などを軽減でき、使用者臀部骨突出部の除圧が図られる一方、その低反発層の下側にある高反発層が低反発層よりも高い弾性力を生じて弾性変形することで、使用者臀部骨突出部の必要以上の沈み込みを抑制して座り難さを回避する。
このように本発明の椅子用クッションによれば、補助クッション体を上下反転して第1形態又は第2形態を入れ替えて使用することで、使用者がその臀部骨突出部に受ける感触に応じて、椅子用クッションの座り心地を適宜変更することができる。特に、第2形態で補助クッション体を用いることで、第1形態の補助クッション体の使用で使用者臀部骨突出部に違和感や褥瘡を生じてしまう使用者でも、かかる違和感や褥瘡を軽減し又は回避することができる。
なお、上記した第1発明の椅子用クッションの変形例(以下「第1発明変形例」という。)の椅子用クッションは、連続気泡多孔質弾性体で形成される本体クッション体と、その本体クッション体の後端部における横幅方向中央に凹設される凹所と、その凹所内に嵌合固定される連続気泡多孔質弾性体で形成され、当該凹所内に嵌合固定状態で前記本体クッション体の上面と同等の高さ位置又はその上面より低い位置に上面を有する補助クッション体とを備えている。なお、第16発明の椅子用クッションによれば、補助クッション体が凹所内に着脱不能に嵌合固定される点を除けば、上記した第1発明の椅子用クッションと同様の作用及び効果を奏するものであって、更に、下記する第2から第15発明のいずれかの椅子用クッションについて、その記載中にある「第1発明」を「第1発明変形例」と、「着脱可能」を「嵌合固定」と、それぞれ読み替えて適用するものである。なお、ここで「嵌合固定」とは、補助クッション体を凹所内に嵌合して接着剤等により接着等して着脱不能に固定することをいう。
第2発明の椅子用クッションは、第1発明の椅子用クッションにおいて、前記補助クッション体は、その厚みが前記本体クッション体の厚みと同じであり、前記凹所内に嵌合された状態で、かつ、その下面が前記本体クッション体の下面と面一である状態にて、その上面が前記本体クッション体の上面と面一となっており、前記本体クッション体及び補助クッション体は、互いの高反発層の厚みが同じであり、かつ、互いの低反発層の厚みが同じである。
この第2発明の椅子用クッションによれば、第1発明の椅子用クッションと同様の作用及び効果を奏するうえ、本体クッション体及び補助クッション体は、その全体厚み、その高反発層及び低反発層の厚みが互いに同じとなり、かつ、本体クッション体及び補助クッション体の上面が面一となり、特に、第1形態で補助クッション体を使用する場合は、高反発層及び低反発層の上下位置関係も同じとなる。
このため、第1形態で補助クッション体を使用する場合は、使用者が感じる座り心地に影響を与える各種特性、例えば、使用者加重(外力)が作用した場合の反発、衝撃、圧迫などを、本体クッション体及び補助クッション体ともに同等にすることができ、本体クッション体及び補助クッション体があたかも一体のクッション体であるかのような座り心地を使用者に付与することができる。よって、特に、第1形態の補助クッション体であれば、自力で立ち座りできて臀部等に感覚のある使用者に対して使用することができる。
しかも、第1形態の補助クッション体を使用したときに使用者臀部骨突出部に痛みを感じるような使用者の場合には、補助クッション体の上下を反転して第2形態の補助クッション体に変更して使用することで、高反発層より弾性力が低い低反発層が補助クッション体の上面側となるので、この低反発層を介して使用者臀部骨突出部に作用する反発、衝撃、圧迫などが更に緩和され、使用者臀部骨突出部に生じる負荷や痛みを更に軽減でき、座り心地をより高めつつ使用者臀部骨突出部の褥瘡予防を図ることができる。
第3発明の椅子用クッションは、第1発明の椅子用クッションにおいて、前記補助クッション体は、前記本体クッション体に比べて厚みが薄く形成されており、前記凹所内に嵌合された状態で、かつ、その下面が前記本体クッション体の下面と面一である状態にて、その上面が前記本体クッション体の上面に対して低くなっている。
この第3発明の椅子用クッションによれば、第1発明の椅子用クッションと同様の作用及び効果を奏するうえ、補助クッション体が本体クッション体の嵌合凹部に嵌合された場合、補助クッション体が本体クッション体に比べて薄く形成されるため、使用者加重の未作用状態でも、補助クッション体の上面が本体クッション体の上面に対して一段低くなって沈み込んだような段差(以下「上面間段差」ともいう。)のある形態となる。
このため、使用者加重が本体クッション体及び補助クッション体に作用した場合に、上記した上面間段差がある分、上面が高い位置にある本体クッション体が使用者の大腿部と臀部の左右外側部分を支える格好となって、本体クッション体の上面よりも上面が低い位置にある補助クッション体に比べて弾性変形に伴う圧縮変形が大きくなり、その分、補助クッション体の上面に使用者臀部骨突出部から荷重が伝わり難くなり、補助クッション体からの人体に及ぼす弾性力が低減されるので、使用者臀部骨突出部に及ぶ反発、衝撃、圧迫などを緩和軽減して、かかる使用者臀部骨突出部の痛みや褥瘡の発生を更に軽減することができる。
特に、第1形態の補助クッション体によれば、補助クッション体の上面側が反発弾性の高い高反発層となるので、第2形態の場合に比べて使用者臀部骨突出部を支え易くできる。このため、補助クッション体を第1形態で使用する場合には、自力での立ち座りが不能であって2時間程度座り続けるとその使用者臀部骨突出部の皮膚に発赤などの軽い炎症や損傷を生じやすい使用者に対しても、このような症状を抑制又は軽減することができる。
一方、第2形態の補助クッション体によれば、上記した上面間段差の存在と相俟って、補助クッション体の上面側が反発弾性の低い低反発層となるので、第1形態の場合に比べて使用者臀部骨突出部に対する弾性力が低減されるので、使用者臀部骨突出部に及ぶ反発、衝撃、圧迫などを更に緩和軽減することができる。このため、第1形態で補助クッション体を使用したとしても使用者臀部骨突出部に発赤などの軽い炎症や損傷を生じ易く又はそこに痛みを感じるような使用者には、第2形態にした補助クッション体を使用することで、使用者臀部骨突出部に作用する反発、衝撃、圧迫などを更に軽減でき、使用者臀部骨突出部の痛みや炎症や損傷を更に低減でき、座り心地をより高めつつ使用者臀部骨突出部の褥瘡予防を図ることができる。
第4発明の椅子用クッションは、第3発明の椅子用クッションにおいて、前記補助クッション体は、その高反発層の厚みがその低反発層の厚みに比べて薄く形成されている。
この第4発明の椅子用クッションによれば、第3発明の椅子用クッションと同様の作用及び効果を奏するうえ、補助クッション体の高反発層の厚みはその低反発層の厚みに比べて薄く形成されるので、高反発層が上側に位置する第1形態で補助クッション体を使用する場合でも、高反発層が薄い分、補助クッション体が使用者加重に対する反発、衝撃、圧迫その他の特性を更に低減でき、使用者臀部骨突出部に対する負荷を低減して座り心地をより高めることができる。
しかも、第1形態の補助クッション体では使用者臀部骨突出部に痛みがある場合や発赤(皮膚が赤くなること)が生じてしまい除圧後に数分経っても消えない場合には、補助クッション体の上下を反転して第2形態とすることで、高反発層より弾性力が低くかつ厚みのある低反発層が上面側となって使用者臀部骨突出部を柔らかく受け止めて支えるので、使用者臀部骨突出部に作用する反発、衝撃、圧迫などを更に軽減でき、使用者臀部骨突出部に生じる負荷や痛みを更に軽減でき、座り心地をより高めつつ使用者臀部骨突出部の褥瘡予防を図ることができる。
第5発明の椅子用クッションは、第1発明の椅子用クッションにおいて、第2発明に係る前記補助クッション体である第1補助クッション体と、第3又は第4発明に係る前記補助クッション体である第2補助クッション体とを備えており、この第1補助クッション体又は第2補助クッション体の一方と他方とを入れ替えて前記凹所に嵌合して使用可能である。
この第5発明の椅子用クッションによれば、第1発明の椅子用クッションと同様の作用及び効果を奏するうえ、第2発明に係る補助クッション体である第1補助クッション体と第3又は第4発明に係る補助クッション体である第2補助クッション体と相互に入れ替えて凹所に嵌合させて本体クッション体とともに使用できるので、上記した第2発明及び第3又は第4発明に係る椅子用クッション体の双方の作用及び効果を奏することができる。
つまり、使用者の各種状況、例えば、使用者が自力で立ったり座ったりできる否か、使用者臀部等に感覚があるか否か、2時間程度座り続けるとその使用者臀部骨突出部の皮膚に発赤などの軽い炎症や損傷を生じるか否かなどの状況に応じて、第1形態の第1補助クッション体、第2形態の第1補助クッション体、第1形態の第2補助クッション体、又は、第2形態の第2補助クッション体を適宜選択し、上記第2から第4発明に係る椅子用クッション椅子の使用者の状況(症状)に合わせた座り心地を提供でき、特に、使用者臀部骨突出部の褥瘡の発生を防止するように対処することができる。
第6発明の椅子用クッションは、第1から第5発明のいずれかの椅子用クッションにおいて、前記凹所は、当該凹所を平面視した状態で、前記本体クッション体の後端部(の縁辺側)から前方へ向かって凹んでおり、当該本体クッション体の後端部(の縁部)の一部を切り欠いた如き態様をした凹部である。
また、前記補助クッション体の平面形状は、前記本体クッション体における前記凹所から切り欠かれた部分の平面形状と一致しており、当該補助クッション体が前記凹所に嵌合されることによって、前記本体クッション体の平面形状における欠切部分が補完されて、1つのクッション体を成すようになっている。
以上説明したように、第1から第6発明のいずれかの椅子用クッションによれば、本体クッション体がその上面側にある高反発層によって使用者臀部等(使用者臀部骨突出部を除く。)をしっかり支えながらその下側にある低反発層によって当該使用者臀部等に対する反発、衝撃、圧迫などを軽減する一方、これに加えて、第1形態で使用される補助クッション体が、その上面側にある高反発層によって使用者臀部骨突出部をしっかり支えながらその下側にある低反発層によって当該使用者臀部骨突出部に対する反発、衝撃、圧迫などを低減できるので、例えば、自力で立ったり座ったりできる使用者や、臀部等(骨突出部を含む。)に感覚のある使用者にとって、座り心地の良い環境を提供できるという効果ある。
そのうえ、補助クッション体は、その第2形態で使用することによって使用者臀部骨突出部を、その上面側にある低反発層によって使用者臀部等を柔らかく受け止めつつ、その下側にある高反発層によって当該使用者臀部骨突出部の不必要な沈み込みを低減し、使用者臀部骨突出部に及ぼす反発、衝撃、圧迫などを緩和し、使用者臀部骨突出部の座り心地の悪化を抑制するので、例えば、自力で立ったり座ったりを自力でできにくい使用者、それができない使用者、又は、臀部骨突出部に褥瘡ができやすい使用者にとって、その使用者臀部骨突出部に対する除圧がなされ、褥瘡の発生や悪化を防止又は軽減できるという効果がある。
第1から第6発明の椅子用クッションによれば、本体クッション体がその上面側にある高反発層によって使用者臀部等(使用者臀部骨突出部を除く。)をしっかり支えながらその下側にある低反発層によって当該使用者臀部等に対する反発、衝撃、圧迫などを軽減する一方、これに加えて、第1形態で使用される補助クッション体が、その上面側にある高反発層によって使用者臀部骨突出部をしっかり支えながらその下側にある低反発層によって当該使用者臀部骨突出部に対する反発、衝撃、圧迫などを低減できるので、例えば、自力で立ったり座ったりできる使用者や、臀部等(骨突出部を含む。)に感覚のある使用者にとって、座り心地の良い環境を提供できる。
そのうえ、補助クッション体は、その第2形態で使用することによって使用者臀部骨突出部を、その上面側にある低反発層によって使用者臀部等を柔らかく受け止めつつ、その下側にある高反発層によって当該使用者臀部骨突出部の不必要な沈み込みを低減し、使用者臀部骨突出部に及ぼす反発、衝撃、圧迫などを緩和し、使用者臀部骨突出部の座り心地の悪化を抑制するので、例えば、自力で立ったり座ったりを自力でできにくい使用者、それができない使用者、又は、臀部骨突出部に褥瘡ができやすい使用者にとって、その使用者臀部骨突出部に対する除圧がなされ、褥瘡の発生や悪化を防止又は軽減できる。
第7発明の椅子用クッションは、連続気泡多孔質弾性体で形成される本体クッション体と、その本体クッション体の後端部における横幅方向中央に凹設される凹所と、その凹所内に嵌合可能でかつ連続気泡多孔質弾性体で形成され、当該凹所内に着脱自在に嵌合可能であって、その凹所に嵌合された状態で前記本体クッション体の上面と同等の高さ位置又はその上面より低い位置に上面を有する補助クッション体とを備えている。
この第7発明の椅子用クッションによれば、使用者臀部骨突出部、特に、臀部における左右の坐骨結節部や尾骨部が凹所に、また使用者の大腿部及び臀部の他部位(臀部骨突出部を除く部位をいう。以下同じ。)が本体クッション体の上面に、それぞれ位置するように使用者が着座する。この着座によって、使用者の大腿部及び臀部の他部位は本体クッション体によって支持され、使用者の臀部骨突出部は、凹所に填まり込むか又はこの凹所内に嵌合される補助クッション体によって本体クッション体の上面と比べて同等の高さ位置又はそれより低い位置にて支持される。
したがって、特に、使用者が椅子用クッションに着座した場合、使用者臀部骨突出部が凹所に填まり込むか又はこの凹所内に嵌合される補助クッション体を介して本体クッション体の上面より低い位置で支持されることによって、この使用者の体重の大部分は使用者の大腿部や臀部(臀部骨突出部を除く。)を支持する本体クッション体に対して作用するので、使用者臀部骨突出部への圧力集中が低減され、かかる使用者臀部骨突出部に及ぶ体圧の分散が図られる。この使用者臀部骨突出部に対する体圧分散によって、その使用者臀部骨突出部の皮膚に対する毛細血管中の血圧を超える外力(圧力)での圧迫が防止され、かかる圧迫による毛細血管の変形に伴う血行障害が防止され、かかる血行障害に起因する使用者臀部骨突出部での褥瘡の発生又は悪化を回避することができる。
なお、本体クッション体及び補助クッション体の最上層部分をその下側に位置する部分と比べて低い反撥弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成することによって、使用者が感じる座面の肌触りや座面を押したときの安心感を向上することもできる。また、本体クッション体及び補助クッション体の最下層部分をその上側に位置する部分と比べて低い反撥弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成することによって、体圧分散性を向上することもできる。
また、補助クッション体を凹所に対して着脱して椅子用クッションを使用することによって、使用者臀部骨突出部に及ぶ体圧を適宜調整することができる。例えば、以下の(1)から(3)のクッション形態を使い分けることで、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッションに着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
(1) 補助クッション体の厚みと凹所の深さとを同じ(同等)にすることによって、補助クッション体を凹所内に嵌合保持した状態で補助クッション体の上面と本体クッション体の上面とが同じ高さ位置となって面一となったクッション形態。
(2) 補助クッション体の厚みを凹所の深さより小さくすることによって、補助クッション体を凹所内に嵌合保持した状態で補助クッション体の上面が本体クッション体の上面と比べて低い高さ位置となって「段差」ができたクッション形態。
(3) 補助クッション体全体を凹所内に嵌合させずに抜脱した状態であって凹所内から補助クッション体を空状態にすることによって、本体クッション体の上面から凹所の底部まで落ち込んだ「凹み」ができたクッション形態。
また、上記(1)から(3)のクッション形態については、更に、補助クッション体の厚みを大小変更することで段差の深さ(高低差)を適宜変更することによって、使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を更に細かく適宜調整することもできる。例えば、補助クッション体を、その厚み方向に複数層に分割分離させてその積層(重畳)数を増減することによって上記(2)のクッション形態の「段差」の深さを適宜変更したり、厚さの大小異なる複数種類の補助クッション体を用意して適宜交換したりすることによって上記(2)のクッション形態の「段差」の深さを適宜変更したりしても良い。
さらに、上記(1)から(3)のクッション形態については、本体クッション体及び補助クッション体をその厚み方向において複数層に分割分離させた積層体(重畳体)としたうえで、更に、その各層の反発弾性率を上下に隣り合う他層の反発弾性率に対して高低異なるものに適宜変更することによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッションに着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を更に細かく適宜調整することができる。
例えば、本体クッション体を、その厚み方向に4つの層に分割分離したうえで積層させた積層体とし、それらの上面側から下面側へ向かって順番にこれら4層を、第1層部分、第2層部分、第3層部分、及び、第4層部分とし、補助クッション体を、その厚み方向に3つの層に分割分離したうえで積層させた積層体とし、それらの上面側から下面側へ向かって順番にこれら3層を、第1層部分、第2層部分、及び、第3層部分とし、本体クッション体及び補助クッション体における互いに対応する第n(nは自然数である。以下同じ。)層部分同士の厚みを同等にしたうえで、補助クッション体の第1から第3層部分までの全てを凹所内に積層した場合に補助クッション体の上面と本体クッション体の上面とが面一となって上記(1)の形態となり、第1から第3層部分までの全てを凹所内から抜脱した場合に本体クッション体の第4層部分の上面が凹所の手面に相当する面となる格好となって上記(3)の形態となるようにしたクッション形態であって、例えば、以下の(4)から(10)のクッション形態を使い分けることによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡のでき易さに応じて、連続気泡多孔質弾性体の反発弾性率の高低を組み替え、使用者臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整できる。
(4) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第1から第3層部分の積層体であって、その補助クッション体の上層部分、中間層部分及び下層部分である第1から第3層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
(5) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第1から第3層部分の積層体であって、その補助クッション体の上層部分である第1層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体の中間層部分及び下層部分である第2及び第3層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
(6) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第2及び第3層部分の積層体であって、その補助クッション体の上層部分及び下層部分である第2及び第3層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
(7) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第2及び第3層部分の積層体であって、その補助クッション体の上層部分である第2層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体の下層部分である第3層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
(8) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第3層部分のみであって、その補助クッション体の第3層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されてるクッション形態。
(9) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第3層部分のみであって、その補助クッション体の第3層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されてるクッション形態。
(10) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体の第1から第3層部分の全てが凹所内から抜脱された状態となったクッション形態。
また、上記(4)から(10)のクッション形態の変形例として、例えば、本体クッション体及び補助クッション体の双方を、その厚み方向に4つの層に分割して積層させた積層体とし、それらの上面側から下面側へ向かって順番にこれら4層を、第1層部分、第2層部分、第3層部分、及び、第4層部分とし、本体クッション体及び補助クッション体における互いに対応する第n層部分同士の厚みを同等にしたうえで、補助クッション体の第1から第4層部分までの全てを凹所内に積層した場合に補助クッション体の上面と本体クッション体の上面とが面一となって上記(1)の形態となり、第1から第4層部分までの全てを凹所内から抜脱した場合に本体クッション体の上面から下面まで貫通した空間ができる格好となって上記(3)の形態となるようにしたクッション形態としたうえで、例えば、以下の(11)から(19)のクッション形態を使い分けることによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡のでき易さに応じて、連続気泡多孔質弾性体の反発弾性率の高低を組み替え、使用者臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整できる。
(11) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第1から第4層部分の積層体であって、その補助クッション体の下層部分である第4層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体の上層部分及び中間層部分である第1から第3層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
(12) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第1から第4層部分の積層体であって、その補助クッション体の上層部分及び下層部分である第1及び第4層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
(13) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第2から第4層部分の積層体であって、その補助クッション体の下層部分である第4層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体の上層部分及び中間層部分である第2及び第3層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
(14) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第2から第4層部分の積層体であって、その補助クッション体の上層部分及び下層部分である第2及び第4層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体の中間層部分である第3層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
(15) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第3及び第4層部分の積層体であって、その補助クッション体の下層部分である第4層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体の上層部分である第3層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
(16) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第3及び第4層部分の積層体であって、その補助クッション体の上層部分及び下層部分である第3及び第4層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されてるクッション形態。
(17) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第4層部分のみであって、その補助クッション体の上層部分かつ下層部分である第4層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
(18) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体はその第4層部分のみであって、その補助クッション体の上層部分かつ下層部分である第4層部分が本体クッション体の中間層部分である第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
(19) 本体クッション体はその第1及び第4層部分がその第2及び第3層部分と比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体の第1から第4層部分の全てが凹所内から抜脱された状態となったクッション形態。
なお、上記(4)から(19)のクッション形態の変形例として、例えば、本体クッション体の第1層部分をその第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成したものを適用しても良い。また、上記(4)から(19)のクッション形態の別の変形例として、例えば、本体クッション体及び/又は補助クッション体の第4層部分をその第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成したものを適用しても良い。さらに、上記(4)から(19)のクッション形態及びその変形例において、本体クッション体及び補助クッション体の全体を外装カバー体(第12から第15発明のいずれかの椅子用クッションを参照。)によって被包して使用する場合、本体クッション体及び/又は補助クッション体は、その上下隣り合う単層部分同士を接着状態にしても又は非接着状態にしても良い。
第8発明の椅子用クッションは、第7発明の椅子用クッションにおいて、前記凹所は、その開口面積が前記本体クッション体の上面側から下面側へ向かって漸減するテーパ状となったテーパ状凹所であって、そのテーパ状凹所の内周面が前記本体クッション体の上面側から下面側へ向かってテーパ状に下降傾斜した傾斜内周面となっており、前記補助クッション体は、前記テーパ状凹所に嵌合可能に形成される複数の単層部分を有し、その複数の単層部分が前記テーパー状凹所内に嵌合された状態で、複数の単層部分が積層状態で前記テーパ状凹所内に収容された形態となるものである。
第9発明の椅子用クッションは、第7発明の椅子用クッションにおいて、前記凹所は、その開口面積が前記本体クッション体の上面側から下面側へ向かって順に小さくなる複数の区間凹所が前記本体クッション体の厚み方向に連設された階段状凹所であって、その階段状凹所の内周面が前記本体クッション体の上面側から下面側へ向かって下降傾斜する複数段の階段状の傾斜内周面となっており、前記補助クッション体は、前記複数の区間凹所のそれぞれに対応づけて嵌合可能に形成される複数の単層部分を有し、その複数の単層部分が前記複数の区間凹所のそれぞれに対応づけて嵌合された状態で、複数の単層部分が積層状態で前記階段状凹所内に収容された形態となるものである。
第10発明の椅子用クッションは、第9発明の椅子用クッションにおいて、前記階段状凹所の複数段の階段は、その階段状凹所の前記傾斜内周面の上端から下端へ向かって垂直面又は下降傾斜面と平坦面とを順番に連設して形成されている。
これらの第8から第10発明のいずれかの椅子用クッションによれば、第7発明の椅子用クッションと同様の作用及び効果を奏するうえ、使用者を着座状態で背面視(正面視でも良い。以下同じ。)した場合に使用者臀部骨突出部の外形が下向き凸状に尖るように左右両側が外側から内側へ向かってそれぞれ傾斜したV字状となることから、このような背面視V字状の使用者臀部骨突出部に合致するように凹所を横幅方向左右両側を外側から内側へ下降傾斜した傾斜内周面を有したテーパ状凹所又は階段状凹所となっているので、かかるテーパ状凹所内又は階段状凹所内に使用者臀部骨突出部がより深く填まり込み易くなり、結果、使用者臀部骨突出部の体圧分散が行われ易くなる。
また、このようなテーパ状凹所又は階段状凹所であれば、その内周に補助クッション体を嵌合した場合でも、使用者の着座に伴う体圧を受けた補助クッション体がテーパ状凹所又は階段状凹所の傾斜内周面による規制された空間内で弾性変形するので、補助クッション体がテーパ状凹所内又は階段状凹所内に嵌合した状態のままでも、使用者臀部骨突出部がテーパ状凹所内又は階段状凹所内に填まり込み易く、使用者臀部骨突出部の体圧分散が有効に行われる。
また、補助クッション体はその厚み方向に複数層に分割されるので、この層数を適宜増減して変更することで、補助クッション体の厚みを大小変更することができ、この結果、本体クッション体の上面と補助クッション体の上面との間にできる段差の深さ(高低差)を適宜変更することができ、この段差の深さの調整によって使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
ところで、第8発明の椅子用クッションによれば、それに使用者が着座すると、使用者臀部の左右外側部分が本体クッション体における上面のうち凹所の横幅方向外方両側に存在する部分にて支持された状態となるが、この状態で、使用者臀部骨突出部が凹所内に必要以上に深く填まり込んでしまうと、かかる凹所の傾斜内周面の傾斜方向に沿って使用者臀部骨突出部周辺の皮膚が引き上げられ、使用者の臀裂が左右に拡げられる格好となり、使用者臀部骨突出部の皮膚が伸びて、この皮膚の伸びによって使用者臀部骨突出部にて毛細血管中の血圧を超える外力(圧力)で圧迫されることになり、かえって、かかる圧迫で毛細血管の変形に伴って血行障害が生じて使用者臀部骨突出部で褥瘡の発生又は悪化が生じてしまう虞がある。
これに対し、第9又は第10発明の椅子用クッションによれば、階段状凹所は、その傾斜内周面が複数段の階段状に下降傾斜しており、その複数の区間凹所のそれぞれに対応づけられた補助クッション体の各単層部分がそれに対応する各階段状凹所内に嵌合収容されることで、補助クッション体の各単層部分の外周部分が各区間凹所の階段部分に載せ置かれた状態となる。
このため、補助クッション体(の各単層部分)の外周部分が階段状凹所の傾斜内周面に係止された状態となるので、この補助クッション体に対して使用者臀部骨突出部の荷重が作用した場合に、この使用者臀部骨突出部の荷重の垂直成分の作用に伴って補助クッション体(の各単層部分)が階段状凹所の下方へ向かってずり落ちて大きく落ち込むことを防止でき、使用者臀部骨突出部が階段状凹所内で過度に沈み込むことを防止できる。
このように第9又は第10発明の椅子用クッションによれば、階段状凹所における複数段の階段に補助クッション体の各単層部分の外周部分を係止させることによって、階段状凹所内での補助クッション体の過度の沈み込みを防いで、この補助クッション体に載せられた使用者臀部骨突出部が階段状凹所内に過度に沈み込むことを防止できるので、使用者臀部骨突出部においてその過度の沈み込みに起因した血行障害が生じる状況を防止でき、かかる血行障害に伴う使用者臀部骨突出部での褥瘡の発生又は悪化を回避することができる。
第11発明の椅子用クッションは、第7発明の椅子用クッションにおいて、前記凹所は、その開口面積が前記本体クッション体の上面側から下面側へ向かって等しい凹所であって、その凹所の内周面が前記本体クッション体の上面側から下面側へ向かって垂直面状に形成された垂直凹所であって、前記補助クッション体は、前記垂直凹所内に嵌合可能に形成される複数の単層部分を有し、その複数の単層部分が前記垂直凹所内に嵌合された状態で、その複数の単層部分が積層状態で前記垂直凹所内に収容された形態となるものである。
この第11発明の椅子用クッションによれば、第7発明の椅子用クッションと同様の作用及び効果を奏するうえ、垂直凹所の内周面が垂直面状に形成されるので、背面視V字状をした使用者臀部骨突出部に合致するように垂直凹所の横幅方向左右両側が外側から内側へ向かって下降傾斜しておらず、かかる垂直凹所内に使用者臀部骨突出部がより深く填まり込むことができないようにも思われるが、必ずしもそうではなく、垂直凹所の横幅を使用者臀部骨突出部の横幅に合わせて設定することで、使用者臀部骨突出部をより填まり込み易くできる。
ここで、上記した第8から第10発明のいずれかの椅子用クッションによれば、そのテーパ状凹所又は階段状凹所は、その開口面積が本体クッション体の上面側から下面側へ向かって漸減したり又は順に小さくなる複数の区間凹所があるので、これらに嵌合収容される補助クッション体はどちらも、その複数層の単層部分のうち上下に隣り合うもの同士が大小異なる平面形状の平面面積となってしまい、上下する単層部分を相互に入れ替えて使用することができない。このため、単層部分の反発弾性率を変更したい場合には、各単層部分毎に高低異なる反発弾性率のものを準備して交換する必要があり、どうしても補助クッション体の厚み及び反発弾性率を変更する場合に複数層の単層部分の種類や点数が多くなってしまう。
これに対し、第11発明の椅子用クッションによれば、その凹所の内周面が垂直面状となっており、かかる凹所内に嵌合収容される補助クッション体は、その複数層の単層部分がどれも同じ平面形状でかつ同じ平面面積に形成することができるので、上下する単層部分を相互に入れ替えて使用することができ、その分、複数層の単層部分の種類や点数を低減できる。
第12発明の椅子用クッションは、第1から第11発明のいずれかの椅子用クッションにおいて、前記本体クッション体と前記凹所に嵌合された前記補助クッション体との両方をまとめて被包可能な袋状であって上面部又は全体が透湿防水性シート材で形成される外装カバー体とを備えている。
この第12発明の椅子用クッションによれば、第1から第11発明のいずれかの椅子用クッションと同様の作用及び効果を奏するうえ、袋状の外装カバー体が、本体クッション体と凹所に嵌合された補助クッション体との両方をまとめて被包しており、この外装カバー体の上面部又は全体が抗菌透湿防水性シート材で形成されるので、この上面部又は全体で透湿性及び防水性を発揮することができる。このため、例えば、使用者が着座した状態で生じる汗や放尿などの液体は防水性のある外装カバー体によって遮断されるので、これらの液体が本体クッション体や補助クッション体に浸透することを防止でき、本体クッション体や補助クッション体の濡れや汚損を防止できる。
また、例えば、使用者が着座した状態で生じる発汗による水蒸気は透湿性のある外装カバー体によって外装カバー体を通過して本体クッション体や補助クッション体へと放出されるので、使用者臀部等が外装カバー体との間で蒸れてかぶれたり、その蒸れによって皮膚に褥瘡が生じることを軽減又は抑制できる。
第13発明の椅子用クッションは、第12発明の椅子用クッションにおいて、前記外装カバー体は、前記透湿防水性シートが抗菌を有する透湿防水性シート材である。
この第13発明の椅子用クッションによれば、第12発明の椅子用クッションと同様の作用及び効果を奏するうえ、外装カバー体の上面部又は全体が抗菌を有する透湿防水性シート材で形成されるので、この上面部又は全体で透湿性及び防水性に加えて抗菌性を発揮することができる。このため、外装カバー体の上面部又は全体には抗菌性があるので、使用者の汗や尿その他の排泄物などで外装カバー体が汚損したとしても、当該外装カバー体の表面での雑菌の繁殖を抑制できる。
第14発明の椅子用クッションは、第12又は第13発明の椅子用クッションにおいて、前記外装カバー体は、前記本体クッション体及び補助クッション体の両方をまとめて被包して収容する内部空間を有しており、その内部空間の高さは前記本体クッション体の厚みに比べて小さく形成されている。なお、第1発明によれば、補助クッション体の厚みは、本体クッション体の厚みと比べて同じ又はそれ未満となる。
この第14発明の椅子用クッションによれば、第12又は第13発明のいずれかの椅子用クッションと同様の作用及び効果を奏するうえ、外装カバー体の内部空間に本体クッション体及び補助クッション体を収容した場合、この内部空間の高さに比べて、本体クッション体の厚みが大きく形成されるので、本体クッション体が弾性変形した状態で外装カバー体の内部空間内に収容されるので、この本体クッション体の弾性復元性によって本体クッション体が膨張する格好となって外装カバー体を張った状態にでき、外装カバー体の表面に皺が生じることを防止できる。
第15発明の椅子用クッションは、第12から第14発明のいずれかの椅子用クッションにおいて、前記外装カバー体は、前記本体クッション体の下面側が前記シート材に代えて、多数の通気孔が全面に形成されたメッシュ材で形成されており、このメッシュ材の多数の通気孔を通じて、前記本体クッション体を形成する連続気泡多孔質弾性体が突出又は露出可能となっている。
この第15発明の椅子用クッションによれば、第12から第14発明のいずれかの椅子用クッションと同様の作用及び効果を奏するうえ、例えば、外装カバー体の多数の通気孔を通じて、外装カバー体の下面から本体クッション体の下面にある連続気泡多孔質弾性体の表面が多数の箇所から突出又は露出するので、この多数の突出又は露出部分を椅子の座面に直接接触させ、この接触によって、外装カバー体の下面と椅子の座面との摩擦を大きくして、本発明に係る椅子用クッションが座面上で滑り動くことを防止することができる。
本発明の椅子用クッションによれば、本体クッション体の凹所内に嵌合収容された状態でその本体クッション体の上面と同等の高さ位置又はそれより低い位置に上面を有することとなる補助クッション体を、かかる凹所内に嵌合収容したり又はその凹所内から抜脱することによって、補助クッション体の上面の高低位置、即ち、凹所の深さを、本体クッション体の上面に対して適宜変更でき、この凹所内への使用者臀部骨突出部の填まり込み具合を調節でき、結果、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッションに着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができるという効果がある。
(a)は、本実施形態の椅子用クッションの斜視図であり、(b)は、椅子用クッションの斜視図であって外装カバー体の内部に収容される本体クッション体及び補助クッション体を破線で図示した斜視図である。 椅子用クッションから外装カバー体が取り外された合体クッション体を示した斜視図であって、(a)は、本体クッション体と第1形態の補助クッション体との分離状態を、(b)は、本体クッション体と第1形態の補助クッション体との合体状態を、(c)は、本体クッション体と第2形態の補助クッション体との分離状態を、(d)は、本体クッション体と第2形態の補助クッション体との合体状態を、それぞれ示した斜視図である。 (a)は、外装カバー体の素材となる抗菌透湿防水シート材の積層構造を示した断面図であり、(b)は、この抗菌透湿防水シート材の製造方法の説明するための分解断面図である。 本体クッション体に第1形態の補助クッション体を取り付けた合体クッション体を示した六面図であって、(a)は、合体クッション体の平面図であり、(b)は、合体クッション体の右側面図であり、(c)は、合体クッション体の背面図であり、(d)は、合体クッション体の正面図である。 第2実施形態の椅子用クッションから外装カバー体が取り外された合体クッション体を示した斜視図であって、(a)は、本体クッション体と第1形態の補助クッション体との分離状態を、(b)は、本体クッション体と第1形態の補助クッション体との合体状態を、(c)は、本体クッション体と第2形態の補助クッション体との分離状態を、(d)は、本体クッション体と第2形態の補助クッション体との合体状態を、それぞれ示した斜視図である。 第2実施形態の合体クッション体を示した六面図であって、(a)は、合体クッション体の平面図であり、(b)は、合体クッション体の右側面図であり、(c)は、合体クッション体の背面図であり、(d)は、合体クッション体の正面図である。 第1及び第2実施形態の椅子用クッション内にある合体クッション体を示した斜視図であって、(a)は、第1補助クッション体を第1形態で使用したものであり、(b)は、第1補助クッション体を第2形態で使用したものであり、(c)は、第2補助クッション体を第1形態で使用したものであり、(d)は、第2補助クッション体を第2形態で使用したものである。 第3実施形態の椅子用クッションから外装カバー体が取り外された合体クッション体を示した六面図であって、(a)は、合体クッション体の平面図であり、(b)は、合体クッション体の右側面図であり、(c)は、合体クッション体の背面図であり、(d)は、合体クッション体の正面図である。 (a)は、第3実施形態の補助クッション体の各単層部分の断面図であり、(b)は、図8(a)のA8-A8線における断面図であってクッション形態(4)及び(5)のときの状態を、(c)は、図8(a)のA8-A8線における断面図であってクッション形態(6)及び(7)のときの状態を、(d)は、図8(a)のA8-A8線における断面図であってクッション形態(8)及び(9)のときの状態を、(e)は、図8(a)のA8-A8線における断面図であってクッション形態(10)のときの状態を、それぞれ図示したものである。 第4実施形態の椅子用クッションから外装カバー体が取り外された合体クッション体を示した六面図であって、(a)は、合体クッション体の平面図であり、(b)は、合体クッション体の右側面図であり、(c)は、合体クッション体の背面図であり、(d)は、合体クッション体の正面図である。 (a)は、第4実施形態の補助クッション体の各単層部分の断面図であり、(b)は、図10(a)のA10-A10線における断面図であってクッション形態(11)及び(12)のときの状態を、(c)は、図10(a)のA10-A10線における断面図であってクッション形態(13)及び(14)のときの状態を、(d)は、図10(a)のA10-A10線における断面図であってクッション形態(15)及び(16)のときの状態を、(e)は、図10(a)のA10-A10線における断面図であって下記クッション形態(17)及び(18)のときの状態を、(f)は、図10(a)のA10-A10線における断面図であって下記クッション形態(19)のときの状態を、それぞれ図示したものである。 第5実施形態の椅子用クッションから外装カバー体が取り外された合体クッション体を示した六面図であって、(a)は、合体クッション体の平面図であり、(b)は、合体クッション体の右側面図であり、(c)は、合体クッション体の背面図であり、(d)は、合体クッション体の正面図である。 (a)は、第5実施形態の補助クッション体の各単層部分の断面図であり、(b)は、図12(a)のA12-A12線における断面図であってクッション形態(4)及び(5)に対応する形態を、(c)は、図12(a)のA12-A12線における断面図であってクッション形態(6)及び(7)に対応する形態を、(d)は、図12(a)のA12-A12線における断面図であってクッション形態(8)及び(9)に対応する形態を、(e)は、図12(a)のA12-A12線における断面図であってクッション形態(10)に対応する形態を、それぞれ図示したものである。 第6実施形態の椅子用クッションから外装カバー体が取り外された合体クッション体を示した六面図であって、(a)は、合体クッション体の平面図であり、(b)は、合体クッション体の右側面図であり、(c)は、合体クッション体の背面図であり、(d)は、合体クッション体の正面図である。 (a)は、第6実施形態の補助クッション体の各単層部分の断面図であり、(b)は、図14(a)のA14-A14線における断面図であってクッション形態(4)及び(5)に対応する形態を、(c)は、図14(a)のA14-A14線における断面図であってクッション形態(6)及び(7)に対応する形態を、(d)は、図14(a)のA14-A14線における断面図であってクッション形態(8)及び(9)に対応する形態を、(e)は、図14(a)のA14-A14線における断面図であってクッション形態(10)に対応する形態を、それぞれ図示したものである。 第7実施形態の椅子用クッションから外装カバー体が取り外された合体クッション体を示した六面図であって、(a)は、合体クッション体の平面図であり、(b)は、合体クッション体の右側面図であり、(c)は、合体クッション体の背面図であり、(d)は、合体クッション体の正面図である。 (a)は、第7実施形態の補助クッション体の各単層部分の断面図であり、(b)は、図16(a)のA16-A16線における断面図であってクッション形態(4)及び(5)に対応する形態を、(c)は、図16(a)のA16-A16線における断面図であってクッション形態(6)及び(7)に対応する形態を、(d)は、図16(a)のA16-A16線における断面図であってクッション形態(8)及び(9)に対応する形態を、(e)は、図16(a)のA16-A16線における断面図であってクッション形態(10)に対応する形態を、それぞれ図示したものである。 第3実施形態の椅子用クッション30の各部の厚み、深さ及び横幅などの寸法に関する実施例を示した表形式の図であって、(a)は、使用者の体重が60~70kgの場合の実施例を示し、(b)は、使用者の体重が45~60kgの場合の実施例を示し、(c)は、使用者の体重が35~45kgの場合の実施例を示している。 第4実施形態の椅子用クッション40の各部の厚み、深さ及び横幅などの寸法に関する実施例を示した表形式の図であって、(a)は、使用者の体重が60~70kgの場合の実施例を示し、(b)は、使用者の体重が45~60kgの場合の実施例を示し、(c)は、使用者の体重が35~45kgの場合の実施例を示している。
<第1実施形態>
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態の一例について説明する。図1(a)は、本実施形態の椅子用クッション1の斜視図であり、図1(b)は、椅子用クッション1の斜視図であって外装カバー体5の内部に収容される本体クッション体2及び補助クッション体3を破線(かくれ線)で図示した斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の椅子用クッション1は、車椅子その他の椅子(図示せず。)の座面上に載せ敷かれて使用されるものである。椅子用クッション1は、直方体状に形成されており、その後端部(の縁辺部)における両端部が、平面視四分円状の円弧部となっているので、例えば、この椅子用クッション1を車椅子の座面に載せ置いた場合に、この椅子用クッション1の後端(図1(a)右奥側)縁辺部の両端部が車椅子のフレームと干渉することを防止して、車椅子の座面後側まで押し込み易くなっている。
図1(b)に示すように、椅子用クッション1は、主に、本体クッション体2と補助クッション体3とが合体した状態(以下「合体状態」ともいう。)となった合体クッション体4と、外装カバー体5とを備えている。合体クッション体4は、本体クッション体2の凹所8内に補助クッション体3が嵌合されて直方体状に合体状態となったものである(図2(b)及び図2(d)参照。)。
合体クッション体4となった本体クッション体2及び補助クッション体3は、外装カバー体5の内部に収容されており、この外装カバー体5によって本体クッション体2及び補助クッション体3の全体が被包されている。外装カバー体5の3つの側面には、本体クッション体2及び補助クッション体3を出し入れする為の開口となる切れ目が設けられており、この切れ目がファスナー5aを介して開閉可能となっている。
この外装カバー体5は、その後端縁辺部における両端部が平面視四分円状のカバー円弧部5b,5bになるように縫製により成形されており、本体クッション体2が外装カバー体5の内部空間内に収容された場合、この外装カバー体5の各カバー円弧部5bに沿って弾性変形し、上記した一対の円弧部が椅子用クッション1の後端縁辺部の両端部に形成されるようになっている。
図2は、椅子用クッション1から外装カバー体5が取り外された合体クッション体4を示した斜視図であって、図2(a)は、本体クッション体2と第1形態の補助クッション体3との分離状態を、図2(b)は、本体クッション体2と第1形態の補助クッション体3との合体状態を、図2(c)は、本体クッション体2と第2形態の補助クッション体3との分離状態を、図2(d)は、本体クッション体2と第2形態の補助クッション体3との合体状態を、それぞれ示した斜視図である。
図2(a)及び図2(c)に示すように、合体クッション体4は、本体クッション体2と補助クッション体3とは別体に形成されており、補助クッション体3が本体クッション体2から分離可能となっている。このため、補助クッション体3は、本体クッション体2から分離して、第1形態(図2(a)参照。)又は第2形態(図2(c)参照。)の一方から他方へ上下反転して、図2(b)又は図2(d)に示すように本体クッション体2の凹所8に嵌合して使用することができる。
なお、図2(a)中の矢印は、補助クッション体3を凹所8に嵌入する方向を示しており、図2(b)中では、本体クッション体2を部分的に断面視しており、本体クッション体2の一部を2点鎖線(想像線)で示している。
図2に示すように、合体クッション体4は、外装カバー体5の内部空間に収容されている本体クッション体2及び補助クッション体3が合体状態となったものであり、この合体状態において縦長及び横長に比べて全高が小さい直方体状に形成されている。また、この本体クッション体2は、その高反発層6が低反発層7の上側に位置した形態で使用するものである。
本体クッション体2は、当該本体クッション体2上に使用者が着座した状態で当該使用者臀部等が載せ置かれるものであり、連続気泡多孔質弾性体で形成される高反発層6と、その高反発層6より低い反発弾性を有する連続気泡多孔質弾性体で形成される低反発層7とを備えている。この本体クッション体2は、上記した高反発層6及び低反発層7が互いに上下に重なった状態で積層された二層の積層体であり、これらの高反発層6及び低反発層7とが接着剤を介して接着されて一体化されている。
補助クッション体3は、本体クッション体2上に使用者が着座した状態で、当該使用者の臀部等のうち使用者臀部骨突出部の全て又はその大分部分が載せ置かれるものであり、その全体厚みが本体クッション体2の全体厚み以下(本体クッション体2の全体厚みと同一又はそれ以下)で形成されており、本体クッション体2から分離可能であって本体クッション体2とは別体に設けられている。この補助クッション体3は、本体クッション体2と同様に、上記した高反発層6及び低反発層7が上下に重なった状態で積層された二層の積層体であり、これらの高反発層6及び低反発層7が接着剤を介して接着されて一体化されている。
この補助クッション体3は、図2(a)に示したようにその高反発層6が低反発層7の上側に位置する使用形態である第1形態、又は、図2(b)に示したようにその第1形態を上下反転した形態であって低反発層7が高反発層6の上側に位置した使用形態である第2形態のどちらでも使用可能であって、そのどちらか一方から他方に上下反転して本体クッション体2の凹所8に着脱自在に嵌合されるように形成されている。
ここで、高反発層6の素材として用いられる連続気泡多孔質弾性体(「高反発連続気泡多孔質弾性体」ともいう。)は、いわゆる一般フォームであり、例えば、優れたクッション性及び通気性を有し、主として、寝具その他の家具などのクッション材として使用される軟質ウレタンフォームである。この高反発連続気泡多孔質弾性体の規格値の試験方法は、F-02-001-00(軟質ウレタンフォーム試験法)に準拠している。
この高反発連続気泡多孔質弾性体の規格値は、例えば、本実施形態の場合、その密度が42~48kg/m、反発弾性が40%以上、硬さが100~180N、引張強さが70kPa以上、伸びが80%以上、引裂強度が4N/cm以上、圧縮残留ひずみが4.5%、通気性が70リットル/分以上であることが好ましい。
また、低反発層7の素材として用いられる連続気泡多孔質弾性体(「低反発連続気泡多孔質弾性体」ともいう。)は、いわゆる低反発弾性フォームであり、例えば、主に、低反発と高通気性とを有し、主に、フィルター・マットレスなどに用いられる軟質ウレタンフォームである。
この低反発連続気泡多孔質弾性体の規格値及びその試験方法が準拠するJIS規格は、見掛け密度がJIS-K7222であり、、反発弾性がJIS-K6400-3であり、セル数がJIS-K6400-1であり、引張強さがJIS-K6400-5であり、伸びがJIS-K6400-5であり、圧縮残留ひずみがJIS-K6400-4である。
この低反発連続気泡多孔質弾性体の規格値は、例えば、本実施形態の場合、その見掛け密度が47~57kg/m、反発弾性が15%以下、セル数が15~25個/25mm、引張強さが70kPa以上、伸びが100%以上、圧縮残留ひずみが7%以下であることが好ましい。
図1に示すように、外装カバー体5は、本体クッション体2及び補助クッション体3との両方をまとめて被包可能な袋状に形成されており、その上面部を含めた全体が抗菌透湿防水シート材20(図3参照。)で形成されている。この外装カバー体5は、本体クッション体2及び補助クッション体3の両方をまとめて被包して収容する内部空間を有しており、その内部空間の高さは本体クッション体2の全体厚みに比べて小さく形成されている。
このように、本体クッション体2の全体厚みを外装カバー体5の内部空間の高さより大きくすることで、本体クッション体2を外装カバー体5の内部空間に収容した場合、本体クッション体2が上下に常に弾性的に圧縮された状態となるので、この圧縮に伴って本体クッション体2が発揮する弾性力によって外装カバー体5の上面を張りを持たせて皺が生じることを防止できる。
なお、補助クッション体3の全体厚みは、本体クッション体2の全体厚みと同じもの又はそれ以下のものが用いられており、本実施形態(以下、「第1実施形態」ともいう。)では、補助クッション体3の全体厚みは本体クッション体2の全体厚みと同じに形成されており、後述する第2実施形態では、補助クッション体3の全体厚みは本体クッション体2の全体厚みに比べて小さく形成されている。
図3(a)は、外装カバー体5の素材となる抗菌透湿防水シート材20の積層構造を示した概略図であり、図3(b)は、この抗菌透湿防水シート材20の製造方法の説明図である。
図3(a)及び図3(b)に示すように、外装カバー体5の素材となる抗菌透湿防水シート材20は、表地21と、透湿防水膜22と、裏地23とをこの順番で積層して公知の湿気硬化型ホットメルト接着剤24を介して接着した三層積層体である。この抗菌透湿防水シート材20は、抗菌性と、透湿性と、防水性とを併有した柔軟性のあるシート状の素材である。
この抗菌透湿防水シート材20の表地21には、その一実施例として、ポリエステル84T72タフタ(84T72(84dtex、72フィラメント)の糸を使ったポリエステル100%のタフタ織り)の生地が用いられており、また、この抗菌透湿防水シート材20の裏地23には、その一実施例として、ポリエステル20dトリコット(20dのポリエステル製マルチフィラメントを用いたトリコット編み)の生地が用いられている。
なお、図3(b)に示すように、湿気硬化型ホットメルト接着剤24は、透湿防水膜22の透湿性を確保するため、透湿防水膜22の表裏面にそれぞれ散点状に分布した状態で塗布され、その表裏面に表地21と裏地23とを接着している。
また、この抗菌透湿防水シート材20は、JIS-L1902-2008に準拠した抗菌性試験(菌液吸収法)、JIS-L1902-2015に準拠したその表面(表地21側の面)及び裏面(裏地23側の面)の抗菌性試験(菌液吸収法)を実施し、抗菌効果ありの評価が得られたものであり、この結果を受けて、抗菌性を有するものと称している。
この外装カバー体5の抗菌透湿防水シート材20に用いられる透湿防水膜22には、主に、細孔構造を有する疎水性多孔質膜22aが用いられる。この疎水性多孔質膜22aとしては、例えば、ポリオレフィン樹脂系の多孔質体、フッ素樹脂系の多孔質体等の合成樹脂より得られる疎水性のある連続多孔質体を用いることが好ましい。
なかでも、透湿防水膜22に用いられる疎水性多孔質膜22aとしては、ポリテトラフルオロエチレンを延伸処理することで得られる連続多孔質体である多孔質PTFEフィルム(多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム)を用いることが、特に好ましいといえる。この多孔質PTFEフィルムは、そのフィルムが柔軟でかつ空孔率が高いことに加え、疎水性が極めて高いうえに、耐薬品性及び耐熱性についても高い効果が発揮できるものである。
なお、このような疎水性多孔質膜22aに用いられる連続多孔質体としてはポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を用いても良いが、この場合、フッ素系撥水剤、シリコーン系撥水剤等による撥水処理を付与しても良い。また、疎水性多孔質膜22aとしてのフッ素樹脂系多孔質体としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等の多孔質体が用いられる。
ここで、疎水性多孔質膜22aは、その最大細孔径が0.01~10μmであり、より好ましくは0.1~1μmとなる。また、疎水性多孔質膜22aの厚みは、7~300μmであり、好ましくは10~100μmであり、その一実施例として30μm程度が用いられている。なお、疎水性多孔質膜22aの厚みが7μmよりも薄いと製造時の取扱い性に問題が生じ、また、その厚みが300μmを超えると膜の柔軟性が損なわれるとともに透湿性が低下してしまうことから不適当であると考えられる。
また、多孔質PTFEフィルム等の疎水性多孔質膜22aの細孔内表面を上記有機ポリマーにより被覆することにより、その多孔質膜が様々な汚染物により汚染された際に、汚染物が多孔質膜の内部に浸透しにくくなり、多孔質膜の疎水性の劣化を防止することができる。
また、透湿防水膜22は、その疎水性多孔質膜22aの裏面側の表面部に親水性ポリウレタン樹脂等の親水性樹脂を用いた親水性コーティング層22bが含浸添着により形成されている。なお、親水性コーティング層22bの厚みは、その一実施例として5μm程度が用いられている。
この親水性コーティング層22bに用いられる親水性樹脂には、例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基又はアミノ酸基等の親水性基を有する高分子材料であって、水膨潤性を有するとともに水不溶性のものが好ましい。具体例としては、少なくとも一部が架橋された、ポリビニルアルコール、酢酸セルロース、硝酸セルロース等の親水性ポリマー、又は、親水性ポリウレタン樹脂がある。
特に、親水性ポリウレタン樹脂は、耐熱性、耐薬品性、加工性、透湿度などの観点で優れており、これを親水性コーティング層22bの素材として用いることがより好適である。ここで、親水性ポリウレタン樹脂としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルフォン基、オキシエチレン基等の親水基を含むポリエステル系あるいはポリエーテル系のポリウレタンやプレポリマーがある。
また、硬化剤としては、末端がイソシアナートであるプレポリマーに対して2官能以上のジポリオール類、トリポリオール類やジアミン類、トリアミン類を硬化剤が使用される。なお、硬化剤に関しては、透湿性を高く保つ観点で、2官能が3官能に比べてより好適である。
また、架橋剤としては、樹脂の融点(軟化点)を調整する観点から、イソシアナート基を2個以上有するジイソシアナート類、トリイソシアナート類、それらのアダクト体が単独又は2種以上混合して使用される。
ここで、上記した透湿防水膜22において、その多孔質PTFEフィルム等の疎水性多孔質膜22aの多孔構造に親水性ポリウレタン樹脂等の親水性樹脂を含浸添着させて親水性コーティング層22bを生成する方法について、以下に説明する。
まず、ポリウレタン樹脂を含めたウレタン樹脂等を溶剤により溶液化したり又は加熱により融液化したりして塗布液を生成し、これをロールコーター等の塗布装置によって多孔質PTFEフィルム等の疎水性多孔質膜22aの下面側の表面部に塗布する。
ここで、塗布液の粘度は、塗布温度において20000cps以下であることが含浸添着させるのに適しているが、より好適には10000cps以下である。ただし、溶剤による溶液化を行った場合は、その溶剤組成にもよるが、塗布液の粘度が低すぎると、塗布液が多孔質PTFEフィルム等の疎水性多孔質膜22a全体に拡散して含浸するため、疎水性多孔質膜22a全体が親水性となってしまい、透湿防水膜22に求められる防水性を毀損する危険性があるため、親水性樹脂の塗布液の粘度は500cps以上とすることが好ましいと考えられる。
特に、多孔質PTFEフィルム等の多孔構造に含浸添着させる親水性ポリウレタン樹脂等の親水性樹脂の含浸性は、表面張力、孔径、温度、圧力などによって種々変化するものの、多孔質PTFEフィルム等の多孔質膜全体に拡散させることなく、親水性ポリウレタン樹脂等の親水性樹脂が多孔質PTFEフィルム等の表面部に薄い皮膜を形成するようにする必要がある。そこで、上記した親水性樹脂の塗布液のように粘度500cps以上10000cps以下とすることによって、多孔質PTFEフィルム等の疎水性多孔質膜22aの多孔構造の平均孔径が0.2μmである場合に、その疎水性多孔質膜22aの表面部に有効な薄い皮膜を形成することが可能となる。
透湿防水膜22に用いられる疎水性多孔質膜22aは、表地21及び裏地23と積層された状態でも透湿度が略10,000~15,000g/m・24hとされている。例えば、人体からの発汗量は、個人差が存在するものの、休憩時に略350g/m・24h、時速5.5kmの歩行時に略1,300g/m・24h、ジョギング時に略2,500g/m・24hとなり、これらは疎水性多孔質膜22a製の透湿防水膜22の透湿度を大きく下回るものであって、当該透湿防水膜22には充分な透湿性が確保されることとなる。
なお、上記した透湿度とは、24時間当たりに1mの透湿防水膜22を通過する水蒸気の質量に相当する。
また、疎水性多孔質膜22aは、透湿防水膜22の一部として表地21及び裏地23と積層される場合に、防水性を表す物性値である耐水圧が平均略20,000mmHO(水柱)(=2kgf/cm≒1.96Mpa)以上とされている。ここで、レインコートの耐水圧は一般に略500~1,000mmHOを確保できれば充分とされており、これに対してアウトドア用のレインコートの耐水圧はその略20倍以上確保されており、当該疎水性多孔質膜22aはこれに匹敵する耐水性が確保されている。
例えば、体重が略75kgfの人間の場合、その者が着座すると臀部に略0.2kgf/cm、又は跪くときに膝部に略1.1kgf/cmの圧力が加わり、これらを耐水圧に換算すると略2,000mmHO、又は略11,000mmHOとなり、これらの値は当該透湿防水膜22の耐水圧を下回るものである。すなわち、当該透湿防水膜22を形成する疎水性多孔質膜22aには充分な防水性も確保されている。
このように外装カバー体5は、本体クッション体2と凹所8に嵌合された補助クッション体3との両方をまとめて被包し、その全体が抗菌透湿防水シート材20で形成されるので、その防水性によって、使用者が着座した状態で生じる放尿などが外装カバー体5によって遮断されて本体クッション体2や補助クッション体3に浸透することを防止でき、本体クッション体2や補助クッション体3の濡れや汚損を防止できる。
また、使用者の発汗による水蒸気は外装カバー体5の透湿性によって、この外装カバー体5を通過して本体クッション体2や補助クッション体3へと放出されるので、使用者臀部等が発汗で蒸れてかぶれたり、その蒸れによって皮膚に褥瘡が生じることを軽減又は抑制できる。さらに、外装カバー体5は、その抗菌性によって、使用者の汗や尿その他の排泄物などで外装カバー体5の表面で雑菌が繁殖することを抑制できる。
図4は、本体クッション体2に第1形態の補助クッション体3を取り付けた合体クッション体4を示した六面図であって、図4(a)は、合体クッション体4の平面図であり、
図4(b)は、合体クッション体4の右側面図であり、図4(c)は、合体クッション体4の背面図であり、図4(d)は、合体クッション体4の正面図である。
なお、図4では、合体クッション体4の底面図はその平面図(図4(a)参照。)と上下の線対称に、合体クッション体4の左側面図はその右側面図(図4(c)参照。)と左右の線対称に、それぞれ表れるためその図示を省略している。
図4(a)に示すように、凹所8は、本体クッション体2の後端部(縁辺)(図4(a)下側)の横幅方向中央には、本体クッション体2の前方(図4(a)上側)へ向かって平面視略U字状に凹んだ凹部である。この凹所8は、補助クッション体3の平面形状と同じ平面形状をした凹部となっており、かかる補助クッション体3が第1形態及び第2形態のどちらの形態でも着脱自在に嵌合されるようになっている。
補助クッション体3と凹所8との間には、これら双方の境界となって互いを別々に分離させる平面視略U字形の切り込みが設けられており、この平面視略U字形の切り込みは、図4(a)から図4(d)に示すように、本体クッション体2及び補助クッション体3の上面から下面に向かって貫通している。この平面視略U字形の切り込みの介在によって、平面視略U字形をした補助クッション体3が本体クッション体2から別体に分離され、また、本体クッション体2に同じく平面視略U字形をした凹所8が形成されることとなる。
なお、この平面視略U字形の切り込みを介して平面視略U字形の凹所を本体クッション体の後端部の横幅方向中央に形成することは、後述する第2から第7実施形態の椅子用クッションについても同様である。
図4(b)から図4(c)に示すように、本実施形態の椅子用クッション1によれば、本体クッション体2及び補助クッション体3は、どちらも全体厚みが同じの平板状に形成されており、これらの上面及び下面が無負荷状態において、互いの上面及び下面が面一となるように形成されている。また、本体クッション体2の高反発層6及び低反発層7、並びに、補助クッション体3の高反発層6及び低反発層7の各々は、どれも厚みが一定の平板状をした連続気泡多孔質弾性体で形成されている。
また、本体クッション体2及び補助クッション体3は、互いの高反発層6が同じ厚みとなっており、また、互いの低反発層7も同じ厚みとなっている。また、本体クッション体2及び補助クッション体3は、どちらも低反発層7に比べて高反発層6が若干厚みが(例えば、1.5mm程度)大きくなっている。
ここで、この椅子用クッション1のサイズの一実施例を示すと、例えば、本体クッション体2は、その前後方向の全長(以下「縦幅」ともいう。)が400mm、左右方向の全幅(以下「横幅」ともいう。)が350mmであり、本体クッション体2及び補助クッション体3は、その全体厚み(高さ)が105mm、その高反発層6の厚みが60mm、及び、その低反発層7の厚みが45mmである。
ここで、一般的に人体の坐骨部の左右両側の下端頂点間の幅(以下「坐骨部頂点間幅」という。)は、子供で120mm程度、成人男性で130mm程度、成人女性で140mm程度となる。
このことから、補助クッション体3及び凹所8は、子供の場合、その前後方向の全長(以下「縦幅」ともいう。)が160mm、左右方向の全幅(以下「横幅」ともいう。)横幅が120mm、平面視四分円状のアール部の半径が40~50mm、本体クッション体2の左端(右端)から補助クッション体3の左端(右端)までの距離が115mmとすることが好ましい。
また、成人の場合、補助クッション体3及び凹所8は、その縦幅が180mm、その横幅が160mm、平面視四分円状のアール部の半径が40~50mm、本体クッション体2の左端(右端)から補助クッション体3の左端(右端)までの距離が95mmとすることが好ましい。
このように、使用者が子供用の場合でも成人用の場合でもその使用者尾坐骨部を補助クッション体3自体の上に載せることが好ましいことから、補助クッション体3及び凹所8の横幅は使用者の坐骨結節部の下端頂点間幅より十分に大きくすることが必要となり、結果、補助クッション体3及び凹所8の横幅は、子供用であれば120mm以上とし、成人用であれば男女共用とすれば160mm程度とすることがより好適となる。
もっとも、あまりにも補助クッション体3及び凹所8の横幅が大きすぎると、使用者の右臀部内側及び左臀部内側を支える補助クッション体3の上面面積は大きくなる一方で、椅子用クッション1の後側部分における本体クッション体2の後端部の右側部分の幅と左側部分の幅とがいずれも狭くなることから、結果、使用者の右臀部外側と左臀部外側とを支える部分、即ち、本体クッション体2の後端部の左右両側部分の上面面積が小さくなってしまう。
さすれば、合体クッション体4全体としてみると、使用者の臀部の左右臀部の内側と外側とでこれらを支える面積バランスが不均衡となって、使用者臀部の安定性が悪化して、使用者の骨盤の安定性が低下して座り心地を悪化させてしまう。以上のことから、補助クッション体3及び凹所8の横幅及び縦幅は、上記例示した具体的な数値に必ずしも限定されるものではなく、使用者の体格(身体サイズ)や着座した際の姿勢等に依存して変化する使用者臀部突出部の状況に合わせて、その数値(サイズ)を適宜選定することが必要であるといえる。
<第2実施形態>
次に、図5及び図6を参照して、第2実施形態の椅子用クッション10について説明する。第2実施形態の椅子用クッション10は、第1実施形態の椅子用クッション1に対し、補助クッション体3の厚みを変更したものである。なお、以下、第2実施形態の椅子用クッション10の説明では、第1実施形態と同一の部分に同一の符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分のみについて異なる符号を付してその説明をする。
図5は、第2実施形態の椅子用クッション10から外装カバー体5が取り外された合体クッション体14を示した斜視図であって、図5(a)は、本体クッション体2と第1形態の補助クッション体13との分離状態を、図5(b)は、本体クッション体2と第1形態の補助クッション体13との合体状態を、図5(c)は、本体クッション体2と第2形態の補助クッション体13との分離状態を、図5(d)は、本体クッション体2と第2形態の補助クッション体13との合体状態を、それぞれ示した斜視図である。
なお、図5(a)中の矢印は、補助クッション体13を凹所8に嵌入する方向を示しており、図5(b)中では、本体クッション体2を部分的に断面視しており、本体クッション体2の一部を2点鎖線(想像線)で示している。
第2実施形態の椅子用クッション10は、本体クッション体2と、補助クッション体13と、外装カバー体5とを備えている。ただし、第2実施形態では、外装カバー体5の図示を省略しているが、第2実施形態の外装カバー体5は第1実施形態の外装カバー体5と同一物である。
図5(a)及び図5(c)に示すように、第2実施形態の合体クッション体4は、本体クッション体2と補助クッション体13とは別体に形成されており、補助クッション体13が本体クッション体2から分離可能となっている。このため、補助クッション体13は、本体クッション体2から分離して、第1形態(図5(a)参照。)又は第2形態(図5(c)参照。)の一方から他方へ上下反転して、図5(b)又は図5(d)に示すように本体クッション体2の凹所8に嵌合して使用することができる。
図5に示すように、第2実施形態の椅子用クッション10によれば、補助クッション体13は、その全体厚みが本体クッション体2の全体厚みに比べて薄く形成されており、本体クッション体2の凹所8内に嵌合された状態で、かつ、その下面が本体クッション体2の下面と面一である状態にて、補助クッション体13の上面が本体クッション体2の上面に対して低くなっている。また、補助クッション体13は、その高反発層6の厚みがその低反発層7の厚みに比べて薄く形成されている。
図6は、第2実施形態の合体クッション体14を示した六面図であって、図6(a)は、合体クッション体14の平面図であり、図6(b)は、合体クッション体14の右側面図であり、図6(c)は、合体クッション体14の背面図であり、図6(d)は、合体クッション体14の正面図である。
なお、図6では、合体クッション体14の底面図はその平面図(図6(a)参照。)と上下の線対称に、合体クッション体14の左側面図はその右側面図(図6(c)参照。)と左右の線対称に、それぞれ表れるためその図示を省略している。
図6(a)に示すように、第2実施形態の補助クッション体13は、その平面形状が第1実施形態の補助クッション体3と同一の形状及びサイズに形成されている。
ここで、第2実施形態の椅子用クッション10のサイズの一実施例を示すと、本体クッション体2は、第1実施形態と同じサイズであるが、補助クッション体13は、その全体厚みが45mm、その高反発層6の厚み15mm、その低反発層7の厚み30mmであり、本体クッション体2の全体厚みに対して、その全体厚み、その高反発層6の厚み、及び、その低反発層7の厚みの全てが薄く形成されている。
次に、図7を参照して、上記のように構成された第1実施形態及び第2実施形態の椅子用クッション10について、その使用方法等について、以下に説明する。
図7は、第1及び第2実施形態の椅子用クッション1,10(の外装カバー体5)内にある合体クッション体3,13を示した斜視図であって、図7(a)は、第1補助クッション体3を第1形態で使用したものであり、図7(b)は、第1補助クッション体3を第2形態で使用したものであり、図7(c)は、第2補助クッション体13を第1形態で使用したものであり、図7(d)は、第2補助クッション体13を第2形態で使用したものである。なお、図7では、外装カバー体5の図示を省略している。
ここで、上記した第1実施形態及び第2実施形態の椅子用クッション10は、それぞれ別々に使用することも当然可能である。もっとも、使用者が求め感じる座り心地に合わせて、第1実施形態の補助クッション体3(以下「第1補助クッション体3」という。)と第2実施形態の補助クッション体13(以下「第2補助クッション体13」という。)とのいずれか一方とその他方とを適宜入れ替えて本体クッション体2に取り付けて使用することができる。
この場合、第1補助クッション体3及び第2補助クッション体13は、その厚み(ここでは第1及び第2補助クッション体13の全体厚み、高反発層6の厚み、低反発層7の厚みをいう。)が双方異なるものではあるが、互いの平面形状及び平面寸法は同一のものであり、いずれも同一の凹所8内に合致して嵌合されるものとなる。
まず、第1及び第2実施形態の椅子用クッション1,10によれば、椅子の座面上に載せ敷かれて、この上に使用者が着座して使用される。椅子用クッション1,10の上に着座した使用者臀部等は、外装カバー体5により被包された本体クッション体2及び補助クッション体3,13の上に載せられる。ここで、使用者臀部等が本体クッション体2の上に着座した場合、この使用者臀部等のうち、その大腿部及び臀部(臀部骨突出部を除く。)が本体クッション体2の上に、使用者臀部骨突出部が第1又は第2補助クッション体13の上に、それぞれ載せられる。
図7に示すように、本体クッション体2は、その高反発層6が上側に、その低反発層7が下側に、それぞれ位置した状態で椅子の座面上に載せ敷かれて使用される。この状態で、使用者臀部等から使用者加重が加わると、本体クッション体2は、その上側にある高反発層6が弾性変形しながらも高い弾性力を発揮することで本体クッション体2の上面の沈み込みを抑えながら使用者臀部等をしっかりと支える一方で、その下側にある低反発層7が高反発層6よりも低い弾性力を生じつつ弾性変形することで使用者臀部等に作用する反発、衝撃、圧迫などを緩和する。
図7(a)に示すように、第1補助クッション体3が第1形態で凹所8に嵌合されて本体クッション体2とともに使用される場合、使用者が着座すると、第1補助クッション体3は、使用者臀部骨突出部から使用者加重を受ける。すると、第1補助クッション体3の上側にある高反発層6は、弾性変形しながらも高い弾性力を発揮することで 第1補助クッション体3の上面の沈み込みを抑えながら使用者臀部骨突出部をしっかりと支える。その一方で、第1補助クッション体3の下側にある低反発層7は、高反発層6より低い弾性力を生じつつ弾性変形することで、使用者臀部骨突出部に作用する反発、衝撃、圧迫などを軽減する。
ここで、第1実施形態の椅子用クッション1によれば、本体クッション体2及び第1補助クッション体3は、その全体厚み、その高反発層6及び低反発層7の厚みが互いに同じとなり、かつ、本体クッション体2及び第1補助クッション体3の上面が面一となる。しかも、第1補助クッション体3を第1形態で使用する場合には、高反発層6及び低反発層7の上下位置関係も同じものとなる。
このため、第1補助クッション体3を第1形態で使用する場合は、使用者加重(外力)が作用した場合の反発、衝撃、圧迫その他の使用者が感じる座り心地に影響を与える特性を、本体クッション体2及び第1補助クッション体3の双方ともに同等にでき、本体クッション体2及び第1補助クッション体3があたかも一体化したクッション体かのような座り心地を使用者に付与できる。このため、第1形態の第1補助クッション体3は、自力で起立又は着座できてその臀部等に感覚のある使用者に対して適した座り心地となる。
また一方で、第1補助クッション体3を第1形態で使用したときに使用者臀部骨突出部に痛みを感じるような場合、図7(b)に示すように、第1補助クッション体3の上下を反転して第1補助クッション体3を第2形態に変更して使用することで、高反発層6よりも弾性力(反発弾性)が低い低反発層7が第1補助クッション体3の上面側となった状態で、椅子用クッションを使用する。
図7(b)に示すように、第1補助クッション体3が第2形態で凹所8に嵌合されて本体クッション体2とともに使用される場合、使用者が着座すると、第1補助クッション体3は、使用者臀部骨突出部から使用者加重を受ける。このとき、第1補助クッション体3の上面側にある低反発層7は、弾性変形しながら低い弾性力を発揮して高反発層6に比べてより柔らかく沈み込んで使用者臀部骨突出部を受け止めるので、使用者臀部骨突出部に対する反発、衝撃、圧迫などを軽減でき、使用者臀部骨突出部の除圧が図られる。また、第1補助クッション体3の低反発層7の下側にある高反発層6は、低反発層7よりも高い弾性力を生じて弾性変形することで、使用者臀部骨突出部の必要以上の沈み込みを抑制し、使用者臀部骨突出部に及ぼす反発、衝撃、圧迫などを緩和し、使用者臀部骨突出部の座り心地の悪化を抑制する。
以上のように、第1補助クッション体3は、それを第1形態又は第2形態のそれぞれを使い分けることで、使用者臀部骨突出部が感じる座り心地を適宜変更することができ、特に、第1補助クッション体3を第2形態で使用する場合には、第1補助クッション体3を第1形態で使用するときに使用者臀部骨突出部に違和感や褥瘡を生じるような使用者であっても、そのような違和感や褥瘡を軽減し又は回避することができるようになる。
また、このように第1補助クッション体3を第2形態で使用することによって、例えば、自力による起立及び着座が難しい使用者、自力による起立及び着座が不能な使用者、又は、臀部骨突出部に褥瘡ができやすい使用者に対しても、その使用者臀部骨突出部に対する除圧がなされ、褥瘡の発生や悪化を防止又は軽減でき、座り心地を高めることができるようになる。
図7(c)及び図7(d)に示すように、第2実施形態の椅子用クッション10によれば、第2補助クッション体13が本体クッション体2の嵌合凹部に嵌合された場合、第2補助クッション体13が本体クッション体2に比べて薄く形成されるため、使用者加重の未作用状態でも、第2補助クッション体13の上面が本体クッション体2の上面に対して一段低く沈み込んで上面間段差が生じる。
このため、使用者加重が本体クッション体2及び第2補助クッション体13に作用した場合に、上記した上面間段差がある分、本体クッション体2は第2補助クッション体13に比べて弾性変形に伴う圧縮変形が大きくなり、その分、第2補助クッション体13の上面に使用者臀部骨突出部から荷重が伝わり難くなり、第2補助クッション体13が人体に及ぼす弾性力が低減されるので、使用者臀部骨突出部に及ぶ反発、衝撃、圧迫などを軽減して、かかる使用者臀部骨突出部の痛みや褥瘡の発生を更に軽減することができる。
特に、図7(c)に示すように、第2補助クッション体13を第1形態で使用する場合は、第2補助クッション体13の上面側が高反発層6となるので、第2形態の場合に比べて使用者臀部骨突出部を支え易くできる。このため、第2補助クッション体13が第1形態であれば、自力での起立及び着座が不能であって2時間程度座り続けるとその使用者臀部骨突出部の皮膚に発赤などの軽い炎症や損傷を生じやすい使用者に対しても、このような症状を抑制又は軽減することができる。
しかも、第2補助クッション体13の高反発層6の厚みはその低反発層7の厚みに比べて薄く形成されるので、第1形態で第2補助クッション体13を使用する場合でも、第2補助クッション体13が使用者加重に対する反発、衝撃、圧迫その他の特性を更に低減でき、使用者臀部骨突出部に対する負荷を低減して座り心地をより高めることができる。
一方、図7(d)に示すように、第2補助クッション体13を上下反転して第1形態から第2形態に変更して使用する場合は、第2補助クッション体13の上面側が低反発層7となるので、第1形態の場合に比べて使用者臀部骨突出部に対する弾性力が低減されて、使用者臀部骨突出部に及ぶ反発、衝撃、圧迫などを更に軽減することができる。
このため、第2補助クッション体13を第1形態で使用したときに臀部骨突出部に発赤などの軽い炎症や損傷を生じ易い場合、発赤が生じてしまい除圧後も数分経っても消えない場合、又は、そこに痛みを感じるような場合の使用者には、第2形態にした第2補助クッション体13を使用することで、第2補助クッション体13の上面側を低反発層7にして、使用者臀部骨突出部に作用する反発、衝撃、圧迫などを更に軽減して使用者臀部骨突出部の痛みや炎症や損傷を更に低減でき、座り心地をより高めつつ使用者臀部骨突出部の褥瘡予防を図ることができる。
また、このように第2補助クッション体13を第2形態で使用することによって、例えば、自力での起立が不能な使用者や、着座中に臀部等を浮かしたり身体を左右に傾ける動作で臀部等の除圧が不能である使用者や、そのような除圧を忘れてしまう使用者に対し、使用者臀部骨突出部の褥瘡予防効果がより高いものとできる。
以上説明したように、第1及び第2実施形態の椅子用クッション1,10によれば、使用者の各種状況、例えば、使用者の自力による起立及び着座の能力の有無、使用者臀部等の感覚の有無、2時間程度座り続けるとその使用者臀部骨突出部の皮膚に発赤などの軽い炎症や損傷を生じるか否かなどの種々の状況に応じて、第1形態の第1補助クッション体3、第2形態の第1補助クッション体3、第1形態の第2補助クッション体13、又は、第2形態の第2補助クッション体13を適宜選択でき、使用者の状況(症状)に合わせた座り心地を提供し、特に、使用者臀部骨突出部の褥瘡の発生を防止するように対処できる。
次に、図8から図19を参照して、第3から第7実施形態の椅子用クッション30,40,50,60,70について説明する。なお、第3から第7実施形態については、上記した第1及び/又は第2実施形態に記載済みの技術事項を適宜適用しても良い。例えば、椅子用クッション体の各部の寸法(サイズ)、形状、材質などについても、上記第1及び/又は第2実施形態に記載した技術事項を、以下の第3から第7実施形態の椅子用クッション体にも適宜適用しても良い。
なお、以下に説明する各実施形態では、本体クッション体の第n層部分と、その本体クッション体の第n層部分と対を成す補助クッション体の第n層部分と、その補助クッション体の第n層部分が嵌合されるとともに本体クッション体の第n層部分に凹設される区間凹所(以下「第n層部分の区間凹所」という。)とは互いに対応づけられた関係となる。
<第3実施形態>
まず、図8及び図9を参照して、第3実施形態の椅子用クッション30について説明する。第3実施形態の椅子用クッション30は、第1実施形態の椅子用クッション1に対し、本体クッション体及び補助クッション体について連続気泡多孔質弾性体の積層形態を変更したものである。なお、以下、第3実施形態の椅子用クッション30の説明では、主に、第1及び第2実施形態と同一の部分は同一の符号を付してその説明を省略し、第1及び第2実施形態と異なる部分について異なる符号を付してその説明をする。
図8は、第3実施形態の椅子用クッション30から外装カバー体5が取り外された合体クッション体34を示した六面図であって、図8(a)は、合体クッション体34の平面図であり、図8(b)は、合体クッション体34の右側面図であり、図8(c)は、合体クッション体34の背面図であり、図8(d)は、合体クッション体34の正面図である。
図9(a)は、第3実施形態の補助クッション体33の各単層部分33a~33cの断面図であり、図9(b)は、図8(a)のA8-A8線における断面図であって下記クッション形態(4)及び(5)のときの状態を、図9(c)は、図8(a)のA8-A8線における断面図であって下記クッション形態(6)及び(7)のときの状態を、図9(d)は、図8(a)のA8-A8線における断面図であって下記クッション形態(8)及び(9)のときの状態を、図9(e)は、図8(a)のA8-A8線における断面図であって下記クッション形態(10)のときの状態を、それぞれ図示したものである。
図8に示すように、第3実施形態の椅子用クッション30は、本体クッション体32と、補助クッション体33とを備えており、併せて図1(a)に示した外装カバー体5を備えている。ただし、第3実施形態では、外装カバー体5の図示を省略しているが、第3実施形態の外装カバー体5は第1及び第2実施形態の外装カバー体5と寸法を除いて同様のものである。
この第3実施形態の椅子用クッション30の合体クッション体34は、連続気泡多孔質弾性体で形成される本体クッション体32と、その本体クッション体32の後端部(図8(a)上側端部、図8(b)右側端部)における横幅方向(図8(a)、図8(c)及び図8(d)の左右方向)中央に凹設される凹所38(以下「階段状凹所38」ともいう。)と、その凹所38内に嵌合可能でかつ連続気泡多孔質弾性体で形成され、当該凹所38内に着脱自在に嵌合可能であって、その凹所38に嵌合された状態で本体クッション体32の上面と同一(図9(b)参照。)又はその上面より低い位置(図9(c)及び図9(d)参照。)に上面を有する補助クッション体33とを備えている。
この第3実施形態の椅子用クッション30によれば、使用者臀部骨突出部、特に、臀部左右の坐骨結節部や尾骨部が凹所38に、また使用者の大腿部及び臀部の他部位が本体クッション体32の上面に、それぞれ位置するように使用者が着座する。この着座によって、使用者の大腿部及び臀部の他部位は本体クッション体32によって支持され、使用者臀部骨突出部は凹所38に填まり込むか又はこの凹所38内に嵌合される補助クッション体33によって支持される。
本体クッション体32は、その厚み方向に4つの層に分割されており、これらの4つの単層部分32a~32dが積層した積層体となっている。即ち、本体クッション体32は、その上面側から下面側へ向かって、第1層部分32a、第2層部分32b、第3層部分32c、及び、第4層部分32dの順番で、これら4層が積層するようになっている。
なお、第3から第7実施形態の椅子用クッションにおいて、その本体クッション体及びその各単層部分は、いずれも第1及び第2実施形態と同様に、平面視四角形状に形成されている。
補助クッション体33は、その厚み方向に3つの層に分割されており、これらの3つの単層部分33a~33cが積層した積層体であって(図9(a)参照。)、階段状凹所38内に嵌合された状態で、本体クッション体32の上面側から下面側へ向かって第1層部分33a、第2層部分33b、及び、第3層部分33cの順番で、これら3層が積層状態となって階段状凹所38内にその内周形状に合致した状態で収容される。
本体クッション体32の第1から第3層部分32a~32cのそれぞれは、補助クッション体33の第1から第3層部分33a~33cのそれぞれに対応づけられており、即ち、本体クッション体32の第1層部分32aが補助クッション体33の第1層部分33aに、その第2層部分32bがその第2層部分33bに、その第3層部分32cがその第3層部分33cに、それぞれ対応づけられており、本体クッション体32と補助クッション体33の互いに対応する単層部分同士が同等の厚みに形成されている。
このように本体クッション体32及び補助クッション体33をその厚み方向において複数層に分割分離させた積層体(重畳体)とし、後述する(1)から(10)のクッション形態のように各層の反発弾性率を上下に隣り合う他層の反発弾性率に対して高低異なるものに適宜変更することによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッションに着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
また、本体クッション体32及び補助クッション体33を外装カバー体5によって被包して使用する場合、本体クッション体32及び補助クッション体33は、その上下に隣り合う層部分同士が非接着状態となっている(図9(a)参照。)。
階段状凹所38は、複数の区間凹所38a~38cが本体クッション体32の厚み方向(図8(a)の紙面に対する垂直方向、図8(b)から図8(d)の上下方向)において階段状に連設することによって、その内周面が本体クッション体32の上面側(図9(b)から図9(e)の上側)から下面側(図9(b)から図9(e)の下側)へ向かって垂直面と平坦面とが交互に3段分連続して階段状に連設されることで下降傾斜した傾斜内周面となっている。
特に、図8(c)及び図8(d)(図9(b)から図9(e)も併せて参照。)に示すように、かかる凹所38は、階段状凹所ではあるが、その全体的な外観を観察すると、その傾斜内周面のうち当該凹所38の横幅方向左右両側の側面が当該横幅方向外側から内側へ向かってそれぞれ傾斜するため背面視した状態で全体として略V字状の外形(輪郭)となり、かつ、その底面が補助クッション体32の単層部分の積層枚数に応じた高低又はその有無に関わらず平坦面状となるので(図9(b)から図9(e)参照。)、その横幅方向左右両側の傾斜した側面を介して使用者臀部骨突出部のように背面視略V字状に下向きに凸状に尖った外形をした部位を左右両側の受け止め易くなり、かつ、その平坦な底面を介して使用者臀部骨突出部における左右の坐骨結節部の双方をまとめて安定的に支持し易くなっている。
なお、このような凹所38に関する全体的な外観、即ち、その横幅方向左右両側の背面視略V字状をした傾斜面及びその平坦状の底面の双方を備えた形態は、後述する第4から第6実施形態に関する凹所48,58,68の全体的な外観にも共通するものであり、これら凹所48,58,68についても、その横幅方向左右両側の傾斜した側面を介して使用者臀部骨突出部のように背面視略V字状に下向きに凸状に尖った外形をした部位を左右両側の受け止め易く、かつ、その平坦な底面を介して使用者臀部骨突出部における左右の坐骨結節部の双方をまとめて安定的に支持し易くなる(図11(b)から図11(f)、図13(b)から図13(e)、図15(b)から図15(e)参照。)。
また、図8(a)に示すように、階段状凹所38における複数の区間凹所38a~38cは、その平面視した状態での開口形状がいずれも平面視略U字形に形成されている。
なお、第3から第7実施形態の椅子用クッションにおいて、その本体クッション体に設けられる凹所又はその各区間凹所は、それが設けられる本体クッション体又はその単層部分の後端部(の縁辺)の横幅方向中央に平面視略U字形に切り込みを入れて、この本体クッション体又はその単層部分の後端部分からその一部分を分離切除することによってできる平面視略U字形の輪郭(外形)線に沿って切り抜かれた凹所であり、この凹所又は区間凹所の形成のための切り抜きに伴って本体クッション体又はその単層部分から分離切除された部分の形状は、この凹所又は区間凹所に合致して嵌合される補助クッション体又はその単層部分の形状と一致したものとなる。また、この凹所又は区間凹所の開口面積とは、その凹所又は区間凹所の形成に伴って本体クッション体又はその単層部分から切り抜かれた部分の平面形状の平面面積をいう。
複数の区間凹所38a~38cは、図8(a)に示すように、区間凹所38a、区間凹所38b、及び、区間凹所38cの順に、その平面視した開口形状の外周輪郭が内方に一定の幅ずつ徐々に小さくなっており、これら複数の区間凹所38a~38cの開口面積が、本体クッション体32の上面側(図8(a)の紙面に対する垂直方向手前側、図8(b)から図8(d)の上側)から下面(図8(a)の紙面に対する垂直方向奥側、図8(b)から図8(d)の下側)へ向かって、区間凹所38a、区間凹所38b、及び、区間凹所38cの順に小さく形成されている。
また、この階段状凹所38は、図8に示すように、本体クッション体32の(第1層部分32aの)上面からその第4層部分32dの上面(階段状凹所38の底面、即ち、区間凹所38cの底面)まで3段分凹んだ窪みとなっており、この階段状凹所38の底面(区間凹所38cの底面)が本体クッション体32の第4層部分32dの上面によって形成されている。
また、補助クッション体33の複数の単層部分33a~33cは、複数の区間凹所38a~38cのそれぞれに対応づけて嵌合可能に形成されている。具体的には、複数クッション体33の第1層部分33aが区間凹所38aに、その第2層部分33bが区間凹所38bに、その第3層部分33cが区間凹所38cに、それぞれ対応づけて平面形状及び厚さを含めた全体形状が合致するように形成されている。このため、補助クッション体33は、これら単層部分33a~33cが複数の区間凹所38a~38cのそれぞれに対応づけて嵌合された状態において、これら複数の単層部分33a~33cが積層状態で階段状凹所38内の全体を隙間なく埋め尽くすように合致した状態で収容された形態となる。
この補助クッション体33によれば、その第1から第3層部分33a~33cまでの全てを階段状凹所38内に積層した場合に嵌合すると、補助クッション体33(の第1層部分33a)の上面と本体クッション体32(の第1層部分32a)の上面とを面一にすることができる一方、その第1から第3層部分33a~33cを階段状凹所38に対して着脱することによって、階段状凹所38の凹みの高低(深さ)を調整でき、使用者臀部骨突出部に及ぶ体圧を適宜調整することができる。
例えば、第3実施形態の椅子用クッション30は、補助クッション体33がその厚み方向に複数層に分割分離されているので、その積層(重畳)数を増減して段差の深さを適宜変更することによって、次の(1)から(3)のクッション形態を使い分けることで、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッション30に着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
<クッション形態(1)>
補助クッション体33の厚みと凹所38の深さとを同じにすることによって、補助クッション体33を凹所38内に嵌合保持した状態で補助クッション体33の上面と本体クッション体32の上面とが同じ高さ位置となって面一となったクッション形態(図8及び図9(b)参照。)。
<クッション形態(2)>
補助クッション体33の厚みを凹所38の深さより小さくすることによって、補助クッション体33を凹所38内に嵌合保持した状態で補助クッション体33の上面が本体クッション体32の上面と比べて低い高さ位置となって「段差」ができたクッション形態(図9(c)及び図9(d)参照。)。
<クッション形態(3)>
補助クッション体33全体を凹所38内から抜脱した状態であって凹所38内を空にすることによって、本体クッション体32の上面から凹所38の底部(底面)まで落ち込んだ「凹み」ができたクッション形態(図9(e)参照。)。
特に、上記(2)又は(3)のクッション形態によれば、使用者が椅子用クッション30に着座した場合、使用者臀部骨突出部が凹所38に填まり込むか又はこの凹所38内に嵌合される補助クッション体33を介して本体クッション体32の上面より低い位置で支持されることによって、この使用者の体重の大部分は使用者の大腿部や臀部(臀部骨突出部を除く。)を支持する本体クッション体32に対して作用するので、使用者臀部骨突出部への圧力集中が低減され、かかる使用者臀部骨突出部に及ぶ体圧の分散が図られる。この使用者臀部骨突出部に対する体圧分散によって、この使用者臀部骨突出部の皮膚に対する毛細血管中の血圧を超える外力(圧力)での圧迫が防止され、かかる圧迫による毛細血管の変形に伴う血行障害が防止され、かかる血行障害に起因する使用者臀部骨突出部での褥瘡の発生又は悪化を回避することができる。
また、本体クッション体32及び補助クッション体33について、その最上層部分をその下側に位置する部分と比べて低い反撥弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成することによって、使用者が感じる座面の肌触りや座面を押したときの安心感を向上することができる。また、本体クッション体32及び補助クッション体33について、その最下層部分をその上側に位置する部分と比べて低い反撥弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成することによって、体圧分散性を向上することもできる。
そのうえ、第3実施形態の椅子用クッション30によれば、図9(a)に示した補助クッション体33の第1から第3層部分33a~33cを用いて、図9(b)から図9(e)に示すように、以下の(4)から(10)のクッション形態を使い分けることによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡のでき易さに応じて、連続気泡多孔質弾性体の反発弾性率の高低を組み替え、使用者臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整できる。
<クッション形態(4)>
図9(b)に示した合体クッション体34のクッション形態(4)であって、本体クッション体32は、その第1及び第4層部分32a,32dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体33は、その第1から第3層部分33a~33cの積層体となっており、その補助クッション体33の上層部分、中間層部分及び下層部分である第1から第3層部分33a~33cが本体クッション体32の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
例えば、このクッション形態(4)は、本体クッション体32において、第1及び第4層部分32a,32dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体33において、第1から第3層部分33a~33cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(5)>
図9(b)に示した合体クッション体34のクッション形態(5)であって、本体クッション体32は、その第1及び第4層部分32a,32dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体33は、その第1から第3層部分33a~33cの積層体となっており、その補助クッション体33の上層部分である第1層部分33aが本体クッション体32の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体33の中間層部分及び下層部分である第2及び第3層部分33b,33cが本体クッション体32の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
例えば、このクッション形態(5)は、本体クッション体32において、第1及び第4層部分32a,32dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体33において、第1層部分33aが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分33b,33cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(6)>
図9(c)に示した合体クッション体34のクッション形態(6)であって、本体クッション体32は、その第1及び第4層部分32a,32dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体33は、その第2及び第3層部分33b,33cの積層体となっており、その補助クッション体33の上層部分及び下層部分である第2及び第3層部分33b,33cが本体クッション体32の中間層部分である第2及び第3層部分33b,33cと比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
例えば、このクッション形態(6)は、本体クッション体32において、第1及び第4層部分32a,32dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体33において、第2及び第3層部分33b,33cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(7)>
図9(c)に示した合体クッション体34のクッション形態(7)であって、本体クッション体32は、その第1及び第4層部分32a,32dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体33は、その第2及び第3層部分33b,33cの積層体となっており、その補助クッション体33の上層部分である第2層部分33bが本体クッション体32の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体33の下層部分である第3層部分33cが本体クッション体32の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
例えば、このクッション形態(7)は、本体クッション体32において、第1及び第4層部分32a,32dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体33において、第2層部分33bが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第3層部分33cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(8)>
図9(d)に示した合体クッション体34のクッション形態(8)であって、本体クッション体32は、その第1及び第4層部分32a,32dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体33は、その第3層部分33cのみとなっており、その補助クッション体33の第3層部分33cが本体クッション体32の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されてるクッション形態。
例えば、このクッション形態(8)は、本体クッション体32において、第1及び第4層部分32a,32dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体33において、第3層部分33cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(9)>
図9(d)に示した合体クッション体34のクッション形態(9)であって、本体クッション体32は、その第1及び第4層部分32a,32dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体33は、その第3層部分33cのみとなっており、その補助クッション体33の第3層部分33cが本体クッション体32の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されてるクッション形態。
例えば、このクッション形態(9)は、本体クッション体32において、第1及び第4層部分32a,32dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体33において、第3層部分33cが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(10)>
図9(e)に示した合体クッション体34のクッション形態(10)であって、本体クッション体32は、その第1及び第4層部分32a,32dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体33の第1から第3層部分33a~33cの全てが階段凹所38の区間凹所38a~38c内の全てから抜脱された状態となったクッション形態。
例えば、このクッション形態(10)は、本体クッション体32において、第1及び第4層部分32a,32dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
なお、本体クッション体32の第1層部分32aは、その第4層部分32dに比べて高い反発弾性率であっても良く、更に、第2層部分32b及び32cと同等の反発弾性率であっても良い。また、本体クッション体32の第4層部分32dは、その第2及び第3層部分32b,32cと比べて同等の反発弾性率であっても良い。
このように構成された第3実施形態の椅子用クッション30に使用者が着座した場合、特に上記した(2)、(3)又は(6)から(10)のいずれかのクッション形態によれば、凹所38内に嵌合される補助クッション体33を介して使用者臀部骨突出部が本体クッション体32の上面より低い位置で支持されるか、又は、凹所38に使用者臀部骨突出部が填まり込むことによって、この使用者の体重の大部分は使用者の大腿部や臀部(臀部骨突出部を除く。)を支持する本体クッション体32に作用するので、使用者臀部骨突出部への圧力集中が低減され、かかる使用者臀部骨突出部に及ぶ体圧の分散が図られる。この使用者臀部骨突出部に対する体圧分散によって、この使用者臀部骨突出部の皮膚に対する毛細血管中の血圧を超える外力(圧力)での圧迫が防止され、かかる圧迫による毛細血管の変形に伴う血行障害が防止され、かかる血行障害に起因する使用者臀部骨突出部での褥瘡の発生又は悪化を回避することができる。
<第4実施形態>
次に、図10及び図11を参照して、第4実施形態の椅子用クッション40について説明する。第4実施形態の椅子用クッション40は、第3実施形態の椅子用クッション30に対し、特に、補助クッション体の積層数と凹所の深さを変更したものである。なお、以下、第4実施形態の椅子用クッション40の説明では、主に、第1から第3実施形態と同一の部分は同一の符号を付してその説明を省略し、第1から第3実施形態と異なる部分について異なる符号を付してその説明をする。
図10は、第4実施形態の椅子用クッション40から外装カバー体5が取り外された合体クッション体44を示した六面図であって、図10(a)は、合体クッション体44の平面図であり、図10(b)は、合体クッション体44の右側面図であり、図10(c)は、合体クッション体44の背面図であり、図10(d)は、合体クッション体44の正面図である。
図11(a)は、第4実施形態の補助クッション体43の各単層部分33a~33c,43dの断面図であり、図11(b)は、図10(a)のA10-A10線における断面図であって下記クッション形態(11)及び(12)のときの状態を、図11(c)は、図10(a)のA10-A10線における断面図であって下記クッション形態(13)及び(14)のときの状態を、図11(d)は、図10(a)のA10-A10線における断面図であって下記クッション形態(15)及び(16)のときの状態を、図11(e)は、図10(a)のA10-A10線における断面図であって下記クッション形態(17)及び(18)のときの状態を、図11(f)は、図10(a)のA10-A10線における断面図であって下記クッション形態(19)のときの状態を、それぞれ図示したものである。
図10に示すように、第4実施形態の椅子用クッション40は、本体クッション体42と、補助クッション体43とを備えており、併せて図1(a)に示した外装カバー体5を備えている。ただし、第4実施形態では、外装カバー体5の図示を省略しているが、第4実施形態の外装カバー体5は第3実施形態の外装カバー体5と寸法を除いて同様のものである。
この第4実施形態の椅子用クッション体40の合体クッション体44は、連続気泡多孔質弾性体で形成される本体クッション体42と、その本体クッション体42の後端部(図10(a)上側端部、図10(b)右側端部)における横幅方向(図10(a)、図10(c)及び図10(d)の左右方向)中央に凹設される凹所48(以下「階段状凹所48」ともいう。)と、その凹所48内に嵌合可能でかつ連続気泡多孔質弾性体で形成され、当該凹所48内に着脱自在に嵌合可能であって、その凹所48に嵌合された状態で本体クッション体42の上面と同一(図11(b)参照。)又はその上面より低い位置(図11(c)及び図11(d)参照。)に上面を有する補助クッション体43とを備えている。
この第4実施形態の椅子用クッション40によれば、使用者臀部骨突出部、特に、臀部左右の坐骨結節部や尾骨部が凹所48に、また使用者の大腿部及び臀部の他部位が本体クッション体42の上面に、それぞれ位置するように使用者が着座する。この着座によって、使用者の大腿部及び臀部の他部位は本体クッション体42によって支持され、使用者臀部骨突出部は凹所48に填まり込むか又はこの凹所48内に嵌合される補助クッション体33によって支持される。
ここで、本体クッション体42は、第3実施形態の本体クッション体32の第4層部分32dに対し、これの一部に区間凹所48dを切り欠き形成したものを第4層部分42dとしたものである。
本体クッション体42は、その厚み方向に4つの層に分割されており、これら4つの単層部分32a~32c,42dが積層した積層体となっている。即ち、本体クッション体42は、その上面側から下面側に向かって、第1層部分32a、第2層部分32b、第3層部分32c、及び、第4層部分42dの順番で、これら4層が積層するようになっている。
補助クッション体43は、その厚み方向に4つの層に分割されており、これら4つの単層部分33a~33c,43dが積層した積層体であって、階段状凹所48内に嵌合された状態で、本体クッション体42の上面側から下面側へ向かって第1層部分33a、第2層部分33b、第3層部分33c、及び、第4層部分43dの順番で、これら4層が積層状態となって階段状凹所48内にその内周形状に合致した状態で収容される。
本体クッション体42の第1から第4層部分32a~32c,42dのそれぞれは、補助クッション体43の第1から第4層部分33a~33c,43dのそれぞれに対応づけられている。即ち、本体クッション体42の第1層部分32aが補助クッション体43の第1層部分33aに、その第2層部分32bがその第2層部分33bに、その第3層部分32cがその第3層部分33cに、その第4層部分42dがその第4層部分43dに、それぞれ対応づけられており、本体クッション体42と補助クッション体43の互いに対応する単層部分同士が同等の厚みに形成されている。
このように本体クッション体42及び補助クッション体43をその厚み方向において複数層に分割分離させた積層体(重畳体)とし、上記した第3実施形態の(1)から(10)のクッション形態のように各層の反発弾性率をそれと上下に隣り合う他層の反発弾性率に対して高低異なるものに適宜変更することによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッション40に着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
また、本体クッション体42及び補助クッション体43を外装カバー体5によって被包して使用する場合、本体クッション体42及び補助クッション体43は、その上下に隣り合う層部分同士が非接着状態となっている(図11(a)参照。)。
階段状凹所48は、複数の区間凹所38a~38c,48dが本体クッション体42の厚み方向(図10(a)の紙面に対する垂直方向、図10(b)から図10(d)の上下方向)において階段状に連設することによって、その内周面が本体クッション体42の上面側(図11(b)から図11(f)の上側)から下面側(図11(b)から図11(f)の上側)へ向かって垂直面と平坦面とが交互に3段分連続して階段状に連設されることで下降傾斜した傾斜内周面となっている。
なお、この階段状凹所48は、第3実施形態の階段状凹所38の区間凹所38cに対し、その下側に更に区間凹所48dを連設して合計4段分の垂直面と平坦面とが交互に連続して階段状に連設されたものである。
また、図10(a)に示すように、階段状凹所48における複数の区間凹所38a~38c,48dは、その平面視した状態での開口形状がいずれも平面視略U字形に形成されている。
複数の区間凹所38a~38c,48dは、図10(a)に示すように、区間凹所38a、区間凹所38b、区間凹所38c、区間凹所48dの順に、その平面視した開口形状の外周輪郭が内方に一定の幅ずつ徐々に小さくなっており、これら複数の区間凹所38a~38c,48dの開口面積が、本体クッション体42の上面側(図10(a)の紙面に対する垂直方向手前側、図10(b)から図10(d)の上側)から下面(図10(a)の紙面に対する垂直方向奥側、図10(b)から図10(d)の下側)へ向かって、区間凹所38a、区間凹所38b、区間凹所38c、及び、区間凹所48dの順に小さく形成されている。
また、この階段状凹所48は、図10に示すように、本体クッション体42の上面から下面まで貫通した格好で4段に凹んだ窪みとなっており、この階段状凹所48の底面(区間凹所48dの底面)が本体クッション体42の第4層部分42dの下面まで貫通した無底凹所となっている(図11(f)参照。)。
また、補助クッション体43の複数の単層部分33a~33c,43dは、複数の区間凹所38a~38c,48dのそれぞれに対応づけて嵌合可能に形成されている。具体的には、補助クッション体43の第1層部分33aが区間凹所38aに、第2層部分33bが区間凹所38bに、第3層部分33cが区間凹所38cに、第4層部分43dが区間凹所48dに、それぞれ対応づけて平面形状及び厚さを含めた全体形状が合致するように形成されている。このため、補助クッション体43は、これら単層部分33a~33c,43dが複数の区間凹所38a~38c,43dのそれぞれに対応づけて嵌合された状態において、これら複数の単層部分33a~33c,43dが積層状態で階段状凹所48内の全体を隙間なく埋め尽くすように合致した状態で収容された形態となる。
この補助クッション体43によれば、その第1から第4層部分33a~33c,43dまでの全てを階段状凹所48内に積層した状態で嵌合すると、補助クッション体43(の第1層部分33a)の上面と本体クッション体42(の第1層部分32a)の上面とを面一にすることができる一方、その第1から第4層部分33a~33c,43dを階段状凹所48に対して着脱することによって、階段状凹所48の凹みの高低(深さ)を調整でき、使用者臀部骨突出部に及ぶ体圧を適宜調整することができる。
例えば、上記した第4実施形態の椅子用クッション40は、補助クッション体43がその厚み方向に複数層に分割分離されているので、その積層(重畳)数を増減して段差の深さを適宜変更することによって、上記した第3実施形態において記載した(1)から(3)のクッション形態を使い分けることで、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッション40に着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
なお、第4実施形態の椅子用クッション40において、上記した第3実施形態における(1)から(3)のクッション形態を適用する場合、これらクッション形態(1)~(3)に係る記載事項について、「本体クッション体32」を「本体クッション体42」と、「補助クッション体33」を「補助クッション体43」と、「凹所38」を「凹所48」と、「図8及び図9(b)参照」を「図10及び図11(b)参照」と、「図9(c)及び図9(d)参照」を「図11(c)から図11(e)参照」と、「図9(e)参照」を「図11(f)参照」と、それぞれ読み替えて適用する。
そのうえ、第4実施形態の椅子用クッション40によれば、図11(a)に示した補助クッション体43の第1から第4層部分33a~33c,43dを用いて、図11(b)から図11(f)に示すように、以下の(11)から(19)のクッション形態を使い分けることによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡のでき易さに応じて、連続気泡多孔質弾性体の反発弾性率の高低を組み替え、使用者臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整できる。
<クッション形態(11)>
図11(b)に示した合体クッション体44のクッション形態(11)であって、本体クッション体42は、その第1及び第4層部分32a,42dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体43はその第1から第4層部分33a~33c,43dの積層体となっており、その補助クッション体43の下層部分である第4層部分43dが本体クッション体32の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体43の上層部分及び中間層部分である第1から第3層部分33a~33cが本体クッション体42の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
例えば、このクッション形態(11)は、本体クッション体42において、第1及び第4層部分32a,42dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体43において、第1から第3層部分33a~33cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第4層部分43dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(12)>
図11(b)に示した合体クッション体44のクッション形態(12)であって、本体クッション体42は、その第1及び第4層部分32a,42dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体43はその第1から第4層部分33a~33c,43dの積層体となっており、その補助クッション体43の上層部分及び下層部分である第1及び第4層部分33a,43dが本体クッション体42の中間層部分である第2及び第3層部分33b,33cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体43の中間層部分である第2及び第3層部分33b,33cが本体クッション体42の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
例えば、このクッション形態(12)は、本体クッション体42において、第1及び第4層部分32a,42dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体43において、第1及び第4層部分33a,43dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分33b,33cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(13)>
図11(c)に示した合体クッション体44のクッション形態(13)であって、本体クッション体42は、その第1及び第4層部分32a,42dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体43は、その第2から第4層部分33b~33c,43dの積層体となっており、その補助クッション体43の下層部分である第4層部分43dが本体クッション体42の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体43の上層部分及び中間層部分である第2及び第3層部分33b,33cが本体クッション体42の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
例えば、このクッション形態(13)は、本体クッション体42において、第1及び第4層部分32a,42dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体43において、第2及び第3層部分33b,33cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第4層部分43dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(14)>
図11(c)に示した合体クッション体44のクッション形態(14)であって、本体クッション体42は、その第1及び第4層部分32a,42dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体43は、その第2から第4層部分33b~33c,43dの積層体となっており、その補助クッション体33の上層部分及び下層部分である第2及び第4層部分33b,43dが本体クッション体32の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体33の中間層部分である第3層部分33cが本体クッション体42の中間層部分である第2及び第3層部分33b,33cと比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
例えば、このクッション形態(14)は、本体クッション体42において、第1及び第4層部分32a,42dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体43において、第2及び第4層部分33b,43dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第3層部分33cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(15)>
図11(d)に示した合体クッション体44のクッション形態(15)であって、本体クッション体42は、その第1及び第4層部分32a,42dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体43は、その第3及び第4層部分33c,43dの積層体となっており、その補助クッション体43の下層部分である第4層部分43dが本体クッション体42の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、その補助クッション体43の上層部分である第3層部分33cが本体クッション体42の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
例えば、このクッション形態(15)は、本体クッション体42において、第1及び第4層部分32a,42dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体43において、第4層部分43dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第3層部分33cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(16)>
図11(d)に示した合体クッション体44のクッション形態(16)であって、本体クッション体42は、その第1及び第4層部分32a,42dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体43は、その第3及び第4層部分33c,43dの積層体となっており、その補助クッション体43の上層部分及び下層部分である第3及び第4層部分33c,43dが本体クッション体42の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されてるクッション形態。
例えば、このクッション形態(16)は、本体クッション体42において、第1及び第4層部分32a,42dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体43において、第3及び第4層部分33c,43dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(17)>
図11(e)に示した合体クッション体44のクッション形態(17)であって、本体クッション体42は、その第1及び第4層部分32a,42dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体43は、その第4層部分43dのみとなっており、その補助クッション体43の上層部分かつ下層部分である第4層部分43dが本体クッション体42の中間層部分である第2及び第3層部分32b,32cと比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
例えば、このクッション形態(17)は、本体クッション体42において、第1及び第4層部分32a,42dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体43において、第4層部分43dが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(18)>
図11(e)に示した合体クッション体44のクッション形態(18)であって、本体クッション体42は、その第1及び第4層部分32a,42dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体43は、その第4層部分43dのみとなっており、その補助クッション体43の上層部分かつ下層部分である第4層部分43dが本体クッション体42の中間層部分である第2及び第3層部分33b,33cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されているクッション形態。
例えば、このクッション形態(18)は、本体クッション体42において、第1及び第4層部分32a,42dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、補助クッション体43において、第4層部分43dが底反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<クッション形態(19)>
図11(f)に示した合体クッション体44のクッション形態(19)であって、本体クッション体42は、その第1及び第4層部分32a,42dがその第2及び第3層部分32b,32cと比べて低い反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成されており、補助クッション体43の第1から第4層部分43dの全てが凹所内から抜脱された状態となったクッション形態。
例えば、このクッション形態(19)は、本体クッション体32において、第1及び第4層部分32a,42dが低反発連続気泡多孔質弾性体で形成され、第2及び第3層部分32b,32cが高反発連続気泡多孔質弾性体で形成されたものとなる。
<第5実施形態>
次に、図12及び図13を参照して、第5実施形態の椅子用クッション50について説明する。第5実施形態の椅子用クッション50は、第3実施形態の椅子用クッション30に対し、特に、階段状凹所の階段の形状を変更したものである。なお、以下、第5実施形態の椅子用クッション50の説明では、主に、第1から第4実施形態と同一の部分は同一の符号を付してその説明を省略し、第1から第4実施形態と異なる部分について異なる符号を付してその説明をする。
図12は、第5実施形態の椅子用クッション50から外装カバー体5が取り外された合体クッション体54を示した六面図であって、図12(a)は、合体クッション体54の平面図であり、図12(b)は、合体クッション体54の右側面図であり、図12(c)は、合体クッション体54の背面図であり、図12(d)は、合体クッション体54の正面図である。
図13(a)は、第5実施形態の補助クッション体53の各単層部分53a~53cの断面図であり、図13(b)は、図12(a)のA12-A12線における断面図であって上記クッション形態(4)及び(5)に対応する形態を、図13(c)は、図12(a)のA12-A12線における断面図であって上記クッション形態(6)及び(7)に対応する形態を、図13(d)は、図12(a)のA12-A12線における断面図であって上記クッション形態(8)及び(9)に対応する形態を、図13(e)は、図12(a)のA12-A12線における断面図であって上記クッション形態(10)に対応する形態を、それぞれ図示したものである。
図12に示すように、第5実施形態の椅子用クッション50は、本体クッション体52と、補助クッション体53とを備えており、併せて図1(a)に示した外装カバー体5を備えている。ただし、第5実施形態では、外装カバー体5の図示を省略しているが、第5実施形態の外装カバー体5は第3実施形態の外装カバー体5と寸法を除いて同様のものである。
この第5実施形態の椅子用クッション50の合体クッション体54は、連続気泡多孔質弾性体で形成される本体クッション体32と、その本体クッション体52の後端部(図12(a)上側端部、図12(b)右側端部)における横幅方向(図12(a)、図12(c)及び図12(d)の左右方向)中央に凹設される凹所58(以下「階段状凹所58」ともいう。)と、その凹所58内に嵌合可能でかつ連続気泡多孔質弾性体で形成され、当該凹所58内に着脱自在に嵌合可能であって、その凹所58に嵌合された状態で本体クッション体52の上面と同一(図13(b)参照。)又はその上面より低い位置(図13(c)及び図13(d)参照。)に上面を有する補助クッション体53とを備えている。
この第5実施形態の椅子用クッション50によれば、使用者臀部骨突出部、特に、臀部左右の坐骨結節部や尾骨部が凹所58に、また使用者の大腿部及び臀部の他部位が本体クッション体52の上面に、それぞれ位置するように使用者が着座する。この着座によって、使用者の大腿部及び臀部の他部位は本体クッション体52によって支持され、使用者の臀部骨突出部は凹所58に填まり込むか又はこの凹所58内に嵌合される補助クッション体53によって支持される。
本体クッション体52は、その厚み方向に4つの層に分割されており、これらの4つの単層部分52a~52c,32dが積層した積層体となっている。即ち、本体クッション体52は、その上面側から下面側へ向かって、第1層部分52a、第2層部分52b、第3層部分52c、及び、第4層部分32dの順番で、これら4層が積層するようになっている。
補助クッション体53は、その厚み方向に3つの層に分割されており、これらの3つの単層部分53a~53cが積層した積層体であって(図13(a)参照。)、階段状凹所58内に嵌合された状態で、本体クッション体52の上面側から下面側へ向かって第1層部分53a、第2層部分53b、及び、第3層部分53cの順番で、これら3層が積層状態となって階段状凹所58内にその内周形状に合致した状態で収容される。
本体クッション体52の第1から第3層部分52a~52cのそれぞれは、補助クッション体53の第1から第3層部分53a~53cのそれぞれに対応づけられている。即ち、本体クッション体52の第1層部分52aが補助クッション体53の第1層部分53aに、その第2層部分52bがその第2層部分53bに、その第3層部分52cがその第3層部分53cに、それぞれ対応づけられており、本体クッション体52と補助クッション体53の互いに対応する単層部分同士が同等の厚みに形成されている。
このように本体クッション体52及び補助クッション体53をその厚み方向において複数層に分割分離させた積層体(重畳体)とし、上記した第3実施形態の(1)から(10)のクッション形態のように各層の反発弾性率をそれと上下に隣り合う他層の反発弾性率に対して高低異なるものに適宜変更することによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッション50に着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
また、本体クッション体52及び補助クッション体53を外装カバー体5によって被包して使用する場合、本体クッション体52及び補助クッション体53は、その上下に隣り合う層部分同士が非接着状態となっている(図13(a)参照。)。
階段状凹所58は、複数の区間凹所58a~58cが本体クッション体52の厚み方向(図12(a)の紙面に対する垂直方向、図12(b)から図12(d)の上下方向)において連設することによって、その内周面が本体クッション体52の上面側(図13(b)から図13(e)の上側)から下面側(図13(b)から図13(e)の下側)へ向かって下降傾斜面と平坦面とが交互に3段分連続して階段状に連設されることで下降傾斜した傾斜内周面となっている。
また、図12(a)に示すように、階段状凹所58における複数の区間凹所58a~58dは、その平面視した状態での開口形状がいずれも平面視略U字形に形成されている。
複数の区間凹所58a~58cは、図12(a)に示すように、区間凹所58a、区間凹所58b、及び、区間凹所58cの順に、その平面視した開口形状の外周輪郭が内方に一定の幅ずつ徐々に小さくなっており、これら複数の区間凹所58a~58cの開口面積が、本体クッション体52の上面側(図12(a)の紙面に対する垂直方向手前側、図12(b)から図12(d)の上側)から下面(図12(a)の紙面に対する垂直方向奥側、図12(b)から図12(d)の下側)へ向かって、区間凹所58a、区間凹所58b、及び、区間凹所58cの順に小さく形成されている。
また、この階段状凹所58は、図12に示すように、本体クッション体52の上面からその第4層部分32dの上面(階段状凹所58の底面、即ち、区間凹所58cの底面)まで3段分凹んだ窪みとなっており、この階段状凹所58の底面(区間凹所58cの底面)が本体クッション体52の第4層部分32dの上面によって形成されている。
また、補助クッション体53の複数の単層部分53a~53cは、複数の区間凹所58a~58cのそれぞれに対応づけて嵌合可能に形成されている。具体的には、補助クッション体53の第1層部分53aが区間凹所58aに、その第2層部分53bが区間凹所58bに、その第3層部分53cが区間凹所58cに、それぞれ対応づけて平面形状及び厚さを含めた全体形状が合致するように形成されている。このため、補助クッション体53は、これら単層部分53a~53cが複数の区間凹所58a~58cのそれぞれに対応づけて嵌合された状態において、これら複数の単層部分53a~53cが積層状態で階段状凹所58内の全体を隙間なく埋め尽くすように合致した状態で収容された形態となる。
この補助クッション体53によれば、その第1から第3層部分53a~53cまでの全てを階段状凹所58内に積層した状態で嵌合すると、補助クッション体53(の第1層部分53a)の上面と本体クッション体52(の第1層部分52a)の上面とを面一にすることができる一方、その第1から第3層部分33a~33cを階段状凹所58に対して着脱することによって、階段状凹所58の凹みの高低(深さ)を調整でき、使用者臀部骨突出部に及ぶ体圧を適宜調整することができる。
例えば、第5実施形態の椅子用クッション50は、補助クッション体53がその厚み方向に複数層に分割分離されているので、その積層(重畳)数を増減して段差の深さを適宜変更することによって、上記した第3実施形態において記載した(1)から(3)のクッション形態を使い分けることで、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッション50に着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
なお、第5実施形態の椅子用クッション50において、上記した第3実施形態における(1)から(3)のクッション形態を適用する場合、これらクッション形態(1)~(3)に係る記載事項について、「本体クッション体32」を「本体クッション体52」と、「補助クッション体33」を「補助クッション体53」と、「凹所38」を「凹所58」と、「図8及び図9(b)参照」を「図12及び図13(b)参照」と、「図9(c)及び図9(d)参照」を「図13(c)及び図13(d)参照」と、「図9(e)参照」を「図13(e)参照」と、それぞれ読み替えて適用する。
図13に示すように、第5実施形態の椅子用クッション50によれば、図13(a)に示した補助クッション体53の第1から第3層部分53a~53cを用いて、上記した第3実施形態における(4)から(10)のクッション形態を適用して使い分けることによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡のでき易さに応じて、連続気泡多孔質弾性体の反発弾性率の高低を組み替え、使用者臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整できる。
なお、第5実施形態の椅子用クッション50において、上記した第3実施形態における(4)から(10)のクッション形態を適用する場合、これらクッション形態(4)~(10)に係る記載事項について、「合体クッション体34」を「合体クッション体54」と「本体クッション体32」を「本体クッション体52」と、「補助クッション体33」を「補助クッション体53」と、「凹所38」を「凹所58」と、「32a」を「52a」と、「32b」を「52b」と、「32c」を「52c」と、「33a」を「53a」と、「33b」を「53b」と、「33c」を「53c」と、「38a」を「58a」と、「38b」を「58b」と、「38c」を「58c」と、「図9(b)」を「図13(b)」と、「図9(c)」を「図13(c)」と、「図9(d)」を「図13(d)」と、「図9(e)」を「図13(e)」と、それぞれ読み替えて適用する。
<第6実施形態>
次に、図14及び図15を参照して、第6実施形態の椅子用クッション60について説明する。第6実施形態の椅子用クッション60は、第3及び第5実施形態の椅子用クッション30,50に対し、特に、凹所の傾斜内周面の形状を階段状からテーパ状に変更したものである。なお、以下、第6実施形態の椅子用クッション60の説明では、主に、第1から第5実施形態と同一の部分は同一の符号を付してその説明を省略し、第1から第5実施形態と異なる部分について異なる符号を付してその説明をする。
図14は、第6実施形態の椅子用クッション60から外装カバー体5が取り外された合体クッション体64を示した六面図であって、図14(a)は、合体クッション体64の平面図であり、図14(b)は、合体クッション体64の右側面図であり、図14(c)は、合体クッション体64の背面図であり、図14(d)は、合体クッション体64の正面図である。
図15(a)は、第6実施形態の補助クッション体63の各単層部分63a~63cの断面図であり、図15(b)は、図14(a)のA14-A14線における断面図であって上記クッション形態(4)及び(5)に対応する形態を、図15(c)は、図14(a)のA14-A14線における断面図であって上記クッション形態(6)及び(7)に対応する形態を、図15(d)は、図14(a)のA14-A14線における断面図であって上記クッション形態(8)及び(9)に対応する形態を、図15(e)は、図14(a)のA14-A14線における断面図であって上記クッション形態(10)に対応する形態を、それぞれ図示したものである。
図14に示すように、第6実施形態の椅子用クッション60は、本体クッション体62と、補助クッション体63とを備えており、併せて図1(a)に示した外装カバー体5を備えている。ただし、第6実施形態では、外装カバー体5の図示を省略しているが、第6実施形態の外装カバー体5は第3実施形態の外装カバー体5と寸法を除いて同様のものである。
この第6実施形態の椅子用クッション60の合体クッション体64は、連続気泡多孔質弾性体で形成される本体クッション体62と、その本体クッション体62の後端部(図14(a)上側端部、図14(b)右側端部)における横幅方向(図14(a)、図14(c)及び図14(d)の左右方向)中央に凹設される凹所68(以下「テーパ状凹所68」ともいう。)と、その凹所68内に嵌合可能でかつ連続気泡多孔質弾性体で形成され、当該凹所68内に着脱自在に嵌合可能であって、その凹所68に嵌合された状態で本体クッション体62の上面と同一(図15(b)参照。)又はその上面より低い位置(図15(c)及び図15(d)参照。)に上面を有する補助クッション体63とを備えている。
この第6実施形態の椅子用クッション60によれば、使用者臀部骨突出部、特に、臀部左右の坐骨結節部や尾骨部が凹所68に、また使用者の大腿部及び臀部の他部位が本体クッション体62の上面に、それぞれ位置するように使用者が着座する。この着座によって、使用者の大腿部及び臀部の他部位は本体クッション体62によって支持され、使用者の臀部骨突出部は凹所58に填まり込むか又はこの凹所68内に嵌合される補助クッション体53によって支持される。
本体クッション体62は、その厚み方向に4つの層に分割されており、これらの4つの単層部分62a~62c,32dが積層した積層体となっている。即ち、本体クッション体62は、その上面側から下面側へ向かって、第1層部分62a、第2層部分62b、第3層部分62c、及び、第4層部分32dの順番で、これら4層が積層するようになっている。
補助クッション体63は、その厚み方向に3つの層に分割されており、これらの3つの単層部分63a~63cが積層した積層体であって(図15(a))参照。、テーパー状凹所68内に嵌合された状態で、本体クッション体62の上面側から下面側へ向かって第1層部分63a、第2層部分63b、及び、第3層部分63cの順番で、これら3層が積層状態となってテーパ状凹所68内にその内周形状に合致した状態で収容される。
本体クッション体62の第1から第3層部分62a~62cのそれぞれは、補助クッション体63の第1から第3層部分63a~63cのそれぞれに対応づけられている。即ち、本体クッション体62の第1層部分62aが補助クッション体63の第1層部分63aに、その第2層部分62bがその第2層部分63bに、その第3層部分62cがその第3層部分63cに、それぞれ対応づけられており、本体クッション体62と補助クッション体63の互いに対応する単層部分同士が同等の厚みに形成されている。
このように本体クッション体62及び補助クッション体63をその厚み方向において複数層に分割分離させた積層体(重畳体)とし、上記した第3実施形態の(1)から(10)のクッション形態のように各層の反発弾性率をそれと上下に隣り合う他層の反発弾性率に対して高低異なるものに適宜変更することによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッション60に着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
また、本体クッション体62及び補助クッション体63を外装カバー体5によって被包して使用する場合、本体クッション体62及びは補助クッション体63は、その上下に隣り合う層部分同士が非接着状態となっている(図15(a)参照。)。
テーパ状凹所68は、複数の区間凹所68a~68cが本体クッション体62の厚み方向(図14(a)の紙面に対する垂直方向、図14(b)から図14(d)の上下方向)においてテーパ状に連設することによって、その開口面積が本体クッション体62の上面側(図15(b)から図15(e)の上側)から下面側(図15(b)から図15(e)の下側)へ向かって漸減するとともに、その内周面が本体クッション体62の上面側から下面側へ向かって同じ傾斜角度の下降傾斜面が3層分連続してテーパ状に連設されることで下降傾斜した傾斜内周面となっている。
また、図14(a)に示すように、階段状凹所68における複数の区間凹所68a~68cは、その平面視した状態での開口形状がいずれも平面視略U字形に形成されている。
複数の区間凹所68a~68cは、図14(a)に示すように、区間凹所68a、区間凹所68b、及び、区間凹所68cの順に、その平面視した開口形状の外周輪郭が内方に一定の幅ずつ徐々に小さくなっており、これら複数の区間凹所68a~68cの開口面積が、本体クッション体62の上面側(図14(a)の紙面に対する垂直方向手前側、図14(b)から図14(d)の上側)から下面(図14(a)の紙面に対する垂直方向奥側、図14(b)から図14(d)の下側)へ向かって、区間凹所68a、区間凹所68b、及び、区間凹所68cの順に小さく形成されている。
また、このテーパ状凹所68は、図14に示すように、本体クッション体62の上面からその第4層部分32dの上面(階段状凹所68の底面、即ち、区間凹所68cの底面)まで3層分凹んだ窪みとなっており、この階段状凹所68の底面(区間凹所68cの底面)は、本体クッション体62の第4層部分32dの上面によって形成されている。
また、補助クッション体63の複数の単層部分63a~63cは、複数の区間凹所68a~68cのそれぞれに対応づけて嵌合可能に形成されている。具体的には、補助クッション体63の第1層部分63aが区間凹所68aに、第2層部分63bが区間凹所68bに、第3層部分63cが区間凹所68cに、それぞれ対応づけて平面形状及び厚さを含めた全体形状が合致するように形成されている。このため、補助クッション体63は、これら単層部分63a~63cが複数の区間凹所68a~68cのそれぞれに対応づけて嵌合された状態において、これら複数の単層部分63a~63cが積層状態で階段状凹所68内の全体を隙間なく埋め尽くすように合致した状態で収容された形態となる。
この補助クッション体63によれば、その第1から第3層部分63a~63cまでの全てをテーパ状凹所68内に積層した状態で嵌合すると、補助クッション体63(の第1層部分63a)の上面と本体クッション体62(の第1層部分62a)の上面とを面一にすることができる一方、その第1から第3層部分63a~63cをテーパ状凹所68に対して着脱することによって、テーパ状凹所68の凹みの高低(深さ)を調整でき、使用者臀部骨突出部に及ぶ体圧を適宜調整することができる。
例えば、第6実施形態の椅子用クッション60は、補助クッション体63がその厚み方向に複数層に分割分離されているので、その積層(重畳)数を増減して段差の深さを適宜変更することによって、上記した第3実施形態において記載した(1)から(3)のクッション形態を使い分けることで、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッション60に着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
なお、第6実施形態の椅子用クッション60において、上記した第3実施形態における(1)から(3)のクッション形態を適用する場合、これらクッション形態(1)~(3)に係る記載事項について、「本体クッション体32」を「本体クッション体62」と、「補助クッション体33」を「補助クッション体63」と、「凹所38」を「凹所68」と、「図8及び図9(b)参照」を「図14及び図15(b)参照」と、「図9(c)及び図9(d)参照」を「図15(c)及び図15(d)参照」と、「図9(e)参照」を「図15(e)参照」と、
それぞれ読み替えて適用する。
図15に示すように、第6実施形態の椅子用クッション60によれば、図15(a)に示した補助クッション体63の第1から第3層部分63a~63cを用いて、上記した第3実施形態における(4)から(10)のクッション形態を適用して使い分けることによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡のでき易さに応じて、連続気泡多孔質弾性体の反発弾性率の高低を組み替え、使用者臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整できる。
なお、第6実施形態の椅子用クッション60において、上記した第3実施形態における(4)から(10)のクッション形態を適用する場合、これらクッション形態(4)~(10)に係る記載事項について、「合体クッション体34」を「合体クッション体64」と「本体クッション体32」を「本体クッション体62」と、「補助クッション体33」を「補助クッション体63」と、「凹所38」を「凹所68」と、「32a」を「62a」と、「32b」を「62b」と、「32c」を「62c」と、「33a」を「63a」と、「33b」を「63b」と、「33c」を「63c」と、「38a」を「68a」と、「38b」を「68b」と、「38c」を「68c」と、「図9(b)」を「図15(b)」と、「図9(c)」を「図15(c)」と、「図9(d)」を「図15(d)」と、「図9(e)」を「図15(e)」と、それぞれ読み替えて適用する。
以上のように構成された第3から第6実施形態の椅子用クッション30,40,50,60によれば、その合体クッション体34,44,54,64は、図8(b)、図10(b)、図12(b)、図14(b)、図9(b)から図9(e)、図11(b)から図11(f)、図13(b)から図13(e)、及び、図15(b)から図15(e)に示すように、使用者を着座状態で背面視した場合、使用者臀部骨突出部はその外形が下向き凸状に尖るように左右両側が外側から内側へ向かってそれぞれ傾斜した背面視略V字状となることから、このような背面視V字状の使用者臀部骨突出部に合致するように凹所38,48,58,68を横幅方向左右両側を外側から内側へ下降傾斜した傾斜内周面を有した階段状凹所38,48,58又はテーパ状凹所68とすることで、かかる階段状凹所38,48,58内又はテーパ状凹所68内に使用者臀部骨突出部がより深く填まり込み易くなり、結果、使用者臀部骨突出部の体圧分散が行われ易くなる。
また、このような階段状凹所38,48,58又はテーパ状凹所68であれば、その内周に補助クッション体33,43,53,63を嵌合した場合でも、使用者の着座に伴う体圧を受けた補助クッション体33,43,53,63が階段状凹所38,48,58又はテーパ状凹所68の傾斜内周面による規制された空間内で弾性変形するので、補助クッション体33,43,53,63が階段状凹所38,48,58内又はテーパ状凹所68内に嵌合した状態のままでも、使用者臀部骨突出部が階段状凹所38,48,58内又はテーパ状凹所68内に填まり込み易く、使用者臀部骨突出部の体圧分散が有効に行われる。
また、補助クッション体33,43,53,63は、その厚み方向に複数層に分割されるので、この層数を変更することで、補助クッション体33,43,53,63の厚みを大小変更することができ、この結果、本体クッション体32,42,52,62の上面と補助クッション体33,43,53,63の上面との間にできる段差の深さ(高低差)を適宜変更することができ、使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
ここで、第6実施形態の椅子用クッション60によれば、それに使用者が着座すると、使用者臀部の左右外側部分が本体クッション体62における上面のうちテーパ状凹所68の幅方向両側にある部分にて支えられた状態となるが、この状態で、使用者臀部骨突出部のテーパ状凹所68内に填まり込む際に過度に沈み込んでしまうと、かかるテーパ状凹所68の傾斜内周面の傾斜方向に沿って使用者臀部骨突出部周辺の皮膚が引き上げられ、使用者の臀裂が左右に拡げられる格好となり、使用者臀部骨突出部の皮膚が伸びて、この皮膚の伸びによって使用者臀部骨突出部にて毛細血管中の血圧を超える外力(圧力)で圧迫されて、この圧迫による毛細血管の変形に伴って血行障害が生じて使用者臀部骨突出部で褥瘡の発生又は悪化が生じてしまう。
これに対し、第3から第5実施形態の椅子用クッション30,40,50によれば、その階段状凹所38,48,58は、その傾斜内周面が複数段の階段状に下降傾斜しており、かかる階段状凹所38,48,58内に補助クッション体33,43,53の単層部分が複数積層して嵌合収容されることで、補助クッション体33,43,53の各単層部分の外周部分が階段状凹所38,48,58の傾斜内周面の階段部分に載せ置かれた状態となる。
このため、補助クッション体33,43,53(の各単層部分)の外周部分が階段状凹所38,48,58の傾斜内周面に係止された状態となるので、この補助クッション体33,43,53に対して使用者臀部骨突出部の荷重が作用した場合に、この使用者臀部骨突出部の荷重の垂直成分によって補助クッション体33,43,53(の各単層部分)が階段状凹所38,48,58の下方へ向かってずり落ちることを防止でき、使用者臀部骨突出部が階段状凹所38,48,58内で過度に沈み込むことを防止できる。
このように、第3から第5実施形態の椅子用クッション30,40,50によれば、階段状凹所38,48,58における複数段の階段に補助クッション体33,43,53の各単層部分の外周部分を係止させることによって、階段状凹所38,48,58内での補助クッション体33の沈み込みを防止することによって、この補助クッション体33,43,53に載せられた使用者臀部骨突出部が階段状凹所38,48,58内に過度に沈み込むことを防止できるので、かかる凹所38,48,58の傾斜内周面の傾斜方向に沿って使用者臀部骨突出部周辺の皮膚が引き上げられ、使用者の臀裂が左右に拡げられる格好となり、使用者臀部骨突出部の皮膚が伸びて、この皮膚の伸びによって使用者臀部骨突出部にて毛細血管中の血圧を超える外力(圧力)で圧迫されて毛細血管が変形して血行障害が生じて使用者臀部骨突出部で褥瘡の発生又は悪化が生じてしまうことを回避することができる。
例えば、第5実施形態の椅子用クッション50は、補助クッション体53がその厚み方向に複数層に分割分離されているので、その積層(重畳)数を増減して段差の深さを適宜変更することによって、上記した第3実施形態において記載した(1)から(3)のクッション形態を使い分けることで、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッション50に着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
<第7実施形態>
次に、図16及び図17を参照して、第7実施形態の椅子用クッション70について説明する。第7実施形態の椅子用クッション70は、第3及び第5実施形態の椅子用クッション30,50に対し、特に、凹所の内周面の形状を階段状から垂直面状に変更したものである。なお、以下、第7実施形態の椅子用クッション70の説明では、主に、第1から第5実施形態と同一の部分は同一の符号を付してその説明を省略し、第1から第5実施形態と異なる部分について異なる符号を付してその説明をする。
図16は、第7実施形態の椅子用クッション70から外装カバー体5が取り外された合体クッション体74を示した六面図であって、図16(a)は、合体クッション体74の平面図であり、図16(b)は、合体クッション体74の右側面図であり、図16(c)は、合体クッション体74の背面図であり、図16(d)は、合体クッション体74の正面図である。
図17(a)は、第7実施形態の補助クッション体73の各単層部分73a~73cの断面図であり、図17(b)は、図16(a)のA16-A16線における断面図であって上記クッション形態(4)及び(5)に対応する形態を、図17(c)は、図16(a)のA16-A16線における断面図であって上記クッション形態(6)及び(7)に対応する形態を、図17(d)は、図16(a)のA16-A16線における断面図であって上記クッション形態(8)及び(9)に対応する形態を、図17(e)は、図16(a)のA16-A16線における断面図であって上記クッション形態(10)に対応する形態を、それぞれ図示したものである。
図16に示すように、第7実施形態の椅子用クッション70は、本体クッション体72と、補助クッション体73とを備えており、併せて図1(a)に示した外装カバー体5を備えている。ただし、第7実施形態では、外装カバー体5の図示を省略しているが、第7実施形態の外装カバー体5は第3実施形態の外装カバー体5と寸法を除いて同様のものである。
この第7実施形態の椅子用クッション70の合体クッション体74は、連続気泡多孔質弾性体で形成される本体クッション体72と、その本体クッション体72の後端部(図16(a)上側端部、図16(b)右側端部)における横幅方向(図16(a)、図16(c)及び図16(d)の左右方向)中央に凹設される凹所78(以下「垂直凹所78」ともいう。)と、その凹所78内に嵌合可能でかつ連続気泡多孔質弾性体で形成され、当該凹所78内に着脱自在に嵌合可能であって、その凹所78に嵌合された状態で本体クッション体72の上面と同一(図17(b)参照。)又はその上面より低い位置(図17(c)及び図17(d)参照。)に上面を有する補助クッション体73とを備えている。
この第7実施形態の椅子用クッション70によれば、使用者臀部骨突出部、特に、臀部左右の坐骨結節部や尾骨部が凹所78に、また使用者の大腿部及び臀部の他部位が本体クッション体72の上面に、それぞれ位置するように使用者が着座する。この着座によって、使用者の大腿部及び臀部の他部位は本体クッション体72によって支持され、使用者の臀部骨突出部は凹所78に填まり込むか又はこの凹所78内に嵌合される補助クッション体53によって支持される。
本体クッション体72は、その厚み方向に4つの層に分割されており、これらの4つの単層部分72a~72c,32dが積層した積層体となっている。即ち、本体クッション体72は、その上面側から下面側へ向かって、第1層部分72a、第2層部分72b、第3層部分72c、及び、第4層部分32dの順番で、これら4層が積層するようになっている。
補助クッション体73は、その厚み方向に3つの層に分割されており、これらの3つの単層部分73a~73cが積層した積層体であって(図17(a))参照。、凹所78内に嵌合された状態で、本体クッション体72の上面側から下面側へ向かって第1層部分73a、第2層部分73b、及び、第3層部分73cの順番で、これら3層が積層状態となって凹所78内にその内周形状に合致した状態で収容される。
本体クッション体72の第1から第3層部分72a~72cのそれぞれは、補助クッション体73の第1から第3層部分73a~73cのそれぞれに対応づけられており、即ち、本体クッション体72の第1層部分72aが補助クッション体73の第1層部分73aに、その第2層部分72bがその第2層部分73bに、その第3層部分72cがその第3層部分73cに、それぞれ対応づけられており、本体クッション体72と補助クッション体73の互いに対応する単層部分同士が同等の厚みに形成されている。
このように本体クッション体72及び補助クッション体73をその厚み方向において複数層に分割分離させた積層体(重畳体)とし、上記した第3実施形態の(1)から(10)のクッション形態のように各層の反発弾性率をそれと上下に隣り合う他層の反発弾性率に対して高低異なるものに適宜変更することによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッション70に着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
また、本体クッション体72及び補助クッション体73を外装カバー体5によって被包して使用する場合、本体クッション体72及びは補助クッション体73は、その上下に隣り合う層部分同士が非接着状態となっている(図17(a)参照。)。
垂直凹所78は、その開口面積が本体クッション体72の上面から下面へ向かって等しく形成されるとともに、その内周面が本体クッション体72の上面側から下面側へ向かって垂直面状となっている。これに対し、上記した第5実施形態の階段状凹所58は、その内周面が本体クッション体72の上面側から下面側へ向かって垂直面となった垂直内周面となっている。
垂直凹所78は、複数の区間凹所78a~78cが本体クッション体72の厚み方向(図16(a)の紙面に対する垂直方向、図16(b)から図16(d)の上下方向)に連設された垂直な内周面を有する凹所である。また、垂直凹所78における複数の区間凹所78a~78cは、図16(a)に示すように、その平面視した状態での開口形状がいずれも平面視略U字形に形成されている。
複数の区間凹所78a~78cは、図16(a)に示すように、区間凹所78a、区間凹所78b、及び、区間凹所78cの順に、その平面視した開口形状の外周輪郭が内方に一定の幅ずつ徐々に小さくなっており、これら複数の区間凹所78a~78cの開口面積が、本体クッション体72の上面側(図16(a)の紙面に対する垂直方向手前側、図16(b)から図16(d)の上側)から下面(図16(a)の紙面に対する垂直方向奥側、図16(b)から図16(d)の下側)へ向かって、区間凹所78a、区間凹所78b、及び、区間凹所78cの順に小さく形成されている。
このように垂直凹所78は、複数の区間凹所78a~78cが本体クッション体72の厚み方向においてその内周面が垂直面状となるように連設することによって、その内周面が本体クッション体72の上面(図17(b)から図17(e)上側)から下面(図17(b)から図17(e)下側)へ向かって垂直面となった垂直内周面となっている。
この第7実施形態によれば、図16に示すように、垂直凹所78は、本体クッション体72の上面から第4層部分32dの上面(垂直凹所78の底面、即ち、区間凹所78cの底面)まで凹んだ窪みとなっており、この垂直凹所78の底面(区間凹所78cの底面)は、本体クッション体72の第4層部分32dの上面によって形成されている。
また、補助クッション体73の複数の単層部分73a~73cは、複数の区間凹所78a~78cのそれぞれに対応づけて嵌合可能に形成されている。具体的には、補助クッション体73の第1層部分73aが区間凹所78aに、第2層部分73bが区間凹所78bに、第3層部分73cが区間凹所78cに、それぞれ対応づけて平面形状及び厚さを含めた全体形状が合致するように形成されている。このため、補助クッション体73は、これら単層部分73a~73cが複数の区間凹所78a~78cのそれぞれに対応づけて嵌合された状態において、これら複数の単層部分73a~73cが積層状態で垂直凹所78内の全体を隙間なく埋め尽くすように合致した状態で収容された形態となる。
この補助クッション体73によれば、その第1から第3層部分73a~73cまでの全てを垂直凹所78内に積層した状態で嵌合すると、補助クッション体73(の第1層部分73a)の上面と本体クッション体72(の第1層部分72a)の上面とを面一にすることができる一方、その第1から第3層部分73a~73cを垂直凹所78に対して着脱することによって、垂直凹所78の凹みの高低(深さ)を調整でき、使用者臀部骨突出部に及ぶ体圧を適宜調整することができる。
例えば、第7実施形態の椅子用クッション70は、補助クッション体73がその厚み方向に複数層に分割分離されているので、その積層(重畳)数を増減して段差の深さを適宜変更することによって、上記した第3実施形態において記載した(1)から(3)のクッション形態を使い分けることで、使用者臀部骨突出部の褥瘡の状態や褥瘡のでき易さに応じて、椅子用クッション70に着座した使用者の臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整することができる。
なお、第7実施形態の椅子用クッション70において、上記した第3実施形態における(1)から(3)のクッション形態を適用する場合、これらクッション形態(1)~(3)に係る記載事項について、「本体クッション体32」を「本体クッション体72」と、「補助クッション体33」を「補助クッション体73」と、「凹所38」を「凹所78」と、「図8及び図9(b)参照」を「図16及び図17(b)参照」と、「図9(c)及び図9(d)参照」を「図17(c)及び図17(d)参照」と、「図9(e)参照」を「図17(e)参照」と、それぞれ読み替えて適用する。
図17に示すように、第7実施形態の椅子用クッション70によれば、図17(a)に示した補助クッション体73の第1から第3層部分73a~73cを用いて、上記した第3実施形態における(4)から(10)のクッション形態を適用して使い分けることによって、使用者臀部骨突出部の褥瘡のでき易さに応じて、連続気泡多孔質弾性体の反発弾性率の高低を組み替え、使用者臀部骨突出部に及ぼす体圧を適宜調整できる。
なお、第7実施形態の椅子用クッション70において、上記した第3実施形態における(4)から(10)のクッション形態を適用する場合、これらクッション形態(4)~(10)に係る記載事項について、「合体クッション体34」を「合体クッション体74」と「本体クッション体32」を「本体クッション体72」と、「補助クッション体33」を「補助クッション体73」と、「凹所38」を「凹所78」と、「32a」を「72a」と、「32b」を「72b」と、「32c」を「72c」と、「32d」を「72d」と、「33a」を「73a」と、「33b」を「73b」と、「33c」を「73c」と、「38a」を「78a」と、「38b」を「78b」と、「38c」を「78c」と、「図9(b)」を「図17(b)」と、「図9(c)」を「図17(c)」と、「図9(d)」を「図17(d)」と、「図9(e)」を「図17(e)」と、それぞれ読み替えて適用する。
以上のように構成された第7実施形態の椅子用クッション70によれば、垂直凹所78の内周面が垂直面状に形成されるので、背面視V字状の使用者臀部骨突出部に合致するように垂直凹所78の横幅方向左右両側が外側から内側へ向かって下降傾斜しておらず、かかる垂直凹所78内に使用者臀部骨突出部がより深く填まり込むことができないようにも思われるが、必ずしもそうではなく、垂直凹所78の横幅を使用者臀部骨突出部の横幅に合わせて設定することで、使用者臀部骨突出部をより填まり込み易くできる。
ここで、上記した第3から第6実施形態のいずれかの椅子用クッション30,40,50,60によれば、そのテーパ状凹所68又は階段状凹所38,48,58は、その開口面積が本体クッション体32,42,52,62の上面から下面へ向かって漸減したり又は順に小さくなる複数の区間凹所があるので、これらに嵌合収容される補助クッション体33,43,53,63はどれも、その複数層の単層部分のうち上下に隣り合うもの同士が大小異なる平面形状の平面面積となってしまい、上下する単層部分を相互に入れ替えて使用することができない。このため、単層部分の反発弾性率を変更したい場合には、各単層部分毎に高低異なる反発弾性率のものを準備して交換する必要があり、どうしても補助クッション体33,43,53,63の厚み及び反発弾性率を変更する場合に複数層の単層部分の種類や点数が多くなってしまう。
これに対し、第7実施形態の椅子用クッション70によれば、その垂直凹所78の内周面が垂直面状となっており、かかる垂直凹所78内に嵌合収容される補助クッション体73は、その複数層の単層部分73a~73cがどれも同じ平面形状でかつ同じ平面面積に形成することができるので、上下する単層部分を相互に入れ替えて使用することができ、その分、複数層の単層部分の種類や点数を低減できる。
なお、補助クッション体73の厚さの大小異なる複数種類の補助クッション体73を用意して適宜交換したりすることによって上記段差の深さを適宜変更したりしても良い。
<実施例>
次に、使用者の体重に適した、本体クッション体の各単層部分の厚みと、補助クッション体の各単層部分の厚みと、各区間凹所の深さと、補助クッション体の各層部分の横幅と、各区間凹所の横幅とに関する好ましい実施例について、以下に説明する。
図18は、第3実施形態の椅子用クッション30の各部の厚み、深さ及び横幅などの寸法に関する実施例を示した表形式の図であって、図18(a)は、使用者の体重が60~70kgの場合の実施例を示し、図18(b)は、使用者の体重が45~60kgの場合の実施例を示し、図18(c)は、使用者の体重が35~45kgの場合の実施例を示している。
図19は、第4実施形態の椅子用クッション40の各部の厚み、深さ及び横幅などの寸法に関する実施例を示した表形式の図であって、図19(a)は、使用者の体重が60~70kgの場合の実施例を示し、図19(b)は、使用者の体重が45~60kgの場合の実施例を示し、図19(c)は、使用者の体重が35~45kgの場合の実施例を示している。
なお、以下に説明する各実施例はどれも、本体クッション体における各単層部分の厚みと、補助クッション体の各単層部分の厚みと、凹所の各区間凹所の深さとについて、相互に対応づけられた関係にあるもの同士で同じ値となり、また、補助クッション体の各単層部分の横幅と、凹所の区間凹所の横幅とについても、相互に対応づけられた関係にあるもの同士で同じ値となっている。つまり、本体クッション体の第n層部分の厚みと補助クッション体の第n層部分の厚みと凹所の第n層部分の区間凹所の深さとは同一値となり、また、補助クッション体の第n層部分の横幅と第n層部分の区間凹所の横幅とについても同一値となる。もっとも、第n層部分の区間凹所は、本体クッション体の第n層部分から補助クッション体の第n層部分を切り抜いてできる凹所であるので、その横幅のみならず全ての寸法及び形状が補助クッション体の第n層部分のそれと一致することとなる。
図18(a)に示すように、第3実施形態の椅子用クッション30によれば、例えば、使用者の体重が60~70kgの場合、本体クッション体32は、第1層部分32aが厚み20mm、第2層部分32bが厚み40mm、第3層部分32cが厚み40mm、第4層部分32dが厚み20mm、これら4層の厚みを合計した全体厚みが120mmとなり、結果、合体クッション体34の全体厚みが120mmとなり、補助クッション体33は、第1層部分33aが厚み20mmで横幅180mm、第2層部分33bが厚み40mmで横幅160mm、第3層部分33cが厚み40mmで横幅140mm、これら3層の厚みを合計した全体厚みが100mmとなり、階段状凹所38は、第1層部分の区間凹所38aが深さ20mmで横幅180mm、第2層部分の区間凹所38bが深さ40mmで横幅160mm、第3層部分の区間凹所38cが深さ40mmで横幅140mm、これら3層の深さを合計した全体深さが100mmとなり、また、これらの合体クッション体34が外装カバー体5内に収容されることにより20mm圧縮されて合体クッション体34の全体厚みが100mmとなる。
図18(b)に示すように、第3実施形態の椅子用クッション30によれば、例えば、使用者の体重が45~60kgの場合、本体クッション体32は、第1層部分32aが厚み20mm、第2層部分32bが厚み30mm、第3層部分32cが厚み30mm、第4層部分32dが厚み20mm、これら4層の厚みを合計した全体厚みが100mmとなり、結果、合体クッション体34の全体厚みが100mmとなり、補助クッション体33は、第1層部分33aが厚み20mmで横幅180mm、第2層部分33bが厚み30mmで横幅160mm、第3層部分33cが厚み30mmで横幅140mm、これら3層の厚みを合計した全体厚みが80mmとなり、階段状凹所38は、第1層部分の区間凹所38aが深さ20mmで横幅180mm、第2層部分の区間凹所38bが深さ30mmで横幅160mm、第3層部分の区間凹所38cが深さ30mmで横幅140mm、これら3層の深さを合計した全体深さが80mmとなり、また、これらの合体クッション体34が外装カバー体5内に収容されることにより20mm圧縮されて合体クッション体34の全体厚みが80mmとなる。
図18(c)に示すように、第3実施形態の椅子用クッション30によれば、例えば、使用者の体重が35~45kgの場合、本体クッション体32は、第1層部分32aが厚み20mm、第2層部分32bが厚み20mm、第3層部分32cが厚み20mm、第4層部分32dが厚み20mm、これら4層の厚みを合計した全体厚みが80mmとなり、結果、合体クッション体34の全体厚みが80mmとなり、補助クッション体33は、第1層部分33aが厚み20mmで横幅180mm、第2層部分33bが厚み20mmで横幅160mm、第3層部分33cが厚み20mmで横幅140mm、これら3層の厚みを合計した全体厚みが60mmとなり、階段状凹所38は、第1層部分の区間凹所38aが深さ20mmで横幅180mm、第2層部分の区間凹所38bが深さ20mmで横幅160mm、第3層部分の区間凹所38cが深さ20mmで横幅140mm、これら3層の深さを合計した全体深さが60mmとなり、また、これらの合体クッション体34が外装カバー体5内に収容されることにより10~20mm圧縮されて合体クッション体34の全体厚みが60~70mmとなる。
図19(a)に示すように、第4実施形態の椅子用クッション40によれば、
例えば、使用者の体重が60~70kgの場合、本体クッション体42は、第1層部分32aが厚み20mm、第2層部分32bが厚み40mm、第3層部分32cが厚み40mm、第4層部分42dが厚み20mm、これら4層の厚みを合計した全体厚みが120mmとなり、結果、合体クッション体44の全体厚みが120mmとなり、補助クッション体43は、第1層部分33aが厚み20mmで横幅180mm、第2層部分33bが厚み40mmで横幅160mm、第3層部分33cが厚み40mmで横幅140mm、第4層部分43dが厚み20mmで横幅120mm、これら4層の厚みを合計した全体厚みが120mmとなり、階段状凹所48は、第1層部分の区間凹所38aが深さ20mmで横幅180mm、第2層部分の区間凹所38bが深さ40mmで横幅160mm、第3層部分の区間凹所38cが深さ40mmで横幅140mm、第4層部分の区間凹所48dが厚み20mmで横幅120mm、これら3層の深さを合計した全体深さが120mmとなり、また、これらできる合体クッション体44が外装カバー体5内に収容されることにより20mm圧縮されて合体クッション体44の全体厚みが100mmとなる。
図19(b)に示すように、第4実施形態の椅子用クッション40によれば、例えば、使用者の体重が45~60kgの場合、本体クッション体42は、第1層部分32aが厚み20mm、第2層部分32bが厚み30mm、第3層部分32cが厚み30mm、第4層部分42dが厚み30mm、これら4層の厚みを合計した全体厚みが100mmとなり、結果、合体クッション体44の全体厚みが100mmとなり、補助クッション体43は、第1層部分33aが厚み20mmで横幅180mm、第2層部分33bが厚み30mmで横幅160mm、第3層部分33cが厚み30mmで横幅140mm、第4層部分43dが厚み20mmで横幅100mm、これら4層の厚みを合計した全体厚みが100mmとなり、階段状凹所48は、第1層部分の区間凹所38aが深さ20mmで横幅180mm、第2層部分の区間凹所38bが深さ30mmで横幅160mm、第3層部分の区間凹所38cが深さ30mmで横幅140mm、第4層部分の区間凹所48dが厚み20mmで横幅120mm、これら3層の深さを合計した全体深さが100mmとなり、また、これらできる合体クッション体44が外装カバー体5内に収容されることにより20mm圧縮されて合体クッション体44の全体厚みが80mmとなる。
図19(c)に示すように、第4実施形態の椅子用クッション40によれば、例えば、使用者の体重が35~45kgの場合、本体クッション体42は、第1層部分32aが厚み20mm、第2層部分32bが厚み20mm、第3層部分32cが厚み20mm、第4層部分42dが厚み20mm、これら4層の厚みを合計した全体厚みが80mmとなり、結果、合体クッション体44の全体厚みが80mmとなり、補助クッション体43は、第1層部分33aが厚み20mmで横幅180mm、第2層部分33bが厚み20mmで横幅160mm、第3層部分33cが厚み20mmで横幅140mm、第4層部分43dが厚み20mmで横幅120mm、これら4層の厚みを合計した全体厚みが80mmとなり、階段状凹所48は、第1層部分の区間凹所38aが深さ20mmで横幅180mm、第2層部分の区間凹所38bが深さ20mmで横幅160mm、第3層部分の区間凹所38cが深さ20mmで横幅140mm、第4層部分の区間凹所48dが厚み20mmで横幅120mm、これら3層の深さを合計した全体深さが80mmとなり、また、これらできる合体クッション体44が外装カバー体5内に収容されることにより10~20mm圧縮されて合体クッション体44の全体厚みが60~70mmとなる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記した各実施形態では、外装カバー体5の全体が抗菌透湿防水シート材20で形成されたが、かかる外装カバー体5の素材は、必ずしもこれに限定されるものではなく、外装カバー体5の上面部及び4つの側面部を抗菌性透湿防水シート材で形成し、残る下面部(底面部)を多数の通気孔が全面に形成された網状のメッシュ材で形成するようにしても良い。
ここで、このメッシュ材の網目のサイズは、外装カバー体5の内部に収容される本体クッション体2及び補助クッション体3,13を形成する連続気泡多孔質弾性体が各網目から突出又は露出する大きさであることが好ましい。さすれば、このメッシュ材の各網目から連続気泡多孔質弾性体が突出又は露出することで、かかる突出部分又は露出部分が椅子の座面と接触して摩擦抵抗を生じることで、これが滑り止め手段として機能することとなって、椅子用クッション1,10が椅子の座面上でズレ動くことを防止できるからである。
また、このような椅子用クッションの滑り止め手段に代えて、別の滑り止め手段として、外装カバー体5の表面及び椅子の座面に比べて摩擦係数が大きな素材(例えば、ポリ塩化ビニル樹脂製発泡材料を含む。)で形成されたメッシュ状その他の形態をした滑り止めシートを、滑り止め手段として、椅子の座面と外装カバー体5の下面との間に敷設したり、外装カバー体5の下面に接着したり、又は、上記素材で外装カバー体5の下面に等間隔で複数のドット状に添着したりするようにしても良い。
また、上記した各実施形態では、外装カバー体5の素材として抗菌透湿防水シート材20を用いたが、かかる外装カバー体の素材は必ずしも抗菌透湿防水シート材20である必要はなく、例えば、抗菌性を有していない透湿防水シート材を用いても良い。なお、このように外装カバー体の素材として透湿防水シート材を用いるような場合において、この外装カバー体に事後的に抗菌性を付与させたいときは、この外装カバー体の表面に抗菌剤を事後的に付着させるようにすると良い。
また、上記各実施形態では、本体クッション体2についてその上側に高反発層6が、その下側に低反発層7が、それぞれ位置する形態で使用することを基本的かつより好適なものとして説明したが、本体クッション体2の使用形態は、必ずしもこれに限定されるものではなく、使用者が求める座り心地に合わせて、例えば、本体クッション体2を、その上側に低反発層7が、その下側に高反発層6が、それぞれ位置する形態で使用しても良い。
また、上記各実施形態では、高反発層6及び低反発層7をそれぞれ1層で形成したが、かかる高反発層6及び低反発層7を2枚以上の連続気泡多孔質弾性体の板状体を積層して形成するようにしても良い。かかる場合、上下隣り合う板状体同士を接着剤を介して接着するようにしても良い。
上記した第3から第7実施形態の変形例として、これらの実施形態の本体クッション体及び補助クッション体の全体を外装カバー体によって被包して使用する場合、予め本体クッション体の複数の単層部分における互いに上下に隣り合ったもの同士を接着剤等を介して接着状態にしても良く、補助クッション体の複数の単層部分おける互いに上下に隣り合ったもの同士を接着剤等を介して接着状態にしても良い。
上記した第3から第7実施形態の変形例として、これらの実施形態の本体クッション体の第1層部分を、その本体クッション体の第2及び第3層部分と比べて同等の反発弾性率の連続気泡多孔質弾性体で形成したものとしても良い。
また上記第1から第7実施形態において、本体クッション体及び補助クッション体に使用する連続気泡多孔質弾性体の反発弾性率を適宜設定したが、かかる連続気泡多孔質弾性体の反発弾性率は、上記したように椅子用クッションの使用者の骨格(特に臀部骨突出部)の大きさや体重に応じて、かかる使用者の臀部骨突出部に褥瘡ができにくくするように適宜設定したり適宜変更することができるものである。
1 椅子用クッション
2 本体クッション体
3 補助クッション体、第1補助クッション体
4 合体クッション体
5 外装カバー体
6 高反発層
7 低反発層
8 凹所
9 切り込み
10 椅子用クッション
13 補助クッション体、第2補助クッション体
14 合体クッション体
20 抗菌透湿防水シート材
21 表地
22 透湿防水膜
22a 疎水性多孔質膜
22b 親水性コーティング層
23 裏地
24 湿気硬化型ホットメルト接着剤
30,40,50,60,70 椅子用クッション
32,42,52,62,72 本体クッション体
33,43,53,63,73 補助クッション体
34,44,54,64,74 合体クッション体
38,48,58 凹所(階段状凹所)
68 凹所(テーパ状凹所)
78 凹所(垂直凹所)
32a,52a,62a,72a 本体クッション体の第1層部分(単層部分)
32b,52b,62b,72b 本体クッション体の第2層部分(単層部分)
32c,52c,62c,72c 本体クッション体の第3層部分(単層部分)
32d 本体クッション体の第4層部分(単層部分)
33a,53a,63a,73a 補助クッション体の第1層部分(単層部分)
33b,53b,63b,73b 補助クッション体の第2層部分(単層部分)
33c,53c,63c,73c 補助クッション体の第3層部分(単層部分)
38a,58a,68a,78a 階段状凹所の第1層部分の区間凹所
38b,58b,68b,78b 階段状凹所の第2層部分の区間凹所
38c,58c,68c,78c 階段状凹所の第3層部分の区間凹所
42d 本体クッション体の第4層部分(単層部分)
43d 補助クッション体の第4層部分(単層部分)
48d 階段状凹所の第4層部分の区間凹所

Claims (7)

  1. 連続気泡多孔質弾性体で形成される本体クッション体と、
    その本体クッション体の後端部における横幅方向中央に凹設される凹所と、
    その凹所内に嵌合可能でかつ連続気泡多孔質弾性体で形成され、当該凹所内に着脱自在に嵌合可能であって、その凹所に嵌合された状態で前記本体クッション体の上面と同等の高さ位置又はその上面より低い位置に上面を有する補助クッション体とを備えていることを特徴とする椅子用クッション。
  2. 前記凹所は、その開口面積が前記本体クッション体の上面側から下面側へ向かって漸減するテーパ状となったテーパ状凹所であって、そのテーパ状凹所の内周面が前記本体クッション体の上面側から下面側へ向かってテーパ状に下降傾斜した傾斜内周面となっており、
    前記補助クッション体は、前記テーパ状凹所に嵌合可能に形成される複数の単層部分を有し、その複数の単層部分が前記テーパー状凹所内に嵌合された状態で、その複数の単層部分が積層状態で前記テーパ状凹所内に収容された形態となるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子用クッション。
  3. 前記凹所は、その開口面積が前記本体クッション体の上面側から下面側へ向かって順に小さくなる複数の区間凹所が前記本体クッション体の厚み方向に連設された階段状凹所であって、その階段状凹所の内周面が前記本体クッション体の上面側から下面側へ向かって下降傾斜する複数段の階段状の傾斜内周面となっており、
    前記補助クッション体は、前記複数の区間凹所のそれぞれに対応づけて嵌合可能に形成される複数の単層部分を有し、その複数の単層部分が前記複数の区間凹所のそれぞれに対応づけて嵌合された状態で、複数の単層部分が積層状態で前記階段状凹所内に収容された形態となるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子用クッション。
  4. 前記階段状凹所の複数段の階段は、その階段状凹所の前記傾斜内周面の上端から下端へ向かって垂直面又は下降傾斜面と平坦面とを順番に連設して形成されていることを特徴とする請求項3記載の椅子用クッション。
  5. 前記凹所は、その開口面積が前記本体クッション体の上面側から下面側へ向かって等しい凹所であって、その凹所の内周面が前記本体クッション体の上面側から下面側へ向かって垂直面状に形成された垂直凹所であって、
    前記補助クッション体は、前記垂直凹所内に嵌合可能に形成される複数の単層部分を有し、その複数の単層部分が前記垂直凹所内に嵌合された状態で、その複数の単層部分が積層状態で前記垂直凹所内に収容された形態となるものであることを特徴とする請求項1記載の椅子用クッション。
  6. 前記本体クッション体と前記凹所に嵌合された前記補助クッション体との両方をまとめて被包可能な袋状であって上面部又は全体が透湿防水性シート材で形成される外装カバー体とを備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の椅子用クッション。
  7. 前記外装カバー体は、前記透湿防水性シートが抗菌を有する透湿防水性シート材であることを特徴とする請求項6記載の椅子用クッション。
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