JP2023122213A - 突起の成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】突起の強度の向上を図ることができる突起の成形方法を提供する。【解決手段】突起1の成形方法では、円錐台形状の第一先端部140Aと、第一先端部140Aが設けられると共に第一先端部140Aよりも直径の大きい円柱形状の第一本体部140Bとを有する第一パンチ140を用いて、一方の面3Aに対して第一先端部140Aから第一パンチ140を押し込んで板部材3に予備突起10を形成する第一鍛造工程と、円柱形状の第二先端部150Aと、第二先端部150Aが設けられると共に第二先端部150Aよりも直径の大きい円柱形状の第二本体部150Bとを有する第二パンチ150を用いて、予備突起10に対して第二先端部150Aから第二パンチ150を押し込んで突起1を形成する第二鍛造工程と、を含む。【選択図】図4
Description
本発明は、突起の成形方法に関する。
突起は、金属製の板状部材の一方の板面からパンチ(押圧具)を押し込んで、板状部材の一部を突出変形させて形成される(例えば、特許文献1参照)。
従来の突起の成形方法では、図5(a)に示されるようなパンチ200を用いて、突起を形成している。パンチ200は、円錐台形状(テーパー形状)を呈する先端部200Aと、円柱状を呈する本体部200Bと、を有している。従来の突起の成形方法では、パンチ200の先端部200Aを板状部材220に押し込むことで、図5(b)に示されるような突起240を形成する。図5(b)に示されるように、パンチ200によって形成される突起240は、パンチ200の先端部200Aの形状に起因して、基端部(矢印で示す部分)の厚みが局所的に薄くなる。この構成では、突起240の基端部の強度が低くなる。突起240には基端部に応力が加わり得るため、基端部の強度が低いと突起240が破損等するおそれがある。
本発明は、突起の強度の向上を図ることができる突起の成形方法を提供することを目的とする。
本発明に係る突起の成形方法は、一対の面を有する部材において、一方の面に押圧具を押し込んで突起を形成する突起の成形方法であって、円錐台形状の第一先端部と、第一先端部が設けられると共に第一先端部よりも直径の大きい円柱形状の第一本体部とを有する第一押圧具を用いて、一方の面に対して第一先端部から第一押圧具を押し込んで部材に予備突起を形成する第一工程と、円柱形状の第二先端部と、第二先端部が設けられると共に第二先端部よりも直径の大きい円柱形状の第二本体部とを有する第二押圧具を用いて、予備突起に対して第二先端部から第二押圧具を第一押圧具よりも押し込んで突起を形成する第二工程と、を含む。
本発明に係る突起の成形方法では、第一工程及び第二工程によって突起を形成する。第一工程では、第一先端部及び第一本体部を有する第一押圧具を用いて、一方の面に対して第一先端部から第一押圧具を押し込んで部材に予備突起を形成する。予備突起には、第一先端部によってテーパー形状の内側面が形成される。これにより、予備突起では、基端部の厚みが薄くなる。第二工程では、第二先端部及び第二本体部を有する第二押圧具を用いて、予備突起に対して第二先端部から第二押圧具を第一押圧具よりも押し込んで部材に突起を形成する。第二工程では、テーパー状の内側面に対して円柱状の第二先端部を押し込むと共に第一押圧具よりも第二押圧具を深く押し込むことで、テーパー形状によって厚みが薄くなっていた部分に部材が流れ込み、厚みを確保することができる。したがって、突起の強度の向上を図ることができる。
本発明に係る突起の成形方法では、第二工程では、第一押圧具の第一本体部よりも直径が小さい第二本体部の第二押圧具を用いてもよい。この方法では、予備突起に第二押圧具を押し込むときに、第一押圧具の第一本体部によって形成された予備突起の内側面に第二本体部が接触することを抑制できる。そのため、予備突起に対する第二押圧具の押し込み作業を容易に行うことができる。また、第二本体部と予備突起の内側面との接触により、内側面が削れて削りかすが発生することを抑制できる。
本発明によれば、突起の強度の向上を図ることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[突起の構成]
図1(a)は、一実施形態に係る突起の成形方法によって形成された突起が設けられた部材の斜視図である。図1(b)は、図1(a)のb-b線に沿った断面図である。図1(a)に示されるように、突起1は、板部材3に形成されている。板部材3は、一対の面3A,3Bを有している。突起1は、金属製の板部材3の一部を突出変形させて形成されている。突起1は、板部材3の面3Aから突出している。突起1は、円柱形状を呈している。突起1は、いわゆるダボピンである。突起1は、例えば、回動軸として構成され得る。
図1(a)は、一実施形態に係る突起の成形方法によって形成された突起が設けられた部材の斜視図である。図1(b)は、図1(a)のb-b線に沿った断面図である。図1(a)に示されるように、突起1は、板部材3に形成されている。板部材3は、一対の面3A,3Bを有している。突起1は、金属製の板部材3の一部を突出変形させて形成されている。突起1は、板部材3の面3Aから突出している。突起1は、円柱形状を呈している。突起1は、いわゆるダボピンである。突起1は、例えば、回動軸として構成され得る。
図1(b)に示されるように、突起1は、側部5と、端部7と、を有している。突起1の角部9は、所定の曲率で湾曲している。板部材3の厚みT1は、例えば、1.4mmである。突起1の側部5の厚みT2は、例えば、0.45mm程度である。突起1の高さL1は、例えば、1.7mm程度である。突起1の側部5の直線長さL2は、例えば、1.5mm程度である。突起1の高さL1及び突起1の側部5の直線長さL2は、板部材3の厚みT1よりも大きい。
[突起の成形方法]
続いて、突起1の成形方法について説明する。本実施形態に係る突起1の成形方法では、第一鍛造工程(第一工程)と、第二鍛造工程(第二工程)との二つの工程によって突起1を形成する。突起1の成形方法では、第一鍛造工程の後に第二鍛造工程を行う。
続いて、突起1の成形方法について説明する。本実施形態に係る突起1の成形方法では、第一鍛造工程(第一工程)と、第二鍛造工程(第二工程)との二つの工程によって突起1を形成する。突起1の成形方法では、第一鍛造工程の後に第二鍛造工程を行う。
図2(a)及び図2(b)は、突起1の成形装置を示す図である。図2(a)及び図2(b)に示されるように、成形装置100は、パンチ(押圧具)110(第一パンチ140、第二パンチ150)と、ダイ120と、ノックアウトピン130と、を備えている。成形装置100では、ダイ120に板部材3を載置し、板部材3にパンチ110を押し込むことで、突起1を形成する。
パンチ110は、上下方向において移動する。パンチ110は、図示しない加圧装置によって加圧される。パンチ110は、例えば、80tの力で加圧される。パンチ110の構成の詳細については後述する。なお、図2(a)及び図2(b)に示されるパンチ110の形状は、図4(a)に示される第二パンチ150の形状に相当する。
ダイ120は、板部材3を支持する。ダイ120は、例えば、円筒形状を呈している。ダイ120の上面120Aは、板部材3が載置される載置面を構成している。ダイ120には、中空部120Bが設けられている。中空部120Bは、ダイ120において上下方向に延在している。中空部120Bは、延在方向から見て、円形状を呈している。
ノックアウトピン130は、ダイ120の中空部120B内に位置している。ノックアウトピン130は、凸形状を呈している。ノックアウトピン130は、上下方向において移動自在に設けられている。ノックアウトピン130は、図示しない付勢部材によって、上方向(パンチ110側)に向かって付勢されている。ノックアウトピン130は、パンチ110(板部材3)の移動に伴って移動する。図2(a)に示されるように、ノックアウトピン130は、パンチ110がダイ120の中空部120Bに進入していない状態では、板部材3の面3Aに当接している。パンチ110が移動すると、図2(b)に示されるように、ノックアウトピン130は、板部材3の面3Aに当接しつつ、パンチ110の移動に伴って下方に移動する。
<第一鍛造工程>
図3(a)は、第一鍛造工程に用いられる第一パンチ(第一押圧具)140を示す図である。図3(a)に示されるように、第一パンチ140は、第一先端部140Aと、第一本体部140Bと、を有している。第一先端部140Aと第一本体部140Bとは、一体に形成されている。第一先端部140Aは、円錐台形状を呈している。第一本体部140Bは、円柱形状を呈している。第一先端部140Aは、第一パンチ140の先端が先細りとなるように、第一本体部140Bに設けられている。
図3(a)は、第一鍛造工程に用いられる第一パンチ(第一押圧具)140を示す図である。図3(a)に示されるように、第一パンチ140は、第一先端部140Aと、第一本体部140Bと、を有している。第一先端部140Aと第一本体部140Bとは、一体に形成されている。第一先端部140Aは、円錐台形状を呈している。第一本体部140Bは、円柱形状を呈している。第一先端部140Aは、第一パンチ140の先端が先細りとなるように、第一本体部140Bに設けられている。
第一先端部140Aの先端側の直径D1は、例えば、φ1.7mmである。第一先端部140Aの基端側の直径D2は、例えば、φ2.5mmである。第一先端部140Aにおけるテーパーの傾斜角度は、例えば、24°である。第一本体部140Bの直径D3は、例えば、φ3.5mmである。
第一鍛造工程では、第一パンチ140を板部材3に押し込む。図3(b)に示されるように、第一パンチ140が板部材3に押し込まれると、予備突起10が形成される。予備突起10には、側部12と、端部14と、が形成される。予備突起10では、側部12の内側面12Aは、第一パンチ140の第一先端部140Aの形状に応じてテーパー形状を呈している。側部12では、基端部(矢印で示す部分)の厚みが先端側に比べて小さくなる。
予備突起10の角部16は、所定の曲率を有して湾曲している。角部16の曲率は、角部9(図4(b)参照)の曲率よりも小さい。角部16の曲率半径は、角部9(図4(b)参照)の曲率半径よりも大きいとも言える。第一鍛造工程では、第一本体部140Bの押し込みによって、板部材3に円環状の段差部3Cが形成される。段差部3Cの直径は、第一本体部140Bの直径D3と同等となる。
<第二鍛造工程>
図4(a)は、第二鍛造工程に用いられる第二パンチ(第二押圧具)150を示す図である。図4(a)に示されるように、第二パンチ150は、第二先端部150Aと、第二本体部150Bと、を有している。第二先端部150Aと第二本体部150Bとは、一体に形成されている。第二先端部150Aは、円柱形状を呈している。第二本体部150Bは、円柱形状を呈している。
図4(a)は、第二鍛造工程に用いられる第二パンチ(第二押圧具)150を示す図である。図4(a)に示されるように、第二パンチ150は、第二先端部150Aと、第二本体部150Bと、を有している。第二先端部150Aと第二本体部150Bとは、一体に形成されている。第二先端部150Aは、円柱形状を呈している。第二本体部150Bは、円柱形状を呈している。
第二先端部150Aの直径D4は、例えば、φ2.0mmである。第二本体部150Bの直径D5は、例えば、φ3.4mmである。第二本体部150Bの直径D5は、第一パンチ140の第一本体部140Bの直径D3よりも小さい。
第二鍛造工程では、第二パンチ150を板部材3の予備突起10に押し込む。図4(b)に示されるように、第二鍛造工程では、第一パンチ140によって予備突起10を形成したときよりも、第二パンチ150を板部材3に対して深く(下方に)押し込む。例えば、第二パンチ150は、第一パンチ140よりも0.3mm程度深く押し込む。
第二鍛造工程では、第二パンチ150が予備突起10に押し込まれると、第二先端部150Aが側部12の内側面12Aに接触し、側部12において厚みの大きい部分(先端側の部分)が第二先端部150Aによって角部16側に押し込まれる。これにより、角部16よりも曲率が大きい角部9が形成される。
また、第二鍛造工程では、第二パンチ150が予備突起10に押し込まれると、第二本体部150Bが予備突起10の段差部3Cに接触し、段差部3Cの部材が側部12側に押し込まれる。これにより、段差部3Cの部材が側部12側に流れ込み、側部12の基端側の厚みが大きくなり、側部5が形成される。第二鍛造工程では、第二本体部150Bの押し込みによって、板部材3に円環状の段差部3Dが形成される。段差部3Dの直径は、第二本体部150Bの直径D5と同等となる。以上により、突起1が形成される。
以上説明したように、本実施形態に係る突起1の成形方法では、第一鍛造工程及び第二鍛造工程によって突起1を形成する。第一鍛造工程では、第一先端部140A及び第一本体部140Bを有する第一パンチ140を用いて、板部材3の一方の面3Bに対して第一先端部140Aから第一パンチ140を押し込んで板部材3に予備突起10を形成する。予備突起10には、第一先端部140Aによってテーパー形状の内側面12Aが形成される。これにより、予備突起10では、基端部の厚みが薄くなる。第二鍛造工程では、第二先端部150A及び第二本体部150Bを有する第二パンチ150を用いて、予備突起10に対して第二先端部150Aから第二パンチ150を第一パンチ140よりも押し込んで板部材3に突起1を形成する。第二鍛造工程では、テーパー状の内側面12Aに対して円柱状の第二先端部150Aを押し込むと共に第一パンチ140よりも第二パンチ150を深く押し込むことで、テーパー形状によって厚みが薄くなっていた部分に部材が流れ込み、厚みを確保することができる。したがって、突起1の強度の向上を図ることができる。
本実施形態に係る突起1の成形方法では、第二鍛造工程では、第一パンチ140の第一本体部140Bよりも直径が小さい第二本体部150Bの第二パンチ150を用いる。この方法では、予備突起10に第二パンチ150を押し込むときに、第一パンチ140の第一本体部140Bによって形成された予備突起10(段差部3C)の内側面に第二本体部150Bが接触することを抑制できる。そのため、予備突起10に対する第二パンチ150の押し込み作業を容易に行うことができる。また、第二本体部150Bと予備突起10の内側面との接触により、内側面が削れて削りかすが発生することを抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上記実施形態において記載した各部の寸法は、突起1の形状に応じて、適宜変更することが可能である。
1…突起、3…板部材、3A,3B…面、10…予備突起、140…第一パンチ(第一押圧具)、140A…第一先端部、140B…第一本体部、150…第二パンチ(第二押圧具)、150A…第二先端部、150B…第二本体部。
Claims (2)
- 一対の面を有する部材において、一方の前記面に押圧具を押し込んで突起を形成する突起の成形方法であって、
円錐台形状の第一先端部と、前記第一先端部が設けられると共に前記第一先端部よりも直径の大きい円柱形状の第一本体部とを有する第一押圧具を用いて、一方の前記面に対して前記第一先端部から前記第一押圧具を押し込んで前記部材に予備突起を形成する第一工程と、
円柱形状の第二先端部と、前記第二先端部が設けられると共に前記第二先端部よりも直径の大きい円柱形状の第二本体部とを有する第二押圧具を用いて、前記予備突起に対して前記第二先端部から前記第二押圧具を前記第一押圧具よりも押し込んで前記突起を形成する第二工程と、を含む、突起の成形方法。 - 前記第二工程では、前記第一押圧具の前記第一本体部よりも直径が小さい前記第二本体部の前記第二押圧具を用いる、請求項1に記載の突起の成形方法。
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