JP2023120893A - 保持装置、リソグラフィ装置、および物品製造方法 - Google Patents

保持装置、リソグラフィ装置、および物品製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板の形状を高精度かつ安定的に制御可能な技術を提供する。【解決手段】保持装置は、物体を保持する保持部と、前記保持部の内部または前記物体の保持面の上に配置され、アモルファス相と結晶相との間で相変化し該相変化に伴って体積変化する相変化材料と、前記相変化材料の体積変化を生じさせることにより前記保持面を変形させるように、前記相変化材料を加熱する加熱部を用いた前記相変化材料の加熱を制御する制御部と、を有する。【選択図】 図3

Description

本発明は、保持装置、リソグラフィ装置、および物品製造方法に関する。
半導体製造プロセスでは、半導体基板(以下、単に「基板」という。)の加工処理において基板表面の望ましくない凹凸または歪みが加工精度に影響する。そこで、基板を保持する基板保持機構に基板を変形させる機構を設け、基板の凹凸または歪みを補正することが提案されている。
特許文献1には、基板が搭載されるステージ上に高さを変更可能な高さ制御素子を複数配置し、高さ制御素子を駆動して基板の凹凸を制御することが記載されている。ナノメートルオーダーの位置制御に使用される高さ制御素子としては、例えばピエゾ素子が使用される。
しかし、ピエゾ素子は、短時間であってもピエゾアクチュエータの位置を制御することが難しい場合がある。一般に、ピエゾアクチュエータにはヒステリシスな駆動特性と変位のクリープ変化特性がある。そのため、高精度かつ安定的な駆動を実現するためには、ピエゾの変位を計測するセンサを別途設けてクローズドサーボループでの位置制御を行う必要がある。一般的に、ピエゾアクチュエータをオープンループで位置制御することは難しい。
このようなピエゾアクチュエータの課題に対して、特許文献2には、電荷の漏れが少ないことによって位置を安定保持できる静電アクチュエータの応用が提案されている。
特開2013-026233号公報 特開2013-135218号公報
しかし、半導体デバイス等の微細化により基板変形に求められる精度がより厳しくなってきており、基板を変形させるアクチュエータには高い安定性と精度が求められている。特許文献2に記載の静電アクチュエータであっても電荷の漏れはゼロにはできないため、安定性の高いアクチュエータを応用した基板変形機構が求められる。
本発明は、基板の形状を高精度かつ安定的に制御可能な技術を提供する。
本発明の一側面によれば、物体を保持する保持部と、前記保持部の内部または前記物体の保持面の上に配置され、アモルファス相と結晶相との間で相変化し該相変化に伴って体積変化する相変化材料と、前記相変化材料の体積変化を生じさせることにより前記保持面を変形させるように、前記相変化材料を加熱する加熱部を用いた前記相変化材料の加熱を制御する制御部と、を有することを特徴とする保持装置が提供される。
本発明によれば、基板の形状を高精度かつ安定的に制御可能な技術を提供することができる。
実施例1における、保持装置の構成および基板変形処理を説明する図。 実施例2における、保持装置の構成および基板変形処理を説明する図。 実施例3における、保持装置の構成および基板変形処理を説明する図。 実施例3における、基板処理システムの構成を示す図。 基板の変位を計測する方法を説明する図。 実施例4における、保持装置の構成および基板変形処理を説明する図。 実施例4における、相変化材料の配置を例示する図。 実施例5における、相変化材料の配置を例示する図。 相変化材料の特性を示す図。 基板変形処理を示すフローチャート。 実施例6における、突起部上面を傾斜させる方法を説明する図。 実施例6における、突起部上面を傾斜させる別の方法を説明する図。 実施例7における、相変化材料の上方への変形量を拡大するための構成を示す図。 保持装置を利用する露光装置の構成を示す図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<第1実施形態>
図1(A1)には、第1実施形態に係る、保持対象の物体であるプレートを保持する保持装置100の構成例が示されている。一例において、プレートは、リソグラフィ装置で用いられる半導体ウエハであり、その場合、保持装置100は基板保持装置である。または、プレートは、リソグラフィ装置の一種である露光装置で用いられる、パターンが描画された原版(マスクやレチクル)であり、その場合、保持装置100は原版保持装置である。あるいは、プレートは、リソグラフィ装置の一種であるインプリント装置で用いられる、パターンが形成されたモールドであり、その場合、保持装置100はモールド保持装置である。以下では、一例として、プレートは、リソグラフィ装置等の基板処理装置で用いられる基板105(半導体ウエハ)であるとして説明する。
保持装置100は、プレートである基板105を吸着保持する基板保持部101を備える。基板保持部101による基板105の吸着方法としては、基板105と基板保持部101の基板保持面(保持面)との間に負圧力を発生させることで基板105を保持するバキューム方式を用いることができる。あるいは、基板保持部101による基板105の吸着方法として、静電吸着力を用いて基板105を保持する静電吸着方式などを用いることもできる。
保持装置100は、相変化材料102と、相変化材料102への入熱を制御する制御部Cとを更に備える。制御部Cは、相変化材料102の体積変化を生じさせることにより保持面を変形させるように、相変化材料102を加熱する加熱部を用いた相変化材料102の加熱を制御する。本実施形態においては、基板保持部101の内部に加熱部103が配置される。相変化材料102は、図1(A1)では基板保持部101の内部に配置されているが、基板の保持面(基板保持部101の上面)の上に配置されてもよい。
本実施形態において、加熱部103は、複数の加熱部を含む。加熱部103の各々は、相変化材料102を加熱するための抵抗発熱性の材料からなるヒータ素子を含みうる。抵抗発熱性の材料としては、例えば、銅、ニッケル合金、クロム合金等のうちの1つ以上の混合物が使用されうる。ヒータ素子は、不図示の電源から供給される電力によって発熱する。あるいは、複数の加熱部103の各々は、強磁性材料の周りに配置されたコイルによって生じる電磁誘導を用いて加熱する誘導加熱素子を含みうる。複数の加熱部103は、図1(A1)では相変化材料102の下側に配置されているが、相変化材料102の内部や、相変化材料102と基板保持部101の基板保持面との間に配置されてもよい。相変化材料102および複数の加熱部103の配置に関するバリエーションについては後述することとする。
図9を参照して、相変化材料102について説明する。相変化材料102は、非結晶相(アモルファス相)と結晶相との間で相変化し該相変化に伴って体積変化する材料である。図9は、温度による、結晶構造の推移と相変化材料の体積の特性を示す図である。相変化材料を室温RTから融点Tmまで加熱し急冷すると、相変化材料は、過冷却液体となり、室温状態では体積の大きいアモルファス構造となる。一方、相変化材料を室温RTからガラス転移温度Tgを超える温度に加熱し、その後に徐冷すると、相変化材料は、室温状態では体積が小さい結晶構造となる。つまり、加熱と冷却方法を変えることにより、室温状態における構造を変化させることができる。図9に示すように、元素が整列する結晶構造では体積が小さく、元素がランダムなアモルファス構造では体積が大きくなる傾向を示す。
相変化材料は、書き換え可能な記録媒体の分野で実用化されている。例えば、DVDやBlu-ray(登録商標)ディスクなどの書き換え型光ディスクの記録層や不揮発性メモリの記録材料として、カルコゲナイド系相変化材料Ge-Sb-Te(以下、GST)が広く用いられている。GSTでは、アモルファスと結晶で約5%程度体積が変化する。制御部Cは、この特性を利用して、相変化材料102の体積変化を生じさせることにより保持部101の保持面を変形させるよう、複数の加熱部103を制御する。
(実施例1)
以下、保持装置100において基板を変形させる方法の具体例を説明する。まず、図1(A1)~(A3)および図10を参照して、第1実施形態に係る実施例1を説明する。
工程S0において、制御部Cは、現状における相変化材料102の結晶化の体積収縮による形状補正量によって目標形状が達成できるかどうか、すなわち、結晶化による補正で足りるかどうか、を判断する。結晶化による補正では足りないと判断される場合、処理は工程S1のアモルファス化処理に進む。結晶化による補正で足りると判断される場合、処理は工程S1をスキップしてS2の形状測定に進む。
工程S1において、制御部Cは、複数の加熱部103の全てを駆動(電力供給)して相変化材料102を融点Tmを超える温度に加熱し、その後、加熱を瞬断することで急冷する。急冷は、複数の加熱部103への電力供給を瞬時に遮断することによって行われてもよいし、更に冷媒を用いた熱交換による強制冷却が採用されてもよい。急冷によって相変化材料102はアモルファス相となり最も体積が大きい状態となる(第1工程)。この場合、相変化材料102は融点以上となるためできるだけ外力が少ない方がよいため、加熱時は基板105を基板保持部101から一旦退避しておくとよい。
工程S2において、制御部Cは、後述するような計測部を用いて、計測対象の形状を計測する。ここで着目している形状は、基板の表面の凹凸、すなわち基板の表面の面外方向の変形量である。よって、計測結果は、そのような基板の表面の面外方向の変形量の情報を含む。計測対象は、図5(a)、(b)に示すように、基板保持部101によって保持された基板105の表面としてもよいし、基板105が退避されている場合には、基板保持部101の表面(基板保持面)としてもよい。ただし、基板保持部101が基板105を保持することによる歪みや、凹凸計測エラーを考慮すると、基板保持部101に保持された基板105を計測対象とする方が誤差要因を低減できる。以下の実施例1の説明においては、基板保持部101によって保持された基板105の表面を計測対象とするものとして説明する。また、基板105の代わりに計測用基板を用いてもよい。
計測方法としては、図5(a)に示すような、局所的な変位を計測する変位計測部106を用いる方法と、図5(b)に示すような、広い範囲の凹凸を一括で計測する平面変位計側部1061を用いる方法のいずれを採用してもよい。図5(a)において用いられるセンサとしては、測距干渉計、三角計測変位計などがありうる。変位計測部106と基板保持部101とのいずれか一方または両方を紙面左右および奥行方向に駆動(相対駆動)することにより、基板保持部101または基板105における任意の位置の高さが計測される。図5(b)に示す一括計測方法においては、例えば、平面変位計側部1061として平面干渉計が用いられる。しかし、基板105の全面を計測可能な計測範囲を持つ平面干渉計ではコスト高となるため、図5(b)に示すように基板105よりも狭い計測範囲の平面変位計側部を用いてもよい。その場合、図5(a)と同様に平面変位計測部1061と基板保持部101との相対駆動させることにより、基板105の全面を計測することができる。
一般に、図5(a)のような、変位計測部106と基板保持部101を相対駆動する方式では、変位計測部106および/または基板保持部101のステージの走り誤差の影響を受けてしまう。したがって、計測精度を向上させるためには、広い範囲を一括で計測する平面変位計側部による計測の方が計測誤差を低減できる。
平面変位計側部1061の一括計測範囲の広さは、基板105において製造されるデバイスの最大構成単位であるショット領域を包含するサイズであるとよい。その場合、ショット領域を一括計測することができ、相対駆動による誤差を低減することができる。また、一括計測範囲の広さをショット領域よりも少し大きくすることにより、隣接ショット領域との変位計測の重なりを合わせるスティッチングによって、基板105全面の計測にまで拡張することができる。
工程S3において、制御部Cは、図1(A2)に示すように、工程S2で計測された基板保持面または基板105の表面の形状の計測結果に基づき、複数の加熱部103のうち加熱を行う一部(特定の1つ以上の加熱部)の加熱部を決定する。制御部Cは、基板保持部101の高さを下げる位置および量に応じて、複数の加熱部103のうちの上記決定した一部の加熱部に電力を供給する。これにより相変化材料102が部分的に加熱される。具体的には、基板表面において大きく凹ませたい部位では、相変化材料102の広い範囲でガラス転移温度Tgを上回るように、特定の加熱部の温度を高くする、または投入熱量を多くするよう調整する。その後、徐冷することでガラス転移温度Tgを超えた範囲の相変化材料102は結晶へと相変化して体積が収縮する(第2工程)。徐冷は、例えば、加熱した加熱部への電力供給量(入熱量)を徐々に低減することにより行われうる。結果として、図1(A3)に示すように、基板保持部101の基板を保持する面を凹ませることができる。加熱部の加熱状態によって結晶に相変化して収縮する範囲を変えることで基板保持面の凹凸を制御することができる。
一例として、相変化材料102において相変化時に10%の体積変化がある相変化材料を用いた場合について説明する。図1(A2)において、複数の加熱部103のうちの最も右側の加熱部の位置で相変化材料102の全体がガラス転移温度Tgを上回るよう温度を上げその後、徐冷すると相変化材料102が10%の体積収縮を生じる。一例として相変化材料102の厚み寸法を10μmとすると10%の体積変化によって厚み方向の寸法は0.01μm収縮する。
相変化材料102としてGSTを例に挙げたが、Ge-Te、Ge-Sb-Te、Ge-In-Sb-Te、Ag-In-Sb-Te系の材料でも実施可能である。いずれも相変化によって数%の体積変化を示す材料であり、基板保持部101や複数の加熱部103などの関係から最適な相変化材料を設計選択することができる。
工程S4では、制御部Cは、工程S2と同様に計測対象である基板105の形状を計測する。次に、工程S5にて、制御部Cは、基板105の形状と目標形状との差が許容範囲内にあるかどうかを判断する。当該差が許容範囲内にない場合、処理は工程S3に戻り、制御部Cは、再度、加熱および冷却を実施して形状を修正する。ただし、工程S5から工程S3の修正を繰り返すうちに、相変化材料102が全て結晶化し、それ以上体積を小さくすることができなくなる。そこで、工程S6にて、制御部Cは、相変化材料102が変形補正可能な範囲にあるかどうかを判断する。相変化材料102が変形補正可能ではない場合、処理は工程S1に戻り、制御部Cは、相変化材料102をリセット、すなわち、改めて相変化材料102を融点以上に加熱し急冷することでアモルファス化する。
以上、基板105の凹凸(すなわち、面外方向の形状)を制御する方法を説明した。以下では、図1(B1)~(B3)を参照して、実施例1の基板105の変形において、基板105の面内方向の形状を制御する場合について説明する。この場合も、上記と同様に図10のフローチャートが適用されうる。
面内方向の変形は一般に、歪み(ディストーション)と呼ばれる。図1(B1)に示す基板105は、歪の状態を便宜的に説明するために縦格子模様で表現されており、図1(B2)および(B3)では、変形後の歪の分布が縦格子の粗密で表現される。
上述の基板凹凸変形の場合と同様に、工程S1において、制御部Cは、複数の加熱部103の全てを駆動して相変化材料102を融点Tm以上に加熱し、その後、加熱を瞬断することにより急冷する。急冷によって相変化材料102はアモルファス相となり最も体積が大きい状態となる。この場合、相変化材料102は融点以上となるためできるだけ外力が少ない方がよいため、加熱時は基板105を基板保持部101から一旦退避しておくとよい。
工程S2において、基板保持部101により基板105が保持された状態で、制御部Cは基板105の歪みを計測する。基板保持部101により基板105が保持された状態とするのは、次の工程S3にて、変形させた基板保持部101の歪みを基板105に伝達させるためである。基板105の歪みの計測は、例えば、基板105の表面に配置されたパターンを計測することにより行われる。したがって本実施例では、計測結果は、基板の表面の面内方向の変形量の情報を含む。
次に、工程S3における基板105の変形処理について説明する。基板保持部101により基板105が保持された状態で、制御部Cは、図1(B2)に示すように、工程S2での計測により得られた形状データに基づき複数の加熱部103のうちの一部(特定の1つ以上の加熱部)に電力を供給する。これにより、相変化材料102が局所的に加熱され、基板保持部101とそこに吸着保持されている基板105を歪ませることができる。基板105に与える歪み量は、工程S2で計測された形状データに基づいて導出してもよいし、あらかじめ計測された基板105に内在する歪み量を工程S2での計測により得られた形状データに加算することで導出してもよい。あるいは、保持装置100を利用している基板処理装置による基板処理によって歪む量をあらかじめ求めておき、基板処理による歪みが低減されるように基板105に与える歪み量を導出してもよい。
工程S3における相変化材料102の加熱・変形においては、図1(B2)に示すように、基板保持部101により基板105が吸着保持された状態で、複数の加熱部103それぞれへの電力供給が制御されて相変化材料102を局所的に加熱される。この際、基板105において大きな収縮量として歪ませたい部位では、相変化材料102の広い範囲でガラス転移温度Tgを上回るように、加熱部の温度を高くする、または投入熱量を多くするよう調整する。その後、徐冷することでガラス転移温度Tgを超えた範囲の相変化材料102は結晶へと相変化して体積が収縮する。その結果、基板保持部101の局所的な収縮が基板105にも伝達し、基板105に歪みを与えることができる。加熱部の加熱状態によって結晶に相変化して収縮する範囲を変え、基板105の歪みを制御することができる。
以降は、図1(A1)~(A3)における基板凹凸制御の場合と同様に、制御部Cは、工程S4にて基板105の歪みを計測し、工程S5にて基板105の歪み量と目標歪み量との差が許容範囲内にあるかどうかを判断する。また、工程S6では、制御部Cは、相変化材料102が変形補正可能な範囲にあるかどうかの判断を行い、工程S5および工程S6の判断結果に応じて処理を繰り返す。
(実施例2)
図1に示す実施例1では、基板または保持面の変形を、複数の加熱部103のうちの一部の温度または熱量で制御する構成を示した。これに対し、実施例2では、図2(A1)~(A3)に示すように、複数の加熱部103は実施例1より多数の加熱部を有し、変形したい部位の近傍における、変形させたい量に応じた個数の加熱部をON/OFF駆動する。
制御手順については、実施例2においても、実施例1と同様に、図10のフローチャートが適用されうる。図2(A2)においても、実施例1の図1(A2)と同様に、複数の加熱部103のうちの、基板105の凹ませたい部位の近傍の加熱部をONすることで相変化材料102の収縮を制御する。その結果、図2(A3)に示すように、基板保持部101の基板を保持する面を凹ませることができる。
実施例1と実施例2の違いについて説明する。実施例1では、複数の加熱部103それぞれの入熱量を複数階調で制御する。これに対し実施例2では、複数の加熱部103それぞれをON/OFF制御し、ONにする加熱部の配置の粗密によって相変化材料102の加熱が制御される。図2(A2)では工程S3において大きく凹ませたい部位でONされる加熱部は密で、小さく凹ませる部位でONされる加熱部103は疎となる。複数の加熱部103のON/OFFにより昇温部位を制御するため、複数の加熱部103は、基板105の目標形状または目標歪みにおける基板面内の周期性成分の短周期な波長よりも細かく配置されることが望ましい。
図2(B1)~(B3)は、面内方向に着目した変形処理を示している。その処理の内容は、上述した図1(B1)~(B3)と同様であるため、説明を省略する。
なお、この実施例2においては、複数の加熱部103のうち昇温する加熱部を選択するだけではなく、実施例1と同じく、各加熱部の温度または熱量を同時に変化させて相変化材料102の相変化を制御してもよい。
(実施例3)
実施例3は、基板保持部101の外部から相変化材料102を加熱する構成としたものである。図3(A1)には、実施例3の構成例が示されている。図3(A1)において、基板保持部101の内部に相変化材料102が配置されているが、複数の加熱部1031は、基板105を挟んで基板保持部101の基板保持面から上方に離間して配置される。複数の加熱部1031は、離れた位置から局所的に加熱するため、例えば、基板保持面に対してレーザー等の電磁放射線を照射する構成を備えうる。ただし、基板保持部101と複数の加熱部1031とを近接して配置できる場合には、複数の加熱部1031は、電磁誘導加熱やヒータを含む構成としてもよい。複数の加熱部1031は、基板105を透過する電磁放射線を照射する構成としてもよい。一例において、基板がシリコンウエハである場合、複数の加熱部1031がシリコンを透過する赤外光を照射する構成としうる。これにより、基板保持部101はシリコンウエハである基板105(または計測用基板)を保持したまま工程S2の計測および工程S3の基板変形を同時に行うことができ、基板載せ替えに伴う誤差を低減することができる。
制御手順については、実施例3においても、実施例1,2と同様に、図10のフローチャートが適用されうる。図3(A1)~(A3)を参照して、基板105表面の凹凸を変形させる処理を説明する。工程S1で、制御部Cは、複数の加熱部1031により相変化材料102を加熱・急冷してアモルファス相にする。制御部Cは、工程S2で、計測対象である基板105の表面または基板保持部の基板保持面の凹凸の計測を行う。その後、工程S3で、制御部Cは、複数の加熱部1031のうちの、相変化材料102の凹ませたい部位に対応する加熱部をガラス転移温度Tg相当の温度に加熱・徐冷して収縮させる。制御部Cは、工程S4で計測対象の形状を計測し、工程S5で基板105の変形量と目標変形量との差が許容範囲内にあるかどうかを判断する。工程S6では、制御部Cは、相変化材料102が変形可能な範囲にあるかどうかの判断を行い、工程S5および工程S6の判断結果に応じて処理を繰り返す。
次に、図3(B1)~(B3)を参照して、基板105の面内方向の形状を制御する方法を説明する。
工程S1において、制御部Cは、複数の加熱部1031の全てを駆動して相変化材料102を融点Tmを超える温度に加熱し急冷する。急冷によって相変化材料102はアモルファス相となり最も体積が大きい状態となる。この場合、相変化材料102は融点以上となるためできるだけ外力が少ない方がよいため、加熱時は基板105を基板保持部101から一旦退避しておくとよい。
工程S2において、基板保持部101により基板105が保持された状態で、制御部Cは基板105の歪みを計測する。基板保持部101により基板105が保持された状態とするのは、次の工程S3にて、変形させた基板保持部101の歪みを基板105に伝達させるためである。基板105の歪みの計測は、例えば、基板105の表面に配置されたパターンを計測することにより行われる。
次に、工程S3で、基板保持部101により基板105が吸着保持された状態で、制御部Cは、図3(B2)に示すように、工程S2での計測により得られた形状データに基づき複数の加熱部1031のうちの特定の1つ以上の加熱部に電力を供給する。これにより、相変化材料102が局所的に加熱される。その後、徐冷が行われることにより、相変化材料102が変形し、基板保持部101とそこに吸着保持されている基板105を歪ませることができる。上述したように、この場合においては、複数の加熱部1031は、基板105又は計測用基板を透過する電磁放射線とする。
前述した図1(B1)~(B3)と同様に、ガラス転移温度Tgを超えた範囲の相変化材料102は結晶へと相変化して体積が収縮し、結果として基板保持部101の局所的な収縮が基板105にも伝達することで基板105に歪みが与えられる。
図3(A1)~(A3)および図3(B1)~(B3)では、実施例1と同様に、加熱部1031は複数の加熱部によって構成されているが、加熱部は1つであってもよい。その場合、加熱部1031と基板保持部101との相対位置を変化させることによって相変化材料102を加熱する位置を変えてもよい。加熱部1031および基板保持部101の一方またはその両方を図3の紙面左右および奥行方向に駆動することにより、加熱部1031と基板保持部101との相対位置を変化させることができる。これにより、相変化材料102の加熱位置を変えることができる。加熱部1031がレーザー光等の電磁放射線を照射する構成である場合には、ガルバノスキャナなどの偏向機器を用いて相変化材料102への加熱位置を任意の位置に駆動させることができる。すなわち、加熱部103は、放射線源から発生された電磁放射線が相変化材料102の1つ以上の部分のそれぞれに照射されるように電磁放射線を偏向するガルバノスキャナを含みうる。
加熱部1031においては、広い範囲を一括で加熱する幅広光の中を部分的に遮光または減光させる描画デバイスによって相変化材料102への入熱を制御してもよい。この場合の描画デバイスとしては、液晶シャッターやMEMSマイクロミラー駆動素子などが好適である。
図4には、保持装置100およびそれを利用する基板処理装置110を含む基板処理システム1の構成例が示されている。保持装置100は、基板保持部101と、相変化材料102とを有する。基板処理装置110は、保持装置100によって保持された基板105を処理する処理部108を有する。処理部108は、基板処理のための基板処理機構109を含む。本実施形態では、基板処理装置110の外部に、加熱部1031と、変位計測部106とが配置されている。なお、加熱部1031は、前述したように、単一の加熱部でも複数の加熱部を含むものでもよい。基板処理装置110の生産性の観点からは、工程S2およびS4の計測工程と、工程S1およびS3の加熱工程は、基板処理装置110の基板処理が実施される位置(基板処理機構109の下の位置)にて、基板処理と並行して実施されることが望ましい。しかし、基板処理機構109の配置制約等により、変位計側部106および加熱部1031を処理部108内に配置できない場合がある。そこで、図4では、基板処理装置110の外部の位置に保持装置100を配置しそこで加熱部1031および変位計測部106を用いた基板保持面の変形処理が実施される。変形処理が完了し、基板が保持された後、保持装置100のうちの基板保持部101が、基板105を伴って、不図示の搬送機構によって基板処理装置110に搬入される。このように、生産性の観点からは、保持装置100は、基板処理装置110内にあることが好ましいものの、上記のように、基板処理機構109の配置制約等によっては、基板処理装置110の外部に設けられうる。基板処理装置100の外部に保持装置100を設けることで、保持装置100のユニットの寸法制約などが緩和されるため、例えば、より高精度な変位計側部を構成することも可能になる。
<第2実施形態>
図6(a)~(c)を参照して、第2実施形態における保持装置100による基板変形方法を、実施例4として説明する。
(実施例4)
図6(a)において、保持装置100の基板保持部101は、基板を支持する凸状の複数の突起部1011を有する。基板処理装置において、基板保持部101が基板を保持する際に基板と基板保持部101との間に微細なパーティクルを挟み込むことによって基板表面が局所的に変形してしまう問題の対策として、このような複数の突起部1011が採用されている。複数の突起部1011の頂点でのみ基板と接触することで、基板との接触面積を小さくし、パーティクルを挟み込む確率を下げる効果がある。
相変化材料102は、複数の突起部1011の上面に配置される。図6(a)では、相変化材料102は、複数の突起部1011の上面のみに配置されるが、図7に示すように、複数の突起部1011だけでなく基板保持部101の表面も含めて配置されてもよい。図7に示すような相変化材料102の配置は、例えば、スパッタリングなどの成膜方法によって相変化材料102を基板保持部101に成膜することにより実現されうる。本実施例においては、複数の突起部1011への相変化材料102の配置の態様は、図6(a)、図7のどちらでもよく、採用される加工方法などを鑑み適宜設計される。
また、相変化材料102を保護するための不図示の保護層が相変化材料102の上面にコーティングされてもよい。この場合、保護層は、加熱部1031からの電磁放射線が透過するような材質であることが望ましい。
実施例4における基板105の凹凸変形に至る動作は、図10に示すフローチャートに従い制御されうる。
加熱部1031と基板保持部101とを、紙面左右および奥行方向に相対駆動することで複数の突起部1011における相変化材料102が加熱される。あるいは、ガルバノスキャナなどの偏向機器を用いて複数の突起部1011における相変化材料102が加熱されてもよい。あるいは、実施例3と同様に、液晶シャッターやMEMSマイクロミラー駆動素子など用いて相変化材料102への入熱が制御されてもよい。
実施例4における保持装置100の制御フローは、実施例3と同様であり、まず、工程S1にて、相変化材料102をアモルファス化し、工程S2にて形状を計測する。工程S2での計測においては、実施例1と同様、計測対象は、基板保持部101によって保持された基板105の表面でもよいし、基板保持部101によって基板105が保持されていない状態における複数の突起部1011の上表面でもよい。
計測方法としては、図5(a)に示すような、局所的な変位を計測する変位計測部106を用いる方法と、図5(b)に示すような、広い範囲の凹凸を一括で計測する平面変位計側部1061を用いる方法のいずれを採用してもよい。実施例1において記載したとおり、計測精度を向上させるためには、広い範囲を一括で計測する平面変位計側部による計測の方が計測誤差を低減でき好適である。
工程S3において、工程S2での形状計測結果に基づいて、加熱部1031を用いて、凹ませたい部位の相変化材料102をガラス転移温度Tg相当の温度に加熱し収縮させる(図6(b))。次に、工程S4で、計測対象の形状を計測し、工程S5で、該計測された形状と目標形状との差が許容範囲内にあると判断されるまで、工程S3~工程S6の工程を繰り返す。図6(c)には、計測された形状と目標形状との差が許容範囲内になったときの相変化材料102の制御された状態の例が示されている。
なお、本実施例においても、図4に示したように、基板処理装置の外部にて、加熱部1031を用いた相変化材料102の加熱および変位計測部を用いた相変化材料102の形状の計測を行う構成としてもよい。
(実施例5)
図8には、実施例5における相変化材料を配置態様の例が示されている。図8では、基板保持部101の内部に、相変化材料1022が複数配置されている。複数の相変化材料1022は、例えば図1に示した相変化材料102を複数個に分割したものと理解されてよい。相変化材料を複数部位に分割することで、複数の相変化材料1022のうち、凹凸または歪みを生じさせたい部位に配置された1つ以上の相変化材料のみをピンポイントで加熱させることができる。こうすることで、保持装置100における基板105面内の変形の制御性を向上させることができる。また、図1に示した相変化材料102では、温度分布が連続であるが、複数の相変化材料1022の場合、相互の温度変化はステップ状に分断されるため、基板面内方向において急峻な凹凸変化および歪み変化を生成することができる。また、複数の相変化材料1022における隣り合う相変化材料間の熱伝導を低減するための分離壁が配置されてもよい。そのような分離壁によって、隣り合う相変化材料間の温度変化を分断することができる。
(実施例6)
上述の実施例4に関して図6(a)に示した複数の突起部1011のそれぞれに配置された相変化材料102を、更に複数の領域に分けることができる。図11(a)は、基板保持部101における複数の突起部1011のうちの1つを基板側から見た平面図、図11(b)は、図11(a)の突起部1011の側面図である。図11(a)に示すように、1つの突起部の内部に複数(例えば4つ)の相変化材料102が配置されている。一例として、工程S3において、図11(b)の右側の相変化材料102のみを駆動(入熱)すると、破線で示すように右側の相変化材料102のみ体積が収縮する。このように、突起部内の複数の相変化材料それぞれへの入熱量に差をつけることにより、突起部1011の上面を傾斜させることができる。なお、図11(a)では、例として1つの突起部に4つの相変化材料102が配置されているが、配置される相変化材料の個数は特定の個数に限定されない。ただし、突起部上面を任意の角度に傾斜させるためには、1つの突起部に少なくとも3つの相変化材料を配置することが望ましい。
図12を参照して、突起部上面を傾斜させる別の方法を説明する。図12では、複数の突起部1011のそれぞれに単一の相変化材料102が配置される。ここでは、この相変化材料102への入熱量に分布を設けることができる。例えば、工程S3において、図12の相変化材料102の左側の入熱量が高くなるように分布を与えると、相変化材料102において相変化領域1021の左側に向かうにつれ収縮量が大きくなるため、突起部1011上面を左下がりに傾斜させることができる。
(実施例7)
図13(a)、(b)を参照して、突起部1011の変形量を相対的に拡大する例を説明する。
上述の実施例4(図6(a)~(c))では、突起部1011の上端面に相変化材料102を配置し、相変化材料102の相変化による体積変化により、基板保持面の変形を実現しているが、相変化材料102の体積変化量は限定的である。そこで、相変化材料102の上方への変形量を拡大するため、図13(a)に示すように、突起部1011に配置した相変化材料102の下部近傍に突起部空隙107を設ける。相変化材料102の相変化による膨張率は、突起部空隙107の熱膨張率より大きい。そのため、相変化材料102がアモルファス化して膨張すると、図13(b)に示すように、バイメタル変形の如く、相変化材料102の端部は突起部空隙107側へ曲がり、それに応じて相変化材料102の中央部は上方へ膨出する。これにより、相変化材料102の上方への変形量を増大させることができる。
<第3実施形態>
図4で示した基板処理システム1において、保持装置100を利用する基板処理装置110は、リソグラフィ装置(露光装置、インプリント装置、荷電粒子線描画装置等)のいずれかでありうる。露光装置は、基板の上に供給されたフォトレジストを原版を介して露光することによって該フォトレジストに原版のパターンに対応する潜像を形成する装置である。インプリント装置は、基板の上に供給されたインプリント材に型(原版)を接触させた状態でインプリント材を硬化させることによって基板の上にパターンを形成する装置である。荷電粒子線描画装置は、基板の上に供給されたフォトレジストに荷電粒子線によってパターンを描画することによって該フォトレジストに潜像を形成する装置である。
あるいは、基板処理装置110は、成膜装置(CVD装置等)、加工装置(レーザー加工装置等)、検査装置(オーバーレイ検査装置等)のいずれかであってもよい。あるいは、基板処理装置110は、リソグラフィ処理の前処理として基板にレジスト材(密着材)の塗布処理を行うとともに、リソグラフィ処理の後処理として現像処理を行う塗布現像装置(コーター/ディベロッパー)であってもよい。
以下では、具体例を提供するために、基板処理装置110が露光装置として構成される例を説明する。図14には、保持装置100を利用する露光装置110Aの構成が示されている。図4においても示したように、保持装置100は、露光装置110Aの外部に設置されうる。保持装置100において、加熱部1031および変位計測部106を用いた基板保持面の変形処理が実施される。なお、加熱部1031は、前述したように、単一の加熱部でも複数の加熱部を含むものでもよい。変形処理が完了し、基板が保持された後、保持装置100のうちの基板保持部101が、基板105を伴って露光装置110Aに搬入される。
露光装置110Aは、基板の複数のショット領域のそれぞれに露光を行う露光装置であり、例えば、スリット光により基板を走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置である。露光装置110Aは、照明光学系10と、マスクステージ12と、投影光学系13と、制御装置22とを含む。ここで、搬入された基板保持部101は、XY方向に移動する基板ステージとして機能する。制御装置22は、例えば、CPUやメモリを含むコンピュータ装置によって構成され、露光装置110Aを統括的に制御する。すなわち、制御装置22は、原版であるマスク11に形成されたパターンを基板105に転写する処理(基板105を走査露光する処理)を制御する。また、ここでは、上記した制御部Cの機能は制御装置22によって実現されるものとする。
照明光学系10は、それに含まれるマスクキングブレードなどの遮光部材により、光源(不図示)から射出された光を、例えばX方向に長い帯状または円弧状の形状を有するスリット光に整形し、そのスリット光でマスク11の一部を照明する。マスク11および基板105は、マスクステージ12および基板保持部101(基板ステージ)によってそれぞれ保持されており、投影光学系13を介して光学的にほぼ共役な位置(投影光学系13の物体面および像面)にそれぞれ配置される。投影光学系13は、基板保持部101によって保持された基板105の複数のショット領域のそれぞれにマスク11のパターンを投影する。具体的には、投影光学系13は、所定の投影倍率(例えば1/2倍や1/4倍)を有し、マスク11に形成されたパターンをスリット光により基板上に投影する。そして、マスクステージ12および基板保持部101は、投影光学系13の光軸方向(Z方向)に直交する方向(例えばY方向)に移動可能に構成されており、互いに同期しながら投影光学系13の投影倍率に応じた速度比で相対的に走査される。これにより、照射領域を基板上でY方向に走査させて、マスク11に形成されたパターンを基板上のショット領域に転写することができる。そして、このような走査露光を、基板保持部101を移動させながら、基板上における複数のショット領域の各々について順次繰り返すことにより、1枚の基板105における露光処理を完了させることができる。
保持装置100の基板保持面の変形処理の内容は、第1実施形態および第2実施形態で説明したとおりである。該変形処理の実施においては、基板105を交換するタイミングや、装置の各種キャリブレーションにて基板105への露光を停止しているタイミングが好ましい。
<物品製造方法の実施形態>
本発明の実施形態における物品製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。本実施形態の物品製造方法は、上記のリソグラフィ装置(露光装置やインプリント装置、描画装置など)を用いて基板に原版のパターンを転写する工程と、かかる工程でパターンが転写された基板を加工する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含む。本実施形態の物品製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:保持装置、101:基板保持部、102:相変化材料、103:加熱部、105:基板、C:制御部

Claims (23)

  1. 物体を保持する保持部と、
    前記保持部の内部または前記物体の保持面の上に配置され、アモルファス相と結晶相との間で相変化し該相変化に伴って体積変化する相変化材料と、
    前記相変化材料の体積変化を生じさせることにより前記保持面を変形させるように、前記相変化材料を加熱する加熱部を用いた前記相変化材料の加熱を制御する制御部と、
    を有することを特徴とする保持装置。
  2. 前記制御部は、
    前記加熱部を用いて前記相変化材料を融点を超える温度に加熱し冷却することにより、前記相変化材料をアモルファス化する第1工程と、
    その後、前記加熱部を用いて前記相変化材料の一部をガラス転移温度を超える温度に加熱し冷却することにより、前記相変化材料の体積を部分的に収縮させる第2工程と、
    を実施することにより前記保持面を変形させる、ことを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  3. 前記制御部は、前記保持面、または前記保持部によって保持された前記物体の表面、の形状の計測結果に基づいて、前記一部を決定する、ことを特徴とする請求項2に記載の保持装置。
  4. 前記計測結果は、前記保持部によって保持された前記物体の表面の面外方向の変形量の情報を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の保持装置。
  5. 前記計測結果は、前記保持部によって保持された前記物体の表面の面内方向の変形量の情報を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の保持装置。
  6. 前記保持面、または前記保持部によって保持された前記物体の表面、の形状を計測する計測部を更に有する、ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の保持装置。
  7. 前記第2工程は、前記相変化材料の部分的な収縮を実施した後、前記計測部を用いて前記保持面、または前記保持部によって保持された前記物体の表面、の形状を計測することを含み、
    前記制御部は、目標形状と前記該計測された形状との差が許容範囲内に収まるまで、前記第2工程を繰り返す、ことを特徴とする請求項6に記載の保持装置。
  8. 前記加熱部は、複数の加熱部を含み、
    前記制御部は、前記複数の加熱部それぞれの入熱量を複数階調で制御する、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の保持装置。
  9. 前記加熱部は、複数の加熱部を含み、
    前記制御部は、前記複数の加熱部それぞれをON/OFF制御する、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の保持装置。
  10. 前記複数の加熱部は、前記保持部の内部に配置される、ことを特徴とする請求項8または9に記載の保持装置。
  11. 前記複数の加熱部の各々は、供給された電力によって発熱する抵抗発熱性の材料からなるヒータ素子を含む、ことを特徴とする請求項10に記載の保持装置。
  12. 前記複数の加熱部の各々は、強磁性材料の周りに配置されたコイルによって生じる電磁誘導を用いて加熱する誘導加熱素子を含む、ことを特徴とする請求項10に記載の保持装置。
  13. 前記加熱部は、前記保持面から上方に離間して配置される、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の保持装置。
  14. 前記加熱部は、前記保持面に対して電磁放射線を照射することで前記相変化材料を加熱する、ことを特徴とする請求項13に記載の保持装置。
  15. 前記保持面は、複数の突起部を有し、前記複数の突起部それぞれの上面に前記相変化材料が配置される、ことを特徴とする請求項13または14に記載の保持装置。
  16. 前記加熱部は、放射線源から発生された電磁放射線が前記相変化材料の1つ以上の部分のそれぞれに照射されるように前記電磁放射線を偏向するガルバノスキャナを含む、ことを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載の保持装置。
  17. 前記相変化材料は、前記保持部の内部に複数配置される、ことを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の保持装置。
  18. 隣り合う相変化材料の間に配置され、当該相変化材料間の熱伝導を低減するための分離壁を更に有する、ことを特徴とする請求項17に記載の保持装置。
  19. 前記保持面は、複数の突起部を有し、前記複数の突起部それぞれの内部に複数の相変化材料が配置され、
    前記制御部は、突起部における前記複数の相変化材料それぞれへの入熱量に差をつけることにより、該突起部の上面を傾斜させる、
    ことを特徴とする請求項13または14に記載の保持装置。
  20. 前記保持面は、複数の突起部を有し、前記複数の突起部それぞれの内部に単一の相変化材料が配置され、
    前記制御部は、突起部における前記相変化材料への入熱量に分布を設けることにより、該突起部の上面を傾斜させる、
    ことを特徴とする請求項13または14に記載の保持装置。
  21. 前記保持面は、複数の突起部を有し、前記複数の突起部それぞれの内部に相変化材料が配置され、かつ、前記相変化材料の下部近傍に、該相変化材料の変形量を増大させるための空隙が設けられる、ことを特徴とする請求項13または14に記載の保持装置。
  22. 基板にパターンを形成するリソグラフィ装置であって、
    物体である前記基板を保持する、請求項1から21のいずれか1項に記載の保持装置を有する、ことを特徴とするリソグラフィ装置。
  23. 請求項22に記載のリソグラフィ装置を用いて基板にパターンを形成する工程と、
    前記工程で前記パターンが形成された基板を処理する工程と、
    を有し、前記処理された基板から物品を製造する、ことを特徴とする物品製造方法。
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