JP2023120490A - 印刷装置およびノズル保湿方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルへの気泡の進入を抑えつつノズルを保湿する。【解決手段】キャッピングのためにヘッドユニット3に接触するメンテナンスユニット5内の泡状洗浄液Lbによって、吐出ヘッド31のノズル311を保湿することができる。特に、キャッピングの実行時にメンテナンスユニット5内の泡状洗浄液Lbがノズル開口平面310から離間するように、メンテナンスユニット5に泡状洗浄液Lbが吐出されてから、キャッピングが実行される。したがって、泡状洗浄液Lbに含まれる気泡がノズル311に進入するのを抑制することができる。【選択図】図14

Description

この発明は、インク吐出面で開口するノズルからインクを吐出する吐出ヘッドをキャップユニットで覆うキャッピングによってノズルを保湿する技術に関する。
特許文献1では、吐出口面で開口するノズルからインクを吐出するプリントヘッドの吐出口面を洗浄する技術が記載されている。具体的には、吐出口面にキャッピング部材を押し付けた状態で、発泡状態の洗浄液でキャッピング部材内が満たされる。これによって、発泡状態の洗浄液が吐出口面に付着して、吐出口面に固着したインクが溶解される。また、特許文献2では、泡状の液体を利用してノズルを保湿する技術が記載されている。具体的には、ノズルからインクを吐出する液体噴射部に泡状の液体を噴射してから、この泡状の液体が保湿用キャップの内側に含まれるように、液体噴射部を保湿用キャップによって覆うことで、ノズルが保湿される。
特開平11-198396号公報 特開2016-155252号公報
上記の特許文献1では、吐出口面に接触するキャッピング部材の内部が発泡状態の洗浄液で満たされるため、気泡がノズル内に進入して、ノズルからのインクの吐出を妨げるおそれがあった。また、特許文献2では、液体噴射部に接触するキャップの内側に相当する位置、換言すればノズルの近傍に対して気泡を含む液体が噴射される。そのため、ノズル内への気泡の進入によって、ノズルからのインクの吐出が妨げられるおそれが生じるものであった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ノズルへの気泡の進入を抑えつつノズルを保湿することを可能とすることを目的とする。
本発明に係る印刷装置は、インク吐出面で開口するノズルからインクを吐出する吐出ヘッドと、吐出ヘッドを保持するヘッド保持部材とを有するヘッドユニットと、ノズルに対向しつつヘッドユニットに接触することでノズルを覆うキャッピングを実行するキャップユニットと、キャップユニットがキャッピングを実行する前に、キャップユニットに気泡を含む洗浄液である泡状洗浄液を吐出する洗浄液吐出部とを備え、洗浄液吐出部は、キャッピングを実行するキャップユニット内の泡状洗浄液がインク吐出面から離間するように、キャップユニットに泡状洗浄液を吐出する。
本発明に係るノズル保湿方法は、キャップユニットに気泡を含む洗浄液である泡状洗浄液を吐出する工程と、インク吐出面で開口するノズルからインクを吐出する吐出ヘッドと、吐出ヘッドを保持するヘッド保持部材とを有するヘッドユニットのノズルにキャップユニットを対向させつつ、ヘッドユニットにキャップユニットを接触させるキャッピングを実行する工程とを備え、キャッピングを実行するキャップユニット内の泡状洗浄液がインク吐出面から離間するように、キャップユニットに泡状洗浄液が吐出される。
このように構成された本発明(印刷装置、ノズル保湿方法)では、キャッピングによってヘッドユニットに接触するキャップユニット内の泡状洗浄液によって、ヘッドユニットが有する吐出ヘッドのノズルを保湿することができる。特に、キャッピングの実行時にキャップユニット内の泡状洗浄液がインク吐出面から離間するように、キャップユニットに泡状洗浄液が吐出されてから、キャッピングが実行される。したがって、吐出口面に接触するキャッピング部材の内部を発泡状態の洗浄液で満たす上記技術や、液体噴射部(のノズル近傍)に泡状洗浄液を直接噴射する上記技術に比べて、気泡がノズルに進入するのを抑制することができる。こうして、ノズルへの気泡の進入を抑えつつノズルを保湿することが可能となっている。
また、キャップユニットは、ヘッドユニットに対応して開口する大開口を有する大キャップと、大開口より小さくインク吐出面に対応して開口する小開口を有する小キャップとを有し、小キャップは、大開口の内側に配置され、大キャップは、大開口を規定する周縁部である大開口周縁部を有し、小キャップは、小開口を規定する周縁部である小開口周縁部を有し、キャッピングの実行時には、大開口がヘッドユニットに対向しつつ、大開口周縁部がヘッドユニットに接触し、小開口がインク吐出面に対向し、洗浄液吐出部は、大開口の内側に泡状洗浄液を吐出するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、キャッピングによってヘッドユニットに接触する大キャップの内側の泡状洗浄液によって、ヘッドユニットが有する吐出ヘッドのノズルを保湿することができる。また、このようなキャップユニットに対して上記のように泡状洗浄液を吐出してから、キャッピングを実行することで、ノズルへの気泡の進入を抑えつつノズルを保湿することが可能となる。
なお、大キャップの大開口の内側には、当該大開口そのものと、小キャップの小開口とが存在する。これに対して、大開口および小開口の一方あるいは両方に泡状洗浄液を吐出することで、かかる効果を奏することができる。
つまり、洗浄液吐出部は、小開口内に泡状洗浄液を吐出し、キャッピングを実行するキャップユニットの小開口内の泡状洗浄液は、インク吐出面から離間するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、キャッピングによってヘッドユニットに接触する大キャップの内側でインク吐出面に対向する小開口内の泡状洗浄液によって、吐出ヘッドのノズルを保湿することができる。この際、キャッピングの実行時に小開口内の泡状洗浄液がインク吐出面から離間するように、小開口内に泡状洗浄液が吐出されてから、キャッピングが実行される。したがって、ノズルへの気泡の進入を抑えつつノズルを保湿することが可能となっている。
また、 洗浄液吐出部に対してキャップユニットを駆動方向に相対的に駆動する駆動部をさらに備え、キャップユニットでは、それぞれ駆動方向に配列された小キャップを有する第1キャップ列および第2キャップ列が、駆動方向に直交する幅方向の異なる位置に配置され、 洗浄液吐出部は、第1キャップ列に対応して設けられた第1吐出口と、第2キャップ列に対応して設けられた第2吐出口とを有し、第1吐出口は、駆動部の駆動に伴って駆動方向に移動する第1キャップ列内の小キャップの小開口内に泡状洗浄液を吐出し、第2吐出口は、駆動部の駆動に伴って駆動方向に移動する第2キャップ列内の小キャップの小開口内に泡状洗浄液を吐出し、第1キャップ列において駆動方向に配列された小キャップのうち駆動方向の先頭の第1先頭キャップと、第2キャップ列において駆動方向に配列された小キャップのうち駆動方向の先頭の第2先頭キャップとは、駆動方向の異なる位置に設けられ、駆動方向における第1先頭キャップと第2先頭キャップとの位置の違いに応じて、第1吐出口が第1先頭キャップへの泡状洗浄液の吐出を開始するタイミングと、第2吐出口が第2先頭キャップへの泡状洗浄液の吐出を開始するタイミングとが異なるように、印刷装置を行使してもよい。
かかる構成では、洗浄液吐出部に対してキャップユニットを駆動方向に相対的に移動させつつ、洗浄液吐出部から小キャップの小開口内に泡状洗浄液が吐出される。この際、キャップユニットでは、第1キャップ列と第2キャップ列とが幅方向の異なる位置に配置されるのに対して、洗浄液吐出部は、第1キャップ列に対応する第1吐出口と、第2キャップ列に対応する第2吐出口とを有する。そして、第1吐出口は、駆動方向に相対的に移動する第1キャップ列の小キャップに泡状洗浄液を吐出し、第2吐出口は、駆動方向に相対的に移動する第2キャップ列の小キャップに泡状洗浄液を吐出する。ただし、駆動方向において、第1キャップ列の先頭に位置する小キャップ(第1先頭キャップ)と、第2キャップ列の先頭に位置する小キャップ(第2先頭キャップ)とは、駆動方向において異なる位置に設けられている。このような第1および第2先頭キャップの位置の違いに対応するために、第1吐出口が第1先頭キャップへの泡状洗浄液の吐出を開始するタイミングと、第2吐出口が第2先頭キャップへの泡状洗浄液の吐出を開始するタイミングとが異なっている。これによって、第1キャップ列および第2キャップ列それぞれの小キャップに泡状洗浄液を的確に吐出することが可能となっている。
また、洗浄液吐出部に対してキャップユニットを駆動方向に相対的に駆動する駆動部をさらに備え、洗浄液吐出部は、所定の吐出対象範囲に対して泡状洗浄液を吐出する吐出口を有し、駆動部の駆動によって小開口の内側が吐出対象範囲を通過する期間に吐出口から泡状洗浄液を吐出し、駆動部の駆動によって小開口周縁部が吐出対象範囲を通過する期間は吐出口から泡状洗浄液を吐出しないように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、小キャップの小開口周縁部を避けつつ、小キャップの小開口に泡状洗浄液を吐出できる。そのため、小開口周縁部に付着した泡状洗浄液がインク吐出面に付着して、さらに泡状洗浄液に含まれる気泡がノズルに進入するのを抑制することができる。
また、駆動方向に直交する幅方向において、小開口の内側に吐出対象範囲が含まれるように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、小キャップの小開口周縁部を避けつつ、小キャップの小開口に泡状洗浄液を吐出できる。そのため、小開口周縁部に付着した泡状洗浄液がインク吐出面に付着して、さらに泡状洗浄液に含まれる気泡がノズルに進入するのを抑制することができる。
ところで、キャッピングが短期間に繰り返されると、小開口内の泡状洗浄液が消えないうちに(消泡しないうちに)、小開口内に次の泡状洗浄液が追加されて、小開口内の泡状洗浄液の量がキャッピングの度に増加して、泡状洗浄液がインク吐出面に到達する場合が想定される。このような場合、気泡がノズル内に進入して、ノズルからのインクの吐出を妨げるおそれがある。
そこで、洗浄液吐出部は、大キャップの大開口の内側であって小キャップの外側の小キャップ外部領域に泡状洗浄液を吐出し、小開口内に吐出される泡状洗浄液に含まれる気泡のサイズは、小キャップ外部領域に吐出される泡状洗浄液に含まれる気泡のサイズより大きいように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、小開口内には、比較的粗い気泡を含む泡状洗浄液が吐出される。そのため、小開口内の泡状洗浄液は比較的早くに消失し、キャッピングの繰り返しに伴って泡状洗浄液がインク吐出面に到達するのを抑制できる。しかも、大キャップの大開口の内側であって小キャップの外側の小キャップ外部領域には、比較的細かい気泡を含む泡状洗浄液が吐出される。そのため、大開口内の小キャップ外部領域に吐出された泡状洗浄液は長時間残存して、ノズルの保湿に寄与する。こうして、ノズルへの気泡の進入を的確に抑えつつ、ノズルを長時間しっかりと保湿することができる。
また、洗浄液吐出部は、大キャップの大開口の内側であって小キャップの外側の小キャップ外部領域に泡状洗浄液を吐出するように、印刷装置を構成してもよい。このようにノズルから離隔した泡洗浄液によって保湿するため、ノズルへの気泡の進入をより確実に防止しつつ、ノズルをしっかりと保湿することができる。
この際、キャッピングの実行時には、小開口周縁部がインク吐出面から離間するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、キャッピングの実行時において、小キャップ外部領域に吐出された泡状洗浄液によって供給される湿気が、小開口周縁部とインク吐出面との間の隙間から小開口内に進入して、ノズルの保湿に寄与することができる。
また、キャップユニットは、互いに異なる対向位置と退避位置との間で移動可能であり、対向位置に位置することでヘッドユニットに対向する一方、退避位置に位置することでヘッドユニットに対向せず、洗浄液吐出部は、退避位置と対向位置との間に対して設けられ、キャップユニットは、対向位置においてキャッピングを実行する一方、吐出ヘッドが印刷媒体にインクを吐出して印刷媒体に画像を印刷する間は退避位置に位置し、洗浄液吐出部は、退避位置から対向位置に移動するキャップユニットに泡状洗浄液を吐出するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、キャッピングの実行のために、キャップユニットが退避位置から対向位置へ移動する期間を有効利用して、キャップユニットに泡状洗浄液を吐出することができる。
また、気泡を含まない液体であるリンス液をキャップユニットに吐出するリンス液吐出部と、キャップユニットからリンス液を排出する液体排出部とをさらに備え、リンス液吐出部がキャップユニットにリンス液を吐出してから液体排出部がキャップユニットからリンス液を排出する泡除去処理を、キャップユニットに泡状洗浄液を吐出する前に実行するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、キャッピングが短期間に繰り返されることに起因する上記の問題の発生を効果的に抑えることができる。
なお、リンス液は種々想定される、例えば、リンス液は気泡を含まない洗浄液であっても良いし、水でもよい。
また、キャップユニットは、互いに異なる対向位置と退避位置との間で移動可能であり、対向位置に位置することでヘッドユニットに対向する一方、退避位置に位置することでヘッドユニットに対向せず、リンス液吐出部は、退避位置と対向位置との間に対して設けられ、キャップユニットは、対向位置においてキャッピングを実行する一方、吐出ヘッドが印刷媒体にインクを吐出して印刷媒体に画像を印刷する間は退避位置に位置し、リンス液吐出部は、対向位置から退避位置に移動するキャップユニットにリンス液を吐出するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、吐出ヘッドによる印刷開始に伴って退避位置に退避するために、キャップユニットが対向位置から退避位置へ移動する期間を有効利用して、キャップユニットにリンス液を吐出することができる。
また、洗浄液吐出部は、退避位置と対向位置との間に対して設けられ、洗浄液吐出部は、退避位置から対向位置に移動するキャップユニットに泡状洗浄液を吐出するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、キャッピングの実行のために、キャップユニットが退避位置から対向位置へ移動する期間を有効利用して、キャップユニットに泡状洗浄液を吐出することができる。
以上のように、本発明によれば、ノズルへの気泡の進入を抑えつつノズルを保湿することが可能となる。
本発明に係る印刷装置の一例を模式的に示す正面図。 図1の印刷装置が備える電気的構成を示すブロック図。 ヘッドユニットの構成を模式的に示す底面図。 メンテナンスユニットの構成を模式的に示す斜視図。 洗浄液供給部の第1例の構成を模式的に示す図。 図5の洗浄液供給部の動作をテーブル形式で示す図。 原液吐出部の具体的構成の第1例を模式的に示す図。 原液吐出部の具体的構成の第2例を模式的に示す図。 エア吐出部の具体的構成の第1例を模式的に示す図。 エア吐出部の具体的構成の第2例を模式的に示す図。 吐出ヘッドに対して実行されるメンテナンスの一例を示すフローチャート。 図9のフローチャートに従って実行される動作の一例を模式的に示す図。 図9のフローチャートに従って実行される動作の一例を模式的に示す図。 図9のメンテナンスで実行されるリンスモードにおける洗浄液の吐出態様の一例を模式的に示す図。 図9のメンテナンスで実行されるリンスモードにおける洗浄液の吐出態様の一例を模式的に示す図。 図9のメンテナンスで実行されるリンスモードにおける洗浄液の吐出態様の一例を模式的に示す図。 図9のメンテナンスで洗浄液を排出するための排液機構の構成と動作を模式的に示す図。 図9のメンテナンスで実行されるバブルモードにおける泡状洗浄液の吐出態様の一例を模式的に示す図。 図9のメンテナンスで実行されるバブルモードにおける泡状洗浄液の吐出態様の一例を模式的に示す図。 図9のメンテナンスで実行されるバブルモードにおける泡状洗浄液の吐出態様の一例を模式的に示す図。 図9のメンテナンスで実行されるバブルモードにおける泡状洗浄液の吐出態様の一例を模式的に示す図。 図9のメンテナンスで実行されるバブルモードにおける泡状洗浄液の吐出態様の一例を模式的に示す図。 図9のメンテナンスで実行されるキャッピングを模式的に示す図。 洗浄液供給部の第2例の構成を模式的に示す図。 洗浄液供給部の第3例の構成を模式的に示す図。 図5の洗浄液供給部によって2種類の泡状洗浄液を吐出する動作をテーブル形式で示す図。
図1は本発明に係る印刷装置の一例を模式的に示す正面図であり、図2は図1の印刷装置が備える電気的構成を示すブロック図である。図1および以下の図では、水平方向であるX方向、X方向に直交する水平方向であるY方向および鉛直方向であるZ方向を適宜示す。印刷装置1は、ロール・トゥ・ロールで長尺帯状のウェブWを搬送しつつ、インクジェット方式でウェブWにインクを吐出することで、ウェブWに画像を印刷する。ウェブWの素材は紙あるいはフィルムであり、ウェブWは可撓性を有する。印刷装置1は、装置全体を統括的に制御する制御部10を備え、印刷やメンテナンスの実行に必要となる制御は制御部10によって実行される。
この制御部10は、演算部11、記憶部12および通信部13を有するコンピュータである。演算部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより構成され、印刷やメンテナンスに必要な演算を実行する。記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)およびSSD(Solid State Drive)等の記憶装置であり、印刷やメンテナンスに必要なデータ等を記憶する。通信部13は、外部のコンピュータ等の外部装置との通信を実行する。
また、印刷装置1は、例えば液晶モニター等によって構成されたディスプレイ14を備え、制御部10は、ディスプレイ14に情報を表示することで、当該情報を作業者に報知する。このディスプレイ14はタッチパネルで構成されており、作業者による入力操作を受け付ける機能を有する。作業者によってディスプレイ14に入力された情報は、制御部10に送信されて、制御部10による制御に使用される。なお、入力機能は、ディスプレイ14とは別に設けられたキーボードやマウス等の入力機器によって構成されてもよい。
印刷装置1は、ウェブWを搬送する搬送部2を備える。搬送部2は、操出ローラ21と巻取ローラ22とを有し、操出ローラ21が繰り出すウェブWを巻取ローラ22により巻き取ることで、ロール・トゥ・ロールでウェブWを搬送する。この搬送部2は、操出ローラ21から繰り出されたウェブWを取り込む取り込み部23を、操出ローラ21と巻取ローラ22との間に備える。取り込み部23は、2本の駆動ローラ231と、2本のニップローラ232と、2本の駆動ローラ231の間に設けられたエッジ位置調整部234とを有する。各駆動ローラ231はウェブWを巻き掛けつつモータの駆動力によって回転することで、ウェブWを駆動する。2本のニップローラ232はそれぞれ2本の駆動ローラ231に対応して設けられ、各ニップローラ232は対応する駆動ローラ231との間にウェブWを挟む。エッジ位置調整部234は、ウェブWの幅方向であるX方向において、ウェブWの端の位置を調整する。
また、搬送部2は、取り込み部23と巻取ローラ22との間でウェブWを支持する複数の支持ローラ24を有する。これら支持ローラ24は、インクジェット方式でインクが吐出されるウェブWを下方から支持しつつ、ウェブWをY方向へ搬送する。特に、複数の支持ローラ24は、ウェブWの搬送方向(Y方向)の下流側の支持ローラ24ほど高い位置に位置するように、傾斜して配列されている。したがって、これら支持ローラ24によって搬送されるウェブWは、Y方向へ向かうに連れて上昇するように傾斜して搬送される。
さらに、搬送部2は、これら支持ローラ24と巻取ローラ22との間でウェブWを支持する複数の支持ローラ25と、これら支持ローラ25と巻取ローラ22との間に配置された乾燥部26を有する。乾燥部26はヒートドラム261と、ヒートドラム261から巻取ローラ22へ向かうウェブWを支持する支持ローラ262とを有する。ヒートドラム261はウェブWの搬送に応じて回転駆動され、内蔵するヒータによってウェブWを加熱することでウェブWを乾燥させる。また、搬送部2は、乾燥部26から巻取ローラ22へ向かうウェブWを支持する複数の支持ローラ27を有する。さらに、搬送部2は、これら支持ローラ27と巻取ローラ22との間に配置された駆動ローラ281とニップローラ282とを有する。駆動ローラ281は、ウェブWを巻き掛けつつモータの駆動力によって回転することで、ウェブWを駆動する。ニップローラ282は駆動ローラ281との間にウェブWを挟む。
印刷装置1は、複数の支持ローラ24によって支持されるウェブWに上方から対向する複数(6個)のヘッドユニット3(図3)を有する。図3はヘッドユニットの構成を模式的に示す底面図である。ヘッドユニット3は各々、複数(5個)の吐出ヘッド31を有する。複数の吐出ヘッド31は、X方向において互いに異なる位置に配置されており、2行千鳥でX方向に配列されている。換言すれば、X方向に平行に配列された3個の吐出ヘッド31からなるヘッド列C31と、X方向に平行に配列された2個の吐出ヘッド31からなるヘッド列C31とがY方向に設けられている。各吐出ヘッド31の底面は、ウェブWに対向するノズル開口平面310であり、ノズル開口平面310は底面視において長方形を有する。ノズル開口平面310では複数のノズル311が開口する。複数のノズル311はX方向に千鳥状に配列されて上方からウェブWに対向し、各ノズル311はインクジェット方式でインクをウェブWに吐出する。このヘッドユニット3は、各吐出ヘッド31を保持するヘッド保持部材32を有する。ヘッド保持部材32の底面は、ウェブWに対向するウェブ対向平面320であり、ウェブ対向平面320は底面視において長方形を有する。ウェブ対向平面320では、複数の吐出ヘッド31に対応して設けられた複数のヘッド挿入孔321が開口する。複数の吐出ヘッド31はそれぞれに対応するヘッド挿入孔321に挿入された状態で、ヘッド保持部材32に固定される。かかるヘッド保持部材32は、金属あるいは樹脂といった非弾性部材で構成することができる。
図1に示すように、複数の支持ローラ24によって支持されるウェブWの傾斜に応じて、複数のヘッドユニット3それぞれの姿勢が設定される。つまり、複数のヘッドユニット3のうち、ウェブWの搬送方向の上流側のヘッドユニット3ほどZ方向に対する傾きが大きくなるように、各ヘッドユニット3が配置されている。ただし、ウェブWの搬送方向(Y方向)の最下流のヘッドユニット3は水平に配置されており、Z方向に対して傾いておらず、当該最下流のヘッドユニット3以外のヘッドユニット3が、ウェブWの搬送方向に向かって高くなるように傾く。なお、ヘッドユニット3の傾きは、ノズル311が形成された吐出ヘッド31のノズル開口平面310がZ方向に対してなす角度によって評価できる。
複数のヘッドユニット3のそれぞれは、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを含む互いに異なる色のインクを、制御部10からの指令に応じてノズル311から吐出する。これによって、ウェブWにカラー画像を印刷することができる。ただし、ヘッドユニット3の個数やインクの色は、ここの例に限られない。
また、印刷装置1は、複数のヘッドユニット3に対応してそれぞれ設けられた複数の昇降駆動部4を備える。各昇降駆動部4は、対応するヘッドユニット3を制御部10からの指令に応じて昇降させることで、互いに高さの異なる複数の位置のいずれかにヘッドユニット3を位置させることができる。図1では、各ヘッドユニット3はウェブWにもっとも近接する印刷高さh0に位置する。かかる昇降駆動部4は、周知の具体的構成により実現でき、例えばボールネジあるいは偏心カム等をモータで駆動することでヘッドユニット3を昇降するように構成することができる。
さらに、印刷装置1は、ヘッドユニット3に対してメンテナンスを実行するメンテナンスユニット5(図4)と、メンテナンスユニット5を水平方向(X方向)に駆動する水平駆動部61とを備える。これらメンテナンスユニット5および水平駆動部61は、複数のヘッドユニット3のそれぞれに対して設けられる。このメンテナンスユニット5は、水平駆動部61によってX方向に駆動されることで、図10Aおよび図10Bを用いて後述するように、ヘッドユニット3に対向する対向位置Paと、ヘッドユニット3からX方向に退避する退避位置Pbとの間で移動する。水平駆動部61は、例えばメンテナンスユニット5を支持するX方向に延設されたレールと、メンテナンスユニット5をX方向に駆動するリニアモータによって構成することができる。また、リニアモータに代えて、メンテナンスユニット5に取り付けられたベルトを巻き掛けるプーリをモータで回転させる機構や、メンテナンスユニット5を直動させるボールネジを用いても構わない。続いては、メンテナンスユニット5の詳細について説明を行う。
図4はメンテナンスユニットの構成を模式的に示す斜視図である。図4および以下の図では、X方向の一方側X1と他方側X2とを適宜示す。ここで、一方側X1と他方側X2とは互いに逆を向く。上述の通り、メンテナンスユニット5は、複数のヘッドユニット3のそれぞれに対して設けられ、各メンテナンスユニット5は対応するヘッドユニット3に下方から対向する。この際、ヘッドユニット3の傾きに応じて、メンテナンスユニット5も傾いて配置される。ただし、メンテナンスユニット5の傾きは僅かであるため、図4および以下の図では、メンテナンスユニット5の傾きは反映させていない。また、複数のヘッドユニット3に対応して設けられた複数のメンテナンスユニット5は共通の構成を備えるため、1つのメンテナンスユニット5について説明を行うこととする。
メンテナンスユニット5は、X方向に延設された直方体の外形を有する大キャップ51を有し、水平駆動部61(図2)は大キャップ51を支持しつつ当該大キャップ51をX方向に駆動する。この大キャップ51は、平面視においてX方向に延設された長方形を有する大開口52を有し、大開口52は、X方向に平行な長辺と、Y方向に平行で当該長辺より短い短辺とを有する。大開口52は上方へ開口する孔であり、底部521を有する。さらに、大キャップ51は、平面視において大開口52を囲む周縁部53を有する。つまり、周縁部53は大開口52を規定する。周縁部53は、一方側X1の端に配置された辺部531と、他方側X2の端に配置された辺部532とを有し、辺部531および辺部532のそれぞれはY方向に平行に延設されている。また、周縁部53は、Y方向の両端に配置された辺部533、534を有し、辺部533および辺部534のそれぞれはX方向に平行に延設されている。
さらに、メンテナンスユニット5は、ヘッドユニット3の複数(5個)の吐出ヘッド31に対応して複数(5個)の小キャップ54を有する。複数の小キャップ54は、平面視において大開口52の内側に配置され、大開口52の底部521において2行千鳥でX方向に配列されている。各小キャップ54は、X方向に延設された直方体の外形を有し、平面視において、X方向に平行な長辺と、Y方向に平行で当該長辺より短い短辺とを有する。各小キャップ54は、平面視において長方形を有する小開口55を有し、小開口55は、X方向に平行な長辺と、Y方向に平行で当該長辺より短い短辺とを有する。小開口55は上方へ開口した孔であり、底部551を有する。さらに、小キャップ54は、平面視において小開口55を囲む周縁部56を有する。つまり、周縁部56は、小開口55を規定する。周縁部56は、一方側X1の端に配置された辺部561と、他方側X2の端に配置された辺部562とを有し、辺部561および辺部562のそれぞれはY方向に平行に延設されている。また、周縁部56は、Y方向の両端に配置された辺部563、564を有し、辺部563および辺部564のそれぞれはX方向に平行に延設されている。
X方向において、小キャップ54は、大キャップ51の大開口52より短く、小キャップ54の小開口55は、大キャップ51の大開口52より短い。同様に、Y方向において、小キャップ54は、大キャップ51の大開口52より短く、小キャップ54の小開口55は、大キャップ51の大開口52より短い。つまり、平面視において、小キャップ54および小開口55それぞれの面積は、大キャップ51の大開口52の面積より小さい。特に、上述のように二行千鳥で配列された複数の小キャップ54が収まるように、大キャップ51の大開口52は構成されている。
このようにメンテナンスユニット5は、ヘッドユニット3の複数の吐出ヘッド31に対応して複数の小キャップ54を有し、各小キャップ54は対応する吐出ヘッド31に下方から対向する。複数の小キャップ54は2行千鳥でX方向に配列されており、換言すれば、X方向に平行に配列された3個の小キャップ54からなるキャップ列C54と、X方向に平行に配列された2個の小キャップ54からなるキャップ列C54とがY方向に設けられている。
また、メンテナンスユニット5は、ゴムあるいはシリコン等の弾性変形する弾性部材で構成されたワイパ591を有する。ワイパ591は、Y方向に平行に延設された平板形状を有するブレードであり、大キャップ51の辺部532から立設されている。ワイパ591は、複数(2列)のキャップ列C54のそれぞれに対応して設けられており、各ワイパ591は、対応するキャップ列C54のX方向の他方側X2に配置されている。このワイパ591は、一方側X1へ移動することで吐出ヘッド31のノズル開口平面310からインクを掻き取ることができる。
さらに、メンテナンスユニット5は、複数のワイパ591のそれぞれに対して設けられたタンク取付部592を有する。このタンク取付部592は、大キャップ51の辺部532に形成された上方に開口する孔であり、対応するワイパ591の下方に位置し、各タンク取付部592には廃液容器593が挿入される。こうして、複数のワイパ591のそれぞれの下方に廃液容器593が設けられる。各廃液容器593は、上方に開口する箱体のタンクであり、対応するワイパ591に下方から対向する。かかる廃液容器593は、ワイパ591により掻き取られてワイパ591から落下してきたインクを貯留する。なお、廃液容器593は箱体である必要はなく、インクを受けるパンでも構わない。
また、印刷装置1は、メンテナンスユニット5に液体を供給する洗浄液供給部8を備える。特に洗浄液供給部8は、2種類の液体のうちから選択した一方の液体を選択的に小キャップ54に供給する機構を有する。続いては、洗浄液供給部8の構成および動作について説明を行う。
図5は洗浄液供給部の第1例の構成を模式的に示す図であり、図6は図5の洗浄液供給部の動作をテーブル形式で示す図である。この洗浄液供給部8は、洗浄液Lo(原液)を吐出する原液吐出部81と、エアAを吐出するエア吐出部82と、原液吐出部81から吐出された洗浄液Loを混合領域83へ案内する配管841と、エア吐出部82から吐出されたエアAを混合領域83に案内する配管842と、混合領域83に連通する洗浄液ノズル85とを有する。洗浄液ノズル85は、下方へ開口する開口851を有し、開口851から液体を吐出する。また、原液吐出部81から吐出される洗浄液Loは、例えば表面活性剤を含む液体であり、気泡を含まない。
図6の「バブルモード」に示すように、原液吐出部81が洗浄液Loを吐出しつつエア吐出部82がエアを吐出すると、原液吐出部81から吐出された洗浄液Loとエア吐出部82から吐出されたエアAとが混合領域83で混合される。これによって、泡状のエアAが洗浄液Loに混合されて、気泡を含む泡状洗浄液Lb(=洗浄液Lo+エアA)が生成される。そして、この泡状洗浄液Lbは、洗浄液ノズル85の開口851から吐出される。また、図6の「リンスモード」に示すように、エア吐出部82がエア吐出を停止した状態で原液吐出部81が洗浄液Loを吐出すると、原液吐出部81から吐出された洗浄液Loは、混合領域83を介して洗浄液ノズル85に流入して、洗浄液ノズル85から吐出される。つまり、洗浄液供給部8は、バブルモードを実行することで、気泡を含む泡状洗浄液Lbを洗浄液ノズル85から吐出し、リンスモードを実行することで気泡を含まない洗浄液Loを洗浄液ノズル85から吐出する。
上記のような原液吐出部81の具体的な構成は種々想定される。ここでは、代表的な2つの例(図7A、図7B)について説明する。図7Aは原液吐出部の具体的構成の第1例を模式的に示す図である。図7Aの原液吐出部81は、シリンジ811と、シリンジ811を駆動するアクチュエータ812aと、洗浄液Loを貯留する洗浄液タンク813とを有する。シリンジ811は、バレル811bとバレル811b内に嵌め込まれたプランジャ811pとを有し、アクチュエータ812aがプランジャ811pを駆動することで、プランジャ811pがシリンジ811に対して移動する。なお、プランジャ811pを駆動する駆動手段は、アクチュエータ812aに限られず、例えばモータでも構わない。また、バレル811bと洗浄液タンク813とは配管814によって接続され、配管814には逆止弁815が取り付けられている。逆止弁815は、洗浄液タンク813からバレル811bへの洗浄液Loの流れを許容する一方、バレル811bから洗浄液タンク813への洗浄液Loの流れを禁止する。また、バレル811bは、原液吐出部81の吐出口816に配管817によって接続されており、配管817には逆止弁818が取り付けられている。逆止弁818は、バレル811bから吐出口816への洗浄液Loの流れを許容する一方、吐出口816からバレル811bへの洗浄液Loの流れを禁止する。
かかる原液吐出部81では、アクチュエータ812aがプランジャ811pをバレル811bから引き抜く方向(図7Aの左方向)へ移動させると、洗浄液タンク813から流出した洗浄液Loがバレル811bに充填される。また、アクチュエータ812aがプランジャ811pをバレル811bに押し込む方向(図7Aの右方向)へ移動させると、バレル811bから流出した洗浄液Loが吐出口816から混合領域83へ吐出される。なお、アクチュエータ812aのこの動作は、制御部10によって制御される。
図7Bは原液吐出部の具体的構成の第2例を模式的に示す図である。図7Bの原液吐出部81は、洗浄液Loを貯留する洗浄液タンク813と、原液吐出部81の吐出口816とを接続する配管819と、配管819に取り付けられた送液ポンプ812pとを有する。送液ポンプ812pとしては、ギヤポンプおよびダイアフラムポンプ等を使用できる。そして、送液ポンプ812pによって洗浄液タンク813から吐出口816へ送られた洗浄液Loが吐出口816から混合領域83へ吐出される。なお、送液ポンプ812pのこの動作は、制御部10によって制御される。
また、上記のようなエア吐出部の具体的な構成は種々想定される。ここでは、代表的な2つの例(図8A、図8B)について説明する。図8Aはエア吐出部の具体的構成の第1例を模式的に示す図である。このエア吐出部82は、エアAを取り込む取込口821と、エアAを吐出する吐出口822と、取込口821と吐出口822とを接続する配管823と、配管823に取り付けられた電磁弁824とを備える。取込口821には、外部のコンプレッサーからエアAが供給され、電磁弁824が取込口821と吐出口822とを連通させると(図8Aの状態)、取込口821に供給されたエアAは、吐出口822から混合領域83に吐出される一方、電磁弁824が取込口821と吐出口822とを遮断すると、吐出口822から混合領域83へのエアAの供給は停止する。なお、電磁弁824のこの動作は、制御部10によって制御される。
図8Bはエア吐出部の具体的構成の第2例を模式的に示す図である。このエア吐出部82は、エアAを取り込む取込口821と、エアAを吐出する吐出口822と、取込口821と吐出口822とを接続する配管823と、配管823に取り付けられたエアポンプ825とを備える。エアポンプ825が取込口821から吐出口822へエアを送ると、取込口821から吸引されたエアAは、吐出口822から混合領域83に吐出される一方、エアポンプ825がエアを送るのを停止すると、吐出口822から混合領域83へのエアAの供給は停止する。なお、エアポンプ825のこの動作は、制御部10によって制御される。
上記のメンテナンスユニット5および洗浄液供給部8は、印刷停止中において吐出ヘッド31のノズル311を保湿するメンテナンスを実行する。特に、洗浄液供給部8から大キャップ51および小キャップ54に泡状洗浄液Lbを吐出してから、大キャップ51および小キャップ54によりヘッドユニット3に対してキャッピングを実行することで、ノズル311を保湿する、続いては、かかるメンテナンスについて説明する。
図9は吐出ヘッドに対して実行されるメンテナンスの一例を示すフローチャートであり、図10Aおよび図10Bは図9のフローチャートに従って実行される動作の一例を模式的に示す図である。図9のフローチャートの各ステップを説明する前に、図10Aおよび図10Bを用いて前提となる構成を説明しておく。
上述の通り、メンテナンスユニット5は、水平駆動部61の駆動によってX方向に移動する。特に図10Aおよび図10Bに示すように、メンテナンスユニット5に対しては、X方向において互いに異なる対向位置Paおよび退避位置Pbが設けられており、メンテナンスユニット5は、対向位置Paと退避位置Pbとの間で移動する。ここで、対向位置Paは、ヘッドユニット3に対向する位置であり、退避位置Pbは、対向位置PaからX方向に間隔を空けて設けられた位置である。この退避位置Pbは、対向位置Paの一方側X1に設けられている。
メンテナンスユニット5が対向位置Paに位置する場合には、メンテナンスユニット5はヘッドユニット3に下方から対向する。したがって、大キャップ51の大開口52は、ヘッドユニット3の複数の吐出ヘッド31の全てに対向し、底面視において、全ての吐出ヘッド31のノズル開口平面310が大開口52の内側に含まれる。さらに、複数の小キャップ54は複数の吐出ヘッド31にそれぞれ対向し、底面視において、ノズル開口平面310で開口する全てのノズル311が、当該ノズル開口平面310に対向する小キャップ54の小開口55の内側に含まれる。
一方、メンテナンスユニット5が退避位置Pbに位置する場合には、メンテナンスユニット5はヘッドユニット3からX方向に退避する。つまり、平面視において、メンテナンスユニット5は、ヘッドユニット3のX方向の一方側X1に位置して、ヘッドユニット3に重複しない。
また、上述の洗浄液供給部8は、X方向において、対向位置Paと退避位置Pbとの間に対して設けられており、洗浄液供給部8の洗浄液ノズル85は、対向位置Paと退避位置Pbとの間の範囲に上方から対向する。つまり、洗浄液ノズル85が液体(泡状洗浄液Lbあるいは洗浄液Lo)を吐出する吐出対象範囲Rは、X方向において対向位置Paと退避位置Pbとの間に位置する。
さらに、印刷装置1では、メンテナンスユニット5が有する2列のキャップ列C54に対応して2個の洗浄液供給部8が設けられる。これら2個の洗浄液供給部8は互いに独立して動作し、バブルモードおよびリンスモードを選択的に実行できる。具体的には、2個の洗浄液供給部8に対応する2個の洗浄液ノズル85がY方向に並び、各洗浄液ノズル85の吐出対象範囲Rは、対応するキャップ列C54のX方向への移動経路に重複する。そして、各洗浄液ノズル85は、対応するキャップ列C54に対してモードに応じた液体(泡状洗浄液Lbあるいは洗浄液Lo)を吐出する。
さらに、印刷装置1は、退避位置Pbに対して設けられた平板形状のカバー部材63を備える。カバー部材63とヘッドユニット3とはX方向に間隔を空けて並び、カバー部材63は、退避位置Pbに位置するメンテナンスユニット5に上方から対向することで、メンテナンスユニット5の複数のキャップ52を覆う。つまり、洗浄液供給部8の洗浄液ノズル85は、X方向においてヘッドユニット3とカバー部材63との間の吐出対象範囲Rに液体を吐出する。
また、ヘッドユニット3は、上述の通り、昇降駆動部4からの駆動力を受けて昇降する。つまり、ヘッドユニット3は、Z方向において互いに異なる印刷高さh0(図1)、キャッピング高さh1(図10A、図10B)および移動高さh2(図10A、図10B)の間で昇降する。ここで、印刷高さh0はウェブWに近接する位置であり、移動高さh2は印刷高さh0よりもウェブWから離間した位置であり、キャッピング高さh1は印刷高さh0よりもウェブWから離間するとともに移動高さh2よりウェブWに近接する位置である。
以上の前提構成を踏まえて、図9のフローチャートの各ステップについて説明する。図9の各ステップは制御部10の制御によって実行される。なお、図9のメンテナンスは繰り返し実行されるものであり、図9のメンテナンスの開始時点において、メンテナンスユニット5は、ヘッドユニット3に対してキャッピングを実行している。したがって、キャッピング高さh1に位置するヘッドユニット3に、対向位置Paに位置するメンテナンスユニット5が下方から対向し、メンテナンスユニット5の大キャップ51の周縁部53は、ヘッドユニット3のウェブ対向平面320に接触している(図10Aの「S101」の欄)。
ステップS101において、印刷の実行を指示する印刷指示を制御部10が受け取ると、ステップS102が実行される。このステップS102では、昇降駆動部4がヘッドユニット3をキャッピング高さh1から移動高さh2に上昇させて、ヘッドユニット3とメンテナンスユニット5とを離間させることで、キャッピングが解除される。そして、水平駆動部61が対向位置Paから退避位置Pbに向けてメンテナンスユニット5をX方向に駆動する(ステップS103)。こうして対向位置Paから退避位置Pbへ移動する途中において、メンテナンスユニット5は、吐出対象範囲Rを一方側X1へ通過する。これに対して、洗浄液供給部8はリンスモードを実行することで、洗浄液ノズル85から吐出対象範囲Rに洗浄液Lo(リンス液)を吐出する(ステップS104)。これによって、メンテナンスユニット5に洗浄液Loが吐出される。
図11A~図11Cは図9のメンテナンスで実行されるリンスモードにおける洗浄液の吐出態様の一例を模式的に示す図である。リンスモードでは、メンテナンスユニット5の一方側X1への移動に伴って、吐出対象範囲Ra、Rbがメンテナンスユニット5に対して他方側X2へ移動する。これに対して、図11A~図11Cを用いた説明では、5個の小キャップ54に対して、他方側X2の上流側から1番目~5番目の順番を付ける。これは、洗浄液Loが吐出される順番に相当する。
図11A~図11Cでは、2個の洗浄液ノズル85の2個の吐出対象範囲Rが示されており、これらを区別するために異なる符号Ra、Rbが付与されている。吐出対象範囲Raは、X方向に並ぶ3個の小キャップ54(1番目、3番目、5番目の小キャップ54)で構成されたキャップ列C54に対応し、吐出対象範囲Rbは、X方向に並ぶ2個の小キャップ54(2番目、4番目の小キャップ54)で構成されたキャップ列C54に対応する。また、図11A~図11Cにおいて白抜きの吐出対象範囲Ra、Rbは、当該吐出対象範囲Ra、Rbに洗浄液Loが吐出されていないことを示し、ハッチングが施された吐出対象範囲Ra、Rbは、当該吐出対象範囲Ra、Rbに洗浄液Loが吐出されていることを示す。
図11Aの時刻Ta1の欄に示すように、Y方向において、小キャップ54の小開口55の両端に設けられた2本の仮想線(X方向に平行な破線)の内側に吐出対象範囲R(Ra、Rb)は含まれている。換言すれば、Y方向において、吐出対象範囲R(Ra、Rb)は対応する小キャップ54の小開口55の内側に含まれる。さらに、X方向において、吐出対象範囲R(Ra、Rb)は、対応する小キャップ54の小開口55よりも短い。
上述の通り、図11A~図11Cに示すリンスモードでは、吐出対象範囲Ra、Rbは、メンテナンスユニット5に対して他方側X2へ移動する。時刻Ta1では、吐出対象範囲Ra、Rbは、大キャップ51の辺部531より一方側X1に位置しており、吐出対象範囲Ra、Rbに対して洗浄液Loは吐出されていない。吐出対象範囲Ra、Rbは、他方側X2への移動に伴って、大キャップ51の辺部531を通過して、大開口52内に到達する。さらに、吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部561を通過して、時刻Ta2において1番目の小キャップ54の小開口55内に到達すると、吐出対象範囲Raに洗浄液Loの吐出が開始される。これによって、1番目の小キャップ54の小開口55に対して洗浄液Loが吐出される。なお、時刻Ta1から時刻Ta2の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して洗浄液Loは吐出されない。つまり、吐出対象範囲Ra、Rbが大キャップ51の辺部531を通過する期間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対する洗浄液Loの吐出は停止し、吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部561を通過する期間は、吐出対象範囲Raに対する洗浄液Loの吐出は停止している。
吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部561を通過して、時刻Ta3において2番目の小キャップ54の小開口55内に到達すると、吐出対象範囲Rbに洗浄液Loの吐出が開始される。これによって、2番目の小キャップ54の小開口55に対して洗浄液Loが吐出される。なお、時刻Ta2から時刻Ta3の間は、吐出対象範囲Raに対して洗浄液Loの吐出が継続され、吐出対象範囲Rbに対して洗浄液Loは吐出されない。つまり、吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部561を通過する期間は、吐出対象範囲Rbに対する洗浄液Loの吐出は停止している。
時刻Ta4において、吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部562から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部562に近接すると)、吐出対象範囲Raに対する洗浄液Loの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部562に到達する前に、吐出対象範囲Raに対する洗浄液Loの吐出が停止する。これによって、1番目の小キャップ54の小開口55に対する洗浄液Loの吐出が完了する。なお、時刻Ta3から時刻Ta4の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して洗浄液Loの吐出が継続される。
吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部562と、3番目の小キャップ54の辺部561とを通過して、時刻Ta5において、3番目の小キャップ54の小開口55内に到達すると、吐出対象範囲Raに対して洗浄液Loの吐出が開始される。これによって、3番目の小キャップ54の小開口55に対して洗浄液Loが吐出される。なお、時刻Ta4から時刻Ta5の間は、吐出対象範囲Rbに対して洗浄液Loの吐出が継続され、吐出対象範囲Raには洗浄液Loが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部562および3番目の小キャップ54の辺部561を通過する期間は、吐出対象範囲Raに対する洗浄液Loの吐出は停止している。
時刻Ta6において、吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部562から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部562に近接すると)、吐出対象範囲Rbに対する洗浄液Loの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部562に到達する前に、吐出対象範囲Rbに対する洗浄液Loの吐出が停止する。これによって、2番目の小キャップ54の小開口55に対する洗浄液Loの吐出が完了する。なお、時刻Ta5から時刻Ta6の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して洗浄液Loの吐出が継続される。
吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部562と、4番目の小キャップ54の辺部561とを通過して、時刻Ta7において、4番目の小キャップ54の小開口55内に到達すると、吐出対象範囲Rbに対して洗浄液Loの吐出が開始される。これによって、4番目の小キャップ54の小開口55に対して洗浄液Loが吐出される。なお、時刻Ta6から時刻Ta7の間は、吐出対象範囲Raに対して洗浄液Loの吐出が継続され、吐出対象範囲Rbには洗浄液Loが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部562および4番目の小キャップ54の辺部561を通過する期間は、吐出対象範囲Rbに対する洗浄液Loの吐出は停止している。
時刻Ta8において、吐出対象範囲Raが3番目の小キャップ54の辺部562から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部562に近接すると)、吐出対象範囲Raに対する洗浄液Loの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Raが3番目の小キャップ54の辺部562に到達する前に、吐出対象範囲Raに対する洗浄液Loの吐出が停止する。これによって、3番目の小キャップ54の小開口55に対する洗浄液Loの吐出が完了する。なお、時刻Ta7から時刻Ta8の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して洗浄液Loの吐出が継続される。
吐出対象範囲Raが3番目の小キャップ54の辺部562と、5番目の小キャップ54の辺部561とを通過して、時刻Ta9において、5番目の小キャップ54の小開口55内に到達すると、吐出対象範囲Raに対して洗浄液Loの吐出が開始される。これによって、5番目の小キャップ54の小開口55に対して洗浄液Loが吐出される。なお、時刻Ta8から時刻Ta9の間は、吐出対象範囲Rbに対して洗浄液Loの吐出が継続され、吐出対象範囲Raには洗浄液Loが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Raが3番目の小キャップ54の辺部562および5番目の小キャップ54の辺部561を通過する期間は、吐出対象範囲Raに対する洗浄液Loの吐出は停止している。
時刻Ta10において、吐出対象範囲Rbが4番目の小キャップ54の辺部562から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部562に近接すると)、吐出対象範囲Rbに対する洗浄液Loの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Rbが4番目の小キャップ54の辺部562に到達する前に、吐出対象範囲Rbに対する洗浄液Loの吐出が停止する。これによって、4番目の小キャップ54の小開口55に対する洗浄液Loの吐出が完了する。なお、時刻Ta9から時刻Ta10の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して洗浄液Loの吐出が継続される。
時刻Ta11において、吐出対象範囲Raが5番目の小キャップ54の辺部562から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部562に近接すると)、吐出対象範囲Raに対する洗浄液Loの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Raが5番目の小キャップ54の辺部562に到達する前に、吐出対象範囲Raに対する洗浄液Loの吐出が停止する。これによって、5番目の小キャップ54の小開口55に対する洗浄液Loの吐出が完了する。なお、時刻Ta10から時刻Ta11の間は、吐出対象範囲Raに対して洗浄液Loの吐出が継続され、吐出対象範囲Rbには洗浄液Loが吐出されない。そして、吐出対象範囲Raへの洗浄液Loの吐出が停止された状態で、吐出対象範囲Raが小キャップ54の辺部562および大キャップ51の辺部531を通過するとともに、吐出対象範囲Rbが大キャップ51の辺部531を通過する。
こうして、メンテナンスユニット5のうち、複数(5個)の小キャップ54の小開口55内に洗浄液Loが吐出される。つまり、洗浄液Loは、小開口55に対して選択的に吐出され、小開口55とは異なる部分(小キャップ54の周縁部53や大キャップ51)には吐出されない。
図9、図10Aおよぶ図10Bに戻って説明を続ける。こうして、メンテナンスユニット5が対向位置Paから退避位置Pbへ移動する途中で、各小キャップ54の小開口55に洗浄液Loが吐出されるステップS104)。そして、メンテナンスユニット5が退避位置Pbに到着すると(ステップS105で「YES」)、印刷が開始される(ステップS106)。この印刷は、吐出ヘッド31のノズル311からインクをウェブWに吐出することで実行される。
この印刷と並行して、小キャップ54の小開口55から洗浄液Loが排出される(ステップS107)。図12は図9のメンテナンスで洗浄液を排出するための排液機構の構成と動作を模式的に示す図である。図12に示すように、印刷装置1は、排液機構65を備える。排液機構65は、複数の小キャップ54に対応する複数の配管651を有し、各配管651は対応する小キャップ54に接続される。具体的には、小開口55の底部551には、排液口552が貫通しており、配管651は、排液口552に接続されて、小開口55に連通する。各配管651は可撓性を有しており、対応する小キャップ54の移動に追従して変形することができる。
また、排液機構65は、複数の配管651に接続された配管652を有する。配管652の一端は、複数の配管651が接続された分岐点652jであり、配管652の他端は、洗浄液Loを排出するためのドレイン652dである。さらに、排液機構65は、配管652に取り付けられたポンプ653と、分岐点652jとポンプ653との間で配管652に取り付けられた電磁弁654とを有する。
したがって、排液機構65は、電磁弁654を開きつつポンプ653を駆動することで、各小キャップ54の小開口55から洗浄液Loを回収してドレイン652dから排出できる。一方、排液機構65は、電磁弁654を閉じてポンプ653を停止させることで、小キャップ54の小開口55内に洗浄液Loを貯留できる。特に、図9のステップS107では、排液機構65が各小キャップ54の小開口55から洗浄液Loを排出する。
ステップS108で制御部10が印刷終了を確認すると、水平駆動部61が退避位置Pbから対向位置Paに向けてメンテナンスユニット5をX方向に駆動する(ステップS109)。こうして退避位置Pbから対向位置Paへ移動する途中において、メンテナンスユニット5は、吐出対象範囲Rを一方側X1から他方側X2に通過する。これに対して、洗浄液供給部8はバブルモードを実行することで、洗浄液ノズル85から吐出対象範囲Rに泡状洗浄液Lbを吐出する(ステップS110)。これによって、メンテナンスユニット5に泡状洗浄液Lbが吐出される。
図13A~図13Eは図9のメンテナンスで実行されるバブルモードにおける泡状洗浄液の吐出態様の一例を模式的に示す図である。バブルモードでは、メンテナンスユニット5の他方側X2への移動に伴って、吐出対象範囲Ra、Rbがメンテナンスユニット5に対して一方側X1へ移動する。これに対して、図13A~図13Eを用いた説明では、5個の小キャップ54に対して一方側X1の上流側から1番目~5番目の順番を付ける。これは、泡状洗浄液Lbが吐出される順番に相当する。つまり、吐出対象範囲Raは、3個の小キャップ54(1番目、3番目、5番目の小キャップ54)に泡状洗浄液Lbを吐出し、吐出対象範囲Rbは、2個の小キャップ54(2番目、4番目の小キャップ54)に泡状洗浄液Lbを吐出する。なお、図13A~図13Eにおける吐出対象範囲Ra、Rbに関する表記は、図11A~図11Cのそれと同様である。
上述の通り、図13A~図13Eに示すバブルモードでは、吐出対象範囲Ra、Rbは、メンテナンスユニット5に対して一方側X1へ移動する。時刻Tb1では、吐出対象範囲Ra、Rbは、大キャップ51の辺部532より他方側X2に位置しており、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbは吐出されていない。吐出対象範囲Ra、Rbは、一方側X1への移動に伴って、大キャップ51の辺部532を通過して、時刻Tb2において大開口52内に到達すると、吐出対象範囲Ra、Rbに泡状洗浄液Lbの吐出が開始される。これによって、大キャップ51の大開口52に対して泡状洗浄液Lbが吐出される。なお、時刻Tb1から時刻Tb2の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbは吐出されない。つまり、吐出対象範囲Ra、Rbが大キャップ51の辺部532を通過する期間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出は停止している。
時刻Tb3において、吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部562から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部562に近接すると)、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部562に到達する前に、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止する。なお、時刻Tb2から時刻Tb3の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続される。
吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部562を通過して、時刻Tb4において、1番目の小キャップ54の小開口55内に到達すると、吐出対象範囲Raに対して泡状洗浄液Lbの吐出が開始される。これによって、1番目の小キャップ54の小開口55に対して泡状洗浄液Lbが吐出される。なお、時刻Tb3から時刻Tb4の間は、吐出対象範囲Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続され、吐出対象範囲Raには泡状洗浄液Lbが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部562を通過する期間は、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出は停止している。
時刻Tb5において、吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部562から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部562に近接すると)、吐出対象範囲Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部562に到達する前に、吐出対象範囲Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止する。なお、時刻Tb4から時刻Tb5の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続される。
吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部562を通過して、時刻Tb6において、2番目の小キャップ54の小開口55内に到達すると、吐出対象範囲Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が開始される。これによって、2番目の小キャップ54の小開口55に対して泡状洗浄液Lbが吐出される。なお、時刻Tb5から時刻Tb6の間は、吐出対象範囲Raに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続され、吐出対象範囲Rbには泡状洗浄液Lbが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部562を通過する期間は、吐出対象範囲Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出は停止している。
時刻Tb7において、吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部561から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部561に近接すると)、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部561に到達する前に、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止する。これによって、1番目の小キャップ54の小開口55に対する泡状洗浄液Lbの吐出が完了する。なお、時刻Ta6から時刻Ta7の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続される。
吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部561を通過して、時刻Tb8において、1番目と3番目の小キャップ54の間に到達すると、吐出対象範囲Raに対して泡状洗浄液Lbの吐出が開始される。これによって、大開口52に対して泡状洗浄液Lbが吐出される。なお、時刻Ta7から時刻Ta8の間は、吐出対象範囲Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続され、吐出対象範囲Raには泡状洗浄液Lbが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Raが1番目の小キャップ54の辺部561を通過する期間は、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出は停止している。
時刻Tb9において、吐出対象範囲Raが3番目の小キャップ54の辺部562から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部562に近接すると)、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Raが3番目の小キャップ54の辺部562に到達する前に、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止する。なお、時刻Tb8から時刻Tb9の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続される。
吐出対象範囲Raが3番目の小キャップ54の辺部562を通過して、時刻Tb10において、3番目の小キャップ54の小開口55内に到達すると、吐出対象範囲Raに対して泡状洗浄液Lbの吐出が開始される。これによって、3番目の小キャップ54の小開口55に対して泡状洗浄液Lbが吐出される。なお、時刻Tb9から時刻Tb10の間は、吐出対象範囲Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続され、吐出対象範囲Raには泡状洗浄液Lbが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Raが3番目の小キャップ54の辺部562を通過する期間は、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出は停止している。
時刻Tb11において、吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部561から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部561に近接すると)、吐出対象範囲Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部561に到達する前に、吐出対象範囲Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止する。これによって、2番目の小キャップ54の小開口55に対する泡状洗浄液Lbの吐出が完了する。なお、時刻Ta10から時刻Ta11の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続される。
吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部561を通過して、時刻Tb12において、2番目と4番目の小キャップ54の間に到達すると、吐出対象範囲Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が開始される。これによって、大開口52に対して泡状洗浄液Lbが吐出される。なお、時刻Ta11から時刻Ta12の間は、吐出対象範囲Raに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続され、吐出対象範囲Rbには泡状洗浄液Lbが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Rbが2番目の小キャップ54の辺部561を通過する期間は、吐出対象範囲Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出は停止している。
時刻Tb13において、吐出対象範囲Rbが4番目の小キャップ54の辺部562から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部562に近接すると)、吐出対象範囲Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Rbが4番目の小キャップ54の辺部562に到達する前に、吐出対象範囲Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止する。なお、時刻Tb12から時刻Tb13の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続される。
吐出対象範囲Rbが4番目の小キャップ54の辺部562を通過して、時刻Tb14において、4番目の小キャップ54の小開口55内に到達すると、吐出対象範囲Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が開始される。これによって、4番目の小キャップ54の小開口55に対して泡状洗浄液Lbが吐出される。なお、時刻Tb13から時刻Tb14の間は、吐出対象範囲Raに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続され、吐出対象範囲Rbには泡状洗浄液Lbが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Rbが4番目の小キャップ54の辺部562を通過する期間は、吐出対象範囲Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出は停止している。
時刻Tb15において、吐出対象範囲Raが3番目の小キャップ54の辺部561から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部561に近接すると)、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Raが3番目の小キャップ54の辺部561に到達する前に、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止する。これによって、3番目の小キャップ54の小開口55に対する泡状洗浄液Lbの吐出が完了する。なお、時刻Ta14から時刻Ta15の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続される。
吐出対象範囲Raが3番目の小キャップ54の辺部561を通過して、時刻Tb16において、3番目と5番目の小キャップ54の間に到達すると、吐出対象範囲Raに対して泡状洗浄液Lbの吐出が開始される。これによって、大開口52に対して泡状洗浄液Lbが吐出される。なお、時刻Ta15から時刻Ta16の間は、吐出対象範囲Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続され、吐出対象範囲Raには泡状洗浄液Lbが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Raが3番目の小キャップ54の辺部561を通過する期間は、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出は停止している。
時刻Tb17において、吐出対象範囲Raが5番目の小キャップ54の辺部562から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部562に近接すると)、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Raが5番目の小キャップ54の辺部562に到達する前に、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止する。なお、時刻Tb16から時刻Tb17の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続される。
吐出対象範囲Raが5番目の小キャップ54の辺部562を通過して、時刻Tb18において、5番目の小キャップ54の小開口55内に到達すると、吐出対象範囲Raに対して泡状洗浄液Lbの吐出が開始される。これによって、5番目の小キャップ54の小開口55に対して泡状洗浄液Lbが吐出される。なお、時刻Tb17から時刻Tb18の間は、吐出対象範囲Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続され、吐出対象範囲Raには泡状洗浄液Lbが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Raが5番目の小キャップ54の辺部562を通過する期間は、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出は停止している。
時刻Tb19において、吐出対象範囲Rbが4番目の小キャップ54の辺部561から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部561に近接すると)、吐出対象範囲Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Rbが4番目の小キャップ54の辺部561に到達する前に、吐出対象範囲Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止する。これによって、4番目の小キャップ54の小開口55に対する泡状洗浄液Lbの吐出が完了する。なお、時刻Ta18から時刻Ta19の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続される。
吐出対象範囲Rbが4番目の小キャップ54の辺部561を通過して、時刻Tb20において、4番目の小キャップ54と大キャップ51の辺部531の間に到達すると、吐出対象範囲Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が開始される。これによって、大開口52に対して泡状洗浄液Lbが吐出される。なお、時刻Ta19から時刻Ta20の間は、吐出対象範囲Raに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続され、吐出対象範囲Rbには泡状洗浄液Lbが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Rbが4番目の小キャップ54の辺部561を通過する期間は、吐出対象範囲Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出は停止している。
時刻Tb21において、吐出対象範囲Raが5番目の小キャップ54の辺部561から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部561に近接すると)、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Raが5番目の小キャップ54の辺部561に到達する前に、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止する。これによって、5番目の小キャップ54の小開口55に対する泡状洗浄液Lbの吐出が完了する。なお、時刻Ta20から時刻Ta21の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続される。
吐出対象範囲Raが5番目の小キャップ54の辺部561を通過して、時刻Tb22において、5番目の小キャップ54と大キャップ51の辺部531の間に到達すると、吐出対象範囲Raに対して泡状洗浄液Lbの吐出が開始される。これによって、大開口52に対して泡状洗浄液Lbが吐出される。なお、時刻Ta21から時刻Ta22の間は、吐出対象範囲Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続され、吐出対象範囲Raには泡状洗浄液Lbが吐出されない。つまり、吐出対象範囲Raが5番目の小キャップ54の辺部561を通過する期間は、吐出対象範囲Raに対する泡状洗浄液Lbの吐出は停止している。
時刻Tb23において、吐出対象範囲Ra、Rbが大キャップ51の辺部531から所定範囲内に進入すると(換言すれば、辺部531に近接すると)、吐出対象範囲Ra、Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止される。こうして、吐出対象範囲Ra、Rbが大キャップ51の辺部531に到達する前に、吐出対象範囲Ra、Rbに対する泡状洗浄液Lbの吐出が停止する。なお、時刻Ta22から時刻Ta23の間は、吐出対象範囲Ra、Rbに対して泡状洗浄液Lbの吐出が継続される。そして、吐出対象範囲Ra、Rbへの泡状洗浄液Lbが停止された状態で、吐出対象範囲Ra、Rbは、大キャップ51の辺部531を通過する。
こうして、メンテナンスユニット5のうち、複数(5個)の小キャップ54の小開口55および大キャップ51の大開口52それぞれの内側に泡状洗浄液Lbが吐出される。つまり、泡状洗浄液Lbは、小開口55および大開口52に対して選択的に吐出され、小開口55および大開口52とは異なる部分(小キャップ54の周縁部53や大キャップ51の周縁部53)には吐出されない。
図9、図10Aおよぶ図10Bに戻って説明を続ける。こうして、メンテナンスユニット5が退避位置Pbから対向位置Paへ移動する途中で、各小キャップ54の小開口55および大キャップ51の大開口52に泡状洗浄液Lbが吐出される(ステップS110)。そして、メンテナンスユニット5が対向位置Paに到着すると(ステップS111で「YES」)、キャッピングが実行される(ステップS112)。
図14は図9のメンテナンスで実行されるキャッピングを模式的に示す図である。なお、図14では、ノズル開口平面310のうち複数のノズル311が存在するノズル存在領域Nが示されている。ステップS111でメンテナンスユニット5が対向位置Paに到達すると、図14に示すように、メンテナンスユニット5は、ヘッドユニット3のウェブ対向平面320に下方から対向する。つまり、大キャップ51の大開口52は、ウェブ対向平面320に配列された複数(5個の)吐出ヘッド31に下方から対向して、底面視において複数の吐出ヘッド31を含む。また、複数(5個)の小キャップ54は複数の吐出ヘッド31にそれぞれ下方から対向し、小キャップ54の小開口55は、対向する吐出ヘッド31のノズル開口平面310の複数のノズル311に対向して、底面視において複数のノズル311を含む。
また、図14に示すように、小キャップ54の周縁部56よりも、大キャップ51の周縁部53は、ヘッドユニット3側に突出しており、換言すれば、小キャップ54の周縁部56とヘッドユニット3との間の距離は、大キャップ51の周縁部53とヘッドユニット3との間の距離よりも長い。
ノズル開口平面310の複数のノズル311(換言すれば、ノズル存在領域N)に対向する小開口55には、泡状洗浄液Lbの層が形成されている。つまり、複数のノズル311に対しては、泡状洗浄液Lbの層が下方から対向する。小キャップ54の小開口55内の泡状洗浄液Lbの液位は、小キャップ54の周縁部56の高さよりも低い。
また、大開口52のうち、小キャップ54の外側の小キャップ外部領域Oには、泡状洗浄液Lbの層が形成されている。小キャップ外部領域Oにおける泡状洗浄液Lbの液位は、大キャップ51の周縁部53の高さよりも低く、さらには小キャップ54の周縁部56の高さよりも低い。
図14の「キャッピング前」の欄に示すように、キャッピングの実行前は、大キャップ51の周縁部53は、ヘッドユニット3のウェブ対向平面320から下方に離間する。一方、図14の「キャッピング時」の欄に示すように、キャッピングの実行時は、大キャップ51の周縁部53は、ヘッドユニット3のウェブ対向平面320に密着する。なお、キャッピングの実行時においても、小キャップ54の周縁部56は、吐出ヘッド31のノズル開口平面310から離間しており、小キャップ54の周縁部56と吐出ヘッド31のノズル開口平面310との間には隙間が設けられる。
また、キャッピングの実行時において、小キャップ54の小開口55に形成された泡状洗浄液Lbの層は、当該小開口55に対向するノズル開口平面310から下方へ離間しており、小開口55内の泡状洗浄液Lbとノズル開口平面310との接触が回避されている。このような接触回避は、例えば、泡状洗浄液Lbが小開口55から溢れないように、ステップS110で小開口55に吐出される泡状洗浄液Lbの量を設定することで実行できる。より具体的には、ステップS110で小開口55に吐出される泡状洗浄液Lbの量は、洗浄液ノズル85から泡状洗浄液Lbを単位時間あたりに吐出する量(吐出速度)と、洗浄液ノズル85に対して小開口55が移動する速度(移動速度)とに依存する。よって、小開口55の容量に応じて予め設定された吐出速度と移動速度に基づき、ステップS110を実行すればよい。
さらに、大キャップ51の小キャップ外部領域Oに形成される泡状洗浄液Lbの層は、小キャップ外部領域Oに対向するウェブ対向平面320(あるいはノズル開口平面310)から下方へ離間している。このような小キャップ外部領域Oにおける泡状洗浄液Lbの量の設定は、上記の小開口55における泡状洗浄液Lbの量の設定と同様の考え方により実行できる。
図9に示すように、ステップS112でキャッピングが実行されると、ステップS101に戻って印刷指令の有無が確認される。ステップS101で印刷指令を待機する時間が長いと、泡状洗浄液Lbは消える(消泡する)。一方、ステップS101で印刷指令を待機する時間が短いと、小キャップ54内の泡状洗浄液Lbが完全に消えずに、残存する場合がある。これに対して、上述したステップS104、S107(泡除去処理)を実行することで、洗浄液Loが小キャップ54に吐出されて(ステップS104)、さらに小キャップ54から洗浄液Loが排出される(ステップS107)。これによって、小キャップ54に残存していた泡状洗浄液Lbが洗浄液Loとともに排出される。
以上に説明する実施形態では、キャッピングのためにヘッドユニット3に接触するメンテナンスユニット5(キャップユニット)内の泡状洗浄液Lbによって、吐出ヘッド31のノズル311を保湿することができる(ステップS112)。特に、キャッピングの実行時にメンテナンスユニット5内の泡状洗浄液Lbがノズル開口平面310(インク吐出面)から離間するように(図14)、メンテナンスユニット5に泡状洗浄液Lbが吐出されてから(ステップS110)、キャッピングが実行される(ステップS112)。したがって、泡状洗浄液Lbに含まれる気泡がノズル311に進入するのを抑制することができる。こうして、ノズル311への気泡の進入を抑えつつノズル311を保湿することが可能となっている。
さらに言えば、この実施形態では、洗浄液ノズル85は泡状洗浄液Lbを、小開口55および大開口52に直接吐出する。このように他の部材を介さずに直接泡状洗浄液Lbを吐出することで、泡状洗浄液Lbが他の部材(例えば、ヘッドユニット3等)に付着するのを抑えられ、延いてはノズル開口平面310に付着した泡状洗浄液Lbの気泡のノズル311への進入を抑制することができる。
また、メンテナンスユニット5は、ヘッドユニット3に対応する大開口52を有する大キャップ51と、大開口52より小さくてノズル開口平面310に対応する小開口55を有する小キャップ54とを有し、小キャップ54が大開口52の内側に配置されている。大キャップ51は、大開口52を規定する周縁部53(大開口周縁部)を有し、小キャップ54は、小開口55を規定する周縁部56(小開口周縁部)を有する。そして、キャッピングの実行時には、大開口52がヘッドユニット3に対向しつつその周縁部53でヘッドユニット3に接触し、小開口55がノズル開口平面310に対向する(図14)。これに対して、洗浄液供給部8は、大開口52の内側(大開口52・小開口55)に泡状洗浄液Lbを吐出する。かかる構成では、キャッピングによってヘッドユニット3に接触する大キャップ51の内側の泡状洗浄液Lbによって、ヘッドユニット3が有する吐出ヘッド31のノズル311を保湿することができる。また、このようなメンテナンスユニット5に対して上記のように泡状洗浄液Lbを吐出してから(ステップS110)、キャッピングを実行することで(ステップS112)、ノズル311への気泡の進入を抑えつつノズル311を保湿することが可能となる。
特に、キャッピングを実行するメンテナンスユニット5の小開口55内の泡状洗浄液Lbがノズル開口平面310から離間するように(図14)、ステップS110で小開口55内に泡状洗浄液Lbが吐出される。かかる構成では、キャッピングのためにヘッドユニット3に接触する大キャップ51の内側でノズル開口平面310に対向する小開口55内の泡状洗浄液Lbによって、ノズル開口平面310で開口するノズル311を保湿することができる。この際、キャッピングの実行時に小開口55内の泡状洗浄液Lbがノズル開口平面310から離間するように、小開口55内に泡状洗浄液Lbが吐出されてから(ステップS110)、キャッピングが実行される(ステップS112)。したがって、ノズル311への気泡の進入を抑えつつノズル311を保湿することが可能となっている。
また、洗浄液供給部8に対してメンテナンスユニット5をX方向の他方側X2(駆動方向)に駆動する水平駆動部61が具備されており、メンテナンスユニット5では、X方向に直交するY方向(幅方向)の異なる位置に2個のキャップ列C54(第1・第2キャップ列)が構成されている。これに対して、一方のキャップ列C54(第1キャップ列)に対して、吐出対象範囲Raに泡状洗浄液Lbを吐出する洗浄液ノズル85(第1吐出口)が設けられ、他方のキャップ列C54に対して、吐出対象範囲Rbに泡状洗浄液Lbを吐出する洗浄液ノズル85(第2吐出口)が設けられる。そして、水平駆動部61の駆動に伴って他方側X2に吐出対象範囲Raを移動する一方のキャップ列C54内の小キャップ54の小開口55内に、洗浄液ノズル85から泡状洗浄液Lbが吐出される。同様に、水平駆動部61の駆動に伴って他方側X2に吐出対象範囲Rbを移動する他方のキャップ列C54内の小キャップ54の小開口55内に、洗浄液ノズル85から泡状洗浄液Lbが吐出される。この際、図13A~図13Eに示すように、吐出対象範囲Raを移動するキャップ列C54の先頭(1番目)の小キャップ54(第1先頭キャップ)と、吐出対象範囲Rbを移動するキャップ列C54の先頭(2番目)の小キャップ54(第2先頭キャップ)とは、X方向の異なる位置に設けられている。これに対して、1番目の小キャップ54と2番目の小キャップ54との位置の違いに応じて、吐出対象範囲Raに対応する洗浄液ノズル85が1番目の小キャップ54への泡状洗浄液Lbの吐出を開始するタイミング(時刻Tb4)と、吐出対象範囲Rbに対応する洗浄液ノズル85が2番目の小キャップ54への泡状洗浄液Lbの吐出を開始するタイミング(時刻Tb6)とが異なる。
つまり、1番目の小キャップ54と2番目の小キャップ54とのX方向への位置の違いに対応するために、吐出対象範囲Raに対応する洗浄液ノズル85が1番目の小キャップ54への泡状洗浄液Lbの吐出を開始する時刻Tb4と、吐出対象範囲Rbに対応する洗浄液ノズル85が2番目の小キャップ54への泡状洗浄液Lbの吐出を開始する時刻Tb6とが異なっている。これによって、2このキャップ列C54それぞれの小キャップ54に泡状洗浄液Lbを的確に吐出することが可能となっている。
また、洗浄液供給部8は、所定の吐出対象範囲R(Ra、Rb)に対して泡状洗浄液Lbを吐出する洗浄液ノズル85(吐出口)を有する。そして、水平駆動部61(駆動部)の駆動によって小開口55の内側が吐出対象範囲Rを通過する期間に洗浄液ノズル85から泡状洗浄液Lbを吐出し、水平駆動部61の駆動によって周縁部56が吐出対象範囲Rを通過する期間は洗浄液ノズル85から泡状洗浄液Lbを吐出しない(図13A~図13E)。かかる構成では、小キャップ54の周縁部56(辺部561、562)を避けつつ、小キャップ54の小開口55に泡状洗浄液Lbを吐出できる。そのため、周縁部56に付着した泡状洗浄液Lbがノズル開口平面310に付着して、さらに泡状洗浄液Lbに含まれる気泡がノズル311に進入するのを抑制することができる。
また、Y方向(幅方向)において、小開口55の内側に吐出対象範囲R(Ra、Rb)が含まれる(図11A、図13A)。かかる構成では、小キャップ54の周縁部56(辺部563、564)を避けつつ、小キャップ54の小開口55に泡状洗浄液Lbを吐出できる。そのため、周縁部56に付着した泡状洗浄液Lbがノズル開口平面310に付着して、さらに泡状洗浄液Lbに含まれる気泡がノズル311に進入するのを抑制することができる。
ところで、キャッピング(ステップS112)が短期間に繰り返されると、小開口55内の泡状洗浄液Lbが消えないうちに(消泡しないうちに)、小開口55内に次の泡状洗浄液Lbが追加されて、小開口55内の泡状洗浄液Lbの量がキャッピング(ステップS112)の度に増加して、泡状洗浄液Lbがノズル開口平面310に到達する場合が想定される。このような場合、気泡がノズル311内に進入して、ノズル311からのインクの吐出を妨げるおそれがある。
これに対して、洗浄液供給部8(リンス液吐出部)は、気泡を含まない液体である洗浄液Lo(リンス液)を小開口55に吐出する。また、印刷装置1には、小開口55から洗浄液Loを排出する排液機構65(液体排出部)が具備されている。そして、洗浄液供給部8が小開口55に洗浄液Loを吐出してから排液機構65が小開口55から洗浄液Loを排出する泡除去処理(ステップS104、S107)が、小開口55に泡状洗浄液Lbを吐出するステップS110の前に実行される。かかる構成では、キャッピング(ステップS112)が短期間に繰り返されることに起因して、ノズル開口平面310に到達した泡状洗浄液Lbに含まれる気泡がノズル311に進入してノズル311からのインクの吐出を妨げるといった上記の問題の発生を効果的に抑えることができる。
なお、ステップS104で小開口55に吐出されるリンス液の種類は、洗浄液Loに限られず、例えば水等でも構わない。
また、洗浄液供給部8は、大キャップ51の大開口52の内側であって小キャップ54の外側の小キャップ外部領域Oに泡状洗浄液Lbを吐出する。このように大開口52内の小キャップ外部領域Oに吐出された泡状洗浄液Lbによって、ノズル311をしっかりと保湿することができる。
特に、キャッピングの実行時において、小キャップ54の周縁部56がノズル開口平面310から離間する(図14)。かかる構成では、キャッピングの実行時において、小キャップ外部領域Oに吐出された泡状洗浄液Lbによって供給される湿気が、小キャップ54の周縁部56とノズル開口平面310との間の隙間から小開口55内に進入して、ノズル311の保湿に寄与することができる。
また、メンテナンスユニット5は、互いに異なる対向位置Paと退避位置Pbとの間で移動可能であり、対向位置Paに位置することでヘッドユニット3に対向する一方、退避位置Pbに位置することでヘッドユニット3からX方向に退避する。特に、メンテナンスユニット5は、対向位置Paにおいてキャッピングを実行する一方(ステップS112)、吐出ヘッド31がウェブW(印刷媒体)にインクを吐出してウェブWに画像を印刷する間(ステップS106~S108)は退避位置Pbに位置する。これに対して、洗浄液供給部8(の洗浄液ノズル85)は、退避位置Pbと対向位置Paとの間に対して設けられ、退避位置Pbから対向位置Paに移動するメンテナンスユニット5に泡状洗浄液Lbを吐出する(ステップS110)。かかる構成では、キャッピングの実行のために、メンテナンスユニット5が退避位置Pbから対向位置Paへ移動する期間を有効利用して、メンテナンスユニット5に泡状洗浄液Lbを吐出することができる。
また、洗浄液供給部8は、対向位置Paから退避位置Pbに移動するメンテナンスユニット5に洗浄液Loを吐出する(ステップS104)。かかる構成では、吐出ヘッド31による印刷開始に伴って退避位置Pbに退避するために、メンテナンスユニット5が対向位置Paから退避位置Pbへ移動する期間を有効利用して、メンテナンスユニット5に洗浄液Loを吐出することができる。
上述の様に、本実施形態では、印刷装置1が本発明の「印刷装置」の一例に相当し、ヘッドユニット3が本発明の「ヘッドユニット」の一例に相当し、吐出ヘッド31が本発明の「吐出ヘッド」の一例に相当し、ノズル開口平面310が本発明の「インク吐出面」の一例に相当し、ノズル311が本発明の「ノズル」の一例に相当し、ヘッド保持部材32が本発明の「ヘッド保持部材」の一例に相当し、メンテナンスユニット5が本発明の「キャップユニット」の一例に相当し、大キャップ51が本発明の「大キャップ」の一例に相当し、大開口52が本発明の「大開口」の一例に相当し、周縁部53が本発明の「大開口周縁部」の一例に相当し、小キャップ54が本発明の「小キャップ」の一例に相当し、小開口55が本発明の「小開口」の一例に相当し、周縁部56が本発明の「小開口周縁部」の一例に相当し、水平駆動部61が本発明の「駆動部」の一例に相当し、排液機構65が本発明の「液体排出部」の一例に相当し、2個の洗浄液供給部8が本発明の「洗浄液吐出部」として機能し、2個の洗浄液供給部8が協働して本発明の「リンス液吐出部」として機能し、洗浄液ノズル85が本発明の「吐出口」、「第1吐出口」おより「第2吐出口」の一例に相当し、2個のキャップ列C54が本発明の「第1および第2キャップ列」の一例に相当し、泡状洗浄液Lbが本発明の「泡状洗浄液」の一例に相当し、洗浄液Loが本発明の「リンス液」の一例に相当し、小キャップ外部領域Oが本発明の「小キャップ外部領域」の一例に相当し、対向位置Paが本発明の「対向位置」の一例に相当し、退避位置Pbが本発明の「退避位置」の一例に相当し、吐出対象範囲Rが本発明の「吐出対象範囲」の一例に相当し、X方向が本発明の「駆動方向」の一例に相当し、Y方向が本発明の「幅方向」の一例に相当する。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、洗浄液供給部8の具体的な構成を変更してもよい。図15は洗浄液供給部の第2例の構成を模式的に示す図である。図15の第2例は、混合領域83にエアストーン831が配置されている点で図5の第1例と異なる。
「バブルモード」においては、原液吐出部81が洗浄液Loを吐出しつつエア吐出部82がエアを吐出すると、原液吐出部81から吐出された洗浄液Loとエア吐出部82から吐出されたエアとが混合領域83で混合される。この際、エアストーン831によって微細化されたエアAが洗浄液Loに混合されて、微細な気泡を含む泡状洗浄液Lb(=洗浄液Lo+エアA)が生成される。そして、この泡状洗浄液Lbは、洗浄液ノズル85の開口851から吐出される。また、「リンスモード」においては、エア吐出部82がエア吐出を停止した状態で原液吐出部81が洗浄液Loを吐出すると、原液吐出部81から吐出された洗浄液Loは、混合領域83のエアストーン831を介して洗浄液ノズル85に流入して、洗浄液ノズル85から吐出される。つまり、第2例においても、洗浄液供給部8は、バブルモードを実行することで、気泡を含む泡状洗浄液Lbを洗浄液ノズル85から吐出し、リンスモードを実行することで気泡を含まない洗浄液Loを洗浄液ノズル85から吐出する。
あるいは、エアストーン831に代えて、マイクロバブルを発生するマイクロバブル発生装置や、ナノバブルを発生するナノバブル発生装置を設けて、バブルモードにおいては、マイクロバブルあるいはナノバブルを含む泡状洗浄液Lbを洗浄液ノズル85から吐出する一方、リンスモードにおいては、気泡を含まない洗浄液Loを洗浄液ノズル85から吐出するように構成してもよい。
図16は洗浄液供給部の第3例の構成を模式的に示す図である。洗浄液供給部8の第3例では、2系統の配管861、862が並列に設けられ、各配管861、862が洗浄液ノズル85に連通する。配管861、862のうち、配管861には、気泡生成部87が取り付けられている。気泡生成部87は、直列に配列された複数のメッシュフィルタ871を有し、洗浄液Loがメッシュフィルタ871を通過する際に気泡が生成される。また、配管861、862と、原液吐出部81との間には電磁弁88が設けられており、電磁弁88は、原液吐出部81の接続先を、配管861、862の間で切り換える。
バブルモードでは、電磁弁88は、原液吐出部81と配管861とを接続し、原液吐出部81と配管862とを遮断する。したがって、原液吐出部81から吐出された洗浄液Loは気泡生成部87に流入し、気泡を含む洗浄液Lo、すなわち泡状洗浄液Lbが気泡生成部87において生成される。こうして、生成された泡状洗浄液Lbは、気泡生成部87から洗浄液ノズル85に流入して、洗浄液ノズル85から吐出される。
リンスモードでは、電磁弁88は、原液吐出部81と配管862とを接続し、原液吐出部81と配管861とを遮断する。したがって、原液吐出部81から吐出された洗浄液Loは、気泡生成部87をバイパスして、洗浄液ノズル85から吐出される。
ところで、上記の実施形態では、泡状洗浄液Lbと洗浄液Loといった2種類の液体を洗浄液供給部8からメンテナンスユニット5に吐出する。ただし、気泡の状態が異なる2種類の泡状洗浄液Lbをメンテナンスユニット5に吐出するように構成することもできる。図17は図5の洗浄液供給部によって2種類の泡状洗浄液を吐出する動作をテーブル形式で示す図である。
図17に示すように、「第1バブルモード」では、原液吐出部81が洗浄液Loを吐出した状態で、エア吐出部82が速度V1(流速)でエアAを吐出することで、気泡を含む泡状洗浄液Lb1が生成される。また、「第2バブルモード」では、原液吐出部81が洗浄液Loを吐出した状態で、エア吐出部82が速度V2(流速)でエアAを吐出することで、泡状洗浄液Lb2が生成される。ここで、速度V1は速度V2よりも速い。そのため、泡状洗浄液Lb1に含まれる気泡は、泡状洗浄液Lb2に含まれる気泡よりも微細である(すなわち、小さい径を有する)。
ちなみに、図5に示すように、洗浄液供給部8は、気泡を含まない洗浄液Loを供給する原液吐出部81と、エアAを供給するエア吐出部82とを有する。そして、洗浄液供給部8は、原液吐出部81から吐出した洗浄液Loに対して、エア吐出部82から吐出したエアAを混合させる速度を変更することで、気泡の状態が異なる泡状洗浄液Lb1と泡状洗浄液Lb2とを選択的に生成して、ワイパ54に対して吐出する。かかる構成では、洗浄液Lo(原液)に対してエアAを混合する速度の変更によって、泡状洗浄液Lb1と泡状洗浄液Lb2とを簡単に使い分けることができる。
かかる構成では、気泡の状態が異なる泡状洗浄液Lb1(第1泡状洗浄液)と泡状洗浄液Lb2(第2泡状洗浄液)とをメンテナンスユニット5に供給することができる。そのため、多様な処理をメンテナンスユニット5に行うことができる。つまり、泡状洗浄液Lb1に含まれる気泡のサイズ(径)より、泡状洗浄液Lb2に含まれる気泡のサイズ(径)が大きい。このような泡状洗浄液Lb2の粗い気泡(大径の気泡)は、泡状洗浄液Lb1の細かい気泡(小径の気泡)と比較して早く消失する傾向にある。そこで、次のようにステップS110のバブルモードを変形してもよい。
この変形例では、ステップS110のバブルモードでは、小キャップ54の小開口55に対して、洗浄液ノズル85から大径の気泡を含む泡状洗浄液Lb2が吐出され、大キャップ51のうちの小キャップ外部領域Oに対して、洗浄液ノズル85から小径の気泡を含む泡状洗浄液Lb1が吐出される。つまり、小開口55内に吐出される泡状洗浄液Lb2に含まれる気泡の径(サイズ)は、小キャップ外部領域Oに吐出される泡状洗浄液Lb1に含まれる気泡の径(サイズ)より大きい。その結果、小開口55内には、比較的粗い気泡を含む泡状洗浄液Lb2が吐出される。そのため、小開口55内の泡状洗浄液Lb2は比較的早くに消失し、キャッピングの繰り返しに伴って泡状洗浄液Lb2がノズル開口平面310に到達するのを抑制できる。しかも、大キャップ51の大開口52の内側であって小キャップ54の外側の小キャップ外部領域Oには、比較的細かい気泡を含む泡状洗浄液Lb1が吐出される。そのため、大開口52内の小キャップ外部領域Oに吐出された泡状洗浄液Lb1は長時間残存して、ノズル311の保湿に寄与する。こうして、ノズル311への気泡の進入を的確に抑えつつ、ノズル311ノズルをしっかりと保湿することができる。
ちなみに、この変形例によれば、図9のメンテナンスのフローチャートは、ステップS104、S107の泡除去処理を具備しなくてもよい。その結果、排液機構65を具備する必要もなくなる。ただし、この変形例に示す泡状洗浄液Lb1と泡状洗浄液Lb2との使い分けと、ステップS104、S107での泡除去処理とを併用してももちろん構わない。
あるいは、気泡の径の関係が逆でもよい。つまり、ステップS110のバブルモードでは、小キャップ54の小開口55に対して、洗浄液ノズル85から小径の気泡を含む泡状洗浄液Lb1を吐出し、大キャップ51のうちの小キャップ外部領域Oに対して、洗浄液ノズル85から大径の気泡を含む泡状洗浄液Lb2を吐出しても構わない。
また、小キャップ54の個数や配列態様は上記の例に限られず、種々の変更が可能である。したがって、小キャップ54の個数は1個あるいは2個以上でもよく、小キャップ54は一列に配列されてもよい。
また、洗浄液供給部8に対してメンテナンスユニット5をX方向に移動させるために、上記の様にメンテナンスユニット5をX方向に駆動することは必須ではなく、洗浄液供給部8をX方向に駆動してもよい。つまり、メンテナンスユニット5および洗浄液供給部8の少なくとも一方をX方向に駆動するように構成すればよい。
また、図9のメンテナンスのフローチャートにおいて、ステップS104、S107の泡除去処理は必須ではなく、適宜省略してもよい。あるいは、ステップS112でキャッピングを実行してからステップS101で印刷指令を確認するまでの待機時間が所定の閾時間以上である場合に、ステップS104、S107の泡除去処理を実行し、待機時間が所定の閾時間未満である場合に、ステップS104、S107の泡除去処理を実行しないように構成してもよい。
また、ステップS110でのバブルモードで小キャップ54に対して泡状洗浄液Lbを吐出するにあたっては、吐出対象範囲Rが小キャップ54の小開口55の内側を通過している期間に泡状洗浄液Lbを吐出対象範囲Rに吐出し、吐出対象範囲Rが小キャップ54の周縁部56を通過している期間には泡状洗浄液Lbの吐出対象範囲Rへの吐出を停止することで、小キャップ54の周縁部56に泡状洗浄液Lbが付着しないようにしている。しかしながら、例えば吐出対象範囲Rがキャップ列C54の両端の間を通過する期間を通じて、泡状洗浄液Lbを吐出対象範囲Rに継続的に吐出してもよい。この場合には、小キャップ54の周縁部56にも泡状洗浄液Lbが付着することとなる。
また、ステップS110のバブルモードによってメンテナンスユニット5に泡状洗浄液Lbを吐出するにあたって、大キャップ51および小キャップ54のうちの一方に泡状洗浄液Lbを吐出して、他方に泡状洗浄液Lbを吐出しないように構成してもよい。
また、メンテナンスユニット5が、大キャップ51および小キャップ54の両方を具備することは必須ではなく、大キャップ51および小キャップ54のうちの一方を具備し、他方を具備しないように、メンテナンスユニット5を構成してもよい。
また、小キャップ54の小開口55内にスポンジなどの液体吸収部材を載置してもよい。この場合、泡状洗浄液Lbの層は、液体吸収部材の上に形成されることになる。
本発明は、インク吐出面で開口するノズルからインクを吐出する吐出ヘッドをキャップユニットで覆うキャッピングによってノズルを保湿する技術の全般に適用可能である。
1…印刷装置
3…ヘッドユニット
31…吐出ヘッド
310…ノズル開口平面(インク吐出面)
311…ノズル
32…ヘッド保持部材
5…メンテナンスユニット(キャップユニット)
51…大キャップ
52…大開口
53…周縁部(大開口周縁部)
54…小キャップ
55…小開口
56…周縁部(小開口周縁部)
61…水平駆動部(駆動部)
65…排液機構(液体排出部)
8…洗浄液供給部(洗浄液吐出部、リンス液吐出部)
85…洗浄液ノズル(吐出口、第1吐出口、第2吐出口)
C54…キャップ列(第1・第2キャップ列)
Lb…泡状洗浄液(泡状洗浄液)
Lo…洗浄液(リンス液)
O…小キャップ外部領域
Pa…対向位置
Pb…退避位置
R…吐出対象範囲
X…X方向(駆動方向)
Y…Y方向(幅方向)

Claims (15)

  1. インク吐出面で開口するノズルからインクを吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドを保持するヘッド保持部材とを有するヘッドユニットと、
    前記ノズルに対向しつつ前記ヘッドユニットに接触することで前記ノズルを覆うキャッピングを実行するキャップユニットと、
    前記キャップユニットが前記キャッピングを実行する前に、前記キャップユニットに気泡を含む洗浄液である泡状洗浄液を吐出する洗浄液吐出部と
    を備え、
    前記洗浄液吐出部は、前記キャッピングを実行する前記キャップユニット内の前記泡状洗浄液が前記インク吐出面から離間するように、前記キャップユニットに前記泡状洗浄液を吐出する印刷装置。
  2. 前記キャップユニットは、前記ヘッドユニットに対応して開口する大開口を有する大キャップと、前記大開口より小さく前記インク吐出面に対応して開口する小開口を有する小キャップとを有し、
    前記小キャップは、前記大開口の内側に配置され、
    前記大キャップは、前記大開口を規定する周縁部である大開口周縁部を有し、
    前記小キャップは、前記小開口を規定する周縁部である小開口周縁部を有し、
    前記キャッピングの実行時には、前記大開口が前記ヘッドユニットに対向しつつ、前記大開口周縁部が前記ヘッドユニットに接触し、前記小開口が前記インク吐出面に対向し、
    前記洗浄液吐出部は、前記大開口の内側に前記泡状洗浄液を吐出する請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記洗浄液吐出部は、前記小開口内に前記泡状洗浄液を吐出し、
    前記キャッピングを実行する前記キャップユニットの前記小開口内の前記泡状洗浄液は、前記インク吐出面から離間する請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記洗浄液吐出部に対して前記キャップユニットを駆動方向に相対的に駆動する駆動部をさらに備え、
    前記キャップユニットでは、それぞれ前記駆動方向に配列された前記小キャップを有する第1キャップ列および第2キャップ列が、前記駆動方向に直交する幅方向の異なる位置に配置され、
    前記洗浄液吐出部は、前記第1キャップ列に対応して設けられた第1吐出口と、前記第2キャップ列に対応して設けられた第2吐出口とを有し、
    前記第1吐出口は、前記駆動部の駆動に伴って前記駆動方向に移動する前記第1キャップ列内の前記小キャップの前記小開口内に前記泡状洗浄液を吐出し、
    前記第2吐出口は、前記駆動部の駆動に伴って前記駆動方向に移動する前記第2キャップ列内の前記小キャップの前記小開口内に前記泡状洗浄液を吐出し、
    前記第1キャップ列において前記駆動方向に配列された前記小キャップのうち前記駆動方向の先頭の第1先頭キャップと、前記第2キャップ列において前記駆動方向に配列された前記小キャップのうち前記駆動方向の先頭の第2先頭キャップとは、前記駆動方向の異なる位置に設けられ、
    前記駆動方向における前記第1先頭キャップと前記第2先頭キャップとの位置の違いに応じて、前記第1吐出口が前記第1先頭キャップへの前記泡状洗浄液の吐出を開始するタイミングと、前記第2吐出口が前記第2先頭キャップへの前記泡状洗浄液の吐出を開始するタイミングとが異なる請求項3に記載の印刷装置。
  5. 前記洗浄液吐出部に対して前記キャップユニットを駆動方向に相対的に駆動する駆動部をさらに備え、
    前記洗浄液吐出部は、所定の吐出対象範囲に対して前記泡状洗浄液を吐出する吐出口を有し、前記駆動部の駆動によって前記小開口の内側が前記吐出対象範囲を通過する期間に前記吐出口から前記泡状洗浄液を吐出し、前記駆動部の駆動によって前記小開口周縁部が前記吐出対象範囲を通過する期間は前記吐出口から前記泡状洗浄液を吐出しない請求項3に記載の印刷装置。
  6. 前記駆動方向に直交する幅方向において、前記小開口の内側に前記吐出対象範囲が含まれる請求項5に記載の印刷装置。
  7. 前記洗浄液吐出部は、前記大キャップの前記大開口の内側であって前記小キャップの外側の小キャップ外部領域に前記泡状洗浄液を吐出し、
    前記小開口内に吐出される前記泡状洗浄液に含まれる前記気泡のサイズは、前記小キャップ外部領域に吐出される前記泡状洗浄液に含まれる前記気泡のサイズより大きい請求項3ないし6のいずれか一項に記載の印刷装置。
  8. 前記洗浄液吐出部は、前記大キャップの前記大開口の内側であって前記小キャップの外側の小キャップ外部領域に前記泡状洗浄液を吐出する請求項2に記載の印刷装置。
  9. 前記キャッピングの実行時には、前記小開口周縁部が前記インク吐出面から離間する請求項7または8に記載の印刷装置。
  10. 前記キャップユニットは、互いに異なる対向位置と退避位置との間で移動可能であり、前記対向位置に位置することで前記ヘッドユニットに対向する一方、前記退避位置に位置することで前記ヘッドユニットに対向せず、
    前記洗浄液吐出部は、前記退避位置と前記対向位置との間に対して設けられ、
    前記キャップユニットは、前記対向位置において前記キャッピングを実行する一方、前記吐出ヘッドが印刷媒体にインクを吐出して前記印刷媒体に画像を印刷する間は前記退避位置に位置し、
    前記洗浄液吐出部は、前記退避位置から前記対向位置に移動する前記キャップユニットに前記泡状洗浄液を吐出する請求項1ないし9のいずれか一項に記載の印刷装置。
  11. 前記気泡を含まない液体であるリンス液を前記キャップユニットに吐出するリンス液吐出部と、
    前記キャップユニットから前記リンス液を排出する液体排出部と
    をさらに備え、
    前記リンス液吐出部が前記キャップユニットに前記リンス液を吐出してから前記液体排出部が前記キャップユニットから前記リンス液を排出する泡除去処理を、前記キャップユニットに前記泡状洗浄液を吐出する前に実行する請求項1ないし9のいずれか一項に記載の印刷装置。
  12. 前記リンス液は、前記気泡を含まない前記洗浄液である請求項11に記載の印刷装置。
  13. 前記キャップユニットは、互いに異なる対向位置と退避位置との間で移動可能であり、前記対向位置に位置することで前記ヘッドユニットに対向する一方、前記退避位置に位置することで前記ヘッドユニットに対向せず、
    前記リンス液吐出部は、前記退避位置と前記対向位置との間に対して設けられ、
    前記キャップユニットは、前記対向位置において前記キャッピングを実行する一方、前記吐出ヘッドが印刷媒体にインクを吐出して前記印刷媒体に画像を印刷する間は前記退避位置に位置し、
    前記リンス液吐出部は、前記対向位置から前記退避位置に移動する前記キャップユニットに前記リンス液を吐出する請求項11または12に記載の印刷装置。
  14. 前記洗浄液吐出部は、前記退避位置と前記対向位置との間に対して設けられ、
    前記洗浄液吐出部は、前記退避位置から前記対向位置に移動する前記キャップユニットに前記泡状洗浄液を吐出する請求項13に記載の印刷装置。
  15. キャップユニットに気泡を含む洗浄液である泡状洗浄液を吐出する工程と、
    インク吐出面で開口するノズルからインクを吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドを保持するヘッド保持部材とを有するヘッドユニットの前記ノズルに前記キャップユニットを対向させつつ、前記ヘッドユニットに前記キャップユニットを接触させるキャッピングを実行する工程と
    を備え、
    前記キャッピングを実行する前記キャップユニット内の前記泡状洗浄液が前記インク吐出面から離間するように、前記キャップユニットに前記泡状洗浄液が吐出されるノズル保湿方法。
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