JP2023118752A - 画像形成装置 - Google Patents

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Mizuki Ishimoto
伯夫 松井
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Abstract

【課題】高価な光学素子を使用することなく記録材の水分量に関する値を検知できる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像形成手段と、400nmから800nmまでの範囲に含まれるピーク波長をもつ第一の光を記録材に照射する第一の光源と、前記第一の光のピーク波長よりも長く、800nmから2500nmまでの範囲に含まれるピーク波長をもつ第二の光を前記記録材に照射する第二の光源と、400nmから1000nmの範囲に受光感度を有し、前記記録材を透過した前記第一の光と前記第二の光を受光する受光手段と、前記受光手段が受光した前記第一の光および前記第二の光に基づいて、前記画像形成手段が前記記録材に画像を形成する画像形成条件を制御する制御手段と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、記録材に含まれる水分量に関する値を検知する画像形成装置に関する。
特許文献1及び2は、被測定物に含まれる水分量を検知する構成を開示している。特許文献1では、水の吸収波長(1450nm)の光と、水の非吸収波長(1300nm)の光とを用いて記録材の内部散乱光を検知することで水分量を検知している。また、特許文献2では、水の吸収波長の光と、水の非吸収波長の光とを被測定物に照射し、被測定物からの透過光又は反射光を検知することで水分量を検知している。
特開2013-57513号公報 特開平8-82598号公報
しかしながら、特許文献1及び2の構成では、水の吸収波長である1450nmや1940nmの光を射出する光源と、これら波長において必要な受光感度が得られる受光素子を必要とする。具体的には、InGaAs(Indium Gallium Arsenide)を材料としたLEDやフォトダイオード等の高価な光学素子が必要となりコスト高となる。
本発明は、高価な光学素子を使用することなく記録材の水分量に関する値を検知できる画像形成装置を提供するものである。
本発明の一態様によると、画像形成装置は、記録材に画像を形成する画像形成手段と、400nmから800nmまでの範囲に含まれるピーク波長をもつ第一の光を記録材に照射する第一の光源と、前記第一の光のピーク波長よりも長く、800nmから2500nmまでの範囲に含まれるピーク波長をもつ第二の光を前記記録材に照射する第二の光源と、400nmから1000nmの範囲に受光感度を有し、前記記録材を透過した前記第一の光と前記第二の光を受光する受光手段と、前記受光手段が受光した前記第一の光および前記第二の光に基づいて、前記画像形成手段が前記記録材に画像を形成する画像形成条件を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によると、高価な光学素子を使用することなく記録材の水分量に関する値を検知することができる。
一実施形態による画像形成装置の構成図。 一実施形態による水分検知装置の構成図。 一実施形態による水分検知原理の説明図。 一実施形態による水分判定情報の説明図。 一実施形態による記録材の水分検知処理のフローチャート。 一実施形態による水分判定情報の説明図。 一実施形態による坪量判定情報の説明図。
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は例示であり、本発明を実施形態の内容に限定するものではない。また、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
<第一実施形態>
図1は、本実施形態による水分検知装置を含む画像形成装置1の概略的な構成図である。画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー(現像材)それぞれで形成したトナー像を重ね合わせることでカラー画像を形成する。図1において、参照符号の末尾のY、M、C及びKは、対応する部材が形成に係るトナーの色がそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックであることを示している。なお、以下の説明においてトナーの色を区別する必要がない場合には、参照符号の末尾のアルファベットの除いた参照符号を使用する。
感光体11は、像担持体であり、画像形成時、図中の矢印の方向に回転駆動される。帯電ローラ12は、感光体11の表面を一様な電位に帯電させる。走査部13は、帯電された感光体11を光で走査・露光して感光体11に静電潜像を形成する。現像部14は対応する色のトナーを有し、現像ローラ15が出力する現像バイアスによりトナーを感光体11の静電潜像に付着させ、これによりトナー像を感光体11に形成する。一次転写ローラ16は、一次転写バイアスを出力して感光体11のトナー像を中間転写ベルト17に転写する。中間転写ベルト17は、画像形成時、駆動ローラ18の回転に従属して回転駆動される。各感光体11に形成されたトナー像を、回転駆動される中間転写ベルト17に重ねて転写することで多色のトナー像を形成することができる。また、中間転写ベルト17に転写されたトナー像は、中間転写ベルト17の回転により二次転写ローラ19の対向位置へと搬送される。
また、給紙カセット2の記録材Pは、給紙ローラ4により搬送路に給紙され、搬送ローラ対5及びレジストレーションローラ対6により二次転写ローラ19の対向位置へと搬送される。二次転写ローラ19は、二次転写バイアスを出力して、中間転写ベルト17のトナー像を記録材Pに転写する。トナー像が転写された記録材Pは、定着部20に搬送される。定着部20は、記録材Pを加熱・加圧してトナー像を記録材Pに定着させる。トナー像が定着された記録材Pは、排紙ローラ21により画像形成装置1の外部に排出される。図1において、参照符号40で示される点線内の部材は、記録材Pに画像を形成する画像形成部を構成している。
レジストレーションローラ対6より記録材の搬送方向の下流側には、記録材Pを検知するレジストレーションセンサ3が設けられている。また、搬送方向において、レジストレーションセンサ3の下流側、かつ、二次転写ローラ19の上流側には、記録材判別装置30が設けられている。記録材判別装置30は、送信部33と、受信部34とを有し、記録材Pの坪量を検知する坪量検知部31と、記録材Pの表面性を検知する表面性検知部32と、を備えている。さらに、搬送方向において、記録材判別装置30の下流側、かつ、二次転写ローラ19の上流側には、水分検知装置35が設けられている。水分検知装置35は、発光部37及び受光部38を有する水分検知センサ部36と、水分検知制御部39と、を備えている。
画像形成装置1の制御部10は、画像形成装置1全体の制御を行い、1つ以上のプロセッサと、プロセッサが使用するプログラムやデータを格納する不揮発性メモリと、プロセッサの作業領域として使用されるRAM等を備えている。制御部10は、例えば、記録材判別装置30により検知した記録材Pの種類に応じた印刷モードを決定して画像形成装置1の動作を一括して制御する。
続いて、水分検知装置35について説明する。図2(A)は、水分検知装置35のブロック図である。水分検知センサ部36は、記録材Pの搬送路に対して互いに逆側に設けられる発光部37及び受光部38を有し、発光部37から射出される光を受光部38で受光する。ここで、水分検知センサ部36の主要部である発光部37及び受光部38の構成の詳細を図2(B)に示す。
発光部37は、発光素子37a及び発光素子37bと、それらを駆動させるための駆動回路(不図示)から構成される。本実施形態において、発光素子37aは、ピーク波長が560nmである光を射出するLEDであり、発光素子37bは、ピーク波長が850nmである光を射出するLEDである。約400~800nmの波長帯は、一般的に、可視光領域と呼ばれ、約800~2500nmの波長帯は、一般的に、近赤外光領域と呼ばれる。よって、以下では、発光素子37aが射出する光を「可視光」と表記し、発光素子37bが射出する光を「近赤外光」と表記して区別する。なお、上述した、発光素子37a及び発光素子37bの波長は一例であり、可視光領域の波長及び近赤外光領域の波長であれば良い。
発光素子37aが射出した可視光は、アパーチャ37cを介して記録材Pを照射する。同様に、発光素子37bが射出した近赤外光は、アパーチャ37dを介して記録材Pを照射する。アパーチャ37c及び37dは、記録材P表面の照射面積を制限し、記録材Pを透過した光を受光部38の所望の範囲で受光させるために設けられている。しかしながら、発光素子37a及び発光素子37bが指向性の高い光を射出する場合、アパーチャ37c及びアパーチャ37dを設けなくとも良い。
受光部38は、受光素子38a及び受光素子38bを備えている。受光素子38a及び受光素子38bは、それぞれ、光電変換素子であり、例えば、汎用のCMOSセンサである。なお、受光素子としては、半導体シリコンを用いたセンサ、例えば、Siフォトダイオード、Siフォトトランジスタ、CCDセンサ、NMOSセンサ等を使用することができる。また、受光面の形状が、エリア型やライン型のものも使用することもできる。これらの光電変換素子は、一般に約400~1000nmの波長帯に受光感度を有する。つまり、受光素子38a及び受光素子38bは、発光素子37a及び発光素子37bのピーク波長を含む波長帯に受光感度を有する。
記録材Pを透過した可視光及び近赤外光は、それぞれ受光素子38a及び38bにより受光される。なお、本実施形態では、2つの発光素子37a及び37bそれぞれに対応して2つの受光素子38a及び38bを使用している。しかしながら、各発光素子38a、38bが射出し、記録材Pを透過した透過光を区別して検出できれば良く、水分検知センサ部36の構成は図2(B)の構成に限定されない。例えば、発光素子37aと発光素子37bからの透過光が受光素子の異なる範囲を照射し、受光素子が、発光素子37aからの透過光と発光素子37bからの透過光それぞれの受光量を示す信号を個別に出力できれば、受光素子を1つとすることもできる。さらに、各発光素子38a、38bの発光タイミングを異ならせるといった制御を行えば、各発光素子38a、38bからの透過光の受光範囲が重複しても、受光量を個別に検出することができる。さらに、発光素子、アパーチャ、受光素子それぞれの距離や、光の射出角度は、記録材Pの透過光を受光可能であれば良く、例えば、記録材Pおよび受光面に対して光を斜めに射出する構成であっても良い。
図2(A)に戻り、水分検知制御部39について説明する。水分検知制御部39は、発光部37に対して、発光部37の発光素子37a及び37bが射出する光のON/OFF制御と、その光量制御(光強度制御)を行う。なおこれらは、制御部10からの制御信号に基づいて行われる。発光素子37a及び37bの発光光量は、記録材Pの透過光が受光素子38a及び38bで受光できる大きさとなる様に制御される。なお、最適な発光光量は、発光素子及び受光素子の特性により異なる。また、LEDなどの発光素子では、駆動回路の電圧変動の影響で発光光量が時間的に変動する場合があり、これは水分量の検知精度を低下させる原因となる。この場合は、例えば定電流回路などで発光光量を安定させることができる。さらに、水分検知制御部39は受光部38に対して、受光タイミングを制御する制御信号を出力する。これにより、受光素子38a及び受光素子38bの受光時間が同等になるように制御される。
また、水分検知制御部39は、受光部38から可視光及び近赤外光の受光光量を示す受光データを取得し、受光データに基づいて記録材Pの水分量(含水量)に関する値を算出する。そして、算出した水分量に関する値を示す含水データを制御部10に出力する。なお、水分検知制御部39は、特定用途向けの集積回路(ASIC)上で実現することができ、本実施形態では、ASIC上に水分検知制御部39を実現しているものとする。しかしながら、画像形成装置1の制御部10のプロセッサにプログラムを実行させることで水分検知制御部39を実現することもできる。
画像形成装置1の制御部10は、水分検知制御部39への制御信号の出力を行い、水分検知装置35から取得した含水データにより、画像形成条件を制御する。例えば、制御部10は、記録材Pの水分量に応じて二次転写ローラ19が出力する転写電圧である二次転写バイアスや、二次転写バイアスにより流れる転写電流を制御する。また、制御部10は、記録材Pの含水率に応じて定着部20の定着温度をする。具体的には、記録材Pの水分量が低いと、記録材Pの抵抗が大きくなるため、転写電流が大きくなるよう二次転写バイアスを高くする。また、記録材Pの水分量が高いと、定着不良が懸念されるため定着温度を上げる。
以下、記録材の水分量に関する値である含水率の算出について説明する。まず、発光素子37a及び37bが射出した光を、記録材Pを透過させることなく受光素子38a及び38bに受光させたときの受光量を以下では紙無受光量と呼ぶものとする。また、発光素子37a及び37bが射出した光を、記録材Pを透過させて受光素子38a及び受光素子38bに受光させたときの受光量を以下では紙有受光量と呼ぶものとする。このとき、発光素子37a及び37bそれぞれが射出した光の記録材Pの透過特性、つまり、記録材Pを光が透過する度合いを示す検出値は、例えば、以下の式(1)で求めることができる。
検出値=紙有受光量×係数/紙無受光量 (1)
つまり、記録材Pの透過特性を示す検出値は、紙有受光量と紙無受光量の比に係数を乗じたものである。ここで、係数は、発光素子37a及び37bの発光光量差や、受光素子38a及び38bの受光波長に対する受光感度の違い(分光感度特性)を補正し、正規化した紙有受光量を求めるためのものであり、予め求めて水分検知制御部39に格納しておく。よって、係数及び紙無受光量で正規化した紙有受光量は、発光素子37a及び37bを所定の発光強度で発光させたときに、記録材Pを透過する透過光量を示すものということもできる。このため、以下では、検出値を透過光量と呼ぶものとする。なお、例えば、発光素子37a及び37bの発光強度と、受光素子38a及び38bの感度を予め調整すれば、紙有受光量を透過光量とすることもできる。
続いて、記録材Pの透過光量と、記録材Pの含水量との関係について説明する。図3(A)は、可視光及び近赤外光それぞれについて、水分を含んでいない乾燥時の記録材Pの透過光量を示している。光は波長が長くなるに従って記録材Pを透過しやすくなるため、近赤外光は可視光より透過光量が大きくなる。
一方、記録材Pが吸湿すると、記録材Pに含まれる水分により記録材Pの透過特性は変化する。この変化を与える要因の1つに、記録材P表面での乱反射特性の変化がある。具体的には、記録材Pに光を照射した場合、記録材Pの主成分である植物繊維の凹凸により記録材Pの表面で乱反射が生じる。ここで記録材Pに含まれる水分量が変化すると、記録材P表面の境界条件が変化し、記録材Pの表面での乱反射量が変化する。具体的には、記録材Pに含まれる水分量が多くなると、記録材Pの表面での乱反射量は減少し、よって、記録材Pの透過光量は大きくなる。なお、乱反射特性は波長依存性が少ない。よって、記録材Pに含まれる水分量の変化による乱反射特性の変化により、可視光及び近赤外光の透過光量は変化するが、その変化量は略同じである。
また、記録材Pの透過特性に変化を与える要因の1つに、記録材Pに含まれる水分による光の吸収がある。水は、光を吸収する特性(吸光特性)を有するが、その吸収の程度は光の波長によって異なる。具体的には、波長が長くなると吸収量は増加する。ここで、記録材Pの含水量の増加による、吸光特性に基づく透過光量の減少量は、乱反射特性に基づく透過光量の増加量より小さい。つまり、記録材Pの含水量が増加すると、近赤外光及び可視光の透過光量は全体として増加するが、近赤外光の透過光量の増加量は、可視光の透過光量の増加量よりも小さい。この様子を図3(B)に示す。吸湿時の記録材Pの透過光量は、図3(A)に示す乾燥時と比較して増加する。ただし、増加量は、吸光特性の波長依存性により、近赤外光と比較して可視光の方が大きくなる。
本実施形態では、可視光の透過光量と、近赤外光の透過光量との光量差を、記録材Pの含水量を評価するための評価値とする。なお、光量差は、以下の式(2)で求められる。
光量差=近赤外光の透過光量-可視光の透過光量 (2)
上述した様に、記録材Pの含水量が変化したときの、乱反射特性に基づく透過光量の変化には波長依存性が殆どないため、光量差の計算において乱反射特性に基づく透過光量の変化は相殺される。一方、記録材Pの含水量が変化したときの吸光特性に基づく透過光量の変化には波長依存性があり、よって、光量差は、記録材Pの含水量が変化すると変化する。
図4は、記録材Pの含水率と光量差との関係を示している。なお、含水率とは、記録材Pの坪量に対する記録材Pの含水量の比率(%)であり、記録材Pの含水量を示す値である。なお、図4は、記録材Pとして坪量が60g/mの普通紙(60g紙)を用いた場合の、含水率と光量差との測定結果を示している。図3を用いて説明した様に、記録材Pの含水率が増加するに従い光量差は減少している。水分検知制御部39に、予め、図4の関係を示す式、テーブル等の水分判定情報を保持させておく。そして、水分検知制御部39は、水分判定情報と、評価値である光量差と、に基づき含水率を判定する。なお、本実施形態では、記録材Pの含水量を示す値として、含水率を使用するが、水分判定情報として、光量と含水量との関係を示すものを使用し、含水量を求める形態であっても良い。また、本実施形態では、可視光と近赤外光の透過光量の光量差を評価値としているが、含水量に相関のある値であれば光量差を評価値とする構成に本発明は限定されない。例えば、可視光の透過光量と近赤外光の透過光量との比を評価値としても良い。つまり、評価値として、以下の式(4)で示す光量比を使用する構成であっても良い。
光量比=近赤外光の透過光量/可視光の透過光量 (4)
図5は、本実施形態における含水率の判定処理のフローチャートである。画像形成の開始により、S101で、水分検知制御部39は、発光素子37a及び37bを発光させる。S102で、制御部10は、レジストレーションセンサ3により記録材Pの搬送位置を検知する。S102での記録材Pの検知後、S103で、制御部10は、所定時間だけ待機する。この待機時間は、記録材Pが、発光部37から受光部38への光路内の位置より上流側の所定位置に到達するまでの時間である。制御部10は、S103で所定時間が経過すると、水分検知制御部39を制御し、S104及びS204で、可視光及び近赤外光それぞれについて紙無受光量を測定させる。なお、記録材Pが発光部37から受光部38への光路内に到達する直前の位置で紙無受光量を測定するのは、紙無受光量と紙有受光量の測定時における、発光部37の発光強度の時間変動の影響を抑えるためである。紙無光量の測定後、S105及びS205で、制御部10は、紙有受光量を測定できる位置に記録材Pが到達するまでの所定時間だけ待機する。その後、S106及びS206で、制御部10は、水分検知制御部39を制御し、これにより、水分検知制御部39は、可視光及び近赤外光それぞれについて紙有受光量を測定する。
S107及びS207で、水分検知制御部39は、可視光及び近赤外光それぞれについて式(1)により透過光量を算出し、S108及びS208で、可視光及び近赤外光それぞれの透過光量を保存する。S109及びS209において、制御部10は、記録材Pが紙有受光量を測定できる位置を抜けたかを判定し、抜けていないと、水分検知制御部39を制御し、紙有受光量の測定と、透過光量の算出と保存を繰り返し行う。記録材Pが紙有受光量を測定できる位置を抜けると、水分検知制御部39は、S110及びS120において、可視光及び近赤外光それぞれについて測定した複数の透過光量の平均値を求める。S111で、水分検知制御部39は、可視光及び近赤外光それぞれの透過光量の平均値により評価値を算出する。そして、水分検知制御部39は、事前に設定された水分判定情報と、評価値とに基づき記録材Pの含水率を判定する。
以上、本実施形態では、可視光及び近赤外光を射出する光源と、可視光及び近赤外光に感度を有する受光素子により記録材の含水量を示す値を算出する。つまり、水の吸収波長である1450nmや1940nmに受光感度を有する受光素子を使用することなく記録材の水分量を検知できる。なお、可視光及び近赤外光に感度を有する受光素子は一般的なものであり高価ではない。また、記録材Pは、その位置によって厚みや密度にばらつきがあるため、測定位置によって紙有受光量にばらつきが生じ得る。しかしながら、複数回、紙有受光量を検知し、それぞれの紙有受光量の平均値を使用して評価値を求めることで、測定位置による紙有受光量のばらつきを抑え、精度よく水分量に関する値を検出することができる。なお、紙有受光量の検知を複数回に渡り行うのではなく、エリア型センサを用いる等、受光素子38a及び38bの受光面積を広くする構成であっても良い。また、紙無受光量の測定と、紙有受光量の測定とを所定時間内に行うことで、発光素子37a、37bの発光強度の時間変動の影響を抑え、精度よく水分量に関する値を検出することができる。さらに、可視光及び近赤外光それぞれの紙無受光量の測定と、紙有受光量の測定とを並行して行うことで短い時間で精度よく水分量に関する値を検出することができる。
なお、本発明は、発光素子37aが可視光を射出し、発光素子37bが近赤外光を射出するものに限定されない。記録材Pの含水量の変化による透過光量の変化量が異なる2つの波長であれば、発光素子37a及び発光素子37b共に可視光、或いは、近赤外光を射出する構成とすることができる。
<第二実施形態>
続いて、第二実施形態について第一実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態では、記録材判別装置30が検知する記録材Pの坪量も水分量に関する値の判定に使用する。
図1に示す記録材判別装置30の坪量検知部31は、記録材Pの坪量を検知する超音波センサである。坪量検知部31は、記録材Pに超音波を送信する送信部33と、記録材Pを介した超音波を受信する受信部34とを有し、受信した音波の振幅値により記録材Pの坪量を検知する。なお、坪量検知部31は超音波センサを用いたものに限定されず、記録材の坪量を検知する他のタイプのセンサであっても、坪量と相関が高い記録材の厚み量等を検知するセンサであっても良い。
図6は、記録材Pの坪量と、評価値である可視光と近赤外光の透過光量の差、つまり、光量差との関係を示している。図6は、含水率、約2%、約5%、約9%それぞれについて、坪量が60g/m(60g紙)、68g/m(68g紙)、75g/m(75g紙)の普通紙での関係を示している。図6の60g紙、68g紙、75g紙では、記録材Pの坪量の変化に伴い、光量差が変化している。そのため、坪量検知部31により記録材Pの坪量を検知し、坪量に応じた、評価値(光量差)と含水率との関係に基づき記録材Pの含水率を判定することでより精度よく含水率を判定できる。
本実施形態における含水率の判定処理は、基本的には、図5に示す第一実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、記録材Pが記録材判別装置30を通過する際に、記録材判別装置30により記録材Pの坪量を判定する。具体的には、送信部33より記録材Pを介して得られる音波を受信部34で受信し、その振幅値を測定する。記録材判別装置30は、予め設定されている振幅値と坪量との関係を示す情報に基づき坪量を判定する。そして、本実施形態において、水分判定情報は、図6に示す様な、記録材Pの各坪量について、評価値と含水率との関係を示すものとする。そして、水分検知制御部39は、図5のS112において、記録材判別装置30が検知した坪量に対応する水分判定情報と評価値とに基づき含水率を判定する。
以上、本実施形態では、記録材の坪量を検知することで、坪量に基づいた高精度な記録材の水分検知が可能になる。なお、記録材判別装置30により坪量を検出するのではなく、ユーザによるタッチパネルやボタン操作等からの入力に基づき坪量を判定する構成であっても良い。
<第三実施形態>
続いて、本実施形態について、第一実施形態及び第二実施形態との相違点を中心に説明する。第二実施形態では、記録材判別装置30の坪量検知部31により記録材Pの坪量を検知していた。本実施形態では、水分検知センサ部36の発光素子37bが射出する近赤外光により、記録材Pの坪量の範囲を検知する。したがって、本実施形態においては、坪量検知部31を省略することができる。
図7は、近赤外光を記録材Pに照射したときの透過光量と坪量との関係を示している。記録材Pの坪量と近赤外光の透過光量には相関があり、坪量の増加に従い、透過光量は減少する。なお、透過光量は、記録材Pの含水率に応じて増減するものの、坪量の差に起因する増減幅より比較的小さい。そのため、近赤外光の透過光量により記録材Pの坪量の凡その値(範囲)を特定できる。
本実施形態における含水率の判定処理は、基本的には、図5に示す第一実施形態と同様である。ただし、本実施形態では、水分検知制御部39に、近赤外光の透過光量と坪量の関係を示す坪量判定情報を予め設定しておく。そして、水分検知制御部39は、坪量判定情報と、図5のS210で求めた近赤外光の透過光量の平均値により坪量を判定する。また、水分検知制御部39には、記録材Pの各坪量について、評価値と含水率との関係を示す水分判定情報を設定しておく。そして、水分検知制御部39は、S112において、近赤外光の透過光量に基づき判定した坪量での水分判定情報に基づき含水率を判定する。
以上、本実施形態でも、第二実施形態と同様に、記録材の坪量を考慮することで、精度よく記録材の水分量に関する値を検知できる。また、本実施形態では、坪量検知部31を不要とすることができる。なお、本実施形態では、近赤外光の透過光量に基づき記録材Pの坪量を判定したが、可視光の透過光量に基づき記録材Pの坪量を判定することもできる。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
37:発光部、38:受光部、39:水分検知制御部
本発明は、記録材に関する情報を検知する画像形成装置に関する。
本発明は、高価な光学素子を使用することなく記録材に関する情報を検知できる画像形成装置を提供するものである。
本発明の一態様によると、画像形成装置は、記録材を搬送路に沿って搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送された前記記録材に画像を形成する画像形成手段と、前記搬送路において前記画像形成手段よりも前記記録材の搬送方向の上流側に設けられ、400nmから800nmまでの範囲に含まれるピーク波長をもつ第一の光を記録材に照射する第一の発光素子と、前記第一の光のピーク波長よりも長く、800nmから1000nmまでの範囲に含まれるピーク波長をもつ第二の光を前記記録材に照射する第二の発光素子と、前記搬送路に対して前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子とは反対側の位置に設けられ、400nmから1000nmの範囲に受光感度を有し、前記記録材を透過した前記第一の光と前記第二の光を受光する受光手段と、前記受光手段が受光した前記第一の光および前記第二の光に基づいて、前記画像形成手段が前記記録材に画像を形成する画像形成条件を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によると、高価な光学素子を使用することなく記録材に関する情報を検知することができる。

Claims (1)

  1. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    400nmから800nmまでの範囲に含まれるピーク波長をもつ第一の光を記録材に照射する第一の光源と、
    前記第一の光のピーク波長よりも長く、800nmから2500nmまでの範囲に含まれるピーク波長をもつ第二の光を前記記録材に照射する第二の光源と、
    400nmから1000nmの範囲に受光感度を有し、前記記録材を透過した前記第一の光と前記第二の光を受光する受光手段と、
    前記受光手段が受光した前記第一の光および前記第二の光に基づいて、前記画像形成手段が前記記録材に画像を形成する画像形成条件を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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