JP2023117705A - 薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】可撓性基材の曲げに対する薄膜トランジスタの電気的な耐久性の向上を可能とした薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタの製造方法を提供する。【解決手段】可撓性基材11の平坦面に追従する平坦部と、ゲート電極層12を覆って平坦部から隆起する段差部22とを備え、有機原子団を含む第1ゲート絶縁層21と、段差部22の上面内に位置する無機化合物である第2ゲート絶縁層23と、第2ゲート絶縁層23の上面内に位置する半導体層13と、半導体層13の第1端部に接続されるソース電極層14と、半導体層13の第2端部に接続されるドレイン電極層15と、を備える。ソース電極層14、およびドレイン電極層15は、平坦部から半導体層13まで段差部22の端面と第2ゲート絶縁層23の端面とに追従する段差形状を有し、段差部22の厚さDAと平坦部の厚さDBとは、0.30≦DB/DA≦0.94を満たす。【選択図】図2

Description

本開示は、半導体層を備える薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタの製造方法に関する。
可撓性基材に形成された半導体層を備える薄膜トランジスタは、表示デバイス、携帯デバイス、イメージセンサなどの各種のデバイスに搭載される。高い電界効果移動度と低いリーク電流とを達成する半導体層は、デバイスの小型化と低消費電力化とを実現する。一方、可撓性基材を曲げるような、薄膜トランジスタに対する外部応力の印加は、半導体層の移動度を変化させる。
曲げによる移動度変化の第1抑制例は、積層方向の厚さが相対的に厚い範囲に、半導体層を配置する。例えば、ゲート絶縁層がゲート電極層を覆う。ゲート絶縁層のなかでゲート電極層に重畳する積層範囲は、ゲート絶縁層のなかでゲート電極層を覆わない単層範囲よりも、ゲート電極層の厚みの分だけ厚い。こうした積層範囲は、単層範囲よりも曲がりにくい。第1抑制例は、チャンネル幅方向に積層範囲を延ばすと共に、チャンネル幅方向の積層範囲の一部に、半導体層の全体を配置する。あるいは、第1抑制例は、チャンネル長方向に積層範囲を延ばすと共に、チャンネル長方向の積層範囲の一部に、半導体層の全体を配置する。これによって、半導体層のチャンネル幅方向の全体、あるいは金属酸化物層のチャンネル長方向の全体で半導体層の曲がりが抑制される(例えば、特許文献1、2を参照)。
曲げによる移動度変化の第2抑制例は、半導体層に作用する膜応力を抑制するための補強層を備える。例えば、半導体層は、第1補強層と第2補強層との間に位置する。第1補強層は、半導体層よりも大きい面積を有し、また半導体層よりも高いヤング率を有する珪素化合物層であり、かつ半導体層の全体を支持する。第2補強層は、半導体層よりも大きい面積を有し、また半導体層よりも高いヤング率を有する珪素化合物層であり、かつ半導体層の全体を覆う。このように、第2抑制例は、引っ張り応力の作用しにくい中立面、あるいは圧縮応力の作用しにくい中立面に、半導体層を配置する。これによって、半導体層に作用する膜応力が抑制される(例えば、特許文献3を参照)。
特開2021-77751号公報 特開2020-080430号公報 特開2018-195843号公報
ところで、有機化合物層に無機化合物層を積層されたゲート絶縁層は、高い耐圧性と高い屈曲耐性との両立を実現する。一方、有機化合物層と無機化合物層との間の構造の差異は、薄膜トランジスタの内部に、様々な段差を形成し得る。
例えば、有機化合物層と無機化合物層との位置の差異、無機化合物層と半導体層との位置の差異、有機化合物層と半導体層との位置の差異は、一方の層厚に相当する段差を他方の層に形成し得る。2つの層間の寸法差異や、2つ層間の形状差異もまた、一方の層厚に相当する段差を他方の層に形成し得る。上記第1抑制例のように、有機化合物層自体が段差を有する場合、また無機化合物層自体が段差を有する場合、上述した段差は、さらに複雑化する。
引っ張り応力や圧縮応力などの層間における内部応力の差異は、層間の段差で膜剥がれを助長する。可撓性基材の曲げによる外部応力の印加は、こうした膜剥がれをさらに促す。単純な平面を積み重ねる構造であれば、上記第2抑制例のような中立面の形成が可能ではあるが、応力の作用方向を区々なものとする段差の存在は、中立面の形成を困難にする。結果として、第1抑制例であれ、第2抑制例であれ、有機化合物層と無機化合物層との間の構造の相違が考慮されていない構成は、段差に起因した移動度変化の抑制に、依然として改善の余地を残している。
上記課題を解決するための薄膜トランジスタは、平坦面を備える可撓性基材と、前記平坦面上に位置する素子構造体と、を備える薄膜トランジスタである。前記素子構造体は、前記平坦面の一部に位置するゲート電極層と、前記平坦面の他部に位置して前記平坦面に追従する平坦部と、前記ゲート電極層を覆って前記平坦部から隆起する段差部と、を備え、有機原子団を含む第1ゲート絶縁層と、前記段差部の上面内に位置する、無機化合物である第2ゲート絶縁層と、前記第2ゲート絶縁層の上面内に位置する、酸化物半導体である半導体層と、前記半導体層の第1端部に接続されるソース電極層と、前記半導体層の第2端部に接続されるドレイン電極層と、を備える。そして、前記ソース電極層、および前記ドレイン電極層は、前記平坦部から前記半導体層まで前記段差部の端面と前記第2ゲート絶縁層の端面とに追従する段差形状を有し、前記段差部の厚さは、前記段差部の厚さDAと前記平坦部の厚さDBとは、0.30≦DB/DA≦0.94を満たす。
上記薄膜トランジスタにおいて、1.0μm以下であり、前記段差部の上面において前記第2ゲート絶縁層が占める面積SDと、前記第2ゲート絶縁層の上面において前記半導体層が占める面積SCとは、1≦SD/SC≦9を満たしてもよい。
上記薄膜トランジスタにおいて、前記段差部の厚さは、0.6μm以下でもよい。
上記薄膜トランジスタにおいて、前記段差部の厚さDAと前記平坦部の厚さDBとの差は、前記ゲート電極層の厚さよりも大きくてもよい。
上記課題を解決するための薄膜トランジスタは、平坦面を備える可撓性基材と、前記平坦面上に位置する素子構造体と、を備える薄膜トランジスタである。前記素子構造体は、前記平坦面の一部に位置するゲート電極層と、前記平坦面の他部に位置して前記平坦面に追従する平坦部と、前記ゲート電極層を覆って前記平坦部から隆起する段差部と、を備え、有機原子団を含む第1ゲート絶縁層と、前記段差部の上面内に位置する、無機化合物である第2ゲート絶縁層と、前記第2ゲート絶縁層の上面内に位置する、酸化物半導体である半導体層と、前記半導体層の第1端部に接続されるソース電極層と、前記半導体層の第2端部に接続されるドレイン電極層と、を備える。そして、前記段差部の厚さは、0.6μm以下であり、前記段差部の厚さDAと前記平坦部の厚さDBとは、0.30≦DB/DA≦0.94を満たす。
上記薄膜トランジスタにおいて、前記段差部の厚さDAと前記平坦部の厚さDBとの差は、前記ゲート電極層の厚さよりも大きく、前記段差部の上面において前記第2ゲート絶縁層が占める面積SDと、前記第2ゲート絶縁層の上面において前記半導体層が占める面積SCとは、1≦SD/SC≦9を満たしてもよい。
上記薄膜トランジスタにおいて、前記無機化合物は、珪素酸化物、珪素窒化物、珪素酸窒化物からなる群から選択されるいずれか1つでもよい。
上記薄膜トランジスタにおいて、前記酸化物半導体は、インジウムを含有してもよい。
上記課題を解決するための薄膜トランジスタの製造方法は、可撓性基材における平坦面の一部にゲート電極層を形成すること、前記ゲート電極層を覆うように有機原子団を含む第1ゲート絶縁層を前記平坦面に形成し、これによって前記平坦面の他部に位置して前記平坦面に追従する平坦部と、前記ゲート電極層を覆って前記平坦部から隆起する段差部と、を備える第1ゲート絶縁層を形成すること、前記段差部の上面内に、無機化合物である第2ゲート絶縁層を形成すること、前記第2ゲート絶縁層の上面内に、酸化物半導体である半導体層を形成すること、前記平坦部から前記半導体層の第1端部まで前記段差部の端面と前記第2ゲート絶縁層の端面とに追従する段差形状を有するようにソース電極層を形成すること、前記平坦部から前記半導体層の第2端部まで前記段差部の端面と前記第2ゲート絶縁層の端面とに追従する段差形状を有するようにドレイン電極層を形成すること、を含む。そして、前記段差部の厚さDAと前記平坦部の厚さDBとは、0.30≦DB/DA≦0.94を満たす。
上記課題を解決するための薄膜トランジスタの製造方法は、可撓性基材における平坦面の一部にゲート電極層を形成すること、前記ゲート電極層を覆うように有機原子団を含む第1ゲート絶縁層を前記平坦面に形成し、これによって前記平坦面の他部に位置して前記平坦面に追従する平坦部と、前記ゲート電極層を覆って前記平坦部から隆起する段差部と、を備える第1ゲート絶縁層を形成すること、前記段差部の上面内に、無機化合物である第2ゲート絶縁層を形成すること、前記第2ゲート絶縁層の上面内に、酸化物半導体である半導体層を形成すること、前記半導体層の第1端部に接続されるソース電極層を形成すること、前記半導体層の第2端部に接続されるドレイン電極層を形成すること、を含む。そして、前記段差部の厚さは、0.6μm以下であり、前記段差部の厚さDAと前記平坦部の厚さDBとは、0.30≦DB/DA≦0.94を満たす。
上記構成によれば、可撓性基材の曲げによる薄膜トランジスタの移動度減少が抑制可能である。
図1は、薄膜トランジスタの平面構造を示す平面図である。 図2は、薄膜トランジスタの断面構造を示す断面図である。 図3は、実施例および比較例の移動度減少率を示す表である。
以下、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタの製造方法の一実施形態を示す。まず、薄膜トランジスタの層構造を説明し、次に、薄膜トランジスタの製造方法を説明する。
図1は、薄膜トランジスタが備える平面構造の一例を示す。図2は、薄膜トランジスタが備える断面構造の一例を示す。なお、図1、2は、薄膜トランジスタの層構造を説明する便宜上、各種の電極に接続される配線を割愛して示す。
以下では、図2を視座として、薄膜トランジスタの構成要素における上面、および下面を記載する。また、薄膜トランジスタが備えるソースとドレインとは、薄膜トランジスタを搭載した駆動回路の動作によって定まる。そのため、薄膜トランジスタにおいて、1つの電極層がソースからドレインに機能を替えてもよく、かつ他の電極層がドレインからソースに機能を替えてもよい。薄膜トランジスタは、ボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタである。
[素子平面構造]
図1が示すように、薄膜トランジスタは、可撓性基材11、ゲート電極層12(図2を参照)、第1ゲート絶縁層21、第2ゲート絶縁層23、半導体層13、ソース電極層14、およびドレイン電極層15を備える。ゲート電極層12、第1ゲート絶縁層21、第2ゲート絶縁層23、半導体層13、ソース電極層14、およびドレイン電極層15は、素子構造体の一例である。第1ゲート絶縁層21、および第2ゲート絶縁層23は、ゲート絶縁層の一例である。
可撓性基材11とゲート電極層12とは、可撓性基材11の厚さ方向であるチャンネル深さ方向に並ぶ。ソース電極層14とドレイン電極層15とは、図1の横方向であるチャンネル長方向に並ぶ。チャンネル幅方向は、チャンネル長方向とチャンネル深さ方向とに直交する。
可撓性基材11の上面は、チャンネル長方向とチャンネル幅方向とに広がる平坦面である。可撓性基材11の上面は、第1部分と第2部分とを備える。第1部分の面積は、第2部分の面積よりも十分に小さい。可撓性基材11の第1部分は、ゲート電極層12の下面と接する。第2部分は、第1ゲート絶縁層21の下面の一部分と接する。
第1ゲート絶縁層21は、ゲート電極層12の上面、およびゲート電極層12の端面に接する。第1ゲート絶縁層21は、可撓性基材11の上面の一部分を覆ってもよいし、可撓性基材11の上面の全体を覆ってもよい。
第1ゲート絶縁層21は、可撓性基材11の上面に接する平坦部を備える。第1ゲート絶縁層21の平坦部における上面は、可撓性基材11の平坦面に追従する。第1ゲート絶縁層21は、さらに段差部22を備える。段差部22は、第1ゲート絶縁層21の平坦部に囲まれている。段差部22は、ゲート電極層12の上面、およびゲート電極層12の端面を覆い、段差部22に隣接する平坦部から隆起する。段差部22は、平坦部の上面に対して直交する面を介して平坦部から急峻に隆起してもよいし、平坦部の上面に対する斜面を介して平坦部から緩やかに隆起してもよい。段差部22の上面は、可撓性基材11の平坦面に追従する。
第1ゲート絶縁層21の上面と対向する視点から見た各層の外形は、当該層の平面形状である。段差部22の平面形状は、例えば矩形状を有する。段差部22の平面形状は、ゲート電極層12の平面形状に追従してもよいし、ゲート電極層12の平面形状とは異なってもよい。段差部22の平面形状は、ゲート電極層12に接続された配線の平面形状に追従する部分を備える形状でもよいし、配線の平面形状に追従する部分を備えなくてもよい。
第2ゲート絶縁層23の下面は、段差部22の上面に接する。第2ゲート絶縁層23は、チャンネル深さ方向において、第2ゲート絶縁層23とゲート電極層12とが第1ゲート絶縁層21を挟むように、ゲート電極層12の上面を覆う。第1ゲート絶縁層21の上面と対向する視点から見て、第2ゲート絶縁層23は、段差部22の上面内に位置する。第1ゲート絶縁層21の上面と対向する視点から見て、第2ゲート絶縁層23の端面は、段差部22の端面よりも内側に位置してもよいし、段差部22の端面と一致してもよい。第2ゲート絶縁層23の平面形状は、段差部22の平面形状に追従してもよいし、段差部22の平面形状とは異なってもよい。
半導体層13の下面は、第2ゲート絶縁層23の上面に接する。半導体層13は、チャンネル深さ方向において、半導体層13とゲート電極層12とが第1ゲート絶縁層21と第2ゲート絶縁層23とを挟むように、ゲート電極層12の上面を覆う。第1ゲート絶縁層21の上面と対向する視点から見て、半導体層13は、段差部22の上面内、かつ第2ゲート絶縁層23の上面内に位置する。第1ゲート絶縁層21の上面と対向する視点から見て、半導体層13の端面は、第2ゲート絶縁層23の端面よりも内側に位置してもよいし、第2ゲート絶縁層23の端面と一致してもよい。第2ゲート絶縁層23の平面形状は、第2ゲート絶縁層23の平面形状に追従してもよいし、第2ゲート絶縁層23の平面形状とは異なってもよい。
ソース電極層14の下面は、半導体層13の上面、および第1ゲート絶縁層21の平坦部における上面に接する。ソース電極層14は、チャンネル長方向における半導体層13の端部である第1端部に接続されるように、半導体層13の第1端部を覆う。ソース電極層14は、半導体層13の端面、第2ゲート絶縁層23の端面、および段差部22の端面に接し、チャンネル長方向に、第1ゲート絶縁層21の平坦部における上面から半導体層13の第1端部まで延びる。
ドレイン電極層15の下面は、半導体層13の上面、および第1ゲート絶縁層21の平坦部における上面に接する。ドレイン電極層15は、チャンネル長方向における半導体層13の端部である第2端部に接続されるように、半導体層13の第2端部を覆う。半導体層13の第1端部と第2端部とは、チャンネル長方向における半導体層13の両端部である。ドレイン電極層15は、半導体層13の端面、第2ゲート絶縁層23の端面、および段差部22の端面に接し、チャンネル長方向に、第1ゲート絶縁層21の平坦部における上面から半導体層13の第2端部まで延びる。
ソース電極層14とドレイン電極層15とは、相互に離間している。チャンネル長方向において、ソース電極層14とドレイン電極層15との間の長さは、ゲート電極層12の長さよりも小さい。半導体層13のなかのソース電極層14とドレイン電極層15との間の領域は、チャンネル領域である。チャンネル長方向におけるチャンネル領域の長さ、すなわち、ソース電極層14とドレイン電極層15との間の長さは、チャンネル長である。チャンネル幅方向におけるチャンネル領域の長さは、チャンネル幅である。
1つの薄膜トランジスタのなかでチャンネル幅方向の各位置でのチャンネル長が一定でない場合、全てのチャンネル長の平均値が、1つの薄膜トランジスタにおけるチャンネル長である。また、チャンネル長さがゲート電極層12の長さよりも大きい場合、チャンネル深さ方向において、半導体層13のなかでゲート電極層12と重なる領域が、チャンネル領域である。
[可撓性基材11]
可撓性基材11は、上面に絶縁性を有する。可撓性基材11は、透明基板でもよいし、不透明基板でもよい。可撓性基材11は、絶縁性を有したフィルムでもよいし、可撓性基材11の上面に絶縁性を付与された金属箔でもよいし、可撓性基材11の上面に絶縁性を付与された合金箔でもよいし、可撓性を有した薄板ガラスでもよい。可撓性基材11は、単層構造体でもよいし、多層構造体でもよい。
可撓性基材11が単層構造体である場合、可撓性基材11を構成する材料の一例は、有機高分子化合物、有機材料と無機材料との複合材料、金属、合金、および無機高分子化合物からなる群から選択される少なくとも一種である。可撓性基材11が多層構造体である場合、可撓性基材11を構成する各層の構成材料の一例は、それぞれ有機高分子化合物、複合材料、金属、合金、無機高分子化合物からなる群から選択されるいずれか一種である。
可撓性基材11が多層構造体である場合、可撓性基材11は、下地基板と、下地基板から剥離可能に構成された剥離層とを備えてもよい。剥離層は、素子構造体と共に、下地基板から剥がされる。素子構造体を備える剥離層は、別の可撓性基材に貼り付けられてもよい。可撓性基材の一例は、耐熱性が低い紙類、セロファン基材、布類、再生繊維類、皮革類、ナイロン基材、ポリウレタン基材を含む。この場合、剥離層と可撓性基材とは、別の可撓性基材11を構成する。
有機高分子化合物の一例は、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルサルフェン、トリアセチルセルロース、ポリビニルフルオライドフィルム、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー、ポリイミド、フッ素系ポリマー、環状ポリオレフィン系ポリマーからなる群から選択される少なくとも一種である。
複合材料の一例は、ガラス繊維強化アクリルポリマー、あるいはガラス繊維強化ポリカーボネートである。金属の一例は、アルミニウム、あるいは銅である。合金の一例は、鉄クロム合金、鉄ニッケル合金、あるいは鉄ニッケルクロム合金である。無機高分子化合物の一例は、酸化珪素、酸化硼素、および酸化アルミニウムを含む無アルカリガラス、あるいは、酸化珪素、酸化ナトリウム、および酸化カルシウムを含むアルカリガラスである。
可撓性基材11が有機高分子化合物製のフィルムである場合、可撓性基材11は、ガスバリア層を備える多層構造を有してもよい。ガスバリア層を構成する材料の一例は、酸化アルミニウム、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、炭化珪素、およびダイヤモンドライクカーボンである。ガスバリア層は、単層構造体でもよいし多層構造体でもよい。可撓性基材11は、フィルムの片面のみにガスバリア層を備えてもよいし、フィルムの両面にガスバリア層を備えてもよい。
[ゲート絶縁層21,23]
第1ゲート絶縁層21を構成する材料は、第1ゲート絶縁層21の可撓性に寄与する有機原子団を含む。第1ゲート絶縁層21を構成する材料は、有機高分子化合物でもよい。有機高分子化合物の一例は、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリビニルアルコール、アクリルポリマー、エポキシポリマー、非晶質フッ素ポリマーを含むフッ素系ポリマー、メラミンポリマー、フランポリマー、キシレンポリマー、ポリアミドイミドポリマー、シリコーンポリマー、パリレンからなる群から選択される少なくとも一種である。第1ゲート絶縁層21の耐熱性を高めることを要求される場合、有機高分子化合物は、好ましくは、ポリイミド、アクリルポリマー、フッ素系ポリマーからなる群から選択される少なくとも一種である。
第1ゲート絶縁層21を構成する材料は、有機無機複合材料でもよい。有機無機複合材料は、有機化合物の特性を有する有機原子団と、無機化合物の特性を有する原子団とを含む分子構造を備える。有機無機複合材料の一例は、シルセスキオキサンである。シルセスキオキサンは、無機化合物の特性を有する原子団として、ケイ素と酸素とから構成される骨格を備え、かつ有機化合物の特性を有する原子団として、有機基を備える。
第1ゲート絶縁層21を構成する材料は、有機原子団を含む化合物のなかに、無機化合物から構成される粒子を含めてもよい。粒子は、数nm以上数百nm以下の平均粒子径を有したナノ粒子である。
第1ゲート絶縁層21は、単層膜でもよいし、多層膜でもよい。第1ゲート絶縁層21が多層膜である場合、第1ゲート絶縁層21を構成する各層の構成材料は、それぞれ有機原子団を含む。
ゲート絶縁層における耐圧性の向上を要求される場合、第1ゲート絶縁層21の抵抗率は、1×1011Ω・cm以上であることが好ましい。さらに、第1ゲート絶縁層21の薄膜化を要求される場合、第1ゲート絶縁層21の抵抗率は、1×1013Ω・cm以上であることが好ましい。また、ゲート電極層12と他の電極層14,15との間の電流漏れを抑えることを要求される場合、第1ゲート絶縁層21の比誘電率は、2.0以上5.0以下であることが好ましい。
第2ゲート絶縁層23を構成する材料は、長距離秩序を有しない無機化合物を含む。無機化合物は、珪素酸化物、珪素窒化物、および珪素酸窒化物である珪素化合物、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムからなる群から選択される少なくとも一種である。第2ゲート絶縁層23を構成する材料は、長距離秩序を有しない無機化合物と有機化合物とを含む混合物でもよい。
第2ゲート絶縁層23は、単層膜でもよいし、多層膜でもよい。第2ゲート絶縁層23が多層膜である場合、第2ゲート絶縁層23を構成する各層の構成材料は、それぞれ上述した無機化合物を含む。
ゲート絶縁層における耐圧性の向上を要求される場合、第2ゲート絶縁層23の抵抗率は、1×1011Ω・cm以上であることが好ましい。さらに、第2ゲート絶縁層23の薄膜化を要求される場合、第2ゲート絶縁層23の抵抗率は、1×1013Ω・cm以上であることが好ましい。また、ゲート電極層12と他の電極層14,15との間の電流漏れを抑えることを要求される場合、第2ゲート絶縁層23の比誘電率は、2.0以上5.0以下であることが好ましい。
[電極層12,14,15]
各電極層12,14,15は、それぞれ単層構造体でもよいし、多層構造体でもよい。各電極層12,14,15が多層構造体である場合、各電極層12,14,15は、それぞれ電極層の下層との密着性を高める最下層、および電極層の上層との密着性を高める最上層を有することが好ましい。
各電極層12,14,15を構成する材料は、金属でもよいし、合金でもよいし、導電性を有する金属酸化物でもよいし、導電性を有する有機高分子化合物でもよい。各電極層12,14,15を構成する材料は、相互に異なってもよいし、同じであってもよい。
金属の一例は、それぞれ遷移金属、アルカリ金属、およびアルカリ土類金属の少なくとも一種である。遷移金属は、インジウム、アルミニウム、金、銀、白金、チタン、銅、ニッケル、タングステンからなる群から選択される少なくとも一種である。アルカリ金属は、リチウム、あるいはセシウムである。アルカリ土類金属は、マグネシウム、およびカルシウムの少なくとも一種である。合金は、モリブデンニオブ、鉄クロム、アルミニウムリチウム、マグネシウム銀、アルミネオジウム合金、アルミネオジムジルコニア合金からなる群から選択されるいずれか一種である。
金属酸化物の一例は、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化インジウムカドミウム、酸化カドミウム錫、酸化亜鉛錫からなる群から選択されるいずれか一種である。金属酸化物は、不純物を含有してもよい。不純物を含有する金属酸化物は、錫、亜鉛、チタン、セリウム、ハフニウム、ジルコニウム、モリブデンからなる群から選択される少なくとも一種の不純物を含有する酸化インジウムである。不純物を含有する金属酸化物は、アンチモン、またはフッ素を含有する酸化錫でもよい。不純物を含有する金属酸化物は、ガリウム、アルミニウム、硼素からなる群から選択される少なくとも一種の不純物を含有する酸化亜鉛でもよい。
導電性を有する有機高分子化合物の一例は、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)、あるいはポリアニリンである。
各電極層14,15は、半導体層13と同一の構成元素から構成され、かつ不純物の濃度を半導体層13よりも十分に高めた層であってもよい。
各電極層12,14,15に適用できる材料の範囲を広げることを要求される場合、各電極層12,14,15の電気抵抗率は、それぞれ5.0×10-5Ω・cm以上であることが好ましい。薄膜トランジスタの消費電力を抑えることを要求される場合、各電極層12,14,15の電気抵抗率は、それぞれ1.0×10-2Ω・cm以下であることが好ましい。
[半導体層13]
半導体層13を構成する材料は、酸化物半導体である。酸化物半導体は、インジウム、ガリウム、亜鉛、および錫からなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む。
酸化物半導体は、1種類の金属元素から構成される一元系酸化物半導体でもよいし、2種類の金属元素から構成される二元系酸化物半導体でもよいし、三種類以上の金属元素から構成される多元系酸化物半導体でもよい。酸化物半導体は、非晶質半導体でもよいし、多数の微小な単結晶から構成される微結晶半導体でもよいし、多数の微結晶から構成される多結晶半導体でもよい。
半導体層13の光透過率、および電界効果移動度(以下、移動度とも言う)を高めることを要求される場合、半導体層13は、インジウムを含む半導体層であることが好ましい。
一元系酸化物半導体は、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウム、酸化スズである。二元系酸化物半導体は、例えば、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムガリウムである。三元系酸化物半導体は、インジウムを含む三元系酸化物半導体である。三元系酸化物半導体は、例えば、酸化インジウムガリウム亜鉛、酸化インジウムアルミニウム亜鉛、酸化インジウム錫亜鉛、酸化インジウムハフニウム亜鉛である。酸化物半導体は、金属酸化物を構成する金属元素の他に、他の金属元素として、例えば、チタン、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、タングステン、マグネシウムから構成される群から選択される少なくとも1種の元素を含めてもよい。
酸化物半導体の一例は、In-M-Zn系酸化物である。In-M-Zn系酸化物は、インジウム(In)および亜鉛(Zn)を含む。In-M-Zn系酸化物は、アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、ハフニウム、および錫からなる群から選択される少なくとも一種の金属元素(M)を含む。
[素子断面構造]
図2が示すように、ソース電極層14は、半導体層13の厚さ、第2ゲート絶縁層23の厚さ、および段差部22の厚さに相当する段差を備えた段差形状を有する。ソース電極層14を構成する各段差面は、半導体層13の端面、第2ゲート絶縁層23の端面、および段差部22の端面に接する。ソース電極層14は、半導体層13の第1端部を第2ゲート絶縁層23に密着させ、また第2ゲート絶縁層23の端部を段差部22に密着させるように、半導体層13の上面から第1ゲート絶縁層21の平坦部まで連なる。
ドレイン電極層15は、半導体層13の厚さ、第2ゲート絶縁層23の厚さ、および段差部22の厚さに相当する段差を備えた段差形状を有する。ドレイン電極層15を構成する各段差面は、半導体層13の端面、第2ゲート絶縁層23の端面、および段差部22の端面に接する。ドレイン電極層15は、半導体層13の第2端部を第2ゲート絶縁層23に密着させ、また第2ゲート絶縁層23の端部を段差部22に密着させるように、半導体層13の上面から第1ゲート絶縁層21の平坦部まで連なる。
第1ゲート絶縁層21の平坦部における上面、および段差部22の上面は、可撓性基材11の平坦面に追従する。段差部22の厚さDA、および平坦部の厚さDBは、走査型電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscope)による測定、また接触式段差計による測定によって得られる。段差部22の厚さDA、および平坦部の厚さDBは、チャンネル長方向に1μmの間隔を空けて並ぶ10点、およびチャンネル幅方向に1μmの間隔を空けて並ぶ10点を測定点とした厚さの平均値として求められる。
上述したように、第2ゲート絶縁層23は、段差部22の上面内に位置する。段差部22の上面において第2ゲート絶縁層23が占める面積SDは、第1ゲート絶縁層21と対向する視点から撮影した第2ゲート絶縁層23のSEM画像から得られる。半導体層13は、第2ゲート絶縁層23の上面内に位置する。第2ゲート絶縁層23の上面において半導体層13が占める面積SCは、第1ゲート絶縁層21と対向する視点から撮影した半導体層13のSEM画像から得られる。第2ゲート絶縁層23の平面形状が不定形状である場合、また半導体層13の平面形状が不定形状である場合、面積SD、および面積SCの計測に画像処理を用いてもよい。面積SDは、面積SC以上である。第2ゲート絶縁層23のチャンネル長方向における長さDLは、半導体層13のチャンネル長方向における長さCL以上である。第2ゲート絶縁層23のチャンネル幅方向における長さは、半導体層13のチャンネル幅方向における長さ以上である。
段差部22の厚さDAと平坦部の厚さDBとは、下記条件1を満たす。
この際、薄膜トランジスタにおける移動度低下の抑制効果の実効性を高める要請を受ける場合、段差部22の厚さDAは、下記条件2を満たしてもよい。さらに、段差部22の上面において第2ゲート絶縁層23が占める面積SDと、第2ゲート絶縁層23の上面において半導体層13が占める面積SCとは、下記条件3を満たしてもよい。また、移動度低下の抑制効果の実効性を高める要請を受ける場合、厚さDA、厚さDB、およびゲート電極層12の厚さは、下記条件5を満たしてもよい。
[条件1]0.30≦DB/DA≦0.94を満たす。
[条件2]段差部22の厚さDAは、1.0μm以下である。
[条件3]1≦SD/SC≦9を満たす。
[条件4]段差部22の厚さDAは、0.6μm以下である。
[条件5]厚さDAに対する厚さDBの差分がゲート電極層12の厚さよりも大きい。
第1ゲート絶縁層21のなかの段差部22は、薄膜トランジスタの電荷注入層として作用する。段差部22の厚さDAは、(i)電荷を注入するための電圧による劣化を抑える大きさを有する。第1ゲート絶縁層21のなかに段差部22よりも薄い平坦部を備えることは、(i)第1ゲート絶縁層21に電荷注入による耐性を備えながらも、(ii)段差部22以外の平坦部によって可撓性を高める。そして、第1ゲート絶縁層21の平坦部が第1ゲート絶縁層21の可撓性を担うことは、段差部22と第2ゲート絶縁層23との界面の劣化、第2ゲート絶縁層23と半導体層13との界面の劣化、および第2ゲート絶縁層23の割れを抑える。
DA/DB≦0.94を満たすことは、(i)電荷注入による耐性を備え、かつ(ii)第1ゲート絶縁層21の可撓性を高めながらも、0.94<DB/DAと比べ、(iii)可撓性基材11の曲げによる薄膜トランジスタの移動度低下を大幅に抑える。0.30≦DB/DAを満たすことは、第1ゲート絶縁層21の平坦部まで延びる電極層14,15に割れや膜剥がれの発生を抑える。
なお、ソース電極層14は、半導体層13の厚さ、および第2ゲート絶縁層23の厚さに相当する段差を備え、かつ段差部22の厚さに相当する段差を備えない2段の段差形状を有してもよい。すなわち、ソース電極層14は、半導体層13の上面から段差部22まで連なる構成でもよい。また、ソース電極層14は、半導体層13の厚さに相当する段差を備え、かつ第2ゲート絶縁層23の厚さ、および段差部22の厚さに相当する段差を備えない1段の段差形状を有してもよい。すなわち、ソース電極層14は、半導体層13の上面から第2ゲート絶縁層23まで連なる構成でもよい。
また、ドレイン電極層15は、半導体層13の厚さ、および第2ゲート絶縁層23の厚さに相当する段差を備え、かつ段差部22の厚さに相当する段差を備えない2段の段差形状を有してもよい。すなわち、ドレイン電極層15は、半導体層13の上面から段差部22まで連なる構成でもよい。また、ドレイン電極層15は、半導体層13の厚さに相当する段差を備え、かつ第2ゲート絶縁層23の厚さ、および段差部22の厚さに相当する段差を備えない1段の段差形状を有してもよい。すなわち、ドレイン電極層15は、半導体層13の上面から第2ゲート絶縁層23まで連なる構成でもよい。
上述したように、ソース電極層14、およびドレイン電極層15が2段の段差形状を有したり、1段の段差形状を有したりする場合、段差部22の厚さDAは、上記条件1、および条件4とを満たす。段差部22の厚さDAが0.6μm以下であることは、段差部22の厚さDAが1.0μmのように0.6μmよりも大きい場合と比べて、(ii)可撓性の向上と、(iii)移動度低下の抑制向上との両立を可能にする。この際、面積SDと面積SCとは、薄膜トランジスタにおける移動度低下の抑制効果の実効性を高める要請を受ける場合、上記条件3を満たしてもよい。また、移動度低下の抑制効果の実効性を高める要請を受ける場合、厚さDA、厚さDB、およびゲート電極層12の厚さは、上記条件5を満たしてもよい。
ゲート電極層12と他の電極層14,15との間の電流漏れを抑えることを要求される場合、第1ゲート絶縁層21における平坦部の厚さDBは、0.2μm以上であることが好ましい。薄膜トランジスタを駆動するためのゲート電圧の抑制を要求される場合、段差部22の厚さDAは、1.2μm以下であることが好ましい。電流漏れの抑制、およびゲート電圧の抑制を要求される場合、第1ゲート絶縁層21における平坦部の厚さDBは、0.4μ以上、かつ段差部22の厚さDAは、1.0μm以下であることが好ましい。
可撓性基材11の曲げによる高い耐久性と、膜構造の高い加工性とを得ることの実効性が要求される場合、段差部22における上面の面積は、30μm以上5×10μm以下であることが好ましい。第2ゲート絶縁層23における上面の面積SDは、30μm以上5×10μm以下であることが好ましい。半導体層13における上面の面積SCは、30μm以上5×10μm以下であることが好ましい。チャンネル長は、4μm以上50μm以下であることが好ましい。チャンネル幅は、4μm以上500μm以下であることが好ましい。
ゲート電極層12に起因するクラックの発生を抑えることを要求される場合、第2ゲート絶縁層23の厚さは、50nm以下であることが好ましい。ゲート電極層12と他の電極層14,15との間の電流漏れを要求される場合、また第2ゲート絶縁層23そのものを島状に点在させることなく連続膜とすることを要求される場合、第2ゲート絶縁層23の厚さは、2nm以上であることが好ましい。ゲート電極層12における可撓性の向上、および電流漏れの抑制を要求される場合、第1ゲート絶縁層21の厚さは、2nm以上50nm以下であることが好ましい。また、ゲート電極層12と他の電極層14,15との間の電流漏れを抑えることを要求される場合、第2ゲート絶縁層23の比誘電率は、3.5以上10以下であることが好ましい。
各電極層12,14,15の電気抵抗値を抑えることを要求される場合、各電極層12,14,15の厚さは、50nm以上であることが好ましい。薄膜トランジスタの可撓性を高めることを要求される場合、各電極層12,14,15の厚さは、それぞれ300nm以下であることが好ましい。
半導体層13の厚さの均一性を高めることを要求される場合、半導体層13の厚さは、10nm以上であることが好ましい。半導体層13における材料の使用量を抑えることを要求される場合、半導体層13の厚さは、100nm以下であることが好ましい。厚さの均一性の向上、および材料使用量の抑制の両立を要求される場合、半導体層13の厚さは、10nm以上100nm以下であることが好ましい。さらに、これらの効果を得る実効性を高めることを要求される場合、半導体層13の厚さは、15nm以上50nm以下であることが好ましい。薄膜トランジスタの移動度向上を要求される場合、半導体層13の導電率は1.0×10-7S/cm以上1.0×10-1S/cm以下であることが好ましい。
(薄膜トランジスタの製造方法)
薄膜トランジスタの製造方法は、可撓性基材11にゲート電極層12を形成する第1工程を含む。薄膜トランジスタの製造方法は、第1ゲート絶縁層21を形成する第2工程、および第1ゲート絶縁層21に第2ゲート絶縁層23を積層する第3工程を含む。また、薄膜トランジスタの製造方法は、第2ゲート絶縁層23に半導体層13を積層する第4工程、および半導体層13にソース電極層14とドレイン電極層15とを積層する第5工程を含む。
第1工程において、ゲート電極層12は、ゲート電極層12の外形に追従したマスクを用いる成膜方法によって形成されてもよい。あるいは、ゲート電極層12は、ゲート電極層12となる電極膜を成膜した後に、エッチング法を用いて電極膜をゲート電極層12の形状に加工する方法によって形成されてもよい。
ゲート電極層12の形成に用いる成膜方法は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、スピンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法からなる群から選択される少なくとも一種である。あるいは、ゲート電極層12の形成に用いる成膜方法は、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、平版印刷法、インクジェット法からなる群から選択される少なくとも一種である。
第2工程において、第1ゲート絶縁層21は、第1ゲート絶縁層21を形成するための塗工膜の加工によって形成されてもよい。この際、第1ゲート絶縁層21の平面形状に追従したマスク、および段差部22の平面形状に追従したマスクを用いるエッチング法によって、第1ゲート絶縁層21に段差部22と平坦部とを形成してもよい。あるいは、第1ゲート絶縁層21は、感光性塗工膜にフォトリソグラフィー法を適用して、感光性塗工膜から第1ゲート絶縁層21の段差部22、および平坦部を形成してもよい。第1ゲート絶縁層21の段差部22、および平坦部を形成する工程は、段差部22を覆うレジストの厚さと平坦部を覆うレジストの厚さとを相互に異ならせる単一のエッチング工程でもよいし、各別のエッチング工程でもよい。第1ゲート絶縁層21の段差部22、および平坦部を形成する工程は、段差部22に相当する領域に照射する露光量と、平坦部に照射する露光量とを相互に異ならせる単一のフォトリソグラフィー工程でもよいし、各別のフォトリソグラフィー工程でもよい。
第1ゲート絶縁層21の形成に用いる塗布法は、有機高分子化合物を含む塗工液を用いるスピンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法からなる群から選択される少なくとも一種である。塗布法は、塗工液からなる液状膜を焼成することによって塗工膜を形成する。第1ゲート絶縁層21の形成にフォトリソグラフィー法を用いる場合、塗工液は、感光性を有したポリマーを含む。
第3工程において、第2ゲート絶縁層23は、第2ゲート絶縁層23の形状に追従したマスクを用いる成膜方法によって形成されてもよい。あるいは、第2ゲート絶縁層23は、第2ゲート絶縁層23となる絶縁層を形成した後に、エッチング法を用いて絶縁層を第2ゲート絶縁層23の形状に加工する方法によって形成されてもよい。第2ゲート絶縁層23の形状加工は、第4工程時に、半導体層13のパターンをマスクとして、エッチング法を用いて行ってもよい。
第2ゲート絶縁層23の形成に用いる成膜方法は、レーザーアブレーション法、プラズマCVD法、光CVD法、熱CVD法、スパッタリング法、ゾルゲル法からなる群から選択される少なくとも一種である。あるいは、第2ゲート絶縁層23の形成に用いる成膜方法は、無機化合物の前駆体を含む塗工液を用いるスピンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法、スクリーン印刷法、インクジェット法からなる群から選択される少なくとも一種の塗布法である。
第4工程において、半導体層13は、半導体層13の形状に追従したマスクを用いる成膜方法によって形成されてもよい。あるいは、半導体層13は、半導体層13となる半導体膜を形成した後に、エッチング法を用いて半導体膜を半導体層13の形状に加工する方法によって形成されてもよい。
半導体層13は、スパッタリング法、ALD法である原子層堆積法、PLD法であるパルスレーザー堆積法、CVD法、あるいはゾル-ゲル法を含むウェット成膜法によって形成される。スパッタリング法は、可撓性基材11に直流電圧を印加したDCスパッタ法、あるいは成膜空間に高周波を印加したRFスパッタ法を含む。半導体層13は、微結晶化、あるいは多結晶化を行うための熱処理を施されてもよい。不純物の添加法は、プラズマ処理法、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法である。
半導体層13のキャリア濃度は、半導体層13を形成する際の雰囲気における酸素濃度を変えることによって変えることができる。半導体層13のキャリア濃度は、半導体層13を形成する際の雰囲気における水素濃度を変えることによって変えることもできる。半導体層13のキャリア濃度は、酸化物半導体における金属の組成比を変えることによって変えることもできる。半導体層13のキャリア濃度は、半導体層13に施される熱処理の温度、および雰囲気によって変えることもできる。
第5工程において、ソース電極層14、およびドレイン電極層15は、電極層の形状に追従したマスクを用いる成膜方法によって形成されてもよい。あるいは、ソース電極層14、およびドレイン電極層15は、電極層14,15となる電極膜を成膜した後に、エッチング法を用いて電極膜をソース電極層14、およびドレイン電極層15の形状に加工する方法によって形成されてもよい。
電極層14,15の形成に用いる成膜方法は、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、スピンコート法、ディップコート法、スリットダイコート法からなる群から選択される少なくとも一種である。あるいは、ゲート電極層12の形成に用いる成膜方法は、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、平版印刷法、インクジェット法からなる群から選択される少なくとも一種である。
[実施例1]
実施例1の薄膜トランジスタとして下記構造を有したボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタを形成した。
・半導体層13の面積SC :800μm
・第2ゲート絶縁層23の面積SD :1500μm
・面積SD/面積SC :1.9
・第1ゲート絶縁層21の段差部22の厚さDA :0.6μm
・第1ゲート絶縁層21の平坦部の厚さDB :0.4μm
・厚さDB/厚さDA :0.67
・厚さDB-厚さDA :0.2μm
・ゲート電極層12の厚さ :80nm
・第2ゲート絶縁層23の厚さ :10nm
・半導体層13の厚さ :30nm
・チャンネル長 :30μm
・チャンネル幅 :200μm
実施例1の薄膜トランジスタは、可撓性基材11に、20μmの厚さを有したポリイミドフィルムを用いた。実施例1の薄膜トランジスタは、ゲート電極層12にアルミニウム合金膜であるアルミニウムネオジウム膜を用いた。ゲート電極層12は、可撓性基材11に成膜されたアルミニウム合金膜のパターニングによって得られた。アルミニウム合金膜は、可撓性基材11を成膜の対象とし、下記成膜条件によるDCマグネトロンスパッタ法によって得られた。ゲート電極層12は、アルミニウム合金膜に積層された感光性ポリレジスト膜からレジストマスクを形成し、当該レジストマスクを用いてアルミニウム合金膜をウエットエッチングした後、レジストマスクを剥離することによって得られた。ゲート電極層12の厚さは、80nmであった。
[ゲート電極層12の成膜条件]
・ターゲット組成比 :Al(at%):Nd(at%)=98:2
・スパッタガス :アルゴン
・スパッタガス流量 :100sccm
・成膜圧力 :1.0Pa
・ターゲット電力 :200W
・基材温度 :23℃
実施例1の薄膜トランジスタは、第1ゲート絶縁層21にアクリル樹脂膜を用いた。第1ゲート絶縁層21は、ゲート電極層12を覆うように成膜された、感光性アクリル樹脂を含む塗工膜のパターニングによって得られた。感光性塗工膜は、ゲート電極層12を積層された可撓性基材11を成膜の対象とし、基材回転数に2400rpmを設定した感光性アクリル樹脂のスリットコート法によって得られた。第1ゲート絶縁層21は、第1ゲート絶縁層21を形成するためのマスクを用いた感光性塗工膜の露光、および現像を経て、現像後の塗工膜を220℃で焼成することによって得られた。第1ゲート絶縁層21の厚さは、0.6μmであった。
実施例1の薄膜トランジスタは、第2ゲート絶縁層23に酸化珪素膜を用いた。第2ゲート絶縁層23は、第1ゲート絶縁層21を覆うように成膜された酸化珪素膜のパターニングによって得られた。酸化珪素膜は、第1ゲート絶縁層21を積層された可撓性基材11を成膜の対象とし、下記成膜条件によるCVD法によって得られた。
[第2ゲート絶縁層23の成膜条件]
・反応ガス :シラン/一酸化二窒素
・シラン流量 :80sccm
・一酸化二窒素流量 :800sccm
・成膜圧力 :200Pa
・高周波電力 :600W
・高周波電力周波数 :13.56MHz
・基材温度 :200℃
第2ゲート絶縁層23は、酸化珪素膜に形成されたレジストパターンをマスクとし、かつ下記第2ゲート絶縁層23のエッチング条件を用いる酸化珪素膜のドライエッチングによって得られた。段差部22の形成は、下記第1ゲート絶縁層21のエッチング条件による第1ゲート絶縁層21のドライエッチングによって得られた。
[第2ゲート絶縁層23のエッチング条件]
・反応ガス :四フッ化メタン
・反応ガス流量 :30sccm
・成膜圧力 :10Pa
・高周波電力 :300W
・エッチング時間 :20秒
[第1ゲート絶縁層21のエッチング条件]
・反応ガス :四フッ化メタン
・反応ガス流量 :40sccm
・成膜圧力 :20Pa
・高周波電力 :300W
・エッチング時間 :20秒
実施例1の薄膜トランジスタは、半導体層13に、30nmの厚さを有した酸化インジウムガリウム亜鉛(InGaZnO)膜を用いた。半導体層13は、第2ゲート絶縁層23を覆うように成膜された酸化物半導体膜のウエットエッチングによって得られた。酸化物半導体膜は、第2ゲート絶縁層23を積層された可撓性基材11を成膜の対象とし、下記成膜条件によるDCマグネトロンスパッタリング法によって得られた。
[半導体層13の成膜条件]
・ターゲット組成比 :原子質量% In:Ga:Zn:O=1:1:1:4
・スパッタガス :アルゴン/酸素
・アルゴン流量 :100sccm
・酸素流量 :0.1sccm
・成膜圧力 :1.0Pa
・ターゲット電力 :300W
・ターゲット周波数 :13.56MHz
・基板温度 :室温
実施例1の薄膜トランジスタは、ソース電極層14、およびドレイン電極層15に、80nmの厚さを有したアルミニウム合金膜であるアルミニウムネオジウム膜を用いた。ソース電極層14、およびドレイン電極層15は、下記成膜条件のDCマグネトロンスパッタ法によるリフトオフ法によって得られた。ソース電極層14、およびドレイン電極層15の形成は、まず、電極層14,15の外形に追従する孔形状を有したリフトオフレジストを形成した。次に、アルミニウムネオジウム膜を成膜し、リフトオフレジストに堆積された反転パターンをレジストと共に剥離することによって、ソース電極層14、およびドレイン電極層15が得られた。
[ソース電極層14,ドレイン電極層15の成膜条件]
・ターゲット組成比 :Al(at%):Nd(at%)=98:2
・スパッタガス :アルゴン
・スパッタガス流量 :100sccm
・成膜圧力 :1.0Pa
・ターゲット電力 :200W
・基板温度 :23℃
[実施例2]
実施例2の薄膜トランジスタは、下記構造を有したボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタである。なお、実施例2の薄膜トランジスタを説明する便宜上、実施例2の薄膜トランジスタの寸法のなかで実施例1の薄膜トランジスタの寸法と等しい構造項目に関わる寸法を割愛する。実施例2の薄膜トランジスタは、段差部22を形成するための第1ゲート絶縁層21のエッチング時間を40秒に変更し、それ以外を実施例1と同じくして得た。
・第1ゲート絶縁層21の段差部22の厚さDA :0.6μm
・第1ゲート絶縁層21の平坦部の厚さDB :0.4μm
・厚さDB/厚さDA :0.67
・厚さDB-厚さDA :0.2μm
[実施例3]
実施例3の薄膜トランジスタは、下記構造を有したボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタである。なお、実施例2の薄膜トランジスタを説明する便宜上、実施例2の薄膜トランジスタの寸法のなかで実施例1の薄膜トランジスタの寸法と等しい構造項目に関わる寸法を割愛する。実施例2の薄膜トランジスタは、段差部22を形成するための第1ゲート絶縁層21のエッチング時間を8秒に変更し、それ以外を実施例1と同じくして得た。
・第1ゲート絶縁層21の段差部22の厚さDA :0.6μm
・第1ゲート絶縁層21の平坦部の厚さDB :0.55μm
・厚さDB/厚さDA :0.92
・厚さDB-厚さDA :0.05μm
[実施例4]
実施例4の薄膜トランジスタは、下記構造を有したボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタである。なお、実施例4の薄膜トランジスタを説明する便宜上、実施例4の薄膜トランジスタの寸法のなかで実施例1の薄膜トランジスタの寸法と等しい構造項目に関わる寸法を割愛する。実施例4の薄膜トランジスタは、第1ゲート絶縁層21を形成するための基材回転数を890rpmに変更し、かつ段差部22を形成するための第1ゲート絶縁層21のエッチング時間を6秒に変更し、それ以外を実施例1と同じくして得た。
・第1ゲート絶縁層21の段差部22の厚さDA :1.0μm
・第1ゲート絶縁層21の平坦部の厚さDB :0.94μm
・厚さDB/厚さDA :0.94
・厚さDB-厚さDA :0.06μm
[実施例5]
実施例5の薄膜トランジスタは、下記構造を有したボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタである。なお、実施例5の薄膜トランジスタを説明する便宜上、実施例5の薄膜トランジスタの寸法のなかで実施例1の薄膜トランジスタの寸法と等しい構造項目に関わる寸法を割愛する。実施例4の薄膜トランジスタは、第1ゲート絶縁層21を形成するための基材回転数を4800rpmに変更し、かつ段差部22を形成するための第1ゲート絶縁層21のエッチング時間を14秒に変更し、それ以外を実施例1と同じくして得た。
・第1ゲート絶縁層21の段差部22の厚さDA :0.4μm
・第1ゲート絶縁層21の平坦部の厚さDB :0.3μm
・厚さDB/厚さDA :0.75
・厚さDB-厚さDA :0.1μm
[実施例6]
実施例6の薄膜トランジスタは、第1ゲート絶縁層21の構成材料、第2ゲート絶縁層23の構成材料、第1ゲート絶縁層21の形成条件、および第2ゲート絶縁層23の形成条件を変更し、それ以外を実施例1と同じくして得た。
実施例6の第1ゲート絶縁層21を形成するための材料は、感光性ポリメチルシルセスキオキサンである。実施例6の第1ゲート絶縁層21を形成するための基板回転数は、1000rpmであり、塗工膜の焼成温度は、200℃である。
実施例6の第2ゲート絶縁層23は、下記成膜条件を用いて形成された酸化窒化珪素膜である。実施例6の第1ゲート絶縁層21に段差部22を形成するためのエッチング時間は、30秒であり、実施例6の第2ゲート絶縁層23を形成するためのエッチング時間は、30秒である。
[第2ゲート絶縁層23の成膜条件]
・反応ガス :シラン/アンモニア/水素/一酸化二窒素
・シラン流量 :50sccm
・アンモニア流量 :100sccm
・水素流量 :1000sccm
・一酸化二窒素流量 :500sccm
・成膜圧力 :300Pa
・高周波電力 :900W
・高周波電力周波数 :13.56MHz
・基板温度 :200℃
[実施例7]
実施例7の薄膜トランジスタは、第1ゲート絶縁層21の構成材料、第2ゲート絶縁層23の構成材料、第1ゲート絶縁層21の形成条件、および第2ゲート絶縁層23の形成条件を変更し、それ以外を実施例1と同じくして得た。
実施例7の第1ゲート絶縁層21を形成するための材料は、アクリル樹脂に酸化珪素から構成されたナノ粒子を分散させた材料である。実施例7の第1ゲート絶縁層21は、グラビアオフセット印刷法を用いて可撓性基材11、およびゲート電極層12の上面に形成された塗工膜を250℃で焼成することによって得た。塗工液は、アクリル樹脂を含む溶液に酸化珪素から構成されたナノ粒子を分散させた溶液である。
実施例7の第2ゲート絶縁層23は、下記成膜条件を用いて形成された窒化珪素膜である。実施例7の第1ゲート絶縁層21に段差部22を形成するためのエッチング時間は、40秒であり、実施例7の第2ゲート絶縁層23を形成するためのエッチング時間は、40秒である。
[第2ゲート絶縁層23の成膜条件]
・反応ガス :シラン/アンモニア/水素/窒素
・シラン流量 :10sccm
・アンモニア流量 :70sccm
・水素流量 :5000sccm
・窒素流量 :2000sccm
・成膜圧力 :200Pa
・高周波電力 :1000W
・高周波電力周波数 :13.56MHz
・基板温度 :200℃
[実施例8]
実施例8の薄膜トランジスタは、下記構造を有したボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタである。なお、実施例8の薄膜トランジスタを説明する便宜上、実施例8の薄膜トランジスタの寸法のなかで実施例1の薄膜トランジスタの寸法と等しい構造項目に関わる寸法を割愛する。実施例8の薄膜トランジスタは、第2ゲート絶縁層23を形成するためのレジストマスクのサイズを変更し、それ以外を実施例1と同じくして得た。
・半導体層13の面積SC :800μm
・第2ゲート絶縁層23の面積SD :800μm
・面積SD/面積SC :1.0
[実施例9]
実施例9の薄膜トランジスタは、下記構造を有したボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタである。なお、実施例9の薄膜トランジスタを説明する便宜上、実施例9の薄膜トランジスタの寸法のなかで実施例1の薄膜トランジスタの寸法と等しい構造項目に関わる寸法を割愛する。実施例9の薄膜トランジスタは、第2ゲート絶縁層23を形成するためのレジストマスクのサイズを変更し、それ以外を実施例1と同じくして得た。
・半導体層13の面積SC :800μm
・第2ゲート絶縁層23の面積SD :7200μm
・面積SD/面積SC :9.0
[実施例10]
実施例10の薄膜トランジスタは、下記構造を有したボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタである。なお、実施例10の薄膜トランジスタを説明する便宜上、実施例10の薄膜トランジスタの寸法のなかで実施例4の薄膜トランジスタの寸法と等しい構造項目に関わる寸法を割愛する。実施例10の薄膜トランジスタは、段差部22を形成するための第1ゲート絶縁層21のエッチング時間を70秒に変更し、それ以外を実施例4と同じくして得た。
・第1ゲート絶縁層21の段差部22の厚さDA :1.0μm
・第1ゲート絶縁層21の平坦部の厚さDB :0.3μm
・厚さDB/厚さDA :0.3
・厚さDB-厚さDA :0.7μm
[比較例1]
比較例1の薄膜トランジスタは、下記構造を有したボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタである。なお、比較例1の薄膜トランジスタを説明する便宜上、比較例1の薄膜トランジスタの寸法のなかで実施例1の薄膜トランジスタの寸法と等しい構造項目に関わる寸法を割愛する。比較例1の薄膜トランジスタは、段差部22を形成するための第1ゲート絶縁層21のエッチング時間を0秒に変更し、それ以外を実施例1と同じくして得た。
・第1ゲート絶縁層21の段差部22の厚さDA :0.6μm
・第1ゲート絶縁層21の平坦部の厚さDB :0.6μm
・厚さDB/厚さDA :1.0
・厚さDB-厚さDA :0.0μm
[比較例2]
比較例2の薄膜トランジスタは、下記構造を有したボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタである。なお、比較例2の薄膜トランジスタを説明する便宜上、比較例2の薄膜トランジスタの寸法のなかで実施例4の薄膜トランジスタの寸法と等しい構造項目に関わる寸法を割愛する。比較例2の薄膜トランジスタは、段差部22を形成するための第1ゲート絶縁層21のエッチング時間を5秒に変更し、それ以外を実施例4と同じくして得た。
・第1ゲート絶縁層21の段差部22の厚さDA :1.0μm
・第1ゲート絶縁層21の平坦部の厚さDB :0.95μm
・厚さDB/厚さDA :0.95
・厚さDB-厚さDA :0.05μm
[評価]
実施例1~10、および比較例1,2の薄膜トランジスタについて、半導体パラメータアナライザ(B1500A:アジレント・テクノロジー株式会社製)を用い、伝達特性から移動度を算出した。
移動度の算出は、まず、ソース電極層14の電圧を0V、ソース-ドレイン電圧を10Vに設定し、ゲート電圧とドレイン電流Idとの関係である伝達特性を得た。ソース-ドレイン電圧は、ソース電極層14とドレイン電極層15との間の電圧である。ゲート電圧は、ソース電極層14とゲート電極層12との間の電圧である。ドレイン電流は、ドレイン電極層15に流れる電流である。この際、ゲート電極層12の電圧を-20Vから+20Vまで変化させることによって、ゲート電圧を変化させた。
次に、ゲート電圧とドレイン電流との伝達特性を用い、ゲート電圧の変化に対するドレイン電流の変化である相互コンダクタンス(A/V)を算出した。そして、飽和領域の相互コンダクタンスとソース-ドレイン電圧との関係式に、第1ゲート絶縁層21の比誘電率と厚さ、第2ゲート絶縁層23の比誘電率と厚さ、チャンネル長、チャンネル幅、ソース-ドレイン電圧を適用し、移動度を算出した。
次いで、半径が1mmである金属棒に可撓性基材11を巻き付けながら、上述したように、ゲート電圧とドレイン電流Idとの関係である伝達特性を得た。そして、負荷試験前の移動度に対する、負荷試験前後の移動度差を、移動度減少率として測定した。
図3は、実施例1~10、および比較例1,2について、第1ゲート絶縁層21の段差部22の厚さDA、平坦部の厚さDB、第1ゲート絶縁層21の構成材料、第2ゲート絶縁層23の構成材料、面積SD/面積SC、試験前移動度、および移動度減少率を示す。
図3が示すように、実施例1~10の薄膜トランジスタ、および比較例1、2の薄膜トランジスタにおける屈曲試験前の移動度は、いずれも10.0cm/Vs以上10.6cm/Vs以下であることが認められた。一方、実施例1~10の薄膜トランジスタにおける移動度減少率が2.0%以下であることが認められた。一方、比較例の薄膜トランジスタにおける移動度減少率が70%を越えることが認められた。特に、実施例3、実施例4、比較例1、および比較例2は、いずれも0.9以上1.0以下の厚さDB/厚さDAを有するが、比較例1、2の移動度減少率と比べて、実施例3、4の移動度減少率が大幅に小さいことが認められた。これによって、厚さDB/厚さDAが0.94以下であること、すなわち薄膜トランジスタが条件1の上限値を満たすことは、薄膜トランジスタの移動度減少率を著しく抑えるといえる。
また、実施例2の薄膜トランジスタと、実施例10の薄膜トランジスタとは、共に0.3程度の厚さDB/厚さDAを有する一方、実施例2の薄膜トランジスタの方が、より良好な移動度減少率を示すことも認められた。同じく、実施例3の薄膜トランジスタと、実施例4の薄膜トランジスタとは、共に0.9程度の厚さDB/厚さDAを有する一方、実施例3の薄膜トランジスタの方が、より良好な移動度減少率を示すことも認められた。これによって、厚さDB/厚さDAが0.94以下であること、および厚さDAが0.6μm以下であること、すなわち薄膜トランジスタが条件1の上限値、および条件4を満たすことは、薄膜トランジスタの移動度減少率を、より0に近づけるといえる。
また、実施例10の薄膜トランジスタにおいては、屈曲試験後に、段差部22の端面を覆うソース電極層14、およびドレイン電極層15の表面に、断線には至らないような、微小なクラックが生成されていることが、顕微鏡観察によって認められた。実施例2の薄膜トランジスタにおいては、屈曲試験後においても、段差部22の端面を覆うソース電極層14、およびドレイン電極層15の表面に、微小なクラックは認められなかった。これによって、厚さDB/厚さDAが0.30以上であること、特に、厚さDAが0.6μm以下であることは、移動度減少率の抑制効果の実効性を高めるといえる。
上記実施形態によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)条件1を満たし、かつ半導体層13から第1ゲート絶縁層21の平坦部までを覆う電極層14,15を備えた薄膜トランジスタは、可撓性基材11の屈曲による移動度の減少を抑える。
(2)条件1を満たし、かつ条件4を満たす薄膜トランジスタは、条件1、あるいは条件4を満たさない薄膜トランジスタと比べて、可撓性基材11の屈曲による移動度の減少を抑える。
(3)薄膜トランジスタが条件2、条件3、条件5の少なくとも1つを満たすことは、上記(1)(2)に準じた効果が得られることの実効性を高める。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
[酸化物半導体]
・屈曲状態でのしきい値変動ΔVthを抑える精度の向上を要求される場合、半導体層13を構成する酸化物半導体は、InGaZnOと同種である三元系酸化物半導体であることが好ましい。また、屈曲状態でのしきい値変動ΔVthを抑える精度の向上を要求される場合、半導体層13を構成する酸化物半導体は、インジウムとガリウムとを含む、あるいはインジウムと亜鉛とを含む三元系酸化物半導体であることがより好ましい。
[保護層]
・素子構造体は、半導体層13のバックチャンネル部を保護する保護層をさらに備えてもよい。半導体層13のバックチャンネル部は、半導体層13のなかで第2ゲート絶縁層23に接する面とは反対側の面である。保護層は、半導体層13のバックチャンネル部を覆うように位置する。
保護層の層構造は、単層構造でもよいし、多層構造でもよい。保護層は、バックチャンネル部のみを覆ってもよいし、ゲート電極層12、第1ゲート絶縁層21、第2ゲート絶縁層23、ソース電極層14、ドレイン電極層15、および半導体層13を覆ってもよい。半導体層13のバックチャンネル部は、薄膜トランジスタの製造時に用いられた化学物質に暴露されたり、大気中のガスを吸着したりすることによって、半導体層13の電子状態を変えてしまう。保護層は、半導体層13のバックチャネル部を製造時の化学物質や大気から保護し、これによって薄膜トランジスタの電気的な特性を安定させる。
保護層を構成する材料の一例は、無機絶縁化合物、および有機絶縁化合物の少なくとも1つである。無機絶縁化合物の一例は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、窒化珪素、酸化窒化珪素からなる群から選択される少なくとも1つのである。有機絶縁化合物の一例は、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、エポキシ樹脂、ポリイミド、パリレンからなる群から選択される少なくとも1つである。
保護層にリーク電流の抑制を要求される場合、保護層の電気抵抗値は、1011Ωcm以上であることが好ましく、1014Ωcm以上であることがより好ましい。保護層を構成する材料が、有機絶縁化合物を含有する場合、有機絶縁化合物からなる層の厚さは、0.3μm以上3μm以下であることが好ましい。保護層を構成する材料が、無機絶縁化合物を含有する場合、無機絶縁化合物からなる層の厚さは、5nm以上100nm以下であることが好ましい。保護層の上層としてソース電極層14、およびドレイン電極層15の形成を要求される場合、保護層の端面形状は、順テーパー形状でもよい。端面形状に順テーパー形状を備える保護層は、保護層に積み重ねられる電極層の断線、また形状の不安定化を抑える。
無機絶縁化合物から構成される保護層は、スパッタリング法、原子層堆積法、パルスレーザー堆積法、あるいはCVD法によって形成される。有機絶縁化合物から構成される保護層は、スピンコート法、スリットコート法、各種印刷法などのウェット成膜法によって形成される。
CL…半導体層長さ
DL…第2絶縁層長さ
11…可撓性基材
12…ゲート電極層
13…半導体層
14…ソース電極層
15…ドレイン電極層
21…第1ゲート絶縁層
22…段差部
23…第2ゲート絶縁層

Claims (10)

  1. 平坦面を備える可撓性基材と、
    前記平坦面上に位置する素子構造体と、を備える薄膜トランジスタであって、
    前記素子構造体は、
    前記平坦面の一部に位置するゲート電極層と、
    前記平坦面の他部に位置して前記平坦面に追従する平坦部と、前記ゲート電極層を覆って前記平坦部から隆起する段差部と、を備え、有機原子団を含む第1ゲート絶縁層と、
    前記段差部の上面内に位置する、無機化合物である第2ゲート絶縁層と、
    前記第2ゲート絶縁層の上面内に位置する、酸化物半導体である半導体層と、
    前記半導体層の第1端部に接続されるソース電極層と、
    前記半導体層の第2端部に接続されるドレイン電極層と、を備え、
    前記ソース電極層、および前記ドレイン電極層は、
    前記平坦部から前記半導体層まで前記段差部の端面と前記第2ゲート絶縁層の端面とに追従する段差形状を有し、
    前記段差部の厚さDAと前記平坦部の厚さDBとは、0.30≦DB/DA≦0.94を満たす
    ことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 前記段差部の厚さは、1.0μm以下であり、
    前記段差部の上面において前記第2ゲート絶縁層が占める面積SDと、前記第2ゲート絶縁層の上面において前記半導体層が占める面積SCとは、1≦SD/SC≦9を満たす
    請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記段差部の厚さは、0.6μm以下である
    請求項1または2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記段差部の厚さDAと前記平坦部の厚さDBとの差は、前記ゲート電極層の厚さよりも大きい
    請求項1から3のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ。
  5. 平坦面を備える可撓性基材と、
    前記平坦面上に位置する素子構造体と、を備える薄膜トランジスタであって、
    前記素子構造体は、
    前記平坦面の一部に位置するゲート電極層と、
    前記平坦面の他部に位置して前記平坦面に追従する平坦部と、前記ゲート電極層を覆って前記平坦部から隆起する段差部と、を備え、有機原子団を含む第1ゲート絶縁層と、
    前記段差部の上面内に位置する、無機化合物である第2ゲート絶縁層と、
    前記第2ゲート絶縁層の上面内に位置する、酸化物半導体である半導体層と、
    前記半導体層の第1端部に接続されるソース電極層と、
    前記半導体層の第2端部に接続されるドレイン電極層と、を備え、
    前記段差部の厚さは、0.6μm以下であり、
    前記段差部の厚さDAと前記平坦部の厚さDBとは、0.30≦DB/DA≦0.94を満たす
    ことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  6. 前記段差部の厚さDAと前記平坦部の厚さDBとの差は、前記ゲート電極層の厚さよりも大きく、
    前記段差部の上面において前記第2ゲート絶縁層が占める面積SDと、前記第2ゲート絶縁層の上面において前記半導体層が占める面積SCとは、1≦SD/SC≦9を満たし、
    請求項5に記載の薄膜トランジスタ。
  7. 前記無機化合物は、珪素酸化物、珪素窒化物、珪素酸窒化物からなる群から選択されるいずれか1つである
    請求項1から5のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ。
  8. 前記酸化物半導体は、インジウムを含有する
    請求項1から6のいずれか一項に記載の薄膜トランジスタ。
  9. 可撓性基材における平坦面の一部にゲート電極層を形成すること、
    前記ゲート電極層を覆うように有機原子団を含む第1ゲート絶縁層を前記平坦面に形成し、これによって前記平坦面の他部に位置して前記平坦面に追従する平坦部と、前記ゲート電極層を覆って前記平坦部から隆起する段差部と、を備える第1ゲート絶縁層を形成すること、
    前記段差部の上面内に、無機化合物である第2ゲート絶縁層を形成すること、
    前記第2ゲート絶縁層の上面内に、酸化物半導体である半導体層を形成すること、
    前記平坦部から前記半導体層の第1端部まで前記段差部の端面と前記第2ゲート絶縁層の端面とに追従する段差形状を有するようにソース電極層を形成すること、
    前記平坦部から前記半導体層の第2端部まで前記段差部の端面と前記第2ゲート絶縁層の端面とに追従する段差形状を有するようにドレイン電極層を形成すること、を含み、
    前記段差部の厚さDAと前記平坦部の厚さDBとは、0.30≦DB/DA≦0.94を満たす
    ことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 可撓性基材における平坦面の一部にゲート電極層を形成すること、
    前記ゲート電極層を覆うように有機原子団を含む第1ゲート絶縁層を前記平坦面に形成し、これによって前記平坦面の他部に位置して前記平坦面に追従する平坦部と、前記ゲート電極層を覆って前記平坦部から隆起する段差部と、を備える第1ゲート絶縁層を形成すること、
    前記段差部の上面内に、無機化合物である第2ゲート絶縁層を形成すること、
    前記第2ゲート絶縁層の上面内に、酸化物半導体である半導体層を形成すること、
    前記半導体層の第1端部に接続されるソース電極層を形成すること、
    前記半導体層の第2端部に接続されるドレイン電極層を形成すること、を含み、
    前記段差部の厚さは、0.6μm以下であり、
    前記段差部の厚さDAと前記平坦部の厚さDBとは、0.30≦DB/DA≦0.94を満たす
    ことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
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