JP2023116944A - セルロースの糖化方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原料中の填料による、糖化反応液の発泡が生じにくいセルロースの糖化方法を提供する。【解決手段】セルロース及び填料を含む原料を粉砕する粉砕工程と、前記原料を空気中で分級し、前記セルロースと前記填料とを分級する分級工程と、前記分級工程で分級された前記セルロースと、糖化反応液と、を糖化槽に導入し、前記糖化反応液に含まれる酵素により前記セルロースを分解することで、糖化反応を進行させる糖化工程と、を備える、セルロースの糖化方法。【選択図】図1

Description

本発明は、セルロースの糖化方法に関する。
セルロースを糖化することによりグルコースを得ることが、いわゆるカーボンマイナス、バイオマスの有効利用、バイオエタノールへの応用等の観点から注目されている。例えば、特許文献1には、紙を原料として、糖化により糖を生成する方法が開示されている。特許文献1に記載の技術では、古紙をセルロース原料として、前処理及び酵素による糖化を経て糖を得る方法が開示されている。
特表2014-507148号公報
セルロースを糖化する際には、糖化槽内に酵素を含む糖化反応液と原料を導入し、撹拌を行うことで酵素反応を進行させセルロースの糖化を行う方法がある。しかしながら、紙をセルロースの原料とする場合、紙中にはセルロースのみならず、CaCO等の填料が含まれる場合がある。CaCOが糖化反応液内に混入すると、発泡する場合があり、糖化反応液が溢れたり、配管類のつまりを引き起こすことがあった。
したがって、原料中の填料による、糖化反応液の発泡が生じにくいセルロースの糖化方法が求められている。
本発明に係るセルロースの糖化方法の一態様は、
セルロース及び填料を含む原料を粉砕する粉砕工程と、
前記原料を空気中で分級し、前記セルロースと前記填料とを分級する分級工程と、
前記分級工程で分級された前記セルロースと、糖化反応液と、を糖化槽に導入し、前記糖化反応液に含まれる酵素により前記セルロースを分解することで、糖化反応を進行させる糖化工程と、
を備える。
実験例に係る糖化処理の概要を示す模式図。
以下に本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
本実施形態に係るセルロースの糖化方法は、セルロース及び填料を含む原料を粉砕する粉砕工程と、原料を空気中で分級し、セルロースと填料とを分級する分級工程と、分級工程で分級されたセルロースと糖化反応液とを糖化槽に導入し、糖化反応を進行させる糖化工程と、を備える。
1.粉砕工程
粉砕工程では、セルロース及び填料を含む原料を粉砕する。
1.1.原料
原料は、セルロース及び填料を含む。原料は、セルロース、填料以外の成分を含んでもよい。セルロース、填料以外の成分としては、例えば、木材由来の成分として、リグニン、ヘミセルロース、加工された木材の成分として、顔料、樹脂成分、粘土類、バインダー、トナー、油分、水分等が挙げられる。
原料は、紙であってもよい。原料に紙を用いると、セルロース及び填料を含むが、原料を容易に調達できる。また紙は、印刷済みの古紙を含んでもよい。印刷済みの古紙としては、コピー用紙、新聞、雑誌等が挙げられる。印刷済みの古紙を用いると、環境資源や埋蔵資源の節約等になり、廃棄物を削減できるので好適である。
原料は、滅菌された状態で用いられることがより好ましい。滅菌の手法としては、例えば、加熱、紫外線照射等が挙げられる。このようにすれば、糖化反応により生じるグルコース等が、原料由来の微生物等により消費されにくくなり、糖の収率が高まることがある。
1.2.粉砕の手法
原料を粉砕する手法は、特に限定されないが、例えば、シュレッダー等により切断する手法、乾式解繊機等により粉砕(解繊)する手法などを採用できる。原料の粉砕は、乾式で行われることが好ましいが、例えば、湿式の離解により行われてもよい。
原料が粉砕された状態であると、原料中に含まれるセルロース以外の成分をセルロースから遊離させやすくなり、かつセルロースが反応液に接しやすくなるので、糖化工程の効率を向上させることができる。
2.分級工程
分級工程では、粉砕工程で粉砕された原料中の微粉を減少させる。分級工程は、空気中で行われる。分級工程は、例えば、サイクロン、篩等を用いて行うことができる。分級工程は、スループットがより良好である点で、サイクロンを用いて行われることがより好ましい。
分級工程で減少される微粉の平均粒子径は、10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。一般に炭酸カルシウム等の填料の粒子径は小さい。そのため、分級工程で減少される微粉の平均粒子径が上記範囲であれば、原料中の填料を減少させることができる。
分級工程では、トナーやバインダーなど、原料中のセルロース以外の物質を減少させてもよい。このようにすれば、原料中の糖化反応に関与しない物質による糖化反応の阻害を抑制できる。
また、分級工程で炭酸カルシウムが減少されると、原料と糖化反応液とを混合した際に、混合物のpHが高くなることを抑制できる。しかも、分級工程で炭酸カルシウムが減少されると、糖化反応液中での酸、アルカリの中和反応も抑制できるので、泡の発生も抑えることができる。これにより、気泡による配管等の詰まりや、糖化槽からの内容物の溢れを抑制することができる。
3.糖化工程
本工程では、糖化槽に、セルロース及び填料を含む原料と、糖化反応液と、を導入し、適宜のpH、温度で撹拌することによりセルロースを糖化する。
3.1.糖化槽
糖化槽は、原料及び反応液を導入でき、内容物を撹拌できるものであれば特に限定されない。糖化槽の規模についても限定されず、ビーカー、フラスコ等の実験室規模であってもよいし、パイロットプラント規模であってもよく、さらには商業プラント規模であってもよい。
糖化槽は、容器と蓋体とを備えてもよい。糖化槽は、原料や反応液の導入口、製品の取り出し口、内部を撹拌するための機構、内部観察用の窓、加熱・冷却用のヒーター、冷媒配管、ジャケット等、その他配管類を適宜に備えてもよい。さらに、糖化槽は、液面計、温度計等を備えてもよく、それらの設置のための開口を有してもよい。
撹拌機構としては、例えば、マグネチックスターラー及び撹拌子、撹拌用モーター、シャフト及び撹拌羽根等が挙げられ、規模や内容物の撹拌効率に応じて適宜選択することができる。
3.2.糖化反応液
糖化反応液は、酵素を含み、水を主成分とする。糖化反応液には、酵素、水の他に、例えば、酵素反応に有用な物質、pH調節剤、界面活性剤等が含有されてもよい。
3.2.1.酵素
酵素としては、β-1,4-グルコシド結合を切断してセルロースを糖に分解する作用を有するものであれば、用いることができる。セルロース分解酵素の例としては、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ及び、セロビアーゼ(β-グルコシダーゼ)等が挙げられる。セルロース分解酵素のより具体的な例としては、セルラーゼSS(ナガセケムテックス株式会社製)、Accellerase Duet(GENENCOR社製)、Cellic Ctec2(Novozymes社製)、Cellic Ctec3(Novozymes社製)、およびメイセラーゼ(Meiji seika ファルマ株式会社製)等が挙げられ、これらの酵素は複数種を併用してもよい。また、セルロース表面に存在するキシランを同時に分解し、糖化効率を高めるためにキシラナーゼが入っていてもよい。
酵素は、粉体、溶液又は分散液として酵素反応液に混合されてもよい。また、酵素は、糖化反応液にあらかじめ混合されてもよいし、糖化槽において糖化反応液に添加されてもよい。
3.2.2.水
水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものであることが好ましい。また、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、反応液を長期保存する場合、酵素反応中、酵素反応後にカビやバクテリアの発生を抑制できるので好ましい。
糖化反応液は、pH調節剤を含んでもよい。pH調節剤としては、酢酸、クエン酸、リン酸などの有機酸、無機酸、有機アルカリ、無機アルカリ及びそれらのナトリウム塩などの塩から選ばれる1種以上、緩衝液を構成する物質、等を例示できる。
糖化反応液は、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、酵素反応を阻害しないものであれば、特に制限なく使用できる。糖化反応液に界面活性剤を配合することにより、原料に対して糖化反応液が濡れやすくなり、糖化反応の効率を向上できる。本実施形態の糖化方法では、原料が粉砕され、表面積も大きくなっているので、原料と糖化反応液が濡れにくくなっているので、界面活性剤を用いることによる濡れ性向上の効果はより高い。
界面活性剤を用いる場合、消泡効果を有する界面活性剤を含むことがより好ましい。消泡効果を有する界面活性剤は、消泡剤と称する場合がある。消泡剤としては、特に制限されないが、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリシロキサン系消泡剤、アセチレングリコール系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば、3次元シロキサン「FOAM BAM(登録商標)MS-575」(製品名、Munzing社製)、KM-71、KM-75(製品名、信越化学工業株式会社製)、BYK-093、BYK-094(製品名、BYK社製)等が挙げられる。
ポリシロキサン系消泡剤の市販品としては、KM-73A、KM-73E、KM-71、KM-85、KM-89、KM-98、KM-7752、KS-531、KS-540、KS-530、KS-537、KS-538(製品名、信越化学工業株式会社製)、BYK-020、BYK-021、BYK-022、BYK-023、BYK-024、B
YK-044、BYK-094(製品名、BYK社製)、TSA6406、TSA780、TSA739、TSA775(製品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
アセチレングリコール系消泡剤としては、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール及び2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオールのアルキレンオキサイド付加物、並びに2,4-ジメチル-5-デシン-4-オール及び2,4-ジメチル-5-デシン-4-オールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。また、アセチレングリコール系消泡剤の市販品としては、例えば、オルフィン104シリーズ、オルフィンE1010等のEシリーズ(製品名、エアープロダクツ社製)、サーフィノール 465、61、DF110D(製品名、日信化学工業株式会社製)等が挙げられる。
糖化反応液が消泡剤を含むことにより、発泡しにくく、発泡したとしても消泡しやすくなるので、糖化槽からの溢れや、配管の詰まり等をさらに抑制することができる。
糖化反応液は、上記の消泡剤で挙げた以外の界面活性剤を含んでもよい。そのような界面活性剤として、以下に限定されないが、例えば、シリコーン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル系、多環フェニルエーテル系、ソルビタン誘導体、フッ素系、ノニオン系の界面活性剤等が挙げられる。
3.3.pH
糖化工程における糖化反応液のpHは、使用する酵素の至適pHに応じて調整される。例えば用いる酵素がCellic Ctec2(Novozymes社製)である場合には、糖化反応液のpHは、4.5以上6.0以下、好ましくは5.0以上5.7以下である。pHの調節は、上述のpH調整剤を添加することにより行うことができる。また、pHの調節は、酵素を添加する前に行われることがより好ましい。さらに、糖化反応液に原料が混合されると、糖化反応液のpHが高くなることがある。そのような場合に、糖化反応液のpHを上記範囲に調整することが好ましい。
pHは、酢酸ナトリウム、酢酸、硫酸、水酸化ナトリウム水溶液などを糖化反応液に添加することにより調節できる。また、糖化反応液のpHをモニターできるように構成した場合、糖化工程中にpHを調節してもよい。例えば、糖化槽内を撹拌中にpHが所定のpHよりも高くなった場合には、酢酸、硫酸などを添加し、pHが所定のpHよりも低くなった場合には、水酸化ナトリウム水溶液などを添加する。
3.4.温度
糖化工程における糖化反応液の液体の温度は、用いる酵素の至適温度に調節されることが好ましい。例えば用いる酵素がCellic Ctec2(Novozymes社製)である場合には、糖化反応液の温度は、47℃以上52℃以下、好ましくは48℃以上51℃以下、より好ましくは49℃以上50℃以下である。
糖化槽内の液体の温度は、適宜の加熱装置、冷却装置、制御装置などを用いて調節される。
3.5.撹拌
糖化工程では、糖化槽内に上記原料及び糖化反応液を導入し、これを撹拌することによりセルロース由来の糖を生成させる。糖化工程は、酵素の能力や全体の規模に依存するが、2時間以上1週間以内の時間行われる。糖化工程が行われる時間は、典型的には、10時間以上5日以内、より好ましくは1日以上4日以内、さらに好ましくは2日以上3日以内である。
糖化工程における撹拌は、上述した適宜の撹拌機構により行われる。撹拌の際のモーターの回転速度等は、糖化槽の規模や構成、撹拌子又は撹拌羽根の形状糖に応じて適宜設定できる。
4.その他の工程
本実施形態の糖化方法は、上記工程の他に、回収工程、洗浄工程等を含んでもよい。
4.1.回収工程
糖化方法は、糖化工程の後に、糖化槽内の液体を回収する工程を含んでもよい。回収工程は、配管等を通じて行ってもよい。回収された糖を含む液体は、フィルター処理されてもよい。
4.2.糖化槽の洗浄
糖化方法は、上記糖化工程の後に、糖化槽を洗浄する工程を含んでもよい。糖化槽を洗浄する工程は、例えば、回収工程の前及び/又は後に、糖化槽内に残った沈殿物を除去する工程、糖化槽内に残った油分を洗浄する工程、撹拌機構を洗浄する工程、等であってもよい。
5.作用効果
本実施形態の糖化方法では、糖化工程前に前処理として、セルロースを含む原料を粉砕し、さらに分級を行うことで原料に含まれる填料を減量させている。これにより、糖化工程を不純物が少ない状況で実施することができるため、糖化反応効率を向上させることができる。また、紙を原料とした場合には、填料としてのCaCOなどの塩基性成分が含まれている場合があり、中和反応等によって発泡が起きる場合がある。これにより、糖化反応液の糖化槽からの溢れや、配管の目詰まりなどを引き起こす可能性がある。しかし、本実施形態の糖化方法によれば、分級によって填料が減少されているため、糖化反応液の糖化槽からの溢れや、配管の目詰まりなどを抑制できる。
6.構成の具体例
以下、本発明を具体例等によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
6.1.構成
図1は、本発明の糖化方法を実施可能な構成の一例を示す模式図である。本例の構成は、粗砕部10と、解繊部20と、分級部30と、糖化槽100と、を含み、原料が粗砕部10、解繊部20及び分級部30を介して、糖化槽100に導入される。
6.1.1.糖化槽の例
図1に示すように、糖化槽100には、糖化反応液及び原料を混合した混合物Lが導入されている。撹拌シャフト20及び撹拌羽根10が図示せぬモーターによって回転して、混合物Lが撹拌されている。撹拌により、混合物L中でセルロースが酵素反応により糖化される。
6.1.2.粗砕部の例
図1に示す装置では、解繊部20の上流側に粗砕部10が配置されている。粗砕部10は、古紙等の原料を、空気中で裁断する。裁断された原料の形状や大きさは、特に限定されないが、例えば、数cm角である。図示の例では、粗砕部10は、粗砕刃11を有し、粗砕刃11によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部10には、原料を連続的に投入するための自動投入部(図示せず)が設けられていてもよい。
粗砕部10の具体的な例としては、シュレッダーが挙げられる。図示の例では、粗砕部10によって裁断された原料は、ホッパー15で受けてから管41を介して、解繊部20へ搬送される。管41は、解繊部20の導入口21と連通している。
6.1.3.解繊部の例
解繊部20は、後述する分級部30よりも上流側に設けられる。解繊部20は、粗砕された原料を解繊処理する。解繊部20は、大気中(空気中)において乾式で解繊を行う。ここで解繊とは、粉砕の一態様である。図示の例では、導入口21から導入された原料が、解繊部20によって解繊され、解繊物(粉砕物)となり、排出口22から排出され、管42を介して分級部30に供給される態様となっている。
なお、本明細書において、乾式とは、液体中ではなく大気中(空気中)でという意味である。乾式の範疇には、乾燥状態、及び不純物として存在する液体(水等)又は意図的に添加される液体(水等)、水蒸気、ミスト等が存在する状態、が含まれる。また、乾式の態様と、抄紙等で行われる湿式の態様とでは、装置全体あるいは製造される紙の量に対する水の使用量が全く異なることに注意する。すなわち、乾式の態様において、系内に水が存在する場合の水の量は、湿式に比較して桁違いに小さい。
解繊部20の構成は特に限定されないが、例えば、回転部(回転子)とこれを覆う固定部とを含み、回転部と固定部との間に隙間(ギャップ)が形成されたものを挙げることができる。
6.1.4.分級部の例
図1に示す装置では、解繊部20の下流側に分級部30が配置されている。分級部30は、解繊物から、炭酸カルシウム(填料)、樹脂粒、インク粒等の微粉を分離して除去する。分級部30としては、気流式分級機を用いることが好ましい。気流式分級機は、旋回気流を発生させ、遠心力と分級されるもののサイズと密度によって分離するものであり、気流の速度および遠心力の調整によって、分級点を調整することができる。具体的には、分級部30としては、サイクロン、エルボージェット、エディクラシファイヤーなどを用いる。特にサイクロンは、構造が簡便であるため、分級部30として好適に用いることができる。以下では、分級部30として、サイクロンを用いた場合について説明する。
分級部30は、導入口34と、導入口34が接続された円筒部35と、円筒部35の下方に位置し円筒部35と連続している逆円錐部36と、逆円錐部36の下部中央に設けられている下部排出口37と、円筒部35上部中央に設けられている上部排出口38と、を有している。
分級部30において、導入口34から導入された解繊物をのせた気流は、円筒部35で円周運動に変わる。これにより、導入された解繊物には、遠心力がかかって、解繊物を、繊維と、炭酸カルシウム(填料)、樹脂粒やインク粒などの微細な粉体と、に分離することができる。繊維が多い成分は、下部排出口37から排出され、管46を通って糖化槽100に導入される。一方微細な粉体は、上部排出口38から管44を通って分級部30の外部に排出される。図示の例では管44は、受け部39に接続されており、微細な粉体は受け部39に回収される。
なお、分級部30により繊維と微粉とに分離すると記載したが、完全に分離できる訳ではない。例えば繊維のうち比較的小さいものや密度の低いものは微粉とともに外部に排出される場合がある。また微粉のうち比較的密度の高いものや繊維に絡まってしまったものは繊維とともに下流側へ排出される場合もある。
6.2.実験例
セルロースの糖化の効率に対する粉砕、分級の効果を以下のような実験により検証した。2Lのビーカーに1Lの酢酸ナトリウム緩衝液、酵素Cellic Ctec2(Novozymes社製)を入れ、酢酸を加え、pHを5.2に調節したものを2セット準備した。一方のセットでは、50gの古紙を粉砕したものを入れた。他方のセットでは、50gの古紙を粉砕し、サイクロンにより3μm以下の微粉を低減させたものを入れた。そして、2セットともに混合物の温度を49℃として、撹拌反応させた。いずれも撹拌中の様子を動画で撮影し、ビーカー内の液面の高さを観察した。
上記実験の結果、微粉を低減させた場合には、当初ビーカーの高さの50%程度の液面高さであったものが、反応中にビーカーの高さの60%以上になることが無かった。これに対して、微粉を除去していない場合には、当初ビーカーの高さの50%程度の液面高さであったものが、反応中にビーカーの高さの90%に達する場面があった。これらのことから、本発明の糖化方法によれば、糖化工程における糖化反応液の発泡が抑制され、安定して糖化反応を行うことができることが判明した。
上述した実施形態及び変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態及び各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
上述した実施形態及び変形例から以下の内容が導き出される。
セルロースの糖化方法は、
セルロース及び填料を含む原料を粉砕する粉砕工程と、
前記原料を空気中で分級し、前記セルロースと前記填料とを分級する分級工程と、
前記分級工程で分級された前記セルロースと、糖化反応液と、を糖化槽に導入し、前記糖化反応液に含まれる酵素により前記セルロースを分解することで、糖化反応を進行させる糖化工程と、
を備える。
このセルロースの糖化方法によれば、糖化工程前に前処理として、セルロースを含む原料を粉砕し、さらに分級を行うことで原料に含まれる填料を低減することができる。これにより、糖化工程を填料が少ない状況で実施することができるため、糖化工程における糖化反応液の発泡が抑制され、安定して糖化反応を行うことができる。
上記セルロースの糖化方法において、
前記原料は、紙であってもよい。
このセルロースの糖化方法によれば、原料を容易に調達できる。
上記セルロースの糖化方法において、
前記糖化反応液は、pHが6.0以下であってもよい。
紙には、填料としてのCaCOなどの塩基性成分が含まれている場合がある。これを原料として糖化槽に投入すると、糖化反応液が酸性に調整されているため、中和反応によって発泡が起きてしまう。これにより、糖化反応液の糖化槽からの溢れや、配管の目詰まりなどを引き起こす可能性がある。しかしこのセルロースの糖化方法によれば、発泡が抑制され、さらに効率よく糖化反応を進めることができる。
上記セルロースの糖化方法において、
前記糖化反応液は、界面活性剤を含んでもよい。
このセルロースの糖化方法によれば、粉砕されたセルロースは比重が軽いため、単に糖化反応液内に導入したとしても浸漬しにくいところ、糖化反応液に界面活性剤を含むことにより、セルロースの濡れ性が向上し、反応効率が向上する。また、このセルロースの糖化方法によれば、糖化反応液の発泡をさらに抑制できる。
10…粗砕部、11…粗砕刃、15…ホッパー、20…解繊部、21…導入口、22…排出口、30…分級部、34…導入口、35…円筒部、36…逆円錐部、37…下部排出口、38…上部排出口、39…受け部、41,42,44,46…管、110…撹拌羽根、120…撹拌シャフト、100…糖化槽、L…混合物

Claims (4)

  1. セルロース及び填料を含む原料を粉砕する粉砕工程と、
    前記原料を空気中で分級し、前記セルロースと前記填料とを分級する分級工程と、
    前記分級工程で分級された前記セルロースと、糖化反応液と、を糖化槽に導入し、前記糖化反応液に含まれる酵素により前記セルロースを分解することで、糖化反応を進行させる糖化工程と、
    を備える、セルロースの糖化方法。
  2. 請求項1において、
    前記原料は、紙である、セルロースの糖化方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記糖化反応液は、pHが6.0以下である、セルロースの糖化方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
    前記糖化反応液は、界面活性剤を含む、セルロースの糖化方法。
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