JP7432910B2 - メタン生成システム及びメタン生成方法 - Google Patents

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Description

本開示は、メタン生成システム及びメタン生成方法に関する。
近年、大気中の二酸化炭素濃度の上昇を抑制するため、天然ガスのような化石資源に代え、バイオマスのような再生可能エネルギーの利用が促進されている。また、バイオマス中のセルロース及びヘミセルロースを加水分解して得られた単糖を微生物により発酵させることでバイオ燃料としてバイオアルコールを生成する方法が知られている。
特許文献1には、草本バイオマスを湿式粉砕する工程と、粉砕処理バイオマスを塩基性化合物と接触させる工程と、アルカリ処理バイオマスを酵素により糖化処理する工程とを有する糖の製造方法が開示されている。また、特許文献1には、糖を発酵させることによりアルコールを製造できることが開示されている。
特開第2015-70822号公報
従来の方法では、バイオマスを酵素により糖化処理している。しかしながら、一般的な酵素は高価である。一方、酵素に代え、糖化菌を用いて糖化処理を実施することも考えられる。しかしながら、アルコールを生成する場合には、酵母などの微生物を用い、単糖をアルコール発酵の基質として用いる必要がある。そのため、糖化菌を用いる場合、バイオマスから生成された単糖が糖化菌によって分解されてしまい、アルコール発酵の基質の量が少なくなってしまうおそれがある。そのため、糖化菌を用いて糖化液を生成した場合には、バイオマスから回収されるバイオ燃料としてのアルコールの生成量が少なくなるおそれがある。一方、メタンは、バイオ燃料の他、種々の化学合成の原料としても用いられている。
そこで、本開示は、微生物を利用してリグノセルロースバイオマスから効率的にメタンを生成することが可能なメタン生成システム及びメタン生成方法を提供することを目的とする。
本開示に係るメタン生成システムは、リグノセルロースバイオマスとアルカリ液とを接触させて第1固体成分と第1液体成分とを含むアルカリ処理液を生成するアルカリ処理部と、糖化菌によって第1固体成分に含まれるリグノセルロースバイオマス由来のセルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方を分解して第2液体成分を含む糖化液を生成する糖化部と、酸生成菌によって第1液体成分と第2液体成分とを含む混合液から有機酸を生成する酸生成部と、メタン生成菌によって有機酸からメタンを生成するメタン生成部と、を備える。
メタン生成部には糖化菌によって生成されたバイオガスが供給されてもよい。
メタン生成システムは、アルカリ処理液を第1固体成分と第1液体成分とに分離する第1固液分離部を備え、第1固体成分は糖化部に供給され、第1液体成分は酸生成部に供給されてもよい。
第1固液分離部は、第1スクリーンと、アルカリ処理液を第1スクリーンに噴出する第1噴出部とを含み、第1スクリーンを透過した液体成分を第1液体成分とし、第1スクリーン上に残った固体成分を第1固体成分として分離してもよい。
メタン生成システムは、リグノセルロースバイオマスを摩砕する摩砕部を備え、アルカリ処理部は摩砕部で摩砕されたリグノセルロースバイオマスとアルカリ液とを接触させてアルカリ処理液を生成してもよい。
メタン生成システムは、糖化液を第2固体成分と第2液体成分とに分離する第2固液分離部を備え、第2固体成分は摩砕部及び糖化部の少なくともいずれか一方に供給され、第2液体成分は酸生成部に供給されてもよい。
第2固液分離部は、第2スクリーンと、糖化液を第2スクリーンに噴出する第2噴出部とを含み、第2スクリーンを透過した液体成分を第2液体成分とし、第2スクリーン上に残った固体成分を第2固体成分として分離してもよい。
酸生成部は、第1液体成分と第2液体成分とを混合して混合液を生成し、第1液体成分に含まれるセルロース、ヘミセルロース及びオリゴ糖からなる群より選択される少なくとも1つを糖化部から流れてきた糖化菌によって分解する混合部と、酸生成菌を収容し、混合部から供給された混合液から有機酸を生成する収容部と、を含んでいてもよい。
酸生成部は、第1液体成分が通過する第1流路と、第2液体成分が通過する第2流路と、第1流路と第2流路との間に配置され、酸生成菌を収容し、第1流路から供給された第1液体成分と、第2流路から供給された第2液体成分とが混合して生成された混合液から有機酸を生成する収容部と、を含んでいてもよい。
メタン生成部には酸生成菌によって生成されたバイオガスが供給されてもよい。
リグノセルロースバイオマスは食品廃棄物を含んでいてもよい。
本開示に係るメタン生成方法は、リグノセルロースバイオマスとアルカリ液とを接触させて第1固体成分と第1液体成分とを含むアルカリ処理液を生成する工程と、糖化菌によって第1固体成分に含まれるリグノセルロースバイオマス由来のセルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方を分解して第2液体成分を含む糖化液を生成する工程と、酸生成菌によって第1液体成分と第2液体成分とを含む混合液から有機酸を生成する工程と、メタン生成菌によって有機酸からメタンを生成する工程と、を含む。
本開示によれば、微生物を利用してリグノセルロースバイオマスから効率的にメタンを生成することが可能なメタン生成システム及びメタン生成方法を提供することができる。
図1は、一実施形態に係るメタン生成システムを示す概略図である。 図2は、一実施形態に係る第1固液分離部又は第2固液分離部を示す概略図である。 図3は、一実施形態に係る酸生成部を示す概略図である。
以下、いくつかの例示的な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1に示すように、本実施形態に係るメタン生成システム1は、摩砕部10と、アルカリ処理部20と、第1固液分離部30と、糖化部40と、第2固液分離部50と、酸生成部60と、メタン生成部70と、好気処理部80とを備えている。なお、図1で示す実線は液体成分が流れる液体流路を示し、一点鎖線は固体成分が流れる固体流路を示し、破線は気体成分が流れるガス流路を示している。
摩砕部10はリグノセルロースバイオマスを摩砕する。摩砕部10でリグノセルロースバイオマスを摩砕することにより、リグノセルロースバイオマスの維管束及び柔組織を破壊することができる。これにより、摩砕部10より後の工程において、リグノセルロースバイオマスの処理効率を向上させることができる。摩砕部10で処理する前のリグノセルロースバイオマスの形状は、例えば、粉末状、粒子状、繊維状、チップ状、板状又はフレーク状であってもよい。
リグノセルロースバイオマスは、リグノセルロースを含むバイオマスである。リグノセルロースは、セルロース、ヘミセルロース及びリグニンからなる群より選択される少なくとも一種を含んでいる。リグノセルロースバイオマスは、草木バイオマス、その加工物及び廃棄物からなる群より選択される少なくとも一種を含んでいてもよい。草木バイオマスは、草本バイオマス及び木本バイオマスの少なくともいずれか一方を含んでいてもよい。草本バイオマスは、オイルパーム、イネ、ムギ、バナナ、サトウキビ、トウモロコシ、キャッサバ、サゴ椰子、ニッパ椰子、ヤムイモ、ソルガム及び馬鈴薯からなる群より選択される少なくとも一種を含んでいてもよい。木本バイオマスは、スギ、ヒノキ、マツ、ユーカリ及びブナからなる群より選択される少なくとも一種を含んでいてもよい。
リグノセルロースバイオマスは食品廃棄物を含んでいてもよい。食品廃棄物の一部は、焼却及び埋め立てにより処理されているが、バイオマスとして利用することでゴミを減らし、資源を有効利用することができる。食品廃棄物は、産業廃棄物、一般廃棄物、及びこれらの混合物を含んでいてもよい。一般廃棄物は、事業系一般廃棄物、家庭系一般廃棄物、及びこれらの混合物を含んでいてもよい。産業廃棄物は、食品の製造、加工又は調理の過程において副次的に得られた物品のうち食用に供することができないものを意味する。産業廃棄物の例としては、食品加工工場から出る食品廃棄物が挙げられる。事業系一般廃棄物は、事業から出る食品廃棄物のうち、食品が食用に供された後に、又は食用に供されずに廃棄されたものを意味する。事業系一般廃棄物の例としては、レストランから出る食品廃棄物などが挙げられる。家庭系一般廃棄物は、家庭から出る食品廃棄物のうち、食品が食用に供された後に、又は食用に供されずに廃棄されたものを意味する。家庭系一般廃棄物は、家庭から出る生ごみなどの食品廃棄物が挙げられる。食品廃棄物は、具体的には、ビール麦粕、茶滓、コーヒー殻、大豆粕、糠、果物の絞り滓、及び野菜の絞り滓からなる群より選択される少なくとも一種を含んでいてもよい。
摩砕部10は湿式摩砕機を含んでいてもよく、乾式摩砕機を含んでいてもよい。摩砕部10が湿式摩砕機である場合、リグノセルロースバイオマスを効率よく微細化することができる。特に、リグノセルロースバイオマスが食品廃棄物を含む場合、食品廃棄物を効率よくさらに小さくすることができる。
摩砕部10は砥石を含んでいてもよい。砥石の材質は無気孔砥石であってもよい。摩砕部10は、石臼式摩砕機を含んでいてもよい。石臼式摩砕機は、リグノセルロースバイオマスを微細に摩砕することができる。また、石臼式摩砕機は、例えばボールミルのような機器と比較し、低い動力で機動させることができる。摩砕部10は、湿式石臼式摩砕機であってもよい。砥石は、上部グラインダと、下部グラインダとを含んでいてもよい。上部グラインダと下部グラインダとはクリアランスを挟んで対向して配置されており、上部グラインダ及び下部グラインダのいずれか一方は回転可能に設けられていてもよい。上部グラインダ及び下部グラインダは中央部に開口部を有した円環形状をしていてもよい。リグノセルロースバイオマスが円環中央の開口部から供給されると、リグノセルロースバイオマスは上部グラインダ及び下部グラインダの少なくともいずれか一方の回転によってクリアランス内で摩砕されながら、円環の外周縁側から摩砕物として排出されてもよい。
湿式石臼式摩砕機のクリアランスの設定値は-200μm~+100μmであってもよい。クリアランスの設定値がこのような範囲であると、リグノセルロースバイオマスの処理速度の低下を抑制しつつ粒子径を小さくすることができる。また、湿式石臼式摩砕機の回転速度は1500rpm~2500rpmであってもよい。回転速度がこのような範囲である場合も、リグノセルロースバイオマスの処理速度の低下を抑制しつつ粒子径を小さくすることができる。摩砕後のリグノセルロースバイオマスの平均粒子径は12μm以下であってもよく、11μm以下であってもよい。摩砕後のリグノセルロースバイオマスの平均粒子径は1μm以上であってもよい。なお、平均粒子径はレーザー回折散乱法で測定した個数基準のメジアン径である。
アルカリ処理部20はリグノセルロースバイオマスとアルカリ液とを接触させてアルカリ処理液を生成する。本実施形態においては、アルカリ処理部20は摩砕部10で摩砕されたリグノセルロースバイオマスとアルカリ液とを接触させてアルカリ処理液を生成している。リグノセルロースバイオマスとアルカリ液とが接触することにより、リグノセルロースバイオマスのタンパク質及び脂質がアルカリ液に溶解する。そのため、リグノセルロースバイオマス中のセルロース及びヘミセルロースが露出し、糖化部40において糖化菌によって生成された酵素がセルロース及びヘミセルロースへアクセスしやすくなる。その結果、セルロース及びヘミセルロースの分解効率を向上させることができる。特に、食品廃棄物は、タンパク質及び脂質を多く含んでいる場合が多く、酵素によるセルロース及びヘミセルロースへのアクセスが阻害されているおそれが高いため、アルカリ処理による効果が大きいと考えられる。
また、アルカリ処理を糖化処理の前に実施することにより、アルカリ液の殺菌効果により、リグノセルロースバイオマスが腐敗するのを抑制することができる。これにより、糖化部40が雑菌により汚染されるのを抑制することができる。特に、食品廃棄物は、タンパク質及び脂質を多く含んでいる場合が多いため、アルカリ液による殺菌効果の寄与度が高くなる。アルカリ液での殺菌により、リグノセルロースバイオマスの性状を保ち、安定した糖化処理を実施することができる。
アルカリ液は、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸水素塩、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩及びアンモニアからなる群より選択される少なくとも1つが溶解した水溶液であってもよい。アルカリ金属はナトリウム又はカリウムであってもよい。アルカリ土類金属はカルシウム又はマグネシウムであってもよい。これらの中でも、アルカリ液は水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。アルカリ液中の水酸化ナトリウムの含有量は、リグノセルロースバイオマスの乾燥固形分1gに対して0.045g~0.20gであってもよい。リグノセルロースバイオマスの乾燥固形分が1重量%~5重量%となるようにアルカリ液を添加してもよい。
リグノセルロースバイオマスとアルカリ液との接触であるアルカリ処理は、リグノセルロースバイオマスをアルカリ液に浸漬させてもよく、リグノセルロースバイオマスにアルカリ液を掛け流してもよい。アルカリ処理の温度は60℃~80℃であってもよい。アルカリ処理温度がこのような温度範囲である場合、タンパク質及び脂質の溶解並びに殺菌を同時に行うことができる。アルカリ処理の時間は12時間以上20時間以下であってもよい。アルカリ処理時間を12時間以上とすることで、タンパク質及び脂質の溶け残りを低減することができる。また、アルカリ処理時間を20時間以下とすることにより、タンパク質及び脂質の溶解速度に対する処理コストを低減することができる。なお、アルカリ処理の反応温度は60℃以上であり、かつ、アルカリ処理時間は連続して12時間以上であることが好ましい。このような条件でアルカリ処理を実施することにより、アルカリ液に対して耐性を持つ芽胞形成菌の殺菌を促進することができる。
アルカリ処理液は第1固体成分と第1液体成分とを含んでいる。アルカリ処理部20では、リグノセルロースバイオマスとアルカリ液との接触により、アルカリ液にリグノセルロースバイオマス中のタンパク質及び脂質が溶解する。そのため、第1固体成分は、セルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方を含んでいる。また、第1液体成分は、タンパク質及び脂質の少なくともいずれか一方を含んでいる。さらに、第1液体成分は、単糖及びオリゴ糖の少なくともいずれか一方を含んでいる。アルカリ処理部20で生成されたアルカリ処理液は第1固液分離部30へ供給される。
第1固液分離部30はアルカリ処理液を第1固体成分と第1液体成分とに分離する。第1固液分離部30による分離方法は特に限定されず、遠心分離法又は沈殿法などによって第1固体成分と第1液体成分とを分離してもよい。ただし、遠心分離法では、装置を駆動するために必要な動力が大きく、駆動コストが高くなるおそれがある。また、沈殿槽を用いた沈殿法では、固体成分の粒子径が小さい場合又は固体成分の粒子間の電離反発が大きい場合に固体成分が沈殿しにくく、効率的に固液分離することができない場合がある。また、第1液体成分が糖分を多く含んでいる場合、第1液体成分の粘度が高くなり、第1固体成分が沈殿しにくくなる場合もある。したがって、第1固液分離部30はスクリーンを用いて第1固体成分と第1液体成分とを分離してもよい。
第1固液分離部30は、図2に示すように、第1スクリーン31と、アルカリ処理液を第1スクリーン31に噴出する第1噴出部32とを含んでいてもよい。第1固液分離部30は、第1スクリーン31を透過した液体成分を第1液体成分とし、第1スクリーン31上に残った固体成分を第1固体成分として分離してもよい。第1スクリーン31を用いた分離法では、第1スクリーン31にアルカリ処理液を噴出して固液分離するため、遠心分離法及び沈殿法と比較し、駆動コストを低減し、処理効率を高くすることができる。
第1噴出部32は第1スクリーン31の一端である第1端に配置されていてもよい。また、第1噴出部32はアルカリ処理液を第1端における第1スクリーン31の平面と略平行に噴出するように設けられていてもよい。
第1スクリーン31は、平板状でもよいが、弧状に湾曲している。このような構成により、第1噴出部32がアルカリ処理液を第1スクリーン31に向けて噴出すると、固体成分が一点鎖線で示すように第1スクリーン31上に残って流れ落ち、液体成分が実線で示すように第1スクリーン31を透過する。そのため、第1固体成分と第1液体成分とをより効率的に分離することができる。第1スクリーン31は複数のワイヤーを含んでいてもよく、一方向に直線状に延びるワイヤーが一方向とは垂直方向に弧状に並び、それぞれ複数の孔又はスリットを挟んで配置されていてもよい。ワイヤーは、延在方向から見た断面が楔型をした金属製のウェッジワイヤーであってもよい。
第1スクリーン31の孔径又はスリット幅は5μm~100μmであってもよい。孔径又はスリット幅が5μm以上である場合、目詰まりが生じにくく、固液分離の処理速度が高い。孔径又はスリット幅は20μm以上であってもよい。また、孔径又はスリット幅が100μm以下である場合、セルロース及びヘミセルロースの多くを糖化部40へ供給することができるため、リグノセルロースバイオマスを有効利用することができる。孔径又はスリット幅は75μm以下であってもよい。なお、スリット幅は、隣接するワイヤーの間隔が最も小さい部分の幅を意味する。また、孔径は、中心を通る線分の大きさが最も小さくなる直径を意味する。
第1噴出部32はノズルを含んでいてもよく、アルカリ処理液をノズルから第1スクリーン31に向かって高圧で噴出してもよい。第1噴出部32によるアルカリ処理液の吐出圧力は0.2MPa以上0.3MPa以下であってもよい。
メタン生成システム1は、単一の第1固液分離部30を備えていてもよく、複数の第1固液分離部30を備えていてもよい。この場合、複数の第1固液分離部30のうち、1段目の第1スクリーン31の孔径又はスリット幅を、2段目の第1スクリーン31の孔径又はスリット幅よりも大きくしてもよい。これにより、アルカリ処理液の分離効率を向上させることができる。例えば、1段目の第1スクリーン31の孔径又はスリット幅を75μmとし、2段目の第1スクリーン31の孔径又はスリット幅を40μmとしてもよい。
第1固液分離部30で分離された第1液体成分は酸生成部60に供給される。第1液体成分は、単糖、タンパク質及び脂質を含んでいる。これらは、酸生成菌が有機酸を生成する際の基質とすることができる。一方、第1固液分離部30で分離された第1固体成分は糖化部40に供給される。第1固体成分は、セルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方を含んでいる。そのため、第1固体成分が糖化部40に供給されることにより、糖化部40でセルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方が分解されて糖化液を生成することができる。また、第1固体成分はリグニンも含んでいる。
第1固液分離部30で分離された第1固体成分には水が加えられて希釈液が生成されてもよい。希釈液には、塩酸などの酸が加えられ、糖化部40での処理に適したpHに中和される。希釈液における第1固体成分の乾燥固形分含有量は1重量%以上4重量%以下であってもよい。乾燥固形分含有量は1.5重量%以上であってもよい。また、乾燥固形分含有量は2.5重量%以下であってもよい。
糖化部40は糖化菌によって第1固体成分に含まれるリグノセルロースバイオマス由来のセルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方を分解して糖化液を生成する。糖化菌は、セルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方を分解する酵素を分泌する。そのため、糖化菌を用いて糖化処理を実施することにより、高価な市販の酵素を用いて糖化しなくて糖化液を生成することができる。セルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方は、分泌された酵素により分解され、単糖及び2~10の単糖が結合したオリゴ糖の少なくともいずれか一方を含む糖化液が生成される。単糖は五炭糖及び六炭糖の少なくともいずれか一方を含んでいてもよい。
糖化菌は、菌株単独であってもよく、複数種の菌株を含む菌群であってもよい。菌株としては、Paenibacillus属の菌株が挙げられる。このような菌株は、食品廃棄物の糖化に特に適している。この菌株の培養温度は、中温以上であることが好ましく、40℃以上50℃以下であることがより好ましい。糖化部40内での培養期間は2日以上であってもよい。糖化菌は、Paenibacillus属の菌株に加え、嫌気性セルロース分解菌を含んでいてもよい。嫌気性セルロース分解菌は、当該菌株と同様の培養温度で培養できることが好ましい。このような嫌気性セルロース分解菌としては、Ruminiclostridium josui、Ruminiclostridium cellulolyticum、Ruminiclostridium herbifermentans、Ruminiclostridium papyrosolvens、Acetivibrio clariflavus等が挙げられる。
糖化菌はセルロース及びヘミセルロースを分解した糖を用いて増殖することができる。糖化菌の増殖速度以上で糖化菌を含む糖化液を引き抜かれなければ、糖化菌を新たに追加投入しなくても、糖化部40内の菌体濃度を維持することができる。したがって、市販の酵素を用いた場合と比較し、低いコストで継続的に糖化処理することができる。また、市販の酵素は雑菌が生成するタンパク質分解酵素によって分解されるおそれがある。一方、糖化菌を用いて糖化処理する場合には、糖化菌が雑菌の増加を抑制することができる。そのため、市販の酵素を用いる場合と比較し、糖化菌を用いて糖化する場合には、雑菌の混入を低減するための設備費用を低減することができる。特に、糖化菌の培養温度を中温以上とする場合には、自然界に多く存在する雑菌の増殖を抑えることができるため、コンタミネーションのリスクをさらに下げることができる。
また、糖化菌は、単糖を分解し、有機酸を生成する場合がある。アルコール発酵の場合には、単糖を基質とする必要があるが、本実施形態に係るメタン生成システム1では、メタンを生成する。有機酸はメタン発酵の基質とすることができる。そのため、糖化菌によって単糖が分解されて有機酸が生成されても、メタンを生成することができる。
糖化菌によって生成された糖化液は、第2固体成分と第2液体成分とを含んでいる。第2固体成分は、糖化液に溶け残ったセルロース、ヘミセルロース、タンパク質及び脂質を含んでいる。第2液体成分は、単糖及びオリゴ糖の少なくともいずれか一方を含んでいる。糖化部40で生成された糖化液は、第2固液分離部50へ供給される。
第2固液分離部50は糖化液を第2固体成分と第2液体成分とに分離する。第2固液分離部50の構成は第1固液分離部30と同様の構成であってもよい。すなわち、第2固液分離部50は、遠心分離法、沈殿法、スクリーンを用いた分離法によって第2固体成分と第2液体成分とを分離してもよい。
また、第2固液分離部50は、図2に示すように、第2スクリーン51と、糖化液を第2スクリーン51に噴出する第2噴出部52とを含んでいてもよい。第2固液分離部50は、第2スクリーン51を透過した液体成分を第2液体成分とし、第2スクリーン51上に残った固体成分を第2固体成分として分離してもよい。第2スクリーン51を用いた分離法では、第2スクリーン51に糖化液を噴出して固液分離するため、遠心分離法及び沈殿法と比較し、駆動コストを低減し、沈殿効率を高くすることができる。第2固液分離部50は第1固液分離部30と同様のものを採用することができる。したがって、第2スクリーン51及び第2噴出部52は第1スクリーン31及び第1噴出部32とそれぞれ同様のものを採用することができる。
なお、第2液体成分には、小さい粒子径を有する固体成分が含まれていてもよい。特に、糖化部40で増殖した糖化菌が数μmであると、懸濁物質として第2液体成分に分離される場合がある。しかしながら、温度の低下などにより培養環境が変化すると糖化菌は溶解し、酸生成菌又はメタン生成菌により分解される。また、アルカリ液に溶けずに懸濁物質として残ったタンパク質及び脂質も酸生成菌により分解される。そのため、懸濁物質を含む第2液体成分が酸生成部60に移動することにより、メタン化効率を上げることにつながる。なお、セルロースが完全に可溶化した残渣は、リグニンを多く含むため、バイオプラスチックの原料として使える可能性もある。
第2固体成分は摩砕部10及び糖化部40の少なくともいずれか一方に供給されてもよい。第2固体成分が摩砕部10に戻されることにより、糖化部40で分解しきれていないセルロース及びヘミセルロースが再度摩砕され、結晶度が低下するため、糖化部40でさらなる糖化が期待できる。また、第2固体成分が糖化部40へ返送されることにより、糖化菌の量を多く維持できるため、糖化効率がさらに向上する場合がある。第2固体成分は飼料化などにより再利用してもよく、焼却して熱エネルギーを回収してもよく、埋め立てなどにより処分してもよい。第2固体成分は、リグニンを多く含むため、バイオプラスチックの原料として利用してもよい。一方、第2液体成分は酸生成部60に供給される。
酸生成部60は、酸生成菌によって第1液体成分と糖化液に含まれる第2液体成分とを含む混合液から有機酸を生成する。第1液体成分には、アルカリ処理部20においてアルカリ液に溶解したオリゴ糖、タンパク質及び脂質が含まれている。また、第1液体成分には、アルカリ液に溶解されずに小さい微粒子として残った懸濁物質が含まれている場合がある。また、第2液体成分には、セルロース及びヘミセルロースが単糖にまで分解されず、オリゴ糖のまま含まれている場合がある。第1液体成分及び第2液体成分に含まれるオリゴ糖、タンパク質及び脂質は、メタン生成菌だけでは十分に分解することができないおそれがある。
一方、酸生成菌は嫌気発酵により、オリゴ糖、タンパク質及び脂質を利用して有機酸を生成することができる。酸生成部60でメタン発酵の基質となる有機酸を生成することにより、メタン生成部70においてメタンの生成量を向上させることができる。また、タンパク質及び脂質は、酸生成菌によって二酸化炭素にまで酸化されにくく、タンパク質及び脂質が過剰に分解されにくい。そのため、目的とする有機酸をメタン生成部70に供給することができ、メタン生成部70においてメタンの生成量を向上させることができる。
図3に示すように、酸生成部60は、第1流路61と、第2流路62と、混合部63と、収容部64とを含んでいてもよい。第1流路61は第1固液分離部30を介してアルカリ処理部20と接続されている。第1液体成分は第1流路61内を通過する。第2流路62は第2固液分離部50を介して糖化部40と接続されている。第2液体成分は第2流路62内を通過する。
混合部63は、第1流路61から供給された第1液体成分と、第2流路62から供給された第2液体成分とを混合して混合液を生成する。第1流路61内を通過するアルカリ処理液はアルカリ液で処理されているためpHが大きい。一方、第2流路62内を通過する糖化液は糖化菌が生成する酸性物質によってpHが小さくなっている。そのため、第1液体成分と第2液体成分とを混合部63で混合することによってpH調整剤を過剰に添加しなくてもpHを調整することができる。これにより、アルカリの中和処理を軽減することができ、環境負荷を低減することができる。混合部63は撹拌部を有しており、第1液体成分と第2液体成分とを撹拌部によって撹拌してもよい。混合液は酸生成菌に適したpHであれば特に限定されないが、中性であってもよく、pH6~pH8であってもよい。第1液体成分と第2液体成分とを混合するだけで混合液が中性になる場合にはpH調整剤は必要ない。pH調整剤は、塩酸又は酸性の工場廃水であってもよい。混合部63における混合液の滞留時間は1日以上5日以下であってもよい。混合部63で生成された混合液は収容部64へ供給される。
収容部64は酸生成菌を収容している。酸生成菌は、複数の菌群を含んでいてもよい。収容部64内の温度は酸生成菌に適した温度であればよく、例えば30℃以上40℃以下であってもよい。培養期間は特に限定されないが1日以上3日以下であってもよい。収容部64は撹拌部を有しており、混合部63から供給された混合液を撹拌部によって撹拌してもよい。
酸生成部60は、混合部63と、収容部64とを含んでいてもよい。混合部63は、第1液体成分と第2液体成分とを混合して混合液を生成し、第1液体成分に含まれるセルロース、ヘミセルロース及びオリゴ糖からなる群より選択される少なくとも1つを糖化部40から流れてきた糖化菌によって分解してもよい。収容部64は、酸生成菌を収容し、混合部63から供給された混合液から有機酸を生成する。
第1液体成分には、単糖まで分解されていないオリゴ糖が含まれている場合がある。また、第1液体成分には、アルカリ液で溶解した一部のセルロース及びヘミセルロースも含まれている場合がある。一方、第2液体成分には、糖化菌が含まれている場合がある。糖化菌はセルロース及びヘミセルロースだけでなく、オリゴ糖も分解することができる。そのため、混合部63で第1液体成分と第2液体成分が混合されることにより、第2液体成分に含まれている糖化菌が第1液体成分に含まれるセルロース、ヘミセルロース及びオリゴ糖を分解することができる。分解された低分子物質は、酸生成菌又はメタン生成菌の基質又は栄養分として用いることができる。そのため、混合部63の温度は糖化菌に適した温度であることが好ましく、例えば40℃以上50℃以下であってもよい。
また、酸生成部60は、第1液体成分が通過する第1流路61と、第2液体成分が通過する第2流路62とを含んでいてもよい。酸生成部60は、第1流路61と第2流路62との間に配置され、酸生成菌を収容し、第1流路61から供給された第1液体成分と、第2流路62から供給された第2液体成分とが混合して生成された混合液から有機酸を生成する収容部64を含んでいてもよい。
収容部64を第1流路61と第2流路62との間に配置することにより、第1流路61を流れる第1液体成分と、第2流路62を流れる第2液体成分とが、収容部64内の混合液と熱交換される。そのため、第1流路61内を流れる第1液体成分と、第2流路62内の温度を流れる第2液体成分とによって、収容部64内の混合液を加温することができる。例えば、第1液体成分の温度が70℃であり、第2液体成分の温度が45℃である場合に、収容部64の温度を35℃程度に維持することができる。収容部64を第1流路61と第2流路62との間に配置することにより、酸生成菌の培養温度が最適化されるため、加熱に必要なエネルギーを低減することができる。
第1流路61及び第2流路62の一部は酸生成部60の外壁によって形成されていてもよい。第1流路61を通過する第1液体成分及び第2流路62を通過する第2液体成分の少なくともいずれか一方の温度は、酸生成菌の最適温度よりも高い場合がある。そのため、第1流路61及び第2流路62の一部を酸生成部60の外壁によって形成することにより、第1流路61内を流れる第1液体成分及び第2流路62内を流れる第2液体成分を、酸生成部60の外側の空気と熱交換することができる。これにより、第1流路61内を流れる第1液体成分と、第2流路62内を流れる第2液体成分を効率よく冷却することができる。
メタン生成部70はメタン生成菌によって有機酸からメタンを生成する。メタン生成部70で得られたメタンは、発電所及びボイラーなどのエネルギー源として使用することができる。また、本実施形態に係るメタン生成システム1では、メタン生成部70でメタンを生成するため、バイオアルコールのように発酵したアルコールを蒸留塔で濃縮する必要がない。そのため、少ないエネルギーでリグノセルロースバイオマスを有効利用することができる。
メタン生成部70はメタンを含むバイオガスを排出する。生成されたメタンは回収され、リグノセルロースバイオマス由来のバイオ燃料として利用することができる。また、メタンは、種々の化学合成の原料としても用いることができる。一方、メタン生成部70からは液体成分も排出される。メタン生成部70から排出される液体成分には酸生成菌が含まれるため、メタン生成部70から排出される液体の少なくとも一部を、酸生成部60の収容部64に移送してもよい。酸生成菌を収容部64に植種することにより、有機酸の生成を促進することができる。
メタン生成菌は、50℃~60℃のような高温度で活性を示す高温メタン生成菌を含んでいてもよく、35℃~38℃のような中温度で活性を示す中温メタン生成菌を含んでいてもよい。高温メタン生成菌を用いた場合には、メタン発酵の時間を短くすることができる。低温メタン菌を用いた場合には、発酵槽の加温に要する温度を低減することができる。
メタン生成部70には糖化菌によって生成されたバイオガスが供給されてもよい。糖化部40に供給される第1固体成分は、アルカリ液に溶解されずに残ったタンパク質及び脂質を含んでいる。また、糖化部40では糖化菌を用いているため、嫌気条件下においてタンパク質及び脂質が分解され、有機酸及び水素の少なくともいずれか一方を含むバイオガスが生成される。有機酸は揮発すると臭気の原因となる。そのため、糖化部40で生成されたバイオガスをメタン生成部70に供給することにより、有機酸が直接大気に放出されないため、臭気を抑えることができる。また、メタン生成菌は有機酸、水素及び二酸化炭素からメタンを生成することができる。そのため、糖化部40で生成されたバイオガスをメタン生成部70に供給することにより、メタンの回収率を向上させることができる。
メタン生成部70には酸生成菌によって生成されたバイオガスが供給されてもよい。当該バイオガスはガス流路によってメタン生成部70へ供給され、酸生成部60で生成された有機酸を含む液体は液体流路によってメタン生成部70へ供給されてもよい。酸生成部60内の混合液は、タンパク質及び脂質を含んでいる。また、酸生成菌はタンパク質及び脂質を分解し、有機酸、水素及び二酸化炭素を含むバイオガスを生成する。そのため、酸生成部60で生成されたバイオガスをメタン生成部70に供給することにより、有機酸が直接大気に放出されないため、臭気を抑えることができる。また、メタン生成菌は有機酸、水素及び二酸化炭素からメタンを生成することができる。そのため、酸生成部60で生成されたバイオガスをメタン生成部70に供給することにより、メタンの回収率を向上させることができる。
糖化部40及び酸生成部60の少なくともいずれか一方から供給されたバイオガスは、メタン生成部70の下部から曝気により投入されてもよい。バイオガスをメタン生成部70内の混合液に通気させると、バイオガスは混合液内に溶解する。混合液に溶解した有機酸、水素及び二酸化炭素はメタン生成菌により消費されてメタンが生成される。混合液中の有機酸、水素及び二酸化炭素は、メタン生成菌により消費されて濃度が低くなるため、バイオガスを混合液に通気し続けても、バイオガスは混合液に溶解し続けることができる。
水素を用いたメタン発酵は例えば4H+CO→CH+2HOのような反応で行われる。そのため、アルカリ処理部20においてアルカリ液のアルカリ濃度を低くし、タンパク質及び脂質の溶解を抑えてもよい。これにより、糖化部40でタンパク質及び脂質の分解量が増え、糖化部40で生成され、メタン生成部70に供給される水素量を増加させることができる。また、メタン生成部70には二酸化炭素が供給されてもよい。これにより、水素から生成されるメタン変換効率を向上させることができる。メタン生成部70に供給される二酸化炭素は、例えば化石燃料由来の二酸化炭素であってもよい。これにより、大気中への二酸化炭素放出量を低減することができる。
有機酸を用いたメタン発酵では二酸化炭素が発生する。そのため、メタン生成部70から出た二酸化炭素を含むガスの少なくとも一部をメタン生成部70に供給してもよい。これにより、二酸化炭素と水素とを反応させてメタンを生成することができる。したがって、メタン生成部70から大気中へ排出される二酸化炭素量を低減するとともに、メタン生成量を増やすことができる。
好気処理部80は、好気性微生物を用い、メタン生成部70から排出される液体成分を公知の活性汚泥処理方法によって処理することができる。これにより、液体成分に残存する有機物を二酸化炭素及び水などに分解することができ、河川及び海などに放流することも可能になる。メタン生成部70から排出される液体成分を下水に放流する場合には好気処理部80は設けなくてもよい。
なお、摩砕部10、アルカリ処理部20、第1固液分離部30、糖化部40、第2固液分離部50、酸生成部60及びメタン生成部70は、それぞれ、原料の供給及び排出を、一単位として繰り返す回分式であってもよく、連続的に同時に行う連続式であってもよい。
以上の通り、本実施形態に係るメタン生成システム1は、アルカリ処理部20と、糖化部40と、酸生成部60と、メタン生成部70とを備えている。アルカリ処理部20はリグノセルロースバイオマスとアルカリ液とを接触させて第1固体成分と第1液体成分とを含むアルカリ処理液を生成する。糖化部40は糖化菌によって第1固体成分に含まれるリグノセルロースバイオマス由来のセルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方を分解して第2液体成分を含む糖化液を生成する。酸生成部60は、酸生成菌によって第1液体成分と第2液体成分とを含む混合液から有機酸を生成する。メタン生成部70はメタン生成菌によって有機酸からメタンを生成する。
また、本実施形態に係るメタン生成方法は、リグノセルロースバイオマスとアルカリ液とを接触させて第1固体成分と第1液体成分とを含むアルカリ処理液を生成する工程を含んでいる。上記方法は、糖化菌によって第1固体成分に含まれるリグノセルロースバイオマス由来のセルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方を分解して第2液体成分を含む糖化液を生成する工程を含んでいる。上記方法は、酸生成菌によって第1液体成分と第2液体成分とを含む混合液から有機酸を生成する工程を含んでいる。上記方法は、メタン生成菌によって有機酸からメタンを生成する工程を含んでいる。
アルカリ処理部20ではリグノセルロースバイオマス中の単糖、タンパク質及び脂質がアルカリ液に溶解する。そのため、糖化菌により生成された酵素がセルロース及びヘミセルロースにアクセスしやすくなり、セルロース及びヘミセルロースの分解効率が向上する。
第1液体成分及び第2液体成分に含まれる単糖、タンパク質及び脂質は酸生成菌の基質とすることができる。また、酸生成菌及びメタン生成菌は糖化菌によって単糖が分解された低分子物質も基質とすることができる。そのため、リグノセルロースバイオマスを有効に利用してメタンを生成することができる。したがって、本実施形態に係るメタン生成システム1及びメタン生成方法によれば、微生物を利用してリグノセルロースバイオマスから効率的にメタンを生成することができる。
特願2022-004297号(出願日:2022年1月14日)の全内容は、ここに援用される。
いくつかの実施形態を説明したが、上記開示内容に基づいて実施形態の修正または変形をすることが可能である。上記実施形態のすべての構成要素、及び請求の範囲に記載されたすべての特徴は、それらが互いに矛盾しない限り、個々に抜き出して組み合わせてもよい。
本開示は、例えば、国際連合が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標7『すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する』及び目標12『持続可能な生産消費形態を確保する』に貢献することができる。
1 メタン生成システム
10 摩砕部
20 アルカリ処理部
30 第1固液分離部
31 第1スクリーン
32 第1噴出部
40 糖化部
50 第2固液分離部
51 第2スクリーン
52 第2噴出部
60 酸生成部
61 第1流路
62 第2流路
63 混合部
64 収容部
70 メタン生成部

Claims (16)

  1. リグノセルロースバイオマスとアルカリ液とを接触させて第1固体成分と第1液体成分とを含むアルカリ処理液を生成するアルカリ処理部と、
    糖化菌によって前記第1固体成分に含まれる前記リグノセルロースバイオマス由来のセルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方を分解して生成された単糖及びオリゴ糖の少なくともいずれか一方を含む第2液体成分を含む糖化液を生成する糖化部と、
    酸生成菌によって前記第1液体成分と前記単糖及び前記オリゴ糖の少なくともいずれか一方を含む前記第2液体成分とを含む混合液から有機酸を生成する酸生成部と、
    メタン生成菌によって前記有機酸からメタンを生成するメタン生成部と、
    を備え
    前記糖化部では前記糖化菌が増殖し、前記糖化部内における前記糖化菌の菌体濃度が維持される、メタン生成システム。
  2. 前記メタン生成部には前記糖化菌によって生成されたバイオガスが供給される、請求項1に記載のメタン生成システム。
  3. 前記アルカリ処理液を第1固体成分と前記第1液体成分とに分離する第1固液分離部を備え、
    前記第1固体成分は前記糖化部に供給され、
    前記第1液体成分は前記酸生成部に供給される、
    請求項1又は2に記載のメタン生成システム。
  4. 前記第1固液分離部は、第1スクリーンと、前記アルカリ処理液を前記第1スクリーンに噴出する第1噴出部とを含み、前記第1スクリーンを透過した液体成分を前記第1液体成分とし、前記第1スクリーン上に残った固体成分を前記第1固体成分として分離する、請求項3に記載のメタン生成システム。
  5. 前記リグノセルロースバイオマスを摩砕する摩砕部を備え、
    前記アルカリ処理部は前記摩砕部で摩砕されたリグノセルロースバイオマスと前記アルカリ液とを接触させて前記アルカリ処理液を生成する、請求項1又は2に記載のメタン生成システム。
  6. 前記糖化液を第2固体成分と前記第2液体成分とに分離する第2固液分離部を備え、
    前記第2固体成分は前記摩砕部及び前記糖化部の少なくともいずれか一方に供給され、
    前記第2液体成分は前記酸生成部に供給される、請求項5に記載のメタン生成システム。
  7. 前記第2固液分離部は、第2スクリーンと、前記糖化液を前記第2スクリーンに噴出する第2噴出部とを含み、前記第2スクリーンを透過した液体成分を前記第2液体成分とし、前記第2スクリーン上に残った固体成分を前記第2固体成分として分離する、請求項6に記載のメタン生成システム。
  8. 前記酸生成部は、
    前記第1液体成分と前記第2液体成分とを混合して前記混合液を生成し、前記第1液体成分に含まれるセルロース、ヘミセルロース及びオリゴ糖からなる群より選択される少なくとも1つを前記糖化部から流れてきた糖化菌によって分解する混合部と、
    前記酸生成菌を収容し、前記混合部から供給された前記混合液から前記有機酸を生成する収容部と、
    を含む、請求項1又は2に記載のメタン生成システム。
  9. 前記酸生成部は、
    前記第1液体成分が通過する第1流路と、
    前記第2液体成分が通過する第2流路と、
    前記第1流路と前記第2流路との間に配置され、前記酸生成菌を収容し、前記第1流路から供給された前記第1液体成分と、前記第2流路から供給された前記第2液体成分とが混合して生成された前記混合液から前記有機酸を生成する収容部と、
    を含む、請求項1又は2に記載のメタン生成システム。
  10. 前記メタン生成部には前記酸生成菌によって生成されたバイオガスが供給される、請求項1又は2に記載のメタン生成システム。
  11. 前記リグノセルロースバイオマスは食品廃棄物を含む、請求項1又は2に記載のメタン生成システム。
  12. 前記糖化菌はPaenibacillus属の菌株を含む、請求項1又は2に記載のメタン生成システム。
  13. 前記糖化液又は前記混合液はルーメン液を含まない、請求項1又は2に記載のメタン生成システム。
  14. リグノセルロースバイオマスとアルカリ液とを接触させて第1固体成分と第1液体成分とを含むアルカリ処理液を生成する工程と、
    糖化菌によって前記第1固体成分に含まれる前記リグノセルロースバイオマス由来のセルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方を分解して生成された単糖及びオリゴ糖の少なくともいずれか一方を含む第2液体成分を含む糖化液を生成する工程と、
    酸生成菌によって前記第1液体成分と前記単糖及び前記オリゴ糖の少なくともいずれか一方を含む前記第2液体成分とを含む混合液から有機酸を生成する工程と、
    メタン生成菌によって前記有機酸からメタンを生成する工程と、
    を含み、
    前記糖化液を生成する工程では前記糖化菌が増殖し、前記糖化液を生成する工程において前記糖化菌の菌体濃度が維持される、メタン生成方法。
  15. リグノセルロースバイオマスとアルカリ液とを接触させて第1固体成分と第1液体成分とを含むアルカリ処理液を生成するアルカリ処理部と、
    糖化菌によって前記第1固体成分に含まれる前記リグノセルロースバイオマス由来のセルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方を分解して生成された単糖及びオリゴ糖の少なくともいずれか一方を含む第2液体成分を含む糖化液を生成する糖化部と、
    酸生成菌によって前記第1液体成分と前記単糖及び前記オリゴ糖の少なくともいずれか一方を含む前記第2液体成分とを含む混合液から有機酸を生成する酸生成部と、
    メタン生成菌によって前記有機酸からメタンを生成するメタン生成部と、
    を備え、
    前記糖化液又は前記混合液はルーメン液を含まない、メタン生成システム。
  16. リグノセルロースバイオマスとアルカリ液とを接触させて第1固体成分と第1液体成分とを含むアルカリ処理液を生成する工程と、
    糖化菌によって前記第1固体成分に含まれる前記リグノセルロースバイオマス由来のセルロース及びヘミセルロースの少なくともいずれか一方を分解して生成された単糖及びオリゴ糖の少なくともいずれか一方を含む第2液体成分を含む糖化液を生成する工程と、
    酸生成菌によって前記第1液体成分と前記単糖及び前記オリゴ糖の少なくともいずれか一方を含む前記第2液体成分とを含む混合液から有機酸を生成する工程と、
    メタン生成菌によって前記有機酸からメタンを生成する工程と、
    を含み、
    前記糖化液又は前記混合液はルーメン液を含まない、メタン生成方法。
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