JP2023116647A - プラズマ反応方法及びプラズマ反応装置 - Google Patents

プラズマ反応方法及びプラズマ反応装置 Download PDF

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Abstract

【課題】炭酸ガスを水素に変換したり消滅したりするとともに水素を安価に得る。【解決手段】反応炉1内にエネルギー増幅材6を供給し、反応炉内を加熱して増幅材を気化せしめて増幅材の微粒子とし、次いで、この微粒子を電磁波で電離させて、微粒子の原子、イオンと、電子の混合体からなるプラズマ空間5を形成し、炉壁1aから放射される定常波の電磁波及び微粒子の増幅作用により不確定に発生する高エネルギーの電磁波により、微粒子自体をプラズマ崩壊させて陽子、中性子、電子に分け、これから水素が得られるし、処理すべき気体をプラズマ空間に供給して、プラズマ崩壊に加えて主として陽子と中性子をプラズマ結合させて熱を得る。【選択図】図1

Description

本発明は、低温で電磁波を利用してプラズマ空間を形成し、このプラズマ空間内にCO 2 供給して気体の原子を崩壊したり熱の生成を行うことができるプラズマ反応方法及びプラズマ反応装置に関する。
本発明者は、従来、ステンレスの容器(反応炉)内に反応材として、カセイソーダとステンレス粉を入れてステンレス容器を500℃以上に加熱して反応材を微粒子とし、この微粒子と反応炉の内壁間で核反応を起こさせようと実験を重ね、炭酸ガスと水を分解して水素を発生させようと試みてきた(国際公開番号WO2012/011499A1)。
また、同一構造の反応炉内に温度コントロール下に水を供給しつつ水素化ナトリウム(NaH)を生成できるが、この時の水素ガスは電離していることが開示されている(特開2017-222550号)。
国際公開WO2012/011499A1 特開2017-22250号
しかしながら、特許文献1においては、反応炉の内壁表面はプラズマ雰囲気となり、その部分で核反応が起きるとの認識は開示されているが、反応炉の内部全体が反応材(本願の増幅材に相当)の微粒子によりプラズマ雰囲気となり、しかもこのプラズマ雰囲気を励起させることが反応炉の内壁及び反応材の微粒子により放射される電磁波によりなされることが、全く認識されていない
しかも特許文献2においては、反応炉内で発生した水素ガスが電離することが開示されているが、プラズマの作用を主として行うのは、電離した反応材そのものであり、反応炉の内壁及び反応材の微粒子から放射される定常波及び微粒子により増幅された増幅電磁波が不確定原理に基づいて不確定のタイミングで発生することも何ら認識されていない。
本件発明者は、数々の実験を重ね事実に基づいて量子力学の理論を適用し、200~300℃の極く低温で原子核の崩壊及び結合を導くことができたので、従来不明であった技術的思想をここに明らかにした。
本発明のプラズマ反応方法は、電磁波の定常波を放射する壁面で密閉空間を形成し、この密閉空間内に電磁波のエネルギーを増幅する増幅材を供給し、この増幅材及び前記壁面を加熱することにより、増幅材自身及び前記壁面から電磁波を放射し増幅材を気化して第1微粒子群を形成し、次いで第1微粒子群を電磁波により電離させて増幅材の原子と、イオンと、電子との混合体からなる第2微粒子群を形成してプラズマ空間となし、更に前記第2微粒子の増幅作用、電磁波放射作用及び壁面からの電磁波の放射作用により、不確定性原理に基づくタイミングで生じる高エネルギーの電磁波が、第2微粒子群自体をプラズマ崩壊させて前記第2微粒子群に新たに陽子、中性子、電子を加えた第3微粒子群を形成し、この第3微粒子群中に陽子と電子との再結合を生じさせて水素を発生し、前記プラズマ空間の第3微粒子群中にCO2を供給し、この気体成分の原子を逐次その電離作用、プラズマ崩壊によりそれらの原子のイオン、陽子、中性子、電子に分離せしめ、これらの粒子を第3微粒子群中に加えた第4微粒子群を形成し、次いで第4微粒子群中の少なくとも陽子と中性子のプラズマ結合により発熱作用を生ぜしめる。
前記発熱作用を増大させるために、前記プラズマ空間に水素を供給して陽子数を増加せしめるか、又は中性子を供給してプラズマ結合を増大せしめることが好ましい。
前記増幅材は、長周期表第1族及び2族の典型元素の少なくとも一種であるか、これらの少なくとも一種を含む化合物である。
前記増幅材は、ステンレス、亜鉛、鉄、クロム、アルミニウム、銅、銀、金、パラジウム、白金、マンガン、モリブデン、チタン及びジルコニウムの板状、粉末状、塊状のものの少なくとも一種を含み又は液状のリン又は水銀を含むことが好ましい。
前記電磁波を放射する壁面をステンレス材、黒鉛材、銅材、アルミニウム材のうち、少なくとも一種で構成することが好ましい。
前記増幅材を溶融塩で構成し、プラズマ空間の上部からシャワーで供給し、プラズマ空間の下部にシャワーを集めて再びプラズマ空間の上部に循環させるようにし、前記プラズマ空間内に熱配管を配置してこの熱配管とシャワーとを相互に作用させて増幅材の微粒子を生成することが好ましい。
本発明のプラズマ反応装置は、加熱により電磁波を放射する壁面を有するプラズマ反応炉と、このプラズマ反応炉内に形成され、原子と原子のイオンと、核子と電子の微粒子が混在してこれらが任意の方向に運動しているプラズマ空間と、このプラズマ空間内に供給され、加熱により微粒子となり、プラズマ空間内に放射される電磁波のエネルギーを不確定なタイミングで増幅してプラズマ空間の主成分となる増幅材と、前記プラズマ反応炉の壁面と増幅材とを加熱する加熱装置からなり、前記プラズマ反応装置にはCO2が供給される。
前記反応炉の壁面は、黒鉛材、ステンレス材、鉄材、アルミニウム材及び銅材のうち、少なくとも一種の材料からなることが好ましい。
前記増幅材は溶融塩からなり、この溶融塩は金属ナトリウム、金属カリウム、及びフッ化リチウムのうちの少なくとも一種からなり、この溶融塩は、外部からプラズマ反応炉のプラズマ空間内に供給され、更にプラズマ反応炉の外部に取出される循環装置によって循環されることが好ましい。
前記増幅材は、アルカリ金属を含む化合物と、ステンレス粉、鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、銅粉のうち、少なくとも一種との組み合わせからなり、交換可能にプラズマ反応炉内に設置されることが好ましい。
前記加熱装置はプラズマ反応炉の壁面内又は外面に設置されるか又はプラズマ反応炉内に設置される電気ヒータであることが好ましい。
前記加熱装置は、プラズマ反応炉内に設置され、ガスバーナからの熱ガスを通す熱配管からなることが好ましい。
前記プラズマ空間内に水素噴射筒を対向設置し、この水素噴射筒に圧力水素を供給することが好ましい。
前記プラズマ空間内に熱交換器が設けられ、プラズマ空間内の熱の一部を取り出すようにすることが好ましい。
本発明は、定常波をなす電磁波を加熱により放射する壁面で密閉空間を形成し、この密閉空間内を所定温度以上に維持して増幅材の微粒子を高速飛行させてプラズマ空間を形成したので、増幅材自体をプラズマ崩壊させて水素を発生させることができるとともに、このプラズマ空間にCO2を加えるとCO2も原子毎に分離するとともにCO2の原子とイオンと電子に分離して増幅材の微粒子にCO2の微粒子が加わった新たなプラズマ空間を形成し、これにより不確定性原理に基づいて不確定の時間間隔で高エネルギーの電磁波を発生させて微粒子をプラズマ崩壊させ、炭酸ガスを消滅させるか水素に変換できる。また、崩壊後に生じる陽子同士、中性子同士、陽子と中性子、陽子と電子の再結合(プラズマ結合)による発熱反応を利用すれば、熱が得られる。更に、このプラズマ空間の増幅材の種類を適宜選択すれば、200~300℃でプラズマ空間を作ることができ構造も簡単で小型で非常に安価である。
本発明のプラズマ反応装置の概略構成図である。 反応炉内に設置されるフィン体の構造図である。 増幅材の設置状態を示す説明図である。 増幅材の他の設置状態を示す説明図である。 増幅材の更に他の設置状態を示す説明図である。 反応炉の材質から放射される電磁波の強度を図る構成図である。 各元素のイオン化エネルギーのグラフである。 実験炉の概略構成図である。 プラズマ空間の作用説明図である。 電磁波の誘導放出を示す説明図である。 電磁波の炉壁での反射を示す説明図である。 原子構造模型図である。 ナトリウムイオンの増幅作用説明図である。 炉壁でのシース形成状態説明図である。 定常波の説明図である。 黒体放射の周波数、温度、エネルギーの関係を示すグラフである。 ヘリウムのプラズマ崩壊を示す説明図である。 各元素の一核子当たりの結合エネルギーを示すグラフである。 窒素のプラズマ崩壊、プラズマ結合を示す説明図である。 チタン酸カリウムを増幅材として用いた場合のプラズマ崩壊時の発生ガスを示すグラフである。 実験システムの概略構成図である。 実験システム内の圧力計の動作を示す図である。 炉壁500℃の時の発生する電磁波の状態を示すグラフである。 高エネルギー発生状態の説明図である。 水素の電離状態説明図である。 本発明のプラズマ反応炉の他の実験例を示す構成図である。 プラズマ結合を示す説明図である。 プラズマ反応炉から熱を得る場合の説明図である。 本発明のプラズマ反応炉の更に他の実施例を示す構成図である。 本発明のプラズマ反応炉の更に他の実施例を示す構成図である。 本発明のプラズマ反応炉の更に他の実施例を示す構成図である。 図31のプラズマ反応炉のA-A断面図である。 本発明のプラズマ反応炉の更に他の実施例を示す構成図である。 本発明のプラズマ反応炉の更に他の実施例を示す構成図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
1.プラズマ反応装置の全般的構成
図1において、本発明のプラズマ反応装置M1は、円筒状の密閉空間を形成する密閉容器である反応炉本体1を有し、この反応炉本体1は耐熱性で加熱により電磁波を放射する材料で、しかも空気を通さない密閉空間を形成できる材料からなり、例えば、ステンレス材(SUS340、310及び316)、鉄材又は空気を通さないセラミック材からなる。前記反応炉本体1の内壁面1aには、黒鉛膜2が付着され、この黒鉛膜2は、反応炉内壁面に酸化膜が形成されるのを防止する。前記反応炉本体1の上面には、反応炉本体1内の気体を排出するための排出管3が設けられ、反応炉本体1の側壁中央には、外部から炭酸ガス、水又は窒素等の気体を流入させるための流入筒4が設けられている。そして、前記排出筒3及び流入筒4には、自動開閉弁3a、4aがそれぞれ設けられ、これら弁3a、4aがコントローラCにそれぞれ接続されている。このコントローラCには、反応炉本体1内のプラズマ空間5内を真空にするための真空ポンプV、圧力検出のための圧力計7及び温度検出のための温度計8も接続されている。
前記反応炉本体1の底部には、プラズマ空間5を形成し、電磁波のエネルギーを増幅するための増幅材6が収納され、この増幅材6及び反応炉本体1を加熱すると同時にプラズマ空間5を加熱するための電気ヒータ9が反応炉本体1の下半部側壁および底壁に設けられている。この電気ヒータ9もコントローラCに接続されている。なお、反応炉本体1の周囲は、断熱材10で被われている。また、反応炉本体1内には、図2に示すように、フィン体40が収納され、このフィン体40は、上下の水平板42、42と、その間の垂直板41からなる。前記フィン体40は、反応炉本体1の材料と同一の材料(SUS材)からなっており、前記水平板42と垂直板41からは反応炉本体1の加熱に伴って電磁波r1、r1が放射され、放射された電磁波を反射させて多くの定常波が作られる。これと共にフィン体40は熱伝達の作用をしてプラズマ空間5の温度を均一化する。
2.電磁波の発生
本発明の根幹的技術的思想は、電磁波を発生させこの電磁波を増幅させて大エネルギーの電磁波を生じさせることにあり、如何に周波数の高い電磁波を発生させるかが重要となる。
しかも、発生する電磁波をその両端が固定されている定常波とすると、そのエネルギーは通常の電磁波の周波数の2乗に比例することになる。したがって、以下に示すような電磁波発生システムが好ましい。そのためには、図1に示すように、内壁面1aで密閉空間を形成しその内壁の外面を電気ヒータ9で加熱して密閉空間内部に電磁波を放射することが考えられる。図1においては、ステンレス材に加えて、その内面に形成された黒鉛膜2も加熱されるので、プランク(量子力学の学者)の黒体放射が行われる。
前記反応炉本体1は、密閉性がよく外部から空気が侵入しないことが必要であるので、強度の関係でステンレス材の内側にカーボン膜2を形成することが好ましい。金属の加熱による電磁波の発生において、ステンレスの場合に200~400℃で周波数10910程度のマイクロ波が発生し、400℃~600℃で周波数101314程度の遠赤外線、赤外線が発生し、700℃以上で周波数1015程度の可視光線が発生する。
エネルギーの大なる電磁波の発生(周波数の大きなもの)はステンレス材よりも、鉄材、カーボン材、銅材、アルミ材の方が好ましいが、耐熱性、耐酸化性及び強度の観点からはステンレス材が使用される。電磁波を発生するのは反応炉の内壁面1aのみでなく、前記増幅材からも発生する。増幅材としては、代表的なものは、アルカリ金属のうちのナトリウム(Na)、カリウム(K)又は遷移金属の中の電磁波に対して活性なアルミニウム、チタンであり、これらの原子は加熱されると格子振動により励起されて電磁波を放射するとともに内壁面1a及び黒鉛膜2からの電磁波により励起され、その遷移時に新たに電磁波(光)を放射する。この電磁波は、周囲の原子を励起し、更に電磁波を放射し、周波数の低いものから高いものまで温度に応じて放射され、温度が高い程、電磁波のエネルギーは大きくなる。
前記増幅材6からの電磁波の発生は、図3に示すように黒鉛膜2に増幅材6を直接置いて電気ヒータ9の熱を効率よく伝達することが好ましく、図4に示すように反応炉本体1内に複数の電気ヒータ100、100…100を配置し、この上にトレー101を載置し、このトレー101内に増幅材6を入れておいても、効率よく増幅材6を加熱することができる。更に、図5に示すように反応炉本体1内に熱ガスを通すガス筒102を設け、このガス筒102の横腹に受け103、103を設け、この受け103に増幅材6を入れておくと、増幅材6を効率よく加熱できる。なお、電磁波の発生は、反応炉本体1の外側に電磁波発生装置を設け、そこから炉内に電磁波を導いてもよい。
3.反応炉本体1の材質
反応炉本体1の材質としては、高温に耐えて酸化膜が生じ難いものがよく、一般的には耐熱、耐蝕性の観点からステンレス材(SUS304、310)が望ましい。また、加熱すると(300~600℃)、電磁波を放射するものがよく、その点、鉄(Fe)又はセラミックスでもよい。更に、耐熱性、耐蝕性、電磁波放射性の観点からは、黒鉛を型成形したカーボン筒のようなものでもよい。更にまた、ステンレス板上に黒鉛を溶射して付着させたものは、酸化膜の形成を有効に防止するとともにステンレスと黒鉛の両方からの電磁波が放射され、ステンレスから放射された電磁波が黒鉛の炭素原子を励起して周波数の高い赤外線を放射する。更にまた、ステンレス壁上に溶射によりモリブデン(Mo)膜を形成すると、プラズマ空間5内の電子が高速でモリブデン膜に衝突してX線を放射させることができ、プラズマ空間5のエネルギーを増大させる。したがって、高エネルギーの電磁波の発生という観点からは鉄材、カーボン材、鋼材、アルミニウム材、ステンレス材が好ましい。
図6は各種金属の板材105を電気ヒータ106上に載せ、温度の変化における電磁波の強度を強度計107による測定システムを示すものであり、その結果は下記の如くである。
・材質 ・平均電磁波強度
鉄 0.361mw/m2
カーボン 0.238mw/m2
銅 0.118mw/m2
アルミニウム 0.087mw/m2
ステンレス 0.067mw/m2
これによると、エネルギーの高い電磁波を放射させるには、鉄が最も好ましいことが判明した。
4.増幅材の種類
前記増幅材6はプラズマ空間5の中で発生している電磁波のエネルギーを増幅させるためのもので、増幅とは、周波数は変化しないが、電磁波の数(光子数)が増える場合と、電磁波の周波数を増大せしめる場合がある。
過去十数年に亘って、開発者は実験を繰り返してきたが、種々の気体、例えば水蒸気(H2O)、炭酸ガス(CO2),窒素(N2)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)から水素を得るような処理をする場合には、以下のような増幅材をステンレス炉又は鉄炉内に入れた場合に好結果を得ている。
(a)金属ナトリウム(Na)のみを入れた場合。
(b)金属ナトリウムにSUS粉又は鉄粉を加えた場合。
(C)カセイソーダ(NaOH)にSUS粉(SUS304)及び亜鉛粉(Zn粉)を加えた場合。
(d)カセイソーダにアルミニウム粉(Al)を加えた場合。
(e)水酸化カリウム(KOH)にSUS粉(SUS304)又は鉄粉(Fe粉)を加えた場合。
(f)炭酸カルシウム粉(CaCo3粉)のみを加えた場合。
(g)塩化ナトリウム(Nacl)に亜鉛粉又はSUS粉を加えた場合。
(h)アルミニウム粉のみを加えた場合。
このように、種々の増幅材についての実験結果から以下の条件を備える単体元素又は複合元素の組合せが増幅材として適しているものと思われる。
(1)容易に電離して陽イオンを生じ易く、イオン化エネルギーが低いこと。
(2)レーザ媒質を備え、電磁波の誘導放出を行って、エネルギー増幅作用を備えていること。
(3)電子の数が多く、クオンタムジャンプによって、それ自身がX線のような周波数の高い電磁波を発すること。
(4)塩素(cl)、フッ素(F)、酸素(O)等の陰性の元素は、プラズマ反応を阻害するが、これらの陰性元素の弊害を取り除くことができること。
これらの要件を満足する元素を検討すると、(1)の要件を確実に備えるものは、図7に示す通り、長周期表典型元素のアルカリ金属でLi,Na,K,Rb,Cs及びFrであり、NaのみならずKでも確認されている。また、Alも活性でイオン化エネルギーが小さくこれらの元素はすべて活性が高く、高エネルギーの電磁波により再外殻の電子のみでなく、内殻の電子も原子外に飛び出して、2価、3価の陽イオンとなっている可能性が高い。なお、燃料電池の電極に使用され、常温でも電離作用をするPtは、望ましく、これと同族のNi、Pdも(1)の要件を具備する。なお、ステンレスも燃料電池の電極として使用可能であるので、Cr、Feも同様の作用を有する。
(2)の要件を具備するものとして、現在のところ、Na、K、Cr、Al等があげられる。また、長周期表2属典型元素であるCuあるいはMgも、(2)の要件を満足するものと思われる。特にAlは、この作用が大きくジェラムミンの反応を見ると、Cuも同様の作用が大きいものと思われる。
(3)の要件について検討すると、電子の数が多く、クオンタムジャンプが生じる元素には、長周期表の4周期~7周期の元素のうち、K、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Pd、Ag、Sn、Pt、Au、Hg、Pb,Th、U等が挙げられ、特に、気化する温度が低いのがHgである。一般的で取扱い元素としては、Fe、Ni、Cu、Zn、Snであり、フッ素(F)と結合して常温でも気体状態になるThF4、UF6、PuF6は、それ自身放射線を放射し、温度が低くてもプラズマ空間を維持できる。
次に、(4)の要件について検討する。
プラズマ空間の形成により、CO2を処理する場合、プラズマ空間には、プラスC4+イオンとマイナスO2-イオンが、加わることになるが、マイナスO2-イオンは電子を取り込んでプラズマ空間の反応を弱めることとなり、また、水から水素を取る場合には、同じように、マイナスイオン(O2-)がプラズマ空間5の反応を弱めることとなるので、このマイナスO2-イオンを取り除くために、Al、Zn等の元素を増幅材として加えることが望ましい。
なお、実用化という観点から、地球上に大量に存在して手に入り易いこと、価格も適切であり、公害を出さない元素が好ましい。これらの点から、Na、K及びAlが最適な元素と思われる。これらの中のアルカリ金属単体は、取扱いに注意を要するので、これらの水酸化物(NaOH、KOH)又は塩化物(Nacl)を使用することも可能である。しかしながら、NaOH、KOHの場合には、マイナスO2-イオン、Naclの場合には、マイナスcl-イオンに対する対策が必要となるので、そのために、Al、Znを加えて、Al23、ZnO、Al2cl3、Zncl2としてそれらの弊害を除去することが必要である。
なお、プラズマ空間のパワーアップのために、自らプラズマ崩壊をするウラン(U)、プルトニウム(Pu)又はトリウム(Th)を増幅材として使用することも可能である。これら放射性元素はフッ化物(UF6、ThF4、PuF6)とすれば、気体となるので、固体の増幅材の代わりにこれらフッ化物を反応炉内に流入させ、マイナスF-イオンを取り除くために、沸点が低く、気体にしやすい水銀(Hg:沸点356℃)、リン(P:沸点280℃)を気体状態で加えてもよい。
なお、本件の開発者は、図8に示す反応炉200(SUS304製)(直径10cm、高さ30cm)の下半部をマントルヒータ201で加熱し、種々の増幅材202を反応炉200の底面に入れて比較実験を数々試み、供給管203から水、CO2、窒素、アルゴン、ヘリウム等の気体を入れて排気管204からの水素の存在を質量分析器で測定してきたが、増幅材202としてサイコロ状ナトリウム(Na)80g、アルミニウム50gを入れて前記マントルヒータ201を200℃に加熱してCO2を注入して水素の発生が確認できたのが、チャンピオンデータである。この場合に、反応炉200内のプラズマ空間205の温度は100℃前後であった。プラズマ空間205内においては増幅材202の微粒子が一定以上の運動量を備えて運動していることが必要となるが、そのためにはプラズマ空間は100℃以上の温度が必要とすると思われる。
5.プラズマ空間の形成
前記プラズマ空間5は、以下のようにして形成される。なお、増幅材6としては、上述のように種々の材料が使用できるが、最適なものの一つであるナトリウム金属単体を使用した場合について説明する。
1)第1段階(気化)
前記プラズマ空間5は、図3に示すように内壁面1aに囲まれており、内壁面1a上には、黒鉛膜2が付着されており、本体1の底面の黒鉛膜2上にサイコロ状(塊状)の金属ナトリウムが載置されている。金属ナトリウムは一般的に100℃以下で溶融するが、電気ヒータ9を300℃に設定すると、前記内壁面1a、黒鉛膜2は、量子力学的に井戸形ポテンシャルをなし、増幅材としての金属ナトリウムは発生した電磁波により短時間で気化する。
すなわち、一般に金属構造体、炭素材等を加熱すると結晶格子が熱振動し、これにより各格子を構成する元素内の電子も振動する。結晶格子の各元素は自由電子(e-)を失うことからイオンとして振動し、このイオン内の電子及び自由電子も熱振動するので、いわゆる電荷が振動するので、これにより電磁波が発生する。
内壁面1a及び黒鉛膜2からの電磁波は、一般に300℃の加熱では、周波数1010のマイクロ波が発生し、400℃~500℃の加熱では周波数101112程度の遠赤外線が発生する。この電磁波は金属ナトリウムの原子に吸収され、ナトリウム原子の増幅作用により増幅され再び放射される。また、ナトリウム自体が加熱されると、それ自体は電磁波を放射し、この電磁波が近隣の他の原子により増幅される。このようなナトリウム原子による相互の増幅作用により増幅材は局部的に高温となり、短時間でナトリウムが気化し始めその原子の微粒子(第1微粒子群)が反応炉1内を走行する。
前記微粒子は、反応炉1内を高速で走行しているが、その速度は、走行空間の温度に比例し、Na原子の質量をmとすると、平均運動エネルギーの式
Figure 2023116647000002
となり、Na原子の走行速度は、
Figure 2023116647000003
であるので、
Figure 2023116647000004
となり、T=373K(100℃)だと、v≒630m/sとなる。T=473K(200℃)だと、v≒720m/sであり、T=573K(300℃)だと、v≒800m/sであり、T=673K(400℃)だと、v≒860m/sとなる。炉内空間において、微粒子が相互に衝突して反応が活発になるのであるから、炉空間内の温度はある一定以上とする必要がある。前記チャンピオンデータの場合のプラズマ空間の温度は100℃であったので、Na原子は630m/sの速度で走行していたことになる。
2)第2段階(電離・増幅)
次いで、前記原子の中性微粒子の走行中において、プラズマ空間5は所定温度以上(200℃~300℃)に維持され、図9に示すようにNa原子は内壁面1aから放射される電磁波(定常波)又は他のNa原子から放射される電磁波r0、r0…r0により、電離して電子(e-)を電磁波のエネルギーの大きさと光子数(電磁波の数)に応じて1個またはそれ以上各軌道から弾き飛ばしてNa+、Na2+、Na3+、…Nax+、のイオンとする。
図9、10に示すように、反応炉の内壁面からの1本の電磁波r0が、ナトリウム原子イオン(Na+)に吸収されると、そのレーザ媒質により、新たに誘導放出された電磁波r1が、もとの電磁波r0に加わり、電磁波の数が2本となる。この増幅された多電磁波r0、r1は、その近傍のナトリウム原子と相互作用して4本の電磁波を放射する。図11に示すように、それらが炉壁に衝突すると、そこに吸収されて衝突点に存在する電子(e-)を壁面に沿って振動させる。この電子の振動により反射波r2、r2が生じ、これらの動作が光の速さで繰り返される。
今、反応炉本体1の直径D(図9)を10cmとすると、電磁波は1秒間に30億回往復動し、この間に電磁波はNax+イオンと電子e-の両者と相互作用して不確定のタイミングでプラズマ崩壊及びプラズマ結合を生ぜしめるような高エネルギー電磁波を確率的に放射する。
更に、電離、増幅について詳しく述べれば、電離とは図12に示すように、ナトリウム原子の原子核の周囲を回っている電子e-にエネルギーを加え、それを電子軌道から弾き出す作用であり、これによりナトリウム原子がイオン化(Nax+)する。一般に、ナトリウム原子の場合、電子軌道の最外殻であるM殻から電子e-が飛び出し易く、時としてその内側のL核からも飛び出していく。このように、2つの電子e-が飛び出した場合には、Na2+(2価のイオン)が生じる。更に、発生する電磁波のエネルギーが大きい場合には、K殻からの電子e-が原子から飛び出す。このように、3つの電子e-が飛び出した場合に、Na3+(3価)のイオンが生じる。これら、1価、2価、X価のイオンと原子から飛び出した電子e-及び電離していない中性原子Naがプラズマ空間5を形成している(第2微粒子群)。こうして、本体1内の密閉空間をプラズマ空間に変えるが、プラズマ空間5はナトリウムイオンのみならず、電子e-も重要な役割を果たし、高速の電子e-は、中性の電離していないナトリウム原子に衝突してそこから電子e-を飛び出させて電離を推進するばかりでなく、電磁波とも相互作用して電磁波の周波数を高くして高エネルギーを作り出す。更には、高エネルギーによって加速された光の速度の10分の1程度の高速電子e-がナトリウム原子に衝突すると、原子の中に侵入し、原子核nの引力の故に急角度で曲げられてパルス状の電流となり、この電流がX線領域の電磁波r3を発生する場合がある(図13)。
また、図12に示すように、ナトリウム原子のK殻の電子e-が最外殻M殻にクオンタムジャンプをして、元のK殻に戻る場合には、周波数の高い電磁波(X線)が生じる場合もある。
このように、プラズマ空間5は、電子リッチな状態であるが、図14に示すように、高速の電子e-が反応炉本体1の黒鉛膜2に衝突して、そこから二次電子を放出させるばかりでなく、高速のナトリウムイオン(Na+)が壁面に衝突して二次電子e-を放出させることもある。
このとき、壁面から軽くて動き易い電子が早く失われ、そこにイオンが取り残されるための正と負の電荷量の不均衡から空間電荷層が壁面に表れ(シース11)、内壁に向って電位勾配を持つので重いナトリウムイオンNa+が内壁をたたき、これにより二次電子e-の量が増大する。
3)第3段階(プラズマ崩壊・プラズマ結合)
高エネルギーの電磁波の発生により、第2微粒子のナトリウム原子(Nax+、Na)の原子核の核力が遮断されて逐次プラズマ崩壊して陽子(p)と中性子(n)と電子(e-)がバラバラに新たに生じ、第2微粒子群に新たな陽子(p)と中性子(n)と電子(e-)が加わって混合微粒子(第3微粒子群)となる。このとき、陽子と電子(e-)が再結合すれば水素ガスが生じるし、陽子1個と中性子1個の結合も起こり得る。陽子1個と陽子1個の結合は互いに反発力が作用して生じにくい。
核力が遮断されて核子同士が別々に分離することをプラズマ崩壊と呼び、核子同士及び陽子と電子が結合することをプラズマ結合と呼ぶものとする。
従来、核分裂という概念は、原子核に中性子を当てて原子核を2~3個に分離することであり、核融合とは、陽子と陽子、陽子と中性子が結合することを言うが、プラズマ崩壊とは、原子核全体が核子にバラバラに分離することであり、プラズマ結合とは、プラズマ崩壊後の陽子同士、中性子同士、陽子と中性子、陽子と電子との結合を含む概念であり、従来にない新しい概念である。
なお、1~3段階において、増幅材としてNa、ステンレス粉、亜鉛、アルミニウムを加えた場合においては、各微粒子群に、それらの成分原子(Ni、Cr、Fe、Zn、Al)と、それらのイオン(Nix+、Crx+、Fex+、Znx+、Alx+)が加わり、それらは、反応炉1内を500℃以上に加熱したら気化することが、多数の実験により確認されている(増幅材中では、加熱により局部的な極端な発熱が生じる)。
また、増幅材としてNaOH、KOHを使用した場合には、第1微粒子群には、O、H原子、第2微粒子群には、Ox+、H+(陽子)、第3微粒子群には、Ox+イオンの崩壊した陽子(p)、中性子(n)と電子(e-)が加わることになる。
なお、プラズマ崩壊後の陽子と中性子においては、高エネルギーの電磁波に当らない場合に、温度の影響で走行する平均運動エネルギーの式から、それらの走行速度を求めると、200℃では3300m/s、300℃では3800m/s、400℃では4100m/sであり、電子は更に高速となり(陽子、中性子の40倍以上)、プラズマ反応を増進するためには、一定温度以上のプラズマ空間が必要となる。
4)第4段階(気体処理)
第3段階迄は、供給した増幅材の挙動であるが、このプラズマ雰囲気は、希望する気体の処理のためであり、有害な気体、例えば、炭酸ガス(CO2)を供給すると、逐次C原子、O原子に分離されるとともに、それらの原子のイオン(Cx+、Ox+)、中性子(n)、電子(e-)が第3微粒子群に加わり第4微粒子群を構成する。水(H2O)の水蒸気を供給すると、H原子、そのイオンH+(陽子)、O原子、そのイオンOx+、陽子(p)、中性子(n)、電子(e-)が加わるし、窒素ガス(N2)を処理すれば、N原子、それらのイオン(Nx+)、陽子(p)、中性子(n)、電子(e-)が加わることになる。
6.定常波について
前述したように、円筒状の反応炉本体1は量子学的に井戸形ポテンシャルをなし、発生する電磁波は定常波をなし、図9において発生した定常波SWは壁面で反射しつつプラズマ空間を横切って光の速度(30万km/時間)で往復動している。この定常波については、図15に示すように、半波長がケーシング内壁直径Dに等しいときを1次(n=1)の定常波と言い、一波長がケーシング内壁直径Dに等しいときを2次(n=2)の定常波と言い、1.5波長がケーシングの内径直径Dに等しいときを3次(n=3)の定常波と言う。図16に示すように、ケーシングの各温度における発生する電磁波の周波数ν(ν=1/λ:λ=波長)は連続的であるので、n(次数=量子数)は1<n<∞の範囲で存在するが、各温度における同一次数のエネルギーEは、不連続でE=hγ(h×2n)より2nh単位で量子的に変化する。ここでhはプランク定数である。
壁面1aが600℃に加熱されると、赤外線領域(周波数1014付近)の電磁波の定常波が発せられるが、そのときの強度(光子数)Xは、壁面400℃、500℃よりも大きく、それらの間にはhνの整数倍の差がある。したがって、温度が高ければ高い程、放射される定常波の強度は大きくなるので、定常波のエネルギーを高くする観点からは、ケーシング材の耐熱性の許す範囲において温度を高めることが望ましい。
上述したように、電子リッチなプラズマ空間を形成し、発生した定常波が炉壁間を往復動するためには、ケーシング内壁で電子が振動する導電状態を維持しなければならず、内壁に非導電性の酸化膜が生じないようにしなければならない。この点において黒鉛膜2(図1)は望ましく、更に黒鉛膜2は耐熱性も十分である。
7.プラズマ空間の作用
1)定常波の機能
反応炉本体1内に増幅材6を入れて例えば400℃に加熱すると、遠赤外線領域の定常波(周波数1013程度)が発生する。一般に、定常波のエネルギーEに関し、シュレジンガー波動方程式を考察すると、量子数n次(図15)のエネルギーEnは、mを量子の質量とすると、
Figure 2023116647000005
であり、
En=n21 …(2)
となり、定常波のエネルギーEnは量子数(n)の2乗に比例することとなる。
波動のエネルギーEは
E=hν …(3)
であり、定常波のエネルギーにおいては、周波数(ν)の2乗に比例すると言えるので、
E=hν2 …(4)
が成立する。
したがって、1013の周波数を持つ定常波は、通常の電磁波に置き換えると、周波数が1013×2の電磁波と同等のエネルギーを有することとなる。この1026の周波数の電磁波はγ線の領域であり、γ線と同等のエネルギーを有しており、プラズマ空間を飛び回っている各イオンをプラズマ崩壊させるパワーを持っている。したがって、このγ線が各イオンの原子核に衝突若しくは近傍を通ると核力を遮断してプラズマ崩壊させ、陽子と中性子の結合を解く。ところが、γ線の発生も発生したγ線が各イオンに衝突するのも確率であり、各イオンは僅かずつ崩壊し、陽子はH+イオンとして飛び回り、確率的に電子(e-)と再結合して水素ガス(H2)となる。なお、中性子は陽子から離れて10数分するとβ崩壊して陽子となり、結局水素ガス(H2)としてケーシング外に取出すことができる。
このように、増幅材としてNaを使用した場合には、300℃以上でプラズマ空間内でプラズマ崩壊が起きて水素が発生し、温度を600℃近くに上昇させ、処理すべき気体(N2,H2O、CO2、Ar、He)を炉内に投入すると、水素が少しずつ発生する。図17は、Heがプラズマ崩壊するときの状態を示したものであり、原子核C内の2個の陽子P、Pと中性子n、nは核力の破断時に陽子P同士はその反発力により互いに反対方向に離散し、中性子nは反発力がないのでその場に浮遊し、β崩壊して陽子に変わる。
2)プラズマのエネルギー
上述したように、プラズマ空間内では、密閉ケーシングの壁面からの電磁波の定常波の発生、この定常波のレーザ媒質によるエネルギーの増幅(電磁波の光子数を増やす)及び高速電子の作用による周波数の大きい電磁波の発生により高エネルギーが作られるので、プラズマ空間内のイオン、微小原子の崩壊が生じるとともに、炉内に供給される水蒸気、窒素、CO2等の気体中の微小原子がプラズマ崩壊する。プラズマ崩壊のためには、図18に示す各原子の結合エネルギー以上のエネルギーが必要となる。すなわち、図18は、一核子当たりの結合エネルギーを示し、異なる質量数を有する各原子の核力は一核子当たりの結合エネルギーに質量数を掛けたものであり、原子をプラズマ崩壊させるための電磁波の強度(光子数)は核力を上回るとともに、各光子のエネルギーが一核子当たりの結合エネルギーを上回る必要があると思料する。すなわち一定以上の周波数を有する電磁波でなければならない。これは、核力はグルーオンの引張力の二次的表れであり、各核子内のグルーオンの作用を遮断するためには、核子毎の結合エネルギー以上のエネルギーが必要となるからである(一つのグルーオンと一つの核子が対応する。)。
3)エネルギー発生の不確定
プラズマ内でのエネルギーの発生は、確率的に起こり常時継続的に発生しているわけではなく、ハイデルベルグの不確定原理に従って発生する。すなわち、エネルギーの不確定さ(ΔE)と発生時間間隔の不確定さ(ΔT)とは、
Figure 2023116647000006
の関係がある。例えば、1015の周波数の電磁波のエネルギー発生の不確定性は、
Figure 2023116647000007
Figure 2023116647000008
となり、ほぼ1兆分の1の更に1万分の1秒の時間間隔内であれば1015の周波数のエネルギーが発生し得ることとなる。この時の電磁波は定常波の場合、エネルギーは周波数の2乗に比例するので、h×1030(6.626×10-34×1030=6.626×10-4)Jのエネルギーが前記短時間内で起こり得ることとなる。
図24に示すように、高エネルギーが発生すると、次の瞬間、プラズマ崩壊が起こり、吸熱し、これとともに陽子と中性子、中性子と中性子とでプラズマ結合が起こる。再度高エネルギーが短時間発生すると、プラズマ崩壊が起こる。
このように、高エネルギーの発生(発熱)と高エネルギーの吸収(吸熱)を交互に行えば、炉は破壊されない。炉内に気体、例えば窒素ガスを入れると、窒素ガスは不確定のタイミングで崩壊し、水素に次第に変換されていく。なお、発生した高エネルギーの電磁波は、Δt時間で消滅してしまうので、光の速度で進んでも炉外に放射されることはない。窒素の一核子当たりの結合エネルギーは、約7.5MeV(図18)であり、これは、1.2×10-12Jであり、窒素原子では、核子が14個なので、全体の結合エネルギーは、
1.2×14×10-12J → 1.68×10-11Jである。
一核子当りの結合エネルギーはE=hν=1.2×10-12であるので、その周波数νは
ν=1.2×10-12/6.626×10-34→1.8×1021
すなわち、一核子当り1.8×1021の周波数を持つ一つの光子が必要であると同時にこの光子が14個必要となる。この一光子の周波数は定常波であれば
Figure 2023116647000009
で済み、この周波数(マイクロ波領域)を持つ電磁波であれば、窒素の核子1個分をプラズマ崩壊させ、その電磁波の光子が14個以上で窒素の一原子が崩壊することとなる。
なお、Δt以下の間隔で電磁波の大エネルギーの発生が生じるのであるが、このとき、プラズマ崩壊に加えて、プラズマ結合も生じ得る。
4)プラズマ反応
図19において、プラズマ空間5に窒素原子160の核力より大きなエネルギーを有した定常波161が発生し、高速運動している窒素原子に当ったとすると、窒素原子はプラズマ崩壊して7個の陽子162と、7個の中性子163と、7個の電子164に分かれる。このときは、核力に相当する吸熱反応が起こり、定常波161のエネルギーを吸収してしまい反応炉本体1に損傷を与えることはない。プラズマ崩壊においては、陽子162同士は反発力により各方向に飛び出してゆくが、中性子163は電荷をもたないので反発力がなく、熱による運動量を得るのみで反応炉本体1の壁を透過することはなく、実験で中性子測定器165を反応炉本体1に近接して設置してもそれが中性子163を検出することは皆無であった。
分離した陽子162と中性子163とに別の大きなエネルギーを持った電磁波166、166…166が当ったとすると、格子2個が1組を作る合計8組のプラズマ結合が生じる可能性がある。この際、陽子と陽子の組と、陽子と中性子の組と中性子と中性子の組が生じるが、陽子と陽子の組の場合には、それらの反発力以上の運動量を持って互いに核力が作用する5×10-15mの距離まで近接する必要があるので、この結合の確率は極めて低い。しかしながら、中性子と陽子、中性子同士の結合は、反発力が生じないので、陽子と陽子同士の結合よりも確率は高くなる。したがって、一原子の原子核からのプラズマ崩壊からは、必ずしもプラズマ結合が生じるわけではないが、前記第3、第4微粒子群中においては、プラズマ空間5内に無数の原子核が存在するので、プラズマ崩壊に対し、極めて小さな確率ではあるが、プラズマ結合が生じて発熱が生じ得る。このプラズマ結合の数を増加させれば、プラズマ空間5から熱を取り出すことが可能となる。プラズマ結合の数を増加させる手段としては、例えば、中性子源からの中性子、又は水素(H)を反応炉1内に供給して、プラズマ結合の確率を増大させればよい。なお、水素をプラズマ結合させるには、それを電離させて陽子(P)とする必要があり、この時には、吸熱されるが、陽子(P)と中性子(n)とのプラズマ結合の発熱は電離による吸熱を十分に補って発熱作用を行い得る。
なお、上述の場合においては、窒素を反応させたので酸化は問題とならないが、炭酸ガス(CO2)、水蒸気(H2O)をプラズマ空間5内に供給した場合には、供給したすべての原子(C、O、H)が直ちに分離するが、プラズマ崩壊は全ての原子に瞬時に起きるわけではなく、崩壊しなかった酸素の一部は増幅材と酸化して固体の酸化物(Na2O、NaO)を生成し、炉壁1aに酸化物が付着し、電磁波の発生を妨害してしまうことがある。しかしながら、酸化物はプラズマ空間5内では、徐々にプラズマ崩壊して陽子と中性子と電子とを放出する。酸化物のプラズマ崩壊については、図8に示す実験炉にチタン酸カリウムのみを入れて600℃に加熱したら、図20に示すように、長時間、第3微粒子群から水素と水の発生が確認された。すなわち、酸化物はプラズマ空間を形成する増幅材の機能を有し、第3微粒子が発生して少なくとも水素が発生することが判明した。なお、図8において、ステンレス炉200内に増幅材202としてチタン酸カリウム(K2TiO3)のみが入れられ、マントルヒータ201で炉200が加熱され、排気管204から発生気体が採取された。なお、図20において、発生気体中、質量17の気体の種類は明確でないがCH5と判断した。
5)プラズマ空間で発生するエネルギーとプラズマ空間の作用
前記プラズマ空間5内で発生するエネルギーの大きさとプラズマ空間の作用について、実験結果に基いて試算するとともに実験結果を分析する。
(a)実験A
SUS304のステンレス炉(直径10cm、高さ20cm、プラズマ空間容積1570cc)内に50gのサイコロ状の金属ナトリウムを入れ、炉の下半部を電気ヒータで被った(図21)。真空ポンプ(V・p)で炉内を真空(-0.1MPa)とし、その後、加熱して400℃前後のところで圧力計が正圧(0Pa以上)となり、500℃で0.075MPaとなったときにその圧力を解放し、解放された気体を質量分析器で確認したところ水素ガス(H2)であることを確認した(図22)。なお、ここでの温度表示は温度はコントローラ(ヒータ)の表示での温度であり、プラズマ空間の温度は、コントローラの表示の約半分であった。
(b)分析
この事実から、炉内には、当初水素原子は存在しないので、金属ナトリウムの原子の一部がプラズマ崩壊したものとしか考えられない。金属ナトリウムの原子核の一核子当りの結合エネルギーは、約8MeV(図18)であり、これをジュール(J)に換算すると、
8×106(eV)×1.6×10-19(C)→1.28×10-12(J)
となり、ナトリウムは核子が23個であるので、
1.28×10-12×23=2.9×10-11J …(8)
となり、これがいわゆる核力である。
これ以上のエネルギーが加わらなければ、ナトリウムの原子核が崩壊して水素には変換しない。原子核が崩壊すると、その周囲の電子e-は、その中心の原子核の引力がなくなるので分散してしまうが、崩壊した原子核の陽子の一部は近傍の電子と再結合し水素を形成するが陽子の残部は電子と離れて運動しているものと思われる。
このとき、中性子は炉内部に滞留して、10分程度で陽子にβ崩壊する。本件開発者は、実験炉の近傍に中性子測定器とガイガーカウンタを置いて実験を重ねているが、両測定器が、明確に中性子およびγ線を検出したことは皆無であった。γ線が検出されないのは、プラズマ崩壊によって放射性物質が生成されないからである。
ナトリウムの原子核の核崩壊が生じるエネルギーは、(8)式より、2.9×10-11J以上であるが、これ以上のエネルギーを有する電磁波の周波数を求めると、(1)式よりν=E/h であり、これよりνを求めると、
ν=2.9×10-11J/6.6×10-34J・s
≒4.4×1022Hz …(8a)
となる。すなわち、γ線の領域の周波数でなければ、ナトリウム原子核はプラズマ崩壊しないこととなる。このようなエネルギーを持ったγ線が、どのようなタイミングで生じるかは、ハイデルベルグの不確定性原理に基づいて計算される。すなわち、発生エネルギーと時間間隔の関係は
Δt・ΔE≧h(エイチバー)/2
であり、これから
Δt≧h/ΔE×2
となり、
Δt≧1.054×10-34/2.9×10-11×2
であるから、
Δt≧1.81×10-24秒 …(9)
となる。これは、Δtの時間間隔内でΔEの発生が起きており、ΔEが大きくなれば、発生している時間間隔は短くなる。
実験Aでは、真空状態から水素が発生し、500℃で0.075MPaになったのであるから、真空状態からは、0.175MPa増加しているので、このときの水素発生量は、プラズマ空間容積が1750ccであるので、
1750(cc)×1.75(気圧)≒3000cc(3l) …(10)
となり、そのときの水素の分子数(H2)は、
6×1023×3l/22.4l=8×1022(個) …(11)
となり、Hの原子数は、その2倍の1.6×1023個となる。ナトリウムの原子核の陽子数は11であるので、何個のナトリウムの原子が崩壊したかを求めると、
1.6×1023/1l=1.45×1022個 …(12)
となる。
なお、炉内には、50gのナトリウムを入れたので、理論的には、535lの水素が得られることとなり、50g×3/535≒0.3gのナトリウムが消費されたこととなる。
高エネルギー電磁波の発生は、定常波がナトリウム原子に衝突する場合のみならず、ナトリウム原子の増幅作用により発生する場合もある。なお、定常波の場合には、(1)式より壁面から発生した遠赤外線(1013Hz)が、ナトリウム原子に衝突してもそれを崩壊させることができる。
ナトリウム原子を崩壊させることのできる高エネルギーの電磁波は、上述した短時間のみ発生し、そのエネルギーは、ナトリウム原子の崩壊により吸収される。しかも電磁波は光の速さで進み、発生している時間は極短時間(1.81×10-24秒(9)式))であるので、発生した電磁波は、3×10-16m(1ナノ以下)であり、炉外にその電磁波が放射されることはない。また、発生した高エネルギー電磁波の周囲は高熱となるが、直ちにナトリウム原子の崩壊による吸熱が起きるので、炉が破壊されることもない。また、中性子は、ナトリウム原子核の核力が遮断されたときに、自由に運動できるようになるが、陽子との相互作用はないので、大きな運動エネルギーを持つことがなく、炉内に滞留してβ崩壊により陽子となる。
更に、定常波ではない電磁波が、ナトリウム原子の増幅作用で高エネルギーを持つことがあるが、これは、炉壁から発生する遠赤外線(周波数1013Hz)が、対向壁に当たる前にナトリウム原子に衝突する場合、あるいは、ナトリウム原子を出た電磁波が他のナトリウム原子に衝突する場合である。これらの場合には、何回ナトリウム原子と相互作用したらナトリウム原子のプラズマ崩壊を起こすエネルギーを得るかを計算すると、1回の相互作用でエネルギーは2倍となるので、遠赤外線の周波数は1013Hzでナトリウム原子の核崩壊周波数は(8a)式より4.4×1022であるので、
x×1013=4.4×1022 …(13)
これよりx=32となり、32回の相互作用で崩壊エネルギーに達することとなる。
前記反応炉を500℃に加熱すると、図23に示すように、発生する電磁波は、102Hzから1026Hzまで無数に発生し、1013Hz(遠赤外線)のものが最もエネルギーが高く、ピークPを形成する。1013Hz以上の周波数のものは、次第に下降してγ線領域(1020Hz以上)のものは著しく少なくなる。このように、プラズマ崩壊を起こす電磁波の発生は、単に炉壁を加熱したのみでは殆んど起こらず、しかも、発生した電磁波が炉内に供給された原子と衝突する確率も低いため、定常波の存在とレーザ媒質を持つ増幅材が必要である。
以上、実験Aで生じた現象におけるプラズマ空間5の作用をまとめると、プラズマ空間5は、ナトリウムイオン(Na+、Na2+、Na3+)、電離していない中性ナトリウム原子(Na)とイオンから弾き出された電子(e-)と炉壁から出た電子(e-)との混合体で構成され、種々の周波数の電磁波が、炉壁およびナトリウムイオンと中性ナトリウム原子から発生し、これらの電磁波のうち、主として炉壁から放射された遠赤外線以上の周波数を持つ定常波およびナトリウムイオンと中性ナトリウム原子により増幅された高エネルギー電磁波が、炉内でランダムに発生しその電磁波の近傍の微粒子にプラズマ崩壊を起こして吸熱されて消滅する動作を繰り返している。この状態を図24に示している。すなわち、ナトリウム原子が崩壊するエネルギー((8)式より2.9×10-11J)が、例えば1.81×10-24秒((9)式)間発生し(Δt0)、次いで、より高いエネルギーがより短い時間(Δt1)発生して消滅し、更に崩壊エネルギーより小さいエネルギーもΔt2間発生消滅し、次いでΔt2間内で重なって崩壊エネルギーがΔt0間発生する。
(c)実験B
実験Aにおける反応炉に新たにCO2を図22に示すように、正圧計が0(大気圧)から0.1MPa迄1570cc流入せしめたところ、直ちに左回転し、3~4分間で負圧計の-0.07MPaの位置迄回転して停止した。なお、炉温度400~600℃のときに、プラズマ空間の温度は200~300℃であった。この実験を数回行なって再現性があることを確認したが、正圧の時に、炉内の気体を採集して質量分析器で確認したところ、水素であった。この事実を言い換えると、1570ccのCO2が、完全に消えたのみでなく、更に、0.1MPaだけ収納されていた気体(水素と確認)の1570ccの7割(1099cc)も消え、総計2669ccの気体(水素)が消えたこととなる。また、電気ヒータのコントローラは設定温度を600℃にしてあり、炉の温度が600℃を超えると電流が切られるようになっているが、CO2を流入すると630℃(コントローラ表示)くらいまで炉温度が5~6秒で上昇し、2~3分で炉温度が600℃に下降した。なお、この時のプラズマ空間の温度の上下動はコントローラ表示の上下動と近似していた。
(d)実験Bの分析
プラズマ空間内に、CO2が流入されると、CとOとの化学結合は解離され、CとOとの原子に分かれ、Cは固体でOは気体であるが、これらの原子は、逐次プラズマ崩壊して陽子と中性子と電子に分かれ、殆んど容積を持たなくなり、次第に圧力は下がり、やがて負圧となる。この時、陽子と電子との再結合が起こり、水素が発生する場合は有り得るが、電磁波の作用ですぐに電離して真空となる(図25)。
CO2を流入する前は、1570ccの水素が炉内に存在し、その後CO21570ccを供給したので、3140ccのOとHのプラズマ空間内の混合気体(Cは固体)が30℃上昇したことになり、そのときのエネルギーは、水素と酸素の定積モル比熱が20.7なので、
20.7(J/mol・K)×3.14l/22.4l×30℃=87J
…(14)
となる。
このときのエネルギーは、プラズマ崩壊後の陽子と電子の再結合によるものか、陽子同士、中性子同士、陽子と中性子とのプラズマ結合によるものかは定かではないが、そのエネルギーの大きさからすれば、プラズマ結合によるものと考えられる。
プラズマ結合の数は、核子全体のどの位の確率かを計算すると、CO2は1570ccがプラズマ崩壊し、水素は、1570cc×0.7=1099cc電離して陽子となっている。ここで、
CO2の分子数=6×1023×1.57/22.4=0.42×1023
Cの原子数 =0.42×1023
Oの原子数 =0.42×2×1023=0.84×1023
Cの核子数 =0.42×12×1023=5.04×1023
Oの核子数 =0.84×1023×16=13.44×1023
したがって、プラズマ崩壊したCO2の核子は、18.48×1023個となる。
一方、水素1099cc内の陽子数は、
6×1023×1.099l/22.4l≒0.29×1023
となりCO2+H2の核子数は18.77×1023個となり、この核子中において陽子と中性子の組合せが殆んどであると思われ、他の組合せを無視すると、陽子と中性子の一組の結合エネルギーは、図18より1.11MeVであるので、これをジュールに換算すると、
1.11×106×1.6×10-19=1.78×10-13J …(15)
となり、(14)式の87Jは何組の組合せで生ずるかは、
87÷(1.78×10-13)=48.9×1013=4.89×1014組となり、この核子数は、CO2とH2の総核子数に対して、
4.89×1014:18.77×1023=1:3.84×109 …(16)
となり、その確率は、非常に低いことが判る。
(e)実験C
図2における実験炉1内にカーボン100gと棒状ナトリウム50gを入れ、負圧計の-0.1MPaまで真空引し、実験炉1の底部を600℃迄加熱したところ、負圧計の針は殆んど回転せず、気体の発生は認められなかった。そこで、CO2を-0.1MPa(負圧計)から+0.1MPa(正圧計)迄注入したところ、正圧計の針は逆回転(左回転)し、1~2分で負圧計の-0.1Mpaまで到達した。このとき、コントローラの温度計は650℃まで上昇した。すなわち、実験炉1の2倍の容積(1570cc×2=3140ccのCO2が消滅し、このとき、実験炉の底部が50℃上昇していたことになる。
(f)実験Cの分析
プラズマ崩壊後のプラズマ結合によって熱が発生することの証明であるが、実験Bとは若干異なり、増幅材がカーボン(C)とナトリウム(Na)であり、カーボン(C)を加えると、崩壊で生じた陽子、中性子、電子の再結合を阻む作用又は、再結合しても直ちに分離させる作用が大きくなり、結局、CO2が有する陽子、中性子、電子はバラバラの状態で残留し、殆んど容積を持たなくなり、CO2が消滅した状態に見えるのである。
8.プラズマ空間の適用
1)熱源としての適用
上述したように、炉を400~600℃に加熱したときに、プラズマ空間は200~300℃になる。プラズマ空間の温度を600~700℃迄上昇せしめるようにプラズマ結合を生ぜしめ、熱交換器で400℃の熱を外部に取出すようにすれば、プラズマ空間を200~300℃に維持でき、プラズマ反応を維持できる。実験Bの場合では、プラズマ空間温度を400℃上昇させるためには、30℃上昇させるのに87J必要だったのであるから、
87J×400℃/30℃≒1160J …(17)
必要となる。このエネルギー発生に必要な水素原子数と中性子数の組の一核子当りのエネルギーは、(15)式より1.78×10-13Jであるので、必要なプラズマ結合数は、
1160J/1.78×10-13J=6.6×1015個 …(18)
となる。プラズマ結合が起きる確率は、(16)式より1/3.84×109であるので、必要な水素原子数と中性子原子数は、それぞれ
6.6×1015×3.84×109=25.3×1024個 …(19)
となり、これは、水素ガスとしては、941lとなり、この容積の水素ガスを炉内に入れるのは現実的でない。
そこで、図26に示すように、発熱反応炉20内にプラズマ空間21を形成し、反応炉20の壁内に設置した電気ヒータ22によりプラズマ空間21を200~300℃に維持する。前記反応炉20内には、外部に設けた気化炉23で形成されたプラズマ混合体24が送り込まれ、その量は送路25に設けた弁26によって調整される。前記気化炉23の底部には、金属ナトリウム等の増幅材27が、気化炉23の壁内に設置された電気ヒータ28により600~700℃に加熱される。
前記反応炉20のプラズマ空間21内には、プラズマ結合のための水素を噴射する水素噴射筒29a、29aが所定間隔で垂直に対向設置され、両水素噴射筒29には、同一高さ位置に複数の噴射ノズル29a、29a…29aが設けられ、対向した噴射ノズル29aからの圧力水素(10気圧)は、互いに衝突して接近する。図27に示すように、水素の原子直径は10-8cmで、両核子が結合するためには、核力が作用する0.5×10-12cm程度にまで、その距離を縮める必要がある。このとき、プラズマ空間21で発生している高エネルギーの多数の電磁波r1、r1…r1が、水素原子から電子を離し、陽子pを露出させ(電離)、陽子pに直接高エネルギーの電磁波を作用させ、これとともに、近傍の中性子n、nにも電磁波が作用して陽子Pと中性子nが結合される。陽子と陽子の結合はその確率が低く、陽子と中性との結合の方が起こり易い。なお、中性子nは、ナトリウムの崩壊時にプラズマ空間内に存在しており、この中性子も結合するが、水素ガス(H2)に替えて重水素ガス(D2ガス)を加えて、中性子を補給してもよい。
なお、前記反応炉20の天壁には、レーザ光をガイドするためのレーザガイド筒30を設け、このガイド筒30の上端には透明板31が設けられ、レーザ発振器32からのレーザ光33が前記水素噴射筒29間を放射して、両噴射筒29から噴射された陽子と中性子との結合を促進する。このような構成にすれば、プラズマ結合の確立を著しく高めることができる。プラズマ結合の割合の調整は、水素噴射筒27に送るガス圧、ガス量の調節によって行ない、プラズマ空間の温度が600~700℃に維持されるように調節すれば、400℃の温度に相当する熱量を外部に取出してもプラズマ空間温度が200~300℃に維持される。
図28は、プラズマ空間21の温度を200~300℃に維持する調節方法を図示したものである。高エネルギーが発生したとき、プラズマ結合の熱発生により下降温度を600℃で停止するようにし、400℃の熱量を外部に取出してもプラズマ空間温度は200℃に維持される。このようにすれば、電気ヒータ22は、当初のプラズマ空間形成時にのみ使用すればよく、それ以後は、増幅材27の量と圧縮水素送り込み量を適切に調節することにより、一定の熱量を外部に取り出してもプラズマ空間を200~300℃に維持できるので、電気ヒータ22の使用は不必要となる。
2)CO2の処理
図1において、流入筒4からCO2を炉内に流入せしめると、このCO2は、CとOに解離するとともにプラズマ空間内の電磁波と相互作用をして電離する。このとき、Cは、陽イオンC4+と4つの電子e-を発生せしめ、Oは、電子2個を取り込んでO2-イオンとなり(Oは2個で電子を4個取り込む)、プラズマ空間5内のイオン数は増えるが、電子の数は増えない。これらイオン(C4+、O2-)の原子核に高エネルギー電磁波が当たると少しずつ崩壊して水素が発生する。前記両イオンC4+、O2-は、クオンタムジャンプにより補助的に増幅材の作用をするので、補助エネルギー増幅材と言うことができる。炭素Cの一核子当りの結合エネルギーは、7.5MeV(図18)で、核力は7.5×12=90MeVで、Oの一核子当りの結合エネルギーは、Naとほぼ同一で8MeVであり、核力は8×16=128MeVとなり、核力としては、Cの核力はNaの核力(8×23=184MeV)の半分であり、Oの核力はNaのそれの約10分の7であり、いずれの場合もNaよりもプラズマ崩壊を起こし易い。また、CO2全てが直ちにプラズマ崩壊して水素に変わるわけではなく、高エネルギーに触れた原子が逐次変換されていく。したがって、Cと解離したOは、一時に全てが水素に変換されず、変換されていない残りのO原子は、化学的反応により酸化物を生じる。酸化物としては、増幅材のNaとでNaO、Na2Oを生じさせ、炉壁では、黒鉛膜のCと化学反応をしてCO2を生じさせる。前述のNaO、Na2Oは、個体で重いのでプラズマ空間から落下して炉底部に位置するが、炉底部での熱により逐次プラズマ崩壊して水素に変わってゆく。炉壁で生じたCO2は気体であるので、炉内壁が酸化物で被われて電磁波が発生しなくなるということがない。なお、有害物質としてのPCBの分解も可能である。
窒素ガスから水素を取るのは、砂漠の緑化に寄与できる。砂漠には水がないので、空気から窒素を分離して反応炉に流入し、水素を取り出して、燃焼させて熱エネルギーと水蒸気を得、この水蒸気を冷却すれば水となり、このように大量の水を砂漠で手に入れることが可能となり、水で植物を育てて砂漠の緑化に寄与できる。
3)6フッ化ウラン(UF6)又は6フッ化プルトニウム(PuF6)の利用
現在、原子力発電では、反応の前段階で6フッ化ウラン(UF6)が生成され、遠心分離によってU235が作られている。このUF6は気体であり、これをプラズマ空間内に供給すると、ウランU238の一核子当りの結合エネルギーは、7.7MeVであり、その核力は7.7×238=1832.6MeVで、それをジュールに換算すると、2.9×10-10Jとなる。これは、どのくらいの周波数に相当するか計算すると、
ν=E/h=2.9×10-10/6.6×10-34=4×1023 …(19)
となり、遠赤外線(周波数1013)の定常波であれば(ν2のエネルギーに相当する)、プラズマ崩壊を起こせるし、定常波が増幅材の粒子に衝突しなくても、その粒子の増幅効果により生じた高エネルギー電磁波によりプラズマ崩壊を起こすことができる。しかも、プラズマ崩壊時の水素原子(陽子)が、他の原子(Na、O、C原子)より著しく多くなり(一核子の崩壊により92個の陽子が分散する)、中性子も十分に存在し、プラズマ結合の確率も増え、大量の熱が得られる。この際、電離したフッ素(F-)は、陰性元素であり、電子を取り込むので、その弊害を防止するために、主エネルギー増幅材に亜鉛、アルミニウム、チタン等の副エネルギー増幅材を加えることが望ましい。同様に気体の6フッ化プルトニウム(PuF6)も利用可能である。
9.実用的装置
プラズマ反応を利用して熱源として熱を発生して外部に取り出して熱エネルギーとして利用するとともに、同時に発生する水素をエネルギーとして利用するための装置としては、以下のような構造が考えられる。
図29において、プラズマ反応装置M2は、円筒状のステンレス製の本体81を有し、この本体81は内筒82と外筒83とからなり、内外筒間にプラズマ空間84が形成され、内筒82の上端部には、水素バーナ85が支持され、バーナ85からの熱ガスは、保温室88を通り、その上端の排気筒88aから排気される。
この排気は冷却器97により冷却されて水になり、砂漠ではこの水が植物育成に使用される。
前記水素バーナ85には、水素タンク86からの水素が供給され、この水素タンク86には、プラズマ空間84で発生した水素が貯留され、その一部が、補助エネルギー増幅材として、特にプラズマ結合を促進するために供給管98を介してプラズマ空間84内に供給される。なお、補助エネルギー増幅材としては、炭酸ガス(CO2)が適宜供給され、これ自身もプラズマ崩壊して水素を生成し、発生した水素は、回収管87を介して水素タンク86に貯留される。なお、本体81の周囲には、断熱真空室99が形成され、この真空室99の外部に増幅材としての溶融塩をなす液体ナトリウム又はフッ化リチウムの循環系路89が形成され、この系路89をプラズマ空間84の下面に貯留する液体ナトリウム90が循環し、排液管91を出た液体ナトリウムはろ過器92でろ過され、圧送ポンプ93により送り出され、必要に応じてタンク94内の液体ナトリウムは補充されて流入管95からプラズマ空間84内に流入する。なお、プラズマ空間84内には、熱交換器96が伸びており、この熱交換器96は、プラズマ崩壊の吸熱反応とプラズマ結合の発熱反応とのバランスにより発生せしめたエネルギーを外部に取り出し、プラズマ空間84を所望の温度200~300℃に維持する。
図30は、他の実施例を示し、このプラズマ反応装置M3は、ステンレス製の本体201を有し、この本体201の外側は断熱材202で被われている。前記本体201の内側には、炭素を鋳型成形した筒状のカーボン筒203が設置され、このカーボン本体203には、電気ヒータ204が埋め込まれ、このヒータ204はプラズマ空間205の温度調整に使用される。このプラズマ空間205内には、水素を排出する回収管206、補助エネルギー増幅材としての炭酸ガス(CO2)を供給する供給管207が連なっている。また、この実施例では、プラズマ空間205がカーボン筒203内に形成されているので、その内壁が、プラズマ空間205内の酸素イオン(O2-)と反応しても気体のCO2が生じるので、内壁が酸化膜で被われることはない。したがって、CO2と水の処理には、適した実施例と言える。
なお、本体201の底部には、図29と同様に循環系路208からの液体ナトリウム209が供給され、この液体ナトリウム209は、循環系路208内を循環し、前記系路208は、排液管210、ろ過器211、圧送ポンプ212、ナトリウムタンク213および流入管214を有している。
前記カーボン筒203の上にはフレネルレンズ板215で閉塞され、このフレネルレンズ板215は可視光線216をプラズマ空間205に集光しつつ送り込み、前記可視光線216はカーボン筒203の下面に設置された反射錘217によって反射され本体内壁面に吸収され、新たな電磁波を放射する。プラズマ空間205内において、可視光線216は増幅され、プラズマ反応に寄与する。前記主、補助エネルギー増幅材の送り込み量および増幅された可視光線によって発生した熱量は、プラズマ空間内に伸びている熱交換器によって外部に取り出される。
次に、図31、32において、横型のプラズマ反応装置M4は、ステンレス製(SUS304)の反応炉52を有し、この反応炉52は、外筒53と、この外筒53の中心部に配置された内筒61と、この内筒61の外側に内筒61内の燃焼ガスを流して反応炉52を保温するための保温筒67とを有している。前記外筒53と内筒61間にプラズマ空間54が形成され、外筒53と保温筒67間に、保温室60が形成され、保温室60内を、前記内筒61の左端部に挿入された水素バーナ56で燃焼した熱ガスが、保温筒67の右端壁67aで反転して排出口51から排出する。前記反応炉52の左端壁には、CO2の気体を注入するための注入管57と、プラズマ空間54内で生成された水素を排出するための排気筒58が取付けられ、前記外筒53の内壁および内筒61の外周壁には、黒鉛材(カーボン)65、66が付着されている。なお、黒鉛材65、66は、互いに対向して黒体放射が生じ、定常波が生じ易く、酸化膜が生じることがなく、プラズマ空間のエネルギー増幅作用が大きくなり、内筒61の温度より外筒53の温度が100℃以上高くなり、水素バーナの燃焼を押さえても十分なプラズマ反応が行なわれ得る。前記内筒61の外周壁(プラズマ空間54の内壁)には、水平方向に増幅材68を保持するための保持枠59が張出し形成されている。この保持枠59には、反応炉52の右端壁に取付けられた噴射供給装置70により、増幅材68が供給される。前記噴射供給装置70は、噴射管74を有し、この噴射管74には、ホッパ71が接続され、ホッパ71内の増幅材68は、例えば、エヤーガン(図示なし)で、噴射管74に圧力空気を送り込み、弁73を開放してホッパ71から落下する増幅材68をプラズマ空間54内に噴射供給する。なお、噴射供給装置70は、プラズマ反応装置M4の作動開始時と、保持枠59内の増幅材が消耗してしまったときに増幅材を補給する時に使用する。
図33は、大量のCO2を処理する時に適するプラズマ反応装置M5を示し、この装置M5は反応炉本体300を有し、この反応炉本体300内には、例えば、水素バーナ301からの熱ガスをガイドする熱配管302が反応炉内全体に配置され、プラズマ空間303を所定温度に加熱する。炉外には、ナトリウム溶融塩又はフッ化リチウム(LiF)溶融塩が循環する循環装置304が設けられ、この装置304は、ろ過器305と循環ポンプ306を有しており、溶融塩MSは、反応炉300内の上部からシャワー機構307により噴霧され、反応炉下面に設けた受け皿308で集められてろ過器305に送られる。なお、炉内の空間には、溶融塩のシャワーを分散させる分散板309が設けられ、これはシャワーを受けて分散させるパンチングプレートである。処理すべきCO2は、炉本体300の側面に設けた注入管310から注入され、プラズマ崩壊後のプラズマ結合により生じた水素ガスは、取出管311を経て図示しない水素タンクに貯溜される。また、プラズマ結合による発熱が生じた時には、熱交換器312によって熱を取り出すことができる。
図34は、電磁波を発生する機構が異なるプラズマ反応装置M6を示し、この装置M6は反応炉本体400を有し、この本体400の内面は、カーボン壁401で被われ、このカーボン壁内には、プラズマ空間402を所定温度に加熱する電気ヒータ403が設けられている。前記本体400の上部側方には、マイクロ波を発生するマグネトロン装置(電磁波発生装置)404が設けられ、この装置404で発生したマイクロ波は導波管405を経てプラズマ空間402内に送られ、その電磁波は、本体400の天壁から垂下回転する電磁波分散体407(モータ406によって回転される)に当って反射され、各方向に分散される。一方、前記プラズマ空間402は増幅材の微粒子が高速走行する空間であるが、この増幅材の微粒子は、本体外に設けた微粒子発生装置408によってプラズマ空間402内に送り込まれ、前記装置408は、その上面に設けた電子銃409を備え、その下面に載置された増幅材(Na、Al、Zn等)を電子銃409からの電子線によって気化されて適宜送入管410を通してプラズマ空間402内に送られる。前記微粒子発生装置408には、ホッパーh内からの増幅材の粒子が適宜供給される。
前記プラズマ空間406は、カーボン壁401に埋設された電気ヒータ403の作動によって所定温度(微粒子を高速で走行させる温度、200℃程度で600m/s以上になる)に維持され、この温度によってカーボン壁401の内面からも定常波をなす電磁波(遠赤外線)411、411…411が放射され、CO2は、注入管412から送り込まれ、生成されたH2ガスからは、注出管413から取出される。
このように、微粒子発生装置408と電磁波発生装置404を本体400外に設けて、それらの発生量をコントロールしつつ本体内に送り込むことができるので、プラズマ反応の制御が容易となるし、本体400を電磁波発生の為に高温に加熱する必要がなくなる。
本発明は、水素関連事業および発電事業に利用され得る。
1…反応炉本体
1a…炉壁
5…プラズマ空間
6…増幅材
20…反応炉
23…気化炉
27…水素噴射筒
84…プラズマ空間
203…カーボン筒
205…プラズマ空間

Claims (18)

  1. 加熱により電磁波の定常波を放射する壁面で密閉空間を形成し、前記密閉空間を所定温度以上に加熱するとともに密閉空間内に電磁波のエネルギーを増幅する増幅材の微粒子を供給し、前記壁面から放射される電磁波及び前記微粒子自体から他の微粒子に放射される電磁波により前記微粒子を電離させてプラズマ空間を形成し、不確定原理に基づいて高エネルギーの電磁波を発生し、確率的に増幅材の微粒子をプラズマ崩壊させて崩壊された微粒子を陽子、中性子、電子に分離し、次いで分離したこれらの微粒子間において互いに再結合してプラズマ結合を生ぜしめ、前記プラズマ空間内にCO2を供給し、この気体成分の原子をプラズマ崩壊させた後、プラズマ結合するようにしたプラズマ反応方法。
  2. 前記プラズマ反応により分離した陽子と中性子との結合により発熱させてプラズマ空間の温度を高めるようにした請求項1記載のプラズマ反応方法。
  3. 前記発熱作用を増大させるために、前記プラズマ空間に水素を供給して陽子数を増加せしめるか、又は中性子を供給してプラズマ結合を増大せしめる請求項2記載のプラズマ反応方法。
  4. 前記増幅材は、長周期表第1族及び2族の典型元素の少なくとも一種であるか、これらの少なくとも一種を含む化合物である請求項1記載のプラズマ反応方法。
  5. 前記増幅材は、ステンレス、亜鉛、鉄、クロム、アルミニウム、銅、銀、金、パラジウム、白金、マンガン、モリブデン、チタン及びジルコニウムの板状、粉末状、塊状のものの少なくとも一種を含み又は液状のリン又は水銀を含む請求項3記載のプラズマ反応方法。
  6. 電磁波を放射する壁面をステンレス材、黒鉛材、銅材、アルミニウム材のうち、少なくとも一種で構成した請求項1記載のプラズマ反応方法。
  7. 前記増幅材を溶融塩で構成し、プラズマ空間の上部からシャワーで供給し、プラズマ空間の下部にシャワーを集めて再びプラズマ空間の上部に循環させるようにし、前記プラズマ空間内に熱配管を設置してこの熱配管とシャワーとを相互に作用させて増幅材の微粒子を生成するようにした請求項1記載のプラズマ反応方法。
  8. 加熱により電磁波の定常波を放射する壁面が密閉空間を形成するプラズマ反応炉本体と、前記密閉空間を所定温度以上に加熱する加熱装置と、前記密閉空間をプラズマ空間にするために供給されて電磁波のエネルギーを増幅する微粒子からなる増幅材と、前記増幅材から微粒子を発生せしめる微粒子発生装置と、を有し、前記壁面からの定常波と微粒子との相互作用により確率的に高エネルギーを発生せしめ、前記反応炉本体にはCO2が供給されるプラズマ反応装置。
  9. 前記反応炉の壁面は、黒鉛材、ステンレス材、鉄材、アルミニウム材及び銅材のうち、少なくとも一種の材料からなる請求項8記載のプラズマ反応装置。
  10. 前記増幅材は溶融塩からなり、この溶融塩は金属ナトリウム、金属カリウム、及びフッ化リチウムのうちの少なくとも一種からなり、この溶融塩は、外部からプラズマ反応炉のプラズマ空間内に供給され、更にプラズマ反応炉の外部に取出される循環装置によって循環される請求項8記載のプラズマ反応装置。
  11. 前記増幅材は、アルカリ金属を含む化合物と、ステンレス粉、鉄粉、アルミニウム粉、亜鉛粉、銅粉のうち、少なくとも一種との組み合わせからなり、補充可能にプラズマ反応炉内に設置される請求項8記載のプラズマ反応装置。
  12. 前記加熱装置はプラズマ反応炉の壁面内又は外面に設置されるか又はプラズマ反応炉内に設置される電気ヒータである請求項8記載のプラズマ反応装置。
  13. 前記加熱装置は、プラズマ反応炉内に設置され、ガスバーナからの熱ガスを通す熱配管からなる請求項8記載のプラズマ反応装置。
  14. 前記プラズマ空間内に水素噴射筒を対向設置し、この水素噴射筒に圧力水素を供給する請求項8記載のプラズマ反応装置。
  15. 前記プラズマ空間内に熱交換器が設けられ、プラズマ空間内の熱の一部を取り出すようにした請求項14記載のプラズマ反応装置。
  16. 前記微粒子発生装置は、増幅材を受ける炉本体底壁と、この底壁を加熱する加熱装置とからなる請求項8記載のプラズマ反応装置。
  17. 前記微粒子発生装置は、前記本体外に設けられ、増幅材に電子銃による電子を当てて気化させる請求項8記載のプラズマ反応装置。
  18. 前記本体外にマグネトロンからなる電磁波発生装置を設け、この装置からの電磁波は前記プラズマ空間内において各方向に分散放射される請求項8記載のプラズマ反応装置。
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