JP2023116386A - 光源装置および投射装置 - Google Patents

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【課題】光源装置を小型化する。【解決手段】第1の励起光を射出する第1の光源と、前記第1の光源とは別に設けられ、第2の励起光を射出する第2の光源と、任意の光を反射または透過する光合成素子と、前記光合成素子を介して入射する前記第1の励起光で励起され、第1の蛍光を射出する第1の波長変換素子と、前記光合成素子を介して入射する前記第2の励起光で励起され、第2の蛍光を射出する第2の波長変換素子と、を備え、前記光合成素子は、前記第1の蛍光及び前記第2の蛍光の光の経路上に配置され、前記第1の波長変換素子から射出した前記第1の蛍光と前記第2の波長変換素子から射出した前記第2の蛍光とは、前記光合成素子を介して合成され、同一方向に射出される。【選択図】図1-1

Description

本発明は、光源装置および投射装置に関する。
プロジェクタ用の光源装置では、白色光を生成するために、赤色、緑色、黄色、青色等の光を出力する光源が必要となる。光源装置は、光源に、LED(Light Emitting Diode)、レーザ等の固体光源を用いる。ところが、特に緑色、黄色、赤色等の固体光源は、発光効率や温度特性が悪く、明るいプロジェクタとすることが難しい、という問題がある。そこで、従来においては、発光効率のよい青色レーザで蛍光体を励起させることにより、黄色や緑色、赤色等の色を生成する技術が既に多く用いられている。
特許文献1には、高輝度なプロジェクタとすることを目的として、励起光源と蛍光体ホイールを二組用いる技術が開示されている。
特許文献2には、二つの蛍光体から射出する蛍光の角度特性や強度分布を揃えるために、光路長を同じにする技術が開示されている。
しかしながら、従来の技術によれば、蛍光体に励起光を入射させ蛍光体から射出する蛍光を後段に導く光学素子と、二つの蛍光から射出する蛍光を合成する光学素子とが別々に設けられているため、光源装置全体が大型化する、という問題がある。
また、従来の技術によれば、蛍光体に励起光を入射させ蛍光体から射出する蛍光を後段光学系に導く光学素子と、二つの蛍光を合成させる光学素子とが別々に設けられているため、光源装置全体が大型化する、という問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光源装置を小型化することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の励起光を射出する第1の光源と、前記第1の光源とは別に設けられ、第2の励起光を射出する第2の光源と、任意の光を反射または透過する光合成素子と、前記光合成素子を介して入射する前記第1の励起光で励起され、第1の蛍光を射出する第1の波長変換素子と、前記光合成素子を介して入射する前記第2の励起光で励起され、第2の蛍光を射出する第2の波長変換素子と、を備え、前記光合成素子は、前記第1の蛍光及び前記第2の蛍光の光の経路上に配置され、前記第1の波長変換素子から射出した前記第1の蛍光と前記第2の波長変換素子から射出した前記第2の蛍光とは、前記光合成素子を介して合成され、同一方向に射出される、ことを特徴とする。
本発明によれば、光源装置を小型化することができる、という効果を奏する。
図1-1は、第1の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図1-2は、第1の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図2は、各光の光スペクトルの一例を示す図である。 図3は、光分離合成素子の構成を示す図である。 図4は、光分離合成素子の構成の変形例を示す図である。 図5は、光分離合成素子のダイクロイックフィルタ層の透過率スペクトルの一例を示す図である。 図6は、光源装置における各光および各素子の光軸を示す図である。 図7は、光分離合成素子上のレーザスポット位置の一例を示す図である。 図8は、第2の実施の形態にかかる光源装置が備える光分離合成素子の構成を示す図である。 図9は、光分離合成素子のダイクロイックフィルタ層の透過率スペクトルの一例を示す図である。 図10-1は、第3の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図10-2は、第3の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図11-1は、第4の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図11-2は、第4の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図11-3は、第4の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図12-1は、第5の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図12-2は、第5の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図12-3は、第5の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図13は、各光の光スペクトルの一例を示す図である。 図14は、光分離合成素子の構成を示す図である。 図15は、光分離合成素子のダイクロイックフィルタ層の透過率スペクトルの一例を示す図である。 図16-1は、第6の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図16-2は、第6の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図16-3は、第6の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図17は、各光の光スペクトルの一例を示す図である。 図18は、光分離合成素子の偏光分離フィルタ層の透過率スペクトルの一例を示す図である。 図19-1は、第7の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図19-2は、第7の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図20-1は、第8の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図20-2は、第8の実施の形態にかかる光源装置の全体構成を示す図である。 図21-1は、光源装置における課題を示す図である。 図21-2は、光源装置における課題を示す図である。 図22は、レーザ光の偏光方向の定義を示す図である。 図23-1は、第9の実施の形態に係る光源装置の全体構成を示す図である。 図23-2は、第9の実施の形態に係る光源装置の全体構成を示す図である。 図24は、レーザ光源と光均一化素子の形状を例示的に示す図である。 図25は、第10の実施の形態に係る光源装置の全体構成を示す図である。 図26-1は、第11の実施の形態に係る光源装置の全体構成を示す図である。 図26-2は、第11の実施の形態に係る光源装置の全体構成を示す図である。 図27は、第12の実施の形態に係るプロジェクタを示す概略構成図である。
以下に添付図面を参照して、光源装置および投射装置の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1-1および図1-2は、第1の実施の形態にかかる光源装置1の全体構成を示す図、図2は各光の光スペクトルの一例を示す図である。
図1-1および図1-2に示すように、光源装置1は、レーザを射出する二個のレーザ光源11,12と、レーザが照射されると蛍光を射出する蛍光体41,42が設けられた二個の蛍光体ホイール21,22と、任意の光を反射または透過する光分離合成素子31と、を備える。なお、光分離合成素子31は、図1-1および図1-2に示すように、各光路に対して約45度(deg)傾けられて配置される。図1-1および図1-2に示すように、光源装置1は、光均一化素子90に対して光を照射する。光均一化素子90は、光が入射するとミキシングされ均一光にして射出する。光均一化素子90は、例えば、ライトトンネル、ロッドインテグレータ、フライアイレンズなどで構成される。
レーザ光源11,12は、例えばピーク波長が455nmの青色レーザ光源である。第1の光源であるレーザ光源11から射出された青色レーザ(第1の励起光)は、光合成素子である光分離合成素子31を介して、第1の波長変換素子である蛍光体ホイール21の蛍光体41を励起するために用いられる。第2の光源であるレーザ光源12から射出された青色レーザ(第2の励起光)は、ミラー50および光分離合成素子31を介して、第2の波長変換素子である蛍光体ホイール22の蛍光体42を励起するために用いられる。
なお、本実施形態では、レーザ光源としてすべて同じ光源を用いているが、これに限るものではなく、レーザ光源11,12は蛍光体ホイール21,22の蛍光体41,42を励起するものであれば良い。また、光源はレーザ光源に限らず、上記の機能を果たす光源であれば良い。また、本実施形態では、蛍光体ホイール21,22に対して、それぞれ別のレーザ光源用いているが、例えば一つのレーザ光源を光分離合成素子や別のミラーで二つの光路に分離させて各蛍光体ホイール21,22に照射してもよい。
蛍光体ホイール21,22は、モータにより回転駆動される円盤形状である。蛍光体ホイール21は、反射層の上に、レーザが照射されるとレーザよりも長波長の光に変換した蛍光を射出する蛍光体41を備える。蛍光体ホイール22は、反射層の上に、レーザが照射されるとレーザよりも長波長の光に変換した蛍光を射出する蛍光体42を備える。レーザ光源11から射出された青色レーザが光分離合成素子31を介して照射されることにより、蛍光体ホイール21の蛍光体41からは、第1の蛍光である蛍光71が射出される。レーザ光源12から射出された青色レーザがミラー50および光分離合成素子31を介して照射されることにより、蛍光体ホイール22の蛍光体42からは、第2の蛍光である蛍光72が射出される。
蛍光は、反射層の鉛直方向にランバート配光分布をもって反射される。蛍光体ホイール21の蛍光体41には、例えばピーク波長が540nm程度の黄色蛍光体が用いられる。蛍光体ホイール22の蛍光体42には、例えばピーク波長が515nm程度の緑色蛍光体が用いられる。
なお、各蛍光体41,42は、プロジェクタ用照明光として使用したい光の特性に合わせて任意に決めることができる。例えば、蛍光体ホイール21の蛍光体41には、ピーク波長が610nm程度の赤色蛍光体を用いてもよい。また、蛍光体ホイール21の蛍光体41および蛍光体ホイール22の蛍光体42に同一の蛍光体を用いるようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、モータにより回転駆動される円盤形状の蛍光体ホイール21,22を適用したが、これに限るものではなく、放熱板等に直接貼り付けられた固定型蛍光体などであってもよい。ただし、蛍光を射出する際に各蛍光体41,42の温度が上昇することになるので、蛍光体ホイール21,22を回転させることで、冷却効果を得ることができる。
図3は、光分離合成素子31の構成を示す図である。図3(a)は光分離合成素子31の構成を示す側面図、図3(b)は光分離合成素子31の構成を示す平面図である。図3に示すように、光分離合成素子31は、例えばダイクロイックミラーである。ダイクロイックミラーの一方の面は、レーザ光源11から射出された青色レーザ(第1の励起光)が入射するダイクロイックフィルタ層311(第1の部材)である第1の領域と、レーザ光源12から射出された青色レーザ(第2の励起光)が入射するダイクロイックフィルタ層312(第2の部材)である第2の領域とを有する。より詳細には、光分離合成素子31は、例えば可視光を透過するガラス板313をベースに、表面に所望の波長を透過または反射する特性を持つダイクロイックフィルタ層311(第1の部材)とダイクロイックフィルタ層312(第2の部材)がガラス板313の表面を二つに分割するように設けられる。光分離合成素子31は、ガラス板313の裏面に、反射防止コートであるAR(AntiReflection)コート314を備える。ガラス板313の表面そのままだと反射率が数%あり光の損失になるため、ARコート314を備えることにより、反射率を1%以下に抑えるようにしている。
なお、光分離合成素子31は、二つのダイクロイックフィルタ層311,312の間隔はないほうが光利用効率は良いが、二つのダイクロイックフィルタ層311,312の間隔が空いていても良い。二つのダイクロイックフィルタ層311,312の間隔は、0.1mm以下にすると光利用効率が略落ちない。
なお、光分離合成素子31は、必ずしも図3に示すような構成でなくてもよい。図4は、光分離合成素子31の構成の変形例を示す図である。図4(a)は光分離合成素子31の構成を示す側面図、図4(b)は光分離合成素子31の構成を示す平面図である。図4に示すように、光分離合成素子31は、例えば別々のガラス板313a,313b上にダイクロイックフィルタ層311,312がそれぞれ設けられており、二つのガラス板313a,313bをメカ的に保持した構成にしても良い。この場合も、二つのダイクロイックフィルタ層311,312間隔は0.1mm以下とすると光利用効率が良い。
ダイクロイックフィルタ層311,312は、ダイクロイックフィルタ層311,312の透過率の光スペクトル(以下、透過率スペクトルという)を、プロジェクタ用照明光として使用したい光の特性に合わせて任意に決めることができる。なお、光スペクトルとは、光源から射出する光の強度を波長ごとに表した発光特性値である。
ここで、図5は光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311,312の透過率スペクトルの一例を示す図である。図5に示す透過率スペクトルにおいて、縦軸が1となっている波長領域の光は透過し、0となっている波長領域の光は反射する。なお、透過率は、100%または0%でなくてもよいことは言うまでもない。
図5に示すように、本実施形態においては、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311の透過率スペクトルは、おおよそ610nm~の赤色の波長のみを反射し、それ以外を透過するように設計されている。また、本実施形態においては、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層312の透過率スペクトルは、おおよそ475~600nmの緑色波長のみを透過、それ以外を反射するように設計されている。すなわち、第1の領域であるダイクロイックフィルタ層311は、レーザ光源11から射出された青色レーザ(第1の励起光)を透過し、第2の領域であるダイクロイックフィルタ層312は、レーザ光源12から射出された青色レーザ(第2の励起光)を反射する。なお、本実施形態においては、第1の励起光のダイクロイックフィルタ層311に対する偏光方向は略P偏光であり、第2の励起光のダイクロイックフィルタ層312に対する偏光方向は略S偏光である。
図1-1および図1-2に示すように、光源装置1は、正レンズであるレンズ51,56と、負レンズであるレンズ52,57とを備え、レーザを略平行化させる機能と光束を細くする機能を持つ。レンズ51,52は、光分離合成素子31へ入射するレーザ61の光束を細くする第1の光線縮小素子である。レンズ56,57は、光分離合成素子31へ入射するレーザ62の光束を細くする第2の光線縮小素子である。光源装置1は、正レンズであるレンズ53,58と、正レンズであるレンズ54,59とを備え、蛍光体41,42上にレーザを集光させ、蛍光71,72を略平行化させる機能を持つ。レンズ53,54は、蛍光体ホイール21の蛍光体41へ入射するレーザ61を集光し、蛍光71を略平行化する第1の屈折素子である。レンズ58,59は、蛍光体ホイール22の蛍光体42へ入射するレーザ62を集光し、蛍光72を略平行化する第2の屈折素子である。光源装置1は、正レンズであるレンズ55を備え、光均一化素子90に効率よく光が入射するように集光させる機能を持つ。これらのレンズ51~59は、レーザ光源11,12を射出し光均一化素子90に入射する光路において、なるべく光利用効率が良くなるレンズ構成を記載しているが、この構成に限らない。
本実施形態の光源装置1は、二つの蛍光体41,42に励起光を入射させ各蛍光体41,42から射出する各蛍光71,72を後段光学系に導く機能と、二つの蛍光71,72を合成させる機能を一つの光学素子で行うために、光学素子の配置仕方を工夫している。ここで、図6は光源装置1における各光および各素子の光軸を示す図である。図6に示すように、光源装置1は、レーザ光源11から射出されたレーザ61とレーザ光源12から射出されたレーザ62を異なる方向に分離するために、光分離合成素子31上で別々の位置に照射させる必要があるため、レーザ光源11~レンズ52の光軸と、レーザ光源12~レンズ57の光軸と、をずらして配置している。なお、レンズの光軸とは、レンズの回転対称軸と一致する仮想的な直線である。光源の光軸とは、光源の発光面と投影像中心を垂直に結ぶ直線である。投影像中心とは、光源の直後に配置される光学素子に投影される、光源の投影範囲の光強度分布の最小外接円の中心を投影像中心とする。
これにより、レーザ光源11から射出されたレーザ61が光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311に照射され、レーザ光源12から射出されたレーザ62が光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層312に照射される。
一方で、光源装置1は、二つの蛍光71,72を効率よく合成するために、二つの蛍光71,72の光軸を合わせる必要がある。そこで、図6に示すように、光源装置1は、蛍光体41~レンズ53の光軸と、蛍光体42~レンズ58の光軸とを揃えて配置している。また、光源装置1は、蛍光体41~レンズ53の光軸と蛍光体42~レンズ58の光軸との交点と、光分離合成素子31の二つのダイクロイックフィルタ層311,312の境界線が略一致するように配置されている。
レーザ光源11から射出されたレーザ61はレンズ53,54の光軸からずれた方向に入射するが、レンズの屈折力により光軸に角度をなすようにして近づき蛍光体41上に集光される。レーザ光源12から射出されたレーザ62も同様である。
続いて、光源装置1における各光路について説明する。
図1-1に示すように、レーザ光源11から射出されたレーザ61は、レンズ51,52で細い略平行光となり、光分離合成素子31上のダイクロイックフィルタ層311を透過して、蛍光体ホイール21の蛍光体41に照射される。蛍光体ホイール21の蛍光体41はレーザ61によって励起され、蛍光71を射出する。蛍光体41から射出した蛍光71は、ランバート配光分布をもって光分離合成素子31側に射出するため、ダイクロイックフィルタ層311とダイクロイックフィルタ層312に照射され、各ダイクロイックフィルタ層311,312の特性により、赤色光を主とする特定の波長が反射され、光均一化素子90へと向かう。
図1-2に示すように、レーザ光源12から射出されたレーザ62は、レンズ56,57で細い略平行光となり、ミラー50で反射されて光分離合成素子31上のダイクロイックフィルタ層312で反射され、蛍光体ホイール22の蛍光体42に照射される。蛍光体ホイール22の蛍光体42はレーザ62によって励起され、蛍光72を射出する。蛍光体42から射出された蛍光72は、ランバート配光分布をもって光分離合成素子31側に射出するため、ダイクロイックフィルタ層311とダイクロイックフィルタ層312に照射され、各ダイクロイックフィルタ層311,312の特性により緑色光を主とする特定の波長が透過され、光均一化素子90へと向かう。
なお、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311とダイクロイックフィルタ層312とは、コート特性は異なるものの、どちらも600nm~の赤色光を反射する。ダイクロイックフィルタ層311で反射された赤色光とダイクロイックフィルタ層312で反射された赤色光とが合わさることにより、色光81になる。蛍光72とダイクロイックフィルタ層311との関係も同様である。
なお、ミラー50は光源装置1を小型化するために使用しているが設けられなくてもよく、レンズ57から射出したレーザ62が直接光分離合成素子31に入射するように構成しても良い。
本実施形態では、レーザ光源11から射出されたレーザ61をレンズ53,54の光軸に対してずらして入射させるが、このずらし量が大きすぎると、蛍光体ホイール21の蛍光体41上でのレーザ61のスポット形状が歪んだり、レンズ53,54の端に当たったりするなどして、光利用効率が低下することになる。このずらし量をなるべく小さくするためには、光分離合成素子31上のレーザ61、レーザ62のスポット径をなるべく近づけることが必要になる。
ここで、図7は光分離合成素子31上のレーザスポット位置の一例を示す図である。図7に示すように、光分離合成素子31上のレーザ61、レーザ62のスポットは、矩形や楕円形となることが多い。スポット径が長いほうを長軸、スポット径が短いほうを短軸としたとき、ダイクロイックフィルタ層311,312の境界線に対して長軸が略平行となるようにすると、よりスポット径同士を近づけることができる。
このように本実施形態によれば、二つの蛍光体41,42にそれぞれ励起光を入射させ各蛍光体41,42から射出する各蛍光71,72を後段の光学系に導く機能と、二つの蛍光71,72を合成させる機能とを一の光分離合成素子31で行うため、小型な光学装置とすることができる。
また、上述したように、光分離合成素子31は、照明光として利用する光の色を選択する機能も備えている。照明光として利用する光の色は上記で述べた場合に限らず、光分離合成素子31上に設けられたダイクロイックフィルタ層311,312の透過率スペクトルを任意に設定して決めることができる。例えば、色純度をより高くしたい場合は、ダイクロイックフィルタ層の透過率スペクトルが0となる領域をより狭くすれば、色光82はより色純度の高い光となる。このように必要な光のスペクトルによって、任意に光源のスペクトルやダイクロイックフィルタ層の透過率スペクトルを設計することができる。
なお、カラーホイールを用いる別の問題点として、カラーホイールを回転させるためにはモータが必要であるため、寿命や騒音の問題もある。プロジェクタに使用される素子の中でモータの寿命は最も短く、プロジェクタの寿命のボトルネックとなる。現状は、カラーホイールとともに蛍光体ホイールも用いられることが多く、より熱が加わる分、蛍光体ホイールの方が寿命のボトルネックとなっているが、モータを使用しない固定型の蛍光体が多く開発されているため、将来的には固定型蛍光体が主流になることが予想される。そうなったときにカラーホイールを使用しない本発明の方式のメリットがさらに出てくると考えられる。
また、カラーホイールを用いる別の問題点として、ダイクロイックフィルタへの入射角度の問題もある。カラーホイールは、2色の光が混じる時間をなるべく減らすため、光を絞った位置(光のスポットが小さくなる位置)に配置されるのが一般的である。光を絞るためにはレンズで集光する必要があるため、様々な角度で光がカラーホイールに入射することになる。ダイクロイックフィルタは通常、任意の入射角での入射を想定して設計されているため、それと異なる入射角で入射すると透過の光スペクトル特性が変わってしまう。このように様々な角度で入射すると、照明光として利用する光が所望の光スペクトル特性とならない、また、明るさが低下するなどの問題が生じる。本発明の方式ではダイクロイックフィルタを透過させるときに集光させる必要がないため、すべての光をダイクロイックフィルタの設計値通りの角度で入射させることができ、上記の問題が生じない。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、光分離合成素子31の構成が、第1の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図8は、第2の実施の形態にかかる光源装置1が備える光分離合成素子31の構成を示す図である。図8(a)は光分離合成素子31の構成を示す側面図、図8(b)は光分離合成素子31の構成を示す平面図である。図8に示すように、本実施形態にかかる光源装置1が備える光分離合成素子31は、例えば可視光を透過するガラス板313をベースに、表面に所望の波長を透過または反射する特性を持つダイクロイックフィルタ層312と反射防止コートであるARコート314とがガラス板313の表面を二つに分割するように設けられる。また、光分離合成素子31は、ガラス板313の裏面全体に、ダイクロイックフィルタ層311を備える。
ここで、図9は光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311,312の透過率スペクトルの一例を示す図である。図9に示す透過率スペクトルにおいて、縦軸が1となっている波長領域の光は透過し、0となっている波長領域の光は反射する。
図9に示すように、本実施形態においては、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311の透過率スペクトルは、おおよそ610nm~の赤色光のみを反射し、それ以外の光を透過するように設計されている。また、本実施形態においては、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層312の透過率スペクトルは、おおよそ470nmの青色光のみを反射し、それ以外の光を透過するように設計されている。
このような構成の光分離合成素子31を備えた光源装置1によれば、最終的に得られる色光81、82は、第1の実施の形態と同様になる。
具体的には、レーザ光源11から射出されたレーザ61は、ARコート314とダイクロイックフィルタ層311を透過し、蛍光体41に照射される。蛍光体41から射出する蛍光71のうちの赤色を主とする色光81は、ダイクロイックフィルタ層311で反射されて光均一化素子90に導かれる。
レーザ光源12から射出されたレーザ62は、ダイクロイックフィルタ層312で反射されて蛍光体42に照射される。蛍光体42から射出する蛍光72は、ダイクロイックフィルタ層312とARコート314とを透過し、さらにダイクロイックフィルタ層311で緑色を主とする色光82のみが透過され、光均一化素子90に導かれる。
このように本実施形態によれば、ダイクロイックフィルタ層の透過率特性や位置に関わらず、任意の光を得ることができる。
また、第1の実施の形態で説明したダイクロイックフィルタ層のようなバンドパス型のフィルタは、ローパスフィルタやハイパスフィルタに比べて、製造が困難な場合や、コストが高くなる場合がある。本実施形態では、ダイクロイックフィルタ層にはハイパスフィルタとローパスフィルタのみを使用した構成とすることができるため、光源装置のコストを低減できる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、光分割合成素子31の各ダイクロイックフィルタ層311,312が、同一平面上にはないガラス板にそれぞれ設けられる点が、第1の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図10-1および図10-2は、第3の実施の形態にかかる光源装置1の全体構成を示す図である。図10-1および図10-2に示すように、本実施形態の光源装置1は、第1の実施の形態とは異なり、光分割合成素子31の各ダイクロイックフィルタ層311,312が、同一平面上にはないガラス板314a,314bにそれぞれ設けられる。
このような構成により、レーザ光源11から射出されたレーザ61は、ダイクロイックフィルタ層312で反射されて蛍光体42に照射され、レーザ光源12から射出されたレーザ62がダイクロイックフィルタ層311を透過して蛍光体41に照射される。
このような構成の光源装置1によれば、最終的に得られる色光81、82は、第1の実施の形態と同様になる。
このように光分離合成素子31の各ダイクロイックフィルタ層311,312は、同一平面上になくてもよく、所望の照明光が得られればどのように配置しても良い。
このように本実施形態によれば、ダイクロイックフィルタ層311,312を同一平面上に配置しないことにより、実際製造するときに、ダイクロイックフィルタ層311,312をそれぞれ備える二つのミラーを接して保持する際に、振動などでミラー同士がこすれて欠ける等の問題を回避することができる。
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態は、レーザ光源11とレーザ光源12の光軸が図面方向に対して垂直方向にずれている点が、第1の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第4の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図11-1ないし図11-3は、第4の実施の形態にかかる光源装置1の全体構成を示す図である。なお、図11-3は図11-1を光均一化素子90側から見た図である。また、図11-3においては、見やすさのため、光均一化素子90とレンズ55とは図示していない。
図11-1ないし図11-3に示すように、本実施形態の光源装置1においては、第1の実施の形態とは異なり、光分割合成素子31のダイクロイックフィルタ層311とダイクロイックフィルタ層312とが図面方向に対して垂直方向に並んでおり、それに伴いレーザ光源11とレーザ光源12の光軸も図面方向に対して垂直方向にずれている。
図11-3に示すように、レーザ光源11から射出されたレーザ61は、上側のダイクロイックフィルタ層311を透過し、レンズ53,54の上側を通って光軸に角度をなすようにして進み、蛍光体41に照射される。なお、図示していないが、レーザ光源12から射出されたレーザ62は、下側のダイクロイックフィルタ層312で反射されて、レンズ58,59の下側を通って光軸に角度をなすようにして進み、蛍光体42に照射される。
このような構成の光源装置1によれば、最終的に得られる色光81、82は、第1の実施の形態と同様になる。
なお、第1の実施の形態では、レーザ光源11の光軸に対してレーザ光源12の光軸を図面方向にずらすので、光源装置1の図面方向が大きくなる。一方、本実施形態の構成では、レーザ光源11の光軸に対してレーザ光源12の光軸を図面方向に対して垂直方向にずらしているので、図面方向の大きさを抑えることができる。このように、光軸をずらす方向は光源装置のサイズ等によって自由に変えることができる。
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態は、レーザ光源11の波長とレーザ光源12の波長とが異なっている点が、第1の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第5の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図12-1ないし図12-3は、第5の実施の形態にかかる光源装置1の全体構成を示す図、図13は各光の光スペクトルの一例を示す図である。なお、図12-3は図12-1を光均一化素子90側から見た図である。また、図12-3においては、見やすさのため、光均一化素子90とレンズ55とは図示していない。本実施形態においては、レーザ光源11の波長とレーザ光源12の波長とが異なっている。
図14は、光分離合成素子31の構成を示す図である。図14(a)は光分離合成素子31の構成を示す側面図、図14(b)は光分離合成素子31の構成を示す平面図である。図14に示すように、光分離合成素子31は、第1の実施の形態とは異なり、例えば可視光を透過するガラス板313をベースに、表面に所望の波長を透過または反射する特性を持つダイクロイックフィルタ層311のみを備える。
ここで、図15は光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311の透過率スペクトルの一例を示す図である。図15に示す透過率スペクトルにおいて、縦軸が1となっている波長領域の光は透過し、0となっている波長領域の光は反射する。
図15に示すように、本実施形態においては、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311の透過率スペクトルは、おおよそ450~600nmの青~緑色光を透過し、それ以外を反射するように設計されている。つまり、レーザ光源11から射出されたレーザ61は、光分離合成素子31で透過され、蛍光体41に照射され、レーザ光源12から射出されたレーザ62は、光分離合成素子31で反射され、蛍光体42に照射される。それ以降の光路は、第1の実施の形態と同様である。
このように本実施形態によれば、光分離合成素子31の面上に二つのダイクロイックフィルタ層を設ける必要がないため、コストを低減することができる。また、二つのダイクロイックフィルタ層の間隔がないため、蛍光の光利用効率の低下を抑制できる。また、二つのダイクロイックフィルタ層が設けられたガラス板を位置調整する必要がなく製造が簡易的である。
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態について説明する。
第6の実施の形態は、光の偏光を操作して光分離合成を行う点が、第1の実施の形態ないし第5の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第6の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第5の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第5の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図16-1ないし図16-3は、第6の実施の形態にかかる光源装置1の全体構成を示す図、図17は各光の光スペクトルの一例を示す図である。なお、図16-3は図16-1を光均一化素子90側から見た図である。また、図16-3においては、見やすさのため、光均一化素子90とレンズ55とは図示していない。
本実施形態の光源装置1においては、レーザ光源11とレーザ光源12とは、どちらも455nm程度の同じ波長を用いるが、レーザ光源12から射出するレーザ62の光路にのみ偏光変換素子91を備える。偏光変換素子91は、1/2λ板などが用いられ、光の偏光を90度(deg)回転する機能を持つ。なお、本実施形態においては、偏光変換素子91を用いて二つのレーザ光源11,12からの光の偏光の向きを変えるようにしたが、これに限るものではなく、偏光変換素子91を用いずに、二つのレーザ光源11,12からの光の偏光の向きを変えるようにしてもよい。具体的には、レーザ光源は光の偏光の向きがそろっているので、光軸中心に回転させることで任意の偏光にすることができる。すなわち、例えば、レーザ光源11からの光の向きがP偏光のとき、レーザ光源12の向きを90度(deg)回転させて配置するとレーザ光源12からの光をS偏光にすることができる。
レーザ光源11は、P偏光のレーザ61を射出し、光分離合成素子31に照射する。レーザ光源12は、P偏光のレーザ62を偏光変換素子91に向けて射出する。偏光変換素子91は、P偏光のレーザ62をS偏光に変換し、光分離合成素子31に照射する。
図16-3に示すように、光分離合成素子31は、ガラス板313に偏光分離フィルタ層315を備えている。
ここで、図18は光分離合成素子31の偏光分離フィルタ層315の透過率スペクトルの一例を示す図である。図18に示す透過率スペクトルにおいて、縦軸が1となっている波長領域の光は透過し、0となっている波長領域の光は反射する。
図18に示すように、本実施形態においては、光分離合成素子31の偏光分離フィルタ層315の透過率スペクトルは、S偏光の光とP偏光の光とで異なるように設計されている。S偏光の光は、おおよそ475~600nmの緑色光を透過し、それ以外を反射する。P偏光の光は、おおよそ600nm~の赤色光を反射し、それ以外は透過する。つまり、S偏光のレーザ62は光分離合成素子31で反射され、蛍光体42に照射され、P偏光のレーザ61は、光分離合成素子31を透過し、蛍光体41に照射される。それ以降の光路は、第1の実施の形態と同様である。
このように本実施形態によれば、光分離合成素子31の面上に二つのダイクロイックフィルタ層を設ける必要がないため、コストを低減することができる。また、二つのダイクロイックフィルタ層の間隔がないため、蛍光の光利用効率の低下を抑制できる。また、二つのダイクロイックフィルタ層が設けられたガラス板を位置調整する必要がなく製造が簡易的である。
(第7の実施の形態)
次に、第7の実施の形態について説明する。
第7の実施の形態は、レーザが蛍光体ですべて蛍光に変換されず、一部のレーザが蛍光体から射出する点が、第1の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第7の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図19-1および図19-2は、第7の実施の形態にかかる光源装置1の全体構成を示す図である。図19-1および図19-2に示すように、蛍光体ホイール21の蛍光体41で変換されなかったレーザ61は、レンズ53,54の光軸に角度をなして離れる方向に進み、光分割合成素子31のダイクロイックフィルタ層312で反射されて、光均一化素子90へ向かう。一方、蛍光体ホイール22の蛍光体42で変換されなかったレーザ62は、レンズ58,59の光軸に角度をなして離れる方向に進み、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311で透過されて、光均一化素子90へ向かう。
このように本実施形態によれば、一部のレーザは波長変換されずに青色光のまま光均一化素子90へ入射するため、色光81および色光82と合わせて白色光を生成することができる。これは、第1の実施の形態~第4の実施の形態にも適応可能である。
(第8の実施の形態)
次に、第8の実施の形態について説明する。
第8の実施の形態は、光分離合成素子31を射出する色光81と色光82に青色光を合成させる点が、第1の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第8の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図20-1および図20-2は、第8の実施の形態にかかる光源装置1の全体構成を示す図である。図20-2は、図20-1を蛍光体ホイール21側から見た図である。
本実施形態にかかる光源装置1は、図20-2の下方向(図20-1の図面奥方向に)第3の光源であるレーザ光源13を備え、第3の励起光であるレーザ63を射出する。
また、本実施形態にかかる光源装置1は、ミラー101、レンズ102,103を備える。ミラー101は、色光81、色光82を透過し、レーザ63を反射する。そのため、レーザ63は、色光81および色光82に合成されて、光均一化素子90へ向かう。
このように本実施形態によれば、レーザ63を色光81および色光82と合わせて白色光を生成することができる。これは、第1の実施の形態~第7の実施の形態にも適応可能である。
(第9の実施の形態)
次に、第9の実施の形態について説明する。
第9の実施の形態は、蛍光体ホイール21に緑色蛍光体、蛍光体ホイール22に黄色蛍光体を用いている点が、第1の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第9の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
まず、第1の実施の形態にかかる光源装置1における課題について説明する。
ここで、図21-1および図21-2は光源装置1における課題を示す図である。図21-1に示すように、理想的には、レーザ光源11を点灯している時間内は、蛍光体ホイール21のみが励起され、色光81のみが光均一化素子90に向かう。また、図21-2に示すように、理想的には、レーザ光源12を点灯している時間内は、蛍光体ホイール22のみが励起され、色光82のみが光均一化素子90に向かう。
しかし、実際には、光分離合成素子31の二つのダイクロイックフィルタ層311,312の反射率・透過率は、完全に100%もしくは0%にすることができず、一般的に95~99%程度となっている。
例えば、図21-1において、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311の透過率が97%(反射率が3%)であるとする。この場合、レーザ光源11を点灯すると、レーザ光源11から射出されたレーザ61のうち97%のレーザ光は蛍光体ホイール21に向かうが、3%のレーザ光は蛍光体ホイール22に向かう。すると、色光81(赤色光)に、わずかに色光82(緑色光)が混じり、赤色光の色純度が低下することになる。
同様に、例えば、図21-2において、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層312の反射率が97%(透過率が3%)であるとする。この場合、レーザ光源12を点灯すると、レーザ光源12から射出されたレーザ62のうち97%のレーザ光は蛍光体ホイール22に向かうが、3%のレーザ光は蛍光体ホイール21に向かう。すると、色光82(緑色光)に色光81(赤色光)が混じり、緑色光の色純度が低下することになる。
さらに、第1の実施の形態にかかる光源装置1の光学系に用いられる光源がレーザ光源11,12であるため、光源装置1においてはレーザ光源に特有な課題がある。
光分離合成素子31の二つのダイクロイックフィルタ層311,312の透過率・反射率は、ランダム偏光での透過率を用いて例えば97%などと表される。しかしながら、実際は、光分離合成素子31の二つのダイクロイックフィルタ層311,312に対する入射レーザ光の偏光方向によって透過率・反射率は異なることになる。以下において、詳述する。
ここで、図22はレーザ光の偏光方向の定義を示す図である。図22(a)に示すように、ダイクロイックミラーに対する偏光方向は、入射光線と反射光線に水平な面に垂直な偏光方向であればS偏光、図22(b)に示すように、平行な偏光方向であればP偏光と呼ばれる。ダイクロイックミラーに対する偏光方向は、一般的に、S偏光のときに反射率が高く、P偏光のときに透過率が高い。このため、ダイクロイックミラーを反射用に用いるときはS偏光で、透過で用いるときにはP偏光で入射させる方が効率がよい。レーザ光源は直線偏光であるため、これを考慮して設計することが求められる。
上述したように、第1の実施の形態にかかる光源装置1では、レーザ光源11からの第1の励起光のダイクロイックフィルタ層311に対する偏光方向は略P偏光であり、レーザ光源12からの第2の励起光のダイクロイックフィルタ層312に対する偏光方向は略S偏光である。
図23-1および図23-2は、第9の実施の形態に係る光源装置1の全体構成を示す図、図24はレーザ光源と光均一化素子の形状を例示的に示す図である。
図23-1および図23-2に示すように、本実施の形態にかかる光源装置1では、レーザ光源11からの第1の励起光のダイクロイックフィルタ層311に対する偏光方向(透過利用)と、レーザ光源12からの第2の励起光のダイクロイックフィルタ層312に対する偏光方向(反射利用)は、同じ偏光方向(第1の実施の形態では略S偏光)としている。このようにレーザ光源11からの第1の励起光のダイクロイックフィルタ層311に対する偏光方向(透過利用)と、レーザ光源12からの第2の励起光のダイクロイックフィルタ層312に対する偏光方向(反射利用)とを同じ偏光方向(略S偏光)にする理由は、下記の通りである。
図24に示すように、レーザ光源11,12の光出射面と光均一化素子90の開口部90aは同一のアスペクト比を有している。すなわち、光均一化素子90の開口部90aの長辺と、光均一化素子90の開口部90aに照射される第1の蛍光の投影像の長辺および光均一化素子90の開口部90aに照射される第2の蛍光との投影像の長辺と、が略平行になる。このようにレーザ光源11,12の光出射面と光均一化素子90の開口部90aは同一のアスペクト比を有するようにしたのは、アスペクト比を合わせて配置するほうが光利用効率を良くすることができるためである。
しかしながら、本実施の形態にかかる光源装置1では、レーザ光源11とレーザ光源12の向きを揃える(=偏光方向を揃える)配置にしており、結果として図21-1で示したような、色純度の低下が起きやすいという課題がある。
図23-1および図23-2に示すように、本実施形態の光源装置1は、蛍光体ホイール21の蛍光体41に、例えばピーク波長が515nm程度の緑色蛍光体を用いる。また、本実施形態の光源装置1は、蛍光体ホイール22の蛍光体42に、例えばピーク波長が540nm程度の黄色蛍光体を用いる。
なお、本実施形態の光源装置1は、蛍光体ホイール21に緑色の蛍光体41、蛍光体ホイール22に黄色の蛍光体42を用いることに応じて光分離合成素子31の二つのダイクロイックフィルタ層311,312の透過率・反射率特性も変えているが、第1の実施の形態~第8の実施の形態と同様の考え方のため、説明は省略する。
このように蛍光体ホイール21に緑色蛍光体、蛍光体ホイール22に黄色蛍光体を用いる理由は、比視感度の違いによる。比視感度とは、光の波長ごとの人の目が感じる明るさの度合いである。具体的には、人間の目は555nm付近の緑色の光を最も明るく感じ、赤色や青色の光は暗く感じる。このため、赤色光に緑色光が混じると、緑色光が人の目に感じやすく、赤の色純度の低下は顕著である。一方で、緑色光に赤色光が混じっても、赤色光は人の目に感じにくいため、緑の色純度の低下は認識されづらい。
そこで、本実施形態の光源装置1は、レーザ光源11の光路においてダイクロイックフィルタ層311に対してS偏光で透過しているため、色純度の低下が起きやすい蛍光体ホイール21に緑色の蛍光体41を配置することで、色純度の低下を実質目立たなくさせるようにしている。
続いて、本実施形態の光源装置1における各光路について説明する。
図23-1に示すように、レーザ光源11から射出されたレーザ61は、レンズ51,52で細い略平行光となり、レーザ光源11から射出されたレーザ61のうち多くのレーザ光は光分離合成素子31上のダイクロイックフィルタ層311を透過して、蛍光体ホイール21の蛍光体41に照射される。蛍光体ホイール21の蛍光体41はレーザ61によって励起され、蛍光71を射出する。蛍光体41から射出した蛍光71は、ランバート配光分布をもって光分離合成素子31側に射出するため、ダイクロイックフィルタ層311とダイクロイックフィルタ層312に照射され、各ダイクロイックフィルタ層311,312の特性により、緑色光を主とする特定の波長の色光81が反射され、光均一化素子90へと向かう。一方、レーザ光源11から射出されたレーザ61のうち少量のレーザ光は、蛍光体ホイール22の蛍光体42に照射される。蛍光体ホイール22の蛍光体42はレーザ61によって励起され、蛍光72を射出する。蛍光体42から射出された蛍光72は、ランバート配光分布をもって光分離合成素子31側に射出するため、ダイクロイックフィルタ層311とダイクロイックフィルタ層312に照射され、各ダイクロイックフィルタ層311,312の特性により赤色光を主とする特定の波長の色光82が透過され、光均一化素子90へと向かう。すると、色光81(緑色光)に、わずかに色光82(赤色光)が混じることになるが、緑色光に赤色光が混じっても、赤色光は人の目に感じにくいため、緑の色純度の低下は認識されづらく、緑色光の色純度が低下することはない。
一方で、図23-2に示すように、レーザ光源12から射出されたレーザ62は、レンズ56,57で細い略平行光となり、ミラー50で反射される。レーザ光源12から射出されたレーザ62のうち多くのレーザ光は光分離合成素子31上のダイクロイックフィルタ層312で反射され、蛍光体ホイール22の蛍光体42に照射される。蛍光体ホイール22の蛍光体42はレーザ62によって励起され、蛍光72を射出する。蛍光体42から射出された蛍光72は、ランバート配光分布をもって光分離合成素子31側に射出するため、ダイクロイックフィルタ層311とダイクロイックフィルタ層312に照射され、各ダイクロイックフィルタ層311,312の特性により赤色光を主とする特定の波長の色光82が透過され、光均一化素子90へと向かう。一方、レーザ光源12から射出されたレーザ62のうち少量のレーザ光は、蛍光体ホイール21の蛍光体41に照射される。蛍光体ホイール21の蛍光体41はレーザ61によって励起され、蛍光71を射出する。蛍光体41から射出した蛍光71は、ランバート配光分布をもって光分離合成素子31側に射出するため、ダイクロイックフィルタ層311とダイクロイックフィルタ層312に照射され、各ダイクロイックフィルタ層311,312の特性により、緑色光を主とする特定の波長の色光81が反射され、光均一化素子90へと向かう。この場合、色光82(赤色光)に、わずかに色光81(緑色光)が混じることになり、赤色光の色純度が低下することになるが、レーザ光源12の光路においてダイクロイックフィルタ層312にてS偏光で反射させているため反射率が高く、赤色光の色純度の低下は少ない。
上述したように、本実施形態の光源装置1は、レーザ光源11の光路においてダイクロイックフィルタ層311に対してS偏光で透過しているため、色純度の低下が起きやすい蛍光体ホイール21に緑色の蛍光体41を配置することで、色純度の低下を実質的に目立たなくさせるようにしている。
このように本実施形態によれば、第1の励起光に基づく第1の蛍光の比視感度を、第2の励起光に基づく第2の蛍光の比視感度よりも高くすることにより、色純度の低下を実質的に目立たなくさせることができる。
なお、本実施形態においては、レーザ光源11からの第1の励起光のダイクロイックフィルタ層311に対する偏光方向(透過利用)と、レーザ光源12からの第2の励起光のダイクロイックフィルタ層312に対する偏光方向(反射利用)とを同じ偏光方向(略S偏光)として説明したが、これに限るものではない。例えば、レーザ光源11からの第1の励起光のダイクロイックフィルタ層311に対する偏光方向(透過利用)と、レーザ光源12からの第2の励起光のダイクロイックフィルタ層312に対する偏光方向(反射利用)とを同じ偏光方向(略P偏光)とした場合には、第2の励起光に基づく第2の蛍光の比視感度を、第1の励起光に基づく第1の蛍光の比視感度よりも高くすることにより、色純度の低下を実質目立たなくさせることができる。
(第10の実施の形態)
次に、第10の実施の形態について説明する。
第10の実施の形態は、レーザ光源11から射出する光路の光分離合成素子31の光照射方向の上流側に偏光変換素子92を備える点が、第1の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第10の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図25は、第10の実施の形態に係る光源装置1の全体構成を示す図である。図25に示すように、本実施形態の光源装置1は、レーザ光源11から射出するレーザ61の光路の光分離合成素子31の光照射方向の上流側に偏光変換素子92を備える。
偏光変換素子92は、例えば1/2λ板であり、偏光方向を90度(deg)回転させる素子である。これにより、レーザ光源11から射出するS偏光がP偏光に変換されるため、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311での透過率は向上し、色純度の低下を抑制できる。
このように本実施形態によれば、色純度の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、レーザ光源11と光分離合成素子31との間に、偏光変換素子92を備えるようにしたが、これに限るものではなく、レーザ光源12と光分離合成素子31との間に、偏光変換素子92を備えるようにしてもよい。
(第11の実施の形態)
次に、第11の実施の形態について説明する。
第11の実施の形態は、レーザ光源11とレーザ光源12と光均一化素子90とがそれぞれ10度(deg)傾いている点、および、レーザ光源11の光路の光分離合成素子31の光照射方向の上流側に偏光変換素子93を備えるとともに、レーザ光源12の光路の光分離合成素子31の光照射方向の上流側に偏光変換素子94を備える点が、第1の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第10の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
ここで、図26-1および図26-2は第11の実施の形態に係る光源装置1の全体構成を示す図である。
図26-1および図26-2に示す光源装置1は、第1の実施の形態に係る光源装置1と比べて、レーザ光源11とレーザ光源12と光均一化素子90とがそれぞれ10度(deg)傾けられて配置されている。光均一化素子90は、プロジェクタ100の照明光学系の画像形成素子(画像表示素子)との兼ね合いにより、傾けて配置されることはよくある。それに合わせて、レーザ光源11およびレーザ光源12も傾けて配置されている。
このようにレーザ光源11およびレーザ光源12を10度(deg)傾けて配置すると、レーザ光源11およびレーザ光源12の偏光方向も10度(deg)傾くことになる。このため、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311に対してレーザ光源11からのレーザ光は、図26-1に示すように、P偏光成分とS偏光成分の両方を有する偏光状態(1)を持つ。また、レーザ光源12からのレーザ光は、図26-2に示すように、P偏光成分とS偏光成分の両方を有する偏光状態(2)を持つ。
加えて、図26-1および図26-2に示すに示す光源装置1は、レーザ光源11の光路の光分離合成素子31の光照射方向の上流側に偏光変換素子93を備えるとともに、レーザ光源12の光路の光分離合成素子31の光照射方向の上流側に偏光変換素子94を備える。
偏光変換素子93は、例えば波長板である。偏光変換素子93は、レーザ光源11からのレーザ光の偏光を、80度(deg)回転させる軸を持つ。これにより、図26-1に示すように、偏光変換素子93は、レーザ光源11からのレーザ光の偏光状態(1)を、P偏光に変換する機能を有する。
偏光変換素子94は、例えば波長板である。偏光変換素子94は、レーザ光源12からのレーザ光の偏光を、10度(deg)回転させる軸を持つ。これにより、図26-2に示すように、偏光変換素子94は、レーザ光源12からのレーザ光の偏光状態(2)を、S偏光に変換する機能を有する。
このように本実施形態によれば、透過利用の光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層312に対してレーザ光源12からのレーザ光をP偏光で入射させることができ、反射利用の光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層312に対してレーザ光源12からのレーザ光をS偏光で入射させることができる。これにより、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311,312への入射光の偏光状態を操作することができ、色純度の低下を抑制することができる。
なお、上記の実施例に限らず、光分離合成素子31のダイクロイックフィルタ層311,312の特性に応じて、入射光の偏光状態は任意に設定することができる。
また、光源のアスペクト比を揃える必要がなければ、光源自体を回転させてP偏光もしくはS偏光を作り出しても良い。
(第12の実施の形態)
次に、第12の実施の形態について説明する。
第12の実施の形態は、第1の実施の形態ないし第11の実施の形態のいずれかの光源装置1を備える画像投影装置である点が、第1の実施の形態ないし第11の実施の形態と異なるものとなっている。以下、第12の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第11の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第11の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図27は、第12の実施の形態に係るプロジェクタ100を示す概略構成図である。
プロジェクタ(投射装置)100は、光源装置1と、光均一化素子90と、照明光学系111と、画像形成素子(画像表示素子)112と、投射光学系113と、を有している。
光源装置1は、例えば、RGBの各色に対応する波長を含んだ光を射出する。
光均一化素子90は、光源装置1から射出された光をミキシングすることで均一化する。より詳細には、光均一化素子90は、入射側面から入射した光束を、反射を繰り返しながら内部を伝搬して射出面から射出する。光均一化素子90は、入射側面から入射した光束を、内部で複数回反射することで、均一な面光源を射出面上に形成する。光均一化素子90としては、例えば、内部を中空にして内面に4枚のミラーを組み合わせたライトトンネル、ガラス等の透明な材料で角柱を形成したロッドインテグレータ、フライアイレンズ等が用いられる。例えば、光均一化素子90としてライトトンネルを適用した場合、画像形成素子(画像表示素子)112のアスペクト比とほぼ同じにして、ライトトンネルの出口の形を画像形成素子(画像表示素子)112の面上に投影する形とするので、画像形成素子(画像表示素子)112の面上に無駄なく効率よく照明することができる。
照明光学系111は、光均一化素子90が均一化した光で照明光学系111を略均一に照明する。照明光学系111は、例えば、1枚以上のレンズや1面以上の反射面等を有している。
画像形成素子(画像表示素子)112は、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、透過型液晶パネル、反射型液晶パネル等のライトバルブを有している。画像形成素子(画像表示素子)112は、照明光学系111により照明される光(光源装置1の光源光学系からの光)を変調することにより画像を形成する。
投射光学系113は、画像形成素子(画像表示素子)112が形成した画像をスクリーン(被投射面)に拡大投射する。投射光学系113は、例えば、1枚以上のレンズを有している。投射光学系113は、画像形成素子(画像表示素子)112の面の像を、所望のスクリーン(被投射面)の位置に拡大像として結像するような共役関係としているので、画像形成素子(画像表示素子)112の面上に空間変調された画像を拡大投射して映し出す。
このように本実施形態によれば、光源装置1を用いるため、小型化されたプロジェクタとすることができる。
なお、上述した各実施の形態では、本発明の好適な実施具体例を示したが、本発明はその内容に限定されることはない。
特に、上述した各実施の形態で例示した各部の具体的形状および数値は、本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例にすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
このように、本発明は、上述した各実施の形態で説明した内容に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更することができる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>
第1の励起光を射出する第1の光源と、
前記第1の光源とは別に設けられ、第2の励起光を射出する第2の光源と、
任意の光を反射または透過する光合成素子と、
前記光合成素子を介して入射する前記第1の励起光で励起され、第1の蛍光を射出する第1の波長変換素子と、
前記光合成素子を介して入射する前記第2の励起光で励起され、第2の蛍光を射出する第2の波長変換素子と、
を備え、
前記光合成素子は、前記第1の蛍光及び前記第2の蛍光の光の経路上に配置され、
前記第1の波長変換素子から射出した前記第1の蛍光と前記第2の波長変換素子から射出した前記第2の蛍光とは、前記光合成素子を介して合成され、同一方向に射出される、
ことを特徴とする光源装置。
<2>
前記光合成素子は、表面に所望の波長を透過または反射する特性を持つ一つの部材を備える、
ことを特徴とする<1>に記載の光源装置。
<3>
前記光合成素子は、表面に所望の波長を透過または反射する特性を持つ、略同一平面上にある複数の部材を備える、
ことを特徴とする<1>に記載の光源装置。
<4>
前記光合成素子は、前記第1の励起光の光路上にある第1の部材と、前記第2の励起光の光路上にある第2の部材と、を備える、
ことを特徴とする<3>に記載の光源装置。
<5>
前記光合成素子は、ダイクロイックミラーであり、
前記ダイクロイックミラーの一方の面は、前記第1の励起光が入射する第1の領域と、前記第2の励起光が入射する第2の領域とを有する、
ことを特徴とする<1>乃至<4>の何れか一に記載の光源装置。
<6>
前記第1の領域は、前記第1の励起光を透過し、
前記第2の領域は、前記第2の励起光を反射する、
ことを特徴とする<5>に記載の光源装置。
<7>
前記第1の励起光の前記第1の領域に対する偏光方向は、略P偏光であり、
前記第2の励起光の前記第2の領域に対する偏光方向は、略S偏光である、
ことを特徴とする<6>に記載の光源装置。
<8>
前記第1の光源と前記光合成素子との間と、前記第2の光源と前記光合成素子との間との少なくとも何れか一方に、偏光変換素子を備える、
ことを特徴とする<7>に記載の光源装置。
<9>
前記光源装置から入射した光を均一化して射出する光均一化素子の開口部の長辺と、前記光均一化素子の開口部に照射される前記第1の蛍光の投影像の長辺および前記光均一化素子の開口部に照射される前記第2の蛍光の投影像の長辺とが、略平行である、
ことを特徴とする<1>乃至<8>の何れか一に記載の光源装置。
<10>
前記第1の励起光の前記第1の領域に対する偏光方向は、略S偏光であり、
前記第2の励起光の前記第2の領域に対する偏光方向は、略S偏光であり、
前記第1の蛍光の比視感度が前記第2の蛍光の比視感度よりも高い、
ことを特徴とする<6>に記載の光源装置。
<11>
前記第1の励起光の前記第1の領域に対する偏光方向は、略P偏光であり、
前記第2の励起光の前記第2の領域に対する偏光方向は、略P偏光であり、
前記第2の蛍光の比視感度が前記第1の蛍光の比視感度よりも高い、
ことを特徴とする<6>に記載の光源装置。
<12>
前記第1の領域と前記第2の領域とは、前記第1の蛍光を反射し、前記第2の蛍光を透過する、
ことを特徴とする<6>に記載の光源装置。
<13>
前記光合成素子は、ダイクロイックミラーであり、
前記第1の励起光の波長と前記第2の励起光の波長とが異なるものであり、
前記第1の励起光と前記第2の励起光とは、前記ダイクロイックミラーの特性により分離される、
ことを特徴とする<1>または<2>に記載の光源装置。
<14>
前記光合成素子は、偏光分離素子であり、
前記第1の励起光の偏光方向と前記第2の励起光の偏光方向とが異なるものであり、
前記第1の励起光と前記第2の励起光とは、前記偏光分離素子の特性により分離される、
ことを特徴とする<1>または<2>に記載の光源装置。
<15>
前記光合成素子は、前記第1の蛍光をフィルタリングすることによる第1の色光への変換と、前記第2の蛍光をフィルタリングすることによる第2の色光への変換と、の少なくとも何れか一方を行う、
ことを特徴とする<1>乃至<14>の何れか一に記載の光源装置。
<16>
前記第1の波長変換素子から射出して前記光合成素子に入射する前記第1の蛍光の光路長と、前記第2の波長変換素子から射出して前記光合成素子に入射する前記第2の蛍光の光路長とは、略同一の光路長である、
ことを特徴とする<1>乃至<15>の何れか一に記載の光源装置。
<17>
前記光合成素子を射出して同一方向に進む前記第1の蛍光と前記第2の蛍光との光束は、少なくとも一部が重なる、
ことを特徴とする<1>乃至<16>の何れか一に記載の光源装置。
<18>
前記光合成素子を射出して同一方向に進む前記第1の蛍光と前記第2の蛍光との光束は、略一致する、
ことを特徴とする<1>乃至<16>の何れか一に記載の光源装置。
<19>
前記第2の光源が射出する前記第2の励起光は、前記第1の光源が射出する前記第1の励起光と同様である、
ことを特徴とする<1>乃至<12>の何れか一に記載の光源装置。
<20>
前記光合成素子へ入射する前記第1の励起光の光束を細くする第1の光線縮小素子と、
前記光合成素子へ入射する前記第2の励起光の光束を細くする第2の光線縮小素子と、
を備えることを特徴とする<1>乃至<19>の何れか一に記載の光源装置。
<21>
前記第1の波長変換素子へ入射する前記第1の励起光を集光し、前記第1の蛍光を略平行化する第1の屈折素子と、
前記第2の波長変換素子へ入射する前記第2の励起光を集光し、前記第2の蛍光を略平行化する第2の屈折素子と、
を備えることを特徴とする<1>乃至<20>の何れか一に記載の光源装置。
<22>
前記光合成素子は、前記第1の屈折素子と前記第2の屈折素子との光軸の交点に備えられる、
ことを特徴とする<21>に記載の光源装置。
<23>
前記光合成素子上の前記第1の励起光のスポット径の長軸方向と、前記光合成素子上の前記第2の励起光のスポット径の長軸方向とは、略平行である、
ことを特徴とする<1>乃至<22>の何れか一に記載の光源装置。
<24>
前記光合成素子上の前記第1の励起光のスポット径の長軸方向と、前記光合成素子上の前記第2の励起光のスポット径の長軸方向とは、前記第1の領域と前記第2の領域との境界面に対して略平行である、
ことを特徴とする<6>に記載の光源装置。
<25>
青色光である第3の励起光を射出する第3の光源と、
前記光合成素子により合成された前記第1の蛍光と前記第2の蛍光とに対して、前記第3の励起光を合成するミラーと、
を備え、
前記第1の蛍光と前記第2の蛍光と前記第3の励起光とは、同一方向に射出される、
ことを特徴とする<1>乃至<24>の何れか一に記載の光源装置。
<26>
前記第1の蛍光と前記第2の蛍光と前記第3の励起光とは、略白色光を形成する、
ことを特徴とする<25>に記載の光源装置。
<27>
<1>乃至<26>の何れか一に記載の光源装置と、
前記光源装置から入射した光を均一化して射出する光均一化素子と、
前記光均一化素子からの光を変調して画像を形成する画像表示素子と、
前記画像を被投射面に拡大投射する投射光学系と、
を備えることを特徴とする投射装置。
1 光学装置
11 第1の光源
12 第2の光源
13 第3の光源
21 第1の波長変換素子
22 第2の波長変換素子
31 光合成素子
51,52 第1の光線縮小素子
53,54 第1の屈折素子
56,57 第2の光線縮小素子
58,59 第2の屈折素子
61 第1の励起光
62 第2の励起光
63 第3の励起光
71 第1の蛍光
72 第2の蛍光
92,93,94 偏光変換素子
100 投射装置
101 ミラー
112 画像表示素子
113 投射光学系
311 第1の部材
312 第2の部材
特許第6406736号公報 特開2018-159837号公報

Claims (27)

  1. 第1の励起光を射出する第1の光源と、
    前記第1の光源とは別に設けられ、第2の励起光を射出する第2の光源と、
    任意の光を反射または透過する光合成素子と、
    前記光合成素子を介して入射する前記第1の励起光で励起され、第1の蛍光を射出する第1の波長変換素子と、
    前記光合成素子を介して入射する前記第2の励起光で励起され、第2の蛍光を射出する第2の波長変換素子と、
    を備え、
    前記光合成素子は、前記第1の蛍光及び前記第2の蛍光の光の経路上に配置され、
    前記第1の波長変換素子から射出した前記第1の蛍光と前記第2の波長変換素子から射出した前記第2の蛍光とは、前記光合成素子を介して合成され、同一方向に射出される、
    ことを特徴とする光源装置。
  2. 前記光合成素子は、表面に所望の波長を透過または反射する特性を持つ一つの部材を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  3. 前記光合成素子は、表面に所望の波長を透過または反射する特性を持つ、略同一平面上にある複数の部材を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  4. 前記光合成素子は、前記第1の励起光の光路上にある第1の部材と、前記第2の励起光の光路上にある第2の部材と、を備える、
    ことを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
  5. 前記光合成素子は、ダイクロイックミラーであり、
    前記ダイクロイックミラーの一方の面は、前記第1の励起光が入射する第1の領域と、前記第2の励起光が入射する第2の領域とを有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  6. 前記第1の領域は、前記第1の励起光を透過し、
    前記第2の領域は、前記第2の励起光を反射する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の光源装置。
  7. 前記第1の励起光の前記第1の領域に対する偏光方向は、略P偏光であり、
    前記第2の励起光の前記第2の領域に対する偏光方向は、略S偏光である、
    ことを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
  8. 前記第1の光源と前記光合成素子との間と、前記第2の光源と前記光合成素子との間との少なくとも何れか一方に、偏光変換素子を備える、
    ことを特徴とする請求項7に記載の光源装置。
  9. 前記光源装置から入射した光を均一化して射出する光均一化素子の開口部の長辺と、前記光均一化素子の開口部に照射される前記第1の蛍光の投影像の長辺および前記光均一化素子の開口部に照射される前記第2の蛍光の投影像の長辺とが、略平行である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  10. 前記第1の励起光の前記第1の領域に対する偏光方向は、略S偏光であり、
    前記第2の励起光の前記第2の領域に対する偏光方向は、略S偏光であり、
    前記第1の蛍光の比視感度が前記第2の蛍光の比視感度よりも高い、
    ことを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
  11. 前記第1の励起光の前記第1の領域に対する偏光方向は、略P偏光であり、
    前記第2の励起光の前記第2の領域に対する偏光方向は、略P偏光であり、
    前記第2の蛍光の比視感度が前記第1の蛍光の比視感度よりも高い、
    ことを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
  12. 前記第1の領域と前記第2の領域とは、前記第1の蛍光を反射し、前記第2の蛍光を透過する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
  13. 前記光合成素子は、ダイクロイックミラーであり、
    前記第1の励起光の波長と前記第2の励起光の波長とが異なるものであり、
    前記第1の励起光と前記第2の励起光とは、前記ダイクロイックミラーの特性により分離される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  14. 前記光合成素子は、偏光分離素子であり、
    前記第1の励起光の偏光方向と前記第2の励起光の偏光方向とが異なるものであり、
    前記第1の励起光と前記第2の励起光とは、前記偏光分離素子の特性により分離される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  15. 前記光合成素子は、前記第1の蛍光をフィルタリングすることによる第1の色光への変換と、前記第2の蛍光をフィルタリングすることによる第2の色光への変換と、の少なくとも何れか一方を行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  16. 前記第1の波長変換素子から射出して前記光合成素子に入射する前記第1の蛍光の光路長と、前記第2の波長変換素子から射出して前記光合成素子に入射する前記第2の蛍光の光路長とは、略同一の光路長である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  17. 前記光合成素子を射出して同一方向に進む前記第1の蛍光と前記第2の蛍光との光束は、少なくとも一部が重なる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  18. 前記光合成素子を射出して同一方向に進む前記第1の蛍光と前記第2の蛍光との光束は、略一致する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  19. 前記第2の光源が射出する前記第2の励起光は、前記第1の光源が射出する前記第1の励起光と同様である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  20. 前記光合成素子へ入射する前記第1の励起光の光束を細くする第1の光線縮小素子と、
    前記光合成素子へ入射する前記第2の励起光の光束を細くする第2の光線縮小素子と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  21. 前記第1の波長変換素子へ入射する前記第1の励起光を集光し、前記第1の蛍光を略平行化する第1の屈折素子と、
    前記第2の波長変換素子へ入射する前記第2の励起光を集光し、前記第2の蛍光を略平行化する第2の屈折素子と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  22. 前記光合成素子は、前記第1の屈折素子と前記第2の屈折素子との光軸の交点に備えられる、
    ことを特徴とする請求項21に記載の光源装置。
  23. 前記光合成素子上の前記第1の励起光のスポット径の長軸方向と、前記光合成素子上の前記第2の励起光のスポット径の長軸方向とは、略平行である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  24. 前記光合成素子上の前記第1の励起光のスポット径の長軸方向と、前記光合成素子上の前記第2の励起光のスポット径の長軸方向とは、前記第1の領域と前記第2の領域との境界面に対して略平行である、
    ことを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
  25. 青色光である第3の励起光を射出する第3の光源と、
    前記光合成素子により合成された前記第1の蛍光と前記第2の蛍光とに対して、前記第3の励起光を合成するミラーと、
    を備え、
    前記第1の蛍光と前記第2の蛍光と前記第3の励起光とは、同一方向に射出される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
  26. 前記第1の蛍光と前記第2の蛍光と前記第3の励起光とは、略白色光を形成する、
    ことを特徴とする請求項25に記載の光源装置。
  27. 請求項1乃至26の何れか一項に記載の光源装置と、
    前記光源装置から入射した光を均一化して射出する光均一化素子と、
    前記光均一化素子からの光を変調して画像を形成する画像表示素子と、
    前記画像を被投射面に拡大投射する投射光学系と、
    を備えることを特徴とする投射装置。
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