JP2023113564A - 記録装置 - Google Patents

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Shunya Sunouchi
正仁 吉田
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Abstract

【課題】 記録装置外への液体漏れを抑制できる。【解決手段】 記録領域において記録媒体に液体を吐出して記録を行う記録ヘッドへと供給される液体を記録領域外において収容する液体収容体と、記録領域外に設けられ、記録ヘッドから液体を吸引する吸引手段を含み、記録ヘッドをメンテナンスするメンテナンス手段と、液体収容体とメンテナンス手段と、の下方に共通して設けられる液体貯留部と、を備える。【選択図】 図4

Description

本発明は、記録装置に関する。
インクを記録ヘッドから媒体へと吐出して記録を行う記録装置において、記録ヘッドへと供給されるインクを貯留する貯留部や記録ヘッドをメンテナンスするメンテナンス部を備えるものが知られている。このような装置の内部においてインク漏れが生じた場合には、そのインクが装置外部へと漏出しないよう対策を講じる必要がある。特許文献1には、装置内でインク漏れが発生する可能性がある箇所にインク吸収体を配置し、インク吸収体にインクが吸収されたことを検知するインク検出部を備える構成が記載されている。
特開2007-160825号公報
しかしながら特許文献1の構成は、インク吸収体に吸収された状態のインクを検出することで装置内のインク漏れを検知するものであるので、インク漏れの発生から検知までにある程度の時間と漏出したインクの量が必要となる。インク漏れの検知までの時間が増大し、漏出したインクの量が増大すると記録装置外へのインク漏れの可能性が高まる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、記録装置外への液体漏れを抑制することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、記録領域において記録媒体に液体を吐出して記録を行う記録ヘッドへと供給される液体を前記記録領域外において収容する液体収容体と、前記記録領域外に設けられ、前記記録ヘッドから液体を吸引する吸引手段を含み、前記記録ヘッドをメンテナンスするメンテナンス手段と、前記液体収容体と前記メンテナンス手段と、の下方に共通して設けられる液体貯留部と、を備えることを特徴とする。
以上の構成によれば、記録装置外への液体漏れを抑制できる。
第1実施形態に係る記録装置の外観斜視図である。 第1実施形態に係る記録装置の内部機構を示す斜視図である。 (A)第1実施形態における容器及びその周辺の構成の概略斜視図である。(B)第1実施形態における容器及びその周辺の構成の模式図である。 第1実施形態における容器および回復ユニットの構成の斜視図である。 (A)第1実施形態における漏れインク貯留部周辺をY方向から見た模式図である。(B)第1実施形態における容器保持ケースおよび回復ユニット保持ケースの外観斜視図である。 第1実施形態における漏れインク貯留部の構成を示す概略上面図である。 第1実施形態に係る記録装置の制御ユニットのブロック図である。
(第1実施形態)
はじめに、本発明に係るインクジェット記録装置の概略について述べる。
<記録装置の概要>
図1は本実施形態に係る記録装置1の外観図である。本実施形態の記録装置1は、液体であるインクを被記録媒体へと吐出して記録を行うインクジェット記録装置である。本実施形態では被記録媒体としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。図中の、矢印X及びYは互いに垂直に交差する水平方向を示し、矢印Zは上下方向(重力方向)を示している。X方向は記録装置1の幅方向(左右方向)である。Y方向は記録装置1の奥行方向である。
記録装置1は、全体として扁平な直方体形状を有しており、装置本体2と、複数のカバーが存在する本体カバー部3とを備える。本体カバー部3は装置本体2を覆うように設けられており、記録装置1の天部を構成している。本実施形態の本体カバー部3には、記録媒体をセットする給紙カバー301、装置内部のメンテナンス作業を行うためのアクセスカバー302、装置のタンクにインクを供給する部分を覆うタンクアクセスカバー303が存在する。
また、原稿の画像を読み取る読取ユニット(スキャナユニット)3aが設けられており、読み取りユニットを3a全体がアクセスカバー302と同様に開閉移動して装置内部のメンテナンス作業を行うことも可能である。記録装置1の前部には記録済みの記録媒体が排出される排出部10が形成されている。記録装置1の前部には、また、操作者の操作を受け付ける操作ユニット36が設けられている。操作ユニット36は、タッチパネル形式の表示部を含み、操作者の入力操作を受け付けるほか、情報を操作者に表示する。
図2は記録装置1の内部機構を示す説明図である。記録装置1は、インクを吐出する記録ヘッド4を備える。本実施形態の記録ヘッド4は液体収容体である容器5から供給されるインクを記録媒体に吐出して記録を行う記録ヘッドである。記録ヘッド4は、インクを吐出する複数のノズル(吐出部)が形成された吐出面4a(図3参照)を有している。各ノズルには、例えば、電気熱変換素子(ヒータ)が設けられており、電気熱変換素子は通電によって加熱してインクを発泡させ、その発泡エネルギーでインクを吐出させる。
記録ヘッド4はキャリッジ6に搭載され、不図示の駆動ユニットによってX方向(主走査方向)に往復移動可能、すなわち+X方向および+X方向と反対の-X方向とに移動可能に支持されている。駆動ユニットはX方向に離間して配置された不図示の駆動プーリ及び従動プーリ7bと、これらのプーリに巻き回された無端ベルト7cと、駆動プーリを回転させる駆動源である不図示のキャリッジモータとを備える。キャリッジ6は無端ベルト7cに連結されており、無端ベルト7cを走行させることで、キャリッジ6がX方向に移動する。キャリッジ6の移動の過程で記録ヘッド4からインクを、記録媒体に吐出することで画像が記録される。記録媒体へと液体を吐出することが可能な領域を記録領域とし、記録領域において記録ヘッド4からインクを吐出しながらキャリッジ6を移動させる動作を記録走査と呼ぶ。
このように本実施形態の記録装置1は、往復移動するキャリッジ6に記録ヘッド4が搭載されたシリアル型のインクジェット記録装置である。しかし、本発明は記録媒体の幅に相当する領域に液体を吐出する複数のノズルが設けられた、いわゆるフルラインヘッドの記録ヘッド(記録ヘッド)を備えたインクジェット記録装置にも適用可能である。
記録装置1は、記録媒体を搬送する給送ユニット8及び搬送ユニット9を備える。給送ユニット8は、バナー状の連続記録媒体Rをロールから供給するロールセット部8cおよび、記録媒体の給送機構(不図示)を含む。給送機構は不図示の給送ローラと、給送ローラを回転させる駆動源である給送モータ8b(図4参照)を備える。
搬送ユニット9は給送ユニット8から給送される記録媒体をY方向(副走査方向)に搬送する機構である。搬送ユニット9は搬送ローラ9aと、搬送ローラ9aを回転させる駆動源である搬送モータ9b(図4)を備える。搬送ローラ9aにはピンチローラ9cが圧接し、これらのニップ部で記録媒体が挟持される。搬送ローラ9aの回転によって記録媒体を記録ヘッド4へ間欠的に搬送する。記録動作は、搬送ユニット9による記録媒体の搬送動作と、記録走査とを交互に繰り返すことで行われる。
<インク供給系及び廃インク回収系の構成>
図2に示すように、本実施形態の場合、容器5は記録装置1に固定された据え置き式の容器である。インク残量が低下した場合、操作者は容器5を記録装置1から取り外すことなく、容器5にインクを補充することで対応する。
容器5C、5M、5Y、5Bkは収容するインク色の数に応じて設けられ、Y方向において前述の記録領域と重複しない位置(記録領域外)に記録装置1の右側面にY方向に並べて配置されている。各容器5C~5Bkの上部はそれぞれ共通のタンクカバー部13で覆われている。
図3(A)は各容器5C~5Bk、バルブ16、記録ヘッド4のみ抜粋した周辺構造を示す斜視図である。各容器5C~5Bkは供給チューブ嘔気によって記録ヘッド4とつながっている。
図3(B)は容器5及びその周辺の構造を模式的に示している。容器5Y、5M、5C、5Bkはインク流路の接続される位置や供給チューブ14の長さに違いはあるものの、基本的に図3(B)に示す構造を有している。容器5は、インクを収容する収容部54と、気液交換部52と、バッファ室53とを備える。バッファ室53は、収容部54内の空気が気圧変動や温度変化等によって膨張したときに、押し出されたインクを収容することができる。容器5の上部には補充用液体(補充用インク)の注入部51が設けられている。注入部51はキャップ部120で閉塞されている。インクの補充時に操作者は、キャップ部120を注入部51から取り外して注入部51を開放した状態でインクの補充作業を行う。キャップ部120は容器5毎に設けられている。
容器5の内部には通路14a、15aが連通している。通路14aは収容部54と連通しており、容器5から吐出ヘッド4へインクを供給する液体供給路(インク供給路)であり、可撓性チューブである供給チューブ14により形成される。通路15aはバッファ室53と連通しており、容器5の内部を大気に連通させる大気連通路であり、可撓性チューブである大気連通チューブ15により形成される。バルブ16は通路14a、15aを開閉する。本実施形態の場合、各容器5C~5Bk各々すべてに専用のバルブ16が設けられている。
気液交換部52は、吐出ヘッド4の吐出面4aよりも高さHだけ低い位置に設けられている。すなわち、吐出面4aに高さH分の水頭差による負圧をかける構成としている。これによって、吐出面4aからインクが漏れ出ることを防ぐことができる。また、バッファ室53は容器5の下部に位置している。これによって、インクが大気連通路15aから漏れ出ることを防ぐことができる。
次に、回復ユニット11は、記録ヘッド4のインク吐出性能を維持(メンテナンス)するメンテナンス動作を行うためのメンテナンス手段であり、キャリッジ6の移動範囲の一端に配置される。回復ユニット11は、記録ヘッド4の吐出面4aを覆うキャップ11aと、キャップ11aを介して記録ヘッド4からインクを吸引するためのポンプ11b等を備える。キャップ11aは、不図示の機構によって吐出面4aを覆う位置と、吐出面4aから離間した位置に変位可能である。キャップ11aによって吐出面4aを覆うことで(キャッピング)、その乾燥を抑制できる。
また、キャップ11aによって吐出面4aをキャッピングした状態でポンプ11bを作動させる吸引動作を行うことにより、記録ヘッド4に付着している増粘インクの除去や、通路14aや記録ヘッド4にインクを充填することができる。通路14aや記録ヘッド4にインクが充填された状態で記録動作を行うと、記録ヘッド4からインクが減少した分だけ(吐出した分だけ)容器5からインクが供給されることになる。本実施形態におけるポンプ11bにはチューブポンプが用いられるが、チューブポンプ以外の構成を用いたポンプでもよい。
また、吐出面4aから吐出あるいは排出されたインクを回収する廃インク回収タンク12を備え、廃インク回収タンク12はドレインチューブ11cによってポンプ11bとつながっている。ポンプ11bを作動させることにより吸引されたインクがドレインチューブ11cを介して廃インク回収タンク12に回収される。
<制御ユニット>
図7は記録装置1の制御ユニット30のブロック図である。MPU31は、記録装置1の各動作の制御やデータの処理などを制御するプロセッサである。MPU31は記憶デバイス32に記憶されたプログラムを実行して記録装置1全体の制御を行う。記憶デバイス32は例えばROMやRAMで構成される。記憶デバイス32には、MPU31が実行するプログラムの他、ホストコンピュータ100から受信したデータ等、処理に必要な各種のデータを格納する。
MPU31はドライバ34aを介して記録ヘッド4を制御する。MPU31はドライバ34bを介してキャリッジモータ7aを制御する。MPU31は、また、ドライバ34c、34dを介して搬送モータ9b、給送モータ8bを制御する。
MPU31は、また、記録装置1に設けられた各種のセンサ群35の検知結果を取得して制御動作を行う。センサ群35には後述の検知センサ35aが含まれる。MPU31は、また、操作ユニット36の表示部の表示制御や、操作ユニット36に対する操作者の操作を受け付ける。
ホストコンピュータ100は、例えば、操作者が使用するパソコンや携帯端末(例えばスマートフォンやタブレット端末等)である。ホストコンピュータ100には、ホストコンピュータ100と記録装置1との間の通信を行うプリンタドライバ101がインストールされている。記録装置1はインタフェース部33を備えており、ホストコンピュータ100とMPU31との通信はインタフェース部33を介して実行される。プリンタドライバ101は例えば、操作者からホストコンピュータ100に対して記録動作の実行が入力された場合に、記録対象の画像のデータや記録に関する設定(記録画像の品位等の情報)を取りまとめて記録装置1に記録動作の実行を指示する。
<インク漏れ検知構成>
記録装置1内部において、供給チューブ14と容器5との不図示の接続部や、ドレインチューブ11cとポンプ11bとの接続部の不良、また、容器5やポンプ11bの一部の破損など不慮のトラブルが生じた場合、インク漏れが発生する可能性がある。インク漏れが生じた状態で操作者が記録装置1を使用し続けると、装置内から外部へとさらにインクが漏れる可能性があるため、漏れたインクを装置内に留める必要がある。また、インク漏れを放置するとインクの漏出が継続してしまうため、インク漏れを検知する構成も必要である。ここでは、本実施形態におけるインク漏れ検知構成について図4~6を参照して説明する。
図4は容器5および回復ユニット11の構成の斜視図である。本実施形態における記録装置1は、容器5C、5M、5Y、5Bkおよび回復ユニット11の下部に漏れインク貯留部(液体貯留部)200を備える。また、液体貯留部内へのインクの漏出を検知する検知手段である検知センサ35a(図5参照)を備える。なお、漏れインク貯留部200に視認窓を設けるなどして、検知センサ35aでの検知と合わせて操作者が視覚的にインク漏れを確認できる構成としてもよい。
図5(A)は、漏れインク貯留部周辺をY方向から見た模式図である。漏れインク貯留部200は貯留室側面(壁部)210aにより貯留室200aと漏れインク貯留室200bとに仕切られており、検知センサ35aは漏れインク貯留室200a内(液体貯留室内)のインクの有無を検知する。検知センサ35aは一対の電極端子によって構成されるセンサであり、漏れインクによって電極端子間が導通することで電気抵抗が変化することによってインク漏れを検知する。本実施形態においては、検知センサ35aは後述の回復ユニット保持ケース202に設けられ、端部が貯留室200a内に延在するように配置される。なお、検知センサ35aは前述の構成に限られず、複数の電極端子を有する構成であってもよいし、その他の構成であってもよい。また、検知センサ35aは容器保持ケース201に設けられてもよいし、そのほかの部品から貯留室200a内へと延在するものであってもよい。
図5(B)は容器保持ケースおよび回復ユニット保持ケースの外観斜視図である。容器5C、5M、5Y、5Bkはそれぞれ桶形状の収容体支持部である容器保持ケース201によりそれぞれ個別に支持され、記録装置1内の所定の位置に保持される。また、回復ユニット11および廃インク回収タンク12も桶形状の回復ユニット保持ケース(吸引手段支持部)202により支持され、記録装置1内の所定の位置に保持される。
容器保持ケース201は、容器5C、5M、5Y、5Bkの各位置に対応する位置にインクの流路としてのインク誘導部201aを有し、回復ユニット保持ケース202は、インク誘導部202a、202b、202cを有する。インク誘導部201a、202a、202b、202cは漏れインク貯留室200aと対向する位置に設けられている。インク誘導部201aは、容器5の底部501と対向する位置に開口する開口部2001を上端とし、後述の漏れインク貯留室200aと対向する位置に開口する開口部2002を下端として規定される。また、インク誘導部201a~cは、回復ユニット11の底部1101と対向する位置に開口する開口部2003を上端とし、漏れインク貯留室200aと対向する位置に開口する開口部2004を下端として規定される。なお回復ユニット保持ケース202に設けられるインク誘導部は3つでなくともよく、1つ以上のインク誘導部が設けられていればよい。また、各容器保持ケース201に設けられるインク誘導部は1つ以上であってもよい。
容器5C、5M、5Y、5Bkのいずれか、もしくは複数の容器5からインク漏れが生じた場合、漏出したインクはまず容器保持ケース201内の下部へと流れる。容器保持ケース201内の下部に到達したインクは、さらにインク誘導部201aへと流れ、インク誘導部201aにより漏れインク貯留室200aに流入するように誘導される。同様に回復ユニット11や廃インク回収タンク12から漏出したインクは回復ユニット保持ケース202の下部へと流れ、インク誘導部202a~cにより漏れインク貯留室200aに流入するように誘導される。このように、本実施形態においてはインク漏れが発生する可能性がある部分の付近にインク誘導部を設け、漏れたインクを第1の漏れインク貯留室200aへと誘導する構成となっている。
なお、容器保持ケース202や回復ユニット保持ケース202の下部にインク誘導路へと傾く傾斜を設けるなどして、漏れインクがインク誘導路へと到達しやすい構成としてもよい。
漏れインク貯留室200aには前述のように検知センサ35aが配置されており、検知センサ35aの端部は、貯留室側面210aの上端部よりも漏れインク貯留室200aの底面に近くなるように配置されている。これにより、漏れインク貯留室200a内にインクが流入した場合に、漏れインク貯留室200a内のインクを検知センサ35aが検知可能となる。また、漏れインク貯留室200a内に流入したインク量が少量の場合でもインク流入の検知を可能とするために、検知センサ35aの端部は漏れインク貯留室200aの底面に近い位置に配置されることが望ましい。
漏れインク貯留室200a内に流入する漏れインクの量が、漏れインク貯留室200aの収容可能量を超えた場合、漏れインクは貯留室側面210aを乗り越えて漏れインク貯留室200bへと流出し、漏れインク貯留室200b内に貯留される。なお貯留室側面210aの一部分の高さを低くすることにより、漏れインク貯留室200aからのインク誘導部(液体誘導部)を設けて漏れインク貯留室200bへのインクの流入位置を制御する構成としてもよい。インク流出部は貯留室側面210aの一部の高さを変える形態に限られず、穴部を設けるなどの構成であってもよい。
記録装置1が傾いた状態でインク漏れが発生した場合においても、漏れインク貯留部200の外へとインクが漏出しないようにする必要がある。そのためには、漏れインク貯留室200bを囲う貯留室側面(壁部)210bより外側へインクが流出することを防ぐ必要があるため、貯留室側面210bの先端部は可能な限り高い位置になるように構成することが望ましい。また、貯留室側面210bの上端部が、貯留室側面210aの上端部の最も低い箇所より高くなるよう構成することにより、貯留室側面210aやインク流出部を乗り越えたインクがさらに貯留室側面210bを乗り越えて装置外に流出することを抑制できる。
したがって、貯留室側面210bの上端部が貯留室側面210aの上端部より高い位置になるように構成されることが望ましい。また、貯留室側面210aに前述のインク流出部が設けられている場合には、貯留室側面210bの上端部がインク流出部より高い位置になるように構成されることが望ましい。
図6は、漏れインク貯留部200の構成を示す概略上面図である。図6中において漏れインク貯留室200aは灰色で塗りつぶされた箇所に位置し、インク誘導部201a、202a、202b、202cは点線丸で示される箇所に位置している。また漏れインク貯留室200bは漏れインク貯留室200aと貯留室側面210aを隔てて隣接している。
ここで、いずれのインク誘導部から漏れインクが漏れインク貯留室200aへと流入した場合においても、インク流入からインク漏れ検知までの時間が同一であるようにしておくと、1つの誘導部についてだけ極端に検知が遅れることがなく好適である。そのためには、各インク誘導部201a、202a、202b、202cの各々と、検知センサ35aとの距離のそれぞれを略同一であるようにしておくとよい。各誘導部とセンサの構造によるものではあるが、例えば検知センサ35aから一つのインク誘導部までの距離をDとしたとき、検知センサ35aから別のインク誘導部までの距離はDの98%から102%とすることがこれに当たる。
一方で、検知センサ35aと各インク誘導部との距離を略同一にすることが困難である場合には、それぞれの距離どうしの差分が最も小さくなる位置に検知センサ35aを配置することが望ましい。これにより漏れインク誘導部のいずれから漏れインク貯留室200aへとインクが流入した場合においても、インク流入からインク漏れ検知までに要する時間の差異を小さくすることができる。さらに漏れインク貯留室200aのインク貯留可能量を少量にすることにより、少量の漏れインク発生でも検知センサ35aによる検知を早期に行うことが可能となる。そのため、可能な限り漏れインク貯留室200aのインク貯留可能量を少量にすることが望ましい。なお検知センサ35aを複数配置することにより、各インク誘導部から流入したインクを早期に検知する構成としてもよい。
記録装置1内におけるインク漏れは前述のような要因により発生するが、特にポンプ11bによる吸引動作中にポンプ11b付近でインク漏れが発生した場合に吸引動作が継続されると漏れインクの量が増大してしまう。本実施形態では検知センサ35aによりインク漏れが検知された際にはポンプ11bが動作中であった場合、記録装置1はポンプ11bの吸引動作を停止させる。また、回復ユニット11が吸引動作を含むメンテナンス動作を行う途中において検知センサ35aによりインク漏れが検知された場合には、メンテナンス動作を停止する構成であってもよい。これにより漏れインクの増大を抑制でき、インク漏れによる被害を抑制することが可能となる。
また、容器5と供給チューブ14との接続部からインク漏れが発生した場合には、記録動作を停止することによりさらなるインク漏れが生じることを抑制できる。したがって、記録ヘッド4による記録動作中にインク漏れを検知した場合、記録装置1が記録動作を停止する構成としてもよい。
一方で、容器5の破損などにより容器5からインク漏れが発生した場合においては、前述のようにポンプ11bの停止や記録動作の停止を行っても容器5内部のインクの水頭差によりインク漏れが継続してしまう。したがって、仮に容器5の破損によりインク漏れが発生した場合においても、漏れインクを記録装置1内に貯留可能にするため、漏れインク貯留室200内の容量は容器5ひとつあたりが収容可能なインク量以上の容量であることが望ましい。本実施形態においては、漏れインク貯留室200aは少容量としているが、漏れインク貯留室200bを大容量とすることで漏れインク貯留室200として十分な容量が確保できる構成としている。なお、漏れインク貯留室200bは複数の貯留室により構成されるものでもよい。
以上の構成により、記録装置1内部でインク漏れが発生した場合に検知センサ35aによりインク漏れが検知されるが、この検知結果をホストコンピュータ100や操作ユニット36などの報知手段を介して操作者へと報知することもできる。報知手段による報知は音や光、ディスプレイなどの表示手段による画面表示、振動などを用いて行われてもよい。これらの手段により操作者に対してインク漏れを報知するとともに、記録装置1は記録動作の停止やポンプ11bの停止を行うことで漏れインクの増大を抑えることができる。また、操作者への報知の後には操作者により記録動作や、ポンプ11bの吸引動作の再開ができないよう、記録装置1の操作を制限してもよい。
以上のように、漏れインクをインク誘導部から漏れインク貯留室200aへと誘導することにより、インク漏れの発生箇所によらず漏れインクが一か所に集約され、検知センサ35aによりインク漏れを検知することが可能となる。また漏れインク貯留室200aの容量が小さいため、記録装置内部でインク漏れが発生してからそれを検知するまでの時間を短縮することができる。これによりインク漏れを早期に検知することが可能となる。
1 記録装置
4 記録ヘッド
5 容器
11 回復ユニット
35a 検知センサ
200 漏れインク貯留部
200a、200b 漏れインク貯留室
201 容器保持ケース
202 回復ユニット保持ケース
201a、202a~202c インク誘導部
210a、210b 貯留室側面

Claims (21)

  1. 記録領域において記録媒体に液体を吐出して記録を行う記録ヘッドへと供給される液体を前記記録領域外において収容する液体収容体と、
    前記記録領域外に設けられ、前記記録ヘッドから液体を吸引する吸引手段を含み、前記記録ヘッドをメンテナンスするメンテナンス手段と、
    前記液体収容体と、前記メンテナンス手段と、の下方に共通して設けられる液体貯留部と、を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記液体収容体から漏出した液体を前記液体貯留部へと誘導する第1の流路と、
    前記メンテナンス手段から漏出した液体を前記液体貯留部へと誘導する第2の流路と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第1の流路は、前記液体収容体の底部と対向する第1の開口部と前記液体貯留部と対向する第2の開口部とにより形成され、
    前記第2の流路は、前記メンテナンス手段の底部と対向する第3の開口部と前記液体貯留部と対向する第4の開口部とにより形成されることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記液体収容体と前記メンテナンス手段とは隣接していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記記録装置は複数の前記液体収容体を備え、
    前記記録ヘッドは前記記録領域において第1の方向と、前記第1の方向と反対の第2の方向と、に往復移動可能であり、
    前記液体収容体は前記第1の方向および前記第2の方向のいずれとも交差する第3の方向に並んで配置されることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  6. 前記第1の流路は前記複数の液体収容体のそれぞれに対応して設けられることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 前記液体貯留部内の液体の有無を検知する検知手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  8. 前記検知手段と、前記第1の流路のそれぞれとの距離どうしの差分が最も小さくなる位置に前記検知手段が設けられることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記検知手段と、前記第1の流路のそれぞれとの距離が略同一であることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  10. 前記検知手段と前記第1の流路との距離と、前記検知手段と前記第2の流路との距離の差分が最も小さくなる位置に前記検知手段が設けられることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  11. 前記検知手段と前記第1の流路との距離と、前記検知手段と前記第2の流路との距離が略同一であることを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  12. 前記検知手段が前記液体貯留部内の液体があると検知した場合、前記記録ヘッドによる液体の吐出を停止することを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の記録装置。
  13. 前記検知手段が前記液体貯留部内の液体があると検知した場合、操作者に液体が漏出したことを報知する報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項7から12のいずれか1項記載の記録装置。
  14. 前記メンテナンス手段は前記吸引手段により前記記録ヘッドから液体を吸引するメンテナンス動作を行い、前記メンテナンス動作の途中において前記検知手段が前記液体貯留部内の液体があると検知した場合、前記メンテナンス動作を停止することを特徴とする請求項7から12のいずれか1項に記載の記録装置。
  15. 前記液体貯留部と壁部を隔てて隣接する第2の液体貯留部をさらに備えることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の記録装置。
  16. 前記壁部は液体誘導部を有し、前記液体誘導部は前記液体貯留部から前記第2の液体貯留部へと液体を誘導することを特徴とする請求項15に記載の記録装置。
  17. 前記第2の液体貯留部は第2の壁部により囲われることにより構成され、前記第2の壁部の上端は、前記壁部の上端より高い位置にあることを特徴とする請求項16に記載の記録装置。
  18. 前記第2の液体貯留部は第2の壁部により囲われることにより構成され、前記第2の壁部の上端は、前記液体誘導部より高い位置にあることを特徴とする請求項16に記載の記録装置。
  19. 前記第2の液体貯留部が貯留可能な液体の量は、前記液体貯留部が貯留可能な液体の量より多いことを特徴とする請求項15から18のいずれか1項に記載の記録装置。
  20. 前記液体貯留部と前記第2の液体貯留部とにより貯留可能な液体の量は、前記液体収容体が収容可能な液体の量以上であることを特徴とする請求項15から19のいずれか1項に記載の記録装置。
  21. 記録領域において記録媒体に液体を吐出する吐出部を有する記録ヘッドへと供給される液体を前記記録領域外において収容する液体収容体と
    前記記録領域外に設けられ、前記記録ヘッドの前記吐出部を覆うキャップ手段と、
    前記液体収容体と、前記キャップ手段と、の下方に共通して設けられる液体貯留部と、を備えることを特徴とする記録装置。
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