JP2023113558A - 吸収性物品 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、胴回り方向に伸縮可能であり、吸収体と重なるように設けられる伸縮性部材を有する吸収性物品の吸収体の変形を抑制可能な技術を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の一側面に係る吸収性物品は、長手方向に沿った長さと、長手方向に直交する幅方向に沿った長さとを有する吸収性物品であって、着用者の排出液を吸収可能な吸収コアと、吸収コアを覆う透水性シートと、を有する吸収体と、吸収体の肌面側に設けられた透水領域を有するトップシートと、吸収コアの幅方向の端部と重なるトップシートの部分に、長手方向に延在するように設けられる立体ギャザーと、吸収コアの長手方向の端部に、立体ギャザーの長手方向の端部とトップシートとが接着される第１の接着部と、を備え、第１の接着部の長手方向の先端は、吸収コアの長手方向の先端よりも長手方向の先端側に設けられる。【選択図】図５

Description

本開示は、吸収性物品に関する。

トップシートの幅方向の端部に長手方向に延在する立体ギャザーを設ける吸収性物品が開示されている（例えば特許文献１）。このような吸収性物品の場合、トップシート上に存在する排出物（例えば尿や水様便等）が外部に漏出することを防止できる。

特開２０１８－０６８４６４号公報

例えばおむつとは別体の吸収パッドをおむつのトップシート上に敷いて使用する場合がある。このような場合、吸収パッドの長手方向の端部から排出液が溢れた場合であっても、溢れた排出液はトップシートに吸収され、その後トップシートよりも非肌面側に設けられた吸収体に吸収されることが考えられる。しかしながら、おむつの胴回り部分に胴回り方向に伸縮するように伸縮性部材が設けられており、さらに伸縮性部材と吸収体とが厚み方向において重なるように設けられている場合、伸縮性部材が収縮すると収縮力が吸収体の長手方向端部に作用すると考えられる。このような場合吸収体が変形し、吸収パッドの長手方向の端部から溢れた排出液が吸収体に吸収される効率が低下する可能性がある。よって、吸収パッドを敷いた場合であっても吸収パッドから溢れた排出液がおむつの吸収体に吸収されずに漏出する可能性がある。

本開示は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、胴回り方向に伸縮可能であり、吸収体と重なるように設けられる伸縮性部材を有する吸収性物品の吸収体の変形を抑制可能な技術を提供することである。

上記課題を解決するため、本発明では、立体ギャザーの長手方向の先端が吸収体の長手方向の端部を超えて長手方向において先端側に位置するように、立体ギャザーの長手方向の端部と吸収体の端部とを重ねることとした。

詳細には、本開示の一側面に係る吸収性物品は、長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った長さとを有する吸収性物品であって、着用者の排出液を吸収可能な吸収コアと、前記吸収コアを覆う透水性シートと、を有する吸収体と、前記吸収体の肌面側に設けられた透水領域を有するトップシートと、前記吸収コアの前記幅方向の端部と重なる領域内の前記トップシートに、前記長手方向に延在するように設けられる立体ギャザーと、前記吸収コアの前記長手方向の端部に、前記立体ギャザーの前記長手方向の端部と前記トップシートとが接着される第１の接着部をと、を備え、前記第１の接着部の前記長手方向の先端は、前記吸収コアの前記長手方向の先端よりも前記長手方向の先端側に設けられる。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記透水性シートは、前記吸収コアの前記長手方向の先端よりも前記長手方向の先端側において前記吸収コアを覆い、前記透水性シートの前記長手方向の端部と前記第１の接着部の前記長手方向の端部とは厚み方向にお
いて重なるように設けられてもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記透水性シートの非肌面に重なるように接着される非透水性シートを更に備えてもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記非透水性シートは、前記吸収体の前記幅方向の端部において非肌面側から肌面側に折り返されてもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、厚み方向において前記吸収コアの前記長手方向の端部から前記第１の接着部の前記長手方向の端部までは、各層において接着されてもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記吸収コアと厚み方向において重なる領域および／または前記吸収コアよりも前記長手方向の先端側の前記吸収体の端部と厚み方向において重なる領域に、前記幅方向に伸縮可能に設けられる伸縮性部材と、前記吸収コアと前記伸縮性部材との間に積層された所定層と、を更に備え、前記伸縮性部材と前記吸収コアとが重なる領域において、前記所定層同士は非接着であってもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記透水性シートの前記長手方向の端部における前記吸収コアが存しない領域において、肌面側の前記透水性シートと非肌面側の前記透水性シートとが接着されてもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記トップシートにおける前記透水領域の前記長手方向の寸法は、４７０ｍｍ以上であってもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記吸収体は、前記長手方向の端部において、前記幅方向の中央部に高目付部と、前記幅方向の端部に低目付部と、を有し、前記吸収性物品を平面視した場合に前記低目付部と重なる前記トップシートの重なり部分に、前記立体ギャザーの前記長手方向の端部が設けられてもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記第１の接着部の幅は、前記低目付部の幅よりも狭くともよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記高目付部は、前記長手方向に略等しい幅で延在してもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記立体ギャザーの前記長手方向の端部の肌面側には、端部シートが設けられてもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記端部シートと該端部シートよりも非肌面側のシート状部材とが接着される複数の第２の接着部であって、互いに離間した離間部を設けて配置された複数の第２の接着部を更に備えてもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記立体ギャザーは、防漏シートと前記防漏シートに伸長状態で接着された第２伸縮性部材とによって形成されており、前記第２伸縮性部材の伸縮範囲と前記第１の接着部の範囲とは、厚み方向において重ならなくてもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品は、前記吸収体よりも非肌面側に配置され、外装面を形成する外装シートと、前記吸収体と前記外装シートとを接着する複数の第３の接着部
であって、前記幅方向に延在して互いに離間して設けられた複数の第３の接着部と、を備え、前記第１の接着部と前記複数の第３の接着部の一部とは、厚み方向で重なりかつ直交してもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品は、前記吸収コアよりも前記長手方向の先端側で前記透水性シートと厚み方向において重なる領域に設けられ、前記幅方向に伸縮可能な伸縮性部材を備え、前記伸縮性部材と前記複数の第３の接着部の一部とは、前記幅方向で厚み方向に重なっていてもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品は、前記吸収体よりも非肌面側に配置され、外装面を形成する外装シートを備え、前記外装シートは、前記着用者の腹囲を挿通可能な胴回り開口部と、前記着用者の脚を挿通可能な二つの脚回り開口部と、を形成し、前記吸収性物品は、一方の前記脚回り開口部に沿い、股下部を横切るように設けられ、他方の前記脚回り開口部に沿うように延在する第２の伸縮性部材を備え、前記着用者が男性である場合に、前記第２の伸縮性部材が前記股下部を横切る部位は、陰茎に対応する領域よりも前記股下部側であり、前記陰茎に対応する領域よりも前身頃領域側に配置された伸縮性部材を備え、前記伸縮性部材は、前記幅方向に伸縮し、着用状態において前記吸収体を前記幅方向に引っ張ってもよい。

また、上記一側面に係る吸収性物品において、前記着用者の肛門に対応する領域において、便を収容する便収容空間を形成してもよい。

本発明によれば、胴回り方向に収縮可能であり、吸収体と重なるように設けられる伸縮性部材を有する吸収性物品の吸収体の変形を抑制できる。

図１は、実施形態１に係るおむつの斜視図の一例である。 図２は、実施形態１に係るおむつの分解斜視図の一例である。 図３は、実施形態１に係るおむつの展開図の一例である。 図４は、実施形態１に係るおむつの断面図の一例である。 図５は、おむつの前身頃領域の詳細図の一例である。 図６は、実施形態１に係るおむつの前身頃領域（又は、後身頃領域）を肌面側から見た図の一例である。 図７は、実施形態１に係るおむつの前身頃領域（又は、後身頃領域）の断面構造を模式的に示した図である。 図８は、実施形態１の変形例に係るおむつの前身頃領域（又は、後身頃領域）の断面構造を模式的に示した図である。 図９は、実施形態２に係るおむつの前身頃領域の詳細図の一例である。 図１０は、実施形態３に係るおむつの展開図の一例である。 図１１は、実施形態４に係るおむつの展開図の一例である。 図１２は、実施形態４に係るおむつの断面図の一例である。

［実施形態１］
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係るおむつについて説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本開示はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。

図１は、実施形態１に係る大人用のパンツ型使い捨ておむつ（以下、単に「おむつ」と
いう）の斜視図の一例である。おむつにおいて、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向とする。これらの前身頃（長手方向の一側）と後身頃（長手方向の他側）との間（長手方向の中央）には、着用者の股下に配置（股間に対向して配置）される股下部が位置する。また、おむつが着用者に着用された状態において、着用者の肌に向かう側を肌面側とし、肌面側の反対側を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向と厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向とする。そのほか、厚み方向から視ることを平面視とする。おむつ１は、長手方向に沿った長さと、長手方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有し、着用者の股下に装着される。また、本願で用いる方向に関する用語は、おむつ１が着用者に着用された状態において該着用者の前後左右に一致する方向を意味するものとする。例えば、本願で左右方向という場合、おむつ１の着用者に着用された状態において該着用者の左右に一致する方向を意味する。

本実施形態では、吸収性物品の一例として、着用者の腹囲が入る開口部と、着用者の左下肢及び右下肢が挿通される左右一対の開口部とを有する筒状構造のパンツ型使い捨ておむつを例示するが、本願でいう「吸収性物品」は、大人用のパンツ型使い捨ておむつに限定されるものでない。本願でいう「吸収性物品」には、子供用のパンツ型使い捨ておむつが含まれる。また、着用者の股下（陰部）を前身頃から後身頃にかけて覆うシート状の部材の一端部付近に固定されたテープを、該シート状の部材の他端部付近に貼り付けることで筒状構造を形成するテープ型使い捨ておむつ等、腹囲と股下を包み得る各種形態の吸収性物品が含まれる。

おむつ１は、着用状態において着用者の陰部（股下）を覆う股下領域に対応する部位である股下領域１Ｂと、着用者の胴周りにおける前身頃に対応する部位であって着用者の腹部側を覆うための前身頃領域１Ｆと、着用者の胴周りにおける後身頃に対応する部位であって着用者の背部側を覆うための後身頃領域１Ｒとを有する。ここで、前身頃領域１Ｆは股下領域１Ｂの前側に位置し、後身頃領域１Ｒは股下領域１Ｂの後側に位置する。本実施形態におけるおむつ１は、パンツ型の使い捨ておむつであるため、前身頃領域１Ｆの左側の縁と後身頃領域１Ｒの左側の縁は互いに接合され、前身頃領域１Ｆの右側の縁と後身頃領域１Ｒの右側の縁は互いに接合されている。よって、おむつ１には、前身頃領域１Ｆの上側の縁と後身頃領域１Ｒの上側の縁とによって胴開口部２Ｔ（「胴回り開口部」の一例）が形成されている。また、おむつ１には、上記接合が施されない股下領域１Ｂの左側の部位に左下肢開口部２Ｌ（「脚回り開口部」の一例）が形成され、股下領域１Ｂの右側の部位に右下肢開口部２Ｒ（「脚回り開口部」の一例）が形成されている。そして、おむつ１は、着用者の左下肢が左下肢開口部２Ｌに挿通され、着用者の右下肢が右下肢開口部２Ｒに挿通され、着用者の胴部が胴開口部２Ｔに入るように着用されると、前身頃領域１Ｆが着用者の腹部側に配置され、後身頃領域１Ｒが着用者の背部側に配置され、左下肢開口部２Ｌと右下肢開口部２Ｒが着用者の大腿部を取り巻く状態で着用者の身体に固定される。おむつ１がこのような形態で着用者の身体に固定されるので、着用者はおむつ１を着用した状態で自由に行動することができる。

おむつ１には、液体を吸収して保持することができる吸収体が主に股下領域１Ｂ付近を中心に配置されている。また、おむつ１には、おむつ１と着用者の肌との間に液体の流出経路となる隙間が形成されるのを抑制するべく、着用者の左下肢の大腿部を取り巻く左下肢開口部２Ｌに立体ギャザー３ＢＬが設けられ、着用者の右下肢の大腿部を取り巻く右下肢開口部２Ｒに立体ギャザー３ＢＲが設けられ、着用者の腹囲を取り巻く部位にウェストギャザー３Ｒおよびタミーギャザー１２が設けられている。また、着用者の脚の付け根を取り巻く位置には、レグギャザー３ＬＬ，３ＬＲが設けられている。立体ギャザー３ＢＬ，３ＢＲとウェストギャザー３Ｒは、糸ゴムの弾性力で着用者の肌に密着する。また、レグギャザー３ＬＬ，３ＬＲは、着用者の脚の付け根とおむつ１との間に隙間が生まれるの
を防ぐ。よって、着用者の陰部から排出される排出液は、おむつ１から殆ど漏出することなくおむつ１の吸収体に吸収される。

おむつ１は、図示しないインナーパッドと組み合わせて使用することができる。インナーパッドは、吸収体を備える略長方形の吸収性物品であり、排出液を吸収する。おむつ１とインナーパッドとを組み合わせて使用する場合、おむつ１の肌面側に、着用者の排出孔と当接するようにインナーパッドを置く。排出液は、まずインナーパッドに吸収され、インナーパッドで吸収できなかった排出液のみがおむつ１の吸収体に到達し、更に吸収される。このため、排出液の量が多い場合でも、排出液がおむつ１から漏出するのを防ぐことができる。また、排出液の量が少なく、インナーパッドで全て吸収できる場合には、排出液が発生してもインナーパッドのみを交換すればよいので、介助コストを軽減できる。また、おむつ１を長時間使用できる。

図２は、実施形態１に係るおむつ１の分解斜視図の一例である。おむつ１は、カバーシート４とインナーカバーシート５とを有する。カバーシート４とインナーカバーシート５は、貼り合わされておむつ１の外表面を形成する略砂時計形状（瓢箪形状）のシートであり、前身頃領域１Ｆ側の端部と後身頃領域１Ｒ側の端部以外は同形状である。着用者に着用された状態において、カバーシート４は着用者の非肌面側、インナーカバーシート５は着用者側に積層されている。カバーシート４とインナーカバーシート５の間には、ウェストギャザー３Ｒ、タミーギャザー１２，およびレグギャザー３ＬＬ，３ＬＲを形成するための糸ゴムが設けられている。なお、糸ゴムに代えて帯状のゴム等の伸縮部材を適宜選択できる。

カバーシート４とインナーカバーシート５は、例えば、排出物の漏れを抑制するために、液不透過性の熱可塑性樹脂からなる不織布をその材料として用いることができる。ここで、液不透過性の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン（ＰＥ）やポリプロピレン（ＰＰ）等が例示できる。以下、吸収体８および吸収体８にバックシート６（本開示の「非透水性シート」の一例）、トップシート９、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒを組み合わせたものに対応する概念として、糸ゴムが配置されたカバーシート４とインナーカバーシート５とを合わせて外装体（外装シート）と表現することがある。

おむつ１は、カバーシート４とインナーカバーシート５の着用者側の面において順に積層されるバックシート６と、吸収体８と、トップシート９（本開示の「シート状部材」の一例）とを有する。バックシート６は、着用者の前身頃から股下を経由して後身頃へ届く長さを長手方向に有し、当該長手方向に対し直交する幅方向に所定の横幅を有する略長方形のシートである。吸収体８、トップシート９は、何れもバックシート６と同様に略長方形の外観を有するシート状の部材であり、長手方向がバックシート６の長手方向と一致する状態で、バックシート６に対して順に積層されている。バックシート６は、排出物の漏れを抑制するために液不透過性の熱可塑性樹脂を材料として形成されたシートである。また、トップシート９は、吸収体８の吸水面を被覆するように着用者の肌面側に配置される、シート状の部材である。このトップシート９は、その一部又は全部において液透過性を有する。そのため、おむつ１が着用された状態において、着用者から排出された液体は、着用者の肌に接触し得るトップシート９を通って吸収体８に浸入し、そこで吸収される。液透過性のシートとしては、例えば、織布、不織布、多孔質フィルムが挙げられる。また、トップシート９は親水性を有していてもよい。また、トップシート９において液透過性領域は、例えば長手方向に４７０ｍｍ以上にわたって設けられる。

吸収体８は、１のマットからなる吸収コア８ｃと、吸収コア８ｃを包み込むコアラップシート７（本開示の「透水性シート」の一例）とを有する。吸収コア８ｃは括れ部を有する略砂時計型である。吸収コア８ｃは、パルプ繊維、レーヨン繊維、またはコットン繊維
のようなセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した短繊維の隙間に、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性ポリマーであるＳＡＰ（高吸収性重合体：Ｓｕｐｅｒ Ａｂｓｏｒｂｅｎｔ Ｐｏｌｙｍｅｒ）等の粒状の吸収性樹脂（高分子吸収材）を保持させた構造を有する。吸収コア８ｃは、着用者から排出された液体を吸収すると、短繊維内の隙間に保持された吸収性樹脂を膨潤させて該液体を短繊維内に保持する。本実施形態では、吸収コア８ｃは中央部付近が括れた略砂時計型である。吸収コア８ｃは、目的に応じた適宜の形状を採ることができる。吸収コア８ｃの形状としては、例えば、矩形状、楕円形状、その他各種の形状が挙げられる。

コアラップシート７は、薄い液透過性のシートであり、吸収コア８ｃをコアラップシート７で包むことにより、上述の吸収コア８ｃのＳＡＰが他の構造に混入しにくくなる。また、吸収コア８ｃの型崩れが抑制される。コアラップシート７は、パルプ繊維で形成することができ、一例としてはティッシュペーパーを用いることができる。コアラップシート７は、１枚のシートでもよいが、着用者の肌側に配置された上側シートと、着用者の非肌面側に配置され、吸収コアの側面と肌面側に回り込む下側シートの２枚のシートで構成されていてもよい。コアラップシート７が２枚のシートで構成されている場合、上側シートの幅方向端部が他のシート（例えば、後述するサイドシート１０Ｌ，１０Ｒ、バックシート６、トップシート９）に包まれる構造になっていてもよい。なお、吸収体８はバックシート６とトップシート９に包まれており、これらのシートによっても型崩れを抑制できるため、コアラップシート７を設けないこともできる。

バックシート６、吸収体８、トップシート９は、何れも前身頃領域１Ｆから後身頃領域１Ｒにまで延在する。よって、バックシート６、吸収体８、トップシート９を積層して着用者の陰部（股下）を覆うと、バックシート６、吸収体８、トップシート９の各長手方向の両端部は、着用者の腹側と背側に位置する状態となる。すなわち、着用者の陰部は、着用者の腹側から背側まで吸収体８に覆われる状態となる。したがって、着用者が腹を下へ向けた姿勢と背を下へ向けた姿勢の何れの姿勢で液体を体外へ排出しても、排出された液体はトップシート９を介して吸収体８に接触することになる。

また、おむつ１は、上述した立体ギャザー３ＢＬ，３ＢＲを形成するための細長い帯状のサイドシート１０Ｌ，１０Ｒを有する。サイドシート１０Ｌ，１０Ｒは、トップシート９の長辺の部分に設けられる。そして、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒには糸ゴム１０Ｌ１，１０Ｒ１が長手方向に沿って伸長された状態で接着される。よって、カバーシート４の、前身頃領域１Ｆの左側の縁となる縁４Ｆ４と、後身頃領域１Ｒの左側の縁となる縁４Ｒ４とが互いに接合され、且つ、カバーシート４の、前身頃領域１Ｆの右側の縁となる縁４Ｆ５と、後身頃領域１Ｒの右側の縁となる縁４Ｒ５とが互いに接合されることにより、図１に示したような完成状態のおむつ１になると、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒは、糸ゴム１０Ｌ１，１０Ｒ１の収縮力で長手方向に引き寄せられて折り返し線１０Ｌ２，１０Ｒ２に沿ってトップシート９から立ち上がる。その結果、左下肢開口部２Ｌ及び右下肢開口部２Ｒからの液体の流出を防ぐ立体ギャザー３ＢＬ，３ＢＲが形成される。なお、縁４Ｆ４及び縁４Ｒ４、縁４Ｆ５及び縁４Ｒ５の接合方法は特に限定されないが、例えば、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等によって行うことができる。

更に、おむつ１は、バックシート６、吸収体８、トップシート９、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒを挟んで、カバーシート４の前身頃領域１Ｆにおいて着用者側の面に積層されるエンドシート１１Ｆと、カバーシート４の後身頃領域１Ｒにおいて着用者側の面に積層されるエンドシート１１Ｒとを有する。エンドシート１１Ｆ，１１Ｒは、トップシート９の長手方向における一端側においてカバーシート４、インナーカバーシート５に重ねられる短冊状のシートである。エンドシート１１Ｆ，１１Ｒは非透水性の不織布であり、主にお
むつ１の胴回り当接部分においてカバーシート４とインナーカバーシート５を補強する。また、エンドシート１１Ｆ，１１Ｒには、それぞれ接着剤が塗布されており、当該接着剤によりインナーカバーシート５と接着している。エンドシート１１Ｆ，１１Ｒは、バックシート６、吸収体８、トップシート９、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒにより形成される積層体より肌面側に配置され、積層体の端が肌面に直接触れて着用者に違和感を与えるのを防ぐ。

図３は、実施形態１に係るおむつ１を展開し、伸長した状態を模式的に示した図の一例である。図３（Ａ）は、展開及び伸長した状態のおむつ１を左側から見た場合の内部構造を模式的に示している。図３（Ｂ）は、展開及び伸長した状態のおむつ１の平面図である。なお、図３（Ｂ）では、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒおよびエンドシート１１Ｆ，１１Ｒの図示は省略する。カバーシート４は、図２に記載の折り返し線４ＦＦ、４ＲＦにおいて一端側が折り返されている。上述したウェストギャザー３Ｒは、カバーシート４の前身頃領域に糸ゴム（糸状のゴム）４Ｆ１が伸長された状態で接着され、カバーシート４の後身頃領域に糸ゴム（糸状のゴム）４Ｒ１が伸長された状態で接着されることで形成される。糸ゴム４Ｆ１，４Ｆ２は、折り返されると前身頃領域１Ｆの上側の縁を形成することになる折り返し線４ＦＦ沿いに、折り返し線４ＦＦ側から糸ゴム４Ｆ１、糸ゴム４Ｆ２の順に設けられている。同様にして、タミーギャザー１２は、カバーシート４の前身頃領域に糸ゴム４Ｆ２が伸長された状態で接着され、カバーシート４の後身頃領域に糸ゴム４Ｒ２が伸長された状態で接着されることで形成される。糸ゴム４Ｒ１，４Ｒ２も、糸ゴム４Ｆ１，４Ｆ２と同様、折り返されると後身頃領域１Ｒの上側の縁を形成することになる折り返し線４ＲＦ沿いに、折り返し線４ＲＦ側から糸ゴム４Ｒ１、糸ゴム４Ｒ２の順に設けられている。

このため、糸ゴム４Ｆ１，４Ｆ２は、伸縮方向となる長手方向がおむつ１の左右方向となる向きでカバーシート４に設けられることになる。また、糸ゴム４Ｒ１，４Ｒ２は、伸縮方向となる長手方向がおむつ１の左右方向となる向きでカバーシート４に設けられることになる。よって、縁４Ｆ４と縁４Ｒ４が互いに接合され、縁４Ｆ５と縁４Ｒ５が互いに接合されると、糸ゴム４Ｆ１，４Ｆ２と糸ゴム４Ｒ１，４Ｒ２は、胴開口部２Ｔに沿って周回する実質的に環状の伸縮部材を形成し、胴開口部２Ｔを胴周り方向に収縮させる機能を発揮する。すなわち、糸ゴム４Ｆ１，４Ｆ２と糸ゴム４Ｒ１，４Ｒ２は、収縮力を発揮しておむつ１を着用者に密着させ、おむつ１と着用者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ。糸ゴム４Ｆ２，糸ゴム４Ｒ２は、その股下領域１Ｂ側の一部において、吸収体８と重畳する（詳細は後述する）。

糸ゴム４Ｆ１，４Ｒ１は、図１に示した前身頃領域１Ｆ，後身頃領域１Ｒの上側の縁となる部分に沿って左右方向に延在するように設けられている。糸ゴム４Ｆ２，４Ｒ２は、所定の間隔を空けて平行に設けられている。糸ゴム４Ｆ１，４Ｒ１は、おむつ１が着用された状態において、着用者の腹囲を糸ゴム４Ｆ２，４Ｒ２よりも上側で比較的強く締め付ける。糸ゴム４Ｆ１，４Ｒ１は、おむつ１を着用者に密着させて着用位置がずれるのを防止し、腹部や背部から排出液が漏出するのを防ぐ機能を担う。糸ゴム４Ｆ２，４Ｒ２は、糸ゴム４Ｆ１，４Ｒ１の収縮力に起因する着用者への圧迫感を緩和する。また、インナーパッドを用いる場合には、インナーパッドのずれを抑制する。

更に、カバーシート４には糸ゴム４Ｆ３と糸ゴム４Ｒ３が伸長された状態で接着される。糸ゴム４Ｆ３，糸ゴム４Ｒ３は、カバーシート４のうち糸ゴム４Ｆ２，４Ｒ２よりも股下領域１Ｂ側の領域に設けられる伸縮部材である。糸ゴム４Ｆ３は、前身頃側の股下領域１Ｂにおいて、左右方向に横断するように設けられる。このように左右方向に横断するように糸ゴム４Ｆ３が設けられる部位では、おむつ１の厚み方向において糸ゴム４Ｆ３と吸収体８とは重なっている。また、このような横断領域の幅方向中央部は、おむつ１が着用
された場合の女性着用者の尿道口に対応する領域となる。糸ゴム４Ｒ３は、カバーシート４の左端から右端まで途切れることなく接着される他の糸ゴムとは異なり、股下領域１Ｂの方向に湾曲して配置され、砂時計型の吸収コアの括れ部分で、吸収コア８ｃの一部と重畳している。このように構成することで、糸ゴム４Ｆ３，４Ｒ３の配置領域をレグギャザーとして機能させることができる。

カバーシート４は、折り返し線４ＦＦ、４ＲＦで折り返されて糸ゴム４Ｆ１，糸ゴム４Ｒ１の配置領域まで延在し、その折り返された部分で糸ゴム４Ｆ１、糸ゴム４Ｒ１の配置領域を補強している。エンドシート１１Ｆ，１１Ｒ（図２参照）は、折り返し線４ＦＦ、４ＲＦで折り返されたカバーシート４が延在していない糸ゴム４Ｆ２、糸ゴム４Ｒ２の配置領域に設けられ糸ゴム４Ｆ２、糸ゴム４Ｒ２の配置領域を補強している。

なお、本願においてシートが重なる状態とは、重ね合わされるシート同士が互いに全面的に接触する状態で重なる形態に限定されるものでなく、シートの一部分同士が重なる形態を含む概念である。例えば、エンドシート１１Ｆは、バックシート６の長手方向における一端側の一部分が、カバーシート４の一部分に触れる状態で重ねられる。おむつ１は、吸収体８を間に挟んだバックシート６及びトップシート９の他、カバーシート４、エンドシート１１Ｆ，１１Ｒ、インナーカバーシート５、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒが積み重なって形成されているため、これら複数のシートを積み重ねた積層体を有していると言える。

図４は、実施形態１に係るおむつの断面図の一例である。吸収体８が備える吸収コア８ｃは、高目付部分と低目付部分とを備えている。より詳細には、吸収コア８ｃは、肌面側から見ると、股下領域１Ｂに括れを持つ砂時計型である（図２参照）。その幅方向中央部分、具体的には砂時計の括れ部分を長手方向両端部の方向に延長した仮想延長線の内側領域が高目付部分、それ以外の領域（所謂吸収体の耳部）が低目付部分になっている。高目付部は、着用者の排泄孔に対応する部分に延在しており、排出液を吸収する。また、着用時に圧力がかかりやすい領域において、吸収コア８ｃを補強し、型崩れを防止する。低目付部は、着用時に着用者の臀部に当接する部分に設けられており、着用者の体表に容易に沿う。

吸収コア８ｃのうち着用者の肌面側は平坦であり、高目付部は非肌面側の目付量を増加させることにより形成される。また、高目付部は、吸収コア８ｃの腹側端部から背側端部に至るまで、同幅で延在している。高目付部は、その延在部分全域に渡って、長手方向においては同じ目付で延在している。高目付部および低目付部をこのように形成することにより、高目付部と低目付部の境界に起因する段差が肌面側に出現し、当該段差が着用者に違和感を与えるのを抑制することができる。

吸収コア８ｃには、セルロース系短繊維または、親水性処理を施した樹脂系短繊維（以下、短繊維と記載）の他に、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性の高吸収性重合体等の粒状の吸収性樹脂（ＳＡＰの粒子）が含まれている。着用者から排出液が放出され、吸収コア８ｃに浸透すると、短繊維が排出液を一時的に保持している間にＳＡＰの粒子が水分を吸収して徐々に膨張し、排出液を固定する。固定された排出液は移動したり、肌面側に逆流したりすることがない。ＳＡＰの粒子が吸水して膨張すると、排出液の流路を塞ぐことがある（ゲルブロッキング現象）。このため、吸収コア８ｃの設計に従い、ＳＡＰの粒子を配置する場所を限定することができる。図示したように吸収コア８ｃが複数の吸収マットから構成される場合、ＳＡＰの粒子を配置する吸収マットを限定してもよい。

本図では、吸収コア８ｃは、透水性のコアラップシート７に包まれている。更に、コア
ラップシート７は、着用時に着用者の肌面側に位置する上層コアラップシート７ｆと、着用時に着用者の非肌面側に位置する下層コアラップシート７ｂとに分かれている。上層コアラップシート７ｆは、吸収コア８ｃの肌面側と接着されている。下層コアラップシート７ｂは、吸収コア８ｃの非肌面側と接着されている。

コアラップシート７は、吸収コア８ｃを包み込んだ状態では矩形状の外観を呈し、吸収コア８ｃの型崩れを防止し、吸収コア８ｃの内部構造の散逸を防止する役割を果たす。なお、コアラップシート７は必須ではなく、後述するバックシート６やトップシート９、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒによって吸収コア８ｃの側面を覆うことで、その役割を代替させることもできる。

コアラップシート７とトップシート９との接着部は複数設けられ、互いに離間している。接着剤は透水性を有さないため、コアラップシート７とトップシート９の全面を接着すると、吸収コア８ｃへの排出液の流入が阻害されるため、接着部は最低限とし、かつ、十分な間隔を開けて設けられることが好適である。このように構成すれば、おむつの排出液吸収機能を損なうことがない。また、トップシート９の大部分を非接着部分とすることで、トップシート９の自由度が向上し、着用時には着用者の肌面に沿いやすくなる。このため、おむつの着用感が向上する。

吸収体８（下層コアラップシート７ｂ）の非肌面側には、バックシート６が接着されて設けられている。バックシート６は、非透水性のフィルムであって、吸収体８に吸収された排出液がカバーシートに染み出すのを防ぐ機能を備えている。本実施形態では、バックシート６は、吸収体８の非肌面側だけでなく、非肌面側から吸収体８の側面側に折られることで該側面をも覆っており、さらに側面から吸収体８の肌面側に折られることで吸収体８の肌面側の一部と重なっている。本実施形態における吸収コア８ｃの側面は低目付部であり型崩れを起こしやすいが、このようにバックシート６で吸収体８の非肌面側のみならず側面および肌面側の一部をも覆うことで、型崩れを抑制することができる。

更に、本実施形態では、吸収体８の肌面側に設けられるトップシート９も吸収体８の側面を覆い、吸収体８の非肌面側の幅方向両端部まで延在している。また、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒも、吸収体８の側面を覆い、吸収体８の非肌面側の幅方向両端部まで延在している。このように、吸収体８の側面を、バックシート６を始めとする複数のシートで覆うことで、吸収コア８ｃの型崩れをより効果的に防止することができる。また、吸収体８の側面が複数のシートで覆われていることで肌触りが向上し、吸収体８の側面が着用者の肌に当接することで着用者に与える違和感を軽減できる。

図５は、展開された状態のおむつ１の前身頃領域１Ｆを肌面側から見た場合の部分拡大図の一例である。なお、図５は前身頃領域１Ｆについての図であるが、後身頃領域１Ｒにおいても同様の構成である。また、図５では、エンドシート１１Ｆの記載は省略されている。

上述の通り吸収コア８ｃは、中央部に高目付部分を有し、高目付部分の幅方向両側に低目付部分を有する。そこで、図５では、厚み方向において吸収コア８ｃの高目付部分と重なる領域を高目付領域２１とし、吸収コア８ｃの低目付部分と重なる領域を低目付領域２２Ｌ，２２Ｒと表示している。

図５に示されるように、おむつ１では、低目付領域２２Ｌ，２２Ｒの幅方向の端部と重なるトップシート９の部分にサイドシート１０Ｌ，１０Ｒの夫々が貼り付けられる。このようなトップシート９とサイドシート１０Ｌ，１０Ｒとの接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢ（本開示の「第１の接着部」の一例）は、図５に示されるように長手方向において吸収コア
８ｃおよびコアラップシート７と重なる。また、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢの長手方向の先端は、吸収コア８ｃおよびコアラップシート７の端部を超えて延在し、トップシート９と接着される。また、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢにおいて、トップシート９と上層コアラップシート７ｆ、および上層コアラップシート７ｆと吸収コア８ｃの肌面側とは夫々接着されている（図示略）。また、このような接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢは、幅方向において低目付領域２２Ｌ，２２Ｒの全体ではなく一部に設けられる。なお、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒは、上述の通り糸ゴム１０Ｌ１，１０Ｒ１の収縮力で長手方向に引き寄せられることで立体ギャザー３ＢＬ，３ＢＲを形成する。

上記のようなおむつ１によれば、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢの長手方向の先端は、図５に示されるように同方向において吸収コア８ｃおよびコアラップシート７の端部を超えて延在し、トップシート９と接着される。よって、後述する図７（Ａ）、図７（Ｂ）に示されるように吸収体８の長手方向の端部には糸ゴム４Ｆ２が重なっているが、糸ゴム４Ｆ２による収縮力に対して、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢに含まれるトップシート９およびサイドシート１０Ｌ，１０Ｒが一体となって抗することができる。よって、吸収体８の長手方向の端部に糸ゴム４Ｆ２による収縮力が伝達されることは抑制される。よって、吸収コア８ｃの変形は抑制される。

ここで、吸収体８に、バックシート６、トップシート９及びサイドシート１０Ｌ，１０Ｒを組み合わせたものを、吸収体パッドと言う。このような吸収体パッドは、図示しない接着剤によってインナーカバーシート５の肌面側に接着されている。吸収体パッドとインナーカバーシート５とを接着する接着剤は、例えば、幅方向に延在するように塗布されると共に、長手方向に間隔を空けて塗布される。当該接着剤によって吸収体パッドのうちのバックシート６とインナーカバーシート５とが接着された複数の接着層が形成される。複数の接着層は、それぞれが幅方向に延在するように配置されると共に、互いに長手方向に離隔するように配置される。当該複数の接着層間の各々には、バックシート６とインナーカバーシート５とが接着されていない非接着層が形成される。

図６は、実施形態１に係るおむつ１の前身頃領域１Ｆ（又は、後身頃領域１Ｒ）を肌面側から見た図である。但し、図６では、説明を容易にするためにサイドシート１０Ｌ，１０Ｒの図示を省略している。なお、図６では糸ゴム４Ｆ３，４Ｒ３のうち、吸収コア８ｃを横断する前身頃領域１Ｆ側の糸ゴム４Ｆ３を例示する。また、図７は、実施形態１に係るおむつ１の前身頃領域１Ｆ（又は、後身頃領域１Ｒ）の断面構造を模式的に示した図である。図７（Ａ）では、接着剤ＨＭ１が延在しているおむつ１の長手方向の一部の断面構造を示しており、図７（Ｂ）では、接着剤ＨＭ２が延在しているおむつ１の長手方向の他の一部の断面構造を示している。また、図６では、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒは図示されていない。なお、図７では、糸ゴム４Ｆ３，４Ｒ３の図示は省略している。

前述したように、本実施形態では、コアラップシート７は、上層コアラップシート７ｆと下層コアラップシート７ｂとで構成されており、吸収コア８ｃは、上層コアラップシート７ｆ及び下層コアラップシート７ｂに包まれている。これらのコアラップシート７ｆ，７ｂで吸収コア８ｃを包む際にはコアラップシート７ｆ，７ｂ同士を接着するが、本実施形態では、吸収体８の長手方向の両端部において、接着剤ＨＭ１，ＨＭ２によってコアラップシート７ｆ，７ｂ同士が接着されている。詳細には、コアラップシート７ｆ，７ｂは吸収コア８ｃの長手方向の両端部を越えて延在しており、コアラップシート７ｆ，７ｂの延在した部分で接着剤ＨＭ１，ＨＭ２によってコアラップシート７ｆ，７ｂ同士が接着されている。接着剤ＨＭ１，ＨＭ２には、一例としてはホットメルト接着剤を用いることができる。複数の接着剤ＨＭ１は、それぞれ吸収体８の長手方向の長さと同じ長さで細長いストライプ状に塗布されている。複数の接着剤ＨＭ２も、それぞれ吸収体８の長手方向の長さと同じ長さで細長いストライプ状に塗布されている。また、接着剤ＨＭ１，ＨＭ２は
、厚み方向に見たときに幅方向において接着剤ＨＭ１と接着剤ＨＭ２とが互いに重ならないように、それぞれ幅方向に間隔を空けて塗布されている。これにより、コアラップシート７ｆ，７ｂが封止されるので、吸収コア８ｃからのＳＡＰの粒子の散逸をより一層防止することができる。

なお、本実施形態では、上層コアラップシート７ｆ及び下層コアラップシート７ｂの複数枚のコアラップシートで吸収コア８ｃの全面を被覆する構成を採用しているが、この構成に限定されない。例えば、１枚のコアラップシートで吸収コア８ｃの全面を被覆する構成を採用してもよく、また１枚又は複数枚のコアラップシートで吸収コア８ｃの一部だけ被覆していない構成を採用してもよい。どちらの構成を採用する場合でも、本実施形態と同様に、吸収体８の長手方向の両端部において、接着剤ＨＭ１，ＨＭ２によってコアラップシート同士が接着される。

接着剤ＨＭ１，ＨＭ２はおむつ１の製造後に冷えて硬化する。硬化した接着剤ＨＭ１，ＨＭ２により、トップシート９が介在していたとしても、コアラップシート７ｆ，７ｂ同士が接着されている部分に対応する着用者の腹部及び背部への肌当たりが悪くなることがある。また、吸収体８の長手方向の端部では、外装シートを構成するカバーシート４及びインナーカバーシート５との段差が生じており、当該段差によっても着用者の腹部及び背部への肌当たりが悪くなることがある。そこで、本実施形態では、トップシート９の肌面側にエンドシート１１Ｆ，１１Ｒが積層されて、吸収体８の長手方向の端部を覆っている。

エンドシート１１Ｆ，１１Ｒは、インナーカバーシート５及びトップシート９の肌面側に積層され、吸収体８の長手方向端部の肌面側に一部重畳している非透水性の不織布シートである。エンドシート１１Ｆ，１１Ｒがインナーカバーシート５及びトップシート９と重畳する部分では、接着剤ＨＭ３によってインナーカバーシート５及びトップシート９と接着されている。接着剤ＨＭ３には、一例としてはホットメルト接着剤を用いることができる。接着剤ＨＭ３は、接着剤ＨＭ１，ＨＭ２に対応する領域を含む、エンドシート１１Ｆ，１１Ｒが配置された領域に複数塗布されている。複数の接着剤ＨＭ３の各々は、幅方向に延在している。また、複数の接着剤ＨＭ３の各々は、長手方向に間隔を空けて配置されており、互いに離隔している（本開示の「離間部」の一例）。エンドシート１１Ｆは、本願でいう「端部シート」の一例である。また、接着剤ＨＭ３によってエンドシート１１Ｆとトップシート９とが接着されている部分は、本願でいう「第２の接着部」の一例である。

このように、トップシート９の肌面側にエンドシート１１Ｆ，１１Ｒを積層して、吸収体８の長手方向の端部を覆うことで、硬化した接着剤ＨＭ１，ＨＭ２や吸収体８の長手方向の端部の段差は、トップシート９及びエンドシート１１Ｆ，１１Ｒを介して着用者の肌に当接するようになるので、着用者の腹部及び背部への肌当たりを良くすることができる。また、エンドシート１１Ｆ，１１Ｒによってコアラップシート７ｆ，７ｂ同士の接着部分が補強されるので、吸収コア８ｃからのＳＡＰの粒子の散逸をより一層防止することができる。更に、複数の接着剤ＨＭ１の各々が互いに離隔していると共に、複数の接着剤ＨＭ２の各々が互いに離隔している。しかも、接着剤ＨＭ１，ＨＭ２は、厚み方向に見たときに幅方向において接着剤ＨＭ１と接着剤ＨＭ２とが互いに重ならないように塗布されている。これらにより、接着剤ＨＭ１，ＨＭ２に対応する領域を含むエンドシート１１Ｆ，１１Ｒが配置された領域において、硬化した接着剤ＨＭ１，ＨＭ２が設けられていたとしても、接着剤ＨＭ１と接着剤ＨＭ２との間の非接着部の存在によって接着剤ＨＭ１，ＨＭ２が設けられた部分の面積が小さくなる。更にまた、複数の接着剤ＨＭ３の各々が互いに離隔していることで、接着剤ＨＭ１，ＨＭ２に対応する領域を含むエンドシート１１Ｆ，１１Ｒが配置された領域において、硬化した接着剤ＨＭ３が設けられていたとしても、接
着剤ＨＭ３間の非接着部の存在によって接着剤ＨＭ３が設けられた部分の面積が小さくなる。また、接着剤ＨＭ３間の非接着部では、エンドシート１１Ｆ，１１Ｒがトップシート９に対して相対的に移動可能になる。これらにより、着用者の腹部及び背部への肌当たりをより一層良くすることができる。

更に、本実施形態では、外装シートに糸ゴムが設けられている。詳細には、吸収体８の非肌面側には、外装シートを構成するカバーシート４とインナーカバーシート５が積層されており、カバーシート４とインナーカバーシート５との間には、糸ゴム４Ｆ１，４Ｒ１，４Ｆ２，４Ｒ２，４Ｆ３，４Ｒ３が設けられている。なお、インナーカバーシート５と吸収体８との間に糸ゴムを設けてもよい。

ウェストギャザー３Ｒを構成する糸ゴム４Ｆ２，４Ｒ２のうちの一部は、外装シートの吸収体８の長手方向の端部と重なる領域に幅方向に延在して伸長状態で接着されている。更にその一部が、吸収コア８ｃの長手方向の端部と重なる領域にも幅方向に延在して伸長状態で接着されている。糸ゴム４Ｆ２，４Ｒ２の付勢力により、吸収体８の長手方向の端部は非装着状態では幅方向に収縮するように付勢される。これにより、吸収体８の長手方向端部、特に吸収コア８ｃの長手方向の端部に皺（凹凸）が形成されて、トップシート９及びエンドシート１１Ｆ，１１Ｒを介して着用者の肌に当接する部分を少なくすることができるので、着用者の腹部及び背部への肌当たりを良くすることができる。また、吸収体８のうち、吸収コア８ｃは、コアラップシート７ｆ，７ｂと比べると肉厚で剛性が高いので、皺の凹凸が大きくなり、接着剤ＨＭ１，ＨＭ２が設けられた吸収体８の長手方向の端部を着用者の肌に当接し難くすることができる。上述した糸ゴム４Ｆ２，４Ｒ２の一部は、本願でいう「伸縮性部材」の一例である。

なお、吸収体８の長手方向の端部は、糸ゴム４Ｆ２，４Ｒ２の付勢力によってストレスがかかり、吸収コア８ｃの幅方向の端部が潰れて、型崩れが起こり易い可能性がある。しかし、上述したように、バックシート６、トップシート９及びサイドシート１０Ｌ，１０Ｒで吸収体８の側面を覆うことで、吸収コア８ｃの側面が補強されるので、吸収コア８ｃの幅方向の端部における型崩れを抑制することができる。

また、図７（Ａ）、図７（Ｂ）、後述する図８に示されるように、バックシート６は、長手方向において吸収コア８ｃの端部よりも前身頃領域１Ｆ側に延在している。また、このような長手方向の端部のトップシート９の幅方向端部には、図５に示されるようにサイドシート１０Ｌ，１０Ｒとの接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢが設けられている。

また、図８は、実施形態１の変形例に係るおむつ１の前身頃領域１Ｆ（又は、後身頃領域１Ｒ）の長手方向の断面構造を模式的に示した図である。図８における左右方向は、おむつ１の長手方向に相当する。図８では、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒは図示されていない。なお、図８では、糸ゴム４Ｆ３，４Ｒ３の図示は省略している。

本変形例では、吸収体８の長手方向の両端部において、図８に示す接着剤ＨＭ１０によって上層コアラップシート７ｆと下層コアラップシート７ｂとが接着されている。詳細には、上層コアラップシート７ｆおよび下層コアラップシート７ｂは吸収コア８ｃの長手方向の両端部を越えて延在しており、上層コアラップシート７ｆおよび下層コアラップシート７ｂの延在した部分で接着剤ＨＭ１０によって上層コアラップシート７ｆおよび下層コアラップシート７ｂ同士が接着されている。接着剤ＨＭ１０には、一例としてはホットメルト接着剤を用いることができる。接着剤ＨＭ１０は、吸収体８の長手方向の両端部における、長手方向の所定の長さ、且つ幅方向の所定の長さ（コアラップシート７の幅と同じ長さ）の矩形状の領域の全面に塗布されている。これにより、上層コアラップシート７ｆおよび下層コアラップシート７ｂが封止されるので、吸収コア８ｃからのＳＡＰの粒子の
散逸をより一層防止することができる。

なお、本変形例では、上層コアラップシート７ｆ及び下層コアラップシート７ｂの複数枚のコアラップシートで吸収コア８ｃの全面を被覆する構成を採用しているが、この構成に限定されない。例えば、１枚のコアラップシートで吸収コア８ｃの全面を被覆する構成を採用してもよく、また１枚又は複数枚のコアラップシートで吸収コア８ｃの一部だけ被覆していない構成を採用してもよい。どちらの構成を採用する場合でも、本変形例と同様に、吸収体８の長手方向の両端部において、接着剤ＨＭ１０によってコアラップシート同士が接着される。

ところで、接着剤ＨＭ１０はおむつ１の製造後に冷えて硬化する。硬化した接着剤ＨＭ１０により、トップシート９が介在していたとしても、上層コアラップシート７ｆと下層コアラップシート７ｂとが接着されている部分に対応する着用者の腹部及び背部への肌当たりが悪くなることがある。また、吸収体８の長手方向端部では、外装シートを構成するカバーシート４及びインナーカバーシート５との段差が生じており、当該段差によっても着用者の腹部及び背部への肌当たりが悪くなることがある。そこで、本変形例では、トップシート９の肌面側にエンドシート１１Ｆが積層されて、吸収体８の長手方向端部を覆っている。

エンドシート１１Ｆは、インナーカバーシート５及びトップシート９の肌面側に積層され、エンドシート１１Ｆがインナーカバーシート５及びトップシート９と重畳する部分では、接着剤ＨＭ２０によってインナーカバーシート５及びトップシート９と接着されている。接着剤ＨＭ２０には、一例としてはホットメルト接着剤を用いることができる。接着剤ＨＭ２０は、接着剤ＨＭ１０に対応する領域を含む、エンドシート１１Ｆが配置された領域に複数塗布されている。複数の接着剤ＨＭ２０の各々は、接着剤ＨＭ１０よりも細い（長手方向の長さが短い）線状であり、幅方向に延在している。また、複数の接着剤ＨＭ２０の各々は、長手方向に間隔を空けて配置されており、互いに離隔している（本開示の「離間部」の一例）。また、接着剤ＨＭ２０によってエンドシート１１Ｆとトップシート９とが接着されている部分は、本願でいう「第２の接着部」の一例である。

このように、トップシート９の肌面側にエンドシート１１Ｆ，１１Ｒを積層して、吸収体８の長手方向の端部を覆うことで、硬化した接着剤ＨＭ１０や吸収体８の長手方向の端部の段差は、トップシート９及びエンドシート１１Ｆ，１１Ｒを介して着用者の肌に当接するようになるので、着用者の腹部及び背部への肌当たりを良くすることができる。また、エンドシート１１Ｆ，１１Ｒによってコアラップシート７ｆ，７ｂ同士の接着部分が補強されるので、吸収コア８ｃからのＳＡＰの粒子の散逸をより一層防止することができる。更に、複数の接着剤ＨＭ２０の各々が互いに離隔していることで、接着剤ＨＭ１０に対応する領域を含むエンドシート１１Ｆ，１１Ｒが配置された領域において、硬化した接着剤ＨＭ２０が設けられていたとしても、接着剤ＨＭ２０間の非接着部の存在によって接着剤ＨＭ２０が設けられた部分の面積が小さくなる。また、当該非接着部では、エンドシート１１Ｆ，１１Ｒがトップシート９に対して相対的に移動可能になる。これらにより、着用者の腹部及び背部への肌当たりをより一層良くすることができる。

更に、本変形例でも、吸収体８の非肌面側には、外装シートを構成するカバーシート４とインナーカバーシート５との間には、糸ゴム４Ｆ１，４Ｒ１，４Ｆ２，４Ｒ２，４Ｆ３，４Ｒ３が設けられている。

前述したように、ウェストギャザー３Ｒを構成する糸ゴム４Ｆ２，４Ｒ２の一部の付勢力により、吸収体８の長手方向の端部は非装着状態では幅方向に収縮するように付勢される。これにより、吸収体８の長手方向の端部、特に吸収コア８ｃの長手方向の端部に皺（
凹凸）が形成されて、トップシート９及びエンドシート１１Ｆ，１１Ｒを介して着用者の肌に当接する部分を少なくすることができるので、着用者の腹部及び背部への肌当たりを良くすることができる。また、吸収体８のうち、吸収コア８ｃは、コアラップシート７ｆ，７ｂと比べると肉厚で剛性が高いので、皺の凹凸が大きくなり、接着剤ＨＭ１０が設けられた吸収体８の長手方向の端部を着用者の肌に当接し難くすることができる。

［作用・効果］
上記のようなおむつ１によれば、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢの長手方向の先端は、図５に示されるように同方向において吸収コア８ｃおよびコアラップシート７の端部を超えて延在し、トップシート９と接着される。よって、図７（Ａ）、図７（Ｂ）、図８に示されるように吸収体８の長手方向の端部には糸ゴム４Ｆ２が重なっているが、糸ゴム４Ｆ２による収縮力に対して、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢに含まれるトップシート９およびサイドシート１０Ｌ，１０Ｒが一体となって抗することができる。よって、吸収体８の長手方向の端部に糸ゴム４Ｆ２による収縮力が伝達されることは抑制される。よって、吸収コア８ｃの変形は抑制される。

また、上記のようなおむつ１によれば、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢが上層コアラップシート７ｆの長手方向の端部と重なっている。そして、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢにおいて、トップシート９と上層コアラップシート７ｆとは接着されている。また、図７（Ａ）、図７（Ｂ）、図８に示されるように、上層コアラップシート７ｆと下層コアラップシート７ｂとは、長手方向端部において吸収コア８ｃが存在しない領域においてＨＭ１、ＨＭ２、ＨＭ１０により接着され剛性を上げている。よって、上層コアラップシート７ｆおよび下層コアラップシート７ｂに糸ゴム４Ｆ２の収縮力が伝達されることは抑制される。よって、上層コアラップシート７ｆおよび下層コアラップシート７ｂにより覆われる吸収コア８ｃの変形は抑制される。

また、上記のようなおむつ１によれば、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢにおいて、上層コアラップシート７ｆと吸収コア８ｃの肌面側とは接着される。よって、吸収コア８ｃの肌面側の長手方向の端部は、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢに含まれるトップシート９およびサイドシート１０Ｌ，１０Ｒと一体となって糸ゴム４Ｆ２の収縮力に抗することができる。よって、吸収コア８ｃの肌面側の長手方向の端部が変形することは抑制される。

また、上記のようなおむつ１によれば、バックシート６が下層コアラップシート７ｂの非肌面側に接着されて積層されている。よって、バックシート６と吸収体８とが一体となることで剛性が向上し、吸収体８の変形は抑制される。

また、上記のようなおむつ１によれば、トップシート９において液透過性領域は、例えば長手方向に４７０ｍｍ以上にわたって設けられている。よって、通常のインナーパッドの長手方向の長さよりも長く液透過性領域が設けられることになる。よって、仮にインナーパッドの長手方向の端部から排出液が溢れた場合であっても、溢れた排出液はトップシート９の液透過性領域に吸収される。そして、排出液は、長手方向の端部の変形が抑制された吸収コア８ｃに吸収される。よって、おむつ１から排出液が漏出することは抑制される。

また、上記のようなおむつ１によれば、図５に示されるように吸収体８の幅方向の端部に低目付領域２２Ｌ，２２Ｒが位置する。よって、着用者がおむつ１を着用した場合、吸収体８の幅方向の端部側が着用者の肌面に沿いやすくなる。よって、低目付領域２２Ｌ，２２Ｒの夫々に端部が貼り付けられたサイドシート１０Ｌ，１０Ｒも外側が肌面に近づくことになる。そして、この状態で糸ゴム１０Ｌ１，１０Ｒ１の収縮力で長手方向に引き寄せられ、立体ギャザー３ＢＬ，３ＢＲが形成される。よって、着用者の肌と立体ギャザー
３ＢＬ，３ＢＲとの間に隙間が生じ、該隙間から排出物が漏出することは抑制される。

また、上記のようなおむつ１によれば、トップシート９とサイドシート１０Ｌ，１０Ｒとの接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢの剛性が向上している。よって、吸収体８の配置場所よりも長手方向の端部側の糸ゴム（例えば４Ｆ１等）が収縮した場合であっても、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢが糸ゴムによる収縮力に対して抗することになる。よって、該収縮力が吸収コア８ｃの長手方向の端部に作用することは抑制される。よって、吸収体８の型崩れは防止される。また、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢが糸ゴムによる収縮力に対して抗することで、立体ギャザー３ＢＬ，３ＢＲの長手方向の端部が縒れることは抑制される。よって、立体ギャザー３ＢＬ，３ＢＲが着用者の肌と面接触する領域が減少することは抑制される。よって、着用者の肌と立体ギャザー３ＢＬ，３ＢＲとの間に隙間が生じ、該隙間から排出物が漏出することは抑制される。

また、上記のようなおむつ１によれば、図７（Ａ）、図７（Ｂ）、図８に示されるようにタミーギャザー１２を形成する糸ゴム４Ｆ２のうちの一部が、吸収コア８ｃの長手方向端部と厚み方向において重なる領域に配置されている。

また、上記のようなおむつ１によれば、図５に示されるように、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢは低目付領域２２Ｌ，２２Ｒの一部と重なるように低目付領域２２Ｌ，２２Ｒの幅方向の端部に設けられている。よって、幅方向においては、高目付領域２１と接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢとの間に挟まれるように、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢと重なっていない低目付領域２２Ｌ，２２Ｒが存在することになる。よって、タミーギャザーを形成する糸ゴム４Ｆ２が収縮すると、まず高目付領域２１では剛性が向上しているため収縮力に抗して形状を維持できる。一方、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢと重なっていない低目付領域２２Ｌ，２２Ｒでは、収縮力に抗することができずに高目付領域２１に対して折れ曲がることになる。しかし、このように折れ曲がった低目付領域２２Ｌ，２２Ｒよりもさらに幅方向端部にある接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢでは、剛性が向上しているため略平面状を維持する。よって、高目付領域２１および接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢが糸ゴム４Ｆ２の収縮力に抗することで吸収コア８ｃの長手方向の端部が潰れて硬化することは抑制される。また、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢと重なっていない低目付領域２２Ｌ，２２Ｒが折れ曲がることで吸収体８が着用者の肌の曲線に沿って折れ曲がることを可能にする。

ところで、糸ゴム４Ｆ２の収縮力が作用することにより吸収コア８ｃの長手方向の端部が潰れて硬化することを抑制するために、吸収体８の長手方向のサイズを縮小する、あるいは糸ゴム４Ｆ２の長手方向における配置数を削減することで、糸ゴム４Ｆ２と吸収体８とを厚み方向において重ならない構造とすることが考えられる。このような構造によれば、糸ゴム４Ｆ２の収縮力が吸収コア８ｃの長手方向の端部に伝達されることは抑制できるため、吸収コア８ｃの長手方向の端部が潰れて硬化することは抑制可能と考えられる。しかしながらこのような構造の場合、吸収性能やタミーギャザーの性能が低下することが考えられる。一方、上記のようなおむつ１によれば、このような性能低下を起こさずに糸ゴム４Ｆ２の収縮力により吸収コア８ｃの長手方向の端部が潰れて硬化することを抑制できる。

また、上記のようなおむつ１によれば、図７（Ａ）、図７（Ｂ）、図８に示されるようにトップシート９の肌面側にエンドシート１１Ｆを積層して、吸収体８の長手方向端部を覆うことで、硬化した接着剤ＨＭ１、ＨＭ２、ＨＭ１０や吸収体８の長手方向端部の段差は、トップシート９及びエンドシート１１Ｆを介して着用者の肌に当接するようになるので、着用者の腹部及び背部への肌当たりを良くすることができる。また、エンドシート１１Ｆによって上層コアラップシート７ｆと下層コアラップシート７ｂの接着部分が補強されるので、吸収コア８ｃからのＳＡＰの粒子の散逸をより一層防止することができる。更
に、複数の接着剤ＨＭ３、ＨＭ２０の各々が互いに離隔していることで、接着剤ＨＭ１、ＨＭ２、ＨＭ１０に対応する領域を含むエンドシート１１Ｆが配置された領域において、硬化した接着剤ＨＭ３、ＨＭ２０が設けられていたとしても、接着剤ＨＭ３、ＨＭ２０間の非接着部の存在によって接着剤ＨＭ３、ＨＭ２０が設けられた部分の面積が小さくなる。また、当該非接着部では、エンドシート１１Ｆがトップシート９に対して相対的に移動可能になる。これらにより、着用者の腹部及び背部への肌当たりをより一層良くすることができる。また、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢの硬さが着用者の肌に伝達されることは緩和される。

［その他の変形例］
図５に示されるように、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢは幅方向において低目付領域２２Ｌ，２２Ｒの幅方向の端部に設けられているが、低目付領域２２Ｌ，２２Ｒの幅方向の端部以外の領域に設けられてもよい。また、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢの幅は、低目付領域２２Ｌ，２２Ｒの幅と同等もしくは広くともよい。また、高目付領域２４の幅は長手方向に略等しくなくともよい。なお、吸収コア８ｃが全体にわたって一様な目付量の場合には、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢが低目付領域とならないことは勿論のことである。また、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢにおいてサイドシート１０Ｌ，１０Ｒとトップシート９とは、接着剤以外の固定方法（溶着等）で固定されてもよい。また、複数の接着剤ＨＭ２０の各々は、長手方向に間隔を空けずに連続して配置されてもよい。また、糸ゴム４Ｆ２と吸収コア８ｃおよびコアラップシート７とは積層されていなくともよい。また、吸収コア８ｃと糸ゴム４Ｆ２とは厚み方向において重なるが、コアラップシート７の長手方向の端部と４Ｆ２等の糸ゴムとは厚み方向において重なっていなくともよい。また、エンドシート１１Ｆ、１１Ｒは設けられていなくともよい。また、上層コアラップシート７ｆと下層コアラップシート７ｂとは、吸収コア８ｃの長手方向の端部を先端側に越えるように設けられていなくともよい。また、コアラップシート７と接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢとは重なっていなくともよい。また、コアラップシート７の非肌面側にバックシート６は積層されていなくともよい。また、バックシート６は、吸収体８の幅方向の端部において非肌面側から側面を介して肌面側に折り返されていなくともよい。また、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢにおいて、積層された前記トップシート９から前記吸収コア８ｃまでの層のうち、隣接する何れか一つの層間が非接着であってもよい。また、トップシート９における透水性領域の長手方向の寸法は４７０ｍｍ未満であってもよい。

［実施形態２］
次に、実施形態２に係るおむつ１について説明する。図９は、展開された状態のおむつ１の前身頃領域１Ｆを肌面側から見た場合の部分拡大図の一例である。なお、図９は前身頃領域１Ｆについての図であるが、後身頃領域１Ｒにおいても同様の構成である。また、図９では、エンドシート１１Ｆの記載は省略されている。なお、上述した実施形態１の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略する。

上述の通り、立体ギャザー３ＢＬ，３ＢＲは、サイドシート１０Ｌ，１０Ｒ（本開示の「防漏シート」の一例）とサイドシート１０Ｌ，１０Ｒに伸長状態で接着された糸ゴム１０Ｌ１，１０Ｒ１（本開示の「第２伸縮性部材」）とによって形成されている。立体ギャザー３ＢＬ，３ＢＲは、糸ゴム１０Ｌ１，１０Ｒ１が収縮することによってサイドシート１０Ｌ，１０Ｒの一部が折り返し線１０Ｌ２，１０Ｒ２（図２参照）から立ち上がるように形成されている。

ここで、図９において、糸ゴム１０Ｌ１，１０Ｒ１の伸縮範囲をそれぞれ３０Ｌ，３０Ｒで表す。なお、伸縮範囲３０Ｌ、３０Ｒは図９のように股下領域側で途切れずに後身頃領域まで延在している。図９に示すように、伸縮範囲３０Ｌ、３０Ｒと接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢとは、厚み方向で重なっていない。仮に、立体ギャザーを形成する糸ゴムの伸
縮範囲が接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢと厚み方向で重なっていると、糸ゴムの収縮力がトップシートを介して吸収コアに作用し、この収縮力によって吸収コアが変形する虞がある。吸収コアの変形は、吸収体と肌との密着性を低下させて尿漏れの原因となったり、肌当たりを悪くして着用感の低下を生じる原因となったりする。そこで、本実施形態に係るおむつ１は、伸縮範囲３０Ｌ、３０Ｒと接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢとを厚み方向で重ならないように構成されていることで、吸収コア８ｃの変形を抑制し、以て、尿漏れや着用感の低下を抑制することができる。なお、伸縮範囲３０Ｌ、３０Ｒは、糸ゴム１０Ｌ１，１０Ｒ１の配置範囲や、糸ゴム１０Ｌ１，１０Ｒ１のサイドシート１０Ｌ，１０Ｒに対する接着端部によって規定することができる。

また、おむつ１の外表面を形成する外装シートは、カバーシート４とインナーカバーシート５とで構成されている。本実施形態では、インナーカバーシート５とバックシート６とを接着する複数の接着剤ＨＭ５が塗布されている。インナーカバーシート５とバックシート６とが接着されることによって、インナーカバーシート５と吸収体８がバックシート６を介して接着されている。なお、複数の接着剤ＨＭ５によって形成される接着部は、本開示の「複数の第３の接着部」の一例である。

複数の接着剤ＨＭ５は、おむつ１の幅方向に沿って塗布されており、また、互いに離間して塗布されている。これにより、接着剤ＨＭ５によって形成される接着部が幅方向に延在して互いに離間して設けられる。

図９に示されるように、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢと複数の接着剤ＨＭ５の一部とは、厚み方向で重なりかつ直交している。本実施形態に係るおむつ１によれば、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢと接着剤ＨＭ５を重ねて直交させることで、吸収コア８ｃに対して作用する糸ゴム４Ｆ２による収縮力に対して効果的に抗し、吸収コア８ｃの変形を抑制することができる。なお、図９では、接着領域１０ＬＢ，１０ＲＢの周囲に配置された接着剤ＨＭ５の一部のみを図示しているが、接着剤ＨＭ５は、股下領域側にも設けられている。

また、コアラップシート７は、吸収コア８ｃよりもおむつ１の長手方向の先端側を含んで配置されている。ここで、複数の糸ゴム４Ｆ２の一部は、吸収コア８ｃよりもおむつ１の長手方向の先端側でコアラップシート７と厚み方向において重なる領域に設けられている。コアラップシート７と厚み方向において重なる糸ゴム４Ｆ２と複数の接着剤ＨＭ５の一部とは、幅方向の全域で厚み方向に重なっている。コアラップシート７の先端側には吸収コア８ｃは存在しないが、仮に、コアラップシート７の先端側に糸ゴム４Ｆ２の収縮力が作用するとその収縮力がコアラップシート７を介して吸収コア８ｃに伝わり、吸収コア８ｃが変形するのは好ましくない。本実施形態に係るおむつ１では、コアラップシート７の先端側に重なる糸ゴム４Ｆ２と、接着剤ＨＭ５を幅方向で重ねることで、コアラップシート７の先端側に対して作用する糸ゴム４Ｆ２による収縮力に対して効果的に抗し、吸収コア８ｃの変形を抑制することができる。

［実施形態３］
次に、実施形態３に係るおむつ１について説明する。図１０は、実施形態３に係るおむつを展開及び伸長した状態の平面図である。なお、上述した実施形態１の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略する。

糸ゴム４Ｆ３（本開示の「第２の伸縮性部材」の一例）が股下領域１Ｂを横切る部位（以下、当該部位を「糸ゴム４Ｆ３の横断部」と称する場合がある）では、インナーカバーシート５と吸収体８とは非接着とされる（非接着領域１５とする）。実際には、非接着領域１５においては、インナーカバーシート５とバックシート６が非接着とされている。本実施形態では、糸ゴム４Ｆ３と吸収体８とが重なる股下領域１Ｂの重なり領域の全域に非
接着領域１５が設けられている。図１０では、非接着領域１５を塗りつぶして図示している。なお、非接着領域１５は、バックシート６の幅方向の全域に設けられている。

非接着領域１５は、糸ゴム４Ｆ３の横断部よりも前身頃領域１Ｆ側および後身頃領域１Ｒ側に延在している。また、図１０に示されるように、糸ゴム４Ｆ３は、吸収体８よりもおむつ１の幅方向外側において、おむつ１の長手方向の成分を有する。ここで、長手方向の成分とは、おむつ１の長手方向に沿って延在および伸縮する成分のことであり、糸ゴム４Ｆ３が当該長手方向に対して斜めに延在していても糸ゴム４Ｆ３は長手方向の成分を有する。

非接着領域１５が糸ゴム４Ｆ３の延在領域の前身頃領域１Ｆ側を含んで形成されており、さらに、糸ゴム４Ｆ３が吸収体８を横断する部位の幅方向外側ではおむつ１の長手方向に伸縮する成分を有する。このため、非接着領域１５における外装シート（カバーシート４およびインナーカバーシート５）は、糸ゴム４Ｆ３によって前身頃領域１Ｆ側に引っ張られ、この外装シートによって吸収体８を含む内装体も前身頃領域１Ｆ側に引き上げられる。この構成を備えるおむつ１は、非接着領域１５の肌面側の吸収体８が前身頃領域１Ｆ側に引き上げられることによって、着用者の肌面から当該吸収体８が離れるのを抑制できる。なお、非接着領域１５は、糸ゴム４Ｆ３の延在領域よりも前身頃領域１Ｆ側を含んで形成されていれば、糸ゴム４Ｆ３によって前身頃領域１Ｆ側に引っ張られ、吸収体８を含む内装体も前身頃領域１Ｆ側に引き上げることができる。

ここで、おむつ１の着用者が女性である場合について説明する。女性がおむつ１を着用した場合、尿道口が概ね糸ゴム４Ｆ３の横断部に位置するように設計されている。このため、糸ゴム４Ｆ３の横断部は、女性着用者の尿道口に対応する領域を含んでいる。前述の通り、糸ゴム４Ｆ３によって非接着領域１５上の外装シートおよび吸収体８を含む内装体を前身頃領域１Ｆ側に引き上げることで、吸収体８を女性の尿道口に近づけ、尿道口から排尿される尿が吸収体８に浸入しやすくなる。これによって、おむつ１は、尿の漏れを抑制することができる。

次に、おむつ１の着用者が男性である場合について説明する。男性がおむつ１を着用した場合に、糸ゴム４Ｆ３の横断部は、男性の陰茎（男性器）の位置よりも股下領域１Ｂ側であるように設計されている。言い換えると、男性の陰茎は、糸ゴム４Ｆ３の横断部よりも前身頃領域１Ｆ側に位置する。このように、糸ゴム４Ｆ３の横断部は、陰茎に対応する領域よりも股下領域１Ｂ側である。おむつ１は、糸ゴム４Ｆ３によって非接着領域１５上の外装シートおよび吸収体８を含む内装体を前身頃領域１Ｆ側に引き上げることで、吸収体８を睾丸の後ろ側に押し当て、陰茎に対応する領域に陰茎を保持する空間を形成することができる。男性着用者は陰茎の尿道口から排尿するため、おむつ１は、陰茎を保持することで、排尿方向を制御し、尿の漏れを抑制することができる。

また、男性がおむつ１を着用した場合、睾丸が概ね糸ゴム４Ｆ３が股下領域１Ｂを横切る部位に位置するように設計されている。このため、糸ゴム４Ｆ３が股下領域１Ｂを横切る部位は、男性着用者の睾丸に対応する領域を含んでいる。睾丸の膨らみに沿って吸収体８も膨らむが、糸ゴム４Ｆ３によって吸収体８を持ち上げることで、睾丸を保持することができる。また、睾丸の位置がずれたり、着用者によっておむつ１に対する睾丸の位置が異なっていたりしても、非接着領域１５が設けられていることで、睾丸に対する糸ゴム４Ｆ３の横断部の相対位置を移動させることができ、糸ゴム４Ｆ３によって睾丸が位置する部位の吸収体８を持ち上げることで睾丸を保持することができる。

また、おむつ１は、非接着領域１５を設けたことによって、糸ゴム４Ｆ３の横断部で吸収体８が収縮するのを抑制することができる。仮に、吸収体が収縮して着用者の肌に当た
ると、着用者に違和感与え着用感が低下する。本実施形態に係るおむつ１は、吸収体８が収縮するのを抑制することで着用感の低下を抑制できる。また、吸収体は、尿の吸収後に収縮するとパルプが崩れる虞がある。本実施形態に係るおむつ１は、吸収体８が収縮するのを抑制することで吸収体８の型崩れを抑制できる。

また、おむつ１は、着用者の陰茎に対応する領域よりも前身頃領域１Ｆ側に配置された糸ゴム４Ｆ２（本開示の「伸縮性部材」の一例）を備える。前述の通り、糸ゴム４Ｆ２は、おむつ１の幅方向に伸縮し、その股下領域１Ｂ側の一部において吸収体８と重畳している。このため、糸ゴム４Ｆ２は、おむつ１の着用状態において吸収体８を幅方向に引っ張る。具体的には、糸ゴム４Ｆ２は、おむつ１の着用状態において吸収体８の前身頃領域１Ｆ側の端部を幅方向に引っ張る。これにより、吸収体８の前身頃領域１Ｆ側が男性の陰茎を保持する空間の前側縁を形成することになる。なお、本実施形態では、糸ゴム４Ｆ２によって吸収体８を幅方向に引っ張っているが、別途糸ゴムを設けてもよい。この糸ゴムを吸収体８に直接的に接着してもよいし、この糸ゴムを外装シートに接着してもよい。

男性の陰茎を保持する空間の前側の縁の肌面側にエンドシート１１Ｆが配置されている。エンドシート１１Ｆの股下領域側は、上述の図７（Ａ）、（Ｂ）に示されるように、トップシート９に接合されておらず自由端となっている。糸ゴム４Ｆ２が収縮することでエンドシート１１Ｆの自由端側が肌面側に付勢される。これにより、おむつ１は、男性の陰茎を保持する空間の前側の縁から尿が漏れるのをエンドシート１１Ｆの自由端によって防ぐことができる。

また、複数本（例えば、３本）の糸ゴム４Ｆ７が伸長状態でおむつ１の長手方向に沿って設けられている。糸ゴム４Ｆ７は、前身頃領域１Ｆから股下領域１Ｂにかけて長手方向に伸長した状態でバックシート６とコアラップシート７との間の幅方向中央部に設けられる。なお、糸ゴム４Ｆ７は、バックシート６を介して吸収体８と接合されているが、外装シートに接着され、外装シートおよびバックシート６を介して吸収体８と接合されていてもよい。ここで、糸ゴム４Ｆ７の前身頃領域１Ｆ側の端部は、糸ゴム４Ｆ２の配置領域よりも股下領域１Ｂ側である。陰茎を保持する空間の前側の縁を糸ゴム４Ｆ７で収縮してつぶすことがないように、糸ゴム４Ｆ７を糸ゴム４Ｆ２の配置領域まで延在させていない。本実施形態に係るおむつ１は、陰茎を保持する空間を良好に維持することができる。

また、股下領域１Ｂにおいて左右の糸ゴム４Ｒ３が対向する間の領域は、着用者の肛門に対応する肛門対応領域４５となる。図１０では、肛門対応領域４５を点線で囲んで図示している。糸ゴム４Ｒ３は、おむつ１の幅方向の中央部において両側の糸ゴム４Ｒ３が繋がっていないので、当該幅方向の中央部において伸縮力を有さない。言い換えると、糸ゴム４Ｒ３は、肛門対応領域４５までは延在せず、糸ゴム４Ｒ３の収縮力によって肛門対応領域４５が外側に引っ張られるので、肛門対応領域４５をより肌面から離すことができる。これにより、おむつ１は、肛門対応領域４５において、便を収容する便収容空間を形成することができる。おむつ１は、便収容空間を形成することで、便が着用者の肌に密着したり、臀部の臀裂に便が入り込んだりすることで生じる着用感の低下を抑制することができる。

便収容空間の後ろ側の肌面側にエンドシート１１Ｒが配置されている。エンドシート１１Ｒの股下領域側は、図７（Ａ）、（Ｂ）に示されるように、トップシート９に接合されておらず自由端となっている。糸ゴム４Ｒ２が収縮することでエンドシート１１Ｒの自由端側が肌面側に付勢される。これにより、おむつ１は、便収容空間の後側から便が漏れるのをエンドシート１１Ｒの自由端によって防ぐことができる。

また、図１０に示されるように、吸収体８は、糸ゴム４Ｆ７を囲むように線状に圧搾さ
れており、図１０ではライン１４（「高剛性部」の一例）として表示される。ライン１４は、股下領域１Ｂ側の端部では幅方向に設けられる。また、ライン１４は、前身頃領域１Ｆ側の端部では、幅方向の外側に折れ曲がっている。なお、このような吸収体８の圧搾は、例えばローラによってエンボス加工されることで実現される。吸収体８は、非接着領域１５においておむつ１の長手方向に沿って延在するライン１４を有する。なお、ライン１４以外にも、パルプの目付を高くしたり、資材を多く積層したり、ホットメルト接着剤を塗布することによって高剛性部を設けてもよい。

［実施形態４］
次に、実施形態４に係るおむつ１について説明する。図１１は、実施形態４に係るおむつを展開及び伸長した状態の平面図である。なお、上述した実施形態１の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略する。

本実施形態では、吸収体８は複数のマットを有する。吸収体８は、複数のマットからなる吸収コア８ｃと、吸収コア８ｃを包み込むコアラップシート７とを有する。なお、本実施形態では、図１１に示されるように吸収コア８ｃは上層吸収マット８ａと下層吸収マット８ｂを有する。上層吸収マット８ａは、括れ部を有する略砂時計型であり、下層吸収マット８ｂは矩形状である。また、下層吸収マット８ｂの幅は、上層吸収マット８ａの括れ部の幅と略同一である。このように、吸収マットを２層積層して吸収コア８ｃを形成してもよい。

図１３は、実施形態４に係るおむつの断面図である。吸収コア８ｃのうち着用者の肌面側は平坦であり、高目付部は非肌面側の目付量を増加させることにより形成される。また、高目付部は、吸収コア８ｃの腹側端部から背側端部に至るまで、同幅で延在している。高目付部は、その延在部分全域に渡って、長手方向においては同じ目付で延在している。高目付部および低目付部をこのように形成することにより、高目付部と低目付部の境界に起因する段差が肌面側に出現し、当該段差が着用者に違和感を与えるのを抑制することができる。このような特徴を備える吸収コア８ｃは、例えば砂時計型の上層吸収マット８ａと、その括れ部分以下の幅を有する短冊型の下層吸収マット８ｂとを積層することにより実現できる。

本図では、吸収コア８ｃは、透水性のコアラップシート７に包まれている。更に、コアラップシート７は、着用時に着用者の肌面側に位置する上層コアラップシート７ｆと、着用時に着用者の非肌面側に位置する下層コアラップシート７ｂとに分かれている。上層コアラップシート７ｆは、上層吸収マット８ａと接着されている。下層コアラップシート７ｂは、下層吸収マット８ｂと接着されている。しかし、上層吸収マット８ａの非肌面側に沿うように下層コアラップシート７ｂは設けられていない。つまり、上層吸収マット８ａの非肌面側と下層コアラップシート７ｂとは非接着である。このため、吸収体８において、下層吸収マット８ｂの幅方向端部の更に外側であって、上層吸収マット８ａが延在している場所には、下層コアラップシート７ｂとの間に導流孔８ｓが形成される。なお、厚み方向において導流孔８ｓと重なる非肌面側領域には、糸ゴム４Ｆ２、４Ｒ２が配置されている。また、上層吸収マット８ａおよび下層コアラップシート７ｂは、本開示の「所定層」の一例である。

又は、下層コアラップシート７ｂと、上層吸収マット８ａは、剥離しやすい接着剤で接着されていてもよい。具体例としては、下層コアラップシート７ｂと下層吸収マット８ｂとを接着する接着剤の幅を、下層吸収マット８ｂの幅よりも幅広にし、その接着剤の端部のみが上層吸収マット８ａの非肌面側と接着するようにしてよい。

当該接着剤により接着された下層コアラップシート７ｂと上層吸収マット８ａとは、下
層吸収マット８ｂが吸水して膨張した場合、または、下層コアラップシート７ｂと、上層吸収マット８ａとの間に排出液が流入した場合に剥離し、その結果として下層コアラップシート７ｂと上層吸収マット８ａとの間に導流孔８ｓを形成する。ところで、おむつ１が吸水しておらず、導流孔８ｓが必要ない場合にも導流孔８ｓを形成していると、導流孔８ｓが吸収コア８ｃの型崩れの原因になり得る。しかしながら上記のように吸収コア８ｃが吸水した場合にのみ導流孔８ｓを形成するようにすれば、必要となる場合にのみ導流孔８ｓを形成できる。

また、おむつ１は、糸ゴム４Ｆ２よりも肌面側に積層され、上層吸収マット８ａの非肌面側と下層コアラップシート７ｂとは非接着である非接着領域を備える。よって、糸ゴム４Ｆ２の収縮力が吸収コア８ｃに直接伝達されることは抑制される。よって、吸収コア８ｃが収縮することは抑制される。よって、吸収コア８ｃの端部の型崩れは防止される。また、上層吸収マット８ａの非肌面側と下層コアラップシート７ｂの当該非接着領域が接着剤により硬化することは抑制される。よって、当該非接着領域と重なるカバーシート４の部分を非肌面側から触った場合であっても肌触り感の低下は抑制される。また、当該非接着領域の硬化が防止されるため、当該非接着領域と厚み方向において重なるトップシート９の部分を、高目付領域２１に対して肌側に起立させることは容易となる。なお、非接着領域は、上層吸収マット８ａの非肌面側と下層コアラップシート７ｂとの間の部分に限らず、吸収コア８ｃと糸ゴム４Ｆ２との間の層間部分であってもよい。

以上で開示した実施形態や変形例は、それぞれ組み合わせることができる。

１Ｂ ：股下領域
１Ｆ ：前身頃領域
１Ｒ ：後身頃領域
２Ｌ ：左下肢開口部
２Ｒ ：右下肢開口部
２Ｔ ：胴開口部
３ＢＬ、３ＢＲ：立体ギャザー
３ＬＬ、３ＬＲ：レグギャザー
３Ｒ ：ウェストギャザー
４ ：カバーシート
４Ｆ１、４Ｆ２、４Ｆ３、４Ｒ１、４Ｒ２、４Ｒ３：糸ゴム
４Ｆ４、４Ｆ５、４Ｒ４、４Ｒ５ ：縁
４ＦＦ、４ＲＦ ：折り返し線
５ ：インナーカバーシート
６ ：バックシート
７ ：コアラップシート
８ ：吸収体
８ａ ：上層吸収マット
８ｂ ：下層吸収マット
８ｃ ：吸収コア
８ｓ ：導流孔
９ ：トップシート
１０Ｌ ：サイドシート
１０Ｌ１ ：糸ゴム
１０Ｌ２ ：折り返し線
１０ＬＢ ：接着領域
１０Ｒ ：サイドシート
１０Ｒ１ ：糸ゴム
１０Ｒ２ ：折り返し線
１０ＲＢ ：接着領域
１５ ：非接着領域
１１Ｆ、１１Ｒ ：エンドシート
２１ ：高目付領域
２２Ｌ ：低目付領域
２２Ｒ ：低目付領域
ＨＭ１、ＨＭ２、ＨＭ３、ＨＭ５、ＨＭ１０、ＨＭ２０：接着剤

Claims (18)

1. 長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った長さとを有する吸収性物品であって、
   着用者の排出液を吸収可能な吸収コアと、前記吸収コアを覆う透水性シートと、を有する吸収体と、
   前記吸収体の肌面側に設けられた透水領域を有するトップシートと、
   前記吸収コアの前記幅方向の端部と重なる領域内の前記トップシートに、前記長手方向に延在するように設けられる立体ギャザーと、
   前記吸収コアの前記長手方向の端部に、前記立体ギャザーの前記長手方向の端部と前記トップシートとが接着される第１の接着部と、
   を備え、
   前記第１の接着部の前記長手方向の先端は、前記吸収コアの前記長手方向の先端よりも前記長手方向の先端側に設けられる、
   吸収性物品。
2. 前記透水性シートは、前記吸収コアの前記長手方向の先端よりも前記長手方向の先端側において前記吸収コアを覆い、
   前記透水性シートの前記長手方向の端部と前記第１の接着部の前記長手方向の端部とは厚み方向において重なるように設けられる、
   請求項１に記載の吸収性物品。
3. 前記透水性シートの非肌面に重なるように接着される非透水性シートを更に備える、
   請求項１又は２に記載の吸収性物品。
4. 前記非透水性シートは、前記吸収体の前記幅方向の端部において非肌面側から肌面側に折り返される、
   請求項３に記載の吸収性物品。
5. 厚み方向において前記吸収コアの前記長手方向の端部から前記第１の接着部の前記長手方向の端部までは、各層において接着される、
   請求項１又は２に記載の吸収性物品。
6. 前記吸収コアと厚み方向において重なる領域および／または前記吸収コアよりも前記長手方向の先端側の前記吸収体の端部と厚み方向において重なる領域に、前記幅方向に伸縮可能に設けられる伸縮性部材と、
   前記吸収コアと前記伸縮性部材との間に積層された所定層と、を更に備え、
   前記伸縮性部材と前記吸収コアとが重なる領域において、前記所定層同士は非接着である、
   請求項１又は２に記載の吸収性物品。
7. 前記透水性シートの前記長手方向の端部における前記吸収コアが存しない領域において、肌面側の前記透水性シートと非肌面側の前記透水性シートとが接着される、
   請求項１又は２項に記載の吸収性物品。
8. 前記トップシートにおける前記透水領域の前記長手方向の寸法は、４７０ｍｍ以上である、
   請求項１又は２に記載の吸収性物品。
9. 前記吸収体は、前記長手方向の端部において、前記幅方向の中央部に高目付部と、前記
   幅方向の端部に低目付部と、を有し、
   前記吸収性物品を平面視した場合に前記低目付部と重なる前記トップシートの重なり部分に、前記立体ギャザーの前記長手方向の端部が設けられる、
   請求項１又は２に記載の吸収性物品。
10. 前記第１の接着部の幅は、前記低目付部の幅よりも狭い、
    請求項９に記載の吸収性物品。
11. 前記高目付部は、前記長手方向に略等しい幅で延在する、
    請求項９に記載の吸収性物品。
12. 前記立体ギャザーの前記長手方向の端部の肌面側には、端部シートが設けられる、
    請求項１又は２に記載の吸収性物品。
13. 前記端部シートと該端部シートよりも非肌面側のシート状部材とが接着される複数の第２の接着部であって、互いに離間した離間部を設けて配置された複数の第２の接着部を更に備える、
    請求項１２に記載の吸収性物品。
14. 前記立体ギャザーは、防漏シートと前記防漏シートに伸長状態で接着された第２伸縮性部材とによって形成されており、
    前記第２伸縮性部材の伸縮範囲と前記第１の接着部の範囲とは、厚み方向において重ならない、
    請求項１又は２に記載の吸収性物品。
15. 前記吸収体よりも非肌面側に配置され、外装面を形成する外装シートと、
    前記吸収体と前記外装シートとを接着する複数の第３の接着部であって、前記幅方向に延在して互いに離間して設けられた複数の第３の接着部と、
    を備え、
    前記第１の接着部と前記複数の第３の接着部の一部とは、厚み方向で重なりかつ直交する、
    請求項１又は２に記載の吸収性物品。
16. 前記吸収コアよりも前記長手方向の先端側で前記透水性シートと厚み方向において重なる領域に設けられ、前記幅方向に伸縮可能な伸縮性部材を備え、
    前記伸縮性部材と前記複数の第３の接着部の一部とは、前記幅方向で厚み方向に重なる、
    請求項１５に記載の吸収性物品。
17. 前記吸収体よりも非肌面側に配置され、外装面を形成する外装シートを備え、
    前記外装シートは、前記着用者の腹囲を挿通可能な胴回り開口部と、前記着用者の脚を挿通可能な二つの脚回り開口部と、を形成し、
    前記吸収性物品は、一方の前記脚回り開口部に沿い、股下部を横切るように設けられ、他方の前記脚回り開口部に沿うように延在する第２の伸縮性部材を備え、
    前記着用者が男性である場合に、前記第２の伸縮性部材が前記股下部を横切る部位は、陰茎に対応する領域よりも前記股下部側であり、
    前記陰茎に対応する領域よりも前身頃領域側に配置された伸縮性部材を備え、
    前記伸縮性部材は、前記幅方向に伸縮し、着用状態において前記吸収体を前記幅方向に引っ張る、
    請求項１又は２に記載の吸収性物品。
18. 前記着用者の肛門に対応する領域において、便を収容する便収容空間を形成する、
    請求項１又は２に記載の吸収性物品。

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